JP2015032798A - 窒化物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

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晃平 三好
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政志 月原
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Tetsuya Takeuchi
哲也 竹内
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Abstract

【課題】ITOやNiといった材料で形成されるコンタクト電極を用いることなく、従来の窒化物半導体発光素子と同等のコンタクト特性を有する窒化物半導体発光素子を実現する。【解決手段】 n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層との間に発光層を有する窒化物半導体発光素子において、p型窒化物半導体層に接触して、p型窒化物半導体層よりも高濃度でMgがドープされた窒化物半導体層で構成された第1コンタクト層と、第1コンタクト層に接触して、第1コンタクト層よりも低濃度でZnがドープされた、AlXGaYInZN(0≰X≰1、0≰Y≰1、0≰Z≰1、X+Y+Z=1)で構成された第2コンタクト層を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層との間に発光層を有してなる窒化物半導体発光素子の製造方法に関する。
窒化物半導体を用いた発光素子は、用いる材料に応じて発光波長を制御できることから、現在、多様な分野に利用されており、またその研究開発も盛んに行われているところである(例えば、特許文献1参照)。
従来の窒化物半導体発光素子は、Mgをオーバードープしたp側コンタクト層、Mgをドープしたp型窒化物半導体層、発光層及びSiをドープしたn型窒化物半導体層を順次積層した構成を有している。
特開2007−59830号公報
従来、p側コンタクト層は、その上層に形成される電極とのコンタクト性を向上させてオーミック接続を実現するために、高濃度ドープがされている。より詳細には、p側コンタクト層上に縮退半導体であるITO又はNiをコンタクト電極として設け、更にこのコンタクト電極上に金属電極(Ag,Al)を設けた構成を採用している。
しかしながら、上記した従来の窒化物半導体発光素子においては、Mgを高濃度でドープしたp側コンタクト層とのコンタクトをとるために用いられる、ITO又はNiからなるコンタクト電極が、短波長の光を吸収するものであるため、短波長域の発光強度が低下するという問題があった。例えば、ITOは365nm付近に吸収端を有し、NiはITOよりも長波長側に吸収端を有するため、紫外波長域における発光強度の低下を引き起こすことが強く懸念される。
本発明は、ITOやNiといった材料で形成されるコンタクト電極を用いることなく、従来の窒化物半導体発光素子と同等のコンタクト特性を有する窒化物半導体発光素子を実現することで、紫外波長域における透過率が高い素子を実現することを目的とする。
もし、ITOやNiで形成されるコンタクト電極を設けることなく、p型コンタクト層の上層に直接金属電極を形成できれば、コンタクト電極を形成する材料による短波長の光の吸収という上記の課題が解決される。しかし、これまでの技術では、このようなコンタクト電極を設けることなく、p型コンタクト層の上層に金属電極を直接形成した場合には、良好なオーミック特性が実現できないと考えられていた。本発明者は、鋭意研究により、従来の窒化物半導体発光素子とは異なる方法でコンタクト層(半導体層)を形成することで、コンタクト電極を設けることなく、半導体層と金属電極の間の良好なコンタクト特性を示す窒化物半導体発光素子を実現するに至ったものである。
すなわち、本発明者が実現した窒化物半導体発光素子は、
n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層との間に発光層を有する窒化物半導体発光素子において、
前記p型窒化物半導体層に接触して、前記p型窒化物半導体層よりも高濃度で第1不純物材料がドープされた窒化物半導体層で構成された第1コンタクト層と、
前記第1コンタクト層に接触して、Zn、Cd、Be、Sr、Ca及びCのいずれか1種以上の第2不純物材料がドープされた、AlGaInN(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1、X+Y+Z=1)で構成された第2コンタクト層を有する構成である。
なお、第2コンタクト層を構成するAlGaInN(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1、X+Y+Z=1)は、微量の他の物質(Sbなど)が含有されていても構わない。
第2コンタクト層にドープされた第2不純物材料(Zn、Cd、Be、Sr、Ca及びCのいずれか1種以上のもの)は、p型窒化物半導体層を形成する際に一般的にドープされる材料(Mg)よりも、深い不純物準位を形成する。より詳細には、第1コンタクト層に対してドープされる第1不純物材料の活性化エネルギーよりも、第2コンタクト層に対してドープされる第2不純物材料の活性化エネルギーが高くなるように、第2不純物材料を選択すればよい。例えば、第1コンタクト層、第2コンタクト層をいずれもGaNで構成した場合、Mgの活性化エネルギーは140meVであるのに対し、Znは350meVである。
具体的な一例としては、第2不純物材料をZnとすることができる。このとき、第1不純物材料をMgとすることができる。
第2コンタクト層では、第2不純物材料による深い準位が形成されるため、有効密度以上に不純物を半導体層に添加してもイオン化されず、キャリアは価電子帯ではなく不純物の作るサイト間をホッピング伝導する。素子間に電圧を印加すると、深い準位にトラップされて移動できない電子が、電界の影響を受けてトンネル可能な準位に励起された後にトンネルホッピングすることで、第2コンタクト層内を高効率でキャリアが移動できるものと考えられる。
ホッピング伝導を実現するに際しては、第2コンタクト層に電界が与えられることが必要となる。窒化物半導体発光素子を発光させる際には、発光層に電流を流すために電圧が印加されることから、必然的に第2コンタクト層に電界が与えられる。ここで、発光層の電流電圧特性(I−V特性)によれば、初期段階の立ち上がり電圧までは電流が流れず、その電圧以上の電圧が印加されると、発光層に電流が流れ始めて発光が開始される。このとき、ホッピング伝導が実現するために必要な電界が第2コンタクト層において与えられるので、発光層に必要な電流を流すための駆動電圧が従来と比較して上昇するという問題は生じない。
この構成によれば、コンタクト電極を有することなく、ITOやNiで形成されたコンタクト電極を有する従来構成と同等のコンタクト特性が実現される。このため、第2コンタクト層に接触して金属電極を形成することができるので、短波長域の発光強度が低下するという従来の窒化物半導体発光素子の課題が解消する。
更に、本発明者の鋭意研究により、上記構成の窒化物半導体発光素子を製造するに際し、第2コンタクト層を形成後に不活性ガス雰囲気下でアニール処理を行うことで、その後に形成される金属電極と、第2コンタクト層及び第1コンタクト層、すなわち半導体層との良好なオーミック特性が実現できることを見出した。
すなわち、本発明の窒化物半導体発光素子の製造方法は、
基板上に、n型窒化物半導体層、発光層、p型窒化物半導体層を順次積層形成する工程(a)と、
前記p型窒化物半導体層の上層に、前記p型窒化物半導体層よりも高濃度で第1不純物材料がドープされた窒化物半導体層で構成された第1コンタクト層を形成する工程(b)と、
前記第1コンタクト層の上層に、Zn、Cd、Be、Sr、Ca及びCのいずれか1種以上の第2不純物材料がドープされた、AlGaInN(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1、X+Y+Z=1)で構成された第2コンタクト層を形成する工程(c)と、
前記工程(c)の後に、不活性ガス雰囲気下でアニールする工程(d)を有することを特徴とする。
ここで、工程(d)において用いられる不活性ガスとしては、窒素が好適に用いられるが、アルゴン、ヘリウム、ネオンなどのガスを用いるものとしても構わない。
「発明を実施するための形態」の項で後述されるが、工程(c)の後に、酸素を含む雰囲気(例えば空気)下でアニールした場合、その後に金属電極を形成すると良好なオーミック特性が実現できず、ショットキー特性が示されることが分かった。これに対し、上記のように、工程(c)の後に不活性ガス雰囲気下でアニールする工程(d)を行った後に金属電極を形成することで、良好なオーミック特性が実現される。
なお、この工程(d)は、RTA(Rapid Thermal Anneal)によるアニール処理とするのが好ましい。
工程(a)〜(c)は、一般的にMOCVD装置にて実現される。工程(c)の実効時点においてはこのMOCVD装置内、すなわち炉内が高温状態となっている。そこで、工程(d)としては、この炉内にて、不活性ガス雰囲気の状態で工程(c)の後の冷却期間を利用することで炉内アニールを行うのが自然とも思われる。
しかし、本発明者の鋭意研究により、上記のような炉内アニールを行うよりも、いったんMOCVD装置から素子を取り出してRTA装置内に移動し、RTAによってアニール処理を行った方が、コンタクト特性を更に向上させる効果があることが分かった。この内容は、製造後の発光素子に対する電流電圧特性(I−V特性)を参照して後述される。
また、本発明の窒化物半導体発光素子の製造方法は、上記の特徴に加えて、
前記工程(d)の後、前記第2コンタクト層の上層に金属電極を形成する工程(e)と、
前記工程(e)の後、酸素含有雰囲気下でアニールする工程(f)を有することを別の特徴とする。
本発明者の鋭意研究により、金属電極形成後には、上記工程(d)のように不活性ガス雰囲気ではなく、酸素含有雰囲気下でアニールすることで、半導体層と金属電極の間のコンタクト性を更に向上させる効果が得られることが分かった。この内容についても、実施例を参照して後述される。
なお、工程(f)で用いられる酸素含有雰囲気は、空気の他、一定程度の酸素を含む雰囲気であればよい。
特に、金属電極としてAg又はAg合金を用いた場合に、工程(f)を酸素含有雰囲気下でアニールすることによるコンタクト性の向上効果が高いことを見出した。酸素含有雰囲気下でアニールすることで、Ag又はAg合金で形成された金属電極と第2コンタクト層との密着性が高まり、コンタクト性が向上したものと推察される。
第2コンタクト層が良好なオーミック特性を有するため、この第2コンタクト層に別途のコンタクト電極を介さずに、工程(e)のように直接金属電極を接触して形成することが可能である。特に、この金属電極として、Ag又はAg合金といった反射率の高い金属を利用することで、発光層からp型窒化物半導体層側へ放射された光を、光取り出し方向へと反射させる反射電極としての機能を実現させることができる。
特に、深紫外光用光源としての窒化物半導体発光素子を実現する場合においては、p型窒化物半導体層、第1コンタクト層、第2コンタクト層を全てAlGaInN(0<X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1、X+Y+Z=1)で形成し、金属電極をAlで構成するのが好適である。これにより、ITOやNiといった、発光波長よりも長波長側に吸収端を有する材料でコンタクト電極を形成する必要がないので、光取り出し効率の高い深紫外光用光源素子が実現できる。なお、このとき、p型窒化物半導体層、第1コンタクト層、第2コンタクト層を構成するAlGaInNの各組成比率は、必ずしも全てを共通にする必要はなく、例えば各層毎に異なる比率のものとしても構わない。
本発明によれば、ITOやNiといった材料で形成されるコンタクト電極を用いることなく、従来の窒化物半導体発光素子と同等のコンタクト特性を有する窒化物半導体発光素子が実現できる。
本発明の第1実施形態の窒化物半導体発光素子の概略構成を示す模式的な断面図である。 従来例及び比較例1の概略構成を示す模式的な断面図である。 実施例1、従来例及び比較例1の各素子における電流電圧特性を示すグラフである。 第1実施形態の窒化物半導体発光素子の工程断面図の一部である。 第1実施形態の窒化物半導体発光素子の工程断面図の一部である。 第1実施形態の窒化物半導体発光素子の工程断面図の一部である。 第1実施形態の窒化物半導体発光素子の工程断面図の一部である。 第1実施形態の窒化物半導体発光素子の工程断面図の一部である。 第1実施形態の窒化物半導体発光素子の工程断面図の一部である。 第1実施形態の窒化物半導体発光素子の工程断面図の一部である。 第1実施形態の窒化物半導体発光素子の工程断面図の一部である。 第1実施形態の窒化物半導体発光素子の工程断面図の一部である。 第1実施形態の窒化物半導体発光素子の工程断面図の一部である。 評価用素子の概略構成を示す模式的な断面図である。 評価用素子の概略構成を示す模式的な平面図である。 実施例2の評価用素子における電流電圧特性を示すグラフである。 比較例2の評価用素子における電流電圧特性を示すグラフである。 実施例3の評価用素子における電流電圧特性を示すグラフである。 実施例2及び実施例3に対応する窒化物半導体発光素子における電流電圧特性を示すグラフである。 実施例1及び実施例4に対応する窒化物半導体発光素子における電流電圧特性を示すグラフである。 本発明の第2実施形態の窒化物半導体発光素子の概略構成を示す模式断面図である。 第2実施形態の窒化物半導体発光素子の工程断面図の一部である。 第2実施形態の窒化物半導体発光素子の工程断面図の一部である。
まず、本発明が想定する窒化物半導体発光素子の構造の一例につき、図面を参照して説明した後、その製造方法につき、詳細に説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態の窒化物半導体発光素子の構造の一例につき、図1を参照して説明する。図1は窒化物半導体発光素子1の概略断面図である。なお、以下において、AlGaNという表記は、AlとGaの組成比を省略して記載したものであって、組成比が1:1であることを示すものではない。また、図1内における矢印は光の取り出し方向を示している。
〈構造〉
窒化物半導体発光素子1は、支持基板11、導電層20、絶縁層21、半導体層30、電極42及びボンディング電極43を含んで構成される。半導体層30は、p型窒化物半導体層31、第1コンタクト層32、発光層33、第2コンタクト層34、n型窒化物半導体層35を含んで構成される。
(支持基板11)
支持基板11は、例えばCuW、W、Moなどの導電性基板、又はSiなどの半導体基板で構成される。
(導電層20)
支持基板11の上層には、多層構造からなる導電層20が形成されている。この導電層20は、本実施形態では、ハンダ層13、ハンダ層15、保護層17及び金属電極19を含む。
ハンダ層13及びハンダ層15は、例えばAu−Sn、Au−In、Au−Cu−Sn、Cu−Sn、Pd−Sn、Snなどで構成される。後述するように、これらのハンダ層13とハンダ層15は、支持基板11上に形成されたハンダ層13と、別の基板上に形成されたハンダ層15を対向させた後に、両者を貼り合せることで形成されたものである。
保護層17は、例えばPt系の金属(TiとPtの合金)、W、Moなどで構成される。後述するように、ハンダ層を介した貼り合わせの際、ハンダを構成する材料が後述する金属電極19側に拡散し、反射率が落ちることによる発光効率の低下を防止する機能を果たしている。
金属電極19は、例えばAg(Ag合金を含む)、Al、Rhなどで構成される。窒化物半導体発光素子1は、半導体層30の発光層33から放射された光を、図1の上方向に取り出すことを想定しており、金属電極19は、発光層33から下向きに放射された光を上向きに反射させる反射電極としての役割を有し、発光効率を高める機能を果たしている。なお、窒化物半導体発光素子1では、金属電極19にコンタクト性向上のためのITOやNiといったコンタクト電極を形成していない。
なお、導電層20は、一部において半導体層30と接触しており、支持基板11とボンディング電極43の間に電圧が印加されると、支持基板11、導電層20、半導体層30、ボンディング電極43を介してボンディングワイヤ45へと流れる電流経路が形成される。
(絶縁層21)
絶縁層21は、例えばSiO2、SiN、Zr、AlN、Alなどで構成される。この絶縁層21は、上面が半導体層30、より詳細には第2コンタクト層34の底面と接触している。なお、この絶縁層21は、後述するように素子分離時(ステップS8)におけるエッチングストッパー層としての機能を有すると共に、支持基板11の基板面に平行な方向に電流を拡げる機能も有する。
(半導体層30)
上述したように、半導体層30は、p型窒化物半導体層31、第1コンタクト層32、発光層33、第2コンタクト層34、及びn型窒化物半導体層35を含んで構成される。
(n型窒化物半導体層35)
本実施形態において、n型窒化物半導体層35はAlGa1−nN(0≦n≦1)で構成される。少なくともn型窒化物半導体層35には、Si、Ge、S、Se、Sn、Teなどのn型不純物がドープされており、特にSiがドープされているのが好ましい。
なお、図1の例では、n型窒化物半導体層35には、上面に凹凸が形成されている。これは発光層33から上方に向けて放射された光(及び金属電極19から上向きに放射される反射光)が、n型窒化物半導体層35の表面で下向きに反射される光量を減らして、素子外への取り出し光量を高めることを目的としたものである。
n型窒化物半導体層35は、膜厚が0.5μm以上1μm以下程度で構成されている。なお、上述したように、n型窒化物半導体層35の上面に凹凸が形成されている場合においては、凹凸の凹部(谷部)から発光層33との界面までをもってn型窒化物半導体層35の膜厚としても構わないし、凹凸の凸部(山部)から発光層33との界面までをもってn型窒化物半導体層35の膜厚としても構わない。
(発光層33)
発光層33は、例えばInGaNからなる井戸層とAlGaNからなる障壁層が繰り返されてなる多重量子井戸構造を有する半導体層で形成される。これらの層はアンドープでもp型又はn型にドープされていても構わない。
(p型窒化物半導体層31、第1コンタクト層32)
p型窒化物半導体層31及び第1コンタクト層32は、例えばAlGa1−mN(0≦m≦1)で構成される。なお、p型窒化物半導体層31及び第1コンタクト層32を構成する半導体材料は、異ならせるものとしても構わない。すなわち、一例としてp型窒化物半導体層31をAlGaNで構成し、第1コンタクト層32をGaNで構成しても構わない。
ここで、第1コンタクト層32は、p型窒化物半導体層31よりも不純物が高濃度にドープされている。例えば、p型窒化物半導体層31の不純物濃度が1×1019/cm以上、5×1019/cm以下程度であり、第1コンタクト層32は5×1019/cm以上、1×1021/cm以下程度である。なお、これらの層は、いずれもドーパントをMgとすることができる。
(第2コンタクト層34)
第2コンタクト層34は、Zn、Cd、Be、Sr、Ca及びCのいずれか1種以上の第2不純物材料がドープされた、AlGaInN(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1、X+Y+Z=1)で構成される。例えば第2コンタクト層34の不純物濃度は、5×1016/cm以上、1×1021/cm以下程度である。具体的には、一例としてZnがドープされたGaNとすることができる。ここで、第2コンタクト層34にドープする不純物材料(「第2不純物材料」に対応)としては、第1コンタクト層32にドープする不純物材料(「第1不純物材料」に対応)が第1コンタクト層32内に形成する不純物準位よりも、深い位置に不純物準位を形成するような材料であればよい。一例として、第1コンタクト層32にMgをドープする場合、第2コンタクト層34にZnをドープすると、第2コンタクト層34に形成される不純物準位は、第1コンタクト層32に形成される不純物準位よりも深い位置になる。
実施例を参照して後述するように、窒化物半導体発光素子1は、第2コンタクト層34におけるホッピング伝導を利用することで、コンタクト電極なしでも半導体層30と金属電極19の良好なオーミック接続が形成され、低電圧駆動が実現できる構成である。第2コンタクト層34にドープされる第2不純物材料としては、上述したように深い準位を形成するものが利用される。第1コンタクト層32は、p型窒化物半導体層31と第2コンタクト層34との各々の活性化エネルギーが離れているため、各々の活性化エネルギーの中間に準位を形成させる目的でMgをオーバードープとする構成が好ましい。
(電極42、ボンディング電極43)
電極42及びボンディング電極43はn型窒化物半導体層35の上層に形成され、例えばCr−Auで構成される。より詳細には、電極42及びボンディング電極43は、半導体層30の底面と絶縁層21の上面が接触している領域の真上位置に係るn型窒化物半導体層35の上層に形成されている。これにより、電極下方に導電性の低い材料が形成されるため、電流が印加された場合に発光層33内を水平方向に電流を拡げる効果が得られる。
ボンディング電極43には、例えばAu、Cuなどで構成されるボンディングワイヤ45が連絡され、このワイヤの他方は、窒化物半導体発光素子1が配置されている基板の給電パターン(不図示)などに接続される。
〈コンタクト性の検証1〉
本発明の窒化物半導体発光素子1により、ITO又はNiを設けることなく従来と同等の良好なコンタクト層が実現される点につき、実施例を参照して説明する。
(実施例1)
図1に示す窒化物半導体発光素子1を実施例1とした。ここで、半導体層30としては、Si濃度が3×1019/cmのAl0.06Ga0.94Nで構成されるn型窒化物半導体層35、InGaNよりなる井戸層及びn型AlGaNよりなる障壁層による15周期の多重量子井戸構造を有する発光層33、Mg濃度が3×1019/cm程度のAl0.06Ga0.94Nで構成されるp型窒化物半導体層31、Mg濃度が1×1020/cm程度のGaNで構成される第1コンタクト層32、及びZn濃度が5×1019/cm程度のGaNで構成される第2コンタクト層34を有する構成とした。また、金属電極19をAgで形成した。
(従来例)
図2(a)に従来例の発光素子80の構成を模式的に示す。この従来例の発光素子80は、実施例1と比較して、第2コンタクト層34を備えずに、第1コンタクト層32を導電層20aと接触させている。より詳細には、導電層20aとして、金属電極19に加えてNiで形成されたコンタクト電極83を備え、このコンタクト電極83を第1コンタクト層32と接触させている。他の構成は、実施例1と共通とした。
(比較例1)
図2(b)に比較例1の発光素子81の構成を模式的に示す。この比較例1の発光素子81は、従来例の素子80に対してコンタクト電極83を備えない構成としたものである。すなわち、第1コンタクト層32を導電層20、より詳細には金属電極19と接触させている。
(検証結果)
図3は、実施例1の発光素子1、従来例の発光素子80、及び比較例1の発光素子81に対して、それぞれボンディング電極43と支持基板11の間に電圧Vを印加したときの、電流Iと電圧Vの関係をグラフ化したものである。
図3によれば、実施例1の発光素子1は、コンタクト電極83を備えた従来例の発光素子80と同様に、コンタクト電極83を備えず第1コンタクト層32を金属電極19に直接接触させた構成である比較例1の発光素子81よりも、低電圧化が実現できている。よって、本発明の構成によれば、コンタクト電極83を形成することなく、コンタクト電極83を有する従来例の発光素子80と同等以上の良好なコンタクト性が実現できていることが分かる。
これは、以下の理由によるものと推察される。第1コンタクト層32は、Mgを高濃度にドープされているため、浅い不純物準位が形成され、室温下でアクセプタがイオン化する。また、金属電極19として形成したAgは仕事関数が小さい。このため、比較例1のように、第1コンタクト層32に直接Ag(金属電極19)を接触させた場合には、トンネル効果を生じさせて電流を流すために大きな外部電圧が必要となる。そこで、従来では、この外部電圧を低下させるために、Niなどで形成されるコンタクト電極83を介在させていた(図2(a)参照)。従来例の発光素子80のように、コンタクト電極83を形成し、酸素雰囲気でアニールすることによりNiOを形成し、第1コンタクト層32との仕事関数差を小さくすることで、比較例1の発光素子81よりも外部電圧が低下できている。
これに対し、実施例1の発光素子1では、Znがドープされた第2コンタクト層34を有している。Znは、Mgとは違ってAlGaInN内において、価電子帯から深い準位に不純物準位を形成する。このため、アクセプタはイオン化されず、有効密度以上に不純物を半導体層に添加しても、エネルギー準位は局在化するため、キャリアは価電子帯ではなく、不純物の作るサイト間をホッピング伝導する。つまり、深い準位にトラップされて移動できない電子が、与えられた電界によってトンネル可能な準位に励起された後、トンネルホッピングすることにより、コンタクト電極83を有しなくても従来例の素子80と同等に動作電圧を低下させることができたものと考えられる。
また、Znなどのように、深い準位を形成する材料をドープすることで、高濃度にドープしてもエネルギー準位が局在化し、ホッピング伝導が実現できる。一方、高濃度にドープすることで、空乏層の幅を狭めることができるため、トンネリングによってキャリアを金属電極19側へと移動させやすくする効果が得られる。
以上によれば、実施例1の発光素子1によれば、365nm付近に吸収端を有するITOや、それよりも長波長側に吸収端を有するNiを用いたコンタクト電極83を用いることなく、良好なコンタクト特性が実現できるため、コンタクト電極83が不要となる。これにより、コンタクト電極83における紫外光の吸収が抑制され、光取り出し効率が向上した紫外光の発光素子が実現される。
〈別構成〉
第1コンタクト層32及び第2コンタクト層34を共に所定の組成比で構成したAlGaNで形成し、金属電極19をAlで形成するものとしても構わない。AlGaInNにおけるAlの組成比を高めることで、吸収端を短波長側にシフトさせることができるため、窒化物半導体発光素子1を、深紫外光を放射する素子として形成することができる。この場合、NiやITOなどで形成されるコンタクト電極83が不要となるため、当該コンタクト電極83における深紫外光の吸収が抑制され、光取り出し効率が向上した深紫外光の発光素子が実現される。
〈製造プロセス〉
次に、図1に示した窒化物半導体発光素子1の製造プロセスにつき説明する。なお、この製造プロセスはあくまで一例であり、ガスの流量、炉内温度、炉内圧力等は適宜調整して構わない。
(ステップS1)
図4Aに示すように、サファイア基板61上にエピ層40を形成する。このステップS1は、例えば以下の手順により行われる。
〈サファイア基板61の準備〉
まず、c面サファイア基板61のクリーニングを行う。このクリーニングは、より具体的には、例えばMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相蒸着)装置の処理炉内にc面サファイア基板61を配置し、処理炉内に流量が10slmの水素ガスを流しながら、炉内温度を例えば1150℃に昇温することにより行われる。
〈アンドープ層36の形成〉
次に、c面サファイア基板61の表面に、GaNよりなる低温バッファ層を形成し、更にその上層にGaNよりなる下地層を形成する。これら低温バッファ層及び下地層がアンドープ層36に対応する。
アンドープ層36のより具体的な形成方法は例えば以下の通りである。まず、МОCVD装置の炉内圧力を100kPa、炉内温度を480℃とする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量がそれぞれ5slmの窒素ガス及び水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が50μmol/minのトリメチルガリウム(TMG)及び流量が250000μmol/minのアンモニアを処理炉内に68秒間供給する。これにより、c面サファイア基板61の表面に、厚みが20nmのGaNよりなる低温バッファ層を形成する。
次に、MOCVD装置の炉内温度を1150℃に昇温する。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が20slmの窒素ガス及び流量が15slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が100μmol/minのTMG及び流量が250000μmol/minのアンモニアを処理炉内に30分間供給する。これにより、第1バッファ層の表面に、厚みが1.7μmのGaNよりなる下地層を形成する。
〈n型窒化物半導体層35の形成〉
次に、アンドープ層36の上層にAlGa1−nN(0≦n≦1)の組成からなるn型窒化物半導体層35を形成する。
n型窒化物半導体層35のより具体的な形成方法は、例えば以下の通りである。まず、引き続き炉内温度を1150℃とした状態で、MOCVD装置の炉内圧力を30kPaとする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が20slmの窒素ガス及び流量が15slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が94μmol/minのTMG、流量が6μmol/minのトリメチルアルミニウム(TMA)、流量が250000μmol/minのアンモニア及び流量が0.025μmol/minのテトラエチルシランを処理炉内に60分間供給する。これにより、例えばAl0.06Ga0.94Nの組成を有し、Si濃度が3×1019/cmで、厚みが2μmのn型窒化物半導体層35がアンドープ層36の上層に形成される。そして、この厚みが2μmのn−AlGaN層を厚みが0.8μm程度になるようICP装置で削り、n型窒化物半導体層35の厚みを調整する。
なお、この後、TMAの供給を停止すると共に、それ以外の原料ガスを6秒間供給することにより、n型窒化物半導体層35の上層に厚みが5nmのn型GaNよりなる保護層を形成するものとしてもよい。
また、本ステップでは、n型窒化物半導体層35に含まれるn型不純物をSiとする場合について説明しているが、他のn型不純物としては、Ge、S、Se、Sn及びTeなどを用いることもできる。
〈発光層33の形成〉
次に、n型窒化物半導体層35の上層にInGaNで構成される井戸層及びn型AlGaNで構成される障壁層が周期的に繰り返される多重量子井戸構造を有する発光層33を形成する。
具体的には、まずMOCVD装置の炉内圧力を100kPa、炉内温度を830℃とする。そして、処理炉内にキャリアガスとして流量が15slmの窒素ガス及び流量が1slmの水素ガスを流しながら、原料ガスとして、流量が10μmol/minのTMG、流量が12μmol/minのトリメチルインジウム(TMI)及び流量が300000μmol/minのアンモニアを処理炉内に48秒間供給するステップを行う。その後、流量が10μmol/minのTMG、流量が1.6μmol/minのTMA、0.002μmol/minのテトラエチルシラン及び流量が300000μmol/minのアンモニアを処理炉内に120秒間供給するステップを行う。以下、これらの2つのステップを繰り返すことにより、厚みが2nmのInGaNよりなる井戸層及び厚みが7nmのn型AlGaNよりなる障壁層による15周期の多重量子井戸構造を有する発光層33が、n型窒化物半導体層35の表面に形成される。
〈p型窒化物半導体層31の形成〉
次に、発光層33の上層に、AlGa1−mN(0≦m≦1)で構成されるp型窒化物半導体層31を形成する。
具体的には、MOCVD装置の炉内圧力を100kPaに維持し、処理炉内にキャリアガスとして流量が15slmの窒素ガス及び流量が25slmの水素ガスを流しながら、炉内温度を1025℃に昇温する。その後、原料ガスとして、流量が35μmol/minのTMG、流量が20μmol/minのTMA、流量が250000μmol/minのアンモニア及びp型不純物をドープするための流量が0.1μmol/minのビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CPMg)を処理炉内に60秒間供給する。これにより、発光層33の表面に、厚みが20nmのAl0.3Ga0.7Nの組成を有する正孔供給層を形成する。その後、流量が35μmol/minのTMG、流量が4μmol/minのTMAに変更して原料ガスを360秒間供給することにより、厚みが120nmのAl0.1Ga0.9Nの組成を有する正孔供給層を形成する。これらの正孔供給層によりp型窒化物半導体層31が形成される。このp型窒化物半導体層31のp型不純物(Mg)濃度は、3×1019/cm程度である。
なお、p型窒化物半導体層31に含まれるp型不純物をMgとする場合について説明しているが、他のp型不純物として、Be、Zn、及びCなどを用いることもできる。
〈第1コンタクト層32の形成〉
更にその後、TMAの供給を停止すると共に、CPMgの流量を0.2μmol/minに変更して原料ガスを20秒間供給することにより、厚みが5nmのpGaNよりなる第1コンタクト層32を形成する。この第1コンタクト層32のp型不純物(Mg)濃度は、1×1020/cm程度である。
〈第2コンタクト層34の形成〉
次に、第1コンタクト層32の形成時に流していたCPMgのみ供給を停止し、第1コンタクト層32の成長後、成長中断を行うことなくジエチル亜鉛の流量を0.1μmol/minにした状態で20秒間供給することにより、厚みが5nmのZnドープGaNよりなる第2コンタクト層34を形成する。この第2コンタクト層34の不純物(Zn)濃度は、5×1019/cm程度である。
このように、第1コンタクト層32の形成後に成長中断しないことにより、第1コンタクト層32に界面準位を形成することなく、第2コンタクト層34において第2不純物材料(Zn)による深い不純物準位が形成されやすくなる。このため、第1コンタクト層32と第2コンタクト層34は中断することなく連続的に形成されるのが好ましい。
ただし、第1コンタクト層32を形成後、一時的に成長を中断させた後に第2コンタクト層34を形成することで窒化物半導体発光素子1を作製しても、第2コンタクト層34内に全く深い不純物準位が形成されないわけではない。本発明はこのような製造方法を排除する趣旨ではない。
なお、ここでは、第1コンタクト層32の不純物をMgとし、第2コンタクト層34の不純物をZnとする場合について説明している。しかし、第2コンタクト層34内に形成される不純物準位が、第1コンタクト層32内に形成される不純物準位よりも深い位置となるように、第1コンタクト層32の不純物材料(第1不純物材料)及び第2コンタクト層34の不純物材料(第2不純物材料)を選択すればよい。第1不純物材料としては、Mgの他、Be、Zn、Cなどを用いることができ、第2不純物材料としては、Znの他、Cd、Be、Sr、Ca、Cなどを用いることができる。
このようにしてサファイア基板61上に、アンドープ層36、n型窒化物半導体層35、発光層33、p型窒化物半導体層31、第1コンタクト層32、及び第2コンタクト層34からなるエピ層40が形成される。
(ステップS2)
次に、ステップS1で得られたウェハに対して活性化処理を行う。より具体的には、RTA(Rapid Thermal Anneal:急速加熱)装置を用いて、不活性ガス雰囲気下で、700℃程度で5分間程度のアニール処理を行う。この不活性ガスとしては窒素が好適に用いられるが、アルゴン、ヘリウム、ネオンなどのガスを用いるものとしても構わない。
(ステップS3)
次に、図4Bに示すように、p型窒化物半導体層31の上層の所定箇所に絶縁層21を形成する。より具体的には、後の工程で電極42、ボンディング電極43を形成する領域の下方に位置する箇所に絶縁層21を形成するのが好ましい。絶縁層21としては、例えばSiOを膜厚200nm程度成膜する。なお成膜する材料は絶縁性材料であればよく、例えばSiN、Alでも良い。
(ステップS4)
図4Cに示すように、第2コンタクト層34及び絶縁層21の上面を覆うように、金属電極19を形成する。
より詳細には、スパッタ装置にて第2コンタクト層34及び絶縁層21の上面を覆うようにAgを全面に成膜して、金属電極19を形成する。上述したように、本実施形態の構成では、第2コンタクト層34には第2不純物材料としてのZnがドープされることで深い不純物準位が形成されるため、ITOやNiなどのコンタクト電極を形成しなくても、直接半導体層とAgを接触させることでオーミック特性が得られる。ここでは、金属電極19としてAgを用いているが、Agの他にAlやRhなどを利用することもできる。
本発明者は、鋭意研究により、第2コンタクト層34と金属電極19を直接接触させてもオーミック特性が実現できているのは、ステップS2において窒素などの不活性ガス雰囲気下でアニールを行っていることに起因していることを突き止めた。この点は、ステップS2において空気雰囲気下でアニールをして製造した比較例と電流電圧特性を対比して後述される。
更に、このステップS2では、ステップS1において半導体層30を形成していたMOCVD装置内でアニールするよりも、MOCVD装置からいったんウェハを取り出して、RTA装置内に設置し、このRTA装置内でアニールした方が、コンタクト性が向上することを見出した。この点についても、実施例を参照して後述される。
(ステップS5)
金属電極19を形成した後、酸素を含む雰囲気下でアニール処理を行う。より具体的には、RTA装置又はMOCVD装置内において、空気雰囲気下約450℃で約1分間程度の活性化処理を行う。
上述したステップS2では、第2コンタクト層34と金属電極19の間のオーミック特性を実現するために、金属電極19の形成前において不活性ガス雰囲気下でアニールを行った。これに対し、本ステップS4におけるアニール処理、すなわち金属電極19の形成後に行われるアニール処理においては、不活性ガスではなく酸素含有雰囲気下で行うことで、コンタクト性が更に向上することを見出した。この点についても、実施例を参照して後述される。
(ステップS6)
次に、図4Dに示すように、金属電極19の上層に、保護層17及びハンダ層15を順次形成する。ステップS4〜S6を経て、多層構造の導電層20が形成される。
より詳細には、電子線蒸着装置(EB装置)にて金属電極19の上面(Ag表面)に、膜厚100nmのTiと膜厚200nmのPtを3周期成膜することで、保護層17を形成する。更にその後、保護層17の上面(Pt表面)に、膜厚10nmのTiを蒸着させた後、Au80%Sn20%で構成されるAu−Snハンダを膜厚3μm蒸着させることで、ハンダ層15を形成する。
なお、このハンダ層15の形成ステップにおいて、サファイア基板61とは別に準備された支持基板11の上面にもハンダ層13を形成するものとして構わない(図4E参照)。このハンダ層13は、ハンダ層15と同一の材料で構成されるものとしてよく、次のステップにおいてハンダ層13と接合されることで、サファイア基板61と支持基板11が貼り合わせられる。なお、この支持基板11としては、構造の項で前述したように、例えばCuWが用いられる。
(ステップS7)
次に、図4Fに示すように、サファイア基板61と支持基板11とを貼り合わせる。より具体的には、280℃の温度、0.2MPaの圧力下で、ハンダ層15と支持基板11の上層に形成されたハンダ層13とを貼り合せる。
(ステップS8)
次に、図4Gに示すように、サファイア基板61を剥離する。より具体的には、サファイア基板61を上に、支持基板11を下に向けた状態で、サファイア基板61側からKrFエキシマレーザを照射して、サファイア基板61とエピ層40の界面を分解させることでサファイア基板61の剥離を行う。サファイア61はレーザが通過する一方、その下層のGaN(アンドープ層36)はレーザを吸収するため、この界面が高温化してGaNが分解される。これによってサファイア基板61が剥離される。
その後、ウェハ上に残存しているGaN(アンドープ層36)を、塩酸などを用いたウェットエッチング、ICP装置を用いたドライエッチングによって除去し、n型窒化物半導体層35を露出させる。なお、本ステップS8においてアンドープ層36が除去されて、第2コンタクト層34、第1コンタクト層32、p型窒化物半導体層31、発光層33、及びn型窒化物半導体層35が下からこの順に積層されてなる半導体層30が残存する。
(ステップS9)
次に、図4Hに示すように、隣接する素子同士を分離する。具体的には、隣接素子との境界領域に対し、ICP装置を用いて絶縁層21の上面が露出するまで半導体層30をエッチングする。上述したように、絶縁層21は、エッチング時のストッパーとしても機能する。
(ステップS10)
次に、図4Iに示すようにn型窒化物半導体層35の表面に凹凸を形成する。具体的には、KOH等のアルカリ溶液を浸すことで凹凸形成を行う。このとき、後に電極42及びボンディング電極43を形成する箇所に対しては、凹凸を形成しないものとしても構わない。これらの箇所に凹凸を形成しないことで、電極を形成する箇所のn型窒化物半導体層35の表面が平坦な状態のまま維持される。電極形成箇所のn型窒化物半導体層35の表面を平坦な状態のまま維持することで、特にボンディング電極43の形成後、ワイヤボンディングを行う際にボンディング電極43とn型窒化物半導体層35の界面にボイドが発生するのを防ぐ効果が得られる。
(ステップS11)
次に、図4Jに示すように、n型窒化物半導体層35の上面に電極42及びボンディング電極43を形成する。より具体的には、膜厚100nmのCrと膜厚3μmのAuからなる電極を形成後、窒素雰囲気中で250℃1分間のシンタリングを行う。
その後の工程としては、露出されている素子側面、及び電極42及びボンディング電極43以外の素子上面を絶縁層41で覆う(図1参照)。より具体的には、EB装置にてSiO膜を形成する。なおSiN膜を形成しても構わない。そして、各素子同士を例えばレーザダイシング装置によって分離し、支持基板11の裏面を例えばAgペーストにてパッケージと接合し、ボンディング電極43に対してワイヤボンディングを行う。例えば、50gの荷重でΦ100μmのボンディング領域にAuからなるボンディングワイヤ45を連結させることで、ワイヤボンディングを行う。これにより、図1に示す窒化物半導体発光素子1が形成される。
〈コンタクト性の検証2〉
まず、ステップS2において不活性ガス(ここでは窒素)雰囲気下でアニールをすることで、第2コンタクト層34と金属電極19のオーミック特性が実現できることにつき、実施例を参照して説明する。
(実施例2)
上記ステップS1の後、ステップS2と同様にRTA装置を用いて窒素雰囲気下で700℃5分間のアニールを行った。その後、第2コンタクト層34の上層に、間隙73を有した状態で、Agにて構成される金属電極19a、19bを形成した。当該工程で形成された素子(以下、「評価用素子70」という。)の模式図を図5A及び図5Bに示す。実施例2に対応する評価用素子70としては、金属電極19a及び19bに挟まれた間隙73の距離を5μmから30μmまで5μmずつ増加させた複数の素子を形成した。
(比較例2)
上記ステップS1の後、RTA装置を用いて空気雰囲気下で700℃5分間のアニールを行った。その後は、実施例2と同様に、第2コンタクト層34の上層に、間隙73を有した状態で、Agにて構成される金属電極19a、19bを形成することで、評価用素子を作製した。比較例2に対応する評価用素子71は、アニール方法が異なる点を除けば実施例2の評価用素子70と同じである。すなわち、構造については、図5A及び図5Bと同じであり、また、実施例2と同様に、金属電極19a及び19bに挟まれた間隙73の距離を5μmから30μmまで5μmずつ増加させた複数の素子を形成した。
(検証結果)
実施例2の評価用素子70、及び比較例2の評価用素子71に対し、金属電極19aにプローバ23aを接触させ、金属電極19bにプローバ23bを接触させて、プローバ23a及び23bを通じて両電極間に電圧を印加したときの電流電圧特性(I−V特性)を測定した。この測定方法はいわゆるTLM法に基づくものである。この結果を図6A及び図6Bに示す。図6Aが実施例2の評価用素子70におけるI−V特性に対応し、図6Bが比較例2の評価用素子71におけるI−V特性に対応する。
両図を参照すれば、比較例2の評価用素子71ではI−V特性が非線形性を示しており、第2コンタクト層34と金属電極19a、19bの間がショットキー接触になっていることが示唆される。これに対し、実施例2の評価用素子70ではI−V特性が線形性を示し、オーミック接触が実現できていることが分かる。これにより、第2コンタクト層34を形成後に、不活性ガス雰囲気下でアニールを行うことで、その後に形成される金属電極19(19a、19b)と第2コンタクト層34との間のオーミック接触が実現できることが分かる。
(実施例3)
上記ステップS1を経てMOCVD装置内にてエピ層40を形成した後、そのままMOCVD装置の炉内にて窒素雰囲気下で700℃5分間のアニールを行った点を除けば、実施例2と同様の方法で評価用素子を作製した(評価用素子72)。
(検証結果)
実施例3の評価用素子72に対し、実施例2、比較例2と同様の方法でI−V特性を測定したときの結果を図6Cに示す。図6Aに示す実施例2の評価用素子70と同様に、線形性のI−V特性を示しており、オーミック接触が実現できていることが分かる。しかし、実施例2と比較して、同一の電流を流すのに必要な電圧値が大きくなっている。例えば、間隙73の距離を5μmとした評価用素子において、実施例2では1.0mAを流すのに必要な電圧は約0.25Vであるのに対し、実施例3では約2.5Vである。
更に、実施例2及び実施例3に対応する窒化物半導体発光素子1を作製し、電極(電極42、ボンディング電極43)と支持基板11の間に電圧を印加したときの、I−V特性を測定したときの結果を図7に示す。ここで、実施例2に対応する窒化物半導体発光素子1とは、MOCVD装置の炉内においてエピ成長を行うステップS1を実行後、MOCVD装置からいったんウェハを取り出してRTA装置内に移し、ステップS2においてRTA装置内で窒素雰囲気下のアニール処理を行い、その後ステップS3〜S4及びステップS6〜S11を経て製造された素子を指す。また、実施例3に対応する窒化物半導体発光素子1とは、MOCVD装置の炉内においてエピ成長を行うステップS1を実行後、ステップS2において引き続きこの炉内で窒素雰囲気下のアニール処理を行い、その後ステップS3〜S4及びステップS6〜S11を経て製造された素子を指す。
なお、図7では、「実施例2に対応する窒化物半導体発光素子1」を単に「実施例2の素子1」と表記し、「実施例3に対応する窒化物半導体発光素子1」を単に「実施例3の素子1」と表記している。
図7によれば、実施例3に比べて実施例2の方が、窒化物半導体発光素子1に対して同一電流を供給するために必要な電圧が低く抑えられていることが分かる。これは、図6Cの結果とも整合する。すなわち、実施例2と実施例3を比較すると、第2コンタクト層34を形成後のアニール処理(ステップS2)は、MOCVD装置内で行うよりも、RTA装置内で行う方が、p型窒化物半導体層31が活性化され、比抵抗及びコンタクト性を向上させる効果が得られることが分かる。
以上をまとめると、ステップS2において、不活性ガス雰囲気下でアニール処理を行うことによって第2コンタクト層34と金属電極19との間のオーミック接触が実現される。更に、この不活性ガス雰囲気下でのアニールを、MOCVD装置の炉内ではなくRTA装置内で行うことで、比抵抗及びコンタクト性を向上させる効果が得られることが分かる。
〈コンタクト性の検証3〉
次に、ステップS4において金属電極19を形成した後、酸素含有雰囲気下でアニール処理(ステップS5)を行うことで、第2コンタクト層34と金属電極19との間のコンタクト性を更に向上させる効果があることにつき、実施例を参照して説明する。
図3を参照して上述した実施例1の素子1は、ステップS1〜S11を経て製造されたものである。より詳細には、金属電極19を形成する直前のステップS2においては、RTA装置内において窒素含有雰囲気下でアニール処理が行われ、更に金属電極19を形成した直後のステップS5においては、空気雰囲気下でアニール処理が行われている。
実施例2の素子1は、ステップS5を行わずに製造された素子である。すなわち、金属電極19を形成する直前のステップS2においては、実施例1と同様に、RTA装置内において窒素含有雰囲気下でアニール処理が行われているが、ステップS4において金属電極19を形成した後は、ステップS5に係るアニール処理を行わずにステップS6以下を順次行なって作製されたものである。
(実施例4)
更に、検証のために、金属電極19を形成した直後のステップS5において、窒素含有雰囲気下でアニールした点を除いて実施例1と同様の方法で発光素子1を作製したものを実施例4とした。
(検証結果)
図8は、実施例1及び実施例4に対応する窒化物半導体発光素子1を作製し、電極(電極42、ボンディング電極43)と支持基板11の間に電圧を印加したときの、I−V特性を測定したときの結果を示すグラフである。
図7に示す実施例2、図8に示す実施例1及び実施例4を比べると、例えば1Aを供給するために必要な電圧値が、実施例2では約5.0Vであるのに対し、実施例1では約3.8Vであり、実施例4では約5.1Vである。つまり、実施例2及び実施例4に比べて、実施例1では同一電流を供給するために必要な電圧値を更に低く抑えられている。つまり、金属電極19を形成した後に、空気等の酸素を含む雰囲気下でアニール処理を行う(ステップS5)ことで、酸素を駆動力としてAgが第2コンタクト層34に拡散し、コンタクト性を更に向上させる効果が得られることが分かる。
なお、実施例2及び実施例4を対比すると、同一電流を供給するために必要な電圧値はほとんど変化していないことが示唆される。これにより、金属電極19を形成した後のアニール処理(ステップS5)は、ステップS2とは異なり酸素を含む雰囲気下で行うことでコンタクト性の更なる向上効果が得られるものであり、ステップS2と同様に窒素雰囲気下で行なってもコンタクト性の更なる向上効果はほとんど得られないことが分かる。
〈別構成の製造プロセス〉
第1コンタクト層32及び第2コンタクト層34をAlGaNで形成する場合には、ステップS1において以下の方法を採用できる。まず、p型窒化物半導体層31の形成後、TMAの供給を停止せずに、CPMgの流量を0.2μmol/minに変更して原料ガスを20秒間供給することにより、厚みが5nmのpAl0.13Ga0.87Nよりなる第1コンタクト層32を形成する。この第1コンタクト層32のp型不純物(Mg)濃度は、例えば1×1020/cm程度である。
次に、好ましくは第1コンタクト層32の形成後に成長中断を行うことなく連続的に第2コンタクト層34を形成する。第1コンタクト層32の形成後に、CPMgの供給を停止すると共に、ジエチル亜鉛を0.1μmol/minにし、原料ガスを20秒間供給することにより、厚みが5nmのZnドープAl0.13Ga0.87Nよりなる第2コンタクト層34を形成する。この第2コンタクト層34の不純物(Zn)濃度は、例えば5×1019/cm程度である。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態の窒化物半導体発光素子の構造の一例につき、図9を参照して説明する。図9は、第2実施形態の窒化物半導体発光素子1aの概略断面図である。なお、第1実施形態と同一の材料については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。また、図9内における矢印は光の取り出し方向を示しており、図1に示す窒化物半導体発光素子1aとは光取り出し方向が反対である。
〈構造〉
サファイア基板61、半導体層30a、金属電極19,19c、給電端子51、給電端子52を備える。半導体層30aは、p型窒化物半導体層31、第1コンタクト層32、発光層33、第2コンタクト層34、n型窒化物半導体層35、及びアンドープ層36を含んで構成される。なお、この窒化物半導体発光素子1aは、紙面下向きに光を取り出すことが想定されている。
この実施形態では、第1実施形態におけるp側の半導体層30の上面に形成される金属電極19と区別するために、n側の半導体層30の上面に形成される金属電極を「金属電極19c」と称しているが、両者は同一の材料で構成されるものとして構わない。
この構成においても、第1実施形態と同様に、Ag等で形成される金属電極19を第2コンタクト層34の上面に直接形成することで良好なコンタクト特性が得られるので、コンタクト性を向上させるためにNiやITOからなるコンタクト電極を形成しなくてもよい。これにより、発光層33からの光が上方に放射された場合でも、このコンタクト電極で光吸収されることなく金属電極19に到達した光を下方(取り出し方向)に反射させることができるので、光取り出し効率が向上する。
〈製造プロセス〉
図9に示した窒化物半導体発光素子1aの製造プロセスにつき、第1実施形態の素子1と異なる箇所のみを説明する。
第1実施形態と同様に、ステップS1及びステップS2を実行する。
(ステップS12)
ステップS2の後(図4A参照)、図10Aに示すように、n型窒化物半導体層35の一部上面が露出するまで、第2コンタクト層34、第1コンタクト層32、p型窒化物半導体層31、及び発光層33を、ICP装置を用いたドライエッチングによって除去する。なお、本ステップS12において、n型窒化物半導体層35についても一部エッチング除去しても構わない。
(ステップS13)
図10Bに示すように、第2コンタクト層34の上面、及び露出したn型窒化物半導体層35の上面に、Agを成膜することで、金属電極19及び金属電極19cを形成する。本実施形態においても、第2コンタクト層34にはZnドープによって深い不純物準位が形成されるため、NiやITOなどのコンタクト電極を形成しなくても、第2コンタクト層34とAgからなる金属電極19を接触させることで良好なコンタクト特性が得られる。なお、本実施形態でも金属電極19及び19cとしては、Agの他、AlやRhを利用することができる。
なお、本構成においては、n型窒化物半導体層35として、少なくとも上面部分が、n型不純物濃度が1×1019/cmより大きい高濃度のAlGaNで形成するのが好適である。これにより、n型窒化物半導体層35と金属電極19cの良好なコンタクト特性も実現できる。
(ステップS14)
第1実施形態のステップS5と同様に、酸素を含む雰囲気下でアニール処理を行う。より具体的には、RTA装置又はMOCVD装置内において、空気雰囲気下で約450℃で約1分間の活性化処理を行う。これにより、特に金属電極19と第2コンタクト層34の間のコンタクト特性を更に向上させる効果が得られる。
(ステップS15)
その後、n側の金属電極19cの上面に給電端子51、p側の金属電極19の上面に給電端子52をそれぞれ形成する。より具体的には、給電端子51,52を形成する導電材料膜(例えば膜厚100nmのCrと膜厚3μmのAuからなる材料膜)を全面に形成後、リフトオフによって給電端子51,52を形成する。その後、窒素雰囲気中で250℃1分間のシンタリングを行う。
そして、ボンディング電極53を介して基板55と給電端子51を接続し、ボンディング電極54を介して基板55と給電端子52を接続することで、図9に示した窒化物半導体発光素子1aが形成される。
[別実施形態]
以下、別実施形態について説明する。
〈1〉 上述した製造プロセスにおいては、第2コンタクト層34として、第2不純物材料(例えばZn)がドープされたGaN又はAlGaNである場合を採り上げて説明した。しかし、同様の原理により、第2コンタクト層34を、Zn等の第2不純物材料がドープされたAlGaInN(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1、X+Y+Z=1)で構成した場合において、金属電極19とのコンタクト性の向上が実現できる。
更に、第2コンタクト層34が、微量の他の物質(Sbなど)が含有されたAlGaInNで構成された場合においても、同様の効果を示すものであり、本発明はこのような材料で第2コンタクト層34が形成された素子を権利範囲から排除する趣旨ではない。
〈2〉 第1実施形態において、絶縁層21に代えて導電性酸化膜層を形成しても構わない。導電性酸化膜層を備える構成とした場合、絶縁層21よりは導電率が高いため、半導体層30内を電流が垂直方向に流れやすくなるが、通常の導電材料(金属など)と比較すると導電率は大幅に低いので、水平方向に電流を拡げる効果が実現される。導電性酸化膜層としては、例えばITO、IZO、In、SnO、IGZO(InGaZnOx)などを利用することができる。
なお、この絶縁層21や導電性酸化膜層は、電流を水平方向に拡げるという意味においては、電極(42,43)の直下位置に形成されることが好ましいが、本発明はこの絶縁層21や導電性酸化膜層を有しない構成の素子を権利範囲から排除する趣旨ではない。
〈3〉 図1及び図9に示した構造、並びに図4A〜図4Jや図10A及び図10Bに示した製造方法は、好ましい実施形態の一例であって、これらの構成やプロセスの全てを備えなければならないというものではない。
例えば第1実施形態において、ハンダ層13とハンダ層15は、2つの基板の貼り合せを効率的に行うべく形成されたものであって、2基板の貼り合せが実現できるのであれば窒化物半導体発光素子の機能を実現する上で必ずしも必要なものではない。
同様に、保護層17はハンダ材料の拡散防止の観点、n型窒化物半導体層35の表面の凹凸は光取り出し効率の向上の観点からは、備えるのが好適であるが、本発明はこれらを備えない構成の素子を権利範囲から排除する趣旨ではない。
〈4〉 第1実施形態では、サファイア基板61と支持基板11の両者にハンダ層を形成したが(ハンダ層13、15)、どちらか一方にのみハンダ層を形成した後に両基板を貼り合せても構わない。また、保護層17をサファイア基板61側に形成したが、支持基板11側に形成しても構わない。すなわち、図4Eに示す構成に代えて、支持基板11の上層に保護層17を形成し、その上層にハンダ層13を形成したものを、ステップS5においてサファイア基板61と貼り合せても構わない。
1、1a : 窒化物半導体発光素子
11 : 支持基板
13 : ハンダ層
15 : ハンダ層
17 : 保護層
19、19a、19b、19c : 金属電極
20、20a : 導電層
21 : 絶縁層
23a、23b : プローバ
30、30a : 半導体層
31 : p型窒化物半導体層
32 : 第1コンタクト層
33 : 発光層
34 : 第2コンタクト層
35 : n型窒化物半導体層
36 : アンドープ層
40 : エピ層
41 : 絶縁層
42 : 電極
43 : ボンディング電極
45 : ボンディングワイヤ
51、52 : 給電端子
53、54 : ボンディング電極
55 : 基板
61 : サファイア基板
70、71、72 : 評価用素子
73 : 間隙
80 : 従来例の発光素子
81 : 比較例1の発光素子
83 : コンタクト電極

Claims (6)

  1. 基板上に、n型窒化物半導体層、発光層、p型窒化物半導体層を順次積層形成する工程(a)と、
    前記p型窒化物半導体層の上層に、前記p型窒化物半導体層よりも高濃度で第1不純物材料がドープされた窒化物半導体層で構成された第1コンタクト層を形成する工程(b)と、
    前記第1コンタクト層の上層に、Zn、Cd、Be、Sr、Ca及びCのいずれか1種以上の第2不純物材料がドープされた、AlGaInN(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1、X+Y+Z=1)で構成された第2コンタクト層を形成する工程(c)と、
    前記工程(c)の後に、不活性ガス雰囲気下でアニールする工程(d)を有することを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記工程(d)の後、前記第2コンタクト層の上層に金属電極を形成する工程(e)と、
    前記工程(e)の後、酸素含有雰囲気下でアニールする工程(f)を有することを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記工程(e)において、前記金属電極がAg又はAg合金であることを特徴とする請求項2に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記工程(c)において用いられる前記第2不純物材料によって形成される前記第2コンタクト層内の不純物準位が、前記工程(b)において用いられる前記第1不純物材料によって形成される前記第1コンタクト層内の不純物準位よりも深い位置にあることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記工程(c)において、前記第2不純物材料がZnであることを特徴とする請求項4に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  6. 前記工程(b)において、前記第1不純物材料がMgであることを特徴とする請求項4又は5に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
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