JP2015031718A - 光走査装置及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

光走査装置及びこれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複雑な構造を採用することなく、走査レンズの倍率誤差の影響を的確に抑制する。【解決手段】常温時において、ポリゴンミラー26で偏向された光線L0は、センサーレンズ35によって屈曲角度θt1で屈曲され、光線Lt1となる。この光線Lt1は同期センサー36に入射できない。これに対し、高温時では、光線L0は、センサーレンズ35によって屈曲角度θt2で屈曲され、光線Lt2となる。この光線Lt2は同期センサー36に入射できる。走査ラインの書き込みは、同期センサー36が光線を検出したタイミングに一定時間を加算したタイミングで開始される。従って、高温時には、走査ラインの書き込み開始タイミングが、常温時よりも早くなる。これにより、走査レンズに倍率誤差が発生したときに、当該倍率誤差に伴う走査位置のズレを、走査ラインの書き込み開始側(ΔA1)と書き込み終了側(ΔA2)とに振り分けることができる。【選択図】図10

Description

本発明は、光線を被走査面上に結像させる走査レンズを備えた光走査装置、及びこれを用いた画像形成装置に関する。
例えばレーザープリンターや複写機等に用いられる一般的な光走査装置は、レーザー光線を発する光源と、前記レーザー光線を偏向し該レーザー光線によって被走査面を走査させるポリゴンミラーと、偏向された前記レーザー光線を感光体ドラムの周面(被走査面)上に結像させる走査レンズとを含む。走査レンズは、温度変化によって、そのレンズパワーも変化する。例えば、光走査装置の環境温度が上昇するとレンズパワーが低下し、結果として走査幅が広がるという倍率誤差が生じる。この倍率誤差は、画像品質を低下させることになる。
一般に光走査装置は、走査ラインの書き出し位置を決定するために、走査幅の範囲外のレーザー光線を検知する同期センサーを備える。前記同期センサーが、レーザー光線を検知してから一定時間経過後に、走査ラインの被走査面への書き込みが開始される。従って、上記の倍率誤差が生じても、走査ラインの書き出し位置は常温時における定位置となる。しかし、書き込み終了位置については、上記の倍率誤差の影響を受ける。
倍率誤差の抑制のため、前記同期センサーへレーザー光線を導く反射ミラーを、環境温度に応じて回動させる光走査装置が知られている(特許文献1)。前記反射ミラーの回動は、走査幅が広がる倍率誤差の場合、前記同期センサーへのレーザー光線の入射タイミングを早くすることに貢献する。しかしながら、このような光走査装置では、環境温度を計測するセンサー、前記反射ミラーを回動させる駆動源及び前記回動のための機構の組み付けが必要となる。また、前記反射ミラーを精度良く回動させることも困難である。
特開2006−267701号公報
本発明の目的は、複雑な構造を採用することなく、走査レンズの倍率誤差の影響を的確に抑制することができる光走査装置及び画像形成装置を提供することにある。
本発明の一の局面に係る光走査装置は、温度により波長が変化する光線を発する光源と、前記光源から発せられる光線を偏向すると共に、被走査面を含む所定の走査可能幅の範囲を前記光線で走査させ、前記走査可能幅の範囲内に設定される有効走査幅内に走査ラインを書き込ませる偏向体と、光路上において前記偏向体と前記被走査面との間に配置され、前記光線を前記被走査面に結像させる走査レンズと、前記走査レンズを通過し且つ前記走査可能幅の範囲に向かう光線のうち、前記走査ラインの走査開始側における前記有効走査幅の範囲外の光線を検出する同期センサーと、光路上において前記偏向体と前記同期センサーとの間に配置され、前記光線を前記同期センサーに結像させるセンサーレンズと、前記光源の発光動作を制御する制御部であって、前記同期センサーが前記光線を検出したタイミングに一定時間を加算したタイミングで、前記走査ラインの書き込みを開始させる制御部と、を備え、前記センサーレンズは、前記光線を前記走査ラインの下流側方向へ屈曲させる回折格子を有し、該回折格子による前記光線の屈曲度合いは温度により変化する。
この構成によれば、光路上において前記偏向体と前記同期センサーとの間に、回折格子を有するセンサーレンズが配置される。この回折格子は、前記光線を前記走査ラインの下流側方向へ屈曲させ、且つ、その屈曲度合いは温度により変化する。このため、環境温度の変化により走査レンズに倍率誤差が発生しても、前記同期センサーへ前記光線が入射するタイミングを、センサーレンズによって温度に応じて適切に調整することが可能となる。
上記構成において、前記回折格子の間隔は、走査方向の上流側から下流側に向けて広く設定されていることが望ましい。
回折格子は、格子間隔の大きさに応じて光線を屈曲させることができる。また、回折格子の間隔を、走査方向の上流側から下流側に向けて広く設定する、つまりセンサーレンズの像高に応じて格子間隔を変化させることで、屈曲させた光線を所定位置に集光させることができる。
上記構成において、前記光源が発する光線は、温度上昇によって波長が長くなり、前記走査レンズは、温度上昇によってレンズパワーが低下するものであって良い。
この構成によれば、光源として汎用のレーザー光源を、走査レンズとして安価な樹脂の成形品からなるレンズを用いても、倍率誤差の影響を抑制することができる。
この場合、前記回折格子は、前記レンズパワーの低下に伴う前記有効走査幅の拡張分を、前記走査ラインの走査開始側と走査終了側とに均等に振り分ける格子構造を備えることが望ましい。
この構成によれば、レンズパワーの低下に伴って発生する倍率誤差が、走査開始側と走査終了側とに均等に振り分けられる。このため、前記走査ラインの走査方向の中心位置は、倍率誤差の発生前後で同一位置とすることができる。従って、画像品質の低下を最小限に抑止することができる。
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、各々被走査面としての第1周面及び第2周面を有し軸回りに回転する第1感光体ドラム及び第2感光体ドラムと、前記第1周面及び第2周面に光線を照射する、上記の第1光走査装置及び第2光走査装置と、を備え、前記第1光走査装置においては、前記第1周面が前記光線によって主走査方向の第1方向に走査され、前記第2光走査装置においては、前記第2周面が前記光線によって前記第1方向とは反対の第2方向に走査される。
この構成によれば、走査方向が第1光走査装置と第2光走査装置とで異なる、所謂対向走査方式の画像形成装置において、色ズレの発生を抑制することができる。
本発明によれば、複雑な構造を採用することなく、走査レンズの倍率誤差の影響を的確に抑制することができる。従って、画像品質に優れた光走査装置及び画像形成装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。 光走査装置の内部構造を示す斜視図である。 光走査装置が備える光学系の概略的な光路図である。 対向走査方式によるドラム周面の走査を説明するための模式図である。 光走査装置の動作を説明するための模式図である。 回折格子を備えたセンサーレンズの動作を示す模式図である。 光走査装置の制御構成を示すブロック図である。 倍率誤差の説明図である。 比較例における倍率誤差の発生状況を示す説明図である。 実施例における倍率誤差の分配状況を示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の画像形成装置の一実施形態に係るフルカラーのプリンター1の断面図である。プリンター1はタンデム型であって、その本体100内の中央部には、マゼンタ画像形成ユニット1M、シアン画像形成ユニット1C、イエロー画像形成ユニット1Y及びブラック画像形成ユニット1Bkが一定の間隔でタンデムに配置されている。
各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Bkは、感光体ドラム2a,2b,2c,2dをそれぞれ有している。各感光体ドラム2a〜2dの周囲には、帯電器3a,3b,3c,3d、現像装置4a,4b,4c,4d、転写ローラー5a,5b,5c,5d及びドラムクリーニング装置6a,6b,6c,6dがそれぞれ配置されている。画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Bkの上方には、中間転写ベルト7及びトナーコンテナ12a,12b,12c,12dが配置され、下方には光走査装置13が配置されている。
感光体ドラム2a〜2dは、図1の紙面に直交する方向に延びる回転軸と、静電潜像及びトナー像を担持する円筒状の周面とを有する。感光体ドラム2a〜2dは、不図示の駆動モーターによって図中の矢印方向(時計方向)に、所定のプロセス線速に応じた回転速度で軸回りに回転駆動される。帯電器3a〜3dは、不図示の帯電バイアス電源から印加される帯電バイアスによって、感光体ドラム2a〜2dの周面を均一に帯電させる。
光走査装置13は、均一に帯電された感光体ドラム2a〜2dの周面(被走査面)に各々レーザー光線を照射し、該周面上に各色のカラー画像信号に対応した静電潜像をそれぞれ形成する。本実施形態では、マゼンタ及びシアン用と、イエロー及びブラック用との2台の2色共用タイプの光走査装置13が並設される例を示している。後記で詳述するが、光走査装置13は対向走査方式の光走査装置である。
現像装置4a〜4dは、各感光体ドラム2a〜2dの周面に、マゼンタ(M)トナー、シアン(C)トナー、イエロー(Y)トナー、ブラック(Bk)トナーをそれぞれ供給する。この供給により、各感光体ドラム2a〜2dの周面に形成された各静電潜像に各色のトナーが付着し、各静電潜像が各色のトナー像として可視化される。トナーコンテナ12a〜12dは、各現像装置4a〜4dに各色のトナーを各々補給する。転写ローラー5a〜5dは、中間転写ベルト7を介して各感光体ドラム2a〜2dに圧接され、一次転写部を形成している。ドラムクリーニング装置6a〜6dは、一次転写後の各感光体ドラム2a〜2dの周面を清掃する。
中間転写ベルト7は、各感光体ドラム2a〜2dの周面に担持されたトナー像が一次転写される外周面を有する。中間転写ベルト7は、駆動ローラー8とテンションローラー9との間に張設され、駆動ローラー8の駆動によって周回走行する。駆動ローラー8に対して、中間転写ベルト7を介して二次転写ローラー10が圧接され、二次転写部が形成されている。テンションローラー9の近傍には、ベルトクリーニング装置11が配置されている。
プリンター1はさらに、本体100の底部付近に着脱可能に装着される給紙カセット14と、本体100の右側部付近に配置された搬送パスP1及び反転搬送パスP2とを含む。給紙カセット14には、画像形成処理が施される複数枚のシートが収容されている。給紙カセット14の近傍には、該給紙カセット14から用紙を取り出すピックアップローラー15と、取り出された用紙を分離して搬送パスP1へと1枚ずつ送り出すフィードローラー16及びリタードローラー17とが配置されている。
搬送パスP1は、上下方向に延びる搬送パスであり、その搬送経路にはシートを搬送する搬送ローラー対18と、レジストローラー対19とが設けられている。レジストローラー対19は、シートを一時待機させた後に、所定のタイミングで前記二次転写部へシートを供給する。反転搬送パスP2は、シートの両面に画像を形成する場合に使用される搬送パスである。反転搬送パスP2には、複数の反転ローラー対20が適当な間隔で設けられている。
搬送パスP1は、本体100の上面に設けられた排紙トレイ21まで延びており、その途中には定着装置22と排紙ローラー対23,24とが設けられている。定着装置22は、定着ローラー及び加圧ローラーを含み、これらローラーのニップ部を通過するシートを加熱及び加圧することで、トナー像をシートに定着させる定着処理を行う。排紙ローラー対23,24は、定着処理後のシートを排紙トレイ21へ排出する。
次に、以上の構成を有するプリンター1による画像形成動作の概略を説明する。画像形成の指示信号が与えられると、各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Bkにおいて各感光体ドラム2a〜2dが回転駆動される。これらの感光体ドラム2a〜2dの表面は、帯電器3a〜3dによって一様に帯電される。各光走査装置13は、各色のカラー画像信号によって変調されたレーザー光線を出射し、各感光体ドラム2a〜2dの周面を走査して静電潜像をそれぞれ形成する。
先ず、マゼンタ画像形成ユニット1Mの感光体ドラム2aに現像装置4aからマゼンタトナーが供給され、感光体ドラム2aの静電潜像がマゼンタトナー像として現像される。このマゼンタトナー像は、感光体ドラム2aと転写ローラー5aとの間の一次転写部において、トナーと逆極性の一次転写バイアスが印加された転写ローラー5aの作用によって、中間転写ベルト7上に一次転写される。
これに続くシアン、イエロー及びブラック画像形成ユニット1C,1Y,1Bkにおいても同様な現像動作が行われる。各感光体ドラム2b、2c,2d上にそれぞれ形成されたシアン像、イエロー像及びブラックトナー像は、各一次転写部において中間転写ベルト7上のマゼンタトナー像の上に順次重ねて転写される。これにより、中間転写ベルト7上にはフルカラーのトナー像が形成される。なお、中間転写ベルト7上に転写されないで各感光体ドラム2a〜2d上に残留する転写残トナーは、各ドラムクリーニング装置6a〜6dによって除去される。
中間転写ベルト7上のフルカラートナー像が駆動ローラー8と二次転写ローラー10との間の二次転写部に達するタイミングに合わせて、給紙カセット14から搬送パスP1へ送り出されたシートが、レジストローラー対19によって前記二次転写部へと搬送される。トナーと逆極性の二次転写バイアスが印加された二次転写ローラー10によって、フルカラーのトナー像が中間転写ベルト7から一括してシートに二次転写される。
その後、シートは定着装置22へと搬送され、定着ニップ部を通過する。この際の加熱及び加圧によって、フルカラーのトナー像がシートの表面に熱定着される。トナー像が定着されたシートは、排紙ローラー対23,24によって排紙トレイ21上に排出され、一連の画像形成動作が完了する。なお、シート上に転写されないで中間転写ベルト7上に残留する転写残トナーは、ベルトクリーニング装置11によって除去される。
続いて、光走査装置13の詳細構造について説明する。図1に示すプリンター1に備えられた2台の光走査装置13の基本構成は同じであるため、以下、1台の光走査装置13についてのみ図示及び説明する。図2は、光走査装置13の内部構造を示す斜視図、図3は、光走査装置13が備える光学系の概略的な光路図である。なお、ここで示す1台の光走査装置13は、図1に示すマゼンタ画像形成ユニット1Mの感光体ドラム2aとシアン画像形成ユニット1Cの感光体ドラム2bとを露光走査するものである。
光走査装置13は、樹脂にて一体成形されたハウジング25を有している。ハウジング25は、その内部空間を上側空間25Uと下側空間(図2には表れていない)とに区画する水平な平板部材からなる基盤25Aと、基盤25Aの周囲を囲む枠状の側壁25Bとを備えている。図示は省略しているが、上側空間25Uの開口は蓋部材によって塞がれる。
ハウジング25の上側空間25Uの中心部には、ポリゴンミラー26(偏向体)が配置されている。ハウジング25内の上側空間25U及び下側空間には、ポリゴンミラー26を中心としてこれの両側に第1走査光学系30(第1光走査装置)と第2走査光学系40(第2光走査装置)とが対称に配置されている。第1走査光学系30はマゼンタの感光体ドラム2a(第1感光体ドラム)の周面(第1周面)を被走査面として走査するための光学系であり、第2走査光学系40はシアンの感光体ドラム2b(第2感光体ドラム)の周面(第2周面)を被走査面として走査するための光学系である。つまり、本実施形態の光走査装置13は、1つのポリゴンミラー26を、互いに対向して配置された2つの走査光学系30、40で共用する対向走査方式の装置である。
ポリゴンミラー26は、レーザー光線(光ビーム)を偏向(反射)する複数のミラー面(本実施形態では6面)を有している。ポリゴンミラー26の中央部には、回転軸261が挿通されている。この回転軸261にはポリゴンモーター262が連結されている。ポリゴンモーター262の駆動によって、ポリゴンミラー26は回転軸261の軸回りに回転する。
第1、第2走査光学系30、40は、所定波長の第1、第2レーザー光線L1、L2を発する第1LD(レーザーダイオード)モジュール31(光源)、第2LDモジュール41(光源)を各々備えている。第1、第2LDモジュール31、41は、レーザーダイオードを備え、ハウジング25の側壁25Bに組み付けられたプリント基板311、411に搭載された状態で、上側空間25U内に配置されている。第1、第2走査光学系30、40が備える光学部品は、第1、第2LDモジュール31、41からマゼンタ、シアン感光体ドラム2a、2bの周面に至る第1、第2レーザー光線の光路上に各々配置されている。
本実施形態で用いられるレーザーダイオードは、温度により発振波長が変化する温度特性を有している。この温度特性は、環境温度が上昇すると、レーザーダイオードの発振波長が長波長側へシフトするという特性である。すなわち、ハウジング25内の温度が上昇して第1、第2LDモジュール31、41が加温されると、これらモジュール31、41が発するレーザー光線の波長が長くなる。なお、第1、第2LDモジュール31、41として、シングルビーム型のモジュール、又は、マルチビーム型のモジュールを用いることができる。
第1走査光学系30は、入射光学ユニット312、第1走査レンズ32、第2走査レンズ33及び折り返しミラー34を含む。第2走査光学系40は、入射光学ユニット412、第1走査レンズ42、第2走査レンズ43及び折り返しミラー44を含む。これらの光学部品は、ハウジング25の上側空間25U(基盤25Aの上面)に配置されている。なお、図2、図3には表れていないが、基盤25Aの下面側には、2つの折り返しミラーが、第1、第2走査光学系30、40のそれぞれに配置されている。さらに、第1走査光学系30に対して、センサーレンズ35及び同期センサー36が、第2走査光学系40に対して、センサーレンズ45及び同期センサー46が配置されている。
第1走査光学系30と第2走査光学系40とは同じ構成を備えているので、ここでは、主に図3に基づき、第1走査光学系30の各光学部品について説明する。入射光学ユニット312は、コリメータレンズ313とシリンドリカルレンズと314を含む。コリメータレンズ313は、第1LDモジュール31から発せられ拡散するレーザー光線を平行光に変換する。シリンドリカルレンズ314は、コリメータレンズ313から出射されたレーザー光線を副走査方向に集光し、主走査方向に長い線状光に変換してポリゴンミラー26のミラー面に結像させる。第1LDモジュール31から出射されるレーザー光線は、ポリゴンミラー26の1のミラー面に入射され、第2LDモジュール41から出射されるレーザー光線は、ポリゴンミラー26の前記1のミラー面とは異なる他のミラー面に入射され、両レーザー光線は対称な2方向にそれぞれ偏向される。
第1走査光学系30の第1走査レンズ32及び第2走査レンズ33は、fθ特性を有するレンズであり、光路上においてポリゴンミラー26と感光体ドラム2aの周面(被走査面)との間に配置されている。第1、第2走査レンズ32、33は、ポリゴンミラー26のミラー面によって偏向されたレーザー光線を等速走査光に変換すると共に、該等速走査光を感光体ドラム2aの周面に結像させる。
これら第1、第2走査レンズ32、33は、透光性の樹脂をモールド成形することによって作成される樹脂レンズである。このため、環境温度の変化によってレンズ屈折率、レンズ面形状、面間隔などが変化することにより、第1、第2走査レンズ32、33のレンズパワーは変化する。例えば、第1、第2走査レンズ32、33の温度が上昇すると、レンズパワーは低下し、光を屈折させる力が低下する。このことは、走査幅を拡張し、倍率誤差を招来することに繋がる。
折り返しミラー34は、基盤25Aの上面に沿って水平方向に進行するレーザー光線が前記下側空間へ向かうよう、前記レーザー光線を90°屈曲させて反射するミラーである。基盤25Aには、主走査方向に長い矩形の開口である2つの開口部25a、25bが設けられている。第2走査レンズ33を通過したレーザー光線は、折り返しミラー34で反射され、開口部25bを通して前記下側空間へ向かう。その後レーザー光線は、前記下側空間に配置された2つの折り返しミラーにて90°ずつ屈曲され、開口部25aを通して上側空間25Uに戻り、直上に配置されている感光体ドラム2aの周面へ向かう。このような経路を取るレーザー光線は、有効走査幅の範囲内のレーザー光線である。一方、有効走査幅の範囲外のレーザー光線の一部は、図3に示すように、折り返しミラー34で反射された後、センサーレンズ35へ向かう。
センサーレンズ35は、光路上においてポリゴンミラー26と同期センサー36との間に配置され、前記レーザー光線を同期センサー36の受光部に結像させる。後記で詳述するが、センサーレンズ35は、その入射面又は出射面の少なくとも1面に、レーザー光線を走査ラインの下流側方向へ屈曲させる回折格子を有する。この回折格子によるレーザー光線の屈曲度合いは、環境温度により変化する。本実施形態では、前記屈曲度合いの変化を利用して、レーザー光線が同期センサー36に入射するタイミングを自動調整する。
同期センサー36は、レーザー光線を受光して光電変換し、検出信号を生成するBD(beam detect)センサーである。同期センサー36は、感光体ドラム2aの周面に描かれる走査ラインの走査開始側における、有効走査幅の範囲外のレーザー光線を検出する。同期センサー36の検出信号は、走査ラインの書き出し位置を決定するために用いられる。すなわち、同期センサー36がレーザー光線を検知してから一定時間経過後に、走査ラインの感光体ドラム2aの周面への書き込みが開始される。
第1走査光学系30の構成は以上の通りである。第2走査光学系40、センサーレンズ45及び同期センサー46も、上記と同じである。本実施形態の光走査装置13では、第1走査光学系30及び第2走査光学系40の2つの光学系で1つのポリゴンミラー26を共用する対向走査方式が採用されている。この対向走査方式について、図4を参照して説明する。図4は、対向走査方式による感光体ドラム2a、2bの周面の走査を説明するための模式図である。
第1走査光学系30の第1LDモジュール31から出射された第1レーザー光線L1は、矢印F方向に所定の速度で回転軸261の軸回りに回転駆動されているポリゴンミラー26の第1ミラー面R1に入射する。一方、第2LDモジュール41から出射された第2レーザー光線L2は、ポリゴンミラー26の第3ミラー面R3に入射する。第3ミラー面R3は、回転軸261の軸回りで見て、第1ミラー面R1に対して面方向が120°異なっている面である。
第1レーザー光線L1と第2レーザー光線L2とは、ポリゴンミラー26に対して対称な2方向に偏向(反射)され、第1レーザー光線L1はマゼンタ感光体ドラム2aの右端付近の周面に、第2レーザー光線L2はシアン感光体ドラム2bの左端付近の周面にそれぞれ結像される。この結像までの間に、第1、第2レーザー光線L1、L2は、第1走査レンズ32、42と第2走査レンズ33、43とを通過することによって等速走査光に変換される。
第1レーザー光線L1は、回転軸AX回りに回転しているマゼンタ感光体ドラム2aの周面を、右端を書き出し位置として右端から左端に向かう第1方向D1に走査し、走査ラインSL1を描画(露光)する。一方、第2レーザー光線L2は、回転軸AX回りに回転しているシアン感光体ドラム2bの周面を、左端を書き出し位置として左端から右端に向かう第2方向D2に走査し、走査ラインSL2を描画する。つまり、第1、第2レーザー光線L1、L2は、互いに対向する方向に走査ラインSL1、SL2を描画する。この意味で、当該描画の方式が対向走査方式と呼ばれる。
走査ラインSL1、SL2は、主走査方向及び副走査方向の双方においてズレなく重なる状態でないと、色ズレが生じることになる。しかし、対向走査方式においては、走査ラインSL1、SL2の走査方向が互いに反対方向であることから、上記の倍率誤差が生じた場合に、両ラインの重なりズレが生じ易い。本実施形態の光走査装置13は、回折格子を備えたセンサーレンズ35を介在させることによって、上記色ズレを可及的に抑制できる機能を備えている。以下、この点について説明する。
図5は、光走査装置13の動作を説明するための模式図である。ポリゴンミラー26の1つのミラー面がレーザー光線L1を偏向し、この偏向されたレーザー光線L1が第1、第2走査レンズ31、32(図5では図略)を通過して走査することができる範囲(この範囲を、本明細書では「走査可能幅」という)は、感光体ドラム2aの周面における有効走査幅よりも広い。有効走査幅は、前記周面における、走査ラインSL1(静電潜像)が書き込まれる主走査方向の幅である。走査可能幅は、走査方向(第1方向D1)で見て、有効走査幅の上流端よりもさらに上流側に延び、下流端よりもさらに下流側に延びている。図5では、最も上流側に偏向される光線をL11、最も下流側に偏向される光線をL15で表している。つまり、光線L11と光線L15との間が走査可能幅であり、この走査可能幅の範囲内に有効走査幅が設定されている。
同期センサー36は、第1、第2走査レンズ31、32を通過し且つ前記走査可能幅の範囲に向かう光線のうち、有効走査幅の上流端(走査ラインSL1の走査開始側)よりも上流側(有効走査幅の範囲外)においてレーザー光線を受光する位置に配置されている。図5では、有効走査幅の上流端に向かう光線をL14で示しており、同期センサー36は、光線L11と光線L14との間の仮想線L13上に配置されている。
センサーレンズ35は、仮想線L13よりも上流側の光線が入射する位置に配置されている。センサーレンズ35は、レーザー光線を走査方向の下流側に屈曲させる回折格子を備える。図5では、センサーレンズ35の出射面に回折格子35Dが設けられている例を示している。回折格子は、格子間隔をd、光線の波長をλ、回折格子によるスペクトルの次数をmとするとき、
sinθ=mλ/d ・・・(1)
で示される角度で光線を屈曲させることができる。
図6は、回折格子35Dの構造を示す模式図である。回折格子35Dの格子間隔は、走査方向の下流側の格子間隔d1が最も広く、格子間隔d1の上流側に隣接する格子間隔d2がd1より狭いというように、上流側へ向かうに連れて格子間隔が狭くなっている。換言すると、回折格子35Dの格子間隔は、走査方向の上流側から下流側に向けて広く設定されている。上記(1)式より、格子間隔dが変化すると光線の屈曲角度θnも変化する。回折格子35Dは、格子間隔が上記の通り像高によって徐々に変化しているので、結果として光線を屈曲させると共に光線を一点に集光させることができる。また、集光点は、格子間隔dを調整することによって、所望の位置に設定することができる。
さらに、上記(1)式より、光線の波長λが変化すると光線の屈曲角度θnも変化する。既述の通り、第1LDモジュール31が発するレーザー光線の波長は、環境温度の上昇に伴って長くなる。従って、温度上昇すると、光線の屈曲角度θnは大きくなる。つまり、光線の集光点は、走査方向のより下流側へシフトすることになる。このことは、レーザー光線が同期センサー36に入射するタイミングが、環境温度によって変化することを意味する。この点を、図5に基づいて説明する。
説明の便宜のため、センサーレンズ35に最上流側の光線L11が入射すると扱うと、回折格子35Dによって該光線L11は走査方向の下流側に屈曲される。環境温度が常温である時の光線の屈曲角度をθA、常温時から所定温度だけ上昇した高温時の光線の屈曲角度をθB、それぞれの屈曲角度で光線L11が屈曲された後の光線をL12A、L12Bとする。この場合、θA<θBとなる。このため、常温時の光線L12Aは同期センサー36に入射しないが、高温時の光線L12Bは同期センサー36に入射するという現象が生じる。
ポリゴンミラー26がある回転角φの状態のとき、レーザー光線L1が光線L11の方向へ偏向されるとする。常温時において、回転角φでは光線L12Aは同期センサー36に入射できず、ポリゴンミラー26が回転角φ+Δφの回転角まで回転したときに、光線L12Aは同期センサー36に入射する。これに対し、高温時では、ポリゴンミラー26が回転角φの状態で、光線L12Aは同期センサー36に入射できる。走査ラインSL1の書き込みは、同期センサー36が光線を検出したタイミングに一定時間を加算したタイミングで開始される。従って、高温時には、走査ラインSL1の書き込み開始タイミングが、常温時よりも早くなる。このことは、第1、第2走査レンズ32、33に倍率誤差が発生したときに、当該倍率誤差に伴う走査位置のズレを、走査ラインSL1の書き込み開始側と書き込み終了側とに振り分けることに寄与する(図10に基づき後述する)。
センサーレンズ35は、透明な平板基材又はレンズパワーを有する基材の片面又は両面に回折格子35Dを設けてなる構成とすることができる。回折格子35Dが光線の集光機能を有するので必ずしもレンズパワーは必要ではないが、焦点距離を短くしてコンパクト化を図るためには、レンズパワーを有する基材を用いることが望ましい。
センサーレンズ35の具体例を例示しておく。センサーレンズ35の入射面を球面とし、出射面を回折面とする。前記球面の曲率半径は、−9.2054とする。前記回折面は、次数:1、規格化波長:786nm、一次の位相係数:−0.8278、二次の位相係数:0.0336、三次の位相係数:−0.0056とする。回折面の格子間隔は、走査方向の最も下流側の格子間隔d1=1.9μm、最も上流側の格子間隔dn=1.6μmとし、下流側から上流側に向けて徐々に格子間隔が減少する設計とする。格子間隔は、下流側から上流側に向けて減少傾向にあればよく、複数の格子単位で、段階的に格子間隔が減少してゆく態様であっても良い。
図7は、光走査装置13の制御構成を示すブロック図である。プリンター1は、光走査装置13及び他の装置の動作を制御する制御部50を備える。制御部50は、制御プログラムにより動作するマイクロコンピューターであり、機能的に画像形成制御部51、発光制御部52(制御部)及びポリゴンモーター制御部53を含む。
画像形成制御部51は、プリンター1の画像形成動作を制御する。画像形成制御部51は、プロセス線速を設定し、このプロセス線速に合わせて感光体ドラム2a〜2d、中間転写ベルト7を含む回転部材の回転速度等を設定する。そして、画像形成制御部51は、画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Bk、光走査装置13、定着装置22などを動作させて、シートへのトナー像の転写、定着動作を制御する。
発光制御部52は、第1LDモジュール31(第2LDモジュール41)の発光動作を制御する。発光制御部52は、各色の画像形成用として与えられた画像データに応じて、第1LDモジュール31が有するレーザーダイオードの発光動作を制御する。発光制御部52は、同期センサー36が光線を検出したタイミングに一定時間を加算したタイミングで、感光体ドラム2aの周面への走査ラインSL1の書き込みを開始させる。なお、前記一定時間は、上述の常温時又は高温時に拘わらず変更されない。
ポリゴンモーター制御部53は、ポリゴンミラー26の軸回りの回転数を制御するために、ポリゴンモーター262の駆動を制御する。
続いて、走査光学系における倍率誤差の発生状況及び本実施形態の光走査装置13による倍率誤差の分配状況について説明する。図8は、倍率誤差の説明図である。ここでは、図示簡略化のため、第1、第2走査レンズ32、33の記載は省いている。常温時(温度=t1とする)、有効走査幅が走査方向の最も上流側の光線LS(t1)と、最も下流側の光線LE(t1)で定まっているものとする。光線LSが発生されるタイミング(書き込み開始タイミング)は、同期センサー36が光線L0を検出したタイミングに一定時間を加算したタイミング、つまり、ポリゴンミラー26が所定の回転角φAに相当する分だけ回転した後のタイミングである。
高温時(温度=t2、t1<t2とする)、上述の通り、第1、第2走査レンズ32、33のレンズパワーが低下する。これにより、第1、第2走査レンズ32、33の倍率が変化し、書き込み開始タイミングを考慮しない場合、有効走査幅は走査方向の上流側及び下流側共、走査幅中心Cから外側へ広がるように拡張されることになる。すなわち、最も上流側の光線LS(t1)が感光体ドラム2aの周面の点P1に結像していたものが、高温時の光線LS(t2)は、点P1よりも上流側の点P11に結像するようになる。これにより走査ズレΔA1が有効走査幅の上流側に発生する。同様に、最も下流側の光線LE(t1)が感光体ドラム2aの周面の点P2に結像していたものが、高温時の光線LE(t2)は、点P2よりも下流側の点P21に結像するようになる。これにより走査ズレΔA2が有効走査幅の下流側に発生する。
図9は、比較例に係る光走査装置、つまりセンサーレンズ35を具備しない光走査装置における倍率誤差の発生状況を示す説明図である。上述の通り、光線LS(t1)が発生される書き込み開始タイミングは、同期センサー36が光線L0を検出したタイミングに一定時間を加算したタイミングである。この制御形態は、高温時でも同様である。このため、高温時において光線LS(t2)が発生される書き込み開始タイミングは、常温時の光線LS(t1)と同じになる。すなわち、点P1及び点P11の、感光体ドラム2aの周面への結像位置(書き込み開始位置)は同じである。
従って、図8で示した走査ズレΔA1、ΔA2は、有効走査幅の下流側に偏って表れることになる。すなわち、第1、第2走査レンズ32、33の倍率変化により、ポリゴンミラー26を常温時における点P1〜点P2の距離に相当する回転角だけ回転させたときの走査幅が、上流側で走査ズレΔA1、下流側で走査ズレΔA2だけ拡張される。この走査ズレΔA1及びΔA2が、書き込み開始位置が常温時及び高温時で一定であることから、図9に示すように、下流側だけに走査ズレΔA1+ΔA2となって表れるようになる。これにより、光線LS(t1)と光線LE(t1)との走査幅中心Cに対して、光線LS(t2)と光線LE(t2)との走査幅中心が下流側にシフトすることになる。
この走査幅中心Cのシフトは、対向走査方式においては大きな色ズレの要因となる。図4に基づき説明した通り、マゼンタ感光体ドラム2aに書き込まれる走査ラインSL1とシアン感光体ドラム2bに書き込まれる走査ラインSL2とは、走査方向が反対である。このため、走査ラインSL1の走査幅中心は左側にシフトし、走査ラインSL2の走査幅中心は右側にシフトする。従って、両走査ラインによって書き込まれた画像を重ね合わせると、本来重なり合うべきドット同士が離間することになり、色ズレが発生する。
図10は、本実施形態における倍率誤差の分配状況を示す説明図である。回折格子を有するセンサーレンズ35を備えた本実施形態によれば、上述の走査ズレΔA1、ΔA2を、それぞれ走査方向の上流側と下流側とに分配することができる。いま、ポリゴンミラー26が回転角φのとき、センサーレンズ35に走査可能幅内の光線L0が入射するものとする。常温時(t1)、センサーレンズ35に入射した光線L0は、回折格子によって屈曲角度θt1で走査方向の下流側に屈曲された光線Lt1となる。この光線Lt1は、回転角φでは同期センサー36に入射できない。
ポリゴンミラー26が回転角φ+Δφ1の回転角まで回転したときに、光線Lt1は同期センサー36に入射する。その後、ポリゴンミラー26が、予め定められた一定時間に相当する回転角Δφ2だけ回転すると、発光制御部52は、走査ラインSL1の描画のための第1LDモジュール31の点灯制御を開始する(書き込み開始タイミング)。つまり、光線LS(t1)が発生され、点P1から露光が開始される。そして、発光制御部52は、ポリゴンミラー26が、有効走査幅に相当する回転角Δφ3だけさらに回転するまで前記点灯制御を継続し、光線LE(t1)に対応する点P2において前記点灯制御を終了する(書き込み終了タイミング)。以上を総括すると、常温時においては、光線L0を基準とすると、ポリゴンミラー26が回転角φ+Δφ1+Δφ2だけ回転した時点が書き込み開始タイミングであり、その後、さらに回転角Δφ3だけ回転した時点が書き込み終了タイミングとなる。
これに対し、高温時(t2)、センサーレンズ35に入射した光線L0は、回折格子の上記の作用によって屈曲角度θt2(θt1<θt2)で走査方向の下流側に屈曲された光線Lt2となる。この光線Lt2は、回転角φでは光線L12Aは同期センサー36に入射する。その後、ポリゴンミラー26が、予め定められた一定時間に相当する回転角Δφ2分だけ回転すると、発光制御部52は、走査ラインSL1の描画のための第1LDモジュール31の点灯制御を開始する(書き込み開始タイミング)。これにより、光線LS(t2)が発生され、点P11から露光が開始される。この書き込み開始タイミングは、常温時に比べてポリゴンミラー26の回転角Δφ1の分だけ早くなる。よって、点P11は、点P1よりも走査方向(矢印D1)の上流側にシフトする。
そして、発光制御部52は、ポリゴンミラー26が、有効走査幅に相当する回転角Δφ3だけさらに回転するまで前記点灯制御を継続し、光線LE(t2)に対応する点P21において前記点灯制御を終了する(書き込み終了タイミング)。ここでは、倍率誤差の影響で、点P21が点P2よりも走査方向の下流側にシフトしている例を示している。以上を総括すると、高温時においては、ポリゴンミラー26が回転角φ+Δφ2だけ回転した時点が書き込み開始タイミングであり、その後、さらに回転角Δφ3だけ回転した時点が書き込み終了タイミングとなる。
本実施形態では、高温時に書き込み開始タイミングが、常温時に比べて前記回転角Δφ1の分だけ早くなるので、倍率誤差により発生する有効走査幅の拡張分の一部を、有効走査幅の上流側に振り分けることができる。従って、本実施形態の光走査装置13によれば、有効走査幅の下流側に偏って表れてしまう比較例の光走査装置に比べて、色ズレの発生を抑制することができる。
とりわけ、センサーレンズ35の回折格子35Dを、第1、第2走査レンズ32、33の温度上昇によるレンズパワーの低下に伴う前記有効走査幅の拡張分を、走査ラインSL1の走査開始側と走査終了側とに均等に振り分けることができる格子構造とすることが望ましい。具体的には、回折格子35Dの格子間隔と温度変化による屈曲角度の変位との関係を予め求め、同期センサー36への光線の入射を早くする度合い(上記Δφ1の温度特性)と、倍率誤差による有効走査幅の拡張分の温度特性とが一致するように、回折格子35Dの格子間隔を定めることが望ましい。この場合、点P1と点P11との間の走査ズレΔA1と、点P2と点P21との間の走査ズレΔA2とが同一になる。このため、走査幅中心Cを、倍率誤差の発生前後で同一位置とすることができ、対向走査方式において色ズレの発生を最小限に抑止することができる。
以上説明した本実施形態に係る光走査装置13によれば、光路上においてポリゴンミラー26と同期センサー36との間に、回折格子35Dを有するセンサーレンズ35が配置される。この回折格子35Dは、レーザー光線を走査方向の下流側方向へ屈曲させ、且つ、その屈曲度合いは温度により変化する。このため、環境温度の変化により第1、第2走査レンズ32、33に倍率誤差が発生しても、同期センサー36へレーザー光線が入射するタイミング、つまり書き込み開始タイミングを、センサーレンズ35によって温度に応じて適切に調整することができる。これにより、倍率誤差に伴う走査ズレを有効走査幅の上流側及び下流側に振り分けることができ、色ズレに起因する画像品質の低下を最小限に抑止することができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、次のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記実施形態では、1つの光走査装置13内に、2色の走査光学系30、40が収容されている2色共用タイプを示した。これに代えて、4色の走査光学系が1つの光走査装置内に収容される4色共用タイプの対向走査方式としても良い。
(2)上記実施形態では、画像形成装置として、フルカラーのプリンター1を例示した。これに代えて、モノクロのプリンターや複写機等に本発明を適用しても良い。つまり、光走査装置13を、単色用のものとしても良い。
(3)上記実施形態では、偏向体としてポリゴンミラー26を例示した。これに代えて、他の偏向体、例えばMEMSミラーを採用しても良い。また、第1、第2走査光学系30、40が、各々2枚の走査レンズを含む例を示したが、1枚の走査レンズで構成される走査光学系としても良い。
(4)図3を参照して、上記実施形態では、第1、第2走査レンズ32、33の双方を通過したレーザー光線が同期センサー36に入射する例を示した。これに代えて、第1走査レンズ32のみを通過したレーザー光線が同期センサー36に入射する構成としても良い。この場合、第1走査レンズ32と第2走査レンズ33との間において有効走査幅の範囲外のレーザー光線を反射ミラー等で取り出し、その反射レーザー光線が同期センサー36に入射する構成とすることができる。但し、第1、第2走査レンズ32、33の双方が主走査方向のパワーを有する場合には、上記実施形態のように、第1、第2走査レンズ32、33の双方を通過したレーザー光線が同期センサー36に入射するように構成することが好ましい。
1 プリンター(画像形成装置)
13 光走査装置
2a マゼンタ感光体ドラム(第1感光体ドラム)
2b シアン感光体ドラム(第2感光体ドラム)
26 ポリゴンミラー(偏向体)
30 第1走査光学系(第1光走査装置)
31 第1LDモジュール(光源)
32 第1走査レンズ(走査レンズ)
33 第2走査レンズ(走査レンズ)
35 センサーレンズ
35D 回折格子
36 同期センサー
40 第2走査光学系(第2光走査装置)
41 第2LDモジュール(光源)
42 第1走査レンズ(走査レンズ)
43 第2走査レンズ(走査レンズ)
45 センサーレンズ
46 同期センサー
50 制御部
52 発光制御部(制御部)
L1、L2 第1、第2レーザー光線(光線)
SL1、SL2 走査ライン(走査ライン)

Claims (5)

  1. 温度により波長が変化する光線を発する光源と、
    前記光源から発せられる光線を偏向すると共に、被走査面を含む所定の走査可能幅の範囲を前記光線で走査させ、前記走査可能幅の範囲内に設定される有効走査幅内に走査ラインを書き込ませる偏向体と、
    光路上において前記偏向体と前記被走査面との間に配置され、前記光線を前記被走査面に結像させる走査レンズと、
    前記走査レンズを通過し且つ前記走査可能幅の範囲に向かう光線のうち、前記走査ラインの走査開始側における前記有効走査幅の範囲外の光線を検出する同期センサーと、
    光路上において前記偏向体と前記同期センサーとの間に配置され、前記光線を前記同期センサーに結像させるセンサーレンズと、
    前記光源の発光動作を制御する制御部であって、前記同期センサーが前記光線を検出したタイミングに一定時間を加算したタイミングで、前記走査ラインの書き込みを開始させる制御部と、を備え、
    前記センサーレンズは、前記光線を前記走査ラインの下流側方向へ屈曲させる回折格子を有し、該回折格子による前記光線の屈曲度合いは温度により変化する、光走査装置。
  2. 請求項1に記載の光走査装置において、
    前記回折格子の間隔は、走査方向の上流側から下流側に向けて広く設定されている、光走査装置。
  3. 請求項1又は2に記載の光走査装置において、
    前記光源が発する光線は、温度上昇によって波長が長くなり、
    前記走査レンズは、温度上昇によってレンズパワーが低下するものである、光走査装置。
  4. 請求項3に記載の光走査装置において、
    前記回折格子は、前記レンズパワーの低下に伴う前記有効走査幅の拡張分を、前記走査ラインの走査開始側と走査終了側とに均等に振り分ける格子構造を備える、光走査装置。
  5. 各々被走査面としての第1周面及び第2周面を有し軸回りに回転する第1感光体ドラム及び第2感光体ドラムと、
    前記第1周面及び第2周面に光線を照射する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の第1光走査装置及び第2光走査装置と、を備え、
    前記第1光走査装置においては、前記第1周面が前記光線によって主走査方向の第1方向に走査され、
    前記第2光走査装置においては、前記第2周面が前記光線によって前記第1方向とは反対の第2方向に走査される、画像形成装置。
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