JP2015030910A - 複合線材およびその製造方法 - Google Patents

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英生 汲田
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Abstract

【課題】医療用カテーテルのガイドワイヤーにおいて、細線化を一層進め、従来よりも細い線径としつつ、従来と同等以上の機械的強度やX線不透過性を確保した、更に材料価格の安い複合線材を提供する。
【解決手段】Ta若しくはWを10〜90質量%含み、更にPt、Au、Ag、Cu、Ti、Sn及びNiの群から選ばれた少なくとも2種を含む粉末焼結合金の素線(1)の外周面に、純Au層若しくはAuにNi及び/又はTiを添加した合金からなる被覆層(2)を構成し、性質の異なる2種以上の金属材料を接合して形成される2層構造を有する複合線材。該素線(1)材料の粉体を焼結して線体とし、Au又はAu合金に伸管加工を施し金属パイプとし、該金属パイプに該焼結線体を挿入し、伸線加工及び熱処理を施して、2層クラッド線とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、X線不透過性が優れた材質として、AuもしくはAu合金をパイプ形状とし、そのパイプの内部を、TaもしくはWを含み、さらにPt、Au、Ag、Cu、Ti、SnおよびNiの群から選ばれた少なくとも2種を用いて粉末焼結することにより製造される素線で構成する複合線材に関する。
医療用カテーテルのガイドワイヤーには、生体適合性、機械的特性、X線不透過性に優れる金合金が従来から利用されてきた。医療用カテーテルのガイドワイヤーは、人体の血管内を通過させるものであるため、生体適合性に関しては血液により素材そのものが腐食しないことが重要であり、生体内においても腐食することなく、化学的に安定なことが求められる。さらに、X線不透過性に関しては、術者(執刀医)がガイドワイヤー挿入時にガイドワイヤーの位置をX線で確認するために、X線CT画像下での視認性の高さが求められる。白金合金はこれらの性能を満たすことのできるもので、医療用カテーテルのガイドワイヤーの主要な材料として使用されている。
ガイドワイヤーとしては、細い血管内を通過させる際の術者の操作性を向上させるために、これらの性能を維持しながら、線径を少しでも細くすることが望まれてきた。特に、脳動脈瘤や心筋梗塞などのカテーテル手術用としてのガイドワイヤー素材の開発が強く求められてきた。
特開2011−224265号公報 実開平6−81547号公報
近年においては、ガイドワイヤーに、従来よりも細い線径としつつ、従来と同等の機械的強度やX線不透過性が求められ、さらに材料価格低減が望まれるなど、非常に厳しい条件が求められている。
これらを実現するために、従来技術として金にニッケル等の添加元素を添加する等の手法が用いられている。この素材については、金が生体適合性とX線不透過性に優れ、そこにニッケルを添加することで、引張強度といった機械的特性を向上させたものである(例えば、特許文献1)。
従来技術においては、この材料について、機械的強度を向上させるために、ニッケル添加量を増やしたり、他の添加元素を増やしたりする手法が用いられるが、ニッケルの添加量を増やすと機械的強度は向上するものの、X線不透過性が低下してしまう。他の元素の添加についても同様の課題がある。
一方で、タンタルやタングステンは、金と同様に優れたX線不透過性を有しているため、タングステン線あるいはタンタル線に貴金属層や生体親和性物質を被覆して機械的強度を向上させたガイドワイヤー素材も用いられている(例えば、特許文献2)。
しかしながら、タングステンやタンタルは加工性が乏しいために細線化が難しく、さらに十分な剥離強度を有する均一なめっき等を細線に施すことが困難である。また、タングステンやタンタルは金に比べると脆く、ガイドワイヤーを患部へ挿入する途中に破断する恐れもある。
ここで本発明が対象としている課題とその解決方法について、複合線材の構成と、その物性について説明する。
そこで本発明では、X線不透過性、引張強度等の機械的強度や加工性を維持しつつ、材料価格を低減させるために、従来技術同様の金あるいは金合金をパイプ形状と成し、その内部をX不透過性と機械的特性に優れる粉末焼結で作製された素線としたもので、素線の外周面に対してパイプ形状の金あるいは金合金を複合したものとする。
複合線材とした理由は、直接血液と触れ合うワイヤー表面については、従来から用いられている生体適合性に優れた金あるいは金合金の被覆層で構成し、その内部については機械的特性および加工性に優れる粉末焼結合金の素線で構成することで、ガイドワイヤー用素材として用いることも可能な特性を満たすためである。また、複合線材とすることで、素材単体で加工するよりも加工性が向上するためである。
複合線材における素線と被覆層の断面積比率は、目的とする複合線材の各種特性にもよるが、素線が1〜9に対して被覆層は9〜1が好ましい。この範囲外では、素線あるいは被覆層における複合後の加工性が低下する。
ここで、上記パイプ形状のAu合金とは、純AuおよびAu−Ni、Au−Ti、Au−Ni−Ti等の合金である。なお、本発明は上記に挙げられるAu合金に限定されず、ガイドワイヤー用素材として求められる特性を満たしていればどのような公知の素材でもよい。
上記粉末焼結合金に用いる金属とは、TaもしくはWを含み、さらにPt、Au、Ag、Ti、Cu、SnおよびNiの群から選ばれた少なくとも2種を用いた粉末焼結体である。
粉末焼結合金にTaやWを添加する目的は、硬さや引張強度などの機械的強度を向上させ、X線不透過性を高めるためである。TaもしくはWの添加量は10〜70質量%が好ましい。TaもしくはWの添加量が少ないと引張強度やX線不透過性が不足し、ガイドワイヤー用素材としての操作性やX線やCT画像下の視認性が実用上適さないものとなる。TaもしくはWの添加量が多いと加工性が不足し、細線化が困難となる。
粉末焼結合金にCu、SnやAgを添加する目的は、加工性を向上させるためである。SnとAgの添加量は5〜70質量%が好ましい。SnとAgの添加量が少ないと加工性向上の効果が乏しく、添加量が多いとX線不透過性が不足する。Cuの添加量は1〜30質量%が好ましい。Cuの添加量が多いとX線不透過性が不足し、添加量が少ないと焼結性が低下する。
粉末焼結合金にTiやNiを添加する目的は、金属間化合物を生成して粉末焼結性を高めることで、加工性を向上させるためである。TiやNiの添加量は1〜30質量%が好ましい。TiやNiの添加量が少ないと十分な焼結性が得られずに加工性が低下し、添加量が多すぎるとX線不透過性が低下する。
粉末焼結合金にAuやPtを添加する目的は、X線不透過性を高めるためである。AuやPtの添加量に特に制限はないが、他の添加金属とのバランスを考慮して5〜15質量%とした。
なお、本発明の粉末焼結合金の組成は、上記に限定されるものではなく、複合線材の目的とする特性により適宜調整できるものである。
このようにした本発明は、パイプ形状のAuもしくはAu合金内に充填された粉末焼結合金により、引張強度等の機械的強度、X線不透過性や加工性を維持しつつ、高価な貴金属であるAu等の使用量を大幅に削減することができ、安価な複合線材を提供することが可能となる。
実施例1における焼結材層の後方散乱電子像(BEI)および各元素の元素マッピング像 実施例1および実施例2における2層クラッド線の長手方向断面を示す説明図 従来例における純AuもしくはAu合金と実施例1における複合線材のX線CT画像
1 焼結材層
2 被覆層
本発明の実施例を表1、表2および表3に示し、複合線材の加工工程を説明する。なお、実施例は線材種類No.で区別し、表1に対応する形式で表2および表3を示す。また、従来例は表4に示す。
具体的には、被覆層に含まれる成分組成を表1に、実施例1の焼結材層に含まれる成分組成を表2に、実施例2の焼結材層に含まれる成分組成を表3に示す。表1に対応する形式で表2および表3に引張強度を記載する。また、従来例の線材に含まれる成分組成を表4に記載する。
加工性は、被覆層1〜4を被覆時に、最終加工率を断面減少率で50%以上に加工可能であったものをAとした。なお、本発明の実施例における複合線材はいずれも加工率50%以上に加工可能であった。
X線不透過性は、X線CT装置を使用し、管電流30μA、管電圧100kVの測定条件にて、視認性を評価した。なお、被覆層1〜4を被覆時に、視認性が従来例のAuあるいはAu合金と比較して同等以上であったものはA、視認性がAuあるいはAu合金と比較して劣るが、視認可能であるものをBと評価した。
引張強度(N/mm2)は、JIS Z 2241に従い、直径0.05mmの試験片を用いて、標点距離100mmで測定した。なお、本発明の線材種類によっては、被覆層1〜4を被覆時に引張強さが従来例より低下あるいは向上した結果となっているが、これは目的とする複合線材により所望の引張強さに調整できることを示している。

従来例
従来例1〜4に該当する所望の各組成の純AuもしくはAu合金を溶解法で作製した。その後、鍛造工程、伸線加工および熱処理を繰り返し、最終線径を0.05mmかつ、最終加工率を断面減少率で50%に加工してガイドワイヤー用線材を作製した。
線材種類No.1〜31に該当する所望の各組成のTa合金を焼結法で、AuもしくはAu合金を溶解法により作製した。
上記Ta合金は、粉末状態の合金成分をボールミルにて混合、プレスおよび加熱により焼結後、伸線加工および熱処理を施し、焼結材層1となる所望寸法の焼結線体を得た。
なお、Ta合金の金属組織は、金属間化合物を生成させる目的で添加したTi等が、加工性を向上させる目的で添加したSn等とTa粒子の間で各々と金属間化合物を生成する。このような金属組織を有することで、焼結性が向上し、加工性がさらに高まる(図1参照)。
上記AuもしくはAu合金は鍛造工程および圧延加工を施した後にパイプ溶接及び伸管加工により、被覆層2となる所望寸法の金属パイプを得た。その後、被覆層2となる金属パイプに焼結材層1を挿入し、伸線加工および熱処理を施して2層クラッド線を得た(図2参照)。
上記2層構造を有したまま、材料を伸線加工および熱処理を繰り返し、最終線径を0.05mmかつ、最終加工率を断面減少率で50%に加工して複合線材を作製した。
なお、各種線材種類を比較するために上記複合線材の断面積比率は被覆層が2に対して焼結層は8になるように構成した。
X線不透過性を上記複合線材と、従来のAuおよびAu合金とを比較したところ、同等の視認性が得られた(図3参照)。
線材種類No.32〜62に当該する所望の各組成のW合金を焼結法で作製した以外は実施例1と同様にして、複合線材を作製した。W合金の金属組織においても、実施例1のTa合金と同様の金属組織が観察された。また、X線不透過性を上記複合線材と従来例とを比較したところ、実施例1とほぼ同様の視認性が得られた。

Claims (3)

  1. TaもしくはWを10〜70質量%含み、さらに残部がPt、Au、Ag、Cu、Ti、SnおよびNiの群から選ばれた少なくとも2種を含む粉末焼結合金の素線の外周面に対して、純AuもしくはAu合金からなる層が被覆された多層構造であることを特徴とする複合線材。
  2. 素線の外周面に対して被覆するAu合金の組成が、AuにNiおよび/もしくはTiを添加した合金であることを特徴とする請求項1記載の複合線材。
  3. TaもしくはWを含み、さらにPt、Au、Ag、Cu、Ti、SnおよびNiの群から選ばれた少なくとも2種を用いた粉末を焼結して線体とし、
    AuもしくはAu合金に伸管加工を施して所望寸法の金属パイプとし、
    上記金属パイプに上記焼結線体を挿入し、伸線加工および熱処理を施して2層クラッド線を得ることを特徴とする複合線材の製造方法。
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