JP2017073574A - ボンディングワイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】Al又はAl合金からなる芯線を有するボンディングワイヤにおいて、ダイスを用いた伸線時に削れによる摩耗粉を発生させることなく、さらに安価な樹脂パッケージに使用してもAl芯線に腐食が発生することのないボンディングワイヤを提供する。
【解決手段】Al又はAl合金からなる芯線と、芯線を被覆する被覆層Aとを有し、被覆層Aを構成する金属が、Mo、Nb、Cr、Co、Ti、Zr、Ta、Fe又はそれらの合金からなることを特徴とするボンディングワイヤ。被覆層Aを構成する金属の硬度が高いので、伸線時に削れによる摩耗粉を発生させることがない。被覆層Aを構成する金属とアルミニウムとの標準酸化還元電位差が1.6V以下であり、安価な樹脂パッケージに使用してもAl芯線に腐食が発生することがない。被覆層Aの外側にさらにAu、Ag、Cu又はそれらの合金からなる被覆層Bを有すると好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、Al又はAl合金からなる芯線を有するボンディングワイヤに関するものである。
半導体装置では、半導体素子上に形成された電極と、リードフレームや基板上の電極との間をボンディングワイヤによって接続している。ボンディングワイヤの芯材に用いる材質として、超LSIなどの集積回路半導体装置では金(Au)や銅(Cu)が用いられ、一方でパワー半導体装置においては主にアルミニウム(Al)が用いられている。例えば、特許文献1には、パワー半導体モジュールにおいて、300μmφのアルミニウムワイヤを用いる例が示されている。また、アルミニウムワイヤを用いたパワー半導体装置において、ボンディング方法としては、半導体素子上電極との接続とリードフレームや基板上の電極との接続のいずれも、ウェッジ接合が用いられている。
アルミニウムボンディングワイヤは金ボンディングワイヤに比較して安価である反面、高湿度の中では酸化し、劣化しやすくなるため、高価な真空または不活性ガスを封入したパッケージが必要で、安価な樹脂パッケージを使用できない。特許文献2には、金被覆アルミニウムボンディングワイヤの製造方法が記載されている。アルミニウムボンディングワイヤに金被覆することにより、コストの安い樹脂パッケージにも適用することができ、アルミニウムワイヤであるにもかかわらずボールボンディングが可能になるとしている。
集積回路半導体装置に用いるボンディングワイヤとして、銅を芯線とするボンディングワイヤが用いられている。銅ボンディングワイヤの表面酸化を防ぐため、銅芯線の表面に金、銀、白金、パラジウム、ニッケル、コバルト、クロム、チタンなどの貴金属や耐食性金属からなる被覆層を形成したボンディングワイヤが提案されている(特許文献3)。さらに特許文献4では、芯材よりも高融点の金属を被覆層とし、被覆層のビッカース硬度が300以下であるボンディングワイヤが提案されている。これにより、被覆層が高融点金属であっても、伸線時のダイス摩耗などを防止できるとしている。芯線素材として銅と銀が挙げられ、被覆層金属として白金、パラジウム、ニッケルが挙げられている。
特開2002−314038号公報 特開平8−241907号公報 特開昭62−97360号公報 特開2005−167020号公報
ボンディングワイヤを製造するに際しては、ダイスを用いた伸線処理が行われる。Al又はAl合金ボンディングワイヤについても同様である。Al又はAl合金ボンディングワイヤをダイスを用いて伸線する際、Al、Al合金は軟質であるため、ダイスによる摩耗でアルミニウムの摩耗粉が発生する。この摩耗粉が原因で、それ以降に伸線されるワイヤ表面に疵を発生させたり、軸上偏芯等の問題があった。特許文献2に記載のように、Alワイヤの表面にAuを被覆することにより、AuはAlよりも硬質であるため、伸線時の摩耗粉発生を防止することができる。
Al、Al合金は酸化しやすい。特許文献2においては、アルミニウムボンディングワイヤに金被覆することにより、ボンディングワイヤ表面の酸化を抑え、コストの安い樹脂パッケージにも適用することができると記載されている。ところが、Au被覆Alボンディングワイヤを実際に樹脂パッケージで使用すると、Au被覆層とAl芯線との境界部分において、Al芯線の腐食が発生することが確認された。
本発明は、Al又はAl合金からなる芯線を有するボンディングワイヤにおいて、ダイスを用いた伸線時に削れによる摩耗粉を発生させることなく、さらに安価な樹脂パッケージに使用してもAl芯線に腐食が発生することのないボンディングワイヤを提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)Al又はAl合金からなる芯線と、当該芯線を被覆する被覆層Aとを有するボンディングワイヤであって、前記被覆層Aを構成する金属が、Mo、Nb、Cr、Co、Ti、Zr、Ta、Fe又はそれらの合金からなることを特徴とするボンディングワイヤ。
(2)前記被覆層Aの外側にさらに被覆層Bを有し、被覆層Bを構成する金属が、Au、Ag、Cu又はそれらの合金からなることを特徴とする上記(1)に記載のボンディングワイヤ。
本発明は、Al又はAl合金からなる芯線を有するボンディングワイヤにおいて、芯線を被覆する被覆層Aを有し、被覆層Aを構成する金属が、Mo、Nb、Cr、Co、Ti、Zr、Ta、Fe又はそれらの合金からなるので、被覆層Aを構成する金属はビッカース硬度がAuと同等又はそれ以上であり、被覆層Aを構成する金属とアルミニウムとの標準酸化還元電位差が1.6V以下であることにより、ダイスを用いた伸線時に削れによる摩耗粉を発生させることなく、さらに安価な樹脂パッケージに使用してもAl芯線に腐食が発生することがない。
AlとAuとの間の標準酸化還元電位差は3.196Vである。Au被覆Alボンディングワイヤを樹脂パッケージで使用したときにAl芯線の腐食が発生する原因は、AlとAuとの間の標準酸化還元電位差が大きすぎることが原因であると判明した。そして、Alボンディングワイヤに金属被覆を行ったとき、Alと被覆金属との間の標準酸化還元電位差が1.6V以下であれば、当該金属被覆Alボンディングワイヤを樹脂被覆パッケージで使用してもAl芯線の腐食が発生しないことがわかった。
金属被覆Alボンディングワイヤの表面が軟らかすぎると、金属被覆を行ったとしても伸線時の摩耗粉発生を防止することができない。本発明では、Alボンディングワイヤ表面の被覆金属について、Auと同等又はそれ以上の硬度を有する金属を被覆金属として用いることにより、伸線時の摩耗粉発生を防止できることを明らかにした。
表1に、主要金属のビッカース硬さ(MPa)、標準酸化還元電位(V)、Alとの標準酸化還元電位差(V)を示す。標準酸化還元電位は標準水素電極を参照極として測定されるのが一般であるが、ここでは第5版電気化学便覧(ISBN4−621−04759−0 C 3058)p92−95に記載される数値を参照した。この表から明らかなように、Mo、Nb、Cr、Co、Ti、Zr、Ta、Feについては、Auと同等又はそれ以上の硬度を有し、及びAlとの標準酸化還元電位差が1.6V以下であって本発明の条件を満足しており、これら金属又はそれらの合金を本発明の被覆金属として使用できることがわかる。
Figure 2017073574
即ち、本発明のボンディングワイヤは、Al又はAl合金からなる芯線と、当該芯線を被覆する被覆層Aとを有するボンディングワイヤであって、前記被覆層Aを構成する金属が、Mo、Nb、Cr、Co、Ti、Zr、Ta、Fe又はそれらの合金からなることを特徴とする。被覆層Aは芯線の全周を覆っている。
ボンディングワイヤ製造時の熱処理により、被覆層Aと芯線との境界には、被覆層A金属と芯線金属との拡散領域が形成されることがある。拡散領域において、被覆層A側から中心に向けて、被覆層A金属含有量が漸減するとともに、芯線金属含有量が漸増する。本発明において、芯線金属含有量が50at%となった位置を被覆層Aと芯線との境界と定義する。
本発明のボンディングワイヤは、芯線としてAl又はAl合金からなる芯線を有している。Alを用いる場合、芯線のAl含有量は99.9質量%以上となる。Al合金を用いる場合、Al−Si、Al−Feなどの合金が使用され、Al合金の場合のAl含有量は90質量%以上である。
芯線を構成する含有成分は、上記Al又はAl合金を構成する成分に加え、不可避不純物を含有している。さらに、芯線と被覆層Aとの境界に上記拡散領域が形成されている場合には、芯線中の当該拡散領域において、芯線中には被覆層Aの成分を含有しており、その含有量は50at%以下である。
被覆層Aを構成する含有成分は、Mo、Nb、Cr、Co、Ti、Zr、Ta、Fe又はそれらの合金であり、これに不可避不純物が含まれる。芯線と被覆層Aとの境界に前記拡散領域が形成されている場合には、被覆層A中の当該拡散領域において、被覆層A中には芯線の成分を含有しており、その含有量は50at%以下である。
芯線を被覆する被覆層Aの厚さは、10nm〜1000nmとすると好ましい。被覆層Aの厚さが薄すぎると、伸線時の摩耗粉発生防止効果及びAl芯線の腐食防止効果を十分に発揮することができないが、10nm以上であれば本発明の効果を発揮することができる。また、被覆層Aの厚さが厚すぎると高硬度被膜の場合は伸線ダイスの寿命が短くなるという問題が発生することがあるが、1000nm以下であればこのような問題を発生することなく良好に使用することができる。
被覆層Aとして用いるMo、Nb、Cr、Co、Ti、Zr、Ta、Feは硬い金属であり、表1に示すように、ビッカース硬さが608MPa以上である。このため、これら金属又はそれらの合金で被覆したAl芯線ワイヤをダイスによって伸線処理すると、ダイスの摩耗を助長する傾向が見られる。また、これら金属で被覆したAl芯線ワイヤを用いて電極上にウェッジ接合を行ったとき、接合強度が合格基準ぎりぎりでの合格となることがわかった。これに対し、本発明の金属被覆Al芯線ワイヤの被覆層Aの外側にさらに被覆層Bを有し、被覆層Bを構成する金属が、Au、Ag、Cu又はそれらの合金からなるボンディングワイヤにおいては、伸線時のダイス摩耗が低減するとともに、ウェッジ接合を行った接合部の接合強度が十分に高く保持されることがわかった。
即ち、本発明の好ましいボンディングワイヤは、前記被覆層Aの外側にさらに被覆層Bを有し、被覆層Bを構成する金属が、Au、Ag、Cu又はそれらの合金からなることを特徴とする。被覆層Bは被覆層Aの全周を覆っている。
ボンディングワイヤ製造時の熱処理により、被覆層Bと被覆層Aとの境界には、被覆層B金属と被覆層A金属との拡散領域が形成されることがある。拡散領域において、被覆層B側から中心に向けて、被覆層B金属含有量が漸減するとともに、被覆層A金属含有量が漸増する。本発明において、被覆層B金属含有量が50at%となった位置を被覆層Bと被覆層Aとの境界と定義する。
被覆層Bを構成する含有成分は、Au、Ag、Cu又はそれらの合金であり、これに不可避不純物が含まれる。被覆層Bと被覆層Aとの境界に前記拡散領域が形成されている場合には、被覆層B中の当該拡散領域において、被覆層B中には被覆層Aの成分を含有しており、その含有量は50at%以下である。同様に、被覆層Bと被覆層Aとの境界に前記拡散領域が形成されている場合には、被覆層A中の当該拡散領域において、被覆層A中には被覆層Bの成分を含有しており、その含有量は50at%以下である。
被覆層Bの厚さは、1nm〜100nmとすると好ましい。被覆層Bの厚さが薄すぎると、接合部の接合強度向上効果を十分に発揮することができないが、1nm以上であれば本発明の効果を発揮することができる。また、被覆層Bの厚さが厚すぎるとめっき工程の生産性が悪くなり、高コストになるという問題が発生することがあるが、100nm以下とすることが工業的に望ましい。
本発明のワイヤの成分組成の評価方法について説明する。
被覆層B、被覆層A、芯線及びそれらの境界部における拡散領域などの濃度分析について、ボンディングワイヤの表面からスパッタ等により深さ方向に掘り下げていきながら分析する手法、あるいはワイヤ断面でのライン分析又は点分析等が有効である。前者は、外層が薄い場合に有効であるが、厚くなると測定時間がかかりすぎる。後者の断面での分析は、外層が厚い場合に有効であり、また、断面全体での濃度分布や、数箇所での再現性の確認等が比較的容易であることが利点であるが、外層が薄い場合には精度が低下する。ボンディングワイヤを斜め研磨して、拡散領域の厚さを拡大させて測定することも可能である。
断面では、ライン分析が比較的簡便であるが、分析の精度を向上したいときには、ライン分析の分析間隔を狭くするとか、界面近傍の観察したい領域に絞っての点分析を行うことも有効である。
これらの濃度分析に用いる解析装置では、電子線マイクロ分析法(EPMA)、エネルギー分散型X線分析法(EDX)、オージェ分光分析法(AES)、透過型電子顕微鏡(TEM)、ICP分析、ICP質量分析等の利用することができる。特にAES法は、空間分解能が高いことから、最表面の薄い領域の濃度分析に有効である。また、平均的な組成の調査等には、表面部から段階的に酸等で溶解していき、その溶液中に含まれる濃度から溶解部位の組成を求めること等も可能である。
その他、50nmよりも薄い中間層の厚さおよび組成を精度良く測定するためには、手間はかかるものの、中間層を含む薄膜試料を作製し、TEMによる観察および電子線回折などを利用することが有効である。
次に、本発明の半導体装置用ボンディングワイヤの製造方法について説明する。
まず、芯線の組成にあわせ、高純度のAl(純度99.99%以上)と添加元素原料を出発原料として秤量した後、これを高真空下もしくは窒素やAr等の不活性雰囲気下で加熱して溶解することで、所定の成分を含有し、残部がAl及び不可避不純物であるインゴットを得る。このインゴットを最終的に必要とする芯線の直径まで金属製のダイスを用いて伸線する。
芯線の表面に被覆層Aを形成する手法としては、電解めっき、無電解めっき、蒸着法等が利用できるが、生産性の観点から電解または無電解めっきを利用するのが工業的には最も好ましい。その後、必要に応じて被覆層Aの表面に被覆層Bを形成する。被覆層Aの表面に更に被覆層Bを形成する手法としては、電解めっき、無電解めっき、蒸着法等が利用できるが、生産性の観点から電解または無電解めっきを利用するのが工業的には最も好ましい。芯線の表面に被覆層A及び被覆層Bを被着する段階については、インゴットの段階で被着すると最も好ましいが、芯線の途中段階で所定の線径まで伸線し、ダイスによるAl摩耗粉の発生が認められたあとの段階で被着し、最終線径まで伸線することとしても良い。
ボンディングワイヤの原材料として、芯線に用いたAl、被覆層Aに用いたMo、Nb、Cr、Co、Ti、Zr、Ta、Fe、被覆層Bに使用したAu、Ag、Cuとして純度が99.99質量%以上の素材をそれぞれ用意した。Alを加熱して溶解することでインゴットを鋳造し、このワイヤ表面に被覆層Aと被覆層Bを電解めっき方法で形成した。その後、伸線及び焼鈍を行って最終線径500μmのボンディングワイヤを作製し、被覆層Aと被覆層Bをそれぞれ実施例記載の厚みに制御した。
できあがったボンディングワイヤにおける被覆層A及び被覆層Bの厚みは、ICP分析によって平均膜厚を測定した。被覆層A及び被覆層Bの厚み及び組成をそれぞれ表2に記載した。
ボンディングワイヤの伸線疵の評価については、ボンディングワイヤ表面をSEMで観察し、同径の金ワイヤと同等であれば合格、そうでないものを不合格とした。
ボンディングワイヤの接続には、市販のウェッジボンダーを使用した。評価用のサンプルは銅基板上にSiCチップをマウントしたものを用いた。SiCチップ上には予めSiCチップ側からチタン、ニッケル、アルミニウムを蒸着形成し、それぞれ厚さ0.1,2,4μmとした。
ボンディングワイヤのウェッジボンディング性については、シェア強度について評価を行った。シェア強度については、ウェッジ接合された状態のボンディングワイヤをワイヤに垂直な方向にせん断歪を加え、破断に至るまでの最大強度を記録した。この最大強度が合格基準値の1.2倍以上の場合を○、合格基準値未満を×、その中間を△とした。
信頼性評価はHAST試験によって行った。ボンディングしたサンプルをシリコーンゲルで封止した半導体装置について、温度135℃、相対湿度85%RH(Relative Humidity)、5Vという高温高湿炉中に放置し、半導体装置の累積不良率が50%を超えるまでの時間が200時間以上であれば○、98時間未満であれば×とし、その中間を△とした。
表2に示す条件でボンディングワイヤを製造し、評価を行った。
Figure 2017073574
表2の本発明例1〜8は被覆層Aを有して被覆層Bを有しない本発明例、本発明例9〜24は被覆層Aと被覆層Bを有する本発明例である。比較例25〜28が比較例である。
伸線疵については、本発明例1〜24のいずれも、評価が「○」であり、伸線疵の発生を防止することができた。比較例25は何ら被覆を有しないAlボンディングワイヤであり、伸線疵が「×」であった。比較例26〜28は、被覆層としてAu、Ag、Cuのいずれかの膜を形成しており、そのために伸線疵は「○」であった。
伸線用のダイスの摩耗については、被覆層Bを有しAu,Ag,Cuで被覆した本発明例9〜24は良好であり、また比較例26〜28も同様に良好であった。本発明例1〜8は、硬質の被覆層Aを有して被覆層Bを有しない例であり、ダイス摩耗のためダイス寿命が他の本発明例よりも短めだったが、製品の品質は良好であった。
信頼性については、本発明例のうち、被覆層A金属としてNb、Cr、Ti、Zr、Taを用いた本発明例は信頼性評価が「○」であり、被覆層A金属としてMo、Co、Feを用いた本発明例は信頼性評価が「△」であった。Alとの標準酸化還元電位差が1V付近に境界があり、それよりも標準酸化還元電位差が小さい金属においては信頼性評価が「○」であり、標準酸化還元電位差がそれよりも大きくかつ1.6V以下の場合は信頼性評価が「△」であった。一方、標準酸化還元電位差が1.6Vを超える金属を被覆した比較例26〜28は信頼性評価が「×」であった。また、Alボンディングワイヤに何も被覆を行っていない比較例25の信頼性評価は「△」であった。
信頼性評価試験終了後の半導体装置を分解し、ボンディングワイヤの表面状況について確認したところ、信頼性評価が△、×のそれぞれについて、腐食によるものと思われる断線または線細りが観察された。
接合強度については、被覆層Aと被覆層Bを有する本発明例9〜24はいずれも「○」、被覆層Aのみを有し被覆層Bを有しない本発明例1〜8はいずれも「△」という結果であった。比較例25〜28は接合強度が「○」であった。これはAu・Cuからなる被覆層Bを備えた本発明例、さらにはAu・Cuを被覆層Aに備えた比較例に比べて、被覆層Bを有さずに高硬度の被覆層Aが表面に現れている本発明例の場合はSiCチップ上に形成されたアルミ電極パッドとの接合性が弱いためと考えられる。

Claims (1)

  1. Al又はAl合金からなる芯線と、当該芯線を被覆する被覆層Aと、前記被覆層Aの外側にさらに被覆層Bを有するボンディングワイヤであって、前記被覆層Aを構成する金属が、Mo、Nb、Cr、Co、Ti、Zr、Ta、Fe又はそれらの合金からなり、前記被覆層Bを構成する金属が、Au、Ag、Cu又はそれらの合金からなることを特徴とするボンディングワイヤ。
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