JP2015030618A - フロアクレーン - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の作業半径を確保しつつ高揚程を実現することができるフロアクレーンを提供する。
【解決手段】フロア2上で移動自在な台車3を備え、フロア2上の任意の位置で荷の吊り作業を行うようにしたフロアクレーン1であって、台車3に対し旋回装置8を介して旋回自在に設けられる旋回フレーム9上に、開口の大きさが異なる複数の中空状のマスト部材30〜33を開口の大きさの順に格納してなる鉛直方向に伸縮自在な伸縮マスト10を設置し、該伸縮マスト10の上部に荷を吊る中折れ可能なジブ11を起伏自在に取り付けてなるものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、フロア上の任意の位置で荷の吊り作業を行うようにしたフロアクレーンに関し、特に、建築物内での梁掛け作業に用いられて好適なフロアクレーンに関するものである。
近年、建築作業の機械化にともない、建築物内に進入して梁枠を吊るなどのクレーン作業を行うフロアクレーンが導入されつつある。この種のクレーンとしては、例えば特許文献1にて提案されているものがある。
特開平7−89696号公報
この特許文献1に係るクレーンは、車体上に支持台を旋回可能に設置し、該支持台に荷を吊る多段伸縮ブームを上下方向に起伏自在に取り付けて構成されている。
しかしながら、上記特許文献1に係るクレーンでは、荷を高く吊り上げようとすれば、多段伸縮ブームを伸長状態とし、かつ可能な限り起立させることになるため、支持台の旋回中心を基準とする荷の取り回しの作業半径が小さくなるという問題点がある。
また、同クレーンでは、所定の作業半径を確保しようとすれば、多段伸縮ブームを伏臥させることになるため、揚程を高く確保することができないという問題点がある。
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、所定の作業半径を確保しつつ高揚程を実現することができるフロアクレーンを提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明によるフロアクレーンは、
フロア上で移動自在な台車を備え、フロア上の任意の位置で荷の吊り作業を行うようにしたフロアクレーンであって、
前記台車に対し旋回自在に設けられる旋回フレーム上に、鉛直方向に伸縮自在な伸縮マストを設置し、該伸縮マストの上部に荷を吊るジブを起伏自在に取り付けてなることを特徴とするものである(第1発明)。
本発明において、前記伸縮マストは、開口の大きさが異なる複数の中空状のマスト部材を開口の大きさの順に格納してなり、それらマスト部材における格納する側である格納マスト部材の先端部にシーブを配設し、該シーブと、格納される側である被格納マスト部材の基端部との間にワイヤロープを掛け回し、前記格納マスト部材に対する被格納マスト部材の該ワイヤロープによる上昇動作または下降動作により、前記伸縮マストを伸長または収縮するものとされるのが好ましい(第2発明)。
本発明において、前記ワイヤロープの緊張力が消失したときに、前記格納マスト部材に対して被格納マスト部材が落下するのを防止する落下防止装置が設けられるのが好ましい(第3発明)。
本発明において、前記落下防止装置は、下方に進むにつれて前記被格納マスト部材の側面との距離が短くなる傾斜受け面を有してその傾斜受け面が前記被格納マスト部材の側面と向かい合うように前記格納マスト部材に取り付けられる受け部材を備え、この受け部材の傾斜受け面と前記被格納マスト部材の側面と間においてブレーキ体を、前記受け部材の傾斜受け面と接触する一方で前記被格納マスト部材の側面に接触しない非制動位置と、前記受け部材の傾斜受け面と前記被格納マスト部材の側面とに同時に接触する制動位置との間で移動可能に配設し、前記ワイヤロープと前記ブレーキ体との間に配設されるリンク機構により、前記ワイヤロープの緊張力があるときは前記ブレーキ体を非制動位置に保持する一方、前記ワイヤロープの緊張力が消失したときは前記ブレーキ体を制動位置に移動させるように構成されるのが好ましい(第4発明)。
本発明において、前記伸縮マストが伸長状態にあるときに、前記格納マスト部材と被格納マスト部材とを連結するように差し込まれるロックピンが設けられるのが好ましい(第5発明)。
本発明において、前記ロックピンの抜き差し操作のための操作力を該ロックピンに伝達する操作ロッドが前記伸縮マストに沿って配設され、該操作ロッドは、伸縮マストの伸縮に合わせて伸縮可能とされるのが好ましい(第6発明)。
本発明において、前記ジブは、前部ジブと後部ジブとに分割され、これら前部ジブと後部ジブとがヒンジ機構によって接合されて、前部ジブと後部ジブとが一直線上に配される直線状態と、後部ジブに対し前部ジブが折り曲げられる中折れ状態とに切換可能とされ、前記伸縮マスト側に起伏用第1シーブが回転可能に配設されるとともに、前記前部ジブ側に起伏用第2シーブが回転可能に配設され、これら起伏用第1シーブと起伏用第2シーブとに前記ジブを起伏させる起伏用ウインチからのワイヤロープが掛け回され、前記起伏用ウインチの巻上動作により、前記ジブが直線状態とされ、更に該起伏用ウインチの巻上動作を続けると、該ジブが起立され、前記起伏用ウインチの繰出動作により、前記ジブが伏臥され、更に該起伏用ウインチの繰出動作を続けると、前記ジブが中折れ状態とされるのが好ましい(第7発明)。
本発明によれば、台車上に旋回フレームを介して伸縮マストが設置され、該伸縮マストの上部にジブが起伏自在に取り付けられるので、伸縮マストを鉛直方向に伸長状態とし、かつジブを起伏させることにより、旋回フレームの旋回中心を基準としてジブの長さとジブの起伏位置とによって決まる所定の作業半径内において、ジブの起伏位置と伸縮マストの伸長長さとに応じた高い揚程でクレーン作業を行うことができる。したがって、所定の作業半径を確保しつつ高揚程を実現することができる。
例えば、油圧シリンダ等のアクチュエータを伸縮マスト内に組み込み、伸縮マストの伸縮をその油圧シリンダの伸縮作動によって達成しようとした場合、マスト部材の長さ寸法は油圧シリンダの組み込みに必要とされる長さ寸法よりも短くすることができないなどその油圧シリンダの仕様により大きく制限を受けることになる。
揚程をより高くするためには、伸長量がより大きい油圧シリンダを採用する必要があるが、この場合、油圧シリンダの全長が長くなるため、伸縮マストの収縮時におけるフロアクレーンの高さ寸法が大きくなり、フロアクレーンが例えば梁下等を通り抜けるのが困難になる。
フロアクレーンの高さ寸法のコンパクト化を図るためには、収縮時の全長の長さが短い油圧シリンダを用いれば達成することができるが、この場合、油圧シリンダの伸長量があまり長くとれないから揚程を高くするのが困難になる。
そこで、第2発明の構成の採用により、すわなち、前記伸縮マストは、開口の大きさが異なる複数の中空状のマスト部材を開口の大きさの順に格納してなり、それらマスト部材における格納する側である格納マスト部材の先端部にシーブを配設し、該シーブと、格納される側である被格納マスト部材の基端部との間にワイヤロープを掛け回し、前記格納マスト部材に対する被格納マスト部材の該ワイヤロープによる上昇動作または下降動作により、前記伸縮マストを伸長または収縮するものとすることにより、マスト部材の長さ寸法を可能な限り短くすることでフロアクレーンの高さ寸法のコンパクト化を図ることができるとともに、マスト部材の段数を増やすことで揚程をより高くすることができる。
第3発明によれば、ワイヤロープの緊張力が消失したときに、格納マスト部材に対して被格納マスト部材が落下するのを防止する落下防止装置が設けられるので、例えば伸縮マストの伸長作動時に伸縮マストの伸縮に係るワイヤロープが万一切断したとしても、落下防止装置により、重力作用による伸縮マストの収縮を防止することができる。
第4発明によれば、ワイヤロープの緊張力が消失したときにブレーキ体が制動位置に移動され、ブレーキ体が受け部材の傾斜受け面と被格納マスト部材の側面とに同時に接触しながら被格納マスト部材と共に少しでも下がると、受け部材の傾斜受け面と被格納マスト部材の側面との間の通路は下方に進むにつれて狭まっているから、ブレーキ体が受け部材の傾斜受け面と被格納マスト部材の側面とによって強力に挟み付けられて相互の摩擦力が増大するので、格納マスト部材に対して被格納マスト部材が落下するのを機械的に確実に防止することができる。
第5発明によれば、伸縮マストが伸長状態にあるときに、格納マスト部材と被格納マスト部材とを連結するようにロックピンが差し込まれるので、伸縮マストの伸長状態を確実に保つことができる。
第6発明によれば、伸縮マストの各段に設けられるロックピンに対してその抜き差しのための操作力が操作ロッドを介して伝達されるので、操作ロッドの操作によって伸縮マストの各段に設けられるロックピンの抜き差し操作を容易に行うことができる。
第7発明によれば、ジブが折り曲げ可能とされるので、非使用時にはよりコンパクトな形態とすることができ、フロアクレーンの移送等をより容易に行うことができる。
本発明の一実施形態に係るフロアクレーンの使用状態を表す側面図である。 同フロアクレーンの非使用状態を表す側面図である 同フロアクレーンの使用状態を表す平面図である。 マストの正面図で、(a)は伸長状態図、(b)は収縮状態図である。 マストの一側面図で、(a)は伸長状態図、(b)は収縮状態図である。 マストの他側面図で、(a)は伸長状態図、(b)は収縮状態図、(c)は(a)のA部拡大図である。 ウインチ側落下防止装置の構造説明図で、(a)はマストの正面側から見た図、(b)は(a)のC矢視図である。 ウインチ側落下防止装置の作動説明図で、(a)はワイヤロープの緊張力がある場合の状態図、(b)ワイヤロープの緊張力が消失した場合の状態図である。 尻手側落下防止装置の構造説明図で、(a)はマストの正面側から見た図、(b)は(a)のD矢視図である。 尻手側落下防止装置の作動説明図で、(a)はワイヤロープの緊張力がある場合の状態図、(b)ワイヤロープの緊張力が消失した場合の状態図である。 図6のB−B線断面図で、(a)は伸縮ロック装置のロック状態図、(b)は同装置のロック解除状態図である。
次に、本発明によるフロアクレーンの具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
<フロアクレーンの概略説明>
図1に示されるフロアクレーン1は、建築物内におけるフロア2上の任意の位置で梁枠等の荷を吊るクレーン作業を行うものであって、フロア2上で移動自在な台車3を備えている。
台車3には、操舵輪4を操作する舵取りバー5が付設されており、舵取りバー5の操作で台車3の進行方向を変えてフロアクレーン1をフロア2上の任意の位置に容易に移動させることができるようになっている。
また、台車3には、ねじ式のジャッキ6が装備された手動式のアウトリガー7が前後左右のそれぞれの部位に横方向に張出・格納可能に組み付けられている。これらアウトリガー7を台車3の横方向に張り出し、ジャッキ6で台車3を持ち上げた状態とすることにより、フロアクレーン1によるクレーン作業を安定的に行うことができる。
台車3上には、旋回装置8を介して旋回フレーム9が台車3に対し旋回自在に設置されている。
旋回フレーム9上には、その旋回中心部に位置するように伸縮マスト10が鉛直方向に伸縮自在に設置されている。この伸縮マスト10の上部には、荷を吊るジブ11がピン12を介して起伏自在に取り付けられている。
旋回フレーム9の下面側には、その旋回中心部から所定距離を隔てた最後部位置にカウンタウェイト13が着脱可能に取り付けられている。
伸縮マスト10とカウンタウェイト13との間における旋回フレーム9上には、架台フレーム14が設置され、この架台フレーム14に荷役用ウインチ15および起伏用ウインチ16がそれぞれ組み付けられている。
なお、符号17にて示されるのは、ジブ11回りに配設される図示されないセンサ等の電子機器に繋がるケーブルを伸縮マスト10の伸縮動作に合わせて巻き取ったり、繰り出したりするためのケーブルリールである。
伸縮マスト10の上部には、ブラケット20を介して荷役用第1シーブ21が回転可能に取り付けられている。
ジブ11の先端部には、荷役用第2シーブ22が回転可能に取り付けられている。
荷役用ウインチ15の巻胴に巻かれているワイヤロープ23は、荷役用第1シーブ21および荷役用第2シーブ22を介してフックブロック24のシーブに掛け回され、逆の順路を経てその先端部がロードセル25を介して架台フレーム14に固定されており、荷役用ウインチ15の巻上または繰出動作により、フックブロック24のフック24aに掛けられた荷の上げ動作または下げ動作を行うことができるようになっている。
こうして、フロアクレーン1においては、伸縮マスト10を鉛直方向に伸長状態とし、かつジブ11を起伏させることにより、旋回フレーム9の旋回中心を基準としてジブ11の長さとジブ11の起伏位置とによって決まる所定の作業半径内において、ジブ11の起伏位置と伸縮マスト10の伸長長さとに応じた高い揚程でクレーン作業を行うことができる。
<旋回装置の説明>
旋回装置8は、台車3側に固定されたリングギヤ部(図示省略)と、このリングギヤ部に対し旋回フレーム9を旋回可能に支持するベアリング部(図示省略)とを備え、旋回フレーム9側に固定された旋回モータ26(図3参照)の回転動力をピニオンギヤ(図示省略)を介して前記リングギヤ部に伝達することにより、台車3に対し旋回フレーム9を旋回させるように構成されている。
<伸縮マストの説明>
図4(a)に示されるように、伸縮マスト10は、下部マスト部材30、第1中間マスト部材31、第2中間マスト部材32および上部マスト部材33をそれぞれ備えている。これらマスト部材30〜33は、いずれも中空部を有して上下方向に開口された四角筒状部材で構成され、下部マスト部材30の開口が最も大きく、第1中間マスト部材31、第2中間マスト部材32および上部マスト部材33の順に開口の大きさが次第に小さくなっている。
伸縮マスト10においては、下部マスト部材30の中に第1中間マスト部材31が、第1中間マスト部材31の中に第2中間マスト部材32が、第2中間マスト部材32の中に上部マスト部材33が、それぞれ摺接状態で格納可能とされている。
なお、下部マスト部材30と第1中間マスト部材31とにおいて、下部マスト部材30が本発明の「格納マスト部材」であり、第1中間マスト部材31が本発明の「被格納マスト部材」である。
同様に、第1中間マスト部材31と第2中間マスト部材32とにおいて、第1中間マスト部材31が本発明の「格納マスト部材」であり、第2中間マスト部材32が本発明の「被格納マスト部材」である。
同様に、第2中間マスト部材32と上部マスト部材33とにおいて、第2中間マスト部材32が本発明の「格納マスト部材」であり、上部マスト部材33が本発明の「被格納マスト部材」である。
<伸縮マストの伸縮装置の説明>
下部マスト部材30、第1中間マスト部材31および第2中間マスト部材32において、各マスト部材30〜32の上端部には、両側に張り出すようにブラケット34が設けられ、各ブラケット34には、シーブ35が回転可能に取り付けられている。
第1中間マスト部材31の基端部には、両側に並ぶように一対のシーブ36が回転可能に取り付けられている。
下部マスト部材30の一側面には、伸縮用ウインチ37が取り付けられている。この伸縮用ウインチ37と、下部マスト部材30の上端部の一側に配設されたシーブ35との間に位置するように、ウインチ側落下防止装置38が下部マスト部材30の一側面に取り付けられている。
下部マスト部材30の他側面には、ウインチ側落下防止装置38と対称位置を成すように尻手側落下防止装置39が取り付けられている。
伸縮用ウインチ37の巻胴に巻かれているワイヤロープ40は、ウインチ側落下防止装置38と、下部マスト部材30の上端部の一側に配設されたシーブ35と、第1中間マスト部材31の基端部に配設された一対のシーブ36と、下部マスト部材30の上端部の他側に配設されたシーブ35とに掛け回されてその先端部が尻手側落下防止装置39を介して下部マスト部材30の他側面に固定されている。
そして、伸縮用ウインチ37によるワイヤロープ40の巻上動作が行われると、ワイヤロープ40による上げ操作により、下部マスト部材30に対して第1中間マスト部材31が上昇し、伸縮用ウインチ37によるワイヤロープ40の繰出動作が行われると、ワイヤロープ40による下げ操作により、下部マスト部材30に対して第1中間マスト部材31が下降するようになっている。
下部マスト部材30の上端部における両側のブラケット34と、第2中間マスト部材32の基端部における両側面とは、第1中間マスト部材31の上端部の両側に配設されたシーブ35に掛け回すようにして配設されるワイヤロープ41によって繋がれており、下部マスト部材30に対し第1中間マスト部材31が上昇すると、該シーブ35によって押し上げられるワイヤロープ41の上げ操作により、第1中間マスト部材31に対して第2中間マスト部材32が上昇するようにされ、下部マスト部材30に対し第1中間マスト部材31が下降すると、該シーブ35から繰り下げられるワイヤロープ41の下げ操作により、第1中間マスト部材に31対して第2中間マスト部材32が下降するようになっている。
また、第1中間マスト部材31の上端部における両側のブラケット34と、上部マスト部材33の基端部における両側面とは、第2中間マスト部材32の上端部の両側に配設されたシーブ35に掛け回すようにして配設されるワイヤロープ42によって繋がれており、第1中間マスト部材31に対し第2中間マスト部材32が上昇すると、該シーブ35によって押し上げられるワイヤロープ42の上げ操作により、第2中間マスト部材32に対して上部マスト部材33が上昇するようにされ、第1中間マスト部材31に対し第2中間マスト部材32が下降すると、該シーブ35から繰り下げられるワイヤロープ42の下げ操作により、第2中間マスト部材32に対して上部マスト部材33が下降するようになっている。
要するに、伸縮用ウインチ37によるワイヤロープ40の巻上動作が行われると、下部マスト部材30に対して第1中間マスト部材31が上昇し、これに連動して、ワイヤロープ41により第2中間マスト部材32が第1中間マスト部材31に対し上昇するとともに、ワイヤロープ42により上部マスト部材33が第2中間マスト部材32に対し上昇して、伸縮マスト10が伸長するようにされている。
一方、伸縮用ウインチ37によるワイヤロープ40の繰出動作が行われると、下部マスト部材30に対して第1中間マスト部材31が下降し、これに連動して、ワイヤロープ41により第2中間マスト部材32が第1中間マスト部材31に対し下降するとともに、ワイヤロープ42により上部マスト部材33が第2中間マスト部材32に対し下降して、伸縮マスト10が収縮するようにされている。
<ウインチ側落下防止装置の説明>
図7(a)(b)に示されるように、ウインチ側落下防止装置38は、下部マスト部材30の一側面30aに固定される本体フレーム50を備えている。
本体フレーム50には、受け部材51が設けられている。この受け部材51は、下方に進むにつれて第1中間マスト部材31の一側面31aとの距離が短くなる傾斜受け面51aを有し、該傾斜受け面51aが第1中間マスト部材31の一側面31aと向かい合うようにされている。
受け部材51の傾斜受け面51aと第1中間マスト部材31の一側面31aと間には、ブレーキ体52が配設されている。ブレーキ体52は、支持軸53によって回転可能に支持されるローラ形状でその外周面には周方向の全体に亘って波状に連続する多数の凹凸が設けられて、摩擦係数が高められている。
ブレーキ体52の支持軸53の両端部は、本体フレーム50に設けられたブラケットのスリット54に嵌め込まれている。このスリット54は、下方に進むにつれて第1中間マスト部材31の一側面31aに近づくように傾斜が付されている。
図8(a)に示されるように、支持軸53がスリット54の上部位置に配されているとき、ブレーキ体52は、受け部材51の傾斜受け面51aと接触する一方で第1中間マスト部材31の一側面31aに接触しない位置(以下、「非制動位置」と称する。)に配され、同図(b)に示されるように、支持軸53がスリット54の上部位置から所定高さ分だけ下がった位置に配されているとき、ブレーキ体52は、受け部材51の傾斜受け面51aと第1中間マスト部材31の一側面31aとに同時に接触する位置(以下、「制動位置」と称する。)に配され、ブレーキ体52は、受け部材51の傾斜受け面51aに常に接触しながら非制動位置と制動位置との間で移動可能とされている。
ワイヤロープ40とブレーキ体52との間には、リンク機構55が配設されている。
リンク機構55は、上下方向に延設される第1リンク体55aと、水平方向に延設される第2リンク体55bとにより構成されている。
第1リンク体55aは、下部寄りの中間部がピン56を介して本体フレーム50に支持され、そのピン56の回りに回動可能とされている。
第1リンク体55aの上部には、ワイヤロープ40を挟むように所要(本例では3個)のローラ57,58,59が配置されている。
第2リンク体55bの一端部は、第1リンク体55aの下部にピン60を介して連結されている。
第2リンク体55bの他端部は、ブレーキ体52の支持軸53を支持するようにされている。
ウインチ側落下防止装置38において、図8(a)に示されるように、ワイヤロープ40の緊張力があるときには、そのワイヤロープ40を3個のローラ57,58,59で挟むことによって第1リンク体55aが上下方向に起立した状態が保たれ、これにより第2リンク体55bを介してブレーキ体52が非制動位置に保持されるようになっている。
一方、図8(b)に示されるように、ワイヤロープ40が切れるなどしてその緊張力が消失したときには、そのワイヤロープ40を3個のローラ57,58,59で挟むことができなくなるから、第1リンク体55aが、下部マスト部材30の一側面30aから離れる方向にピン60を中心として倒れるように回動し、これによって第2リンク体55bが第1中間マスト部材31の一側面31aに向かって押されることになる。
第2リンク体55bが第1中間マスト部材31の一側面31aに向かって押されると、ブレーキ体52の支持軸53がスリット54に沿って斜め下方に押し下げられ、これによってブレーキ体52が制動位置に配されて受け部材51の傾斜受け面51aに接触しながら第1中間マスト部材31の一側面31aに押し付けられる。
そして、ブレーキ体52が受け部材51の傾斜受け面51aと第1中間マスト部材31の一側面31aとに同時に接触しながら第1中間マスト部材31と共に少しでも下がると、受け部材51の傾斜受け面51aと第1中間マスト部材31の一側面31aとの間の通路は下方に進むにつれて狭まっているから、ブレーキ体52が受け部材51の傾斜受け面51aと第1中間マスト部材31の一側面31aとによって強力に挟み付けられて相互の摩擦力が増大し、更に、第1中間マスト部材31の僅かながらの下降現象に伴ってブレーキ体52が支持軸53回りに回動することで該ブレーキ体52が受け部材51の傾斜受け面51aと第1中間マスト部材31の一側面31aとの間のより深い位置に入り込むので、相互の摩擦力がより増大して、下部マスト部材30に対し第1中間マスト部材31が落下するのをブレーキ体52により機械的に確実に防止することができる。
<尻手側落下防止装置の説明>
図9(a)(b)に示されるように、尻手側落下防止装置39は、先に述べたウインチ側落下防止装置38と対称関係を成すように下部マスト部材30の他側面30bに取り付けられ、ウインチ側落下防止装置38と共通する構造部分を多く有する落下防止装置である。したがって、ウインチ側落下防止装置38と共通する部分については図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においてはウインチ側落下防止装置38と異なる点を中心に説明することとする。
尻手側落下防止装置39において、ワイヤロープ40の先端部とブレーキ体52との間には、リンク機構65が配設されている。
リンク機構65は、上下方向に延設される第1リンク体65aと、水平方向に延設される第2リンク体65bとにより構成されている。
第1リンク体65aの中間部には、上下方向に長孔66が設けられ、該長孔66に差し込まれるピン67が本体フレーム50に支持され、長孔66とピン67とによる案内作用により、第1リンク体65aが上下方向に移動可能とされている。
第1リンク体65aの上端部は、ピン68を介してワイヤロープ40の先端部と接続されている。
尻手側落下防止装置において、図10(a)に示されるように、ワイヤロープ40の緊張力があるときには、第1リンク体65aに設けられた長孔66の下部がピン67に突き当たる位置まで引き上げられた状態が保たれ、これにより第2リンク体65bを介してブレーキ体52が非制動位置に保持される。
一方、図10(b)に示されるように、ワイヤロープ40が切れるなどしてその緊張力が消失したときには、第1リンク体65aに設けられた長孔66の上部がピン67に突き当たる位置まで第1リンク体65aが重力作用により落下される。
第1リンク体65aの落下により、第2リンク体65bを介してブレーキ体52の支持軸53がスリット54に沿って斜め下方に押し下げられ、これによってブレーキ体52が制動位置に配されて受け部材51の傾斜受け面51aに接触しながら第1中間マスト部材31の他側面31bに押し付けられる。
そして、ブレーキ体52が受け部材51の傾斜受け面51aと第1中間マスト部材31の他側面31bとに同時に接触しながら第1中間マスト部材31と共に少しでも下がると、前述したように、ブレーキ体52が受け部材51の傾斜受け面51aと第1中間マスト部材31の他側面31bとによって強力に挟み付けられて相互の摩擦力が増大して、下部マスト部材30に対し第1中間マスト部材31が落下するのを機械的に確実に防止することができる。
<伸縮ロック装置の説明>
図5(a)に示されるように、伸縮マスト10の伸長状態における、下部マスト部材30と第1中間マスト部材31との境界部、第1中間マスト部材31と第2中間マスト部材32との境界部および第2中間マスト部材32と上部マスト部材33との境界部には、それぞれマスト相互間の伸縮を止める伸縮ロック装置70a,70b,70cが配設されている。
代表として、下部マスト部材30と第1中間マスト部材31との境界部に設けられる伸縮ロック装置70aについて以下に説明することとし、この説明をもってその他の伸縮ロック装置70b,70cについての説明を行ったものとする。
図11(a)に示されるように、伸縮ロック装置70aは、下部マスト部材30の上端部において、前述した両側のブラケット34と平面視で90°位相をずらした位置の両側に抜き差し方向に往復移動可能に嵌め込まれるロックピン71を備えている。
第1中間マスト部材31の下部には、伸縮マスト10が伸長状態にあるときに、ロックピン71に対応して該ロックピン71が差し込み可能なロックピン差込孔72が設けられている。
図5(a)に示されるように、伸縮マスト10には、ロックピン71の抜き差し操作のための操作力を該ロックピン71に伝達するための操作ロッド73が付設されている。
操作ロッド73は、下部マスト部材30、第1中間マスト部材31および第2中間マスト部材32のそれぞれに対応して上下方向に延設される第1分割操作ロッド73a、第2分割操作ロッド73bおよび第3分割操作ロッド73cを備えている。これら分割操作ロッド73a〜73cは、いずれも四角筒状部材で構成され、第1分割操作ロッド73aの開口が最も大きく、第2分割操作ロッド73bおよび第3分割操作ロッド73cの順に開口の大きさが次第に小さくなっている。
操作ロッド73においては、第1分割操作ロッド73aの中に第2分割操作ロッド73bが、第2分割操作ロッド73bの中に第3分割操作ロッド73cが、それぞれ摺接状態で格納されて構成され、ロックピン71と所定距離隔てた位置でそれら分割操作ロッド73a〜73cが一体となってその軸心回りに回動可能に配設され、伸縮マスト10の伸縮動作に連動して伸縮されるようになっている。
図11(a)に示されるように、伸縮ロック装置70aにおいて、下部マスト部材30におけるロックピン71と第1分割操作ロッド73aとの間には、リンク機構74が配設されている。
リンク機構74は、第1分割操作ロッド73aの外周面から突設されるレバーリンク75と、このレバーリンク75とロックピン71とを繋ぐように配設される押引きリンク76とを備えている。
押引きリンク76の一端部は、ピン77を介してレバーリンク75の先端部と接続され、押引きリンク76の他端部は、ピン78を介してロックピン71の基端部と接続されている。
押引きリンク76は、その中間部が、下部マスト部材30から突設されたブラケット79の先端部にピン80を介して接続され、ピン80回りに回動可能とされている。
図6(a)に示されるように、操作ロッド73と下部マスト部材30との間には、リンク機構81が配設されている。
図6(b)に示されるように、リンク機構81は、手動によるロックレバー82の傾動操作力を、操作ロッド73を回動させる回動操作力に変換するもので、主として傾動リンク83、押引きリンク84およびレバーリンク85により構成されている。
傾動リンク83は、ロックレバー82と一体的に設けられるもので、その中間部が、下部マスト部材30の他側面30bにピン86を介して接続され、ピン86回りに鉛直面に沿って回動可能とされている。
レバーリンク85は、第1分割操作ロッド73aの外周面から前述したレバーリンク75とは逆方向に突設されている。
押引きリンク84の一端部は、ピン87を介して傾動リンク83の端部に接続され、押引きリンク84の他端部は、ピン88を介してレバーリンク85の先端部に接続されている。
図11(a)に示されるように、ロックレバー82を図において右側に傾動すると、第1分割操作ロッド73aがその軸心回りの外向きに回動される。こうして、第1分割操作ロッド73aをその軸心回りの外向きに回動させる操作力がその第1分割操作ロッド73aに加えられると、該操作力がリンク機構74により、ロックピン71の押し込み操作力に変換され、これによってロックピン71を第1中間マスト部材31のロックピン差込孔72に差し込むことができる。
一方、図11(b)に示されるように、ロックレバー82を図において左側に傾動すると、第1分割操作ロッド73aがその軸心回りの内向きに回動される。こうして、第1分割操作ロッド73aをその軸心回りの内向きに回動させる操作力がその第1分割操作ロッド73aに加えられると、該操作力がリンク機構74により、ロックピン71の抜き出し操作力に変換され、これによってロックピン71を第1中間マスト部材31のロックピン差込孔72から抜き出すことができる。
第1分割操作ロッド73a、第2分割操作ロッド73bおよび第3分割操作ロッド73cの三者は一体的に回動するので、全てのロックピン71が同時に連動して上記のロックピン抜差し動作が行われることになる。
<ジブの中折れ構造の説明>
図1および図2に示されるように、ジブ11は、その長手方向における基部寄りの中間位置で前部ジブ11aと後部ジブ11bとに分割され、その下面側においてピン90aを揺動中心とするヒンジ機構90により、それら前部ジブ11aと後部ジブ11bとが接合され、ピン90aを基点として後部ジブ11bに対し前部ジブ11aを揺動させて、図1に示されるように、前部ジブ11aと後部ジブ11bとを一直線上に配して使用可能な直線状態と、図2に示されるように、後部ジブ11bに対し前部ジブ11aを折り曲げた中折れ状態とを切換可能とされている。
伸縮マスト10の上部には、ブラケット20を介して起伏用第1シーブ91が回転可能に取り付けられている。
前部ジブ11aの基端部には、ジブ11の使用可能な直線状態において、前部ジブ11aおよび後部ジブ11bのそれぞれの上面に跨るように配されるシーブ支持体11cが固着され、このシーブ支持体11cの後端部に起伏用第2シーブ92が回転可能に取り付けられている。
起伏用ウインチ16の巻胴に巻かれているワイヤロープ93は、起伏用第1シーブ91と起伏用第2シーブ92と掛け回されてその先端部がシーブ支持体11cに固定されている。
図2に示されるように、ジブ11の中折れ状態において、起伏用ウインチ16の巻上動作を行うと、ワイヤロープ93により、起伏用第1シーブ91と起伏用第2シーブ92とが近づくように相対移動され、これによって後部ジブ11bに対し折り曲がった状態にある前部ジブ11aがピン90aを基点として起こされ、前部ジブ11aと後部ジブ11bとが一直線上に配されてジブ11が、図1中符号11´で示される二点鎖線で表される直線状態とされ、更に起伏用ウインチ16の巻上動作を続けると、ピン12を基点としてジブ11を起こして、図1中符号11´´で示される二点鎖線で表されるように、起立させることができる。
図1に示される起伏状態のジブ11´´において、起伏用ウインチ16の繰出動作を行うと、ピン12を基点として伏臥状態のジブ11´とすることができ、更に起伏用ウインチ16の繰出動作を続けると、起伏用第1シーブ91と起伏用第2シーブ92とが離れるように相対移動され、これによって後部ジブ11bに対し前部ジブ11aがピン90aを基点として折り曲がり、図2に示されるように、ジブ11を中折れ状態とすることができる。
<フロアクレーンの使用説明>
以上に述べたように構成されるフロアクレーン1の使用について以下に説明する。
フロアクレーン1を使用しない時や移送時には、図2に示されるように、伸縮マスト10を収縮状態とするとともに、ジブ11を中折れ状態とする。こうして、非使用時等にはよりコンパクトな形態とすることができるので、あまり場所をとらずにフロアクレーン1を保管することができるとともに、フロアクレーン1の移送をより容易に行うことができる。
フロアクレーン1を使用する際には、まず舵取りバー5の操作で台車3の進行方向を変えてフロアクレーン1をフロア2上の作業位置に移動させる。
次いで、台車3に装備されたアウトリガー7を台車3の横方向に張り出し、ジャッキ6で台車3を持ち上げた状態とする。
次いで、起伏用ウインチ16の巻上動作を行い、後部ジブ11bに対し前部ジブ11aを起こしてジブ11を直線状態とする。
次いで、伸縮用ウインチ37の巻上動作を行い、伸縮マスト10を伸長させる。
次いで、図11(a)に示されるように、ロックレバー82を図において右側に傾動し、操作ロッド73をその軸心回りの外向きに回動して、全てのロックピン71の差込動作を行い、下部マスト部材30、第1中間マスト部材31、第2中間マスト部材32および上部マスト部材33の相互間の伸縮をロックピン71によって止める。
こうして、フロアクレーン1をクレーン作業の実施にあたって使用可能な状態とすることができる。
そして、旋回モータ26(図3参照)の作動による旋回フレーム9の旋回動作、起伏用ウインチ16の巻上・繰出動作によるジブ11の起伏動作、荷役用ウインチ15の巻上・繰出動作によるフックブロック24の昇降動作により、旋回フレーム9の旋回中心を基準としてジブ11の長さとジブ11の起伏位置とによって決まる所定の作業半径内において、ジブ11の起伏位置と伸縮マスト10の伸長長さとに応じた高い揚程でフックブロック24のフック24aに掛けられた荷の上げ動作または下げ動作を行うことができる。
なお、前述した、フロアクレーン1を使用可能な状態とする手順の逆の手順を実施することにより、図2に示されるように、コンパクトな形態とすることができる。
<作用効果の説明>
本実施形態のフロアクレーン1によれば、台車3上に旋回フレーム9を介して伸縮マスト10が設置され、該伸縮マスト10の上部にジブ11が起伏自在に取り付けられるので、伸縮マスト10を鉛直方向に伸長状態とし、かつジブ11を起伏させることにより、旋回フレーム9の旋回中心を基準としてジブ11の長さとジブ11の起伏位置とによって決まる所定の作業半径内において、ジブ11の起伏位置と伸縮マスト10の伸長長さとに応じた高い揚程でクレーン作業を行うことができる。したがって、所定の作業半径を確保しつつ高揚程を実現することができる。
さらに、以下の(1)〜(5)のような作用効果を得ることができる。
(1)伸縮用ウインチ37によるワイヤロープ40の巻上・繰出動作により、下部マスト部材30に対して第1中間マスト部材31が上昇・下降し、これに連動して、ワイヤロープ41により第2中間マスト部材32が第1中間マスト部材31に対し上昇・下降するとともに、ワイヤロープ42により上部マスト部材33が第2中間マスト部材32に対し上昇・下降して、伸縮マスト10が伸長・収縮するようにされているので、マスト部材30〜33の長さ寸法を可能な限り短くすることでフロアクレーンの高さ寸法のコンパクト化を図ることができるとともに、マスト部材30〜33の段数を増やすことで揚程をより高くすることができる。
(2)万一、ワイヤロープ40が切断されたとしても、ウインチ側落下防止装置38および尻手側落下防止装置39により、重力作用による伸縮マスト10の収縮を防止することができる。
(3)伸縮マスト10の伸長状態にあるときに、下部マスト部材30と第1中間マスト部材31との境界部、第1中間マスト部材31と第2中間マスト部材32との境界部および第2中間マスト部材32と上部マスト部材33との境界部には、伸縮ロック装置70a〜70cにより、ロックピン71が差し込まれるので、伸縮マスト10の伸長状態を確実に保つことができる。
(4)ロックピン71の抜差し動作は、第1分割操作ロッド73a、第2分割操作ロッド73bおよび第3分割操作ロッド73cの三者が一体的に回動するように構成される伸縮式の操作ロッド73の回動操作により、全てのロックピン71が同時に連動して行われるので、ロックピン71の抜差し動作を容易かつ迅速に行うことができる。
(5)ジブ11は、長手方向の途中で折り曲げ可能とされるので、非使用時にはよりコンパクトな形態とすることができ、フロアクレーン1の移送等をより容易に行うことができる。
以上、本発明のフロアクレーンについて、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
本発明のフロアクレーンは、所定の作業半径を確保しつつ高揚程を実現することができるという特性を有していることから、建築物内に進入して梁枠を吊るなどのクレーン作業の用途に好適に用いることができる。
1 フロアクレーン
2 フロア
3 台車
9 旋回フレーム
10 伸縮マスト
11 ジブ
11a 前部ジブ
11b 後部ジブ
16 起伏用ウインチ
23 ワイヤロープ
30 下部マスト部材
31 第1中間マスト部材
32 第2中間マスト部材
33 上部マスト部材
38 ウインチ側落下防止装置
39 尻手側落下防止装置
40〜42 ワイヤロープ
51 受け部材
51a 傾斜受け面
52 ブレーキ体
55,65 リンク機構
71 ロックピン
73 操作ロッド
90 ヒンジ機構
91 起伏用第1シーブ
92 起伏用第2シーブ
93 ワイヤロープ
前記目的を達成するために、本発明によるフロアクレーンは、
フロア上で移動自在な台車を備え、台車に対し旋回自在に設けられる旋回フレーム上に、鉛直方向に伸縮自在な伸縮マストを設置し、該伸縮マストの上部に荷を吊るジブを起伏自在に取り付けてなフロアクレーンにおいて
前記伸縮マストは、開口の大きさが異なる複数の中空状のマスト部材を開口の大きさの順に格納してなり、前記伸縮マストが伸長状態にあるときに、前記マスト部材における格納する側である格納マスト部材と格納される側である被格納マスト部材とを連結するように差し込まれるロックピンが設けられ、前記ロックピンの抜き差し操作のための操作力を該ロックピンに伝達する操作ロッドが前記伸縮マストに沿って配設され、該操作ロッドは、前記伸縮マストの伸縮に合わせて伸縮可能とされることを特徴とするものである(第1発明)。
本発明において、前記納マスト部材の先端部にシーブを配設し、該シーブと、前記被格納マスト部材の基端部との間にワイヤロープを掛け回し、前記格納マスト部材に対する前記被格納マスト部材の該ワイヤロープによる上昇動作または下降動作により、前記伸縮マストを伸長または収縮するものとされるのが好ましい(第2発明)。
本発明において、前記ジブは、前部ジブと後部ジブとに分割され、これら前部ジブと後部ジブとがヒンジ機構によって接合されて、前部ジブと後部ジブとが一直線上に配される直線状態と、後部ジブに対し前部ジブが折り曲げられる中折れ状態とに切換可能とされ、前記伸縮マスト側に起伏用第1シーブが回転可能に配設されるとともに、前記前部ジブ側に起伏用第2シーブが回転可能に配設され、これら起伏用第1シーブと起伏用第2シーブとに前記ジブを起伏させる起伏用ウインチからのワイヤロープが掛け回され、前記起伏用ウインチの巻上動作により、前記ジブが直線状態とされ、更に該起伏用ウインチの巻上動作を続けると、該ジブが起立され、前記起伏用ウインチの繰出動作により、前記ジブが伏臥され、更に該起伏用ウインチの繰出動作を続けると、前記ジブが中折れ状態とされるのが好ましい(第発明)。
本発明によれば、台車上に旋回フレームを介して伸縮マストが設置され、該伸縮マストの上部にジブが起伏自在に取り付けられるので、伸縮マストを鉛直方向に伸長状態とし、かつジブを起伏させることにより、旋回フレームの旋回中心を基準としてジブの長さとジブの起伏位置とによって決まる所定の作業半径内において、ジブの起伏位置と伸縮マストの伸長長さとに応じた高い揚程でクレーン作業を行うことができる。したがって、所定の作業半径を確保しつつ高揚程を実現することができる。また、本発明においては、伸縮マストが伸長状態にあるときに、格納マスト部材と被格納マスト部材とを連結するようにロックピンが差し込まれるので、伸縮マストの伸長状態を確実に保つことができる。さらに、伸縮マストの各段に設けられるロックピンに対してその抜き差しのための操作力が操作ロッドを介して伝達されるので、操作ロッドの操作によって伸縮マストの各段に設けられるロックピンの抜き差し操作を容易に行うことができる。
ところで、伸縮マストの伸縮構造に関し、例えば、油圧シリンダ等のアクチュエータを伸縮マスト内に組み込み、伸縮マストの伸縮をその油圧シリンダの伸縮作動によって達成しようとした場合、マスト部材の長さ寸法は油圧シリンダの組み込みに必要とされる長さ寸法よりも短くすることができないなどその油圧シリンダの仕様により大きく制限を受けることになる。
揚程をより高くするためには、伸長量がより大きい油圧シリンダを採用する必要があるが、この場合、油圧シリンダの全長が長くなるため、伸縮マストの収縮時におけるフロアクレーンの高さ寸法が大きくなり、フロアクレーンが例えば梁下等を通り抜けるのが困難になる。
フロアクレーンの高さ寸法のコンパクト化を図るためには、収縮時の全長の長さが短い油圧シリンダを用いれば達成することができるが、この場合、油圧シリンダの伸長量があまり長くとれないから揚程を高くするのが困難になる。
そこで、第2発明の構成の採用により、すなわち前記マスト部材における格納する側である格納マスト部材の先端部にシーブを配設し、該シーブと、格納される側である被格納マスト部材の基端部との間にワイヤロープを掛け回し、前記格納マスト部材に対する被格納マスト部材の該ワイヤロープによる上昇動作または下降動作により、前記伸縮マストを伸長または収縮するものとすることにより、マスト部材の長さ寸法を可能な限り短くすることでフロアクレーンの高さ寸法のコンパクト化を図ることができるとともに、マスト部材の段数を増やすことで揚程をより高くすることができる。
発明によれば、ジブが折り曲げ可能とされるので、非使用時にはよりコンパクトな形態とすることができ、フロアクレーンの移送等をより容易に行うことができる。

Claims (7)

  1. フロア上で移動自在な台車を備え、フロア上の任意の位置で荷の吊り作業を行うようにしたフロアクレーンであって、
    前記台車に対し旋回自在に設けられる旋回フレーム上に、鉛直方向に伸縮自在な伸縮マストを設置し、該伸縮マストの上部に荷を吊るジブを起伏自在に取り付けてなることを特徴とするフロアクレーン。
  2. 前記伸縮マストは、開口の大きさが異なる複数の中空状のマスト部材を開口の大きさの順に格納してなり、それらマスト部材における格納する側である格納マスト部材の先端部にシーブを配設し、該シーブと、格納される側である被格納マスト部材の基端部との間にワイヤロープを掛け回し、前記格納マスト部材に対する被格納マスト部材の該ワイヤロープによる上昇動作または下降動作により、前記伸縮マストを伸長または収縮するものとされる請求項1に記載のフロアクレーン。
  3. 前記ワイヤロープの緊張力が消失したときに、前記格納マスト部材に対して被格納マスト部材が落下するのを防止する落下防止装置が設けられる請求項2に記載のフロアクレーン。
  4. 前記落下防止装置は、下方に進むにつれて前記被格納マスト部材の側面との距離が短くなる傾斜受け面を有してその傾斜受け面が前記被格納マスト部材の側面と向かい合うように前記格納マスト部材に取り付けられる受け部材を備え、この受け部材の傾斜受け面と前記被格納マスト部材の側面と間においてブレーキ体を、前記受け部材の傾斜受け面と接触する一方で前記被格納マスト部材の側面に接触しない非制動位置と、前記受け部材の傾斜受け面と前記被格納マスト部材の側面とに同時に接触する制動位置との間で移動可能に配設し、前記ワイヤロープと前記ブレーキ体との間に配設されるリンク機構により、前記ワイヤロープの緊張力があるときは前記ブレーキ体を非制動位置に保持する一方、前記ワイヤロープの緊張力が消失したときは前記ブレーキ体を制動位置に移動させるように構成される請求項3に記載のフロアクレーン。
  5. 前記伸縮マストが伸長状態にあるときに、前記格納マスト部材と被格納マスト部材とを連結するように差し込まれるロックピンが設けられる請求項1〜4のいずれかに記載のフロアクレーン。
  6. 前記ロックピンの抜き差し操作のための操作力を該ロックピンに伝達する操作ロッドが前記伸縮マストに沿って配設され、該操作ロッドは、伸縮マストの伸縮に合わせて伸縮可能とされる請求項5に記載のフロアクレーン。
  7. 前記ジブは、前部ジブと後部ジブとに分割され、これら前部ジブと後部ジブとがヒンジ機構によって接合されて、前部ジブと後部ジブとが一直線上に配される直線状態と、後部ジブに対し前部ジブが折り曲げられる中折れ状態とに切換可能とされ、前記伸縮マスト側に起伏用第1シーブが回転可能に配設されるとともに、前記前部ジブ側に起伏用第2シーブが回転可能に配設され、これら起伏用第1シーブと起伏用第2シーブとに前記ジブを起伏させる起伏用ウインチからのワイヤロープが掛け回され、前記起伏用ウインチの巻上動作により、前記ジブが直線状態とされ、更に該起伏用ウインチの巻上動作を続けると、該ジブが起立され、前記起伏用ウインチの繰出動作により、前記ジブが伏臥され、更に該起伏用ウインチの繰出動作を続けると、前記ジブが中折れ状態とされる請求項1〜6のいずれかに記載のフロアクレーン。
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