JP2015030184A - ガスバリア性積層体及び真空断熱材用外装材 - Google Patents

ガスバリア性積層体及び真空断熱材用外装材 Download PDF

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Abstract

【課題】二枚のガスバリア性フィルムをイソシアネート系接着剤で貼り合わせるにあたって、イソシアネート系接着剤に起因する気泡を生じることのない積層体を提供すること。
【解決手段】二枚の前記ガスバリア性フィルムのうち、一方を第1のガスバリア性フィルム20、他方を第2のガスバリア性フィルム30としたとき、第1のガスバリア性フィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムを蒸着基材21として、この蒸着基材の上に無機薄膜22を形成したものであり、かつ、蒸着基材が前記イソシアネート系接着剤ad2に接触するように配置する。イソシアネート系接着剤の硬化反応に伴って発生した二酸化炭素ガスがポリエチレンテレフタレートフィルムに吸収され、あるいは透過して外部に放出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、二枚のガスバリア性フィルムをイソシアネート系接着剤で貼り合わせて構成されるガスバリア性積層体に関するものである。このガスバリア性積層体は、更にヒートシール層等を積層して、真空断熱材用外装材として使用することができる。
真空断熱材は、芯材を外装材で包み、芯材の周囲を真空状態にして周囲の外装材同士をシールして密封することにより、気体による熱伝導率を限りなくゼロに近づけて、断熱性能を高めた断熱材である。
外装材は内部の真空度を保つため、ガスバリア性が要求される。しかしながら、従来の真空断熱材は、ガスバリア性フィルムとしてアルミ箔を使用しているため、真空断熱材の外装材を伝わる熱伝導、いわゆるヒートブリッジ現象によって真空断熱材の断熱効果が小さくなる。
そこで、ヒートブリッジ現象を解決するために、ガスバリア性フィルムを金属箔ではなく、蒸着膜を有するガスバリア性フィルム(蒸着フィルム)に変更した外装材を用いた真空断熱材がある(例えば、特許文献1〜2)。特許文献2によれば、そのガスバリア性を高めるために、蒸着フィルムを複数積層することが望ましく、しかも、積層に当たっては、その蒸着面同士が対向するように複数の蒸着フィルムを配置することが望ましいと記載されている。積層は、例えば、ドライラミネーションによって可能である。
特開2006−21429号公報 特開2010−138956号公報
ドライラミネーションに使用する接着剤としてはイソシアネート系接着剤がその代表例として例示できる。そこで、イソシアネート系接着剤を使用して複数の蒸着フィルムを貼り合わせると、この接着剤のイソシアネート基の硬化反応に起因して、わずかに二酸化炭素ガスが発生する。そして、この二酸化炭素ガスは、二枚の蒸着フィルムの間に残留して気泡を生じることがあるという問題があった。
そこで、本発明は、二枚のガスバリア性フィルムをイソシアネート系接着剤で貼り合わせるにあたって、イソシアネート系接着剤に起因する気泡を生じることのない積層体を提供することを目的とするものである。
ところで、本発明者は、二枚のガスバリア性フィルムのうち、一方のガスバリア性フィルムを、特定の蒸着基材の上に無機薄膜を形成したフィルムとし、かつ、蒸着基材を前記イソシアネート系接着剤に接触するように配置した場合、イソシアネート系接着剤に起因する気泡が生じないことを発見した。
その作用機構は明確ではないが、発生した二酸化炭素ガスを特定蒸着基材が吸収するか、あるいは、特定蒸着基材を通ってその端面から外部に排出していると推測できる。
そこで、請求項1に記載の発明は、二枚のガスバリア性フィルムをイソシアネート系接着剤で貼り合わせて構成されるガスバリア性積層体において、
二枚の前記ガスバリア性フィルムのうち、一方を第1のガスバリア性フィルム、他方を第2のガスバリア性フィルムとしたとき、第1のガスバリア性フィルムがプラスチックフィルムを蒸着基材として、この蒸着基材の上に無機薄膜を形成したものであり、かつ、この蒸着基材が前記イソシアネート系接着剤に接触するように配置されていることを特徴とするガスバリア性積層体である。
また、請求項2に記載の発明は、前記プラスチックフィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層体である。
次に、請求項3〜8は、請求項1〜2に記載の発明を前提として、それぞれの材質を特定した発明である。
すなわち、請求項3に記載の発明は、第2のガスバリア性フィルムが金属箔から構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア性積層体である。
また、請求項4に記載の発明は、第2のガスバリア性フィルムが第2の蒸着基材の上に第2の無機薄膜を形成したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア性積層体である。
また、請求項5に記載の発明は、第2の蒸着基材がエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムであることを特徴とする請求項4に記載のガスバリア性積層体である。
また、請求項6に記載の発明は、第2の無機薄膜がアルミニウムの薄膜であることを特徴とする請求項4又は5に記載のガスバリア性積層体である。
また、請求項7に記載の発明は、第1のガスバリア性フィルムの無機薄膜がアルミナの薄膜であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア性積層体である。
また、請求項8に記載の発明は、第1のガスバリア性フィルムの無機薄膜が珪素酸化物の薄膜であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア性積層体である。
なお、ガスバリア性が高いこと、屈曲耐性が高く、屈曲した場合にもガスバリア性の低下がないこと、などの理由により、第1のガスバリア性フィルムの無機薄膜をアルミナとし、第2のガスバリア性フィルムが、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムから成る蒸着基材の上に、アルミニウムの薄膜を形成したものであるものが優れている。
次に、請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載のガスバリア性積層体を一部として使用した真空断熱材用外装材に係るもので、請求項1〜8のいずれかに記載のガスバリア性積層体を、その層構成中に含む真空断熱材用外装材である。
すなわち、請求項1〜8のいずれかに記載のガスバリア性積層体の内面側にヒートシール層等を積層することにより、真空断熱材用外装材として使用することができる。また、ガスバリア性積層体の内面側にヒートシール層を積層することに加えて、その外面側に表面保護層を積層したり、ガスバリア性積層体とヒートシール層との間に中間強化層を積層して、真空断熱材用外装材としてもよい。
以上のように、本発明によれば、二枚のガスバリア性フィルムをイソシアネート系接着剤で貼り合わせるにあたって、イソシアネート系接着剤に起因する気泡を防ぐことが可能となる。
本発明に係る真空断熱材用外装材の要部断面図。 本発明に係る真空断熱材用外装材を用いた真空断熱材の断面図。 本発明に係る真空断熱材用外装材を用いた真空断熱材の折り曲げ部分を説明するための断面図。 本発明に係る真空断熱材用外装材を用いた真空断熱材の平面図。 比較例1に係る真空断熱材用外装材の要部断面図。 比較例2に係る真空断熱材用外装材の要部断面図。 比較例3に係る真空断熱材用外装材の要部断面図。
本発明のガスバリア性積層体を使用した真空断熱材用外装材を例として本発明を説明する。図1は、この真空断熱材用外装材1の例を示す断面図である。
本発明のガスバリア性積層体は、二枚のガスバリア性フィルムと、イソシアネート系接着剤とを必須の構成要素とするものである。この二枚のガスバリア性フィルムを区別するため、その一方を第1のガスバリア性フィルムと呼び、他方を第2のガスバリア性フィルムと呼んで、以下説明する。本発明のガスバリア性積層体を使用して真空断熱材用外装材1を作成したとき、一般に、第1のガスバリア性フィルムは外側方向に位置し、第2のガスバリア性フィルムは内面側に位置するものである。
そして、第1のガスバリア性フィルムと第2のガスバリア性フィルムとを、イソシアネート系接着剤を挟んで貼り合わせ、イソシアネート系接着剤を反応硬化させることにより、本発明のガスバリア性積層体を得ることができる。なお、説明の便宜のため、イソシアネート系接着剤を反応硬化させて得られた接着層を、以下、「ウレタン系接着剤層」と呼ぶ。
そして、こうして得られたガスバリア性積層体の内面側、すなわち、第2のガスバリア性フィルムにヒートシール層を積層することにより、真空断熱材用外装材1を得ることができる。このヒートシール層に加えて、表面保護層や中間強化層を積層して真空断熱材用外装材1とすることもできる。
図1は、第1のガスバリア性フィルム20と第2のガスバリア性フィルム30とを、ウレタン系接着剤層ad2を介して貼り合わせ、その内面側にヒートシール層40、外面側に表面保護層10を積層して得られた真空断熱材用外装材1を示している。ヒートシール層40と表面保護層10とは、いずれも、ウレタン系接着剤層ad3,ad1を介して貼り合わせることができる。このため、図1に示す真空断熱材用外装材1は、その外面側から順に、表面保護層10、ウレタン系接着剤層ad1、第1のガスバリア性フィルム20、ウレタン系接着剤層ad2、第2のガスバリア性フィルム30、ウレタン系接着剤層ad3、ヒートシール層40という層構成を有している。
本発明においては、第1のガスバリア性フィルム20は、蒸着基材21の上に無機薄膜22を形成して構成されている必要がある。なお、第2のガスバリア性フィルム30が蒸着基材31の上に無機薄膜32を形成して構成されている場合と区別するため、第1のガ
スバリア性フィルム20の蒸着基材21を「第1の蒸着基材」21と呼び、この第1の蒸着基材に形成された無機薄膜22を「第1の無機薄膜」22と呼ぶ。これに対して、第2のガスバリア性フィルム30の蒸着基材31を「第2の蒸着基材」31と呼び、この第2の蒸着基材31に形成された無機薄膜32を「第2の無機薄膜」32と呼ぶ。
そして、第1の蒸着基材21は、ウレタン系接着剤層ad2と接触するように配置されている必要がある。
仮に、第1の蒸着基材21がウレタン系接着剤層ad2と接触せず、第1の無機薄膜22がウレタン系接着剤層ad2と接触するように配置されている場合には、後述する比較例1のように、ウレタン系接着剤層ad2の反応硬化に起因して、このウレタン系接着剤層ad2内に気泡が生じることがある。
また、第1の蒸着基材21は、特定の材質のプラスチックフィルムによって構成されている必要がある。これ以外の材質のプラスチックフィルムがウレタン系接着剤層ad2と接触している場合には、ウレタン系接着剤層ad2の反応硬化に起因して、このウレタン系接着剤層ad2内に気泡が生じることがある。
第1の蒸着基材21に適するプラスチックフィルムは融点150℃以上のプラスチックフィルムである。また、第1の蒸着基材21として、ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用することもできる。後述する実施例1から分かるように、融点150℃以上のポリエチレンテレフタレートフィルムを第1の蒸着基材21として使用し、このポリエチレンテレフタレートフィルムがウレタン系接着剤層ad2と接触するように配置されている場合には、ウレタン系接着剤層ad2の反応硬化に起因する気泡が生じない。
第1の無機薄膜22としては、金属又は金属酸化物の薄膜を使用できる。金属薄膜としてはアルミニウムの薄膜、コバルトの薄膜、ニッケルの薄膜、亜鉛の薄膜、銅の薄膜、銀の薄膜、あるいはこれらの合金の薄膜などが利用できる。金属酸化物薄膜としてはアルミナの薄膜又は珪素酸化物の薄膜を使用できる。望ましくはアルミナの薄膜である。また、第1の無機薄膜22として、ダイヤモンドライクカーボンの薄膜を使用することも可能である。第1の無機薄膜22は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の気相成長法によって第1の蒸着基材21上に形成することができる。また、第1の無機薄膜22の成膜に先立って、第1の蒸着基材21表面を化学的又は物理的に処理してもよい。
次に、第2のガスバリア性フィルム30としては、第2の蒸着基材31の上に第2の無機薄膜32を形成して構成された蒸着フィルムが使用できる。また、この他、金属箔を使用することもできる。金属箔としては、アルミニウム箔、ステンレス箔、鉄箔などを例示できる。また、これら金属箔に他のフィルムを積層して構成される積層体を使用してもよい。
第2のガスバリア性フィルム30として第2の蒸着基材31の上に第2の無機薄膜32を形成して構成された蒸着フィルムを使用する場合、第2の蒸着基材31としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等を使用することができる。また、第2の無機薄膜32としては、第1の無機薄膜22と同様に、金属薄膜や金属酸化物薄膜あるいはダイヤモンドライクカーボンの薄膜を使用することができる。また、第2の無機薄膜32は、第1の無機薄膜22と同様に、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の気相成長法によって形成することができる。
なお、第2のガスバリア性フィルム30として、第2の蒸着基材31としてエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムを使用し、このエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムの上にアルミニウム薄膜を形成したものが好ましく使用できる。この場合には、得られたガスバリア性積層体のガスバリア性が優れると共に、その屈曲耐性も優れており、このため、後述する真空断熱材の製造の際に、真空断熱材から側部外方に突出したひれ部(熱融着部及び真空密着部)を折り曲げても、そのガスバリア性が低下することがない。
なお、前述のように、ガスバリア性が高いこと、屈曲耐性が高く、屈曲した場合にもガスバリア性の低下がないこと、などの理由により、第1の無機薄膜22をアルミナとし、第2のガスバリア性フィルム30が、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムから成る蒸着基材31の上に、アルミニウムの薄膜32を形成したものを使用することが望ましい。
次に、ウレタン系接着剤層ad2に使用するイソシアネート系接着剤としては、周知のドライラミネート用二液硬化型ウレタン系接着剤を使用することができる。
ヒートシール層40としては、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ナイロン樹脂等を使用することができる。また、その他の樹脂と共押し出し製膜した共押し出しフィルムを使用することもできる。例えば、低密度ポリエチレンとエチレン−ビニルアルコール共重合体とを共押し出し製膜した二層構造の共押し出しフィルムである。また、低密度ポリエチレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミドを共押し出し製膜した三層構造の共押し出しフィルムを使用することもできる。
次に、表面保護層10は、外部からの突き刺し等に対する真空断熱材用外装材の耐性を向上させるものである。表面保護層10としては、機械的性質、物理的性質、化学的性質、その他の各種性質に優れたものを使用することが望ましい。例えば、機械的強度に優れ、耐熱性、防湿性、ピンホール耐性、突き刺し耐性などに優れたものである。
このような表面保護層10としては、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルムなどが使用できる。未延伸のフィルム、延伸フィルムのいずれでもよいが、機械的強度や耐熱性の点から二軸延伸フィルムが好ましい。
表面保護層10として好ましいものは二軸延伸ナイロンフィルムである。表面保護層10として二軸延伸ナイロンフィルムを用いることにより、突き刺し耐性が向上すると共に、外装材の強靭性が高まる。また、ポリプロピレンフィルムと延伸ナイロンフィルムとを積層した積層フィルムを表面保護層10として利用してもよい。この場合にも、突き刺し耐性が向上すると共に、真空断熱材用外装材1の強靭性が高めることができる。厚みは9〜50μmでよい。
また、中間強化層は、第2のガスバリア性フィルム30とヒートシール層40との間に位置して、前記表面保護層10の代わりに、あるいは前記表面保護層10に加えて、外部からの突き刺し等に対する耐性や機械的強度を向上させるものである。この中間強化層としては、前記表面保護層10と同じフィルムが使用できる。
なお、第2のガスバリア性フィルム30とヒートシール層40との積層、第1のガスバリア性フィルム20と表面保護層10との積層、第2のガスバリア性フィルム30と中間強化層との積層は、いずれも、ウレタン系接着剤を用いたドライラミネーションによって可能である。図1において、ad1、ad3は、いずれも、ウレタン系接着剤層を示して
いる。
この真空断熱材用外装材1を使用して、次のような方法で真空断熱材を製造することができる。
まず、2枚の方形の真空断熱材用外装材1を、ヒートシール層40面を対向させ、袋状に3辺をヒートシールし、中に芯材3を挿入し、真空引きする。このとき、芯材3の周囲には外装材1同士が密着する真空密着部5ができる。そして、周縁で外装材1同士をヒートシールすることにより、真空密着部5の外周に熱融着部4を設ける(図2参照)。
芯材3としては、ガラス繊維などの無機系繊維やポリスチレン繊維などの有機系繊維を用いることができる。また、粉末を固めてボード化したものや、発泡樹脂を用いることもできる。また、発泡パーライト等の粉末を用いてもよい。
ところで、前記真空密着部5と熱融着部4の両者は、図2から分かるように、真空断熱材の側部外方に突出した形状を有している。このため、図3の断面図のように、密着部5と熱融着部4を、外気側に折り曲げて、保冷や保温側にこないようにする。この密着部5と熱融着部4を、折り曲げた部分は、図4のように、テープ6で止める。このようにして、真空断熱材を製造することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明する。
(実施例)
第1のガスバリア性フィルム20として、融点255℃のポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)から成る蒸着基材21の上に、アルミナ薄膜22を形成した蒸着フィルムを準備した。また、第2のガスバリア性フィルム30として、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(厚さ15μm)から成る蒸着基材31の上に、アルミニウムの薄膜32を形成した蒸着フィルムを準備した。そして、第1のガスバリア性フィルム20の蒸着基材21と第2のガスバリア性フィルム30のアルミニウム薄膜32とが向かい合うように配置して、市販の二液硬化型ウレタン系接着剤によりドライラミネートして、ガスバリア性積層体を製造した。
次に、延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)を表面保護層10として、前記ガスバリア性積層体のアルミナ薄膜22の上にドライラミネートした。接着剤としては、市販の二液硬化型ウレタン系接着剤を使用した。
そして、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(厚さ15μm)をヒートシール層40として、ガスバリア性積層体のエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム31の上にドライラミネートした。接着剤としては、市販の二液硬化型ウレタン系接着剤を使用した。
こうして得られた真空断熱材用外装材1は図1の断面図に示す層構成を有するものである。すなわち、外面側から、順に、表面保護層(延伸ナイロンフィルム)10、ウレタン系接着剤層ad1、第1の無機薄膜(アルミナ薄膜)22、第1の蒸着基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)21、ウレタン系接着剤層ad2、第2の無機薄膜(アルミニウム薄膜)32、第2の蒸着基材(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム)31、ウレタン系接着剤層ad3、ヒートシール層(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム)40という層構成を有している。
(比較例1)
比較例1は、第1のガスバリア性フィルム20の表裏を逆に配置したものである。その他は実施例と同様とした。すなわち、実施例と比較例1との相違は、実施例のガスバリア性積層体が、第1の蒸着基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)21がウレタン系接着剤層ad2と接触するように配置しているのに対して、比較例1のガスバリア性積層体は、第1の無機薄膜(アルミナ薄膜)22がウレタン系接着剤層ad2と接触するように配置している点である。
したがって、比較例1の真空断熱材用外装材1は図5の断面図に示す層構成を有している。すなわち、外面側から、順に、表面保護層(延伸ナイロンフィルム)10、ウレタン系接着剤層ad1、第1の蒸着基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)21、第1の無機薄膜(アルミナ薄膜)22、ウレタン系接着剤層ad2、第2の無機薄膜(アルミニウム薄膜)32、第2の蒸着基材(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム)31、ウレタン系接着剤層ad3、ヒートシール層(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム)40という層構成である。
(比較例2)
比較例2の外装材は、比較例1において、表面保護層(延伸ナイロンフィルム)10を除き、その代わりに、第1のガスバリア性フィルム20と第2のガスバリア性フィルム30との間にナイロンフィルム(厚さ15μm)50を介在させたものである。
この外装材では、第1のガスバリア性フィルム20とナイロンフィルム(厚さ15μm)50とはウレタン系接着剤層ad4で接着されているが、このウレタン系接着剤層ad4は第1の無機薄膜(アルミナ薄膜)22及びナイロンフィルム50と接触しており、第1の蒸着基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)21とは接触していない。また、ナイロンフィルム50と第2のガスバリア性フィルム30もウレタン系接着剤層ad5で接着されているが、このウレタン系接着剤層ad5は、第2の無機薄膜(アルミニウム薄膜)32及びナイロンフィルム50と接触している。
比較例2に係る外装材の層構成を図6に示す。すなわち、外面側から、順に、第1の蒸着基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)21、第1の無機薄膜(アルミナ薄膜)22、ウレタン系接着剤層ad4、ナイロンフィルム50、ウレタン系接着剤層ad5、第2の無機薄膜(アルミニウム薄膜)32、第2の蒸着基材(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム)31、ウレタン系接着剤層ad3、ヒートシール層(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム)40という層構成である。
(比較例3)
比較例3の外装材は、比較例1において、第1のガスバリア性フィルム20の代わりに、第2のガスバリア性フィルム30と同様の蒸着フィルム30’を使用したものである。すなわち、この蒸着フィルム30’は、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(厚さ15μm)から成る蒸着基材31’の上に、アルミニウムの薄膜32’を形成したものであり、そのアルミニウム薄膜32’がウレタン系接着剤層ad2の接触するように配置した。
比較例3の外装材の層構成を図7に示す。すなわち、外面側から、順に、表面保護層(延伸ナイロンフィルム)10、ウレタン系接着剤層ad1、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム31’、アルミニウム薄膜32’、ウレタン系接着剤層ad2、第2の無機薄膜(アルミニウム薄膜)32、第2の蒸着基材(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム)31、ウレタン系接着剤層ad3、ヒートシール層(直鎖状低密度ポリエチレンフィルム)40という層構成である。
(評価及び考察)
実施例及び比較例1〜3の外装材について、その接着剤層に気泡が生じているか否か、観察した。観察は目視によって行った。
この結果、第1の無機薄膜(アルミナ薄膜)22と第2の無機薄膜(アルミニウム薄膜)32とをウレタン系接着剤層ad2で接着した比較例1では、ウレタン系接着剤層ad2にわずかな気泡が発生していることが確認できた。第1の無機薄膜(アルミナ薄膜)22の代わりにアルミニウム薄膜32’を使用して、このアルミニウム薄膜32’と第2の無機薄膜(アルミニウム薄膜)32とをウレタン系接着剤層ad2で接着した比較例3でも同様であった。これらの例では、ウレタン系接着剤層ad2が無機薄膜で挟まれており、ウレタン系接着剤層ad2から発生した二酸化炭素ガスが放出されないことから、この二酸化炭素ガスが残留して気泡を構成したものと推測できる。
他方、第1の蒸着基材(ポリエチレンテレフタレートフィルム)21と第2の無機薄膜(アルミニウム薄膜)32とをウレタン系接着剤層ad2で接着した実施例では、気泡の発生は認められなかった。この実施例と比較例1との相違は、第1のガスバリア性フィルム20の表裏を正反対に配置した点にあるから、ウレタン系接着剤層ad2が融点255℃のポリエチレンテレフタレートフィルムから成る蒸着基材21に接触している場合には、発生した二酸化炭素ガスがこの蒸着基材21に吸収され、あるいは、この蒸着基材21を透過して外部に排出されていると推測できる。
なお、第1の無機薄膜(アルミナ薄膜)22、ウレタン系接着剤層ad4、ナイロンフィルム50、ウレタン系接着剤層ad5、第2の無機薄膜(アルミニウム薄膜)32の順に積層した比較例2の外装材では、ウレタン系接着剤層ad4とウレタン系接着剤層ad5の両者で気泡が発生していることが観察された。しかも、その気泡の量は比較例1より多かった。この結果から、ウレタン系接着剤層の気泡を防止するためには、特定の材質の熱可塑性樹脂層がウレタン系接着剤層に接触していることが必要であることが分かる。
なお、比較例2において、比較例1より多量の気泡が発生した理由は明らかではないが、ナイロンフィルム50は吸水性が高く、また、ガスバリア性が高い素材であることから、ナイロンフィルム内部の水分とイソシアネート基とが反応して多量の二酸化炭素ガスが発生し、この多量の二酸化炭素ガスがナイロンフィルムを透過することができずに残留したものと推測できる。
1:外装材 2:真空断熱材 3:芯材 4:熱融着部 5:密着部 6:テープ
10:表面保護層
20:第1のガスバリア性フィルム 21:第1の蒸着基材 22:第1の無機薄膜30:第2のガスバリア性フィルム 31:第2の蒸着基材 32:第2の無機薄膜
30’:ガスバリア性フィルム 31’:エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム 32’:アルミニウム薄膜
40:ヒートシール層
50:ナイロンフィルム
ad1〜ad5:ウレタン系接着剤層

Claims (9)

  1. 二枚のガスバリア性フィルムをイソシアネート系接着剤で貼り合わせて構成されるガスバリア性積層体において、
    二枚の前記ガスバリア性フィルムのうち、一方を第1のガスバリア性フィルム、他方を第2のガスバリア性フィルムとしたとき、第1のガスバリア性フィルムがプラスチックフィルムを蒸着基材として、この蒸着基材の上に無機薄膜を形成したものであり、かつ、この蒸着基材が前記イソシアネート系接着剤に接触するように配置されていることを特徴とするガスバリア性積層体。
  2. 前記プラスチックフィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層体。
  3. 第2のガスバリア性フィルムが金属箔から構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア性積層体。
  4. 第2のガスバリア性フィルムが第2の蒸着基材の上に第2の無機薄膜を形成したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア性積層体。
  5. 第2の蒸着基材がエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムであることを特徴とする請求項4に記載のガスバリア性積層体。
  6. 第2の無機薄膜がアルミニウムの薄膜であることを特徴とする請求項4又は5に記載のガスバリア性積層体。
  7. 第1のガスバリア性フィルムの無機薄膜がアルミナの薄膜であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア性積層体。
  8. 第1のガスバリア性フィルムの無機薄膜が珪素酸化物の薄膜であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア性積層体。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のガスバリア性積層体を、その層構成中に含む真空断熱材用外装材。
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