JP2015030160A - フィルム製造装置、フィルムの製造方法及びフィルム - Google Patents

フィルム製造装置、フィルムの製造方法及びフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】生成されるフィルムの厚み斑を抑制するフィルム製造装置、フィルムの製造方法及びフィルムを提供する。【解決手段】フィルム製造装置1は、溶融樹脂Rmを流出する押出機10と、押出機10から流出した溶融樹脂Rmを冷却する冷却液Cを貯留する冷却液槽21と、溶融樹脂Rmが冷却されて生成された冷却樹脂Rpを冷却液Cから引き出す引出装置25と、冷却液槽21に貯留された冷却液Cの上部を、溶融樹脂Rmが入る領域と、冷却樹脂Rpが出る領域とで区画する仕切部材22とを備える。而して、冷却樹脂Rpが引き出されることに伴って生じ得る冷却液Cの液面揺れの影響が、冷却液Cに入る溶融樹脂Rmに及ぶことを、仕切部材22によって抑制し、生成されるフィルムFbの厚み斑を抑制する。フィルムの製造方法は、冷却樹脂Rpを冷却液Cから引き出す工程によって生じる冷却液Cの液面の揺れの高さを1mm以下に抑制する。【選択図】図1

Description

本発明はフィルム製造装置、フィルムの製造方法及びフィルムに関し、特に生成されるフィルムの厚み斑を抑制することができるフィルム製造装置、フィルムの製造方法及びフィルムに関する。
食材や料理あるいは皿などの食器を料理ごと包む食品用ラップフィルムが広く用いられている。ラップフィルムの製造態様の一例として、溶融状態の樹脂を環状ダイで円筒状に押出して予備円筒状成形体とし、冷却用の水が貯留された第1浴槽を通して冷却し、次いで冷却した予備円筒状成形体を延伸してインフレーションフィルムとし、インフレーションフィルムを使用に適した幅にスリットしてラップフィルムとするものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−330625号公報(段落0024、図1等)
特許文献1に記載された製造態様で製造されたラップフィルムは、厚さに斑が生じる場合があった。
本発明は上述の課題に鑑み、生成されるフィルムの厚み斑を抑制することができるフィルム製造装置、フィルムの製造方法及びフィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係るフィルム製造装置は、例えば図1に示すように、フィルムFbの原料となる樹脂を溶融した溶融樹脂Rmを流出する押出機10と;押出機10から流出した溶融樹脂Rmを冷却する冷却液Cを貯留する冷却液槽21と;溶融樹脂Rmが冷却液槽21内の冷却液Cで冷却されて生成された冷却樹脂Rpを、冷却液Cから引き出す引出装置25と;冷却液槽21に貯留された冷却液Cの上部を、溶融樹脂Rmが入る領域と、冷却樹脂Rpが出る領域とで区画する仕切部材22とを備える。
このように構成すると、仕切部材を備えるので、冷却樹脂が引き出されることに伴って生じる冷却液の液面揺れの影響が、冷却液に入る溶融樹脂に及ぶことを抑制することができ、生成されるフィルムの厚み斑を抑制することができる。
また、本発明の第2の態様に係るフィルム製造装置は、例えば図1、図2に示すように、上記本発明の第1の態様に係るフィルム製造装置1において、仕切部材22が、冷却液槽21に貯留された冷却液Cに入る溶融樹脂Rmの周囲を囲む筒状の包囲部材で形成されている。
このように構成すると、冷却樹脂が引き出されること以外の原因で冷却液の液面揺れが生じた場合であっても、液面揺れの影響を最小限に抑制することができる。
また、本発明の第3の態様に係るフィルム製造装置は、例えば図4に示すように、上記本発明の第1の態様又は第2の態様に係るフィルム製造装置において、仕切部材22Aを冷却する冷却手段22w、Qを備える。
このように構成すると、溶融樹脂の冷却を効率よく継続することができる。
また、本発明の第4の態様に係るフィルムの製造方法は、例えば図1、図3を参照して示すと、上記本発明の第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つの態様に係るフィルム製造装置1でフィルムFbを製造する方法であって;押出機10から流出された溶融樹脂Rmを冷却液槽21に貯留された冷却液Cに投入する溶融樹脂投入工程(St2)と;冷却液Cに投入された溶融樹脂Rmを冷却して冷却樹脂Rpとする樹脂冷却工程(St3)と;冷却樹脂Rpを引出装置25で冷却液Cから引き出す引出工程(St4)とを備える。
このように構成すると、冷却樹脂が引き出されることに伴って生じる冷却液の液面揺れの影響が、冷却液に入る溶融樹脂に及ぶことを仕切部材によって抑制することができ、生成されるフィルムの厚み斑を抑制することができる。
上記目的を達成するために、本発明の第5の態様に係るフィルムの製造方法は、例えば図1、図3を参照して示すと、フィルムFbの原料となる樹脂を溶融した溶融樹脂Rmを冷却液Cに投入する溶融樹脂投入工程(St2)と;冷却液Cに投入された溶融樹脂Rmを冷却して冷却樹脂Rpとする樹脂冷却工程(St3)と;冷却樹脂Rpを冷却液Cから引き出す引出工程(St4)と;引出工程によって冷却液Cの液面に揺れが生じたときに、冷却液Cに投入された溶融樹脂Rmの周囲の冷却液Cの液面の揺れの高さを1mm以下に抑制する液面揺れ抑制工程(St5)とを備える。
このように構成すると、冷却樹脂が引き出されることに伴って生じる冷却液の液面揺れの影響が、冷却液に入る溶融樹脂に及ぶことを抑制することができ、生成されるフィルムの厚み斑を抑制することができる。
また、本発明の第6の態様に係るフィルムは、樹脂を薄膜状に成形したフィルムであって、厚み斑が平均厚さの±12%以下に形成されている。フィルムは、典型的には、上記本発明の第4の態様又は第5の態様に係るフィルムの製造方法によって製造される。
このように構成すると、厚み斑が小さい高品質なフィルムとなる。
本発明によれば、冷却樹脂が引き出されることに伴って生じる冷却液の液面揺れの影響が、冷却液に入る溶融樹脂に及ぶことを抑制することができ、生成されるフィルムの厚み斑を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係るフィルム製造装置の概略構成図である。 (A)は冷却装置の仕切リングまわりの部分垂直断面図、(B)は仕切リングの斜視図である。 本発明の実施の形態に係るフィルム製造装置によるフィルムの製造過程を示すフローチャートである。 仕切リングの変形例を示す垂直断面図である。 仕切部材の変形例を示す図である。(A)は第1の変形例を示す垂直断面図、(B)は第2の変形例を示す平面図である。 溶融樹脂が投入される際の冷却水の液面の揺れと、帯状フィルムの厚み斑との関係に関する実験結果を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の実施の形態に係るフィルム製造装置1を説明する。図1は、フィルム製造装置1の概略構成図である。フィルム製造装置1は、帯状フィルムFbの原料の樹脂を溶融した溶融樹脂Rmを押し出す押出機10と、押出機10から押し出された溶融樹脂Rmを冷却して冷却樹脂としてのパリソンRpを生成する冷却装置20と、パリソンRpを延伸して筒状フィルムFpとする延伸装置30と、延伸された筒状フィルムFpに掛けられた応力を和らげる緩和装置40と、筒状フィルムFpを裁断して帯状フィルムFbとする裁断装置50と、裁断された帯状フィルムFbを巻き取って原反Frとする巻取装置60とを備えている。フィルム製造装置1は、押出機10、冷却装置20、延伸装置30、緩和装置40、裁断装置50、及び巻取装置60がこの順に配設されており、場所によって適宜形態を変える溶融樹脂Rm、パリソンRp、筒状フィルムFp、帯状フィルムFbの生成物は、この順に流れていく。以下の説明では、生成物が流れる方向を「長手方向」といい、長手方向に直交する方向を「幅方向」ということとする。本実施の形態では、幅方向が水平に延びている。なお、帯状フィルムFbが最終的な製品のフィルムとなり、所定の長さの帯状フィルムFbが巻回されて小売りされる。
押出機10に投入される原料としての樹脂は、本実施の形態では合成樹脂が用いられている。合成樹脂原料は、熱可塑性樹脂等の高分子物質のうちの粘性及び弾性の両方をあわせた性質を持った物体(粘弾性体)であり、本実施の形態ではポリ塩化ビニリデン系共重合体が用いられている。塩化ビニリデン系共重合体は、還元粘度0.035超過〜0.075、好ましくは0.038〜0.070、さらに好ましくは、0.040〜0.065の範囲の公知の塩化ビニリデン共重合体が用いられるとよい。このような塩化ビニリデン系共重合体としては、懸濁重合により得られたものを用いることが好ましく、例えば、塩化ビニリデン60〜98重量%と約40〜約2重量%の塩化ビニリデンと共重合可能な少なくとも1種のエチレン系不飽和単量体との共重合体であることが好ましい。このようなエチレン系不飽和単量体としては塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸及びこれらの酸のアルキルエステル、アクリルニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、ビニルアルキルエーテル、ビニルアルキルケトン、アクロレイン、アリルエステル、アリルエーテル、スチレン等のモノエチレン系不飽和単量体;ブタジエン、クロロプレン等のジエン系不飽和単量体及びこれらエチレン系不飽和単量体を二種以上共重合させた共重合体を例示することができる。
押出機10は、ホッパー11と、スクリュー13と、ダイ15とを有している。ホッパー11は、スクリュー13の一端に合成樹脂原料を供給するものである。押出機10内に配置されたホッパー11は、上方よりも下方がすぼまった逆円錐状の外観形状を呈しており、上部に導入された合成樹脂原料を収集しながら落下させて、スクリュー13の一端に導出するように構成されている。スクリュー13は、本実施の形態では軸線が水平に設置されており、軸線回りに回転することにより、ホッパー11から一端に供給された合成樹脂原料を、他端に向けて水平に圧送するように構成されている。合成樹脂原料は、スクリュー13で圧送される際に溶融されて溶融樹脂Rmとなり、他端に至る。ダイ15は、スクリュー13の他端に配設されている。ダイ15は、本実施の形態では、溶融樹脂Rmを円筒形状で押し出すように、先端形状が加工されている。
冷却装置20は、冷却液槽としての冷却バス21と、包囲部材としての仕切リング22と、第1ピンチローラ23と、引出装置としての第2ピンチローラ25とを有している。冷却バス21は、ダイ15から押し出されてきた溶融樹脂Rmを受け入れることができるように、ダイ15の鉛直下方の領域を包含するように配設されている。冷却バス21の中には冷却液としての冷却水Cが貯留されており、ダイ15から押し出されてきた溶融樹脂Rmを浸漬させて冷却することができるように構成されている。溶融樹脂Rmは、冷却されることでパリソンRpとなる。溶融樹脂Rmは粘性の高い液体であり、パリソンRpは固体である。ここで「溶融樹脂」とは、液体とはいいながら、冷却されて粘度が測定不能となるほどに高い固体となる前の、まだ厚さが永久変形し得る状態にある樹脂をいう。典型的には、温度が融点以下、ガラス転移点以上で、融点近傍の状態にあり、冷却水Cの波打ちにより厚さが変化しうる状態にある樹脂である。溶融樹脂Rmは、ダイ15から円筒状で押し出されてくるため、パリソンRpも円筒状となる。仕切リング22は、冷却水Cに入る溶融樹脂Rmの周囲を囲む部材である。つまり、仕切リング22は、仕切部材の一形態である。仕切リング22は、その上部が、冷却水Cの液面よりも上方に突き出るように配設されている。
第1ピンチローラ23は、円筒状のパリソンRpを扁平にする一対の円柱状ローラで構成されている。第1ピンチローラ23は、幅方向に延びて、ダイ15の鉛直下方の冷却バス21の中に水没して配設されている。第2ピンチローラ25は、扁平になったパリソンRpを冷却水Cから引き出す装置である。第2ピンチローラ25は、第1ピンチローラ23から離れた冷却バス21の外に幅方向に延びて配設されている。第2ピンチローラ25は、平面視においても冷却バス21の外側に配設されている。第2ピンチローラ25は、パリソンRpが延伸装置30に送られる前にパリソンRpを扁平に維持するように、一対の円柱状ローラで構成されている。第2ピンチローラ25によって冷却水Cから引き出されるパリソンRpは、ダイ15の鉛直下方に対して平面的にずれた位置で冷却水Cの液面を通過するようになっている。
ここで図2を参照して、仕切リング22の詳細を説明する。図2(A)は、冷却装置20の仕切リング22まわりの部分垂直断面図、図2(B)は、仕切リング22の斜視図である。仕切リング22は、冷却水Cに入る溶融樹脂Rmの周囲を囲むことによって、冷却水Cの液面(冷却水Cの上部)を、溶融樹脂Rmが入る領域である入領域Tiと、パリソンRpが出る領域である出領域Toとに区画している。仕切リング22は、円筒状のリング本体22rと、リング本体22rの外周に設けられたフィン22fとを有している。リング本体22rは、冷却水Cに入る溶融樹脂Rmの直径よりも大きな直径を有している。リング本体22rの直径は、典型的には、ダイ15から押し出された溶融樹脂Rmの直径の1.3〜2.0倍程度に形成されている。リング本体22rの深さ22hは、ダイ15の下方に設置された仕切リング22の、冷却水Cの液面より上方の上部22tの高さと、冷却水Cの液面より下方の下部22sの高さとを合計した長さに形成されている。仕切リング22の上部22tの高さは、パリソンRpが冷却水Cの液面から引き出される際に生じる出領域Toの波が、上部22tを乗り越えて入領域Tiに入らない高さに形成されている。仕切リング22の下部22sの高さは、パリソンRpが冷却水Cの液面から引き出される際に生じる出領域Toの波が、冷却水C内の溶融樹脂Rmに伝播しない高さ、典型的には、少なくとも冷却水C内における溶融樹脂Rmの高さ以上に形成されている。つまり、仕切リング22の下部22sは、典型的には、少なくとも、溶融樹脂RmがパリソンRpとなる境界から上方全体を覆う高さに形成されている。
フィン22fは、長方形の板状に形成されており、リング本体22rの外面に取り付けられている。フィン22fは、典型的にはリング本体22rと同じ高さに形成され、リング本体22rの断面円形の半径方向に突き出るように、リング本体22rに取り付けられている。フィン22fは、複数が、リング本体22rの周方向に間隔を空けて取り付けられている。フィン22fは、典型的にはリング本体22rと同じ材料で形成されている。仕切リング22は、熱伝導率の高い材料で形成されていることが好ましい。
再び図1に戻ってフィルム製造装置1の構成の説明を続ける。延伸装置30は、冷却装置20から出てきたパリソンRpを、封入された空気の内圧で延伸して、パリソンRpよりも薄い筒状フィルムFpとする装置である。筒状フィルムFpは、本実施の形態では、パリソンRpが二軸延伸されて塑性変形したものである。延伸装置30は、第3ピンチローラ35を有している。第3ピンチローラ35は、延伸装置30の下流側末端に配設されている。第3ピンチローラ35は、円筒状の筒状フィルムFpを挟圧して扁平にする一対の円柱状ローラで構成されている。
緩和装置40は、延伸装置30で筒状フィルムFpに掛けられた応力を和らげる装置である。緩和装置40は、延伸装置30と裁断装置50との間で、扁平な筒状フィルムFpを搬送するのに必要で極力小さな張力が、扁平な筒状フィルムFpに掛かるように構成されている。緩和装置40は、扁平な筒状フィルムFpを支えるガイドローラ群41を有している。緩和装置40は、扁平な筒状フィルムFpが、ガイドローラ群41の複数のローラの間を、上面あるいは下面で適宜接しながら、裁断装置50に向けて搬送されるように構成されている。
裁断装置50は、扁平の筒状フィルムFpを裁断して複数の帯状フィルムFbとする装置である。裁断装置50は、扁平な筒状フィルムFpを挟持する第4ピンチローラ51及び第5ピンチローラ56の間に設けられたテンションローラ52によって、挟持された扁平な筒状フィルムFpに長手方向に作用する張力を掛けながら、裁断刃55で筒状フィルムFpを裁断するように構成されている。第4ピンチローラ51及び第5ピンチローラ56は、それぞれ、扁平な筒状フィルムFpを挟持することができるように一対の円柱状ローラで構成されている。テンションローラ52に隣接した上下流の両側には、支持ローラ53が設けられている。裁断刃55は、扁平な筒状フィルムFpが流れる方向に対して直交する方向に、帯状フィルムFbを所定の幅にすることができる間隔で、複数が配列されている。ここで、所定の幅は、本実施の形態では、帯状フィルムFbが最終製品となったときの幅に対応する幅である。複数の裁断刃55の下方には、裁断ローラ54が配設されている。裁断ローラ54の外表面には、配列された裁断刃55に対応する位置に、溝が形成されている。裁断装置50は、裁断ローラ54の外表面に扁平な筒状フィルムFpが接している状態で、裁断ローラ54に形成された溝に裁断刃55を入れることで、扁平な筒状フィルムFpを原反Frの幅に裁断することができるように構成されている。
巻取装置60は、裁断刃55によって裁断されて上下に分かれた帯状フィルムFbの、上方の帯状フィルムFbを巻き取る第1巻取ローラ61と、下方の帯状フィルムFbを巻き取る第2巻取ローラ62とを有している。第5ピンチローラ56と第1巻取ローラ61との間には、複数列に裁断された帯状フィルムFbを各列に分ける第1エキスパンダローラ65が配設されている。第5ピンチローラ56と第2巻取ローラ62との間には、複数列に裁断された帯状フィルムFbを各列に分ける第2エキスパンダローラ66が配設されている。
引き続き図3を参照して、フィルム製造装置1の作用を説明する。フィルム製造装置1による帯状フィルムFb(原反Fr)の製造過程は、本発明の実施の形態に係るフィルムの製造方法の一態様である。図3は、帯状フィルムFbの製造過程を示すフローチャートである。以下の作用の説明において、フィルム製造装置1の構成に言及しているときは、適宜図1及び図2を参照することとする。フィルム製造装置1には、原料タンク(不図示)から供給された合成樹脂原料が、ホッパー11に導入される。ホッパー11に導入された合成樹脂原料は、ホッパー11の下端からスクリュー13の一端に導出され、スクリュー13の軸線回りの回転により、溶融しながらダイ15に向けて圧送される。ダイ15に到達した溶融樹脂Rmは、ダイ15から円筒形状で押し出される(押出工程:St1)。
ダイ15から押し出された円筒状の溶融樹脂Rmは、冷却バス21に貯留されている冷却水Cに投入される(溶融樹脂投入工程:St2)。冷却水Cに投入された溶融樹脂Rmの内部には、ダイ15の内部を通るチューブ(不図示)を介してパイル剤Pが供給される。パイル剤Pは、密着防止用液状物であり、後に扁平となったパリソンRpの接触した内面同士を剥離しやすくするために円筒状の樹脂の内部に供給されるものである。冷却水Cに投入された溶融樹脂Rmは、冷却水C及びパイル剤Pによって冷却されてパリソンRpとなる(樹脂冷却工程:St3)。冷却水C及びパイル剤Pで冷却されたパリソンRpは、第1ピンチローラ23に挟圧されて扁平となる。扁平なパリソンRpの内部には、表面に付着する程度のパイル剤Pが残留している。第1ピンチローラ23を通過した扁平なパリソンRpは、冷却水C内にあるうちは引き続き冷却され、その後、第2ピンチローラ25によって冷却水Cから引き出される(引出工程:St4)。
扁平なパリソンRpが冷却水Cから引き出される際、引き出されるパリソンRpの周囲の冷却水Cの液面が揺れることとなる。この現象は、上昇する扁平なパリソンRpに付随して一旦液面から上昇した液滴が、その後に落下することによって生じると推察される。本発明者らは、冷却水Cの液面の揺れが、冷却水Cに投入される溶融樹脂Rmに到達すると、最終的に生成される帯状フィルムFbに厚み斑が生じることを見出した。また、帯状フィルムFbの厚み斑は、冷却水Cに投入される溶融樹脂Rmに到達する冷却水Cの液面の揺れが大きいほど、大きくなることを見出した。本実施の形態に係るフィルム製造装置1では、仕切リング22が設けられているので、扁平なパリソンRpが冷却水Cから引き出されることによって生じた液面の揺れが、冷却水Cに投入される溶融樹脂Rmに到達する前に仕切リング22によって遮られ、冷却水Cに投入される溶融樹脂Rmに接する液面の揺れの高さが1mm以下に抑制される(液面揺れ抑制工程:S5)。本実施の形態では、冷却水Cに投入される溶融樹脂Rmに接する液面の揺れの高さが0.5mm以下(実質的にゼロ)となっている。液面揺れ抑制工程(St5)は、溶融樹脂Rmの冷却水Cへの投入から扁平なパリソンRpの冷却水Cからの引き出しまでの工程にかかわるため、溶融樹脂投入工程(St2)、樹脂冷却工程(St3)、及び引出工程(St4)と並行して行われる。なお、溶融樹脂Rmは高温なため、仕切リング22内の入領域Tiの冷却水Cの温度が上昇しがちとなるが、仕切リング22は、熱伝導率の高い材料で形成されていると共に、フィン22fによって仕切リング22外側の出領域Toの冷却水Cと接触する面積が大きく形成されているので、入領域Tiの冷却水Cの熱を出領域Toの冷却水Cに放出することができ、入領域Tiの冷却水Cの過昇温を抑制することができる。また、仕切リング22は、冷却水Cに投入される溶融樹脂Rmの近傍の周囲を囲んでいるため、パリソンRpが引き出されること以外の要因で出領域Toに液面揺れが生じた場合でも、その液面揺れが溶融樹脂Rmに到達することを防ぐことができる。
第2ピンチローラ25を通過した扁平なパリソンRpは、延伸装置30において内部に空気が入り、空気の内圧によって延伸される(延伸工程:St6)。なお、延伸装置30におけるパリソンRpの内部の空気は、フィルム製造装置1が定常運転となる前の初期段階において、パリソンRpあるいは筒状フィルムFpに対し、中に空気を入れた状態で第2ピンチローラ25及び第3ピンチローラ35で挟み込むことで封入されている。パリソンRpあるいは筒状フィルムFpの中に一旦空気が入れられると、パリソンRp及び筒状フィルムFpが流れても、内部の空気は第2ピンチローラ25と第3ピンチローラ35との間にとどまることとなる。第2ピンチローラ25よりも下流側で内部に空気が入ったパリソンRpは、二軸延伸されて筒状フィルムFpとなる。その後、筒状フィルムFpは、第3ピンチローラ35によって扁平にされる。
第3ピンチローラ35を通過した扁平な筒状フィルムFpは、張力が緩和された状態でガイドローラ群41に支持される。張力が緩和された状態とは、典型的には扁平な筒状フィルムFpを搬送するのに必要最低限の張力が掛けられた状態である。扁平な筒状フィルムFpは、第3ピンチローラ35の回転速度よりも第4ピンチローラ51の回転速度を下げることにより、延伸工程(St6)において作用した応力が和らげられる(緩和工程:St7)。ガイドローラ群41に支持される扁平な筒状フィルムFpは、第4ピンチローラ51に引っ張られる。
第4ピンチローラ51を通過した扁平な筒状フィルムFpは、第5ピンチローラ56に引っ張られることで、テンションローラ52及び支持ローラ53を経由して裁断刃55に到達する。裁断刃55に到達した扁平な筒状フィルムFpは、裁断刃55によって、最終的な製品となるフィルムの幅で複数列に裁断され、帯状フィルムFbとなる(裁断工程:St8)。帯状フィルムFbが何列製造されるかは、最終的な製品のフィルムの幅による。両最外部の裁断刃55よりも外側に生じる筒状フィルムFpの切れ端(扁平な筒状フィルムFpの耳)は、回収された後に再利用されることとしてもよい。
扁平な筒状フィルムFpが裁断刃55で裁断されて生成された帯状フィルムFbは、第5ピンチローラ56から繰り出され、上側の帯状フィルムFbは第1エキスパンダローラ65を介して第1巻取ローラ61に装着されたボビンに巻き取られ、下側の帯状フィルムFbは第2エキスパンダローラ66を介して第2巻取ローラに装着されたボビンに巻き取られる(巻取工程:St9)。本実施の形態では、帯状フィルムFbが第1巻取ローラ61あるいは第2巻取ローラ62に巻き取られる際、当該技術分野で慣用されている巻き取り方である、巻き始めから巻き終わりにかけて徐々に張力を小さくしていくテーパーテンションで巻き取られる。第1巻取ローラ61及び第2巻取ローラ62に巻き取られた帯状フィルムFbは、それぞれ原反Frとなる、原反Frは、後の工程(不図示)において所定の長さ(例えば20m、50m等)で巻き取られて切断され、蓋部が開閉可能な直方体状のカートンに収容されて小売りされる。
以上で説明したように、本実施の形態に係るフィルム製造装置1によれば、冷却水Cに入る溶融樹脂Rmの周囲を囲む仕切リング22を備えるので、冷却水Cに投入される溶融樹脂Rmに接する液面の揺れを抑制することができ、帯状フィルムFbの厚み斑を抑制することができる。フィルム製造装置1等を用いて、冷却水Cに投入される溶融樹脂Rmの周囲の液面の揺れを抑制して製造された帯状フィルムFbは、平均厚さに対する最大厚さの差及び最小厚さの差がそれぞれ12%以下、換言すれば、厚み斑を平均厚さの±12%以下とすることができる。なお、正の厚み斑は、((最大厚さ)−(平均厚さ))/(平均厚さ)で求められ、負の厚み斑は、((最小厚さ)−(平均厚さ))/(平均厚さ)で求められる。ここで、平均厚さは、0.001mm目盛りのダイヤルゲージを用いて帯状フィルムFbを長手方向に1cm間隔で測定した厚さの平均である。また、平均厚さを算出する際の測定点数は、仮に冷却水Cの液面に揺れが生じた場合の波の周期を考慮して、16点としている。
以上の説明では、仕切リング22のリング本体22rが円筒状であるとしたが、軸直角断面が、円形以外の、楕円形、あるいは四角形等の多角形の、筒状であってもよい。また、仕切リング22がフィン22fを有しているとしたが、入領域Tiの熱を出領域Toに放出しなくてもよい場合や、フィン22f以外の構成によって入領域Tiから出領域Toへ熱を放出するなどの場合は、フィン22fを有していなくてもよい(フィン22fが省略されていてもよい)。
以上の説明では、仕切リング22がフィン22fを有していることで、入領域Tiから出領域Toへの熱の放出を促進させることとしたが、以下の手段で入領域Tiの熱を放出することとしてもよい。
図4は、変形例に係る仕切リング22Aの垂直断面図である。仕切リング22Aは、冷却流体Qが流れる流体流路22wが内部に形成されており、冷却流体Qを介して入領域Tiの熱を外部に搬出するように構成されている。流体流路22wは、仕切リング22A内の全周にわたって形成されており、周方向の1箇所に、冷却流体Qの流れを止める区画壁22dが設けられている。仕切リング22Aは、区画壁22dを挟むようにして、一方の近傍には冷却流体Qを流体流路22wに供給する流体往管22vが接続され、他方の近傍には流体流路22w内の冷却流体Qを外部に取り出す流体還管22xが接続されている。本変形例では、流体流路22w及び冷却流体Qが冷却手段に相当する。仕切リング22Aでは、流体往管22vから流体流路22wに流入した冷却流体Qが、流体還管22xに至るまでの、流体流路22wを概ね全周にわたって流れる際に、入領域Tiの冷却水Cから熱を奪って入領域Ti内の冷却水Cを冷却する。流体流路22wを流れる冷却流体Q自身は、温度が上昇し、流体還管22xを介して外部に導出される。なお、図4では、フィン22f(図2参照)に相当する構成を有しない例を示しているが、フィン22f(図2参照)に相当する構成を有していてもよい。
以上の説明では、仕切部材が仕切リング22であるとしたが、以下のように構成されていてもよい。
図5(A)に示す第1の変形例では、仕切部材が、冷却水Cから引き出されるパリソンRpの周囲を囲む仕切筒28で構成されている。図5(A)は仕切筒28まわりの垂直断面図である。扁平なパリソンRpの周囲を囲む仕切筒28は、水平断面が長方形の筒状に形成されている。また、扁平なパリソンRpが、冷却水Cの液面に対して斜めに引き出されるため、仕切筒28は、一側面から見た形状が、矩形ではない平行四辺形に形成されている。つまり、仕切筒28は、軸直角断面が四角形の筒状を形成する4つの面のうち、一対の対向する面同士は矩形に形成され、他の一対の対向する面同士は矩形ではない平行四辺形に形成されている。仕切筒28は、パリソンRpが冷却水Cの液面から引き出される際に生じる出領域Toの波が、上方では上端を乗り越えて入領域Tiに入らない高さに上端が位置し、下方では冷却水C内の溶融樹脂Rmに出領域Toの波を伝播させないように遮断する位置まで下端が延びるように配置されている。仕切筒28では、入領域Tiに比べて出領域Toを極めて小さくできるため、パリソンRpが冷却水Cの液面から引き出される際に生じる波の広がりを最小限に抑制することができる。なお、仕切筒28を用いる場合は、入領域Tiが大きくなるため、冷却水Cに投入された溶融樹脂Rmの熱が狭い領域に籠もることなく拡散するので、仕切リング22(図2参照)が有していたフィン22f(図2参照)に相当する構成を設けなくてもよい。
図5(B)に示す第2の変形例では、仕切部材が、冷却バス21の上部を2分割する仕切板29で構成されている。図5(B)は仕切板29まわりの平面図である。仕切板29は、長方形の板状に形成されている。仕切板29は、冷却バス21に貯留されている冷却水Cの上部を、溶融樹脂Rmが投入される領域(入領域Ti)とパリソンRpが引き出される領域(出領域To)とに区画することができれば、平面視において、直線状以外に、折れ線状や曲線状に形成されていてもよい。仕切板29は、パリソンRpが冷却水Cの液面から引き出される際に生じる出領域Toの波が、上方では上端を乗り越えて入領域Tiに入らない高さに上端が位置し、下方では冷却水C内の溶融樹脂Rmに出領域Toの波を伝播させないように遮断する位置まで下端が延びるように配置されている。仕切板29を用いると、入領域Tiと出領域Toとを簡便に仕切ることができる。なお、仕切板29を用いる場合は、入領域Tiを比較的大きく形成することができるため、仕切リング22(図2参照)が有していたフィン22f(図2参照)に相当する構成を設けなくて済むが、フィン22f(図2参照)に相当する構成を設けて入領域Tiから出領域Toへの熱の移動を促進させることとしてもよい。
最後に、溶融樹脂Rmが冷却水Cに投入される際の冷却水Cの液面の揺れと、帯状フィルムFbの厚み斑との関係に関する実験結果を示す。この実験は、出口直径が105mmのダイ15から押し出された溶融樹脂Rmが投入される冷却水Cの液面に、揺れを発生させた状態あるいは揺れを発生させない状態と条件を変え、生成された帯状フィルムFbの厚さを測定して、厚み斑を観察したものである。生成される帯状フィルムFbは、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)系フィルムであり、インフレーション法によって厚さ10μmとなるように設定したものである。実験結果を図6に示す。図6に示す各グラフは、生成された帯状フィルムFbの厚さを、0.001mm目盛りのダイヤルゲージを用いて帯状フィルムFbの長手方向に1cm間隔で測定した結果を示すものである。
図6(A)に示す結果は、冷却水Cの液面に揺れを発生させない(波打高さなし)場合のものである。この条件のとき、最大厚さは9.8μm、最小厚さは9.2μm、平均厚さは9.5μm、最大厚さと最小厚さとの差は0.6μm、厚み斑は±3.2%であった。
図6(B)に示す結果は、冷却水Cの液面に1mmの揺れを発生させた場合(波打高さ1mm)のものである。この条件のとき、最大厚さは12.2μm、最小厚さは9.9μm、平均厚さは10.9μm、最大厚さと最小厚さとの差は2.3μm、厚み斑は+11.9%〜−9.2%であった。
図6(C)に示す結果は、冷却水Cの液面に3mmの揺れを発生させた場合(波打高さ3mm)のものである。この条件のとき、最大厚さは12.0μm、最小厚さは8.2μm、平均厚さは9.4μm、最大厚さと最小厚さとの差は3.8μm、厚み斑は+27.7%〜−12.8%であった。
図6(D)に示す結果は、冷却水Cの液面に5mmの揺れを発生させた場合(波打高さ5mm)のものである。この条件のとき、最大厚さは13.0μm、最小厚さは8.0μm、平均厚さは10.2μm、最大厚さと最小厚さとの差は5.0μm、厚み斑は+27.5%〜−21.6%であった。
図6(E)に示す結果は、冷却水Cの液面に10mmの揺れを発生させた場合(波打高さ10mm)のものである。この条件のとき、最大厚さは14.8μm、最小厚さは8.3μm、平均厚さは10.6μm、最大厚さと最小厚さとの差は6.5μm、厚み斑は+39.6%〜−21.7%であった。
以上の結果から、冷却水Cに投入される溶融樹脂Rmの周囲の液面の揺れの大きさ(波打高さ)と、生成される帯状フィルムFbの厚み斑とには相関があり、液面の揺れの大きさ(波打高さ)が小さいほど生成された帯状フィルムFbの厚み斑(最大厚さと最小厚さとの差)が小さいことが確認できた。
1 フィルム製造装置
10 押出機
21 冷却バス
22、22A 仕切リング
22w 流体流路
25 第2ピンチローラ
28 仕切筒
29 仕切板
C 冷却水
Q 冷却流体
Fb 帯状フィルム
Rm 溶融樹脂
Rp パリソン

Claims (6)

  1. フィルムの原料となる樹脂を溶融した溶融樹脂を流出する押出機と;
    前記押出機から流出した前記溶融樹脂を冷却する冷却液を貯留する冷却液槽と;
    前記溶融樹脂が前記冷却液槽内の前記冷却液で冷却されて生成された冷却樹脂を、前記冷却液から引き出す引出装置と;
    前記冷却液槽に貯留された前記冷却液の上部を、前記溶融樹脂が入る領域と、前記冷却樹脂が出る領域とで区画する仕切部材とを備える;
    フィルム製造装置。
  2. 前記仕切部材が、前記冷却液槽に貯留された前記冷却液に入る前記溶融樹脂の周囲を囲む筒状の包囲部材で形成された;
    請求項1に記載のフィルム製造装置。
  3. 前記仕切部材を冷却する冷却手段を備える;
    請求項1又は請求項2に記載のフィルム製造装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のフィルム製造装置でフィルムを製造する方法であって;
    前記押出機から流出された前記溶融樹脂を前記冷却液槽に貯留された前記冷却液に投入する溶融樹脂投入工程と;
    前記冷却液に投入された前記溶融樹脂を冷却して前記冷却樹脂とする樹脂冷却工程と;
    前記冷却樹脂を前記引出装置で前記冷却液から引き出す引出工程とを備える;
    フィルムの製造方法。
  5. フィルムの原料となる樹脂を溶融した溶融樹脂を冷却液に投入する溶融樹脂投入工程と;
    前記冷却液に投入された前記溶融樹脂を冷却して冷却樹脂とする樹脂冷却工程と;
    前記冷却樹脂を前記冷却液から引き出す引出工程と;
    前記引出工程によって前記冷却液の液面に揺れが生じたときに、前記冷却液に投入された前記溶融樹脂の周囲の前記冷却液の液面の揺れの高さを1mm以下に抑制する液面揺れ抑制工程とを備える;
    フィルムの製造方法。
  6. 樹脂を薄膜状に成形したフィルムであって、厚み斑が平均厚さの±12%以下に形成された;
    フィルム。
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