JP2015029832A - 筋質評価装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】細胞内液と細胞外液とが同程度に減少又は増加した場合であっても、筋細胞の萎縮又は発達を反映した指標を算出可能な筋質評価装置を提供する。
【解決手段】生体電気インピーダンスの抵抗成分及びリアクタンス成分、並びに生体に所定の低周波数の交流電流を供給して計測される第1インピーダンス及び前記生体に所定の高周波数の交流電流を供給して計測される第2インピーダンス、の少なくとも一方の生体電気情報を取得する第1取得部20と、前記生体の体格に関するパラメータである体格パラメータを取得する第2取得部21と、前記抵抗成分と前記リアクタンス成分との比で表される第1パラメータ、及び前記第1インピーダンスと前記第2インピーダンスとの比で表される第2パラメータ、の少なくとも一方のパラメータと、前記体格パラメータと、に基づいて、筋組織における筋線維と間質組織との割合に応じた指標を算出する算出部22と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、筋肉の質を評価する筋質評価装置に関し、特に、筋組織における筋線維の割合に応じた指標を算出可能な筋質評価装置に関する。
生体電気インピーダンス法を用いた体組成計として、手又は足にインピーダンス測定電極を接触させ、電流を印加し、電圧を計測することによりインピーダンスを測定し、このインピーダンスに基づいて、体脂肪や筋肉量に関する指標を算出するものが知られている。
特許文献1には、インピーダンス測定電極に所定の低周波数の交流電流を印加して測定されるインピーダンスに対する、インピーダンス測定電極に所定の高周波数の交流電流を印加して測定されるインピーダンスの比に基づいて、筋発達(筋細胞が太くなること)・筋萎縮(筋細胞が細くなること)の程度を判定する筋量評価方法が開示されている。
特許文献1は、細胞内液と細胞外液との比率(以下、「細胞内外液比」と記載する。)を評価することにより、筋発達・筋萎縮の程度を判定するものである。
特開2012−210355号公報
しかしながら、例えば加齢によって細胞内液と細胞外液とが同程度に減少した場合には、細胞内外液比は大きく変化しないため、筋細胞に筋萎縮が発生していても、その筋萎縮を判定することが困難である。
また、例えば成長段階において、細胞内液と細胞外液とが同程度に増加した場合も、細胞内外液比は大きく変化しないため、筋細胞に筋発達が発生していても、その筋発達を判定することが難しい。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、細胞内液と細胞外液とが同程度に減少又は増加した場合であっても、筋細胞(筋線維と同じ意味)の萎縮又は発達を反映した指標を算出可能な筋質評価装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様としての筋質評価装置は、生体電気インピーダンスの抵抗成分及びリアクタンス成分、並びに生体に所定の低周波数の交流電流を供給して計測される第1インピーダンス及び前記生体に所定の高周波数の交流電流を供給して計測される第2インピーダンス、の少なくとも一方の生体電気情報を取得する第1取得部と、前記生体の体格に関するパラメータである体格パラメータを取得する第2取得部と、前記抵抗成分と前記リアクタンス成分との比で表される第1パラメータ、及び前記第1インピーダンスと前記第2インピーダンスとの比で表される第2パラメータ、の少なくとも一方のパラメータと、前記体格パラメータと、に基づいて、筋組織における筋線維と間質組織との割合に応じた指標を算出する算出部と、を備えるものである。
本発明の1つの実施形態として、前記体格パラメータは、前記生体の筋肉量に関するパラメータを含むことが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記体格パラメータは、前記生体の重量に関するパラメータを含むことが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記体格パラメータは、前記生体のインピーダンスインデックスを含むことが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記算出部は、筋組織における筋線維と間質組織との割合に応じた指標を算出するとともに、当該指標の算出のために用いられるパラメータと同一パラメータを使用し、少なくとも1つのパラメータの寄与率を、前記指標を算出する場合と異なる寄与率として算出される筋量指標を算出することが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記表示部は、筋組織における筋線維と間質組織との割合に応じた指標の算出値及び前記筋量指標の算出値、或いは筋組織における筋線維と間質組織との割合に応じた指標の算出値及び前記筋量指標の算出値に応じた情報を表示することが好ましい。
本発明の1つの実施形態としての前記筋質評価装置は、外部装置との情報の授受を行うインターフェイスを備えることが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記第1取得部は、前記インターフェイスを介して、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータの少なくとも一方のパラメータを前記外部装置から受信し、前記第2取得部は、前記インターフェイスを介して、前記体格パラメータを前記外部装置から受信することが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記算出部が算出した前記指標を、前記インターフェイスを介して、前記外部装置に送信することが好ましい。
本発明の第1の態様としての筋質評価装置によれば、生体電気インピーダンスの抵抗成分Rとリアクタンス成分Xとの比で表される第1パラメータ、及び第1インピーダンスZlowと第2インピーダンスZhighとの比で表される第2パラメータ、の少なくとも一方に加えて、生体の体格に関するパラメータである体格パラメータを考慮して、筋組織における筋線維と間質組織との割合に応じた指標を算出するため、細胞内液と細胞外液とが同程度に減少又は増加した場合であっても、筋線維の大きさを反映した指標を算出することができる。
また、体格パラメータが筋肉量に関するパラメータ、重量に関するパラメータ、生体のインピーダンスインデックス、の少なくとも1つを含むことにより、筋線維の大きさの違いを反映した上述の指標の精度を向上させることができ、特に、筋肉量に関するパラメータを少なくとも含む場合には、上述の指標の精度を一層高めることができる。
また、算出部が、筋組織における筋線維と間質組織との割合に応じた指標と、筋量指標とを算出する構成とすることにより、筋力を筋肉の量と質とから総合的に評価することが可能となるため、いずれか一方から評価する場合と比較して、より的確な筋力の評価を実現することが可能となる。従って、筋肉の量及び質の指標の算出値、或いはこれらの算出値に応じた情報を表示部に表示するようにすれば、ユーザーは自己の筋肉の状態をより的確に把握することができる。
本発明によれば、細胞内液と細胞外液とが同程度に減少又は増加した場合であっても、筋線維の萎縮又は発達を反映した指標を算出することができる
本発明の一実施形態としての筋質評価装置100を示す斜視図である。 筋質評価装置100の構成を示すブロック図である。 生体の電流経路を電気的等価回路によりモデル化したモデル図である。 体積とインピーダンスとの関係を説明するためのモデル図である。 筋萎縮が生じた際の筋組織に占める筋細胞内液量の減少を示す筋組織の断面モデル図である。 筋量指標と筋質指標による筋力評価を説明するための図である。 被験者から算出された筋量得点及び筋質得点のデータ分布を示すグラフである。 被験者から算出されたサルコペニア指標及び筋質得点のデータ分布を示すグラフである。 筋質評価装置100の変形例を示すブロック図である。
以下、本発明に係る筋質評価装置の実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
まず、本発明に係る筋質評価装置の1つの実施形態について説明する。図1は、本実施形態における筋質評価装置100を示す斜視図である。なお、本実施形態における筋質評価装置100は体組成計であるが、これに限られるものではない。
図1に示すように、本実施形態における筋質評価装置100は、被計測者が乗る載台ユニット1と、被計測者が両手で把持する把持ユニット2と、を備える構成である。なお、載台ユニット1と把持ユニット2とはケーブル200を介して接続されている。
<載台ユニット1>
載台ユニット1は、被計測者が両足で載る面に設けられた第1電極部11と、身体に関する情報を入力可能な、後述する第2取得部21(図2参照)の一部を構成する身体情報入力部14と、身体情報入力部14から入力された身体に関する情報等を表示する、出力部15(図2参照)の一部としての表示部16と、を備える構成である。なお、第1電極部11は後述する第1取得部20(図2参照)の一部を構成し、一対の第1電流供給電極12(それぞれの電極を12a及び12bで表す)と、一対の第1電圧測定電極13(それぞれの電極を13a及び13bで表す)と、を備える。
一対の第1電流供給電極12は、被計測者の足の裏と接触した状態で交流電流が供給されることにより、生体である被計測者に微弱の交流電流を流すことができる。詳細については後述する。
一対の第1電圧測定電極13は、被計測者に交流電流が供給された際の電圧を測定するために用いられる。詳細については後述する。
身体情報入力部14は、設定キー14aと、アップキー14bと、ダウンキー14cと、を含む。ここで、アップキー14b及びダウンキー14cは、情報の選択や数値の切り替えを行い、設定キー14aは、選択した情報や切り替えた数値の設定をする。本実施形態では、設定キー14a、アップキー14b及びダウンキー14cを操作することによって、被計測者の性別、年齢、身長等の身体に関する情報の入力が可能である。
表示部16は、被計測者が身体情報入力部14の操作に応じて表示する情報を変えるものであり、被計測者は、表示部16の表示を見ながら身体に関する情報を入力することができる。また、表示部16は、筋質評価装置100により計測された結果についても表示することができ、被計測者は表示部16の表示によりその結果を確認することができる。
<把持ユニット2>
把持ユニット2は、第2電極部17としての、一対の第2電流供給電極18(それぞれの電極を18a及び18bで表す)と、一対の第2電圧測定電極19(それぞれの電極を19a及び19bで表す)と、を備える構成である。第2電極部17もまた、上述の第1電極部11と同様、後述する第1取得部20(図2参照)の一部を構成するものである。被計測者は一対の第2電流供給電極18と接触するように把持ユニット2を把持し、この状態で、第2電流供給電極18を通じて微弱の交流電流が被計測者に供給される。一対の第2電圧測定電極19は、被計測者に交流電流が供給された際の電圧を測定するために用いられるものである。なお、本実施形態では、一対の第2電流供給電極18が、一対の第2電圧測定電極19に挟まれて配置される構成となっているが、この配置に限られるものではなく、一対の第2電圧測定電極19が、一対の第2電流供給電極18に挟まれて配置される構成としてもよい。第2電極部17についての詳細は後述する。
図2は本実施形態における筋質評価装置100の構成を示すブロック図である。以下、筋質評価装置100の構成の詳細について説明する。
図2に示すように、筋質評価装置100は、第1取得部20と、第2取得部21と、算出部22と、制御部23と、出力部15と、記憶部26と、を備える構成である。図1に示されるように、本実施形態では、第1取得部20における第2電極部17は把持ユニット2に設けられ、それ以外の構成は全て載台ユニット1に設けられている。
<第1取得部20>
第1取得部20は、生体電気インピーダンスの抵抗成分R及びリアクタンス成分X、並びに生体に所定の低周波数の交流電流を供給して計測される第1インピーダンスZlow及び生体に所定の高周波数の交流電流を供給して計測される第2インピーダンスZhigh、の少なくとも一方の生体電気情報を取得可能である。
ここで、生体電気インピーダンスの抵抗成分Rとリアクタンス成分Xとの比で表される第1パラメータや、第1インピーダンスZlowと第2インピーダンスZhighの比で表される第2パラメータは、細胞内外液比と相関が強いパラメータである。図3〜5を参照し、その理由を簡単に説明する。なお、図3は、生体の電流経路を電気的等価回路によりモデル化したモデル図であり、図4は、体積とインピーダンスとの関係を説明するためのモデル図である。図5は、筋萎縮が生じた際の筋組織に占める筋細胞内液量の減少を示す筋組織の断面モデル図である。
生体組織において、除脂肪組織のほとんどは電解質を多く含む体水分であり、電気が流れやすく、脂肪組織や骨は電解質をほとんど含まない非電解質組織であると考えられる。したがって、除脂肪組織のうち筋組織は電解質であり、脂肪組織である皮下脂肪及び内臓脂肪や骨は非電解質組織であると言える。
そのため、図3に示すように、筋組織を回路ECとしてモデル化することができる。回路ECは前述の電解質組織の電気的等価回路を示すものであり、細胞内液抵抗及び細胞膜容量から成る直列部と、細胞外液抵抗との並列回路により表される。
ここで、回路ECは電解質組織である筋組織を細胞レベルでモデル化したものであり、筋組織は細胞内液を細胞膜で覆った筋細胞(筋線維)と、筋細胞の外側に存在する細胞外液とを有する。細胞内液及び細胞外液は抵抗として機能し、細胞膜は脂質二重層で形成されるため容量性を有することから、直流電流に近い低周波数の電流の場合は電気的に絶縁体となり、細胞内液に電流は流れない。しかし、周波数を高くしていくと細胞膜を通して細胞内液にも電流が流れるといえる。よって、細胞膜をコンデンサ、細胞内液を抵抗及び細胞外液を抵抗として、前述の電気的等価回路を示すことができる。
図3に示したモデルにおいて、直流電流を用いた場合には、一点鎖線で示すように、細胞外液抵抗を電流経路とするために、計測値にも細胞外液の情報が反映される。しかし、交流電流を用いた場合には、二点鎖線で示すように、細胞外液抵抗と細胞内液抵抗と細胞膜容量を電流経路とするために、計測値にも細胞外液と細胞内液の情報が反映される。周波数が高くなるにつれ、細胞膜容量の影響が低下するため、細胞内液抵抗の情報がより多く反映されることになる。従って、電流の周波数を高くするに伴い、求めるインピーダンスへの筋細胞の反映度合が高くなる。
インピーダンスZの定義は、図4に示すような体積V、抵抗率ρΩm、断面積A、長さLの物質のモデルを考えると、インピーダンスZ=ρ×L/Aとなる。したがって、体積VはA×Lで表されるので、体積V=A×L=ρ×L/Zで表される。上述したように、生体に交流電流を供給する場合、低周波数領域においては、脂質二重層で形成される細胞膜によるコンデンサには電流が流れず、生体に供給される電流はそのほとんどが細胞外液を流れる。すなわち、低周波数で計測された生体電気インピーダンス値を前記体積の式に当てはめた場合には、得られる体積の値は、細胞外液の体積の値であると言える。一方、高周波数領域においては、細胞膜によるリアクタンス成分は無視することができる。したがって、高周波数で計測された生体電気インピーダンス値を前記体積の式に当てはめた場合には、その値は細胞内液を含む全組織の体積の値であると言える。
ここで、筋萎縮と呼ばれる筋細胞が細くなる現象を考えると、図5に示す筋組織の断面モデル図から分かるように、筋組織に占める細胞内液量が減少し、細胞外液量が増加する。つまり、組織全体に占める筋細胞の体積の比率が低下することになる。これを、前記体積の式で表すと次のような(式1)になる。
高周波数/Z低周波数=(ρ高周波数×L/V高周波数)/(ρ低周波数×L/V低周波数
=(ρ高周波数×V低周波数)/(ρ低周波数×V高周波数) ・・・(式1)
したがって、上述したように高周波数領域の場合にはインピーダンスは組織全体のインピーダンス値となり、低周波数領域の場合にはインピーダンスは組織外液のインピーダンス値となるので、低周波数の場合の抵抗率と高周波数の場合の抵抗率がほぼ同じとすると、上記式は以下の(式2)で表すことができる。
高周波数/Z低周波数≒(ρ組織全体×V組織外液)/(ρ組織外液×V組織全体
≒V組織外液/V組織全体 ・・・(式2)
但し(0<Z高周波数/Z低周波数<1)
つまり、低周波数と高周波数で計測した生体電気インピーダンス値の比は、対象組織に占める細胞外液量の比率となることが分かる。筋萎縮が進むと、上述したように細胞外液量が増加する。したがって、上記の式で表されるインピーダンス比は1に近づくと考えられる。
このように、第2パラメータが細胞内外液比と相関が強いパラメータであることがわかる。また、生体電気インピーダンスの抵抗成分Rとリアクタンス成分Xとの比で表される第1のパラメータについても、第2パラメータと同様、細胞内外液比と相関が強いパラメータである。細胞が萎縮した場合には、筋組織における細胞外液の割合が増加し、抵抗成分Rが大きくなる一方で、細胞は萎縮して小さくなるため、又は萎縮が進行して細胞の一部が消失して数が減るため、細胞膜の容量成分の影響は小さくなって、リアクタンス成分Xが小さくなる。すなわち、生体電気インピーダンスの抵抗成分Rとリアクタンス成分Xとの比で表される第1のパラメータは、筋細胞の大きさの変化に伴って変化するパラメータであって、細胞内外液比と相関が強いことがわかる。
図2に示すように、本実施形態における第1取得部20は、第1電流発生部27、第1電極部11、第1電圧測定部28、第1のアナログ/デジタル変換部29(以下、「第1のA/D変換部29」と記載する。)、第2電流発生部32、第2電極部17、第2電圧測定部33、第2のアナログ/デジタル変換部34(以下、「第2のA/D変換部34」と記載する。)、第1取得部の制御部30、及び第1取得部の生体電気情報算出部31を備える。なお、第2電極部17は把持ユニット2に設けられ、それ以外は載台ユニット1に設けられる。
第1電流発生部27は、一対の第1電流供給電極12(12a及び12b)の間に流れる交流電流を出力する。具体的に、第1電流発生部27は、第1基準電流検出部37と、第1交流電流発生部38と、第1周波数設定部39とを備えている。第1周波数設定部39は第1取得部の制御部30により制御され、予め決められた周波数を設定する。第1基準電流検出部37は、被計測者に流れる電流を基準電流として検出して、基準電流検出信号として第1交流電流発生部38に出力する。第1交流電流発生部38は、基準電流検出信号に基づく電流値を有し、第1周波数設定部39により設定された周波数の交流電流を発生させる。この交流電流が一対の第1電流供給電極12を通じて生体に供給される。
一対の第1電流供給電極12としての第1電流供給電極12a及び12bは、図1で示すように載台ユニット1上に露出した状態で設けられており、被計測者は、両足の裏が第1電流供給電極12a及び12bにそれぞれ接触するように、載台ユニット1上に載る。この状態で、交流電流が一対の第1電流供給電極12を通じて被計測者に供給されることにより、生体としての被計測者に電流が流れる。
一対の第1電圧測定電極13としての第1電圧測定電極13a及び13bは、第1電流供給電極12a及び12bと同様、載台ユニット10上に露出した状態で設けられている。被計測者は、両足の裏が第1電圧測定電極13a及び13bにそれぞれ接触するように、載台ユニット1上に載る。すなわち、被計測者は、一方の足の裏が第1電流供給電極12a及び第1電圧測定電極13aと接触し、他方の足の裏が第1電流供給電極12b及び第1電圧測定電極13bと接触するように、載台ユニット1に載る。従って、一対の第1電圧測定電極13により、一対の電流供給電極12を通じて生体に交流電流が供給されている状態での両足間の電圧降下が測定可能となる。
第1電圧測定部33は、第1電圧測定電極13a及び13bとの間の電圧を測定する。第1電圧測定部33により測定されたアナログな電位差信号は、第1のA/D変換部34においてデジタル信号に変換され、第1取得部の制御部30に入力される。
第1取得部の生体電気情報算出部31は、第1電圧測定部33により測定された電圧値と、一対の第1電流供給電極12を通じて生体に供給される電流値としての基準電流検出部37により検出された基準電流と、を用いて、抵抗成分R及びリアクタンス成分X、並びに第1インピーダンスZlow及び第2インピーダンスZhigh、の少なくとも一方の生体電気情報を取得する。
なお、第1取得部20の第2電流発生部32は、第2基準電流検出部44と、第2交流電流発生部45と、第2周波数設定部46とを備えており、この第2電流発生部32、第2電圧測定部33、第2のA/D変換部34、第2電極部17、第1取得部の制御部30、及び第1取得部の生体電気情報算出部31は、上述した第1電極部11を介して生体電気情報を取得する方法と同様の方法により、生体電気情報を取得するものである。被計測者は、一方の手が第2電流供給電極18a及び第2電圧測定電極19aと、他方の手が第2電流供給電極18b及び第2電圧測定電極19bと接触するように、把持ユニット2を把持し、この状態で被計測者に交流電流を供給することにより生体電気情報が取得される。また、本実施形態では、第1取得部20は、制御部として第1取得部の制御部30のみを備える構成であるが、第1電極部11のための第1制御部と、第2電極部17のための第2制御部と、を備える構成であってもよい。更に、本実施形態では、生体電気情報算出部として、第1取得部の生体電気情報算出部31のみを備える構成であるが、第1電極部11のための第1生体電気情報算出部と、第2生体電気情報算出部とを備える構成であってもよい。また、筋質評価装置100の制御部23が、第1取得部の制御部30の機能を兼ね備えるように構成することも可能である。
また、本実施形態では第1電極部11と、第2電極部17とで別々の電流供給、電圧測定を行い、生体電気情報を取得しているが、このような方法に限られないものである。具体的に、第1取得部20は、第1電極部11と第2電極部17とを備える構成であるため、合計4つの電流供給電極12a、12b、18a、及び18bと、合計4つの電圧測定電極13a、13b、19a、及び19bと、を有する。そのため、任意の2つの電流供給電極間に交流電流を流すことが可能なように構成するとともに、任意の2つの電圧測定電極間での電圧を測定することが可能な構成とすることができる。このような構成とすれば、第1取得部20は、生体の部位別(四肢及び胴体の5つの部位)の生体電気情報をそれぞれ取得することができる。
<第1取得部20における抵抗成分R及びリアクタンス成分Xの取得方法>
ここで、第1取得部20において、生体電気インピーダンスの抵抗成分R及びリアクタンス成分Xを取得する場合の取得方法について説明する。
所定の周波数(例えば、50kHz)の交流電流を一対の第1電流供給電極12を通じて生体に供給した際の、第1電圧測定部28による電圧測定が終了すると、第1電圧測定部28により測定された電圧値と、一対の第1電流供給電極12に印加された電流値としての第1基準電流検出部37により検出された基準電流と、を用いて、DFT(Discrete Fourier Transformの略称)処理等の波形処理を行う。これにより、第1生体電気情報算出部31は、抵抗成分R及びリアクタンス成分Xを求めることができる。更に、本実施形態では、生体電気情報算出部31が、この生体電気情報算出部31により求められた抵抗成分R及びリアクタンス成分Xから、抵抗成分Rとリアクタンス成分Xとの比で表される第1パラメータを求めることが可能である。なお、本実施形態では50kHzの周波数の交流電流を用いた場合について説明したが、これに限られるものではなく、細胞の特性を反映する周波数帯域として1kHz〜10MHzの範囲の周波数を使用することが可能である。
また本実施形態では、第1電極部11を用いて得られた抵抗成分R及びリアクタンス成分Xを用いて第1パラメータを求めているが、第2電極部17を用いて得られる抵抗成分R及びリアクタンス成分Xを用いて第1パラメータを求めてもよい。また、第1電極部11の電極と、第2電極部17の電極と、の両方を用いて得られる生体電気インピーダンスの抵抗成分R及びリアクタンス成分Xを用いて第1パラメータを求めてもよい。なお、第1パラメータは、抵抗成分R及びリアクタンス成分Xの比で表されていればよく、抵抗成分R/リアクタンス成分Xであっても、リアクタンス成分X/抵抗成分Rであってもよい。
<第1取得部20における第1インピーダンスZlow及び第2インピーダンスZhighを取得する方法>
次に、第1取得部20において、生体に所定の低周波数の交流電流を供給して計測される第1インピーダンスZlow及び生体に所定の高周波数の交流電流を供給して計測される第2インピーダンスZhigh、を取得する場合の、取得方法について説明する。
生体電気情報算出部31は、上記と同様の方法によって、所定の低周波数(例えば、5kHz)の交流電流を一対の第1電流供給電極12を通じて被計測者に供給した場合の抵抗成分Rlow及びリアクタンス成分Xlowと、所定の高周波数(例えば、250kHz)の交流電流を一対の第1電流供給電極12を通じて被計測者に供給した場合の抵抗成分Rhigh及びリアクタンス成分Xhighと、を求める。インピーダンスZは、Z=(R+X1/2により求めることができるため、生体電気情報算出部31は、この式を用いて第1インピーダンスZlow及び第2インピーダンスZhighを求めることができる。更に、本実施形態では、生体電気情報算出部31が、この生体電気情報算出部31により求められた第1インピーダンスZlow及び第2インピーダンスZhighから、第1インピーダンスZlowと第2インピーダンスZhighとの比で表される第2パラメータを求めることが可能な構成である。なお、本実施形態では、所定の低周波数として5kHzを例示しているが、直流電流を印加した場合の生体電気インピーダンスに近い値が得られる低周波数であればよい。従って、ここで用いる所定の低周波数としては10kHz以下の周波数帯域とすることが好ましい。また、本実施形態では所定の高周波数として250kHzを例示しているが、周波数が無限大のときの生体電気インピーダンスに近い値が得られればよい。従って、ここで用いる所定の高周波数としては200kHz以上の周波数帯域とすることが好ましい。
なお、本実施形態では、第1電極部11を用いて得られた抵抗成分R及びリアクタンス成分Xを用いて第2パラメータを求めているが、第2電極部17を用いて得られる抵抗成分R及びリアクタンス成分Xを用いて第2パラメータを求めてもよい。また、第1電極部11の電極と、第2電極部17の電極と、の両方を用いて得られる生体電気インピーダンスの、抵抗成分R及びリアクタンス成分Xから第2パラメータを求めてもよい。第2パラメータについても、第1インピーダンスZlowと第2インピーダンスZhighとの比で表されていればよく、第1インピーダンスZlow/第2インピーダンスZhighであっても、第2インピーダンスZhigh/第1インピーダンスZlowであってもよい。
<第2取得部21>
第2取得部21は、生体の体格に関するパラメータである体格パラメータを取得することができる。ここで「体格」とは、体の骨組み、肉付き、太り具合などの所謂「体つき」のことであり、骨格、筋肉量、皮下脂肪、体重、身長などで示される外観的状態のことを意味するものである。体格パラメータとしては、例えば、生体の筋肉量に関するパラメータ、生体の重量に関するパラメータ、生体のインピーダンスインデックスなどが挙げられる。
具体的に、生体の筋肉量に関するパラメータとしては、例えば、全身又は各部位の筋肉量、体重に占める全身筋肉量の割合(以下、「全身筋肉率」と記載する。)、各部位の重量に占める当該部位の筋肉量の割合(以下、「各部位筋肉率」と記載する。)、体重に占める各部位の筋肉量の割合(以下、「部位/体重筋肉率」と記載する。)が挙げられる。
また、生体の重量に関するパラメータとは、例えば、BMI(Body Mass Indexの略称であり、体重/身長で表されるもの)、生体の体重、生体の各部位の重量などが挙げられる。なお、「生体の体重」とは全体重を意味し、「生体の各部位の重量」とは、各部位の筋肉量、脂肪量及び骨量の和を意味するものである。
更に、生体のインピーダンスインデックスとは、長さ(Ht)の二乗をインピーダンスの絶対値(|Z|)で割った値(Ht/|Z|)である。ここで長さ(Ht)としては、身体情報入力部14から入力される生体としての被計測者の身長や部位長を用いることができる。生体を1つの均質な円筒、又は四肢と胴体との5つの均質な円筒の和と仮定した場合、均質な円筒の体積は、インピーダンスインデックスに比例するため、生体のインピーダンスインデックスは、全身又は各部位の体積と相関するパラメータとして使用することができる。
なお、体格パラメータとしては、全身又は各部位の筋肉量を生体電気特性を用いて統計学的に推測可能である、身体情報入力部14から入力された性別や年齢などを用いてもよい。
図2に示すように、本実施形態における第2取得部21は、生体の重量を計測する重量計測部40と、生体の身体に関する情報を外部から入力可能な身体情報入力部14と、(I)重量計測部40において計測される計測値及び第1取得部20により取得された生体電気情報に基づく生体の筋肉量に関する体格パラメータ、(II)重量計測部40において計測される計測値及び身体情報入力部14から入力された身体に関する情報に基づく、生体の重量に関する体格パラメータ、並びに(III)身体情報入力部14から入力された身体に関する情報及び第1取得部20により取得された生体電気情報に基づく体格パラメータとしてのインピーダンスインデックス、を導出可能な体格パラメータ導出部41と、を備える。なお、本実施形態における重量計測部40は、ストレインゲージ式等のロードセルを使用した体重計測部40aであるが、これに限られるものではない。
本実施形態における重量計測部40は、被計測者が載台ユニット1のうち、第1電極部11が露出する面に載ることにより、被計測者の体重を計測することができる。
身体情報入力部14は、上述したとおり、被計測者の性別、年齢、身長等の身体に関する情報の入力が可能である。
体格パラメータ導出部41は、重量計測部40において計測される計測値、身体情報入力部14から入力された身体に関する情報、及び第1取得部20により取得された生体電気情報を用いて、複数の体格パラメータを導出する。
具体的に、体格パラメータ導出部41は、重量計測部40により計測された体重の計測値と、第1取得部20により取得された生体電気情報としての生体電気インピーダンスと、を用いて、生体の筋肉量に関する体格パラメータとしての、全身筋肉率、部位/体重筋肉率を計算により導出する。より具体的に、全身筋肉率、部位/体重筋肉率は、生体電気インピーダンスと体重の計測値とから算出される脂肪量や、推定骨量などを用いて導出される。
また、体格パラメータ導出部41は、重量計測部40において計測された体重の計測値と、身体情報入力部14から入力された身長と、を用いて、生体の重量に関する体格パラメータとしての、BMIを計算により導出する。
更に、体格パラメータ導出部41は、身体情報入力部14から入力された身長と、第1取得部20により取得された生体電気情報としての生体電気インピーダンスと、を用いて、生体のインピーダンスインデックスを導出する。
なお、本実施形態における第2取得部21は、上述した体格パラメータを取得する構成であるが、これに限らず、例えば身体情報入力部14から入力される性別や年齢を用いて間接的に導出される生体の筋肉量に関する体格パラメータや、第1取得部20における第1電極部11及び第2電極部17の電極を利用して、生体の部位別の筋肉量、筋肉率を導出し、生体の筋肉量に関する体格パラメータとして使用することも可能である。更には、重量計測部40により得られた体重自体を、生体の体格パラメータとして使用するようにしてもよい。また、本実施形態では、上述したように、体格パラメータ導出部41は、筋肉率を、生体電気インピーダンスと体重の計測値とから算出される脂肪量や、推定骨量などを用いて導出しているが、第1取得部20により取得された生体電気インピーダンス、重量計測部40により計測された体重、及び身体情報入力部14から入力された身長から筋肉率を直接導出するようにしてもよい。
また、本実施形態では、被計測者の身長、性別、年齢などの身体に関する一部の情報を、身体情報入力部14から入力する構成としているが、第2取得部21が、生体の身長又は部位長を計測可能な長さ計測部(図示せず)を備え、体格パラメータ導出部41が、長さ計測部において計測される計測値を用いて、体格パラメータを導出するように構成することも可能である。
<算出部22>
算出部22は、抵抗成分Rとリアクタンス成分Xとの比で表される第1パラメータ、及び第1インピーダンスZlowと第2インピーダンスZhighとの比で表される第2パラメータ、の少なくとも一方と、体格パラメータと、に基づいて、筋組織における筋線維と間質組織との割合に応じた指標を算出する。
ここで、「第1パラメータ」とは、第1取得部20により取得された生体電気インピーダンスの抵抗成分R及びリアクタンス成分Xから算出されるパラメータであり、「第2パラメータ」とは、第1取得部20により取得された第1インピーダンスZlow及び第2インピーダンスZhighから算出されるパラメータである。また、「体格パラメータ」は、第2取得部21により取得されるパラメータである。なお、本実施形態では、上述したように、第1取得部20の生体電気情報算出部31が第1パラメータ及び第2パラメータの少なくとも一方を算出する構成であるが、算出部22が第1パラメータ及び第2パラメータの少なくとも一方を算出するように構成してもよい。
また、「筋組織における筋線維と間質組織との割合に応じた指標」とは、筋組織における筋線維と間質組織との割合(筋質)、筋組織における筋線維と間質組織との割合を表す指標である筋質指標、又は少なくとも筋質指標を1つの要素として含む総合筋質指標を意味するものであり、いずれも筋肉の質の評価に関する指標である。ここで、「筋組織」とは、「筋膜に覆われた筋束の集合体」であり、「筋束」とは、「筋周膜に覆われた組織であって、複数の筋線維と、これら筋線維の間に存在する間質組織とで構成される組織」である。また、「筋線維」とは筋細胞を意味し、「間質組織」とは、筋束における筋線維以外の全ての組織を意味するものである。
また、「総合筋質指標」とは、筋質指標のみならず、例えば速筋と遅筋の割合や、間質組織における脂肪や結合組織の浸潤などをも考慮した、筋肉の質に関する総合的な指標を意味するものである。
本実施形態の算出部22は、筋組織における筋線維と間質組織との割合に応じた指標として、筋組織における筋線維と間質組織との割合を表す指標である筋質指標を算出するものである。具体的に、本実施形態における筋質指標は、多くの被験者により得られた実験結果から例えば主成分分析などの統計学的手法によって決定された、筋力に関連し得る各種パラメータ(BMI、筋肉量など)の筋質に対する寄与率及び筋量に対する寄与率を用いて算出されるものである。なお、「筋量」とは、筋肉の重量や体積を意味するものである。
本実施形態における算出部22は、第1取得部20により取得される、第1パラメータ及び第2パラメータの少なくとも一方のパラメータと、第2取得部21により取得される体格パラメータと、を上述の筋力に関連し得るパラメータとして使用する。そして本実施形態における算出部22は、統計的に決定された、これらパラメータそれぞれの筋質に対する寄与率a1及びa2〜aNを、第1取得部20から取得されるパラメータの取得値P1及び第2取得部21から取得される体格パラメータの取得値P2〜PNにそれぞれ掛け合わせた上で、全ての項目を足し合わせることにより、筋質指標としての筋質得点を算出している(以下の(式3)参照)。
筋質得点=a1×(P1)+a2×(P2)+・・・+aN×(PN) ・・・(式3)
なお、本実施形態では、第1取得部20により取得される、第1パラメータ及び第2パラメータの少なくとも一方のパラメータの取得値P1と、第2取得部21により取得される体格パラメータの取得値P2〜PNと、を一般化した数値に変換して使用している。数値kを一般化した数値k´に変換する手法としては、例えば以下のような(式4)を用いる。
k´=(k−kの平均値)/kの標準偏差 ・・・(式4)
また、本実施形態では、体格パラメータとして、BMI、全身筋肉率、部位/体重筋肉率として体重に占める脚部の筋肉量、及び生体のインピーダンスインデックスを用いているが、体格パラメータは少なくとも1つ用いればよく、これら全ての体格パラメータを使用するものに限られない。例えば、全身筋肉量、各部位筋肉率、脚部以外の部位/体重筋肉率などを、上述の体格パラメータに加えて、又は代えて使用するようにしてもよい。但し、複数の体格パラメータを用いたほうが、1つのみの体格パラメータを用いる場合に比べて、筋質指標の正確性を向上させることができる。
第1取得部20により取得される、第1パラメータ及び第2パラメータの少なくとも一方のパラメータは、筋細胞内液と筋細胞外液との比に応じて変化するものであるが、このパラメータのみでは、筋細胞内液と筋細胞外液とが同程度に減少又は増加した場合における筋萎縮及び筋発達を判定することが困難である。しかしながら、筋質評価装置100の算出部22は、第1取得部20により取得される、第1パラメータ及び第2パラメータの少なくとも一方のパラメータに加えて、上述したような体格パラメータを少なくとも1つ使用して指標を算出するため、算出された指標は筋量の絶対量が加味される。そのため、筋細胞内液と筋細胞外液とが同程度に減少又は増加した場合(例えば、筋線維が萎縮するとともに、筋組織全体も小さくなるような場合)における筋萎縮及び筋発達についても判定可能な指標とすることができる。
算出部22で用いることができる体格パラメータとしては、生体の筋量に関する体格パラメータ、生体の重量に関する体格パラメータ、生体のインピーダンスインデックス等が挙げられるが、生体の筋量に関する体格パラメータを用いることが特に好ましい。なお、脚部は、体の中で最も敏感に筋肉量の衰えがあらわれるため、生体の筋量に関する体格パラメータの中でも、脚部の筋量に関するものが好ましい。
また、本実施形態における算出部22は、上述の筋質得点に加えて、筋量指標としての筋量得点をも算出する。
筋量指標とは、上述した統計的に決定された、筋量に対する寄与率を用いて算出されるものである。具体的に、算出部22は、筋質指標としての筋質得点を算出するとともに、筋質得点の算出のために用いられるパラメータと同一のパラメータを使用し、筋量に対する寄与度b1及びb2〜bNを各パラメータの算出値P1及びP2〜PNそれぞれに掛け合わせた上で、全ての項目を足し合わせることにより、筋量指標としての筋量得点を算出する(以下の(式5)参照)。
筋量得点=b1×(P1)+b2×(P2)+・・・+bN×(PN)・・・(式5)
なお、第1取得部20により取得される、第1パラメータ及び第2パラメータの少なくとも一方のパラメータについては、筋質に対する寄与率a1が非常に大きく、筋量に対する寄与率b1は、筋質に対する寄与率a1と比較して小さい。これに対して、第2取得部21により取得される体格パラメータとしての、部位/体重筋肉率、及び生体のインピーダンスインデックスについては、上記(式5)のP2を部位/体重筋肉率、P3を生体のインピーダンスインデックスとした場合、筋質に対する寄与率a2、a3は小さく、筋量に対する寄与率b2、b3は、筋質に対する寄与率a2、a3と比較して大きい。
一般に、若年者は、筋量を評価することにより筋力の評価ができるが、高齢者の場合は、筋組織の中で筋線維が細くなり、脂肪や結合組織に置き換わっていくため、筋組織自体の大きさである筋量の評価だけでは筋力の正確な評価ができない。しかしながら、本実施形態では、筋量指標及び筋質指標の両方の指標から筋肉を評価することができるため、これら2つの指標から、筋力を構成する要素を評価することが可能となる。
<制御部23>
制御部23は、第1取得部20、第2取得部21、算出部22、出力部15、及び記憶部26とそれぞれ接続されており、これらを制御する手段である。
<出力部15>
本実施形態における出力部15は表示部16を備える。表示部16は、算出部22により算出された筋質指標の算出値及び筋量指標の算出値に応じた情報を表示する。
筋質指標の算出値及び筋量指標の算出値に応じた情報とは、例えば、筋肉の量及び質を考慮した、現状の筋肉の状態、アドバイス、トレーニングメニューの提案などが挙げられる。図6は、筋量指標を横軸にとり、筋質指標を縦軸にとったグラフであり、(1)で示す領域は筋量が多く、筋質も良い状態、(2)で示す領域は筋量が多いが筋質は悪い状態、(3)で示す領域は筋量が少ないが筋質は良い状態、(4)で示す領域は筋量が少なく筋質も悪い状態、のそれぞれを表している。
本実施形態では、筋質指標としての筋質得点、及び筋量指標としての筋量得点のそれぞれについて、所定の閾値が予め設定されている。従って、被計測者の筋質得点及び筋量得点が算出されると、これらの算出値と、それぞれの閾値とが比較され、(1)〜(4)の領域のどこに属するか判別され、判別結果に応じた情報が表示部16に出力される。
判別結果に応じた情報の内容は、例えば判別結果が(1)の領域に属する場合は、「生活習慣をキープすることが望まれる。」というメッセージである。被計測者は、このメッセージによって、自己の生活習慣がよいものであることを確認でき、被計測者にとって、生活習慣をキープするモチベーションとなり得る。
判別結果が(2)の領域に属する場合には、例えば「筋量はあるが質が良くない。レジスタンストレーニングを行うことが望まれる。」というメッセージを表示部16に表示する。被計測者は、このメッセージにより、外見では判断できない自己の筋肉の質について知り、生活習慣の見直しのきっかけとなり得る。なお、(2)の領域に属するタイプの筋肉は、若いときに運動していたが現在は運動していない人に比較的多く見られるため、遅筋に比べて優先的に萎縮してしまう速筋を第一に鍛えるべく、レジスタンストレーニングを提案することが好ましい。
判別結果が(3)の領域に属する場合には、例えば「筋量は少ないが質のよい筋肉である。レジスタンストレーニングと持久的トレーニングとの両方を行うことが望まれる。」というメッセージを表示部16に表示する。被計測者は、このメッセージにより、自己の筋肉が質の観点では良いものであることを知り、生活改善のきっかけになり得る。なお、(3)の領域に属するタイプの筋肉は、昔からほとんど運動をしていない人に比較的多く見られる筋肉であるため、トレーニングメニューの提案としては、レジスタンストレーニングと持久的トレーニングとの両方を提案することが好ましい。
判別結果が(4)の領域に属する場合には、例えば「生活習慣の大幅な改善が望まれる。」というメッセージを表示部16に表示する。被計測者は、このメッセージにより、自分の筋肉の状態を知ることができるため、生活改善のきっかけとなり得る。また、日々の生活で転倒などに注意するきっかけともなり得る。
本実施形態では、筋質指標の算出値及び筋量指標の算出値に応じた情報として、現状の筋肉の状態、アドバイス、トレーニングメニューの提案などを使用したが、これに限られるものではなく、例えば、算出値そのものを表示部16に表示することも可能である。また、筋量指標の算出値と筋質指標の算出値とをプロットしたグラフを表示部16に表示するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、筋質指標としての筋質得点の所定の閾値、及び筋量指標としての筋量得点の所定の閾値は、健常者群、医師や介護士等により特定高齢者と認定された人々の群(以下、「特定高齢者群」と記載する)、及び医師や介護士等により要介護高齢者と認定された人々の群(以下、「要介護高齢者群」と記載する)それぞれから得られた筋量得点及び筋質得点の各平均値を使用して設定されている。具体的には、筋量得点及び筋質得点それぞれについて、上記3つの群の各平均値の平均を閾値として設定している。
上述の閾値の設定方法の他に、健常者群、特定高齢者群、及び要介護高齢者群の3つの群からそれぞれ得られた筋量得点及び筋質得点の各平均値に対して、任意の2つの群の標準偏差をもとに設定する方法を用いてもよい。例えば、これら3つの群のうち任意の2つの群をG1、G2として、G1とG2の閾値を、以下の(式6)を満たすような係数sと、各標準偏差とをもとに設定することができる。
(G1の平均値)−s×(G1の標準偏差)
=(G2の平均値)+s×(G1の標準偏差) ・・・(式6)
更に、サルコペニア指標のような明確な定義のある数値をもとに閾値を設定する方法や、被験者の年代を考慮して閾値を設定する方法など、上述の方法に限らず各種方法により閾値を設定することが可能である。
<記憶部26>
記憶部26は、RAM42(「RAM」はRandom Access Memoryの略称)とROM43(「ROM」はRead Only Memoryの略称)とを備えている。RAM42は、身体情報入力部14から入力される性別、身長、年齢などの身体に関する情報、測定データおよび算出結果等を一時的に格納する手段である。また、ROM43は、筋質評価装置100全体の制御用プログラム、第1取得部20の制御部30の制御用プログラム、予め設定した筋質指標、筋量指標の算出式、筋質指標及び筋量指標の判別プログラム、第1取得部20の第1電極部11と第2電極部17とに供給する交流電流の周波数などを格納している。
ここまでは、主に、筋質評価装置100の構成について説明してきた。以下に、上述した方法により、筋質評価装置100において算出された実際の筋質指標及び筋量指標の結果を示す。
<筋質評価装置100により算出された筋量得点及び筋質得点の結果>
図7は、筋量得点を横軸にとり、筋質得点を縦軸にとった場合の、男性の健常者、及び男性の特定高齢者・要介護高齢者の実際のデータ分布を示すグラフである。なお、図7において、健常者のデータは、年代毎に分けられている。具体的には、図7の凡例に示すように、59歳以下、60歳以上69歳以下、70歳以上79歳以下、及び80歳以上の4つに分けられている。
図7によると、本実施形態における筋質評価装置100により算出された筋質得点は、加齢とともに低下していく、すなわち加齢とともに筋質が悪化していく傾向にあることがわかる。また、特定高齢者・要介護高齢者の筋質得点が健常者に比較して低い傾向にあることもわかる。このように、本実施形態における筋質評価装置100で算出される筋質指標としての筋質得点は、加齢による筋質の悪化を示すことに成功している。
また、図7によれば、筋質のみならず筋量についても、加齢とともに低下する傾向にあることがわかる。すなわち、加齢に伴って、右上から左下にデータ分布が移動していることがわかる。更に、特定高齢者・要介護高齢者の筋量得点が、筋質得点と同様、健常者に比較して低い傾向にあることもわかる。なお、図7における筋質得点が0点を示す横軸は、全被験者の筋質得点の平均値を示すものであり、図7における筋量得点が0点を示す縦軸は、全被験者の筋量得点の平均値を示すものである。図7ではこれら横軸及び縦軸のみを示しているが、これらの軸に加えて、年代別の平均値を示す基準軸を付加すると、加齢に伴う上記傾向は一層鮮明になる。
また図8は、サルコペニア指標を横軸にとり、筋質得点を縦軸にとった場合の、男性の健常者、及び男性の特定高齢者・要介護高齢者の実際のデータ分布を示すグラフである。サルコペニア指標は、四肢筋肉量/身長で算出される指標であり、筋虚弱の指標として一般的に用いられるものである。図8からも、図7と同様の傾向を読み取ることができる。
以上のとおり、筋質評価装置100により算出された筋質指標は、加齢による筋質の悪化を示すことに成功している。また、筋量指標についても、一般的に知られている、加齢による筋肉量の減少を示すことに成功している。従って、本実施形態における筋質指標及び筋量指標は、筋質及び筋量を評価する有効な指標であることがわかる。
また本実施形態では、筋質評価装置100として、載台ユニット1及び把持ユニット2を備える体組成計100aについて説明してきた。しかしながら、筋質評価装置100は、生体電気インピーダンスの抵抗成分R及びリアクタンス成分X、並びに生体に所定の低周波数(例えば、5kHz)の交流電流を供給して計測される第1インピーダンスZlow及び生体に所定の高周波数(例えば、250kHz)の交流電流を供給して計測される第2インピーダンスZhigh、の少なくとも一方の生体電気情報を取得する第1取得部20と、生体の体格に関する体格パラメータを取得する第2取得部21と、抵抗成分Rとリアクタンス成分Xとの比で表される第1パラメータ、及び第1インピーダンスZlowと第2インピーダンスZhighとの比で表される第2パラメータ、の少なくとも一方のパラメータと、体格パラメータと、に基づいて、筋組織における筋線維と間質組織との割合に応じた指標を算出する算出部22と、を備える構成であればよく、それぞれの具体的な構成は、本実施形態で示す構成に限られるものではない。例えば載台ユニット1と把持ユニット2のいずれか一方を備える筋質評価装置100としてもよい。また、電極の形態についても本実施形態で示すものに限らず、例えば、寝たきりの高齢者等にも利用できるように、例えば貼り付け電極のような変形可能な電極とすることも可能である。
また、本実施形態における第1取得部20は、生体電気情報を計測する手段を含むものであったが、第1取得部20が、例えば、抵抗成分R及びリアクタンス成分X、並びに第1インピーダンスZlow及び第2インピーダンスZhigh、の少なくとも一方を外部から入力可能な生体電気情報入力部を備え、生体電気情報入力部から生体電気情報を取得するような構成としてもよい。なお、生体電気情報入力部は、抵抗成分Rとリアクタンス成分Xとの比で表される第1パラメータ、及び第1インピーダンスZlowと第2インピーダンスZhighとの比で表される第2パラメータ、の少なくとも一方のパラメータを外部から入力可能な構成であってもよい。
更に、図9に示すように、筋質評価装置100は、第1取得部20が抵抗成分R及びリアクタンス成分X、並びに第1インピーダンスZlow及び第2インピーダンスZhigh、の少なくとも一方を、デスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、スマートフォン、タブレットPCなどの外部装置47から有線又は無線通信により受信可能なように、生体電気情報受信部(インターフェイス48)を備える構成であってもよい。すなわち、第1取得部20が、生体電気情報受信部を介して、第1パラメータおよび第2パラメータの少なくとも一方のパラメータを外部装置47から受信する構成であってもよい。なお、生体電気情報受信部は、抵抗成分Rとリアクタンス成分Xとの比で表される第1パラメータ、及び第1インピーダンスZlowと第2インピーダンスZhighとの比で表される第2パラメータ、の少なくとも一方のパラメータを外部装置47から受信する構成であってもよい。
また、本実施形態では、第2取得部21が、生体の重量を計測可能な重量計測部40としての体重計測部40aと、身体に関する情報を入力可能な身体情報入力部14とを備え、重量計測部40における計測値と、身体情報入力部14から入力された身体に関する情報とから、体格パラメータを導出する構成としているが、生体の重量を計測する重量計測部40を備えず、生体の体重や、生体の各部位の重量についても身体情報入力部14から入力するように構成してもよい。
更に、筋質評価装置100が、第2取得部21が体格パラメータを導出するための身体に関する情報を、コンピュータなどの外部装置47から有線又は無線通信により受信可能なように、身体情報受信部(インターフェイス)を備え、身体情報受信部が受信した身体情報に基づき、体格パラメータ導出部41が体格パラメータを導出する構成とすることも可能である。また、図9に示すように、第2取得部21が体格パラメータ自体を外部装置47から有線又は無線通信により受信可能なように、筋質評価装置100が体格パラメータ受信部(インターフェイス48)を備える構成、すなわち、第2取得部21が、体格パラメータ受信部を介して、体格パラメータを外部装置47から受信する構成であってもよい。
この他に、第2取得部21が、生体の体格パラメータ自体を外部から入力可能な体格パラメータ入力部を備え、体格パラメータ入力部から体格パラメータが入力されることにより、第2取得部21が体格パラメータを取得するようにしてもよい。
以上のとおり、第1取得部20は、様々な手段により、抵抗成分R及びリアクタンス成分X、並びに第1インピーダンスZlow及び第2インピーダンスZhigh、の少なくとも一方を取得可能であるばかりか、第1取得部20は、様々な手段により、抵抗成分Rとリアクタンス成分Xとの比で表される第1パラメータ、及び第1インピーダンスZlowと第2インピーダンスZhighとの比で表される第2パラメータ、の少なくとも一方のパラメータについても取得可能である。また、第2取得部21も、様々な手段により、体格パラメータ、及び体格パラメータを導出するための身体に関する情報を取得可能である。
また、本実施形態では、出力部15が、算出部22により算出された筋質指標を出力する表示部16を備える構成であるが、図9に示すように、制御部23の指示によって、算出部22により算出された筋質指標を、モニタなどの表示部を有するデスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、スマートフォン、タブレットPCなどの外部装置47に送信するデータ送信部(インターフェイス48)を備える構成としてもよい。すなわち、制御部23が、算出部22が算出した指標を、データ送信部を介して、外部装置47に送信する構成であってもよい。なお、データ送信部が、算出部22により算出された筋質指標の算出値のみならず、筋量指標の算出値についても送信するように構成してもよく、メッセージやアドバイスなどの、筋質指標の算出値及び筋量指標の算出値に応じた情報を送信し、外部装置47の表示部に表示させるようにしてもよい。
本発明は、筋肉の質を評価する筋質評価装置に関し、特に、筋組織における筋線維の割合に応じた指標を算出可能な筋質評価装置に関する。
1:載台ユニット
2:把持ユニット
11:第1電極部
12:第1電流供給電極
12a、12b:第1電流供給電極のそれぞれの電極
13:第1電圧測定電極
13a、13b:第1電圧測定電極のそれぞれの電極
14:身体情報入力部
14a:設定キー
14b:アップキー
14c:ダウンキー
15:出力部
16:表示部
17:第2電極部
18:第2電流供給電極
18a、18b:第2電流供給電極のそれぞれの電極
19:第2電圧測定電極
19a、19b:第2電圧測定電極のそれぞれの電極
20:第1取得部
21:第2取得部
22:算出部
23:制御部
26:記憶部
27:第1電流発生部
28:第1電圧測定部
29:第1のアナログ/デジタル変換部
30:第1取得部の制御部
31:第1取得部の生体電気情報算出部
32:第2電流発生部
33:第2電圧測定部
34:第2のアナログ/デジタル変換部
37:第1基準電流検出部
38:第1交流電流発生部
39:第1周波数設定部
40:重量計測部
40a:体重計測部
41:体格パラメータ導出部
42:RAM
43:ROM
44:第2基準電流検出部
45:第2交流電流発生部
46:第2周波数設定部
47:外部装置
48:インターフェイス
100:筋質評価装置
200:ケーブル

Claims (9)

  1. 生体電気インピーダンスの抵抗成分及びリアクタンス成分、並びに生体に所定の低周波数の交流電流を供給して計測される第1インピーダンス及び前記生体に所定の高周波数の交流電流を供給して計測される第2インピーダンス、の少なくとも一方の生体電気情報を取得する第1取得部と、
    前記生体の体格に関するパラメータである体格パラメータを取得する第2取得部と、
    前記抵抗成分と前記リアクタンス成分との比で表される第1パラメータ、及び前記第1インピーダンスと前記第2インピーダンスとの比で表される第2パラメータ、の少なくとも一方のパラメータと、前記体格パラメータと、に基づいて、筋組織における筋線維と間質組織との割合に応じた指標を算出する算出部と、を備えることを特徴とする筋質評価装置。
  2. 請求項1に記載の筋質評価装置において、
    前記体格パラメータは、前記生体の筋肉量に関するパラメータを含むことを特徴とする筋質評価装置。
  3. 請求項1又は2に記載の筋質評価装置において、
    前記体格パラメータは、前記生体の重量に関するパラメータを含むことを特徴とする筋質評価装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の筋質評価装置において、
    前記体格パラメータは、前記生体のインピーダンスインデックスを含むことを特徴とする筋質評価装置。
  5. 請求項1乃至4に記載の筋質評価装置において、
    前記算出部は、筋組織における筋線維と間質組織との割合に応じた指標を算出するとともに、当該指標の算出のために用いられるパラメータと同一パラメータを使用し、少なくとも1つのパラメータの寄与率を、前記指標を算出する場合と異なる寄与率として算出される筋量指標を算出することを特徴する筋質評価装置。
  6. 請求項5に記載の筋質評価装置において、
    前記表示部は、筋組織における筋線維と間質組織との割合に応じた指標の算出値及び前記筋量指標の算出値、或いは筋組織における筋線維と間質組織との割合に応じた指標の算出値及び前記筋量指標の算出値に応じた情報を表示することを特徴とする筋質評価装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つに記載の筋質評価装置において、
    外部装置との情報の授受を行うインターフェイスを備えることを特徴とする筋質評価装置。
  8. 請求項7に記載の筋質評価装置において、
    前記第1取得部は、前記インターフェイスを介して、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータの少なくとも一方のパラメータを前記外部装置から受信し、
    前記第2取得部は、前記インターフェイスを介して、前記体格パラメータを前記外部装置から受信することを特徴とする筋質評価装置。
  9. 請求項7又は8に記載の筋質評価装置において、
    前記算出部が算出した前記指標を、前記インターフェイスを介して、前記外部装置に送信することを特徴とする筋質評価装置。
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