JP5945844B2 - 下肢判定装置 - Google Patents
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Description
これにより、被験者は、歩行を困難にする危険度との関係で、どの程度の状態・危険度を示すのか認識し難い『測定体重比』を、(被験者)自らわざわざ疾患等を判定する評価値に置換せずに、より直接的に伝わる情報として加工された『第1の対応評価値』を取得することができる。この結果、被験者は、歩行を困難にする疾患に対する状態・危険度をより直接的に認識することができる。
なお、「歩行を困難にする危険度を示す指標」とは、下肢筋力(例えば、体重比等)の低下により、歩行が困難になるおそれを定量的または定性的(もしくは、多値表示または2値表示)に示したものであり、危険度が高いほど歩行が困難になるおそれが高いことを示唆する指標である。
この下肢判定装置において、更に、前記情報取得部が前記入力情報として前記被験者の測定実年齢を含むと共に、前記記憶部が、実年齢と、歩行を困難にする危険度を示す第2の評価値と、を備え、前記実年齢と前記第2の評価値の関係を示すとともに、実年齢の境界値を備えている実年齢−第2の評価値関係を記憶しており、前記判定部は、前記実年齢の境界値に基づいて前記入力情報に対応する第2の対応評価値を出力することが好ましい。
本発明に係る下肢判定装置は、情報取得部が測定した下肢体力値(いわゆる、測定下肢体力値)を取得するとともに、記憶部が、歩行を困難にする危険度を示す観点から下肢体力値と第3の評価値の間に相関関係をもたせる『補間関数』を備えた下肢体力値−第3の評価値関係を記憶し、判定部が、上述した下肢体力値−第1の評価値関係に照らし、測定下肢体力値に対応する第3の評価値(いわゆる、第3の対応評価値)を出力する構成となっている。
下肢体力値−第3の評価値関係は、双方の間に相関関係を有しない区間に補間関数を備えることにより、歩行を困難にする危険度との関係で、どの程度の状態・危険度を示すのか認識し難い『測定下肢体力値』を、より直接的に伝わる情報である『第3の対応評価値』として加工し、出力することができる。
これにより、被験者は、下肢体力値と相関関係がある第3の対応評価値の変化を確認することができ、歩行を困難にする疾患に対する状態・危険度をより直接的に認識することができるとともに、トレーニングのモチベーションの向上・維持を図ることができる。
なお、「下肢体力値」とは、下肢体力の計測値をいい、例えば、体重比のほか、生体インピーダンスの検出結果から得られる指標、及び重心動揺等を含む概念である(詳細については、後述する)。
前記補間関数は、前記指標下肢体力値に対応する前記第3の評価値の少なくとも一部を、歩行機能が最良の状態を示す最良評価値とすることが好ましい。
前記下肢体力値−第3の評価値関係は、前記補間関数を備える第1の区間と、前記補間関数を備えていない第2の区間と、を分ける分岐点を有するとともに、前記指標下肢体力値の少なくとも一部を最大下肢体力値として備え、前記分岐点と前記最大の下肢体力値に対応する前記最良評価値とを結び、前記補間関数を構成することが好ましい。
第1実施形態に係る下肢判定装置10について説明する。
まず、図1を用いて、下肢判定装置10の概略構成を簡単に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の下肢判定装置10の概略斜視図である。
下肢判定装置10は、主に、本体部140と、(ケーブル150により本体部140に接続されている)操作部160と、を備えている。
本体部140は、基台141と、基台141のほぼ中央に凸状(より具体的には、略三角形状)の膝受部142と、を備えている。膝受部142は、被験者が着座し、膝裏を載せ、膝裏を下側(基台141側:方向X)に押し当てる部位である。基台141は、複数の荷重センサ(例えば、ロードセル等:図示略)を内蔵している。この荷重センサは、被験者が膝受部142を方向Xに押すときに発揮される力(大腿四頭筋の筋力等)、即ち下肢筋力に関する情報を取得する。
操作部160は、図1(A)に示すように本体部140に取り付け可能であり、また、図1(B)に示すように、測定時など必要に応じて本体部140から取り外せる構成となっている。
また、下肢判定装置は、上述した体重比の測定を繰り返し行うことにより、下肢筋肉(例えば、大腿四頭筋等)をトレーニングすることができる。
図2は、本発明に係る下肢判定装置10の構成を示すブロック図である。
即ち、記憶部12は、体重比−推定下肢年齢(第1の評価値)関係を記憶している。
体重比−推定下肢年齢関係は、予め取得された多数の被験者(男女別)の体重比−実年齢の統計的データに基づき作成されたグラフ及び/又は表である。本実施形態では、体重比−推定下肢年齢関係は、男性用と女性用に別個に作成されている。
また、記憶部12は、被験者に関する情報(性別、身長、体重、年齢(生年月日)等)、測定履歴、演算結果、評価結果等を記憶している。
体重比−第1の評価値関係は、性別(男女別)に構築せず、性別を問わない統一した関係とし、男女いずれにも適用できるようにしてもよい。
なお、記憶部は、例えば、下肢判定装置の本体部及び/又は操作部に内蔵されている記憶媒体(例えば、CPU等がアクセスできる一次記憶装置、フラッシュメモリやハードディスクドライブ等の二次記憶装置等)や、外部記憶媒体(例えば、メモリーカードやハードディスクドライブ等)、ネットワークやインターネット上の記憶媒体(例えば、クラウドコンピュータ等)等でもよい。
なお、操作パネルには、推定下肢年齢と測定体重比の双方を表示するようにしてもよい。
図3は、本発明の第1実施形態の下肢判定装置10の動作プログラムの概略を示すフローチャートである。
下肢判定装置10は、電源投入後、初期設定がなされ(ステップS11)、被験者の体重データ等を記憶し(ステップS12)、下肢筋力の演算・記憶を行う(ステップS13)。その後、下肢判定装置10は、上述した体重と下肢筋力から被験者の体重比(測定体重比)を演算し(ステップS14)、体重比−推定下肢年齢(第1の評価値)関係を参照した後(ステップS15)、測定体重比に対応する対応推定下肢年齢(第1の対応評価値)を操作パネル161へ出力(表示)する(ステップS16)。
まず、ステップS11の初期設定ルーチンが実行される。操作者は、電源ボタン162を押し、電源を投入後、操作パネル161を操作することによって、操作時点における日時(年月日や時刻等)のデータの初期設定を行う。初期設定は、購入後、初めて電源を投入した際や使用後操作時点における日時等のデータを変更する場合に行う。
なお、体重データ等は、情報取得部(例えば、操作パネル等)を介して以前入力され、下肢判定装置内部に記憶されている過去のデータを採用してもよい。
即ち、下肢筋力計測ルーチンでは、荷重センサ(情報取得部11)が下肢筋力を取得する。
即ち、CPU情報取得部(情報取得部11)が、被験者の体重あたりの下肢筋力を示す測定体重比を含む入力情報を取得する。
次に、第2実施形態に係る下肢判定装置20について説明する。
第2実施形態の下肢判定装置20の外観は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する(図1参照)。
図4は第2実施形態の下肢判定装置20の構成を示すブロック図である。図4に示すように、下肢判定装置20は、主に、情報取得部21、記憶部22及び判定部23を備えている。
より具体的には、下肢判定装置20は、被験者の測定体重比(測定下肢体力値)を入力情報として取得する情報取得部21と、体重比(下肢体力値)と、歩行を困難にする危険度を示す推定下肢年齢(第3の評価値)と、を備え、体重比(下肢体力値)と推定下肢年齢(第3の評価値)との関係を示す体重比(下肢体力値)−推定下肢年齢(第3の評価値)関係が記憶されている記憶部22と、体重比(下肢体力値)−推定下肢年齢(第3の評価値)関係に基づき、被験者の測定体重比(測定下肢体力値)に対応する対応推定下肢年齢(第3の対応評価値)を出力する判定部23と、を備え、体重比(下肢体力値)−推定下肢年齢(第3の評価値)関係は、少なくとも一部に体重比(下肢体力値)に対応した対応推定下肢年齢(第3の対応評価値)を仮定する『補間関数』を備えている。
本実施形態に係る下肢判定装置20は、(記憶部22に記憶されている)体重比−推定下肢年齢関係が、体重比と推定下肢年齢の相関関係を仮定する『補間関数』を備えている点で、第1実施形態に係る下肢判定装置10と異なっている。
図5(A)は、実年齢と体重比との関係を示す模式図であり、図5(B)は、図5(A)の実年齢を推定下肢年齢として置換した、推定下肢年齢−体重比の模式図である。図6は、下肢体力値−第3の評価値関係を示す図である。図7は、変形性膝関節症群(以下、「OA群」)と非変形性膝関節症群(以下、「非OA群」)の度数分布図を示す模式図である。
図7で示すように、「OA群の人数と非OA群の人数」とを『度数』とし、「体重比」を『階級』とした度数分布図において、所定の階級Dは、OA群の人数がOA群全体の人数に対する割合として少なく、且つ、非OA群人数が非OA群全体の人数に対する割合として多い(例えば、OA群の人数/OA群全体の人数:1%、非OA群の人数/非OA群全体の人数:10%程度)状態である。階級Dの体重比が、補間関数Iの指標体重比Gとして用いられている。要するに、階級Dは、相対的に変形性膝関節症を患っている人が少なく、変形性膝関節症を起こしにくい最良な状態を示している。この趣旨に鑑み、階級Dの体重比である指標体重比Gは、体重比−推定下肢年齢の関係において、歩行機能が最良の状態を示す最良推定下肢年齢Mに対応する最大体重比と仮定する。
より具体的には、図6に示すように、体重比(下肢体力値)−推定下肢年齢(第3の評価値)関係は、補間関数Iを備える第1の区間R1と補間関数Iを備えていない第2の区間R2を分ける分岐点Pを有するとともに、指標体重比(指標下肢体力値)Gを最大体重比(最大の下肢体力値)Gとして仮定し、分岐点Pと最大体重比(最大の下肢体力値)Gに対応する最良推定下肢年齢(最良評価値)Mとを結び、補間関数Iを構成している。
図6の分岐点Pは、補間関数Iを備える第1の区間R1と補間関数Iを備えていない第2の区間R2を分岐させる点である。分岐点Pは、(図5(B)の推定下肢年齢−体重比グラフに示す)推定下肢年齢と体重比の間に相関関係を有しない区間aと、推定下肢年齢と体重比の間に相関関係を有する区間bを分岐させる分岐点pに相当する。
また、補間関数Iは、分岐点Pと、座標点(最大体重比Gと最良推定下肢年齢Mの座標)を直線で結ぶ、いわゆる一次補間を採用している。
体重比−推定下肢年齢関係の第2の区間R2は、統計的データに基づき作成されたグラフ及び/又は表である。
また、補間関数における指標下肢体力値は、必ずしも最良評価値に対応する下肢体力値である必要がなく、(最良評価値に対応する指標下肢体力値以外の)他の評価値に対応する下肢体力値に用いてもよい。また、指標下肢体力値は、下肢体力値−第3の評価値関係における複数箇所に用いられてもよい。
また、補間関数における指標体重比をOA群と非OA群のそれぞれの全体に占める人数の割合から決定するだけでなく、OA群と非OA群の人数の割合(OA群の人数/非OA群の人数)や、OA群と全体(OA群と非OA群)の人数(より具体的には、OA群の人数/(OA+非OA群の人数))の割合から決定してもよい。
また、上述したようなOA群と非OA群の『相対的な』人数割合の比較から指標下肢体力値を決定するだけでなく、非OA群のみの『絶対的な』人数割合(例えば、非OA群の上位15%や上位1/4(いわゆる、上側四分位数))から指標下肢体力値を決定してもよい。
補間方法としては、上述した補間方法(OA群と非OA群の人数の度数分布を用いた補間方法)に限らず、単純補間、線形補間等を採用してもよく、複数の補間方法を組み合わせて採用しても良い。また、補間関数は一次関数に限らず、二次関数、三次関数等であってもよい。
被験者の測定体重比が分岐点Pにおける体重比「以上」である場合(『(体重比−推定下肢年齢関係の)第2の区間R2』)、判定部23は、体重比−推定下肢年齢関係の補間関数Iにより補間された部分に基づき、対応推定下肢年齢を出力する。
これに対し、被験者の測定体重比が分岐点Pにおける体重比「未満」である場合(『(体重比−推定下肢年齢関係の)第2の区間R2』)、体重比−推定下肢年齢関係の補間関数Iにより補間されていない部分に基づき、対応推定下肢年齢を出力する。
図8は、下肢判定装置20の動作プログラムの概略を示すフローチャートである。
なお、下肢判定装置20の動作プログラムのステップS21〜S26は、第1実施形態の下肢判定装置10の動作プログラムのS11〜S16にそれぞれ相当するため、あえて説明を省略する(図3、図8参照)。
より具体的には、被験者の測定体重比が『(体重比−推定下肢年齢関係の)第1の区間R1』に相当する体重比である場合、判定部23は、体重比−推定下肢年齢関係の補間関数Iにより補間された部分に基づき、測定体重比に対応する対応推定下肢年齢を操作パネルに出力する。
これに対し、被験者の測定体重比が『(体重比−推定下肢年齢関係の)第2の区間R2』に相当する体重比である場合、判定部23は、体重比−推定下肢年齢関係の(補間関数Iにより補間されていない)統計データの部分に基づき、測定体重比に対応する対応推定下肢年齢を操作パネルに出力する。
これにより、被験者は、相関関係を有する対応推定下肢年齢を確認し、歩行を困難にする疾患に対する状態・危険度をより直接的に認識することができるとともに、トレーニングのモチベーションの向上・維持を図ることができる。しかも、本実施形態では、測定体重比を『対応推定下肢年齢』に置換しているため、被験者は、対応推定下肢年齢となじみのある自身の実年齢を比較することにより、歩行を困難にする疾患(例えば、変形性膝関節症)の状態・危険度をより直接的に認識し易くなり、対象疾患等を更に予防し易くなっているとともに、トレーニングのモチベーションの向上を更に促進させている。
次に、第3実施形態に係る下肢判定装置30ついて説明する。
上述した第1、第2実施形態に係る下肢判定装置10、20は、歩行を困難にする危険度を示す指標として、推定下肢年齢(第1、第3の評価値)を採用し、『定量的な表示(または、多値表示)』を出力している。
これに対し、本実施形態(第3実施形態)に係る下肢判定装置30は、歩行を困難にする危険度を示す指標として、『定性的な表示(または、2値表示)(歩行を困難にする危険度が高いことを示唆する表示)』を出力している。定性的な表示としては、例えば、!(エクストラメーションマーク:詳細については後述する。)が挙げられる。これにより、被験者は、定量的に示された数値データ等から歩行を困難にする危険度が高いことを判断する必要性がなくなり、より直接的に認識することができるとともに、「潜在的に」歩行危険度が高いことも判断することができる。
図9に示すように、下肢判定装置30は、主に、情報取得部31、記憶部32及び判定部33を備えている。図9は下肢判定装置30の構成を示すブロック図である。
更に、第3実施形態の下肢判定装置30は、情報取得部31が入力情報として被験者の測定実年齢を含むと共に、記憶部32が、実年齢と、歩行を困難にする危険度を示す第2歩行危険度(第2の評価値)と、を備え、実年齢と第2歩行危険度(第2の評価値)の関係を示すとともに、実年齢の境界値を備えている実年齢−第2歩行危険度(第2の評価値)関係を記憶しており、判定部33は、実年齢の境界値に基づいて入力情報に対応する対応第2歩行危険度(第2の対応評価値)を出力する構成となっている。
本実施形態に係る下肢判定装置30は、入力情報が、『測定体重比』と『測定実年齢』(の2つのパラメータ)を用いている点と、出力情報が、『定性的』な対応第1歩行危険度、対応第2歩行危険度である点で、第1、第2実施形態に係る下肢判定装置10、20と異なっている。
図10は、記憶部32に記憶されている体重比−第1歩行危険度関係を示す模式図である。図11は、記憶部32に記憶されている実年齢−第2歩行危険度関係を示す模式図である。
記憶部32は、体重比と第1歩行危険度の関係を示す体重比−第1歩行危険度(第1の評価値)関係を記憶している。体重比−第1歩行危険度関係は、体重比の境界値B1を備えている。体重比の境界値B1は、統計データにおけるOA群に対するROC曲線から求められるカットオフ値である。
また、図11に示すように、記憶部32は、実年齢と第2歩行危険度(第2の評価値)の関係を示す実年齢−第2歩行危険度(第2の評価値)関係を記憶している。実年齢−第2歩行危険度(第2の評価値)関係は、実年齢の境界値B2を備えている。実年齢の境界値B2は、統計データにおけるOA群に対するROC曲線から求められるカットオフ値である。
また、判定部33は、実年齢の境界値B2に基づいて入力情報に対応する対応第2歩行危険度(第2の対応評価値)を出力する。より具体的には、測定実年齢が実年齢の境界値B2以上の場合、判定部33は、対応第2歩行危険度が高いと判定する。これに対し、測定実年齢が実年齢の境界値B2未満の区間の場合、対応第2歩行危険度が低いと判定する。
本実施形態では、対応第1歩行危険度、対応第2歩行危険度のいずれもが高い場合、判定部33は、警告サイン(例えば、エクストラメーションマーク(!))を操作パネル(図1の符号161参照)に表示する形式で、対応総合歩行危険度(対応第1、第2歩行危険度を伴わせた歩行危険度)を出力する。
これに対し、対応第1、第2歩行危険度の双方もしくはいずれか一方が低い場合、判定部33は、『操作パネルに歩行危険度が高いことを示唆する表示しない』という形式で、対応総合歩行危険度を出力する。
なお、有意水準0.1%程度において、変形性膝関節症群の人数の分布と非変形性膝関節症群の人数の分布との平均の差が有意差を有している指標であれば、体重比、実年齢に限らず、他の指標も歩行を困難にする危険度を示す評価値を導出する指標として用いてもよい。また、有意水準1%において、変形性膝関節症群の人数の分布と非変形性膝関節症群の人数の分布との平均の差が有意差を有しない指標は、歩行を困難にする危険度を示す評価値を導出する指標として用いない。
図12は、下肢判定装置30の動作プログラムの概略を示すフローチャートである。
なお、下肢判定装置30の動作プログラムのステップS31〜34は、第1実施形態の下肢判定装置の動作プログラムのS11〜S14にそれぞれ相当するため、あえて説明を省略する(図3参照)。
被験者の測定体重比が体重比の境界値B1以上であるか否かが判定される。被験者の性別に対応した男女別の体重比−第1歩行危険度関係に基づいて、測定体重比が体重比の境界値B1以上であるか否かを判定する(ステップS36の男女別の図示は、ステップS35aと同様、省略している)。
判定部33が、(ステップS35aで参照される)体重比−第1歩行危険度関係に基づき、(ステップS34で)演算した測定体重比に対応する第1対応歩行危険度を出力する。
測定体重比が体重比の境界値B1以上である場合には、判定部33は、第1歩行危険度を有していない(Yes)と判定し、この結果を記憶部32に出力する(ステップS37a)。これに対し、測定体重比が体重比の境界値B1未満である場合には、判定部33は、第1歩行危険度を有している(No)と判定し、この結果を記憶部32に出力する(ステップS37b)。
実年齢−第2歩行危険度関係参照ルーチンでは、判定部33が、記憶部32に記憶されている男女別の実年齢−第2歩行危険度関係を参照する。判定部33は、被験者の性別に対応した男女別の実年齢−第2歩行危険度関係のいずれか一方を参照する。なお、ステップS35aと同様、フローチャートの簡略化のため、男女それぞれの実年齢−第2歩行危険度関係参照ルーチンの図示を省略している。
判定部33が、被験者の測定実年齢が実年齢の境界値B2以上であるか否かを判定する。被験者の性別に対応した男女別の実年齢−第2歩行危険度関係に基づいて、測定実年齢が実年齢の境界値B2以上であるか否かを判定する(ステップS38の男女別の図示は、ステップS35bと同様、省略している)。
第2歩行危険度の出力ルーチンでは、(ステップS36の)測定体重比が体重比の境界値B1未満(No)であって、判定部33が、測定実年齢が実年齢の境界値B2以上(Yes)と判定した場合には、第2歩行危険度を有していると判定し、『警告サインを操作パネル(図1の符号161参照)に出力する』という形式で対応総合歩行危険度を出力する(ステップS39a)。(ステップS36の)測定体重比が体重比の境界値B1未満(No)であっても、判定部33が、測定実年齢が実年齢の境界値B2未満(No)と判定した場合には、第2歩行危険度を有していないと判定し、『歩行危険度が高いことを示唆する表示を操作パネルに出力しない』という形式で、対応総合歩行危険度を出力する(警告サインなし;ステップS39b)。
これに対し、(ステップS36の)測定体重比が体重比の境界値B1以上(Yes)である場合、判定部33は、測定実年齢が実年齢の境界値B2以上(Yes)と判定した場合であっても、実年齢の境界値B2未満(No)と判定した場合であっても、第2歩行危険度を有していないと判定し、操作パネルに歩行危険度が高いことを示唆する表示をしないという形式で、対応総合歩行危険度を出力する(警告サインなし;ステップS39b)。
要は、下肢判定装置が、被験者の測定体重比と測定実年齢を含む入力情報を取得する情報取得工程(ステップ)と、
(記憶部に記憶されている)体重比の境界値を備えた体重比−第1の評価値関係と、実年齢の境界値を備えた実年齢−第2の評価値関係と、に基づき、入力情報に対応する第1、第2の対応評価値を出力する判定工程(ステップ)と、を備えていればよい。
また、本実施形態において、判定部が、対応第1、第2歩行危険度のいずれもが高い場合のみ、警告サインを表示するが、これに限らず、対応第1、第2歩行危険度のいずれか一方の歩行危険度が高い場合であっても、警告サインを表示するようにしてもよい。また、警告サインは、例えば、バツ(×)印、注意や警告、危険等を表す文字(例えば、「注」、「警告」、「危」等)等でもよい。
また、第3実施形態に係る下肢判定装置は、歩行を困難にする危険度を定性的な表現で出力しているが、これに限らず、定量的な表現(例えば、「測定値」と「境界値」間の差分に応じた数値:具体的には、推定下肢年齢、レベル、点数等)で出力してもよいし、定量的な表現と定性的な表現を組み合わせた表現(例えば、推定下肢年齢と、警告サイン(「!」等)の組み合わせ)で出力するようにしてもよい。歩行を困難にする危険性があることを「定性的」且つ「定量的」な表現を用いて表すことにより、被験者は、歩行を困難にする危険性(より具体的には、潜在的な危険性)があることを直接的に認識しつつ、歩行を困難にする危険度の度合いも認識することができる。
生体インピーダンスの検出結果から得られる指標としては、例えば、筋肉率、筋肉量、体脂肪率、体脂肪量、内臓脂肪面積指数、筋肉率、筋肉レベル、基礎代謝量、推定骨量、水分量等がある。また、重心動揺は、筋力ならびに関節構成体である靭帯や半月板等も含めた関節の安定性として、歩行の基本となる静的バランス能力を示すものである。下肢判定装置のみで重心動揺を計測する場合には、例えば、本体部に内蔵されている複数の荷重センサの荷重から被験者の重心位置を計測し、重心動揺を演算してもよい。
下肢判定装置40は、被験者の足裏を配置する基台441の膝受部442の両側面に電極443a〜443dを配置すると共に、被験者の手を配置する操作部460の両端部に電極464a、464bを配置し、生体インピーダンスの検出結果から得られる指標を得ることができる。また、基台441の内部に配置された荷重センサ等が、膝受部442を介して入力される下肢筋力を計測するとともに、(被験者が基台441に乗ることにより)基台441を介して体重を計測することができる。なお、下肢筋力と体重の計測は、(必ずしも同一の荷重センサで計測する必要がなく)別個の荷重センサで計測するようにしてもよい。
なお、「歩行を困難にする危険度を示す指標」とは、上記実施形態において、変形性膝関節症が生じる危険度を示す指標を用いているが、これに限らず、いわゆる運動器不安定症になる危険度を示す指標であり、例えば、骨粗鬆症、神経・筋疾患、腰部脊柱管狭窄症、脊髄障害、関節リウマチ・各種関節炎、長期臥床後の運動器廃用、下肢切断、高頻度転倒等の危険度を示す指標である。
11、21、31 情報取得部
12、22、32 記憶部
13、23、33 判定部
140、440 本体部
141、441 基台
142、442 膝受部
150、450 ケーブル
160、460 操作部
161、461 操作パネル611
162、462 電源ボタン
163、463 スピーカー
Claims (7)
- 被験者の体重あたりの下肢筋力を示す測定体重比を含む入力情報を取得する情報取得部と、
体重比と、歩行を困難にする危険度を示す推定下肢年齢と、を備え、前記体重比と前記推定下肢年齢の関係を示す体重比−推定下肢年齢関係が記憶されている記憶部と、
前記体重比−推定下肢年齢関係に基づき、前記入力情報に対応する対応推定下肢年齢を出力する判定部と、を備える
下肢判定装置。 - 前記体重比−推定下肢年齢関係は、体重比の境界値を備え、
前記判定部は、前記体重比の境界値に基づいて前記入力情報に対応する前記対応推定下肢年齢を出力する
請求項1記載の下肢判定装置。 - 更に、
前記情報取得部が前記入力情報として前記被験者の実年齢を含むと共に、
前記記憶部が、
実年齢と、歩行を困難にする危険度を示す第2の評価値と、を備え、
前記実年齢と前記第2の評価値の関係を示すとともに、実年齢の境界値を備えている実年齢−第2の評価値関係を記憶しており、
前記判定部は、前記実年齢の境界値に基づいて前記入力情報に対応する第2の対応評価値を出力する
請求項2記載の下肢判定装置。 - 被験者の測定下肢体力値を入力情報として取得する情報取得部と、
下肢体力値と、歩行を困難にする危険度を示す推定下肢年齢と、を備え、前記下肢体力値と前記推定下肢年齢との関係を示す下肢体力値−推定下肢年齢関係が記憶されている記憶部と、
前記下肢体力値−推定下肢年齢関係に基づき、被験者の前記測定下肢体力値に対応する対応推定下肢年齢を出力する判定部と、を備え、
前記下肢体力値−推定下肢年齢関係は、少なくとも一部に前記下肢体力値に対応した推定下肢年齢を仮定する補間関数を備える
下肢判定装置。 - 前記補間関数は、少なくとも一部に、
変形性膝関節症群の人数と非変形性膝関節症群の人数とを度数とし、下肢体力値を階級
とした度数分布における所定の下肢体力値を指標下肢体力値として備える
請求項4記載の下肢判定装置。 - 前記補間関数は、前記指標下肢体力値に対応する前記推定下肢年齢の少なくとも一部を、歩行機能が最良の状態を示す最良評価値とする
請求項5記載の下肢判定装置。 - 前記下肢体力値−推定下肢年齢関係は、
前記補間関数を備える第1の区間と、前記補間関数を備えていない第2の区間と、を分ける分岐点を有するとともに、前記指標下肢体力値の少なくとも一部を最大下肢体力値として備え、
前記分岐点と前記最大の下肢体力値に対応する前記最良評価値とを結び、前記補間関数を構成する
請求項6記載の下肢判定装置。
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