JP2015029790A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡体を吸収体に用いていながら、液戻りしにくく、装着感にも優れた吸収性物品の提供。【解決手段】着用者の液排泄部が対向配置される排泄部対向領域Dを有し、前後方向に対応する縦方向X及び横方向Yを有する吸収性物品1であり、吸収体4は、発泡体からなり、排泄部対向領域Dに位置する部位に、吸収体4を貫通し縦方向Xに延びる複数の長孔43が分散した状態に形成され、長孔43の配置は、横方向Yに離間した複数本の長孔からなる長孔列が縦方向Xに複数列形成され、隣り合う長孔列間に間隔を有さず、且つ縦方向に隣り合う長孔列の長孔の位置が横方向Yにずれた配置であり、長孔列を構成する長孔43の合計幅が吸収体の全幅W4の8〜20%、排泄部対向領域Dに存する長孔の総面積が排泄部対向領域Dの全面積の9〜40%、吸収体4の、排泄部対向領域Dにおける厚み方向25%圧縮時の圧縮反発力が70cN/cm2以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
生理用ナプキン等の吸収性物品として、肌対向面を形成する表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート及び両シート間に介在された吸収体を具備し、着用者の前後方向に対応する縦方向とこれに交差する横方向とを有する吸収性物品が汎用されている。
また、吸収性物品において、吸収体としてポリウレタンフォーム等の吸収体を用いることが提案されている。例えば特許文献1には、相互連結された連続気泡からなる親水性、可撓性で非イオン性のポリマーフォーム構造を、上下2層構造の吸収体における下層(下流体貯蔵/分配層)に適用することが記載されている。また、特許文献2には、ポリウレタンフォーム又は高内相エマルションフォームなどの吸収性フォームを吸収体に用いるとともに、吸収体に横方向に延びる細長い孔を設けることが記載されている。
また、発泡体を用いた吸収体ではないが、特許文献3には、吸収体に多数のスリットを形成し、吸収体を横方向に伸長可能とすることが記載されている。
特表平8−504474号公報 特表2008−529721号公報 WO2006/025934A1
本発明者らは、発泡体からなる吸収体を用いた吸収性物品について検討した結果、発泡体からなる吸収体は、従来のパルプ繊維等の繊維集合体からなるものに比して、内部の液拡散性が劣る傾向にあるため、厚み方向に容易に潰れるような柔軟なものとすると液戻りが生じ易くなり、他方、厚み方向に潰れにくいものとすると、吸収性物品の着用時に違和感を生じ易くなることを知見した。
このように、従来の発泡体からなる吸収体は、液戻りのしにくさと違和感のなさとを両立させることが難しく、特許文献2や特許文献3に記載の技術を用いても、液戻りのしにくさと違和感のなさとを両立させることは難しかった。
従って本発明は、発泡体を吸収体に用いていながら、液戻りしにくく、装着感にも優れた吸収性物品に関する。
本発明は、肌対向面を形成する表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート及び両シート間に介在された吸収体を具備し、着用時に着用者の液排泄部が対向配置される排泄部対向領域を有し、着用者の前後方向に対応する縦方向とこれに交差する横方向とを有する吸収性物品であって、前記吸収体は、発泡体からなり、少なくとも前記排泄部対向領域に位置する部位に、前記吸収体を貫通し前記縦方向に延びる複数の長孔が、前記縦方向及び前記横方向の両方向に分散した状態に形成されており、前記長孔の配置は、前記横方向に離間した複数本の長孔からなる長孔列が前記縦方向に複数列形成され、該縦方向に隣り合う長孔列間に間隔を有さず、且つ該縦方向に隣り合う長孔列の長孔の位置が前記横方向にずれた配置であり、前記長孔列を構成する長孔の合計幅が、前記吸収体の全幅の8%以上20%以下であり、前記排泄部対向領域に存する長孔の総面積が、該排泄部対向領域の全面積の9%以上40%以下であり、前記吸収体は、前記排泄部対向領域における厚み方向25%圧縮時の圧縮反発力が70cN/cm2以上である、吸収性物品を提供するものである。
本発明によれば、発泡体を吸収体に用いていながら、液戻りしにくく、装着感にも優れた吸収性物品が提供される。
図1は、本発明の吸収性物品の好ましい一実施形態である生理用ナプキンの肌対向面側(表面シート側)を一部破断して模式的に示す平面図である。 図2は、図1のI−I線断面を模式的に示す断面図である。 図3は、長孔の好ましい配置を示す吸収体の部分拡大平面図である。 図4は、本発明の範囲外の長孔の配置を示す吸収体の部分拡大平面図である。 図5は、長孔の断面形状の模式図である。 図6は、本発明の他の実施形態における吸収体を示す図〔図2相当図〕である。 図7は、長孔の別の形態を示す吸収体の部分拡大平面図である。 図8は、本発明の他の実施形態における長孔の配置を示す吸収体の平面図である。 図9は、比較例の孔の配置パターンの説明図である。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態である生理用ナプキンに基づき図面を参照して説明する。本実施形態のナプキン1は、図1及び図2に示すように、肌対向面を形成する表面シート2、非肌対向面を形成する裏面シート3及び両シート2,3間に介在された吸収体4を具備し、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向領域Dを有する。ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置(当該吸収性物品の正しい着用位置)が維持された状態を意味し、吸収性物品が該着用位置からズレた状態にある場合は含まない。
更に説明すると、ナプキン1は、肌対向面を形成する液透過性の表面シート2、非肌対向面を形成する液不透過性の裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在された液保持性の吸収体4を具備する吸収性本体10を備え、着用者の前後方向に相当する縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有する。ナプキン1(吸収性本体10)は、図1に示す如き平面視において一方向(縦方向X)に長い形状をしており実質的に縦長である。表面シート2及び裏面シート3と吸収体4との間は、それぞれ、所定部位に塗布された接着剤によって接合されている。表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4の周縁から延出し、それらの延出部の端部において、接着剤、ヒートシール等の公知の接合手段により互いに接合されて周縁シール部12を形成している。
尚、本明細書において、肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収性本体10)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。また、縦方向Xは、吸収性物品又はその構成部材の長辺に沿う方向(長手方向)に一致し、横方向Yは、吸収性物品又はその構成部材の幅方向に一致する。
ナプキン1は、縦方向Xに沿う左右両側縁から延出する一対のウイング部11,11を備えている。一対のウイング部11,11は、それぞれ、表面シート2及び裏面シート3の、吸収体4の縦方向Xに沿う左右両側縁からの延出部を含んで構成されている。ナプキン1の非肌対向面を形成する、裏面シート3の非肌対向面3bは、着用時にショーツ等の着衣に向けられる面であり、該非肌対向面3bには、図2に示すように、ナプキン1を着衣に固定するための粘着部8,9が設けられている。粘着部8は、吸収性本体10の非肌対向面に設けられ、粘着部9は、一対のウイング部11,11それぞれの非肌対向面に設けられている。これらの粘着部8,9は、ホットメルト粘着剤等の各種粘着剤を所定箇所に塗布することにより設けられており、ナプキン1の使用前においてはフィルム、不織布、紙等からなる図示しない剥離シートによって被覆されている。
本発明に係る排泄部対向領域は、吸収性物品における着用者の液排泄部(膣口等)に対向する部位(排泄部対向部)を中心とした、縦方向Xの長さ70mm、横方向Yの長さ30mmの平面視矩形形状の領域である。排泄部対向部は、通常、吸収性物品の縦方向Xの中央又は該中央よりもやや前側(着用者の腹側)に偏倚した部位に存する。
本発明に係る排泄部対向領域の位置は、ウイング部、あるいは吸収性物品を折り畳んで個装形態にする際に生じる折曲線によって特定することができる。本実施形態のナプキン1は、ウイング部11を備えており、その排泄部対向領域D(図1中一点鎖線で囲まれた矩形形状の領域)は、縦方向Xにおけるウイング部11の形成領域(ウイング部11の縦方向Xの一方側の付け根と他方側の付け根とに挟まれた領域)に存する。排泄部対向領域Dの中心(対角線の交点)は、ウイング部11の形成領域の中心(対角線の交点)に一致させる。一方、ウイング部を有しない吸収性物品における排泄部対向領域は、吸収性物品が3つ折りされて個装形態とされた際に生じる、該吸収性物品を横方向に横断する互いに平行な2本の折曲線について、該吸収性物品の縦方向の前端(着用者の腹側に位置する縦方向端部)から数えて第1折曲線と第2折曲線とに挟まれた領域に存する。この場合も、ウイング部が存在する場合と同様に、当該領域の中心に排泄部対向領域Dの中心(対角線の交点)を一致させる。
本実施形態における吸収体4は発泡体からなる。吸収体4は、一枚の発泡体シートからなる単層構造であっても良いし、発泡シートが複数枚積層された多層構造であっても良い。
吸収体4を構成する発泡体の構成材料としては、合成高分子からなる多孔体の形成材料として公知のものを特に制限なく用いることができ、例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴム、アクリル酸及びその誘導体、メタクリル酸及びその誘導体、メラミン樹脂等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、発泡体(多孔体)の形成方法としては、例えば、ウレタンフォームのような化学発泡によるフォーム形成の他、炭酸ガスや窒素等の気体吹き込みによる物理発泡、超臨界発泡、抽出法による空隙間生成、高内相エマルジョンフォーム等のエマルジョン形成後重合する方法でのフォーム形成等、各種フォーム形成方法を用いることができる。発泡体(多孔体)としては、特許文献1や2に記載のフォーム材料を用いることもできる。
また、発泡体としては、親水化処理された疎水性材料からなる親水性の発泡体(多孔体)がより好ましく用いられ、親水性でオープンセル構造のフォーム材が更に好ましく用いられる。
図1及び図2に示すように、吸収体4における、少なくとも排泄部対向領域Dに位置する部位(図1に示す如き平面視において排泄部対向領域Dと重なる部位)には、吸収体4を厚み方向に貫通し且つ縦方向Xに延びる複数の長孔43が、縦方向X及び横方向Yの両方向に分散した状態に形成されている。長孔43は、多量の液や、粘性の比較的高い液を吸収体4の内部へと速やかに移動させるのに寄与する。
排泄部対向領域Dにおける長孔43は、下記条件1〜5の総てを満たす特定の配置パターンで形成されている。
(条件1)吸収性物品の横方向Yに離間した複数本の長孔43からなる長孔列R1,R2が、吸収性物品の縦方向Xに複数列形成されている。図3(a)及び図3(b)には、横方向Yに離間した複数本の長孔43からなる第1の長孔列R1と、同様に横方向Yに離間した複数本の長孔43からなり、第1の長孔列R1とは長孔43の横方向Yの位置が異なる第2の長孔列R2とが、縦方向Xに交互に形成されている例を示した。長孔列は、吸収体4の縦方向に、3列以上形成されていることが好ましく、4列以上がより好ましく、5列以上が更に好ましい。また、個々の長孔列に含まれる横方向Xに離間した長孔43の本数は、少なくとも2本以上であり、より好ましくは3本以上、更に好ましくは4本以上である。ここでいう長孔43の本数は、排泄部対向領域D内に存在する本数であり、一つの長孔43一部分が排泄部対向領域D内に存在すれば、その長孔43は1本とカウントする。
(条件2)吸収性物品の縦方向Xに隣り合う長孔列間に間隔Pを有しない。即ち、縦方向Xに隣り合う2つの長孔列R1,R2間には、図4(a)に示すような間隔Pは設けない。隣り合う長孔列間に間隔Pを有しないという表現には、図3(a)に示すように、隣り合う長孔列の長孔の端部の位置が一致している場合と、図3(b)に示すように、隣り合う長孔列が、縦方向Xにおいて一部重複している場合とが含まれる。図3(b)に示すように、2本の長孔列を互いの一部を重複させた状態で縦方向Xに配置する場合、その重複させる長さ(以下「オーバーラップ長さ」ともいう)L1は、長孔列を構成する長孔の同方向Xの長さL2の25%以下であることが好ましく、15%以下であることが更に好ましい。
(条件3)吸収性物品の縦方向Xに隣り合う長孔列のスリットの位置が、吸収性物品の横方向Yにずれている。図3(a)及び図3(b)に示すように、縦方向Xに隣り合う2つの長孔列R1,R2における長孔43は、一方の長孔列R1の長孔43が、他方の長孔列R2の長孔43間の中央部に位置することが好ましいが、一方の長孔列R1の長孔43が、他方の長孔列R2の長孔43間における何れか一方の側に偏倚させて形成されていても良い。図4(b)は、縦方向Xに隣り合う長孔列R1,R2のスリットの位置が、横方向Yにずれていない例を示す図である。
(条件4)長孔列R1,R2を構成する長孔43の合計幅が、吸収体4の幅の8%以上20%以下である。長孔43は、図5(a)に示すように、横方向Yに沿う断面における内面が、吸収体の厚み方向と平行であっても良いし、図5(b)及び図5(c)に示すように、横方向Yに沿う断面における内面が、吸収体の厚み方向と平行でなくても良い。図5(b)又は図5(c)に示すように、長孔43が、上面(表面シート2側の面)と下面(裏面シート3側の面)とで幅が異なる場合、長孔の幅W1は、上面における幅W2と下面における幅W3の平均値とする。
また、本実施形態のナプキン1における吸収体4においては、長孔列R1,R2の一部が、排泄部対向領域Dの縦方向の両側縁それぞれの外方に位置する部分(以下、外方部分という)にも延在している。そのような場合も、長孔列R1,R2を構成する長孔43の合計幅は、排泄部対向領域Dに存する長孔のみの幅W1の合計とする。また、長孔列を構成する長孔43の合計幅と対比する吸収体4の全幅W4は、吸収性物品の縦方向Xにおける、排泄部対向領域Dでの当該長孔列を有する部位における吸収体4の全幅とする。もしも、排泄部対向領域Dで吸収体4の幅が一定でない場合には、最も大きい幅を全幅とする。
長孔列を構成する長孔43の合計幅を吸収体4の幅の8%以上20%以下とすることで、吸収体4に、厚み方向の潰れにくさと横方向Yの加圧に対する柔軟変形性を確保することが容易となり、液戻りしにくく、装着感にも優れた吸収性物品が得られる。厚み方向に潰れにくさと横方向Yの加圧に対する柔軟変形性の向上の観点から、前記長孔43の前記合計幅は、下限値が前記吸収体4の幅の10%以上であることが好ましく、更に11%以上が好ましい。上限値としては19%以下であることが好ましく、更に18%以下であることが好ましい。より具体的には、10%以上19%以下が好ましく、更には11%以上18%以下であることが好ましい。
(条件5)排泄部対向領域Dに存する長孔43の総面積が、排泄部対向領域Dの全面積の9%以上40%以下である。長孔43の総面積を算出する元となる個々の長孔の面積は、平面視した吸収体4における上面(表面シート2側の面)に開口する開口部の面積であるが、長孔43の幅や長さが異なることによって、長孔の開口部の面積が、吸収体4の上面の開口部の下面の開口部とで異なることもある。その場合における長孔の総面積は、上面の開口部の総面積と下面の開口部の総面積の平均値とする。
排泄部対向領域Dに存する長孔43の総面積を、排泄部対向領域Dの全面積の9%以上40%以下とすることで、吸収体4に、厚み方向の潰れにくさと横方向Yの加圧に対する柔軟変形性を確保することが可能となり、液戻りしにくく、装着感にも優れた吸収性物品が得られる。厚み方向の潰れにくさと横方向Yの加圧に対する柔軟変形性の向上の観点から、長孔43の前記総面積は排泄部対向領域Dの全面積の10%以上35%以下であることがより好ましく、12%以上30%以下であることが更に好ましい。
また、本実施形態の生理用ナプキン1における吸収体4は、前述した特定の配置パターンで長孔が形成されていることに加えて、その長孔が形成されている排泄部対向領域Dにおける厚み方向の圧縮反発力が高い点にも特長がある。即ち、本実施形態における吸収体4は、排泄部対向領域Dにおける厚み方向25%圧縮時の圧縮反発力が、70cN/cm2以上である。
<厚み方向25%圧縮時の圧縮反発力の測定方法>
吸収性物品から、発泡体からなる吸収体4を取り出し、その吸収体から、その排泄部対向領域Dに位置していた部分を、縦70mm、横30mmの長方形状に切り出して、測定用のサンプルとする。
オリエンテック(株)製のテンシロンRTA−100を圧縮モードで用い、圧縮ヘッド(直径100mm)が水平になるよう0位(厚み0mm点)合わせを行ったのち高さ20mmまで戻し、圧縮ヘッドの中央に、圧縮ヘッドからはみださない様にサンプルを配置し、該サンプルを、圧縮速度10mm/分で厚み方向に圧縮した。圧縮カーブ(荷重と厚みの関係曲線)より以下の様に圧縮反発力を読み取った。
1)初期厚み:圧縮カーブの圧縮反発力10.5g時(0.5cN/cm2)の厚みを初期厚みt0とする。
2)圧縮反発力:サンプルの厚みが初期厚みt0に対して75%の厚み(t0×0.75)となった時点(厚み方向25%圧縮時)の圧縮反発力(荷重)を1cm2当たりの荷重に換算して、厚み方向25%圧縮時の圧縮反発力とした。
吸収体4の排泄部対向領域Dに位置する部分の、厚み方向25%圧縮時の圧縮反発力が70cN/cm2以上であると、ナプキン1の着用中に体圧などにより吸収体4が加圧されても、長孔43が形成された発泡体が潰れにくく、長孔43内に取り込まれていた液が、表面シート2中や表面シート2上に逆戻りしにくい。そのため、ナプキン1は、液戻り防止性に優れたものとなる。また、吸収体4の厚み方向25%圧縮時の圧縮反発力が70cN/cm2以上であると、吸収体が柔軟すぎる場合に生じやすい吸収体4のヨレも生じにくい。ここでいう、ヨレとは、ナプキン使用中の製品幅が、幅方向に上記潰れ(ヘタリ)が発生することにより幅狭化することを意味し、そのようなヨレが生じると、吸収面が狭まることによって低吸収量で漏れが発生しやすくなる他、ナプキンが体に沿わなくなって違和感を生じやすい。
液戻り防止性の向上の観点から、吸収体4は、少なくとも排泄部対向領域Dにおける、厚み方向25%圧縮時の圧縮反発力が、70cN/cm2以上であり、より好ましくは75cN/cm2以上、更に好ましくは80cN/cm2以上である。他方、吸収体4の吸収体の圧縮反発力が高すぎると、吸収体が硬く、潰れにくく、体の形通りに変形しない結果、違和感を生じるため、吸収体4の厚み方向25%圧縮時の圧縮反発力は、好ましくは250cN/cm2以下、更に好ましくは200cN/cm2以下である。
このように、本実施形態の生理用ナプキン1は、吸収体4に、長孔43が、上述した特定の態様で形成されており、且つ吸収体が厚み方向の圧縮に対して高い圧縮反発力を有するため、本実施形態の生理用ナプキン1においては、長孔43内に取り込まれた液が、表面シート2中や表面シート2上に逆戻りしにくく、べたつきにくい上に、大腿部により加わる横方向の圧力に対して柔軟に変形するため、着用時に違和感を生じにくい。
本発明の吸収性物品は、横方向3回圧縮時のバルクソフトネスが、好ましくは300cN以下、更に好ましくは260cN以下である。本発明において、吸収体に用いる合成高分子の発泡体、特にウレタンフォーム、ポリオレフィンフォーム等の三次元骨格を有する弾性ポリマーからなる発泡体の場合は、横方向Yの圧縮に対しても高い弾性回復力を示し、圧縮を繰り返してもバルクソフトネスがあまり低下しない傾向がある。従来のパルプ繊維等の繊維の集合体を主な構成部材とする吸収体を用いた吸収性物品は、ショーツに固定して装着した直後に硬さや違和感を感じても、大腿部により何度か圧縮されるうちに、硬さや違和感は大幅に低下する。したがって、圧縮を繰り返してもバルクソフトネスが低下しにくいということは、装着後に時間が経過しても硬さや違和感が継続して、装着感を大きく悪化させることにもなる。これに対して、本発明の吸収性物品においては、長孔43を、前述のような特定の配置で形成すること等によって、吸収体4の厚み方向の圧縮反発力を高く維持しつつ、物品を横方向に圧縮したときのバルクソフトネスや、横方向に繰り返し圧縮した後のバルクソフトネスを効果的に低下させることができる。それによって、液戻りを抑制しつつ、装着感の一層の向上を図ることができる。なお、仮に特許文献3のように、幅が実質的にゼロであるスリットを形成したり、特許文献2のように、横方向に延びる細長い孔を形成しても、発泡体からなる吸収体のバルクソフトネスを大きく低下させることは難しい。
なお、横方向3回圧縮時のバルクソフトネスは、使用に伴うナプキンのヨレ(吸収体が脆弱化して幅方向に潰れる)防止の観点から、60cN以上が好ましく、より好ましくは90cN以上である。
<横方向圧縮時の吸収性物品のバルクソフトネスの測定方法>
吸収性物品を平面状に拡げて、排泄部対向領域Dの中心を中心とする、縦方向Xの長さが170mm、横方向Yの長さが70mmの長方形状の吸収性物品のサンプルを切り出した。吸収性物品の大きさの限界から上記の寸法の吸収性物品のサンプルが取れない場合には、取れる範囲で前記の大きさに最も近い矩形状に切り出す。
そして、切り出したサンプルを、肌当接面側を外側にして円筒にした。サンプルは、長手方向の端部どうしを、一方の肌対向面に他方の非肌対向面とを、重なる幅が10mmとなるように重ね、その重ねた部分の上端、中央、下端の3箇所をステープルで留めて円筒状の測定サンプル(以下、「円筒」という。)とした。ステープルの針は、円筒の周方向に延びるように使用した。また、針を留めた位置は、円筒の軸方向の両端それぞれから10mmの位置と、円筒の軸方向の両端間の中央位置の合計3箇所とした。
オリエンテック(株)製のテンシロンRTA−100を圧縮モードで用い、圧縮ヘッドが水平になるよう0位(厚み0mm点)合わせを行った後、高さ80mmまで戻す。その後、圧縮ヘッドの中央に測定サンプルを配置し、該測定サンプルを、圧縮速度10mm/分で、円筒の軸方向に加圧する。そして、円筒が座屈して圧縮応力が低下する(座屈する)まで圧縮し、そのときの最大荷重を横方向初回圧縮時のバルクソフトネスとした。
この1回目の圧縮後、圧縮ヘッドを再び、測定サンプルから離れるまで(高さ80mmまで)戻した後、1回目と同一の条件で2回目の圧縮を行った。更に、2回目の圧縮後に2回目の圧縮と同一の条件で3回目の圧縮を行った。3回目の圧縮においても、筒状の測定サンプルを、圧縮速度10mm/分で、円筒の軸方向に円筒が座屈して圧縮応力が低下する(降伏する)まで圧縮し、そのときの最大荷重を、横方向3回圧縮時のバルクソフトネスとした。なお、1回目の圧縮後及び2回目の圧縮後のいずれにおいても、座屈した測定サンプルの形状を元の形状に復元する操作は行わなかった。
本発明の吸収性物品は、上述のようにして測定した「横方向初回圧縮時のバルクソフトネス」が、装着直後にも硬さや違和感を感じさせないようにする観点から、好ましくは 300cN以下、より好ましくは260cN以下であり、また、吸収体脆弱化によるヨレ防止の観点から、好ましくは60cN以上、より好ましくは90cN以上である。
本発明において吸収体に形成する長孔43は、前述したように、それぞれの長手方向に交差する断面、換言すれば、横方向Yに沿う断面における内壁面が、図5(b)及び図5(c)に示すように、吸収体4の厚み方向と平行でなくてもよく、該内壁面が、吸収体4の厚み方向と平行でないことが、液戻り防止性や装着感の向上の観点から好ましい。より好ましいのは、図5(c)に示す断面台形状の長孔43のように、表面シート2側に向けられる面である上面における幅W2が、裏面シート3側に向けられる面である下面における幅W3よりも広い形態の長孔である。断面台形状の長孔43においては、上面における幅W2が、下面における幅W3の、好ましくは1.2倍以上、更に好ましくは1.5倍以上であり、また好ましくは3倍以下、更に好ましくは2.5倍以下であり、より具体的には、好ましくは1.2〜3倍、更に好ましくは1.5〜2.5倍である。
この場合、吸収体が特定の形状(下に凸の形状)に繰り返し曲がり易く、使用中に座屈やヨレが生じにくいことに加え、長孔の断面が斜めに露出することによって、液を孔の壁面で受け止めやすく、素早く吸液できる利点がある。
他方、図5(b)に示す断面台形状の長孔43のように、表面シート2側に向けられる面である上面における幅W2が、裏面シート3側に向けられる面である下面における幅W3より狭い形状の長孔43においては、下面における幅W3が上面における幅W2の、好ましくは1.2倍以上、更に好ましくは1.5倍以上であり、また好ましくは3倍以下、更に好ましくは2.5倍以下であり、より具体的には、好ましくは1.2〜3倍、更に好ましくは1.5〜2.5倍である。この場合、図5(c)の様な、素早く吸液できる利点はないものの、吸収体が体に沿う形状(上に凸の形状)に繰り返し曲がり易く、使用中に座屈やヨレが生じにくく、特にフィットし易い利点がある。
また、長孔43の幅W1(上面の幅と下面の幅が異なる場合はそれらの平均値)は、好ましくは1mm以上、更に好ましくは1.5mm以上であり、また好ましくは4mm以下、更に好ましくは3mm以下であり、より具体的には、好ましくは1〜4mm、更に好ましくは1.5〜3mmである。
また、長孔列R1,R2における長孔43間のピッチ(中心間距離)L5は、好ましくは7mm以上、更に好ましくは10mm以上であり、また好ましくは25mm以下、更に好ましくは20mm以下であり、より具体的には、好ましくは7〜25mm、更に好ましくは10〜20mmである。
また、本発明の吸収性物品における吸収体は、図1に示す吸収体4のように、排泄部対向領域Dの縦方向の両側縁それぞれの外方に位置する部分(外方部分)にも、長孔列の一部が延出して長孔43が形成されていることが好ましい。また、外方部分に長孔43を有する場合及び外方部分に長孔43を有しない場合のいずれの場合においても、長孔43が横方向Yに分布している範囲の幅W5(図1参照)は、吸収体4の横方向Yの長さW4の、好ましくは60%以上であり、更に好ましくは70%以上である。幅方向の変形性と厚み方向の潰れ防止の両立の観点からは、開孔幅W5は吸収体幅全域に及ぶのが好ましい形態であるが、太股と擦れる両側部は特別な強さを有してもよく、この観点からは幅W5は好ましくは90%以下、更に好ましくは80%以下であり、より具体的には、好ましくは60〜90%、更に好ましくは70〜80%である。
本発明の吸収性物品における吸収体は、図1に示す吸収体4のように、排泄部対向領域Dの縦方向Xの前後端それぞれの外方にも、長孔43が分布していることが好ましい。吸収体4の縦方向Xにおいて、長孔43が分布する範囲は、排泄部対向領域Dの縦方向X部分の70mmを含めて、100mm以上であることが好ましく、130mm以上であることが更に好ましい。上限値としては特に制限はないが、吸収体の大きさを考慮して、排泄部対向領域Dの縦方向X部分の70mmを含めて、250mm以下が好ましく、220mm以下であることが更に好ましい。
吸収体4を貫通する長孔43の形成方法としては、貫通孔が形成されていない吸収体に、熱ピンを貫通させて開孔加工する方法、非加熱の圧縮状態で吸収体4の一部をトリムとして除去して開孔する方法、更には非加熱で斜め圧縮など変形を加えた圧縮状態で吸収体4の一部をトリムとして除去して変形開孔する方法等が挙げられる。
また、本発明の吸収性物品は、吸収体4が、図6に示すように、上層5及び下層6の積層構造を有することも好ましい。この場合の吸収体4も、吸収体4に形成される長孔43は、吸収体4の上下面間を貫通する貫通孔とする。
また、二層以上の積層構造の吸収体4においては、裏面シート3に最も近い下層6は、表面シート2に最も近い上層5に比して、JIS P8141に準じて測定されたクレム吸水高さが高いことが好ましい。吸収体4に斯かる毛管力勾配が付与されていることにより、長孔43の作用と相俟って、表面シート2を透過して上層5に移行した経血等の体液は、相対的に毛管力の小さい上層5では、面方向(厚み方向と直交する方向)にあまり拡散されず且つ上層5にあまり残留せずに下層6に移行し、相対的に毛管力の大きい下層6でしっかり保持されるようになる。このような吸収体4の液吸収特性は、ナプキン1の肌対向面(表面シート2の肌対向面)のドライ感の向上に有効である。
上層5のクレム吸水高さは、好ましくは10mm以上、更に好ましくは15mm以上、そして、好ましくは50mm以下、更に好ましくは40mm以下、より具体的には、好ましくは10mm以上50mm以下、更に好ましくは15mm以上40mm以下である。
下層6のクレム吸水高さは、好ましくは30mm以上、更に好ましくは45mm以上である。一方、下層6のクレム吸水高さの上限値について制限はないが、120mm以下が好ましい。下層6と上層5とのクレム吸水高さの比(下層6のクレム吸水高さ/上層5のクレム吸水高さ)は、好ましくは1.7以上、更に好ましくは2以上、最も好ましくは2.2以上である。
吸収体の積層構造を構成する各層(上層5、下層6)のクレム吸水高さは、以下の方法で測定される。
<クレム吸水高さの測定方法>
吸収体の積層構造から測定対象の層を、該層の厚みを変えないよう注意して取り出してサンプルとし、JIS P8141の試験方法に準じてクレム吸水高さを測定する。具体的には、サンプルを幅10mm、長さ150mm以上にカットする。カットに際しては、押し切りカッターなど、サンプルを押しつぶす可能性のある切断方法は、結果に影響を及ぼす可能性が高く、好ましくない。そのため、カットに際しては、ナイフ、カッター、剃刀等を用いてサンプルの切断面が潰れないようにカットする。尚、吸収体に形成されている貫通孔の影響を避けるため、貫通孔の無い部分でサンプリングを行うことが好ましく、やむを得ず貫通孔部分で測定を行う場合は、測定結果にその旨付記する。また、製品長、貫通孔の影響で吸収体の積層構造から十分な長さのサンプルが切り出せない場合も、可能なサンプル長さで測定を行い、測定結果にその旨付記する。次に、JIS P8141に規定する冶具にカット後のサンプルをセットし、試験液として、青色1号(染料)の濃度が0.02質量%の生理食塩水を用いて、10分後のクレム吸水高さを測定する。以上の測定を5回行い、その平均値をクレム吸水高さとする。尚、測定環境は、JIS P8141に従い20℃、65%RHであるが、20±1℃、65±3%RHの範囲で測定を行うことができる。また、測定用サンプル、治具及び試験液は、一昼夜同環境下に保管した後に測定に用いる。
下層6のクレム吸水高さを上層5のそれよりも高くする(下層6の毛管力を上層5のそれよりも大きくする)方法としては、下層6が有する多数の空間部〔多孔体におけるセル(泡)〕の空間容量を上層5のそれよりも小さくする方法(以下、クレム吸水高さ調整法Aともいう)、及び、下層6の親水性を上層5のそれよりも高くする方法(以下、クレム吸水高さ調整法Bともいう)が挙げられる。
前記クレム吸水高さ調整法Aに関し、吸収体4の下層6を構成する多孔体におけるセルのセル径を上層5のそれよりも小さくする。斯かるセル径の調整は、上層5と下層6とで多孔体製造時の発泡倍率を異ならせることで実施可能である。
共に発泡体(多孔体)からなる上層5と下層6との該多孔体におけるセルのセル径比(上層5におけるセルのセル径/下層6におけるセルのセル径)は、好ましくは1.7以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは10以下、更に好ましくは8以下、より具体的には、好ましくは1.7以上10以下、更に好ましくは2以上8以下である。
上層5(多孔体)におけるセルのセル径は、好ましくは35μm以上、更に好ましくは40μm以上、そして、好ましくは120μm以下、更に好ましくは100μm以下、より具体的には、好ましくは35μm以上120μm以下、更に好ましくは40μm以上100μm以下である。
下層6(多孔体)におけるセルのセル径は、好ましくは10μm以上、更に好ましくは17μm以上、そして、好ましくは40μm以下、更に好ましくは30μm以下、より具体的には、好ましくは10μm以上40μm以下、更に好ましくは17μm以上30μm以下である。
多孔体(上層5、下層6)におけるセルのセル径は、電子顕微鏡もしくはマイクロスコープ等の、実寸表示可能で好ましくは印刷可能な拡大観察システムを用いて常法に従って測定することができる。具体的には、測定対象の多孔体を、厚み方向に圧縮しないよう、カミソリ等を用いて試料台に乗る大きさにカットし、無加圧状態で前記の如くモニターに拡大表示する。測定倍率はフォーム材のセルの大きさを見て任意に選択可能であり、通常100〜500倍程度で行う。そして、セルが円形状の場合はその円形状のセルの直径を、楕円形状の場合はその楕円形状のセルの短軸径を、それぞれセル径とし、多孔体における任意の20個のセルのセル径の平均値を、当該多孔体におけるセルのセル径とする。
前記クレム吸水高さ調整法Bは、例えば、下層6における、疎水性材料の親水化処理に用いる親水化剤の含有量を、上層5のそれよりも多くすることにより実施できる。より具体的には、疎水性材料からなる疎水性の積層構造を形成し、該積層構造における、ナプキン1に組み込まれた場合に下層6(裏面シート3に最も近い層)となる側から、親水化剤をキスコート、グラビアコート等の公知の塗布方式により塗布し、乾燥する。前記積層構造における、ナプキン1に組み込まれた場合に上層5(表面シート2に最も近い層)となる側からは、親水化剤は塗布しない。斯かる親水化剤の塗布方法により、下層6は上層5よりも親水化剤の含有量が多くなり、結果として、下層6の親水性が上層5のそれよりも高くなる。
ナプキン1の吸収体4以外の形成材料について説明すると、表面シート2としては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができ、例えば、表面シート2としては、親水化処理が施された各種不織布や開孔フィルム等の液透過性のシートを用いることができる。また、裏面シート3としては、樹脂フィルムや撥水性を有する不織布の積層体などを用いることができる。樹脂フィルムは、透湿性を有するものでも透湿性を有しないものであっても良い。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、上述した実施形態における長孔43は、平面視形状が、吸収性物品の縦方向Xに長い長方形状であったが、図7に示す長孔43Aのように、縦方向Xの中央部から前後端のぞれぞれに向かって幅が漸減する形状であっても良い。その場合の長孔43Aの幅は、幅が最大となる中央部の幅とする。
また、吸収性物品は、合成高分子からなる発泡体製の吸収体4の一部に、従来のパルプ繊維等の繊維集合体からなる第2の吸収体が積層されたものであっても良い。
前述した本発明の実施態様に関し、更に以下の付記(吸収性物品)を開示する。
<1> 肌対向面を形成する表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート及び両シート間に介在された吸収体を具備し、着用時に着用者の液排泄部が対向配置される排泄部対向領域を有し、着用者の前後方向に対応する縦方向とこれに交差する横方向とを有する吸収性物品であって、
前記吸収体は、合成高分子の発泡体からなり、少なくとも前記排泄部対向領域に位置する部位に、前記吸収体を貫通し前記縦方向に延びる複数の長孔が、前記縦方向及び前記横方向の両方向に分散した状態に形成されており、
前記長孔の配置は、前記横方向に離間した複数本の長孔からなる長孔列が前記縦方向に複数列形成され、該縦方向に隣り合う長孔列間に間隔を有さず、且つ該縦方向に隣り合う長孔列の長孔の位置が前記横方向にずれた配置であり、
前記長孔列を構成する長孔の合計幅が、前記吸収体の全幅の8〜20%であり、
前記排泄部対向領域に存する長孔の総面積が、該排泄部対向領域の全面積の9〜40%であり、
前記吸収体は、前記排泄部対向領域における厚み方向25%圧縮時の圧縮反発力が70cN/cm2以上である、吸収性物品。
<2> 横方向3回圧縮時の吸収性物品のバルクソフトネスが、300cN以下である、前記<1>記載の吸収性物品。
<3> 前記長孔は、前記吸収体の上面と下面とで幅が異なる前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4> 前記長孔は、表面シート側に向けられる面である上面における幅が裏面シート側に向けられる面である下面における幅よりも広く、該上面における幅が該下面における幅の1.2倍以上3倍以下である、前記<3>記載の吸収性物品。
<5> 前記長孔は、表面シート側に向けられる面である上面における幅が、裏面シート側に向けられる面である下面における幅よりも狭く、該下面における幅が該上面における幅の1.2倍以上3倍以下である、前記<3>記載の吸収性物品。
<6> 前記排泄部対向領域の縦方向の両側縁それぞれの外方に位置する部分を含めて、前記長孔が横方向に分布している範囲が、前記吸収体の横方向の長さの60%以上である、前記<1>〜<5>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<7> 隣り合う長孔列の長孔の端部の位置が一致している前記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の吸収性物品。
<8> 隣り合う長孔列が、縦方向において一部重複している前記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の吸収性物品。
<9> 前記隣り合う長孔列の重複長さが、長孔列を構成する長孔の同方向の長さの25%以下である前記<8>に記載の吸収性物品。
<10> 前記排泄部対向領域における厚み方向25%圧縮時の圧縮反発力が、75cN/cm2以上250cN/cm2以下である、前記<1>〜<9>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<11> 前記吸収体が三次元骨格を有する弾性ポリマーからなる発泡体からなる、前記<1>〜<10>のいずれか1つに記載の吸収性物品
<12> 前記発泡体が、ウレタンフォーム又はポリオレフィンフォームである、前記<11>記載の吸収性物品。
<13> 横方向初回圧縮時の前記バルクソフトネスが、60cN以上300cN以下である、前記<1>〜<12>のいずれか1つに記載の吸収性物品。
<14> 前記長孔の幅は、1mm以上4mm以下である、前記<1>〜<13>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<15> 各長孔列における長孔間の中心間距離は、7mm以上25mm以下である、前記<1>〜<14>のいずれか1つに記載の吸収性物品。
<16> 排泄部対向領域の縦方向の両側縁それぞれの外方に位置する部分にも長孔列の一部が延出して長孔が形成されている、前記<1>〜<15>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<17> 長孔が横方向Yに分布している範囲の幅は、吸収体4の横方向Yの長さの60%以上90%以下である、前記<1>〜<16>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<18> 排泄部対向領域の縦方向の前後端それぞれの外方に、長孔が分布している前記<1>〜<17>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<19>
吸収体の縦方向Xにおいて、長孔が分布する範囲は、排泄部対向領域の縦方向部分を含めて100mm以上である、前記<18>記載の吸収性物品。
<20> 前記吸収体が、2層以上の積層構造である、前記<1>〜<19>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<21> 前記2層以上の積層構造の吸収体において、裏面シートに最も近い下層は、表面シートに最も近い上層に比して、JIS P8141に準じて測定されたクレム吸水高さが高い、前記<20>記載の吸収性物品。
<22> 前記吸収体の上層と下層はともに多孔体であって、下層におけるセルのセル径が、上層のセル径よりも小さい、前記<21>記載の吸収性物品。
<23> 前記上層と前記下層との前記セル径の比(上層におけるセルのセル径/下層におけるセルのセル径)は、1.7以上10以下である、前記<22>記載の吸収性物品。
<24> 前記上層におけるセルのセル径は、35μm以上120μm以下である、前記<22>又は<23>記載の吸収性物品。
<25> 前記下層におけるセルのセル径は、10μm以上40μm以下である、前記<22>〜<24>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<26> 前記吸収性物品が生理用ナプキンである、前記<1>〜<25>の何れか1つに記載の吸収性物品。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定さ
れるものではない。
(吸収シート1の作成)
株式会社イノアックコーポレーション社製の抽出法オレフィンフォーム「MAPS」(厚さ2mm、坪量100g/m2)をベースシートに用い、以下の方法により、吸収体4の上層5となるシートA及び吸収体4の下層6となるシートBを調製した。
シートA:上記ベースシートに、花王(株)製の親水化剤「マイドール10」を実質付着量が0.5重量%となるように塗工し、乾燥してシートAを得た。得られたシートのクレム吸水高さは38mmであった。
シートB:シートAと同様にして作成したシートを、厚さ1mmのステンレス製スペーサーと共に、120℃、30kgのホットプレスで30秒間均一に圧縮して、厚さ1mmのシートBを得た。得られたシートのクレム吸水高さは105mmであった。上下層のクレム吸水高さの比は2.8であった。
得られた2枚のシートA及びBを、ホットメルト接着剤をスパイラルスプレー塗工(10g/m2)し、貼り合わせて吸収シート1を得た。SEM拡大観察による細孔平均径は、シートAからなる上層が35μm、シートBからなる下層が18μmであった(拡大画面上細孔20点平均値)。
(吸収シート2の作成)
シートAの作成に用いたベースシートに代えて、株式会社イノアックコーポレーション社製のウレタンフォーム「MF−80A」(厚さ1mm、坪量60g/m2)を用い、該シートに、シートAと同様の親水化剤処理を施してシートCを得た。得られたシートのクレム吸水高さは20mmであった。
シートDとして、シートCに用いた「MF-80A」(厚さ2mm、坪量120g/m2)を用い、該シートに、シートAと同様の親水化剤処理を施したのち、シートB同様に厚さ1mmまでホットプレス圧縮してシートDを得た。得られたシートのクレム吸水高さは65mmであった。上下層のクレム吸水高さの比は3.3であった。
シートAに代えてシートCを用い、シートBに代えてシートDを用いる以外は、吸収シート1と同様にして、吸収シート2を得た。SEM拡大観察による細孔平均径は、シートCからなる上層が150μm、シートDからなる下層が80μmであった(拡大画面上細孔20点平均値)。
〔実施例1〕
(吸収体の製造)
幅70mm、長さ190mmの長方形状にカットした吸収シート1に、先細り形状の矩形断面を有する150℃に加熱された加熱ピン(長さ30mm、先端部幅0mm、基端部幅5mm)を、下層を構成させるシートB側から貫通させ、多数の長孔が、図1及び図3(b)に示す配置パターンで形成された吸収体を得た。但し、長孔列を構成する長孔の本数は4本、長孔列の長孔のピッチW5は12mm、長孔列のオーバーラップ長さL1は10mmとした。形成された長孔は、長さが30mmであり、また、図5(b)に示すように断面台形状の貫通孔で、上面の幅W2が1mm、下面の幅W3が3mm、平均幅(=長孔の幅)W1が2mmであった。また、長孔分布範囲(長孔が横方向に分布している範囲)の幅W5は53mmであった。
(生理用ナプキンの製造)
表面材及び防漏材に夫々坪量5g/m2のホットメルト接着剤を全面スパイラルスプレー塗工し、上記のようにして製造した吸収体を、その表面材と防漏材との間に挿入し、図1に示すように全周をシールしカットして、縦方向の全長220mm、本体10の幅80mm、ウイング部を含めた全幅145mmの生理用ナプキンを得た。
表面シート形成する表面材及び裏面シートを形成する防漏材には、それぞれ下記のものを用いた。
表面材:繊維径2.2dtexの親水化した芯部ポリエチレンテレフタレート(PET)、鞘部がポリエチレン(PE)からなる芯鞘型複合繊維を用いてカード法により繊維ウエブを得、それをエアスルー方式の熱風処理により繊維の交点を結合させて得られた坪量25g/m2のエアスルー不織布を用いた。
防漏材:ポリエチレン樹脂(PE)に50重量%の炭酸カルシウムを無機フィラーとして溶融混練し、押し出し成膜後延伸し、坪量40g/m2、透湿量2.1g/(100cm2・hr)の多数の微細孔を有する単層の透湿フィルムを得、これを防漏材として用いた。
〔実施例2〕
吸収シートに形成する長孔の配置パターンを、図3(a)に示すように、縦方向に隣り合う長孔列の端部の縦方向の位置が一致するパターンに変更した以外は、実施例1と同様にして、吸収体及び生理用ナプキンを得た。
〔実施例3〕
幅70mm、長さ190mmの長方形状にカットした吸収シート1を、型紙とかみそりの刃を用いて該シートの面に対して垂直にカットし、実施例1と同様の配置パターンで長孔が形成された吸収体を得た。形成された長孔は、上面の幅W2及び下面の幅W3がいずれも2mmで平均幅W1も2mmであった。その吸収体を用いる以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。
〔実施例4〕
形成する長孔の幅を3mmに代えた以外は、実施例3と同様にして、生理用ナプキンを得た。
〔実施例5〕
実施例1と同様の配置パターンで長孔を形成するが、図8に示すように、長孔列を構成する長孔の個数を3本、吸収性物品の縦方向に形成する長孔列の列数を5列として、長孔の分散する範囲の横方向の長さを44mm、縦方向の長さを110mmと狭くした以外は、実施例1と同様にして吸収体及び生理用ナプキンを得た。
〔実施例6〕
幅70mm、長さ190mmの長方形状にカットした吸収シート1に、加熱ピンを、上層を構成させるシートA側から貫通させた以外は、実施例1と同様にして吸収体及び生理用ナプキンを得た。得られた吸収体に形成された長孔は、図5(c)に示すように逆断面台形状の長孔で、上面の幅W2が3mm、下面の幅W3が1mm、平均幅(=長孔の幅)W1が2mmであった。
〔比較例1〕
形成する長孔の幅W1を4mmとする以外は、実施例3と同様にして吸収体及び生理用ナプキンを得た。この生理用ナプキンは、排泄部対向領域に存する長孔の合計幅(総幅)の、吸収体の全幅W5に対する比(割合)が22.9%である。
〔比較例2〕
幅70mm、長さ190mmの長方形状にカットした吸収シート1に形成する長孔の配置パターンを、図4(a)に示すように長孔列どうし間に間隔Pを有するパターンとした以外は、実施例1と同様にして吸収体及び生理用ナプキンを得た。長孔列を構成する長孔の本数は4本、各長孔列における長孔のピッチW5は12mm、縦方向に隣り合う長孔列のオーバーラップ長さL1は−5mm(長孔列間の間隔Pは5mm)とした。比較例2で製造した吸収体は、縦方向に隣り合う長孔列どうし間に、長孔以外の部分が、横方向Yに連続して延びる非孔領域が形成されている。
〔比較例3〕
幅70mm、長さ190mmの長方形状にカットした吸収シート1に、型紙とかみそりの刃を用いて、実施例1における長孔を形成した位置のそれぞれに、幅を有しない長さ30mmのスリットを形成した。ナプキンの横方向Yにおけるスリットの間隔は12mm、縦方向に隣り合うスリット列のオーバーラップ長さL1は10mmとした。この吸収体を用いる以外は、実施例1と同様にして、生理用ナプキンを得た。
〔比較例4〕
幅70mm、長さ190mmの長方形状にカットした吸収シート1に、図9(a)に示すパターンで、直径2mmの丸孔を計40個形成した。丸孔は、吸収体深さ方向に同径となっており、円柱形状をなしている。丸孔の配置パターンは、横方向Yに並ぶ4個の丸孔からなる丸孔列が縦方向に10列形成され、縦方向における丸孔列どうし間に間隔を8mm設けるパターンであった。
〔比較例5〕
幅70mm、長さ190mmの長方形状にカットした吸収シート1に、吸収性物品の横方向Yの長さが20mm縦方向の長さが2mmの横長孔45を形成した。横長孔は、吸収体深さ方向に同形となっている。横長孔45の配置パターンは、横方向Yに並んだ2本の横孔45からなる横孔列が、縦方向Xに6列形成されるとともに、縦方向Xに隣り合う横孔列間に10mmの間隔Pを有するパターンであった。横孔45の分散する範囲は、横方向の長さが44mm、縦方向の長さが110mmであった。
〔比較例6〕
吸収シート1に代えて吸収シート2を用いた以外は、比較例2と同様にして、吸収体及び生理用ナプキンを得た。
実施例及び比較例の吸収体について、排泄部対向領域Dに存する長孔43(比較例4,5は丸孔44又は横長孔45)の総面積の、排泄部対向領域Dの全面積に対する割合(%)を、表1の「開孔率」の「排泄部対向領域D中」の欄に示し、吸収体に存する長孔43(比較例4,5は丸孔44又は横長孔45)の総面積の、吸収体の全面積に対する割合(%)を、表1の「開孔率」中の「吸収体全体中」の欄に示した。また、実施例及び比較例の吸収体について、排泄部対向領域における厚み方向25%圧縮時の圧縮反発力を、前述した方法により測定し、また、実施例及び比較例の生理用ナプキンについて、横方向初回圧縮時及び横方向3回繰り返し圧縮時のバルクソフトネスを、前述した方法により測定した。それらの結果も表1に示した。
Figure 2015029790
〔評価〕
実施例及び比較例の生理用ナプキンについて、液吸収時間、液戻り量、製品ヨレ率を、それぞれ、下記方法により測定した。それらの結果を表1に示す。
<液吸収時間>
実施例及び比較例の各サンプルを広げて実験台に置き、該サンプルの上に、筒内径22mmφ、筒高さ50mmのアクリル製円筒部が10mmφの注液用開口部上に位置するよう一体成形されたアクリル製注液プレートを、その注液孔が該サンプルの肌対向面(表面シート側)における排泄部対向領域の中央に位置するように重ねて置き、適当な重り板
乗せて(注液プレート自身を含む)荷重が5g/m2となるよう調整する。日本バイオテスト(株)製馬脱繊維血を予め室温(23℃)で馴化させておき、10ccの注液ビーカーに6g測り取る。この血液を前記注液プレートの筒内に一気に注ぎ込み、注ぎ終わった瞬間から、筒内の血液が無くなってサンプルの表面シートが露出するまでの時間(秒)を計測する。各サンプルについて3回計測を行い、その平均値を当該サンプルの液吸収時間とする。液吸収時間が短いほど、液吸収速度が速いと判断され、高評価となる。
<液戻り量>
前記液吸収時間の測定後に、サンプルを加圧状態のまま3分間放置した後、注液プレートを重りごと取り除き、サンプルの液吸収部(前記液吸収時間の測定において液が注ぎ込まれた部分)に予め秤量済みの吸収紙(長さ170mm、幅70mm、坪量30g/cm2)を10枚重ねたものを、サンプルの表面に重ね、そのサンプルを、素早くショーツのクロッチ部に取り付けて動的歩行モデルに装着し、1分間歩行させる。歩行後モデルの動きを停止し、吸収紙を取り出して秤量し、該吸収紙が吸い取った液量(g)を算出する。各サンプルについて3回計測を行い、その平均値を当該サンプルの液戻り量とする。液戻り量の値は、値が小さいほど、液戻り量が少なく、表面がさらっとしていて肌対向面のドライ感に優れることを示す。
<製品ヨレ率>
前記液吸収時間の測定後に、サンプルを加圧状態のまま3分間放置した後、注液プレートを重りごと取り除き、そのサンプルを、吸収紙を介在させることなく、素早くショーツのクロッチ部に取り付けて動的歩行モデルに装着する。そして、30分間歩行させた後、ナプキンの排泄部対向領域における幅の変化から下記式によりヨレ率(%)を算出する。なお、歩行後の製品幅としては、排泄部対向領域において最も幅が狭くなった部分の幅とする。
ヨレ率(%)={(元の製品幅)−(歩行後製品幅)}/(元の製品幅) ×100
実施例及び比較例の生理用ナプキンについて、5人のモニターを用いて下記の装着テストを行い、装着感、べたつき感及びヨレにくさを、評価した。それらの結果を表1に示す。
<装着テスト>
サンプルとして、実施例及び比較例の生理用ナプキンを用い、非生理期間中の5人の女性モニターに、これらのサンプルを、普段使われている愛用の生理用ショーツと共に着用してもらい、その際の各サンプルの使用感(装着感、べたつき感及びヨレにくさ)を下記評価基準に基づき評価してもらった。
各サンプルには、その着用直前に、馬脱繊維血に代えて生理食塩水を用いる以外は、前記液吸収時間と同様にして生理食塩水5gを注入し、該サンプルを3分間静置した後で、着用に供した。
(評価基準)
1.装着感
各サンプルを、ショーツにつけて装着したときの感触を、「装着感がよい」を1、「装着感がややよい」を2、「どちらともいえない」を3、「装着感がやや悪い」を4、「装着感が悪い」を5として、各モニターの気持ちに最も近い数字を選択してもらい、各サンプルについて5人の平均値を求めた。この平均値が小さいほど、生理用ナプキンの装着感が良いことを示す。
2.べたつき感
30分間着用後にサンプル(生理用ナプキン)に対して感じる「生理用ナプキンの肌対向面のドライ感」を、「さらっとしている」を1、「ややさらっとしている」を2、「どちらともいえない」を3、「ややべたつく」を4、「べたつく」を5として、各モニターの気持ちに最も近い数字を選択してもらい、各サンプルについて5人の平均値を求めた。この平均値が小さいほど、べたつきを感じにくいことを示す。
3.ヨレにくさ
30分間着用後にサンプル(生理用ナプキン)ごとショーツを引き下ろして、ショーツ上のナプキンの状態を観察し、シワや幅狭化の程度を観察して、そのサンプル(生理用ナプキン)に生じた「ヨレの程度」を、「ヨレない」を1、「ややヨレない」を2、「どちらとも言えない」を3、「ややヨレた」を4、「ヨレた」を5として、各モニターの印象に最も近い数字を選択してもらい、各サンプルについて5人の平均値を求めた。この平均値が小さいほど、生理用ナプキンはヨレ難いことを示す。
表1及び表2に示す結果から明らかなように、実施例の生理用ナプキンは、液戻り量が少ない上に、べたつき感もなく、液戻り防止性に優れている。しかも、装着感にも優れている。これに対して、比較例1,6は、液戻り量が多い上に、べたつき感の評価も悪い。他方、比較例2〜5は、装着感の評価が悪い。
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
43 長孔
5 上層
6 下層
10 吸収性本体
11 ウイング部
D 排泄部対向領域

Claims (4)

  1. 肌対向面を形成する表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート及び両シート間に介在された吸収体を具備し、着用時に着用者の液排泄部が対向配置される排泄部対向領域を有し、着用者の前後方向に対応する縦方向とこれに交差する横方向とを有する吸収性物品であって、
    前記吸収体は、発泡体からなり、少なくとも前記排泄部対向領域に位置する部位に、前記吸収体を貫通し前記縦方向に延びる複数の長孔が、前記縦方向及び前記横方向の両方向に分散した状態に形成されており、
    前記長孔の配置は、前記横方向に離間した複数本の長孔からなる長孔列が前記縦方向に複数列形成され、該縦方向に隣り合う長孔列間に間隔を有さず、且つ該縦方向に隣り合う長孔列の長孔の位置が前記横方向にずれた配置であり、
    前記長孔列を構成する長孔の合計幅が、前記吸収体の全幅の8%以上20%以下であり、
    前記排泄部対向領域に存する長孔の総面積が、該排泄部対向領域の全面積の9%以上40%以下であり、
    前記吸収体は、前記排泄部対向領域における厚み方向25%圧縮時の圧縮反発力が70cN/cm2以上である、吸収性物品。
  2. 横方向3回圧縮時の吸収性物品のバルクソフトネスが、300cN以下である、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記長孔は、前記吸収体の上面と下面とで幅が異なる請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記排泄部対向領域の縦方向の両側縁それぞれの外方に位置する部分を含めて、前記長孔が横方向に分布している範囲が、前記吸収体の横方向の長さの60%以上である、請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
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