JP2015028935A - 粒子ビーム顕微鏡の操作方法及び粒子ビーム顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】粒子ビーム顕微鏡よる解析対象試料の画像生成において、試料の電荷を低減させる方法を提供する。【解決手段】第1期T1の期間中、試料に粒子ビームを指向させ試料から放出される粒子を検出するステップと、第2期T2の期間中、運動エネルギーの第1分布を持つ電子を試料に指向させるステップと、第3期T3の期間中、運動エネルギーの第2分布を持つ電子を試料に指向させるステップとを含み、運動エネルギーの第1分布の運動エネルギーの平均値が第2分布の運動エネルギーの平均値よりも大きい。【選択図】図2

Description

関連出願の相互参照
本出願は、ドイツ国において2013年7月9日に出願された特許出願第102013011491.8号の優先権を主張するものであり、その全体の内容を本明細書に援用する。
本発明は、粒子ビーム顕微鏡の操作方法及び粒子ビーム顕微鏡に関する。
本発明は特に、粒子ビーム顕微鏡によって生成された粒子ビームを使って解析対象試料の画像を生成する方法に関し、当該方法において、試料の電荷を低減させ、この電荷は粒子ビームを試料に指向させている間に生成されるものである。
粒子ビーム顕微鏡を使って解析対象試料の画像を記録する間、粒子ビーム顕微鏡によって生成された一次粒子ビームを解析対象試料の所定の位置に指向させ、一次粒子ビームと試料との相互作用によって試料から放出された二次電子などの二次粒子を、粒子ビームの指向された試料の位置に関する情報を取得するために検出する。粒子ビームの指向された試料上の複数の位置で検出された二次粒子の強度は、解析対象試料の画像を表す。このため、試料に当たる一次粒子ビーム及び試料から放出される二次粒子は、試料、特にその表面の荷電状態を変化させ、そのため試料の正電荷又は負電荷が発生し得る。この試料の電荷は、一方で、一次粒子ビームの入射エネルギーと、二次粒子がそれらの検出のために検出器に到達する速度を変化させる。従って、検出された二次粒子の強度は、一次粒子ビームが試料に指向された位置のみに対応するのではなく、解析が行われる時間にも対応する。
このため、粒子ビーム顕微鏡には従来、解析中に発生する試料の電荷を低減させるための装置が備わっている。このような装置は、例えば電子ビーム源であり、これは、一次粒子ビームとは異なる電子ビームを試料上に指向させ、この電子ビームは調整可能な運動エネルギーを持つ。この運動エネルギーに対応して、試料に当たる電子がそこに試料から放出される二次電子を生成させるに従い、正又は負の電荷を試料に蓄積させることが可能であり、二次電子の生成速度はエネルギーに依存する。
電子ビームを使用して試料の電荷を低減させる従来の方法では、大抵の場合、試料の電荷が十分に低減されないことがわかった。
そこで本発明の目的は、粒子ビームを使って解析対象試料の画像を生成し、粒子ビームを試料へ指向させる間に生成される試料の電荷を良好に低減させる、粒子ビーム顕微鏡を操作する方法を提案することである。更に、本発明の目的は、試料の電荷のより良好な低減を達成する粒子ビーム顕微鏡を提案することである。
実施形態は、解析対象試料の画像を生成し、画像の記録中に発生する試料の電荷を減少させる粒子ビーム顕微鏡の操作方法を含んでいる。このため、手段のシーケンスを連続的に複数回行う。この手段のシーケンスは、粒子ビームを試料に指向させて粒子、特に試料から出た二次電子を検出して画像を生成するステップと、電子を生成して試料に指向させ、粒子ビームを試料へ指向させている間に発生する試料の電荷を低減させるステップとを含む。粒子ビームを試料へ指向させる間、粒子ビームを試料の所定の位置に指向させてもよく、この所定の位置の画像情報は、二次電子を検出することによって取得する。この画像情報は画素とも称することができる。粒子ビームを試料へ指向させる間、粒子ビームを試料上の複数の異なる位置に次々と指向させ、検出することにより、複数の位置と複数の画素に関する画像情報をそれぞれ取得することができる。これらの複数の位置は、その画像情報を取得して解析対象試料の画像を生成する、全ての所定の位置のサブセットであってもよい。例えば、画像の位置と画素がそれぞれ粒子ビームを使って行方向に走査される矩形に配置されている場合、走査位置のサブセットは、例えば、行の一部または行全体を含んでもよい。シーケンスを複数回実行する場合、 粒子ビームの試料への指向及び粒子の検出をそれぞれ複数回行い、指向中及び検出中に粒子ビームが指向される位置のサブセットは互いに異なり、特に分離している。例えば、粒子ビームが2回又は複数回指向される試料上の位置がある場合、これらの位置は、シーケンスを複数回行う際の指向及び検出中、粒子ビームが指向される位置の異なるサブセットから成る場合がある。
画像を生成するために検出される粒子は、試料に当たる粒子ビームによって試料から放出され得る。電子ビーム又はイオンビームを粒子ビームとして使用する場合、試料から放出される粒子は、例えば、二次電子であり得る。画像を生成するために検出される粒子は、しかしながら、試料に当たる粒子ビームの粒子や、試料と相互作用して試料から再度発せられる粒子でもあり得る。電子ビームを粒子ビームとして使用する場合、試料から出る粒子は、例えば、粒子ビームが試料に衝突する方向に試料から出る後方散乱電子でもあり得る。しかしながらこれらは試料を透過する透過電子でもあり得る。
イオンビームを粒子ビームとして使用する場合、試料から出る粒子は、例えば、粒子ビームが試料に衝突する方向に試料から出る後方散乱イオンでもあり得る。しかしながらこれらは試料を透過するイオンでもあり得る。
例示的実施形態によれば、粒子ビームの指向及び粒子の検出をシーケンス内の第1期中に行い、第1期はシーケンス全体の期間よりも短い。試料の電荷を低減させるための電子の生成と試料への指向は、シーケンス内の第1期と重ならない期間中に行い、シーケンスを複数回実行する場合、画像情報を取得するために粒子ビームを試料へ指向させることによる試料の荷電と、その後の試料の電荷の低減を交互に行う。しかしながら、画像情報を取得するために粒子ビームを試料へ指向させて試料から出る粒子を検出する間、試料の電荷を低減させるために電子を生成して試料に指向させて画像情報を取得する第1期と、試料の電荷を低減させる期間とを、シーケンス内で重ならせてもよい。
例示的実施形態によれば、試料の電荷を低減させるために試料に電子を生成して検出するステップは、第2期中、高い運動エネルギーを持つ電子を生成してこれらの電子を試料に指向させるステップと、第3期中、低い運動エネルギーを持つ電子を生成してこれらの電子を試料に指向させるステップとを含み、第3期は第2期終了後に始まる。
発明者は、2種類の電子を使用して試料の電荷を低減させることが特に効果的であることを発見した。この場合、2種類の電子は運動エネルギーの点で異なり、低い運動エネルギーを持つ電子を、高い運動エネルギーを持つ電子をそれ以上試料に指向させない期間内に、シーケンス内において試料に指向させる。高い運動エネルギーを持つ電子は、比較的高い達成可能なビーム電流、及びこれらの電子によって生成される比較的多くの二次電子によって、試料の電荷の迅速な低減をもたらすが、ほとんどの場合、試料の少しの電荷が試料に残留する。この試料の残留電荷を続いて更に低減させ、理想としては、低い運動エネルギーを持つ電子によって完全に補償する。高い運動エネルギーを持つ電子を試料へ指向させないと、明らかに試料の電荷の広範囲な低減が可能な場合もあるであろうが、低い運動エネルギーを持つ電子の比較的低い達成可能なビーム電流のため、これには比較的長い時間を要する。しかしながら、試料の電荷は擾乱界をしばしば発生させ、擾乱界は低い運動エネルギーを持つ電子の試料への衝突に影響を与え、低い運動エネルギーを持つ電子による試料の均一な照射を妨害し、試料の荷電が強い場合、低い運動エネルギーを持つ電子による照射では電荷を十分に低減させるには不十分となる。更に、検出器又は粒子光学レンズのような粒子ビーム顕微鏡のコンポーネントによって電子又は磁気の擾乱界が生じ、これにより、低い運動エネルギーを持つ電子が試料へ到達する途中に偏向され、試料の電荷を低減させる効率を下げる。しかしながら、高い運動エネルギーを持つ電子は、試料の強い電荷によって生成された擾乱界又は粒子ビーム顕微鏡の他のコンポーネントによって生成された擾乱界による影響を受けにくく、よって、試料の電荷及び発生した試料の擾乱界を効率的に低減させ、続いて低い運動エネルギーを持つ電子が更なる電荷の低減をもたらす。
低い運動エネルギーを持つ電子が試料の電荷の広範囲な低減を達成する第3期の間、高い運動エネルギーを持つ電子は試料に指向されない、又はほんの僅かだけ試料に指向される。しかしながら、第2期中、低い運動エネルギーを持つ電子は、高い運動エネルギーを持つ電子と共に試料に指向させてもよい。更に、高い運動エネルギーを持つ電子も、これらの電子の割合が低い運動エネルギーを持つ電子の割合よりも著しく小さいのであれば、第3期中試料に指向させてもよい。
例示的実施形態によれば、画像を生成するために粒子ビームを試料に指向させ、試料から出た粒子ビームによって生成された粒子が検出される第1期中、試料の電荷を低減させるために電子を試料に指向させない、というのも、これらの電子も粒子、特に二次粒子を生成することがあり、これらが検出されて画像情報を乱す可能性があるからである。しかしながら、試料の電荷を低減させるために電子を生成して試料へ指向させる間、粒子ビームを更に試料へ指向させることも可能である。この間、粒子を検出することもできる。しかしながら、本方法は、試料の電荷を低減させるために電子を生成し、試料へ指向させる間に検出される粒子が画像情報に直接的に貢献しない、すなわち、画像の画素の個々の強度を直接決定しないように実行することもできる。しかしながら、試料の電荷を低減させるために電子を試料に指向させる期間内に粒子の検出によって取得した情報は、それにもかかわらず有益な情報であり、その情報で、例えば、試料自体の電荷の程度を決定することができ、例えば、この情報に基づいて画像を修正することにより、本方法の実行を変化させる、及び/又は画像の質を改善することができる。
上述の様に、試料の電荷を低減させる2種類の電子は、電子源を出て試料に衝突する前の電子が持つ運動エネルギーの点において異なる。この運動エネルギーは、しかしながら、厳密には、電子が試料に衝突する際の衝突エネルギーではない、というのも、例えば、試料自体の電荷又は試料に印加される電位によって生成される試料の周囲の電界は、試料に衝突する前に、電子を加速させたり減速させたりする可能性がある。従って、これら2種類の電子は、電子が電子源を試料に向って離れる際の運動エネルギーの点において異なる。このため、電子源は、電子源で加速されてビームに形成された生成電子が、この電子源内で、例えば、最初に高い運動エネルギーに加速され、そして電子源を出る直前に所望の運動エネルギーに減速されるような複雑な構造であってもよい。
例示的実施形態によれば、試料の電荷を低減させるために使用する電子は、広いエネルギー範囲に含まれる運動エネルギーを有してもよい。このようなエネルギー範囲は最大エネルギーと最小エネルギーとを有しており、最小エネルギーはエネルギー範囲内の電子の最小エネルギーのことであり、最大エネルギーはエネルギー範囲内の電子の最大エネルギーのことである。更に、試料の電荷を低減させるために使用する電子は、電子の異なる部分又は異なるグループが異なるエネルギーを持つように、運動エネルギー分布を有する。運動エネルギーのこれらの分布の各々に関しては、エネルギー平均値、すなわち、試料の電荷を低減させるために使用する電子の運動エネルギーの平均値が存在する。
上述の2種類の電子は、生成され、試料に指向される電子の運動エネルギー分布に関しても異なる。
例示的実施形態によれば、第2期中に生成された電子は第1エネルギー範囲の運動エネルギーを有し、第3期中に生成された電子は第2エネルギー範囲の運動エネルギーを有しており、第1エネルギー範囲の最小エネルギーは第2エネルギー範囲の最大エネルギーよりも大きく、第2エネルギー範囲の最大エネルギーよりも大きい運動エネルギーを持つ電子は、第3期中、生成もされないし、試料に指向もされない。しかしながら、その最小エネルギーが第1エネルギー範囲の最小エネルギーよりも小さいエネルギー範囲の電子を更に生成して試料に指向させることも更に可能である。
更なる例示的実施形態によれば、第2期中に生成された電子はそれらの運動エネルギーの第1分布を有し、第3期中に生成された電子はそれらの運動エネルギーの第2分布を有しており、運動エネルギーの第1分布のエネルギー平均値は運動エネルギーの第2分布のエネルギー平均値よりも大きい。
例示的実施形態によれば、運動エネルギーの第1分布のエネルギー平均値が試料の低い中性点のエネルギー値よりも大きくなり、運動エネルギーの第2分布のエネルギー平均値が試料の低い中性点のエネルギー値よりも小さくなるように、運動エネルギーの第1及び第2分布のエネルギー平均値を所定の試料に対して選択する。試料に衝突する各電子に対して、試料の荷電が起こらないように、統計的に見て、厳密に一つの二次電子又は後方散乱電子が試料から出る衝突電子の運動エネルギー値を、試料の中性点とする。中性点の厳密な値は試料の材料による。従来、材料は2つの中性点を有し、低い方が低い運動エネルギー、そして高い方が高い運動エネルギーである。電子が2つの中性点の間に運動エネルギーを持つ場合、試料に衝突するものよりも多くの電子が試料から出て、試料は正荷電となる。電子が低い中性点よりも小さい、又は高い中性点よりも大きい運動エネルギーを持つ場合、試料に衝突するものよりも少ない電子が試料から出て、試料は負荷電となる。しかしながら、少なくとも統計的には、衝突電子による電子の放出は、単一電子のエネルギーとは関係のない統計的な効果である。従って、十分に多くのエネルギー的に高い電子がビームに含まれている限り、第2期中、非常に低いエネルギーの電子も電子ビームに存在しても良く、電荷の迅速な補償が生じる。更に、その割合が十分に小さい限り、第3期中に高いエネルギーを持つ電子も一部存在しても良く、エネルギー的に低い電子による電荷補償は打ち消されない。
例示的実施形態によれば、第2エネルギー範囲の最大エネルギー及び/又は運動エネルギーにおける第2分布のエネルギー平均値は、500eV未満、300eV未満、100eV未満、又は50eV未満である。
更なる例示的実施形態によれば、第1エネルギー範囲の最小エネルギー及び/又は運動エネルギーにおける第1分布のエネルギー平均値は、200eVを超える、300eVを超える、400eVを超える、又は500eVを超える。
更なる例示的実施形態によれば、第1エネルギー範囲の最大エネルギー及び/又は運動エネルギーの第1分布のエネルギー平均値は、2000eV未満、又は1500eV未満である。
他の実施形態によれば、 粒子ビーム顕微鏡を操作する方法は、解析対象試料の撮像対象第1領域の画像を生成させるステップと、試料の電荷を低減させるステップとを含み、電荷は画像生成中に生成され、当該方法においてシーケンスを連続的に複数回実行し、このシーケンスは、試料の画像を生成するために、第1期中に、試料の第1領域に粒子ビームを指向させ、試料から出る二次電子及び後方散乱電子などの粒子を検出するステップと、第3期中に試料の第2領域に電子を指向させるステップであって、第2領域は試料の第1領域に隣接して配置され、第3期中に電子を試料の第1領域に指向させないステップとを含む。
撮像対象第1領域において試料の電荷を低減させるために試料に指向させる電子は、よって、撮像第1領域に隣接して配置された第2領域に指向させる。上述の様に、発明者は、撮像対象領域に隣接する領域に指向させる電子も、撮像第1領域に到達する低いエネルギーの二次電子を生成し、第1領域内の試料の電荷の効率的な低減をもたらすことを発見した。
しかしながら、既に述べた様に、撮像第1領域内に既に存在する試料の強い電荷と、粒子ビーム顕微鏡の他のコンポーネントによって生成された擾乱界により、低い運動エネルギーの電子を使用した電荷の効果的な低減が妨げられる可能性があるため、更なる例示的実施形態によれば、本方法は、試料の電荷を更に低減させるため、第2期中に試料の第1領域に電子を指向させるステップを含み、この場合、第3期は第2期終了後に始まる。従って、高い運動エネルギーの電子を撮像領域に直接指向させ、そこに前から存在する強い電荷を先ず低減し、続いて更に電荷を低減するステップを、低い運動エネルギーの電子によって達成する。これらの電子自体、 高い運動エネルギーの電子を、撮像第1領域に隣接して配置された第2領域に指向することによって生成される。このように低い運動エネルギーの電子を撮像領域の近くで生成し、検出器や電子光学レンズなどの、粒子ビーム顕微鏡の他のコンポーネントによって生成された電界又は磁界が、撮像領域において、低い運動エネルギーの電子の衝突にほとんど影響を与えないようにする。
従って、撮像領域における試料の電荷の低減は、電子が試料に実際衝突する運動エネルギーと、撮像領域に電子が衝突する期間とにおいて異なる2つの種類の電子によって行う。しかしながら、電子源によって、先ず双方の種類の電子に対して、等しい運動エネルギーの電子を生成することも可能である、というのも、これらの電子は、第2期及び第3期の間、試料の異なる領域に指向させるからである。
適切な電子ビーム源によってそれらを生成した後、試料の撮像第1領域に指向させる電子又は試料の第2領域に指向させる電子は、200eVを超える、300eVを超える、400eVを超える、又は500eVを超える最小エネルギーを持つエネルギー範囲内の運動エネルギーを持ってもよい。
例示的実施形態によれば、このエネルギー範囲の最大エネルギーは2000eV未満、又は1500eV未満である。
例示的実施形態によれば、撮像試料の第1領域の面積は、100×100nmを超える、特に100μmを超える、そして特に10,000μmを超える。更に、撮像第1領域の面積は1.5mm未満、特に0.1mm未満である。
例示的実施形態によれば、撮像第1領域は長方形、特に正方形である。
第1領域に隣接して配置される第2領域は、例示的実施形態によれば、第1領域に完全に取り囲まれ、特に環状であり、例えば、撮像対象領域が長方形の場合、第2領域は矩形環の形状である。
第2領域は0.1mmを超える、1mmを超える、及び特に100mmを超える面積を持つ。
上述の全ての実施形態において、検出した粒子は二次電子又は後方散乱電子であってもよく、電子検出器は第1期中、二次電子又は後方散乱電子を検出するために使用することができ、更に、第2期及び/又は第3期中、二次電子及び後方散乱電子が電子検出器に当たらないようにすることができる。このため、狭義には二次電子の不必要な照射、及び検出器への画像生成に直接貢献することのない後方散乱電子を回避することができる。二次電子及び後方散乱電子の電子検出器への衝突は、例えば、負電位を試料に対して検出器に、又は検出器と試料との間にある電子に印加することによって促される。後方散乱電子の電子検出器への衝突は、例えば、電子源、試料及び検出器の相互間の適切な位置決めによって更に低減させることができる。
例示的実施形態によれば、第2期及び/又は第3期は第1期よりも短い。第2期及び/又は第3期は、例えば50mn未満である。
例示的実施形態によれば、試料の画像を生成するために試料へ指向させる粒子ビームは正イオンのビームである。これらの正イオンは試料の正電荷をもたらし、これは先に述べた方法によって特に良好に低減させることができる。
例示的実施形態によれば、第1期中、試料を保持する試料ホルダに第1電位を印加し、第2期及び/又は第3期中、第2電位を試料に印加する。この際、第2電位は第1電位よりも大きい。この手段は二次電子の試料からの放出を抑制して、試料の現在の正電荷をより迅速かつ効率的に低減するために使用する。
例示的実施形態によれば、第1期中、試料に指向させる正イオンビームのビーム電流は0.1pAよりも大きい。
先に記載した全ての実施形態において、第2期及び/又は第3期中試料に指向させる電子の電流は100μAより大きくてもよい。
例示的実施形態によれば、第2期中試料に指向させる電子の電流は、第3期中試料に指向させる電子の電流よりも大きい。
例示的実施形態によれば、粒子ビームシステムは、解析対象試料の撮像第1領域に粒子ビームを指向させ、試料から出る二次電子などの粒子を検出するように構成された粒子ビーム顕微鏡と、電子ビームを試料に指向するように構成された電子ビームシステムとを備え、電子ビームは、電子が試料の第2領域に指向され、第1領域には指向されないように環状のビーム断面積を有し、第2領域は第1領域の外に配置される。
このような粒子ビームシステムを使用して、粒子ビーム顕微鏡を操作する方法の先に記載した実施形態を行うことができる。
本開示の上述の及びその他の有利な特徴は、添付図面を参照した以下の例示的実施形態の詳細な説明によってより明確になるであろう。尚、必ずしも全ての可能な実施形態が本明細書で特定した利点の一つ又はいずれかを示すとは限らないことに留意されたい。
粒子ビーム顕微鏡の実施形態の概略図である。 図1の粒子ビーム顕微鏡の操作方法の実施形態を説明する概略図である。 図2の手段により、説明した方法を使って操作することのできる、粒子ビーム顕微鏡の実施形態の概略図である。 図2の手段により、説明した方法を使って操作することのできる、粒子ビーム顕微鏡の実施形態の概略図である。 図5a〜図5cは図4に示す粒子ビーム顕微鏡の操作中に対応する試料表面の領域を示す概略図である。 図3の粒子ビーム顕微鏡における電子の運動エネルギーのスペクトルのグラフである。
以下に記載する例示的実施形態において、機能や構造の類似しているコンポーネントはできる限り類似した参照符号で示す。従って、特定の実施形態の個々のコンポーネントの特徴を理解するには、他の実施形態の説明及び本開示の概要の説明を参照されたい。
図1は粒子ビーム顕微鏡の概略図である。粒子ビーム顕微鏡1は、解析試料9の表面7に指向させることのできる粒子ビーム5を生成する第1粒子ビームカラム3を有する。このため、粒子ビームカラム3は、粒子の粒子源11、ビーム5を形成する粒子を粒子源11から引き出し、これらの粒子を加速させる電極13、及び電極13を通過する粒子ビーム5を試料9の表面7に集束させる電極配列又はコイル配列15を有する。粒子ビームカラム3は、粒子ビーム顕微鏡の制御部(control)19にコネクタ(connection)18によって接続された偏向電極17を更に有する。制御部19は、偏向電極17を駆動して、これらの偏向電極によって生成された電界又は磁界が粒子ビームカラム3の対称軸21からビーム5を偏向して、ビームを制御部19によって予め決定された位置に指向させるように構成されており、この位置は、画像領域23内の試料9の表面7にある。画像領域23は、その表面7が、例えば長方形である。図1の点線5’は、偏向器17を駆動することによって領域23の左及び右の境界にビームを指向させた際のビーム5を表している。
試料9に衝突する粒子ビーム5の粒子は、二次電子などの(二次)粒子を試料9から放出させる。検出器25は、粒子ビーム5が衝突する試料9の側面から出るこのような粒子を検出するために設ける。検出器25をコネクタ26によって制御部19に接続し、制御部19が、粒子ビーム5を試料9へ指向させる間の各時点において、粒子ビーム5によって試料9から放出された粒子の強度を検出し、記録できるようにする。粒子ビーム5が指向された領域23内の位置に応じて記録された、検出粒子の強度に関する情報は、試料9の表面7における領域23の粒子ビーム顕微鏡画像を表す。
粒子ビーム5は電子ビームであってもよいので、ビーム5は一次電子ビームであり、検出器25によって検出された粒子は、狭義において後方散乱電子と二次電子とを含んでいる。試料から放出された後方散乱電子は、試料に衝突する電子ビーム5の運動エネルギーと同等又は僅かに小さい運動エネルギーを持っている。試料から放出された狭義の二次電子は、電子が試料から放出されることができるように電子ビーム5を衝突させることによって十分なエネルギーを取得した試料からの電子である。典型的に、これらの電子はビーム5の電子よりも実質的に低い運動エネルギーを持っている。
ビーム5は、しかしながら、Heイオンのような正荷電イオンでもある。このため、粒子ビームカラム3は、例えば、国際公開第2007/067328A2号パンフレットに記載されているように構成することができる。試料9に衝突する正荷電イオンは、検出器25によって検出される、試料9から放出された二次電子であってもよい。
検出器65を更に設けて、粒子ビーム5が衝突する側と反対側の試料9から出る粒子を検出する。検出器65はコネクタ67によって制御部19に接続し、制御部19が、粒子ビーム5が試料9に指向される各時点において、粒子ビーム5によって試料9から放出される粒子の強度を検出して記録できるようにする。粒子ビーム5が指向される領域23内の位置に対応して記録された、これらの検出された粒子の強度に関する情報も、試料9の表面7における領域23の粒子ビーム顕微鏡画像を表している。
粒子ビーム5が電子のビームである場合、検出器65によって検出される粒子は透過電子である。ビーム5がHeイオンのようなイオンのビームである場合、検出器65によって検出される粒子は透過イオン、すなわち、試料を透過する衝突ビームのイオンである。後者は試料との相互作用により、衝突イオンとは異なる電荷を持つこともある。
正イオンの場合、衝突する正イオンは試料の表面を正に荷電し、試料から出る二次電子は試料を更に正に荷電する。試料の正荷電は、一方で、試料から放出された二次電子の強度を下げ、他方では、試料9の表面7において、ビーム5の正に荷電されたイオンの衝突エネルギーを低減させる。粒子ビーム5が試料に指向されている間、経時的に増加する試料の電荷は、従って、検出された二次電子の強度を歪める。
粒子ビーム5が電子ビームの場合、試料に衝突する電子ビーム5の各電子に対して、厳密に1つの二次電子が試料から出るのであれば、試料の荷電は回避される。しかしながら、このために必要な条件は滅多に満たされず、ほとんどの場合、試料は時間の経過に従って正又は負に荷電され、検出された二次電子の強度も影響を受ける。
粒子ビーム顕微鏡1は試料9の電荷を低減する機会を提供する。この機会は、粒子ビーム5が試料9に指向され、二次電子が検出される一定時間の経過後、試料の荷電が強くなりすぎて二次電子の強度の乱されない検出できなくなった場合に採用することができる。
試料9の電荷を低減させる機会においては、試料9の表面7に指向させる2種類の電子を使用する。本明細書に記載する例では、個別の電子ビームカラム33及び33’によって生成される個々のビーム31及び31’として、2種類の電子を試料9に指向する。電子ビームカラム33及び33’はどちらも同じ又は類似の構造を有し、どちらも各々電子源35、35’と、電子源35、35’から電子を引き出し、これらの電子を加速させて電子ビーム31,31’をそれぞれ形成する電極37、37’とを有する。このビームを発散電子ビームとして試料9の表面7に指向し、ビーム31、31’のビーム断面が試料9の表面7の平面にビーム強度の一定の分布を実質的に有し、粒子ビーム5によって走査される撮像対象領域23を含むようにすることができる。 しかしながら、電子ビーム31、31’を試料9の表面7に集光ビームとして衝突させることも可能であり、この場合、集光ビームの表面7上の直径は、撮像対象領域23の横延伸部よりも実質的に短い。その後電子ビーム31、31’を試料の表面で走査し、領域23全体又はその一部において試料の電荷を低減する。
電子ビームカラム33、33’は、電子ビームカラム33、33’から放出されるビーム31、31’の電子の運動エネルギーを調整するために、加速電極39、39’を更に有する。このため、コネクタ40、40’によって加速電極39、39’に電位を印加することもでき、この場合、電位は制御部19によって制御される。これにより、制御部19は、電子ビームカラム33、33’によって生成され、試料9に電子ビーム31、31’として衝突する電子の運動エネルギーを調整することができる。個別のビーム31、31’として試料に指向される2種類の電子は、異なる電位を電極39、39’のコネクタ40、40’に印加することによって制御部19によって調整される運動エネルギーの点で異なる。
本明細書で説明する実施形態において、ビーム31の電子はビーム31’の電子よりも高い運動エネルギーを持っている。例えば、ビーム31の運動エネルギーは200eV〜2000eVの範囲で、ビーム31’の運動エネルギーは20eV〜500eVの範囲である。
全ての粒子ビームカラム3、33、33’は制御部19によって制御される。このため、粒子ビームカラムの各々は、生成された粒子ビーム5、31、31’をそれぞれ切り替えるために、制御部19によって制御される機会も与える。この機会には、例えば、ビーム偏向器及び開口を含んでもよく、制御部19はビーム偏向器を制御して、試料の位置でビームがスイッチオンされた場合にはビームが開口を通るようにし、ビームがスイッチオフされた場合にはビームが開口に当たるようにすることができる。
図2は、図1に説明した粒子ビーム顕微鏡1の操作方法を説明する時間ダイアグラムである。
図2は複数の時間ダイアグラム41、42、43及び44を示し、それぞれのダイアグラムは時間tに対応する、制御部19によって制御される手段を表している。
粒子ビーム顕微鏡の操作はシーケンスS1,S2...によって行われ、次々に行われる。各々のシーケンスSは、シーケンスS内の期間に行われる手段の点において異なる、3つの期間T1、T2、T3に分けることができる。これらの3つの期間は、しかしながら、シーケンスSからシーケンスSへと反復される。
ダイアグラム42は、粒子ビーム5の試料への指向及び試料から放出される二次電子の検出を表す斜線の入った長方形51を含んでおり、指向及び検出は第1期T1中に行われる。よって第1期T1の各々において、ビーム5の粒子を試料に指向させて二次電子を検出し、一方でT1期外では、 撮像対象領域23の画像情報を取得するために、試料への粒子の指向と二次電子の検出を同時に行わない。しかしながらT1期外では、粒子ビーム5は、画像を生成するための二次電子が検出も使用もされないのであれば、試料9に指向させてもよい。これは、例えば、二次電子が検出器25によって確かに検出されるが、対応する検出信号が制御部19によって読み取られない、又は、試料の表面の位置及び画像の画素に直接関連付けされていない場合に実現することができる。
更に、検出器25による二次電子の検出は、ビーム5の粒子によって試料から放出された二次電子が検出器25に当たるのを防ぐことによって回避することができる。これは、例えば、試料9の撮像対象領域23と検出器25との間に配置されたグリッド電極47と、コネクタ48を介して制御部19によって調整可能な電位をグリッド電極47に印加することによって実現することができる。電極47に印加されるこの電位の時間依存性を、ダイアグラム44に線56として示す。これから、電極47に印加される電位はT1期中は正電位であるので、試料から放出された二次電子がグリッド電極に引き寄せられて加速され、この電極を通過して最後に検出器25に当たり、検出器が二次電子を検出し、制御部が検出された強度を画像情報として使用することができることは明らかである。TI期外、特に下記に更に詳述する第2期T2及び第3期T3内において、制御部19によって電極47に印加される電位は負であるので、粒子ビーム5によって生成されているはずの二次電子、及び/又は電子ビーム31,31’の内の片方又は両方はグリッド電極47にはね返され、グリッド電極を通過せず、よって検出器25に到達しない。従って、試料9から放出された二次電子は画像生成に貢献しない。
ダイアグラム41は、運動エネルギーE及び試料9に指向される電子ビーム31及び31’の時間依存を示すエネルギー・時間ダイアグラムである。ダイアグラム41は2つの範囲の運動エネルギー、すなわち、最小エネルギーE1min及び最大エネルギーE1maxを持つ高い運動エネルギーの第1エネルギー範囲ΔE1並びに最小エネルギーE2min及び最大エネルギーE2maxを持つ低い運動エネルギーの第2エネルギー範囲ΔE2を示している。第1エネルギー範囲ΔE1の最小エネルギーE1minは、第2エネルギー範囲ΔE2の最大エネルギーE2maxよりも大きい。
斜線の入った長方形53は、高い運動エネルギーΔE1を持つビーム31の電子が試料9に指向される時間を表し、斜線の入った長方形55は、低い運動エネルギーΔE2を持つビーム31’の電子が試料9に指向される時間を表している。高い運動エネルギーを持つ電子が、シーケンスS内において、T1期の後に位置するT2期中に試料に指向されるのは明らかである。更に、低い運動エネルギーの電子55が試料に指向されるT3期はT2期の後に位置している。T1、T2、T3期はシーケンスS内において時間的に重ならない。しかしながら、第2エネルギー範囲ΔE2の最大エネルギーE2maxよりも大きなエネルギーを持つ電子がT2期外の期間中更に試料に指向されることは妨げられない。
本明細書に説明する実施形態において、第2エネルギー範囲ΔE2の最大エネルギーE2maxよりも大きな運動エネルギーを持つ電子53は、図2に×印57で示すように、T3期中試料に指向されない。
図2で説明した手段の他に、低い運動エネルギーを持つ電子を、T1期及びT2期などのT3期以外の期間に試料に指向させることも更に可能である。
ダイアグラム43は、コネクタ60を介して制御部19によって試料9に印加することのできる電位Uを表す線59を示している。この電位UはT1期中は負で、T1期以外、特にT2期及びT3期中は正である。このため、ビーム5の粒子は、これらが正荷電している場合、試料が僅かに負荷電していても、試料に良好に到達することができる。更に、正荷電又は負荷電のビーム5の粒子に関係なく、これにより、二次電子が簡単に試料から放出され、検出することができるようになる。画像情報が取得されないT2期及びT3期中、正電位Uは試料9において、電子53の衝突によって発生する高い運動エネルギーの二次電子又は低い運動エネルギーの電子55が試料から簡単に放出されないようにし、それらの強度を低減させる。
従って、シーケンスS1、S2...は、試料の画像を生成するT1期及び試料の電荷を低減させるT2期及びT3期を含んでいる。T2期中、高い運動エネルギーを持つ電子は試料の特に強い正電荷の低減をもたらす。T3期中、低い運動エネルギーを持つ電子は本質的に、T2期の後試料に残留している電荷の更なる低減をもたらす。
先に説明した例において、第1エネルギー範囲ΔE1の最小エネルギーE1minは第2エネルギー範囲ΔE2の最大エネルギーE2maxよりも大きく、第2エネルギー範囲ΔE2の最大エネルギーE2maxよりも大きな運動エネルギーを持つ電子53は、T3期中試料に指向されない。
第1エネルギー範囲ΔE1と第2エネルギー範囲ΔE2は重ならないので、第1エネルギー範囲ΔE1の運動エネルギー分布のエネルギー平均値は確実に第2エネルギー範囲ΔE2の運動エネルギー分布のエネルギー平均値よりも大きい。
しかしながら、第1エネルギー範囲ΔE1と第2エネルギー範囲ΔE2は重なる可能性もあるため、第1エネルギー範囲ΔE1の最小エネルギーE1minは第2エネルギー範囲ΔE2の最大エネルギーE2maxよりも小さい。これらの場合、T2期中試料に指向される電子の運動エネルギー分布のエネルギー平均値は、T3期中に試料に指向される電子の運動エネルギー分布のエネルギー平均値よりも更に大きい状態である。
更に、T3期においても、T2期中に試料に指向される電子の運動エネルギー分布のエネルギー平均値がT3期中に試料に指向される電子の運動エネルギー分布のエネルギー平均値よりも大きい限り、第2エネルギー範囲ΔE2の最大エネルギーE2maxよりも大きな運動エネルギーを持つ電子53を試料に指向してもよい。
運動エネルギー分布のエネルギー平均値は下記の積分:
によって計算することができ、ここで、Eは運動エネルギー、
は エネルギー平均値、p(E)は生成された電子のエネルギースペクトルである。
以後、更なる実施形態を図によって説明するが、図において、構造や機能において対応するコンポーネントには、図1及び図2に照らして同じ参照符号で示し、区別するために、更に文字を加えている。そのため、その都度その前後の説明を参照されたい。
図3は、図1を用いて説明した粒子ビーム顕微鏡と類似し、そして試料の電荷を低減させるために、異なる運動エネルギーを持つ、試料へ指向させる二種類の電子を生成する点において当該粒子ビーム顕微鏡とは異なる、別の粒子ビーム顕微鏡の実施形態を示す。
図3に示す粒子ビーム顕微鏡1aは、 図1に関連させて先に説明した様に、検出器25aを使用して検出することのできる、試料から二次電子を放出させるために撮像対象領域23a内の試料9aの表面7aに指向させる粒子ビーム5aを生成する粒子ビームカラム3aを備えている。
粒子ビーム顕微鏡1aは、図2で説明した方法に照らして操作することもできる。ここで、第1期T1中、粒子ビーム5aを試料に指向させ、画像を生成するために二次電子を検出した後、試料の電荷を低減させるために、第2期T2及び第3期T3中においてそれぞれ異なる運動エネルギーを持つ電子を生成し、試料に指向させる。図1の実施形態において、異なる運動エネルギーを有する電子を生成するために、2つの異なる電子ビームカラム33、33’を設ける。図3aに示す例において、電子源35aから電子を抽出し、加速させて電子ビームを形成するために、電子源35a及び電極37aを有する単一の電子ビームカラム33aを設ける。電子ビームカラム33aは、電子ビームカラム33aから放出される電子の運動エネルギーを調整するために、コネクタ40aによって制御部19aに接続される加速電極39aを更に備える。
電子ビームカラム33a内にはビーム偏向器73が更に配置され、これはコネクタ74を介して制御部19aによって制御される。制御部19aは偏向器73を選択的に調整して、電子ビームカラム33aによって生成された電子を、ビーム31aとして試料9aの表面7aに直接当てる、又は、ビーム77としてコンバータ素子79に指向させることができ、この場合、コンバータ素子79に当たる電子は二次電子を生成し、これはビーム31’として、試料9aの表面7aに最終的にその一部が当たる。
制御部19aは加速電極39aに印加される電位を調整して、ビーム31aのために高い運動エネルギーの電子が生成されて、この電子がT2期中試料に当たるようにする。T3期中、偏向器73を制御部19aによって制御し、電子ビームカラム33aによって生成された電子ビームが変換素子79に当たり、実質的に低い運動エネルギーを持つこれらの生成された二次電子が試料9aの表面に当たるようにする。制御部19aはT2期及びT3期中に同じ電位を加速電極39aに印加して、電子ビームカラム33aの設定をそのままにし、特に操作中のその焦点の設定が実質的に変わらないようにする。2種類の電子、すなわち、T2期中試料に指向される高い運動エネルギーの電子及びT3期中試料に指向される低い運動エネルギーの電子を生成するための運動エネルギーの変更は、ビーム偏向器73による偏向の変更と、コンバータ素子79に当たるエネルギー的に高い電子の、コンバータ素子79から放出され、試料9aの表面7aに当たる低い運動エネルギーの二次電子への変換によって行う。
図6はグラフを示し、強度IはエネルギーEと関連し、線p1(E)は高い運動エネルギーの電子における運動エネルギーの正規化スペクトルを表し、線p2(E)は低い運動エネルギーの電子における運動エネルギーの正規化スペクトルを表している。高い運動エネルギーの電子はエネルギー平均値

を有し、低い運動エネルギーの電子はエネルギー平均値
を有している。低い運動エネルギーの電子における運動エネルギーのスペクトル
2(E)において、ピーク69は、スペクトルp1(E)を持つ変換素子79に当たる電子によって変換素子79において生成された二次電子によって生じる。低い運動エネルギーの電子における運動エネルギーのスペクトルp2(E)におけるピーク71は、スペクトル
1(E)はを持つ変換素子79に当たり、そこでエネルギー損失なく、又は僅かなエネルギー損失で散乱される電子によって生じる。大きなエネルギー平均値
を持つ電子はT2期中試料に指向され、小さなエネルギー平均値
を持つ電子をT3期中試料に指向される。
図2に示す方法を使って操作することのできる粒子ビーム顕微鏡の別の実施形態を、図4及び図5を参照して以下に説明する。ここで、図4は粒子ビーム顕微鏡1bの概略図を示し、図5a〜図5cは解析対象試料9bの表面7bの表面領域を示す。
粒子ビーム顕微鏡1bは、撮像対象領域23b内の選択可能な位置に指向させることのできる粒子ビーム5bを生成する粒子ビームカラム3bを備え、領域23bは、先に図1及び図3に照らして説明した様に、試料9bの表面7bに配置される。
粒子ビーム顕微鏡1bは、粒子ビーム5bによって試料9bから放出された二次電子を検出する検出器を更に備える。この検出器は図4に示さず、先に図1、図2及び図3を使って説明したような構成を備えている。
図5aは試料9bの表面7bにある撮像対象領域23bの上面図である。撮像対象領域は長方形、特に正方形である。複数の所定の位置が撮像対象領域23b内に配置され、ビーム5bはそれらの位置に次々と指向される。所定の位置の各々について、制御部19bは、試料から放出された二次電子を検出することによって画像情報を取得する。 試料上の位置と関連付けられた画像情報は画素とも称する。画像の画素は試料の領域に対応し、所定の位置が試料のこれらの領域の各々に位置し、粒子ビーム5bがこれらの領域に指向される。これらの領域は図5aに画素85の長方形グリッドとして示す。この長方形のリッドは、粒子ビーム5bによって、例えば列方向に走査され、この場合、ビームは、例えば100nsの、滞留時間と称される時間の間、所定の位置及び画素の各々にそれぞれ存在し、そして列の隣りのそれぞれの画素に飛ぶ。行の最後に到達すると、工程は次の行へと続く。
ビームの指向及びそれに対応する撮像対象領域23bの全画素85の二次電子の検出にはこのように時間がかかるので、粒子ビームによって生成される試料の電荷は、少なくとも最後に走査した画素85のために取得した画像情報が試料の電荷によって非常に強く歪められる程度に蓄積するだろう。
このため、個々のシーケンスを連続的に複数回行い、各シーケンスにおいて、画像情報を一行又は半行又は2行などの画素のサブセットのためのみに取得し、その後、試料表面の電荷を低減させる。シーケンス内において画像情報の取得される画素のサブセットはシーケンス毎に異なるため、撮像対象領域23bの画素85の各々のために全てのシーケンスを実行した後、粒子ビームを画素に対応する試料の位置に指向させ、試料から放出された二次電子を検出することによって画像情報を少なくとも一度取得する。
図5aを参照して先に説明した方法は、図1〜図3を参照して説明した方法に対応する。粒子ビーム顕微鏡1bを用いて行う方法において、異なるエネルギーの電子も試料の電荷を低減させるために使用し、この場合、高い運動エネルギーの電子は、T2期後の期間中、粒子ビーム5bを使って試料の電荷を低減させるための照射に貢献し、比較的低い運動エネルギーの電子は、T2期に続くT3期中の、試料の電荷の更なる低減に貢献する。
このため、高い運動エネルギーの電子ビームをT2期中試料の表面に指向させ、そのビーム断面87が撮像対象領域23bを含むようにする。T2期中に高い運動エネルギーの電子が当たる試料9bの表面7b上における領域を図5bに斜線を引いた領域として示す。
T3期中、低い運動エネルギーの電子は、撮像対象領域23b内の試料の電荷の低減に貢献しなければならない。低エネルギーのこれらの電子は、しかしながら、図1及び図3の実施形態の様に、試料の外では生成されず、撮像対象領域23bに指向される。粒子ビーム顕微鏡1bにおいて、高い運動エネルギーの電子も第3期T3中試料の表面に指向させるが、これらの電子は撮像対象領域23bに直接当たらず、図5cに示すように、撮像対象領域23bに隣接する領域89に当たる。T3期中高い運動エネルギーの電子が当たる領域89を図5cに斜交平行線で示し、この領域は撮像対象領域23bを取り囲む環状の形状であり、その領域の外に配置されている。領域89に当たる高い運動エネルギーの電子は、そこで比較的及び実質的に低い運動エネルギーを持つ二次電子を生成し、この一部が試料9bの表面7bに再度当たる。領域89を囲み、図5cに斜線によって示される環状領域91に加え、低い運動エネルギーの二次電子は、環状領域89の内部に配置され、撮像対象領域23bを含む円形領域93にも当たる。円形領域93は図5cに斜線で示す。T3期中にエネルギー的に高い電子を環状領域89に指向させると、そこで低い運動エネルギーの二次電子が生成され、これらの電子は領域91及び93、特に撮像対象領域23bの表面における電荷の低減に貢献する。試料の電荷を低減させるこのようなエネルギー的に低い二次電子も、第2期T2中、図5bの領域87を囲む環状領域95に当たるが、第3期T3中に図5cの領域91に当たる二次電子と同様に、撮像対象領域23bにおける試料の電荷の低減には実質的に貢献しない。
図4に示す様に、粒子ビームシステム1bは、試料の表面に指向されるビーム31bを、ビーム断面が試料9aの表面7bの平面において円形の形状87を持つ、図5bに示すビーム断面から、環状の形状89を持つ図5cに描かれるビーム断面へと切り換えるための開口配列101を備えている。開口配列101は、環状の凹部105及び隣接して配置される環状の凹部107を有する開口プレート103を備えている。開口プレート103は二重矢印113によって示される2つの位置の間を移動することができ、この場合、アクチュエータはコネクタ111を介して制御部19bによって制御することができる。2つの位置の内の1つにおいて、電子ビームカラム3bによって生成される電子ビームは、開口プレート103の領域に当たり、そこには円状の凹部107が配置されており、図5に示す、試料9bの表面7b上の円形の領域87が照明され、一方で、2つの位置のうちのもう一つの位置において、電子ビームカラム3bによって生成されるビームが環状の凹部105に当たり、図5cに示される試料9bの表面7bにおける環状の領域89が照明されるようにする。
本開示をその特定の例示的実施形態に関して説明してきたが、多くの変形、変更及び修正が可能であることは当業者に明らかである。従って、本明細書に規定する本開示の例示的実施形態は説明のためのものであり、何らかの限定をするものではない。以下の特許請求の範囲に記載する本開示の趣旨や範囲を逸脱することなく、種々の変更を加えることができる。
1 粒子ビーム顕微鏡
5 粒子ビーム
9 解析対象試料
T1 第1期
T2 第2期
T3 第3期
p1 第1運動エネルギー分布
p2 第2運動エネルギー分布

Claims (30)

  1. 粒子ビーム顕微鏡(1)を操作する方法であって、解析対象試料(9)の画像を生成し、該試料(9)の電荷を低減させるステップであって、該電荷が前記画像を生成する間に生成されるステップを含み、
    以下の手段のシーケンス:
    (a)粒子ビーム(5)を前記試料(9)に指向させ、粒子、特に前記試料(9)から放出される二次電子を検出するステップであって、前記指向及び検出は、前記試料の前記画像を生成するために第1期(T1)中に行うステップ;
    (b1)、前記試料の前記電荷を低減させるために、第2期(T2)中に第1運動エネルギー分布(p1)を持つ電子を生成し、これらの電子を前記試料(9)に指向させるステップであって、前記電荷は、前記粒子ビーム(5)を前記試料(9)に指向させる間に生成されるステップ;及び、
    (b2)前記試料の前記電荷を更に低減させるため、第3期(T3)中に第2運動エネルギー分布(p2)を持つ電子を生成し、これらの電子を前記試料(9)に指向させるステップであって、前記電荷は、前記粒子ビーム(5)を前記試料(9)に指向させる間に生成されるステップ
    を連続して複数回実行し、
    前記第1運動エネルギー分布(p1)の前記運動エネルギーの平均値
    は、前記第2運動エネルギー分布(p2)の前記運動エネルギーの平均値
    よりも大きい方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記第2運動エネルギー分布(p2)の前記運動エネルギーの前記平均値
    が500eV未満、300eV未満、100eV未満又は50eV未満である方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法において、前記第1運動エネルギー分布(p1)の前記運動エネルギーの前記平均値
    が、200eVを超える、300eVを超える、400eVを超える又は500eVを超える方法。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の方法において、前記第1運動エネルギー分布(p1)の前記運動エネルギー
    の前記平均値が2000eV未満又は1500eV未満である方法。
  5. 粒子ビーム顕微鏡(1b)を操作する方法であって、解析対象試料(9b)の撮像対象第1領域(23b)の画像を生成し、前記試料(9b)の電荷を低減するステップであって、前記電荷が前記画像を生成する間に生成されるステップを含み、
    以下の手段のシーケンス:
    (a)粒子ビーム(5b)を前記試料(9b)に指向させ、粒子、特に前記試料(9b)から放出される二次電子を検出するステップであって、前記指向及び検出は、前記試料の前記画像を生成するために第1期(T1)中に行うステップ;及び
    (b2)前記第1領域(23b)において前記試料(9b)の前記電荷を低減するために、第3期(T3)中、前記試料(9b)の前記第1領域(23b)に隣接して配置される、前記試料(9b)の第2領域(89)に電子を指向させるステップであって、前記電荷が前記粒子ビームを前記試料に指向させる間に生成されるステップ
    を連続して複数回実行し、
    前記第3期(T3)中、前記電子を前記試料の前記第1領域(23b)に指向させない方法。
  6. 請求項5に記載に方法において、
    (b1)前記第1領域(23b)における前記試料の前記電荷を低減するために、第2期(T2)中に前記試料(9b)の前記第1領域(23b)に電子を指向させて前記粒子ビーム(5b)を前記試料(9b)に指向させる間に前記電荷を生成するステップを更に含み、
    前記第3期(T3)が第2期(T2)の終了後に始まる方法。
  7. 請求項5又は6に記載の方法において、前記第1領域(23b)が100 x 100 nmを超える、特に100μmを超える、及び特に10.000μmを超える大きな面積を有する方法。
  8. 請求項5〜7の何れか一項に記載の方法において、前記第1領域(23b)が1.5mm未満、特に0.1mm未満の面積を持つ方法。
  9. 請求項5〜8の何れか一項に記載の方法において、前記第1領域(23b)が長方形である方法。
  10. 請求項5〜9の何れか一項に記載の方法において、前記第2領域(89)が前記第1領域(23b)を完全に取り囲む方法。
  11. 請求項5〜10の何れか一項に記載の方法において、前記第2領域(89)が環状の形状である方法。
  12. 請求項5〜11の何れか一項に記載の方法において、前記第2領域(89)が0.1mmを超える、特に1mmを超える、及び特に100mmを超える面積を持つ方法。
  13. 請求項5〜12の何れか一項に記載の方法において、電子を前記試料へ指向させるステップが、200eVを超える、300eVを超える、400eVを超える又は500eVを超える最小エネルギーを持つエネルギー範囲内の運動エネルギーを持つ電子を生成するステップを含む方法。
  14. 請求項13に記載の方法において、前記エネルギー範囲の最大エネルギーは、2000eV未満又は1500eV未満である方法。
  15. 請求項1〜14の何れか一項に記載の方法において、前記第2期(T2)が前記第1期 (T1)の終了後に始まる方法。
  16. 請求項1〜15の何れか一項に記載の方法において、前記検出された粒子が二次電子であり、前記第1期(T1)中に前記二次電子を検出する電子検出器(25)を使用して、前記二次電子が、前記第2期 (T2)及び第3期 (T3)の内の少なくとも一つの期中に、前記電子検出器(25)に当たるのを防ぐステップを更に含む方法。
  17. 請求項1〜16の何れか一項に記載の方法において、前記第2期(T2)及び第3期 (T3)の内の少なくとも一つが、前記第1期(T1)よりも短い方法。
  18. 請求項1〜17の何れか一項に記載の方法において、前記第2期(T2)及び第3期 (T3)の内の少なくとも一つが50μs未満持続する方法。
  19. 請求項1〜18の何れか一項に記載の方法において、前記粒子ビーム(5) が正荷電イオンである方法。
  20. 請求項19に記載の方法において、
    前記第1期(T1)中、前記試料(9)に第1電位を印加するステップと、
    前記第2期(T2)及び前記第3期(T3)の内の少なくとも一つの期内に、前記試料(9)に第2電位を印加するステップとを更に含み、
    前記第2電位が前記第1電位よりも大きい方法。
  21. 請求項19又は20に記載の方法において、前記第1期(T1)中に前記試料(9)に指向される前記粒子ビーム(5)のビーム電流が0.1pAを超える方法。
  22. 請求項1〜21の何れか一項に記載の方法において、前記第2期(T2)及び前記第3期(T3)の内の少なくとも一つ期内に前記試料(9)に指向される前記電子の電流が100μAを超える方法。
  23. 請求項1〜22の何れか一項に記載の方法において、前記第2期(T2)中に前記試料(9)に指向させた前記電子の電流が、前記第3期(T3)中に前記試料(9)に指向させた前記電子の電流よりも大きい方法。
  24. 請求項1〜23の何れか一項に記載の方法において、前記粒子ビーム(5)を前記試料(9)の複数の所定の位置に指向させる方法。
  25. 請求項24に記載の方法において、各シーケンスの前記第1期(T1)中、前記粒子ビーム(5)を前記試料の前記所定の位置のサブセットに指向させる方法。
  26. 請求項25に記載の方法において、前記サブセットの各々が前記所定の位置の内の一つのみを含む方法。
  27. 粒子ビームシステムであって、
    粒子ビーム(5b)を解析対象試料(9b)の撮像対象第1領域(23b)に指向させ、粒子、特に前記試料(9b)から放出される二次電子を検出するように構成された粒子ビーム顕微鏡(1b)と、
    電子ビーム(31b)を前記試料(9)に指向させるように構成された電子ビームシステムであって、前記電子ビーム(31b)が、電子が前記試料の前記第2領域(89)に指向され、前記第1領域(23b)に指向されないように環状のビーム断面を有し、前記第2領域(89)が前記第1領域(23b)の外に配置される電子ビームシステムと
    を備える粒子ビームシステム。
  28. 請求項27に記載の粒子ビームシステムにおいて、前記電子ビームシステムが電子ビーム(31b)を前記試料に指向させるように更に構成され、前記電子ビーム(31b)が、電子が前記試料(9b)の前記第2領域(89)に指向されるように断面を有する粒子ビームシステム。
  29. 請求項27又は28に記載の粒子ビームシステムにおいて、前記粒子ビーム(5b)が正荷電イオンのビームである粒子ビームシステム。
  30. 請求項27〜29の何れか一項に記載の粒子ビームシステムにおいて、前記粒子ビームシステムが請求項1〜26の何れか一項に記載の方法を実行するように構成されたシステム。
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