JP2014220241A5 - - Google Patents

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電子ビームウェーハ検査システム及びその作動方法
本発明の実施形態は、1本又は2本以上の荷電粒子ビームを用いて画像化する装置に関すると共にズームを含む対物レンズ系に関する。本発明の実施形態は、特に、対物レンズを含む電子ビームウェーハ検査システム、特に電子ビームウェーハ検査システム及び電子ビームウェーハ検査システムを作動させる方法に関する。
荷電粒子ビーム装置は、複数の産業分野において多くの機能を有し、かかる産業分野としては、製造中における半導体デバイスの限界寸法設定(critical dimensioning )、製造中における半導体デバイスの欠陥調査(defect review )、製造中における半導体デバイスの検査、リソグラフィのための露光システム、検出装置及び検査システムが挙げられる。かくして、マイクロメートル及びナノメートル尺度の範囲内で試料を構造観察したり試験したり検査したりするための高い需要が存在する。
マイクロメートル及びナノメートル尺度プロセス制御、検査又は構造観察は、荷電粒子ビーム、例えば電子ビームを用いて行われる場合が多く、かかるビームを荷電粒子ビーム装置、例えば電子顕微鏡又は電子ビームパターン発生器で発生させて集束させる。荷電粒子ビームは、これらの波長が短いので例えば光子ビームと比較して優れた空間分解能を提供する。
特に、電子ビーム検査(EBI)技術に関し、スループットは、真っ先に関心のあるものである。それにより、これについてはとりわけ、特に500eV未満の低いランディングエネルギー及び低い二次電子(SE)抽出電界での表面検査が参照される。通常、高電流密度電子プローブ世代の場合、複合対物レンズが用いられる(重ね合わせ減速磁界及び静電界レンズ)。これらのレンズに関し、コラム(筒)内の電子エネルギーは、最終ランディングエネルギーまで減らされる。全体的性能は、コラムエネルギーとランディングエネルギーの比である浸漬係数によって決まる。浸漬エネルギーが高ければ高いほど、性能はそれだけ一層良好になる。低いランディングエネルギー及び低いSE抽出電界の場合、対物レンズの焦点屈折力は、減速静電界レンズによってますます担われる傾向がある。したがって、磁界レンズ寄与は、劇的に減少し、それにより全体的な対物レンズ性能が低くなり、それにより高い収差が生じる。
また、浸漬係数の増大につれて、焦点面は、源の方向に上方に動き、最終的にレンズ本体中に動く。この場合、大きなサンプル上への集束は、不可能になる。
低い抽出電界と組み合わさった低いランディングエネルギーに関するこの問題を解決するため、長い焦点距離の静電レンズを使用する場合がある。これは、減速レンズを形成する2つの静電レンズ電極相互間の距離を増大させることによって達成され、即ち、これら2つの静電レンズ電極相互間で一次ビームが減速される。
しかしながら、長い焦点距離のレンズの使用により、この場合も又、収差が大きくなる。かかる手段に関する場合であっても、コラムエネルギーを更に或る程度まで減少させなければならず又は減少させるべきであり、それにより、光学性能が更に一層低下する(浸漬係数が小さくなる)。
上述のことに照らして、本発明の目的は、先行技術における上述の問題のうちの少なくとも幾つかを解決する改良型対物レンズ及び改良型電子ビーム装置に提供することにある。
上述の内容に照らして、いずれも独立形式の請求項に記載されている改良型電子ビームウェーハ画像化システム、改良型多ビームウェーハ画像化システム及び電子ビームウェーハ画像化システムを作動させる改良方法が提供される。別の利点、別の特徴、別の観点及び別の細部は、従属形式の請求項の記載、本明細書及び図面の記載から明らかである。
一実施形態によれば、電子ビームウェーハ画像化システムが提供される。このシステムは、電子ビームを放出するエミッタを含み、エミッタは、冷電界エミッタ、熱支援型電界エミッタ又はショットキーエミッタであり、このシステムは、少なくとも20kVの電圧をエミッタとコラムハウジングとの間に印加する電源と、電子ビームをウェーハ上に集束させる対物レンズとを更に含み、対物レンズは、磁気レンズコンポーネント及び静電レンズコンポーネントを有し、磁気レンズコンポーネントと静電レンズコンポーネントは、実質的に互いにオーバーラップし、静電レンズコンポーネントは、第1の電極、第2の電極及び第3の電極を有し、このシステムは、第3の電極の位置から試料ステージの位置までの光軸に沿って配置された制御電極を更に含み、制御電極は、信号電子の制御を可能にするよう構成され、このシステムは更に、第1の作動モードと第2の作動モードを切り換えるコントローラを含み、コントローラは、第1の作動モードと第2の作動モードを切り換えるために別の電源(further power supply)に接続されている。
多ビームウェーハ画像化システムが提供される。このウェーハ画像化システムは、少なくとも1つのウェーハ画像化システムを含む。このウェーハ画像化システムは、電子ビームを放出するエミッタを含み、エミッタは、冷電界エミッタ、熱支援型電界エミッタ又はショットキーエミッタであり、このウェーハ画像化システムは、少なくとも20kVの電圧をエミッタとコラムハウジングとの間に印加する電源と、電子ビームをウェーハ上に集束させる対物レンズとを更に含み、対物レンズは、磁気レンズコンポーネント及び静電レンズコンポーネントを有し、磁気レンズコンポーネントと静電レンズコンポーネントは、実質的に互いにオーバーラップし、静電レンズコンポーネントは、第1の電極、第2の電極及び第3の電極を有し、このウェーハ画像化システムは、第3の電極の位置から試料ステージの位置までの光軸に沿って配置された制御電極を更に含み、制御電極は、信号電子の制御を可能にするよう構成され、このウェーハ画像化システムは更に、第1の作動モードと第2の作動モードを切り換えるコントローラを含み、コントローラは、第1の作動モードと第2の作動モードを切り換えるために別の電源に接続されている。多ビームウェーハ画像化システムは、電子ビームを放出する少なくとも1つの別のエミッタを更に含み、少なくとも1つの別のエミッタは、冷電界エミッタ、熱支援型電界エミッタ又はショットキーエミッタであり、対物レンズは、少なくとも1つの別の静電レンズコンポーネントを有し、少なくとも1つの別の静電レンズコンポーネントは、少なくとも1つの別の第1の電極、少なくとも1つの別の第2の電極及び少なくとも1つの別の第3の電極を有する。多ビームウェーハ画像化システムは、第3の電極の位置から試料ステージの位置までの少なくとも1つの別の光軸に沿って配置された少なくとも1つの別の制御電極を更に含み、少なくとも1つの別の制御電極は、信号電子の制御を可能にするよう構成されている。
さらに別の実施形態によれば、電子ビームウェーハ画像化システムを作動させる方法が提供される。この方法は、5×107A/m2/sr/eV以上の輝度を有する電子ビームを放出するステップと、20keV以上のエネルギーで電子ビームコラムを通って電子ビームを案内するステップと、磁界及び電界で電子ビームをウェーハ上に集束させるステップとを含み、磁界と静電界は、実質的に互いにオーバーラップし、静電界は、第1の電極、第2の電極及び第3の電極によって提供され、静電界は、静電レンズコンポーネントの焦点距離を変化させることによって第1の作動モードと第2の作動モードとに切り換えられるよう構成され、この方法は、制御電極でウェーハのところの信号電子のための抽出電界を制御するステップを更に含む。
実施形態は又、開示する方法を実施するための装置に関し、説明する各方法ステップを実施する装置部分を含む。これら方法ステップは、ハードウェアコンポーネント、適当なソフトウェアによってプログラムされたコンピュータ、上述の2つ又は任意他の仕方の任意の組み合わせによって実施可能である。さらに、本発明の実施形態は又、説明する装置の動作方法に関する。本発明は、この装置の全ての機能を実行する方法ステップを含む。
本発明の上述の特徴を細部にわたって理解することができるように上記において概要説明した本発明の具体的な説明が実施形態を参照して行う。添付の図面は、本発明の実施形態に関しており、これらについて次のように簡単に説明する。
本明細書において説明する実施形態としての走査型偏向器を備えた減速電界走査型荷電粒子ビーム装置の概略部分図である。 実施形態に従って種々の動作モードに関するコラム内のビームエネルギー又は電位を示す図である。 実施形態に従って種々の動作モードに関するコラム内のビームエネルギー又は電位を示す図である。 本明細書において説明する実施形態としての減速電界走査型荷電粒子ビーム装置の略図である。 本明細書において説明する実施形態としての2つ又は3つ以上のビームを有する速電界走査型荷電粒子ビーム装置の略図である。 明細書において説明する実施形態としての減速電界走査型荷電粒子ビーム装置を作動させる方法を示す図である。
次に、本発明の種々の実施形態を詳細に参照し、これら実施形態の1つ又は2つ以上の実施例が図示されている。図面の以下の説明の範囲内において、同一の参照符号は、同一のコンポーネントを示している。一般に、個々の実施形態に関する相違点のみを説明する。各実施例は、本発明の説明のために提供されており、本発明を限定するものではない。例えば、一実施形態の一部として図示され又は説明される特徴を他の実施形態に又はこれと関連して使用することができ、それにより更に別の実施形態が得られる。本発明は、かかる改造例及び変形例を含むものである。
本願の保護範囲を限定するものではなく、以下の説明において、荷電粒子ビーム装置又はそのコンポーネントは、例示として二次電子の検出を含む荷電粒子ビーム装置と称する。本発明は、更に、試料画像を得る目的で粒子、例えば電子若しくはイオン、光子、X線又は他の信号の形態をした二次及び/又は後方散乱荷電粒子を検出する装置及びコンポーネントに利用できる。一般に、粒子と言った場合、これは、粒子が光子である光信号並びに粒子がイオン、原子、電子又は他の粒子である粒子と理解されるべきである。
本明細書において用いられる「試料」又は「ウェーハ」という用語は、半導体ウェーハ、半導体ワーク及び他の加工物、例えばメモリディスク等を含むが、これらには限定されない。本発明の実施形態は、材料を蒸着させ又は構造観察される任意の加工物に利用できる。試料は、構造観察される表面又は層が蒸着される表面、エッジ及び代表的にはベベルを有する。本明細書において説明する他の実施形態と組み合わせ可能な幾つかの実施形態によれば、装置及び方法は、電子ビーム検査(EBI)、限界寸法検査分野及び欠陥検査用途向きに構成され又は利用され、本明細書において説明する実施形態としての顕微鏡及び方法をこれら用途の高スループットに対する要望に照らして有益に利用できる。本明細書において説明する幾つかの実施形態によれば、Eビーム検査(EBI)、限界寸法測定(CD)ツール及び/又は欠陥調査(DR)ツールを提供することができ、高い分解能、広い視野及び高い走査速度を達成することができる。
本明細書において説明する実施形態によれば、ウェーハ画像化システム又はウェーハSEM検査ツールは、EBIツール、CDツール又はDRツールに関し、これらツールは、当業者によって理解される専用ツールである。
ここで説明する実施形態の関連において、かかる保護範囲を限定することなく、中間ビーム加速システムは、試料又はウェーハに当たる直前にランディングエネルギーまで減速される荷電粒子の当初の加速度が高い荷電粒子ビーム装置を説明するようになっている。荷電粒子がコラム(筒)を通って案内される際の加速時速度vacと荷電粒子が試料に当たる際のランディング速度vlandingのエネルギー又は速度比 ac/vlandingは、少なくとも約10以上、例えば20以上であるのが良い。さらに、ランディングエネルギーは、2keV以下、例えば1keV以下、例えば500eV又はそれどころか100eV以下であるのが良い。
本明細書において説明する幾つかの実施形態によれば、電子ビームシステム用の対物レンズ、即ち電子ビームが試料又はウェーハに当たる前の最後のレンズは、磁気‐静電レンズを含む。図1に示されているように、磁気‐静電レンズは、高い電位状態にある上側電極162と、同一の電圧に近い電位状態にあると共に所望のランディングエネルギーを提供するために電子を減速させる下側電極166とから成る。これら電極は、ビームの集束並びに所要の低い一次ビーム電圧へのビームの低下に寄与する。加うるに、信号電子、例えば二次電子(SE)又は後方散乱電子を抽出するための中間電極164及び制御電極170が提供される。それにより、電子ビーム画像化システムの全体的性能を低下させないで極めて低いランディングエネルギー、例えば100eV及び低い抽出電界を提供する要望を満たすことができる。
図1は、走査型電子顕微鏡100の一部分を示している。対物レンズは、上側磁極片63、下側磁極片64及びコイル(図1には示されていない)を備えた磁気レンズコンポーネント60を有する。対物レンズは、第1の電極162、即ち図中の上側の電極、第2(中間)の電極164及び第3の電極166、即ち図中の下側の電極を更に有する。さらに、信号電子又は信号電子に作用する抽出電界のそれぞれの制御のための制御電極がそれぞれ第3の電極166の位置から試料ステージ50又は試料52までの光軸2に沿う位置に設けられる。
理解されるべきこととして、第3の電極166は、プロキシ電極又はラージプロキシ電極と呼ばれる場合がある。と言うのは、その電極は、静電レンズコンポーネント160の電極のうちで試料又は試料ステージに最も近い電極だからである。さらに、信号電子を試料から抽出する制御電極は、スモールプロキシと呼ばれる場合がある。と言うのは、これは、代表的には、電子ビーム画像化システムの電極のうちで試料又は試料ステージに最も近い電極だからである。幾つかの実施形態によれば、スモールプロキシは、試料からラージプロキシと同じ距離のところに位置するのが良い。代表的には、他の実施形態によれば、スモールプロキシは、ラージプロキシよりも試料の近くに位置する。
本明細書において説明する実施形態によれば、スモールプロキシ、即ち制御電極170は、静電レンズコンポーネント160の特性に及ぼす影響が僅かであり、しかも、試料からのSEの抽出又は試料から放出されるSEの案内を制御する機能を備えた個々の要素であると見なされるほど十分小型である。
対物レンズ60は、光軸2に沿ってコラム中を移動した電子ビーム12を試料52上に、即ち試料平面内に集束させる。試料52は、試料支持台50上に支持されている。本明細書において説明する他の実施形態と組み合わせ可能な幾つかの実施形態によれば、試料の一領域の走査は、本質的に光軸に垂直な第1の方向への支持台の運動及び光軸に本質に垂直であり且つ第1の方向に本質的に垂直である別の第2の方向に線を走査することによって実施されるのが良い。
所定の走査パターンに従ってビームを走査する場合、例えば隣り合う線を走査する場合、ビームは、所要の視野を走査するために光軸2から離れる。それにより、走査型偏光器組立体(図3に示されている)、例えば磁気走査型偏光器組立体を用いるのが良い。特に、超高速走査のため、静電走査型偏向器(例えば、オクトポール)が好ましい。代表的には、光軸2(例えば、z方向)に本質的に垂直な少なくとも1つの走査方向が提供される。2つの走査方向(例えば、x方向及びy方向)及び2つ以上の走査型偏光器を含む対応の走査型組立体が提供される場合が多い。それにより、1つ又は2つ以上の走査型偏光器は、例えばGHz領域の(例えば、3GHz以上)の画素速度及び/又はMHz領域(例えば、3MHz以上)の線速度を達成するために高速走査可能に構成されている。他の実施形態と組み合わせ可能な代表的な実施形態によれば、コントローラにより偏向器に提供される制御信号の周波数は、0.1MHz〜10MHzである。
本明細書において説明する実施形態によれば、通常のEBIシステムは、加速電圧Vacc、即ちコラム内の20kV以上の高い電圧、例えば、Vacc=30kV及び試料又はウェーハのところの0V/mmのゼロ電界オフセット(ZFO)でのEpe>500eVの一次電子のランディングエネルギーに関する性能が最適化され又は改良されるよう構成されているのが良い。(Epe〜“エネルギーPrimary Electrons”)。しかしながら、別の追加の作動モードにより、本発明の実施形態が有利になる。例えば、ZFO=0での約100eVのEpeのランディングエネルギー、広い視野(FOV)及び低い抽出電圧に関する低‐低要求には、上述した妥協策が必要である。本発明以前の示唆された設計上の変化は、非低‐低方式における大幅な性能の低下を招き、その結果、既存の作動モードは、新たに望まれる作動モードへの切り換えのためのオプションを必要とするという欠点がある。
本明細書において説明する実施形態によれば、ダイオード静電レンズコンポーネント内にプロキシ電極を下降させないで、内側又は中間電極がトライオード静電レンズコンポーネント内に設けられる。それにより、極めて低いランディングエネルギー及び低い抽出電界の追加の作動モードを提供するレンズギャップの同様な利益をこの低‐低方式で得ることができる。
本明細書において説明する実施形態は、上述の問題のうちの少なくとも幾つかに関して技術的改良を提供する。例えば500eV以上の適度のランディングエネルギーにおける高い光学性能は、最適化された複合対物レンズを提供することによって維持される。追加のハードウェア解決手段が低いランディングエネルギー/低い抽出電界作動モードについて提供される。したがって、Epeが500eV以上、例えば500eV≦Epe≦1000eVである劣化しない既存の作動モードと300eV以下という低いランディングエネルギー及び例えば100eV以下、それどころか50V/mm以下の低い抽出電界を有する別の作動モードを切り換えるためにコントローラを利用するのが良い。表面荷電を制御するために0V/mm又は負の抽出電界を達成するのが良い。それにより、コラムエネルギーが最初のランディングエネルギーまで減らされる静電ダイオードレンズを備えた静電レンズコンポーネントに代えて、トライオードレンズ(3つの電極静電レンズ)を有する静電レンズコンポーネント(例えば、図1の参照符号160を参照されたい)が用いられる。
図2A及び図2Bは、本明細書に記載する実施形態を説明しており、これらの図は、特にEBIシステムを作動させる、例えば2つの作動モードを切り換えることができる方法に関して本明細書に説明する更に別の実施形態を示している。図2A及び図2Bでは、電子ビームをエミッタを有する源のところで発生させ、図2A及び図2Bは、源又は下層源の平面230を示している。第1の平面230は、光軸2に沿う源又は下層源のz位置を示している。電子をコラム内の電圧に合わせて加速し、加速のための電極構成、例えばエクストラクタ及びアノードは、第2の平面232で示されている。最後に、エミッタ電圧に対するアノード電圧は、コラムエネルギーを定める。第2の平面は、光軸2に沿う加速電極のz位置を示している。電子ビームを集光(コンデンサ)レンズ240によって視準すると共に/或いは集束させる。曲線202A,202Bは、電子ビームのエネルギーを示しており、即ち、エネルギーは、曲線202A,202Bが光軸2から離れていれば離れているほど、それだけ一層高い。さらに、図示のように、静電レンズコンポーネントの第1の電極162、静電レンズコンポーネントの第2の電極164、静電レンズコンポーネントの第3の電極166及び制御電極が設けられている。磁気レンズコンポーネントは、図2A及び図2Bには示されておらず、これらの図は、主として、静電レンズコンポーネントを記載している。さらに、幾つかの実施形態によれば、そして本願の他の図に示されているように、磁気レンズコンポーネントも又提供されるのが良い。それにより、組み合わせ型磁気・静電減速レンズが提供される。
本明細書において説明する他の実施形態と組み合わせ可能な代表的な実施形態によれば、静電レンズコンポーネントの第1の電極162、静電レンズコンポーネントの第2の電極164、静電レンズコンポーネントの第3の電極166及び制御電極は、一次電子の経路に沿ってこの順路で、即ち、それぞれエミッタから試料、試料ステージ又は試料平面まで設けられている。別の改造例によれば、静電レンズコンポーネントの第3の電極166及び制御電極を光軸2に沿う同一のz位置に設けることができ、この場合、他の電極は、依然として、上述の順序で提供されるものとする。
図2Aでは、kVで表された以下の電位が提供され、かかる電位は、kVで表された電子エネルギーに対応し、又この逆の関係が成り立つ。ビームは、20keV以上、例えば25keV、それどころか30keV又はこれよりも高いエネルギーの状態でコラム中を動く。それにより、例示として、25keVビームエネルギーの場合、エミッタ又はエミッタチップ(先端部)は、それぞれ、−25keVの状態になり、エクストラクタ又は代表的にはアノード及びコラムは、アース電位状態にある。
本明細書において説明する実施形態によれば、コラムエネルギーは、エクストラクタ電位及び/又はアノード電位と関連している場合がある。多くの用途では、エクストラクタ電位とアノード電位は、同一電位であっても良く、或いは、アノードは、エクストラクタによって提供されても良い。しかしながら、エクストラクタとアノードが互いに異なる電位状態にある用途が存在する。かかる場合、コラムエネルギーは、代表的には、アノード電位によって決まる。
かくして、コラム内のビーム案内電位によって提供されるのが良い第1の電極162も又、アース電位状態にある。第2の電極164は、電子エネルギーを5keVだけ増大させるよう+5keVの状態にあり、第3の電極並びにウェーハは、ランディングエネルギーEpeが1keVであるように−24kVの状態で提供される。信号電子の制御を可能にする制御電極は、例えば、−22kVの状態にある。
本明細書において説明する他の実施形態と組み合わせ可能な代表的な実施形態によれば、コラムは、代表的にはアース電位状態にあるのが良く或いは少なくとも−5kVから+5kVまで、代表的には−2kVから+2kVまでであるのが良い。当業者であれば理解できるようにビームエネルギーは、相対電位に基づいていて、変形例として、エミッタがアース電位状態又は任意他の値の状態にあると共にコラム電圧が+25kVの状態にあり又は上述の実施例に関し25keVのビームエネルギーを有する対応の他の値の状態にあるようにするのが良いが、コラム電位をアース電位状態又はアース電位を中心として限られた範囲内の電位にすることは、本明細書において説明する実施形態としてのEBIシステムにとって有利であると考えられる。一次電子ビームのエネルギー及び減速電界レンズが提供される静電レンズコンポーネントの対応の電位に関する観点のほかに、他の観点のも又考慮されるべきである。
システムの良好な性能を得るため、更に、位置合わせのための一次ビーム偏向、走査のための一次ビーム偏向及び信号電子、例えば二次電子(SE)又は後方散乱電子の検出が考慮すると共に向上させるべきである。コラム電位をアース電位状態又は少なくとも制限された電位の状態にすることにより、位置合わせ偏向器、走査偏向器及び高い電位又は少なくとも極めて高い電位、例えば25kVでのSE検出のための要素のような追加のコンポーネントを設けることが回避され、この高い電位は、これらコンポーネント及び要素の制御信号に加えて提供される。これらコンポーネントを高い電位の状態にすると、その結果として、その制御が低下し、その結果、システムの性能が低下する。
本明細書において説明する実施形態によれば、本明細書において説明する適度のランディングエネルギーに対応した図2Aに示されている作動モードは、浸漬レンズを有し、減速は、第2の電極164と第3の電極166との間で行われる。かくして、この作動モードは、ダイオードレンズ作動モードに匹敵し、ダイオードレンズ作動モードと同様な利点をもたらす。本明細書において説明する他の実施形態と組み合わせ可能な幾つかの実施形態によれば、図2Aに関して説明した作動モードを図2Bに示されている別の作動モードに切り換えることができ、又この逆の関係が成り立つ。それにより、図2Bに示されている作動モードを300eV以下、例えば100eVという低いランディングエネルギー及び低い抽出電圧の低‐低方式と呼ぶことができる。
図2Bでは、kVで表された以下の電位が提供され、かかる電位は、kVで表された電子エネルギーに対応し、又この逆の関係が成り立つ。ビームは、20keV以上、例えば25keV、それどころか30keVよりも高いエネルギーの状態でコラム中を動く。それにより、例示として、25keVビームエネルギーの場合、エミッタ又はエミッタチップ(先端部)は、それぞれ、−25kVの状態になり、エクストラクタ又は代表的にはアノード及びコラムは、アース電位状態にある。かくして、コラム内のビーム案内電位によって提供されるのが良い第1の電極162も又、アース電位状態にある。第2の電極164は、電子エネルギーを5keVだけ減少させるよう−5kの状態にあり、第3の電極並びにウェーハは、ランディングエネルギーEpeが100eVであるように例えば−24.9kVの状態で提供される。信号電子の制御を可能にする制御電極は、例えば−24kV若しくは−24.9kV又はそれどころかそれよりも低い状態にある。それにより、図2Aを参照して上述したように、コラムは、代表的には、アース電位状態にある。さらに、主として静電レンズコンポーネント及び/又は複合磁気静電対物レンズの集束特性を考慮すると、システム全体の電位を本明細書において説明する幾つかの実施形態に従って恣意的にシフトさせることができる。
本明細書において説明する代表的な実施形態によれば、コラムエネルギー、即ち、電子がコラム中を動く際のエネルギーは、20keVを超え、例えば25keV又は30keVである。しかしながら、本明細書において説明する他の実施形態と組み合わせ可能な更に別の改造例によれば、コラムエネルギーは、これよりも高い電位状態にあっても良く、例えば40keV以上又はそれどころか50keV以上であって良い。それにより、ウェーハ又は試料に加わるランディングエネルギーを増大させず、これとは異なり、浸漬係数を増大させ、即ち電子を一層減速させる。
本明細書において説明する他の実施形態と組み合わせ可能な幾つかの実施形態によれば、図2Aに示されている焦点距離と比較して図2Bに示されているように焦点距離を増大させた状態でトライオード静電レンズを作動させることができる。したがって、「ズームレンズ」を本明細書において説明する実施形態に従って提供することができる。焦点距離を作動モードに合わせて切り換えることができ又は所定の導通状態に従って調節することができる。
本明細書において説明する他の実施形態と組み合わせ可能な幾つかの実施形態によれば、以下の相対電位のうちの1つ又は2つ以上をEBIシステムに提供することができ、即ち、(1)加速電圧を提供する電極、例えばエクストラクタ及び/又はアノードは、エミッタチップに対して+20kV以上の電位、特に25kV以上の電位を有し、(2)電子ビームがコラムを通って案内されるコラム内の電位は、エミッタチップに対して+20kV以上、特に25kV以上であり、(3)静電レンズコンポーネントの第1の電極は、加速電圧と本質的に同一の電位であり又は加速電圧と比較して−1kV〜+1kVの電位状態にあって良く、(4)静電レンズコンポーネントの第2の電極は、静電レンズコンポーネントの第1の電極と比較して−7kv〜+7kV、例えば−5kV〜+5kV又は−3kV〜+3kVの電位の状態にあり、(5)静電レンズコンポーネントの第3の電極は、エミッタチップの電位と比較して+50V〜+2kVの電位、例えば+50V〜+1kVの電位の状態にあり、(6)試料又はウェーハは、エミッタチップの電位と比較して+50V〜+2kVの電位、例えば+50V〜+1kVの電位の状態にあり、(7)制御電極は、試料又はウェーハの電位と比較して+2kV〜−2kV、代表的には+500V〜−1kvの電位の状態にある。それにより、特に、静電浸漬レンズの第2の電極について提供される電位について作動モードの切り換えを行うことができ、システムは、それぞれのコントローラ及び電源を含むのが良い。
上述したように、加速電圧が提供される電位、即ち、コラム内で案内されるビームの電圧及び/又はコラム内で案内されるビームが例えば静電レンズコンポーネントの第1の電極を形成する管によって提供されない場合、この第1の電極の電位をアースにすることができ又はアースに近い状態、例えば−1kV〜1kVの範囲内にすることができる。したがって、本明細書において説明する他の実施形態と組み合わせ可能な幾つかの実施形態によれば、静電浸漬レンズの第2の電極に電位を提供する電源は、バイポーラ電源であるのが良い。即ち、この電源は、電極に正及び負の電位を提供することができる。
上述したように、例えばトライオードレンズを有する本明細書において説明する実施形態は、作動において次に記載する一連の利点及び融通性を提供する。1)レンズを適度の(高い)、例えば500eV以上、例えば最高1.5keVまでのエネルギーの作動向きに最適化できる。これは、主として、トライオードの最後の電極までの中央電極の距離の最適化によって行われる。第1の電極は、中央電極の電位以下の状態にある。このことは、トライオードが最適化され又は良されたダイオードで作動されることを意味している。2)低いランディングエネルギー/低い抽出電界作動のため、コラムエネルギーを中央及び最後の電極によって順次最後のエネルギーまで減少させるトライオードが作動される。これら手段によって、長い焦点距離のレンズを実現することができ、この場合、上述の項目2)で言及した適度の/高いエネルギー作動に悪影響を及ぼすことはない。3)さらに、上述の項目2)で説明した焦点距離の増大が十分ではなくしかもコラムエネルギー(Vacc〜“電圧Acceleration”)を作動パラメータを達成するために減少させなければならない場合、本発明は、追加の利点をもたらす。性能の損失を生じさせないでしかもコラムエネルギーを変更する必要なく、コラムエネルギーで全てのモードを実現することができる。コラムエネルギーを変更させることには、残りのコンポーネントの再位置合わせ及び再設定が必要であり、これには時間がかかるという実用上の欠点がある。提案する形態は、トライオードレンズの減速モードに関連した低ランディングエネルギー及び低抽出電界作動における一次ビームの順次減速を可能にするだけでなく、ビームを最終的にランディングエネルギーまで減速する前に中央電極がビームを加速する加速モードの実現を可能にする。この2モード作動では、コラム電圧を変更する必要なく、全ての作動モードについて対物レンズを常時向上させた又は最適化した条件で作動させるということが達成できる。
図3を参照して別の実施形態を説明することができる。図3は、荷電粒子ビーム装置、例えばSEM画像化装置、即ちウェーハ画像化システム300を示している。電子ビームコラム(筒)20は、第1のチャンバ21、第2のチャンバ22及び第3のチャンバ23を備えている。ガン(電子銃)チャンバとも呼ばれる場合のある第1のチャンバは、エミッタ31及びサプレッサ32を備えた電子源30を有する。
本明細書において説明する実施形態によれば、エミッタは、電圧をエミッタに提供するための電源331に接続されている。本明細書で説明する実施例の場合、エミッタに提供される電位は、電子ビームを20keV以上のエネルギーまで加速するようなものである。したがって、代表的には、エミッタは、コラム及び例えば図3の第1の電極162も又提供するビーム案内管がアース電位状態にある場合、−20keV以上の負の電圧である電位まで付勢される。上述したように、エミッタを正の電位状態にすることは、コラム及びビーム案内管がアース電位状態又は適度の電位状態にあることができるという利点を有する代表的な実施形態である。さらに、本明細書において説明する実施形態としてのズームレンズの集束特性に関し、エミッタも又、アースされるのが良く、電源が図3に示された電極162に接続されるのが良い。
電子ビームは、電子ビーム源30により生じる。電子ビームをビーム制限アパーチュア450に整列させ、このビーム制限アパーチュアは、ビームを整形し、即ちビームの一部分を遮断するよう寸法決めされている。しかる後、電子ビームは、ビーム分離器380を通過し、このビーム分離器は、一次電子ビームと信号電子ビーム、即ち信号電子を互いに分離する。一次電子ビームを対物レンズによって試料又はウェーハ上に集束させる。試料は、試料ステージ50上の試料位置に配置されている。電子ビームの衝突時、例えば、二次又は後方散乱電子が試料52から放出され、これら電子は、検出器398によって検出可能である。後方散乱電子及び二次電子が代表的には検出器によってたとえ検出されても、本開示内容の幾つかの記載部分は、二次電子のみに、即ち、一次電子と比較して二次電子にのみ関し、理解されるように、後方散乱電子は、信号電子であると見なされ又は本明細書において理解されるように二次電子に類似しているものと見なされ、即ち、画像の信号生成のための二次生成物が存在する。
本明細書において説明する他の実施形態と組み合わせ可能な幾つかの実施形態によれば、集光(コンデンサ)レンズ420及びビーム整形又はビーム制限アパーチュア450が設けられている。2段偏向システム440がビームをアパーチュアに整列させるために集光レンズとビーム整形アパーチュア50との間に設けられている。本明細書において説明する他の実施形態と組み合わせ可能な本明細書において説明する実施形態によれば、電子をエクストラクタ又はアノードによってコラム(以下参照)内の電圧まで加速する。エクストラクタは、例えば、集光レンズ420の第1(上側)の電極又は別の電極(図示せず)によって提供されるのが良い。
図3に示されているように、対物レンズは、磁極片64/63及びコイル62を含む磁気レンズコンポーネント160を有し、この磁気レンズコンポーネントは、荷電粒子ビームを試料52上に集束させる。試料は、試料ステージ50上に配置されるのが良い。図3に示されている対物レンズは、上側磁極片63、下側磁極片64及び対物レンズの磁気レンズコンポーネント60を形成するコイル62を有する。さらに、第1(上側)の電極162、第2の電極164及び第3(下側)の電極166は、対物レンズの磁気ンズコンポーネント160を形成する。
本明細書において説明する実施形態によれば、磁気レンズコンポーネントと静電レンズコンポーネントは、複合レンズを形成するよう実質的に互いにオーバーラップしている。磁気レンズコンポーネントと静電レンズコンポーネントの組み合わせを達成するため、2つの電磁界は、本発明の実施形態に従って実質的に互いにオーバーラップする。本発明の実施形態の1つの意味の範囲内において、図中の各電磁界分布の半幅値(HWFM)により形成される領域は、少なくとも10%、代表的には少なくとも50%だけオーバーラップすることは理解されるべきである。追加的に又は代替的に、静電レンズコンポーネントの電磁界分布は、磁界コンポーネント電磁界分布の範囲内にある。
信号粒子ビーム、例えば二次電子(SE)又は後方散乱電子の制御を可能にする制御電極170が更に提供されている。それにより、制御電極は、とりわけ、試料又はウェーハの電荷の制御に役立ち、即ち、試料に提供される正味の電流の制御に役立つ。代表的には、試料に当たる電子の量は、放出され又は試料から出る量に等しいことが望ましい。それにより、試料の荷電の度合いを減少させ又はこれを回避することができる。しかしながら、正又は負のサンプルの荷電が用途によって必要とされる場合、適当なランディングエネルギーと組み合わせた適当な制御電圧によって正又は負のサンプル荷電も又達成できる。したがって、サンプル荷電を制御することができる。
さらに、走査型偏向器組立体370が提供される。走査型偏向器組立体370は、例えば、磁気走査型偏向器組立体あっても良いが、好ましくは、高い画素率向きに構成された静電走査型偏向器組立体である。本明細書において説明する他の実施形態と組み合わせ可能な代表的な実施形態によれば、走査型偏向器組立体370は、図3に示されているような単一段組立体であるのが良い。変形例として、2段又はそれどころか3段偏向器組立体も又提供できる。それにより、各段が光軸2に沿う異なる位置に提供される。
信号電子、例えば二次電子及び/又は後方散乱電子が制御電極170によってウェーハ又は試料から抽出され、そして対物レンズ内で一段と加速される。ビーム分離器380が一次電子と信号電子を分離する。ビーム分離器は、ウィーン(Wien)フィルタであるのが良く且つ/或いは少なくとも1つの磁気偏向器であるのが良く、その結果、信号電子がそらされて光軸2から遠ざけられる。次に、信号電子は、ビームベンダ392、例えば半球形ビームベンダ及びレンズ394によって検出器398まで案内される。フィルタ396のような別の要素を設けるのが良い。さらに別の改造例によれば、検出器は、試料のところでの開始角度に応じて信号電子を検出するよう構成されたセグメント状検出器であっても良い。
本明細書において説明する実施形態のうちのどれにも従ってシステム内にエミッタ、コラム及び電極の電位を提供することができる。代表的な実施例として、静電トライオードレンズの第1の電極162としても役立つビーム案内管は、アース電位状態にある。したがって、電子は、アース電位状態にあるコラム中を通って進む。それにより、コラムのハウジングも又アース電位状態で提供されるのが良い。これは、図3に参照符号3で示されている。
静電レンズコンポーネントの第2の電極164は、絶縁体362によって静電レンズコンポーネントの第1の電極162に接続されている。さらに、追加的な又は代替的な具体化例によれば、図3に示されているように、第2の電極は、電源264に接続されている。電源264は、バイポーラ電源であるのが良い。この電源は、−7kVから7kVまでの範囲の正及び負の電圧を提供するよう構成されているのが良い。図3に示されているように、電源は、コントローラ260に接続されるのが良い。コントローラは、本明細書において説明する作動モードを切り換えるために電源264によって第2の電極に提供される電圧を制御することができる。それにより、例えば、対物レンズ及び特に対物レンズの静電レンズコンポーネントの焦点距離を変化させる。
図3に示されているように、制御電極170は、絶縁体366により静電レンズコンポーネントの第3の電極166に接続されている。それにより、代表的には、制御電極170が第3の電極166と試料ステージ50との間に設けられている。別のオプションによれば、制御電極は、制御電極と第3の電極が試料ステージ50から実質的に同一距離においたところに位置するよう第3の電極内のインレイとして設けられても良い。
図4は、減速電界走査型顕微鏡、即ちウェーハ画像化システム400がマルチビーム装置として提供されている更に別の実施形態を示している。代表的には、2本又は3本以上のビームがマルチビーム装置内に提供されるのが良い。一例として、図4は、5本の電子ビームがガンチャンバ520内に放出されるよう5つのエミッタ5を示している。エミッタチップは、電圧源4によって加速電位Vaccに付勢され、この電圧源は、アース3と比較して所与の電位をチップに提供する。電極512、例えばエクストラクタ又はアノードが例えばカップのような形状で設けられている。これら電極は、絶縁体532によって互いに且つガンチャンバ520に対して電気的に絶縁されている。本明細書において説明する他の実施形態と組み合わせ可能な幾つかの実施形態によれば、エクストラクタ及びアノードから成る群から選択された電極のうちの2本又は3本以上も又提供されるのが良い。代表的には、これら電極512は、2本又は3本以上の電子ビームを制御するために電圧供給源(図示せず)によって所与の電位に付勢される。
荷電粒子ビームは、試料52が収納されている別のチャンバ530内を移動する。対物レンズ560は、ビームを試料上又は試料平面内にそれぞれ集束させる。それにより、対物レンズは、共通の磁気レンズコンポーネント、即ち、荷電粒子ビームのうちの2本又は3本以上に作用する磁気レンズ部分を有するのが良い。それにより、例えば、1つの共通励振コイルが磁極片ユニット又は磁極片組立体に提供され、この場合、2本又は3本以上の電子ビームが磁極片ユニットを通過するようにさせる数個の開口部が設けられる。1つの共通の励振コイルが例えば1本のビームが開口部1つ当たり集束されるよう磁極片ユニットを励振させる。電源9は、対物レンズの磁気レンズ部分のための電流を提供することができる。
図4に示されているように、対物レンズ560は、静電レンズコンポーネント160を更に有する。例えば、第1の電極、第2の電極及び第3の電極130を有する静電レンズ部分560が提供されている。図4に示されているように、第1の電極は又、静電レンズ部分のうちの1つ又は2つ以上のための分離された電極として設けられても良い。即ち、第1の電極は、コラム中のビーム案内管とは別体であり且つ/或いはこれとは独立しているのが良い。これは、本明細書において説明する単一ビームコラムにも当てはまる。さらに、電子ビームの各々に関し、制御電極170が提供される。4つの電源462,464,466,470が図4に示されている。電源の各々は、5つの静電レンズコンポーネントの各々についてそれぞれの電極のための5本の接続線を有する。例えば、電源462は、それぞれの第1の電極に接続されるのが良く、電源464は、それぞれの第2の電極に接続されるのが良く、電源466は、それぞれの第3の電極に接続されるのが良く、電源470は、それぞれの制御電極に接続されるのが良い。コントローラ460は、静電レンズコンポーネントの電極及び制御電極のための電圧供給源462〜466及び470に接続されている。コラムハウジングに対応の電源(これらのうちの残りは、全体が良く見えるように省かれている)からコラムハウジングに入る接続線は、個々のビームのための電極の各々を別個独立に制御することができるということを示している。しかしながら、理解できるように、静電レンズコンポーネントの電極のうちの1つ又は2つ以上及び制御電極のうちの1つ又は2つ以上も又、共通の電源により付勢可能である。さらに、特に、第1の電極が上述したようにアースされている場合、電源462を省くことができるということが注目される。
幾つかの実施形態によれば、対物レンズは、本明細書において説明する実施形態のうちのどれかに従って提供されるのが良い。それにより、特にEBI用途に関し、しかしながら、CD/DR用途についても、共通のウェーハ画像化と比較して、スループットは、考慮されるべき重要な観点である。本明細書において説明している作動モードは、高いスループットに特に有用である。それにより、スループットを増大させるために冷電界エミッタ(CFE)及び熱支援型CFEも又使用されるのが良い。したがって、対物レンズとCFE、熱支援型電界エミッタ又はショットキーエミッタの組み合わせは、特に有益であり、更に、例えば図4を参照して説明したようなマルチ電子ビーム装置と組み合わせて別の具体化例として有用である。
本明細書において説明した実施形態は、追加のコンポーネント(図示せず)、例えば集光レンズ、静電、磁気又は複合静電磁気型の偏向器、例えばウィーンフィルタ(Wien filter)、静電、磁気又は複合静電‐磁気形式のスチグマトール、静電、磁気又は複合静電‐磁気型の別のレンズ及び/又は一次及び/又は二次荷電粒子のビームに影響を及ぼすと共に/或いは補正する他の光学コンポーネント、例えば偏光器又はアパーチュアを更に有するのが良い。確かに、例示目的で、これらコンポーネントのうちの幾つかが本明細書に記載した図に示されている。理解されるべきこととして、かかるコンポーネントのうちの1つ又は2つ以上を本発明の実施形態に利用することも可能である。
幾つかの実施形態によれば、図5に示されているように試料を画像化する方法が提供される。それにより、特に減速電界走査型顕微鏡が利用され、この場合、荷電粒子ビーム、例えば電子ビームが用いられる。ステップ602において、荷電粒子ビーム、好ましくは電子ビームを減速電界走査型顕微鏡内で発生させる。ステップ604において、ビームを第1の作動モードで試料又はウェーハ上に集束させる。画像生成のため、ビームの走査を例えば走査型偏向器組立体により実施するのが良い。ステップ606において、電極の1つ又は2つ以上の電位を変更することによって第1の作動モードを第2の作動モードに切り換え、一次電子ビームを試料又はウェーハ上に集束させる。対物レンズは、磁気レンズコンポーネント及び静電レンズコンポーネントを有し、静電レンズコンポーネントは、第1の電極、第2の電極及び第3の電極をこの順序で含む。有利な解決手段によれば、コラム内の第1の電極及び/又は電子エネルギー(Vacc)は、作動モードを切り換える際には変えられない。作動モードは、代表的には、静電レンズコンポーネントの焦点距離を変化させること及び/又は一次電子ビームランディングエネルギーを変化させることを含む。例えば、一次ビームエネルギーを300eVという低いエネルギーから500eV〜1500eVという適度のエネルギーに変化させることができる。本明細書において説明する実施形態によれば、モード切り換えの際、機械的変更又は再位置合わせが不要である。さらに、両方のモードについて良好な又は最適化された性能を提供することができる。
本明細書において説明する他の実施形態と組み合わせ可能な幾つかの実施形態によれば、以下の相対電位のうちの1つ又は2つ以上をEBIシステムに且つ図5を参照して説明した方法の別の改造例に従って提供することができ、即ち、(1)加速電圧を提供する電極、例えばエクストラクタ‐アノード形態は、エミッタチップに対して+20kV以上の電位、特に25kV以上の電位を有し、(2)電子ビームがコラムを通って案内されるコラム内の電位は、エミッタチップに対して+20kV以上、特に25kV以上であり、(3)静電レンズコンポーネントの第1の電極は、加速電圧と本質的に同一の電位であり又は加速電圧と比較して−1kV〜+1kVの電位状態にあって良く、(4)静電レンズコンポーネントの第2の電極は、静電レンズコンポーネントの第1の電極と比較して−7kv〜+7kV、例えば−5kV〜+5kV又は−3kV〜+3kVの電位の状態にあり、(5)静電レンズコンポーネントの第3の電極は、エミッタチップの電位と比較して+50V〜+2kVの電位、例えば+50V〜+1kVの電位の状態にあり、(6)試料又はウェーハは、エミッタチップの電位と比較して+50V〜+2kVの電位、例えば+50V〜+1kVの電位の状態にあり、(7)制御電極は、試料又はウェーハの電位と比較して500V〜−2kvの電位の状態にある。それにより、特に、静電浸漬レンズの第2の電極について提供される電位について作動モードの切り換えを行うことができ、システムは、それぞれのコントローラ及び電源を含むのが良い。さらに、アース電位への付勢は、システムのそれぞれの電極又はコンポーネントをアースすることと同様であると考えられる。
上述の内容は、本発明の実施形態に関するが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく本発明の他の実施形態及び別の実施形態を想到でき、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。
2 光軸
12 電子ビーム
31 エミッタ
50 試料支持台
52 試料又はウェーハ
60 磁気レンズコンポーネント
63,64 磁極片
100 走査型電子顕微鏡
162,163,164 電極
120 磁気偏向器組立体
170 制御電極
260 コントローラ
331 電源
360,560 対物レンズ
400 ウェーハ画像化システム
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