JP6728498B2 - 試験片を検査する方法および荷電粒子マルチビーム装置 - Google Patents

試験片を検査する方法および荷電粒子マルチビーム装置 Download PDF

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Description

実施形態は、たとえば、検査システムの応用例、試験システムの応用例、欠陥レビューまたは限界寸法設定の応用例などに対する荷電粒子ビーム装置に関する。実施形態はまた、荷電粒子ビーム装置の動作方法に関する。より詳細には、実施形態は、汎用(生物学的構造の撮像など)および/または高スループットEBI(電子ビーム検査)のためのマルチビームシステムである荷電粒子ビーム装置に関する。具体的には、実施形態は、走査荷電粒子ビーム装置および走査荷電粒子ビーム装置による電子ビーム検査方法に関する。
現代の半導体技術は、集積回路の生産中に使用される様々なプロセスの正確な制御に大きく依存している。したがって、ウエハは、可能な限り早期に問題の場所を突き止めるために繰り返し検査される。さらに、マスクまたはレチクルもまた、マスクがそれぞれのパターンを正確に画定することを確実にするために、ウエハ処理中に実際に使用する前に検査される。欠陥に対するウエハまたはマスクの検査は、ウエハまたはマスク領域全体を調査することを含む。特に、ウエハの製造中のウエハの検査は、検査プロセスによって生産スループットが制限されないように短時間でウエハ領域全体を調査することを含む。
ウエハの検査には、走査電子顕微鏡(SEM)が使用されてきた。ウエハの表面は、たとえば、個々の精巧に集束された電子ビームを使用して走査される。電子ビームがウエハに当たると、2次電子および/または後方散乱電子、すなわち信号電子が生成され、測定される。ウエハ上の1つの場所のパターン欠陥は、2次電子の強度信号と、たとえばパターン上の同じ場所に対応する基準信号とを比較することによって検出される。しかし、より高い分解能に対する要求が増大しているため、ウエハの表面全体を走査するには長い時間がかかる。したがって、この手法ではそれぞれのスループットが提供されないため、従来の(単一ビーム)走査電子顕微鏡(SEM)をウエハ検査に使用することは困難である。
半導体技術におけるウエハおよびマスク欠陥検査は、全ウエハ/マスクの応用例またはホットスポット検査の両方をカバーする高分解能および高速の検査ツールを必要とする。光学ツールの分解能は制限されており、そのようなツールでは縮小し続ける欠陥サイズを取り扱うことができないため、電子ビーム検査の重要性はまずます増大している。特に、20nmのノードからその先では、関係するすべての欠陥を検出するために、電子ビームに基づく撮像ツールの高分解能の可能性が求められている。
上記を考慮して、当技術分野の問題の少なくともいくつかを克服する荷電粒子マルチビーム装置および荷電粒子のビームレットのアレイによって試験片を検査する方法が提供される。
上記に照らして、独立請求項に記載の荷電粒子のビームレットのアレイによって試験片を検査する方法および荷電粒子マルチビーム装置が提供される。さらなる態様、利点、および特徴は、従属請求項、説明、および添付の図面から明らかである。
一実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置内で1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する方法が提供される。この方法は、荷電粒子ビーム源の荷電粒子ビームエミッタによって1次荷電粒子ビームを生成することと、1次荷電粒子ビームによって多開孔レンズ板を照射して、集束された1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成することと、開孔部を備える少なくとも2つの電極によって荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正することと、1次荷電粒子ビームレットをレンズによって荷電粒子ビーム装置の対物レンズの方へ誘導することと、レンズ内に配置された偏向器アレイを通って1次荷電粒子ビームレットを案内することであり、レンズおよび偏向器アレイの複合動作により、1次荷電粒子ビームレットが荷電粒子ビーム装置の対物レンズのコマフリー点を通って誘導される、案内することと、対物レンズによって試験片上の別個の場所に1次荷電粒子ビームレットを集束させ、試験片を別個の場所で同時に検査することとを含む。
別の実施形態によれば、1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する荷電粒子ビーム装置が提供される。荷電粒子ビーム装置は、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成する荷電粒子ビーム源を含み、荷電粒子ビーム源は、荷電粒子ビームを放出する荷電粒子ビームエミッタ、ならびに1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成および集束させるために少なくとも2つの開口を備える多開孔レンズ板を含み、多開孔レンズ板は、1次荷電粒子ビームによって照射されるように配置される。装置は、荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正する像面湾曲補正装置であり、1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットが通過する開孔部を有する少なくとも2つの像面湾曲補正電極を備える像面湾曲補正装置と、1次荷電粒子ビームレットのアレイを荷電粒子ビーム装置の対物レンズへ誘導するように構成されたレンズと、レンズ内に配置された偏向器アレイであり、レンズおよび偏向器アレイが、レンズおよび偏向器アレイの複合動作によって、対物レンズのコマフリー点を通って1次荷電粒子ビームレットを誘導するように構成される、偏向器アレイと、1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの各1次荷電粒子ビームレットを試験片上の別個の場所へ減速および集束させる対物レンズとをさらに含む。
別の実施形態によれば、試験片を撮像するように構成された少なくとも2つの荷電粒子ビーム装置を有するマルチカラム顕微鏡構成が提供される。少なくとも2つの荷電粒子ビーム装置はそれぞれ、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成する荷電粒子ビーム源を含み、荷電粒子ビーム源は、荷電粒子ビームを放出する荷電粒子ビームエミッタ、ならびに1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成するために少なくとも2つの開口を備える多開孔レンズ板を含み、多開孔レンズ板は、1次荷電粒子ビームによって照射されるように配置される。装置は、荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正する像面湾曲補正装置であり、1次荷電粒子ビームが通過する開孔部を有する少なくとも2つの像面湾曲補正電極を備える像面湾曲補正装置と、1次荷電粒子ビームレットのアレイを荷電粒子ビーム装置の対物レンズの方へ誘導するように構成されたレンズと、レンズ内に配置された偏向器アレイとをさらに含み、レンズおよび偏向器アレイは、レンズおよび偏向器アレイの複合動作によって、対物レンズのコマフリー点を通って1次荷電粒子ビームレットを誘導するように構成され、マルチカラム顕微鏡構成は、各1次荷電粒子ビームレットを試験片上の別個の場所へ減速および集束させる対物レンズをさらに含む。
実施形態はまた、開示の方法を実施する装置を対象とし、それぞれの記載の方法特徴を実行する装置部分を含む。方法特徴は、ハードウェア構成要素、適当なソフトウェアによってプログラムされたコンピュータ、これら2つの任意の組合せ、または任意の他の方法によって実行することができる。さらに、実施形態はまた、記載の装置が動作する方法を対象とする。実施形態は、装置のすべての機能を実施する方法特徴を含む。
上述した特徴を詳細に理解することができるように、実施形態を参照することによって、上記で簡単に要約した内容のより具体的な説明を得ることができる。添付の図面は、実施形態に関するものであり、添付の図面について以下に説明する。
本明細書に記載の実施形態による試験片検査のためのマルチビーム装置の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による試験片検査のためのマルチビーム装置の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による試験片検査のためのマルチビーム装置の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による試験片検査のためのマルチビーム装置の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による試験片検査のためのマルチビーム装置の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による試験片検査のためのマルチビーム装置の概略図である。 本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置によって試験片を検査する方法の流れ図である。
様々な実施形態を次に詳細に参照する。これらの図には、実施形態の1つまたは複数の例が示されている。以下の図面の説明の範囲内で、同じ参照番号は同じ構成要素を指す。個別の実施形態に関する違いを説明する。各例は、説明を目的として提供されており、限定であることを意味するものではない。さらに、一実施形態の一部として図示または説明する特徴を、他の実施形態でまたは他の実施形態と組み合わせて使用して、さらなる実施形態を得ることもできる。この説明は、修正および変形を含むことを意図したものである。
本出願の保護範囲を限定することなく、以下、荷電粒子ビーム装置またはその構成要素を例示的に、電子などの2次または後方散乱粒子の検出を含む荷電粒子ビーム装置と呼ぶ。それでもなお、実施形態は、試験片画像を得るために、電子もしくはイオン、光子、X線、または他の信号の形態の2次および/または後方散乱荷電粒子などの微粒子を検出する装置および構成要素に適用することができる。微粒子を参照するとき、微粒子は、光信号であると理解されたい。微粒子は光子ならびに粒子であり、微粒子はイオン、原子、電子、または他の粒子である。本明細書に記載するように、検出に関する議論および説明では、走査電子顕微鏡内の電子に関して例示的に説明する。様々な異なる計器内の装置によって、他のタイプの荷電粒子、たとえば陽イオンを検出することもできる。
他の実施形態と組み合わせることができる本明細書の実施形態によれば、信号(荷電粒子)ビームまたは信号(荷電粒子)ビームレットを、2次粒子、すなわち2次および/または後方散乱粒子のビームと呼ぶ。典型的には、信号ビームまたは2次ビームは、試験片に対する1次ビームもしくは1次ビームレットの衝突、または試験片からの1次ビームの後方散乱によって生成される。1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットは、粒子ビーム源によって生成され、検査または撮像すべき試験片上で案内および偏向される。
本明細書では、「試験片」または「サンプル」には、それだけに限定されるものではないが、半導体ウエハ、半導体加工物、フォトリソグラフィマスク、およびメモリディスクなどの他の加工物などが含まれる。実施形態は、材料がその上に堆積するまたは構造化される任意の加工物に適用することができる。試験片は、構造化すべき表面、または層を堆積させる表面、端面、および典型的には斜角を含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、装置および方法は、電子ビーム検査、限界寸法設定の応用例、および欠陥レビューの応用例に構成または適用される。
荷電粒子ビーム装置の一実施形態が、図1に概略的に示されている。荷電粒子ビーム装置100は、荷電粒子ビーム源110を含み、荷電粒子ビーム源110は、1次荷電粒子ビーム14を放出するビームエミッタ111を含む。本明細書に記載の実施形態によれば、荷電粒子ビーム源110は、1次荷電粒子ビームレット15のアレイを生成するように適合される。荷電粒子ビーム源110は、荷電粒子ビームエミッタ111および多開孔レンズ板113を含むことができる。いくつかの実施形態では、加速電極199に供給される加速電圧(荷電粒子ビームエミッタ111と加速電極199との間の電圧差)によって、1次荷電粒子ビーム14を加速させることができる。本明細書に記載の実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置は、像面湾曲補正電極112(2つの像面湾曲補正電極を例示的に示す)を含む。図1(ならびに以下の図2、図3a、および図3b)の実施形態では、荷電粒子ビームエミッタ111と多開孔レンズ板113との間に配置された像面湾曲補正電極112が、例示的に示されている。
本明細書に記載の荷電粒子ビームエミッタは、冷電界エミッタ(CFE)、ショットキーエミッタ、TFE、または別の高電流高輝度荷電粒子ビーム源(電子ビーム源など)とすることができる。高電流とは、100mradで約300μAなど、100mrad以上で5μA、たとえば最大5mA、たとえば100mradで30μAから100mradで1mAであると考えられる。いくつかの実装形態によれば、電流は、特に線形または方形アレイの場合、たとえば±10%の偏差で本質的に均一に分布される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、1次荷電粒子ビーム源または1次荷電粒子ビームレットの光源は、2nm〜100nmの直径を有することができる。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるさらなる実施形態によれば、大きいビーム電流を提供することが可能なTFEまたは別の高還元輝度源、たとえば電子ビーム源とは、放出角度を増大させて最大10μA〜100μA、たとえば30μAを提供するとき、輝度が最大値の20%を超えて減少しない光源である。
現在入手可能なショットキーまたはTFEエミッタは、5×107Am-2(SR)-1-1の測定還元輝度を有し、CFEエミッタは、最大5×109Am-2(SR)-1-1の測定還元輝度を有する。荷電粒子ビーム装置はまた、約1×1011Am-2(SR)-1-1の還元輝度を有することができるHfCなどのカーバイドエミッタとともに作用することができる。たとえば、少なくとも5×107Am-2(SR)-1-1を有する荷電粒子ビームが有益である。
いくつかの実施形態によれば、少なくとも2つの像面湾曲補正電極を提供することができる。これらの図に示す例では、2つの像面湾曲補正電極が示されている。図1に示す実施形態(ならびに図2、図3a、および図3bに示す実施形態)では、像面湾曲補正電極を駆動して、1次荷電粒子ビーム14を減速させることができる。像面湾曲補正電極は、荷電粒子ビームエミッタ111と多開孔レンズ板113との間に配置することができる。像面湾曲補正電極112は、1次荷電粒子ビーム14が通過することができる開孔部を有することができる。
本明細書の実施形態に記載の少なくとも2つの像面湾曲補正電極は、荷電粒子ビーム装置の像面湾曲、特に荷電粒子ビーム装置の撮像レンズによって導入される像面湾曲を補償または補正するために使用することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの像面湾曲補正電極は、伝播する1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットの方向に見たとき、荷電粒子ビーム装置の多開孔レンズ板の下流に配置されている荷電粒子ビーム装置の撮像レンズによって導入される像面湾曲を補償または補正するために使用することができる。特に、少なくとも2つの像面湾曲補正電極は、以下で詳細に説明するように、荷電粒子ビーム装置の対物レンズによって導入される像面湾曲を補償または補正するために使用することができる。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、像面湾曲補正電極は、荷電粒子ビーム装置の1つまたは複数のレンズによって導入される像面湾曲を補償するように、調整可能、適合可能、および/または制御可能(たとえば、コントローラによって)とすることができる。特に、像面湾曲補正電極は、荷電粒子ビーム装置のそれぞれの動作、荷電粒子ビーム装置の所期の用途、または荷電粒子ビーム装置内で使用することができる可変のレンズ構成およびレンズ強度に合わせて調整可能とすることができる。たとえば、像面湾曲補正電極に供給される電圧は、たとえば制御ユニットおよびそれぞれの制御システム(制御ユニットから像面湾曲補正電極の電圧供給への信号線など)によって、調整可能とすることができる。
上述したように、いくつかの実施形態によれば、像面湾曲補正は、像面湾曲補正電極によって提供および実行することができる。たとえば、像面湾曲補正電極は、2つのマクロ電極とすることができる。いくつかの実施形態では、荷電粒子ビーム源の荷電粒子ビームエミッタは、1次荷電粒子ビームに抽出電圧を提供する1つまたは複数の抽出電極を含むことができる。多開孔レンズ板および抽出電極とともに、像面湾曲補正電極および抽出電極は、いわゆる「ゼロ強度マクロレンズ」を作り出すことができる。「ゼロ強度」とは、荷電粒子が偏向されないことを意味することができ、これにより色偏向誤差に関連する問題が回避される。いくつかの実施形態によれば、像面湾曲補正電極は、像面湾曲補正電極からの電界が多開孔レンズ板で終わり、個々の1次荷電粒子ビームレットに対して低収差単開孔レンズを形成することができるように構成および/または制御することができる。
図1の実施形態(ならびに図2、図3a、および図3bに示す実施形態)では、1次荷電粒子ビーム14は、荷電粒子エミッタ111を離れ、像面湾曲補正電極112を通過した後、多開孔レンズ板113を通過することができる。1次荷電粒子ビーム14は、複数の開孔部を有する多開孔レンズ板113を通過することができ、漏れ減速電界によってビームレットに集束させることができる。開孔部は、線、長方形、正方形、リング、または任意の好適な1次元もしくは2次元のアレイなど、任意のアレイ構成で、多開孔レンズ板113上に位置することができる。本明細書に記載の実施形態によれば、本明細書に記載の荷電粒子ビーム装置では、像面湾曲または収差による欠点を有することなく、多開孔レンズ板の開孔部を任意の構成で配列することが可能である。たとえば、知られているシステムでは、異なるビームレットをリング形状に配置して、放物線のように作用するレンズを通過するすべてのビームに同じ条件を提供する。ビームレットをリング形状に配置するとき、それぞれのレンズの像面湾曲の影響を最小にすることができる。本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置によって、任意の配置、たとえば高速検査に好適な配置、検査すべき試験片構造に適合された配置、多数のビームを可能にする配置、ビーム強度に適合された配置などで、ビームレットアレイの配置を行うことができる。たとえば、ビームレットアレイは、線、長方形、または正方形で配置することができる。
多開孔レンズ板113を1次荷電粒子ビーム14で照射することによって、開孔板の前の減速電界を使用することによって、いくつかの集束された1次荷電粒子ビームレット15が作り出される。1次荷電粒子ビームレット15の焦点面内に、レンズ120を配置することができる。いくつかの実施形態によれば、レンズ120は、特に像面湾曲補正電極が減速モードで駆動され、多開孔レンズ板の前に配置される(伝播する1次荷電粒子ビームの方向に見たとき)場合、加速レンズとすることができる。いくつかの実施形態では、加速レンズ(または他の実施形態では、減速レンズ)として提供されるレンズ120は、静電または磁気静電複合レンズとすることができる。
これらの図では、1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの1次荷電粒子ビームレットのいくつかが、レンズの後に示されており、他の1次荷電粒子ビームレットは、概要をより見やすくするために、図面では省略されている。本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、開孔部を有する多開孔レンズ板は、1次荷電粒子ビームレットに対する実際の光源を生成するように提供される。
いくつかの実施形態では、多開孔レンズ板113は、荷電粒子ビームエミッタ111によって直接照射することができる。いくつかの実施形態によれば、「直接」とは、多開孔レンズ板の前(伝播する1次荷電粒子ビームの方向に見たとき)に像面湾曲補正電極を有する実施形態における像面湾曲補正電極を除いて、荷電粒子ビームエミッタ111と多開孔レンズ板との間に追加の光学素子は提供されないことを意味することができる。多開孔レンズ板は、荷電粒子ビームエミッタによって放出される1次荷電粒子ビーム14を1次荷電粒子ビームレット15のアレイに分割する。たとえば、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、多開孔レンズ板は、1次荷電粒子ビームを少なくとも3つの1次荷電粒子ビームレットに分割するために、少なくとも3つの開孔部を有する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、1次荷電粒子ビームレットのアレイは、少なくとも3つの1次荷電粒子ビームレットを含む。図1に示す例では、7つの1次荷電粒子ビームレット15が概略図に示されている。いくつかの実施形態では、1次荷電粒子ビームレットのアレイは、1次元(線)のアレイもしくは2次元のアレイ(たとえば、4×4、3×3、5×5)、または非対称のアレイ、たとえば2×5で配置することができる。本明細書に記載の実施形態は、これらのアレイの例に限定されるものではなく、1次荷電粒子ビームレットの任意の好適なアレイ構成を含むことができる。
記載の多開孔レンズ板は、荷電粒子ビーム装置、荷電粒子ビーム装置のアレイを含むシステム、および荷電粒子ビーム装置を動作させる方法に関する他の実施形態でも、有益に使用することができる。多開孔レンズ板の設計は、異なる基準に従うことが有益であり、全体的な荷電粒子の光線経路設計の文脈で扱われなければならない。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、多開孔レンズ板は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を備えることができる。開孔部の数は、可能な限り最大の総電流と、光学性能、特に可能な限り最大のビームレット場における実現可能なスポットサイズとの間の妥協である。別の境界条件は、クロストークが低減または回避される検出器上の信号ビームレット分離を保証する試験片上のビームレット分離である。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるさらなる実施形態によれば、格子構成(すなわち、試験片上の1次ビームレットの位置および/または開孔板内の開孔部の位置)は、走査中に基板表面を完全にカバーすることを可能にするように提供される。カバー範囲は、たとえばxy方向における純粋な荷電粒子ビームレットの走査に限定されるものではなく、たとえばx方向などの第1の方向における荷電粒子ビームレット走査、および第1の方向とは異なるy方向などの別の方向におけるステージの運動のような混合走査動作も含む。
本明細書に記載の実施形態によれば、1次荷電粒子ビームレット15は、レンズ120の方へ誘導される。たとえば、レンズ120は、多開孔レンズ板から伝播する1次荷電粒子ビームレット15を加速させる加速レンズとすることができる。いくつかの実施形態(図1、図2、図3a、および図3bに示す実施形態など)では、レンズは、伝播する1次荷電粒子ビームレットのアレイの方向で、多開孔レンズ板113の後に直接配置される。この文脈で、「直接」という用語は、多開孔レンズ板とレンズとの間に追加のビーム光学素子が配置されないことを意味することができる。伝播する1次荷電粒子ビームの方向で像面湾曲補正電極が多開孔レンズ板の前に配置される実施形態では、レンズ120は、1次荷電粒子ビームレット15を高いカラム電圧へ加速させるために使用することができる。たとえば、加速レンズは、1次荷電粒子ビームレットを、典型的には10kV以上、より典型的には20kV以上のカラム電圧へ加速させることができる。加速電圧は、荷電粒子ビームレットの荷電粒子がカラムへ進む速度を決定することができる。一例では、加速レンズは、静電レンズとすることができる。本明細書に記載の実施形態によれば、加速レンズは、1次荷電粒子ビームレットを、荷電粒子ビーム装置の対物レンズのコマフリー点(またはその付近)へ誘導することができる。
以下で詳細に説明するいくつかの実施形態によれば、レンズ内またはその付近に、偏向器アレイ150が配置される。いくつかの実施形態によれば、偏向器アレイがレンズ「もしくはその付近」またはレンズ「内」に配置されるということは、偏向器アレイがレンズの焦点距離内に配置されることであると理解することができる。特に、偏向器アレイは、レンズ内に配置することができる。たとえば、レンズは、3つの電極を含むことができ、偏向器アレイは、3つの電極内に配置することができる。いくつかの実施形態によれば、偏向器アレイは、レンズの3つの電極のうちの中央の電極の高さにほぼ配置することができる。
いくつかの実施形態によれば、レンズは、1次荷電粒子ビームレットの誘導、特に対物レンズのコマフリー点への1次荷電粒子ビームレットの誘導という主な効果を実現するために使用することができる。偏向器アレイ150は、個別の1次荷電粒子ビームレットの微調整、特に対物レンズのコマフリー点内へまたは対物レンズのコマフリー点を通って案内すべき1次荷電粒子ビームレットの微調整のために使用することができる。レンズおよび偏向器アレイが1次荷電粒子ビームレットを対物レンズのコマフリー点へ案内するように構成されるということは、1次荷電粒子ビームレットを対物レンズのコマフリー点に案内するように、レンズの焦点距離、レンズに供給される電圧、偏向器アレイに供給される電圧、偏向器アレイのサイズ、偏向器アレイのうちの個々の偏向器のサイズを選択することができることであると理解することができる。荷電粒子ビーム装置は、レンズおよび偏向器アレイの動作パラメータを制御するコントローラ(たとえば、フィードバックループ内で接続もしくは一体化されたコントローラ、または荷電粒子ビーム装置の動作を監視する監視装置)を含むことができる。
特に、偏向器アレイは、光軸4を交差する1次荷電粒子ビームレットのz位置をシフトさせるために使用することができる。特に、異なる撮像モード(たとえば、異なる入射エネルギー、信号ビーム抽出電圧など)において対物レンズのコマフリー点がz軸に沿って動く場合、1次荷電粒子ビームレットのz位置をシフトさせることができる。いくつかの実施形態では、偏向器アレイの微調整は、光線経路の不完全性(回転対称からの偏差など)および/またはレンズの球面収差(特に、軸外ビームレットはより強く集束され、より早く光軸に当たる)を補償するために使用することができる。
偏向器アレイの個別の偏向器は、少なくとも4次(4極子)の多極素子によって実現することができる。いくつかの実施形態によれば、多極素子は、従来の機械加工によって製造することができる。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる特定の実施形態によれば、微小電気機械システム(MEMS)技術の偏向器素子が有益となることができる。なぜなら、MEMS技術の偏向器素子はより高い多極密度を可能にし、電極の配線を容易にするからである。
本明細書に記載の実施形態によれば、1次荷電粒子ビームレットは、対物レンズのコマフリー点もしくはコマフリー面を通って案内され、またはその中を誘導される。本開示全体にわたって、「コマフリー面」または「コマフリー点」という用語は、対物レンズのうち、1次荷電粒子ビームレットがコマフリー点またはコマフリー面を通過するときに1次荷電粒子ビームレット内に導入されるコマが最小またはさらにはゼロになる面または点を指す(またはそのような面もしくは点によって提供される)。対物レンズのコマフリー点またはコマフリー面は、対物レンズのうち、フラウンホーファー条件(コマがゼロになる条件)が満たされる点または面である。対物レンズのコマフリー点またはコマフリー面は、荷電粒子ビーム装置の光学系のz軸上に位置する。z軸は、光軸4に対応することができる。言い換えれば、対物レンズのコマフリー点は、光軸4上に位置する。コマフリー点またはコマフリー面は、対物レンズ内に位置決めすることができる。一例として、コマフリー点またはコマフリー面は、対物レンズによって取り囲むことができる。
本明細書に記載の実施形態によれば、試験片を別個の場所で同時に検査するために、1次荷電粒子ビームレットは、対物レンズ130によって試験片140上の別個の場所に集束される。対物レンズは、1次荷電粒子ビームレットを試験片140上へ集束させるように構成することができ、対物レンズは減速電界型レンズである。たとえば、減速電界型レンズは、1次荷電粒子ビームレットを、画定された入射エネルギーに減速させることができる。いくつかの実施形態では、カラムエネルギーから試験片上の入射エネルギーへのエネルギー低減は、少なくとも10分の1、たとえば少なくとも30分の1である。一例では、入射エネルギーは、500eVまたはさらには100eVなど、典型的には約100eV〜8keV、より典型的には2keV以下、たとえば1keV以下である。
いくつかの実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置内のエネルギーは、荷電粒子ビーム装置内の場所に応じて変化する。以下に一例を示す。たとえば図1、図2、図3a、および図3bに例示的に示す構成では、たとえば、ビームエミッタの後から多開孔レンズ板の前の1次荷電粒子ビームのエネルギーは約15kVとすることができ、アレイの前で約3kVに減速され、像面補正電極は、多開孔レンズ板の前では減速モードで使用される。多開孔レンズ板の後からレンズの前で、荷電粒子ビーム装置のカラム内のエネルギーは、約3kVとすることができる。いくつかの実施形態では、レンズは、1次荷電粒子ビームレットを約15kVのエネルギーに加速させることができる。記載の例では、1次荷電粒子ビーム(対物レンズによって減速させられる)の入射エネルギーは、約300eVとすることができる。
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態では、対物レンズ130は、複合場レンズとすることができる。たとえば、対物レンズは、磁気レンズおよび静電レンズの組合せとすることができる。したがって、対物レンズは、磁気静電複合レンズとすることができる。典型的には、磁気静電複合レンズの静電部分は、静電減速電界型レンズである。走査電子顕微鏡(SEM)の場合、磁気静電複合レンズを使用することで、数百電子ボルトなどの低い入射エネルギーで優れた分解能が得られる。低い入射エネルギーは、特に現代の半導体産業において、放射線感受性の試験片の帯電および/または損傷を回避するのに有益である。本明細書に記載の実施形態の利益はまた、磁気レンズまたは静電レンズが使用される場合にも実現することができる。
いくつかの実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置100の1次荷電粒子ビームレット15は、共通の対物レンズによって試験片140上に集束される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、1次荷電粒子ビームレットはすべて、対物レンズ130内の1つの開口を通過する。試験片140は、試験片ステージ141上に提供され、試験片ステージ141は、光軸4に直交する少なくとも1つの方向に試験片140を動かすことができる。
本明細書に記載の実施形態によれば、レンズおよび偏向器アレイの複合動作が、対物レンズのコマフリー点を通って1次荷電粒子ビームレットを誘導する。本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置および荷電粒子ビーム装置によって試験片を検査する方法は、良好な分解能、安定した動作、および同時に、荷電粒子ビーム装置の光学素子によって導入される低収差を提供する。特に、像面湾曲補正、および対物レンズのコマフリー点または面への1次荷電粒子ビームレットの誘導により、対物レンズが個々の1次荷電粒子ビームレットを非常に精密に集束させることが可能になる。
加えて、本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置および荷電粒子ビーム装置によって試験片を検査する方法は、試験片上に小さいスポットサイズの1次荷電粒子ビームレットを提供する。スポットサイズは、個々の1次荷電粒子ビームレットによって照射される試験片上の領域の直径であると理解することができる。たとえば、本明細書に記載の実施形態による1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの個々の1次荷電粒子ビームレットのスポットサイズは、典型的には20nm未満、より典型的には10nm未満、さらに典型的には5nm未満とすることができる。いくつかの実施形態によれば、個々の1次荷電粒子ビームレットは、本明細書に記載の実施形態によるビーム源による1次荷電粒子ビームレットのアレイの生成のため、高い電流密度を有することができる。高い電流密度は、撮像品質を増大させるのに役立つ。
上述したように、本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置では、1次荷電粒子ビームレットのアレイを提供することが可能になる。いくつかの実施形態によれば、1次荷電粒子ビームレットのアレイは、典型的には1カラムあたり3つ以上の1次荷電粒子ビームレット、より典型的には10以上の1次荷電粒子ビームレットを含むことができる。本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置および荷電粒子ビーム装置によってサンプルを検査する方法は、荷電粒子ビーム装置の1つのカラムにおいて、サンプル表面で互いに小さい距離を有する1次荷電粒子ビームレットのアレイを提供する。たとえば、1つのカラムにおける2つの1次荷電粒子ビームレット間の距離は、典型的には150μm未満、より典型的には100μm未満、またはさらには50μm未満とすることができる。本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置および荷電粒子ビーム装置によって試験片を検査する方法では、試験片上の非常に小さく狭い構造を検査することが可能になる。
以下で詳細に示すいくつかの実施形態では、本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置をマルチカラム顕微鏡(MCM)内に配列することが可能になる。複数のカラムがそれぞれ、試験片を検査するために1次荷電粒子ビームレットのアレイを有することで、プロセス速度および能力が増大する。
近年(とどまる傾向なく)、半導体装置構造の寸法は縮小し続けている。したがって、半導体装置の性能に影響する起こりうる欠陥も同様に縮小している。半導体装置の製造中、約10nmの大きさの欠陥が発見されると有益であるが、将来、欠陥のサイズはさらに減少していく。知られている光学式欠陥検査システムは、分解能(スポットサイズ)が制限されるため、活気を失いつつある。荷電粒子光学式欠陥検査システム、特に電子光学式欠陥検査システム(EBI)は、小さい欠陥を検査する分解能を提供することができるため、高い関連性を有している。走査電子顕微鏡(SEM)に基づくツールは、すでに使用されている。知られているツール(たとえば、電子光カラム)は、制限されたプローブ電流を提供しており、それによりそれぞれのスループットが著しく低減される。知られている荷電粒子光学式欠陥検査システムにおけるプローブ電流の制限は、主に、球面収差および色収差のために荷電粒子光学式欠陥検査システムで使用することができる開孔角が小さいことである。また、電流密度が高い場合、電子−電子の相互作用などの荷電粒子間の相互作用により、荷電粒子ビームまたはビームレットがぼやける。
知られているカラムアーキテクチャには、たとえば妥当な時間(数cm2/分)内に試験片(ウエハ、マスク)の大部分を走査するのに十分なスループットを有するマルチビームEBIツールに対して高い分解能および高い電流密度の実現を可能にする特性および能力がない。それらの理由は、たとえば、MCM構成におけるカラム間のピッチが典型的には20〜60mmであることである。このピッチは通常、ウエハ上のダイ構造のピッチに適合しないため、より多くの数のビームが効果的に使用されない。知られているいくつかの応用例では、MCMは、単一カラム性能を有する。小さい領域(たとえば、ウエハ上のダイ)が検査される場合、小さいピッチ(たとえば、500μm未満)を有するマルチビームレットが有益である。小さい領域の検査は、たとえば、本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置および荷電粒子ビーム装置によって試験片を検査する方法によって提供される1つのカラムごとに複数のビームまたはビームレットによって実現することができる。
知られているシステムにおいて、マルチビームレットの生成のために偏向器アレイを有するマルチビームレットカラムは、偏向器が自動像面湾曲補正のために円上に配置される場合、良好な解決策である。知られているシステムにおいて、他の(たとえば、真四角の)構成では、像面湾曲がスポットサイズを制限することがある。また、単一のビームレットごとに補償要素を組み込むことは困難である。本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置では、特に1次荷電粒子ビームレットのアレイ構成にかかわらず、像面湾曲を補償および補正することが可能になる。
知られているシステムにおいて高い分解能の実現が制限される別の理由は、偏向器アレイのサイズが大きい場合、マルチビームレットの生成のために偏向器アレイを有するマルチビームレットカラムが、偏向器の収差を増やすことである。偏向器の収差は、試験片の可能な像の分解能に影響する。さらに、知られているシステムで使用されている静電対物レンズ(たとえば、多孔アインツェルレンズ)を使用するマルチビームレットシステムは、磁気または静電/磁気複合レンズより悪い軸方向収差係数および劣った性能を有する。
知られているシステムの上記の欠点は、本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置および荷電粒子ビーム装置によって試験片を検査する方法によって解決される。
本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置による検査の品質に影響する別のパラメータは、信号ビームの検出である。
図2は、本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置100を示す。図2に示す荷電粒子ビーム装置の実施形態では、1次荷電粒子ビームレットは、ビーム分離器アセンブリ160を通過し、ビーム分離器アセンブリ160は、1次ビームを2次ビームまたは後方散乱ビーム、すなわち信号ビームから分離するように構成される。
1次荷電粒子ビームレット15の粒子が試験片140の表面に当たると、粒子は、試験片の原子の原子核および電子との一連の複雑な相互作用を受ける。これらの相互作用により、異なるエネルギーの電子、X線、熱、および光などの様々な2次生成物が生じる。2次生成物の多くは、サンプルの像を作り出し、試験片から追加のデータを収集するために使用される。試験片からの情報を処理するために使用される2次生成物を、本明細書では信号ビーム16と呼ぶ。試験片の調査または像形成にとって主に重要な2次生成物は、比較的低いエネルギー(1〜50eV)で試験片140から様々な角度で脱出した2次電子である。
図2に示す荷電粒子ビーム装置100は、ビーム分離器アセンブリ160を含む。ビーム分離器アセンブリ160は、1次荷電粒子ビームレット15を信号ビーム16(図2に破線で示す)から分離する。いくつかの実施形態によれば、ビーム分離器アセンブリは、たとえば、少なくとも1つの磁気偏向器、ウィーンフィルタ、または任意の他の手段を含むことができ、電子は、たとえば速度に依存するローレンツ力により、1次荷電粒子ビームレットビームから離れる方へ誘導される。いくつかの実施形態では、ビーム分離器は、ExBビーム分離器、特に図3aに例示的に示す無色ビーム分離器(1/2ExBビーム分離器)、2−B分離器(図3bに例示的に示す)、すなわち2つの磁場を有するビーム分離器、分散補正を有する2−B分離器、分散補正のためにカラムの上部が傾斜している2−B分離器(図3aに示す)、またはたとえば信号ビーム16の曲がり角度を(たとえば、45°〜90°に)増大させるための追加の信号電子ベンダを有する前述の2−B分離器のいずれかとすることができる。2次粒子または信号粒子は、対物レンズ130を通って試験片から抽出され、ビーム分離器アセンブリ160内で1次荷電粒子ビームレット15から分離され、検出器アセンブリ170に到達する。
検出器アセンブリ170は、1つまたは複数の検出器要素を含み、これらの検出器要素は、測定信号、たとえば検出された信号粒子に対応する電子信号を生成するように構成される。いくつかの実施形態によれば、検出器アセンブリは、試験片と1次荷電粒子ビームレットとの相互作用によって生成された信号粒子または信号ビームを検出するマルチチャネル検出器とすることができる。
試験片140の上で1次荷電粒子ビームレット15を走査させ、検出器アセンブリ170または検出器要素の出力を表示/記録することによって、試験片140の表面の複数の独立した画像が生成される。各画像は、試験片の表面の異なる部分に関する情報を含む。信号ビームによって運搬される情報は、試験片のトポグラフィ、化学成分、静電ポテンシャルなどに関する情報を含むことができる。
上述したように、いくつかの実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置は、信号ビームを偏向させるビームベンダを含むことができる。いくつかの実施形態では、ビームベンダは、少なくとも2つの湾曲電極を含む。湾曲電極は、1つの方向に湾曲した電極とすることができる。別の実施形態によれば、ビームベンダは、半球ビームベンダとすることができる。いくつかの実施形態によれば、ビームベンダは、ヘクサポールなしビームベンダまたはヘクサポール補正ベンダとすることができる。ヘクサポールなしまたはヘクサポール補正ビームベンダは、異なる形状の電極および信号ビームに対して実質上三角形の通路領域を有する開孔のうちの少なくとも1つを提供することによって、電界のヘクサポール成分を低減または補償することができる。
いくつかの実施形態によれば、ヘクサポールなしベンダは、荷電粒子ビーム装置に対する信号荷電粒子偏向装置とすることができる。いくつかの実施形態では、ヘクサポールなしベンダは、信号ビームを偏向させるように構成されたビームベンダを含むことができ、ビームベンダは、第1の電極および第2の電極を含み、第1の電極と第2の電極との間に信号ビームに対する光路が提供される。第1の電極は、光路に直交する平面内に第1の横断面を有することができ、第2の電極は、光路に直交する平面内に第2の横断面を有することができる。第1の横断面の第1の部分と第2の横断面の第2の部分との間に光路を提供することができ、第1の部分および第2の部分は、異なる形状とすることができる。いくつかの実施形態によれば、第1の横断面の第1の部分は、多項式によって画定することができる。いくつかの実施形態では、第2の横断面の第2の部分は、指数関数によって画定される。ヘクサポールなしビームベンダまたはヘクサポール補正ビームベンダは、ビームベンダの2つの電極間のヘクサポール成分、ならびにたとえばビームベンダの入口および出口のうちの少なくとも1つにおけるフリンジ場のヘクサポール成分のうちの少なくとも1つを特に低減または補償することができる。本明細書に記載のビームベンダはまた、「低ヘクサポール信号荷電粒子偏向装置」と呼ぶことができる。本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置100は、2次電子光学系の追加の要素を含むことができる。たとえば、欠陥を可能な限り速く検査するために、コントラストを増大させる必要がある。
本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置は、信号粒子捕捉率の50%を上回る高い信号検出効率を有することができる。高い信号検出効率は、高い1次荷電粒子ビーム(またはビームレット)性能と同程度に関連性があると考えることができる。信号ビームの軸上(すなわち、光軸4)検出では、1次荷電粒子ビームおよび信号ビームの光線経路が同時に有益に最適化され、その結果制限が生じるため、性能が制限される。1次荷電粒子ビームおよび信号ビーム(最終的には、信号ビーム光学素子を含む)の分離は、両方の光線経路を互いから独立して取り扱う(および最適化する)ことができる解決策である。
図3aは、荷電粒子ビーム装置100の一実施形態を示す。図3aに示す荷電粒子ビーム装置100では、分散補正のためにカラムの上部が傾斜している。カラムの上部(すなわち、伝播する1次荷電粒子ビームレット15の方向に見たとき、カラムのうちビーム分離器アセンブリ160の上流の部分)が傾斜しており、ビーム分離器アセンブリ160は、追加の分散補正(たとえば、追加の静電場の印加による)がなければ無色である。
図3bは、荷電粒子ビーム装置100の一実施形態を示す。図3bに示す例では、荷電粒子ビーム装置100は、1次荷電粒子ビームレット15を信号ビーム16から分離する2Bビーム分離器を含む。いくつかの実施形態によれば、図3bに示すビーム分離器は、第1の磁気ビーム分離器偏向コイル161および第2の磁気ビーム分離器偏向コイル162を含む。図3bの実施形態では、対物レンズ130は、磁気対物レンズとして示されている。
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置は、集束レンズ、(走査)偏向器、ビームベンダ、補正器など、さらなるビーム光学素子を含むことができる。いくつかの実施形態では、多開孔レンズ板の前に(すなわち、伝播する1次荷電粒子ビームの方向に見たとき、1次荷電粒子ビームの上流に)、集束レンズを配置することができる。本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置は、典型的には粒子ビームエミッタから見てビーム分離器の前に、各ビームレットに対する個別のビームブランカ、またはブランカ開孔を有する共通のビームブランカなど、ビームブランカを含むことができる。
図4は、荷電粒子ビーム装置100の一実施形態を示す。荷電粒子ビーム装置100は、荷電粒子ビーム源110を含み、荷電粒子ビーム源110は、荷電粒子ビームエミッタ111および加速電極199を有する(荷電粒子ビームエミッタ111と加速電極199との間に電圧差を提供する)。図4に例示的に示す荷電粒子ビーム装置100は、荷電粒子ビームエミッタ111から放出された1次荷電粒子ビーム14をいくつかの1次荷電粒子ビームレット15に分割する多開孔レンズ板113を含む。いくつかの実施形態によれば、多開孔レンズ板113は、図1、図2、図3、および図3bを参照して説明した実施形態などの前述の実施形態に記載の多開孔レンズ板とすることができる。荷電粒子ビーム装置100は、像面湾曲補正電極112をさらに含む。図4に示す実施形態では、像面湾曲補正電極112は、特に伝播する1次荷電粒子ビームレット15の方向に見たとき、多開孔レンズ板113の後ろに位置決めされている。
いくつかの実施形態では、図4の像面湾曲補正電極は、加速モードで駆動されるように適合される。たとえば、像面湾曲補正電極は、像面湾曲補正電極への電圧供給を制御するコントローラに接続することができる。いくつかの実施形態によれば、像面湾曲補正電極が加速モードにあることで、開孔レンズ板から伝播する1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットを加速させることができる。
いくつかの実施形態では、図4に示すレンズ120は、磁気レンズ、無回転磁気レンズ、無回転磁気接合レンズ、静電レンズ(たとえば、1次荷電粒子ビームレットを減速もしくは加速させる可能性がある)、および/または静電磁気複合レンズ(たとえば、1次荷電粒子ビームレットに対する加速機能を有する)とすることができる。いくつかの実施形態では、レンズは、中心(たとえば、偏向器アレイの場所)への容易な機械的アクセスを可能にする磁気レンズとすることができる。いくつかの実施形態によれば、レンズ120は、荷電粒子ビームレットを対物レンズ130のコマフリーへ誘導するという主な誘導作用を提供する。誘導の微調節は、レンズ120内の偏向器アレイ150によって行うことができる。1次荷電粒子ビームレットの集束、1次荷電粒子ビームレットと信号ビームまたはビームレットとの間のビーム分離、および信号検出は、図1、図2、図3a、および図3bに関して詳細に説明したものと同じとすることができる。図1、図2、図3a、および図3bに関して説明した特徴はまた、これらの特徴が互いに矛盾しない限り、図4に示す実施形態でも使用することができる。
図5は、マルチカラム顕微鏡構成200を示す。3つの荷電粒子ビーム装置100を有するマルチカラム顕微鏡構成200が、例示的に示されている。本明細書に記載の実施形態によるマルチカラム顕微鏡構成では、荷電粒子ビーム装置の数は、図示の例から逸脱してもよい。たとえば、本明細書に記載の実施形態によるマルチカラム顕微鏡構成は、2つなどの3つ未満の荷電粒子ビーム装置、または4つ、5つ、もしくはさらには6つ以上など、4つ以上の荷電粒子ビーム装置を有することができる。マルチカラム顕微鏡構成の荷電粒子ビーム装置はそれぞれ、特に図1〜4に関して本明細書に記載のいずれかの実施形態に記載の荷電粒子ビーム装置とすることができる。図5の例示的な図では、マルチカラム顕微鏡は、図1に図示および説明した荷電粒子ビーム装置を含む。マルチカラム顕微鏡構成200は、試験片ステージ142を含み、試験片ステージ142上に、検査すべきいくつかの試験片140が配置される。いくつかの実施形態では、マルチカラム顕微鏡構成200の荷電粒子ビーム装置は、1つの試験片をともに検査することができる。
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、マルチカラム顕微鏡構成200の荷電粒子ビーム装置100は、共通の対物レンズ131(簡略化された概略図に示す)を有することができ、対物レンズ131は、静電レンズ構成要素と、磁気レンズ構成要素、たとえば複数の孔および共通の励磁コイルを有する磁気レンズとを含む。静電レンズ構成要素は、高い電位にある上部電極と、試験片電圧に近接した電位にあり、電子を減速させて入射エネルギーを提供する下部電極とを含むことができる。これらの電極は、1次荷電粒子ビームレットを誘導すること、ならびに1次荷電粒子ビームレットを遅くすることに寄与する。加えて、2次電子(SE)または後方散乱電子などの信号粒子を抽出する制御電極、たとえばプロキシ電極を提供することができる。たとえば、本明細書に記載の実施形態による対物レンズによって、荷電粒子ビーム撮像システムの全体的な性能を劣化させることなく、非常に低い入射エネルギー、たとえば100eV、および低い抽出場を提供することができる。
本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置およびマルチカラム顕微鏡構成は、特に本明細書に記載の実施形態による荷電粒子ビーム装置の低収差のため、大きな性能損失なく、動作条件(たとえば、1次荷電粒子ビームレットの入射エネルギー、信号ビームの抽出電圧)に関して柔軟であると説明することができる。
マルチカラム顕微鏡構成に関して、下部電極、中央電極、および上部電極、ならびに最終的にプロキシ電極を有する対物レンズについて説明するが、記載の電極はまた、特に図1〜4に関して本明細書の実施形態に記載した個々の荷電粒子ビーム装置内の対物レンズに対して(共同または単独で)使用することもできる。
いくつかの実施形態では、1次荷電粒子ビームレットに対する共通の対物レンズ(たとえば、磁気レンズ)は、少なくとも2つのレンズモジュールを含むことができ、各レンズモジュールは、1次荷電粒子ビームレットに対して第1の磁極片、第2の磁極片、および少なくとも1つの開口を含む。加えて、共通の対物レンズは、少なくとも2つのレンズモジュールに磁束を提供する少なくとも1つの励磁コイルを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、共通の対物レンズは、各1次荷電粒子ビームレットに対するレンズモジュールを含むことができる。
いくつかの実施形態によれば、マルチカラム顕微鏡構成の荷電粒子ビーム装置100の互いに対する距離は、典型的には約10mm〜約60mm、より典型的には約10mm〜約50mmとすることができる。いくつかの実施形態では、マルチカラム顕微鏡構成の個々の荷電粒子ビーム装置間の距離は、荷電粒子ビーム装置の光軸間の距離として測定することができる。
図5に例示的に示すように、マルチカラム顕微鏡構成内でいくつかの荷電粒子ビーム装置を使用することによって、信号ビームレット間のクロストークを十分に小さくして、十分な分解能で、十分な数の1次荷電粒子ビームレットを提供することができる。
いくつかの実施形態によれば、荷電粒子ビーム装置内で1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する方法が記載される。図6に、この検査方法の流れ図500が示されている。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、この方法で使用される荷電粒子ビーム装置は、特に図1〜4に関して本明細書の実施形態に記載した荷電粒子ビーム装置とすることができる。本明細書に記載の実施形態による方法はまた、図5に示す実施形態などのいくつかの実施形態の記載のマルチカラム顕微鏡構成によって実行することができる。
ブロック510で、本明細書に記載の実施形態による方法は、ビームエミッタを含む荷電粒子ビーム源によって1次荷電粒子ビームを生成することを含む。ビームエミッタは、たとえば上述したように、CFE、ショットキーエミッタ、TFE、または別の高電流高輝度の荷電粒子ビーム源(電子ビーム源など)などの光源とすることができる。いくつかの実施形態によれば、ビームエミッタは、1つの1次荷電粒子ビームを放出することができ、この1次荷電粒子ビームは、複数の1次荷電粒子ビームレットが生成されるように処理することができる(たとえば、多開孔レンズによって分割することによる)。ビームレットは、多開孔レンズの後ろをレンズ(いくつかの実施形態では、加速レンズとすることができる)の平面へ誘導される。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、ビームエミッタは、ビームエミッタからの荷電粒子の抽出を支持(および誘導)する抽出電極を含むことができる。
ブロック520で、この方法は、少なくとも2つの電極によって荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正することをさらに含む。これらの電極によって補正すべき像面湾曲は、上記で詳細に説明したように、荷電粒子ビーム装置の対物レンズなどの撮像レンズによって、荷電粒子ビーム装置に導入されることがある。多開孔レンズ板および抽出電極とともに、像面湾曲補正電極および抽出電極は、いわゆる「ゼロ強度マクロレンズ」を作り出すことができる。「ゼロ強度」とは、軸外荷電粒子が偏向されないことを意味することができ、これにより色偏向誤差に関連する問題が回避される。いくつかの実施形態によれば、像面湾曲補正電極は、像面湾曲補正電極からの電界が多開孔レンズ板で終わり、個々の1次荷電粒子ビームレットに対して低収差単開孔レンズを形成することができるように構成および/または制御することができる。
本明細書に記載の実施形態によれば、少なくとも2つの像面湾曲補正電極は、1次荷電粒子ビームが通過する開孔部を有することができる。いくつかの実施形態では、この方法は、所期の用途、荷電粒子ビーム装置内で使用されるレンズ、および荷電粒子ビーム装置の他の好適な動作パラメータに像面湾曲電極を制御および/または調整することを含む。いくつかの実施形態では、像面湾曲補正電極は、加速または減速モードで駆動することができる。たとえば、像面湾曲補正電極は、多開孔レンズ板の前(伝播する1次荷電粒子ビームの方向)に配置されたとき、減速作用を有することができる。一例では、像面湾曲補正電極は、多開孔レンズ板の後ろ(伝播する1次荷電粒子ビームの方向)に配置されたとき、加速作用を有することができる。
ブロック530で、この方法は、1次荷電粒子ビームによって多開孔レンズ板を照射して、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成することを含む。たとえば、多開孔レンズ板は、複数の開孔部を有することができ、その結果、1次荷電粒子ビームは、いくつかの集束された1次荷電粒子ビームレットに分割される。格子構成または多開孔レンズ板の開孔部の配置は、上記で詳細に説明および議論したように、好適に選択することができる。たとえば、多開孔レンズ板内の開孔部は、1次元のビームレットアレイ、またはたとえば方形もしくは2次ビームレットアレイなどの2次元のビームレットアレイで配置することができる。
本明細書に記載の実施形態によれば、この方法は、ブロック540で、荷電粒子ビーム源によって生成された1次荷電粒子ビームレットを対物レンズのコマフリー点へ誘導することを含む。一実施形態では、レンズは、加速レンズとすることができる(たとえば、像面湾曲補正電極が多開孔レンズ板の前に配置される場合)。上述したように、加速レンズは、多開孔レンズ板から出た1次荷電粒子ビームレットを約10kV〜約30kVのエネルギーに加速させることができる。加速レンズによって提供されるブースタエネルギーは、1次荷電粒子ビームレットの共通の交差点で電子−電子の相互作用を低減させることができる。
ブロック550で、1次荷電粒子ビームレットは、レンズ内またはその付近に配置された偏向器アレイを通って案内される。いくつかの実施形態では、偏向器アレイは、レンズの焦点距離内またはレンズの電極内に配置することができる。本明細書に記載の実施形態によれば、レンズおよび偏向器アレイの複合動作により、1次荷電粒子ビームレットは、荷電粒子ビーム装置の対物レンズのコマフリー点を通って誘導される。ブロック560で、対物レンズによって試験片上の別個の場所に1次荷電粒子ビームレットを集束させ、試験片を別個の場所で同時に検査する。いくつかの実施形態によれば、像面湾曲補正および1次荷電粒子ビームレットによる対物レンズのコマフリー点の通過により、対物レンズは、低減されたまたは非常に低い収差で、1次荷電粒子ビームレットを試験片上へ精密に集束させることが可能になる。
いくつかの実施形態によれば、この方法は、試験片からの信号粒子または信号ビームの抽出を容易にするために、対物レンズ付近(試験片と対物レンズとの間など)でプロキシ電極に電圧を印加することをさらに含むことができる。信号ビームは、ビーム分離器、特に無色ビーム分離器によって、1次荷電粒子ビームレットから分離することができる。いくつかの実施形態では、ビームベンダによって信号ビームを屈曲させて、信号ビームを検出器アセンブリ、特に軸外検出器アセンブリへ誘導する。この方法は、検出器アセンブリ、特にマルチチャネル検出器アセンブリによって、信号ビームを検出することをさらに含むことができる。
いくつかの実施形態では、この方法は、検出器によって得られたデータを処理して、試験片の画像を生成すること、または試験片の構造を評価することを可能にする形式でデータを有することを含むことができる。
本開示は、複数の実施形態を提供する。例示的な実施形態を以下に挙げる。
実施形態1:荷電粒子ビーム装置内で1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する方法が提供され、荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビーム装置のz方向に延びる光軸を有する。この方法は、荷電粒子ビームエミッタによって1次荷電粒子ビームを生成することと、1次荷電粒子ビームによって表面を有する多開孔レンズ板を照射して、集束された1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成することと、多開孔レンズ板の表面上に少なくとも第1の電極によって電界を生成することであって、少なくとも第1の電極によって提供される電界のz方向における電界成分が非回転対称である、生成することと、対物レンズによって試験片上の別個の場所に1次荷電粒子ビームレットを集束させ、試験片を別個の場所で同時に検査することとを含む。
実施形態2:少なくとも第1の電極は、伝播する1次荷電粒子ビームレットの方向で、開孔レンズ板の前に配置される、実施形態1に記載の方法。
実施形態3:少なくとも第1の電極は、伝播する1次荷電粒子ビームレットの方向で、開孔レンズ板の後に配置される、実施形態1に記載の方法。
実施形態4:少なくとも第1の電極によって提供される電界の非回転対称のz成分は、少なくとも第1の電極が円周方向に少なくとも2つの別個の電極セグメントに区分けされることによって提供される、実施形態1から3までのいずれかに記載の方法。
実施形態5:区分けされた少なくとも第1の電極は、双極子、4極子、またはより高次の極を提供する、実施形態4に記載の方法。
実施形態6:少なくとも第1の電極によって提供される電界の非回転対称のz成分は、少なくとも第1の電極が、荷電粒子ビーム装置の光軸に直交する平面に対して傾斜していることによって提供される、実施形態1から5までのいずれかに記載の方法。
実施形態7:試験片のサンプル傾斜または局所的サンプル傾斜を測定することと、その傾斜に比例する電界強度またはサンプル傾斜もしくは局所的サンプル傾斜を少なくとも部分的に補償する電界強度を有する電界を生成することとをさらに含む、実施形態1から6までのいずれかに記載の方法。
実施形態8:走査偏向器によって試験片の上で1次荷電粒子ビームレットを走査させることをさらに含み、多開孔レンズ板の表面上に少なくとも第1の電極によって生成される電界のz成分は、走査偏向器の励磁に比例する振幅を有する、実施形態1から7までのいずれかに記載の方法。
実施形態9:1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する荷電粒子ビーム装置であって、荷電粒子ビーム装置のz方向に延びる光軸を含み、荷電粒子ビーム装置は、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成する荷電粒子ビーム源をさらに含み、荷電粒子ビーム源は、荷電粒子ビームを放出する荷電粒子ビームエミッタ、および表面を有する多開孔レンズ板を含み、多開孔レンズ板は、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成および集束させるために少なくとも2つの開口を含み、1次荷電粒子ビームによって照射されるように配置される、荷電粒子ビーム装置。荷電粒子ビーム装置は、多開孔レンズ板の表面上に電界を生成する少なくとも第1の電極であって、半径方向、円周方向、および1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットが通過する開孔部を有し、円周方向に少なくとも2つの別個の電極セグメントに区分けされた少なくとも第1の電極と、1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの各1次荷電粒子ビームレットを試験片上の別個の場所へ集束させる対物レンズとをさらに含む。
実施形態10:別個の電極セグメントは、異なる電圧によって別個に付勢可能である、実施形態9に記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態11:区分けされた第1の電極は、双極子、4極子、またはより高次の極を提供する、実施形態9または10に記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態12:少なくとも第1の電極は、伝播する1次荷電粒子ビームレットの方向で、開孔レンズ板の前に配置される、実施形態9から11までのいずれかに記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態13:少なくとも第1の電極は、伝播する1次荷電粒子ビームレットの方向で、開孔レンズ板の後に配置される、実施形態9から11までのいずれかに記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態14:試験片の上で1次荷電粒子ビームレットを走査させる走査偏向器をさらに含む、実施形態9から13までのいずれかに記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態15:少なくとも第1の電極は、荷電粒子ビーム装置の光軸に直交する平面に対して傾斜している、実施形態9から14までのいずれかに記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態16:1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する荷電粒子ビーム装置であって、荷電粒子ビーム装置のz方向に延びる光軸を含み、荷電粒子ビーム装置は、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成する荷電粒子ビーム源をさらに含み、荷電粒子ビーム源は、荷電粒子ビームを放出する荷電粒子ビームエミッタ、ならびに1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成および集束させるために少なくとも2つの開口を含む多開孔レンズ板を含み、多開孔レンズ板は、1次荷電粒子ビームによって照射されるように配置される、荷電粒子ビーム装置。荷電粒子ビーム装置は、多開孔レンズ板の表面上に電界を生成する少なくとも第1の電極であって、1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットが通過する開孔部を有し、荷電粒子ビーム装置の光軸に直交する平面に対して傾斜している少なくとも第1の電極と、1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの各1次荷電粒子ビームレットを試験片上の別個の場所へ集束させる対物レンズとをさらに含む。
実施形態17:第1の電極は、どちらもz方向に直交するxまたはy方向に傾斜している、実施形態16に記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態18:第1の電極は、伝播する1次荷電粒子ビームレットの方向で、開孔レンズ板の前に配置される、実施形態16または17に記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態19:第1の電極は、伝播する1次荷電粒子ビームレットの方向で、開孔レンズ板の後に配置される、実施形態16または17に記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態20:第1の電極は、円周方向に少なくとも2つの別個の電極セグメントに区分けされる、実施形態16から19までのいずれかに記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態21:荷電粒子ビーム装置は、試験片を傾斜させて支持するように適合される、実施形態16から20までのいずれかに記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態22:試験片を検査するマルチカラム顕微鏡であって、1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する荷電粒子ビーム装置を含み、荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビーム装置のz方向に延びる光軸を含み、荷電粒子ビーム装置は、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成する荷電粒子ビーム源をさらに含み、荷電粒子ビーム源は、荷電粒子ビームを放出する荷電粒子ビームエミッタ、1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成および集束させるために少なくとも2つの開口を含む多開孔レンズ板であり、1次荷電粒子ビームによって照射されるように配置された多開孔レンズ板、ならびに多開孔レンズ板の表面上に電界を生成する少なくとも第1の電極であり、1次荷電粒子ビームまたは1次荷電粒子ビームレットが通過する開孔部を有し、荷電粒子ビーム装置の光軸に直交する平面に対して傾斜しており、かつ/または円周方向に少なくとも2つの別個の電極セグメントに区分けされた少なくとも第1の電極を含み、荷電粒子ビーム装置は、1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの各1次荷電粒子ビームレットを試験片上の別個の場所へ集束させる対物レンズをさらに含む、マルチカラム顕微鏡。マルチカラム顕微鏡は、さらなる1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成するさらなる荷電粒子ビーム源をさらに含む。
実施形態23:対物レンズのコマフリー点を通って1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの1次荷電粒子ビームレットを案内するレンズモジュールおよび偏向器モジュールのうちの少なくとも1つをさらに含む、実施形態9から15までのいずれかに記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態24:対物レンズのコマフリー点を通って1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの1次荷電粒子ビームレットを案内するレンズモジュールおよび偏向器モジュールのうちの少なくとも1つをさらに含む、実施形態16から21までのいずれかに記載の荷電粒子ビーム装置。
実施形態25:対物レンズのコマフリー点を通って1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの1次荷電粒子ビームレットを案内するレンズモジュールおよび偏向器モジュールのうちの少なくとも1つをさらに含む、実施形態22に記載のマルチカラム顕微鏡。
実施形態26:対物レンズアレイのそれぞれの光軸へ1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの1次荷電粒子ビームレットを案内するコリメータレンズおよび偏向器アレイのうちの少なくとも1つを有するコリメータをさらに含む、実施形態22または25に記載のマルチカラム顕微鏡。
実施形態27:対物レンズアレイは、個別の静電レンズおよび個別の磁気レンズのうちの1つまたは複数を含む、実施形態26に記載のマルチカラム顕微鏡。
実施形態28:個別の静電レンズは、減速電界型レンズである、実施形態27に記載のマルチカラム顕微鏡。
実施形態29:個別の磁気レンズは、共通の励磁コイルを有する、実施形態27または28に記載のマルチカラム顕微鏡。
上記は実施形態を対象としたが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、他のさらなる実施形態を考案することができ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。

Claims (15)

  1. 荷電粒子ビーム装置内で1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する方法であって、
    荷電粒子ビーム源の荷電粒子ビームエミッタによって1次荷電粒子ビームを生成することと、
    前記1次荷電粒子ビームによって多開孔レンズ板を照射して、集束された前記1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成することと、
    開孔部を備える少なくとも2つの電極によって前記荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正することと、
    前記1次荷電粒子ビームレットをレンズによって前記荷電粒子ビーム装置の対物レンズの方へ誘導することと、
    前記レンズ内に配置された偏向器アレイを通って前記1次荷電粒子ビームレットを案内することであり、前記レンズおよび前記偏向器アレイの複合動作により、前記1次荷電粒子ビームレットが前記荷電粒子ビーム装置の前記対物レンズのコマフリー点を通って誘導されることと
    前記対物レンズによって前記試験片上の別個の場所に前記1次荷電粒子ビームレットを集束させ、前記試験片を前記別個の場所で同時に検査することとを含む方法。
  2. 少なくとも2つの電極によって前記荷電粒子ビーム装置の前記像面湾曲を補正することは、前記少なくとも2つの電極を前記荷電粒子ビーム源と前記多開孔レンズ板との間に配置することを含み、特に前記少なくとも2つの電極によって前記荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正することは、前記少なくとも2つの電極を減速モードで動作させて、前記1次荷電粒子ビームまたは前記1次荷電粒子ビームレットを減速させることを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも2つの電極によって前記荷電粒子ビーム装置の前記像面湾曲を補正することは、前記伝播する1次荷電粒子ビームレットの方向で、前記少なくとも2つの電極を前記多開孔レンズ板の後ろに配置することを含み、特に前記少なくとも2つの電極によって前記荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正することは、前記少なくとも2つの電極を加速モードで動作させて、前記1次荷電粒子ビームまたは前記1次荷電粒子ビームレットを加速させることを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記レンズは、静電レンズ、静電磁気複合レンズ、磁気レンズ、および無回転磁気接合レンズからなる群から選択される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記1次荷電粒子ビームレットが前記試験片に衝突または後方散乱すると、信号荷電粒子ビームレットが生成され、前記信号荷電粒子ビームレットは、前記レンズと前記対物レンズとの間に配置されたビーム分離器の磁場によって、前記1次荷電粒子ビームレットから分離される、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記偏向器アレイは、前記1次荷電粒子ビームレットに個別に位置合わせされた複数の4極子要素を備える、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記1次荷電粒子ビームレットを前記試験片に衝突させることをさらに含み、前記1次荷電粒子ビームレットはそれぞれ、前記試験片上にスポットを提供し、前記スポットのスポットサイズは、20nm未満である、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記1次荷電粒子ビームレットを前記試験片上の前記別個の場所に衝突させることをさらに含み、前記試験片に衝突した際の前記荷電粒子ビームレットのいずれかの間の最小の距離は、150μm未満である、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 1次荷電粒子ビームレットのアレイによって試験片を検査する荷電粒子ビーム装置であって、
    1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成する荷電粒子ビーム源であり、
    荷電粒子ビームを放出する荷電粒子ビームエミッタ、ならびに
    1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成および集束させるために少なくとも2つの開口を備える多開孔レンズ板を備え、前記多開孔レンズ板は、前記1次荷電粒子ビームによって照射されるように配置される、荷電粒子ビーム源と、
    前記荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正する像面湾曲補正装置であり、前記1次荷電粒子ビームまたは前記1次荷電粒子ビームレットが通過する開孔部を有する少なくとも2つの像面湾曲補正電極を備える像面湾曲補正装置と、
    前記1次荷電粒子ビームレットのアレイを前記荷電粒子ビーム装置の対物レンズへ誘導するように構成されたレンズと、
    前記レンズ内に配置された偏向器アレイであり、前記レンズおよび前記偏向器アレイが、前記レンズおよび前記偏向器アレイの複合動作によって、対物レンズのコマフリー点を通って前記1次荷電粒子ビームレットを誘導するように構成される、偏向器アレイと、
    前記1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの各1次荷電粒子ビームレットを前記試験片上の別個の場所へ減速および集束させる対物レンズとを備える荷電粒子ビーム装置。
  10. 前記像面湾曲補正装置は、前記荷電粒子ビームエミッタと前記多開孔レンズ板との間に配置され、または前記像面湾曲補正装置は、前記伝播する1次荷電粒子ビームレットの方向で、前記多開孔レンズ板の後ろに配置される、請求項9に記載の荷電粒子ビーム装置。
  11. 前記レンズは、前記伝播する1次荷電粒子ビームレットのアレイの方向で、前記多開孔レンズ板の後に直接配置される、請求項9または10に記載の荷電粒子ビーム装置。
  12. 前記1次荷電粒子ビームレットのアレイのうちの前記1次荷電粒子ビームレットはそれぞれ、前記試験片上にスポットを提供し、前記スポットのスポットサイズは、20nm未満である、請求項9から11までのいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム装置。
  13. 前記1次荷電粒子ビームレットが前記試験片に衝突しまたは前記試験片から後方散乱する際に生成される信号荷電粒子ビームレットから前記1次荷電粒子を分離するビーム分離器をさらに備える、請求項9から12までのいずれか1項に記載の荷電粒子ビーム装置。
  14. 試験片を撮像するように構成された少なくとも2つの荷電粒子ビーム装置を有するマルチカラム顕微鏡構成であって、前記少なくとも2つの荷電粒子ビーム装置はそれぞれ、
    1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成する荷電粒子ビーム源であり、
    荷電粒子ビームを放出する荷電粒子ビームエミッタ、および
    1次荷電粒子ビームレットのアレイを生成するために少なくとも2つの開口を備える多開孔レンズ板を備え、前記多開孔レンズ板は、前記1次荷電粒子ビームによって照射されるように配置される、荷電粒子ビーム源と、
    前記荷電粒子ビーム装置の像面湾曲を補正する像面湾曲補正装置であり、前記1次荷電粒子ビームが通過する開孔部を有する少なくとも2つの像面湾曲補正電極を備える像面湾曲補正装置と、
    前記1次荷電粒子ビームレットのアレイを前記荷電粒子ビーム装置の対物レンズの方へ誘導するように構成されたレンズと、
    前記レンズ内に配置された偏向器アレイとを備え、前記レンズおよび前記偏向器アレイは、前記レンズおよび前記偏向器アレイの複合動作によって、対物レンズのコマフリー点を通って前記1次荷電粒子ビームレットを誘導するように構成され、
    前記マルチカラム顕微鏡構成は、
    各1次荷電粒子ビームレットを前記試験片上の別個の場所へ減速および集束させる対物レンズをさらに備える、マルチカラム顕微鏡構成。
  15. 前記少なくとも2つの荷電粒子ビーム装置の前記対物レンズは、少なくとも2つのレンズモジュールを備え、前記レンズモジュールはそれぞれ、1次荷電粒子ビームレットに対して第1の磁極片、第2の磁極片、および少なくとも1つの開口を含み、前記対物レンズは、前記少なくとも2つのレンズモジュールに磁束を提供する少なくとも1つの励磁コイルをさらに備える、請求項14に記載のマルチカラム顕微鏡構成。
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