JP2015028851A - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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Shahedul HOQUE
シャヘドゥル ホック
弘之 高橋
Hiroyuki Takahashi
弘之 高橋
岩崎 孝志
Takashi Iwasaki
孝志 岩崎
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Abstract

【課題】1次ビームを高速照射することによる影響を簡易な構成により緩和することができる荷電粒子線装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る荷電粒子線装置は、2次電子を検出する複数の検出器と2次電子を検出器に向かって偏向させる偏向器を備え、荷電粒子線の走査座標に応じて異なる検出器に向けて2次電子を偏向させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、荷電粒子線装置に関する。
荷電粒子線装置の1態様である走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)は、電子ビーム(以後、1次ビームまたは1次電子と称する)を試料上に照射し、試料から放出される2次電子(Secondary Electron:SE)や後方散乱電子(Backscattered Electron: BSE)(以後、SEとBSEをまとめてSEと称する)を画像に変換することにより、試料の観察像を得る。走査型電子顕微鏡は特に半導体デバイスを計測する際に広く応用されている。
走査型電子顕微鏡を用いて絶縁試料を観測する場合、1次ビーム照射によって試料に電荷が蓄積する。その結果、SEが試料に引き戻されることにより、SN(信号対ノイズ)比低下、観察パターン消失、帯電ポテンシャルが1次ビームに対して及ぼす影響による視野ずれ、像ボケ、などの課題が生じる。
この課題について、試料に対して照射する単位時間当たりの1次電子数を減らすことにより試料の帯電を抑制できることが知られている。1次ビームの電流が固定である場合、これは1ピクセル当たりの照射時間を短くすることを意味する。したがって、電子ビームを高速に走査することにより、帯電現象が引き起こす課題を抑制することができる。他方、電子ビームを高速に走査すると、新たな課題が生じる。これについて以下に説明する。
SEM検出系におけるSE信号処理は、(1)SE信号を検出器によって電気信号に変換する、(2)増幅器(AMP)により信号を増幅する、(3)増幅信号をA/D変換する、(4)デジタル信号をメモリに書き込む、(5)メモリ上のデジタル信号を画像として表示する、という過程により実施される。上記の一連の処理は1次ビーム走査に同期して実施する必要があり、ビーム走査を高速化するとともに検出系の応答性を向上させることが必須である。
検出系の応答速度がビーム走査速度に追随できない場合は、AMPが増幅信号を出力するために要する時間が1ピクセル分の照射時間以上に広がり、その結果として試料の1ピクセル分の画像情報が複数のピクセルにまたがって画像化されてしまう。これにより像ボケが生じ、観測パターン寸法の測定精度と再現性が劣化することが、本願発明者らによって確認されている。1次ビームを高速走査したときの画像劣化を補正する技術として、下記特許文献1記載のものがある。
特開2011−165450号公報
上記課題を解決するため、検出系の各素子と回路を高速化することが考えられる。しかし、電子を検出する検出器の応答速度は様々な物理現象の統計的ばらつきによって制限されてしまう。また、検出器の微弱な信号を増幅するAMP回路の応答を高速にすると、出力にリンギング等が生じ、誤信号の原因となる。したがって、素子や回路を高速化することのみによって検出系を高速化することは困難である。
また、上記特許文献1に記載されている技術のように、画像処理によって高速化の影響を補正するためには、補正処理において使用する追加情報が必要であると考えられる。例えば特許文献1においては、1次ビームを高速照射したときの画像と低速照射したときの画像を用いる必要がある。したがって、処理速度などの観点で負担が生じる。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、1次ビームを高速照射することによる影響を簡易な構成により緩和することができる荷電粒子線装置を提供することを目的とする。
本発明に係る荷電粒子線装置は、2次電子を検出する複数の検出器と2次電子を検出器に向かって偏向させる偏向器を備え、荷電粒子線の走査座標に応じて異なる検出器に向けて2次電子を偏向させる。
本発明に係る荷電粒子線装置によれば、1次ビームを高速走査したときに起きる像ボケや寸法誤差を、簡易な検出系の構成により抑制することができる。
一般的な荷電粒子線装置100の構成図である。 SE信号を画像化する検出系の処理ブロック図である。 検出系の応答遅れによる影響を説明する図である。 実施形態1に係る荷電粒子線装置100が備える検出器107の配置例を示す図である。 偏向器に対して入力する偏向信号の例を示す図である。 実施形態2に係る荷電粒子線装置100の模式図である。 SE偏向器112と検出器107の間の距離Lについて説明する図である。 実施形態4に係る荷電粒子線装置100のSE偏向器112周辺における構成を示す図である。 実施形態5に係る荷電粒子線装置100の構成図である。 検出器107が有する複数の検出部位とその割り当てを例示する図である。 検出器107を3つ備える場合における例を示す図である。 AMP108の出力波形を示す図である。
<従来の走査型電子顕微鏡>
以下では本発明の理解を容易にするため、まず従来の荷電粒子線装置の1例として走査型電子顕微鏡の構成とその課題を説明し、その後に本発明の基本原理と実施形態について説明する。
図1は、一般的な荷電粒子線装置(ここではSEMを想定する)100の構成図である。荷電粒子線源101から照射された荷電粒子線(例えば電子ビーム)102は、偏向器103によって偏向され、対物レンズ104によって試料105上の走査位置106に集束される。試料105から放射されるSEは、検出器107によって検出される。検出器107以降の処理については次の図2で説明する。
図2は、SE信号を画像化する検出系の処理ブロック図である。検出器107の出力は、AMP108によって増幅される。AMP108の出力はA/D変換器109によってデジタル信号に変換される。A/D変換器109が出力するデジタル信号は画像メモリ110に書き込まれる。画像は多ピクセル(以後、pixとも称する)からなり、画像メモリ110に書き込まれるデジタル信号と画像ピクセルは1対1に対応する。A/D変換器109が出力するデジタル値がそのまま対応する画像ピクセルの輝度値になる。
画像メモリ110が格納する画像のX方向のピクセル数をPx、Y方向のピクセル数をPyとすると、合計ピクセル数はPx×Pyとなる。試料105上の走査領域106をPx×Py個に分割し、各分割領域を画像メモリ110内に格納される各画像ピクセルと1対1に対応させる。以下では便宜上、試料105上の各分割領域もピクセルと称する。1次ビームの走査速度は、「照射時間/ピクセル数」で定義することができる。
図3は、検出系の応答遅れによる影響を説明する図である。図3(a)(b)は検出系の応答遅れがない場合におけるAMP出力と画像輝度をそれぞれ示す。図3(c)(d)は検出系の応答遅れが存在する場合におけるAMP出力と画像輝度をそれぞれ示す。ここではピクセル1から強度V、ピクセル2から強度V/2の信号が検出器107に到達するものと仮定する。
図3(a)に示すように、検出系の応答が1次ビームの走査速度に追随する場合は、試料105からの2次電子信号を検出・増幅した信号が1ピクセルの時間内に収まる。したがって図3(b)に示すように、A/D変換後は画像ピクセル1の輝度はB、ピクセル2の輝度はB/2となる。
図3(c)に示すように、検出系の応答が1次ビームの走査速度に追随することができず遅れる場合は、2次電子信号を検出・増幅した後の信号は複数のピクセルにまたがってしまう。その結果、図3(d)に示すように、ピクセル1の信号の影響によりピクセル2の信号値が実際の信号値より高くなり、さらにはピクセル3においても誤信号が生じる。したがって、ピクセル1の輝度はB、ピクセル2の輝度はB/2+α、ピクセル3の輝度はβとなる。αとβは検出系の応答遅れに起因して生じる誤信号分の輝度である。
図3に示すような検出系の応答遅れにより、検出パターンの凹凸形状のエッジ部分が広がって画像化され、像ボケやパターン寸法の測定誤差の原因になる。したがって、検出系の応答遅れを減少させる手法が求められる。
<本発明の基本的な考え方>
検出系の応答遅れを減少させるため、本発明に係る荷電粒子線装置は、複数の検出器107を並行して用いる。具体的には、N個(N≧2)の検出器107を設け、1次ビームの走査と同期して各検出器107を循環的に用いる。以下にN=3の場合を説明するが、N≧2場合の一般化も容易である。
本発明に係る荷電粒子線装置100は、SEを偏向して検出器107に向かわせるSE偏向器112を備える。このSE偏向器112は、試料105上でピクセル1に対応する領域を走査するときSEが第1検出器107に到達し、ピクセル2に対応する領域を走査するときSEが第2検出器107に到達し、ピクセル3に対応する領域を走査するときSEが第3検出器107に到達するように、SEを偏向する。SE偏向器112は、偏向器103と兼用してもよいし別途設けてもよい。SE偏向器112の具体的な配置例については実施形態2以降で説明する。
各検出器107の出力は、個別のA/D変換器109によって増幅され、画像メモリ110内の各ピクセルに対応するアドレス上に書き込まれる。検出器107が検出信号を出力するために要する時間とA/D変換器109が増幅信号を出力するために要する時間の和が3ピクセル分の時間以内に収まれば、検出系の応答遅れにより1ピクセル分の情報が複数のピクセルにまたがることを防止できる。
ピクセル4に対応する領域を走査するときは、SEが再び第1検出器107に到達するようにSEを偏向し、その出力を画像メモリ110内のピクセル4に対応するアドレスに書き込む。この過程を繰り返して走査領域106を画像化する。つまり、第1〜第3検出器に対するピクセル割り当てはそれぞれ以下のようになる。
第1検出器:ピクセル1→4→7→・・・
第2検出器:ピクセル2→5→8→・・・
第3検出器:ピクセル3→6→9→・・・
検出器107の個数は、以下のように決定することができる。AMP108が増幅信号を出力するために要する時間をtd、1ピクセルに対して1次ビームを照射する時間をts(td>ts)とすると、理想的な場合は検出器107の個数N’=td/tsとすればよい。実際には、ピクセル毎の信号値が多少重なることを許容できる場合もあるので、N’も少ない個数、すなわちN=(td−Δt)/ts≦N’の検出器107を用いて、検出系の応答遅れによる像ボケ、寸法変変動、測長再現性の劣化など抑制することができると考えられる。Δtの具体的な値は計算機を用いたシミュレーションや実験等により求める必要がある。
<実施の形態1>
図4は、本発明の実施形態1に係る荷電粒子線装置100が備える検出器107の配置例を示す図である。図4(a)は3つの検出器107を直線上に等間隔配置した例、図4(b)は3つの検出器107を円周上に等間隔配置した例を示す。その他の構成は図1〜図2および<本発明の基本的な考え方>で説明したものと同様である。
図5は、偏向器に対して入力する偏向信号の例を示す図である。図5(a)は偏向器103に対して入力する偏向信号、図5(b)は図4(a)に示す配置例においてSE偏向器112に対して入力する偏向信号、図5(c)は図4(b)に示す配置例においてSE偏向器112に対して入力する偏向信号を示す。
図5(a)に示すように、偏向器103に対して入力する偏向信号は、走査位置に応じて線型的に変化する。試料105上における荷電粒子線102の走査座標は、画像メモリ110が格納する各ピクセルの座標に対応する。
図5(b)に示すように、検出器103を直線配置した場合においてSE偏向器112に対して入力する偏向信号は、荷電粒子線102に同期した三角波となる。ピクセル1〜3を走査する際に、SEがそれぞれ第1〜第3検出器107に到達するように、SEを偏向する。1次ビームがピクセル4を走査するときは、SEが再び第1検出器107に戻るように、偏向信号を初期値に戻す。
図5(c)に示すように、検出器を円周上に配置した場合においては、SEを2次元的に偏向させることが必要である。すなわち、2方向(X方向とY方向)それぞれにSEを偏向させるSE偏向器112が必要である。この場合は、X方向とY方向それぞれのSE偏向器112に対する偏向信号として、位相が互いに90°異なる正弦波を入力する。偏向信号の周期を、1次ビーム102が3ピクセル走査する時間と同じ値にすることにより、ピクセル1〜4・・・からのSE信号を、第1検出器→第2検出器→第3検出器→第1検出器→・・・の順に使用して検出することができる。
<実施の形態2>
荷電粒子線装置100の構成によっては、走査分解能を高めるため、対物レンズとして磁場レンズと静電レンズを重畳的に併用する場合がある。その場合、静電レンズは試料105に負の高電圧を入力する。その結果、試料105が放出するSEは電源GND基準で数KeVのエネルギーを有する。
高SN比を得るため反射板等を介さずSEを直接検出する場合は、上記のように高エネルギーを有するSEを偏向する必要がある。検出器間の距離が短い(例えばmmオーダ)場合、高エネルギーを有するSEを高速に偏向するため高性能の制御回路が必要となり、技術的かつ価格的な困難が考えられる。そこで本発明の実施形態2に係る荷電粒子線装置100は、SEをいったん減速させてから偏向する構造を採用する。その他の構成は実施形態1と同様である。
図6は、本実施形態2に係る荷電粒子線装置100の模式図である。メッシュ電極M1は、高速のSEに対して正の高電圧を印加し、検出器107に向かってSEの軌道を変化させる。メッシュ電極M1の後段には低電圧のメッシュ電極M2を配置し、これによりSEを減速させる(減速区間)。以後の動作は実施形態1と同様である。なお、電極M1とM2は、必ずしもメッシュ形状でなくともよいが、少なくともSEを通過させる穴を有している必要がある。
検出器107の動作条件として高電圧を印加することが必要な場合(例えば、蛍光体発光のためには約10kVの電圧が必要)、SEを偏向させた後、検出器107に高電圧を印加してSEを加速させる(加速区間)。加速区間と減速区間の間はメッシュ電極M2によって区切られているため、メッシュ電極M2の電位によって電場が収束し、したがって加速区間内の電場が減速区間において及ぼす影響は少ない。
<実施の形態3>
本発明の実施形態3においては、SE偏向器112と検出器107の間の距離Lについて説明する。その他の構成は実施形態1〜2と同様である。
図7は、SE偏向器112と検出器107の間の距離Lについて説明する図である。距離Lを長くすると、SE偏向器112の偏向感度を向上させることができる。距離Lの最適値はSE偏向器の偏向感度と検出器107間の距離により求まる。
SE偏向器112が静電偏向器である場合を考える。SE偏向器112の偏向感度をθ[rad/V]、SE偏向器112に印加される最大電圧をV[V]、検出器107間の最大距離をlsとすると、L=ls/(θV)となる。したがって、Lは検出器107間の距離lsに比例し、SE偏向器112の偏向感度θに反比例する。
<実施の形態4>
図8は、本発明の実施形態4に係る荷電粒子線装置100のSE偏向器112周辺における構成を示す図である。その他の構成は実施形態1〜3と同様であるため、以下では図8に係る事項を中心に説明する。
SEの軌道が広がっている場合、1ピクセル分のSEが複数の検出器107にまたがって到達することが懸念される。そこで本実施形態4においては、集束レンズを用いてSEの軌道を集束させ、SEが並行に進行するようにする。例えば図8に示すように、レンズL1を用いて広がっているSEを点F付近に集束させ、その後レンズL2を用いてSEの軌道を並行にする。最後にSE偏向器112によってSEを偏向させる。
<実施の形態5>
試料105から放出されるSEを荷電粒子線102から分離せず、かつ直接検出する場合は、荷電粒子線102を偏向させる偏向器103を用いてSEを偏向させることができる。そこで本発明の実施形態5においては、偏向器103をSE偏向器として兼用する構成例を説明する。その他の構成は実施形態1〜4と同様であるため、以下では差異点を中心に説明する。
図9は、本発明の実施形態5に係る荷電粒子線装置100の構成図である。図9に示すように、SEが荷電粒子線102と同じ空間を通過する場合、荷電粒子線102を走査する偏向場によってSEも偏向作用を受ける。図9(a)は電磁偏向を用いる場合の電子軌道を示し、図9(b)は静電偏向を用いる場合の電子軌道を示す。
偏向器103によって偏向されたSEは、上方に配置されている検出器107に到達する。偏向されたSEが検出器107に到達する位置は、偏向幅によって異なる。本実施形態5においては、偏向器103は荷電粒子線102とSEをともに偏向するので、1次電子102の偏向幅とSEの偏向幅は連動している。例えば荷電粒子線102を高倍率で走査する場合は狭い範囲を走査するので偏向幅が小さく、したがってSEの偏向幅もこれに対応して小さい。そこで本実施形態5においては、検出器107を複数の検出部位に分割し、荷電粒子線102の走査倍率に応じて、使用する検出部位を変更する。
図10は、検出器107が有する複数の検出部位とその割り当てを例示する図である。同図は、図9と同様に検出器107を側面から見たものである。荷電粒子線102の走査倍率が高くなると偏向幅が小さくなるので使用する検出部位は少なくなり、荷電粒子線102の走査倍率が低くなると偏向幅が大きくなるので使用する検出部位は多くなる。この走査倍率と使用する検出部位の対応関係をあらかじめデータテーブルなどに定義しておき、荷電粒子線102の走査倍率に応じて使用する検出部位を変更することができる。
図10に示す例においては、簡単のために分割数=8、ピクセル数=4とした。走査倍率MのときSEは検出器107の検出部位3〜6の範囲で偏向され、走査倍率M/2のときSEは検出部位1〜8の範囲で偏向される。そこで、走査倍率Mのときは1つの検出部位を1ピクセルに割り当て、走査倍率M/2のときは2つの検出部位を1ピクセルに割り当てる。
<実施の形態6>
本発明の実施形態6においては、検出器107に対して電圧を印加して検出器107周辺に電場を発生させ、これによりSEを偏向させる構成例について説明する。荷電粒子線装置100のその他の構成は実施形態1〜5と同様である。
図11は、検出器107を3つ備える場合における例を示す図である。第1〜第3検出器107のそれぞれに対して印加する電圧をV1、V2、V3とする。図11(a)は第1検出器107に対して電圧Vを印加したときの等電位線分布を示す。図11(b)は第2検出器107に対して電圧Vを印加したときの等電位線分布を示す。
図11(a)(b)に示すように、電圧を印加する検出器107を切り替えることにより、等電位線分布が変化し、これによりSEが偏向される方向を変えることができる。この動作を荷電粒子線102の走査と同期させることにより、走査位置毎に検出器107を切り替えることができる。特に、SE偏向器112の偏向感度が不十分な場合、本実施形態6に係る構成を併用することにより、偏向精度を向上させることができる。
あるいは、検出器107が出力する電場によってSEを十分な感度で偏向させることができる場合は、SE偏向器112を省略することもできる。この場合は、検出器107がSE偏向器112の代替として機能する。
<実施の形態7>
従来の荷電粒子線装置においては、SE信号が隣接するピクセル間で重なる可能性があるため、AMP108の出力のうちピーク値のみを用いるなどして、信号をピクセル間で分離する必要があった。他方、実施形態1〜6で説明した構成により、隣接したピクセルに対応するSE信号を分離して信号の重なりを抑制することができる。本発明の実施形態7に係る荷電粒子線装置100は、このことを利用して、AMP108の出力を全般的に用いて信号強度をより正確に求める構成例を説明する。その他の構成は実施形態1〜6と同様である。
図12は、AMP108の出力波形を示す図である。AMP108の応答遅れにより、その出力波形は図12に示すように時間軸に対して広がりを有する。SE信号の強度は、この出力波形を時間軸に沿って積分した値に相当する。AMP108の出力がピクセル間で重なり合う場合は、隣接するピクセルに対応する出力を積分してしまうため、積分処理によってSE信号強度を求めることはできないが、図12に示すように検出器107を分離することにより、ピクセル間にまたがらずAMP108出力を積分することができる。これにより、SE信号強度をより正確に求めることができる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることもできる。また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることもできる。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成を追加・削除・置換することもできる。
例えば実施形態1において、隣接するピクセル(または試料105上の隣接する走査座標)については異なる検出器107を用いてSEを検出することを説明したが、荷電粒子線102を走査する順序によっては、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ピクセル1→ピクセル4→ピクセル3→ピクセル2の順に、対応する試料105上の走査座標に対して荷電粒子線102を照射する場合は、ピクセル1とピクセル2はともに第1検出器107を用いて検出することになる。
以上の実施形態においては、荷電粒子線装置100がSEMであることを想定したが、SEを検出した結果を利用するその他の荷電粒子線装置100においても、本発明を適用することができる。
100:荷電粒子線装置、101:荷電粒子線源、102:荷電粒子線、103:偏向器、104:対物レンズ、105:試料、106:走査位置、107:検出器、108:AMP、109:A/D変換器、110:画像メモリ、112:SE偏向器。

Claims (11)

  1. 試料に対して荷電粒子線を照射する荷電粒子線源と、
    前記試料から放出される2次電子を検出する複数の検出部と、
    前記2次電子を前記検出部のいずれかに向けて偏向する偏向部と、
    を備え、
    前記偏向部は、
    前記荷電粒子線源が前記荷電粒子線を前記試料上の第1走査座標に対して照射するときは前記2次電子を第1の前記検出部に向かって偏向させ、
    前記荷電粒子線源が前記荷電粒子線を前記試料上の前記第1走査座標とは異なる第2走査座標に対して照射するときは前記2次電子を第2の前記検出部に向かって偏向させる
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 前記偏向部は、前記荷電粒子線源が前記荷電粒子線を前記試料上に対して照射する走査座標に応じて、前記2次電子を向かわせる前記検出部を循環させる
    ことを特徴とする請求項1記載の荷電粒子線装置。
  3. 前記荷電粒子線装置はさらに、前記検出部の出力を増幅する増幅器を備え、
    前記荷電粒子線装置は、前記増幅器が増幅信号を出力するために要する時間を、前記荷電粒子線源が前記試料上の1走査座標に対して前記荷電粒子線を照射し続ける時間により除算した値以上の個数の前記検出部を備えている
    ことを特徴とする請求項2記載の荷電粒子線装置。
  4. 前記荷電粒子線装置は、前記2次電子が前記偏向部によって偏向される前に前記2次電子を減速する減速部を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の荷電粒子線装置。
  5. 前記減速部は、前記2次電子を通過させる穴を有し、前記試料と前記検出部との間に配置され、負電圧を印加される、電極を用いて構成されている
    ことを特徴とする請求項4記載の荷電粒子線装置。
  6. 前記検出部と前記偏向部との間の距離は、前記複数の検出部間の最大距離を、前記偏向部に印加される電圧に対する前記偏向の角度変化の割合で除算し、さらにその値を前記偏向部に印加される最大電圧で除算した値に設定されている
    ことを特徴とする請求項1記載の荷電粒子線装置。
  7. 前記荷電粒子線装置は、前記2次電子を集束するレンズを備える
    ことを特徴とする請求項1記載の荷電粒子線装置。
  8. 前記偏向部は、
    前記荷電粒子線と前記2次電子をともに偏向させるように構成されており、
    前記検出部は、
    前記2次電子を検出する複数の検出部位に分割されており、
    前記荷電粒子線源が前記荷電粒子線を前記試料に対して照射する際の走査倍率に応じて、使用する前記検出部位を変更する
    ことを特徴とする請求項1記載の荷電粒子線装置。
  9. 前記検出部は、電場を出力して前記2次電子を偏向させるように構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の荷電粒子線装置。
  10. 前記荷電粒子線装置は、前記検出部の出力を前記荷電粒子線の前記試料上に対する走査座標毎に積分し、前記積分の結果を前記走査座標毎の検出結果として用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の荷電粒子線装置。
  11. 前記荷電粒子線装置は、
    前記検出器が検出した2次電子の強度をデジタル値に変換するA/D変換器と、
    前記A/D変換器が出力するデジタル値を前記試料上の走査座標に対応させて記憶する画像メモリと、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の荷電粒子線装置。
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