JP2015027957A - ジスルフィド結合を有するペプチドの合成方法 - Google Patents

ジスルフィド結合を有するペプチドの合成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特定の架橋構造を有するペプチドを、一段階の反応で合成することのできる架橋ペプチドの合成方法を提供すること。【解決手段】本発明に係る架橋ペプチドの合成方法は、同種の保護基によって保護された一対のシスティン残基の組と、前記保護基と異なる種類の保護基によって保護された少なくとも1個のシスティン残基と、を含むペプチドを合成する工程と、前記保護基を脱保護して、前記一対のシスティン残基間でジスルフィド結合を形成する工程と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、ジスルフィド結合を有する架橋ペプチドの合成方法に関する。
ペプチドはアミノ酸が多数結合して形成される分子であり、蛋白質を構成する基本要素となっている。ペプチドを化学合成法で得るためには、目的とするアミノ酸の配列に従って、通常20種類あるアミノ酸を選択して逐次結合する操作を繰り返す。このとき、アミノ酸を結合させるための試薬(縮合剤など)を反応溶液中に添加する。また、通常、ペプチド鎖の伸長に必要となるアミノ酸は、過剰に加える必要があるため、反応が完結した後には、過剰分のアミノ酸が溶液中に残存することになる。これら、試薬および残存アミノ酸は、次の段階の化学反応を妨害するため、毎回反応終了後には生成物だけを他の不要物と分離する必要がある。
例えば、特許文献1、2には、疎水性タグを用いたペプチド合成法が開示されている。これらの文献には、疎水性タグにアミノ酸を順次結合させ、反応完了毎にタグに結合したペプチドだけを溶液中から分離する技術についての記載がある。これにより、反応終了後には生成物だけを他の不要物と分離することを容易化している。より具体的には、テトラヒドロフランを溶媒に用い、均一溶液として反応を実施した後、極性の高いアセトニトリルを添加すると、疎水性タグに結合したペプチドだけを沈殿させることができるため、濾過処理をすることによって、生成物を迅速、簡便に分離することができるというものである。また、得られた生成物は、回収後、再びテトラヒドロフランに溶解することによって、次の段階の反応に供し、同じ操作を繰り返すことによって、ペプチドの伸長反応を効率よく進めることができるとの記載がある。
ペプチドの化学合成においては、このような技術を利用することにより、効率的に所定の一次構造(アミノ酸配列)を有するペプチドの合成を、設計どおりに合成し、効率的に行う技術が確立されつつある。
国際公開第2007/034812号 特開2006−015283号公報
しかしながら、ペプチドの化学合成において、得られるペプチドの架橋構造を設計どおりに合成する技術は、必ずしも十分に確立されているとは言えない。すなわち、目的とするペプチドの分子内の架橋の態様に依存して変化する構造(高次構造)を設計どおりに形成することは、特に、複数の架橋構造が存在する場合において難しかった。
例えば、ペプチド分子内に形成されるジスルフィド結合(以下、SS結合という場合がある。)は、ペプチドの高次構造を決定する要素の一つである。SS結合は、ペプチドを構成するアミノ酸のうちのシスティン(残基)の側鎖に存在するチオール基(SH基)が、2つのシスティン残基間で互いに酸化的に反応することによって形成される。
この場合、システィン残基がペプチドに2個だけ存在する場合には、これらの2つのSH基を酸化的に分子内で反応させることにより、所定の架橋構造を有するペプチドを得る
ことは比較的容易である。しかし、ペプチドにシスティン残基が3個以上含まれる場合には、意図しない架橋構造が生じる場合がある。そのような例として、図1に、1分子のペプチドに4個のシスティン残基(SH基)が存在する場合に、形成されうる架橋構造の例を示す。
1分子のペプチドに4個のSH基が存在する場合には、図1の例のように、形成される架橋は、3通りの組み合わせが考えられる。従って、この例のように、4つのSH基を有するペプチドを、単に酸化処理することのみでは、選択的に特定の架橋構造を有するペプチドを得ることは困難であった。
一方、これまで、ペプチドの化学合成の分野では、SH基に対して予め保護基を導入し、特定の条件下でそれらの保護基を選択的に外すことによって、所定のSS結合を形成させる方法についての研究は進められてきている。
しかしながら、係る方法では、SS結合の形成における化学的な条件を変えることによって逐次的にSS結合を形成するため、(1)SS結合形成の度に、反応条件が異なるため、反応・分離精製のサイクルを繰り返す必要があること、(2)ヨウ素処理によりペプチドの他の部分が反応し、純度が低下する場合があること、(3)化学量論量の試薬を使用するため、スケールが大きい場合は大量の酸化剤や酸が必要となり、それに応じて後処理、精製操作が煩雑となること、(4)特に残存するヨウ素を分離することが困難であり、生成物の着色等を回避することが困難な場合があること、及び(5)既存の固相合成法でヨウ素酸化を用いると、固相からペプチドが一部脱落することがあり、生産性が低下する場合があること、などの多くの問題点があった。
本発明の幾つかの態様に係る目的の一つは、特定の架橋構造を有するペプチドを、一段階の反応で合成することのできる架橋ペプチドの合成方法を提供することにある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するために為されたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]本発明に係る架橋ペプチドの合成方法の一態様は、同種の保護基によって保護された一対のシスティン残基の組と、前記保護基と異なる種類の保護基によって保護された少なくとも1個のシスティン残基と、を含むペプチドを合成する工程と、前記保護基を脱保護して、前記一対のシスティン残基間でジスルフィド結合を形成する工程と、を有する。
このような合成方法によれば、ジスルフィド結合を形成する際に、一段階の反応ステップで、狙いどおりのジスルフィド結合を形成することができる。これにより、設計どおりに架橋された架橋ペプチドを容易に合成することができる。
[適用例2]本発明に係る架橋ペプチドの合成方法の一態様は、同種の保護基によって保護された一対のシスティン残基の組を複数含むペプチドを合成する工程と、前記保護基を脱保護して、前記一対のシスティン残基間でジスルフィド結合を形成する工程と、を有し、前記保護基の種類が、前記一対のシスティン残基の組ごとに互いに異なる。
このような合成方法によれば、ジスルフィド結合を形成する際に、一段階の反応ステップで、設計どおりの組み合わせの複数のジスルフィド結合を形成することができる。これにより、計画どおりに架橋された架橋ペプチドを容易に合成することができる。
[適用例3]適用例2において、前記一対のシスティン残基の組の数は、2組であってもよい。
[適用例4]適用例3において、前記各組のシスティン残基の保護基は、それぞれ、アセトアミドメチル(Acm)基、及びトリチル(Trt)基であってもよい。
このようにすれば、2個のジスルフィド結合を有する架橋ペプチドを極めて容易に合成することができる。
[適用例5]適用例1ないし適用例4のいずれか1例において、前記ジスルフィド結合を形成する工程は、ハロゲンイオンを含む電解質溶液中で行われてもよい。
このようにすれば、均一溶液中でジスルフィド結合を形成でき、また電極電解反応を用いることができるため、溶液中に存在させるハロゲンイオンを酸化還元メディエーター(循環利用する酸化剤)とすることができる。そのため、ジスルフィド結合の形成における試薬の使用量を削減することができる。
[適用例6]適用例5において、前記ハロゲンイオンは、臭素イオン及び/又は塩素イオンであってもよい。
このようにすれば、溶液中に存在させる酸化還元メディエーターの効率がさらに良いため、試薬の使用量をさらに削減することができる。
[適用例7]適用例1ないし適用例6のいずれか1例において、前記ペプチドの末端に疎水性タグを結合する工程をさらに含んでもよい。
このようにすれば、中間体となるペプチドや、合成された架橋ペプチドをより容易に精製することができる。
本発明によれば、ジスルフィド結合を形成する際に、一段階の反応ステップで、設計に従った組み合わせで、単数あるいは複数のジスルフィド結合を形成することができる。これにより、意図したとおりの架橋が形成された架橋ペプチドを容易に合成することができる。より具体的には、分子内に3個以上のSH基が存在する場合には、3個のSH基のうちの任意に選択したSH基によるジスルフィド結合(SS結合)を有するペプチド、並びに、分子内に4個以上のSH基が存在する場合には、これらのSH基のうちの任意に選択したSH基による複数のSS結合を有するペプチドについて、予め適切に保護基を導入したアミノ酸(システィン)を逐次導入しておく事によって、最終段階において一段階で目的とする組み合わせでジスルフィド結合形成を完結することができる。
ペプチド分子内に4個のSH基が存在する場合の架橋構造のバリエーションを模式的に示す図。 電気化学的方法のメカニズムを、特定のペプチドであって、一組の同種の保護基によって保護されたシスティン残基を有する場合に関して模式的に示した図。 疎水性タグの一例を示す模式図。 実験例1に係る反応スキームを示す図。 実験例2に係る反応スキームを示す図。 実験例3に係る反応スキームを示す図。 実験例4に係る反応スキームを示す図。 実験例4で合成された架橋ペプチドの質量分析結果を示す図。
以下に本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明を例示的に説明するものであって、本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要素であるとは限らない。
1.架橋ペプチドの合成方法
本実施形態の架橋ペプチドの合成方法は、ペプチドを合成する工程と、ジスルフィド結合を形成する工程と、を有する。
1.1.ペプチドを合成する工程
本実施形態の合成方法における本工程で合成されるペプチドは、同種の保護基によって保護された一対のシスティン残基の組を少なくとも1組含む。本実施形態の合成方法における本工程で合成されるペプチドは、同種の保護基によって保護された一対のシスティン残基の組を複数含むことができる。
本工程で合成されるペプチドは、同種の保護基によって保護された一対のシスティン残基の組を少なくとも1組含む限り、何ら限定されない。そのようなペプチドとしては、例えば、有機合成化学の手法によって合成されたペプチド、天然に存在するペプチドを基に有機合成化学の手法によって改変したペプチド、遺伝子工学的に製造されたペプチド若しくはこれを基に有機合成化学の手法によって改変したペプチド、などを挙げることができる。また、本工程で合成されるペプチドのアミノ酸の配列は、天然に存在するペプチドと同じであってもよいし、天然に存在しない配列であってもよい。また、ペプチドを構成するアミノ酸残基の数(アミノ酸配列の長さ)についても何ら限定されず、例えば、3以上100000以下、好ましくは3以上10000以下、より好ましくは3以上100以下である。
また、限定されないが、本工程で合成されるペプチドの具体例としては、分子内にジスルフィド結合を有する生物活性物質、ホルモン、及びそれらの類縁物質などであり、具体的にはソマトスタチン、コノトキシン、インスリン、グアニリン、ウログアニリン、E.coliST等やそれらのアナログなどを挙げることができる。
本工程で合成されるペプチドが有する「一対のシスティン残基の組」とは、当該ペプチドのアミノ酸配列中にある、意図したジスルフィド結合を形成することを予定しているシスティン残基の2個からなる組のことを指す。当該組を構成する2個のシスティン残基は、ペプチドのアミノ酸配列中に存在していれば、その存在位置は、いずれの残基についても限定されず、アミノ酸配列の末端、中間のいずれに配置されてもよく、また、互いに隣接していても離間していても構わない。
本工程で合成されるペプチドは、一対のシスティン残基の組を複数有することができる。すなわち、本工程で合成されるペプチドのアミノ酸配列中には、4個以上のシスティン残基が存在してもよい。これら4個以上のシスティン残基から選択される2個が一対となっており、これらが後述の「ジスルフィド結合を形成する工程」において、ジスルフィド結合を形成するようにしてもよい。4個以上のシスティン残基から選択され、組となる2個のシスティン残基の選び方は、何ら限定されず、目的とする架橋ペプチドの構造(高次構造)に応じて適宜選択することができる。本工程で合成されるペプチドは、一対のシスティン残基の組を3組以上有してもよい。
なお、本工程で合成されるペプチドのアミノ酸配列中に、3個のシスティン残基が存在する場合には、3個のシスティン残基から選択される2個が一対となっており、これらが後述の「ジスルフィド結合を形成する工程」において、ジスルフィド結合を形成するようにしてもよい。この場合、残る1個のシスティン残基の保護基は、「ジスルフィド結合を形成する工程」において、1段階で脱保護することができる。
本工程で合成されるペプチドにおいて、組となる一対のシスティン残基は、互いに同種の保護基によって保護されている。組となっているシスティン残基のそれぞれは、チオール基(SH基)が、当該同種の保護基によって保護されている。そして、後述の「ジスルフィド結合を形成する工程」においてこれらの保護基が外れて、同種の保護基を有していたもの同士で互いにジスルフィド結合を形成することができる。
保護基の種類としては、例えば、アセトアミドメチル(Acm)基、4級ブチル(t−But)基、トリチル(Trt)基(トリフェニルメチル基)、メトキシトリフェニルメチル基、ジメトキシトリフェニルメチル基、トリメトキシトリフェニルメチル基,ジアリールメチル基、トリアリールメチル基、アルキルアミノベンジル基、ジアルキルアミノベンジル基などが挙げられる。これらの保護基は、適宜の条件で酸化されることによって脱保護、並びにSS結合を形成することができる。
上述の通り、本工程で合成されるペプチドは、一対のシスティン残基の組が「複数」含まれる、あるいは、一対のシスティン残基の組が1個であり、かつ組とならない少なくとも1個のシスティン残基が含まれている。そして、保護基の種類は、一対のシスティン残基の組ごとに互いに異なる、あるいは、一対のシスティン残基の組と孤立するシスティン残基とで互いに異なっている。一対のシスティン残基の組が2組である場合には、例えば、一方の組のシスティン残基がAcm基により保護され、他方の組のシスティン残基がTrt基で保護されていてもよい。また、一対のシスティン残基の組が3組である場合には、それぞれの組のシスティン残基が、それぞれ、Acm基、Trt基、t−But基でそれぞれ保護されていてもよい。また、このような保護基の種類に関し、各組にいずれの保護基を用いるかについての組み合わせは、特に限定されず、目的とする架橋ペプチドの架橋構造に応じて選ぶことができる。
なお、発明者らの検討によると、保護基のうちAcm基及びTrt基に関しては、「ジスルフィド結合を形成する工程」において、単一の工程で反応は進行するところ、Acm基のほうがTrt基よりも先に外れるとの知見が得られている。そのため、例えば、目的の架橋ペプチドが2個の架橋構造を有する場合には、保護基の外れやすさを一つの指標として、各組に対していずれの種の保護基を適用するかについての組み合わせを、設計することもできる。
本実施形態のペプチドを合成する工程は、適宜公知の方法にて行うことができる。そのような方法としては、例えば、有機化学的ペプチド合成法、固相ペプチド合成法が挙げられる。中でも有機化学的ペプチド合成法を用いると、反応を均一な液相系で迅速に進行させることができるため、より好ましい。有機化学的ペプチド合成法では、例えば、各官能基を保護する基として、ベンジルオキシカルボニル基(CbzあるいはZ)、tert−ブトキシカルボニル基(Boc)、フルオレニルメトキシカルボニル基(Fmoc)などを利用することができる。
本工程で合成されるペプチドに含まれるシスティン残基の保護基は、ペプチドの合成時に使用するシスティンを、あらかじめそのSH基を当該保護基によって保護したものを縮合することによって、計画的に導入することができる。また、本工程で合成されたペプチドの構造は、質量分析法(MS)、液相カラムクロマト−質量分析法(LC−MS)等の
各種の分析手法により、確認することができる。
1.2.ジスルフィド結合を形成する工程
本実施形態の架橋ペプチドの合成方法は、ジスルフィド結合を形成する工程を有する。本工程では、上述の「ペプチドを合成する工程」を経て得られたペプチドに含まれている、同種の保護基を有するシスティン残基の組から、当該保護基を外して当該組においてジスルフィド結合の架橋を形成する。
本工程は、脱保護及びジスルフィド結合の形成を行うことができる条件であれば、反応方法は、特に限定されず、公知の方法を適用することができる。なお組を形成しない単独のシスティン残基を有する場合には、当該基の脱保護を行うことができる条件であればよい。本工程の反応は、酸化的な環境で行われることが好ましい。例えば、本工程は、上述のペプチドの溶液に含まれる保護基と、化学量論的に等しいモル数の(等モルの)ヨウ素を該溶液に添加して酸化することによって、脱保護及びSS結合の形成を行うことができる。また、本工程の反応は、電解質溶液中で電気化学的な方法により行ってもよい。
本工程を経ることにより、同種の保護基によって保護された一対のシスティン残基の組を複数有するペプチドが、脱保護されるとともに、同種の保護基を有していたシスティン残基同士で互いにジスルフィド結合が形成され、複数の架橋構造が形成された架橋ペプチドを形成することができる。また、本工程を経ることにより、同種の保護基によって保護された一対のシスティン残基の組を有するペプチドが、脱保護されるとともに、同種の保護基を有していたシスティン残基同士で互いにジスルフィド結合が形成され、さらに、組を形成しない単独のシスティン残基を有する場合に、当該基の脱保護を行って単数又は複数の架橋構造が形成された架橋ペプチドを形成することができる。また、本工程で合成された架橋ペプチドの構造は、質量分析法(MS)、液相カラムクロマト−質量分析法(LC−MS)、核磁気共鳴法(NMR)等の各種の分析手法により確認することができる。
1.3.作用効果
本実施形態の架橋ペプチドの合成方法によれば、ジスルフィド結合を形成する際に、一段階の反応ステップで、設計どおりの組み合わせで、ジスルフィド結合を形成することができる。これにより、意図した通りの架橋構造が形成された架橋ペプチドを容易に合成することができる。より具体的には、分子内に3個以上のSH基が存在する場合には、3個のSH基のうちの任意に選択したSH基によるジスルフィド結合(SS結合)を有するペプチド、並びに、分子内に4個以上のSH基が存在する場合には、これらのSH基のうちの任意に選択したSH基による複数のSS結合を有するペプチドについて、「ペプチドを合成する工程」において予め適切に保護基を導入したアミノ酸(システィン)を逐次導入しておくことにより、「ジスルフィド結合を形成する工程」で一段階で目的とする組み合わせでジスルフィド結合形成を完結することができる。
2.変形例
2.1.電気化学的方法
本実施形態の架橋ペプチドの合成方法の「ジスルフィド結合を形成する工程」は、電気化学的方法によって行われてもよい。
電気化学的方法の基本原理は、ハロゲンイオンを含む電解質溶液中に「ペプチドを合成する工程」において得られたペプチドを溶解し間接電解反応(有機電解反応)を行うことに基づいている。ここで溶液中に存在させるハロゲンイオンは、酸化還元メディエーター(循環利用される酸化剤)として機能する。図2は、このような電気化学的方法のメカニズムを、特定のペプチドであって、一組の同種の保護基によって保護されたシスティン残基を有する場合に関して模式的に示している。
このような方法を採用することにより、同種の保護基によって保護された一対のシスティン残基の組を複数有するペプチドが、脱保護されるとともに、同種の保護基を有していたシスティン残基同士で互いにジスルフィド結合が形成され、複数の架橋構造が形成された架橋ペプチドを形成することができる。また、このような方法を採用すれば、同種の保護基によって保護された一対のシスティン残基の組を有するペプチドが、脱保護されるとともに、同種の保護基を有していたシスティン残基同士で互いにジスルフィド結合が形成され、かつ、組を形成しない単独のシスティン残基を有する場合に、当該基の脱保護を行って単数又は複数の架橋構造が形成された架橋ペプチドを形成することができる。
有機電解反応は、例えば、支持電解質及び/又はハロゲン化合物を含む溶液に、ペプチドを溶解し、当該溶液に電極を用いて電位を印可して行うことができる。ジスルフィド結合の形成は、酸化的に行われることから、係る反応は、陽極酸化ということもできる。
支持電解質としては、溶液に所定の導電性を付与することができる物質を挙げることができる。また、溶液に添加されるハロゲン化合物が、支持電解質と同様の機能を発揮することができる場合は、支持電解質は添加されなくてもよい。
このような支持電解質としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、過塩素酸ナトリウム(NaClO4)、過塩素酸カリウム(KClO4)、Et4NBF4、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、Li(C25SO22N、Et4NTsなどを挙げることができる。
ハロゲン化合物としては、溶液中にハロゲンイオンを生じうる化合物、及び/又は、ハロゲン分子(Cl2、Br2、I2など)を挙げることができる。具体的な化合物としては、テトラメチルアンモニウムブロミド(Me4NBr)、テトラエチルアンモニウムブロミド(Et4NBr)、テトラエチルアンモニウムクロリド(Et4NCl)などが挙げられ、1種単独で用いても、複数種を用いてもよい。
溶媒としては、純溶媒、混合溶媒のいずれでも使用することができ、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、ニトロメタン、ニトロエタン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホラン、ジメチルスルフィドなどからなる群より選択される1種又は複数種の混合溶媒を挙げることができる。
溶液に電位を印可するための電極の材質としては、例えば、白金、炭素、ニッケル等が挙げられ、各種の合金であってもよい。溶液に印可される電位は、上述の反応を進行させることができれば、特に限定されない。電位の印可の制御は、定電圧制御、定電流制御であってもよいし、経時的に電圧、電流の少なくとも一方を変化させるような制御で行われてもよい。
本実施形態の架橋ペプチドの合成方法の「ジスルフィド結合を形成する工程」において、上述のような電気化学的方法を使用すると、均一溶液中でジスルフィド結合を形成でき、溶液中に存在させるハロゲンイオンを酸化還元メディエーター(循環利用する酸化剤)とすることができる。そのため、ジスルフィド結合の形成における試薬(酸化剤等)の使用量を大幅に削減することができる。
また、溶液中に存在させる酸化還元メディエーターとしてのハロゲンイオンに、臭素イ
オン、及び/又は、塩素イオンを選択することにより、酸化還元メディエーターの効率を高めることができる。そのため、試薬の使用量をさらに削減することができる。また、係る観点からは、溶液中に存在させる酸化還元メディエーターとして、臭素イオンを使用することがさらに好ましい。
なお、発明者らは、このような電気化学的方法を適用した場合には、一段階の反応によって脱保護されるとともに、同種の保護基を有していたシスティン残基同士で互いにジスルフィド結合が形成されることを確認している。また、後述の実施例でも例示するが、発明者らの研究によれば、係る反応の進む速度は、採用する保護基の種類によって異なるため、一段階の反応であっても、架橋構造の完成する順序を、採用する保護基の種類によって制御することが可能であることが分ってきている。
したがって、例えば、目的の架橋ペプチドが2個の架橋構造を有する場合に、保護基として、Acm基及びTrt基を採用すると、Acm基によって保護されていたシスティン残基によるSS結合のほうがTrt基によって保護されていたシスティン残基によるSS結合よりも先に形成される。このような知見を一つの指標として、各組に対していずれの種の保護基を適用するかについての組み合わせを、設計することもできる。
発明者らは、ハロゲンイオンの攻撃を受ける保護基の酸化されやすさに依存して、このような現象が生じるのではないかと考えている。
2.2.疎水性タグ
本実施形態の架橋ペプチドの合成方法の各工程では、疎水性タグを利用して行われてもよい。図3は、疎水性タグの一例を示す模式図である。
疎水性タグは、図3に示すように、ペプチドに結合させて用いられるタグ(担体)であって、「ペプチドを合成する工程」におけるアミノ酸に結合の反応が完了する毎に、タグに結合したペプチドだけを溶液中から分離するために利用することができる。また、「ジスルフィド結合を形成する工程」の後に、タグに結合した架橋ペプチドだけを溶液中から分離するために利用することもできる。
疎水性タグを用いると、均一溶液中に溶解している生成物と不要な試薬等の混合物から、必要な生成物(ペプチド、架橋ペプチド)だけを直ちに分離することができる。例えば、「ペプチドを合成する工程」において、テトラヒドロフランを溶媒に用い、均一溶液として反応を実施した後、極性の高いアセトニトリルを添加すると、タグに結合したペプチドだけが沈殿するため、濾過処理をすることによって、生成物を迅速、簡便に分離することができる。得られた生成物は回収後、再びテトラヒドロフランに溶解することによって、次の段階の反応に供し、同じ操作を繰り返す事によって、ペプチドの伸長反応を進めることができる。
このような疎水性タグの具体例としては、ペプチドと結合する反応部位Aを有し、反応部位Aが、炭素原子、酸素原子、硫黄原子、又は、窒素原子のいずれかを介してペプチドと結合することにより、当該ペプチドの分離を容易にすることができるタグ(担体)であって、下記化学式(1)で示されるものを挙げることができる。
(式中、Aは、炭素、酸素、硫黄、及び、窒素原子から選ばれる1以上の原子を有する反応部位であり、X、Y、及び、Zは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換基を有してもよい炭素数1以上10以下の炭化水素基、置換基を有してもよい炭素数1以上10以下のアシル基、ベンジル基、及び、フェニル基からなる群より選ばれるいずれかであり、R1、R2は、同一でも異なっていてもよく、置換基を有してもよい炭素数14以上60以下の炭化水素基、又は、置換基を有してもよい炭素数14以上60以下のアシル基のいずれか1以上を含む基である。)
このような疎水性タグは、カルボジイミド等や触媒(求核剤)等を用いた適宜の方法により、直接あるいはリンカーを介してペプチドに結合させることができる。また、疎水性タグを結合させるペプチドの位置も特に限定されず、例えば、ペプチドの末端、ペプチドの中間位置に結合させることができる。さらに、疎水性タグは、必要に応じて適宜の方法で脱離させることができる。そのため、疎水性タグを脱離させれば、目的とするペプチド(架橋ペプチド)を回収することができる。
本実施形態の架橋ペプチドの合成方法において、このような疎水性タグを用いると、「ペプチドを合成する工程」における反応・分離精製のサイクルを極めて効率よく行うことができる。また、このような疎水性タグを用いると、「ジスルフィド結合を形成する工程」の後に、目的の架橋ペプチドだけを溶液中から容易に分離することができる。さらに、「ジスルフィド結合を形成する工程」において、ヨウ素酸化を採用した場合には、既存の固相合成法(固相のタグ)では固相からペプチドが一部脱落することがあったが、これに対して、疎水性タグを利用するとそのような脱落が生じにくく、生産性を高く維持することができる。
3.実験例
以下に実験例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実験例に何ら限定されるものではない。
3.1.実験例のプロトコル
各実験例に共通するプロトコルを以下に記す。
<合成法>
疎水性タグへのアミノ酸導入法
疎水性タグをCH2Cl2に溶かし、その溶液中にアミノ酸、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(N,N−ジメチル−4−アミノピリジン)を加えた。反応が完結するまで反応液を室温で撹拌し続けた。反応終了後、メタノール(MeOH)を加え生成物を
沈殿として得た。
タグ付きペプチドの脱Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)法
タグ付きペプチドを1%DBU(ジアザビシクロウンデセン)と1%ピペリジンを含むTHF(テトラヒドロフラン)に溶かし、反応が完結するまで室温で撹拌し続けた。反応終了後、12M HClを加え、反応液を中和し、アセトニトリルを加えて脱保護生成物を沈殿として得た。
タグ付きペプチドとアミノ酸の縮合法
タグ付きペプチドをTHFに溶かし、その溶液中にFmocアミノ酸(もしくはBocアミノ酸(tert−ブトキシカルボニル−アミノ酸)、COMU((1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ−モルホリノ−カルベニウムヘキサフルオロリン酸塩)(もしくはHBTU(O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート)+HOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール))、DIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)を加えた。反応が完結するまで反応液を室温で撹拌し続けた。反応終了後、アセトニトリルを加え縮合生成物を沈殿として得た。
疎水性ベンジルアミンタグの合成
2,4−ビス(ドコシロキシ)ベンズアルデヒドをトルエンに溶かし、その溶液中に2,4−ジメトキシベンジルアミン、NaBH(OAc)3、DMFを加えた。反応が完結するまで反応液を40℃で撹拌し続けた。反応終了後、MeOHを加え、生成物を沈殿として得た。沈殿をCH2Cl2に溶かし、NaHCO3(aq.)とbrine(飽和食塩水)で洗浄した。有機層を取り出し、MgSO4で脱水した。ろ過後、減圧濃縮し生成物を得た。
酸によるペプチドの全脱保護反応
疎水性タグと結合したペプチドを2.5%のTIS(トリスイソプロピルシラン)、2.5%の水を含むTFA(トリフルオロ酢酸)に溶解させ、40℃で撹拌した。反応液をPTFAフィルターでろ過後、減圧濃縮しジイソプロピルエーテルを加えることで目的のペプチドを沈殿として得た。
3.2.実験例1
疎水性タグ上でAcm基を結合したシスティン残基を2つ含むトリペプチドを合成し、THF/MeOH溶液中に支持電解質としてEt4NBrを溶解し電解したところ、収率83%で目的とする分子内SS結合が形成された。本実験例の反応スキームを、図4に示す。
3.3.実験例2
疎水性タグ上でAcm基を結合したシスティン残基を2つ含むソマトスタチン配列を合成し、THF/MeOH溶液中に支持電解質としてEt4NBF4および、微量の臭素を溶解し電解したところ、収率83%で目的とする分子内SS結合が形成された。本実験例の反応スキームを図5に示す。
3.4.実験例3
疎水性タグ上で、Acm基およびTrt基を有するシスティンをそれぞれ2つずつ導入し、THF/MeOH溶液中で、支持電解質としてLiClO4を溶解し、微量のEt4NBrを溶解して電解したところ、それぞれAcmおよびTrt基を予め結合させたSH基同士が選択的にSS結合を形成した。本実験例の反応スキームを図6に示す。また別途、出発化合物、中間化合物、最終生成物の分析をそれぞれ行った結果、図6に示すステップ
によって反応が進行していることが判明した。すなわち、図6のスキームは、経時的に進行することが分った。
3.5.実験例4
疎水性タグ上でコノトキシンS1の配列を合成した。このとき、配列中には予め、Acm基およびTrt基を有するシスティンをそれぞれ2つずつ導入した。THF/MeOH溶液中で、支持電解質としてLiClO4を溶解し、微量のEt4NBrを溶解して電解したところ、それぞれAcmおよびTrt基を予め結合させたSH基同士が選択的にSS結合を形成した。本実験例の反応スキームを図7に示す。
反応完結後、2.5%のTIS、2.5%の水を含むTFAに溶解させ、40℃で撹拌することで全ての保護基を外し、LC−MSによって天然のコノトキシンS1と純度の比較をしたところ、選択的に天然物と同様の構造の合成物(架橋ペプチド)が得られることを確認した。各化合物のMSスペクトルを図8に示す。
以上の実験例から明らかなように、本発明に係る架橋ペプチドの合成方法によれば、ジスルフィド結合を形成する際に、一段階の反応ステップで、設計に従った組み合わせで、複数のジスルフィド結合を形成することができることが判明した。また、意図したとおりの架橋が形成された架橋ペプチドを容易に合成することができた。また、分子内に複数のジスルフィド結合(SS結合)を有するペプチドについて、予め適切に保護基を導入したアミノ酸(システィン)を逐次導入しておくことによって、最終段階において一段階で目的とする組み合わせでジスルフィド結合形成を完結することができることが判明した。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
医薬品等としての用途が拡大するペプチドを化学合成する際、分子内のジスルフィド結合は活性に重要な役割を果たす。このジスルフィド結合が存在する場合は、その形成に関与するSH基の組み合わせが多数存在する場合があるため、一般に目的の位置同士で結合させるためには多くの化学的なプロセスが必要となる。本発明は、予め結合させたいSH基をそれぞれ同種の保護基を導入し、ペプチド鎖伸長が完了後に電極電解反応に供する事により一気に目的とする組み合わせで結合したジスルフィド結合が完成する方法を提供できる。
また、分子内に複数のジスルフィド結合を有するペプチド分子は、医薬品等としての用途が高まる一方で、その効率的な合成法は殆どなかったが、本発明はこのような問題を克服し、1グラムから1キログラム程度までのスケールで、医薬品等の実用的な製造法へ展開できるものである。

Claims (7)

  1. 同種の保護基によって保護された一対のシスティン残基の組と、
    前記保護基と異なる種類の保護基によって保護された少なくとも1個のシスティン残基と、を含むペプチドを合成する工程と、
    前記保護基を脱保護して、前記一対のシスティン残基間でジスルフィド結合を形成する工程と、
    を有する、架橋ペプチドの合成方法。
  2. 同種の保護基によって保護された一対のシスティン残基の組を複数含むペプチドを合成する工程と、
    前記保護基を脱保護して、前記一対のシスティン残基間でジスルフィド結合を形成する工程と、
    を有し、
    前記保護基の種類が、前記一対のシスティン残基の組ごとに互いに異なる、架橋ペプチドの合成方法。
  3. 請求項2において、
    前記一対のシスティン残基の組の数は、2組である、架橋ペプチドの合成方法。
  4. 請求項3において、
    前記各組のシスティン残基の保護基は、それぞれ、アセトアミドメチル(Acm)基、及びトリチル(Trt)基である、架橋ペプチドの合成方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    前記ジスルフィド結合を形成する工程は、ハロゲンイオンを含む電解質溶液中で行われる、架橋ペプチドの合成方法。
  6. 請求項5において、
    前記ハロゲンイオンは、臭素イオン及び/又は塩素イオンである、架橋ペプチドの合成方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
    前記ペプチドの末端に疎水性タグを結合する工程をさらに含む、架橋ペプチドの合成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022097500A1 (ja) * 2020-11-09 2022-05-12 国立大学法人 鹿児島大学 ペプチド架橋剤及び当該架橋剤で架橋された架橋ペプチド

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