JP2015027928A - 高屈折率ガラス - Google Patents

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智基 柳瀬
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Abstract

【課題】高価な重金属を多量に含まなくても、液相粘度が高い高屈折率ガラスを創案する。【解決手段】本発明の高屈折率ガラスは、ガラス組成として、TiO2+ZrO2を3〜20質量%含有し、質量比(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/CaOが2〜10であり、屈折率ndが1.55〜1.70であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、高屈折率ガラスに関し、例えば有機ELデバイス、特に有機EL照明に好適な高屈折率ガラスに関する。
近年、有機EL発光素子を用いたディスプレイ、照明が益々注目されている。これらの有機ELデバイスは、ITO等の透明導電膜が形成されたガラス板により、有機発光素子が挟み込まれた構造を有する。この構造において、有機発光素子に電流が流れると、有機発光素子中の正孔と電子が会合して発光する。発光した光は、ITO等の透明導電膜を介してガラス板中に進入し、ガラス板内で反射を繰り返しながら外部に放出される。
特開2007−186407号公報
ところで、有機発光素子の屈折率nは1.8〜1.9であり、ITOの屈折率nは1.9〜2.0である。これに対して、ガラス板の屈折率nは、通常、1.5程度である。このため、従来の有機ELデバイスは、ガラス板−ITO界面の屈折率差に起因して反射率が高いため、有機発光素子から発生した光を効率良く取り出せないという問題があった。
また、光学ガラスの分野では、高屈折率のガラスが使用される場合がある(例えば、特許文献1参照)。しかし、これらのガラスは、高価な重金属を多量に含み、且つ液相粘度が低いため、平板形状に成形し難く、大量生産に不向きである。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、高価な重金属を多量に含まなくても、液相粘度が高い高屈折率ガラスを創案することである。
本発明者等は、鋭意検討を行った結果、ガラス組成範囲とガラス特性を所定範囲に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の高屈折率ガラスは、ガラス組成として、TiO+ZrOを3〜20質量%含有し、質量比(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/CaOが2〜10であり、屈折率nが1.55〜1.70であることを特徴とする。ここで、「TiO+ZrO」は、TiOとZrOの合量である。「MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO」は、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOの合量である。「(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/CaO」は、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの含有量をCaOの含有量で除した値を指す。「屈折率n」は、水素ランプのd線(波長587.6nm)での測定値であり、屈折率測定器で測定可能である。例えば、25mm×25mm×約3mmの直方体試料を作製した後、(徐冷点+30℃)から(歪点−50℃)までの温度域を0.1℃/分になるような冷却速度でアニール処理し、続いて屈折率が整合する浸液をガラス間に浸透させながら、島津製作所社製の屈折率測定器KPR−2000を用いることにより測定することができる。
本発明の高屈折率ガラスは、CaOを5.0質量%超含むことが好ましい。このようにすれば、屈折率を維持した上で、溶融性、ヤング率を高め易くなる。
本発明の高屈折率ガラスは、TiOを0.01〜15質量%含むことが好ましい。このようにすれば、屈折率を高めることができる。
本発明の高屈折率ガラスは、ZrOを0.01〜10質量%含むことが好ましい。このようにすれば、屈折率を高めつつ、液相温度付近の温度を高温化して、液相粘度を高めることができる。
本発明の高屈折率ガラスは、実質的にPbOを含まず、且つBi+La+Gd+Nb+Ta+WOの含有量が3質量%以下であることが好ましい。このようにすれば、環境的要請に配慮しつつ、バッチコストを低減することができる。ここで、「実質的に〜を含まない」とは、明示の成分の含有を可及的に避けるものの、不純物レベルの混入は許容する趣旨であり、具体的には、明示の成分の含有量が0.5質量%未満(好ましくは0.1質量%未満)の場合を指す。「Bi+La+Gd+Nb+Ta+WO」は、Bi、La、Gd、Nb及びTa+WOの合量を指す。
本発明の高屈折率ガラスは、更に、Bを0.1〜8質量%含むことが好ましい。このようにすれば、密度、液相温度を低下させ易くなる。
本発明の高屈折率ガラスは、ZnOを0.1〜6質量%含むことが好ましい。このようにすれば、液相温度を低下させ易くなる。
本発明の高屈折率ガラスは、実質的にアルカリ金属酸化物を含まないことが好ましい。このようにすれば、SiO膜等のパシベーション膜の形成が不要になり、製造コストを低廉化することができる。ここで、「アルカリ金属酸化物」は、LiO、NaO及びKOを指す。
本発明の高屈折率ガラスは、液相粘度が104.8dPa・s以上であることが好ましい。このようにすれば、オーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形し易くなる。ここで、「液相粘度」は、液相温度におけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値を指す。「液相温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶の析出する温度を測定した値である。
本発明の高屈折率ガラスは、平板形状であり、且つ少なくとも一方の表面の表面粗さRaが10Å以下であることが好ましい。ここで、「表面粗さRa」は、JIS B0601:2001に準拠した方法で測定した値を指す。
本発明の高屈折率ガラスは、オーバーフローダウンドロー法で形成されてなることが好ましい。
本発明の照明デバイスは、上記の高屈折率ガラスを備えることを特徴とする。
本発明の有機EL照明は、上記の高屈折率ガラスを備えることを特徴とする。
本発明の太陽電池は、上記の高屈折率ガラスを備えることを特徴とする。
本発明の有機ELディスプレイは、上記の高屈折率ガラスを備えることを特徴とする。
本発明の高屈折率ガラスにおいて、上記のように各成分の含有範囲を限定した理由を以下に説明する。なお、以下の含有範囲の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、質量%を表す。
TiO+ZrOは、バッチコストを高騰させずに、屈折率を効果的に高める成分である。しかし、TiO+ZrOの含有量が多くなると、耐失透性が低下し易くなる。よって、TiO+ZrOの含有量は3〜20%であり、好ましくは4〜15%、5〜12%、5.5〜11%、6〜10%、特に6.5〜9%である。なお、Zr含有失透ブツの発生を抑制したい場合、TiO+ZrOの含有量は、好ましくは7.5%以下、7%以下、6.5%以下、特に6%以下である。
TiOは、バッチコストを高騰させずに、屈折率を効果的に高める成分である。しかし、TiOの含有量が多くなると、ガラスが着色したり、耐失透性が低下し易くなる。よって、TiOの含有量は、好ましくは0.01〜15%、0.1〜15%、1〜12%、2〜11%、3〜10%、4〜9%、特に5〜8%である。なお、TiOの含有量が多くなると、Zr含有失透ブツの発生を助長し易くなる。よって、Zr含有失透ブツの発生を抑制したい場合、TiOの含有量は、好ましくは6%以下、5.5%以下、5%以下、4.5%以下、特に4%以下である。
ZrOは、バッチコストを高騰させずに、屈折率を効果的に高める成分である。但し、ZrOの含有量が多くなると、液相温度が低下し易くなる。よって、ZrOの含有量は、好ましくは0〜10%、0.01〜15%、0.5〜8%、1〜7%、1.5〜6.5%、2.5〜6%、特に3〜5.5%である。なお、Zr含有失透ブツの発生を抑制したい場合、ZrOの含有量は、好ましくは5%以下、4%以下、3.5%以下、3%以下、特に2.5%以下である。
質量比(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/CaOは2〜10である。質量比(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/CaOが小さくなると、密度、熱膨張係数が高くなり易く、その含有量が2未満になると、ガラス組成のバランスを欠いて、耐失透性が低下し易くなる。よって、質量比(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/CaOは、好ましくは3以上、4以上、5以上、6以上、特に7以上である。一方、質量比(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/CaOが大きくなると、屈折率、溶融性、ヤング率が低下し易くなる。よって、質量比(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/CaOは、好ましくは9.5以下、9以下、8.5以下、8以下、特に7.5以下である。
MgO+CaO+SrO+BaO+ZnOの含有量は、好ましくは25〜60%、31〜55%、33〜50%、35〜49%、37〜47%、特に41〜45%である。このようにすれば、高屈折率、耐失透性、溶融性、低密度、低熱膨張係数を高いレベルで両立することができる。
MgOは、ヤング率を高める成分であると共に、高温粘度を低下させる成分であるが、MgOを多量に含有させると、屈折率が低下し易くなり、液相温度が上昇して、耐失透性が低下し易くなったり、密度、熱膨張係数が高くなり易い。よって、MgOの含有量は、好ましくは10%以下、5%以下、3%以下、2%以下、1.5%以下、1%以下、特に0.5%以下である。
CaOの含有量が少なくなると、屈折率、溶融性、ヤング率が低下し易くなる。よって、CaOの含有量は、好ましくは5%超、6%以上、7%以上、特に8%以上である。一方、CaOの含有量が多くなると、密度、熱膨張係数が高くなり易く、その含有量が過剰になると、ガラス組成のバランスを欠いて、耐失透性が低下し易くなる。よって、CaOの含有量は、好ましくは15%以下、13%以下、12%以下、11%以下、10%以下、特に9%以下である。
SrOの含有量が多くなると、屈折率が高くなるが、密度、熱膨張係数も高くなり易い。また、SrOの含有量が過剰になると、ガラス組成のバランスを欠いて、耐失透性が低下し易くなる。よって、SrOの含有量は、好ましくは15%以下、13%以下、12%以下、特に11%以下である。なお、SrOの含有量が少なくなると、屈折率、溶融性が低下し易くなる。よって、SrOの含有量は、好ましくは0.1%以上、1%以上、3%以上、5%以上、7%以上、特に8%以上である。
BaOは、アルカリ土類金属酸化物の中ではガラスの粘性を極端に低下させずに、屈折率を高める成分である。しかし、BaOの含有量が多くなると、屈折率、密度、熱膨張係数が高くなり易く、液相粘度が低くなり易い。また、BaOの含有量が多過ぎると、ガラス組成のバランスを欠いて、耐失透性が低下し易くなる。よって、BaOの含有量は、好ましくは50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、32%以下、30%以下、特に28%以下である。但し、BaOの含有量が少なくなると、所望の屈折率を得難くなる上、高い液相粘度を確保し難くなる。よって、BaOの含有量は、好ましくは0.1%以上、1%以上、5%以上、10%以上、12%以上、15%以上、17%以上、20%以上、23%以上、特に25%以上である。
ZnOの含有量が多くなると、密度、熱膨張係数が高くなったり、ガラス組成の成分バランスを欠いて、耐失透性が低下したり、高温粘性が低下し過ぎて、高い液相粘度を確保し難くなる。よって、ZnOの含有量は、好ましくは7%以下、6%以下、5%以下、特に4%以下である。但し、ZnOの含有量が少なくなると、高い液相粘度を確保し難くなる。よって、ZnOの含有量は、好ましくは0.1%以上、0.5%以上、1%以上、1%超、1.5%以上、2%以上、2.5%以上、特に3%以上である。
SiOの含有量は30〜70%が好ましい。SiOの含有量が少なくなると、ガラス網目構造を形成し難くなり、ガラス化が困難になる。またガラスの粘性が低下し過ぎて、高い液相粘度を確保し難くなる。よって、SiOの含有量は、好ましくは30%以上、33%以上、35%以上、37%以上、38%以上、特に39%以上である。一方、SiOの含有量が多くなると、屈折率、溶融性、成形性が低下し易くなる。よって、SiOの含有量は、好ましくは70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、53%以下、51%以下、48%以下、45%以下、43%以下、特に41%以下である。
Alの含有量は0〜20%が好ましい。Alの含有量が多くなると、ガラスに失透結晶が析出し易くなって、液相粘度が低下し易くなり、また屈折率が低下し易くなる。よって、Alの含有量は、好ましくは20%以下、15%以下、10%以下、8%以下、特に6%以下である。なお、Alの含有量が少なくなると、ガラス組成のバランスを欠いて、逆にガラスが失透し易くなる。よって、Alの含有量は、好ましくは0.1%以上、0.5%以上、1%以上、3%以上、特に4%以上である。
の含有量は0〜12%が好ましい。Bの含有量が多くなると、屈折率、ヤング率が低下し易くなる。よって、Bの含有量は、好ましくは12%以下、10%以下、8%以下、特に6%以下である。なお、Bの含有量が少なくなると、液相温度が低下し易くなる。よって、Bの含有量は、好ましくは0.1%以上、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、特に5%以上である。
質量比B/TiOは、好ましくは0.1〜50、0.3〜30、0.5〜20、0.7〜10、0.8〜5、0.9〜4、特に1〜3である。このようにすれば、耐失透性が向上して、オーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形し易くなる。「B/TiO」は、Bの含有量をTiOの含有量で除した値を指す。
質量比(ZnO+B)/TiOは、好ましくは0.7〜10、0.9超〜7、1〜5、1.5〜4.5、特に1.8〜3.5である。このようにすれば、耐失透性が向上して、オーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形し易くなる。なお、「ZnO+B」は、ZnOとBの合量である。「(ZnO+B)/TiO」は、ZnOとBの合量をTiOの含有量で除した値を指す。
アルカリ金属酸化物は、ガラスの粘性を低下させる成分であり、また熱膨張係数を調整する成分であるが、多量に導入すると、ガラスの粘性が低下し過ぎて、高い液相粘度を確保し難くなる。また、用途によっては、ガラスの表面にSiO膜等のパシベーション膜の形成が必要になる。よって、アルカリ金属酸化物の含有量は、15%以下、10%以下、5%以下、2%以下、1%以下、特に0.5%以下が好ましく、実質的に含有しないことが望ましい。なお、LiO、NaO、KOの含有量は、それぞれ10%以下、8%以下、5%以下、2%以下、1%以下、特に0.5%以下が好ましく、実質的に含有しないことが望ましい。
清澄剤として、As、Sb、CeO、SnO、F、Cl、SOの群から選択された一種又は二種以上を0〜3%添加することができる。但し、As、Sb及びF、特にAs及びSbは、環境的観点から、実質的に含有しないことが好ましい。特に、清澄剤として、SnO、SO及びClが好ましい。SnOの含有量は、好ましくは0〜1%、0.01〜0.5%、特に0.05〜0.4%である。SnO+SO+Clの含有量は、好ましくは0〜1%、0.001〜1%、0.01〜0.5%、特に0.01〜0.3%である。ここで、「SnO+SO+Cl」は、SnO、SO及びClの合量を指す。
PbOは、高温粘性を低下させる成分であるが、環境的観点から、実質的に含有しないことが好ましい。
Bi+La+Gd+Nb+Ta+WOは、屈折率を高める成分であるが、バッチコストを高める成分である。よって、Bi+La+Gd+Nb+Ta+WOの含有量は、好ましくは10%以下、8%以下、6%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1.5%、1%以下、1%未満、特に0.5%以下であり、実質的に含有しないことが望ましい。なお、Bi、La、Gd、Nb、Ta、WOの含有量は、それぞれ10%以下、8%以下、6%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1.5%、1%以下、1%未満、特に0.5%であり、実質的に含有しないことが望ましい。
TiO−(Bi+La+Gd+Nb+Ta+WO)は、好ましくは0.1以上、0.5以上、1以上、1.5以上、2〜8、2.5〜7、特に3〜6である。このようにすれば、バッチコストを低減した上で、屈折率を高め易くなる。なお、「TiO−(Bi+La+Gd+Nb+Ta+WO)」は、TiOの含有量からBi+La+Gd+Nb+Ta+WOの含有量を減じた量である。
上記成分以外にも、他の成分を添加することができる。その添加量は、好ましくは10%、5%以下、特に3%以下である。
本発明の高屈折率ガラスは、以下の特性を有することが好ましい。
屈折率nは1.55以上であり、好ましくは1.57以上、1.60以上、1.62以上、1.63以上である。屈折率nが1.55未満になると、ITO−ガラス界面の反射によって光を効率良く取り出せなくなる。一方、屈折率nが高くなると、ガラス組成のバランスを欠いて、耐失透性が低下し易くなる。また、屈折率nが極端に高くなると、空気−ガラス界面での反射率が高くなり、ガラス表面に粗面化処理を施しても、光の取り出し効率を高めることが困難になる。なお、ガラス組成中に重金属を導入すると、耐失透性を確保した上で、屈折率nが高めることができるが、この場合、バッチコストが高騰してしまう。よって、屈折率nは1.70以下であり、好ましくは1.68以下、1.67以下、1.66以下、特に1.65以下である。
密度は、好ましくは5.0g/cm以下、4.8g/cm以下、4.5g/cm以下、4.3g/cm以下、3.7g/cm以下、特に3.5g/cm以下である。このようにすれば、デバイスを軽量化することができる。なお、「密度」は、周知のアルキメデス法で測定可能である。
30〜380℃における熱膨張係数は、好ましくは30×10−7/℃〜100×10−7/℃、40×10−7/℃〜90×10−7/℃、60×10−7/℃〜85×10−7/℃、特に65×10−7/℃〜80×10−7/℃である。近年、有機EL照明、有機ELディスプレイ等の有機ELデバイス、色素増感太陽電池において、デザイン的要素を高める観点から、ガラス板に可撓性が要求される場合がある。可撓性を高めるためには、ガラス板の板厚を小さくする必要があるが、この場合、ガラス板とITO、FTO等の透明導電膜の熱膨張係数が不整合になると、ガラス板が反り易くなる。そこで、30〜380℃における熱膨張係数を上記範囲とすれば、このような事態を防止し易くなる。なお、「30〜380℃における熱膨張係数」は、ディラトメーター等で測定可能である。
歪点は、好ましくは500℃以上、550℃以上、600℃以上、620℃以上、特に640℃以上である。このようにすれば、デバイスの製造工程における高温の熱処理によりガラス板が熱収縮し難くなる。
102.0dPa・sにおける温度は、好ましくは1200℃以上、1220℃以上、1240℃以上、1250℃以上、特に1260℃以上である。このようにすれば、成形温度を液相温度よりも高温化し易くなるため、成形時の失透を防止し易くなる。
液相温度は、好ましくは1200℃以下、1150℃以下、1130℃以下、1100℃以下、1050℃以下、1030℃以下、特に1000℃以下である。また、液相粘度は、好ましくは103.0dPa・s以上、103.5dPa・s以上、104.0dPa・s以上、104.5dPa・s以上、104.8dPa・s以上、105.0dPa・s以上、105.2dPa・s以上、特に105.3dPa・s以上である。このようにすれば、成形時にガラスが失透し難くなり、フロート法、オーバーフローダウンドロー法でガラス板を成形し易くなる。
本発明の高屈折率ガラスは、平板形状であることが好ましく、板厚は、好ましくは1.5mm以下、1.3mm以下、1.1mm以下、0.8mm以下、0.6mm以下、0.5mm以下、0.3mm以下、0.2mm以下、特に0.1mm以下である。板厚が小さい程、可撓性が高まり、デザイン性に優れた照明デバイスを作製し易くなるが、板厚が極端に小さくなると、ガラスが破損し易くなる。よって、板厚は、好ましくは10μm以上、特に30μm以上である。
本発明の高屈折率ガラスは、平板形状の場合、少なくとも一方の表面が未研磨であることが好ましい。ガラスの理論強度は、本来非常に高いのであるが、理論強度よりも遥かに低い応力でも破壊に至ることが多い。これは、表面にグリフィスフローと呼ばれる小さな欠陥が成形後の工程、例えば研磨工程等で生じるからである。よって、表面を未研磨とすれば、ガラス本来の機械的強度を損ない難くなるため、ガラス板が破壊し難くなる。また、表面を未研磨とすれば、研磨工程を省略できるため、ガラス板の製造コストを低廉化することができる。
本発明の高屈折率ガラスにおいて、少なくとも一方の表面(但し、有効面)の表面粗さRaは、好ましくは10Å以下、5Å以下、3Å以下、特に2Å以下である。表面粗さRaが10Åより大きいと、その表面に形成されるITOの品位が低下して、均一な発光を得難くなる。
本発明の高屈折率ガラスは、HFエッチング、サンドブラスト等によって、一方の表面に粗面化処理を行うことが好ましい。粗面化処理面の表面粗さRaは、好ましくは10Å以上、20Å以上、30Å以上、特に50Å以上である。粗面化処理面を有機EL照明等の空気に接する側にすれば、粗面化処理面が無反射構造になるため、有機発光層で発生した光が有機発光層内に戻り難くなり、結果として、光の取り出し効率を高めることができる。またリプレス等の熱加工によって、一方の表面に凹凸形状を付与してもよい。このようにすれば、一方の表面に正確な無反射構造を形成することができる。凹凸形状は、屈折率を考慮しながら、その間隔と深さを調整すればよい。さらに、凹凸形状(表面粗さRaは、好ましくは10Å以下、5Å以下、3Å以下、特に2Å以下)を有する樹脂フィルムを一方の表面に貼り付けてもよい。
大気圧プラズマプロセスにより粗面化処理すれば、一方の表面に対して、均一な無反射構造を形成し得ると共に、他方の表面の表面状態を平滑な状態に維持することができる。また、大気圧プラズマプロセスのソースとして、Fを含有するガス(例えば、SF、CF)を用いることが好ましい。このようにすれば、HF系ガスを含有したプラズマが発生するため、粗面化処理の効率が向上する。
なお、成形時に、成形ロール等により表面に無反射構造を形成する場合、粗面化処理しなくても同様の効果を享受することができる。
次に、本発明の高屈折率ガラスを製造する方法を例示する。まず所望のガラス組成になるように、ガラス原料を調合して、ガラスバッチを作製する。次いでこのガラスバッチを溶融、清澄した後、所望の形状に成形する。その後、所望の形状に加工する。
本発明の高屈折率ガラスは、オーバーフローダウンドロー法で成形されてなることが好ましい。このようにすれば、未研磨で表面品位が良好なガラス板を安価、且つ大量に製造することができる。また、ガラス板の大型化、薄板化を図り易くなる。
オーバーフローダウンドロー法以外にも、ガラス板の成形方法として、例えば、フロート法、スロットダウンドロー法、リドロー法、ロールアウト法等を採用することもできる。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1〜11)を示している。
まず、表1に記載のガラス組成になるように、ガラス原料を調合した後、得られたガラスバッチをガラス溶融炉に供給して1400〜1500℃で4時間溶融した。次に、得られた溶融ガラスをカーボン板の上に流し出して平板形状に成形した後、所定のアニール処理を行った。最後に、得られたガラス板について、種々の特性を評価した。
密度ρは、周知のアルキメデス法によって測定した値である。
熱膨張係数αは、ディラトメーターを用いて、30〜380℃における平均熱膨張係数を測定した値である。測定試料として、φ5mm×20mmの円柱状試料(端面はR加工されている)を用いた。
歪点Psは、ASTM C336−71に記載の方法に基づいて測定した値である。なお、歪点Psが高い程、耐熱性が高くなる。
徐冷点Ta、軟化点Tsは ASTM C338−93に記載の方法に基づいて測定した値である。
高温粘度104.0dPa・s、103.0dPa・s、102.5dPa・s及び102.0dPa・sにおける温度は、白金球引き上げ法で測定した値である。なお、これらの温度が低い程、溶融性、成形性に優れる。
液相温度TLは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れ、温度勾配炉中に24時間保持して、結晶の析出する温度を測定した値である。また、液相粘度logηTLは、液相温度におけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値を指す。なお、液相粘度が高く、液相温度が低い程、耐失透性、成形性に優れる。
屈折率nは、島津製作所社製の屈折率測定器KPR−2000を用いて測定した値であり、水素ランプのd線(波長587.6nm)での測定値である。なお、測定に際し、25mm×25mm×約3mmの直方体試料を作製した後、(Ta+30℃)から(Ps−50℃)までの温度域を0.1℃/minになるような冷却速度でアニール処理し、続いて屈折率が整合する浸液をガラス間に浸透させた。
試料No.1〜8、10、11に記載の材質それぞれについて、ガラス原料を調合した後、得られたガラスバッチを連続窯に投入し、1300〜1500℃の温度で溶融した。続いて、得られた溶融ガラスに対して、オーバーフローダウンドロー法により、板厚0.7mmのガラス板を成形した。得られたガラス板に対して、平均表面粗さRaを測定したところ、その値は、何れも2Åであった。なお、平均表面粗さRaは、JIS B0601:2001に準拠した方法で測定した値である。

Claims (15)

  1. ガラス組成として、TiO+ZrOを3〜20質量%含有し、質量比(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/CaOが2〜10であり、屈折率nが1.55〜1.70であることを特徴とする高屈折率ガラス。
  2. CaOを5.0質量%超含むことを特徴とする請求項1に記載の高屈折率ガラス。
  3. TiOを0.01〜15質量%含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の高屈折率ガラス。
  4. ZrOを0.01〜10質量%含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の高屈折率ガラス。
  5. 実質的にPbOを含まず、且つBi+La+Gd+Nb+Ta+WOの含有量が3質量%以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の高屈折率ガラス。
  6. 更に、Bを0.1〜8質量%含むことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の高屈折率ガラス。
  7. ZnOを0.1〜6質量%含むことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の高屈折率ガラス。
  8. 実質的にアルカリ金属酸化物を含まないことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の高屈折率ガラス。
  9. 液相粘度が104.8dPa・s以上であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の高屈折率ガラス。
  10. 平板形状であり、且つ少なくとも一方の表面の表面粗さRaが10Å以下であることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の高屈折率ガラス。
  11. オーバーフローダウンドロー法で形成されてなることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の高屈折率ガラス。
  12. 請求項1〜11の何れかに記載の高屈折率ガラスを備えることを特徴とする照明デバイス。
  13. 請求項1〜11の何れかに記載の高屈折率ガラスを備えることを特徴とする有機EL照明。
  14. 請求項1〜11の何れかに記載の高屈折率ガラスを備えることを特徴とする太陽電池。
  15. 請求項1〜11の何れかに記載の高屈折率ガラスを備えることを特徴とする有機ELディスプレイ。
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