カテーテルとガイドワイヤの本明細書で開示された実施形態は、外科的手術中に優れた性能を達成するために材料と構造の従来は利用できない組み合わせを用いる。マイクロカテーテル、ガイドカテーテル、このカテーテルとガイドワイヤを形成するために使用される正確に切断された円筒状のストック材料の様々な変更形態も同様に開示される。
図1は、カテーテルおよび/またはガイドワイヤシステム(10)の従来技術の構成要素を示す。本明細書における説明と使用を容易にするために、および、適切な場合に、カテーテルとガイドワイヤは、製品として本明細書で参照される。製品システム(10)の全長は、典型的に175センチメートルから195センチメートルで、人体内でさらに移動しなければならない、もっと困難な手術のために、300センチメートルの長さでもあり得る。製品システム(10)の近位端部(11)は、外科医または医療専門家が外科手術中に保持する端部である。近位端部(11)は取り付けられたハンドル構造を含んでもよく、これはトルカ(torquer)(12)と呼ばれる。トルカ(12)は、外科医によって握られ、遠位端(13)として知られる製品の反対側の端部を回転させるために、物理的に回転させられる(製品にトルクを与える、と言う)。
遠位端(13)は、手術直前に外科医自身によって、または、製品メーカーによる生産の間に、わずかに曲げられてもよい。遠位端(13)が曲げられることで、製品システム(10)は物理的に回転するか、または、ねじられる際に、曲げられた先端も同様に回転し、それによって異なる方向を向くようになり、外科医が所望の脈管構造の経路に遠位端(13)をねじることを可能にする。近位端部(11)に最も近い製品システム(10)の長さの一部は、近位部分(14)と言い、遠位端(13)に最も近い部分は遠位部分(15)と言う。本明細書で開示される精密切断製品は、トルカ(12)から遠位端(13)まで外科医によるトルク運動を滑らかに伝達するのに十分なトルク能力を保持する一方で、患者の複雑な脈管構造の全体にわたって容易に通り抜けることを可能にするのに十分な柔軟性を提供する。ガイドワイヤ(16)は、カテーテルの中空の中心部へ挿入することができ、トルカ(12)から遠位端(13)に外科医によるトルク運動を滑らかに伝達すると考えられる。ガイドワイヤ(16)は、カテーテルの中空の中心部へ挿入することができ、遠位端、遠位部分、近位部分、近位端部、および、恐らくはトルカとともに、カテーテルと同じ部分からなると考えられる。
背景技術で議論されたように、カテーテルとガイドワイヤを生産するための従来技術の装置には、カテーテルおよび/またはガイドワイヤに機械加工される材料の種類と、製造可能な製品の種類を制限する重大な欠点がある。そのようなものとして、本明細書で開示された精密切断製品の議論は、細心の注意を要する医療手技に必要とされる厳密な耐性一致する一方で、非常に多様な寸法で非常に多くの材料を機械加工することができる微細切断装置について記載することから始める。例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)のようなポリマー(プラスチック)ストック材料を、下記に記載する微細切断装置で、比較的大きな直径の高軟性カテーテルに機械加工することが可能であり、その一方で、ポリマー材料はその非導電性の品質のため、以前は機械加工することができなかった。別の実施例において、ステンレススチールストック材料を、下記に記載する微細切断装置で、成形可能なガイドワイヤに微細加工することも可能であり、その一方で、その比較的高い剛性は梁を非常に小さく切断することを要求するために、結果として得られた製品ステンレススチールが機能的ではないことから、ステンレススチールは以前は機械加工することができなかった。以前は不可能だったやり方で他のストック材料と同様に、非導電性のストック材料を機械加工することができる1以上の微細切断装置がここで記載される。
図2は、1つの実施形態に従って微細切断装置の一般的なレイアウトを示す。微細切断装置(101)は、切断アセンブリ(140)を含み、該アセンブリは切断されて、その後次の切断に備える円筒状のストック材料である。切断アセンブリ(140)は、以下でより詳細に説明される。刃の位置および速度と、ストック材料の位置と角度とを制御するように、正確な制御信号を切断アセンブリ(140)に与えるため、電子制御装置(110)(1つ以上の電子制御装置であり、電子制御ユニットと呼ぶ)は、切断アセンブリ(140)に通信可能に接続されている。電子制御装置は同様に、切断の前後でストック材料を画像処理し、画像処理システムで生成されたデータを収集するために、ライトとカメラ(画像処理システム)とを制御することができる。中央処理装置(130)(ディスプレイ、入出力システム、記憶システムなど、または、幾つかの他のタイプのCPUを含むパーソナルコンピュータ)は、ユーザ入力を受け取り、電子制御装置(110)と切断ア
センブリ(140)を制御し、および、2枚の刃の間の相対的な間隙距離を調節するために画像処理システムによって生成されたデータを処理する。その代わりに、CPU(130)は、画像処理システムと直接通信することができ、電子制御装置(110)を迂回することができる。電源(120)は、少なくとも切断アセンブリ(140)に、可能な場合には、微細切断装置(101)の他の構成要素に、給電を行う。
図3Aは、固定したフレームアセンブリ(200)に取り付けられた切断アセンブリ(140)の1つの実施形態の平面図を示す。ストック材料(202)は、供給モータアセンブリ(204)によって切断アセンブリ(140)へと供給される。供給モータアセンブリ(204)は、X軸に対して固定された位置で、すなわち、スピンドル(206)に並行方向でストック材料を保持し、かつ、さらに後述されるように、切断部材(140)にストック材料(202)を適切に供給するために、ごくわずかだけ制御して増加させることでX軸に沿ってストック材料を移動させることができる。供給モータアセンブリ(204)は、2つの供給モータを含み得る。1つは、後述されるように、切断される間、ストック材料(202)を把持するためのものであり、1つは、ストック材料(202)が第1の供給モータによって解放されたときに、X軸に沿ってストック材料(202)を移動させるためのものである。
図3Aで示すストック材料(202)は、実際のサイズでは例示されていない。ストック材料(202)の外径は、0.030インチ以下、または“フレンチ”カテーテル寸法で約3フレンチである。ここで、フレンチとは、ミリメートルで測定したストック材料(202)の外径の三倍の値に等しい。インチに変換すると、3フレンチは、0.039インチと等しく、4フレンチは、0.053インチと等しく、5フレンチは、0.066インチと等しく、6フレンチは、0.079インチと等しい、などである。従って、図3Aで示す切断アセンブリの相対的なサイズに基づいて、6フレンチ長さのストック材料(202)ですら、はっきり見ることがほとんど不可能である程に非常に小さい。そのため、図3Aで示したストック材料(202)は、この実例だけのため、その実際のサイズよりもはるかに大きい。
供給モータアセンブリ(204)は、固定フレームアセンブリ(200)に取り付けられたブラケット(208)の軸受内で支持されるスピンドル(206)に取り付けられる。スピンドル(206)に取り付けられた滑車(210)は、ベルト(図示せず)によって駆動される。該ベルトは、順に、滑車(210)の下の別の滑車(図示せず)に接続される。この別の滑車は、固定フレームアセンブリ(200)内に取り付けられた回転モータ(図示せず)に接続される。回転モータは、非常に正確なコンピュータ制御移動能力のあるステッピングモータ等のものである。(ユーザが電子制御装置(110)の特定の動作パラメータを変える、それゆえ、切断アセンブリ(140)の種々な構成要素を変えることができるユーザインターフェースを介するなどして)電子制御装置(110)およびCPU(130)を通じて与えられるプログラムに基づいて、回転モータは、滑車(210)を特定の回数回転させることで、スピンドル(206)および供給モータ(210)を同じ特定の回数回転させるように、プログラム可能である。故に、滑車(210)およびスピンドル(206)が回転モータによって回転させられるとき、供給モータアセンブリ(204)全体が、任意の把持されたストック材料(202)に沿って回転する。他の実施形態は、供給モータアセンブリ(204)と回転モータの異なる配置を含み、例えば、前記供給モータアセンブリは、X軸に沿ってのみストック材料を移動させ、前記回転モータは、ストック材料がX軸に沿って供給されないときに、ストック材料(202)を把持し、回転させる。
切断アセンブリ(140)の様々な構成要素の関係をよりよく示すために、ストック材料(202)は、細長い供給トラフ(212)に支持された供給モータアセンブリ(204)から出て状態で示されている。このストック材料(202)は、供給モータアセンブリ(204)から(さらに後述するように、ストック材料(202)が刃(214)によって切断される)切断領域の一方の側に伸張し、その後、切断領域の他方の側から出力領域(216)に伸張する。実際には、供給モータアセンブリ(204)と切断領域との間の供給トラフ(212)の長さは比較的短い。このことは、供給モータアセンブリ(204)が切断領域により近接することを可能にし、その結果、ストック材料(202)は、供給モータアセンブリ(204)から出たほぼ直後に切断されるようになる。供給モータアセンブリ(204)と切断領域との間でストック材料(202)の長さを短く保つことは、ストック材料が切断されている間にストック材料(202)をよりよく制御しやすくする。すなわち、ストック材料(202)が切断されている間、ストック材料(202)がスピンドル(206)に垂直な方向にY軸に沿って移動したり、回転したりすることを防ぎやすくする。
当然のことながら、ストック材料(202)のほとんどは、他の形状を使用することもできるが、略角の取られた形状のものであることが多い。ストック材料(202)は、Y軸およびZ軸の位置を与える、幅と高さの両方を有しており、ここで、Z軸はX軸とY軸とを含む平面に対して垂直である。供給トラフ(212)は、X軸に沿って移動する際にストック材料(202)を受動的にガイドするよう意図されている。ガイドは、正確に位置決めされたガイドポストまたは細長い部材の、または、Y軸とZ軸に対して所望の位置でストック材料(202)を維持するガイドパスを通るなどの、種々な異なる方法で行うことができる。角の取れたストック材料(202)のための供給トラフ(212)のガイドパスは、図3Bに示されるように、V字型状であるのが好ましく、ストック材料(202)は、供給トラフ(212)内のV字型ガイドパスによって形成されたポイントの底に置かれる。
上で述べたように、切断領域は、一対の向かい合った刃(214)がストック材料(202)を切断する、供給トラフ(212)の(切断領域の前後の)2つの部分間の小さな間隙によって定義される。本出願の実施形態では、2枚の刃(214)は、半導体ダイシングブレードか、または、摩耗耐性を改善するためにタングステンカーバイドなどのカーバイド材料から形成される標準的な「歯」状の刃のいずれでもよい。タングステンカーバイドと類似する合成物のサブミクロンの粒子サイズが非常に適している。というのは、それらはそれほど脆くなく、非常に固く、非常に薄い厚さの刃のときでさえ、その切れ味を保つことができるためである。1つの実施形態では、ウォータージェット切断システム、フレームまたは酸素燃焼切断システム、プラズマ(アーク)切断システム、放電装置(EDM)などの、さらなる異なる種類の切断器具および切断システムが、刃(214)の代わりに利用し得る。とはいえ、非金属ストック材料、または、特定の種類の金属ストック材料(例えば、さらに柔軟な金属や導電性の少ない金属など)を切断する際、これらのシステムのすべてが使用に適切であるというわけではない。そのようなさらなる種類の切断システムの可変動作を考慮すると、切断アセンブリ(140)および/またはストック材料(202)の方向を変えることも必要であるか、および/または、好ましい。それゆえ、Z軸に沿って刃またはシステムの切断位置を下げる代わりに、ストック材料を切断位置に対して移動させる間に、切断位置をX軸に移動させるか、または、切断位置は固定して保持してもよい。そのような代替的な切断システムは、すべて本明細書中において予想されている。故に、「2重刃」システムが本明細書において述べられるとき、当然のことながら、任意のタイプの代替的な切断部材または切断システムは、関係する用途に依存して使用可能である。
プラスチックを切断するための実施形態は、ほぼ56本の歯を備えた歯型の刃を利用する。この刃型でPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)および他のプラスチックを切断するとき、略0.006および0.008インチの刃の厚みでうまく加工できる。ニチノール、ステンレス鋼、および、他の超硬合金や複合材料を切断するとき、菱形半導体ダイシングブレードは、略0.002インチの厚さでうまく加工できる。そのような厚さを仮定すると、図3Aで表わされた供給トラフ(212)の2つの部分間の開かれた切断領域のサイズは、正確な縮尺ではなく、切断領域の開口部をより明確に表すために誇張されている。もちろん、図3Aで示される刃(214)は、特にほとんどの場合、ストック材料(202)に非常に浅い切り込みを作ることが必要とされるのみであるので、実際のものよりもはるかに太い直径で表されている。ストック材料(202)が任意のサイズの直径を有している任意のタイプの材料から形成され得るので、そのような、より大きなストック材料は、ガイドワイヤとカテーテルを切断するために使用されるものよりも大きな直径を有した厚い刃によって切断される必要があることは明らかである。
さらに以下に記述されるように、実施形態は、ストック材料(202)が金属の組成物であることを要求しない。そのため、その位置は、切り込みが作られ得る前に、刃(214)によって電気的に検知可能である。金属、または、非金属(PEEK、半結晶物、および、切り込みが作られ得る前に刃(214)をもたらすその高弾性係数ゆえにカテーテルでの使用に理想的な高温熱可塑性物質など)であるかどうかにかかわらず、任意の種類の材料を切断するために該実施形態を使用することができる。金属、または、非金属(PEEK、半結晶物、および、ねじり能力と形状を保つ能力をもたらす、その高弾性係数ゆえにカテーテルでの使用に理想的な高温熱可塑性物質など)、および、金属材料と非金属材料の組み合わせであるかどうかにかかわらず、任意の種類の材料を切断するために該実施形態を使用することができる。当該技術分野での一般論は、特にPEEKを切断する際に、各切断領域で突起ができるのを抑えるために切断速度を遅くする必要があるというものだったが、これは本願には当てはまらなかった。つまり、かなり高速な回転速度の刃(214)がうまく機能し、突起の生成を抑えるとともに非常に優れた正確さを与えた。実施形態は、また、バリを伴わずにかつ非常に優れた正確さで、非常に高速で、ステンレス鋼と金属の合成物を含む他の材料を切断する。
刃(214)は、ブレード筐体(218)(内部を見ることができるように図3Aではその上部の無い状態で示す)の内部に位置しており、ブレード筐体(218)を通って空気を送り込むことで刃(214)とストック材料(202)とを冷却可能であり、このブレード筐体(218)を通ってストック材料(202)から切り取られた破片を除去することができる。空気処理システムのホース(220)は、ブレード筐体(218)から空気を送りこむ、および/または、吸引するのに使用することができる。当該技術分野で知られているように、刃(214)を水冷することもできる。
より高価なモータとさらなる複雑な要素を必要とすることなく、高速で刃(214)を直接駆動するために、刃(214)の各々は、X軸と平行に方向付けられたスピンドル(222)に取り付けられる。スピンドル(222)の各々は、スピンドルモータ(226)に取り付けられた滑車によって回転するベルト(224)によって駆動される。スピンドルモータ(226)は、電子制御装置(110)とCPU(130)によってプログラム制御される。滑車とスピンドル(222)間のアスペクト比がほぼ6:1となるよりももっと速い回転速度を達成するように、刃(214)はこの手法で間接的に駆動される。それゆえ、回転が遅いスピンドルモータ(226)は、PEEKや他の材料を切断するための所望の速度である、略24,000rpmでスピンドルを回転させることができる。24,000rpmで動作することが可能なダイレクトドライブモータは、かなり高価で、異なる軸受アセンブリを要求し、さらに、故障率が非常に高くなる恐れがある。
刃(214)、スピンドル(222)、スピンドルモータ(226)と滑車、および、ベルト(224)の組み合わせは、本明細書では「切断アセンブリ」と呼ぶが、仮に刃のない異なる切断システムが同様に使用されるならば、同じ用語を適用する。各切断アセンブリは、各刃(214)のy軸位置を制御するブレードステッピングモータ(blade stepper motor)(228)に取り付けられる。下記にさらに述べられているように、ステッピングモータ(228)は、可動フレームアセンブリ(230)に取り付けられる。ステッピングモータ(228)の各々は、電子制御装置(110)およびCPU(130)によってプログラム制御されるか、または、制御ノブ(232)によって手動で調節され得る。
後述するように、特定の寸法の結果的に得られる梁を残すようにストック材料を切断するため、刃(214)が接近するものの接することなく、切り込みが同時に双方の刃によって未加工のストック材料(202)に作られるように、ステッピングモータ(228)の各々を予め定められた位置に調節する。両方の刃がストック材料(202)を同時に切断する方法がさらに以下に述べられる。一旦切り込みが作られれば、結果的に得られる梁は、所望の寸法であるかどうかを測定するために測られる。ステッピングモータ(228)はその後、y軸に沿って調節されることで、切断アセンブリを互いに向かい合って内側に動かすか、または、互いに遠ざけて外側に動かし、別の切り込みが未加工のストック材料(202)に作られる。このプロセスは、所望の結果的に得られる梁寸法が達成されるまで続けられる。その達成した点で、未加工のストック材料(202)での一連の切断が実行される。
切断アセンブリをステッピングモータ(228)に取り付けることによって、各刃(214)のY軸位置を正確に制御するとともに、未加工ワイヤ、管、および、他の形状およびサイズの円筒状のストック材料(202)といったかなり様々な異なるストック材料(202)を収容することが可能である。例えば、幅広の直径のカテーテルが比較的幅広の直径1片の管から切断されると、ステッピングモータ(228)は、通常のストック材料より大きなものを収容するために切断アセンブリを離して動かすことができる。別の実施例では、一方の端部で0.002インチの結果的に得られる梁を、他方の端部で0.004インチの結果的に得られる梁を有し、2つの梁幅の間で段階的に変化するガイドワイヤのための1片の金属ワイヤを、微細切断したいとユーザが願うことがあるかもしれない。本実施例では、所望の梁幅が0.002インチ、0.0025インチ、0.003インチ、0.004インチなどであろうとなかろうと、所望の結果的に得られる梁幅をもたらす切り込みを行う刃(214)を位置決めするために、電子制御装置(110)とプロセッサ(130)によってステッピングモータ(228)を正確に制御することができる。故に、任意の所望の寸法のほとんどを、任意の特定の位置で機械加工することができる。
切断アセンブリとステッピングモータ(228)の両方は、可動フレームアセンブリ(230)内に配されたZ軸モータ(図示せず)によってZ軸に沿って上下動する可動フレームアセンブリ(230)と、固定フレームアセンブリ(200)の非可視部とに順に取り付けられる。切断アセンブリおよびステッピングモータ(228)を可動フレームアセンブリ(230)に取り付けることによって、両方の刃(214)のZ軸位置を同時に正確に制御することができる。ブレード筐体(218)は、可動フレームアセンブリ(230)に取り付けられるように設計され得るもので、その結果、ブレード筐体(218)は刃(214)に沿って動き、または、ブレード筐体(218)は、内部で該ブレード筐体(218)から離れてスピンドル(222)が上下動できる、2つのスロットを含むことができる。ブレード筐体の内部をよりよく密閉するために、ブレード筐体(218)を刃(214)により移動させることが望ましい。
同様に図3Aに(下部の構成要素が目に見えるように点線で)示したのは、実施形態の画像処理システムであり、該システムは、上部カウル(236)内に取り付けられたデジタルカメラ(234)と、上部下部ライト(図示せず)とを主に含む。刃(214)が移動する際にカメラ(234)がZ軸に沿って移動しないように、上部カウル(236)は固定フレームアセンブリ(200)に取り付けられる。カメラ(234)は、切断領域上に直接位置決めされ、図4と5でさらに図示されるように、切断時および切断後、ストック材料(202)の一部に焦点を合わせる。
カメラ(234)は、高画質ピクセルビデオ映像データをキャプチャする能力がある限り、任意の数の市販の高速デジタルビデオカメラであり得る。実施形態では、カメラは、ニューヨークのニューハイドパークのSunriseDino社によって製造されたモデルAM−413Tデジタルマイクロスコープカメラである。画像処理システムの中でさらに興味深い態様は、切断したストック材料(202)のエッジ周りのコントラストを上げるためにストック材料(202)を逆光で照射する手法と、デジタル画像処理が切り込みと結果的に得られる梁とを正確に測定することができる手法である。
図4は、CPU(130)のディスプレイ上に生成されたデスクトップ画像(300)の実例である。デスクトップ画像(300)はイメージングウィンドウ(302)および制御ウィンドウ(304)を含む。イメージングウィンドウ(302)は、ストック材料(202)が、切断されている時と、画像処理システムによって測定されている時のときのデジタルビデオイメージを表示する。領域(306)は、ストック材料(202)が刃(214)によって切断され、刃(214)がカメラ(234)の焦点の合った視野を超えて移動した直後の、ストック材料(202)を示している。図4で示された実施例で切断されているストック材料(202)は、各切断後に90度回転するカテーテルを作るために用いられる管である。一旦切り込みが作られると、穴部(308)は、次の切断を行うためにストック材料(202)が回転すると目に見えるようになるストック材料(202)の壁部に形成される。ストック材料(202)が切断アセンブリのX軸に沿って進むと、ストック材料(202)は、円(310)で示されたバックライトの前を通る。
ここで図5を簡単に参照すると、画像処理システム(400)のカメラ(234)は、ストック材料(202)の上部に直接配される。その結果、該カメラは、2つの切り込みによって形成されたストック材料(202)と結果的に得られる梁(314)を撮像して測定することができる。上に述べられたように、供給トラフ(212)は、刃(214)が通ることのできる間隙を残す。バックライト(410)は、光ファイバ、または、いくつかの光ファイバ束であり、この光ファイバを通って赤色LEDライト(420)は画像処理システムによって与えられる。バックライト(410)を与える光ファイバは、バックライト(410)がストック材料(202)周りで光り、かつカメラ(234)に見えることを可能にする別のドリル穴(図示せず)を通過する。ストック材料(202)は、ちょうど切断されている際にイメージングウィンドウ(302)でも見ることができるが、バックライト(410)は、固定フレームアセンブリ(200)に固定されたアンビルによって切断領域下で適所に保持され、ストック材料(202)が切断された直後に該ストック材料(202)を照らすために位置付けされる。カメラ(234)は、ストック材料(202)が切断される間にフィードバックを与えるために、および、1以上の結果的に得られる梁の1以上の画像を記憶するために、プロセッサ(130)(図5では示されず)に通信可能に接続されている。
1セットの1以上の緑および青色LED(430)を、ストック材料(202)上に、および、カメラ(234)のまわりに位置決めすることによって、手動の検査目的のために、ユーザがストック材料の上部を見るための追加のライト(440)を与える。赤色バックライト(410)と、緑色および青色LED(430)との組み合わせが選択された。なぜなら、カメラ(234)は、画像データの3つのカラー画像チャネルを提供し、別々のカラーのライトは、画像データが容易に分離するのを可能にするためである。画像データを受け取るCPU(130)(と、CPUを操作するソフトウェア)は、エッジ検出用に赤色画像チャネルを使用する。なぜなら、赤色画像チャネルは、各切り込みを測定するためにCPU(130)によって使用される測定ソフトウェアを混乱させてしまう前側側面反射を伴うことなく、切り込みの高コントラストバックライト画像を提供するためである。緑色および青色LED(430)とカメラ(234)とによって作られた緑色およ
び青色の画像データは、それぞれ、緑色画像チャネルと青色画像チャネルとを通って送達された。
画像処理システム(400)の目的は、ストック材料(202)に形成された切り込みの正確な位置およびサイズをモニタすることである。この情報(切り込みの画像と測定結果を意味する)は、多くの異なる方法で使用することができる。例えば、ストック材料(202)が切断されている時、またはそれに近い時間帯に、微細切断装置の正確さと繰返し精度を認証するために画像を使用することができる。画像が―1片のストック材料(202)をカテーテルまたはガイドワイヤへと加工するために必要な多くの切り込みを形成するプロセス中に―迅速に(on the fly)分析されると、画像処理システム(400)は、切り込みが失敗に終るか、または、ストック材料(202)が耐性を失ったときに、その一片の生産を止めるために使用することができる。
図4を再度参照すると、カメラ(234)は、ストック材料(202)に作られたすべての単一の切り込みの画像を理論上はキャプチャすることができるが、それを行うことで、人間のオペレータでは合理的なコストで完全に検討することができない過剰量のデータを生成することになる。その代わりに、適切な品質管理を与えるために、以下に述べるように、画像を周期的またはランダム(ランダム化されたテストサンプリングプロトコル)に、キャプチャまたは記録する。ストック材料(202)の画像をキャプチャしている間、図4に示されるように、図4では「ウェブ」と呼ばれる、各切り込みと結果的に得られる梁(314)の長さを測定するため、バックライト領域(310)の範囲内で、2つの目に見えるオーバーレイ(312)を画像処理システムによって画像データに対して適用する。オーバーレイ(312)は、少なくともストック材料(202)の幅と厚み、および、ウェブまたは結果的に得られる梁(308)の幅を含む、2つ以上の異なる点でストック材料(202)の全体にわたって測定を行う。
オーバーレイ(312)によって得られた測定値はその後、CPU(130)で分析され、左の切り込み、右の切り込み、および、結果的に得られる梁またはウェブ(314)の長さを測定するために利用される。例えば、キャプチャされている画像内の測定値の装置毎の画素数をあらかじめ測定し、その後、測定される対象の長さについて画像データ内に表示される画素数を(CPU(130)によって操作されたリアルタイム画像処理ソフトウエアを使用して)計数することによって、機械的な測定手段を使用せずとも、画像データのみから正確な測定値を測定可能である。例えば、切断されるストック材料(202)の1片は、0.039インチの幅を有するはずであり、画像データは0.05インチ当たり500画素の解像度を有するはずであり、それゆえ、ほぼ390画素がストック材料(202)の幅に相当する。切り込みがその後両側から作られ、ストック材料(202)に作られ、結果的に得られる梁(314)を残し、その結果的に得られる梁(314)が359画素の測定値のとき、結果的に得られる梁(314)の幅は、0.0359インチである。同様の測定がストック材料(202)の各切断において実行され、これらのリアルタイム測定値はその後、位置(316)で表示され、それゆえ、切断動作の進捗はオペレータまたはCPU(130)によってモニタされ得る。
切り込みの点におけるストック材料(202)の幅が予想値より厚い場合または薄い場合、結果的に得られる梁(314)は、依然として、その正常サイズの許容範囲内にある。というのは、ストック材料(202)に対する刃(214)の位置は、主としてストック材料(202)の中心位置を基準にしているからであり、ストック材料の側面に対する別の刃の相対的な距離に基づいて各切れ込みを基礎とするという従来の技術に対して、各刃が切断に関与する。故に、もっと厚いストック材料(202)が切断される際に、さらに多くのストック材料が切断され、もっと薄いストック材料(202)が切断される際に、さらに少ないストック材料が切断される。しかし、いずれの場合でも、所望のサイズの結果的に得られる梁が残り、これに対し、当該技術分野で知られているように、所望の結果的に得られる梁よりも厚い梁または薄い梁が生成される。
制御ウィンドウ(304)は、スクロール可能な制御ウィンドウのログセクション(318)中に各測定値を表示する。図4に示されるように、CPU(130)は、画像をキャプチャし、かつ、左の切り込み、右の切り込みおよびウェブを周期的に測定するべく画像処理システムに命じるようプログラムされている。例えば、上述したように、示されている最初の切り込みは、0.0018インチの左の切り込み(CUTL)と、0.0013インチの右の切り込み(CUTR)をもたらすとともに、0.0359インチのウェブをもたらすグラインド(GRIND)995である。グラインド(995)のための測定値および画像ファイルは、その後、A_133.JPGとラベル化されたデータファイルに記憶される。撮像、測定、記録されるよりも多いまたは少ない切り込みが作られるように、記録されているグラインドは、作られた切り込みと同数の切り込みに必ずしも対応する必要はない。故に、ログセクション(318)の一部として示された工程は、作られた切り込みの数を記録する別のプログラムされたプロセスに相当し得る。
制御ウィンドウ(304)は同様に、オペレータがジョブを停止または一時停止したり、切断プロセスを開始および停止したりすることを可能にする選択可能なボタン(320)を含む。オペレータは、各切断ジョブにタイトルを割り当て、その切断ジョブに関連するデータをCPU(130)の特定のフォルダに記憶させるオプションも有している。
先に上述したように、CPU(130)は、X軸に沿った切断アセンブリ(140)へのフィードストック(202)の移動を制御するために、電子制御装置(110)、回転モータ、および、供給モータアセンブリ(204)のプログラム制御を与える。一旦、ストック材料(202)が切断アセンブリへと供給され、供給モータアセンブリ(204)によって把持されると、CPU(130)は、ストック材料(202)を現在の向きに置くか、または、CPU(130)によって特定された角度にストック材料(202)を回転させるかのいずれかのために、回転モータに命令を出す。一旦、ストック材料(202)が切断されると、供給モータアセンブリ(204)は、次の切断のためにストック材料(202)を位置付けるともに把持するために、X軸に沿って特定量だけストック材料(202)を前進させるだろう。回転モータはその後、供給モータアセンブリ(204)を回転させ、ストック材料(202)は再度切断される。このプロセスはその後、ストック材料(202)がすべて所望するように切断されるまで、繰り返される。
各切断の間にストック材料(202)を回転させることによって、切断アセンブリ(140)は、マイクロ機械加工製品の長さに沿った同じ向きには全て並べられていない結果的に得られる梁(314)を備えた、切断されたストック材料(202)を生成することができる。例えば、ストック材料(202)は、最後の切断の時にその角度を90度回転可能であるか、または、その多くの変更形態、例えば、最後の切断の角度から90度より5度以上少ない(たとえば85度)だけ回転させるか、または、最後の切断の角度に対してランダムな角度でさらに切断され得る。
その実施形態の更なる特徴は、切断する前に、および、切り込み深さをガイドするために結果として得られた測定値を用いる前に、ストック材料(202)を測定する能力を有することである。もしストック材料(202)が直径0.039インチであると仮定され、約0.008インチの厚さを有する結果的に得られる梁(314)を生成することが所望される場合、各切り込みは、深さ0.0155インチである必要がある。もしストック材料(202)が0.039インチの代わりに直径わずか0.032インチであると画像処理システムが測定すれば、切断装置は、0.008インチの所望の結果的に得られる梁(314)を残すために、各切り込みの深さを0.012インチまで減らす必要があることを認識する。しかしながら、上述したように、このことは、2枚の刃(214)がストック材料(202)の対向面から切り下げる実施形態に関しては必要ではない。というのは、一度、刃(214)の間の相対的な間隙(それは、2枚の刃(214)または他の切断部材の切断ポイントに相対的である)が確立されると、間隙は、ストック材料(202)の外径にかかわらず、結果的に得られる梁(314)を正確に規定するからである。材料の量または「切り込みの深さ」が実際には異なる一方で、結果的に得られる梁(314)の幅に違いはない。
しかしながら、特定の場合では、「オフセットカット(offset cut)」モードで刃(214)を操作することが望ましく、このとき、刃(214)は、同じ面には並べられず、より深い切り込みが作られる。この場合、切り込みは、各側からの独立した(同時に切断されたものではあるが)切り込みとして現れる。各々の結果的に得られる梁とこの種の構造の柔軟性および安定性が、切り込みの端部から管の反対側までの距離により測定されるため、この深さはその後重要なものとなる。このタイプの構造は、実施形態を用いて作られ得るが、それは非常に実用的というものではない。というのは、このような構造は、各切り込みが作られる前に切断装置にストック材料(202)を画像処理して測定させるとともに、切り込みが作られる深さを変更するためにストック材料(202)が不適当な直径であると結論付けられた場合に、切断装置に即座にステッピングモータ(228)を調節させることが必要となるからである。
従って、実施形態は、現在、全ての切り込みの代わりに幾つかの切り込みが作られた後に、その幾つかの切り込みのみを測定する品質管理技術に依存している。これによって、システムはストック材料(202)の質およびシステムの他の様子をモニタすることができるようになるが、システムが切り込みから切り込みまで動作する方法の変更を必要とはしない。例えば、ストック材料(202)が仕様から外れている場合、その直径が単一の孤立点でのみ変化するということは少ない。むしろ、もしストック材料(202)が1つの点で仕様から外れている場合、そのストック材料(202)は材料の長手方向に沿って仕様から外れているか、または、その1つ以上が品質管理技術により検出可能な複数の個々の点で仕様から外れていることが多い。ストック材料(202)の直径の大きな変化は、ストック材料を特定用途には望ましくないものとすることがあり、それゆえ、この変化が測定されると、切断アセンブリ(140)を停止することができ、その変化を一たび検
知すると製品を廃棄することができる。
述べたように、微細切断装置の主な目的は、円筒状のストック材料上に(向かい合う必要はないが)複数対の切り込みを形成することによって、ガイドワイヤ、カテーテルおよび他の同様の装置など(本明細書ではすべて「製品」と呼ぶ)の柔軟でかつトルク伝達可能であることが可能な製品を形成することである。その一方で、ストック材料(金属ワイヤおよび/または管)の円筒状部分の側部に刃を用いて単一の切り込みを形成し、次に、材料を回転させ、同じ刃を用いてストック材料の反対側に向かい合う切り込みを形成することによって、柔軟でかつトルク伝達可能なガイドワイヤおよびカテーテルを形成することは、当該技術分野では知られている。このプロセスが、ストック材料の長さの全部または一部に沿って実行されるとき、ストック材料の直径は、多くの場所で減少する。この減少は、結果として生じる製品の柔軟性を高めるが、製品は、同じ全体の外径を保つため、結果として生じる製品は、そのトルク伝達可能な能力の大半を保持している。この方法で
切断されたストック材料は通常の円筒状である一方で、切り込みは、向かい合う側またはほぼ向かい合う側から中心に向かって作られるため、たとえ、実際にストック材料がほぼ円形で片面のみを有する場合であっても、第1の側面と第2の側面を有するストック材料を想到する手助けとなる。
図6Aは、第1の側と第2の側から切断する円形刃によって生成された、結果的に得られる梁を示し、結果的に得られる梁は、実施形態を利用することを介しても生成される。図6Bおよび6Cは、実施例を利用することを介してのみ生成可能な、結果的に得られる梁を示す。固体ストック材料(202)の断面図が、図6A、6Bおよび6Cに示される。既存の技術に基づいて、固体ストック材料(202)が(現在開示されるように一度に、または、当該技術分野で知られているように第1の側面そして第2の側面の順に、のいずれかで)第1の側面および第2の側面を切断されたとき、結果的に得られる梁(510)はのこるだろう。この種の結果的に得られる梁(510)は、周面から中心点まで先細りになっているため、当該技術分野では半径切断梁(radius cut beam)として知られている。既存の技術は、前述のY軸に沿って個体ストック材料(202)を進めることによって、この個体ストック材料(202)を切断する。結果として、円形刃は、外側領域で切断可能なよりもさらに中心領域でストック材料(202)を切断し、半径切断梁(510)を常に生じさせる。
半径切断梁(510)は、いくつかの用途に適切であるが、それはトルク伝達能力と安全性の観点から理想的ではない。半径切断梁(510)の中心領域の厚みが減少することで、製品がねじられると、その領域に応力がたまり、製品の破損を引き起こしかねない。製品が血管内の処置にしばしば使用されることを考慮すると、いかなる破損も大変好ましくない。同様に、製品の直径に、切断装置では感知できない何らかの不揃い部分があれば、切断装置は、そのプログラムのみに基づいて製品に切り込みを作ることになる。故に、上述の実施例を用いて、ガイドワイヤが直径0.039インチで、中心領域で約0.008インチの厚みを有する結果的に得られる梁を生成することが望ましい場合、各切り込みは、0.0155インチ深さであることが必要である。しかしながら、もし、ガイドワイヤが直径0.032インチしかなく、切断装置が、リアルタイム画像処理の代わりに、電磁センシングを使用した場合、各側面は依然として0.0155インチ切断されるだけで、単純な曲線に挿入する際に破損を引き起こす可能性のある、0.001インチの結果的に得られる梁を残す。
しかしながら、現在開示されている切断装置は、y軸とz軸の両方に沿って2重の刃(214)を動かすことによって動作し、図6Aの半径切断梁の他に、図6Bの直線切断梁および図6Cの凸状切断梁を含む、様々な異なる形状の結果的に得られる梁を作ることができる。直線切断梁を作るために、切断アセンブリを、z軸に沿ってストック材料(202)上を移動させるとともに、刃の間の、または、所望の厚さの結果的に得られる梁を作るのに十分な、使用される他の切断部材の間の距離を作り出すために切断アセンブリをy軸に沿って調節し、その後、切断アセンブリを、Z軸に沿ってかつストック材料(202)を超えて下げる。故に装置は、結果的に得られる梁(520)のような直線状に切断した結果的に得られる梁を生成することもできる。直線状に切断した結果的に得られる梁(520)は、破損の可能性を高めることなく、少なくとも半径切断梁と同じトルク伝達能力を保持する一方で、結果的に得られる梁のその直線形状によって、さらに強力かつ安定した柔軟性を有することが可能である。
刃または切断部材の間の相対的な間隙距離(または、結果的に得られる梁)を調節するために、切り込みを作ることが可能で、その結果的に得られる梁を測定し、および、所望の幅の結果的に得られる梁が作られるまで切断アセンブリをY軸に沿ってさらに調節する。代替的に、両方の刃/切断部材が基準ストックに触れるまで、既知の幅の基準ストックを刃/切断部材の間に置くことができる。
上述したように、半径切断梁(510)または凸状切断梁(530)は、作られた切断アセンブリを内側に移動させることで、本明細書に開示の微細切断装置によって作ることができる。その代わりに、両方の刃/切断部材が基準ストックに触れるまで、既知の幅の基準ストックを刃/切断部材の間に置くことができる。
上述したように、半径切断梁(510)または凸状切断梁(530)は、切り込みが作られるとY軸に沿って切断アセンブリを内外に動かすことによって、本明細書に開示の微細切断装置で作ることが可能である。同様に、同時に要素の組み合わせを変更すること、例えば、切り込みが作られると回転モータでストック材料(202)を回転させること、または、ストック材料(202)を回転させ、同時にY軸に沿って切断アセンブリを移動させることなどによって、様々な他のタイプの切り込みと結果的に得られる梁を作ることができる。例えば、ストック材料(202)が回転モータによって回転している間に、切断アセンブリを1組のY軸位置に置くことによって、螺旋状の切り込みを作ることができる。2重の刃(214)を特定の枢着部に取り付けることにより、または、Y軸に対して所望の角度でストック材料(202)を移動させることにより、角度のある切り込みを作ることもできる。既に記載された手法でストック材料(202)を切断することに加えて、特定の角度でのみ、他の種類の切り込み、例えば、V字状のノッチカット(notch cut)などが可能である。これらのタイプの切り込みは以前は可能でなかったため、異なる切り込みの利点はまだ完全には知られていない。しかし、凸状切断梁(530)は、直線切断梁(520)または半径切断梁(510)のいずれかよりもずっと優れた柔軟性とトルク伝達能力とを有していると予想される。
先に上述したように、画像処理システム(400)とプロセッサ(130)によって行なわれる自動フィードバックおよび制御プロセスは、切断刃の変更形態、または、ストック材料自体の変更形態または不完全さにおけるわずかな変化を説明することができる。結果的に得られる梁は、上述したように限界寸法であり、単一の刃の変更形態(長すぎる単一刃の歯など)でよってでさえ、または、2つの切り込みの直径とその互いに対する配列の変更形態によって、影響を受けることがあり、プロセッサー(130)は、正確な結果的に得られる梁幅を作るようパラメータすべてを並べるために調整することができる。このプロセスは、製造開始時にセットアッププロセスとして実行され、1つ以上の切り込みが作られる際に定期点検として実行され、または、各々のおよびすべての切り込みが作られる際に実行され得る。プロセッサ(130)上で実行されるソフトウェアは、微細切断装置の反復能力の有効性を確かめるために使用可能であり、1片を切断している間に必要な測定の数を減少させるか、または、連続測定を不要にする。
実施形態の微細切断装置は、先に上述したように、様々なストック材料を微細切断することができる。従来の単一刃の微細切断装置は、単一の刃に対するストック材料の正確な位置の電磁気による検知を利用し、それによって導電性のストック材料の使用を要求する。この条件は、プラスチック管製ストック材料または任意の他の非導電性あるいは最小の導電性材料(たとえ、その材料が、前述の装置で切断するのには不十分な、比較的低い導電性を有しているとしても、本明細書では“非導電性”という)の使用を除外する。
議論されたように、ストック材料それ自体が不完全なまたは一貫しない直径を有するため、画像処理システムの高画質映像と測定能力、および、実施形態の切断アセンブリの正確な位置決めは、ストック材料の表面を検知することに依存するよりもはるかに正確である。それ故、本明細書で開示される微細切断装置は、はるかにより正確で、それ故、高い信頼度で細かな寸法の結果的に得られる梁を切断できる。切断アセンブリ(140)の構成要素とストック材料(202)の物理的配置は、ステンレス鋼のようなもともと柔軟性の少ない硬い材料を切断することができる。なぜなら、結果的に得られる梁を、精度を保ちつつ、非常に狭い幅で切断することができるからである。実施形態の2重刃の微細切断装置は、それゆえ、(形状を保つ能力−執刀医が使用直前に患者の血管系に適合するようにステンレス鋼のガイドワイヤの先端を自分で形作ることができるようにする−を外科医が強く求めている)ステンレス鋼カテーテルおよびガイドワイヤ、(比較的幅広の直径で高い柔軟性が望ましい)プラスチックカテーテルおよびガイドワイヤ、および、全てのタイプの製品のための他の非磁性ストック材料を、十分に切断することができる。
柔軟であるがトルク伝達可能な製品は、1個のストック材料の全長にわたって、または、この1個のストック材料の1以上の部分に沿ってのいずれかで、微細切断を繰り返すことによって形成される。理想的には、対の切り込み(たとえ、切り込みが向かい合っていなくとも、一対の切り込みは2重刃のそばを通る1つの切り込みを指す)は、円筒状のストック材料の長手方向の軸に沿った回転パターンで理想的に作られる。同じ角度で全ての切り込みを作ることで、結果的に得られる梁に垂直な1つの方向に屈曲するように偏向付けられた製品が作られるため、1つの回転パターンが好ましい。ストック材料が、前の切込みと次の切り込みの間、または、前の一対の切り込みと次の一対の切り込みの間に、その長手方向の軸回りに回転すると、結果的に得られる梁は、同じ面で必ずしも全てが並べられず、屈曲バイアスは減らされるかまたは取り除かれる。切り込み間のこの回転は、図2に示されるように、供給モータ(210)および回転モータによって促進される。電子制御装置(110)が受け取るとともにプロセッサ(130)が測定する方向に従って、回転モータがX軸(ストック材料の長手方向の軸)に沿ってストック材料(202)を回転させると、供給モータ(210)はストック材料(202)を把持する。対の切り込み間の回転は分散(variance)と呼ばれ、ストック材料の長手方向の軸周りの回転の程度で測られる。
図7Aおよび7Bは、対の切り込みと、結果的に得られる梁との回転パターンの2つの実施例を示す。図7Aは、実施形態の2重刃の微細切断装置を使用して微細切断された、90度の分散のガイドワイヤ(601)を示す。断面図(620)は、ストック材料が切断の間に90度回転するときに、対の切り込みが作られる2つの異なる角度を示す。平面図(630)は、そのようなガイドワイヤ(601)がその長手方向に沿ってどのように表れるのかを示す。図7Bは、実施形態の2重刃の微細切断装置を使用して微細切断された45度の分散のガイドワイヤ(602)を示す。断面図(640)は、ストック材料が切断の間に45度回転するときに、対の切り込みが作られる4つの角度を示す。平面図(650)は、そのようなガイドワイヤ(602)がその長手方向に沿ってどのように表れるのかを示す。
図7Cおよび7Dは、実施形態の2重刃の微細切断装置を用いて生産することができる切り込みと、結果的に得られる梁の回転パターンの2以上の例を示す。図7Cは、所望の構造(660)を生産するために一連の4つの梁がストック材料中で作られたオフセットから生じる、直線的なオフセットカット構造(650)を示す。図7Dでは、トリ梁(tribeam)構造(670)が、3つの角度の切り込み1セットを作ることにより生成され、三角形状の結果的に得られる梁をもたらす。図7Aのガイドワイヤ(601)によって示されるように、90度の分散は、同じ面の全ての結果的に得られる梁を並べるよりも著しく優れているが、まだ理想値ではない。
90度の分散は、互いに対して完全に垂直な結果的に得られる梁を生じ、これによって、ガイドワイヤが図7Aのガイドワイヤ(601)のように並べられた際に、このガイドワイヤ全体を2つの方向、即ち、上下およびは左右に屈曲するように偏向つける。図7Bのガイドワイヤ(602)のように、切り込み間の45度の分散を用いることで、屈曲状態を改善することができる。というのは、結果的に得られる梁は、2つの面のみでしかもはや向かい合うようには並べられていないためである。この切り込み形状は、ガイドワイヤの屈曲特性を均一にし、その結果、ガイドワイヤは2つの異なる方向に偏向しないようになる。事実、典型的な実施形態は、95度または40度などの切り込み間の不均一な分散を利用することができ、その結果、対の切り込み、それ故、結果的に得られる梁は、事実、長手方向の軸周りに螺旋状に進み、任意の1つの方向の屈曲偏向を完全に取り除く。もちろん、製品を切断するのに使用される分散は、さらに多くの複雑なものになり得る。例えば、第1および第2の切り込み間で90度の分散を使用し、次に、第3および第4の切り込みを作る前に、ストック材料をわずかに(5度など)回転させことにより有利な結果を得ることができ、第3および第4の切り込みは、再度90度の分散を使用する。
実施形態の2重刃の微細切断装置のさらなる特徴は、最終的な製品が個々に識別可能なように、切断アセンブリ(140)、電子制御装置(110)、および、CPU(130)によって制御される刃(214)または切断部材を用いて、シリアル番号をストック材料(202)に切断する能力である。シリアル番号または識別の他の形態は、バーコードと同様の手法で読み取り可能な幅を変更し、および/または、間隔を変更し、ストック材料に(ストック材料(202)の回転にもかかわらずそれらを読み取り可能なように、可能であれば周囲に)一連の切り込みを作ることによって形成され得る。
最後に、当然のことながら、明細書の全体にわたって、微細切断装置は同時に切断する一対の切断刃を利用すると記載されている一方で、同時に動作する2以上の対の切断刃または部材を利用する微細切断装置を構成することも可能である。この方法では、一度に、複数の結果的に得られる梁全てを動作することが可能である。そのような構造では、対の切断部材はすべて、電子制御装置(110)とプロセッサ(130)に通信できるように接続され、その結果、その所望の結果的に得られる梁パラメータを満たす製品を機械加工するために、それらを各々一斉に調節することができる。
ポリマー製品に沿って(またはポリマー製品の一部に沿って)微細な切り込みを形成するための代替技術は、すべての切り込みを一度に熱成形することを含む。このプロセスはポリマー成形と同様に機能し、以前に押出されたストック材料の代わりに、産業ポリマーペレットで始まる。産業ポリマーペレットを、所望の結果的に得られる梁幅、X軸に沿った梁の所望のパターン、および、カテーテルの場合の所望の管腔を含む、所望の製品構造で形作られた型に流し込むことができる。型と型内にセットされたポリマーペレットを特定のポリマーペレットの融解温度以上で加熱し、製品構造型内の場所に融解したポリマーを流しこむ。ポリマーをその後冷却するか、または、冷まして、ここで、形成された生成物を除去する。したがって、ストック材料の全長に沿って個々の切り込みを微細加工する必要なく、微細切断したガイドワイヤまたはカテーテルを形成することができる。
上記の微細切断装置上で微細加工することができる精密製品のいくつかの典型的な実施形態を以下に示す。一般的に、ガイドワイヤは固体の円筒状のストック材料を微細切断することにより形成され、カテーテルは管の円筒状のストック材料を微細切断することにより形成されるが、本明細書で議論した実施形態の文脈では、当該技術分野で既知のものを除く多くの他の構造が可能である。従来技術では、導電性金属ストック材料が両方のタイプの製品に使用された。先に議論されたように、優れた性能特性を備えた様々な材料は、管の円筒状のストック材料を微細切断することにより形成されるが、本明細書で議論した実施形態の文脈では、当該技術分野で既知のものを除く多くの他の構造が可能である。従来技術では、導電性金属ストック材料が両方のタイプの製品に使用された。先に議論されたように、過去使用することができなかった、優れた性能特性を備えた様々な材料を微細加工して、現在ではカテーテルとガイドワイヤにすることができる。例えば、ワイヤを内側に挿入した管状ストックなどの固体の金属ストック以外のストック材料でガイドワイヤを形成することができ、または、金属ワイヤとそのワイヤのまわりの別の材料をともに押出加工することにより形成された層状ワイヤ(laminar wire)を作ることができる。
同様に従来技術では、微細加工された材料それ自体は、製品の物体の(すべてではないにしても)ほとんどを提供することと、製品の性能特性をほとんど排他的に規定することとに依存してきた。さらに、カテーテルの場合、管の外部または内部のいずれかに配置された密閉管は、流体シール(つまり、その結果、カテーテルがカテーテルとして確実に機能し、その側面から漏らすことなく液体を送達するようになる)を提供するのに必要であった。これらの特徴は、微細加工したストック材料(管であれ、一般的にはプラスチックワイヤに関してモノフィラメントと呼ばれる固体「ワイヤ」であれ)が、カテーテルまたはガイドワイヤの機械加工された間隙内に配置される柔軟性材料のマトリックス内部に点在する骨格である実施形態では、実情ではない。点在する骨格およびマトリックス(またはベースのカテーテル材料)の組み合わせは、(柔軟性を減らすことなく)製品の構造的完全性の大部分を決定づける工業用ハイブリッドボディ(カテーテルまたはガイドワイヤ)を提供するとともに、製品の性能特性を推進する。従来技術では、ストック材料に切断された間隙には他の材料がないように、その一方で、この間隙が完全に満たされるように、注意が払われる。従来技術では、機械加工された材料は、PARYLENE(Specialty Coating Systems,Inc.の商標)などの、非常に薄いポリマー層で覆われることがあるが、この種の層は充填層よりはむしろ等角であり、かつ、非常に薄いため(それらはすべて、切断したストック材料に対するその被覆の影響を最小限にすることを目的とした特徴である)、この種の層が選択される。本明細書に記載される微細切断装置が、本明細書に記載されている「独立型」の切断されたストックから製品を作ることができる一方で、追加機能は、表面積が少ないゆえに血液を凝固させることの少ない滑らかな連続面を提供するプラスチックマトリックスを形成するために、「バックボーン」材料に切断した間隙内で点在する非導電性材料を使用することによって可能となる。したがって、微細加工した骨格は製品の単なる内部の特徴である。
多くの新製品が目下記載している微細切断装置の使用を通じて製造可能となり、それらの多くは、既存の技術を利用して作ることはできなかった。それらの製品のすべてではないが、いくつかは本明細書に記載されており、現在の技術で製造可能なさらに多くの製品は、当業者明白になるであろう。そのような製品の1つは、張り巡らされた金属ワイヤコアを備えるポリマーストック材料から形成されたハイブリッドガイドワイヤ(hybrid guidewire)ある。ポリマー外側層が非導電性であるので、各切り込みを作るために金属のストック材料が適切な場所を検知することを要求する既存の方法では、そのような製品を製造することができない。そのような製品では、本明細書に開示された方法を使用して、多くの選択肢を利用可能である。1つの選択肢は、未切断の金属コアを残して微細切断装置でポリマー外部を単に切断すること、または、ポリマー外部とワイヤコアの両方を切断することを含む。以前のケースでは、ガイドワイヤが十分な柔軟性を保持するために、非常に薄いワイヤコアは、使用される必要があるだろう。ポリマーストック材料はすべきである。炭素またはガラス繊維で作られたPEEKなどの材料の他の組み合わせも同様に使用され、その組み合わせは、ハイブリッド材料をより堅くし、より高い弾性係数を有することになる。
ガイドワイヤの中心線を通る金属ワイヤを含むことは、そのような金属ワイヤを有することが真ん中を通る安全なワイヤを提供するという点で追加機能性を提供し、かつ、使用される金属が屈曲を保持することができる場合にガイドワイヤの成形を容易にする。ステンレススチールは、例えば、比較的薄い直径で押し出す際に、ユーザまたは外科医が導入した屈曲をすぐに保持することができ、したがって、中心ワイヤとして使用するのに適切な金属であることがある。外科医は、特定の患者に関連した独特な状況に正確に対処する手術中に、しばしばガイドワイヤの遠位端部の先端を曲げる傾向にあるため、外科医による正確な曲げを保持する能力は重要である。先に述べたように、1つの実施形態において、ワイヤ金属コアではなくポリマー外部のみが微細切断され、そのことは、微細切断したポリマー外部が患者の脈管構造内部深くにある際に破損したとしても、ポリマー部分が破損したという事実にもかかわらず外科医がガイドワイヤ全体を回収できるように、中心線金属コアは元のままの状態を保たねばならないということを意味している。ストック材料を構築するポリマー外部部分と固体の金属ワイヤコアを、微細切断の前の製造時に、共押出することができる。
代替的に、(空の管腔で作られる)管状ポリマーストック材料を微細切断することができ、その後、ワイヤ金属コアを管腔に挿入することができる。コアワイヤをこのように管に挿入する際、管(管腔)の内部の直径と、ワイヤの外部の直径は、特定の状況と一致するよう選択されたアセンブリ全体とともに、慎重に選ばれなければならない。例えば、コアワイヤが直径で大きすぎれば、得られた製品は堅すぎてしまう。一般的に、約0.002インチの直径を有するステンレススチールのコアワイヤは、フロッピー(登録商標)製品(floppy product)を生産するのに適切である。ワイヤにさらに0.002インチ程度を加えることは、2つの重ね合わせと等しいネットの柔軟性(net flexiblity)を作る。従って、コアワイヤが約0.004インチよりもあまりに大きすぎると、製品の先端は堅くなりすぎる。
第2の問題は成形能力である。ワイヤが小さすぎれば、医師によってかけられた屈曲力は、ワイヤには伝わらない。(ワイヤは管腔の環状空間内でたんに移動するだけである)これを説明するために、0.002インチのワイヤにその力を伝えるようマイクロコイルを環状空間に挿入するのが典型的である。コイルは白金で作られるのが典型的で、先端には放射線不透過性を含む。コアワイヤを、先端のみで、先端と近位端部で、または、多くの他の位置のいずれかで、管腔と接着させることができる。
外部のポリマー部分のみの微細切断を遂行するために、結果的に得られる梁は、中心線のコアワイヤの直径よりも大きな幅で機械加工されなければならない。この手法で、中心ワイヤは、ガイドワイヤの真ん中を通り、事実上、いくつかの結果的に得られる梁によって包まれる。実施形態では、(金属ワイヤコアを備えた)ポリマーガイドワイヤは、およそ0.014インチの外径を有し、金属ワイヤの中心線はおよそ0.002インチの外径を有する。実施形態では、PEEKの外側部分は、約0.002インチから約0.012インチの幅の結果的に得られる梁を作成するために微細切断され、この結果的に得られる梁はおよそ75〜85度の角度分散で切断される。
代替的に、ポリマー部分と金属ワイヤの中心線が、ストック材料の製造中に共押出されない場合、PEEK外側部分を、およそ0.004インチの内部管腔を形成するために押し出すことができ、0.002インチの外径ステンレススチールワイヤを挿入するとともにPEEKに接着させる十分な空間を残す。PEEKを金属に接着させることができる方法は、当該技術分野では知られている。実施形態では、直径の大きな中心線ワイヤを使用して、PEEK管に挿入する前に1つの端部で、直径およそ0.002インチまで削ることができる。実施形態では、さらに曲げ特性を修正するように、1つの端部で先細り状になるまで先細り形状の中心線またはコアワイヤを削ることができる。
追加特徴を、固体の金属コア中心線を備えたポリマーガイドワイヤに加えることができる。外側部分がポリマーであるという事実によって、親水性被覆は外面と共有結合することが可能である。親水性被覆は、ガイドワイヤの滑りを増やし、それによって患者の脈管構造を介しての移動を容易なものとすることで、ガイドワイヤの性能を上げる。金属表面と被覆の間にはどんな繋ぎ層(tie layer)も必要ではないため、本実施形態は、従来の金属(通常はニチノール)ガイドワイヤと比較して、ガイドワイヤを親水的に被覆する能力を改善する。もちろん、共有結合を必要としない任意の被覆も同様に、ポリマー表面に適用可能である。そのような被覆はポリマー表面から利益を得ることがある。上述したように、別の実施形態は、放射線不透過性マーカーを中心ワイヤの上または内に置くことを含み、それにより、外科手術が進行中に、X線装置でガイドワイヤの跡をたどることができる。螺旋状パターンで金属コアの中心線の周囲のポリマー外部を微細切断する
ことによって、装置の柔軟性をさらに分散させるとともに、偏向した屈曲を避けるなどといった、さらなる変更形態も発明者によって熟慮される。
別の実施形態は、優れた形状を保持する製造・成形された先端を作るために、ポリマー材料を備えた金属コア中心線の先端でまたはその近傍で、結果的に得られる梁を形成する切断間隙または開窓を充填することを含む。ワイヤが(形状を保持するのに優れた)ステンレススチールで作られると、その形状は、金属コア中心線の周囲のポリマー外部を螺旋状パターンで微細切断する際にまたはその間に、執刀医によって形成されることで、装置の柔軟性をさらに分散させるとともに偏向した歪曲を避けることができる。
別の実施形態は、優れた形状を保持する製造・成形された先端を作るために、ポリマー材料を備えた金属コア中心線の先端でまたはその近傍で、結果的に得られる梁を形成する切断間隙または開窓を充填することを含む。ワイヤが形状を保持するのに優れたステンレススチールで作られている場合、使用時または使用中に、その形状を執刀医は形成することができる。ワイヤが同様に形状を保持しない材料で作られている場合、間隙充填材料を適用する前に、ワイヤを所望の形状の型に置くことができる。充填材料が硬化すると、成形形状は、所望の曲線、すなわち、曲線の内部でより少なく、曲線の外部でより多くの間隙を充填する硬化した充填材料によって保持される。これは非常に安定した先端形状を形成する。製品が予め成形された先端を有するとともに、使用中に執刀医によってさらに「素晴らしく調整される」ことができるように、この技術を成形可能な金属と共に使用することもできる。
上記の微細切断装置を使用して形成可能な別の製品は、長さがおよそ175〜195センチメートルので、内径がおよそ0.0014インチの、外径がおよそ0.0017〜0.0018インチのガイドワイヤである。先に説明したように、従来の切断システムの性質は、固体の金属ガイドワイヤが他の金属に対してニッケルチタン(NiTiまたはニチノール)から切断されるよう命令する。本実施形態のガイドワイヤは、固体、ニチノールの連続片、ステンレススチール、白金、または、上記の微細切断装置を用いてガイドワイヤのある長さに沿って多くの場所の対向する側で同時に切断した他の金属から形成することができる。
例えば、固体のステンレススチールのストック材料から微細切断したガイドワイヤは、高度なトルク伝達可能な力と相対的な耐性をもたらす(というのも、固体ステンレススチールは共有結合した被覆であるため)。ステンレススチールに加えて他のストック材料は、もちろん、固体の金属ガイドワイヤを製造するためにも使用される。
ガイドワイヤの長さに沿って異なる点で1以上の種類のストック材料を用いるハイブリッドガイドワイヤを形成してもよい。例えば、1種類のストック材料を微細切断して遠位部分(15)上で使用することができ、その一方で、第2の異なるストック材料を別に微細切断して2つの部分を一緒に保持すると、接着剤とともに近位部分(14)に使用することもできる。例えば、ガイドワイヤを、遠位部分(15)用の固体のニチノールワイヤで、および、近位部分(14)用のステンレススチールのハイポチューブ(ハイポチューブ)で作ってもよい。ニチノールワイヤはステンレススチールハイポチューブを介して押すことができ、こうして、遠位部は、近位部分(14)を形成するステンレススチールハイポチューブの端部を越えて伸張する。この実施例のための実施形態は、ニッケルチタンの遠位部分(15)をガイドワイヤの全長のおよそ35センチメートルに制限し(上述したように、通常は全長175−195センチメートル)、残りの長さは近位のステンレススチールハイポチューブに充てる。この実施形態では、両方の部分を微細切断することで結果的に得られる梁を形成するか、または、代替的に、近位のハイポチューブ部分を微細切断することが必要でないこともある。これらのハイブリッドガイドワイヤを、上記の相違を用いて微細切断してもよく、および、上記のように、繋ぎ層が必要な場合に金属表面を覆う既知の中間工程を使用して、親水性材料で被覆してもよい。ステンレススチールおよびニッケルチタンに加えて、他のストック材料は、ハイブリッドガイドワイヤを生産するために、同様に使用されてもよい。
カテーテルまたはいくつかの近位部の全長にわたってステンレススチールハイポチューブを使用することで、優れた近位支持および押出能力(pushability)を提供するなどの多くの利点が提供され、これがより予測可能な遠位血管アクセスに変わる。ステンレススチールハイポチューブに関連した優れた剛性は、同様に、それが挿入されるガイドカテーテル内で真っすぐに位置付けするというさらなる利点を提供し、これは、遠位端のオペレータ制御を増加させる。言いかえれば、ステンレススチールハイポチューブは、ガイドカテーテルの内壁に対して曲げたりくねらせたり、オペレータがそれを移動させる際にカテーテル内で動いたりするほどには十分な堅さではない。流体をハイポチューブの外壁とガイドカテーテルの内壁の間で注入する際のガイドカテーテル内の高圧力に耐えるその能力によって、高い噴射率も同様にステンレススチールハイポチューブで可能である。最後に、ステンレススチールハイポチューブの内壁の滑らかな表面は同様に、摩擦の減少とともに、挿入送達の間に捕まえるための(塞栓コイルなどの)取り外し可能なコイルの機会をもたらす。
ポリマーカテーテルを、同様に、上記の微細切断装置上でポリマーストック材料を微細切断することによって形成してもよい。図8Aおよび8Bは、従来の切断装置を用いて、微細切断する前(図8A)、および、微細切断した後(図8B)のカテーテルストック材料の断面図を示す。カテーテル(801)は、外部のストック材料(812)の管腔壁(811)によって定義または形成される内部領域または管腔(810)を形成する中空のストック材料で形成される。血管内手術で使用する際、ガイドワイヤ(870)を管腔(810)を通って置くことができ、この管腔(810)では、ガイドワイヤ(870)は通常、管腔壁(811)の直径よりも直径が著しく小さい。ガイドワイヤ(870)の外径と管腔壁(811)の内径の間の差によって定義される管腔間隙(820)は、ガイドワイヤ(870)が同様に適所にある間、例えば、放射線不透過性色素などの液体をカテーテル(810)を通って無理やり送らせる。
図8Bで示されたような従来技術の微細切断装置を使用する、切断したカテーテル製品に関する多くの問題がある。1つの重要な問題は、各刃はストック材料の長さに垂直な角度で移動し、さらにその刃が反っているため、従来技術の装置は凹面の切り込みで結果的に得られる梁を切断することができるだけであるので、それは、カテーテルの外縁上でよりもカテーテルの真ん中にあるより多くの材料で弧を描くように切断する。図8Bは、この点を示すために、(内部の梁と外部の梁との間の)この違いの重要性を誇張したものである。刃がストック材料の直径よりもかなり大きな直径を有する場合、その違いはそれほど大きくはないが、そのことが以下でさらに説明するようなまさに誤った点で管腔壁を弱めるため、その違いは依然として非常に重要なものである。この問題を回避するためには、従来技術の装置は、できるだけ多くのこの違いを否定するように、ストック材料よりも著しく大きな直径を有する刃を使用する必要がある。さもないと、得られた梁の「砂時計」形状は、上部と底部―柔軟性の観点からそれが望ましくないまさにその場所―により大きな幅を置き、中央―同様にそれがもっとも望ましくないまさにその場所−に最も薄い幅を置く。
結果的に得られる梁(520)を形成するために使用される外部のストック材料(812)での微細な切り込みが、外部のストック材料(812)のあまりにも深くに入ると、それらは管腔壁(811)を貫通する可能性がある。これが生じると、カテーテル(810)の管腔(810)は、それを通って送られる液体のすべてを保持することができない。さらに、梁(520)を形成するために使われた微細な切り込みが管腔壁(811)を貫通していなかったとしても、得られた管腔壁(811)は薄すぎるため、カテーテル(810)を通って送られる液体によって形成される圧力に耐えることができず、それによって、管腔は破損し、結果的に生じた間隙または開窓を通って液体が漏れる。漏れが生じる手法であるにもかかわらず、漏れはほとんど常に許容しがたいものである。従来技術と異なり、本明細書に記載の微細切断装置を用いて、各切り込みは上から下に、または、その逆で(長さではなく幅に垂直に)作られるため、切り込みは直線状であるかまたは凸面であり、凹面の切り込みが実際には望まれない場合は凹面ではない。したがって、結果的に得られる梁は、その幅が外縁でさらに狭くなり得るため、より均一でかつより柔軟であり、さらに必要に応じて管腔周辺で厚い壁を生成することができるため漏れ出る傾向は減少する。
ポリマーカテーテルの実施形態では、PEEKなどのストック材料を形成するポリマー管腔を微細切断することで、さらに優れた柔軟性を提供し、この微細な切り込みは意図的に管腔壁を管腔まで突き破る。管腔の流動性の完全性を再建するために、カテーテルの切断された外側部分の周辺でポリマーマトリックスを形成することができ、管腔自体を満たすことなく、管腔壁の間隙または開窓を満たす。以下にさらに記載したように、これは多くの方法で達成可能である。もし形成される場合、マトリックスの前後いずれかに、管腔壁の内径よりもわずかに小さい外径を有する薄いライナー管を、カテーテルを通して挿入することができる。ライナーは、管腔壁を滑らかにし、摩擦を減少させ、潤滑性を加えマトリックスを形成するポリマー材料が管腔に入るのを防ぎ、製品の破裂圧力強度を高めるために使用されるが、ライナーは、その機能がポリマーマトリックスによって行なわれる流体シールとしては作用しない。この種類のカテーテルは、ポリマーマトリックスを備えた切断された骨格ボディーで作られたカテーテルのある長さにわたって広がるライナー管を備え、本明細書ではツーピースポリマーカテーテル(a two−piece polymer catheter)と呼ばれる。
ツーピースポリマーカテーテルの実施形態では、カテーテル全体の外径はおよそ0.091インチ以上に対して、およそ0.039インチ以下である。管腔を貫通したり、および、開窓を形成したりするのを避けることを心配することなく微細な切り込みを形成するため、これは、生産するのが比較的容易なツーピースポリマーカテーテルである。実際に、管腔壁を切断することはここでは望ましいことであり得る。なぜなら、それがさらに柔軟性を高めるためである。ライナー管は従来技術で知られているように、高度に柔軟なポリマー材料から作られるのが好ましい。なぜなら、ライナー管は、微細加工(外部の管腔成形材料とライナー管の両方とを微細加工すること)することなく、もとから柔軟である必要があり、トルクを伝達する必要はない(トルクは、微細加工された、骨格の、外部管腔成形材料によってカテーテルの長さにわたって伝達される)。代替的に、ライナー管は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、または、PTFEなどの他の材料で作ることが
できる。しかしながら、ライナー管を用いることは、ライナーを利用しない他のカテーテルと比較して、一般的にカテーテルの柔軟性を減少させる。
たとえポリマーマトリックスなしでも、および、ライナー管を挿入することなくとも、上記の開窓で切断したポリマーカテーテルを有効に利用することはもちろん可能である。開窓を有するように微細切断したが、上記の微細切断装置では微細切断しなかったポリマーカテーテルは、ライナー管を含まず、その全長に沿って重要なトルク伝達能力を保持する一方で、極端な柔軟性を有する。カテーテルの管腔は流体圧力健全性−管腔を通るよう強いられた流体が、管腔壁の微細切断によって生じた開窓を通じて漏れる−を有するが、他の非流体材料は依然としてカテーテルを通るよう強いられ、それによって、患者の脈管構造深くに送り込まれる。例えば、患者の動脈瘤を充填させるために一般的に使用される白金の塞栓コイルは、組織を伴わない開窓を備えたポリマーカテーテルによって有効に押出される。ライナー管の剛性ゆえに堅くすることはできないため、開窓を備えたこのポリマーカテーテルは、所定のカテーテル径に最も高い柔軟性を提供し、したがって、高曲線の脈管構造に適切であるか、または、適切に設計する際、流れを方向づけるカテーテルとして使用されてもよい。
代替的に、ポリマーカテーテルは、上記のそれとは異なる手法で微細加工することができ、そのため、結果的に得られる梁を形成する微細な切り込みは管腔を貫通したり、開窓を引き起こしたりしない。この種のポリマーカテーテルを生産するために、少なくとも4つの微細な切り込み(2つの切り込み、または、二重刃システムで「通過する」)が、上記した同時の微細な切り込みの一対と比較して、外部のストック材料で作られる。図9は、開窓(901)を伴わない、ライナー管のない、ポリマーを微細切断したカテーテルを示す。微細な切り込み(910)および(912)は4つの角度で作られ、その各々は管腔壁(811)の手前まであり、菱形形状の結果的に得られる梁(920)の形成をもたらす。4つの切り込みを対で作ることができ((910)は第1の対の切り込みを表し、(912)は第2の対の切り込みを表す)、そのため、上記の2重の切断部材の効率を、最大限の効果を上げるように用いることができる。2重の切断部材は、外部のストック材料(812)を反対側から切り込みを入れることができ、管腔(810)の少しだけ手前で内部を切断することができる。その後、上記のX軸に沿ってストック材料を移動させる前に、その代りにストック材料を90度(または他の角度)回転させると、2重の切断部材は、管腔壁(811)の手前で均等に止まる別の補足的な対の微細な切り込み(912)を入れることができる。
図9において明白なように、結果的に得られる梁(920)は、ほぼ菱形形状−図6Bで示されたほぼ長方形の形状の結果的に得られる梁(520)とは異なる−である。対の切り込み(910)と(912)が管腔壁(811)に穴を開けることができるようになるまでどれだけ近づくかは、開窓(901)のない微細切断したカテーテルが使用される用途に依存する。管腔(810)が例えば、比較的高い圧力で大量の放射線不透過性色素を運ぶために使用されると、対の切り込み(910)と(912)を備えた管腔壁(811)のかなり手前で止めることが適切であり、それによって、高圧力の液体の流れに耐えることができる比較的厚い菱形形状の結果的に得られる梁(920)を残す。他方で、管腔(810)が白金の塞栓のコイルなどの非流体材料を運ぶために単独で用いられる場合、より深い対の切り込み(910)と(912)を作ることによって、結果的に得られる梁(920)をさらに薄く機械加工することができる。
図9で明白な菱形形状の結果的に得られる梁(920)のより鋭利な端部は、X軸に沿ってストック材料を次の所望な結果的に得られる梁位置に移動させる前に、対の切り込み(915)などの追加の対の切り込みを作ることによって、少なくすることができる。代替的に、1対の微細な切り込みを切断する間にストック材料の角度を回転させることにより、鋭利な先端をさらに滑らかにすることができる。この工程は旋盤の操作に非常に似ており、この操作では、道具(2重の切断部材)を比較的固定した位置で保持しつつ、(ストック材料の角度を変えることで)ストック材料を回転させる。別の実施形態では、本明細書に記載の微細切断装置は、1以上のブール状の(boule)鋸歯(内径上に歯を備えた円形または丸形鋸刃)を取り付けることができ、これを対の切り込みを作るために用いると、さらにより丸型の結果的に得られる梁(920)を生産する。もちろん、これらの技術の組み合わせを用いて、菱形(すなわち、ダイヤモンドポイントはないが、幅広な梁)の上部と底部における多くの材料といった所望の様々な壁の厚さと形状を形成するために使用することができ、左側と右側は、2つの側の一部を超える比較的均一の壁の厚さを提供する(ストックを回転させることで)丸い切り込みを有してもよい。
近位部分(14)と遠位部分(15)の異なるストック材料を備えるハイブリッドカテーテルも生産することができる。この実施形態では、カテーテルは、近位部分(14)のストック材料として、編み上げたプラスチックポリマーまたはステンレススチールハイポチューブなどの高強度材料を用いる。その後、遠位部分(15)は、ポリマー(PEEKまたはいくつかの他の材料)などのもっと柔軟な(低弾性)材料、または、その望ましい特性ゆえに選択された幾つかの他の材料から形成される。その後、ポリマーまたはPTFE(または同等物)のライナー管を挿入することができ、ハイブリッドカテーテルの全長まで伸張するとともに、管腔表面を完全に滑らかにし、その一方で、近位部分(14)の遠位部分(15)との結合も容易にする。結合の他の形態が必要とされるか、望ましいこともある。このハイブリッドカテーテルでは、より堅い近位部分(14)とより柔軟な遠位部分(15)の相対的な長さを、特定用途のため、または、必要に応じて、個々の患者のためにさえ最適化することができる。例えば、その処置が脳の複雑な脈管構造の奥深くへの貫通を必要とする場合、遠位部分(15)はカテーテルの全長以上の長さを包含することができる。この場合、より堅い近位部分(14)は、その結果として、カテーテルの全長よりも短い長さを包含するだろう。同様に、特定の患者の脈管構造が特定の処置のための基準と著しく異なる場合、より堅い近位部分(14)とより柔軟な遠位部分(15)の相対的な長さを、その個人の脈管構造に適するように個々に調整することができる。近位材料の堅さに依存するため、近位部分が特定の解剖学的構造(頸動脈サイフォンなど)に達することがないように、または、近位部分がガイドカテーテルなどの別の医療装置の長さの範囲内に留まるように、近位部分(14)の長さを減らすことが好都合(かつ恐らくより安全)である。
代替的な実施形態は、ステンレススチールまたは他の多くの剛性材料で形成された近位部分(14)と、PEEKまたはニチノールのような高柔軟性材料で形成された遠位部分(15)を有する製品を含み、近位部分(14)は中間関節によって遠位部につながれ、この関節で近位部分(14)は遠位部分(15)に堅く固定される。この種類のハイブリッド製品は、高柔軟性の、可変翼の、トルク伝達可能な遠位部分(14)(前後に記載のようなPEBAマトリックスで被覆したPEEK骨組など)を、外科医によって容易に保持および取扱可能な厚くて頑丈な近位部分(14)と組み合わせることができる。
微細な切り込みを補充するエラストマー材料(特に弾性特性を備えた任意のポリマーまたはプラスチック材料)の1以上の層を含む、微細切断したカテーテルとガイドワイヤとを含む実施形態が、ここでさらに記述される。この補充、再流(reflow)、または、積層技術を、有利な結果を備えた上記のカテーテルまたはガイドワイヤのいずれにも適用することができる。さらに、この技術を、従来技術の微細切断したカテーテルおよび/またはガイドワイヤに適用することで、その性能を改善することができる。
図10Aは、カテーテルまたはガイドワイヤを曲げる際に、または、該装置の標準的な使用中にトルクにさらす際に生じる一時的変形を示す、微細切断したカテーテルまたはガイドワイヤの図である。この変形は、従来技術を使用して微細切断したガイドワイヤおよびカテーテルと同様に、本明細書で開示される微細切断装置を使用して切断したガイドワイヤおよびカテーテルに生じることもある。先に記載した、および、以下に詳細に記載するエラストマー積層技術は、ガイドワイヤとカテーテルが微細切断される手法にかかわらず、ガイドワイヤとカテーテルの両方のこの変形を軽減する。便宜と簡易性のために、本実施形態のエラストマー積層技術は、微細切断したガイドワイヤに関して以下に記載しているが、当然のことながら、先に記載されたように、同じ議論が微細切断したカテーテルに等しく適用される。
図10Aは、結果的に得られる梁(520)とリング(1010)を形成するため微細切断した、非積層ガイドワイヤ(1001)のセグメントの簡略図である。ガイドワイヤを患者の脈管構造に深く挿入する際に生じるように、非積層ガイドワイヤ(1001)を大きく曲げる際に、リング(1010)には圧力が加わり、結果として曲がることがある。この湾曲は点線(1015)によって図10Aで表わされる。湾曲リング(1015)が圧力を受けて変形位置に来ると、それによって、非積層ガイドワイヤ(1001)全体が、トルク(12)から遠位端(13)に、外科医によるトルクを非効率的かつ不安定に伝達する。外科医は遠位端(13)を完全に制御していたいため、このことは問題である。ガイドワイヤを患者の脈管構造にわたって曲げている間、リング(1010)を一直線上に維持することができるなら、トルクをトルク(12)から遠位端(13)にさらに有効に伝えることができる。
図10Bの黒い部分で示された強化マトリックス(1060)は、製品の柔軟性を危険にさらすことなく湾曲したリング(1015)の問題への解決策を提供する。しかし、強化マトリックスは、湾曲したリングの問題を解決することに加えて、他の多くの有用な目的にも役立つ。例えば、強化マトリックス(1060)は、リング(1010)に対する緩衝を提供し、所望の範囲内での全移動を制限するのを助け、および、1つのリングに加えられた力を次のリングに伝達することによって製品内での力を釣り合わせ、ヒトおよび他の脊椎動物の背骨における椎間板のように動作する。図10B内で示されるように、リング(1010)の間で形成された微細な切り込みは、暗い部分(1060)で示したように、間隙を満たすとともにガイドワイヤ(1001)の外部を被覆するエラストマー材料で補充または再流される。本質として、微細切断したガイドワイヤは、製品のための内部の、比較的剛性だが柔軟でトルク伝達可能な骨格を形成し、その一方で、エラストマー積層体は骨格周辺で非常に柔軟な合成スキンまたはマトリックスを提供する。エラストマー積層体(1060)が骨格によって生じた空間を満たすために使用される場合、積層ガイドワイヤ(1001)のリング(1010)は、患者の複雑かつ曲線的な脈管構造にわたってガイドワイヤが屈曲するかまたは曲がっている時でさえ、リング(1010)に対してかけられた任意の圧力に対して積層によって生じた耐性によって、一直線上に(または、少なくとも一直線上に近い状態で)維持される。エラストマー材料で微細な切り込みを補充することによって、リング(1010)は、ガイドワイヤが屈曲する際に生じる任意の湾曲から「立ち直る」ことを強いられる。エラストマー積層体のさらなる利点は、結果的に得られる梁またはリングが患者の脈管構造内にある間に偶然破損した場合に、ガイドワイヤが周囲の積層体材料を介して1片に残ることができ、取り除くことが非常に容易になるということである。
エラストマー積層体(1060)は、ガイドワイヤのリング(1010)と結果的に得られる梁(520)とを形成するストック材料のものよりも著しく低いデュロメータ(硬度の尺度)または弾性係数(堅さの尺度)を有する弾性材料である。こうなっているのは、材料を充填する積層体がガイドワイヤ全体の柔軟性に対して悪影響を及ぼさないためである。例えば、上記のように、ガイドワイヤがPEEKストック材料から微細切断されると、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)などの比較的柔らかくて柔軟なエラストマー材料を、積層充填材料として使用することができる。PEBAがおよそ10〜500MPa(製品規格に依存して)の弾性を有する一方で、PEEKはおよそ3700MPaの弾性(剛性)を有するため、そのような組み合わせは有利である。結果として、微細切断したPEEK骨組または下部構造の柔軟性は、さらに多くの非常に柔軟なPEBAの積層スキンまたはマトリックスによってはほとんど影響されない。
それにもかかわらず、PEBAスキンまたマトリックスの追加が、いくつかの手法で微細切断したガイドワイヤの柔軟性を妨げる場合、ガイドワイヤまたはカテーテルの長さに沿ってより多くの微細な切り込みを含むように微細切断パターンを変更することによって(それによってその全体の柔軟性を高める)、骨格または下部構造をさらに柔軟に作ることができ、それによって、皮膚またはマトリックスによって生じた任意の障害を解消する。代替的に、各対の微細な切り込みをさらに深く作ることで、より薄い結果的に得られる梁をもたらすことができ、それによって代替的に柔軟性を高める。微細な切り込みまたはより深い微細な切り込みの数の増加が非積層ガイドワイヤでは望ましくない一方で、スキンまたはマトリックスの存在が、破損の際に骨格または下部構造をともに保持するという追加の安全装置を提供し、そのため、より多くの微細な切り込みおよび/またはより深い微細な切り込みを、スキンまたはマトリックスの存在下で作ることが可能になる。このように、個々の構成要素の特性を操作することができるため、それらはシステムとして所望のように機能し、新しく、より優れた全体性能を提供する。
被覆されていないガイドワイヤを、装置のPEBA材料で被覆するなどの多くの手法、PEBAスキンまたはマトリックスを適用することができる。この装置は、被覆を施し、該装置を出る前に適所で材料を乾かすか冷却する。PEBA被覆を施して乾燥/冷却させることで適所でその材料を保持しながら、中空の中心領域を満たす内部鋳型(internal mold)上にカテーテルを置くことによって、その後、結果として生じる管腔(810)を残すようにその内部鋳型を取り除くことによって、同様の手法でカテーテルのまわりにPEBAスキンまたはマトリックスを置くことができる。ガイドワイヤ上にエラストマー積層体を適用するための代替的な実施形態は、微細切断したガイドワイヤの長さにわたって所望の積層体材料で作られた管を引くこと、積層体材料の融点以上だがストック材料の融点以下の温度まで積層ガイドワイヤ/カテーテルの組み合わせを加熱すること、および、その後、スキンまたはマトリックスを形成するために被覆したガイドワイヤを冷却することを含む。
カテーテルに関して、管を外部まで引っ張りながら、ライナーまたはテフロン(登録商標)を被覆したマンドレルをカテーテルの中空の中心領域に挿入することができ、こうして、管とライナーに熱が加えられる際に、それらがともに融解してスキンまたはマトリックスを形成するともに管腔を後に残した。例えば、PEEKは摂氏およそ343度の融点を有し、PEBAは、PEBAがどれだけ正確に生成されたかに依存して摂氏およそ134〜174度の融点を有する。したがって、PEBAで作られた管またはライナーを、PEEKのストック材料から微細切断したガイドワイヤまたはカテーテルの一部または全長のいずれかまで引っ張るか、このいずれかに挿入することができ、その組み合わせを摂氏175度まで加熱することで、スキンまたはマトリックスを形成することができる。PEBA積層は融解してリング(1010)の間の微細な切り込みになるが、PEEKリング(1010)と結果的に得られる梁(520)は融解せず、ほぼ不変のままである。
代替的な物質は、融解するとともにカテーテルの外部周辺で融解した外部管と一体化するPTFEなどのPEBA以外の一体型ライナーに使用可能であり、これらを他の材料で作ることもできる。塞栓コイルがカテーテルの内部の長さに沿って押出される際、該コイルがカテーテルの内部の変形に引っかかるのを防ぐために、内部の管腔壁が可能な限り確実に滑らかにする一体化の前にマンドレルを内部の一体型ライナーに依然として挿入してもよい。一体化の結果として外部管または内部ライナーの物理的な変形の結果として、最終生成物は外部管または内部ライナーのいずれかを含んでいないが、ガイドワイヤまたはカテーテルの骨格構造の周辺の完全一体型スキンまたはマトリックスをむしろ含む。管腔を形成するためにマンドレルが使用される場合、マトリックスが融解して骨格の周辺で形成されて管腔を残した後に、管からマンドレルを引く。マンドレルは、骨格とは一体化せずにマンドレルを容易に取り除くことが可能な材料で被覆される。
結果的に得られる梁幅、結果的に得られる梁間のX軸距離、ストック材料、および、様々な柔軟性と強度の積層ガイドワイヤおよびカテーテルを生産するために組み合わせ可能な積層体材料の、無数の入れ替えがあることを当業者は認識するであろう。この明細書は、強化骨格または下部構造とも呼ばれる、一体化した柔軟なマトリックスを備えた微細切断した骨格ガイドワイヤ/カテーテル下部構造のそのような入れ替えをすべて包括するものである。例えば、特性(例えば、剛性および/または融解温度)がかなり近いストック材料と積層体材料とを組み合わせることができる。著しく近い特性を備えた材料は、融解段階中ますます相互作用し−ストック材料は、リングと結果的に得られる梁が終わる場所と積層体材料が始まる場所との間の理論的な境界を超えて(その逆も然り)−、有利な屈曲とトルク伝達特性を備えたガイドワイヤ/カテーテルをもたらす。別の実施例において、1以上の積層を利用することが可能であり、各層は異なる特性を備えた異なる材料から作られてもよい。
本明細書に開示した積層体の微細切断したガイドワイヤ/カテーテルは、実際には、トルク伝達を促進する剛性の下部構造または骨格を備えた、本質的には非常に柔軟なカテーテル−現在利用可能な微細切断したカテーテルおよびガイドワイヤとは大きく異なる完全な新製品−として考えられる。積層技術へのさらなる利点は、積層体材料がガイドワイヤまたはカテーテルの微細切断した外面の一部または全体を包むよう機能し、こうして、任意のバリを滑らかにするとともに、微細切断工程中に形成される任意の砕片を捕えるということである。これは、さもなければ体内に放出されてしまう任意の異物に対する患者のための追加予防策である。
最初に先に記載したように、一体型エラストマーマトリックスを備えた微細切断した骨格のガイドワイヤ/カテーテル下部構造のさらなる実施形態は、先端を保持する形状を生成することを含む。先端製品を保持する形状は、製品用の骨格を製造し、わずかに湾曲した遠位端などの特定の位置にある製品の先端を保持する鋳型または成形マンドレルに該製品を置くことによって生成される。その後、骨格をPEBAで満たすことで切り込みを充填するが、切り込みが充填されると、湾曲した先端の内側の切り込みは、湾曲した先端の外側にある切り込みよりも少ないPEBAで充填され、湾曲した先端は、PEBAがかつて設定した形状を保持する。
別の実施形態は、ハイポチューブの遠位端部を超えて、または、機械加工された部分(該装置のまさにその先端)の遠位端部をさらに越えて伸張するポリエチレン収縮性管でその外部周辺を覆われたステンレススチールハイポチューブ近位部を含む。収縮性管を加熱するか、または、再度融解させると、該管は収縮することで、ハイポチューブの周辺で密封シールまたはボンドを形成するが、遠位端部で収縮するのみで、小さな直径の、かつ、場合によっては、はるかに柔軟な先端を備える遠位端部に収縮管カテーテルを残す。代替的な実施形態は、ハイポチューブの全長または一部を通って微細切断したカテーテルを通すこと、および、伸縮性管が周辺に形成可能なハイポチューブの遠位端部を越えて伸張することを含む。この実施形態の遠位部分は、ハイポチューブの外径よりも小さな外径を有すると、その結果、カテーテルが遠位端部に向かって先細り形状になる。
これらの様々な種類の微細加工した遠位部分(MDS)は多くの長所を有する:それらはねじれ耐性があり、楕円形にはならない。よって、コイルがカテーテルの遠位端部内で引っかかるのを防ぐ;それらは、トルクの伝達の増加と、遠位端のオペレータ制御とを可能にする;それらは優れた柔軟性を維持しながら、直径を大きくすることを可能にする;それらは取り外し可能なコイルまたは他の塞栓の材料を送達する間の先端の一層の安全性を可能にする;および、それらは遠位端の脱出(prolapsed)を伴わないペイントブラシ(paintbrushing)を可能にする。ペイントブラシは、取り外し可能なコイルの所望の位置へのより正確な配置などといった、特定の操作に必要な遠位端の左右の移動について言う。ペイントブラシする能力は、頭蓋内動脈瘤などの血管異常のよりコンパクトかつ完全な閉塞も可能にする。この能力は、さもなければ従来の装置で可能な1または2の追加コイルを置くことを可能にする。なぜなら、オペレータは遠位端部を操作することで、依然として充填を必要とする動脈瘤領域にそれを配することができるためである。
代替的な実施形態は、遠位部分を適所に保持するのを助けるとともに流体の完全性を提供するために、近位部分と遠位部分の両方の周りで、ハイポチューブや収縮している収縮性管よりも大きな外径を有するハイポチューブの端部に、微細切断したカテーテルを取り付けることを含む。上記から明確でない場合、収縮管は、代替的な物質と、既に記載した同じまたは他の骨格ベース構造のための柔軟なマトリックスを形成する方法とをまさに提供するものである。これらの実施形態のいずれかにおいて、放射線不透過性マーカーをカテーテルの遠位端に置くことができる。
他の実施形態は、様々なデュロメータの多くの異なる微細切断した管から骨格構造カテーテルを組み立てること、および、管腔壁の厚さを変えること、および、同じパターンに従って各々の管を切断することか、または、様々な管に対するパターンを変えることのいずれかを含む。例えば、カテーテルのいくつかの部分にわたって、切り込みは互いに非常に近接して作られ、その一方で他の部分では切り込みはさらに離間して配される。同様に、いくつかの部分では、結果的に得られる梁は別の部分でよりも大きくてもよい。パターンに対する多くの異なる変化が可能である。
上記のように、PEEK管の一部を微細切断すること、および、その部分をPEBAで積層することによって、ねじれ耐性の近位部を作ることができる。この組み合わせにより、近位部分をねじらずに曲げることができる。切り込み間の切り込みスペースと各切り込みの深さを変えることと、積層体で用いるエラストマー材料のデュロメータを変えることによって、近位部分の剛性も変えることができる。
本明細書に記載されている種類の強化された下部構造カテーテルは、同様に利用のための新しい可能性を生み出す。従来技術のカテーテルの薄い管腔壁は、管腔を崩壊させることなく、または、管腔壁を破裂させることなく、管腔内部からの相当な圧力に耐えることはできない。結果として、脳内などの曲線的な脈管構造に塞栓コイルを置くためにしばしば使用される非常に柔軟なカテーテルは、同様に脳内に存在する血餅を除去するための使用に適したものではなかった。というのも、近位端部(11)でカテーテルに真空圧を加えることによって、血餅を抽出する必要があるからである。しかしながら、(0.005インチの小さな外径を有する骨格構造さえ備えた)強化された下部構造カテーテルの実施形態は、脳の脈管構造の奥深くにまで到達できるほどに十分に柔軟であるが、血餅の抽出を可能にするのに十分な、近位端部(11)で加えられた真空圧に耐えることができるほどに十分に頑丈である。
上記のように、エラストマーマトリックス技術は、上に記載されるような管腔壁を微細切断した、微細切断カテーテルの外部または内部のライナー管の必要をなくすために利用することができる。図11は、ライナーのない薄層カテーテル(1101)を製造する方法を示す。図11では、点線は、ストック材料によって形成された元々の管腔壁(1120)を表わす。結果的に得られる梁(520)の位置と幅から推論することができるように、カテーテルが微細切断されると、対の切り込みは元々の管腔壁(1120)を貫通して、カテーテルの長さにわたって開窓を生成するとともに、管腔の流体圧力の健全性を破壊する。そのような開窓の深さは、図11によって誇張されることがある。しかし、カテーテルの長さにわたる開窓内のエラストマーマトリックス(1060)の形成による積層の間に、この流体圧力の健全性を再度確立することができる。エラストマーマトリックス(1060)は、骨格構造外部および/または内部で配置可能な、および、融解可能な、または、さもなければ、マトリックス(1060)を形成するためにともに一体化可能な、収縮性管または他の材料を用いることを含む、多くの異なる手法で形成可能である。
融解段階に続く容易な除去を促進するために、TFA、PTFE、または、別の非接着層でその外部表面を被覆した解放可能なマンドレルを、管腔(810)に挿入することで、その形成時にマトリックス(1060)を成型するのに役立つ。ストック材料を微細加工した後に、および、積層体材料管を頭上に引く前に、または、さもなければ、マトリックス(1060)の外面を形成する前に、解放可能なマンドレルを管腔(810)に挿入することができる。その後、積層体材料を加熱し、融解させ、または、さもなければ、上記のように一体化させて、積層マトリックス/層(1060)を形成する。図11において明白なように、積層(1060)はリング(1010)の周辺の微細な切り込みを埋める。融解段階の後、(使用される)解放可能なマンドレルが除去されることで、管腔(810)の新しい管腔壁をもたらすことができる。どのタイプの積層体材料が使用されるかに依存するので、その後、親水性被覆を有する新しく確立された管腔壁を被覆することが必要である。例えば、PEBAが積層体材料として使用されると、PEBAは比較的滑りやすくはないため、親水性被覆が管腔内部で必要となる。
先に記載されたように、上記のカテーテルおよびガイドワイヤのいずれかに実装される軟性の先端構造がここで記載される。図12はハイブリッドカテーテル上で実装される軟性の先端構造を示すが、当然のことながら、ガイドワイヤ上の軟性の先端構造に実装するために同じプロセスを適用することができる。軟性の先端ハイブリッドカテーテル(1251)は、ステンレススチール管の近位部分(1252)、微細切断したポリマーカテーテルを包むエラストマー薄層遠位部分(1261)、および、近位部分と遠位部分の間の通路の少なくとも一部を通るライナー管(1254)を含む。ライナー管(1254)は、典型的には、流体を保持するための強度を欠いているが、管腔を介したガイドワイヤまたはコイルの移動を改善するのに役立つ、滑りやすい材料である。軟性の先端構造は、カテーテルの2つの部分:より薄い壁部分(1210)と軟性の先端構造(1220)とを含む。
多くの異なる手法、例えば、遠位端部近傍の管腔のサイズを大きくすることによって、部分(1210)に沿って管腔壁のいくつかの部分に穴を開けるか、さもなければ取り除くことによって、薄壁部分(1210)を形成することができる。大きな管腔もこの部分(1210)に沿ってマトリックスを異なるように形成することによって形成することができ、その結果、カテーテルの他の部分に沿うよりも遠位端部におけるわずかに大きな直径のマンドレルを使用するように、管腔壁はより薄く、管腔はより大きくなる。
軟性の先端部分(1220)は、軟性の先端ハイブリッドカテーテル(1251)の最も遠位にある部分を包含し、微細切断したポリマーカテーテル部分の端部を越えて伸張するライナー管(1254)、または、その部分の端部を越えて伸張する外部カバーのいずれかを備える。患者の脈管構造内にある際にX線可視性を提供するため、および、処置前に外科医が固定する一連のまたは1つの曲げを取るのを容易にするため、の両方のために、この軟性の先端部分(1220)を、(およそ0.002からおよそ0.003インチの直径を有する)比較的薄いゲージの放射線不透過性ワイヤ(1240)で包むことができる。軟性の先端構造をわずかに堅くするため、かつ、外科医の習慣的な曲げをしっかりと保持するために、軟性の先端部分(1220)周辺で比較的しっかりと放射線不透過性ワイヤ(1240)を巻くことができ、または、軟性の先端構造を柔らかくするため、かつ、外科医の習慣的な曲げをより緩く保持するために、放射線不透過性のワイヤ(1240)を緩く巻くことができる。
軟性の先端構造はいくつかの理由で有利である。その構造は、トルカ(12)(図12では図示せず)から、近位部分(14)(図12で示すようなステンレススチール管(1252))と微細加工したポリマー部分とを通って、カテーテルの最も遠位にある部分、軟性先端部分(1220)にトルクを伝達する。その構造は同様に、微細切断した部分から外径の減った部分を通って軟性先端部分まで、段階的な剛性の変化を供給する。最後に、上記のように、放射線不透過性で包まれた軟性先端部分(1220)は、一式を取って保持することができ、外科医が特定の用途または処置のために先端の形状を個々に最適化することを可能にする。
カテーテルの外径を大きくすることなく、さらに大きな内径を有する軟性の先端ガイドカテーテルを製作するために、軟性の先端構造を利用することができる。ガイドカテーテルは典型的に大きな直径を有し、放射線不透過性色素または液剤などの大量の液体を患者の脈管構造内の特定の位置に送り込むのを容易にするために、比較的大きな直径管腔を有している。しかしながら、典型的な大きな直径は、これらのガイドカテーテルを小さな直径のカテーテルまたは微細切断したカテーテルよりもずっと硬直化させる。しかし、上で説明したように、2重刃の微細切断装置は、ポリマーストック材料の微細切断を可能にし、大きな直径の管腔を形成するポリマーストック材料を、もっと柔軟なカテーテルに微細加工するのを可能にする。これは、患者の頸動脈サイフォン(特に曲線的なヒト脈管構造の一部)を移動させるのに特に有利である。以前は、頸動脈サイフォンを移動させる(トルク伝達能力を保持しながら)のに十分な柔軟性の大きな直径のポリマーガイドカテーテルを生産することはできなかったが、本明細書に記載されている2重刃の微細切断装置は、管腔を形成するポリマーストック材料を適切な柔軟性にまで微細切断することができる。1つの実施形態では、このガイドカテーテルは、その遠位端部にある上記のような軟性先端構造で大きな直径のポリマーストック材料から微細切断された2片のカテーテルである。
特定の種類の外科的処置について、特定の地点に到達するために柔軟なガイドカテーテルを使用し、体内の更なる点に到達するために、大きなガイドカテーテル内部に挿入された小さなカテーテルまたはガイドワイヤを使用するのが望ましい。例えば、頸動脈サイフォンの周辺に到達および伸張するように、かつ、ひとたびそれが達成されると、脳の他の脈管に到達するためにもっと小さなカテーテルまたはガイドワイヤを使用するように、上記の種類のガイドカテーテルを使用することができる。そのような状況下では、管腔の間隙(管腔壁と、マイクロカテーテルなどの挿入されたカテーテルの外部との間の差によって定義される間隙)に、対照液または他の流体を押しこむことができるのが同様に望ましい。マイクロカテーテルの外径が管腔の間隙の内径を定義すると言われている一方で、管腔壁は管腔の間隙の外径を定義すると言われている。従って、ガイドカテーテルが0.056インチの外径を有し、マイクロカテーテルが0.039インチの内径を有する場合、マイクロカテーテルのいずれかの側にある管腔の間隙を形成するために残された空間に相当するのは0.017インチであるため、流体を押し出すために通るマイクロカテーテルのいずれかの側部には実質的に0.0085インチが残されている。この小さな管腔の間隙は、ガイドカテーテルの長さに沿った経路の流体すべてを押し出すために、大きな力をかけることを外科医に要求する。
カテーテル(またはガイドワイヤ)の柔軟性が製品の外径の4乗だけ増加するので、マイクロカテーテルの遠位端部の外径を先細りにすることが従来技術では知られており、遠位端での高い柔軟性は多くの用途で重要である。例えば、従来技術のマイクロカテーテルの直径は、流体を押しだす近位部分での0.039インチから始まって、ガイドカテーテルを越えて、開かれた脈管構造にある今の遠位端での0.028インチまたは0.030インチの直径にまでなる。この設計に関する問題は、マイクロカテーテルが小さい必要がある際に実際には大きく、もう少し大きな方が使える場合に小さいということである。
本明細書に記載されている微細切断したカテーテルの実施形態は、外科医が管腔の間隙に流体を押し通すのが容易になるように、ガイドカテーテル内にある近位部分の長さに沿って挿入されたカテーテルの直径を実際に小さくすることで、この問題を解決する。同じ実施例を使用して、およそ0.039からおよそ0.030の近位部分に沿って挿入されたカテーテルの直径を小さくすることによって、管腔の間隙を約50%以上大きくすることができる。同時に、本明細書に記載の微細切断した製品の柔軟性を増強したことによって、遠位端部でのマイクロカテーテルの直径を約0.039インチに増やすことができ、最も必要な場合に外科医に優れた制御とトルク伝達能力を与える。このことが可能な唯一のときは、他の材料で形成されたかなり小さな遠位端の柔軟性をすべて有する、PEEK等のカテーテルの遠位部分および/または遠位端に使用される微細切断した材料の非常に柔軟な設計である。
一般的に、一体型マトリックス製品の骨格構造を形成するために使用される材料の弾性係数はほぼ19Mpa未満であり得る。使用される材料の係数が大きくなると、梁の寸法は減少し、柔軟性をさらに増強するが、材料の破損点を上回る圧力が材料にかけられると、破損の可能性を取り込むことになる。一体型マトリックスの導入は、柔軟性を妨害することなく骨組の支持を提供するため、製品のより多くの線形変形範囲を提供するのに実際に役立つ。より高い係数が望ましい場合、他の材料で形成されたかなり小さな従来技術の遠位端の柔軟性をすべて有する、PEEK等のカテーテルの遠位部分および/または遠位端に使用されるように、ポリマー(プラスチック)材料が使用される。
一般的に、一体型マトリックス製品の骨格構造を形成するために使用される材料の弾性係数は、ほぼ19Mpa未満であり得る。使用される材料の係数が大きくなると、梁の寸法は減少し、柔軟性をさらに増強するが、材料の破損点を上回る圧力が材料にかけられると、破損の可能性を取り込むことになる。一体型マトリックスの導入は、柔軟性を妨害することなく骨組の支持を提供するため、製品のより多くの線形変形範囲を提供するのに実際に役立つ。より高い係数が望ましい場合、上記のカテーテルおよびガイドワイヤの各々のためにストック材料として使用されたポリマー(プラスチック)材料を、押出前にファイバを追加することよって、堅くすることができる(材料の係数を上げることができる)。上記のストック材料を形成するために産業ポリマーペレットを押出する前に、ガラスまたは炭素繊維を産業ポリマーペレットの混合物に加えることができる。ファイバはコンクリート内の鉄筋とほとんど同じように作用する−ポリマーの全体にわたって高弾性材料の血管がポリマー全体的な弾性を増加させることを含む。
上記の製品における進歩に加えて、より使いやすく、より効率的なトルク伝達可能なハブが図13に関連して本明細書に記載される。従来技術のトルク伝達可能なハブは、水が押し寄せるとはためくように設計される特定の種類の擬似餌のように、典型的には2つの大きな羽根またはフランジを有する。羽根またはフランジは、ハブの反対側から突出し、手術中カテーテルを回そうとする際に、保持したり押しつけたりするために十分な領域を外科医に与えるよう意図されている。ハブは典型的には、流体をカテーテルに押し込むことができるようにシリンジを挿入可能な軸空間を含む。しかしながら、ルアー形状のハブは奇妙な形をしており、外科医が掴んだり回転させたりしにくい。この形状は、羽根構造のサイズが大きいため、自分の指で微細な運動技術管理を行う外科医の能力を妨害する。
図13は、樽状の本体部(1310)を有する改良型のトルク伝達可能なハブ(1300)を示し、該本体(1310)は、本体(1310)の外部とその周辺に形成された複数の縦溝(1320)を含む。樽状の本体部(1310)の直径はおよそ0.5インチである。溝(1320)と結合した樽状の本体部(1310)のサイズと形状は、外科医に優れたより快適な間隙を与え、外科医がトルク伝達可能なハブ(1300)の微調整を好適に行うことを可能にし、したがって、カテーテルのさらに正確な制御を行うことを可能にする。トルク伝達可能なハブ(1300)は同様に、点線(1330)で示した、シリンジを挿入可能な軸内部空間を含む。
多くの有用で新しいデバイスを、微細加工した細長い部材を使って製造することができる。そのようなデバイスは、最も頻繁に見られるように、単なる丸形断面を有するものに限定されるわけではなく、卵形、正方形、三角形、または、任意の、すなわち非均一な形状といった他の形状を含んでもよい。これらの部材は、およそ0.004インチなどの非常に小さなものから、数インチまでなどと非常に大きなものまで、ほとんど任意の断面の寸法であってもよく、所望の用途によって拡大縮小可能な本実施形態のようにサイズの限定はない。「梁」または「結果的に得られる梁」および「リング」と本明細書で呼ばれる微細加工した詳細な構造を作ることで、所望の目的のための細長い部材の性能を最適化する。これらの構造を、微細加工した装置を用いて、または、レーザーカットなどの他の方法によって形成することができる。大型の構造に関して、「微細加工」と呼ばれるものは必要ではなく、むしろもっと従来的で大型の加工道具や技術でもいい。
本明細書で教示した梁、リング、および同類のもので加工した構造の例は、以下のとおりである。
実施例1:金属またはポリマーの固体のモノフィラメントストック材料、または、他の材料。
実施例2:例えば、様々なポリマー層、または、ガラス繊維あるいは炭素繊維で充填した材料で同時に押出された合成物である固体のモノフィラメントストック材料。
実施例3:ステンレススチールなどのワイヤ上で被覆されたポリマーである固体のモノフィラメント材料。
実施例4:内部管腔が機能を切断することまたは微細加工では破れない、上記のような材料のいずれかで作った管状部材。
実施例5:管腔が機能を切断することで破れる、実施例4のような管状部材。
実施例6:管腔にワイヤも配された、実施例5のような任意の管状部材。
実施例7:外面が比較的滑らかになり、構造の隣接するリングが、切断材料よりも低弾性係数の、PEBAまたはPebax(商標)とも呼ばれる、ポリエーテルブロックアミドなどの充満マトリックス材料を介して、本質的には互いに機械的に接触するように、切断機能(間隙または開窓)が十分に満たされている、上記の実施例1〜6のすべて。
実施例6:管腔にワイヤも配された、実施例5のような任意の管状部材。
実施例7:外面が比較的滑らかになり、構造の隣接するリングが、切断材料よりも低弾性係数の、PEBAまたはPebax(商標)とも呼ばれる、ポリエーテルブロックアミドなどの充満マトリックス材料を介して、本質的には互いに機械的に接触するように、切断機能(間隙または開窓)が十分に満たされている、上記の実施例1〜6のすべて。
実施例8:実施例7のように、マトリックス材料は切断材料を完全に包み、該切断材料は、マトリックス材料の流体密閉した内部でより強力な材料の点在する骨格を形成する管状材料のための内部部分を含む。
実施例9:実施例8のように、切り込みまたは開窓のうちのいくつかが、流体の送達または他の用途のために開いたまま残される。
実施例10:カテーテルまたはガイドワイヤに使用される細長い部材の例では、カテーテルの一種の場合、例えば、175cmの全長にわたってその部材を用いることにより、上記の例を、使用のために作ることができる。
実施例11:本明細書で熟慮されたデバイスと構造は、2、3またはそれ以上の管腔を有する、カテーテル、ガイドワイヤ、または同様のものといった、複数の管腔を有する部材も同様に有する。
実施例12:本明細書で熟慮されたデバイスと構造は、刃を使用する部材も含む。ワイヤがある部分から別の部分まで続く、実施例6の連続的に内部に配された部材といった、隣接する部分の一部。
本発明の実施形態は、カテーテルデバイスを提供し、該カテーテルデバイスは、近位端部から遠位端部まで伸張する管腔を形成する外面と内面と、外面と内面を介して管腔の少なくとも一部になった複数の開窓とを有する微細加工した細長い外部部材、および、少なくとも外面の一部に接するとともに複数の開窓を満たす外部エラストマー積層体層を含む。
本実施形態の態様は、近位端部に接続されるとともに内部に形成された複数の長手方向の溝を備えた樽状本体を有するトルク伝達可能なハブを備え、シリンジを挿入可能な軸内部空間を形成する。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材が複数の結果的に得られる梁を有し、各々の結果的に得られる梁は、複数の開窓のうちの隣接する開窓の間に形成される。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は結果的に得られる梁すべてを実質的に覆う。
本実施形態の態様はおいて、外部のエラストマー積層体層は結果的に得られる梁すべてを完全に覆う。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は点在する骨格を形成し、外部のエラストマー積層体層は、点在する骨格のまわりに配される柔軟性材料のマトリックスを形成する。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、ポリエーテルエーテルケトンから形成される。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層はポリエーテルブロックアミドから形成される。
本実施形態の態様は、内面に接するPTFEから形成された滑らかなライナーをさらに含む。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、約3700MPaの弾性係数を有する材料から形成される。
本発明の態様において、外部のエラストマー積層体層は、約12MPaの弾性係数を有する材料から形成される。
本発明の態様において、外部のエラストマー積層体層は、中空の遠位端を形成するために遠位端部を越えて伸張する。
本発明の態様において、中空の遠位端は中空の遠位端のための形状を保持するワイヤを含む。
本発明の態様において、中空の遠位端は放射線不透過性マーカーを含む。
本発明の実施形態はガイドワイヤデバイスを提供し、該ガイドワイヤデバイスは、近位端部から遠位端部まで伸張する管腔を形成する外面および内面と、外面と内面を介して少なくとも前記管腔の一部となった複数の開窓とを有する、微細加工した細長い外部部材、外面の少なくとも一部に接するとともに複数の開窓の少なくとも一部を満たす外部のエラストマー積層体層、および、管腔の相当な部分内に配された内部部材を備える。
本実施形態の態様において、内部部材がモノフィラメントのワイヤコアである。
本実施形態の態様において、内部部材がハイポチューブである。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、複数の結果的に得られる梁を有し、各々の結果的に得られる梁は、複数の開窓のなかの隣接する開窓の間で形成される。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、結果的に得られる梁すべてを実質的に覆う。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、結果的に得られる梁をすべて完全に覆う。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は点在する骨格を形成し、外部のエラストマー積層体層は、点在する骨格のまわりに配される柔軟性材料のマトリックスを形成する。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材はポリエーテルエーテルケトンから形成される。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、ポリエーテルブロックアミドから形成される。
本実施形態の態様は、内面に接するPTFEから形成された滑らかなライナーをさらに含む。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、約3700MPaの弾性係数を有する材料から形成される。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、約12MPaの弾性係数を有する材料から形成される。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、中空の遠位端を形成するために遠位端部を越えて伸張する。
本実施形態の態様において、中空の遠位端は中空の遠位端のための形状を保持するワイヤを含む。
本実施形態の態様において、中空の遠位端は放射線不透過性マーカーを含む。
本発明の実施形態は、カテーテルデバイスを提供し、該カテーテルデバイスは、近位端部から遠位端部まで伸張する管腔を形成する外面と内面を有する微細加工した細長い外部部材と、外面の少なくとも一部に接する外部のエラストマー積層体層とを備える。
本実施形態の態様は、近位端部に接続されるとともに、複数の長手方向の溝を備えた樽状本体を有する、トルク伝達可能なハブをさらに備え、および、シリンジを挿入可能な軸内部空間をさらに形成する。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、複数の結果的に得られる梁を有し、各々の結果的に得られる梁は、複数のリングのうちの隣接するリングの間で形成される。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、結果的に得られる梁をすべて実質的に覆う。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、結果的に得られる梁をすべて完全に覆う。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は点在する骨格を形成し、外部のエラストマー積層体層は、点在する骨格のまわりに配置される柔軟性材料のマトリックスを形成する。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材がポリエーテルエーテルケトンから形成される。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層がポリエーテルブロックアミドから形成される。
本実施形態の態様は、内面に接するPTFEから形成された滑らかなライナーをさらに含む。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、約3700MPaの弾性係数を有する材料から形成される。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、約12のMPaの弾性係数を有する材料から形成される。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、中空の遠位端を形成するために遠位端部を越えて伸張する。
本実施形態の態様において、中空の遠位端は、中空の遠位端のための形状を保持するワイヤを含む。
本実施形態の態様において、中空の遠位端は、放射線不透過性マーカーを含む。
本発明の実施形態は、ガイドワイヤデバイスを提供し、該ガイドワイヤデバイスは、近位端部から遠位端部まで伸張する管腔を形成する外面と内面を有する微細加工した細長い外部部材と、外面の少なくとも一部に接する外部のエラストマー積層体層と、管腔の相当な部分内に配された内部部材とを備える。
本実施形態の態様において、内部部材は、モノフィラメントのワイヤコアである。
本実施形態の態様において、内部部材は、ハイポチューブである。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、複数の結果的に得られる梁を有し、結果的に得られる梁の各々は、複数のリングのうちの隣接するリングの間で形成される。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、結果的に得られる梁をすべて実質的に覆う。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、結果的に得られる梁をすべて完全に覆う。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材はニチノールから形成される。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、ポリエーテルブロックアミドから形成される。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、約3700MPaの弾性係数を有する材料から形成される。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、約12MPaの弾性係数を有する材料から形成される。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、中空の遠位端を形成する
ために遠位端部を越えて伸張する。
本実施形態の態様において、中空の遠位端は中空の遠位端のための形状を保持するワイヤを含む。
本実施形態の態様において、中空の遠位端は放射線不透過性マーカーを含む。
本発明の実施形態はガイドワイヤデバイスを提供し、該ガイドワイヤデバイスは、複数の結果的に得られる梁を有する、固体材料の微細加工した細長い外部部材を備え、各々の結果的に得られる梁は、複数のリングのうちの隣接するリングの間で形成される。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、中空の遠位端を形成するために遠位端部を越えてが伸張する。
本実施形態の態様において、中空の遠位端は中空の遠位端のための形状を保持するワイヤを含む。
本実施形態の態様において、中空の遠位端は放射線不透過性マーカーを含む。
本発明の実施形態はガイドワイヤデバイスを提供し、該ガイドワイヤデバイスは、複数の結果的に得られる梁を有する、固体材料の微細加工した細長い外部部材を備え、各々の結果的に得られる梁は、複数のリングのうちの隣接するリングの間で形成される。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材はニチノールから形成される。
本実施形態の態様は、結果的に得られる梁の少なくとも一部を覆う外部のエラストマー積層体層をさらに含む。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層はポリエーテルブロックアミドから形成される。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、約12MPaの弾性係数を有する材料から形成される。
本発明の実施形態は、カテーテルデバイスを提供し、該カテーテルデバイスは、近位端部から遠位端部まで伸張する管腔を形成する外面と内面を有する微細加工した細長い外部部材を備え、外部部材は2以上の異なるストック材料から形成される。
本実施形態の態様において、2以上の異なるストック材料の第2のストック材料はニチノールである。
本実施形態の態様において、ニチノールが近位端部で使用される。
本実施形態の態様は、外面の少なくとも一部に接する外部のエラストマー積層体層をさらに含む。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、点在する骨格を形成し、外部のエラストマー積層体層は、点在する骨格のまわりに配された柔軟性材料のマトリックスを形成する。
本実施形態の態様において、外部のエラストマー積層体層は、中空の遠位端を形成するために遠位端部を越えて伸張する。
本実施形態の態様において、中空の遠位端は中空の遠位端のための形状を保持するワイヤを含む。
本実施形態の態様において、中空の遠位端は放射線不透過性マーカーを含む。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、外面と内面を介して管腔の少なくとも一部になった複数の開窓をさらに形成し、外面の少なくとも一部に接するとともに、複数の開窓を満たす外部のエラストマー積層体層をさらに含む。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、点在する骨格を形成し、外部のエラストマー積層体層は、点在する骨格のまわりに配される柔軟性材料のマトリックスを形成する。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、外部部材の遠位部分で、および、外面と内面を介して、管腔の少なくとも一部となった複数の開窓をさらに形成し、外面の少なくとも一部に隣接するとともに、複数の開窓を満たす、外部のエラストマー積層体層をさらに含む。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、外部部材の近位部分で、および、外面と内面を介して管腔の少なくとも一部となった複数の開窓をさらに形成し、外面の少なくとも一部に隣接するとともに、複数の開窓を満たす、外部のエラストマー積層体層をさらに含む。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、近位端部の外径よりも大きな遠位端部の外径を有する。
本発明の実施形態は、ガイドワイヤデバイスを提供し、該ガイドワイヤデバイスは、近位端部から遠位端部まで伸張する管腔を形成する外面と内面を有する微細加工した細長い外部部材を備え、外部部材は2以上のストック材料から形成され、該ガイドワイヤデバイスは、さらに、管腔の一部に配された内部部材を備える。
本実施形態の態様において、内部部材はモノフィラメントのワイヤコアである。
本実施形態の態様において、内部部材はハイポチューブである。
本実施形態の態様において、2以上の異なるストック材料の第1のストック材料は、ステンレススチールである。
本実施形態の態様において、ステンレススチールは、近位端部で使用される。
本実施形態の態様において、2以上の異なるストック材料の第2のストック材料は、ニチノールである。
本実施形態の態様において、ニチノールは遠位端部で使用される。
本実施形態の態様は、外面の少なくとも一部に接する外部のエラストマー積層体層をさらに含む。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、外面と内面を介して管腔の少なくとも一部となった複数の開窓をさらに形成し、外面の少なくとも一部に接するとともに、複数の開窓を満たす、外部のエラストマー積層体層をさらに含む。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は点在する骨格を形成し、外部のエラストマー積層体層は、点在する骨格のまわりに配される柔軟性材料のマトリックスを形成する。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、外部部材の遠位部分で、および、外面と内面を介して、管腔の少なくとも一部となった複数の開窓をさらに形成し、外面の少なくとも一部に隣接するとともに複数の開窓を満たす、外部のエラストマー積層体層をさらに含む。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、外部部材の近位部分で、および、外面と内面を介して、管腔の少なくとも一部となった複数の開窓をさらに形成し、外面の少なくとも一部に隣接するとともに複数の開窓を満たす、外部のエラストマー積層体層をさらに含む。
本実施形態の態様において、微細加工した細長い外部部材は、近位端部の外径よりも大きな遠位端部の外径を有する。
本発明の実施形態は、カテーテルデバイスを提供し、該カテーテルデバイスは、近位端部から遠位端部まで伸張する管腔を形成する外面と内面を有する細長い外部部材を備え、遠位端部の外径は近位端部の外径よりも大きい。
本実施形態の態様において、細長い外部部材は微細加工される。
本実施形態の態様において、細長い外部部材は、遠位部分で微細加工される。
本実施形態の態様は、モノフィラメントのワイヤコアで形成された内部部材をさらに含み、内部部材は管腔の一部内に配される。
本実施形態の態様は、ハイポチューブで形成された内部部材をさらに含み、内部部材は管腔の一部内に配される。
本実施形態の態様は、近位端部に接続されるとともに内部に複数の長手方向の溝を備えた樽状の本体部を有するトルク伝達可能なハブをさらに含み、シリンジを挿入可能な軸内部空間をさらに形成する。
本実施形態の態様において、近位端部の外径が約0.030インチである。
本実施形態の態様において、遠位端部の外径が約0.039インチである。
本実施形態の態様において、近位端部の外径が約0.030インチであり、かつ、遠位端部の外径が約0.039インチである。
本実施形態の態様において、管腔が約0.024インチの内径を有する。
本発明の実施形態は、ガイドワイヤデバイスを提供し、該ガイドワイヤデバイスは、近位端部から遠位端部まで伸張する管腔を形成する外面と内面を有する細長い外部部材を備え、遠位端部の外径は近位端部の外径よりも大きく、該ガイドワイヤデバイスは、管腔の一部内に配された内部部材をさらに備える。
本実施形態の態様において、細長い外部部材の少なくとも一部は微細加工される。
本実施形態の態様において、細長い外部部材は遠位部分で微細加工される。
本実施形態の態様において、内部部材はモノフィラメントのワイヤコアである。
本実施形態の態様において、内部部材はハイポチューブである。
本実施形態の態様は、近位端部に接続されるとともに、内部に形成された複数の長手方向の溝を備えた樽状の本体部を有するトルク伝達可能なハブをさらに備え、シリンジを挿入可能な軸内部空間をさらに形成する。
本実施形態の態様において、近位端部の外径が約0.030インチである。
本実施形態の態様において、遠位端部の外径が約0.039インチである。
本実施形態の態様において、近位端部の外径が約0.030インチであり、かつ、遠位端部の外径が約0.039インチである。
本実施形態の態様において、管腔は約0.024インチの内径を有する。
実施形態が本明細書で例示され、記載されてきた一方で、当然のことながら、本明細書に記載された技術は、多くの追加的な使用および用途を有し得る。従って、本発明は、1つ以上の実施形態や本発明の原理の適用を単に示す、本明細書に含まれる特定の記載と様々な図面にだけに限定されるべきものではない。