JPH09507399A - 直径が小さく、かつトルクが高いカテーテル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 内側管状部材（３０）、編まれた強化層（３２）及び柔らかい外側層（３４）を含むカテーテル。内側管状部材（３０）は、カテーテル（１０）の近位端から第一の遠位位置（１８）まで延びる。編まれた強化層（３２）は、カテーテルの近位端から、通常は第一の遠位位置（１８）から近位方向に位置する第二の遠位位置（２２）まで延びる。柔らかい外側層（３４）は、カテーテルの近位端から、通常は第一の遠位位置（１８）の遠位方向に位置する第三の遠位位置まで延びる。このようにして、シャフト領域（１６）、転移領域（２０）及び遠位領域（２６）（これらは、各々異なった強度及び可撓性を有する）を有するカテーテル（１０）が得られうる。このようなカテーテル構造は、非常に小さい直径のアクセスカテーテルとして、特に有用である

Description

【発明の詳細な説明】 直径が小さく、かつトルクが高いカテーテル 発明の背景１．発明の分野 本発明は、一般に、医療用カテーテル及びそれらの組立方法に関する。特には 、本発明は、頭部内での選択的なカテーテル法のために特に有用な制御された可 撓性及び一つの柔らかい遠位チップを有する、小さな直径の、ブレイド（組みひ も）強化されたカテーテルに関する。 医療用カテーテルは、診断、介入治療、薬剤デリバリー、ドレナージ、灌流等 を含む広範囲の種々の目的に対して存在する。これらの目的の各々のためのカテ ーテルが、脈管系を通じてカテーテルを案内することにより、患者体内の多数の 標的部位に導入されることができ、そして広範囲の種々の特定の設計が種々の用 途に対して提案されている。 本発明に対する特定の興味の、小さな直径の管状アクセスカテーテルは、現在 、診断及び介入神経系学技術、例えば、動脈瘤、腫瘍、動脈硬化症奇形／瘻等の イメージ化及び処置のために用いられている。神経系脈管系は、用いられるべき カテーテルに多くを要求する。主要な要求は、大きさである。脳内の血管は、し ばしば、ミリメートル又はそれ未満程度に小さく、カテーテルが、１フレンチ（ １Ｆは、0.33ミリメートル）程の外径を有することを要求する。 小さな大きさに加えて、脳の血管系は曲がりくねっており、神経系カテーテルは 、曲がりくねった領域を通過するために、特にそれらの遠位端において非常に可 撓であることが要求される。しかしながら、脈管内配置の困難性のために、カテ ーテルの少なくとも近位部分に大きな張力及び筒状強度を与えることが望ましい 。加えて、脳の血管は、比較的壊れやすく、それゆえ、カテーテルは、損傷を避 けるために、柔らかく、外傷性のない外面を有することが望ましい。 これらの要求の少なくともいくつかを満たすための努力において、小さな直径 で、種々の可撓性のカテーテル、例えば、Target Therapeutics 社、カリフォル ニア州、フェロモンとから入手可能なTracker（商標）注入カテーテルが、開発 されている。一般的には成功であるが、Tracker（商標）カテーテルは、ある種 の欠点を持つ。特に、大きな可撓性を達成するために、引張強さ及びカテーテル 壁の一体性が、妥協しあってきた。従って、Tracker（商標）は、円柱強度及び フープ強度が共に不足しており、小さな直径の曲がりを通過するときねじれて、 つぶれる傾向にある。Tracker（商標）カテーテルの指向能力及びトルク能はま た制限されており、カテーテルのもっとも可撓な遠位領域が、破壊及び貫通され やすい。 それ故、非常に小さな血管、特に神経系脈管への挿入に適した、改善された小 さな直径の可撓なカテーテルを提供することが望まれうる。このようなカテーテ ルは、神経系脈管の曲がりくねった領域へのアクセスを可能とするため に十分な可撓性を備えるべきであり、一方、ねじれ及びつぶれに対する抵抗を増 すために、十分な引張、円柱及びフープ強度を保持すべきである。改善されたカ テーテルはまた、押し能力及びトルク能を含む高められた配置特性を有する。加 えて、カテーテルを通じて、高圧の液を導入するとき及び／又はトロンボゲン性 のコイル及び他の装置を導入するときに、貫通及び失敗しないようにカテーテル 壁の一部又は全てにわたって改善された強度を有することが望ましい。２．背景技術の記載 米国特許第4739768 号明細書は、内側層及び外側層からなるカテーテルを記載 しており、そこでは、内側層は、外側層の近位にて終結し、相対的により可撓な 遠位端を形成している。WO 91/17782 号公報は、低い摩擦表面を持つブレイド強 化された遠位端を有するカテーテルを記載している。WO 93/02733 号公報は、異 なった剛性の４つの領域を有するカテーテルを開示している。ブレイド又はその 他で強化されたカテーテル構造物が、米国特許第3416531 号、第3924632 号、第 4425919 号、第4586923 号、第4764324 号、第4817613 号、第4899787 号、第50 45072 号、第5057092 号、第5061257 号明細書、及びヨーロッパ特許第555088号 公報に記載されている。柔らかい先を有するカテーテルは、米国特許第4636346 号及び第578702号明細書に記載されている。ステンレススチールでブレイド強化 されたポ リエチレンを含むトルク制御カテーテルは、カタログ1982-84 "Radiology，Card iology and Surgert",16頁，Cook Inc．に記載されている。頭部内の選択的カテ ーテル法のためのカテーテル及び他の系の構成要素を作成するための要求及び考 慮は、Rufenacht とLatchaw（1992）Inter．Neurorad．2:251-268に記載されて いる。発明の概要 本発明の考えに従って作られたカテーテルは、内側管状部材、内側管状部材の 上に配置された編まれた強化層、及び編まれた強化層の上に形成された柔らかい 外側層を含む本体を含む。カテーテル本体の可撓性は、これらの各構成成分の相 対的な長さ及び機械特性を選択することにより制御される。内側管状部材は、第 一の長さまで延び、編まれた強化層は、通常内側管状部材の遠位端の近位にて、 好ましくは約０ｃｍ〜１０ｃｍ、より好ましくは１ｃｍ〜１０ｃｍ、最も好まし くは１ｃｍ〜３ｃｍの距離にて終結する。柔らかい外側層は、通常、内側管状部 材の遠位端の遠位にて、好ましくは約０ｃｍ〜１０ｃｍ、より好ましくは１ｃｍ 〜１０ｃｍ、最も好ましくは１ｃｍ〜３ｃｍの距離にて終結する。このようにし て、可撓性、引張強度、円柱強度及びフープ強度の別々の領域３つまでが提供さ れうる。層が、互いに相対的に異なった位置にて終わることに加えて或いはその 代わりとして、可撓性、引張強度、円柱強度及びフープ強度は、１以上の個々の 層の機械的特性を選択的 に制御することにより、変わりうる。特に、編まれた強化層のピッチ及び他のブ レイド特性は、カテーテル本体の近位部分に沿って増加した強度特性を、及びカ テーテル本体の遠位部分にわたって増加した可撓性を提供するために変わりうる 。本発明のカテーテルにおける編まれた強化層の使用は、それが、可撓性の損失 を最小にしながら、実質的な引張、円柱及びフープ強度を提供するので、特に有 利である。 例示的な実施態様において、カテーテル本体の近位端から編まれた強化領域の 終わりまでのびるカテーテル本体の主要な部分は、最も可撓性が小さいが、すぐ れたトルク伝達及びフープ強度特性を有する。ブレイド終わりに対しては遠位に あるが内側管状部材の終わりに対しては近位にあるカテーテルの領域は、増加し た可撓性を有するが、十分なトルク能及びフープ強度を残して、ガイドワイヤ上 をカテーテルを案内することを可能としており、そして、カテーテル管腔のねじ れ及びつぶれを防止している。カテーテルの最も遠位の領域は、柔らかい外側層 のみを含み、最少のトルク能及びフープ強度を持ちながら最も大きな可撓性を有 し、そして、本発明のカテーテルは、脳の脈管構造の遠い、曲がりくねった領域 に導入するのに適している。 本発明の第一の特定の観点において、内側管状部材は、滑らかな物質、例えば 、フルオロカーボンポリマー、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリイミド等から なり、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）から形成 される。このような物質の使用は、内側管状部材によって規定される管腔を通じ ての装置及び高い粘性の液を導入するための非常に滑らかな表面を提供する。本 発明のカテーテルは、内側管状部材から、内側管状部材の遠位終結点を越えての びる柔らかい外側層によって規定される隣接する管腔への単一の推移のみを含む 。 本発明の好ましい第二の観点において、編まれた強化層は、フィラメントブレ イド、好ましくは、焼きなまされそして編みの終わりから生じうる、突出部、ば り、不連続性等を除くためにその遠位端にて横方向にカットされているステンレ ススチールブレイドからなる。遠位端（或いはどこか他のところ）でのブレイド 中のこのような不連続は、それらが、柔らかい外側層によって覆われた場合です ら、脈管構造を外傷にさらすので許容できない。従来のカテーテル構造は、一般 に、環又は他の保護構造を用いてブレイド末端を覆うことを当てにしている。本 発明は、以下でさらに詳細に記す如く、独特の焼きなまし及びカッティング行程 を用いることにより、ブレイドの末端にていずれの追加の構造をも必要としない 。 本発明の第三の特定の観点において、柔らかい外側層の物質は、３０Ａ〜７２ Ｄの範囲の硬度を有し、好ましくは、ポリアミドポリエーテルブロックコポリマ ー（Ｐｅｂａｘ（商標））、ポリウレタン、シリコーンゴム、ナイロン等からな る群より選ばれる。 本発明の第四の特定の観点において、カテーテル本体は、 上記の如く、内側管状部材、編まれた強化層及び柔らかい外側層からなることを 必須とし、かつ、特に可撓性、トルク伝達及び外側の軟度に関して、カテーテル の本質的な機械的及び構造的な特性を変える他の構造要素を必要としない。しか しながら、このようなカテーテル本体は、本質的な機械的及び構造的な特性に影 響しない他の構成成分、例えば近位のコネクター、近位のハウジング、放射線不 透過性マーカー等を含みうる。 本発明の方法に従って、カテーテルは、好ましくは上記特性を有する内側管状 部材を備えることによって作られうる。ブレイドは、内側管状部材の上に、近位 端から、内側管状部材の遠位端から近位方向に、０ｃｍ〜１０ｃｍ、好ましくは １ｃｍ〜１０ｃｍ、そしてより好ましくは１ｃｍ〜３ｃｍの距離を空けた位置ま で形成される。次いで、柔らかい外側層が、得られた集成体の上に、その近位端 から形成され、そして（内側管状部材を越えて遠位方に延びる場合は）その遠位 端を越えて遠位方向に０ｃｍ〜１０ｃｍの範囲の距離にて延びる。更に、柔らか い外側層は、内側管状部材の管腔に隣接する遠位の管腔を規定する。好ましくは 、上記の組立行程の各々は、内側管状部材を支持しかつ該部材の遠位端を越えて 延びるマンドレル上に内側管状部材が配置されている間に行われる。 ブレイドは、ステンレススチールリボン又は他の適した物質から、典型的には ワン- オーバー- ワン又はツー- オーバー- ツーブレイドとして形成される。ブ レイドが内側 管状部材及び終結した遠位端の上に形成された後、ブレイドは遠位方向に移動さ れてマンドレルを越えて延びる。次いで、ブレイドは、典型的には熱によって焼 きなまされ、そして焼きなまされたブレイドフィラメントは横方向にカットされ 、突出部、ばり及び他の不連続がない正方形- カットを形成する。次いで、ブレ イドは、内側管状部材の上を近位方向に戻されて、管状部材の遠位端から近方向 に距離を空けた所望の位置に戻される。その後、柔らかい外側層がブレイドの上 に形成され、そしてマンドレル上にて内側管状部材の遠位端を越えて延びるよう に形成される。好ましくは、柔らかい外側層は、まず前もって形成された所望の 柔らか物質の管をブレイドと内側管状部材の集成体の上に配置し、その後、熱収 縮管を柔らかい外側層管状物質の上に配置することにより形成される。次いで、 集成体全体を、物質の柔らかい外側層を融解しかつ集成体上の熱収縮管を収縮さ せる温度まで加熱する。従って、柔らかい外側層物質に圧が加えられる。冷却後 、熱収縮管は、カテーテルから切り離され、そして遠位端が所望の長さに仕上げ られうる。任意的に、近位コネクターは、カテーテル本体の近位端に取り付けら れ得る。図面の簡単な説明 図１は、本発明の考えに従って組み立てられたカテーテルの遠近図であり、一 部が剥がされている。 図２は、線２−２における、図１のカテーテルの遠位端 の詳細な、断面図である。特定の実施態様の記載 本発明は、カテーテル本体の近位端から遠位端へと延びる中央の管腔を有する 細長いカテーテル本体を有するタイプのカテーテルの改善された構成を提供する 。このような構成は、４ｍｍ（１２Ｆ）の、好ましくは２．６７ｍｍ（８Ｆ）未 満の、そしてしばしば１ｍｍ（３Ｆ）程及びそれ未満の外径を有する非常に小さ な直径のカテーテル、例えば神経系診断及び介入処置に用いるカテーテルを形成 するために特に有用である。このような小さなカテーテルはまた、必要に応じ小 さな脈管系へのアクセスのために、他の処置、例えば、婦人科の処置、心臓処置 、一般の介入放射医学処置等のためにも有用である。しかしながら、本発明の構 成は、このような小さな直径のカテーテルに限定されず、より大きな直径のカテ ーテル、例えば４ｍｍより大きい外径を有しうる案内カテーテルのためにも同様 に有用である。 本発明に従ったカテーテルは、意図されている使用のために選ばれた直径及び 幾何学的形状を有するカテーテル本体を含む。カテーテル本体は、典型的には、 約４０ｃｍ〜２００ｃｍの範囲の長さを有し、通常は約６０ｃｍ〜１７５ｃｍの 範囲の長さを有する。カテーテル本体の外径は、典型的には、約０．３３ｍｍ（ １Ｆ）〜４ｍｍ（１２Ｆ）の範囲であり、通常は約０．６６ｍｍ（２Ｆ）〜約 ２．６６ｍｍ（８Ｆ）の範囲である。カテーテル本体は、典型的には、約０．１ ｍｍ〜３．６ｍｍの範囲、通常は約０．３ｍｍ〜２．５ｍｍの範囲の直径を有す る内側管腔を規定しており、カテーテルは、より大きな外径、通常はより大きな 管腔直径を有する。好ましい本発明のマイクロカテーテルにおいては、カテーテ ル本体は、約８０ｃｍ〜１５０ｃｍの範囲の長さ、約０．６６ｍｍ〜１．５ｍｍ の範囲の外径、及び約０．３７５ｍｍ〜１．０５ｍｍの範囲の内径を有する。 カテーテル本体は、通常、その長さの全て又はほとんどに沿って直線状である 。「直線状」とは、カテーテル本体が、外部の曲げ力がないときに直線状又は線 状の形状をとることを意味する。しかしながら、カテーテル本体は、以下で更に 詳細に記すように、患者の脈管構造の曲がりくねった領域を通過できるように非 常に可撓である。いくつかの場合には、カテーテル本体は、脈管系中に（通常は 別個のガイドワイヤの上で）カテーテルを導入及び配置することを容易にするた めに選ばれたカーブ及び曲げを含む成形された遠位端を有しうる。カーブ及び／ 又は曲げの特定の幾何学的形状は、カテーテルの意図された形状を適用するよう に選択されうる。 カテーテル本体は、通常少なくとも２つ、或いはそれ以上で通常は３つの別個 の領域を含み、各領域は、異なった機械特性を結果する異なった構造を有する。 シャフト領域は、カテーテル本体の近位端から、カテーテル本体の遠位 端から２０ｃｍ以内の、通常は遠位端から２ｃｍ〜６ｃｍの距離を空けた場所ま で延びる。シャフト領域は、（全３層を含む）カテーテル本体の最大の補強を有 し、従って、最大の円柱強度及びフープ強度及び最小の可撓性を有する。転移領 域は、シャフト領域の遠位側に隣接して配置され、そして、カテーテル本体の遠 位端から１０ｃｍ以内の、通常は遠位端から１ｃｍ〜３ｃｍの距離を空けた場所 まで延びる。転移領域は、（内側管状部材及び柔らかい外側層を含むが、編まれ た強化層を欠いている）中間レベルの補強、並びに中間レベルの円柱強度、フー プ強度及び可撓性を有する。遠位領域は、転移領域から遠位方向に延び、そして 柔らかい強化されていない物質からなる。遠位領域は、一般に比較的短く、典型 的には、約１ｃｍ〜３ｃｍの範囲の長さを有し、そしてカテーテル本体の３つの 領域のうちで最大の可撓性を有する。 第一の代替の実施態様において、編まれた強化層は、内側管状部材の遠位端に て終結し、柔らかい外側層は、１ｃｍ〜１０ｃｍ、好ましくは１ｃｍ〜３ｃｍ遠 位方向に延びる。第二の代替の実施態様において、外側の柔らかい層は、内側管 状部材の遠位端にて終結し、編まれた強化層は、外側層及び管状部材の両者の近 位方向に、１ｃｍ〜１０ｃｍ、好ましくは１ｃｍ〜３ｃｍの範囲の距離にて終結 する。これらの両者の実施態様において、カテーテルは、異なった機械特性をも つ２つの別個の領域を有する。 好ましい組立技術の結果として、以下で更に詳細に記す ように、カテーテル本体の転移領域及び遠位領域の直径は、シャフト領域のそれ より幾分小さいことがあり得る。遠位方向でのこのような幾何学的形状の減少は 、有利であり得る一方、本発明のカテーテルのためには必須ではない。従って、 本発明は、カテーテルが、その全長に沿って均一な直径を有するカテーテル及び 遠位方向に減少する直径を有するカテーテルの両者を含む。 好ましい構造において、本発明のカテーテル本体は、必須的に、３つの構造要 素からなる。第一の構成要素は、内側管腔を規定し、そして脈管構造又は他の体 の管腔内の標的位置に導入されるべき液及び装置を収容するための滑らかな表面 を提供する内側管状部材である。典型的には、内側管状部材は、単一の物質、好 ましくは滑らかなポリマー、例えばフルオロカーボン（例えば、ポリテトラフル オロエチレン（ＰＴＦＥ））、ポリアミド（例えば、ナイロン）、ポリオレフィ ン、ポリイミド等から形成されたスリーブである。また、滑らかでない外側層、 及び内側の滑らかな層又はコーティングを含むラミネート構造として内側管状部 材を形成することも可能である。 カテーテル本体の第二の構造要素は、慣用の編み技術を用いて、内側管状部材 の上に直接形成された編まれたフィラメントを含む編まれた強化層である。ブレ イドフィラメントは、編み行程受けるために十分な引張強度を有すると同時に、 非常に小さい交差領域を有する。好ましくは、ブレイドフィラメントは、ステン レススチール、形状記憶ア ロイ（例えば、Nitinol（商標））、ポリマーファイバー等からなる。０．００ １インチ〜０．０１インチの範囲内、好ましくは約０．０１５インチである幅を 有し、かつ０．０００２インチ〜０．００２インチの範囲の、好ましくは約０． ００１インチである厚さをもつ方形の交差を有するステンレススチールフィラメ ントが特に好ましい。このような小さなフィラメントは、慣用の一層の上に一層 を重ねた（one-over-one）又は二層の上に二層を重ねた（two-over-two）編みパ ターンにて、機械をフィラメント上に過剰な引張力がかからないように注意深く 調節して、内側管状部材の上に形成されうる。 カテーテル本体の第三の構造要素は、編まれた強化層の上に形成されかつ管状 部材の遠位端より遠位方向に延びる柔らかい外側層である。柔らかい外側層は、 内側管状部材及び編まれた強化層の全集成体を覆い、例示的な実施例との関係で 上記で議論した３つの別個の領域を作る。シャフト領域は、全３つの構造要素、 すなわち、内側管状部材、内側管状部材の上に形成された編まれた強化層、及び 編まれた強化層の上に形成さた柔らかい外側層を含む。転移領域は、内側管状部 材及び柔らかい外側層の両者を含むが、編まれた強化層は含まない。このように して、強度特性はシャフト領域と比較した場合に幾分減少するが、転移領域の可 撓性は著しく改善される。遠位領域は、柔らかい外側層のみから成る。柔らかい 外側層は、内側管状部材によって規定された中央管腔に隣接する遠位の管腔を規 定するよ うに形成される。２つの遠位領域のいずれかを欠いた他の実施態様は、上記した 。 柔らかい外側層は、種々の物質から成ることができ、好ましくは３０Ａ〜７２ Ｄの範囲の硬度を有する柔らかい熱可塑性物質から成ることができる。具体的な 物質は、ポリアミドポリエーテルブロックコポリマー（Ｐｅｂａｘ（商標））、 ポリウレタン、シリコーンゴム、ナイロン、ポリエチレン、フッ素化炭化水素ポ リマー等を含む。 ここで図１及び２を参照すると、本発明の考えに従って作られたカテーテル１ ０は、その近位端にコネクター１４を有するカテーテル本体１２を含む。コネク ター１４は、任意の標準の医療用連結装置、例えばルアーフィティングであり得 る。カテーテル本体１２は、近位のコネクター１４から、破線１８で示された遠 位の終結位置１８まで延びるシャフト領域１６を含む。転移領域２０は、シャフ ト領域の終結点１８から、破線２２で示された第二の終結点へと延びる。遠位領 域２４は、転移領域２０の終結点２２からカテーテル本体１２の遠位端２６へと 延びる。従って、図２に示される如く、転移領域２０は、０ｃｍ〜１０ｃｍ、好 ましくは１ｃｍ〜１０ｃｍ、より好ましくは、１ｃｍ〜３ｃｍの長さＤ₁を有し 、そして、遠位領域２４は、０ｃｍ〜１０ｃｍ、好ましくは１ｃｍ〜１０ｃｍ、 より好ましくは、１ｃｍ〜３ｃｍの長さＤ₂を有する。 カテーテル本体１２は、典型的にはＰＴＦＥ管から成る内側管状部材３０を含 む。次いで、ブレイド構造３２が、 内側管状部材３０の上に、その近位端から終結場所１８の近くまで形成される。 ブレイド構造３２は、以下で更に詳細に記すように、直角にカットされ、所望の 終結場所にてきれいに終わり、そして患者を損傷の危険にさらしうる突出部、ば り及び他の不連続がない。柔らかい外側層３４は、カテーテル本体１６の近位端 から遠位端２６へと延び、内側管状部材３０及び強化ブレイド３４の両者を覆う 。 好ましい組立法によって、カテーテル本体１２は、細長いマンドレルの上に選 択された長さのＰＴＦＥ又は他の管を配置することにより形成されうる。通常、 マンドレルは、形成される構造物への及びそれからの、マンドレルの導入及び除 去を容易にするためにＰＴＦＥで覆われる。次いで、マンドレル上の内側管状部 材３０の集成体は、編み機械、例えばSteeger（ドイツ）、Wardwel（マサチュー セッツ）及び他の製造者より入手可能な機械に導入され、そこで、慣用の一層の 上に一層を重なる又は二層の上に二層を重ねるブレイドパターンが形成される。 ブレイドのピック（pic）及び他の特性が、シャフト領域に所望の伸び及び可撓 性を提供するために選択される。通常、ピックは、２０〜１５０ピック／インチ 、好ましくは６０〜１００ピック／インチの範囲であり、そしてピックは、編ま れた強化層の全長にわたって一定であり得るか又はシャフト領域の遠位端にて或 いは遠位端の近くにて可撓性を増すために変化しうる。特に、ブレイド特性、例 えば、ピック、交差領域、物質強度等は、カテーテル本体の遠位端、典型的には 、カ テーテル本体の遠位の１ｃｍ〜６０ｃｍにわたって、通常は少なくとも５ｃｍ、 より通常は１０ｃｍ〜６０ｃｍにわたって増した可撓性を提供するために変化し うる。増した可撓性は、遠位端にわたって一定であり得るか、又は段階的であり 得る（すなわち、遠位端近くでますます可撓になる）。カテーテル本体の遠位端 にて可撓性を高めるこのような非均一のブレイド特性は、内側管状部材、強化層 及び柔らかい外側層が、お互いの１ｃｍ以内にて終結される場合に特に有用であ る。 本発明の組立技術の特定の観点において、ブレイドは、最終構造において望ま れるよりもわずかに大きい長さの上に形成される。ブレイドを形成後、ブレイド は、内側管状部材の上を遠位方向に滑って、それが、内側管状部材及びマンドレ ルの両者を越えて延びる。次いで、ステンレススチールブレイド物質が、典型的 には火炎又は抵抗ヒーターにさらすことによって熱で焼きなまされ、そしてその 後、横方向にカットされて、きれいな、直角にカットされた遠位端を提供する。 カットされた後、ブレイドは、ブレイドの遠位の終結点１８が所望の位置に存在 するように、マンドレル及び内側管状部材３０の上を引き戻される。 次いで、柔らかい外側層３４が、管の遠位端が内側管状部材３０の遠位端より 遠位に延びるように、熱可塑性管、典型的にはＰｅｂａｘ（商標）管を集成体全 体の上に配置することにより、内側管状部材３０及びブレイド３２の集成体の上 に形成される。次いで、熱収縮管、例えばポリエ チレン又はフルオロポリマー管が、柔らかい熱可塑性プラスチック上に配置され 、そして集成体全体が、オーブン中に置かれ、熱可塑性プラスチックを溶融しそ して溶融した熱可塑性プラスチックの上の熱収縮管を収縮させるために十分な温 度に加熱される。このようにして、熱可塑性物質は、ブレイド３２に含浸するこ とができ、そしてマンドレル上で圧縮されて、図２に最もよく示される如くの隣 接する管腔を形成する。管状部材３０の内径に合うように、マンドレルの直径を 注意深く選ぶことにより、内側管状部材３０の管腔及び柔らかい外側層２６によ って規定される管腔間の非常にスムースな移動が得られうる。 冷却後、熱収縮管がカテーテル本体の集成体から切断されうる。次いで、柔ら かい外側層の遠位端が、その所望の最終の長さに切断されうる。その後、コネク ターは本発明の必須の部品ではないけれども、近位コネクター１４がカテーテル 本体１２の近位端に取り付けられうる。 直前に記載されたカテーテル１０は、特定の用途のために更に改変されうる。 例えば、小さな灌流口又は穴が、カテーテルを用いて、液灌流、例えば薬剤デリ バリーを容易にするためにカテーテル本体の遠位端近くに形成されうる。或いは 、コーティング、例えば、親水性の、抗トロンボゲン性の、低摩擦の、疎水性の 及びその他のコーティングが、特定の用途に対してその使用を高めるためにカテ ーテル本体１２の外側表面上に配置されうる。更に、上記の如く、先端は所望の 幾何学的形状に形成されることができ、そし てシャフト領域の強度及び可撓性特性は、ブレイド特性の適当な改変により更に 改変されうる。 カテーテル１０は、その長さに沿って、１以上の場所に放射性不透過性マーカ ーを備えることにより更に改変されうる。このような放射性不透過性マーカーは 、金属リングからなることができ、又は柔らかいポリマー層に適当な放射性不透 過性色素を含浸することにより明確にされうる。放射性不透過性マーカーの提供 は、本技術分野においてよく知られており、本発明の一部を形成しない。 前記の発明は、理解の明確化のために詳細に記載してあるけれども、ある種の 改変が、添付の請求の範囲内において実施されうるということは明らかである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．近位端、遠位端、及び近位端から遠位端に延びる管腔を有する内側管状部材 、 内側管状部材の上に配置され、かつ近位端及び遠位端を有する編まれた強化層 、ここで、編まれた強化層の遠位端は、内側管状部材の遠位端から近位方向に０ ｃｍ〜１０ｃｍの範囲の距離にて終結している、及び 編まれた強化層の上に形成され、かつ内側管腔部材の遠位端の遠位方向に０ｃ ｍ〜１０ｃｍの距離にて延びている柔らかい外側層 を含むカテーテル。 ２．編まれた強化層が、内側管腔部材の遠位端から１ｃｍ〜１０ｃｍにて終結し 、そして柔らかい外側層が、内側管腔部材の遠位端から１ｃｍ〜１０ｃｍにて終 結しており、かつ、柔らかい外側層が、内側管腔部材の管腔に隣接する遠位の管 腔を有する、請求の範囲第１項に記載のカテーテル。 ３．編まれた強化層が、内側管状部材の遠位端にて終結し、そして柔らかい外側 層が、編まれた層及び内側管状部材の遠位方向に１ｃｍ〜１０ｃｍの範囲の距離 にて延びており、かつ、柔らかい外側層が内側管状部材の管腔に隣接する遠位の 管腔を有する請求の範囲第１項に記載のカテーテル。 ４．柔らかい層が、内側管状部材の遠位端にて終結しており、かつ編まれた強化 層が、柔らかい層及び内側管状部材の遠位端から１ｃｍ〜１０ｃｍにて終結して いる請求の範囲第１項に記載のカテーテル。 ５．柔らかい外側層及び編まれた強化層が、内側管状部材から１ｃｍ以内で終結 しており、かつ、編まれた強化層のブレイド特性が、カテーテル本体の近位部分 に比べて、カテーテル本体の遠位の１ｃｍ〜６０ｃｍ以内の可撓性を高めるよう に選択される、請求の範囲第１項に記載のカテーテル。 ６．内側管状部材が、フルオロカーボン、ポリアミド、ポリオレフィン及びポリ イミドから成る群より選ばれる物質からなる請求の範囲第１項に記載のカテーテ ル。 ７．内側管状部材がポリテトラフルオロエチレンである請求の範囲第６項に記載 のカテーテル。 ８．編まれた強化層が、内側管状部材の上に形成された少なくとも一つのステン レススチールブレイドを含む請求の範囲第１項に記載のカテーテル。 ９．ステンレススチールブレイドの遠位端が、突出部を除くために焼きなまされ かつ横方向にカットされている請求 の範囲第８項に記載のカテーテル。 １０．柔らかい外側層が３０Ａ〜７２Ｄの範囲の硬度を有する物質から成る請求 の範囲第１項に記載のカテーテル。 １１．該物質が、ポリエーテルブロックコポリマー、ポリウレタン、シリコーン ゴム、ナイロン、ポリエチレン及びフッ素化炭化水素ポリマーから成る群より選 ばれる請求の範囲第１０項に記載のカテーテル。 １２．柔らかい外側層が編まれた強化層中に含浸されている請求の範囲第１項に 記載のカテーテル。 １３．更に、内側管状部材、編まれた強化層及び柔らかい外側層の近位端の位置 での連結フィッティングを含む請求の範囲第１項に記載のカテーテル。 １４．近位端、遠位端、近位端から遠位端へと延びる管腔を有しかつ０．３３〜 ４ｍｍの範囲の内径を有する内側管状部材、 該内側管状部材の上に配置され、かつ近位端及び遠位端を有する編まれた強化層 、ここで、編まれた強化層の遠位端は、内側管状部材の遠位端から近位方向に１ ｃｍ〜１０ｃｍの範囲にて終結している、及び 編まれた強化層の上に形成されかつ内側管状部材の遠位端 から遠位方向に１ｃｍ〜１０ｃｍの範囲の距離にて延びている柔らかい外側層、 ここで該柔らかい外側層は、内側管状部材の管腔に隣接する遠位の管腔を有し、 かつ柔らかい外側層の外径が０．１ｍｍ〜３．６ｍｍの範囲である、 を必須的に有するカテーテル本体。 １５．長さが約４０ｃｍ〜２００ｃｍの範囲である請求の範囲第１４項に記載の カテーテル本体。 １６．内側管状部材が、フルオロカーボン、ポリアミド、ポリオレフィン及びポ リイミドから成る群より選ばれる物質からなる請求の範囲第１４項に記載のカテ ーテル。 １７．内側管状部材がポリテトラフルオロエチレンである請求の範囲第１６項に 記載のカテーテル本体。 １８．編まれた強化層が、内側管状部材の上に形成された少なくとも一つのステ ンレススチールブレイドを含む請求の範囲第１４項に記載のカテーテル本体。 １９．ステンレススチールブレイドの遠位端が、焼きなまされ、そして突出部を 除くためにカットされている請求の範囲第１８項に記載のカテーテル本体。 ２０．柔らかい外側層が３０Ａ〜７２Ｄの範囲の硬度を有 する物質からなる請求の範囲第１４項に記載のカテーテル本体。 ２１．該物質が、ポリエーテルブロックコポリマー、ポリウレタン、シリコーン ゴム、ナイロン、ポリエチレン及びフッ素化炭化水素ポリマーから成る群より選 ばれる請求の範囲第２０項に記載のカテーテル。 ２２．柔らかい外側層が編まれた強化層中に含浸されている請求の範囲第１４項 に記載のカテーテル。 ２３．カテーテルの作成方法であって、 近位端、遠位端及び近位端から遠位端へと延びる管腔を有する内側管状部材を 準備する行程、 内側管状部材の上に、近位端から、遠位端から近位方向に０ｃｍ〜１０ｃｍの 範囲の距離を空けた位置までブレイドを形成する行程、及び 柔らかい外側層を内側管状部材の上に形成しかつその遠位端を越えて遠位方向 に０ｃｍ〜１０ｃｍの範囲の距離にて延ばす行程 を含む作成方法。 ２４．内側管状部材が、内側管状部材の遠位端を越えて延びるマンドレルの上に 配置される請求の範囲第２３項に記載の方法。 ２５．一層の上に一層を重ねた（one-over-one）ステンレススチールブレイドが 内側管状部材の上に形成される請求の範囲第２３項に記載の方法。 ２６．更に、ブレイドの遠位端を焼きなましそして突出部を除くために該遠位端 を横方向にカットする行程を含む請求の範囲第２４項に記載の方法。 ２７．柔らかい層が、熱可塑性プラスチック管をブレイド、内側管状部材及びマ ンドレルの上に配置し、そして熱及び圧力をかけて熱可塑性プラスチックを溶融 しブレイド中に熱可塑性プラスチックを含浸させることにより形成される、請求 の範囲第２３項に記載の方法。 ２８．内側管状部材が、フルオロカーボン、ポリアミド、ポリオレフィン及びポ リイミドから成る群より選ばれる物質からなる請求の範囲第２３項に記載の方法 。 ２９．内側管状部材がポリテトラフルオロエチレンである請求の範囲第２８項に 記載の方法。 ３０．柔らかい外側層が３０Ａ〜７２Ｄの範囲の硬度を有する物質からなる請求 の範囲第２３項に記載の方法。 ３１．該物質が、ポリエーテルブロックコポリマー、ポリ ウレタン、シリコーンゴム、ナイロン、ポリエチレン及びフッ素化炭化水素ポリ マーから成る群より選ばれる請求の範囲第３０項に記載の方法。 ３２．更に、内側管状部材、編まれた強化層及び柔らかい外側層の近位端に連結 フィッティングを取り付ける行程を含む請求の範囲第２３項に記載の方法。 ３３．編まれた強化層が内側管状部材の遠位端から１ｃｍ〜１０ｃｍにて終結し 、そして柔らかい外側層が内側管状部材の遠位端から１ｃｍ〜１０ｃｍにて終結 し、かつ柔らかい外側層が内側管状部材の管腔に隣接する遠位の管腔を有する、 請求の範囲第２３項に記載の方法。 ３４．編まれた強化層が内側管状部材の遠位端にて終結し、そして柔らかい外側 層が編まれた層及び内側管状部材の遠位方向に１ｃｍ〜１０ｃｍの範囲の距離に て延び、かつ柔らかい外側層が内側管状部材の管腔に隣接する遠位の管腔を有す る、請求の範囲第２３項に記載の方法。 ３５．柔らかい外側層が、内側管状部材の遠位端にて終結し、そして編まれた強 化層が柔らかい外側層及び内側管状部材の遠位端から１ｃｍ〜１０ｃｍにて終結 している請求の範囲第２３項に記載の方法。 ３６．柔らかい外側層及び編まれた強化層が、内側管状部材の１ｃｍ以内にて終 結し、かつ編まれた強化層のブレイド特性が、カテーテル本体の近位部分に比べ て、カテーテル本体の遠位の１ｃｍ〜６０ｃｍ以内の可撓性を増加させるように 選ばれる請求の範囲第２３項に記載の方法。