JP2015026417A - 有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびそれを用いた電子機器、並びに、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびそれを用いた電子機器、並びに、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フルカラー表示が可能で、広色再現範囲および視野角特性に優れ、低コストで高精細化可能な有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびそれを用いた電子機器、並びに、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法を提供する。【解決手段】有機EL表示装置10は、第一電極12と第二電極13の間に、有機発光層を少なくとも有する有機層14が挟持されてなる有機EL部15と、有機EL部15からの発光のうち、青色の波長域の光を主に透過する青色カラーフィルター16を有する青色画素部17と、有機EL部15からの発光のうち、緑色の波長域の光を主に透過する緑色カラーフィルター18を有する緑色画素部19と、有機EL部15からの発光のうち、青色の波長域の光および/または緑色の波長域の光を吸収し、赤色の波長域の光を発光する波長変換層20を有する赤色画素部21と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびそれを用いた電子機器、並びに、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法に関する。
有機エレクトロルミネセンス(以下「有機EL」又は「有機LED」とも言う。)ディスプレイは、自発光の点で高画質な映像が得られることから、注目されている。また、有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイとは異なり、高精細化に伴う開口率の減少による消費電力の上昇がないことから、今後、さらなる高精細化が加速するスマートフォン、タブレット端末の分野で、注目されている。
カラー表示可能な有機ELディスプレイを実現するためには、青色、緑色、赤色の光の三原色を発光する画素を作製する必要がある。有機ELディスプレイの場合、一般的に、シャドーマスクを用いたマスク蒸着法により有機発光層を塗り分けることで、赤色、緑色、青色の画素が形成されている。
この従来の画素の形成方法は、マスクの加工精度、マスクのアライメント精度、マスクの大型化などの課題があるだけでなく、マスクの撓みや、熱変形による混色の問題があった。
そのため、有機発光層の塗り分けを行うことなく、カラー表示可能な方法として、白色発光有機ELとカラーフィルターを組み合わせる方法が知られている。
しかしながら、この方法では、カラーフィルターのパターニングだけでカラー表示が可能となるため、高精細化が容易であるものの、白色光を赤色、緑色、青色の発光成分にカラーフィルターで分けるため、消費電力が高くなるという問題があった。
製造が容易で、かつ、高精細化が可能な有機ELディスプレイとしては、青緑色発光の有機ELと、その有機ELからの発光を赤色に変換する波長変換層とを組み合わせたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開2010/084587号パンフレット
しかしながら、青緑色発光の有機ELと、その有機ELからの発光を赤色に変換する波長変換層とを組み合わせた有機ELディスプレイでは、有機ELからの発光をカラーフィルターにより青色画素と、緑色画素とに分けるため、青色画素と緑色画素のそれぞれにおいて、色純度と輝度がトレードオフの関係にある。したがって、この有機ELディスプレイでは、高色再現範囲で、かつ、低消費電力を実現することが難しかった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、フルカラー表示が可能で、広色再現範囲および視野角特性に優れ、低コストで高精細化可能な有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびそれを用いた電子機器、並びに、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置は、第一電極と第二電極の間に、2つの発光成分を有する有機発光層を少なくとも有する有機層が挟持されてなる有機エレクトロルミネッセンス部と、前記有機エレクトロルミネッセンス部からの発光のうち、青色の波長域の光を主に透過する青色カラーフィルターを有する青色画素部と、前記有機エレクトロルミネッセンス部からの発光のうち、緑色の波長域の光を主に透過する緑色カラーフィルターを有する緑色画素部と、前記有機エレクトロルミネッセンス部からの発光のうち、青色の波長域の光および/または緑色の波長域の光を吸収し、赤色の波長域の光を発光する波長変換層を有する赤色画素部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、第一基板上に、前記有機エレクトロルミネッセンス部が設けられ、前記第一基板と前記有機エレクトロルミネッセンス部の間に、前記青色画素部、前記緑色画素部および前記赤色画素部が設けられていてもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、第一基板と第二基板の間に、前記有機エレクトロルミネッセンス部が設けられ、前記第一基板と前記有機エレクトロルミネッセンス部の間に、前記青色画素部、前記緑色画素部および前記赤色画素部が設けられていてもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、第一基板と第二基板の間に、前記有機エレクトロルミネッセンス部が設けられ、前記第二基板と前記有機エレクトロルミネッセンス部の間に、前記青色画素部、前記緑色画素部および前記赤色画素部が設けられていてもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、前記赤色画素部は、さらに、赤色の波長域の光を主に透過する赤色カラーフィルターを有していてもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、前記有機発光層に含まれる2つの発光成分のうち、第一成分のピーク波長の位置が450〜480nm、第二成分のピーク波長の位置が480〜530nmであることが好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、前記第一成分と前記第二成分のピーク波長の差が、20〜80nmであることが好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、前記第一成分と前記第二成分のピーク強度比が、7:3〜5:5であることが好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、前記波長変換層は、表示領域に亘って展開する連続膜であってもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、前記有機エレクトロルミネッセンス部はタンデム構造をなし、かつ、前記第一電極または前記第二電極の一方は反射性の電極であり、前記第一電極または前記第二電極の他方は光透過性の電極であってもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、前記有機エレクトロルミネッセンス部のタンデム構造は、前記有機発光層として、青緑色の波長域の光を発光する有機発光層を有していてもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、前記有機エレクトロルミネッセンス部のタンデム構造は、前記有機発光層として、前記第一成分を含有する第一有機層を有する第一有機エレクトロルミネッセンス部と、前記有機発光層として、前記第二成分を含有する第二有機層を有する第二有機エレクトロルミネッセンス部と、を有していてもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、前記有機エレクトロルミネッセンス部の各画素間に対応した位置に、少なくとも前記有機エレクトロルミネッセンス部からの発光を反射または散乱する隔壁が設けられていてもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、少なくとも前記赤色画素部の周辺に、前記波長変換層からの発光および/または前記有機エレクトロルミネッセンス部からの発光を反射または散乱する隔壁が設けられていてもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、少なくとも光取出し側に配置された基板と前記波長変換層の間に、前記光取出し側に配置された基板の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が設けられていてもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、前記青色画素部および/または前記緑色画素部は、配光変換層を有していてもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、少なくとも前記青色画素部および/または前記緑色画素部に設けられた配光変換層の画素間に、前記有機エレクトロルミネッセンス部からの発光および/または前記有機エレクトロルミネッセンス部からの発光の散乱光を反射または散乱する隔壁が設けられていてもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、光取出し側に配置された基板と前記有機エレクトロルミネッセンス部の間に、前記光取出し側に配置された基板の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が設けられていてもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置において、前記有機エレクトロルミネッセンス部を駆動するアクティブ素子をさらに備えていてもよい。
本発明の電子機器は、本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置を備えたことを特徴とする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法は、第一基板上の青色画素部に青色カラーフィルターを形成するとともに、前記第一基板上の緑色画素部に緑色カラーフィルターを形成する工程と、前記青色カラーフィルターおよび前記緑色カラーフィルター上と、前記第一基板上の赤色画素部とに、波長変換材料を含む波長変換層を形成する工程と、前記波長変換材料が吸収する光を用いて、前記青色カラーフィルターおよび前記緑色カラーフィルター上に形成した前記波長変換層を露光する工程と、前記波長変換層上に、第一電極、2つの発光成分を含む有機発光層を少なくとも有する有機層、および、第二電極をこの順に備えた有機エレクトロルミネッセンス部を形成する工程と、前記第一基板の外周部に、環状の外周封止剤を塗布する工程と、水分および酸素濃度を管理した環境下、前記第一基板と前記第二基板の一次アラインメントを行うとともに、前記第一基板と前記第二基板を貼り合わせて集成体を形成する工程と、前記集成体を、水分および酸素濃度を管理した大気圧の環境に取り出す工程と、前記水分および酸素濃度を管理した大気圧の環境下、前記集成体に紫外線を照射して前記外周封止剤を硬化させる工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法は、第一基板上に、第一電極、2つの発光成分を含む有機発光層を少なくとも有する有機層、および、第二電極をこの順に備えた有機エレクトロルミネッセンス部を形成する工程と、第二基板上の青色画素部に青色カラーフィルターを形成するとともに、前記第二基板上の緑色画素部に緑色カラーフィルターを形成する工程と、前記青色カラーフィルターおよび前記緑色カラーフィルター上と、前記第二基板上の赤色画素部とに、波長変換材料を含む波長変換層を形成する工程と、前記波長変換材料が吸収する光を用いて、前記青色カラーフィルターおよび前記緑色カラーフィルター上に形成した前記波長変換層を露光する工程と、前記有機エレクトロルミネッセンス部が形成された前記第一基板と、前記波長変換層が形成された前記第二基板とを、水分および酸素濃度を管理した環境下に配置する工程と、前記第二基板における、前記波長変換層の外周部に、環状の外周封止剤を塗布する工程と、水分および酸素濃度を管理した環境下、前記第一基板と前記第二基板の一次アラインメントを行うとともに、前記第一基板と前記第二基板を貼り合わせて集成体を形成する工程と、前記集成体を、水分および酸素濃度を管理した大気圧の環境に取り出す工程と、前記水分および酸素濃度を管理した大気圧の環境下、前記集成体に紫外線を照射して前記外周封止剤を硬化させる工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法は、第一基板上の青色画素部に青色カラーフィルターを形成するとともに、前記第一基板上の緑色画素部に緑色カラーフィルターを形成する工程と、前記青色カラーフィルターおよび前記緑色カラーフィルター上と、前記第一基板上の赤色画素部とに、転写法により、波長変換材料を含む波長変換層を形成する工程と、前記波長変換層上に、第一電極、2つの発光成分を含む有機発光層を少なくとも有する有機層、および、第二電極をこの順に備えた有機エレクトロルミネッセンス部を形成する工程と、前記第一基板の外周部に、環状の外周封止剤を塗布する工程と、水分および酸素濃度を管理した環境下、前記第一基板と前記第二基板の一次アラインメントを行うとともに、前記第一基板と前記第二基板を貼り合わせて集成体を形成する工程と、前記集成体を、水分および酸素濃度を管理した大気圧の環境に取り出す工程と、前記水分および酸素濃度を管理した大気圧の環境下、前記集成体に紫外線を照射して前記外周封止剤を硬化させる工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法は、第一基板上に、第一電極、2つの発光成分を含む有機発光層を少なくとも有する有機層、および、第二電極をこの順に備えた有機エレクトロルミネッセンス部を形成する工程と、第二基板上の青色画素部に青色カラーフィルターを形成するとともに、前記第二基板上の緑色画素部に緑色カラーフィルターを形成する工程と、前記青色カラーフィルターおよび前記緑色カラーフィルター上と、前記第二基板上の赤色画素部とに、転写法により、波長変換材料を含む波長変換層を形成する工程と、前記有機エレクトロルミネッセンス部が形成された前記第一基板と、前記波長変換層が形成された前記第二基板とを、水分および酸素濃度を管理した環境下に配置する工程と、前記第二基板における、前記波長変換層の外周部に、環状の外周封止剤を塗布する工程と、水分および酸素濃度を管理した環境下、前記第一基板と前記第二基板の一次アラインメントを行うとともに、前記第一基板と前記第二基板を貼り合わせて集成体を形成する工程と、前記集成体を、水分および酸素濃度を管理した大気圧の環境に取り出す工程と、前記水分および酸素濃度を管理した大気圧の環境下、前記集成体に紫外線を照射して前記外周封止剤を硬化させる工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法において、前記外周封止剤の内部に、充填剤を塗布する工程と、前記第一基板と前記第二基板、または、前記第二基板を真空チャンバ内に移送し、該真空チャンバ内を減圧する工程を備えていてもよい。
本発明によれば、フルカラー表示が可能で、広色再現範囲および視野角特性に優れ、低コストで高精細化可能な有機EL表示装置、および、それを用いた電子機器を提供することができる。
有機EL表示装置の第一実施形態を示す概略断面図である。 有機EL表示装置の第二実施形態を示す概略断面図である。 有機EL表示装置の第三実施形態を示す概略断面図である。 有機EL表示装置の第四実施形態を示す概略断面図である。 有機EL表示装置の第五実施形態を示す概略断面図である。 有機EL表示装置の第六実施形態を示す概略断面図である。 有機EL表示装置の第七実施形態を示す概略断面図である。 有機EL表示装置の第八実施形態を示す概略断面図である。 有機EL表示装置の第九実施形態を示す概略断面図である。 有機EL表示装置の第十実施形態を示す概略断面図である。 有機EL表示装置の第十一実施形態を示す概略断面図である。 有機EL表示装置の第十二実施形態を示す概略断面図である。 第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置の回路構成を示すブロック図である。 第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置の一適用例であるシーリングライトを示す外観図である。 第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置の一適用例である照明スタンドを示す外観図である。 第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置の一適用例である携帯電話を示す外観図である。 第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置の一適用例である薄型テレビを示す外観図である。 第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置の一適用例である携帯型ゲーム機を示す外観図である。 第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置の一適用例であるノートパソコンを示す外観図である。 第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置の一適用例であるタブレット端末を示す外観図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびそれを用いた電子機器、並びに、有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法の実施形態について説明する。
なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をよりよく理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴を分かりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
(1)第一実施形態
図1は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(以下、「有機EL表示装置」と言う。)の第一実施形態を示す概略断面図である。
有機EL表示装置10は、第一基板11と、第一基板11の一方の面11a上に設けられ、第一電極12と第二電極13の間に、有機層14が挟持されてなる有機エレクトロルミネッセンス部(以下、「有機EL部」と言う。)15と、青色カラーフィルター16を有する青色画素部17と、緑色カラーフィルター18を有する緑色画素部19と、波長変換材料を含む波長変換層20を有する赤色画素部21と、第一基板11の一方の面11a上に設けられ、有機EL部15の側面を囲み、画素を区画するエッジカバー(隔壁)22と、エッジカバー22を介して有機EL部15と対向配置された第二基板(封止基板)23とから概略構成されている。
第一基板11の一方の面11a上に設けられた有機EL部15を封止する封止膜24が設けられている。
また、第一基板11の一方の面11a上に設けられた封止膜24を覆うように接着層25が設けられ、この接着層25を介して、第一基板11と第二基板23が接着されている。
また、青色画素部17は波長変換材料を含む波長変換層26を有し、緑色画素部19は波長変換材料を含む波長変換層27を有している。
赤色画素部21は、赤色カラーフィルター28を有している。
また、青色カラーフィルター16と緑色カラーフィルター18との間、緑色カラーフィルター18と赤色カラーフィルター28との間、および、赤色カラーフィルター28と青色カラーフィルター16との間には、光吸収層(低反射層)29が設けられている。
さらに、青色カラーフィルター16と波長変換層26の間、緑色カラーフィルター18と波長変換層27の間、および、赤色カラーフィルター28と波長変換層20との間に、第一基板11の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層30が設けられている。
第一電極12は、第一基板11の一方の面11a側に設けられ、反射電極31と、反射電極31上に設けられた透明電極32とから構成されている。
有機層14は、第一電極12側から第二電極13側に向かって順に積層された、正孔注入層33、正孔輸送層34、有機発光層35、電子輸送層36および電子注入層37から構成されている。
さらに、第一基板11の他方の面11bには、偏光板38が積層されている。
有機EL表示装置10では、有機EL部15からの青緑色の波長域の発光を励起光源とし、青色画素部17においては、有機EL部15からの青緑色の波長域の発光を直接使用し、その青緑色の波長域の発光を、青色の波長域の光を主に透過する青色カラーフィルター16を通すことによって、青色の発光を実現している。また、緑色画素部19においては、有機EL部15からの青緑色の波長域の発光を、緑色の波長域の光を主に透過する緑色カラーフィルター18を通すことによって、緑色の発光を実現している。さらに、赤色画素部21においては、有機EL部15からの青色の波長域の光および/または緑色の波長域の光を吸収し、赤色の波長域の光を発光する波長変換層20を通すことによって、赤色の発光を実現している。
このように、各画素部における三原色の発光を実現することにより、有機EL表示装置10による表示のフルカラー化を実現することができる。
青色画素部17の波長変換層26に含まれる波長変換材料、および、緑色画素部19の波長変換層27に含まれる波長変換材料は、赤色画素部21の波長変換層20に含まれる波長変換材料よりも、有機EL部15からの青緑色の波長域の光(励起光)の吸収率が低くなっているとともに、蛍光強度が低くなっている。これにより、青色画素部17では、励起光である青緑色の波長域の光を透過し、かつ、実質的に赤色の波長域の光を発光しない。また、緑色画素部19では、励起光である青緑色の波長域の光を透過し、かつ、実質的に赤色の波長域の光を発光しない。そして、赤色画素部21では、励起光である青緑色の波長域の光を吸収し、かつ、赤色の波長域の光を発光する。このようにすることにより、有機EL表示装置10によるフルカラー表示が可能となる。
青色画素部17に形成された波長変換層26は、有機EL部15からの青緑色の波長域の励起光のピーク波長に対して、90%以上の透過率を有し、かつ、赤色の波長域の光のピーク強度が、青緑色の波長域の励起光のうち、短波長側のピーク強度に対し1/10以下であることが好ましい。また、緑色画素部19に形成された波長変換層27は、有機EL部15からの青緑色の波長域の励起光のピーク波長に対して、90%以上の透過率を有し、かつ、赤色の波長域の光のピーク強度が、青緑色の波長域の励起光のうち、短波長側のピーク強度に対し1/10以下であることが好ましい。このようにすれば、有機EL部15からの青緑色の波長域の励起光を効率良く、赤色の発光、緑色の発光、青色の発光に、分離、変換することが可能となり、低消費電力化が可能となる。
波長変換層20,26,27の透過率や蛍光強度を調整する方法としては、一般的に、励起状態にある物質が基底状態のときに比べて化学的に活性化され、不安定になる現象を利用する方法が用いられる。この方法によれば、波長変換材料に、その波長変換材料が吸収する光を照射して、波長変換材料を励起状態である、化学的に活性化された不安定な状態にし、波長変換材料の吸収率や蛍光強度を低下させることができる。
有機EL部15を構成する有機発光層35としては、青緑色の波長域の光を発光する燐光材料を含むものを用いることにより、有機EL表示装置10の低消費電力化を図ることができる。特に、有機EL表示装置10のように、有機EL部15からの励起光を用い、その励起光を、波長変換層20,26,27を通すことによって、フルカラー化を行う方式では、励起光源(有機EL部15)の発光効率が、装置全体の消費電力に直結するため、装置の低消費電力化を図るには、蛍光材料の4倍の発光効率を有する燐光材料を波長変換層20,26,27に用いることが非常に有効である。
以下、有機EL表示装置10を構成する各構成部材およびその形成方法について具体的に説明するが、本実施形態はこれら構成部材および形成方法に限定されるものではない。
第一基板11、第二基板23としては、特に限定されるものではないが、従来の有機EL表示装置で使用される基板および封止基板が用いられる。第一基板11、第二基板23としては、例えば、ガラス、石英等からなる無機材料基板、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド等からなるプラスチック基板、アルミナ等からなるセラミックス基板等の絶縁性基板、または、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)等からなる金属基板、または、これらの基板の表面に酸化シリコン(SiO)、有機絶縁材料等からなる絶縁物を表面にコーティングした基板、アルミニウム等からなる金属基板の表面を陽極酸化等の方法で絶縁化処理を施した基板等が挙げられる。これらのなかでも、ストレスなく湾曲部、折り曲げ部を形成することが可能となる点から、プラスチック基板または金属基板を用いることが好ましい。
さらに、プラスチック基板に無機材料をコーティングした基板、金属基板に無機絶縁材料をコーティングした基板が好ましい。このような無機材料をコーティングした基板を用いることにより、プラスチック基板を有機EL表示装置10の基板として用いた場合に最大の問題となる水分の透過による有機EL材料の劣化(有機EL材料は、特に少量の水分に対しても劣化が起こることが知られている。)を解消することが可能となる。また、金属基板を有機EL表示装置10の基板として用いた場合の最大の問題となる、金属基板の突起によるリーク(ショート)(有機層14の膜厚は、100nm〜200nm程度と非常に薄いため、突起による画素部での電流にリーク(ショート)が、顕著に起こることが知られている。)を解消することが可能となる。
また、アクティブマトリックス駆動するためのTFT(駆動素子)を形成する場合には、第一基板11、第二基板23としては、500℃以下の温度で融解せず、歪みも生じない基板を用いることが好ましい。また、一般的な金属基板は、ガラスと熱膨張率が異なるため、従来の生産装置を用いて金属基板上にTFTを形成することは困難であるが、線膨張係数が1×10−5/ ℃ 以下の鉄−ニッケル系合金である金属基板を用いて、線膨張係数をガラスに合わせ込むことにより、金属基板上にTFTを、従来の生産装置を用いて安価に形成することが可能となる。
また、プラスチック基板の場合は、耐熱温度が非常に低いため、ガラス基板上にTFTを形成した後、プラスチック基板にガラス基板上のTFTを転写することにより、プラスチック基板上にTFTを転写形成する。
第一基板11、第二基板23としては、特に制限がなく、上記の基板を用いることができるが、有機EL部15および波長変換層20からの発光を第一基板11側から取り出す場合、第一基板11としては、透明または半透明の基板が用いられる。一方、有機EL部15および波長変換層20からの発光を第二基板23側から取り出す場合、第二基板23としては、透明または半透明の基板が用いられる。
有機EL部15の駆動方法としては、従来のパッシブマトリックス駆動、アクティブマトリックス駆動、および、それらに用いられる従来の材料、プロセス等を用いることができる。
ここで、有機EL部15の駆動方法としては、容易にピーク輝度表示が可能であり、表示品位が優れており、パッシブマトリックス駆動に比べて発光時間を長くすることができ、所望の輝度を得るための駆動電圧を低減することが可能となり、低消費電力化が可能となることから、アクティブマトリックス駆動が好ましい。
第一基板11、第二基板23に形成されるTFTは、有機EL部15を形成する前に、予め第一基板11、第二基板23上に形成され、スイッチング用および駆動用として機能する。
本実施形態におけるTFTとしては、例えば、公知のTFTが挙げられる。また、TFTの代わりに、金属−絶縁体−金属(MIM)ダイオードを用いることもできる。
有機EL表示装置10に用いることが可能なTFTは、公知の材料、構造および形成方法を用いて形成することができる。TFTの活性層の材料としては、例えば、非晶質シリコン(アモルファスシリコン)、多結晶シリコン(ポリシリコン)、微結晶シリコン、セレン化カドミウム等の無機半導体材料、酸化亜鉛、酸化インジウム−酸化ガリウム−酸化亜鉛等の酸化物半導体材料、または、ポリチオフェン誘導体、チオフェンオリゴマー、ポリ(p−フェリレンビニレン)誘導体、ナフタセン、ペンタセン等の有機半導体材料が挙げられる。また、TFTの構造としては、例えば、スタガ型、逆スタガ型、トップゲート型、コプレーナ型等が挙げられる。
TFTを構成する活性層の形成方法としては、(1)プラズマ誘起化学気相成長(PECVD)法により成膜したアモルファスシリコンに不純物をイオンドーピングする方法、(2)シラン(SiH)ガスを用いた減圧化学気相成長(LPCVD)法によりアモルファスシリコンを形成し、固相成長法によりアモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法、(3)Siガスを用いたLPCVD法またはSiHガスを用いたPECVD法によりアモルファスシリコンを形成し、エキシマレーザー等のレーザーによりアニールし、アモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオンドーピングを行う方法(低温プロセス)、(4)LPCVD法またはPECVD法によりポリシリコン層を形成し、1000℃以上で熱酸化することによりゲート絶縁膜を形成し、その上に、nポリシリコンのゲート電極を形成し、その後、イオンドーピングを行う方法(高温プロセス)、(5)有機半導体材料をインクジェット法等により形成する方法、(6)有機半導体材料の単結晶膜を得る方法等が挙げられる。
本実施形態におけるTFTのゲート絶縁膜は、公知の材料を用いて形成することができる。例えば、PECVD法、LPCVD法等により形成されたSiOまたはポリシリコン膜を熱酸化して得られるSiO等が挙げられる。
また、本実施形態におけるTFTの信号電極線、走査電極線、共通電極線、第一駆動電極および第二駆動電極等は、公知の材料を用いて形成することができる。これら信号電極線、走査電極線、共通電極線、第一駆動電極および第二駆動電極等の材料としては、例えば、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等が挙げられる。有機EL表示装置10のTFTは、上記のような構成で形成することができるが、本実施形態は、これらの材料、構造および形成方法に限定されるものではない。
アクティブ駆動型の有機EL表示装置10に用いることが可能な層間絶縁膜は、公知の材料を用いて形成することができる。層間絶縁膜の材料としては、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiNまたはSi)、酸化タンタル(TaOまたはTa)等の無機材料、または、アクリル樹脂、レジスト材料等の有機材料等が挙げられる。
また、層間絶縁膜の形成方法としては、化学気相成長(CVD)法、真空蒸着法等のドライプロセス、スピンコート法等のウエットプロセスが挙げられる。また、必要に応じて、フォトリソグラフィー法等により、層間絶縁膜をパターニングすることもできる。
有機層14からの発光を第二基板23側(第二電極13側)から取り出す場合には、外光が第二基板23上に形成されたTFTに入射して、TFTの特性に変化が生じることを防ぐ目的で、遮光性を兼ね備えた遮光性絶縁膜を形成することが好ましい。また、上記の層間絶縁膜と遮光性絶縁膜を組み合わせて用いることもできる。
遮光性絶縁膜の材料としては、例えば、フタロシアニン、キナクロドン等の顔料または染料をポリイミド等の高分子樹脂に分散したもの、カラーレジスト、ブラックマトリクス材料、NiZnFe等の無機絶縁材料等が挙げられる。しかしながら、本実施形態は、これらの材料および形成方法に限定されるものではない。
有機EL表示装置10をアクティブ駆動型とし、第一基板11または第二基板23上にTFT等を形成した場合には、その表面に凹凸が形成され、この凹凸によって有機EL部15の欠陥(例えば、第一電極12の欠損、有機層14の欠損、第二電極13の断線、第一電極12と第二電極13の短絡、耐圧の低下等)等が発生するおそれがある。これらの欠陥を防止するために、層間絶縁膜上に平坦化膜を設けてもよい。
このような平坦化膜は、公知の材料を用いて形成することができる。平坦化膜の材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化タンタル等の無機材料、ポリイミド、アクリル樹脂、レジスト材料等の有機材料等が挙げられる。平坦化膜の形成方法としては、例えば、CVD法、真空蒸着法等のドライプロセス、スピンコート法等のウエットプロセス等が挙げられるが、本実施形態はこれらの材料および形成方法に限定されるものではない。また、平坦化膜は、単層構造または多層構造のいずれであってもよい。
有機EL部15としては、公知の有機EL部が用いられ、例えば、第一電極12と第二電極13の間に、青緑色の波長域の光を発光する燐光材料を含む有機発光層35を少なくとも有する有機層14が挟持されてなるものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
第一電極(画素電極)12および第二電極(対向電極)13は、有機EL部15の陽極または陰極として対で機能する。つまり、第一電極12を陽極とした場合、第二電極13は陰極となり、第一電極12を陰極とした場合、第二電極13は陽極となる。
第一電極12および第二電極13を形成する電極材料としては、公知の電極材料を用いることができる。
陽極を形成する電極材料としては、有機層14への正孔の注入をより効率よく行う観点から、仕事関数が4.5eV以上の金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)等の金属、および、インジウム(In)と錫(Sn)からなる酸化物(ITO)、錫(Sn)の酸化物(SnO)、インジウム(In)と亜鉛(Zn)からなる酸化物(IZO)等の透明電極材料等が挙げられる。
また、陰極を形成する電極材料としては、有機層14への電子の注入をより効率よく行う観点から、仕事関数が4.5eV以下のリチウム(Li)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、バリウム(Ba)、アルミニウム(Al)等の金属、または、これらの金属を含有するMg:Ag合金、Li:Al合金等の合金が挙げられる。
さらに、陰極としては、仕事関数の低い材料の薄膜(膜厚0.1nm〜5nm程度)と、インジウム(In)と錫(Sn)からなる酸化物(ITO)、錫(Sn)の酸化物(SnO)、インジウム(In)と亜鉛(Zn)からなる酸化物(IZO)等の透明電極材料とを組合せたものを用いることもできるし、また、有機層14を構成する電子輸送層にドナー等をドープすることにより、前記の透明電極材料を直接陰極とすることもできる。
第一電極12および第二電極13は、上記の材料を用いて、例えば、EB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、抵抗加熱蒸着法、イオンビームスパッタ法等の公知の方法により形成することができるが、本実施形態はこれらの形成方法に限定されるものではない。また、必要に応じて、フォトリソグラフフィー法、レーザー剥離法により形成した電極をパターニングすることもでき、シャドーマスクと組み合わせることで直接パターニングした電極を形成することもできる。
第一電極12および第二電極13の膜厚は、50nm以上が好ましい。膜厚が50nm未満の場合には、配線抵抗が高くなることから、駆動電圧の上昇が生じるおそれがある。
第一電極12としては、反射電極31と透明電極32からなり、光を反射する反射率の高い反射電極を用いることが好ましい。
第一電極12を構成する反射電極31としては、例えば、アルミニウム、銀、金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−ネオジウム合金およびアルミニウム−シリコン合金等の反射性金属電極が挙げられる。
第一電極12を構成する透明電極32としては、上記の陽極を形成する電極材料や陰極を形成する電極材料が挙げられる。
有機層14を構成する正孔注入層33、正孔輸送層34、有機発光層35、電子輸送層36および電子注入層37は、それぞれ単層構造または多層構造のいずれであってもよい。
また、正孔注入層33、正孔輸送層34、有機発光層35、電子輸送層36および電子注入層37は、それぞれ有機薄膜または無機薄膜のいずれであってもよい。
なお、有機層14は上記の構成に限定されるものではなく、有機発光層の単層構造であっても、有機発光層と電荷輸送層の多層構造であってもよい。有機層14の構成としては、具体的に、下記のものが挙げられる。
(1)第一電極12と第二電極13の間に、有機発光層のみが設けられた構成
(2)第一電極12側から第二電極13側に向かって、正孔輸送層および有機発光層がこの順に積層された構成
(3)第一電極12側から第二電極13側に向かって、有機発光層および電子輸送層がこの順に積層された構成
(4)第一電極12側から第二電極13側に向かって、正孔輸送層、有機発光層および電子輸送層がこの順に積層された構成
(5)第一電極12側から第二電極13側に向かって、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層および電子輸送層がこの順に積層された構成
(6)第一電極12側から第二電極13側に向かって、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層および電子注入層がこの順に積層された構成
(7)第一電極12側から第二電極13側に向かって、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、正孔防止層および電子輸送層がこの順に積層された構成
(8)第一電極12側から第二電極13側に向かって、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、正孔防止層、電子輸送層および電子注入層がこの順に積層された構成
(9)第一電極12側から第二電極13側に向かって、正孔注入層、正孔輸送層、電子防止層、有機発光層、正孔防止層、電子輸送層および電子注入層がこの順に積層された構成
これら有機発光層、正孔注入層、正孔輸送層、正孔防止層、電子防止層、電子輸送層および電子注入層の各層は、単層構造または多層構造のいずれであってもよい。また、有機発光層、正孔注入層、正孔輸送層、正孔防止層、電子防止層、電子輸送層および電子注入層の各層は、それぞれ有機薄膜または無機薄膜のいずれであってもよい。
電荷注入輸送層は、電荷(正孔、電子)の電極からの注入と発光層への輸送(注入)をより効率よく行う目的で、電荷注入層(正孔注入層33、電子注入層37)と電荷輸送層(正孔輸送層34、電子輸送層36)に分類され、以下に例示する電荷注入輸送材料のみから構成されていてもよく、任意に添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよく、これらの材料が高分子材料(結着用樹脂)または無機材料中に分散された構成であってもよい。
電荷注入輸送材料としては、有機EL素子用、有機光導電体用の公知の電荷注入輸送材料を用いることができる。このような電荷注入輸送材料は、正孔注入輸送材料および電子注入輸送材料に分類され、これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本実施形態はこれらの材料に限定されるものではない。
正孔注入層33および正孔輸送層34の材料としては、公知のものが用いられ、例えば、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等の酸化物、無機p型半導体材料、ポルフィリン化合物、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(α−NPD)等の芳香族第三級アミン化合物、ヒドラゾン化合物、キナクリドン化合物、スチリルアミン化合物等の低分子含窒素化合物、ポリアニリン(PANI)、ポリアニリン−樟脳スルホン酸(PANI−CSA)、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンサルフォネイト(PEDOT/PSS)、ポリ(トリフェニルアミン)誘導体(Poly−TPD)、ポリビニルカルバゾール(PVCz)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)、ポリ(p−ナフタレンビニレン)(PNV)等の高分子化合物等が挙げられる。
正孔注入層33に用いられる正孔注入輸送材料としては、陽極からの正孔の注入および輸送をより効率よく行う観点から、正孔輸送層34に用いられる正孔注入輸送材料よりも、最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギー準位が低い材料を用いることが好ましい。
また、正孔輸送層34に用いられる正孔注入輸送材料としては、正孔注入層33に用いられる正孔注入輸送材料よりも、正孔の移動度が高い材料を用いることが好ましい。
正孔注入層33および正孔輸送層34は、任意に添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよい。
そして、正孔の注入性および輸送性をより向上させるためには、正孔注入層33および正孔輸送層34は、アクセプターを含むことが好ましい。アクセプターとしては、有機EL素子向けの公知のアクセプター材料を用いることができる。これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本実施形態はこれらの材料に限定されるものではない。
アクセプターは、無機材料または有機材料のいずれであってもよい。
無機材料としては、金(Au)、白金(Pt)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)、オキシ塩化リン(POCl)、六フッ化ヒ酸イオン(AsF )、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等が挙げられる。
有機材料としては、7,7,8,8,−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(TCNQF)、テトラシアノエチレン(TCNE)、ヘキサシアノブタジエン(HCNB)、ジシクロジシアノベンゾキノン(DDQ)等のシアノ基を有する化合物、トリニトロフルオレノン(TNF)、ジニトロフルオレノン(DNF)等のニトロ基を有する化合物、フルオラニル、クロラニル、ブロマニル等が挙げられる。
これらの中でも、キャリア濃度を増加させる効果がより高いことから、TCNQ、TCNQF、TCNE、HCNB、DDQ等のシアノ基を有する化合物が好ましい。
有機発光層35は、以下に例示する有機発光材料のみから構成されていてもよく、発光性のドーパントとホスト材料の組み合わせから構成されていてもよく、任意に正孔輸送材料、電子輸送材料、添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよい。また、これらの各材料が高分子材料(結着用樹脂)または無機材料中に分散された構成であってもよい。発光効率および寿命の観点からは、有機発光層35の材質は、ホスト材料中に発光性のドーパントが分散されたものが好ましい。
有機発光材料としては、有機EL素子用の公知の発光材料を用いることができる。
このような発光材料は、低分子発光材料、高分子発光材料等に分類され、これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本実施形態はこれらの材料に限定されるものではない。また、有機発光材料は、蛍光材料、燐光材料等に分類されるものでもよく、低消費電力化の観点から、発光効率の高い燐光材料を用いることが好ましい。
有機発光層35に用いられる低分子発光材料(ホスト材料を含む)としては、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)−ビフェニル(DPVBi)等の芳香族ジメチリデン化合物;5−メチル−2−[2−[4−(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾオキサゾール等のオキサジアゾール化合物;3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)等のトリアゾール誘導体;1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン等のスチリルベンゼン化合物;チオピラジンジオキシド誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノン誘導体等の蛍光性有機材料;アゾメチン亜鉛錯体、(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq)等の蛍光発光有機金属錯体;BeBq(ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体);4,4’−ビス−(2,2−ジ−p−トリル−ビニル)−ビフェニル(DTVBi);トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオノ)(モノフェナントロリン)Eu(III)(Eu(DBM)(Phen));ジフェニルエチレン誘導体;トリス[4−(9−フェニルフルオレン−9−イル)フェニル]アミン(TFTPA)等のトリフェニルアミン誘導体;ジアミノカルバゾール誘導体;ビススチリル誘導体;芳香族ジアミン誘導体;キナクリドン系化合物;ペリレン系化合物;クマリン系化合物;ジスチリルアリーレン誘導体(DPVBi);オリゴチオフェン誘導体(BMA−3T);4,4’−ジ(トリフェニルシリル)−ビフェニル(BSB)、ジフェニル−ジ(o−トリル)シラン(UGH1)、1,4−ビストリフェニルシリルベンゼン(UGH2)、1,3−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン(UGH3)、トリフェニル−(4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル)シラン(TPSi−F)等のシラン誘導体;9,9−ジ(4−ジカルバゾール−ベンジル)フルオレン(CPF)、3,6−ビス(トリフェニルシリル)カルバゾール(mCP)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2’−ジメチルビフェニル(CDBP)、N,N−ジカルバゾリル−3,5−ベンゼン(m−CP)、3−(ジフェニルホスホリル)−9−フェニル−9H−カルバゾール(PPO1)、3,6−ジ(9−カルバゾリル)−9−(2−エチルヘキシル)カルバゾール(TCz1)、9,9’−(5−(トリフェニルシリル)−1,3−フェニレン)ビス(9H−カルバゾール)(SimCP)、ビス(3,5−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)ジフェニルシラン(SimCP2)、3−(ジフェニルホスホリル)−9−(4−ジフェニルホスホリル)フェニル)−9H−カルバゾール(PPO21)、2,2−ビス(4−カルバゾリルフェニル)−1,1−ビフェニル(4CzPBP)、3,6−ビス(ジフェニルホスホリル)−9−フェニル−9H−カルバゾール(PPO2)、9−(4−tert−ブチルフェニル)−3,6−ビス(トリフェニルシリル)−9H−カルバゾール(CzSi)、3,6−ビス[(3,5−ジフェニル)フェニル]−9−フェニル−カルバゾール(CzTP)、9−(4−tert−ブチルフェニル)−3,6−ジトリチル−9H−カルバゾール(CzC)、9−(4−tert−ブチルフェニル)−3,6−ビス(9−(4−メトキシフェニル)−9H−フルオレン−9−イル)−9H−カルバゾール(DFC)、2,2’−ビス(4−カルバゾール−9−イル)フェニル)−ビフェニル(BCBP)、9,9’−((2,6−ジフェニルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジフラン−3,7−ジイル)ビス(4,1−フェニレン))ビス(9H−カルバゾール)(CZBDF)等のカルバゾール誘導体;4−(ジフェニルフォスフォイル)−N,N−ジフェニルアニリン(HM−A1)等のアニリン誘導体;1,3−ビス(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)ベンゼン(mDPFB)、1,4−ビス(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)ベンゼン(pDPFB)、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジメチルフルオレン(DMFL−CBP)、2−[9,9−ジ(4−メチルフェニル)−フルオレン−2−イル]−9,9−ジ(4−メチルフェニル)フルオレン(BDAF)、2−(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9−スピロビフルオレン(BSBF)、9,9−ビス[4−(ピレニル)フェニル]−9H−フルオレン(BPPF)、2,2’−ジピレニル−9,9−スピロビフルオレン(Spiro−Pye)、2,7−ジピレニル−9,9−スピロビフルオレン(2,2’−Spiro−Pye)、2,7−ビス[9,9−ジ(4−メチルフェニル)−フルオレン−2−イル]−9,9−ジ(4−メチルフェニル)フルオレン(TDAF)、2,7−ビス(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9−スピロビフルオレン(TSBF)、9,9−スピロビフルオレン−2−イル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(SPPO1)等のフルオレン誘導体;1,3−ジ(ピレン−1−イル)ベンゼン(m−Bpye)等のピレン誘導体;プロパン−2,2’−ジイルビス(4,1−フェニレン)ジベンゾエ−ト(MMA1)等のベンゾエート誘導体;4,4’−ビス(ジフェニルフォスフィンオキサイド)ビフェニル(PO1)、2,8−ビス(ジフェニルフォスフォリル)ジベンゾ[b,d]チオフェン(PPT)等のフォスフィンオキサイド誘導体;4,4”−ジ(トリフェニルシリル)−p−タ−フェニル(BST)等のタ−フェニル誘導体;2,4−ビス(フェノキシ)−6−(3−メチルジフェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン(BPMT)等トリアジン誘導体等が挙げられる。
有機発光層35に用いられる高分子発光材料としては、ポリ(2−デシルオキシ−1,4−フェニレン)(DO−PPP)、ポリ[2,5−ビス−[2−(N,N,N−トリエチルアンモニウム)エトキシ]−1,4−フェニル−アルト−1,4−フェニルレン]ジブロマイド(PPP−NEt3+)、ポリ[2−(2’−エチルヘキシルオキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)、ポリ[5−メトキシ−(2−プロパノキシサルフォニド)−1,4−フェニレンビニレン](MPS−PPV)、ポリ[2,5−ビス−(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)](CN−PPV)等のポリフェニレンビニレン誘導体;ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)(PDAF)等のポリスピロ誘導体;ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)等のカルバゾール誘導体等が挙げられる。
有機発光材料は、低分子発光材料が好ましく、低消費電力化の観点から、発光効率の高い燐光材料を用いることが好ましい。
有機発光層35に用いられる発光性のドーパントとしては、有機EL素子用の公知のドーパントのうち、2つの発光成分を持つドーパント材料を用いることができる。ここで、2つの発光成分を持つドーパント材料とは、ドーパントの発光スペクトルを各発光成分に分離したとき、2つ以上の成分に分けられるものを意味し、ドーパントの発光スペクトルに2つのピークを有する、ショルダーを持つものとして表される。
ここで、ドーパント材料が有する2つの発光成分のうち、第一成分(短波長側成分)のピーク波長の位置が450〜480nm、第二成分(長波長側成分)のピーク波長の位置が480〜530nmであることが好ましい。
また、第一成分と第二成分のピーク波長の差が、20〜80nmであることが好ましい。
さらに、第一成分と第二成分のピーク強度比が、7:3〜5:5であることが好ましい。
このようにすれば、効率良く波長変換材料を励起可能(波長変換材料を励起するために必要な波長領域に発光の最もエネルギーの高い領域があるため、波長変換材料により、高エネルギーを与えることが可能となるため)で、かつ、青色カラーフィルター、緑色カラーフィルターと組み合わせたとき、高輝度で色純度の優れた発光を取り出すことが可能となる。
このようなドーパントとしては、例えば、青緑色の波長域の光を発光する燐光材料として、ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト]ピコレネート イリジウム(III)(FIrpic)(ピーク波長(強度比):470nm(1)、494nm(0.8))、ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト]−3−(トリフルオロメチル)−5−(ピリジン−2−イル)−1,2,4−トリアゾレート イリジウム(III)(FIrtaz)(ピーク波長(強度比):460nm(1)、489nm(0.84))、ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト]−5−(ピリジン−2−イル)−1H−テトラゾレート イリジウム(III)(FIrN4)(ピーク波長(強度比):459nm(1)、489nm(0.79))、ビス(4’,6’−ジフルオロフェニルポリジナト)テトラキス(1−ピラゾイル)ボレート イリジウム(III)(FIr6)(ピーク波長(強度比):461nm(1)、490nm(0.83))等の有機金属錯体等が挙げられる。
また、上記のドーパントを用いるときのホスト材料としては、上記の低分子発光材料、上記の高分子発光材料、4,4’−ビス(カルバゾール)ビフェニル、3−(2,7−ビス(ジフェニルフォスフォイル)−9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール(PCF)等のカルバゾール誘導体等が挙げられる。
電子輸送層36および電子注入層37の材料としては、例えば、n型半導体である無機材料、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、チオピラジンジオキシド誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノン誘導体、ベンゾジフラン誘導体等の低分子材料;ポリ(オキサジアゾール)(Poly−OXZ)、ポリスチレン誘導体(PSS)等の高分子材料が挙げられる。特に、電子注入層37の材料としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化バリウム(BaF)等のフッ化物、酸化リチウム(LiO)等の酸化物等が挙げられる
電子注入層37の材料としては、陰極からの電子の注入および輸送をより効率よく行う観点から、電子輸送層36の材料よりも最低空分子軌道(LUMO)のエネルギー準位が高い材料を用いることが好ましい。また、電子輸送層36の材料としては、電子注入層37の材料よりも、電子の移動度が高い材料を用いることが好ましい。
また、電子の輸送性および注入性をより向上させるためには、電子輸送層36の材料および電子注入層37の材料は、ドナーを含むことが好ましい。ドナーとしては、有機EL素子用の公知のドナー材料を用いることができる。これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本実施形態はこれらの材料に限定されるものではない。
ドナーは、無機材料または有機材料のいずれであってもよい。
無機材料としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属;希土類元素;アルミニウム(Al);銀(Ag);銅(Cu);インジウム(In)等が挙げられる。
有機材料としては、芳香族3級アミン骨格を有する化合物、フェナントレン、ピレン、ペリレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン等の置換基を有していてもよい縮合多環化合物、テトラチアフルバレン(TTF)類、ジベンゾフラン、フェノチアジン、カルバゾール等が挙げられる。
芳香族3級アミン骨格を有する化合物としては、アニリン類;フェニレンジアミン類;N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン、N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス−(フェニル)−ベンジジン、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン等のベンジジン類;トリフェニルアミン、4,4’4''−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン、4,4’4''−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン、4,4’4''−トリス(N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン等のトリフェニルアミン類;N,N’−ジ−(4−メチル−フェニル)−N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン等のトリフェニルジアミン類等が挙げられる。
上記の縮合多環化合物が「置換基を有する」とは、縮合多環化合物中の1つ以上の水素原子が、水素原子以外の基(置換基)で置換されていることを指し、置換基の数は特に限定されず、全ての水素原子が置換基で置換されていてもよい。そして、置換基の位置も特に限定されない。
置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数6〜15のアリールオキシ基、水酸基、ハロゲン原子等が挙げられる。
アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよい。
直鎖状または分枝鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
環状のアルキル基は、単環状または多環状のいずれであってもよく、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、アルキル基が酸素原子に結合した一価の基が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数が2〜10のアルキル基において、炭素原子間の1つの単結合(C−C)が二重結合(C=C)に置換されたものが挙げられる。
アルケニルオキシ基としては、アルケニル基が酸素原子に結合した一価の基が挙げられる。
アリール基は、単環状または多環状のいずれであってもよく、環員数は特に限定されず、好ましいものとしては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、アリール基が酸素原子に結合した一価の基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
これらのなかでも、ドナーとしては、キャリア濃度を増加させる効果がより高いことから、芳香族3級アミン骨格を有する化合物、置換基を有していてもよい縮合多環化合物、アルカリ金属が好ましい。
正孔注入層33、正孔輸送層34、有機発光層35、電子輸送層36および電子注入層37は、上記の材料を溶剤に溶解、分散させた有機層形成用塗液を用いた、スピンコーティング法、ディッピング法、ドクターブレード法、吐出コート法、スプレーコート法等の塗布法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、マイクログラビアコート法等の印刷法等による公知のウエットプロセスや、上記の材料を用いた、抵抗加熱蒸着法、電子線(EB)蒸着法、分子線エピタキシー(MBE)法、スパッタリング法、有機気相蒸着(OVPD)法等の公知のドライプロセス、または、レーザー転写法等により形成することができる。
なお、ウエットプロセスにより有機層14を構成する各層を形成する場合には、有機層形成用塗液は、レベリング剤、粘度調整剤等の塗液の物性を調整するための添加剤を含んでいてもよい。但し、本実施形態では、有機層14をパターン化する必要がないため、低コストのパターニング方法を取ることができる。
有機層14を構成する各層の膜厚は、通常1nm〜1000nm程度であるが、10nm〜200nmであることが好ましい。
有機層14を構成する各層の膜厚が10nm未満であると、本来必要とされる物性(電荷の注入特性、輸送特性、閉じ込め特性)が得なれない。また、ゴミ等の異物による画素欠陥が生じるおそれがある。一方、有機層14を構成する各層の膜厚が200nmを超えると、有機層14の抵抗成分により駆動電圧が上昇し、結果として、消費電力が上昇する。
エッジカバー22は、少なくとも各画素部間の一部の第一基板11側に形成された第一電極12のエッジ部において、第一電極12と第二電極13の間でリークを起こすことを防止する目的で設けられている。
エッジカバー22は、絶縁材料を用いて、電子線(EB)蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、抵抗加熱蒸着法等の公知の方法により形成することができる。また、エッジカバー22は、公知のドライ法またはウエット法のフォトリソグラフィー法によりパターン化することができる。なお、エッジカバー22の形成方法は、これらの形成方法に限定されるものではない。
また、エッジカバー22を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、公知の材料が用いられる。エッジカバー22を構成する材料としては、光を透過するものが用いられ、例えば、SiO、SiON、SiN、SiOC、SiC、HfSiON、ZrO、HfO、LaO等が挙げられる。
また、エッジカバー22の膜厚は、100nm〜2000nmであることが好ましい。
エッジカバー22の膜厚が100nm未満であると、絶縁性が十分ではなく、第一電極12と第二電極13との間でリークが起こり、消費電力の上昇、非発光の原因となる。一方、エッジカバー22の膜厚が2000nmを超えると、成膜プロセスに時間が掛り、生産性の悪化、エッジカバー22による第二電極13の断線の原因となる。
さらに、本実施形態では、有機EL部15をパターン化していないため、有機EL部15を通して側面方向に導波する発光の損失が存在する。そこで、エッジカバー22としては、第一電極12と第二電極13の間でリークを起こすことを防止するとともに、側面方向への発光の損失を有効利用するために、光反射性または光散乱性の材料を用いることもできる。
光反射性のエッジカバー22としては、アルミニウム、銀等の金属を、シリカ(SiO)等の透明な絶縁性の材料で覆った構造を取ることができる。
光散乱性のエッジカバー22の材料としては、樹脂中に光散乱性粒子を分散したものを用いることが好ましい。また、光散乱性のエッジカバー22によって、青色光が効果的に散乱するためには、光散乱性粒子の粒径がミー散乱の領域にあることが必要であるので、光散乱性粒子の粒径は100nm〜500nm程度が好ましい。
光散乱性粒子として、無機材料により構成された粒子(無機微粒子)を用いる場合には、例えば、シリカビーズ(屈折率:1.44)、アルミナビーズ(屈折率:1.63)、酸化チタンビーズ(屈折率 アナタース型:2.50、ルチル型:2.70)、酸化ジルコニアビーズ(屈折率:2.05)、酸化亜鉛ビーズ(屈折率:2.00)、チタン酸バリウム(BaTiO)(屈折率:2.4)等が挙げられる。
光散乱性粒子として、有機材料により構成された粒子(有機微粒子)を用いる場合には、例えば、ポリメチルメタクリレートビーズ(屈折率:1.49)、アクリルビーズ(屈折率:1.50)、アクリル−スチレン共重合体ビーズ(屈折率:1.54)、メラミンビーズ(屈折率:1.57)、高屈折率メラミンビーズ(屈折率:1.65)、ポリカーボネートビーズ(屈折率:1.57)、スチレンビーズ(屈折率:1.60)、架橋ポリスチレンビーズ(屈折率:1.61)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率:1.60)、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒドビーズ(屈折率:1.68)、シリコーンビーズ(屈折率:1.50)等が挙げられる。
光散乱性粒子と混合して用いる樹脂材料としては、例えば、アクリル樹脂(屈折率:1.49)、メラミン樹脂(屈折率:1.57)、ナイロン(屈折率:1.53)、ポリスチレン(屈折率:1.60)、メラミンビーズ(屈折率:1.57)、ポリカーボネート(屈折率:1.57)、ポリ塩化ビニル(屈折率:1.60)、ポリ塩化ビニリデン(屈折率:1.61)、ポリ酢酸ビニル(屈折率:1.46)、ポリエチレン(屈折率:1.53)、ポリメタクリル酸メチル(屈折率:1.49)、ポリMBS(屈折率:1.54)、中密度ポリエチレン(屈折率:1.53)、高密度ポリエチレン(屈折率:1.54)、テトラフルオロエチレン(屈折率:1.35)、ポリ三フッ化塩化エチレン(屈折率:1.42)、ポリテトラフルオロエチレン(屈折率:1.35)等が挙げられる。
有機EL表示装置10は、駆動するために外部駆動回路(走査線電極回路、データ信号電極回路、電源回路)に電気的に接続される。
ここで、有機EL表示装置10を構成する第一基板11としては、ガラス基板上、より好ましくは、金属基板上、プラスチック基板上、さらに好ましくは、金属基板もしくはプラスチック基板上に絶縁材料をコートした基板が用いられる。
また、有機EL表示装置10は、直接、外部回路に接続され、駆動してもよいし、TFT等のスイッチング回路を画素内に配置し、TFT等が接続される配線に有機EL部15を駆動するための外部駆動回路(走査線電極回路(ソースドライバ)、データ信号電極回路(ゲートドライバ)、電源回路)に電気的に接続されていてもよい。
有機EL表示装置10がアクティブマトリックス駆動型である場合、有機EL表示装置10を構成する有機EL部15に形成されるアクティブ基板は、ガラス基板上、より好ましくは、金属基板上、プラスチック基板上、さらに好ましくは、金属基板もしくはプラスチック基板上に絶縁材料をコートした基板上に、複数の走査信号線、データ信号線、および、走査信号線とデータ信号線との交差部にTFT回路が配置される。
有機EL表示装置10は、電圧駆動デジタル階調方式によって駆動され、画素毎にスイッチング用および駆動用の2つのTFTが配置されている。そして、駆動用のTFTと有機EL部15の第一電極12とが、平坦化層に形成されるコンタクトホールを介して電気的に接続されている。
また、一画素中に、駆動用のTFTのゲート電位を定電位にするためのコンデンサーが、駆動用のTFTのゲート部分に接続されるように配置されている。また、TFT上には、平坦化層が形成されて構成されている。
しかしながら、本実施形態は、これらに限定されるものではなく、上記の電圧駆動デジタル階調方式でもよく、また、電流駆動アナログ階調方式でもよい。また、TFTの数も、特に限定されるものではなく、上記の2つのTFTにより、有機EL部15を駆動してもよいし、TFTの特性(移動度、閾値電圧)のバラツキを防止する目的で、画素内に補償回路を内蔵した2つ以上のTFTを設けて、有機EL部15を駆動してもよい。
赤色画素部21の波長変換層20は、有機EL部15からの励起光(青色の波長域の光および/または緑色の波長域の光)を吸収し、赤色の波長域の光を発光する赤色波長変換層から構成されている。
また、有機EL表示装置10には、必要に応じて、さらに、有機EL部15からの励起光を吸収し、黄色の波長域の光を発光する波長変換層(黄色波長変換層)を有する黄色画素部を設けてもよい。
ここで、黄色画素部からの黄色の波長域の光の色純度を、色度図上において、赤色画素部21からの赤色の波長域の光の色純度の点と、緑色画素部19からの緑色の波長域の光の色純度の点とを結ぶ線より外側にすることにより、有機EL表示装置10は、赤色画素部21および緑色画素部19のみを使用する表示装置よりも色再現範囲をさらに広げることができる。
波長変換層20,26,27は、以下に例示する蛍光体材料のみから構成されていてもよく、任意に添加剤等を含んでいてもよく、これらの材料が高分子材料(結着用樹脂)または無機材料中に分散された構成であってもよい。
波長変換層20,26,27を構成する蛍光体材料としては、公知の蛍光体材料を用いることができる。このような蛍光体材料は、有機系蛍光体材料と無機系蛍光体材料に分類され、これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本実施形態はこれらの材料に限定されるものではない。
特に、有機EL表示装置10が高精細な表示装置である場合には、画素のパターンの幅よりも、波長変換層20の膜厚を薄くする必要がある。
しかしながら、波長変換層20の膜厚を薄くすると、励起光の吸収量が低下し、有機EL部15からの励起光と波長変換層20から赤色が混色し、色純度が低下するため、波長変換層20に含まれる波長変換材料の濃度を上げる必要がある。波長変換材料の濃度を上げると、いわゆる濃度消光による発光効率の低下が起こる。そこで、波長変換層20が、波長変換材料として、光吸収と発光をそれぞれ主に担う2種類の蛍光体材料(第一波長変換材料、第二波長変換材料)を含有することが好ましい。これにより、薄膜で励起光を十分に吸収し、かつ、高発光効率を両立することが可能となる。
すなわち、波長変換層20に含まれる第一波長変換材料が、有機EL部15からの励起光を吸収して励起状態となった場合、第一波長変換材料間でのエネルギー移動よりも、第一波長変換材料から、第一波長変換材料よりもエネルギー準位の低い第二波長変換材料へのエネルギー移動の方が起こりやい。そのため、第一波長変換材料の励起エネルギーは、第一波長変換材料間での移動による消失(濃度消光)を受けずに、ほとんどが第二波長変換材料へ移動し、第二波長変換材料の発光に寄与することができると考えられる。そして、波長変換層20に含まれる第一波長変換材料の濃度を、実質的に濃度消光を起こす高い濃度にすることにより、第一波長変換材料の吸収率を上げることで、第一波長変換材料において、有機EL部15からの励起光を十分に吸収し、第一波長変換材料から第二波長変換材料にエネルギーを移動させる。さらに、波長変換層20に含まれる第二波長変換材料の濃度を、実質的に濃度消光を起こさない低い濃度にすることにより、第二波長変換材料において、第一波長変換材料から移動してきた励起エネルギーを効率よく利用して波長変換を行い、所望の波長域の光を発光することができる。
このようにして、波長変換層20において、薄い膜厚と高い発光効率とを両立することが可能となる。換言すれば、有機EL部15からの励起光を吸収する機能と、所望の波長域の光を発光する機能とを分離し、それぞれの機能を第一波長変換材料と第二波長変換材料に分担させることによって、波長変換層20の膜厚を増加させることなく、波長変換層20において、好適に、高い吸収率と高い発光効率を維持することができる。さらに、第一波長変換材料と第二波長変換材料がともに有機EL部15からの励起光を吸収して励起されてもよい。
ここで、励起光の十分な吸収とは、励起波長における吸収率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
さらに、ここで、波長変換層20が、有機EL部15からの励起光を吸収する蛍光体材料(第一波長変換材料)、および、所望の色(例えば、赤色)を発光する蛍光体材料(第二波長変換材料)を含有することによって、第一波長変換材料が、波長変換層20への入射光を吸収して、そのエネルギーを第二波長変換材料へとエネルギーを移動させ、第二波長変換材料が、第一波長変換材料から、そのエネルギーを受容することにより、波長変換層20が、当初の入射光とは異なるスペクトルの光を放射することができる。
すなわち、第一波長変換材料は、波長変換層20へ入射する有機EL部からの励起光を吸収し、吸収したエネルギーを第二波長変換材料に移動させることできる波長変換材料である。したがって、第一波長変換材料の吸収スペクトルは、有機EL部15からの励起光のスペクトルと重なっていることが好ましい。また、第一波長変換材料の吸収極大と、有機EL部15からの励起光のスペクトルの極大とが一致していることがより好ましい。また、第一波長変換材料の発光スペクトルが、第二波長変換材料の吸収スペクトルと重なっていることが好ましい。さらに、第一波長変換材料の発光スペクトルの極大と、第二波長変換材料の吸収極大とが一致していることがより好ましい。ここで、スペクトルの極大が一致しているとは、極大波長の差が20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
また、第一波長変換材料の吸収ピーク波長の位置は、450nm〜480nm、第二波長変換材料の吸収ピーク波長の位置は、480nm〜530nmであることが好ましい。
また、第一波長変換材料の発光スペクトルの発光ピーク波長の位置は480nm〜530nm、第二波長変換材料の発光スペクトルの発光ピーク波長の位置は580nm〜680nmであることが好ましい。
このようにすれば、第一波長変換材料と第二波長変換材料によって、有機EL部15からの励起光を効率良く吸収する機能と、所望の波長域の光を、高発光効率に発光する機能とを分離することができ、高光吸収・高発光効率の両立を行うことが可能となる。
また、波長変換層20において、有機EL部15からの励起光の吸収と発光とを異なる波長変換材料によって実現することによって、第一波長変換材料による入射光の吸収ピーク波長と、第二波長変換材料による波長変換後の発光ピーク波長との差を大きくすることができる。さらに、有機EL部15からの励起光を吸収する機能と、所望の波長域の光を発光する機能とを分離したことによって、第一波長変換材料および第二波長変換材料として用いる材料の選択肢を広げることができる。
有機系蛍光体材料としては、紫外域の励起光を、青色の波長域の発光に変換する蛍光色素として、スチルベンゼン系色素:1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、トランス−4,4’−ジフェニルスチルベンゼン、クマリン系色素:7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン等が挙げられる。
また、青色〜緑色の波長域の励起光を、赤色の波長域の発光に変換する有機系蛍光色素としては、シアニン系色素:4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチルリル)−4H−ピラン、ピリジン系色素:1−エチル−2−[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジニウム−パークロレート、及びローダミン系色素:ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、ベーシックバイオレット11、スルホローダミン101等が挙げられる。
また、無機系蛍光体材料としては、YS:Eu3+、YAlO:Eu3+、Ca(SiO:Eu3+、LiY(SiO:Eu3+、YVO:Eu3+、CaS:Eu3+、Gd:Eu3+、GdS:Eu3+、Y(P,V)O:Eu3+、MgGeO5.5F:Mn4+、MgGeO:Mn4+、KEu2.5(WO6.25、NaEu2.5(WO6.25、KEu2.5(MoO6.25、NaEu2.5(MoO6.25等が挙げられる。
また、上記無機系蛍光体は、必要に応じて表面改質処理を施してもよく、その方法としては、シランカップリング剤等の化学的処理によるものや、サブミクロンオーダーの微粒子等の添加による物理的処理によるもの、さらにそれらの併用によるもの等が挙げられる。
励起光による劣化、発光による劣化等の安定性を考慮すると、波長変換材料としては、無機系蛍光体材料を用いることが好ましい。
ここで、波長変換材料として、無機系蛍光体材料を用いる場合、その濃度は特に限定されるものではないが、濃度は高い方が、励起光の吸収率、発光効率の点で好ましい。したがって、波長変換材料が無機系蛍光体材料100%から構成されていてもよい。
一方、波長変換材料として、有機系蛍光体材料を用いる場合には、波長変換材料が濃度消光を起こさないことが好ましい。なぜならば、波長変換材料が濃度消光を起こすと、発光効率が低下するからである。
波長変換層20に含まれる波長変換材料の濃度は、実質的に濃度消光を起こさないことを条件として、波長変換層20を構成する材料の総量に対して、好ましくは10質量%以下、より好ましくは0.01〜10質量% 、さらに好ましくは0.1〜5質量%の範囲内である。このような濃度範囲内で波長変換材料を用いることによって、濃度消光を好適に防止することができるとともに、十分な発光効率を好適に得ることができる。
さらに、波長変換層20に、第一波長変換材料と第二波長変換材料を組み合わせて用いる場合には、第一波長変換材料の含有量は、波長変換層20を構成する材料の総量に対して、30〜99.99質量%の範囲内であることが好ましい。このような濃度範囲で第一波長変換材料を用いることによって、有機EL部15からの波長変換層20への入射光を、第一波長変換材料が十分に吸収し、吸収した光エネルギーを、第一波長変換材料から第二波長変換材料に移動することができるとともに、励起光の漏れによる色純度の低下を防止することができる。
また、このような波長変換層20において、所望の波長域の光を発する波長変換材料は第二波長変換材料であるので、波長変換層20に含まれる第二波長変換材料の濃度は、第二波長変換材料が濃度消光を起こさない範囲内であることが好ましい。なぜならば、第二波長変換材料が濃度消光を起こすと、波長変換層20の発光効率が低下するからである。
波長変換層20に含まれる第二波長変換材料の濃度の上限は、実質的に濃度消光を起こさないことを条件として、第一波長変換材料および第二波長変換材料の種類に依存して変化し得る。
一方、波長変換層20に含まれる第二波長変換材料の濃度の下限は、十分な発光強度が得られることを条件として、第一波長変換材料および第二波長変換材料の種類、あるいは、目的とする用途に依存して変化し得る。
波長変換層20に含まれる第二波長変換材料の濃度は、波長変換層20を構成する材料の総量に対して、好ましくは10質量%以下、より好ましくは0.01〜10質量% 、さらに好ましくは0.1〜5質量%の範囲内である。このような濃度範囲内で第二波長変換材料を用いることによって、濃度消光を好適に防止することができるとともに、十分な発光効率を好適に得ることができる。
波長変換層20の膜厚は、通常100nm〜100μm程度であるが、1〜100μmであることが好ましい。
波長変換層20の膜厚が100nm未満であると、有機EL部15からの発光を十分吸収することができないため、発光効率の低下、必要とされる色に励起光が混じることによる色純度の悪化といった問題が生じる。さらに、有機EL部15からの発光の吸収を高め、色純度に悪影響を及ぼさない程度に励起光の透過光を低減するためには、波長変換層20の膜厚が、1μm以上であることが好ましい。一方、波長変換層20の膜厚が100μmを超えると、有機EL部15からの発光を既に十分に吸収することから、発光効率の上昇には繋がらずに、材料を消費するだけに留まり、材料コストの上昇に繋がる。
また、波長変換層20は、上記の蛍光体材料と樹脂材料を溶剤に溶解、分散させた蛍光体層形成用塗液を用いた、スピンコーティング法、ディッピング法、ドクターブレード法、吐出コート法、スプレーコート法等の塗布法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、マイクログラビアコート法等の印刷法等による公知のウエットプロセスや、上記の材料を用いた、抵抗加熱蒸着法、電子線(EB)蒸着法、分子線エピタキシー(MBE)法、スパッタリング法、有機気相蒸着(OVPD)法等の公知のドライプロセス等により形成することができる。さらに、フォトブリーチ法、転写法(レーザー転写法、熱転写法)を用いることにより、低コストで高精細化できる。
本実施形態では、フォトブリーチ法をパターニング方法として用いることにより、赤色画素部21のみに有機EL部15からの発光を励起光とし、赤色の波長域の光を発光する波長変換層20を形成すればよい。すなわち、青色画素部17の波長変換層26と緑色画素部19の波長変換層27を、波長変換層26,27が吸収し、蛍光強度を低下させる波長で露光し、赤色画素部21には、前記の波長の光を遮光するだけの非常にシンプルな方法を適用できるため、露光が1回で済み、かつ、マスクも1枚でよいので、低コストのパターン化が可能となる。
さらに、従来の方法のように緑色と赤色の波長変換層を必要とする場合には、緑色画素部19を、赤色画素部21の波長変換層20の蛍光強度のみを低下させる波長の光で露光する必要があるが、赤色画素部21の波長変換層20の蛍光強度のみを低下させる波長の光によって、緑色画素部19の波長変換層27の蛍光強度も低下させてしまうという問題も本方式では、起こらない。
さらに、フォトブリーチ法では、所望の赤色波長変換材料だけ蛍光強度を低下させ、その他の緑色波長変換材料の蛍光強度を変化させないという必要がなく、完全に蛍光強度を低下させること(なくすこと)が、可能となり、青色画素部17と緑色画素部19において、赤色画素部21の波長変換層20からの発光による色純度の低下をなくすことも可能となる。
本実施形態におけるフォトブリーチ法とは、波長変換層20,26,27を構成する波長変換材料に、紫外線などの波長変換層20,26,27が吸収を持つ波長領域の高エネルギー光(電磁波)を、フォトマスクを用いて照射して、波長変換層20,26,27を部分的に変性することによって、波長変換層20,26,27の蛍光強度(励起光の吸収強度)を低下させる方法である。
なお、波長変換材料の変性とは、色変換色素の分解、酸化、その他の波長変換材料の発光強度が低下(励起光に対する光透過率が低下)する任意の態様(会合体の形成)を含む。特に、本実施形態では、有機EL部15からの励起光による蛍光強度の低下、有機EL部15の発光極大での波長における励起光に対する光透過率が低下を意味する。
波長変換材料を変性させるための光源としては、通常、高圧UVランプ、超高圧UVランプ、低圧UVランプ、Deep UVランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ等のランプが用いられる。
なお、光源の波長は、波長変換材料の吸収波長であればよく、特に限定されるものではなく、波長変換材料の一部または全部を変性できる波長範囲であることが好ましい。
光源の照度は、特に限定されるものではなく、プロセスの時間を短縮するためには大きい方がよいが、露光時に波長変換層と基板の間にカラーフィルター、有機EL部等が設けられている場合、カラーフィルター、有機EL部の劣化を防止する目的で照射強度は、あまり高くない方がよく、10〜100mW/cm程度が好ましい。
波長変換層20,26,27を部分的に変性させる手段として、フォトマスクを用いて、波長変換層20,26,27に高エネルギー光を照射し、色変換色素を部分的に変性させる場合について説明したが、本実施形態では、他の手段を用いてもよい。例えば、波長変換層20,26,27を部分的に変性させる方法としては、照射強度を変化させながら、波長変換層20,26,27の全面に対して電磁波を照射する方法(例えば、白黒ネガフィルムのような部分的に透過度の異なるフィルタを通して電磁波を露光する方法、微小な光源が発する光の照射強度を変化させながら走査させる方法 、マスキングにより部分的に電磁波を照射する方法等)が挙げられる。波長変換層20,26,27を部分的に露光する場合には、例えば、フォトマスクを用いて密着露光したり、投影露光(レンズで集光した光、または、微小な光源から発光する光を用いて部分的に露光する方法、あるいは、これらの方法にフォトマスクを併用する方法等)したりすることによって実施することができる。
また、本実施形態では、少なくとも赤色画素部21に波長変換層20を形成すればよいので、1回の転写で波長変換層20を形成することが可能である。したがって、従来、カラーフィルターの形成、有機ELの発光層の形成で課題となっていた、赤色、緑色、青色の3回のパターニング(転写)に伴う、高コスト、低生産性の課題を克服することができる。
また、波長変換層20,26,27は、前記の高分子樹脂として、感光性の樹脂を用いることにより、フォトリソグラフィー法により、パターン化することができる。
ここで、感光性の樹脂としては、アクリル酸系樹脂、メタクリル酸系樹脂、ポリ桂皮酸ビニル系樹脂、硬ゴム系樹脂等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂(光硬化型レジスト材料)の1種類または複数種類の混合物を用いることができる。
また、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法等ウエットプロセス、シャドーマスクを用いた抵抗加熱蒸着法、電子線(EB)蒸着法、分子線エピタキシー(MBE)法、スパッタリング法、有機気相蒸着(OVPD)法等の公知のドライプロセス、または、レーザー転写法等により蛍光体材料を直接、パターニングすることもできる。
青色カラーフィルター16は、第一基板11と波長変換層26の間に設けられている。また、緑色カラーフィルター18は、第一基板11と波長変換層27の間に設けられている。また、赤色カラーフィルター28は、第一基板11と波長変換層20の間に設けられている。
青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18、赤色カラーフィルター28としては、従来のカラーフィルターを用いることができる。ここで、カラーフィルターを設けることによって、赤色画素部21、緑色画素部19、青色画素部17の色純度を高めることができ、ひいては、有機EL表示装置10の色再現範囲を拡大することができる。
また、波長変換層(青色波長変換層)26上に設けられた青色カラーフィルター16、波長変換層(緑色波長変換層)27上に設けられた緑色カラーフィルター18、波長変換層(赤色波長変換層)20上に設けられた赤色カラーフィルター28は、外光のうち、各波長変換材料を励起する励起光を吸収するため、外光による波長変換層20,26,27の発光を低減・防止することができ、有機EL表示装置10表示のコントラストの低下を低減・防止することができる。一方、青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18および赤色カラーフィルター28によって、波長変換層20,26,27に吸収されず、波長変換層20,26,27を透過する励起光が外部に漏れ出すことを防止できるので、波長変換層20,26,27からの発光と励起光による混色による発光の色純度の低下を防止することができる。
光吸収層(低反射層)29は、第一基板11側において、青色カラーフィルター16と緑色カラーフィルター18との間、緑色カラーフィルター18と赤色カラーフィルター28との間、および、赤色カラーフィルター28と青色カラーフィルター16との間に設けられている。この光吸収層29により、各画素部からの発光が混色するのを防止し、有機EL表示装置10の表示のコントラストを向上することができる。
光吸収層29の膜厚は、通常100nm〜100μm程度であるが、100nm〜10μmであることが好ましい。また、波長変換層20,26,27の側面への発光を効率よく外部に取り出すためには、光吸収層29の膜厚は、波長変換層20,26,27の膜厚よりも薄いことが好ましい。
低屈折率層30は、青色カラーフィルター16と波長変換層26の間、緑色カラーフィルター18と波長変換層27の間、および、赤色カラーフィルター28と波長変換層20との間に設けられている。低屈折率層30の屈折率は、第一基板11の屈折率よりも低くなっている。
これにより、波長変換層20,26,27からの発光が、第一基板11を導波して、第一基板11の側面に導波することによって生じる発光の損失を低減することができる。すなわち、低屈折率層30と第一基板11との屈折率差を利用し、第一基板11から空気層(外部)へ取り出すことができない臨界角以上の光を、波長変換層20,26,27と低屈層30との屈折率差で反射させ、再度、有機EL部15の、半透明電極(第二電極13)または反射電極(第一電極12)で反射させ、その反射光を、第一基板11方向に出射させることにより、第一基板11を導波する発光ロスを低減することができ、有機EL表示装置10の消費電力を低減するとともに、輝度を向上することができる。
さらに、第一基板11と有機EL部15との間、または、青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18および赤色カラーフィルター28と、有機EL部15との間に、第一基板11の屈折率、有機EL部15の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層30を設けることが好ましい。
これにより、有機EL部15からの発光が、第一基板11を導波して、第一基板11の側面に導波することによって生じる発光の損失を低減することができ、有機EL表示装置10の消費電力を低減するとともに、輝度を向上することができる。
低屈折率層30に用いることができる材料としては、特に限定されるものではない。低屈折率層30は、例えば、フッ素系樹脂(Poly(1,1,1,3,3,3−hexafluoroisopropyl acrylate):n=1.375、Poly(2,2,3,3,4,4,4−heptafluorobutyl methacrylate):n=1.383、Poly(2,2,3,3,3−pentafluoroproyl methacrylate):n=1.395、Poly(2,2,2−trifluoroethyl methacrylate):n=1.418、メソポーラスシリカ(n=1.2)、エアロゲル(n=1.05)等の膜で形成されてもよく、第一基板11と有機EL部15との間の空間、または、青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18および赤色カラーフィルター28と、有機EL部15との間の空間に導入されたドライエアー、窒素等の気体で形成されていてもよく、前記の空間を減圧状態にして形成されていてもよい。
青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18、赤色カラーフィルター28、波長変換層20,26,27、有機EL部15などが設けられた第一基板11と、第二基板23とは、公知の封止材料および封止方法によって貼り合わせることができる。
具体的には、青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18、赤色カラーフィルター28、波長変換層20,26,27、有機EL部15などが設けられた第一基板11に、スピンコート法、ODF、ラミレート法等を用いて樹脂を塗布することにより、青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18、赤色カラーフィルター28、波長変換層20,26,27、有機EL部15などを封止する封止膜24を形成した後、スピンコート法、ODF、ラミレート法等を用いて、その封止膜24を覆うように、第一基板11の全面に接着剤を塗布して接着層25を形成し、その接着層25を介して、第一基板11と第二基板23を貼り合わせる。
なお、封止膜24は、第一基板11上に設けられた青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18、赤色カラーフィルター28、波長変換層20,26,27、有機EL部15などを覆うように、プラズマCVD法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、スパッタ法等により、SiO、SiON、SiN等からなる無機膜を形成した後、さらに、その無機膜を覆うように、スピンコート法、ODF、ラミレート法等を用いて樹脂を塗布するか、または、無機膜を覆うように樹脂膜を貼り合わせることによって形成することもできる。
封止膜24により、外部から有機EL部15内へ酸素や水分が混入するのを防止することができ、ひいては、有機EL部15の寿命を向上することができる。
接着層25に用いられる接着剤としては、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等が挙げられる。
また、第一基板11と第二基板23の周縁部に紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等を塗布して、第一基板11と第二基板23を貼り合わせた後、これらの基板の間に、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを封入してもよい。
有機EL表示装置10には、光取り出し側の基板(第一基板11)に偏光板38を設けることが好ましい。
偏光板38としては、従来の直線偏光板とλ/4板とを組み合わせたものが好ましい。偏光板38を設けることによって、有機EL表示装置10の表示のコントラストを向上することができる。
(2)第二実施形態
図2は、有機EL表示装置の第二実施形態を示す概略断面図である。図2において、図1に示した有機EL表示装置10と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の有機EL表示装置40が、上述の第一実施形態の有機EL表示装置10と異なる点は、青色画素部17に波長変換層26の代わりに光散乱層41が設けられ、かつ、緑色画素部19に波長変換層27の代わりに光散乱層41が設けられている点である。
有機EL表示装置40は、マイクロキャビティー構造を有する有機EL部15からの異方性の発光を直接、使用する青色画素部17および緑色画素部19と、波長変換層20からの発光を使用する赤色画素部21との異なる配光特性を有する画素部を備えているので、有機EL部15からの発光と波長変換層20からの発光の配光特性を合わせて、視野角による配光特性のズレによる輝度、色変化を低減するために、青色画素部17および緑色画素部19には光散乱層41が設けられている。
光散乱層41の材料としては、樹脂中に光散乱性粒子を分散したものを用いることが好ましい。光散乱性粒子は、有機材料または無機材料から構成されるが、無機材料から構成されることが好ましい。
これにより、外部(例えば、発光素子)からの指向性を有する光を、より等方的かつ効果的に拡散または散乱させることができる。また、無機材料を使用することにより、光および熱に安定な光散乱層41を形成することができる。また、光散乱性粒子としては、透明度が高いものが好ましい。また、光散乱性粒子としては、低屈折率の母材中に、母材よりも高屈折率の微粒子を分散したものが好ましい。
また、青色の波長域の光が光散乱層41によって効果的に散乱するためには、光散乱性粒子の粒径がミー散乱の領域にあることが必要であるので、光散乱性粒子の粒径は100nm〜500nm程度が好ましい。
光散乱性粒子として、無機材料を用いる場合、その無機材料としては、例えば、ケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、およびアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物を主成分とした粒子(微粒子)等が挙げられる。
また、光散乱性粒子として、無機材料により構成された粒子(無機微粒子)を用いる場合、その無機微粒子としては、例えば、シリカビーズ(屈折率:1.44)、アルミナビーズ(屈折率:1.63)、酸化チタンビーズ(屈折率 アナタース型:2.50、ルチル型:2.70)、酸化ジルコニアビーズ(屈折率:2.05)、酸化亜鉛ビーズ(屈折率:2.00)、チタン酸バリウム(BaTiO)(屈折率:2.4)等が挙げられる。
光散乱性粒子として、有機材料により構成された粒子(有機微粒子)を用いる場合、その有機微粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリレートビーズ(屈折率:1.49)、アクリルビーズ(屈折率:1.50)、アクリル−スチレン共重合体ビーズ(屈折率:1.54)、メラミンビーズ(屈折率:1.57)、高屈折率メラミンビーズ(屈折率:1.65)、ポリカーボネートビーズ(屈折率:1.57)、スチレンビーズ(屈折率:1.60)、架橋ポリスチレンビーズ(屈折率:1.61)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率:1.60)、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒドビーズ(屈折率:1.68)、シリコーンビーズ(屈折率:1.50)等が挙げられる。
光散乱性粒子と混合して用いられる樹脂材料は、透光性の樹脂材料であることが好ましい。樹脂材料としては、例えば、アクリル樹脂(屈折率:1.49)、メラミン樹脂(屈折率:1.57)、ナイロン(屈折率:1.53)、ポリスチレン(屈折率:1.60)、メラミンビーズ(屈折率:1.57)、ポリカーボネート(屈折率:1.57)、ポリ塩化ビニル(屈折率:1.60)、ポリ塩化ビニリデン(屈折率:1.61)、ポリ酢酸ビニル(屈折率:1.46)、ポリエチレン(屈折率:1.53)、ポリメタクリル酸メチル(屈折率:1.49)、ポリMBS(屈折率:1.54)、中密度ポリエチレン(屈折率:1.53)、高密度ポリエチレン(屈折率:1.54)、テトラフルオロエチレン(屈折率:1.35)、ポリ三フッ化塩化エチレン(屈折率:1.42)、ポリテトラフルオロエチレン(屈折率:1.35)等が挙げられる。
(3)第三実施形態
図3は、有機EL表示装置の第三実施形態を示す概略断面図である。図3において、図1に示した有機EL表示装置10および図2に示した有機EL表示装置40と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
有機EL表示装置50は、第一基板11と、第一基板11の一方の面11a上に設けられ、第一電極12と第二電極13の間に、有機層14が挟持されてなる有機EL部15と、接着層25を介して第一基板11と対向配置された第二基板23と、第二基板23の一方の面23a上に設けられ、青色カラーフィルター16を有する青色画素部17、緑色カラーフィルター18を有する緑色画素部19、および、波長変換材料を含む波長変換層20を有する赤色画素部21と、第一基板11の一方の面11a上に設けられ、有機EL部15の側面を囲み、画素を区画するエッジカバー22と、第二基板23の一方の面23a上に設けられ、青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18および赤色カラーフィルター28の側面を囲み、画素を区画するバンク51とから概略構成されている。
第一基板11の一方の面11a上に設けられた有機EL部15を封止する封止膜24が設けられている。
また、第二基板23の一方の面23a上に設けられた青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18および赤色カラーフィルター28を封止するために、波長変換層20を覆うように封止膜24が設けられている。
さらに、第一基板11側の封止膜24と、第二基板23側の封止膜24とが対向するように配置され、これら封止膜24を覆うように設けられた接着層25を介して、第一基板11と第二基板23が接着されている。
また、第二基板23の一方の面23a側には、有機EL表示装置50の表示領域に亘って展開する連続膜からなる波長変換層20が、青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18および赤色カラーフィルター28を覆うように設けられている。
また、青色カラーフィルター16と緑色カラーフィルター18との間、緑色カラーフィルター18と赤色カラーフィルター28との間、および、赤色カラーフィルター28と青色カラーフィルター16との間には、光吸収層(低反射層)29が設けられている。
さらに、青色カラーフィルター16と波長変換層20の間、緑色カラーフィルター18と波長変換層20の間、および、赤色カラーフィルター28と波長変換層20との間に、第二基板23の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層30が設けられている。
第二基板23の他方の面23bには、偏光板38が積層されている。
また、青色画素部17における青色カラーフィルター16上に設けられた低屈折率層30と波長変換層20の間、および、緑色画素部19における緑色カラーフィルター18上に設けられた低屈折率層30と波長変換層20の間に、光散乱層41が設けられている。
第二基板23の一方の面23a上において、青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18および赤色カラーフィルター28の側面を囲み、画素を区画するバンク51を設けることにより、波長変換層20からの等方発光のうち、波長変換層20の側面方向への発光(波長変換層20を通しての導波成分)を防止することができ、所望の画素以外への発光の漏れによる色純度の低下を防止すことができる。さらに、波長変換層20からの発光が、バンク51にて画素内に反射されるので、波長変換層20からの発光を有効利用できるので、有機EL表示装置10の消費電力を低減することができる。
バンク51の材料としては、特に限定されるものではなく、上述のエッジカバー22の材料と同様のものを用いることができる。さらに、バンク51としては、エッジカバー22とは異なり、絶縁性が必要とされないので、金属等の反射膜を用いることもできる。
また、第二基板23の一方の面23a側の封止膜24は、波長変換層20を覆うように設けられるが、波長変換層20の第一基板11と対向する側の面を、封止膜24で平坦化することが好ましい。これにより、有機EL部15が設けられた第一基板11と、波長変換層20が設けられた第二基板23との密着性および接着強度を向上することができる。
(4)第四実施形態
図4は、有機EL表示装置の第四実施形態を示す概略断面図である。図4において、図3に示した有機EL表示装置50と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の有機EL表示装置60が、上述の第三実施形態の有機EL表示装置50と異なる点は、上述の第二実施形態の有機EL表示装置40と同様に、波長変換層20が赤色画素部21のみに設けられている点、青色画素部17に波長変換層20の代わりに光散乱層41が設けられ、かつ、緑色画素部19に波長変換層20の代わりに光散乱層41が設けられている点、第二基板23の一方の面23a上において、青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18および赤色カラーフィルター28を封止するために設けられた封止膜24のうち、バンク51を覆っている部分が、第一基板11の一方の面11a上において、有機EL部15を封止するために設けられた封止膜24に当接するように、接着層25を介して、第一基板11と第二基板23が接着されている点である。
(5)第五実施形態
図5は、有機EL表示装置の第五実施形態を示す概略断面図である。図5において、図3に示した有機EL表示装置50と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の有機EL表示装置70が、上述の第三実施形態の有機EL表示装置50と異なる点は、第一基板11の一方の面11a上に設けられた有機EL部15の第二電極13上であって、第二基板23の一方の面23a上に設けられた青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18および赤色カラーフィルター28に対向する位置に波長変換層20が設けられている点、青色カラーフィルター16および緑色カラーフィルター18上に光散乱層41が設けられている点、第二基板23の一方の面23a上に設けられた封止膜24上であって、青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18および赤色カラーフィルター28のそれぞれに対向する位置に低屈折率層30が設けられている点、第二基板23の一方の面23a上に設けられた封止膜24のうち、バンク51を覆っている部分が、有機EL部15を封止するために設けられた封止膜24に当接するように、接着層25を介して、第一基板11と第二基板23が接着されている点である。
(6)第六実施形態
図6は、有機EL表示装置の第六実施形態を示す概略断面図である。図6において、図3に示した有機EL表示装置50と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の有機EL表示装置80が、上述の第三実施形態の有機EL表示装置50と異なる点は、第一基板11の一方の面11a上に設けられた有機EL部15の第二電極13上であって、第二基板23の一方の面23a上に設けられた赤色カラーフィルター28に対向する位置にのみ波長変換層20が設けられている点、青色カラーフィルター16および緑色カラーフィルター18上に光散乱層41が設けられている点、第二基板23の一方の面23a上に設けられた封止膜24上であって、青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18および赤色カラーフィルター28のそれぞれに対向する位置に低屈折率層30が設けられている点、第二基板23の一方の面23a上に設けられた封止膜24のうち、バンク51を覆っている部分が、有機EL部15を封止するために設けられた封止膜24に当接するように、接着層25を介して、第一基板11と第二基板23が接着されている点である。
(7)第七実施形態
図7は、有機EL表示装置の第七実施形態を示す概略断面図である。図7において、図3に示した有機EL表示装置50と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の有機EL表示装置90が、上述の第三実施形態の有機EL表示装置50と異なる点は、第一基板11の一方の面11a上に設けられた有機EL部15を封止する封止膜24上であって、第二基板23の一方の面23a上に設けられた青色カラーフィルター16、緑色カラーフィルター18および赤色カラーフィルター28に対向する位置に、波長変換層20が設けられている点、その波長変換層20を覆うように、さらに封止膜24が設けられている点、青色カラーフィルター16および緑色カラーフィルター18上に光散乱層41が設けられている点、第二基板23の一方の面23a上に設けられた封止膜24のうち、バンク51を覆っている部分が、波長変換層20を封止するために設けられた封止膜24に当接するように、接着層25を介して、第一基板11と第二基板23が接着されている点である。
(8)第八実施形態
図8は、有機EL表示装置の第八実施形態を示す概略断面図である。図8において、図3に示した有機EL表示装置50と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の有機EL表示装置100が、上述の第三実施形態の有機EL表示装置50と異なる点は、第一基板11の一方の面11a上に設けられた有機EL部15を封止する封止膜24上であって、第二基板23の一方の面23a上に設けられた赤色カラーフィルター28に対向する位置にのみ波長変換層20が設けられている点、その波長変換層20を覆うように、さらに封止膜24が設けられている点、青色カラーフィルター16および緑色カラーフィルター18上に光散乱層41が設けられている点、第二基板23の一方の面23a上に設けられた封止膜24のうち、バンク51を覆っている部分が、波長変換層20を封止するために設けられた封止膜24に当接するように、接着層25を介して、第一基板11と第二基板23が接着されている点である。
(9)第九実施形態
図9は、有機EL表示装置の第九実施形態を示す概略断面図である。図9において、図3に示した有機EL表示装置50と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の有機EL表示装置110が、上述の第三実施形態の有機EL表示装置50と異なる点は、第一基板11の一方の面11a上に、TFT(駆動素子)111が形成されている点である。すなわち、第一基板11の一方の面11aに、ゲート電極112が形成され、このゲート電極112を覆うように第一基板11の一方の面11a上に、ゲート絶縁膜113が形成されている。ゲート絶縁膜113上には、活性層(図示略)が形成され、活性層上にソース電極114、ドレイン電極115および配線116が形成され、これらソース電極114、ドレイン電極115および配線116を覆うように平坦化膜117が形成されている。なお、平坦化膜117は、単層構造でなくてもよく、他の層間絶縁膜と平坦化膜を組み合わせた構成としてもよい。また、平坦化膜もしくは層間絶縁膜を貫通してドレイン電極115に達するコンタクトホール118が形成され、平坦化膜117上にコンタクトホール118を介してドレイン電極115と電気的に接続された有機EL部15の第一電極12が形成されている。
また、本実施形態の有機EL表示装置110が、上述の第三実施形態の有機EL表示装置50と異なる点は、青色カラーフィルター16と波長変換層20の間、および、緑色カラーフィルター18と波長変換層20の間に、低屈折率層が設けられていない点、第一基板11側に設けられた封止膜24と、第二基板23側に設けられた封止膜24との間に充填剤119が充填され、この充填剤119を介して、接着層25により、第一基板11と第二基板23が接着されている点である。
さらに、本実施形態の有機EL表示装置110が、上述の第三実施形態の有機EL表示装置50と異なる点は、有機EL部15の有機層14が、第一基板11側から順に、絶縁層120、正孔注入層33、正孔輸送層34、有機発光層35、正孔防止層121、電子輸送層36、電子注入層37、絶縁層120、正孔注入層33、正孔輸送層34、有機発光層35、正孔防止層121、電子輸送層36、電子注入層37から構成されている点である。
(10)第十実施形態
図10は、有機EL表示装置の第十実施形態を示す概略断面図である。図10において、図3に示した有機EL表示装置50および図9に示した有機EL表示装置110と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の有機EL表示装置130が、上述の第九実施形態の有機EL表示装置110と異なる点は、第二基板23の一方の面23a上に設けられた赤色カラーフィルター28に対向する位置にのみ波長変換層20が設けられている点である。
(11)第十一実施形態
図11は、有機EL表示装置の第十一実施形態を示す概略断面図である。図11において、図3に示した有機EL表示装置50および図9に示した有機EL表示装置110と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の有機EL表示装置140が、上述の第九実施形態の有機EL表示装置110と異なる点は、第二基板23の一方の面23a上に設けられた赤色カラーフィルター28、緑色カラーフィルター18および青色カラーフィルター16に対向する位置であって、第一基板11の一方の面11a上に設けられた有機EL部15を覆うように、波長変換層20が設けられている点、赤色カラーフィルター28、緑色カラーフィルター18および青色カラーフィルター16を覆うように、第二基板23の一方の面23a上に低屈折率層30が設けられている点である。
(12)第十二実施形態
図12は、有機EL表示装置の第十二実施形態を示す概略断面図である。図12において、図3に示した有機EL表示装置50および図9に示した有機EL表示装置110と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の有機EL表示装置150が、上述の第九実施形態の有機EL表示装置110と異なる点は、第二基板23の一方の面23a上に設けられた赤色カラーフィルター28のみに対向する位置であって、第一基板11の一方の面11a上に設けられた有機EL部15を覆うように、波長変換層20が設けられている点、赤色カラーフィルター28、緑色カラーフィルター18および青色カラーフィルター16を覆うように、第二基板23の一方の面23a上に低屈折率層30が設けられている点である。
「有機EL表示装置の回路構成」
図13は、第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置の回路構成を示すブロック図である。
第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置は、図13に示すように、回路構成としてAD変換回路201と、画像処理回路202と、制御回路203と、走査線駆動回路204と、信号線駆動回路205と、電源回路206と、を備えている。
また、液晶セルの画素部207には複数の走査線208と、複数の信号線209と、複数の電源線210と、が備えられている。
さらに、各走査線208、各信号線209および各電源線210に対応する各画素にスイッチングトランジスタ211と、駆動トランジスタ212と、有機EL素子213と、キャパシタ214と、が備えられている。
有機EL素子213を駆動する電源回路206は、走査線駆動回路204により画素部207の走査線208を順次選択し、選択されている走査線208に沿って配置されている各画素に対し、信号線駆動回路205により画素データを書き込む。すなわち、走査線駆動回路204が走査線208を順次駆動し、信号線駆動回路205が信号線209に画素データを出力することで、駆動された走査線208とデータが出力された信号線209との交差する位置に配置された画素が駆動される。
さらに、バックライトユニットを駆動する電源回路206は、画像を表示する間、バックライトユニットを一定の輝度で点灯するために一定の電圧、電流を供給する。さらに、画像と同期してバックライトユニットの輝度をコントロールすることで、低消費電力化が可能となる。
「照明装置」
また、上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置は、えば、図14に示すシーリングライト(照明装置)220にも適用できる。
図14に示すシーリングライト220は、発光部221と、吊下線222と、電源コード223とを備えてなる照明装置である。
シーリングライト220において、発光部221は、上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置のいずれかから構成されている。
本実施形態のシーリングライト220は、上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置を発光部221として備えることにより、発光効率に優れる照明装置となる。
また、上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置は、えば、図15に示す照明スタンド(照明装置)230にも適用できる。
図15に示す照明スタンド230は、発光部231と、スタンド232と、メインスイッチ233と、電源コード234とを備えてなる照明装置である。
照明スタンド230において、発光部231は、上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置のいずれかから構成されている。
本実施形態の照明スタンド230は、上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置を発光部231として備えることにより、発光効率に優れる照明装置となる。
「電子機器」
上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置は、各種電子機器に適用することができる。
以下、上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置を備えた電子機器について、図16〜19を用いて説明する。
上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置は、例えば、図16に示す携帯電話に適用できる。
図16に示す携帯電話240は、音声入力部241、音声出力部242、アンテナ243、操作スイッチ244、表示部245および筐体246等を備えている。
そして、表示部245として上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置を好適に適用できる。上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置を携帯電話240の表示部245に適用することによって、良好な発光効率で映像を表示することができる。
また、上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置は、例えば、図17に示す薄型テレビに適用できる。
図17に示す薄型テレビ250は、表示部251、スピーカ252、キャビネット253およびスタンド254等を備えている。
そして、表示部251として上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置を好適に適用できる。上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置を薄型テレビ250の表示部251に適用することによって、良好な発光効率で映像を表示することができる。
また、上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置は、例えば、図18に示す携帯型ゲーム機に適用できる。
図18に示す携帯型ゲーム機260は、操作ボタン261、262、外部接続端子263、表示部264および筐体265等を備えている。
そして、表示部264として上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置を好適に適用できる。上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置を携帯型ゲーム機260の表示部264に適用することによって、良好な発光効率で映像を表示することができる。
また、上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置は、例えば、図19に示すノートパソコンに適用できる。
図19に示すノートパソコン270は、表示部271、キーボード272、タッチパッド273、メインスイッチ274、カメラ275、記録媒体スロット276および筐体277等を備えている。
そして、表示部271として上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置を好適に適用できる。上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置をノートパソコン270の表示部271に適用することによって、良好な発光効率で映像を表示することができる。
さらに、上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置は、例えば、図20に示すタブレット端末に適用できる。
図20に示すタブレット端末280は、表示部(タッチパネル)281、カメラ282および筐体283等を備えている。
そして、表示部281として上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置を好適に適用できる。上述の第一〜第十二実施形態の有機EL表示装置をタブレット端末280の表示部281に適用することによって、良好な発光効率で映像を表示することができる。
以上、図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されないことは言うまでもない。上記の実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
その他、表示装置、照明装置の各構成要素の形状、数、配置、材料、形成方法等に関する具体的な記載は、上記の実施形態に限定されることなく、適宜変更が可能である
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
基板として、25×25mm角、厚さ0.7mmのガラス基板を用いた。これを水洗した後、純水超音波洗浄を10分、アセトン超音波洗浄を10分、イソプロピルアルコール蒸気洗浄を5分行い、100℃にて1時間乾燥させた。
まず、ガラス基板の一面に、スピンコート法により、黒色隔壁材料(BKレジスト、東京応化社製)を塗布した。
その後、黒色隔壁材料を塗布したガラス基板を、70℃にて15分間プリベークして、膜厚1μmの塗膜を形成した。
次に、その塗膜に、所望の画像パターンが形成できるマスク(画素領域として2mm角の開口部が4ヵ所設けられたもの。)を被せて、塗膜にi線(100mJ/cm)を照射し、露光した。
次に、現像液として炭酸ナトリウム水溶液を用いて、塗膜を現像し、純水でリンス処理を行い、光吸収層(低反射層)を得た。
次に、バンク材料として、エポキシ系樹脂(屈折率:1.59)、アクリル系樹脂(屈折率:1.49)、ルチル型酸化チタン(屈折率:2.71、粒径250nm)、光重合開始剤および芳香族系溶剤からなる白色感光性組成物を攪拌混合して、ポジ型レジストを調製した。
次に、前記のガラス基板の一面上に、スピンコート法により、このポジ型レジストを塗布し、前記の光吸収層上に、膜厚2μmの光反射性バンクを形成した。
次に、前記のバンクによって区画された4ヵ所の領域に、従来の方法により、膜厚1μmの赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、青色カラーフィルター、カラーフィルター未形成領域をパターン形成した。
次に、トルエンに、ポリスチレン樹脂(10g)と、9−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,6,6−テトラメチル−2,3,5,6−テトラヒドロ−1H,4H−11−オキサ−アザ−ベンゾアントラセン−10−ワン(1g)と、ルモーゲンレッド(0.1g)とを溶解し、波長変換層形成用塗液を調製した。
次に、前記のガラス基板のカラーフィルター上に、スピンコート法により、波長変換層形成用塗液を塗布し、膜厚2μmの波長変換層を形成した。
上記プロセスを、ドライエアー中で行った。
次に、上記の波長変換層が形成された基板を、グローブボックス(水分濃度:1ppm以下、酸素濃度:1ppm以下)に移し、80℃にて1時間加熱し、波長変換層中の水分、酸素を除去した。
次に、波長変換層上に、スパッタリング法により、膜厚2μmのSiON膜からなるガスバリア層を形成した。
次に、前記のバンクによって区画された4ヵ所の領域に、シャドーマスクを用いたマスク蒸着法により、第一電極として、膜厚150nmの透明電極IZO(酸化インジウム−酸化亜鉛)をパターン形成した。さらに、スパッタリング法により、膜厚150nmの反射電極Al(アルミニウム)と膜厚180nmの透明電極IZO(酸化インジウム−酸化亜鉛)を積層して形成し、従来のフォトリソグラフィー法により、緑色画素に対応した形状にパターン形成した。これにより、青色画素と緑色画素の透明電極の膜厚を変えることによって、反射電極と半透明電極の間での干渉(マイクロキャビティー)効果による色純度の強調を行うことが可能となる。
ここでは、第一電極の面積を、180μm×540μmとした。また、画素が形成される表示部の上下左右に幅2mmの封止エリアを設け、さらに、短辺側における封止エリアの外に、長さ2mmの端子取出し部を設け、長辺側における折り曲げを行う方に、長さ2mm端子取出し部を設けた。
次に、第一電極上に、スピンコート法により、前記のバンク材料と同様にルチル型酸化チタンを含有する感光性樹脂を、厚さ200nmとなるように積層した後、従来のフォトリソグラフィー法により、第一電極のエッジ部を覆うように感光性樹脂をパターン形成した。ここでは、第一電極のエッジ部を覆う構造としてエッジカバーを形成した。
次に、インライン型抵抗加熱蒸着装置内の基板ホルダーに、この基板を固定し、1×10−4Pa以下の真空まで減圧し、有機層を構成する各層を成膜した。
まず、正孔注入材料として、1,1−ビス−ジ−4−トリルアミノ−フェニル−シクロヘキサン(TAPC)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、第一電極上に、厚さ20nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔輸送材料として、N,N’−di−1−ナフチル−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、正孔注入層上に、厚さ20nmの正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、厚さ20nmの青色有機発光層を形成した。ここでは、真空蒸着法により、1,4−ビス−トリフェニルシリル−ベンゼン(UGH−2)(ホスト材料)とビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト−N,C2’]ピコリネート イリジウム(III)(FIrpic)(青色燐光発光ドーパント)を、それぞれの蒸着速度を1.5Å/sec、0.2Å/secとし、共蒸着することにより、この青色有機発光層を形成した。
次に、青色有機発光層上に、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)を用いて、厚さ10nmの正孔防止層を形成した。
次に、正孔防止層上に、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)を用いて、厚さ10nmの電子輸送層を形成した。
次に、電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を用いて、厚さ0.5nmの電子注入層を形成した。
この後、電子注入層上に、厚さ100nmの第二電極を形成した。ここでは、真空蒸着法により、マグネシウムと銀を、それぞれの蒸着速度を0.1Å/sec、0.9Å/secとし、共蒸着することにより、この第二電極を形成した。
次に、前記の各部位が形成されたガラス基板と、封止用基板とを、貼り合わせ用のグローブボックス内(水分濃度:1ppm以下、酸素濃度:1ppm以下)に搬入した。
次に、封止用基板の外周部に、ディスペンサーを用いて、20μmのスペーサーを分散させた紫外線硬化型接着剤(商品名:30Y−437、スリーボンド社製) を塗布し、外周封止材とした。さらに、その外周封止材の内側において、封止用基板上に乾燥材を張り付けた。
次に、前記の各部位が形成されたガラス基板と、封止基板とを貼り合わせ、外周封止材に、UVランプを用いて紫外線を照射し、外周封止材を硬化させて、外周封止層を形成した。
最後に、第一電極と第二電極のうち、封止用基板からはみ出している部分に配線を施して、外部電源に接続し、実施例1の有機EL表示装置を得た。
ここで、外部電源により、所望の電流を各画素に印加することによって、有機EL表示装置の発光特性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
有機発光層を形成する有機発光材料として、FIrtazを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の有機EL表示装置を作製した。
また、実施例1と同様にして、実施例2の有機EL表示装置の発光特性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
有機発光層を形成する有機発光材料として、FIrN4を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の有機EL表示装置を作製した。
また、実施例1と同様にして、実施例3の有機EL表示装置の発光特性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
有機発光層を形成する有機発光材料として、Fir6を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の有機EL表示装置を作製した。
また、実施例1と同様にして、実施例4の有機EL表示装置の発光特性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
有機発光層を形成する有機発光材料として、Ir(F4ppy)3を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例5の有機EL表示装置を作製した。
また、実施例1と同様にして、実施例5の有機EL表示装置の発光特性を評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
有機発光層を形成する有機発光材料として、4,4’−ビス[2−{4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル}ビニル]ビフェニル(DPAVBi)を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の有機EL表示装置を作製した。
また、実施例1と同様にして、比較例1の有機EL表示装置の発光特性を評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
有機発光層を形成する有機発光材料として、Ir(dfpypy)3を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の有機EL表示装置を作製した。
また、実施例1と同様にして、比較例2の有機EL表示装置の発光特性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例6]
有機EL層を、次のようなタンデム構造としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6の有機EL表示装置を作製した。
また、実施例1と同様にして、実施例6の有機EL表示装置の発光特性を評価した。結果を表1に示す。
正孔輸送材料として、N,N’−di−1−ナフチル−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、厚さ20nmの正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、厚さ20nmの青色有機発光層を形成した。ここでは、真空蒸着法により、1,4−ビス−トリフェニルシリル−ベンゼン(UGH−2)(ホスト材料)と(dfbmb)Ir(fptz)(青色燐光発光ドーパント)を、それぞれの蒸着速度を1.5Å/sec、0.2Å/secとし、共蒸着することにより、この青色有機発光層を形成した。
次に、青色有機発光層上に、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)を用いて、厚さ10nmの正孔防止層を形成した。
次に、正孔防止層上に、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)とリチウム(Li)を用いて、厚さ10nmの電子輸送層を形成した。ここでは、真空蒸着法により、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)とリチウム(Li)を、それぞれの蒸着速度を1.5Å/sec、0.2Å/secとし、共蒸着することにより、この電子輸送層を形成した。
さらに、電子輸送層上に、正孔注入材料として、ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノザリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、厚さ20nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔注入層上に、正孔輸送材料として、N,N’−di−1−ナフチル−N,N’ −ジフェニル−1,1’−ビフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、厚さ20nmの正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、厚さ20nmの青色有機発光層を形成した。ここでは、真空蒸着法により、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)(ホスト材料)とIr(ppy)(緑光発光ドーパント)を、それぞれの蒸着速度を1.5Å/sec、0.2Å/secとし、共蒸着することにより、この青色有機発光層を形成した。
次に、青色有機発光層上に、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)を用いて、厚さ10nmの正孔防止層を形成した。
次に、正孔防止層上に、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)とリチウム(Li)を用いて、厚さ10nmの電子輸送層を形成した。ここでは、真空蒸着法により、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)とリチウム(Li)を、それぞれの蒸着速度を1.5Å/sec、0.2Å/secとし、共蒸着することにより、この電子輸送層を形成した。
Figure 2015026417
[実施例7]
基板として、100×100mm角、厚さ0.7mmのガラス基板を用いた。これを水洗した後、純水超音波洗浄を10分、アセトン超音波洗浄を10分、イソプロピルアルコール蒸気洗浄を5分行い、100℃にて1時間乾燥させた。
まず、ガラス基板の一面に、スピンコート法により、黒色隔壁材料(BKレジスト、東京応化社製)を塗布した。
その後、黒色隔壁材料を塗布したガラス基板を、70℃にて15分間プリベークして、膜厚1μmの塗膜を形成した。
次に、その塗膜に、所望の画像パターンが形成できるマスク(画素ピッチ200μm、線幅20μm)を被せて、塗膜にi線(100mJ/cm)を照射し、露光した。
次に、現像液として炭酸ナトリウム水溶液を用いて、塗膜を現像し、純水でリンス処理を行い、光吸収層(低反射層)を得た。
次に、バンク材料として、エポキシ系樹脂(屈折率:1.59)、アクリル系樹脂(屈折率:1.49)、ルチル型酸化チタン(屈折率:2.71、粒径250nm)、光重合開始剤および芳香族系溶剤からなる白色感光性組成物を攪拌混合して、ポジ型レジストを調製した。
次に、前記のガラス基板の一面上に、スピンコート法により、このポジ型レジストを塗布し、画素ピッチ200μm、線幅20μmでパターン形成し、前記の光吸収層上に、膜厚5μmの光反射性バンクを形成した。
次に、前記のバンクによって区画された領域に、従来の方法により、膜厚1μmの赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、青色カラーフィルターをパターン形成した。
次に、青色画素には青色光散乱層を、緑色画素には緑色光散乱層を形成した。ここで、光散乱層を形成するには、まず、平均粒径1.5μmのシリカ粒子(屈折率:1.65)20gに、水/ジメチルスルホキシド=1/1の混合溶液(300g)に溶解されたポリビニルアルコール30gを加え、分散機により攪拌して、光散乱層形成用塗液を調製した。
次に、前記のガラス基板上の低反射層が形成されていない領域に、スクリーン印刷法により、その光散乱層形成用塗液を塗布した。引き続き、真空オーブンにより、200℃、10mmHgの条件で4時間加熱乾燥し、光散乱層を形成した。
次に、トルエンに、ポリスチレン樹脂(10g)と、9−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,6,6−テトラメチル−2,3,5,6−テトラヒドロ−1H,4H−11−オキサ−アザ−ベンゾアントラセン−10−ワン(1g)と、ルモーゲンレッド(0.1g)とを溶解し、波長変換層形成用塗液を調製した。
次に、前記のガラス基板のカラーフィルター上に、スピンコート法により、波長変換層形成用塗液を塗布し、膜厚2μmの波長変換層を形成した。
次に、青色画素、緑色画素に対応する部分は、光を透過し、赤色画素に対応する部分は遮光するように設計されたフォトマスクを用いて、前記波長変換層に対して、ガラス基板と逆側から超高圧UVランプを照射した。これにより、青色画素、緑色画素においては、波長変換層の青色領域、緑色領域での吸収を低下させ、かつ、赤色波長変換機能を低下させ、赤色発光を非発光に変性させた。これにより、有機EL部からの発光をそのまま効率良く透過させ、かつ、赤色成分の発光の混色による色純度の低下を防止することができた。
上記プロセスは、ドライエアー中で行った。
次に、上記の波長変換層が形成された基板を、グローブボックス(水分濃度:1ppm以下、酸素濃度:1ppm以下)に移し、80℃にて1時間加熱し、波長変換層中の水分、酸素を除去した。
次に、波長変換層上に、スパッタリング法により、膜厚2μmのSiON膜からなるガスバリア層を形成した。
基板として、100×100mm角、厚さ0.7mmのガラス基板を用い、このガラス基板上に、PECVD法により、アモルファスシリコン半導体膜を形成した。
次に、アモルファスシリコン半導体膜の結晶化処理を施すことにより、多結晶シリコン半導体膜を形成した。
次に、フォトリソグラフィー法により、多結晶シリコン半導体膜を複数の島状にパターン形成した。続いて、パターン形成した多結晶シリコン半導体層上に、ゲート絶縁膜およびゲート電極層をこの順番で形成し、フォトリソグラフィー法により、パターン形成を行った。
その後、パターン形成した多結晶シリコン半導体膜に、リン等の不純物元素をドーピングすることにより、ソースおよびドレイン領域を形成し、TFT素子を作製した。
その後、平坦化膜を形成した。平坦化膜としては、PECVD法により形成した窒化シリコン膜、スピンコート法により形成したアクリル系樹脂層を、この順で積層し、形成した。
まず、窒化シリコン膜を形成した後、窒化シリコン膜とゲート絶縁膜とを一括してエッチングすることによりソースおよび/またはドレイン領域に通ずるコンタクトホールを形成し、続いて、ソース配線を形成した。その後、アクリル系樹脂層を形成し、ゲート絶縁膜および窒化シリコン膜に穿孔したドレイン領域のコンタクトホールと同じ位置に、ドレイン領域に通ずるコンタクトホールを形成することにより、アクティブマトリクス基板を得た。
平坦化膜としての機能は、アクリル系樹脂層で実現される。
なお、TFT素子のゲート電位を定電位にするためのコンデンサーは、スイッチング用TFT素子のドレインと、駆動用TFT素子のソースとの間に、層間絶縁膜等の絶縁膜を介することで形成した。
アクティブマトリクス基板上に、平坦化膜を貫通して駆動用TFT素子と、第一電極とをそれぞれ電気的に接続するコンタクトホールを設けた。
次に、各画素を駆動するためのTFT素子と接続した平坦化膜を貫通して設けられたコンタクトホールに電気的に接続するように、スパッタリング法により、各画素の第一電極(陽極)を形成した。
第一電極は、スパッタリング法により、反射電極Al(アルミニウム)を150nmと透明電極IZO(酸化インジウム−酸化亜鉛)を90nmの膜厚で積層して形成し、青色画素、赤色画素に対応した形状に、従来のフォトリソグラフィー法により、パターン形成を行った。
さらに、スパッタリング法により、反射電極Al(アルミニウム)を150nmと透明電極IZO(酸化インジウム−酸化亜鉛)を180nmの膜厚で積層して形成し、緑色画素に対応した形状に、従来のフォトリソグラフィー法により、パターン形成を行った。
これにより、青色画素と緑色画素の透明電極の膜厚を変えることで、反射電極と半透明電極の間での干渉(マイクロキャビティー)効果による色純度の強調を行うことが可能となる。
ここでは、第一電極の面積を、180μm×540μmとした。また、画素が形成される表示部の上下左右に幅2mmの封止エリアを設け、さらに、短辺側における封止エリアの外に、長さ2mmの端子取出し部を設け、長辺側における折り曲げを行う方に、長さ2mm端子取出し部を設けた。
次に、第一電極上に、スピンコート法により、前記のバンク材料と同様にルチル型酸化チタンを含有する感光性樹脂を、厚さ200nmとなるように積層した後、従来のフォトリソグラフィー法により、第一電極のエッジ部を覆うように感光性樹脂をパターン形成した。ここでは、第一電極の端から10μm分だけ4辺を覆う構造としてエッジカバーを形成した。
次に、前記のアクティブ基板を洗浄した。アクティブ基板の洗浄としては、例えば、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)などを用いて、超音波洗浄を10分間行い、続いて、UV−オゾン洗浄を30分間行った。
次に、インライン型抵抗加熱蒸着装置内の基板ホルダーに、この基板を固定し、1×10−4Pa以下の真空まで減圧し、有機層を構成する各層を成膜した。
まず、正孔注入材料として、ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノザリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、第一電極上に、厚さ20nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔輸送材料として、N,N’−di−1−ナフチル−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、正孔注入層上に、厚さ20nmの正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、厚さ20nmの青色有機発光層を形成した。ここでは、真空蒸着法により、1,4−ビス−トリフェニルシリル−ベンゼン(UGH−2)(ホスト材料)とビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト−N,C2’]ピコリネ−ト イリジウム(III)(FIrpic)(青色燐光発光ドーパント)を、それぞれの蒸着速度を1.5Å/sec、0.2Å/secとし、共蒸着することにより、この青色有機発光層を形成した。
次に、青色有機発光層上に、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)を用いて、厚さ10nmの正孔防止層を形成した。
次に、正孔防止層上に、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)とリチウム(Li)を用いて、厚さ10nmの電子輸送層を形成した。ここでは、真空蒸着法により、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)とリチウム(Li)を、それぞれの蒸着速度を1.5Å/sec、0.2Å/secとし、共蒸着することにより、この電子輸送層を形成した。
さらに、電子輸送層上に、正孔注入材料として、ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノザリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、厚さ20nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔注入層上に、正孔輸送材料として、N,N’−di−1−ナフチル−N,N’ −ジフェニル−1,1’−ビフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、厚さ20nmの正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、厚さ20nmの青色有機発光層を形成した。ここでは、真空蒸着法により、1,4−ビス−トリフェニルシリル−ベンゼン(UGH−2)(ホスト材料)とビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト−N,C2’]ピコリネ−ト イリジウム(III)(FIrpic)(青色燐光発光ドーパント)を、それぞれの蒸着速度を1.5Å/sec、0.2Å/secとし、共蒸着することにより、この青色有機発光層を形成した。
次に、青色有機発光層上に、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)を用いて、厚さ10nmの正孔防止層を形成した。
次に、正孔防止層上に、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)とリチウム(Li)を用いて、厚さ10nmの電子輸送層を形成した。ここでは、真空蒸着法により、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)とリチウム(Li)を、それぞれの蒸着速度を1.5Å/sec、0.2Å/secとし、共蒸着することにより、この電子輸送層を形成した。
この後、電子輸送層上に、厚さ100nmの第二電極を形成した。
まず、イオンビームスパッタリング装置の成膜チャンバに、前記の各部位が形成されたガラス基板を固定した。
次に、ターゲットとしてIZO焼結体を用い、成膜条件(プラズマビームパワー:4.0kW、ビーム断面積SB2:12.56cm、ビームエネルギー密度:319W/cm、成膜膜厚:200nm、成膜ガスとして、Ar:20sccm、O:10sccmを導入、ソース材質:IZO(ZnOが10質量%)の焼結体、ソース密度:相対密度99%以上、この材料の真密度は、Inの真密度が7.18g/cm、SnOの真密度が6.95g/cmであるから、7.156g/cmとなる。)で第二電極(透明電極)を形成した。
次に、プラズマCVD法により、膜厚3μmのSiOからなる無機保護層を形成した後、シャドーマスクを用いて、表示部の端から上下左右2mmの封止エリアまで、無機保護層をパターン形成した。
以上により、アクティブ駆動型有機EL基板を作製した。
次に、アクティブ駆動型有機EL基板と、波長変換基板とを、貼り合わせ用のグローブボックス内(水分濃度:1ppm以下、酸素濃度:1ppm以下)に搬入した。
次に、波長変換基板の外周部に、ディスペンサーを用いて、20μmのスペーサーを分散させた紫外線硬化型接着剤(商品名:30Y−437、スリーボンド社製) を塗布し、外周封止材とした。さらに、その外周封止材の中に、ディスペンサーを用いて、充填剤として、透明シリコーン樹脂(商品名:TSE3051、東芝シリコーン社製) を塗布した。
次に、アクティブ駆動型有機EL基板と、波長変換基板とを、真空チャンバ内に移送し、真空チャンバ内を1Paまで減圧した。そして、アライメントマーカーを用いて、一次アライメントを行いながら、アクティブ駆動型有機EL基板と波長変換基板を仮接着し、固定した。
次に、仮接着したアクティブ駆動型有機EL基板と波長変換基板をグローブボックスに移送し、CCDを用いて二次アライメントを行った。
次に、外周封止材に、UVランプを用いて紫外線を照射し、外周封止材を硬化させて、外周封止層を形成した。
次に、80℃にて1時間加熱し、前記の透明シリコーン樹脂をゲル化させた。
次に、光取り出し側の基板に、偏光板を貼り合わせ、アクティブ駆動型有機EL表示装置を得た。
最後に、短辺側に形成した端子を、ソースドライバを介して電源回路に、長辺側に形成した端子を、ゲートドライバを介して外部電源に接続し、80×80mm角の表示部を持つアクティブ駆動型有機EL表示装置を得た。
ここで、外部電源により、所望の電流を各画素に印加することによって、アクティブ駆動型有機EL表示装置の発光特性を評価した。
赤色画素において、青緑色燐光発光有機EL部を任意にスイッチング可能な励起光源として用い、赤色蛍波長変換層にて、青緑色燐光有機EL部からの青色の発光を、マイクロキャビティー効果により青色光から赤色光に変換し、さらに、その赤色光を、赤色カラーフィルターを透過させることによって色純度を向上させることができた。
緑色画素において、青緑色燐光有機EL部からの青色の発光を、マイクロキャビティー効果により青色光から緑色光に変換し、さらに、その緑色光を、緑色カラーフィルターを透過させることによって色純度を向上させることができた。
青色画素において、青緑色燐光有機EL部からの青色の発光を、マイクロキャビティー効果による青色光の発光を、さらに、青色カラーフィルターを透過させることによって色純度を向上させることができた。
また、緑色画素と青色画素では、光散乱層にて、マイクロキャビティー効果による指向性を有する光を等方発光として、フルカラー表示が可能で、広色再現範囲(NTSC比:90%)、視野角特性の良い画像を得ることができた。
[実施例8]
赤色画素に、転写法により、波長変換層を形成したこと以外は、実施例7と同様にして、アクティブ駆動型有機EL表示装置を作製した。
波長変換層の形成では、まず、ガラス基板上に、スパッタリング法により、クロムからなる厚さ200nmの熱変換層を形成し、転写用基板とした。
次に、転写用基板上に、スピンコート法により、実施例1で使用した波長変換層形成用塗液を塗布し、厚さ5μmの波長変換層を形成し、波長変換層形成用の転写用基板を作製した。
次に、カラーフィルターが形成された基板上に、前記の波長変換層形成用の転写基板を配置し、所定の赤色画素上に、ダイオードレーザーにより、赤色波長変換層を転写形成した。
このように作製した有機EL表示装置においてもフルカラー表示が可能で、広色再現範囲(NTSC比:90%)、視野角特性の良い画像を得ることができた。
[実施例9]
基板として、100×100mm角、0.7mm厚のガラス基板を用いた。これを水洗した後、純水超音波洗浄を10分、アセトン超音波洗浄を10分、イソプロピルアルコール蒸気洗浄を5分行い、100℃にて1時間乾燥させた。
まず、ガラス基板の一面に、スピンコート法により、黒色隔壁材料(BKレジスト、東京応化社製)を塗布した。
その後、黒色隔壁材料を塗布したガラス基板を、70℃にて15分間プリベークして、膜厚1μmの塗膜を形成した。
次に、その塗膜に、所望の画像パターンが形成できるマスク(画素ピッチ200μm、線幅20μm)を被せて、塗膜にi線(100mJ/cm)を照射し、露光した。
次に、現像液として炭酸ナトリウム水溶液を用いて、塗膜を現像し、純水でリンス処理を行い、光吸収層(低反射層)を得た。
次に、バンク材料として、エポキシ系樹脂(屈折率:1.59)、アクリル系樹脂(屈折率:1.49)、ルチル型酸化チタン(屈折率:2.71、粒径250nm)、光重合開始剤および芳香族系溶剤からなる白色感光性組成物を攪拌混合して、ポジ型レジストを調製した。
次に、前記のガラス基板の一面上に、スピンコート法により、このポジ型レジストを塗布し、画素ピッチ200μm、線幅20μmでパターン形成し、前記の光吸収層上に、膜厚5μmの光反射性バンクを形成した。
次に、前記のバンクによって区画された領域に、従来の方法により、膜厚1μmの赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、青色カラーフィルターをパタ−ン形成した。
次に、前記の各カラーフィルターが形成されたガラス基板を、グロ−ブボックス(水分濃度:1ppm以下、酸素濃度:1ppm以下)に移し、80℃にて1時間加熱し、各カラーフィルター中の水分、酸素を除去した。
次に、各カラーフィルター上に、スパッタリング法により、膜厚2μmのSiON膜からなるガスバリア層を形成し、カラーフィルター基板を得た。
基板として、100×100mm角、厚さ0.7mmのガラス基板を用い、このガラス基板上に、PECVD法により、アモルファスシリコン半導体膜を形成した。
次に、アモルファスシリコン半導体膜の結晶化処理を施すことにより、多結晶シリコン半導体膜を形成した。
次に、フォトリソグラフィー法により、多結晶シリコン半導体膜を複数の島状にパターン形成した。続いて、パターン形成した多結晶シリコン半導体層上に、ゲート絶縁膜およびゲート電極層をこの順番で形成し、フォトリソグラフィー法により、パターン形成を行った。
その後、パターン形成した多結晶シリコン半導体膜に、リン等の不純物元素をドーピングすることにより、ソースおよびドレイン領域を形成し、TFT素子を作製した。
その後、平坦化膜を形成した。平坦化膜としては、PECVD法により形成した窒化シリコン膜、スピンコート法により形成したアクリル系樹脂層を、この順で積層し、形成した。
まず、窒化シリコン膜を形成した後、窒化シリコン膜とゲート絶縁膜とを一括してエッチングすることによりソースおよび/またはドレイン領域に通ずるコンタクトホールを形成し、続いて、ソース配線を形成した。その後、アクリル系樹脂層を形成し、ゲート絶縁膜および窒化シリコン膜に穿孔したドレイン領域のコンタクトホールと同じ位置に、ドレイン領域に通ずるコンタクトホールを形成することにより、アクティブマトリクス基板を得た。
平坦化膜としての機能は、アクリル系樹脂層で実現される。
なお、TFT素子のゲート電位を定電位にするためのコンデンサーは、スイッチング用TFT素子のドレインと、駆動用TFT素子のソースとの間に、層間絶縁膜等の絶縁膜を介することで形成した。
アクティブマトリクス基板上に、平坦化膜を貫通して駆動用TFT素子と、第一電極とをそれぞれ電気的に接続するコンタクトホールを設けた。
次に、各画素を駆動するためのTFT素子と接続した平坦化膜を貫通して設けられたコンタクトホールに電気的に接続するように、スパッタリング法により、各画素の第一電極(陽極)を形成した。
第一電極は、スパッタリング法により、反射電極Al(アルミニウム)を150nmと透明電極IZO(酸化インジウム−酸化亜鉛)を90nmの膜厚で積層して形成し、青色画素に対応した形状に、従来のフォトリソグラフィー法により、パターン形成を行った。
さらに、スパッタリング法により、反射電極Al(アルミニウム)を150nmと透明電極IZO(酸化インジウム−酸化亜鉛)を180nmの膜厚で積層して形成し、緑色画素、赤色画素に対応した形状に、従来のフォトリソグラフィー法により、パターン形成を行った。
これにより、青色画素と緑色画素の透明電極の膜厚を変えることで、反射電極と半透明電極の間での干渉(マイクロキャビティー)効果による色純度の強調を行うことが可能となる。
ここでは、第一電極の面積を、180μm×540μmとした。また、画素が形成される表示部の上下左右に幅2mmの封止エリアを設け、さらに、短辺側における封止エリアの外に、長さ2mmの端子取出し部を設け、長辺側における折り曲げを行う方に、長さ2mm端子取出し部を設けた。
次に、第一電極上に、スピンコート法により、前記のバンク材料と同様にルチル型酸化チタンを含有する感光性樹脂を、厚さ200nmとなるように積層した後、従来のフォトリソグラフィー法により、第一電極のエッジ部を覆うように感光性樹脂をパターン形成した。ここでは、第一電極の端から10μm分だけ4辺を覆う構造としてエッジカバーを形成した。
次に、前記のアクティブ基板を洗浄した。アクティブ基板の洗浄としては、例えば、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)などを用いて、超音波洗浄を10分間行い、続いて、UV−オゾン洗浄を30分間行った。
次に、インライン型抵抗加熱蒸着装置内の基板ホルダーに、この基板を固定し、1×10−4Pa以下の真空まで減圧し、有機層を構成する各層を成膜した。
まず、正孔注入材料として、ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノザリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、第一電極上に、厚さ20nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔輸送材料として、N,N’−di−1−ナフチル−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、正孔注入層上に、厚さ20nmの正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、厚さ20nmの青色有機発光層を形成した。ここでは、真空蒸着法により、1,4−ビス−トリフェニルシリル−ベンゼン(UGH−2)(ホスト材料)とビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト−N,C2’]ピコリネート イリジウム(III)(FIrpic)(青色燐光発光ドーパント)を、それぞれの蒸着速度を1.5Å/sec、0.2Å/secとし、共蒸着することにより、この青色有機発光層を形成した。
次に、青色有機発光層上に、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)を用いて、厚さ10nmの正孔防止層を形成した。
次に、正孔防止層上に、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)とリチウム(Li)を用いて、厚さ10nmの電子輸送層を形成した。ここでは、真空蒸着法により、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)とリチウム(Li)を、それぞれの蒸着速度を1.5Å/sec、0.2Å/secとし、共蒸着することにより、この電子輸送層を形成した。
さらに、電子輸送層上に、正孔注入材料として、ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノザリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、厚さ20nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔注入層上に、正孔輸送材料として、N,N’−di−1−ナフチル−N,N’ −ジフェニル−1,1’−ビフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、厚さ20nmの正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、厚さ20nmの青色有機発光層を形成した。ここでは、真空蒸着法により、1,4−ビス−トリフェニルシリル−ベンゼン(UGH−2)(ホスト材料)とビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト−N,C2’]ピコリネート イリジウム(III)(FIrpic)(青色燐光発光ドーパント)を、それぞれの蒸着速度を1.5Å/sec、0.2Å/secとし、共蒸着することにより、この青色有機発光層を形成した。
次に、青色有機発光層上に、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)を用いて、厚さ10nmの正孔防止層を形成した。
次に、正孔防止層上に、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)とリチウム(Li)を用いて、厚さ10nmの電子輸送層を形成した。ここでは、真空蒸着法により、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)とリチウム(Li)を、それぞれの蒸着速度を1.5Å/sec、0.2Å/secとし、共蒸着することにより、この電子輸送層を形成した。
この後、電子輸送層上に、厚さ100nmの第二電極を形成した。
まず、イオンビームスパッタリング装置の成膜チャンバに、前記の各部位が形成されたガラス基板を固定した。
次に、ターゲットとしてIZO焼結体を用い、成膜条件(プラズマビームパワー:4.0kW、ビーム断面積SB2:12.56cm、ビームエネルギー密度:319W/cm、成膜膜厚:200nm、成膜ガスとして、Ar:20sccm、O:10sccmを導入、ソース材質:IZO(ZnOが10質量%)の焼結体、ソース密度:相対密度99%以上、この材料の真密度は、Inの真密度が7.18g/cm、SnOの真密度が6.95g/cmであるから、7.156g/cmとなる。)で第二電極(透明電極)を形成した。
次に、プラズマCVD法により、膜厚3μmのSiOからなる無機保護層を形成した後、シャドーマスクを用いて、表示部の端から上下左右2mmの封止エリアまで、無機保護層をパターン形成した。
次に、表示部全体に、抵抗加熱蒸着法により、クマリン6と4−(ジシアノメチレン)−2−ターシャリーブチル−6−(1,1,7,7,−テトラメチルジュノリジン(DCJTB)を、それぞれの蒸着速度を10nm/sec、0.5nm/secとし、共蒸着することにより、厚さ400nmの波長変換層を形成した。
次に、青色画素、緑色画素に対応する部分は、光を透過し、赤色画素に対応する部分は遮光するように設計されたフォトマスクを用いて、前記波長変換層に対して、ガラス基板と逆側から超高圧UVランプを照射した。これにより青色画素、緑色画素においては、波長変換層の青色領域、緑色領域での吸収を低下させ、かつ、赤色波長変換機能を低下させ、赤色発光を非発光に変性させた。これにより、有機EL部からの発光をそのまま効率良く透過させ、かつ、赤色成分の発光の混色による色純度の低下を防止することができた。
以上により、アクティブ駆動型有機EL基板を作製した。
次に、アクティブ駆動型有機EL基板と、波長変換基板とを、貼り合わせ用のグローブボックス内(水分濃度:1ppm以下、酸素濃度:1ppm以下)に搬入した。
次に、アクティブ駆動型有機EL基板と、波長変換基板とを、表示部の外に形成されている位置合わせマーカーにより位置合わせを行った。
なお、アクティブ駆動型有機EL基板の外周部には、予め熱硬化性樹脂が塗布されており、その熱硬化性樹脂を介して両基板を密着し、90℃にて2時間加熱することにより、熱硬化性樹脂を硬化させた。また、前記の貼り合わせ工程は、有機層の水分による劣化を防止するために、ドライエアー環境下(水分量:−60℃)で行った。
次に、光取り出し側の基板に、偏光板を貼り合わせ、アクティブ駆動型有機EL表示装置を得た。
最後に、短辺側に形成した端子を、ソースドライバを介して電源回路に、長辺側に形成した端子を、ゲートドライバを介して外部電源に接続し、80×80mm角の表示部を持つアクティブ駆動型有機EL表示装置を得た。
ここで、外部電源により、所望の電流を各画素に印加することによって、アクティブ駆動型有機EL表示装置の発光特性を評価した。
赤色画素において、青緑色燐光発光有機EL部を任意にスイッチング可能な励起光源として用い、赤色蛍波長変換層にて、青緑色燐光有機EL部からの緑色の発光を、マイクロキャビティー効果により緑色光から赤色光に変換し、さらに、その赤色光を、赤色カラーフィルターを透過させることによって色純度を向上させることができた。
緑色画素において、青緑色燐光有機EL部からの緑色の発光を、マイクロキャビティー効果による緑色光を、さらに、緑色カラーフィルターを透過させることによって色純度を向上させることができた。
青色画素において、青緑色燐光有機EL部からの青色の発光を、マイクロキャビティー効果による青色光を、さらに、青色カラーフィルターを透過させることによって色純度を向上させることができた。
また、緑色画素と青色画素では、光散乱層にて、マイクロキャビティー効果による指向性を有する光を等方発光として、フルカラー表示が可能で、広色再現範囲(NTSC比:90%)、視野角特性の良い画像を得ることができた。
[実施例10]
赤色画素に、転写法により、波長変換層を形成したこと以外は、実施例9と同様にして、アクティブ駆動型有機EL表示装置を作製した。
波長変換層の形成では、まず、ガラス基板上に、スパッタリング法により、クロムからなる厚さ200nmの熱変換層を形成し、転写用基板とした。
次に、転写用基板上に、抵抗加熱蒸着法により、クマリン6と4−(ジシアノメチレン)−2−ターシャリーブチル−6−(1,1,7,7,−テトラメチルジュノリジン(DCJTB)を、それぞれの蒸着速度を10nm/sec、0.5nm/secとし、共蒸着することにより、厚さ400nmの波長変換層を形成し、波長変換層形成用の転写用基板を作製した。
次に、カラーフィルターが形成された基板上に、前記の波長変換層形成用の転写基板を配置し、所定の赤色画素上に、ダイオードレーザーにより、赤色波長変換層を転写形成した。
このように作製した有機EL表示装置においてもフルカラー表示が可能で、広色再現範囲(NTSC比:92%)、視野角特性の良い画像を得ることができた。
本発明は、有機EL表示装置に適用することができる。
10 有機EL表示装置
11 第一基板
12 第一電極
13 第二電極
14 有機層
15 有機エレクトロルミネッセンス部(有機EL部)
16 青色カラーフィルター
17 青色画素部
18 緑色カラーフィルター
19 緑色画素部
20 波長変換層
21 赤色画素部
22 エッジカバー(隔壁)
23 第二基板
24 封止膜
25 接着層
26 波長変換層
27 波長変換層
28 赤色カラーフィルター
29 光吸収層(低反射層)
30 低屈折率層
31 反射電極
32 透明電極
33 正孔注入層
34 正孔輸送層
35 有機発光層
36 電子輸送層
37 電子注入層
38 偏光板
40 有機EL表示装置
41 光散乱層
50 有機EL表示装置
51 バンク
60 有機EL表示装置
70 有機EL表示装置
80 有機EL表示装置
90 有機EL表示装置
100 有機EL表示装置
110 有機EL表示装置
111 TFT(駆動素子)
112 ゲート電極
113 ゲート絶縁膜
114 ソース電極
115 ドレイン電極
116 配線
117 平坦化膜
118 コンタクトホール
119 充填剤
120 絶縁層
121 正孔防止層
130 有機EL表示装置
140 有機EL表示装置
201 AD変換回路
202 画像処理回路
203 制御回路
204 走査線駆動回路
205 信号線駆動回路
206 電源回路
207 画素部
208 走査線
209 信号線
210 電源線
211 スイッチングトランジスタ
212 駆動トランジスタ
213 有機EL素子
214 キャパシタ
220 シーリングライト(照明装置)
221 発光部
222 吊下線
223 電源コード
230 照明スタンド(照明装置)
231 発光部
232 スタンド
233 メインスイッチ
234 電源コード
240 携帯電話
241 音声入力部
242 音声出力部
243 アンテナ
244 操作スイッチ
245 表示部
246 筐体
250 薄型テレビ
251 表示部
252 スピーカ
253 キャビネット
254 スタンド
260 携帯型ゲーム機
261,262 操作ボタン
263 外部接続端子
264 表示部
265 筐体
270 ノートパソコン
271 表示部
272 キーボード
273 タッチパッド
274 メインスイッチ
275 カメラ
276 記録媒体スロット
277 筐体
280 タブレット端末
281 表示部(タッチパネル)
282 カメラ
283 筐体

Claims (25)

  1. 第一電極と第二電極の間に、2つの発光成分を有する有機発光層を少なくとも有する有機層が挟持されてなる有機エレクトロルミネッセンス部と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス部からの発光のうち、青色の波長域の光を主に透過する青色カラーフィルターを有する青色画素部と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス部からの発光のうち、緑色の波長域の光を主に透過する緑色カラーフィルターを有する緑色画素部と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス部からの発光のうち、青色の波長域の光および/または緑色の波長域の光を吸収し、赤色の波長域の光を発光する波長変換層を有する赤色画素部と、を備えたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  2. 第一基板上に、前記有機エレクトロルミネッセンス部が設けられ、
    前記第一基板と前記有機エレクトロルミネッセンス部の間に、前記青色画素部、前記緑色画素部および前記赤色画素部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  3. 第一基板と第二基板の間に、前記有機エレクトロルミネッセンス部が設けられ、
    前記第一基板と前記有機エレクトロルミネッセンス部の間に、前記青色画素部、前記緑色画素部および前記赤色画素部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  4. 第一基板と第二基板の間に、前記有機エレクトロルミネッセンス部が設けられ、
    前記第二基板と前記有機エレクトロルミネッセンス部の間に、前記青色画素部、前記緑色画素部および前記赤色画素部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  5. 前記赤色画素部は、さらに、赤色の波長域の光を主に透過する赤色カラーフィルターを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  6. 前記有機発光層に含まれる2つの発光成分のうち、第一成分のピーク波長の位置が450〜480nm、第二成分のピーク波長の位置が480〜530nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  7. 前記第一成分と前記第二成分のピーク波長の差が、20〜80nmであることを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  8. 前記第一成分と前記第二成分のピーク強度比が、7:3〜5:5であることを特徴とする請求項6または7に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  9. 前記波長変換層は、表示領域に亘って展開する連続膜からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  10. 前記有機エレクトロルミネッセンス部はタンデム構造をなし、かつ、前記第一電極または前記第二電極の一方は反射性の電極であり、前記第一電極または前記第二電極の他方は光透過性の電極であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  11. 前記有機エレクトロルミネッセンス部のタンデム構造は、前記有機発光層として、青緑色の波長域の光を発光する有機発光層を有することを特徴とする請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  12. 前記有機エレクトロルミネッセンス部のタンデム構造は、前記有機発光層として、前記第一成分を含有する第一有機層を有する第一有機エレクトロルミネッセンス部と、前記有機発光層として、前記第二成分を含有する第二有機層を有する第二有機エレクトロルミネッセンス部と、を有することを特徴とする請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  13. 前記有機エレクトロルミネッセンス部の各画素間に対応した位置に、少なくとも前記有機エレクトロルミネッセンス部からの発光を反射または散乱する隔壁が設けられたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  14. 少なくとも前記赤色画素部の周辺に、前記波長変換層からの発光および/または前記有機エレクトロルミネッセンス部からの発光を反射または散乱する隔壁が設けられたことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  15. 少なくとも光取出し側に配置された基板と前記波長変換層の間に、前記光取出し側に配置された基板の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が設けられたことを特徴とする請求項2〜14のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  16. 前記青色画素部および/または前記緑色画素部は、配光変換層を有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  17. 少なくとも前記青色画素部および/または前記緑色画素部に設けられた配光変換層の画素間に、前記有機エレクトロルミネッセンス部からの発光および/または前記有機エレクトロルミネッセンス部からの発光の散乱光を反射または散乱する隔壁が設けられたことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  18. 光取出し側に配置された基板と前記有機エレクトロルミネッセンス部の間に、前記光取出し側に配置された基板の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が設けられたことを特徴とする請求項17に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  19. 前記有機エレクトロルミネッセンス部を駆動するアクティブ素子をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
  21. 第一基板上の青色画素部に青色カラーフィルターを形成するとともに、前記第一基板上の緑色画素部に緑色カラーフィルターを形成する工程と、
    前記青色カラーフィルターおよび前記緑色カラーフィルター上と、前記第一基板上の赤色画素部とに、波長変換材料を含む波長変換層を形成する工程と、
    前記波長変換材料が吸収する光を用いて、前記青色カラーフィルターおよび前記緑色カラーフィルター上に形成した前記波長変換層を露光する工程と、
    前記波長変換層上に、第一電極、2つの発光成分を含む有機発光層を少なくとも有する有機層、および、第二電極をこの順に備えた有機エレクトロルミネッセンス部を形成する工程と、
    前記第一基板の外周部に、環状の外周封止剤を塗布する工程と、
    水分および酸素濃度を管理した環境下、前記第一基板と前記第二基板の一次アラインメントを行うとともに、前記第一基板と前記第二基板を貼り合わせて集成体を形成する工程と、
    前記集成体を、水分および酸素濃度を管理した大気圧の環境に取り出す工程と、
    前記水分および酸素濃度を管理した大気圧の環境下、前記集成体に紫外線を照射して前記外周封止剤を硬化させる工程と、
    を備えたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  22. 第一基板上に、第一電極、2つの発光成分を含む有機発光層を少なくとも有する有機層、および、第二電極をこの順に備えた有機エレクトロルミネッセンス部を形成する工程と、
    第二基板上の青色画素部に青色カラーフィルターを形成するとともに、前記第二基板上の緑色画素部に緑色カラーフィルターを形成する工程と、
    前記青色カラーフィルターおよび前記緑色カラーフィルター上と、前記第二基板上の赤色画素部とに、波長変換材料を含む波長変換層を形成する工程と、
    前記波長変換材料が吸収する光を用いて、前記青色カラーフィルターおよび前記緑色カラーフィルター上に形成した前記波長変換層を露光する工程と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス部が形成された前記第一基板と、前記波長変換層が形成された前記第二基板とを、水分および酸素濃度を管理した環境下に配置する工程と、
    前記第二基板における、前記波長変換層の外周部に、環状の外周封止剤を塗布する工程と、
    水分および酸素濃度を管理した環境下、前記第一基板と前記第二基板の一次アラインメントを行うとともに、前記第一基板と前記第二基板を貼り合わせて集成体を形成する工程と、
    前記集成体を、水分および酸素濃度を管理した大気圧の環境に取り出す工程と、
    前記水分および酸素濃度を管理した大気圧の環境下、前記集成体に紫外線を照射して前記外周封止剤を硬化させる工程と、
    を備えたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  23. 第一基板上の青色画素部に青色カラーフィルターを形成するとともに、前記第一基板上の緑色画素部に緑色カラーフィルターを形成する工程と、
    前記青色カラーフィルターおよび前記緑色カラーフィルター上と、前記第一基板上の赤色画素部とに、転写法により、波長変換材料を含む波長変換層を形成する工程と、
    前記波長変換層上に、第一電極、2つの発光成分を含む有機発光層を少なくとも有する有機層、および、第二電極をこの順に備えた有機エレクトロルミネッセンス部を形成する工程と、
    前記第一基板の外周部に、環状の外周封止剤を塗布する工程と、
    水分および酸素濃度を管理した環境下、前記第一基板と前記第二基板の一次アラインメントを行うとともに、前記第一基板と前記第二基板を貼り合わせて集成体を形成する工程と、
    前記集成体を、水分および酸素濃度を管理した大気圧の環境に取り出す工程と、
    前記水分および酸素濃度を管理した大気圧の環境下、前記集成体に紫外線を照射して前記外周封止剤を硬化させる工程と、
    を備えたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  24. 第一基板上に、第一電極、2つの発光成分を含む有機発光層を少なくとも有する有機層、および、第二電極をこの順に備えた有機エレクトロルミネッセンス部を形成する工程と、
    第二基板上の青色画素部に青色カラーフィルターを形成するとともに、前記第二基板上の緑色画素部に緑色カラーフィルターを形成する工程と、
    前記青色カラーフィルターおよび前記緑色カラーフィルター上と、前記第二基板上の赤色画素部とに、転写法により、波長変換材料を含む波長変換層を形成する工程と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス部が形成された前記第一基板と、前記波長変換層が形成された前記第二基板とを、水分および酸素濃度を管理した環境下に配置する工程と、
    前記第二基板における、前記波長変換層の外周部に、環状の外周封止剤を塗布する工程と、
    水分および酸素濃度を管理した環境下、前記第一基板と前記第二基板の一次アラインメントを行うとともに、前記第一基板と前記第二基板を貼り合わせて集成体を形成する工程と、
    前記集成体を、水分および酸素濃度を管理した大気圧の環境に取り出す工程と、
    前記水分および酸素濃度を管理した大気圧の環境下、前記集成体に紫外線を照射して前記外周封止剤を硬化させる工程と、
    を備えたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  25. 前記外周封止剤の内部に、充填剤を塗布する工程と、
    前記第一基板と前記第二基板、または、前記第二基板を真空チャンバ内に移送し、該真空チャンバ内を減圧する工程と、を備えたことを特徴とする請求項21〜24のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
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