JP2014038702A - 波長変換基板およびそれを用いた表示装置、電子機器 - Google Patents

波長変換基板およびそれを用いた表示装置、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】波長変換層の内部量子収率の低下を抑制し、高精細・高変換効率での波長変換基板と表示装置を提供する。
【解決手段】波長変換基板10は、基板11と、基板11上に設けられた波長変換層積層体12とを少なくとも備え、波長変換層積層体12が、光を吸収し、吸収した光と異なる波長の光を発光する波長変換層を2層以上有し、波長変換層の間に、光透過性の中間層15を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、波長変換基板およびそれを用いた表示装置、電子機器に関する。
近年、社会の高度情報化に伴い、フラットパネルディスプレイのニーズが高まっている。フラットパネルディスプレイとしては、例えば、非自発光型の液晶ディスプレイ(LCD)、自発光型のプラズマディスプレイ(PDP)、無機エレクトロルミネセンス(無機EL)ディスプレイ、有機エレクトロルミネセンス(以下「有機EL」又は「有機LED」とも言う。)ディスプレイ等が挙げられる。これらのフラットパネルディスプレイの中でも、有機ELディスプレイは、自発光の点で特に注目されている。
従来の有機ELディスプレイでは、赤色、緑色および青色の波長域の光を発光する画素を、1つの単位として設けることにより、白色を代表とする様々な色を作り出してフルカラー化を実現している。
このような画素を形成するためには、一般的にシャドーマスクを用いたマスク蒸着法により、有機発光層を塗り分けて、赤色、緑色および青色の画素を形成する方法が採用されている。
しかしながら、上記の方法では、マスクの加工精度、マスクのアライメント精度、マスクの大型化等が大きな課題となっている。特に、TVに代表される大型ディスプレイの分野では、基板サイズと同等以上の大きさのマスクを必要とするため、大型基板に対応したマスクの作製や加工が必要となる。さらに、マスクは、非常に薄い金属(一般的な膜厚:50〜100nm)が必要とされるため、大型化が非常に困難である。
そこで、青色〜青緑色の波長域の光を発光する有機発光層を有する有機ELと、その有機ELからの青色〜青緑色の波長域の光を吸収して緑色を発光する蛍光体層からなる赤色画素と、赤色の波長域の光を発光する蛍光体層からなる緑色画素と、色純度を向上させる目的での青色カラーフィルターからなる青色画素とを組み合わせることにより、有機ELディスプレイをフルカラー化する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、上記の塗り分け方式に比べて、有機発光層のパターン化を行う必要がなく、簡単に製造できるため、コストを低減することができる。
特許第2795932号公報 特許第4419130号公報
近年、モバイル分野、特にスマートフォン、タブレットの分野での進歩が著しく、ディスプレイにおいては、高精細化が加速している。しかしながら、このような高精細化が進む中、波長変換層の高精細化に関する技術は未だ確立されていない。従来のインクジェット法、スクリーン印刷法等の印刷法においては、高精細化が困難であり、フォトリソグラフィー法によるパターニングにおいては、フォトリソグラフィー法で用いる光開始剤や、感光性樹脂中の不飽和基が波長変換材料と反応して退色が起こり、波長変換層の変換効率が大幅に低下するという問題がある。したがって、低コスト化、高精細化、大型基板での製造が同時に実現可能な波長変換層の塗り分け方法が求められている。
そこで、高精細化が可能なパターニング方法として、光化学反応を利用した方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。光化学反応により所望の波長変換層の所望の場所の発光効率(量子収率)および吸収率を低下させるため、光を用いた高精細で、かつ、従来のフォトリソグラフィーと異なり、光開始剤や、感光性樹脂中の不飽和基による劣化を引き起こす材料を含有する必要が無いため、発光強度(発光スペクトルのピーク波長での発光強度)の低下を引き起こすことなく、かつ、従来のウエットプロセスによる現像工程を行うことなく(現像プロセスの現像液が引き起こす蛍光体の発光強度(発光スペクトルのピーク波長での発光強度)の低下を防止できる。)を、パターン化をすることが可能となる。
しかしながら、特許文献2では、波長変換層として、1層であり、一つの層内に、発光材料と、発光材料を光分解した成分とが混在するので、発光効率の低下が懸念される。特許文献2の図2、図3では、G画素に、発光材料(Y1)と発光材料(R1)が光分解した成分が混在することが記載されている。また、同様に、特許文献2には記載されていないが、波長変換層を積層した場合でも同様の問題が懸念される。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、低コスト化および高精細化が可能な波長変換基板およびそれを用いた表示装置、電子機器を提供することを目的とする。
本発明の波長変換基板は、基板と、該基板上に設けられた波長変換層積層体とを少なくとも備え、前記波長変換層積層体が、光を吸収し、吸収した光と異なる波長の光を発光する波長変換層を2層以上有し、前記波長変換層の間に、光透過性の中間層を有することを特徴とする。
本発明の波長変換基板において、前記中間層は、有機材料からなることが好ましい。
本発明の波長変換基板において、前記有機材料は、樹脂であることが好ましい。
本発明の波長変換基板において、前記樹脂は、光硬化性樹脂であることが好ましい。
本発明の波長変換基板において、前記樹脂は、熱硬化性樹脂であることが好ましい。
本発明の波長変換基板において、前記中間層は、気体からなることが好ましい。
本発明の波長変換基板において、前記中間層は、減圧状態であることが好ましい。
本発明の波長変換基板において、前記中間層は、無機材料からなることが好ましい。
本発明の波長変換基板において、前記中間層の膜厚は、100nm〜500μmであることが好ましい。
本発明の波長変換基板において、前記波長変換層積層体は、少なくとも波長変換層の全て、または、一部の領域の波長変換能力が低減された波長変換層を少なくとも1つ有することが好ましい。
本発明の波長変換基板において、前記波長変換層積層体を構成する波長変換層のぞれぞれは、異なる波長の光を発光することが好ましい。
本発明の波長変換基板において、前記波長変換層積層体は、励起光限側に設けられた第1波長変換層と、前記基板側に設けられ、前記第1波長変換層の発光を吸収して発光する第2波長変換層と、を有することが好ましい。
本発明の波長変換基板において、前記波長変換層積層体は、前記基板側から順に長波長側の光を発光する波長変換層が積層されたことが好ましい。
本発明の波長変換基板において、前記波長変換層積層体は、前記基板側から順に赤色の波長域の光を発光する赤色波長変換層と緑色の波長域の光を発光する緑色波長変換層が積層されたことが好ましい。
本発明の波長変換基板において、前記波長変換層積層体は、前記基板側から順に赤色の波長域の光を発光する赤色波長変換層と、緑色の波長域の光を発光する緑色波長変換層と、青色の波長域の光を発光する青色波長変換層とが積層されたことが好ましい。
本発明の波長変換基板において、前記基板と前記波長変換層積層体との間に、カラーフィルターが設けられたことが好ましい。
本発明の波長変換基板において、前記基板と前記波長変換層積層体との間、または、前記カラーフィルターと前記波長変換層積層体との間に、前記基板の屈折率と前記波長変換層の屈折率のうち、低い方よりも屈折率が低い低屈折率層が設けられたことが好ましい。
本発明の波長変換基板において、前記波長変換層積層体は、画素を形成し、各画素間に対応した位置に、光吸収性の隔壁が設けられたことが好ましい。
本発明の表示装置は、本発明の波長変換基板と、励起光源と、を備えたことを特徴とする。
本発明の表示装置において、前記励起光源は、紫外の波長域から青緑色の波長域の光を発光する光源であることが好ましい。
本発明の表示装置において、前記励起光源は、発光ダイオード、有機エレクトロルミネセンス素子または無機エレクトロルミネセンス素子のいずれかであることが好ましい。
本発明の表示装置において、前記励起光源を駆動させるアクティブマトリックス駆動素子が設けられたことが好ましい。
本発明の表示装置において、前記アクティブマトリックス駆動素子が設けられた基板とは反対側から光を取り出すことが好ましい。
本発明の表示装置において、電圧によりスイッチングを行う液晶素子を備えたことが好ましい。
本発明の電子機器は、本発明の表示装置を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、波長変換層の内部量子収率の低下を抑制し、高精細・高変換効率での波長変換基板と表示装置を提供することができる。
波長変換基板の第一実施形態を示す概略断面図である。 波長変換基板の第一実施形態の製造方法を示す概略断面図である。 波長変換基板の第一実施形態の製造方法を示す概略断面図である。 波長変換基板の第二実施形態を示す概略断面図である。 波長変換基板の第二実施形態の製造方法を示す概略断面図である。 波長変換基板の第二実施形態の製造方法を示す概略断面図である。 表示装置の第一実施形態を示す概略断面図である。 表示装置を構成する有機EL素子基板(光源)の一実施形態を示す概略断面図である。 表示装置を構成するLED基板(光源)の一実施形態を示す概略断面図である。 表示装置を構成する無機EL素子基板(光源)の一実施形態を示す概略断面図である。 表示装置の第二実施形態を示す概略断面図である。 表示装置の第三実施形態を示す概略断面図である。 表示装置の第四実施形態を示す概略断面図である。 表示装置の第五実施形態を示す概略断面図である。 表示装置の第六実施形態を示す概略断面図である。 表示装置の第七実施形態を示す概略断面図である。 表示装置の第八実施形態を示す概略断面図である。 表示装置の第九実施形態を示す概略断面図である。 表示装置の第十実施形態を示す概略断面図である。 表示装置の第十一実施形態を示す概略断面図である。 表示装置の第十二実施形態を示す概略断面図である。 表示装置の第十三実施形態を示す概略断面図である。 表示装置の第十四実施形態を示す概略断面図である。 表示装置の第十五実施形態を示す概略断面図である。 表示装置の第十六実施形態を示す概略断面図である。 第一〜第十六実施形態の表示装置の回路構成を示すブロック図である。 第一〜第十六実施形態の表示装置の一適用例であるシーリングライトを示す外観図である。 第一〜第十六実施形態の表示装置の一適用例である照明スタンドを示す外観図である。 第一〜第十六実施形態の表示装置の一適用例である携帯電話を示す外観図である。 第一〜第十六実施形態の表示装置の一適用例である薄型テレビを示す外観図である。 第一〜第十六実施形態の表示装置の一適用例である携帯型ゲーム機を示す外観図である。 第一〜第十六実施形態の表示装置の一適用例であるノートパソコンを示す外観図である。 第一〜第十六実施形態の表示装置の一適用例であるタブレット端末を示す外観図である。 比較例において、退色した赤色波長変換層と緑色波長変換層を積層した場合、各層の励起フォトン数および発光フォトン数と、光の波長との関係を説明する図である。
本発明の波長変換基板およびそれを用いた表示装置、電子機器の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴を分かりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
「波長変換基板」
(1)第一実施形態
図1は、波長変換基板の第一実施形態を示す概略断面図である。
波長変換基板10は、基板11と、基板11の一方の面11a上に設けられた波長変換層積層体12と、波長変換層積層体12からなる画素を区画する隔壁13とから概略構成されている。
波長変換層積層体12は、基板11側から順に積層された第一波長変換層14、中間層15および第二波長変換層16から構成されている。
また、基板11と波長変換層積層体12との間において、波長変換層積層体12のうち赤色画素21を構成する領域に赤色カラーフィルター17が設けられている。また、基板11と波長変換層積層体12との間において、波長変換層積層体12のうち緑色画素22を構成する領域に緑色カラーフィルター18が設けられている。さらに、基板11と波長変換層積層体12との間において、青色画素23を構成する領域に青色カラーフィルター19が設けられている。
また、波長変換基板10の厚さ方向において、基板11と隔壁13との間、かつ、波長変換基板10の厚さ方向と垂直な方向において、赤色カラーフィルター17と緑色カラーフィルター18との間、緑色カラーフィルター18と青色カラーフィルター19との間、および、青色カラーフィルター19と赤色カラーフィルター17との間に、ブラックマトリックス20が設けられている。
基板11としては、第一波長変換層14や第二波長変換層16を構成する波長変換材料からの発光を外部に取り出す必要があることから、波長変換材料の発光領域で、発光を透過するものが用いられ、例えば、ガラス、石英等からなる無機材料基板、ポリエチレンテレフタレート、ポリカルバゾール、ポリイミド等からなるプラスチック基板等が挙げられるが、これらの基板に限定するものではない。
ここで、波長変換基板10にストレスなく湾曲部、折り曲げ部を形成することが可能となることから、基板11としては、上記のプラスチック基板を用いることが好ましい。
また、ガスバリア性を向上させる観点から、基板11としては、プラスチック基板に無機材料をコーティングした基板を用いることがさらに好ましい。これにより、基板11としてプラスチック基板を用いた場合に最大の問題となる、水分の透過による波長変換材料の劣化を防止することができる。
波長変換層積層体12を構成する第一波長変換層14と第二波長変換層16は、紫外の波長域から青緑色の波長域の励起光(以下、単に「励起光」と言うこともある。)を吸収し、異なる波長を発光する。
励起光を発光する励起光源としては、発光ダイオード(LED(紫外発光LED、青色LED))、有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子(紫外発光有機EL素子、青色発光有機EL素子))、無機エレクトロルミネセンス素子(無機EL素子(紫外発光無機EL素子、青色発光無機EL素子))等が挙げられる。
第一波長変換層14や第二波長変換層16としては、例えば、赤色に発光する赤色波長変換層、緑色に発光する緑色波長変換層または青色に発光する青色波長変換層が挙げられる。
また、必要に応じて、第一波長変換層14や第二波長変換層16としては、シアン色に発光する波長変換層や黄色に発光する波長変換層を設けることが好ましい。ここで、シアン色に発光する波長変換層からのシアン色の波長域の光の色純度と、黄色に発光する波長変換層からの黄色の波長域の光の色純度とをそれぞれ、色度図上において、赤色波長変換層からの赤色の波長域の光の色純度の点と、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光の色純度の点と、青色波長変換層からの青色の波長域の光の色純度の点とを結んで形成される三角形より外側にすることにより、赤色、緑色および青色の3原色を発光する画素を使用する表示装置よりも色再現範囲をさらに広げることができる。
以下、波長変換層の機能を説明する。
ここでは、基板11側から順に赤色波長変換層からなる第一波長変換層14と、緑色波長変換層からなる第二波長変換層16が、光透過性の中間層15を介して積層され、励起光(以下、「青色光」と言うこともある。)を用いた場合に、カラー化に必要な赤色画素21、緑色画素22、青色画素23について説明する。
赤色画素21では、基板11の一方の面11a上に、非露光の(露光されていない)赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、中間層15と、非露光の緑色波長変換層(第二波長変換層16)とが順に積層されている。
緑色画素22では、基板11の一方の面11a上に、露光の(露光された)赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、中間層15と、非露光の緑色波長変換層(第二波長変換層16)とが順に積層されている。
青色画素23では、基板11の一方の面11a上に、露光の(露光された)赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、中間層15と、露光の緑色波長変換層(第二波長変換層16)とが順に積層されている。
赤色画素21においては、赤色波長変換層(第一波長変換層14)と緑色波長変換層(第二波長変換層16)が共に露光されていないので、緑色波長変換層および赤色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が維持されている。
これにより、波長変換層積層体12を介して基板11と対向する位置、すなわち、波長変換層積層体12を介して基板11とは反対側(第二波長変換層16側)に配置された励起光源(図示略)から、波長変換層積層体12に励起光を入射した場合、緑色波長変換層(第二波長変換層16)に青色光が吸収され、緑色波長変換層から緑色の波長域の光が発光する。続いて、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光が中間層15を透過して、赤色波長変換層(第一波長変換層14)に入射し、赤色波長変換層に緑色の波長域の光が吸収され、赤色波長変換層から赤色の波長域の光が発光する。このようにして、赤色画素21から赤色光を取り出し可能となる。
なお、赤色波長変換層(第一波長変換層14)は、光源側に形成された緑色波長変換層(第二波長変換層16)からの緑色の波長域の光を吸収し、赤色の波長域の光を発光するだけでなく、緑色波長変換層に吸収されずに、緑色波長変換層を透過した励起光を吸収して、赤色の波長域の光を発光するか、または、緑色波長変換層に吸収されずに、緑色波長変換層を透過した励起光と緑色波長変換層からの緑色の波長域の発光の両方を吸収し、赤色の波長域の光を発光する。
ところで、波長変換層の波長変換能力とは、励起光源からの励起光を吸収し、励起光と異なる光を発光する能力であり、発光効率(発光強度)を示す。ここで、波長変換能力としては、波長変換層の量子収率、輝度、エネルギー量で表すことが可能であり、市販の量子収率測定装置、輝度計、光度計、照度計、光パワーメーター等で測定することが可能である。
本実施形態において、波長変換能力が低減されたとは、前記の発光効率(発光強度)が低くなることを意味する。ここで、非発光部(発光効率が低くされた部分)をなす波長変換層の発光強度(発光スペクトルのピーク波長における発光強度)は、発光部(発光効率が低くされていない部分)をなす波長変換層の発光強度の1/10以下まで低減させることが好ましい。
緑色画素22においては、赤色波長変換層(第一波長変換層14)が露光され、緑色波長変換層(第二波長変換層16)が露光されていない。露光された赤色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が低減され、光の吸収能力も低減されている。一方、露光されていない緑色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が維持されている。
これにより、波長変換層積層体12を介して基板11と対向する位置に配置された励起光源(図示略)から、波長変換層積層体12に励起光を入射した場合、緑色波長変換層(第二波長変換層16)に励起光が吸収され、緑色波長変換層から緑色の波長域の光が発光する。続いて、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光が中間層15を透過して、赤色波長変換層(第一波長変換層14)に入射するが、赤色波長変換層には緑色の波長域の光が吸収されないので、赤色波長変換層は発光することなく、緑色の波長域の光は赤色波長変換層を透過する。このようにして、緑色画素22から緑色光を取り出し可能となる。
青色画素23においては、赤色波長変換層(第一波長変換層14)と緑色波長変換層(第二波長変換層16)が共に露光されているので、赤色波長変換層および緑色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が低減され、光の吸収能力も低減されている。
これにより、波長変換層積層体12を介して基板11と対向する位置に配置された励起光源(図示略)から、波長変換層積層体12に励起光を入射した場合、緑色波長変換層(第二波長変換層16)および赤色波長変換層(第一波長変換層14)で励起光が吸収されないので、緑色波長変換層および赤色波長変換層が発光することなく、励起光は緑色波長変換層、中間層15および赤色波長変換層を透過する。このようにして、青色画素23から青色の波長域の光を取り出し可能となる。
このように、波長変換層積層体12では、基板11の一方の面11a側から順に、長波長側の光を発光する波長変換層が積層されている。これにより、波長変換層積層体12において、励起光の波長変換が効率よく行われ、波長変換基板10は色純度に優れたものとなる。
より詳細には、励起光源からの励起光が、短波長側の光を発光する第二波長変換層16に吸収され、第二波長変換層16が発光する。続いて、第二波長変換層16からの光(発光)が、中間層15を透過して、光取出し側(基板11の一方の面11a側)に設けられた、長波長側の光を発光する第一波長変換層14に吸収され、第一波長変換層14が発光し、この発光が外部に取り出される。これにより、波長変換基板10から色純度の優れた発光を得ることができる。
これに対して、励起光源側から順に、長波長側の光を発光する波長変換層が積層された波長変換基板では、励起光源からの励起光が、長波長側の光を発光する波長変換層に吸収され、その波長変換層が発光する。続いて、長波長側の光を発光する波長変換層で吸収されなかった光(励起光)が、光取出し側に設けられた、短波長側の光を発光する波長変換層に吸収され、その波長変換層が発光する。しかしながら、この構造では、長波長側の発光と短波長側の発光が同時に外部に取り出されるため、波長変換基板からは色純度が低下した発光が得られる。
また、励起光源側から順に、短波長側の光を発光する波長変換層を積層することにより(すなわち、基板11の一方の面11a側から順に、長波長側の光を発光する波長変換層が積層されたことにより)、上記のように、励起光をそのまま透過させる箇所(画素)では、短波長側の光を発光する波長変換層と長波長側の光を発光する波長変換層の両方を露光し、それぞれの波長変換層において、励起光の発光波長領域での吸収を低下させ、励起光をより効率よく透過させる。また、長波長側の光を発光する波長変換層からの発光を得る(吸収する)箇所(画素)では、短波長側の光を発光する波長変換層と長波長側の光を発光する波長変換層の両方を露光しない。さらに、短波長側の光を発光する波長変換層からの発光を得る(吸収する)箇所(画素)では、基板11の一方の面11a側に形成された長波長側の光を発光する波長変換層を露光し、光化学反応により、長波長側の光を発光する波長変換層の発光効率を低下させると共に光の吸収を低下させ、短波長側の光を発光する波長変換層を露光しない。
ところが、本実施形態とは異なり、励起光源側から順に、長波長側の光を発光する波長変換層が積層された波長変換基板にあっては、短波長側の光を発光する波長変換層からの発光を得る(吸収する)箇所(画素)では、基板側に形成された短波長側の光を発光する波長変換層を露光せずに、長波長側の光を発光する波長変換層を露光し、光化学反応により、長波長側の光を発光する波長変換層の発光効率を低下させると共に光の吸収を低下させる。しかしながら、このとき、同時に短波長側の光を発光する波長変換層も露光され、光化学反応により、短波長側の光を発光する波長変換層の発光効率も低下させてしまう。
また、波長変換基板10は、基板11の一方の面11a側から順に、赤色の波長域の光を発光する赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、中間層15と、緑色の波長域の光を発光する緑色波長変換層(第二波長変換層16)とが積層され、赤色の波長域の光と緑色の波長域の光を発光することができる。
これにより、波長変換基板10を用いた表示装置において、励起光源として、励起光を発光する光源を用いた場合、波長変換基板10は、フルカラー表示装置に必要な赤色画素、緑色画素および青色発光画素を形成することができる。
より具体的には、波長変換基板10は、平面方向(基板11の一方の面11aと平行な方向)に、複数個の赤色画素21、緑色画素22および青色画素23が設けられており、厚さ方向に、基板11の一方の面11a側から順に、赤色波長変換層(第一波長変換層14)と緑色波長変換層(第二波長変換層16)が設けられている。
また、波長変換基板10の製造工程では、まず、基板11の一方の面11a上に第一波長変換層14を形成した後、フォトマスクを用いて、第一波長変換層14を露光することにより、緑色画素22および青色画素23において、赤色の波長域の光の発光強度を低下させる。続いて、第一波長変換層14上に中間層15を形成する。続いて、中間層15上に第二波長変換層16を形成した後、フォトマスクを用いて、第二波長変換層16を露光することにより、青色画素23のみにおいて、緑色の波長域の光の発光強度を低下させる。
また、前記製造工程では、フォトマスクを用い、遮光部と露光部を形成したが、本実施形態はこれに限定されない。ダイレクト露光機やレーザー描画装置を用いて、フォトマスクを用いることなく、直接、波長変換層の所望の位置にのみ光を照射することができる。
赤色画素21、緑色画素22および青色画素23に加えて、さらに、黄色光を取り出し可能な黄色画素やシアン色光を取り出し可能なシアン色画素を設ける場合、波長変換層積層体12は、基板11側から順に赤色波長変換層からなる第一波長変換層14と、黄色に発光する黄色波長変換層(図示略)と、緑色波長変換層からなる第二波長変換層16と、シアン色に発光するシアン色波長変換層(図示略)とが積層されたものとなる。ここで、カラー化に必要な赤色画素21、緑色画素22、青色画素23、黄色画素(図示略)、シアン色画素(図示略)について説明する。
赤色画素21では、基板11の一方の面11a上に、非露光の赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、第一中間層(例えば、中間層15)と、非露光の黄色波長変換層と、光透過性の第二中間層(図示略)と、非露光の緑色波長変換層(第二波長変換層16)と、光透過性の第三中間層(図示略)と、非露光のシアン色波長変換層とが順に積層されている。
黄色画素では、基板11の一方の面11a上に、露光の赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、第一中間層(例えば、中間層15)と、非露光の黄色波長変換層と、第二中間層(図示略)と、非露光の緑色波長変換層(第二波長変換層16)と、第三中間層(図示略)と、非露光のシアン色波長変換層とが順に積層されている。
緑色画素22では、基板11の一方の面11a上に、露光の赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、第一中間層(例えば、中間層15)と、露光の黄色波長変換層と、第二中間層(図示略)と、非露光の緑色波長変換層(第二波長変換層16)と、第三中間層(図示略)と、非露光のシアン色波長変換層とが順に積層されている。
シアン色画素では、基板11の一方の面11a上に、露光の赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、第一中間層(例えば、中間層15)と、露光の黄色波長変換層と、第二中間層(図示略)と、露光の緑色波長変換層(第二波長変換層16)と、第三中間層(図示略)と、非露光のシアン色波長変換層とが順に積層されている。
青色画素23では、基板11の一方の面11a上に、露光の赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、第一中間層(例えば、中間層15)と、露光の黄色波長変換層と、第二中間層(図示略)と、露光の緑色波長変換層(第二波長変換層16)と、第三中間層(図示略)と、露光のシアン色波長変換層とが順に積層されている。
赤色画素21においては、赤色波長変換層(第一波長変換層14)、黄色波長変換層、緑色波長変換層(第二波長変換層16)、および、シアン色波長変換層が露光されていないので、赤色波長変換層、黄色波長変換層、緑色波長変換層およびシアン色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が維持されている。
これにより、波長変換層積層体12を介して基板11と対向する位置に配置された励起光源(図示略)から、波長変換層積層体12に励起光を入射した場合、シアン色波長変換層に励起光が吸収され、シアン色波長変換層からシアン色の波長域の光が発光する。続いて、シアン色波長変換層からのシアン色の波長域の光が第三中間層を透過して、緑色波長変換層(第二波長変換層16)に入射し、緑色波長変換層にシアン色の波長域の光が吸収され、緑色波長変換層から緑色の波長域の光が発光する。続いて、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光が第二中間層を透過して、黄色波長変換層に入射し、黄色波長変換層に緑色の波長域の光が吸収され、黄色波長変換層から黄色の波長域の光が発光する。続いて、黄色波長変換層からの黄色の波長域の光が第一中間層(例えば、中間層15)を透過して、赤色波長変換層(第一波長変換層14)に入射し、赤色波長変換層に黄色の波長域の光が吸収され、赤色波長変換層から赤色の波長域の光が発光する。このようにして、赤色画素21から赤色光を取り出し可能となる。
黄色画素においては、赤色波長変換層(第一波長変換層14)が露光され、黄色波長変換層、緑色波長変換層(第二波長変換層16)、および、シアン色波長変換層が露光されていない。露光された赤色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が低減され、光の吸収能力も低減されている。一方、露光されていない黄色波長変換層、緑色波長変換層およびシアン色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が維持されている。
これにより、波長変換層積層体12を介して基板11と対向する位置に配置された励起光源(図示略)から、波長変換層積層体12に励起光を入射した場合、シアン色波長変換層に励起光が吸収され、シアン色波長変換層からシアン色の波長域の光が発光する。続いて、シアン色波長変換層からのシアン色の波長域の光が第三中間層を透過して、緑色波長変換層(第二波長変換層16)に入射し、緑色波長変換層にシアン色の波長域の光が吸収され、緑色波長変換層から緑色の波長域の光が発光する。続いて、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光が第二中間層を透過して、黄色波長変換層に入射し、黄色波長変換層に緑色の波長域の光が吸収され、黄色波長変換層から黄色の波長域の光が発光する。続いて、黄色波長変換層からの黄色の波長域の光が第一中間層(例えば、中間層15)を透過して、赤色波長変換層(第一波長変換層14)に入射するが、赤色波長変換層には黄色の波長域の光が吸収されないので、赤色波長変換層は発光することなく、黄色の波長域の光は赤色波長変換層を透過する。このようにして、黄色画素から黄色光を取り出し可能となる。
緑色画素22においては、赤色波長変換層(第一波長変換層14)および黄色波長変換層が露光され、緑色波長変換層(第二波長変換層16)およびシアン色波長変換層が露光されていない。露光された赤色波長変換層および黄色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が低減され、光の吸収能力も低減されている。一方、露光されていない緑色波長変換層およびシアン色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が維持されている。
これにより、波長変換層積層体12を介して基板11と対向する位置に配置された励起光源(図示略)から、波長変換層積層体12に励起光を入射した場合、シアン色波長変換層に励起光が吸収され、シアン色波長変換層からシアン色の波長域の光が発光する。続いて、シアン色波長変換層からのシアン色の波長域の光が第三中間層を透過して、緑色波長変換層(第二波長変換層16)に入射し、緑色波長変換層にシアン色の波長域の光が吸収され、緑色波長変換層から緑色の波長域の光が発光する。続いて、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光が第二中間層を透過して、黄色波長変換層に入射するが、黄色波長変換層に緑色の波長域の光が吸収されないので、黄色波長変換層は発光することなく、緑色の波長域の光は黄色波長変換層を透過する。続いて、黄色波長変換層を透過した緑色の波長域の光が第一中間層(例えば、中間層15)を透過して、赤色波長変換層(第一波長変換層14)に入射するが、赤色波長変換層には緑色の波長域の光が吸収されないので、赤色波長変換層は発光することなく、緑色の波長域の光は赤色波長変換層を透過する。このようにして、緑色画素22から緑色光を取り出し可能となる。
シアン色画素においては、赤色波長変換層(第一波長変換層14)、黄色波長変換層および緑色波長変換層(第二波長変換層16)が露光され、シアン色波長変換層が露光されていない。露光された赤色波長変換層、黄色波長変換層および緑色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が低減され、光の吸収能力も低減されている。一方、露光されていないシアン色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が維持されている。
これにより、波長変換層積層体12を介して基板11と対向する位置に配置された励起光源(図示略)から、波長変換層積層体12に励起光を入射した場合、シアン色波長変換層に励起光が吸収され、シアン色波長変換層からシアン色の波長域の光が発光する。続いて、シアン色波長変換層からのシアン色の波長域の光が第三中間層を透過して、緑色波長変換層(第二波長変換層16)に入射するが、緑色波長変換層にシアン色の波長域の光が吸収されないので、緑色波長変換層は発光することなく、シアン色の波長域の光は緑色波長変換層を透過する。続いて、緑色波長変換層を透過したシアン色の波長域の光が第二中間層を透過して、黄色波長変換層に入射するが、黄色波長変換層にはシアン色の波長域の光が吸収されないので、黄色波長変換層は発光することなく、シアン色の波長域の光は黄色波長変換層を透過する。続いて、黄色波長変換層を透過したシアン色の波長域の光が第一中間層(例えば、中間層15)を透過して、赤色波長変換層(第一波長変換層14)に入射するが、赤色波長変換層にはシアン色の波長域の光が吸収されないので、赤色波長変換層は発光することなく、シアン色の波長域の光は赤色波長変換層を透過する。このようにして、シアン色画素からシアン色光を取り出し可能となる。
青色画素23においては、赤色波長変換層(第一波長変換層14)、黄色波長変換層、緑色波長変換層(第二波長変換層16)およびシアン色波長変換層が露光されている。露光された赤色波長変換層、黄色波長変換層、緑色波長変換層およびシアン色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が低減されている。
これにより、波長変換層積層体12を介して基板11と対向する位置に配置された励起光源(図示略)から、波長変換層積層体12に励起光を入射した場合、シアン色波長変換層に励起光が吸収されないので、励起光はシアン色波長変換層を透過する。続いて、シアン色波長変換層を透過した励起光が第三中間層を透過して、緑色波長変換層(第二波長変換層16)に入射するが、緑色波長変換層に励起光が吸収されないので、緑色波長変換層は発光することなく、励起光は緑色波長変換層を透過する。続いて、緑色波長変換層を透過した励起光が第二中間層を透過して、黄色波長変換層に入射するが、黄色波長変換層には励起光が吸収されないので、黄色波長変換層は発光することなく、励起光は黄色波長変換層を透過する。続いて、黄色波長変換層を透過した励起光が第一中間層(中間層15)を透過して、赤色波長変換層(第一波長変換層14)に入射するが、赤色波長変換層には励起光が吸収されないので、赤色波長変換層は発光することなく、励起光は赤色波長変換層を透過する。このようにして、青色画素23から青色の波長域の光を取り出し可能となる。
さらに、波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)は等方向に発光するため、光取出し方向のみならず、その反対方向(ここでは、波長変換層積層体12を介して基板11とは反対側)にも発光する。そのため、波長変換層の厚さ方向と垂直な方向(膜面方向)と、光取出し方向とは反対方向への発光は損失となる。そこで、後述する光反射性、もしくは、光散乱性の隔壁(バンク)13を画素毎に配置することにより、光を画素内に反射、散乱させて、光を再利用することが可能となり、光の利用効率が向上し、膜面方向の光の損失を低減するとともに、高輝度化、低消費化が可能となる。
波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)は、以下に例示する波長変換材料(蛍光体材料)のみから構成されていてもよく、任意に添加剤等を含んでいてもよく、これらの材料が高分子材料(結着用樹脂)または無機材料中に分散された構成であってもよい。
波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)を構成する蛍光体材料としては、公知の蛍光体材料を用いることができる。このような蛍光体材料は、有機系蛍光体材料と無機系蛍光体材料に分類され、これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本実施形態はこれらの材料に限定するものではない。
特に、波長変換基板10を高精細な表示装置等に適用する場合には、画素のパターンの幅よりも、波長変換層積層体12の膜厚(波長変換層積層体12を構成する第一波長変換層14、第二波長変換層16、中間層15等の膜厚)を薄くする必要がある。
しかしながら、波長変換層積層体12の膜厚を薄くすると、励起光の吸収量が低下し、励起光源からの励起光と波長変換層積層体12から赤色が混色し、色純度が低下するため、波長変換層積層体12に含まれる波長変換材料の濃度を上げる必要がある。波長変換材料の濃度を上げると、いわゆる濃度消光による発光効率の低下が起こる。そこで、波長変換層積層体12は、波長変換材料として、光吸収と発光をそれぞれ主に担う2種類の蛍光体材料(第一波長変換層14に含まれる波長変換材料、第二波長変換層16に含まれる第二波長変換材料等)を含有することが好ましい。これにより、薄膜で励起光を十分に吸収し、かつ、高発光効率を両立することが可能となる。
すなわち、第二波長変換層16に含まれる波長変換材料(以下、「第一波長変換材料」と言うこともある。)が、励起光源からの励起光を吸収して励起状態となった場合、第一波長変換材料間でのエネルギー移動よりも、第一波長変換材料から、第一波長変換材料よりもエネルギー準位の低い第一波長変換層14に含まれる波長変換材料(以下、「第二波長変換材料」と言うこともある。)へのエネルギー移動の方が起こりやい。そのため、第一波長変換材料の励起エネルギーは、第一波長変換材料間での移動による消失(濃度消光)を受けずに、ほとんどが第二波長変換材料へ移動し、第二波長変換材料の発光に寄与することができると考えられる。そして、第一波長変換材料の濃度を、実質的に濃度消光を起こす高い濃度にすることにより、第一波長変換材料の吸収率を上げることで、第一波長変換材料において、励起光源からの励起光を十分に吸収し、第一波長変換材料から第二波長変換材料にエネルギーを移動させる。さらに、第二波長変換材料の濃度を、実質的に濃度消光を起こさない低い濃度にすることにより、第二波長変換材料において、第一波長変換材料から移動してきた励起エネルギーを効率よく利用して波長変換を行い、所望の波長域の光を発光することができる。
このようにして、波長変換層積層体12において、薄い膜厚と高い発光効率とを両立することが可能となる。換言すれば、励起光源からの励起光を吸収する機能と、所望の波長域の光を発光する機能とを分離し、それぞれの機能を第一波長変換材料と第二波長変換材料に分担させることによって、波長変換層積層体12の膜厚を増加させることなく、波長変換層積層体12において、好適に、高い吸収率と高い発光効率を維持することができる。さらに、第一波長変換材料と第二波長変換材料がともに励起光源からの励起光を吸収して励起されてもよい。
ここで、励起光の十分な吸収とは、励起波長における吸収率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
さらに、ここで、波長変換層積層体12が、励起光源からの励起光を吸収する蛍光体材料(第一波長変換材料)、および、所望の色(例えば、赤色)を発光する蛍光体材料(第二波長変換材料)を含有することによって、第一波長変換材料が、波長変換層積層体12への入射光を吸収して、そのエネルギーを第二波長変換材料へとエネルギーを移動させ、第二波長変換材料が、第一波長変換材料から、そのエネルギーを受容することにより、波長変換層積層体12が、当初の入射光とは異なるスペクトルの光を放射することができる。
すなわち、第一波長変換材料は、波長変換層積層体12へ入射する励起光源からの励起光を吸収し、吸収したエネルギーを第二波長変換材料に移動させることができる波長変換材料である。したがって、第一波長変換材料の吸収スペクトルは、励起光源からの励起光のスペクトルと重なっていることが好ましい。また、第一波長変換材料の吸収極大と、光源からの励起光のスペクトルの極大とが一致していることがより好ましい。また、第一波長変換材料の発光スペクトルの極大と、第二波長変換材料の吸収極大とが一致していることがより好ましい。ここで、スペクトルの極大が一致しているとは、極大波長の差が20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
また、波長変換層積層体12において、励起光源からの励起光の吸収と発光とを異なる波長変換材料によって実現することによって、第一波長変換材料による入射光の吸収ピーク波長と、第二波長変換材料による波長変換後の発光ピーク波長との差を大きくすることができる。さらに、励起光源からの励起光を吸収する機能と、所望の波長域の光を発光する機能とを分離したことによって、第一波長変換材料および第二波長変換材料として用いる材料の選択肢を広げることができる。
有機系蛍光体材料としては、紫外域の励起光を、青色の波長域の発光に変換する蛍光色素として、スチルベンゼン系色素:1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、トランス−4,4’−ジフェニルスチルベンゼン、クマリン系色素:7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン等が挙げられる。
また、紫外域の励起光を、緑色の波長域の発光に変換する蛍光色素としては、クマリン系色素:2,3,5,6−1H、4H−テトラヒドロ−8−トリフロメチルキノリジン(9,9a、1−gh)クマリン(クマリン153)、3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、ナフタルイミド系色素:ベーシックイエロー51、ソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116等が挙げられる。
また、紫外域の励起光を、赤色の波長域の発光に変換する蛍光色素としては、シアニン系色素:4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチルリル)−4H−ピラン、ピリジン系色素:1−エチル−2−[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジニウム−パークロレート、及びローダミン系色素:ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、ベーシックバイオレット11、スルホローダミン101等が挙げられる。
また、無機系蛍光体材料としては、紫外域の励起光を、青色の波長域の発光に変換する蛍光体として、Sr:Sn4+、SrAl1425:Eu2+、BaMgAl1017:Eu2+、SrGa:Ce3+、CaGa:Ce3+、(Ba、Sr)(Mg、Mn)Al1017:Eu2+、(Sr、Ca、Ba、Mg)10(POCl:Eu2+、BaAlSiO:Eu2+、Sr:Eu2+、Sr(POCl:Eu2+、(Sr,Ca,Ba)(POCl:Eu2+、BaMgAl1627:Eu2+、(Ba,Ca)(POCl:Eu2+、BaMgSi:Eu2+、SrMgSi:Eu2+等が挙げられる。
また、紫外域の励起光を、緑色の波長域の発光に変換する蛍光体としては、(BaMg)Al1627:Eu2+、Mn2+、SrAl1425:Eu2+、(SrBa)Al12Si:Eu2+、(BaMg)SiO:Eu2+、YSiO:Ce3+、Tb3+、Sr−Sr:Eu2+、(BaCaMg)(POCl:Eu2+、SrSi−2SrCl:Eu2+、ZrSiO、MgAl1119:Ce3+、Tb3+、BaSiO:Eu2+、SrSiO:Eu2+、(BaSr)SiO:Eu2+等が挙げられる。
また、紫外域の励起光を、赤色の波長域の発光に変換する蛍光体としては、YS:Eu3+、YAlO:Eu3+、Ca(SiO:Eu3+、LiY(SiO:Eu3+、YVO:Eu3+、CaS:Eu3+、Gd:Eu3+、GdS:Eu3+、Y(P,V)O:Eu3+、MgGeO5.5F:Mn4+、MgGeO:Mn4+、KEu2.5(WO6.25、NaEu2.5(WO6.25、KEu2.5(MoO6.25、NaEu2.5(MoO6.25等が挙げられる。
また、上記無機系蛍光体材料は、必要に応じて表面改質処理を施してもよく、その方法としては、シランカップリング剤等の化学的処理によるものや、サブミクロンオーダーの微粒子等の添加による物理的処理によるもの、さらにそれらの併用によるもの等が挙げられる。
励起光による劣化や発光による劣化等の安定性を考慮すると、波長変換材料としては、無機系蛍光体材料を用いることが好ましい。
さらに、無機系蛍光体材料を用いる場合には、その平均粒径(d50)が、0.5〜50μmであることが好ましい。
平均粒径が0.5μm以下であると、蛍光体の発光効率が急激に低下する。一方、平均粒径が50μmを超えると、平坦な膜(波長変換層)を形成することが非常に困難となり、波長変換基板10を有機ELディスプレイに適用した場合、波長変換層と有機EL素子との間に空隙が生じてしまう(有機EL素子(屈折率:約1.7)と無機蛍光体層からなる波長変換層(屈折率:約2.3)の間の空隙(屈折率:1.0))。そのため、有機EL素子からの光が効率よく波長変換層に届かず、波長変換層の発光効率の低下が起こるという問題が生じる。また、波長変換層の平坦化が困難でるため、波長変換基板10と液晶を組み合わせる場合、液晶層を形成することが不可能となるという問題が生じる。なぜならば、波長変換層が平坦でないと、液晶層を挟む電極間の距離が不均一となり、電極間に均一に電界が掛からないため、液晶層が均一に動作しないからである。
波長変換層を形成する高分子材料(結着用樹脂)としては、公知の高分子材料を用いることができる。これらの具体的な材料を以下に例示するが、本実施形態はこれらの材料に限定するものではない。
高分子材料(結着用樹脂)としては、メタクリル樹脂、フルオレン系樹脂、シクロオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン系樹脂、有機・無機ハイブリッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、メチルメタクリレート・スチレン(MS)樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポバール樹脂、アルキド樹脂等が挙げられる。
さらに、ここで、高分子材料(結着用樹脂)として、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることにより、波長変換層を2層以上に積層化したとき、各層間で高分子材料や波長変換材料が混じり合うのを防止することが可能となり、前記の材料の混じり合いによる波長変換層の発光強度の低下を防止することが可能となる。
光硬化性樹脂としては、公知の光硬化性樹脂を用いることができる。これらの具体的な材料を以下に例示するが、本実施形態はこれらの材料に限定するものではない。
光硬化性樹脂としては、(メタ)アクリレート系光硬化樹脂、イミド系光硬化樹脂、シリコーン系光硬化樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、公知の熱硬化性樹脂を用いることができる。これらの具体的な材料を以下に例示するが、本実施形態はこれらの材料に限定するものではない。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ系熱硬化樹脂、シリコーン系熱硬化樹脂等が挙げられる。
第一波長変換層14や第二波長変換層16の膜厚は、通常100nm〜100μm程度であるが、1〜100μmであることが好ましい。
第一波長変換層14や第二波長変換層16の膜厚が100nm未満であると、励起光源からの励起光を十分に吸収することができないため、発光効率の低下、必要とされる色に励起光源からの励起光が混ざることによる色純度の悪化といった問題が生じる。さらに、励起光源からの励起光の吸収を高め、色純度に悪影響を及ぼさない程度に励起光の透過光を低減するためには、第一波長変換層14や第二波長変換層16の膜厚が、1μm以上であることが好ましい。一方、第一波長変換層14や第二波長変換層16の膜厚が100μmを超えると、励起光源からの励起光を既に十分に吸収することから、発光効率の上昇には繋がらずに、材料を消費するだけに留まり、材料コストの上昇に繋がる。
また、波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)は、上記の蛍光体材料と高分子材料を溶剤に溶解、分散させた波長変換層形成用塗液を用いた、スピンコーティング法、ディッピング法、ドクターブレード法、吐出コート法、スプレーコート法等の塗布法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、マイクログラビアコート法等の印刷法等による公知のウエットプロセスや、上記の材料を用いた、抵抗加熱蒸着法、電子線(EB)蒸着法、分子線エピタキシー(MBE)法、スパッタリング法、有機気相蒸着(OVPD)法等の公知のドライプロセス等により形成することができる。さらに、フォトブリーチ法、転写法(レーザー転写法、熱転写法)を用いることにより、低コストで高精細化できる。
また、本実施形態では、例えば、第一波長変換層14や第二波長変換層16が積層されている。これにより、波長変換基板10によって、同一の励起光源から励起光を、2色以上の異なる波長の光に、容易に、かつ、効率よく、波長変換することができる。
ここで、ウエットプロセスにより、第一波長変換層14上に第二波長変換層16を形成して、波長変換層を積層する際、最初に形成した第一波長変換層14を、第二波長変換層16を形成する際に用いた溶剤が溶かしてしまい、第一波長変換層14を構成する材料と第二波長変換層16を構成する材料が混合してしまうことがある。これにより、第一波長変換層14と第二波長変換層16のいずれか一方、または、第一波長変換層14と第二波長変換層16の両方の発光効率が低下し、より低いエネルギーで発光する波長変換層にエネルギーが移動してしまい、所望の発光を得ることが出来ないといった問題が生じる可能性がある。そのため、第一波長変換層14に第二波長変換層16を積層する場合には、それぞれの層が混合しないようにすることが好ましい。
波長変換層積層体12を構成する各波長変換層が混合しないようにする方法としては、例えば、(1)少なくとも最後に形成する波長変換層(基板11から最も離れた位置に形成する波長変換層)以外の波長変換層を、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂に波長変換材料を含有させた材料で形成し、波長変換層を硬化させる方法、(2)先に形成する波長変換層と、その上に形成する波長変換層とを、互いに溶媒への溶解性が異なる高分子材料(例えば、「水溶性高分子材料と有機溶剤可溶性高分子材料」)を含有させ材料で形成する方法、(3)波長変換層積層体12を構成する各波長変換層の間に、中間層(例えば、中間層15)を介在させる方法等が挙げられる。
ここで、波長変換層積層体12を構成する波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)に、その波長変換層が吸収領域を持つ光を照射することにより、光化学反応を利用して、光が照射された波長変換層の発光強度(発光スペクトルのピーク波長における発光強度)を低減させて、波長変換層積層体12に波長変換能力を低下させた波長変換層(非発光部分)を少なくとも1つ形成する。
また、波長変換層積層体12に光を照射する際、フォトマスクを用いることにより、波長変換層積層体12における発光部と非発光部をパターニングする。なお、フォトマスクには、波長変換層積層体12の所望の位置に対応するようにクロム等からなる遮光部が形成され、光照射に際し、遮光部に覆われた波長変換層に光が届かないように設計されている。
また、非発光部をなす波長変換層の発光強度(発光スペクトルのピーク波長における発光強度)は、発光部をなす波長変換層の発光強度の1/10以下であることが好ましい。
また、前記製造工程では、フォトマスクを用い、遮光部と露光部を形成したが、本実施形態はこれに限定されない。ダイレクト露光機やレーザー描画装置を用いて、フォトマスクを用いることなく、直接、波長変換層の所望の位置にのみ光を照射することができる。
特に、波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)を形成する毎に、光化学反応を利用して、その波長変換層において発光部と非発光部をパターニングするだけでよいので、波長変換能力を低下させたくない部分を遮光して、光を照射するだけの非常に単純な方法を適用できるため、各波長変換層に対する露光が1回で済み、かつ、フォトマスクも1つで足りるから、低コストで波長変換層において発光部と非発光部をパターニングすることができる。
また、従来のように緑色と赤色の波長変換材料を混合して、1つの波長変換層を形成する場合には、緑色画素を、赤色の波長変換材料の蛍光強度(発光強度)のみを低下させる波長の光で露光する必要があるが、赤色の波長変換材料の蛍光強度のみを低下させる波長の光で、緑色の波長変換材料の蛍光強度も低下させてしまう問題が生じる。これに対して、本実施形態では、波長変換層を形成する毎に、光化学反応を利用して、その波長変換層において発光部と非発光部をパターニングした後、パターニング後の波長変換層に、別の波長変換層を形成して、その波長変換層に対して、同様にパターニングするので、従来の方法における波長変換材料の蛍光強度の低下の問題が生じない。さらに、本実施形態では、従来の方法のように、1つの波長変換層を構成する2つの波長変換材料のうち、赤色の波長変換材料のみ蛍光強度を低下させて、緑色の波長変換材料の蛍光強度を変化させないという必要がなく、各波長変換層を構成する波長変換材料の蛍光強度を完全に低下させること(なくすこと)が可能となり、例えば、緑色画素22において、赤色の波長変換材料からの発光による色純度の低下をなくすことができる。
本実施形態では、フォトマスクを用いて、波長変換層を構成する波長変換材料に、紫外線等の波長変換層が吸収を持つ波長域の高エネルギー光(電磁波)を照射して、波長変換層を構成する波長変換材料を部分的に変性することにより、波長変換層を構成する波長変換材料の蛍光強度(励起光の吸収強度)を低下させている。
なお、波長変換材料の変性とは、色変換色素の分解や酸化、および、その他の波長変換材料の発光強度が低下(励起光に対する光透過率が低下)する任意の態様(会合体の形成)を含む。特に、本実施形態では、波長変換材料の変性とは、光源からの励起光により蛍光強度が低下することや、有機EL素子の発光極大の波長における励起光に対する光透過率が低下することを意味する。
波長変換材料を変性させるための光源としては、通常、高圧UVランプ、超高圧UVランプ、低圧UVランプ、Deep UVランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ等のランプが用いられる。
なお、光源の波長は、波長変換材料の吸収波長であればよく、特に限定するものではなく、波長変換材料の一部または全部を変性できる波長範囲であることが好ましい。
光源の照度は、特に限定するものではなく、プロセスの時間を短縮するためには大きい方がよいが、露光時に波長変換層積層体12と基板11の間にカラーフィルターが設けられている場合、カラーフィルターの劣化を防止する目的で照射強度は、あまり高くない方がよく、10〜300mW/cm程度が好ましい。
波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)を部分的に変性させる手段として、フォトマスクを用いて、波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)に高エネルギー光を照射し、色変換色素を部分的に変性させる場合について説明したが、本実施形態では、他の手段を用いてもよい。例えば、波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)を部分的に変性させる方法としては、照射強度を変化させながら、波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)の全面に対して電磁波を照射する方法(例えば、白黒ネガフィルムのような部分的に透過度の異なるフィルタを通して電磁波を露光する方法、微小な光源が発する光の照射強度を変化させながら走査させる方法 、マスキングにより部分的に電磁波を照射する方法等)が挙げられる。波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)を部分的に露光する場合には、例えば、フォトマスクを用いて密着露光したり、投影露光(レンズで集光した光、または、微小な光源から発光する光を用いて部分的に露光する方法、あるいは、これらの方法にフォトマスクを併用する方法等)したりすることによって実施することができる。
また、前記製造工程では、フォトマスクを用い、遮光部と露光部を形成したが、本実施形態はこれに限定されない。ダイレクト露光機やレーザー描画装置を用いて、フォトマスクを用いることなく、直接、波長変換層の所望の位置にのみ光を照射することができる。
波長変換層積層体12を構成する中間層15は、第一波長変換層14と第二波長変換層16の間に介在することにより、第一波長変換層14と第二波長変換層16の内部量子収率低下を防止する。
波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16)が、上述のように波長変換層形成用塗液を用いて形成される場合、中間層15よりも先に形成された波長変換層(例えば、第一波長変換層14)が、中間層15を形成する塗液(以下、「中間層形成用塗液」と言う。)を構成する溶媒に溶解し、その波長変換層(例えば、第一波長変換層14)の内部量子収率が低下してはならない。よって、中間層15は、有機材料、無機材料、気体または減圧状態からなることが好ましい。また、黄色画素やシアン色画素を設ける場合、中間層15に加えて形成される他の中間層も、有機材料、無機材料または気体からなることが好ましい。
有機材料としては、樹脂が好ましい。有機材料として樹脂を用いることにより、樹脂を溶媒に溶解して中間層形成用塗液を調製して、後述する塗布法等により、中間層15等を形成することができる。
また、樹脂としては、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂が好ましい。
光硬化性樹脂としては、波長380nm以下の光を樹脂に照射することにより、樹脂中のモノマーがポリマーとなるものが用いられる。近年、波長380nm以上の可視光を照射することにより硬化する樹脂も存在するが、表示装置内の励起光源が波長380nm以上の光を用いるため、波長380nm以上の光で硬化する樹脂を用いない。
光硬化性樹脂は、光架橋や光重合等の光反応機構、置換基である光感応基等が限定されない。光硬化性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリレート系光硬化樹脂、イミド系光硬化樹脂、シリコーン系光硬化樹脂等が挙げられる。ただし、光硬化性樹脂はこれらの材料に限定するものではなく、公知の光硬化性樹脂が用いられる。
熱硬化性樹脂としては、あるエネルギー以上の熱を加えるとモノマーがポリマーとなるものが用いられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系熱硬化樹脂、シリコーン系熱硬化樹脂等が挙げられる。ただし、熱硬化性樹脂はこれらの材料に限定するものではなく、公知の光硬化性樹脂が用いられる。
無機材料としては、例えば、アクリル酸金属塩、メタアクリル酸金属塩、メタアクリル酸カルシウム、アクリル酸マグネシウム等粉末、または、アクリル酸スズ、アクリル酸コバルト、アクリル酸鉛等の水溶液が用いられる。無機材料が粉末または水溶液の場合、上記の光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂に混合して用いられる。
中間層形成用塗液の溶媒としては、波長変換層形成用塗液に含まれる蛍光体材料と高分子材料を溶解しないものが好ましい。このような溶媒としては、例えば、アセトン、エタノール、イソプロパノール、キシレン等が挙げられる。
気体としては、特に限定するものではなく、例えば、空気、ドライエアー、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス等が用いられる。波長変換層の水分、酸素による劣化を考慮すると、中間層としては、減圧状態であることが好ましい。
中間層15、または、中間層15に加えて形成される他の中間層の膜厚は、100nm〜500μmであることが好ましい。中間層15等の膜厚が100nm未満では、中間層を形成する樹脂の隙間を通して、例えば、中間層15の両側(上下)に形成された第一波長変換層14と第二波長変換層16内の波長変換物質が相互に作用し、発光強度を低下させる可能性がある。また、中間層15等の膜厚が500μmを超えると、各画素間に形成される隔壁13の高さが高くなり、不安定になる。したがって、中間層15等の膜厚は薄い方が好ましい。
中間層15等は、上記の有機材料や無機材料を溶剤に溶解、分散させた中間層形成用塗液を用いた、スピンコーティング法、ディッピング法、ドクターブレード法、吐出コート法、スプレーコート法等の塗布法、インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、マイクログラビアコート法等の印刷法等による公知のウエットプロセスにより形成することができる。
本実施形態では、上述のように、基板11の一方の面11a上に、波長変換層形成用塗液を用いて波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)を形成し、波長変換層に、波長変換材料が吸収する波長の光を照射し、所望の場所以外の波長変換層を露光し、波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)の上に、中間層形成用塗液を用いて中間層(中間層15等)を形成する工程を繰り返すことにより、2つ以上の波長変換層と、波長変換層の間に形成された中間層とを有する波長変換層積層体12を形成することができる。ここで、波長変換層は、水分、酸素による劣化(発光強度の低下)を防止する目的で、真空中、不活性ガス中、ドライエアー中(露点:−60℃以下)で形成され、その後の表示装置に至る全ての工程を真空中、不活性ガス中、ドライエアー中(露点:−60℃以下)で行うことが好ましい。さらに、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いたウエットプロセスにより波長変換層を形成する場合、波長変換層を形成した後、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を硬化させる工程を経た後、波長変換層をパターニングする露光工程を行い、波長変換層の上に中間層を形成し、中間層の上に次の波長変換層を形成する工程を行うことが好ましい。この工程においても、全ての工程を真空中、不活性ガス中、ドライエアー中(露点:−60℃以下)で行うことが好ましい。
基板11の一方の面11aにおいて、波長変換層積層体12からなる各画素間には、光吸収性の隔壁13が設けられている。これにより、波長変換基板10による表示のコントラストを向上することができる。
隔壁13の膜厚は、通常、100nm〜100μm程度であるが、100nm〜10μmであることが好ましい。
また、隔壁13は、基板11側から光吸収層と、光反射性または光散乱性のバンクの積層構造をなしていることが好ましい。これにより、波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)からの等方発光のうち、側面方向へ発光(波長変換層を通しての導波成分)して、基板11側に取り出すことができない発光の損失成分を、光反射性または光散乱性のバンクにより、所望の画素内に反射、散乱させることで、発光を有効利用することができるようになり、所望の画素以外への発光の漏れによる色純度の低下を防止することができる。また、波長変換層からの発光を、各画素内に反射させることができるようになり、波長変換層からの発光を有効利用できるので、発光効率を向上することができるとともに、消費電力を低下させることができる。さらに、基板11側に光吸収層を設けることにより、光反射性または光散乱性のバンクによる外光反射を防止することができ、ひいては、外光によるコントラストの低下を防止することができる。
光反射性または光散乱性のバンクを形成する材料としては、特に限定するものではないが、例えば、金、銀、アルミニウム等の金属等の反射膜、酸化チタン等の散乱膜が挙げられる。
また、波長変換基板10は、配光特性が異なる励起光からの発光を直接使用する画素(例えば、青色画素23)と、波長変換層からの発光を使用する画素(赤色画素21、緑色画素22)とを備えているので、励起光を直接使用する画素と、波長変換層からの発光を使用する画素との配光特性を合わせて、視野角による配向特性のズレによる輝度、色変化を低減するために、隔壁13の表面に光散乱層を形成してもよい。
光散乱層を形成する材料としては、樹脂中に光散乱性粒子を分散したものを用いることが好ましい。
光散乱性粒子としては、有機材料により構成された粒子(有機微粒子)、無機材料または無機材料により構成された粒子(無機微粒子)が用いられるが、無機微粒子が好ましい。光散乱層を形成する材料として光散乱性粒子を用いることにより、外部(例えば、発光素子)からの指向性を有する光を、より等方的かつ効果的に拡散または散乱させることができる。特に、無機微粒子を用いることにより、光および熱に安定な光散乱層を形成することができる。
また、光散乱性粒子としては、透明度が高いものであることが好ましい。
また、光散乱性粒子としては、母材となる樹脂よりも高屈折率のものであることが好ましい。
また、励起光が光散乱層によって効果的に散乱するためには、光散乱性粒子の粒径がミー散乱の領域にあることが必要であるので、光散乱性粒子の粒径は100nm〜500nm程度が好ましい。
光散乱性粒子として、無機材料を用いる場合には、例えば、ケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫およびアンチモンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の酸化物を主成分とした粒子(微粒子)等が挙げられる。
また、光散乱性粒子として、無機微粒子を用いる場合には、例えば、シリカビーズ(屈折率:1.44)、アルミナビーズ(屈折率:1.63)、酸化チタンビーズ(屈折率 アナタース型:2.50、ルチル型:2.70)、酸化ジルコニアビーズ(屈折率:2.05)、酸化亜鉛ビーズ(屈折率:2.00)、チタン酸バリウム(BaTiO)(屈折率:2.4)等が挙げられる。
光散乱性粒子として、有機微粒子を用いる場合には、例えば、ポリメチルメタクリレートビーズ(屈折率:1.49)、アクリルビーズ(屈折率:1.50)、アクリル−スチレン共重合体ビーズ(屈折率:1.54)、メラミンビーズ(屈折率:1.57)、高屈折率メラミンビーズ(屈折率:1.65)、ポリカーボネートビーズ(屈折率:1.57)、スチレンビーズ(屈折率:1.60)、架橋ポリスチレンビーズ(屈折率:1.61)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率:1.60)、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒドビーズ(屈折率:1.68)、シリコーンビーズ(屈折率:1.50)等が挙げられる。
光散乱性粒子と混合して用いる樹脂材料としては、透光性の樹脂であることが好ましい。樹脂材料としては、例えば、アクリル樹脂(屈折率:1.49)、メラミン樹脂(屈折率:1.57)、ナイロン(屈折率:1.53)、ポリスチレン(屈折率:1.60)、メラミンビーズ(屈折率:1.57)、ポリカーボネート(屈折率:1.57)、ポリ塩化ビニル(屈折率:1.60)、ポリ塩化ビニリデン(屈折率:1.61)、ポリ酢酸ビニル(屈折率:1.46)、ポリエチレン(屈折率:1.53)、ポリメタクリル酸メチル(屈折率:1.49)、ポリMBS(屈折率:1.54)、中密度ポリエチレン(屈折率:1.53)、高密度ポリエチレン(屈折率:1.54)、テトラフルオロエチレン(屈折率:1.35)、ポリ三フッ化塩化エチレン(屈折率:1.42)、ポリテトラフルオロエチレン(屈折率:1.35)等が挙げられる。
波長変換基板10では、図1に示すように、基板11と波長変換層積層体12との間において、赤色カラーフィルター17、緑色カラーフィルター18および青色カラーフィルター19が設けられていることが好ましい。
赤色カラーフィルター17、緑色カラーフィルター18、青色カラーフィルター19としては、従来のカラーフィルターを用いることができる。ここで、カラーフィルターを設けることによって、波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)によって吸収されず、波長変換層を透過してしまう励起光が外部に漏れ出すことを防止できるので、波長変換層からの発光と励起光の混色による発光の色純度の低下を防止することができる。さらに、赤色画素21、緑色画素22および青色画素23の色純度を高めることができ、ひいては、波長変換基板10による色再現範囲を拡大することができる。
また、赤色画素21上に設けられた赤色カラーフィルター17、緑色画素22上に設けられた緑色カラーフィルター18および青色画素23上に設けられた青色カラーフィルター19は、外光のうち、各波長変換材料を励起する励起光を吸収するため、外光による波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)の発光を低減・防止することができ、波長変換基板10による表示のコントラストの低下を低減・防止することができる。一方、赤色カラーフィルター17、緑色カラーフィルター18および青色カラーフィルター19によって、波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)に吸収されず、波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)を透過した励起光が外部に漏れ出すことを防止できるので、波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)からの発光と励起光の混色による発光の色純度の低下を防止することができる。
さらに、波長変換層として、シアン色波長変換層や黄色波長変換層を設けた場合、それぞれの発光に対応したカラーフィルターを設けることができる。
波長変換基板10では、図1に示すように、基板11と隔壁13との間、かつ、波長変換基板10の厚さ方向と垂直な方向において、赤色カラーフィルター17と緑色カラーフィルター18との間、緑色カラーフィルター18と青色カラーフィルター19との間、および、青色カラーフィルター19と赤色カラーフィルター17との間に、ブラックマトリックス20が設けられていることが好ましい。
波長変換基板10では、基板11と波長変換層積層体12との間、または、カラーフィルター(赤色カラーフィルター17、緑色カラーフィルター18、青色カラーフィルター19)と波長変換層積層体12との間に、基板11の屈折率と波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)の屈折率のうち、低い方よりも屈折率が低い低屈折率層(図示略)が設けられていることが好ましい。
これにより、波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)からの発光が、光取出し側となる基板11を導波して、基板11の側面に導波することによって生じる発光の損失を低減することができる。すなわち、低屈折率層と基板11との屈折率差を利用し、基板11から空気層(外部)へ取り出すことができない臨界角以上の光を、波長変換層と低屈折率層との屈折率差で反射させ、波長変換層積層体12を介して、基板11と反対側に形成されている反射部材(波長変換層積層体12と光源の間で生じた励起光は透過し、波長変換層積層体12からの発光を反射させる反射層(誘電体多層膜、バンドパスフィルター、金属の超薄膜等)、無機EL部や有機EL部に設けられた半透明電極または反射電極)で反射させて、その反射光を、再度、基板11方向に出射させることにより、基板11を導波する発光の損失を低減することができ、波長変換基板10を適用した表示装置の消費電力を低減することや、輝度を向上させることができる。
低屈折率層に用いることができる材料としては、特に限定するものではなく、例えば、フッ素系樹脂(Poly(1,1,1,3,3,3−hexafluoroisopropyl acrylate):n=1.375、Poly(2,2,3,3,4,4,4−heptafluorobutyl methacrylate):n=1.383、Poly(2,2,3,3,3−pentafluoroproyl methacrylate):n=1.395、Poly(2,2,2−trifluoroethyl methacrylate):n=1.418、メソポーラスシリカ(n=1.2)、エアロゲル(n=1.05)等の膜で形成されていてもよく、基板11と波長変換層積層体12との間の空間、または、カラーフィルター(赤色カラーフィルター17、緑色カラーフィルター18、青色カラーフィルター19)と波長変換層積層体12との間の空間に導入されたドライエアー、窒素等の気体で形成されていてもよく、前記の空間を減圧状態にして形成されていてもよい。
また、波長変換層積層体12における基板11とは反対側の面(以下、「一方の面」と言うこともある。)12aを覆うように、封止膜が設けられていてもよい。
封止膜は、スピンコート法、ODF、ラミレート法を用いて、波長変換層積層体12の一方の面12aに樹脂を塗布することによって形成される。あるいは、波長変換層積層体12の一方の面12aを覆うように、プラズマCVD法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、スパッタリング法等により、SiO、SiON、SiN等からなる無機膜を形成した後、さらに、その無機膜を覆うように、スピンコート法、ODF、ラミレート法等を用いて樹脂を塗布するか、または、無機膜を覆うように樹脂膜を貼り合わせることによって、封止膜を形成することもできる。
この封止膜により、波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)に、外部からの酸素や水分が混入するのを防止することができ、ひいては、波長変換層の劣化を低減することができる。さらに、波長変換基板10を表示装置に適用したとき、波長変換層に含まれる酸素や水分が液晶層、無機EL素子、有機EL素子等に到達し、液晶層、無機EL素子、有機EL素子等を劣化させることを防止することができる。
さらに、封止膜における波長変換層積層体12と接する面とは反対側の面を覆うように、平坦化膜が設けられていてもよい。
平坦化膜は、公知の材料を用いて形成することができる。平坦化膜の材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化タンタル等の無機材料、ポリイミド、アクリル樹脂、レジスト材料等の有機材料等が挙げられる。平坦化膜の形成方法としては、例えば、CVD法、真空蒸着法等のドライプロセス、スピンコート法等のウエットプロセス等が挙げられるが、本実施形態はこれらの材料および形成方法に限定するものではない。また、平坦化膜は、単層構造または多層構造のいずれであってもよい。
これにより、波長変換基板10を、有機光源または液晶層と組み合わせた場合に、波長変換基板10と、有機光源または液晶層との間に空隙が生じることを防止でき、かつ、波長変換基板10と、有機光源または液晶層との密着性を向上することができる。
次に、図2および図3を参照して、本実施形態の波長変換基板の製造方法の概略を説明する。
基板11の一方の面11aに、所定の間隔を置いて、画素を形成し、各画素間に対応した位置に隔壁13を形成する(図2(a)参照)。
次いで、基板11の一方の面11a上に、隔壁13を覆うように、上記のウエットプロセスやドライプロセス等により、赤色波長変換層からなる第一波長変換層14を形成する(図2(b)参照)。
ここで、第一波長変換層14は、水分や酸素による劣化(発光強度の低下)を防止する目的で、真空中、不活性ガス中またはドライエアー中(露点:−60℃以下)で形成される。
なお、本実施形態では、基板11上に波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)や中間層15が形成された後、波長変換基板10を用いた表示装置が得られるまでの全ての工程を、真空中、不活性ガス中またはドライエアー中(露点:−60℃以下)で行うことが好ましい。
さらに、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いてウエットプロセスで第一波長変換層14を形成する場合、第一波長変換層14を形成した後、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を硬化させる工程を経た後、第一波長変換層14をパターニングする露光工程を行い、中間層15を形成する工程を行うことが好ましい。これらの工程においても、全ての工程を真空中、不活性ガス中またはドライエアー中(露点:−60℃以下)で行うことが好ましい。
次いで、基板11上に形成された第一波長変換層14上に、赤色画素21に対応する領域が遮光され(遮光部31aが設けられ)、緑色画素22と青色画素23に対応する領域が遮光されていない(遮光部31aが設けられていない)フォトマスク31を配置する(図2(c)参照)。
次いで、上記のランプにより、基板11の一方の面11a側から、第一波長変換層14のうち、緑色画素22と青色画素23に対応する領域に光41を照射して、その領域を露光し、光化学反応を利用して、その領域における赤色の波長域の光の発光強度を低減させて(波長変換能力(発光能力)を低減させて)、非発光とする(図2(d)参照)。
次いで、上記のウエットプロセス等により、基板11の一方の面11a上に、第一波長変換層14を覆うように、中間層形成用塗液を塗布し、中間層15を形成する(図2(e)参照)。
ここで、中間層15は、水分や酸素による劣化(発光強度の低下)を防止する目的で、真空中、不活性ガス中またはドライエアー中(露点:−60℃以下)で形成される。
次いで、上記のウエットプロセスやドライプロセス等により、基板11の一方の面11a上に、中間層15を覆うように、緑色波長変換層からなる第二波長変換層16を形成する(図3(a)参照)。
この工程では、第一波長変換層14を形成する工程と同様にして、第二波長変換層16を形成する。
次いで、基板11上に形成された第二波長変換層16上に、赤色画素21と緑色画素22に対応する領域が遮光され(遮光部32aが設けられ)、青色画素23に対応する領域が遮光されていない(遮光部32aが設けられていない)フォトマスク32を配置する(図3(b)参照)。
次いで、上記のランプにより、第二波長変換層16のうち、青色画素23に対応する領域に光41を照射して、その領域を露光し、光化学反応を利用して、その領域における緑色の波長域の光の発光強度を低減させて(波長変換能力(発光能力)を低減させて)、非発光とする(図3(c)参照)。
この工程では、第一波長変換層14を露光する工程と同様にして、第二波長変換層16を露光する。
以上の工程により、基板11の一方の面11a上に、赤色画素21、緑色画素22および青色画素23が形成された波長変換基板10を得る(図3(d)参照)。
本実施形態では、第一波長変換層14を覆うように中間層15を形成した後、第一波長変換層14上に、中間層15を覆うように第二波長変換層16を形成するので、第一波長変換層14が、第二波長変換層16を形成する波長変換層形成用塗液を構成する溶媒に溶解することを防止でき、ひいては、第一波長変換層14と第二波長変換層16の内部量子収率低下を防止することができる。
なお、ここでは、中間層15が光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等で形成される場合を例示したが、上述したように、中間層15は気体で形成されていてもよい。中間層15が気体で形成される場合、例えば、第一波長変換層14と第二波長変換層16を異なる基板上に形成し、スペーサーを介して、第一波長変換層14と第二波長変換層16を積層することにより、第一波長変換層14と第二波長変換層16の間に、気体からなる中間層15を形成することができる。
赤色画素21では、第一波長変換層14(赤色波長変換層)と第二波長変換層16(緑色波長変換層)を共に露光していない。したがって、これら2つの波長変換層を、そのまま発光させることができる。これにより、赤色画素21では、励起光源からの励起光を緑色波長変換層に吸収させて、緑色波長変換層から緑色の波長域の光を発光させ、続いて、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光を赤色波長変換層に吸収させて、赤色波長変換層から赤色の波長域の光を発光する。
また、赤色画素21では、赤色波長変換層と緑色波長変換層を共に光を露光する必要がないため、赤色波長変換層と緑色波長変換層の波長変換能力(発光能力)を損なうことなく、高発光効率を維持したまま、使用することができる。
さらに、赤色画素21では、赤色波長変換層が、緑色波長変換層を透過した励起光を直接吸収し、赤色の波長域の光を発光することもでき、また、緑色波長変換層を透過した励起光と緑色波長変換層からの緑色の波長域の発光の両方を吸収し、赤色の波長域の光を発光することもできる。
ここで、緑色波長変換層としては、励起光源が発光する励起光を吸収し、励起光源が発光する励起光の吸光度が高いものが好ましい。
また、赤色波長変換層としては、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光を吸収し、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光の吸光度が高いものが好ましい。これにより、赤色画素21において、励起光源からの励起光を、より効率よく吸収することができ、高輝度の赤色発光を得ることができ、消費電力を低減させることもできる。さらに、赤色波長変換層としては、励起光源が発光する励起光を吸収し、励起光源が発光する励起光の吸光度が高いものが好ましい。これにより、赤色波長変換層では、緑色波長変換層で吸収されずに、赤色波長変換層に達する、励起光源が発光する励起光も吸収して、赤色発光に利用することもでき、高輝度の赤色発光を得ることができ、消費電力を低減させることもできる。
緑色画素22では、第一波長変換層14(赤色波長変換層)を露光し、光化学反応を利用して、赤色の波長域の光の発光強度を低減させ、一方、第二波長変換層16(緑色波長変換層)を露光していない。したがって、赤色波長変換層を非発光とし、緑色波長変換層をそのまま発光させることができる。これにより、緑色画素22では、励起光源からの励起光を緑色波長変換層に吸収させて、緑色波長変換層から緑色の波長域の光を発光させ、続いて、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光を、赤色波長変換層を透過させて、緑色の波長域の光を発光する。
緑色画素22では、基板11の一方の面11a上に先に形成した赤色波長変換層のみの発光強度を低減させて、赤色波長変換層のみを非発光とすればよいので、赤色波長変換層の露光(パターニング)により、緑色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が損なわれることを考慮する必要がなく、緑色波長変換層を、高発光効率を維持したまま、使用することができる。
さらに、緑色画素22では、赤色波長変換層の発光強度を低減する際に、緑色の波長域の光の吸光度を低減することによって、より効率よく、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光を取り出すことができ、高輝度の緑色発光を得ることができ、消費電力を低減させることもできる。
ここで、緑色波長変換層としては、励起光源が発光する励起光を吸収し、励起光源が発光する励起光の吸光度が高いものが好ましい。これにより、緑色画素22において、励起光源からの励起光を、より効率よく吸収することができ、高輝度の緑色発光を得ることができ、消費電力を低減させることもできる。
青色画素23では、第一波長変換層14(赤色波長変換層)と第二波長変換層16(緑色波長変換層)を共に露光し、光化学反応を利用して、赤色の波長域の光の発光強度と緑色の波長域の光の発光強度を低減させている。したがって、これら2つの波長変換層を、非発光とすることができる。これにより、青色画素23では、励起光源からの励起光を、緑色波長変換層を透過させて、続いて、緑色波長変換層を透過した励起光を、赤色波長変換層を透過させて、青色の波長域の光を発光する。
青色画素23では、赤色波長変換層と緑色波長変換層の発光強度を低減させて、これら2つの波長変換層を非発光とするので、励起光源からの励起光により赤色波長変換層または緑色波長変換層が発光して、励起光源からの励起光と、波長変換層からの赤色の波長域の光または緑色の波長域の光とが混ざって、色純度が悪化するのを防止することができる。
さらに、青色画素23では、赤色波長変換層の発光強度を低減する際に、励起光源からの励起光の吸光度を低減することによって、より効率よく、励起光源からの励起光を取り出すことができ、高輝度の青色発光を得ることができ、消費電力を低減させることもできる。
(2)第二実施形態
図4は、波長変換基板の第二実施形態を示す概略断面図である。図4において、図1に示した波長変換基板10と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
波長変換基板50は、基板11と、基板11の一方の面11a上に設けられ、基板11側から順に積層された第一波長変換層14、中間層15(以下、「第一中間層15」と言う。)、第二波長変換層16、第二中間層51および第三波長変換層52から構成される波長変換層積層体53と、第一基板11の一方の面11a上に設けられ、波長変換層積層体53からなる画素を区画する隔壁13とから概略構成されている。
なお、第二中間層51は、上述の中間層15と同様に設けられる。
また、基板11と波長変換層積層体53との間において、波長変換層積層体53のうち赤色画素61を構成する領域に赤色カラーフィルター17が設けられている。また、基板11と波長変換層積層体53との間において、波長変換層積層体53のうち緑色画素62を構成する領域に緑色カラーフィルター18が設けられている。さらに、基板11と波長変換層積層体53との間において、青色画素63を構成する領域に青色カラーフィルター19が設けられている。
また、波長変換基板50の厚さ方向において、基板11と隔壁13との間、かつ、波長変換基板50の厚さ方向と垂直な方向において、赤色カラーフィルター17と緑色カラーフィルター18との間、緑色カラーフィルター18と青色カラーフィルター19との間、および、青色カラーフィルター19と赤色カラーフィルター17との間に、ブラックマトリックス20が設けられている。
波長変換層積層体53を構成する第一波長変換層14、第二波長変換層16および第三波長変換層52は、励起光を吸収し、異なる波長を発光する。
第一波長変換層14、第二波長変換層16または第三波長変換層52としては、例えば、赤色に発光する赤色波長変換層、緑色に発光する緑色波長変換層または青色に発光する青色波長変換層が挙げられる。
また、必要に応じて、第一波長変換層14、第二波長変換層16または第三波長変換層52としては、シアン色に発光する波長変換層や黄色に発光する波長変換層を設けることが好ましい。
以下、波長変換層の機能を説明する。
ここでは、基板11側から順に赤色波長変換層からなる第一波長変換層14と、緑色波長変換層からなる第二波長変換層16と、青色波長変換層からなる第三波長変換層52とが、光透過性の第一中間層15と第二中間層51を介して積層され、励起光を用いた場合に、カラー化に必要な赤色画素61、緑色画素62、青色画素63について説明する。
赤色画素61では、基板11の一方の面11a上に、非露光の(露光されていない)赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、第一中間層15と、非露光の緑色波長変換層(第二波長変換層16)と、第二中間層51と、非露光の青色波長変換層(第三波長変換層52)とが順に積層されている。
緑色画素62では、基板11の一方の面11a上に、露光の(露光された)赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、第一中間層15と、非露光の緑色波長変換層(第二波長変換層16)と、第二中間層51と、非露光の青色波長変換層(第三波長変換層52)とが順に積層されている。
青色画素63では、基板11の一方の面11a上に、露光の(露光された)赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、第一中間層15と、露光の緑色波長変換層(第二波長変換層16)と、第二中間層51と、非露光の青色波長変換層(第三波長変換層52)とが順に積層されている。
赤色画素61においては、赤色波長変換層(第一波長変換層14)、緑色波長変換層(第二波長変換層16)および青色波長変換層(第三波長変換層52)が露光されていないので、緑色波長変換層、赤色波長変換層および青色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が維持されている。
これにより、波長変換層積層体53を介して基板11と対向する位置、すなわち、波長変換層積層体53を介して基板11とは反対側(第三波長変換層52側)に配置された励起光源(図示略)から、波長変換層積層体53に励起光を入射した場合、青色波長変換層(第三波長変換層52)に励起光が吸収され、青色波長変換層から青色の波長域の光が発光する。続いて、青色波長変換層から青色の波長域の光が第二中間層51を透過して、緑色波長変換層(第二波長変換層16)に入射し、緑色波長変換層に青色の波長域の光が吸収され、緑色波長変換層から緑色の波長域の光が発光する。続いて、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光が第一中間層15を透過して、赤色波長変換層(第一波長変換層14)に入射し、赤色波長変換層に緑色の波長域の光が吸収され、赤色波長変換層から赤色の波長域の光が発光する。このようにして、赤色画素61から赤色光を取り出し可能となる。
なお、赤色波長変換層(第一波長変換層14)は、緑色波長変換層(第二波長変換層16)からの緑色の波長域の光を吸収し、赤色の波長域の光を発光するだけでなく、青色波長変換層および緑色波長変換層に吸収されずに、これらの波長変換層を透過した励起光を吸収して、赤色の波長域の光を発光するか、青色波長変換層に吸収されずに、青色波長変換層を透過した励起光が緑色波長変換層に入射して、緑色波長変換層から発光した緑色の波長域の光を吸収して、赤色の波長域の光を発光するか、または、青色波長変換層および緑色波長変換層に吸収されずに、これらの波長変換層を透過した励起光と、緑色波長変換層からの緑色の波長域の発光との両方を吸収し、赤色の波長域の光を発光する。
緑色画素62においては、赤色波長変換層(第一波長変換層14)が露光され、緑色波長変換層(第二波長変換層16)および青色波長変換層(第三波長変換層52)が露光されていない。露光された赤色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が低減され、光の吸収能力も低減されている。一方、露光されていない緑色波長変換層および青色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が維持されている。
これにより、波長変換層積層体53を介して基板11と対向する位置、すなわち、波長変換層積層体53を介して基板11とは反対側(第三波長変換層52側)に配置された励起光源(図示略)から、波長変換層積層体53に励起光を入射した場合、青色波長変換層(第三波長変換層52)に励起光が吸収され、青色波長変換層から青色の波長域の光が発光する。続いて、青色波長変換層から青色の波長域の光が第二中間層51を透過して、緑色波長変換層(第二波長変換層13)に入射し、緑色波長変換層に青色の波長域の光が吸収され、緑色波長変換層から緑色の波長域の光が発光する。続いて、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光が第一中間層15を透過して、赤色波長変換層(第一波長変換層12)に入射するが、赤色波長変換層には緑色の波長域の光が吸収されないので、赤色波長変換層は発光することなく、緑色の波長域の光は赤色波長変換層を透過する。このようにして、緑色画素62から緑色光を取り出し可能となる。
青色画素63においては、赤色波長変換層(第一波長変換層14)および緑色波長変換層(第二波長変換層16)が露光され、青色波長変換層(第三波長変換層52)が露光されていない。露光された赤色波長変換層および緑色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が低減され、光の吸収能力も低減されている。一方、露光されていない青色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が維持されている。
これにより、波長変換層積層体53を介して基板11と対向する位置、すなわち、波長変換層積層体53を介して基板11とは反対側(第三波長変換層52側)に配置された励起光源(図示略)から、波長変換層積層体53に励起光を入射した場合、青色波長変換層(第三波長変換層52)に励起光が吸収され、青色波長変換層から青色の波長域の光が発光する。続いて、青色波長変換層から青色の波長域の光が第二中間層51を透過して、緑色波長変換層(第二波長変換層16)に入射するが、緑色波長変換層に青色の波長域の光が吸収されないので、緑色波長変換層は発光することなく、青色の波長域の光は緑色波長変換層を透過する。続いて、緑色波長変換層を透過した青色の波長域の光が第一中間層15を透過して、赤色波長変換層(第一波長変換層14)に入射するが、赤色波長変換層には青色の波長域の光が吸収されないので、赤色波長変換層は発光することなく、青色の波長域の光は赤色波長変換層を透過する。このようにして、青色画素63から青色光を取り出し可能となる。
このように、波長変換層積層体53では、基板11の一方の面11a側から順に、長波長側の光を発光する波長変換層が積層されている。これにより、波長変換層積層体53において、励起光の波長変換が効率よく行われ、波長変換基板50は色純度に優れたものとなる。
より詳細には、励起光源からの励起光が、短波長側の光を発光する第三波長変換層52に吸収され、第三波長変換層52が発光する。続いて、第三波長変換層52からの光(発光)が、第二波長変換層16に吸収され、第二波長変換層16が発光する。続いて、第二波長変換層16からの光(発光)が、光取出し側(基板11の一方の面11a側)に設けられた、長波長側の光を発光する第一波長変換層14に吸収され、第一波長変換層14が発光し、この発光が外部に取り出される。これにより、波長変換基板50から色純度の優れた発光を得ることができる。
また、波長変換基板10は、基板11の一方の面11a側から順に、赤色の波長域の光を発光する赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、緑色の波長域の光を発光する緑色波長変換層(第二波長変換層16)と、青色の波長域の光を発光する青色波長変換層(第三波長変換層52)とが積層され、赤色の波長域の光と、緑色の波長域の光と、青色の波長域の光とを発光することができる。
これにより、波長変換基板50を用いた表示装置において、励起光源として、励起光を発光する光源を用いた場合、波長変換基板50は、フルカラー表示装置に必要な赤色画素、緑色画素および青色発光画素を形成することができる。
より具体的には、波長変換基板50は、平面方向(基板11の一方の面11aと平行な方向)に、複数個の赤色画素61、緑色画素62および青色画素63が設けられており、厚さ方向に、基板11の一方の面11a側から順に、赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、緑色波長変換層(第二波長変換層16)と、青色波長変換層(第三波長変換層52)とが設けられている。
また、波長変換基板50の製造工程では、まず、基板11の一方の面11a上に第一波長変換層14を形成した後、フォトマスクを用いて、第一波長変換層14を露光することにより、緑色画素62および青色画素63において、赤色の波長域の光の発光強度を低下させる。続いて、第一波長変換層14上に第一中間層15を形成する。続いて、第一中間層15上に第二波長変換層16を形成した後、フォトマスクを用いて、第二波長変換層16を露光することにより、青色画素63のみにおいて、緑色の波長域の光の発光強度を低下させる。続いて、第二波長変換層16上に第二中間層51を形成する。続いて、第二中間層51上に第三波長変換層52を形成する。
赤色画素61、緑色画素62および青色画素63に加えて、さらに、黄色光を取り出し可能な黄色画素やシアン色光を取り出し可能なシアン色画素を設ける場合、波長変換層積層体53は、基板11側から順に赤色波長変換層からなる第一波長変換層14と、中間層と、黄色に発光する黄色波長変換層(図示略)と、中間層と、緑色波長変換層からなる第二波長変換層16と、中間層と、シアン色に発光するシアン色波長変換層(図示略)と、中間層と、青色波長変換層からなる第三波長変換層52とが積層されたものとなる。ここで、カラー化に必要な赤色画素61、緑色画素62、青色画素63、黄色画素(図示略)、シアン色画素(図示略)について説明する。
赤色画素61では、基板11の一方の面11a上に、非露光の赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、中間層と、非露光の黄色波長変換層と、中間層と、非露光の緑色波長変換層(第二波長変換層16)と、中間層と、非露光のシアン色波長変換層と、中間層と、非露光の青色波長変換層(第三波長変換層52)とが順に積層されている。
黄色画素では、基板11の一方の面11a上に、露光の赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、中間層と、非露光の黄色波長変換層と、中間層と、非露光の緑色波長変換層(第二波長変換層16)と、中間層と、非露光のシアン色波長変換層と、中間層と、非露光の青色波長変換層(第三波長変換層52)とが順に積層されている。
緑色画素62では、基板11の一方の面11a上に、露光の赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、中間層と、露光の黄色波長変換層と、中間層と、非露光の緑色波長変換層(第二波長変換層16)と、中間層と、非露光のシアン色波長変換層と、中間層と、非露光の青色波長変換層(第三波長変換層52)とが順に積層されている。
シアン色画素では、基板11の一方の面11a上に、露光の赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、中間層と、露光の黄色波長変換層と、中間層と、露光の緑色波長変換層(第二波長変換層16)と、中間層と、非露光のシアン色波長変換層と、中間層と、非露光の青色波長変換層(第三波長変換層52)とが順に積層されている。
青色画素63では、基板11の一方の面11a上に、露光の赤色波長変換層(第一波長変換層14)と、中間層と、露光の黄色波長変換層と、中間層と、露光の緑色波長変換層(第二波長変換層16)と、中間層と、露光のシアン色波長変換層と、中間層と、非露光の青色波長変換層(第三波長変換層52)とが順に積層されている。
赤色画素61においては、赤色波長変換層(第一波長変換層14)、黄色波長変換層、緑色波長変換層(第二波長変換層16)、シアン色波長変換層、および、青色波長変換層(第三波長変換層52)が露光されていないので、赤色波長変換層、黄色波長変換層、緑色波長変換層、シアン色波長変換層および青色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が維持されている。
これにより、波長変換層積層体53を介して基板11と対向する位置に配置された励起光源(図示略)から、波長変換層積層体53に励起光を入射した場合、青色波長変換層(第三波長変換層52)に励起光が吸収され、青色波長変換層から青色の波長域の光が発光する。続いて、青色波長変換層からの青色の波長域の光が中間層を透過して、シアン色波長変換層に入射し、シアン色波長変換層に青色の波長域の光が吸収され、シアン色波長変換層からシアン色の波長域の光が発光する。続いて、シアン色波長変換層からのシアン色の波長域の光が中間層を透過して、緑色波長変換層(第二波長変換層16)に入射し、緑色波長変換層にシアン色の波長域の光が吸収され、緑色波長変換層から緑色の波長域の光が発光する。続いて、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光が中間層を透過して、黄色波長変換層に入射し、黄色波長変換層に緑色の波長域の光が吸収され、黄色波長変換層から黄色の波長域の光が発光する。続いて、黄色波長変換層からの黄色の波長域の光が中間層を透過して、赤色波長変換層(第一波長変換層14)に入射し、赤色波長変換層に黄色の波長域の光が吸収され、赤色波長変換層から赤色の波長域の光が発光する。このようにして、赤色画素61から赤色光を取り出し可能となる。
黄色画素においては、赤色波長変換層(第一波長変換層14)が露光され、黄色波長変換層、緑色波長変換層(第二波長変換層16)、シアン色波長変換層、および、青色波長変換層(第三波長変換層52)が露光されていない。露光された赤色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が低減され、光の吸収能力も低減されている。一方、露光されていない黄色波長変換層、緑色波長変換層、シアン色波長変換層および青色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が維持されている。
これにより、波長変換層積層体53を介して基板11と対向する位置に配置された励起光源(図示略)から、波長変換層積層体53に励起光を入射した場合、青色波長変換層(第三波長変換層52)に励起光が吸収され、青色波長変換層から青色の波長域の光が発光する。続いて、青色波長変換層からの青色の波長域の光が中間層を透過して、シアン色波長変換層に入射し、シアン色波長変換層に青色の波長域の光が吸収され、シアン色波長変換層からシアン色の波長域の光が発光する。続いて、シアン色波長変換層からのシアン色の波長域の光が中間層を透過して、緑色波長変換層(第二波長変換層16)に入射し、緑色波長変換層にシアン色の波長域の光が吸収され、緑色波長変換層から緑色の波長域の光が発光する。続いて、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光が中間層を透過して、黄色波長変換層に入射し、黄色波長変換層に緑色の波長域の光が吸収され、黄色波長変換層から黄色の波長域の光が発光する。続いて、黄色波長変換層からの黄色の波長域の光が中間層を透過して、赤色波長変換層(第一波長変換層14)に入射するが、赤色波長変換層には黄色の波長域の光が吸収されないので、赤色波長変換層は発光することなく、黄色の波長域の光は赤色波長変換層を透過する。このようにして、黄色画素から黄色光を取り出し可能となる。
緑色画素62においては、赤色波長変換層(第一波長変換層14)および黄色波長変換層が露光され、緑色波長変換層(第二波長変換層16)、シアン色波長変換層、および、青色波長変換層(第三波長変換層52)が露光されていない。露光された赤色波長変換層および黄色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が低減され、光の吸収能力も低減されている。一方、露光されていない緑色波長変換層、シアン色波長変換層および青色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が維持されている。
これにより、波長変換層積層体53を介して基板11と対向する位置に配置された励起光源(図示略)から、波長変換層積層体53に励起光を入射した場合、青色波長変換層(第三波長変換層52)に励起光が吸収され、青色波長変換層から青色の波長域の光が発光する。続いて、青色波長変換層からの青色の波長域の光が中間層を透過して、シアン色波長変換層に入射し、シアン色波長変換層に青色の波長域の光が吸収され、シアン色波長変換層からシアン色の波長域の光が発光する。続いて、シアン色波長変換層からのシアン色の波長域の光が中間層を透過して、緑色波長変換層(第二波長変換層16)に入射し、緑色波長変換層にシアン色の波長域の光が吸収され、緑色波長変換層から緑色の波長域の光が発光する。続いて、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光が中間層を透過して、黄色波長変換層に入射するが、黄色波長変換層には緑色の波長域の光が吸収されないので、黄色波長変換層は発光することなく、緑色の波長域の光は黄色波長変換層を透過する。続いて、黄色波長変換層を透過した緑色の波長域の光が中間層を透過して、赤色波長変換層に入射するが、赤色波長変換層には緑色の波長域の光が吸収されないので、赤色波長変換層は発光することなく、緑色の波長域の光は赤色波長変換層を透過する。このようにして、緑色画素62から緑色光を取り出し可能となる。
シアン色画素においては、赤色波長変換層(第一波長変換層14)、黄色波長変換層および緑色波長変換層(第二波長変換層16)が露光され、シアン色波長変換層および青色波長変換層(第三波長変換層52)が露光されていない。露光された赤色波長変換層、黄色波長変換層および緑色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が低減され、光の吸収能力も低減されている。一方、露光されていないシアン色波長変換層および青色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が維持されている。
これにより、波長変換層積層体53を介して基板11と対向する位置に配置された励起光源(図示略)から、波長変換層積層体53に励起光を入射した場合、青色波長変換層(第三波長変換層51)に励起光が吸収され、青色波長変換層から青色の波長域の光が発光する。続いて、青色波長変換層からの青色の波長域の光が中間層を透過して、シアン色波長変換層に入射し、シアン色波長変換層に青色の波長域の光が吸収され、シアン色波長変換層からシアン色の波長域の光が発光する。続いて、シアン色波長変換層からのシアン色の波長域の光が中間層を透過して、緑色波長変換層(第二波長変換層16)に入射するが、緑色波長変換層にシアン色の波長域の光が吸収されないので、緑色波長変換層は発光することなく、シアン色の波長域の光は緑色波長変換層を透過する。続いて、緑色波長変換層を透過したシアン色の波長域の光が中間層を透過して、黄色波長変換層に入射するが、黄色波長変換層にはシアン色の波長域の光が吸収されないので、黄色波長変換層は発光することなく、シアン色の波長域の光は黄色波長変換層を透過する。続いて、黄色波長変換層を透過したシアン色の波長域の光が中間層を透過して、赤色波長変換層に入射するが、赤色波長変換層にはシアン色の波長域の光が吸収されないので、赤色波長変換層は発光することなく、シアン色の波長域の光は赤色波長変換層を透過する。このようにして、シアン色画素からシアン色光を取り出し可能となる。
青色画素63においては、赤色波長変換層(第一波長変換層14)、黄色波長変換層、緑色波長変換層(第二波長変換層16)およびシアン色波長変換層が露光され、青色波長変換層(第三波長変換層52)が露光されていない。露光された赤色波長変換層、黄色波長変換層、緑色波長変換層およびシアン色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が低減され、光の吸収能力も低減されている。一方、露光されていない青色波長変換層の波長変換能力(発光能力)が維持されている。
これにより、波長変換層積層体53を介して基板11と対向する位置に配置された励起光源(図示略)から、波長変換層積層体53に励起光を入射した場合、青色波長変換層(第三波長変換層52)に励起光が吸収され、青色波長変換層から青色の波長域の光が発光する。続いて、青色波長変換層からの青色の波長域の光が中間層を透過して、シアン色波長変換層に入射するが、シアン色波長変換層に青色の波長域の光が吸収されないので、青色の波長域の光はシアン色波長変換層を透過する。続いて、シアン色波長変換層を透過した青色の波長域の光が中間層を透過して、緑色波長変換層(第二波長変換層13)に入射するが、緑色波長変換層に青色の波長域の光が吸収されないので、緑色波長変換層は発光することなく、青色の波長域の光は緑色波長変換層を透過する。続いて、緑色波長変換層を透過した青色の波長域の光が中間層を透過して、黄色波長変換層に入射するが、黄色波長変換層には青色の波長域の光が吸収されないので、黄色波長変換層は発光することなく、青色の波長域の光は黄色波長変換層を透過する。続いて、黄色波長変換層を透過した青色の波長域の光が中間層を透過して、赤色波長変換層に入射するが、赤色波長変換層には青色の波長域の光が吸収されないので、赤色波長変換層は発光することなく、青色の波長域の光は赤色波長変換層を透過する。このようにして、青色画素63から青色の波長域の光を取り出し可能となる。
黄色画素やシアン色画素を設ける場合に、中間層15や第二中間層51に加えて形成される中間層は、上述の第一実施形態と同様に、有機材料、無機材料または気体からなることが好ましい。
また、これら中間層の膜厚は、100nm〜500μmであることが好ましい。
また、波長変換層積層体53(第三波長変換層52)における基板11とは反対側の面(以下、「一方の面」と言うこともある。)53aを覆うように、封止膜が設けられていてもよい。
さらに、封止膜における波長変換層積層体53と接する面とは反対側の面を覆うように、平坦化膜が設けられていてもよい。
次に、図5および図6を参照して、本実施形態の波長変換基板の製造方法の概略を説明する。
基板11の一方の面11aに、所定の間隔を置いて、画素を形成し、各画素間に対応した位置に隔壁13を形成する(図5(a)参照)。
次いで、基板11の一方の面11a上に、隔壁13を覆うように、上記のウエットプロセスやドライプロセス等により、赤色波長変換層からなる第一波長変換層14を形成する(図5(b)参照)。
ここで、第一波長変換層14は、水分や酸素による劣化(発光強度の低下)を防止する目的で、真空中、不活性ガス中またはドライエアー中(露点:−60℃以下)で形成される。
なお、本実施形態では、基板11上に波長変換層(第一波長変換層14、第二波長変換層16等)や、第一中間層15、第二中間層51が形成された後、波長変換基板10を用いた表示装置が得られるまでの全ての工程を、真空中、不活性ガス中またはドライエアー中(露点:−60℃以下)で行うことが好ましい。
さらに、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いてウエットプロセスで第一波長変換層14を形成する場合、第一波長変換層14を形成した後、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を硬化させる工程を経た後、第一波長変換層14をパターニングする露光工程を行い、第一中間層15を形成する工程を行うことが好ましい。これらの工程においても、全ての工程を真空中、不活性ガス中またはドライエアー中(露点:−60℃以下)で行うことが好ましい。
次いで、基板11上に形成された第一波長変換層14上に、赤色画素61に対応する領域が遮光され(遮光部31aが設けられ)、緑色画素62と青色画素63に対応する領域が遮光されていない(遮光部31aが設けられていない)フォトマスク31を配置する(図5(c)参照)。
次いで、上記のランプにより、基板11の一方の面11a側から、第一波長変換層14のうち、緑色画素62と青色画素63に対応する領域に光41を照射して、その領域を露光し、光化学反応を利用して、その領域における赤色の波長域の光の発光強度を低減させて(波長変換能力(発光能力)を低減させて)、非発光とする(図5(d)参照)。
次いで、上記のウエットプロセス等により、基板11の一方の面11a上に、第一波長変換層14を覆うように、中間層形成用塗液を塗布し、第一中間層15を形成する(図5(e)参照)。
ここで、第一中間層15は、水分や酸素による劣化(発光強度の低下)を防止する目的で、真空中、不活性ガス中またはドライエアー中(露点:−60℃以下)で形成される。
次いで、上記のウエットプロセスやドライプロセス等により、基板11の一方の面11a上に、第一中間層15を覆うように、緑色波長変換層からなる第二波長変換層16を形成する(図6(a)参照)。
この工程では、第一波長変換層14を形成する工程と同様にして、第二波長変換層16を形成する。
次いで、基板11上に形成された第二波長変換層16上に、赤色画素61と緑色画素62に対応する領域が遮光され(遮光部32aが設けられ)、青色画素63に対応する領域が遮光されていない(遮光部32aが設けられていない)フォトマスク32を配置する(図6(b)参照)。
次いで、上記のランプにより、第二波長変換層16のうち、青色画素63に対応する領域に光41を照射して、その領域を露光し、光化学反応を利用して、その領域における緑色の波長域の光の発光強度を低減させて(波長変換能力(発光能力)を低減させて)、非発光とする(図6(c)参照)。
この工程では、第一波長変換層14を露光する工程と同様にして、第二波長変換層16を露光する。
次いで、上記のウエットプロセス等により、基板11の一方の面11a上に、第二波長変換層16を覆うように、中間層形成用塗液を塗布し、第二中間層51を形成する(図6(d)参照)。
ここで、第二中間層51は、水分や酸素による劣化(発光強度の低下)を防止する目的で、真空中、不活性ガス中またはドライエアー中(露点:−60℃以下)で形成される。
次いで、上記のウエットプロセスやドライプロセス等により、基板11の一方の面11a上に、第二中間層51を覆うように、青色波長変換層からなる第三波長変換層52を形成する(図6(e)参照)。
この工程では、第一波長変換層14を形成する工程と同様にして、第三波長変換層52を形成する。
以上の工程により、基板11の一方の面11a上に、赤色画素61、緑色画素62および青色画素63が形成された波長変換基板50を得る。
本実施形態では、第一波長変換層14を覆うように第一中間層15を形成した後、第一波長変換層14上に、第一中間層15を覆うように第二波長変換層16を形成するので、第一波長変換層14が、第二波長変換層16を形成する波長変換層形成用塗液を構成する溶媒に溶解することを防止でき、ひいては、第一波長変換層14と第二波長変換層16の内部量子収率低下を防止することができる。また、第二波長変換層16を覆うように第二中間層51を形成した後、第二波長変換層16上に、第二中間層51を覆うように第三波長変換層52を形成するので、第二波長変換層16が、第三波長変換層51を形成する波長変換層形成用塗液を構成する溶媒に溶解することを防止でき、ひいては、第二波長変換層16と第三波長変換層52の内部量子収率低下を防止することができる。
なお、ここでは、第一中間層15および第二中間層51が光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂で形成される場合を例示したが、上述したように、第一中間層15と第二中間層51のいずれか一方、または、第一中間層15と第二中間層51の両方が気体で形成されていてもよい。第一中間層15や第二中間層51が気体で形成される場合、例えば、第一波長変換層14と第二波長変換層16を異なる基板上に形成し、スペーサーを介して、第一波長変換層14と第二波長変換層16を積層することにより、第一波長変換層14と第二波長変換層16の間に、気体からなる第一中間層15を形成することができる。また、第二波長変換層16と第三波長変換層52を異なる基板上に形成し、スペーサーを介して、第二波長変換層16と第三波長変換層52を積層することにより、第二波長変換層16と第三波長変換層52の間に、気体からなる第二中間層51を形成することができる。
赤色画素61では、第一波長変換層14(赤色波長変換層)、第二波長変換層16(緑色波長変換層)および第三波長変換層52(青色波長変換層)を露光していない。したがって、これら3つの波長変換層を、そのまま発光させることができる。これにより、赤色画素61では、励起光源からの励起光を青色波長変換層に吸収させて、青色波長変換層から青色の波長域の光を発光させ、続いて、青色波長変換層からの青色の波長域の光を緑色波長変換層に吸収させて、緑色波長変換層から緑色の波長域の光を発光させ、続いて、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光を赤色波長変換層に吸収させて、赤色波長変換層から赤色の波長域の光を発光する。
また、赤色画素61では、赤色波長変換層、緑色波長変換層および青色波長変換層を露光する必要がないため、赤色波長変換層、緑色波長変換層および青色波長変換層の波長変換能力(発光能力)を損なうことなく、高発光効率を維持したまま、使用することができる。
さらに、赤色画素61では、赤色波長変換層が、青色波長変換層および緑色波長変換層を透過した励起光を直接吸収し、赤色の波長域の光を発光することもでき、また、青色波長変換層および緑色波長変換層を透過した励起光と緑色波長変換層からの緑色の波長域の発光の両方を吸収し、赤色の波長域の光を発光することもできる。
ここで、青色波長変換層としては、励起光源が発光する励起光を吸収し、励起光源が発光する励起光の吸光度が高いものが好ましい。これにより、青色波長変換層では、励起光源からの励起光を、より効率よく吸収することができ、高輝度の青色発光を得ることができ、より効率よく緑色波長変換層にエネルギーを移動させることができ、消費電力を低減させることができる。
また、緑色波長変換層としては、青色波長変換層からの青色の波長域の光を吸収し、青色波長変換層からの青色の波長域の光の吸光度が高いものが好ましい。これにより、赤色画素61において、励起光源からの励起光を、より効率よく吸収することができ、高輝度の緑色発光を得ることができ、より効率よく赤色波長変換層にエネルギーを移動させることができ、消費電力を低減させることもできる。さらに、緑色波長変換層としては、励起光源が発光する励起光を吸収し、励起光源が発光する励起光の吸光度が高いものが好ましい。これにより、緑色波長変換層では、青色波長変換層で吸収されずに、緑色波長変換層に達する、励起光源が発光する励起光も吸収して、緑色発光に利用することもでき、高輝度の緑色発光を得ることができ、消費電力を低減させることもできる。
緑色画素62では、第一波長変換層14(赤色波長変換層)を露光し、光化学反応を利用して、赤色の波長域の光の発光強度を低減させ、一方、第二波長変換層16(緑色波長変換層)および第三波長変換層52(青色波長変換層)を露光していない。したがって、赤色波長変換層を非発光とし、緑色波長変換層および青色波長変換層をそのまま発光させることができる。これにより、緑色画素62では、励起光源からの励起光を青色波長変換層に吸収させ、続いて、青色波長変換層からの青色の波長域の光を緑色波長変換層に吸収させて、緑色波長変換層から緑色の波長域の光を発光させ、続いて、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光を、赤色波長変換層を透過させて、緑色の波長域の光を発光する。
緑色画素62では、基板11の一方の面11a上に先に形成した赤色波長変換層のみの発光強度を低減させて、赤色波長変換層のみを非発光とすればよいので、赤色波長変換層の露光(パターニング)により、緑色波長変換層および青色波長変換層の波長変換能力(発光能力)を損なうことを考慮する必要がなく、緑色波長変換層および青色波長変換層を、高発光効率を維持したまま、使用することができる。
さらに、緑色画素62では、赤色波長変換層の発光強度を低減する際に、緑色の波長域の光の吸光度および青色の波長域の光の吸光度を低減することによって、より効率よく、緑色波長変換層からの緑色の波長域の光および青色波長変換層からの青色の波長域の光を取り出すことができ、高輝度の緑色発光を得ることができ、消費電力を低減させることもできる。
ここで、青色波長変換層としては、励起光源が発光する励起光を吸収し、励起光源が発光する励起光の吸光度が高いものが好ましい。
また、緑色波長変換層としては、青色波長変換層からの青色の波長域の光を吸収し、青色波長変換層からの青色の波長域の光の吸光度が高いものが好ましい。これにより、緑色画素62において、励起光源からの励起光を、より効率よく吸収することができ、高輝度の緑色発光を得ることができ、消費電力を低減させることもできる。
さらに、緑色波長変換層としては、励起光源が発光する励起光を吸収し、励起光源が発光する励起光の吸光度が高いものが好ましい。これにより、青色波長変換層に吸収されずに、緑色波長変換層に達する、励起光源が発光する励起光も吸収して、緑色発光に利用することもでき、高輝度の緑色発光を得ることができ、消費電力を低減させることもできる。
青色画素63では、第一波長変換層14(赤色波長変換層)と第二波長変換層16(緑色波長変換層)を共に露光し、光化学反応を利用して、赤色の波長域の光の発光強度と緑色の波長域の光の発光強度を低減させている。したがって、これら2つの波長変換層を、非発光とすることができる。これにより、青色画素63では、励起光源からの励起光を青色波長変換層に吸収させ、続いて、青色波長変換層からの青色の波長域の光を、緑色波長変換層を透過させ、続いて、緑色波長変換層を透過した青色の波長域の光を、赤色波長変換層を透過させて、青色の波長域の光を発光する。
青色画素63では、赤色波長変換層と緑色波長変換層の発光強度を低減させて、これら2つの波長変換層を非発光とするので、励起光源からの励起光により赤色波長変換層または緑色波長変換層が発光して、青色波長変換層からの青色の波長域の光と、赤色波長変換層からの赤色の波長域の光または緑色波長変換層からの緑色の波長域の光とが混ざって、色純度が悪化するのを防止することができる。
さらに、青色画素63では、赤色波長変換層および緑色波長変換層の発光強度を低減する際に、青色波長変換層からの青色の波長域の光の吸光度を低減することによって、より効率よく、青色波長変換層からの青色の波長域の光を取り出すことができ、高輝度の青色発光を得ることができ、消費電力を低減させることもできる。
ここで、青色波長変換層としては、励起光源が発光する励起光を吸収し、励起光源が発光する励起光の吸光度が高いものが好ましい。これにより、青色画素63において、励起光源からの励起光を、より効率よく吸収することができ、高輝度の青色発光を得ることができ、消費電力を低減させることもできる。
「表示装置」
(1)第一実施形態
図7は、表示装置の第一実施形態を示す概略断面図である。
表示装置70は、第一基板71と、第一基板71の一方の面71a上に設けられた発光層72と、発光層72上に設けられた光源73と、発光層72および光源73を介して第一基板71と対向するように設けられた第二基板(封止基板)74と、第一基板71および第二基板74の外縁部に設けられ、第一基板71と第二基板74を貼り合わせた状態で相互に固定する貼り合わせ部材75とから概略構成されている。
表示装置70において、発光層72とは、上記の波長変換基板の第一実施形態における波長変換層積層体12や、波長変換基板の第二実施形態における波長変換層積層体53のことである。
第一基板71、第二基板74としては、特に限定するものではないが、従来の有機EL表示装置で使用される基板および封止基板が用いられる。
第一基板71、第二基板74としては、例えば、ガラス、石英等からなる無機材料基板、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド等からなるプラスチック基板、アルミナ等からなるセラミックス基板等の絶縁性基板、または、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)等からなる金属基板、または、これらの基板の表面に酸化シリコン(SiO)、有機絶縁材料等からなる絶縁物を表面にコーティングした基板、アルミニウム等からなる金属基板の表面を陽極酸化等の方法で絶縁化処理を施した基板等が挙げられる。これらのなかでも、ストレスなく湾曲部、折り曲げ部を形成することが可能となる点から、プラスチック基板または金属基板を用いることが好ましい。
さらに、プラスチック基板に無機材料をコーティングした基板、金属基板に無機絶縁材料をコーティングした基板が好ましい。このような無機材料をコーティングした基板を用いることにより、プラスチック基板を表示装置の基板として用いた場合に最大の問題となる水分の透過による有機EL材料の劣化(有機EL材料は、特に少量の水分に対しても劣化が起こることが知られている。)を解消することが可能となる。また、金属基板を表示装置の基板として用いた場合の最大の問題となる、金属基板の突起によるリーク(ショート)(有機EL等からなる光源73の厚さは、100nm〜200nm程度と非常に薄いため、突起による画素部での電流にリーク(ショート)が、顕著に起こることが知られている。)を解消することが可能となる。
また、アクティブマトリックス駆動するためのTFT(駆動素子)を形成する場合には、第一基板71、第二基板74としては、500℃以下の温度で融解せず、歪みも生じない基板を用いることが好ましい。また、一般的な金属基板は、ガラスと熱膨張率が異なるため、従来の生産装置を用いて金属基板上にTFTを形成することは困難であるが、線膨張係数が1×10−5/ ℃ 以下の鉄−ニッケル系合金である金属基板を用いて、線膨張係数をガラスに合わせ込むことにより、金属基板上にTFTを、従来の生産装置を用いて安価に形成することが可能となる。
また、プラスチック基板の場合は、耐熱温度が非常に低いため、ガラス基板上にTFTを形成した後、プラスチック基板にガラス基板上のTFTを転写することにより、プラスチック基板上にTFTを転写形成する。
第一基板71、第二基板74としては、特に制限がなく、上記の基板を用いることができるが、発光層72および光源73からの発光を第一基板71側から取り出す場合、第一基板71としては、透明または半透明の基板が用いられる。一方、発光層72および光源73からの発光を第二基板74側から取り出す場合、第二基板74としては、透明または半透明の基板が用いられる。
光源73の駆動方法としては、従来のパッシブマトリックス駆動、アクティブマトリックス駆動、および、それらに用いられる従来の材料、プロセス等を用いることができる。
ここで、光源73の駆動方法としては、容易にピーク輝度表示が可能であり、表示品位が優れており、パッシブマトリックス駆動に比べて発光時間を長くすることができ、所望の輝度を得るための駆動電圧を低減することが可能となり、低消費電力化が可能となることから、アクティブマトリックス駆動が好ましい。
第一基板71、第二基板74に形成されるTFTは、光源73を形成する前に、予め第一基板71、第二基板74上に形成され、スイッチング用および駆動用として機能する。
本実施形態におけるTFTとしては、例えば、公知のTFTが挙げられる。また、TFTの代わりに、金属−絶縁体−金属(MIM)ダイオードを用いることもできる。
表示装置70に用いることが可能なTFTは、公知の材料、構造および形成方法を用いて形成することができる。TFTの活性層の材料としては、例えば、非晶質シリコン(アモルファスシリコン)、多結晶シリコン(ポリシリコン)、微結晶シリコン、セレン化カドミウム等の無機半導体材料、酸化亜鉛、酸化インジウム−酸化ガリウム−酸化亜鉛等の酸化物半導体材料、または、ポリチオフェン誘導体、チオフェンオリゴマー、ポリ(p−フェリレンビニレン)誘導体、ナフタセン、ペンタセン等の有機半導体材料が挙げられる。また、TFTの構造としては、例えば、スタガ型、逆スタガ型、トップゲート型、コプレーナ型等が挙げられる。
TFTを構成する活性層の形成方法としては、(1)プラズマ誘起化学気相成長(PECVD)法により成膜したアモルファスシリコンに不純物をイオンドーピングする方法、(2)シラン(SiH)ガスを用いた減圧化学気相成長(LPCVD)法によりアモルファスシリコンを形成し、固相成長法によりアモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法、(3)Siガスを用いたLPCVD法またはSiHガスを用いたPECVD法によりアモルファスシリコンを形成し、エキシマレーザー等のレーザーによりアニールし、アモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオンドーピングを行う方法(低温プロセス)、(4)LPCVD法またはPECVD法によりポリシリコン層を形成し、1000℃以上で熱酸化することによりゲート絶縁膜を形成し、その上に、nポリシリコンのゲート電極を形成し、その後、イオンドーピングを行う方法(高温プロセス)、(5)有機半導体材料をインクジェット法等により形成する方法、(6)有機半導体材料の単結晶膜を得る方法等が挙げられる。
本実施形態におけるTFTのゲート絶縁膜は、公知の材料を用いて形成することができる。例えば、PECVD法、LPCVD法等により形成されたSiOまたはポリシリコン膜を熱酸化して得られるSiO等が挙げられる。
また、本実施形態におけるTFTの信号電極線、走査電極線、共通電極線、第一駆動電極および第二駆動電極等は、公知の材料を用いて形成することができる。これら信号電極線、走査電極線、共通電極線、第一駆動電極および第二駆動電極等の材料としては、例えば、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等が挙げられる。表示装置70のTFTは、上記のような構成で形成することができるが、本実施形態は、これらの材料、構造および形成方法に限定するものではない。
アクティブ駆動型の有機EL表示装置70に用いることが可能な層間絶縁膜は、公知の材料を用いて形成することができる。層間絶縁膜の材料としては、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiNまたはSi)、酸化タンタル(TaOまたはTa)等の無機材料、または、アクリル樹脂、レジスト材料等の有機材料等が挙げられる。
また、層間絶縁膜の形成方法としては、化学気相成長(CVD)法、真空蒸着法等のドライプロセス、スピンコート法等のウエットプロセスが挙げられる。また、必要に応じて、フォトリソグラフィー法等により、層間絶縁膜をパターニングすることもできる。
発光層72からの発光を第二基板74側から取り出す場合には、外光が第二基板74上に形成されたTFTに入射して、TFTの特性に変化が生じることを防ぐ目的で、遮光性を兼ね備えた遮光性絶縁膜を形成することが好ましい。また、上記の層間絶縁膜と遮光性絶縁膜を組み合わせて用いることもできる。
遮光性絶縁膜の材料としては、例えば、フタロシアニン、キナクロドン等の顔料または染料をポリイミド等の高分子樹脂に分散したもの、カラーレジスト、ブラックマトリクス材料、NiZnFe等の無機絶縁材料等が挙げられる。しかしながら、本実施形態は、これらの材料および形成方法に限定するものではない。
表示装置70をアクティブ駆動型とし、第一基板71または第二基板74上にTFT等を形成した場合には、その表面に凹凸が形成され、この凹凸によって発光層72の欠陥(例えば、第一電極の欠損、有機層の欠損、第二電極の断線、第一電極と第二電極の短絡、耐圧の低下等)等が発生するおそれがある。これらの欠陥を防止するために、層間絶縁膜上に平坦化膜を設けてもよい。
このような平坦化膜は、公知の材料を用いて形成することができる。平坦化膜の材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化タンタル等の無機材料、ポリイミド、アクリル樹脂、レジスト材料等の有機材料等が挙げられる。平坦化膜の形成方法としては、例えば、CVD法、真空蒸着法等のドライプロセス、スピンコート法等のウエットプロセス等が挙げられるが、本実施形態はこれらの材料および形成方法に限定するものではない。また、平坦化膜は、単層構造または多層構造のいずれであってもよい。
貼り合わせ部材75としては、例えば、樹脂系の接着剤、無機材料等が用いられる。なお、第一基板71および第二基板74と、貼り合わせ部材75との間の密着性が確保できれば、貼り合わせ部材75の材質は特に限定されない。
光源73としては、公知の紫外LED、青色LED、紫外発光無機EL素子、青色発光無機EL素子、紫外発光有機EL素子、青色発光有機EL素子等が用いられるが、本実施形態はこれらの光源に限定するものではなく、公知の材料、公知の製造方法で作製した光源を用いることができる。
ここで、紫外光としては、主発光ピークが360〜410nmの発光が好ましく、青色光としては、主発光ピークが410〜470nmの発光が好ましい。
図8は、表示装置を構成する有機EL素子基板(光源)の一実施形態を示す概略断面図である。
有機EL素子基板80は、基板81と、基板81の一方の面81a上に設けられた有機EL素子82とから概略構成されている。
有機EL素子82は、基板81の一方の面81a上に順に設けられた、第一電極83と、有機EL層84と、第二電極85とから概略構成されている。すなわち、有機EL素子82は、基板81の一方の面81a上に、第一電極83および第二電極85からなる一対の電極と、これら一対の電極間に挟持された有機EL層84と、を備えている。
第一電極83および第二電極85は、有機EL素子82の陽極または陰極として対で機能する。
第一電極83と第二電極85との間の光学距離は、微小共振器構造(マイクロキャビティ構造)を構成するように調整されている。
有機EL層84は、第一電極83側から第二電極85側に向かって順に積層された、正孔注入層86、正孔輸送層87、有機発光層88、正孔防止層89、電子輸送層90および電子注入層91から構成されている。
正孔注入層86、正孔輸送層87、有機発光層88、正孔防止層89、電子輸送層90および電子注入層91は、それぞれ単層構造または多層構造のいずれであってもよい。また、正孔注入層86、正孔輸送層87、有機発光層88、正孔防止層89、電子輸送層90および電子注入層91は、それぞれ有機薄膜または無機薄膜のいずれであってもよい。
正孔注入層86は、第一電極83からの正孔の注入を効率よく行うものである。
正孔輸送層87は、有機発光層88への正孔の輸送を効率よく行うものである。
電子輸送層90は、有機発光層88への電子の輸送を効率よく行うものである。
電子注入層91は、第二電極85からの電子の注入を効率よく行うものである。
正孔注入層86、正孔輸送層87、電子輸送層90および電子注入層91は、キャリア注入輸送層に該当する。
なお、有機EL素子82は上記の構成に限定するものではなく、有機EL層84が、有機発光層の単層構造であっても、有機発光層とキャリア注入輸送層の多層構造であってもよい。有機EL素子82の構成としては、具体的には、下記のものが挙げられる。
(1)第一電極83と第二電極85の間に、有機発光層のみが設けられた構成
(2)第一電極83側から第二電極85側に向かって、正孔輸送層および有機発光層がこの順に積層された構成
(3)第一電極83側から第二電極85側に向かって、有機発光層および電子輸送層がこの順に積層された構成
(4)第一電極83側から第二電極85側に向かって、正孔輸送層、有機発光層および電子輸送層がこの順に積層された構成
(5)第一電極83側から第二電極85側に向かって、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層および電子輸送層がこの順に積層された構成
(6)第一電極83側から第二電極85側に向かって、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層および電子注入層がこの順に積層された構成
(7)第一電極83側から第二電極85側に向かって、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、正孔防止層および電子輸送層がこの順に積層された構成
(8)第一電極83側から第二電極85側に向かって、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、正孔防止層、電子輸送層および電子注入層がこの順に積層された構成
(9)第一電極83側から第二電極85側に向かって、正孔注入層、正孔輸送層、電子防止層、有機発光層、正孔防止層、電子輸送層および電子注入層がこの順に積層された構成
これら有機発光層、正孔注入層、正孔輸送層、正孔防止層、電子防止層、電子輸送層および電子注入層の各層は、単層構造または多層構造のいずれであってもよい。また、有機発光層、正孔注入層、正孔輸送層、正孔防止層、電子防止層、電子輸送層および電子注入層の各層は、それぞれ有機薄膜または無機薄膜のいずれであってもよい。
また、第一電極83の端面を覆うようにエッジカバー92が形成されている。すなわち、エッジカバー92は、第一電極83と第二電極85の間でリークを起こすことを防止するために、第一電極83と第二電極85の間において、基板81の一方の面81aに形成された第一電極83のエッジ部を覆うように設けられている。
以下、有機EL素子基板80を構成する各構成部材およびその形成方法について具体的に説明するが、本実施形態はこれら構成部材および形成方法に限定するものではない。
基板81としては、例えば、ガラス、石英等からなる無機材料基板、ポリエチレンテレフタレート、ポリカルバゾール、ポリイミド等からなるプラスチック基板、アルミナ等からなるセラミックス基板等の絶縁性基板、または、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)等からなる金属基板、または、これらの基板上に酸化シリコン(SiO)、有機絶縁材料等からなる絶縁物を表面にコーティングした基板、アルミニウム等からなる金属基板の表面を陽極酸化等の方法で絶縁化処理を施した基板等が挙げられるが、本実施形態はこれらの基板に限定するものではない。これらの基板の中でも、ストレスなく湾曲部、折り曲げ部を形成することが可能となることから、プラスチック基板または金属基板を用いることが好ましい。
さらに、プラスチック基板に無機材料をコーティングした基板、金属基板に無機絶縁材料をコーティングした基板が好ましい。このような無機材料をコーティングした基板を用いることにより、プラスチック基板を有機EL素子基板の基板として用いた場合に最大の問題となる水分の透過による有機ELの劣化(有機ELは、特に、少量の水分に対しても劣化が起こることが知られている。)を解消することが可能となる。また、金属基板を有機EL素子基板の基板として用いた場合の最大の問題となる金属基板の突起によるリーク(ショート)(有機EL層の膜厚は、100〜200nm程度と非常に薄いため、突起による画素部での電流にリーク(ショート)が、顕著に起こることが知られている。)を解消することが可能となる。
また、TFTを形成する場合には、基板81としては、500℃以下の温度で融解せず、歪みも生じない基板を用いることが好ましい。また、一般的な金属基板は、ガラスと熱膨張率が異なるため、従来の生産装置で金属基板上にTFTを形成することは困難であるが、線膨張係数が1×10−5/ ℃ 以下の鉄−ニッケル系合金である金属基板を用いて、線膨張係数をガラスに合わせ込むことにより、金属基板上にTFTを従来の生産装置を用いて安価に形成することが可能となる。
また、プラスチック基板の場合には、耐熱温度が非常に低いため、ガラス基板上にTFTを形成した後、プラスチック基板にガラス基板上のTFTを転写することにより、プラスチック基板上にTFTを転写形成することができる。
さらに、有機EL層84からの発光を基板81とは反対側から取り出す場合には、基板としての制約はないが、有機EL層84からの発光を基板81側から取り出す場合には、有機EL層84からの発光を外部に取り出すために、透明または半透明の基板を用いる必要がある。
基板81に形成されるTFTは、有機EL素子82を形成する前に、予め基板81の一方の面81aに形成され、画素スイッチング用素子および有機EL素子駆動用素子として機能する。
本実施形態におけるTFTとしては、公知のTFTが挙げられる。また、TFTの代わりに、金属−絶縁体−金属(MIM)ダイオードを用いることもできる。
アクティブ駆動型有機EL表示装置、有機EL表示装置に用いることが可能なTFTは、公知の材料、構造および形成方法を用いて形成することができる。
TFTを構成する活性層の材料としては、例えば、非晶質シリコン(アモルファスシリコン)、多結晶シリコン(ポリシリコン)、微結晶シリコン、セレン化カドミウム等の無機半導体材料、酸化亜鉛、酸化インジウム−酸化ガリウム−酸化亜鉛等の酸化物半導体材料、または、ポリチオフェン誘導体、チオフェンオリゴマー、ポリ(p−フェリレンビニレン)誘導体、ナフタセン、ペンタセン等の有機半導体材料が挙げられる。また、TFTの構造としては、例えば、スタガ型、逆スタガ型、トップゲート型、コプレーナ型等が挙げられる。
TFTを構成する活性層の形成方法としては、(1)プラズマ誘起化学気相成長(PECVD)法により成膜したアモルファスシリコンに不純物をイオンドーピングする方法、(2)シラン(SiH)ガスを用いた減圧化学気相成長(LPCVD)法によりアモルファスシリコンを形成し、固相成長法によりアモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法、(3)Siガスを用いたLPCVD法またはSiHガスを用いたPECVD法によりアモルファスシリコンを形成し、エキシマレーザー等のレーザーによりアニールし、アモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオンドーピングを行う方法(低温プロセス)、(4)LPCVD法またはPECVD法によりポリシリコン層を形成し、1000℃以上で熱酸化することによりゲート絶縁膜を形成し、その上に、nポリシリコンのゲート電極を形成し、その後、イオンドーピングを行う方法(高温プロセス)、(5)有機半導体材料をインクジェット法等により形成する方法、(6)有機半導体材料の単結晶膜を得る方法等が挙げられる。
本実施形態におけるTFTを構成するゲート絶縁膜は、公知の材料を用いて形成することができる。ゲート絶縁膜としては、例えば、PECVD法、LPCVD法等により形成されたSiOまたはポリシリコン膜を熱酸化して得られるSiO等からなる絶縁膜が挙げられる。
また、本実施形態におけるTFTの信号電極線、走査電極線、共通電極線、第一駆動電極および第二駆動電極は、公知の材料を用いて形成することができる。これら信号電極線、走査電極線、共通電極線、第一駆動電極および第二駆動電極の材料としては、例えば、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等が挙げられる。有機EL素子基板80のTFTは、上記のような構成とすることができるが、本実施形態は、これらの材料、構造および形成方法に限定するものではない。
アクティブ駆動型有機EL表示装置、有機EL表示装置に用いることが可能な層間絶縁膜は、公知の材料を用いて形成することができる。層間絶縁膜の材料としては、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiNまたはSi)、酸化タンタル(TaOまたはTa)等の無機材料、または、アクリル樹脂、レジスト材料等の有機材料等が挙げられる。
また、層間絶縁膜の形成方法としては、化学気相成長(CVD)法、真空蒸着法等のドライプロセス、スピンコート法等のウエットプロセスが挙げられる。また、必要に応じて、フォトリソグラフィー法等により、層間絶縁膜をパターニングすることもできる。
有機EL素子82からの発光を基板81とは反対側(第二電極85側)から取り出す場合には、外光が基板81の一方の面81aに形成されたTFTに入射して、TFTの特性に変化が生じることを防ぐ目的で、遮光性を兼ね備えた遮光性絶縁膜を形成することが好ましい。また、上記の層間絶縁膜と遮光性絶縁膜を組み合わせて用いることもできる。遮光性絶縁膜の材料としては、例えば、フタロシアニン、キナクロドン等の顔料または染料をポリイミド等の高分子樹脂に分散したもの、カラーレジスト、ブラックマトリクス材料、NiZnFe等の無機絶縁材料等が挙げられるが、本実施形態はこれらの材料および形成方法に限定するものではない。
アクティブ駆動型有機EL表示装置において、基板81の一方の面81aにTFT等を形成した場合には、その表面に凸凹が形成され、この凸凹によって有機EL素子82の欠陥(例えば、画素電極の欠損、有機EL層の欠損、第二電極の断線、第一電極と第二電極の短絡、耐圧の低下等)等が発生するおそれがある。これらの欠陥を防止するために、層間絶縁膜上に平坦化膜を設けてもよい。
このような平坦化膜は、公知の材料を用いて形成することができる。平坦化膜の材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化タンタル等の無機材料、ポリイミド、アクリル樹脂、レジスト材料等の有機材料等が挙げられる。平坦化膜の形成方法としては、例えば、CVD法、真空蒸着法等のドライプロセス、スピンコート法等のウエットプロセス等が挙げられるが、本実施形態はこれらの材料および形成方法に限定するものではない。また、平坦化膜は、単層構造または多層構造のいずれであってもよい。
第一電極83および第二電極85は、有機EL素子82の陽極または陰極として対で機能する。つまり、第一電極83を陽極とした場合、第二電極85は陰極となり、第一電極83を陰極とした場合、第二電極85は陽極となる。
第一電極83および第二電極85を形成する電極材料としては、公知の電極材料を用いることができる。陽極を形成する電極材料としては、有機EL層84への正孔の注入をより効率よく行う観点から、仕事関数が4.5eV以上の金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)等の金属、および、インジウム(In)と錫(Sn)からなる酸化物(ITO)、錫(Sn)の酸化物(SnO)、インジウム(In)と亜鉛(Zn)からなる酸化物(IZO)等の透明電極材料等が挙げられる。
また、陰極を形成する電極材料としては、有機EL層84への電子の注入をより効率よく行う観点から、仕事関数が4.5eV以下のリチウム(Li)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、バリウム(Ba)、アルミニウム(Al)等の金属、または、これらの金属を含有するMg:Ag合金、Li:Al合金等の合金が挙げられる。
第一電極83および第二電極85は、上記の材料を用いて、EB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、抵抗加熱蒸着法等の公知の方法により形成することができるが、本実施形態はこれらの形成方法に限定するものではない。また、必要に応じて、フォトリソグラフィー法、レーザー剥離法により形成した電極をパターニングすることもでき、シャドーマスクと組み合わせることで直接パターニングした電極を形成することもできる。
第一電極83および第二電極85の膜厚は、50nm以上であることが好ましい。膜厚が50nm未満の場合には、配線抵抗が高くなり、駆動電圧が上昇するおそれがある。
表示装置の色純度の向上、発光効率の向上、正面輝度の向上等の目的でマイクロキャビティ効果を用いる場合、有機EL層84からの発光を第一電極83または第二電極85側から取り出す場合には、第一電極83または第二電極85として半透明電極を用いることが好ましい。
半透明電極の材料としては、金属の半透明電極単体、もしくは、金属の半透明電極と透明電極材料を組み合わせたものを用いることができる。特に、半透明電極の材料としては、反射率と透過率の観点から、銀が好ましい。
半透明電極の膜厚は、5〜30nmが好ましい。半透明電極の膜厚が5nm未満の場合には、光の反射が十分に行えず、干渉の効果を十分に得るとこができない。また、半透明電極の膜厚が30nmを超える場合には、光の透過率が急激に低下することから、表示装置の輝度および発光効率が低下するおそれがある。
また、第一電極83または第二電極85としては、光を反射する反射率の高い電極を用いることが好ましい。反射率の高い電極としては、例えば、アルミニウム、銀、金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−ネオジウム合金、アルミニウム−シリコン合金等からなる反射性金属電極(反射電極)、この反射性金属電極と透明電極を組み合わせた電極等が挙げられる。
電荷注入輸送層は、電荷(正孔、電子)の電極からの注入と発光層への輸送(注入)をより効率よく行う目的で、電荷注入層(正孔注入層86、電子注入層91)と電荷輸送層(正孔輸送層87、電子輸送層90)に分類され、以下に例示する電荷注入輸送材料のみから構成されていてもよく、任意に添加剤(ドナー、アクセプター等)を含んでいてもよく、これらの材料が高分子材料(結着用樹脂)または無機材料中に分散された構成であってもよい。
電荷注入輸送材料としては、有機EL素子用、有機光導電体用の公知の電荷注入輸送材料を用いることができる。このような電荷注入輸送材料は、正孔注入輸送材料および電子注入輸送材料に分類され、これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本実施形態はこれらの材料に限定するものではない。
正孔注入層86および正孔輸送層87の材料としては、公知のものが用いられ、例えば、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等の酸化物や無機p型半導体材料;ポルフィリン化合物、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(α−NPD)、4,4’,4”−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(TCTA)、N,N−ジカルバゾリル−3,5−ベンゼン(m−CP)、4,4’−(シクロヘキサン−1,1−ジイル)ビス(N,N−ジ−p−トリルアニリン)(TAPC)、2,2’−ビス(N,N−ジフェニルアミン)−9,9’−スピロビフルオレン(DPAS)、N1,N1’−(ビフェニル−4,4’−ジイル)ビス(N1−フェニル−N4,N4−ジ−m−トリルベンゼン−1,4−ジアミン)(DNTPD)、N3,N3,N3”’, N3”’−テトラ−p−トリル−[1,1’:2’,1”:2”,1”’−クォーターフェニル]−3,3”’−ジアミン(BTPD)、4,4’−(ジフェニルシランジイル)ビス(N,N−ジ−p−トリルアニリン)(DTASi)、2,2−ビス(4−カルバゾール−9−イルフェニル)アダマンティン(Ad−Cz)等の芳香族第三級アミン化合物;ヒドラゾン化合物、キナクリドン化合物、スチリルアミン化合物等の低分子含窒素化合物;ポリアニリン(PANI)、ポリアニリン−樟脳スルホン酸(PANI−CSA)、3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンサルフォネイト(PEDOT/PSS)、ポリ(トリフェニルアミン)誘導体(Poly−TPD)、ポリビニルカルバゾール(PVCz)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)、ポリ(p−ナフタレンビニレン)(PNV)等の高分子化合物;2−メチル−9,10−ビス(ナフタレン−2−イル)アントラセン(MADN)等の芳香族炭化水素化合物等が挙げられる。
正孔注入層86の材料としては、陽極からの正孔の注入および輸送をより効率よく行う観点から、正孔輸送層87の材料よりも、最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギー準位が低い材料を用いることが好ましい。また、正孔輸送層87の材料としては、正孔注入層86の材料よりも、正孔の移動度が高い材料を用いることが好ましい。
正孔注入層86および正孔輸送層87は、任意に添加剤(ドナー、アクセプター等)を含んでいてもよい。
そして、正孔の注入性および輸送性をより向上させるためには、正孔注入層86および正孔輸送層87は、アクセプターを含むことが好ましい。アクセプターとしては、有機EL素子向けの公知のアクセプター材料を用いることができる。これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本実施形態はこれらの材料に限定するものではない。
アクセプターは、無機材料または有機材料のいずれであってもよい。
無機材料としては、金(Au)、白金(Pt)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)、オキシ塩化リン(POCl)、六フッ化ヒ酸イオン(AsF )、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、酸化バナジウム(V)、酸化モリブデン(MoO)等が挙げられる。
有機材料としては、7,7,8,8,−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(TCNQF)、テトラシアノエチレン(TCNE)、ヘキサシアノブタジエン(HCNB)、ジシクロジシアノベンゾキノン(DDQ)等のシアノ基を有する化合物;トリニトロフルオレノン(TNF)、ジニトロフルオレノン(DNF)等のニトロ基を有する化合物;フルオラニル;クロラニル;ブロマニル等が挙げられる。
これらの中でも、正孔濃度を増加させる効果がより高いことから、TCNQ、TCNQF、TCNE、HCNB、DDQ等のシアノ基を有する化合物が好ましい。
正孔防止層89、電子輸送層90および電子注入層91の材料としては、公知のものが用いられ、低分子材料であれば、n型半導体である無機材料;1,3−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン(Bpy−OXD)、1,3−ビス(5−(4−(tert−ブチル)フェニル)−1,3,4−オキサジアゾールー2−イル)ベンゼン(OXD7)等のオキサジアゾール誘導体;3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−tert−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)等のトリアゾール誘導体;チオピラジンジオキシド誘導体;ベンゾキノン誘導体;ナフトキノン誘導体;アントラキノン誘導体;ジフェノキノン誘導体;フルオレノン誘導体;ベンゾジフラン誘導体;8−ヒドロキシキノリノラート−リチウム(Liq)等のキノリン誘導体;2,7−ビス[2−(2,2’−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]−9,9−ジメチルフルオレン(Bpy−FOXD)等のフルオレン誘導体;1,3,5−トリ[(3−ピリジル)−フェン−3−イル]ベンゼン(TmPyPB)、1,3,5−トリ[(3−ピリジル)−フェン−3−イル]ベンゼン(TpPyPB)等のベンゼン誘導体;2,2’,2”−(1,3,5−ベンジントリイル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンゾイミダゾール)(TPBI)等のベンゾイミダゾール誘導体;3,5−ジ(ピレン−1−イル)ピリジン(PY1)等のピリジン誘導体;3,3’,5,5’−テトラ[(m−ピリジル)−フェン−3−イル]ビフェニル(BP4mPy)等のビフェニル誘導体;4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BPhen)、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)等のフェナントロリン誘導体;トリス(2,4,6−トリメチル−3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ボラン(3TPYMB)等のトリフェニルボラン誘導体;ジフェニルビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)シラン(DPPS)等のテトラフェニルシラン誘導体;ポリ(オキサジアゾール)(Poly−OXZ)、ポリスチレン誘導体(PSS)等が挙げられる。特に、電子注入層91の材料としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化バリウム(BaF)等のフッ化物;酸化リチウム(LiO)等の酸化物等が挙げられる。
電子注入層91の材料としては、陰極からの電子の注入および輸送をより効率よく行う観点から、電子輸送層90の材料よりも最低空分子軌道(LUMO)のエネルギー準位が高い材料を用いることが好ましい。また、電子輸送層90の材料としては、電子注入層91の材料よりも、電子の移動度が高い材料を用いることが好ましい。
電子輸送層90および電子注入層91は、任意に添加剤(ドナー、アクセプター等)を含んでいてもよい。
そして、電子の輸送性および注入性をより向上させるためには、電子輸送層90および電子注入層91は、ドナーを含むことが好ましい。ドナーとしては、有機EL素子用の公知のドナー材料を用いることができる。これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本実施形態はこれらの材料に限定するものではない。
ドナーは、無機材料または有機材料のいずれであってもよい。
無機材料としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属;希土類元素;アルミニウム(Al);銀(Ag);銅(Cu);インジウム(In)等が挙げられる。
有機材料としては、芳香族3級アミン骨格を有する化合物、フェナントレン、ピレン、ペリレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン等の置換基を有していてもよい縮合多環化合物、テトラチアフルバレン(TTF)類、ジベンゾフラン、フェノチアジン、カルバゾール等が挙げられる。
芳香族3級アミン骨格を有する化合物としては、アニリン類;フェニレンジアミン類;N,N,N’,N’−テトラフェニルベンジジン、N,N’−ビス−(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス−(フェニル)−ベンジジン、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン等のベンジジン類;トリフェニルアミン、4,4’4”−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン、4,4’4”−トリス(N−3−メチルフェニル−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン、4,4’4”−トリス(N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ)−トリフェニルアミン等のトリフェニルアミン類;N,N’−ジ−(4−メチル−フェニル)−N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン等のトリフェニルジアミン類等が挙げられる。
上記の縮合多環化合物が「置換基を有する」とは、縮合多環化合物中の1つ以上の水素原子が、水素原子以外の基(置換基)で置換されていることを指し、置換基の数は特に限定されず、全ての水素原子が置換基で置換されていてもよい。そして、置換基の位置も特に限定されない。
置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数6〜15のアリールオキシ基、水酸基、ハロゲン原子等が挙げられる。
アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよい。
直鎖状または分枝鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
環状のアルキル基は、単環状または多環状のいずれであってもよく、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、アルキル基が酸素原子に結合した一価の基が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数が2〜10のアルキル基において、炭素原子間の1つの単結合(C−C)が二重結合(C=C)に置換されたものが挙げられる。
アルケニルオキシ基としては、アルケニル基が酸素原子に結合した一価の基が挙げられる。
アリール基は、単環状または多環状のいずれであってもよく、環員数は特に限定されず、好ましいものとしては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、アリール基が酸素原子に結合した一価の基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
これらの中でも、ドナーとしては、電子濃度を増加させる効果がより高いことから、芳香族3級アミン骨格を有する化合物、置換基を有していてもよい縮合多環化合物、アルカリ金属が好ましい。
有機発光層88は、以下に例示する有機発光材料のみから構成されていてもよく、発光性のドーパントとホスト材料の組み合わせから構成されていてもよく、任意に正孔輸送材料、電子輸送材料、添加剤(ドナー、アクセプター等)等を含んでいてもよい。また、これらの各材料が高分子材料(結着用樹脂)または無機材料中に分散された構成であってもよい。発光効率および耐久性の観点からは、有機発光層88の材質は、ホスト材料中に発光性のドーパントが分散されたものが好ましい。
有機発光材料としては、有機EL素子向けの公知の発光材料を用いることができる。
このような発光材料は、低分子発光材料、高分子発光材料等に分類され、これらの具体的な化合物を以下に例示するが、本実施形態はこれらの材料に限定するものではない。
有機発光層88に用いられる低分子発光材料(ホスト材料を含む)としては、4,4’−ビス(2,2’−ジフェニルビニル)−ビフェニル(DPVBi)等の芳香族ジメチリデン化合物;5−メチル−2−[2−[4−(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾオキサゾール等のオキサジアゾール化合物;3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)等のトリアゾール誘導体;1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン等のスチリルベンゼン化合物;チオピラジンジオキシド誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フルオレノン誘導体等の蛍光性有機材料;アゾメチン亜鉛錯体、(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq)等の蛍光発光有機金属錯体;BeBq(ビス(ベンゾキノリノラト)ベリリウム錯体);4,4’−ビス−(2,2−ジ−p−トリル−ビニル)−ビフェニル(DTVBi);トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオノ)(モノフェナントロリン)Eu(III)(Eu(DBM)(Phen));ジフェニルエチレン誘導体;トリス[4−(9−フェニルフルオレン−9−イル)フェニル]アミン(TFTPA)等のトリフェニルアミン誘導体;ジアミノカルバゾール誘導体;ビススチリル誘導体;芳香族ジアミン誘導体;キナクリドン系化合物;ペリレン系化合物;クマリン系化合物;ジスチリルアリーレン誘導体(DPVBi);オリゴチオフェン誘導体(BMA−3T);4,4’−ジ(トリフェニルシリル)−ビフェニル(BSB)、ジフェニル−ジ(o−トリル)シラン(UGH1)、1,4−ビストリフェニルシリルベンゼン(UGH2)、1,3−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン(UGH3)、トリフェニル−(4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル)シラン(TPSi−F)等のシラン誘導体;9,9−ジ(4−ジカルバゾール−ベンジル)フルオレン(CPF)、3,6−ビス(トリフェニルシリル)カルバゾール(mCP)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)、4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2’−ジメチルビフェニル(CDBP)、N,N−ジカルバゾリル−3,5−ベンゼン(m−CP)、3−(ジフェニルホスホリル)−9−フェニル−9H−カルバゾール(PPO1)、3,6−ジ(9−カルバゾリル)−9−(2−エチルヘキシル)カルバゾール(TCz1)、9,9’−(5−(トリフェニルシリル)−1,3−フェニレン)ビス(9H−カルバゾール)(SimCP)、ビス(3,5−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)ジフェニルシラン(SimCP2)、3−(ジフェニルホスホリル)−9−(4−ジフェニルホスホリル)フェニル)−9H−カルバゾール(PPO21)、2,2−ビス(4−カルバゾリルフェニル)−1,1−ビフェニル(4CzPBP)、3,6−ビス(ジフェニルホスホリル)−9−フェニル−9H−カルバゾール(PPO2)、9−(4−tert−ブチルフェニル)−3,6−ビス(トリフェニルシリル)−9H−カルバゾール(CzSi)、3,6−ビス[(3,5−ジフェニル)フェニル]−9−フェニル−カルバゾール(CzTP)、9−(4−tert−ブチルフェニル)−3,6−ジトリチル−9H−カルバゾール(CzC)、9−(4−tert−ブチルフェニル)−3,6−ビス(9−(4−メトキシフェニル)−9H−フルオレン−9−イル)−9H−カルバゾール(DFC)、2,2’−ビス(4−カルバゾール−9−イル)フェニル)−ビフェニル(BCBP)、9,9’−((2,6−ジフェニルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジフラン−3,7−ジイル)ビス(4,1−フェニレン))ビス(9H−カルバゾール)(CZBDF)等のカルバゾール誘導体;4−(ジフェニルフォスフォイル)−N,N−ジフェニルアニリン(HM−A1)等のアニリン誘導体;1,3−ビス(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)ベンゼン(mDPFB)、1,4−ビス(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)ベンゼン(pDPFB)、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジメチルフルオレン(DMFL−CBP)、2−[9,9−ジ(4−メチルフェニル)−フルオレン−2−イル]−9,9−ジ(4−メチルフェニル)フルオレン(BDAF)、2−(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9−スピロビフルオレン(BSBF)、9,9−ビス[4−(ピレニル)フェニル]−9H−フルオレン(BPPF)、2,2’−ジピレニル−9,9−スピロビフルオレン(Spiro−Pye)、2,7−ジピレニル−9,9−スピロビフルオレン(2,2’−Spiro−Pye)、2,7−ビス[9,9−ジ(4−メチルフェニル)−フルオレン−2−イル]−9,9−ジ(4−メチルフェニル)フルオレン(TDAF)、2,7−ビス(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9−スピロビフルオレン(TSBF)、9,9−スピロビフルオレン−2−イル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(SPPO1)等のフルオレン誘導体;1,3−ジ(ピレン−1−イル)ベンゼン(m−Bpye)等のピレン誘導体;プロパン−2,2’−ジイルビス(4,1−フェニレン)ジベンゾエート(MMA1)等のベンゾエート誘導体;4,4’−ビス(ジフェニルフォスフィンオキサイド)ビフェニル(PO1)、2,8−ビス(ジフェニルフォスフォリル)ジベンゾ[b,d]チオフェン(PPT)等のフォスフィンオキサイド誘導体;4,4”−ジ(トリフェニルシリル)−p−ターフェニル(BST)等のターフェニル誘導体;2,4−ビス(フェノキシ)−6−(3−メチルジフェニルアミノ)−1,3,5−トリアジン(BPMT)等トリアジン誘導体等が挙げられる。
有機発光層88に用いられる高分子発光材料としては、ポリ(2−デシルオキシ−1,4−フェニレン)(DO−PPP)、ポリ[2,5−ビス−[2−(N,N,N−トリエチルアンモニウム)エトキシ]−1,4−フェニル−アルト−1,4−フェニルレン]ジブロマイド(PPP−NEt3+)、ポリ[2−(2’−エチルヘキシルオキシ)−5−メトキシ−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)、ポリ[5−メトキシ−(2−プロパノキシサルフォニド)−1,4−フェニレンビニレン](MPS−PPV)、ポリ[2,5−ビス−(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン−(1−シアノビニレン)](CN−PPV)等のポリフェニレンビニレン誘導体;ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)(PDAF)等のポリスピロ誘導体;ポリ(N−ビニルカルバゾール)(PVK)等のカルバゾール誘導体等が挙げられる。
有機発光材料は、低分子発光材料が好ましく、低消費電力化の観点から、発光効率の高い燐光材料を用いることが好ましい。
有機発光層88に用いられる発光性のドーパントとしては、有機EL素子用の公知のドーパントを用いることができる。このようドーパントとしては、紫外発光材料であれば、p−クォーターフェニル、3,5,3,5−テトラ−tert−ブチルセクシフェニル、3,5,3,5−テトラ−tert−ブチル−p−クィンクフェニル等の蛍光発光材料等が挙げられる。また、青色発光材料であれば、スチリル誘導体等の蛍光発光材料;ビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト−N,C2’]ピコリネート イリジウム(III)(FIrpic)、ビス(4’,6’−ジフルオロフェニルポリジナト)テトラキス(1−ピラゾイル)ボレート イリジウム(III)(FIr6)等の燐光発光有機金属錯体等が挙げられる。また、緑色発光材料であれば、トリス(2−フェニルピリジナート)イリジウム(Ir(ppy))等の燐光発光有機金属錯体等が挙げられる。
なお、有機EL層84を構成する各層の材料について説明したが、例えば、ホスト材料は正孔輸送材料または電子輸送材料としても使用でき、正孔輸送材料および電子輸送材料もホスト材料として使用できる。
正孔注入層86、正孔輸送層87、有機発光層88、正孔防止層89、電子輸送層90および電子注入層91各層の形成方法としては、公知のウエットプロセス、ドライプロセス、レーザー転写法等が用いられる。
ウエットプロセスとしては、上記の各層を構成する材料を溶媒に溶解または分散させた液体を用いる、スピンコーティング法、ディッピング法、ドクターブレード法、吐出コート法、スプレーコート法等の塗布法;インクジェット法、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、マイクログラビアコート法等の印刷法等が挙げられる。
上記の塗布法や印刷法に用いられる液体は、レベリング剤、粘度調整剤等、液体の物性を調整するための添加剤を含んでいてもよい。
ドライプロセスとしては、上記の各層を構成する材料を用いる、抵抗加熱蒸着法、電子線(EB)蒸着法、分子線エピタキシー(MBE)法、スパッタリング法、有機気相蒸着(OVPD)法等が用いられる。
正孔注入層86、正孔輸送層87、有機発光層88、正孔防止層89、電子輸送層90および電子注入層91の各層の膜厚は、通常1〜1000nm程度であるが、10〜200nmが好ましい。膜厚が10nm未満であると、本来必要とされる物性(電荷の注入特性、輸送特性、閉じ込め特性)が得なれない。また、ゴミ等の異物による画素欠陥が生じるおそれがある。一方、膜厚が200nmを超えると、有機EL層84の抵抗成分によって駆動電圧が上昇し、結果として、消費電力が上昇する。
エッジカバー92は、絶縁材料を用いてEB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、抵抗加熱蒸着法等の公知の方法により形成することができ、公知のドライ法またはウエット法のフォトリソグラフィー法によりパターニングすることができるが、本実施形態はこれらの形成方法に限定するものではない。
また、エッジカバー92を構成する絶縁材料としては、公知の材料が用いられるが、本実施形態では、絶縁材料が特に限定するものではない。
エッジカバー92は光を透過する必要があるので、エッジカバー92を構成する絶縁材料としては、例えば、SiO、SiON、SiN、SiOC、SiC、HfSiON、ZrO、HfO、LaO等が挙げられる。
エッジカバー92の膜厚は、100〜2000nmが好ましい。膜厚が100nm未満であると、絶縁性が十分ではなく、第一電極83と第二電極85の間でリークが起こり、消費電力の上昇、非発光の原因となる。一方、膜厚が2000nmを超えると、成膜プロセスに時間が掛り、生産効率の低下、エッジカバー92による第二電極85の断線の原因となる。
ここで、有機EL素子82は、第一電極83と第二電極85との干渉効果によるマイクロキャビティ構造(光微小共振器構造)、または、誘電体多層膜によるマイクロキャビティ構造(光微小共振器構造)を有することが好ましい。第一電極83と第二電極85により微小共振器構造が構成されると、第一電極83と第二電極85との干渉効果により、有機EL層84の発光を正面方向(光取り出し方向)に集光することができる。その際、有機EL層84の発光に指向性を持たせることができるため、周囲に逃げる発光損失を低減することができ、その発光効率を高めることができる。これにより、有機EL層84で生じる発光エネルギーをより効率よく、蛍光体層へ伝搬することが可能となり、表示装置の正面輝度を高めることができる。
また、第一電極83と第二電極85との干渉効果により、有機EL層84の発光スペクトルを調整することも可能となり、所望の発光ピーク波長および半値幅に調整することができる。これにより、赤色蛍光体および緑色蛍光体をより効果的に励起することが可能なスペクトルに制御することが可能となり、青色画素の色純度を向上させることができる。
また、本実施形態の表示装置は、外部駆動回路(走査線電極回路、データ信号電極回路、電源回路)に電気的に接続される。
ここで、有機EL素子基板80を構成する基板81としては、ガラス基板上に絶縁材料をコートした基板、より好ましくは金属基板上またはプラスチック基板上に絶縁材料をコートした基板、さらに好ましくは金属基板上またはプラスチック基板上に絶縁材料をコートした基板が用いられる。
図9は、表示装置を構成するLED基板(光源)の一実施形態を示す概略断面図である。
LED基板100は、基板101と、基板101の一方の面101a上に順に積層された第一のバッファ層102、n型コンタクト層103、第二のn型クラッド層104、第一のn型クラッド層105、活性層106、第一のp型クラッド層107、第二のp型クラッド層108および第二のバッファ層109と、n型コンタクト層103上に形成された陰極110と、第二のバッファ層109上に形成された陽極111とから概略構成されている。
なお、LEDとしては、他の公知のLED、例えば、紫外発光無機LED、青色発光無機LED等を用いることができるが、具体的な構成は上記のものに限定するものではない。
以下、LED基板100の各構成要素について詳細に説明する。
活性層106は、電子と正孔の再結合により発光を行う層であり、活性層材料としては、LED用の公知の活性層材料を用いることができる。このような活性層材料としては、例えば、紫外活性層材料として、AlGaN、InAlN、InAlGa1−a−bN(0≦a、0≦b、a+b≦1)、青色活性層材料としては、InGa1−zN(0<z<1)等が挙げられるが、本実施形態はこれらに限定するものではない。
また、活性層106としては、単一量子井戸構造または多重量子井戸構造のものが用いられる。量子井戸構造の活性層はn型、p型のいずれでもよいが、特にノンドープ(不純物無添加)の活性層とすると、バンド間発光により発光波長の半値幅が狭くなり、色純度のよい発光が得られるため好ましい。
また、活性層106にドナー不純物またはアクセプター不純物の少なくとも一方をドープしてもよい。不純物をドープした活性層の結晶性がノンドープのものと同じであれば、ドナー不純物をドープすることにより、ノンドープのものに比べてバンド間発光強度をさらに強くすることができる。アクセプター不純物をドープすると、バンド間発光のピーク波長よりも約0.5eVだけ低エネルギー側にピーク波長をシフトさせることができるが、半値幅は広くなる。アクセプター不純物とドナー不純物との両者をドープすると、アクセプター不純物のみをドープした活性層の発光強度に比べて、その発光強度をさらに大きくすることができる。特に、アクセプター不純物をドープした活性層を形成する場合、活性層の導電型はSi等のドナー不純物をもドープしてn型とすることが好ましい。
第二のn型クラッド層104および第一のn型クラッド層105としては、LED用の公知のn型クラッド層材料を用いることができ、単層でも多層構成でもよい。活性層106よりもバンドギャップエネルギーが大きいn型半導体で、第二のn型クラッド層104および第一のn型クラッド層105を構成した場合、第二のn型クラッド層104および第一のn型クラッド層105と、活性層106との間には、正孔に対する電位障壁ができ、正孔を活性層106に閉じ込めることが可能となる。例えば、n型InGa1−xN(0≦x<1)により、第二のn型クラッド層104および第一のn型クラッド層105を形成することが可能であるが、本実施形態はこれらに限定するものではない。
第一のp型クラッド層107および第二のp型クラッド層108としては、LED用の公知のp型クラッド層材料を用いることができ、単層でも多層構成でもよい。活性層106よりもバンドギャップエネルギーが大きいp型半導体で、第一のp型クラッド層107および第二のp型クラッド層108を構成した場合、第一のp型クラッド層107および第二のp型クラッド層108と、活性層106との間には、電子に対する電位障壁ができ、電子を活性層106に閉じ込めることが可能となる。例えば、AlGa1−yN(0≦y≦1)により、第一のp型クラッド層107および第二のp型クラッド層108を形成することが可能であるが、本実施形態はこれらに限定するものではない。
n型コンタクト層103としては、LED用の公知のコンタクト層材料を用いることができ、例えば、第二のn型クラッド層104および第一のn型クラッド層105に接して電極を形成する層としてn型GaNからなるn型コンタクト層103を形成することが可能である。また、第一のp型クラッド層107および第二のp型クラッド層108に接して電極を形成する層として、p型GaNからなるp型コンタクト層を形成することも可能である。ただし、このp型コンタクト層は、第二のn型クラッド層104、第二のp型クラッド層108がGaNで形成されていれば、特に形成する必要はなく、第二のクラッド層(第二のn型クラッド層104、第二のp型クラッド層108)をコンタクト層とすることも可能である。
本実施形態で用いられる上記の各層の形成方法としては、LED用の公知の成膜プロセスを用いることが可能であるが、本実施形態は特にこれらに限定するものではない。例えば、MOVPE(有機金属気相成長法)、MBE(分子線気相成長法)、HDVPE(ハイドライド気相成長法)等の気相成長法を用いて、例えば、サファイア(C面、A面、R面を含む)、SiC(6H−SiC、4H−SiCも含む)、スピネル(MgAl、特にその(111)面)、ZnO、Si、GaAs、あるいは、他の酸化物単結晶基板(NGO等)等の基板上に形成することが可能である。
図10は、表示装置を構成する無機EL素子基板(光源)の一実施形態を示す概略断面図である。
無機EL素子基板120は、基板121と、基板121の一方の面121a上に設けられた無機EL素子122とから概略構成されている。
無機EL素子122は、基板121の一方の面121aに順に積層された、第一電極123、第一誘電体層124、発光層125、第二誘電体層126および第二電極127から構成されている。
第一電極123および第二電極127は、無機EL素子122の陽極または陰極として対で機能する。
なお、無機EL素子122としては、公知の無機EL素子、例えば、紫外発光無機EL素子、青色発光無機EL素子等を用いることができるが、具体的な構成は前記のものに限定するものではない。
以下、無機EL素子基板120を構成する各構成部材およびその形成方法について具体的に説明するが、本実施形態はこれら構成部材および形成方法に限定するものではない。
基板121としては、上記の有機EL素子基板80を構成する基板81と同様のものが用いられる。
第一電極123および第二電極127は、無機EL素子122の陽極または陰極として対で機能する。つまり、第一電極123を陽極とした場合、第二電極127は陰極となり、第一電極123を陰極とした場合、第二電極127は陽極となる。
第一電極123および第二電極127としては、アルミニウム(Al)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)等の金属、および、インジウム(In)と錫(Sn)からなる酸化物(ITO)、錫(Sn)の酸化物(SnO)、インジウム(In)と亜鉛(Zn)からなる酸化物(IZO)等が透明電極材料として挙げられるが、本実施形態はこれらの材料に限定するものではない。光を取り出す側の電極には、ITO等の透明電極がよく、光を取り出す方向と反対側の電極には、アルミニウム等からなる反射電極を用いることが好ましい。
第一電極123および第二電極127は、上記の材料を用いて、EB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、抵抗加熱蒸着法等の公知の方法により形成することができるが、本実施形態はこれらの形成方法に限定するものではない。また、必要に応じて、フォトリソグラフィー法、レーザー剥離法により形成した電極をパターニングすることもでき、シャドーマスクと組み合わせることでパターニングした電極を形成することもできる。
第一電極123および第二電極127の膜厚は、50nm以上であることが好ましい。
膜厚が50nm未満の場合には、配線抵抗が高くなり、駆動電圧が上昇するおそれがある。
第一誘電体層124および第二誘電体層126としては、無機EL素子用の公知の誘電体材料を用いることができる。このような誘電体材料としては、例えば、五酸化タンタル(Ta)、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(Si)、酸化アルミニウム(Al)、チタン酸アルミニウム(AlTiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)およびチタン酸ストロンチウム(SrTiO)等が挙げられるが、本実施形態はこれらの誘電体材料に限定するものではない。
また、第一誘電体層124および第二誘電体層126は、上記の誘電体材料から選択された1種類からなる単層構造であってもよく、2種類以上を積層した多層構造であってもよい。
また、第一誘電体層124および第二誘電体層126の膜厚は、200〜500nm程度が好ましい。
発光層125としては、無機EL素子用の公知の発光材料を用いることができる。このような発光材料としては、例えば、紫外発光材料として、ZnF:Gd、青色発光材料として、BaAl:Eu、CaAl:Eu、ZnAl:Eu、BaSiS:Ce、ZnS:Tm、SrS:Ce、SrS:Cu、CaS:Pb、(Ba,Mg)Al:Eu等が挙げられるが、本実施形態はこれらの発光材料に限定するものではない。
また、発光層125の膜厚は、300〜1000nm程度が好ましい。
なお、光源73として、有機EL素子基板、LED基板、無機EL素子基板等を用いた場合、有機EL素子、LED、無機EL素子等の発光素子を封止する封止膜または封止基板を設けることが好ましい。
封止膜および封止基板は、公知の封止材料および封止方法により形成することができる。具体的には、光源を構成する基板と反対側の表面上にスピンコート法、ODF、ラミレート法等を用いて樹脂を塗布することによって封止膜を形成することもできる。あるいは、プラズマCVD法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、スパッタリング法等により、SiO、SiON、SiN等の無機膜を形成した後、さらに、スピンコート法、ODF、ラミレート法等を用いて樹脂を塗布することによって封止膜を形成するか、または、封止基板を貼り合わせることもできる。
このような封止膜や封止基板により、外部からの発光素子内への酸素や水分の混入を防止することができ、光源の寿命が向上する。
また、光源73と発光層72とを接合するときは、一般の紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等で接着させることもできる。
また、発光層72上に光源73を直接形成した場合には、例えば、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスをガラス板、金属板等で封止する方法が挙げられる。さらに、封入した不活性ガス中に酸化バリウム等の吸湿剤等を混入すると、水分による有機EL素子の劣化をより効果的に低減できるため好ましい。
ただし、本実施形態は、これらの部材や形成方法に限定するものではない。また、第一基板71と反対側(第二基板74側)から光を取り出す場合、封止膜、封止基板ともに光透過性の材料を使用する必要がある。
本実施形態の表示装置によれば、光の取り出し効率を向上させて変換効率を大幅に向上させ、視野角特性に優れ、かつ、低消費電力化が可能な優れた表示装置を実現できる。
(2)第二実施形態
図11は、表示装置の第二実施形態を示す概略断面図である。図11において、図7に示した表示装置70と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
表示装置130は、第一基板71と、第一基板71の一方の面71a上に設けられた光源73と、光源73上に設けられた発光層72と、光源73および発光層72を介して第一基板71と対向するように設けられた第二基板(封止基板)74と、第一基板71および第二基板74の外縁部に設けられ、第一基板71と第二基板74を貼り合わせた状態で相互に固定する貼り合わせ部材75とから概略構成されている。
本実施形態の表示装置において、発光層72とは、上記の波長変換基板の第一実施形態における波長変換層積層体12や、波長変換基板の第二実施形態における波長変換層積層体53のことである。
(3)第三実施形態
図12は、表示装置の第三実施形態を示す概略断面図である。図12において、図7に示した表示装置70と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
表示装置140は、第一基板71と、第一基板71の一方の面71a上に設けられた発光層72と、発光層72上に設けられた液晶素子141と、液晶素子141上に設けられた光源73と、発光層72、光源73および液晶素子141を介して第一基板71と対向するように設けられた第二基板(封止基板)74と、第一基板71および第二基板74の外縁部に設けられ、第一基板71と第二基板74を貼り合わせた状態で相互に固定する貼り合わせ部材75とから概略構成されている。
本実施形態の表示装置において、発光層72とは、上記の波長変換基板の第一実施形態における波長変換層積層体12や、波長変換基板の第二実施形態における波長変換層積層体53のことである。
液晶素子141としては、公知の液晶素子を用いることができる。液晶素子141は、例えば、一対の偏光板と、一対の透明電極と、一対の配向膜と、基板と、を備え、一対の配向膜の間に液晶層が挟持された構造をなしている。
液晶素子141は、一対の電極を用いて液晶層に印加する電圧を画素毎に制御可能な構成とされ、光源73の全面から射出された光の透過率を画素毎に制御する。すなわち、液晶素子141は、光源73からの光を画素毎に選択的に透過させる光シャッターとしての機能を有するようになっている。また、液晶素子141と光源73とを両方共ON/OFFをコントロールすることもできる。
光源73は、液晶素子141のようなシャッター機能を有する層を有しない場合は、パッシブ駆動、アクティブ素子で駆動することにより画素毎に発光のON/OFFを行うことで、低消費電力で、ピーク輝度が表示可能となり、鮮やかな画像を提供することができる。さらに、アクティブ素子で駆動する場合は、パッシブ駆動に対し、発光時間を長くとることができ、比較的低輝度の光源の最も効率の良い領域での発光を利用することができ、駆動電圧、駆動電流を低減させることができ、より低消費電力化することができる。
また、液晶素子141のようなシャッター機能を有する層を有する場合は、画素毎に発光のON/OFFを行うことも、また一定のエリア毎に発光のON/OFFを行うこともできる。これにより、消費電力を低減することができる。さらに、これにより、ピーク輝度が表示可能となり、鮮やかな画像を提供することができる。
(4)第四実施形態
図13は、表示装置の第四実施形態を示す概略断面図である。図13において、図1に示した波長変換基板10、図7に示した表示装置70、および、図8に示した有機EL素子基板80と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
表示装置150は、第一基板71と、第一基板71の一方の面71a上に設けられた光源73と、光源73上に設けられた発光層72と、光源73および発光層72を介して第一基板71と対向するように設けられた第二基板(封止基板)74とから概略構成されている。
発光層72は、第二基板74の一方の面74a上に設けられ、第二基板74側から順に積層された第一波長変換層14、中間層15および第二波長変換層16からなる波長変換層積層体12から構成されている。
また、光源73は、第一基板71の一方の面71a上に設けられた有機EL素子82から構成されている。
また、発光層72を覆うように無機封止膜151が設けられ、光源73を覆うように無機封止膜152が設けられている。さらに、第一基板71側に設けられた無機封止膜152と、第二基板74側に設けられた無機封止膜151との間に充填剤153が充填され、この充填剤153を介して、接着層154により、第一基板71と第二基板74が接着されている。
また、第一基板71の一方の面71a上に、TFT(駆動素子)160が形成されている。すなわち、第一基板71の一方の面71aに、ゲート電極161が形成され、このゲート電極161を覆うように第一基板71の一方の面71a上に、ゲート絶縁膜162が形成されている。ゲート絶縁膜162上には、活性層(図示略)が形成され、活性層上にソース電極163、ドレイン電極164および配線165が形成され、これらソース電極163、ドレイン電極164および配線165を覆うように平坦化膜166が形成されている。なお、平坦化膜166は、単層構造でなくてもよく、他の層間絶縁膜と平坦化膜を組み合わせた構成としてもよい。また、平坦化膜もしくは層間絶縁膜を貫通してドレイン電極164に達するコンタクトホール167が形成され、平坦化膜166上にコンタクトホール167を介してドレイン電極164と電気的に接続された光源73の第一電極83が形成されている。第一電極83は、第一基板71側から順に積層された、反射電極168と透明電極169から構成されている。
無機封止膜151、152は、発光層72または光源73を覆うように、プラズマCVD法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、スパッタリング法等により、SiO、SiON、SiN等からなる無機膜を形成した後、さらに、その無機膜を覆うように、スピンコート法、ODF、ラミレート法等を用いて樹脂を塗布するか、または、無機膜を覆うように樹脂膜を貼り合わせることによって形成することもできる。
無機封止膜151、152により、外部から発光層72や光源73内へ酸素や水分が混入するのを防止することができ、ひいては、発光層72や光源73の寿命を向上することができる。
また、第二基板74の一方の面74a上に、赤色カラーフィルター17、緑色カラーフィルター18、青色カラーフィルター19、ブラックマトリックス20および隔壁13を覆うように光散乱層155が設けられている。
また、第二基板74の他方の面74bに、円偏光板156が設けられている。
光散乱層155の材料としては、樹脂中に光散乱性粒子を分散したものを用いることが好ましい。光散乱性粒子は、有機材料または無機材料から構成されるが、無機材料から構成されることが好ましい。
これにより、外部(例えば、発光素子)からの指向性を有する光を、より等方的かつ効果的に拡散または散乱させることができる。また、無機材料を使用することにより、光および熱に安定な光散乱層155を形成することができる。また、光散乱性粒子としては、透明度が高いものが好ましい。また、光散乱性粒子としては、低屈折率の母材中に、母材よりも高屈折率の微粒子を分散したものが好ましい。
光散乱性粒子として、無機材料を用いる場合、その無機材料としては、例えば、ケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、およびアンチモンからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物を主成分とした粒子(微粒子)等が挙げられる。
また、光散乱性粒子として、無機材料により構成された粒子(無機微粒子)を用いる場合、その無機微粒子としては、例えば、シリカビーズ(屈折率:1.44)、アルミナビーズ(屈折率:1.63)、酸化チタンビーズ(屈折率 アナタース型:2.50、ルチル型:2.70)、酸化ジルコニアビーズ(屈折率:2.05)、酸化亜鉛ビーズ(屈折率:2.00)、チタン酸バリウム(BaTiO)(屈折率:2.4)等が挙げられる。
光散乱性粒子として、有機材料により構成された粒子(有機微粒子)を用いる場合、その有機微粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリレートビーズ(屈折率:1.49)、アクリルビーズ(屈折率:1.50)、アクリル−スチレン共重合体ビーズ(屈折率:1.54)、メラミンビーズ(屈折率:1.57)、高屈折率メラミンビーズ(屈折率:1.65)、ポリカーボネートビーズ(屈折率:1.57)、スチレンビーズ(屈折率:1.60)、架橋ポリスチレンビーズ(屈折率:1.61)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率:1.60)、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒドビーズ(屈折率:1.68)、シリコーンビーズ(屈折率:1.50)等が挙げられる。
光散乱性粒子と混合して用いられる樹脂材料は、透光性の樹脂材料であることが好ましい。樹脂材料としては、例えば、アクリル樹脂(屈折率:1.49)、メラミン樹脂(屈折率:1.57)、ナイロン(屈折率:1.53)、ポリスチレン(屈折率:1.60)、メラミンビーズ(屈折率:1.57)、ポリカーボネート(屈折率:1.57)、ポリ塩化ビニル(屈折率:1.60)、ポリ塩化ビニリデン(屈折率:1.61)、ポリ酢酸ビニル(屈折率:1.46)、ポリエチレン(屈折率:1.53)、ポリメタクリル酸メチル(屈折率:1.49)、ポリMBS(屈折率:1.54)、中密度ポリエチレン(屈折率:1.53)、高密度ポリエチレン(屈折率:1.54)、テトラフルオロエチレン(屈折率:1.35)、ポリ三フッ化塩化エチレン(屈折率:1.42)、ポリテトラフルオロエチレン(屈折率:1.35)等が挙げられる。
円偏光板156としては、従来の直線偏光板とλ/4板を組み合わせたものが好ましい。円偏光板156を設けることによって、表示装置150の表示のコントラストを向上することができる。
(5)第五実施形態
図14は、表示装置の第五実施形態を示す概略断面図である。図14において、図4に示した波長変換基板50、図7に示した表示装置70、図8に示した有機EL素子基板80、および、図13に示した表示装置150と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の表示装置170が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、発光層72が、第二基板74の一方の面74a上に設けられ、第二基板74側から順に積層された第一波長変換層14、第一中間層15、第二波長変換層16、第二中間層51および第三波長変換層52からなる波長変換層積層体53から構成されている点である。
(6)第六実施形態
図15は、表示装置の第六実施形態を示す概略断面図である。図15において、図1に示した波長変換基板10、図7に示した表示装置70、図8に示した有機EL素子基板80、および、図13に示した表示装置150と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の表示装置180が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、光源73が、第一基板71の一方の面71a上に設けられ、第一基板71側から順に積層された第一電極83、正孔注入層86、正孔輸送層87、有機発光層88、正孔防止層89、電子輸送層90、電荷発生層181、正孔注入層86、正孔輸送層87、有機発光層88、正孔防止層89、電子輸送層90を有する有機EL素子82から構成されている点である。
また、表示装置180が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、第一基板71の一方の面71a上に、光散乱層155を覆うように、無機封止膜182が設けられている点である。
(7)第七実施形態
図16は、表示装置の第七実施形態を示す概略断面図である。図16において、図4に示した波長変換基板50、図7に示した表示装置70、図8に示した有機EL素子基板80、および、図13に示した表示装置150と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の表示装置190が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、発光層72が、第二基板74の一方の面74a上に設けられ、第二基板74側から順に積層された第一波長変換層14、第一中間層15、第二波長変換層16、第二中間層51および第三波長変換層52からなる波長変換層積層体53から構成されている点である。
また、表示装置190が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、光源73が、第一基板71の一方の面71a上に設けられ、第一基板71側から順に積層された第一電極83、正孔注入層86、正孔輸送層87、有機発光層88、正孔防止層89、電子輸送層90、電荷発生層181、正孔注入層86、正孔輸送層87、有機発光層88、正孔防止層89、電子輸送層90を有する有機EL素子82から構成されている点である。
(8)第八実施形態
図17は、表示装置の第八実施形態を示す概略断面図である。図17において、図1に示した波長変換基板10、図7に示した表示装置70、図8に示した有機EL素子基板80、および、図13に示した表示装置150と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の表示装置200が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、第二基板74の一方の面74a上に、光散乱層155を覆うように低屈折率層201が設けられている点である。さらに、表示装置200が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、低屈折率層201を覆うように無機封止膜202が設けられている点である。
(9)第九実施形態
図18は、表示装置の第九実施形態を示す概略断面図である。図18において、図1に示した波長変換基板10、図7に示した表示装置70、図8に示した有機EL素子基板80、および、図13に示した表示装置150と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の表示装置210が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、光源73が、第一基板71の一方の面71a上に設けられ、第一基板71側から順に積層された第一電極83、正孔注入層86、正孔輸送層87、有機発光層88、正孔防止層89、電子輸送層90、電荷発生層181、正孔注入層86、正孔輸送層87、有機発光層88、正孔防止層89、電子輸送層90を有する有機EL素子82から構成されている点である。
また、表示装置210が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、第二基板74の一方の面74a上に、光散乱層155を覆うように低屈折率層201が設けられている点である。さらに、表示装置210が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、低屈折率層201を覆うように無機封止膜202が設けられている点である。
(10)第十実施形態
図19は、表示装置の第十実施形態を示す概略断面図である。図19において、図4に示した波長変換基板50、図7に示した表示装置70、図8に示した有機EL素子基板80、および、図13に示した表示装置150と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の表示装置220が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、発光層72が、第二基板74の一方の面74a上に設けられ、第二基板74側から順に積層された第一波長変換層14、第一中間層15、第二波長変換層16、第二中間層51および第三波長変換層52からなる波長変換層積層体53から構成されている点である。
また、表示装置220が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、第二基板74の一方の面74a上に、赤色カラーフィルター17、緑色カラーフィルター18、青色カラーフィルター19およびブラックマトリックス20を覆うように低屈折率層201が設けられている点である。さらに、表示装置220が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、低屈折率層201を覆うように無機封止膜202が設けられている点である。
(11)第十一実施形態
図20は、表示装置の第十一実施形態を示す概略断面図である。図20において、図4に示した波長変換基板50、図7に示した表示装置70、図8に示した有機EL素子基板80、および、図13に示した表示装置150と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の表示装置230が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、発光層72が、第二基板74の一方の面74a上に設けられ、第二基板74側から順に積層された第一波長変換層14、第一中間層15、第二波長変換層16、第二中間層51および第三波長変換層52からなる波長変換層積層体53から構成されている点である。
また、表示装置230が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、第二基板74の一方の面74a上に、赤色カラーフィルター17、緑色カラーフィルター18、青色カラーフィルター19およびブラックマトリックス20を覆うように低屈折率層201が設けられている点である。さらに、表示装置230が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、低屈折率層201を覆うように無機封止膜202が設けられている点である。
また、表示装置230が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、光源73が、第一基板71の一方の面71a上に設けられ、第一基板71側から順に積層された第一電極83、正孔注入層86、正孔輸送層87、有機発光層88、正孔防止層89、誘電体層231、電子輸送層90、電荷発生層181、正孔注入層86、正孔輸送層87、有機発光層88、正孔防止層89、誘電体層231、電子輸送層90を有する有機EL素子82から構成されている点である。
誘電体層231としては、無機EL用の公知の誘電体材料を用いることができる。このような誘電体材料としては、例えば、五酸化タンタル(Ta)、酸化珪素(SiO)、窒化珪素(Si)、酸化アルミニウム(Al)、チタン酸アルミニウム(AlTiO)チタン酸バリウム(BaTiO)およびチタン酸ストロンチウム(SrTiO)等が挙げられるが、本発明はこれらに限定するものではない。
(12)第十二実施形態
図21は、表示装置の第十二実施形態を示す概略断面図である。図21において、図1に示した波長変換基板10、図7に示した表示装置70、図8に示した有機EL素子基板80、および、図13に示した表示装置150と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
表示装置240は、第一基板71と、第一基板71の一方の面71a上に設けられた発光層72と、発光層72上に設けられた光源73と、発光層72および光源73を介して第一基板71と対向するように設けられた第二基板(封止基板)74とから概略構成されている。
発光層72は、第一基板71の一方の面71a上に設けられ、第一基板71側から順に積層された第一波長変換層14、中間層15および第二波長変換層16からなる波長変換層積層体12から構成されている。
また、光源73は、発光層72上に設けられた有機EL素子82から構成されている。
また、発光層72を覆うように無機封止膜151が設けられ、無機封止膜151を覆うように平坦化膜241が設けられ、発光層72と光源73の間に無機封止膜151および平坦化膜241が介在している。さらに、光源73と第二基板74との間に充填剤153が充填され、この充填剤153を介して、接着層154により、第一基板71と第二基板74が接着されている。
また、第一基板71の一方の面71a上に、TFT(駆動素子)160が形成されている。すなわち、第一基板71の一方の面71aに、ゲート電極161が形成され、このゲート電極161を覆うように第一基板71の一方の面71a上に、ゲート絶縁膜162が形成されている。ゲート絶縁膜162上には、活性層(図示略)が形成され、活性層上にソース電極163、ドレイン電極164および配線165が形成され、これらソース電極163、ドレイン電極164および配線165を覆うように平坦化膜166が形成されている。なお、平坦化膜166は、単層構造でなくてもよく、他の層間絶縁膜と平坦化膜を組み合わせた構成としてもよい。また、平坦化膜もしくは層間絶縁膜を貫通してドレイン電極164に達するコンタクトホール167が形成され、平坦化膜166上にコンタクトホール167を介してドレイン電極164と電気的に接続された光源73の第一電極83が形成されている。第一電極83は、第一基板71側から順に積層された、反射電極168と透明電極169から構成されている。
また、第一基板71の一方の面71a上に設けられた平坦化膜166と波長変換層積層体12との間において、赤色カラーフィルター17、緑色カラーフィルター18および青色カラーフィルター19が設けられている。
また、表示装置240の厚さ方向において、第一基板71の一方の面71a上に設けられた平坦化膜166と隔壁13との間、かつ、表示装置240の厚さ方向と垂直な方向において、赤色カラーフィルター17と緑色カラーフィルター18との間、緑色カラーフィルター18と青色カラーフィルター19との間、および、青色カラーフィルター19と赤色カラーフィルター17との間に、ブラックマトリックス20が設けられている。
また、第一基板71の他方の面71bに、円偏光板156が設けられている。
(13)第十三実施形態
図22は、表示装置の第十三実施形態を示す概略断面図である。図22において、図1に示した波長変換基板10、図7に示した表示装置70、図8に示した有機EL素子基板80、図13に示した表示装置150、および、図21に示した表示装置240と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の表示装置250が、上記の第十二実施形態の表示装置240と異なる点は、発光層72が、第一基板71の一方の面71a上に設けられ、第一基板71側から順に積層された第一波長変換層14、第一中間層15、第二波長変換層16、第二中間層51および第三波長変換層52からなる波長変換層積層体53から構成されている点である。
(14)第十四実施形態
図23は、表示装置の第十四実施形態を示す概略断面図である。図23において、図1に示した波長変換基板10、図7に示した表示装置70、図10に示した無機EL素子基板120、および、図13に示した表示装置150と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の表示装置260が、上記の第四実施形態の表示装置150と異なる点は、光源73が、第一基板71の一方の面71a上に設けられ、第一基板71側から順に積層された第一電極123、第一誘電体層124、発光層125、第二誘電体層126および第二電極127を有する無機EL素子122から構成されている点である。
(15)第十五実施形態
図24は、表示装置の第十五実施形態を示す概略断面図である。図24において、図1に示した波長変換基板10と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
表示装置270は、波長変換基板271と、波長変換基板271の波長変換積層体12側に順に積層された液晶セル272およびバックライトユニット273とから概略構成されている。
表示装置270において、波長変換基板271とは、例えば、上記の波長変換基板の第一実施形態における波長変換層積層体12や、波長変換基板の第二実施形態における波長変換層積層体53のことである。ここでは、波長変換基板271としては、波長変換層積層体12と同様の構造のものを例示する。
波長変換基板271では、第一基板71の一方の面71a上に、赤色カラーフィルター17、緑色カラーフィルター18および青色カラーフィルター19を覆うように低屈折率層274が設けられている。さらに、青色カラーフィルター19上に設けられた低屈折率層274を覆うように光散乱層275が設けられている。
また、第二波長変換層16を覆うように平坦化膜276が設けられている。
液晶セル272は、バックライト側ガラス基板277と、バックライト側ガラス基板277の一方の面277a上に設けられたバックライト側透明電極278およびバックライト側配向膜279と、バックライト側配向膜279上に順に設けられた液晶層280、光取出し側配向膜281、光取出し側透明電極282および光取出し側ガラス基板283とから概略構成されている。
バックライト側ガラス基板277のバックライトユニット273と対向する側の面(他方の面)277bには、バックライト側偏光板284が設けられている。バックライト側偏光板284は、例えば、バックライト側第二透明保護フィルム、バックライト側偏光子およびバックライト側第一透明保護フィルムから構成されている。
光取出し側ガラス基板283の波長変換基板271と対向する側の面283aには、光取出し側偏光板285が設けられている。光取出し側偏光板285は、光取出し側第一透明保護フィルム、光取出し側偏光子および光取出し側第二透明保護フィルムから構成されている。
さらに、波長変換基板271(波長変換層積層体12)と液晶セル272の間には、励起光を透過し、波長変換層積層体12からの発光を反射し、発光を効率よく、外部に取出すために波長選択透過膜286が設けられている。
バックライトユニット273では、液晶セル272の背面(波長変換基板271とは反対側)または側面に光源が配置される。液晶セル272の側面に光源が配置される場合、バックライトユニット273は、例えば、反射シート、励起光源、反射板、導光板、第一拡散シート、プリズムシートおよび第二拡散シートから構成される。また、バックライトユニット273と液晶セル272との間に、拡散板や輝度向上フィルムを配置してもよい。
ここでは、バックライトユニット273としては、液晶セル272の側面に配置された光源287と、光源287からの励起光を液晶セル272の面方向(バックライト側ガラス基板277の他方の面277b方向)に導光するとともに、バックライト側ガラス基板277の他方の面277bから液晶セル272に励起光を入射する導光板288とから概略構成されるものを例示した。
(16)第十六実施形態
図25は、表示装置の第十六実施形態を示す概略断面図である。図25において、図1に示した波長変換基板10および図24に示した表示装置270と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の表示装置290が、上記の第十五実施形態の表示装置270と異なる点は、液晶セル272が、バックライト側ガラス基板277と、バックライト側ガラス基板277の一方の面277a上に設けられたバックライト側透明電極278およびバックライト側配向膜279と、バックライト側配向膜279上に順に設けられた液晶層280、光取出し側配向膜281および光取出し側透明電極282とから概略構成されている点である。
「表示装置の回路構成」
図26は、第一〜第十六実施形態の表示装置の回路構成を示すブロック図である。
第一〜第十六実施形態の表示装置は、図26に示すように、回路構成としてAD変換回路301と、画像処理回路302と、制御回路303と、走査線駆動回路304と、信号線駆動回路305と、電源回路306と、を備えている。
また、液晶セルの画素部307には複数の走査線308と、複数の信号線309と、複数の電源線310と、が備えられている。
さらに、各走査線308、各信号線309および各電源線310に対応する各画素にスイッチングトランジスタ311と、駆動トランジスタ312と、有機EL素子313と、キャパシタ314と、が備えられている。
有機EL素子313を駆動する電源回路306は、走査線駆動回路304により画素部307の走査線308を順次選択し、選択されている走査線308に沿って配置されている各画素に対し、信号線駆動回路305により画素データを書き込む。すなわち、走査線駆動回路304が走査線308を順次駆動し、信号線駆動回路305が信号線309に画素データを出力することで、駆動された走査線308とデータが出力された信号線309との交差する位置に配置された画素が駆動される。
さらに、バックライトユニットを駆動する電源回路306は、画像を表示する間、バックライトユニットを一定の輝度で点灯するために一定の電圧、電流を供給する。さらに、画像と同期してバックライトユニットの輝度をコントロールすることで、低消費電力化が可能となる。
「照明装置」
また、上記の第一〜第十六実施形態の表示装置は、えば、図27に示すシーリングライト(照明装置)320にも適用できる。
図27に示すシーリングライト320は、発光部321と、吊下線322と、電源コード323とを備えてなる照明装置である。
シーリングライト320において、発光部321は、上記の第一〜第十六実施形態の表示装置のいずれかから構成されている。
本実施形態のシーリングライト320は、上記の第一〜第十六実施形態の表示装置を発光部321として備えることにより、発光効率に優れる照明装置となる。
また、上記の第一〜第十六実施形態の表示装置は、えば、図28に示す照明スタンド(照明装置)330にも適用できる。
図28に示す照明スタンド330は、発光部331と、スタンド332と、メインスイッチ333と、電源コード334とを備えてなる照明装置である。
照明スタンド330において、発光部331は、上記の第一〜第十六実施形態の表示装置のいずれかから構成されている。
本実施形態の照明スタンド330は、上記の第一〜第十六実施形態の表示装置を発光部331として備えることにより、発光効率に優れる照明装置となる。
「電子機器」
上記の第一〜第十六実施形態の表示装置は、各種電子機器に適用することができる。
以下、上記の第一〜第十六実施形態の表示装置を備えた電子機器について、図29〜33を用いて説明する。
上記の第一〜第十六実施形態の表示装置は、例えば、図29に示す携帯電話に適用できる。
図29に示す携帯電話340は、音声入力部341、音声出力部342、アンテナ343、操作スイッチ344、表示部345および筐体346等を備えている。
そして、表示部345として上記の第一〜第十六実施形態の表示装置を好適に適用できる。上記の第一〜第十六実施形態の表示装置を携帯電話340の表示部345に適用することによって、良好な発光効率で映像を表示することができる。
また、上記の第一〜第十六実施形態の表示装置は、例えば、図30に示す薄型テレビに適用できる。
図30に示す薄型テレビ350は、表示部351、スピーカ352、キャビネット353およびスタンド354等を備えている。
そして、表示部351として上記の第一〜第十六実施形態の表示装置を好適に適用できる。上記の第一〜第十六実施形態の表示装置を薄型テレビ350の表示部351に適用することによって、良好な発光効率で映像を表示することができる。
また、上記の第一〜第十六実施形態の表示装置は、例えば、図31に示す携帯型ゲーム機に適用できる。
図31に示す携帯型ゲーム機360は、操作ボタン361、362、外部接続端子363、表示部364および筐体365等を備えている。
そして、表示部364として上記の第一〜第十六実施形態の表示装置を好適に適用できる。上記の第一〜第十六実施形態の表示装置を携帯型ゲーム機360の表示部364に適用することによって、良好な発光効率で映像を表示することができる。
また、上記の第一〜第十六実施形態の表示装置は、例えば、図32に示すノートパソコンに適用できる。
図32に示すノートパソコン370は、表示部371、キーボード372、タッチパッド373、メインスイッチ374、カメラ375、記録媒体スロット376および筐体377等を備えている。
そして、表示部371として上記の第一〜第十六実施形態の表示装置を好適に適用できる。上記の第一〜第十六実施形態の表示装置をノートパソコン370の表示部371に適用することによって、良好な発光効率で映像を表示することができる。
さらに、上記の第一〜第十六実施形態の表示装置は、例えば、図33に示すタブレット端末に適用できる。
図33に示すタブレット端末380は、表示部(タッチパネル)381、カメラ382および筐体383等を備えている。
そして、表示部381として上記の第一〜第十六実施形態の表示装置を好適に適用できる。上記の第一〜第十六実施形態の表示装置をタブレット端末380の表示部381に適用することによって、良好な発光効率で映像を表示することができる。
以上、図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されないことは言うまでもない。上記の実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
その他、表示装置、照明装置の各構成要素の形状、数、配置、材料、形成方法等に関する具体的な記載は、上記の実施形態に限定することなく、適宜変更が可能である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定するものではない。
[比較例]
厚さ0.7mmのガラス基板を、0.1%の1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HDMS)水溶液にて超音波洗浄を30分、純水にて超音波洗浄を30分行い、180℃にて30分乾燥させた。
次に、ガラス基板上に、スピンコート法により、赤色波長変換材料を含む赤色波長変換層形成用塗液を、回転数1000rpm、30秒で塗布し、ホットプレートで80℃にて3分間焼成した。
次に、120℃にて2時間焼成した後、波長365nmの光を994J/cm照射し、退色した赤色波長変換層を得た。
次に、赤色波長変換層上に、スポイトにより、緑色波長変換材料を含む緑色波長変換層形成用塗液を滴下した後、150℃にて5分焼成して、緑色波長変換層を形成し、赤色波長変換層と緑色波長変換層を有する波長変換基板を得た。
次に、全光束測定システム(商品名:ハーフムーン、大塚電子社製)を用いて、波長460nmの励起光を、上記の赤色波長変換層と緑色波長変換層を有する波長変換基板に対して垂直に照射し、波長変換基板から発した全ての方向の蛍光をディテクターにて検出した。
ガラス基板における励起光の吸収量と蛍光光量を測定することにより、波長変換基板の内部量子収率(Φ)を測定した。
内部量子収率(Φ)は、下記の式(1)で定義される。
内部量子収率(Φ)=(波長変換基板から発光したフォトン数)/(波長変換基板が吸収したフォトン数)・・・(1)
測定の結果、波長変換基板の内部量子収率は58%であった。
また、上記の方法と同様にして、洗浄したガラス基板上に、赤色波長変換層のみを形成した波長変換基板と、上記の方法と同様にして、洗浄したガラス基板上に、緑色波長変換基板のみを形成した波長変換基板とについて、内部量子収率を測定した。
その結果、赤色波長変換層のみが形成された波長変換基板の内部量子収率は82%、緑色波長変換基板のみが形成された波長変換基板の内部量子収率は92%であった。
よって、退色した赤色波長変換層と緑色波長変換層が積層された波長変換基板は、赤色波長変換層のみが形成された波長変換基板および緑色波長変換基板のみが形成された波長変換基板よりも内部量子収率が小さいことが分かった。これは、退色した赤色波長変換層に含まれる化合物が、緑色波長変換層の内部量子収率を低下させていることに起因するものと考えられる。
ただし、退色した赤色波長変換層と緑色波長変換層の両方が、励起光を吸収、発光していることから、退色した赤色波長変換層と緑色波長変換層とが積層された波長変換基板の内部量子収率は、退色した赤色波長変換層と緑色波長変換層の両方の影響を受けているものと考えられる。
そこで、退色した赤色波長変換層と緑色波長変換層とが積層された波長変換基板において、緑色波長変換層のみの内部量子収率を得るために、以下の解析を行った。
上記の方法と同様にして、洗浄したガラス基板上に、赤色波長変換層のみを形成した後、波長365nmの光を994J/cm照射し、退色した赤色波長変換層を得た。
この退色した赤色波長変換層のみが形成された波長変換基板の内部量子収率を測定したところ、3%であった。
退色した赤色波長変換層と緑色波長変換層が積層された波長変換基板の内部量子収率に関して、上記の式(1)を言い換えると、下記の式(2)のように表すことができる。
退色した赤色波長変換層と緑色波長変換層を積層した場合、各層の励起フォトン数および発光フォトン数と、光の波長との関係は図34のようになる。
内部量子収率(Φ)={(R発光数1)+(R発光数2)+(G発光数)}/{(R吸収数)+(G吸収数)}・・・(2)
退色した赤色波長変換層と緑色波長変換層が積層された波長変換基板において、赤色波長変換層の励起光の吸収フォトン数および発光フォトン数が、緑色波長変換層の励起光の吸収フォトン数よりも十分に小さいため、上記の式(2)の(R吸収数)と(R発光数1)を除くこととする。すると、この波長変換基板における内部量子収率(ΦG1)は、下記の式(3)のように表すことができる。
内部量子収率(ΦG1)={(R発光数2)+(G発光数)}/(G吸収数)・・・(3)
退色した赤色波長変換層と緑色波長変換層が積層された波長変換基板について、励起光の吸収フォトン数および発光フォトン数を測定し、上記の式(3)に基づいて内部量子収率(ΦG1)を算出したところ、73%であった。
ここで、退色した赤色波長変換層と緑色波長変換層が積層された波長変換基板について、内部量子収率(ΦG2)を、下記の式(4)のように定義する。
内部量子収率(ΦG2)=(緑色波長変換層で吸収された光のうち発光したフォトン数)/(緑色波長変換層で吸収されたフォトン数)・・・(4)
上記の式(3)において、(R発光数2)は、緑色波長変換層で発光した光を、赤色波長変換層が吸収し、吸収した光のうち一部が発光したフォトン数である。
したがって、上記の式(4)における(緑色波長変換層で吸収された光のうち発光したフォトン数)は、上記の式(3)における{(R発光数2)+(G発光数)}よりも値が大きい。つまり、内部量子収率(ΦG2)>内部量子収率(ΦG1)となる。よって、退色した赤色波長変換層と緑色波長変換層が積層された波長変換基板における内部量子収率(ΦG2)は、内部量子収率(ΦG1)73%よりも大きい値となる。
[実施例1]
厚さ0.7mmのガラス基板を、0.1%の1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HDMS)水溶液にて超音波洗浄を30分、純水にて超音波洗浄を30分行い、180℃にて30分乾燥させた。
次に、ガラス基板上に、スピンコート法により、赤色波長変換材料を含む赤色波長変換層形成用塗液を、回転数1000rpm、30秒で塗布し、ホットプレートで80℃にて3分間焼成した。
次に、120℃にて2時間焼成した後、波長365nmの光を994J/cm照射し、退色した赤色波長変換層を得た。この赤色波長変換層の膜厚は1μm以下であった。
次に、赤色波長変換層上に、スピンコート法により、光硬化性樹脂を、回転数1000rpm、30秒で塗布し、ホットプレートで95℃にて15分間加熱した。
次に、波長365nmの光を300J/cm照射した後、120℃にて2時間焼成し、中間層を形成した。この中間層の膜厚は20μmであった。
次に、中間層上に、スポイトにより、緑色波長変換材料を含む緑色波長変換層形成用塗液を滴下した後、150℃にて5分焼成して、緑色波長変換層を形成し、赤色波長変換層と、中間層と、緑色波長変換層とが積層された波長変換基板を得た。
次に、全光束測定システム(商品名:ハーフムーン、大塚電子社製)を用いて、波長460nmの励起光を、上記の赤色波長変換層と、中間層と、緑色波長変換層とが積層された波長変換基板に対して垂直に照射し、波長変換基板から発した全ての方向の蛍光をディテクターにて検出した。
比較例と同様にして、ガラス基板における励起光の吸収量と蛍光光量を測定することにより、波長変換基板の内部量子収率(Φ)を測定した。
測定の結果、波長変換基板の内部量子収率は79%であった。これは、比較例の内部量子収率(ΦG1)73%よりも高い値であることから、赤色波長変換層と緑色波長変換層の間に中間層を形成することにより、退色した赤色波長変換層による緑色波長変換層の内部量子収率低下を抑制できたことがわかる。
[実施例2]
厚さ0.7mmのガラス基板を、0.1%の1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HDMS)水溶液にて超音波洗浄を30分、純水にて超音波洗浄を30分行い、180℃にて30分乾燥させた。
次に、ガラス基板上に、スピンコート法により、赤色波長変換材料を含む赤色波長変換層形成用塗液を、回転数1000rpm、30秒で塗布し、ホットプレートで80℃にて3分間焼成した。
次に、120℃にて2時間焼成した後、波長365nmの光を994J/cm照射し、退色した赤色波長変換層を得た。この赤色波長変換層の膜厚は1μm以下であった。
次に、赤色波長変換層上に、スピンコート法により、光硬化性樹脂を、回転数2000rpm、30秒で塗布し、ホットプレートで95℃にて15分間加熱した。
次に、波長365nmの光を300J/cm照射した後、120℃にて2時間焼成し、中間層を形成した。この中間層の膜厚は16μmであった。
次に、中間層上に、スポイトにより、緑色波長変換材料を含む緑色波長変換層形成用塗液を滴下した後、150℃にて5分焼成して、緑色波長変換層を形成し、赤色波長変換層と、中間層と、緑色波長変換層とが積層された波長変換基板を得た。
次に、実施例1と同様にして、波長変換基板の内部量子収率(Φ)を測定した。
測定の結果、波長変換基板の内部量子収率は75%であった。これは、比較例の内部量子収率(ΦG1)73%よりも高い値であることから、赤色波長変換層と緑色波長変換層の間に中間層を形成することにより、退色した赤色波長変換層による緑色波長変換層の内部量子収率低下を抑制できたことがわかる。
[実施例3]
厚さ0.7mmのガラス基板を、0.1%の1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HDMS)水溶液にて超音波洗浄を30分、純水にて超音波洗浄を30分行い、180℃にて30分乾燥させた。
次に、ガラス基板上に、スピンコート法により、赤色波長変換材料を含む赤色波長変換層形成用塗液を、回転数1000rpm、30秒で塗布し、ホットプレートで80℃にて3分間焼成した。
次に、120℃にて2時間焼成した後、波長365nmの光を994J/cm照射し、退色した赤色波長変換層を得た。この赤色波長変換層の膜厚は1μm以下であった。
次に、赤色波長変換層上に、スピンコート法により、光硬化性樹脂を、回転数500rpm、30秒で塗布し、ホットプレートで95℃にて15分間加熱した。
次に、波長365nmの光を300J/cm照射した後、120℃にて2時間焼成し、中間層を形成した。この中間層の膜厚は50μmであった。
次に、中間層上に、スポイトにより、緑色波長変換材料を含む緑色波長変換層形成用塗液を滴下した後、150℃にて5分焼成して、緑色波長変換層を形成し、赤色波長変換層と、中間層と、緑色波長変換層とが積層された波長変換基板を得た。
次に、実施例1と同様にして、波長変換基板の内部量子収率(Φ)を測定した。
測定の結果、波長変換基板の内部量子収率は83%であった。これは、比較例の内部量子収率(ΦG1)73%よりも高い値であることから、赤色波長変換層と緑色波長変換層の間に中間層を形成することにより、退色した赤色波長変換層による緑色波長変換層の内部量子収率低下を抑制できたことがわかる。
[実施例4]
「波長変換基板の作製」
基板として、厚さ0.7mm、100mm×100mmのガラス基板を用いた。これを水洗した後、純水超音波洗浄を10分、アセトン超音波洗浄を10分、イソプロピルアルコール蒸気洗浄を5分行い、100℃にて1時間乾燥させた。
次に、基板上に、黒色隔壁材料として、スピンコーターを用いて、BKレジスト(東京応化社製)を塗布した。
その後、70℃にて15分間プリベークして、膜厚1μmの塗膜を形成した。この塗膜に所望の画像パターンが形成できるようなマスク(画素ピッチ200μm、線幅20μm)を被せて、i線(100mJ/cm)を照射し、露光した。
次いで、現像液として、炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像し、純水でリンス処理を行い、光吸収層(低反射層)を形成した。
次に、バンク材料として、エポキシ系樹脂(屈折率:1.59)、アクリル系樹脂(屈折率:1.49)、ルチル型酸化チタン(屈折率:2.71、粒径250nm)、光重合開始剤および芳香族系溶剤からなる白色感光性組成物を攪拌混合して、ポジ型レジストを調製した。
次に、基板上に、スピンコート法により、このポジ型レジストを塗布し、フォトリソグラフィー法により、画素ピッチ200μm、線幅20μmでパターニングし、低反射層上に、膜厚10μmの光反射性バンクを形成した。
次に、バンクによって区画された領域に、赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、青色カラーフィルターをパターニングした。
次に、赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルターおよび青色カラーフィルター上に、光散乱層を形成した。ここで、光散乱層を形成するには、まず、平均粒径1.5μmのシリカ粒子(屈折率:1.65)20gに、水/ジメチルスルホキシド=1/1の混合溶液(300g)に溶解されたポリビニルアルコール30gを加え、分散機により攪拌して、光散乱層形成用塗液を調製した。
次に、前記のガラス基板上の光吸収層が形成されていない領域に、スクリーン印刷法により、その光散乱層形成用塗液を塗布した。引き続き、真空オーブンにより、200℃、10mmHgの条件で4時間加熱乾燥し、光散乱層を形成した。
次に、トルエンに、ポリスチレン樹脂(10g)と、9−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,6,6−テトラメチル−2,3,5,6−テトラヒドロ−1H,4H−11−オキサ−アザ−ベンゾアントラセン−10−ワン(1g)と、ルモーゲンレッド(0.1g)とを溶解し、赤色波長変換層形成用塗液を調製した。
次に、前記のガラス基板のカラーフィルター上に、スピンコート法により、赤色波長変換層形成用塗液を塗布し、膜厚2μmの赤色波長変換層を形成した。
次に、青色画素、緑色画素に対応する部分は、光を透過し、赤色画素に対応する部分は遮光するように設計されたフォトマスクを用いて、赤色波長変換層に対して、ガラス基板と逆側から超高圧UVランプを照射した。これにより、青色画素、緑色画素においては、赤色波長変換層の青色の波長域の光の吸光度を低減させ、かつ、赤色の波長変換能力(発光能力)を低減させ、赤色の波長域の光を非発光に変性させた。これにより、有機EL部からの発光をそのまま効率よく透過させ、かつ、赤色の波長域の光が混ざることによる色純度の低下を防止することができた。
次に、赤色波長変換層上に、スピンコート法により、中間層形成用塗液を塗布し、その塗液にUV光を照射して、膜厚20μmの中間層を形成した。
中間層形成用塗液としては、エポキシ樹脂とヘキサフルオロアンチモン酸塩を混合した光硬化性樹脂を用いた。
次に、トルエンに、ポリスチレン樹脂(10g)と、9−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1,1,6,6−テトラメチル−2,3,5,6−テトラヒドロ−1H,4H−11−オキサ−アザ−ベンゾアントラセン−10−ワン(1g)と、ルモーゲンイエロー(0.1g)とを溶解し、緑色波長変換層形成用塗液を調製した。
次に、中間層層上に、スピンコート法により、緑色波長変換層形成用塗液を塗布し、膜厚3μmの緑色波長変換層を形成した。
次に、青色画素に対応する部分は、光を透過し、赤色画素と緑色画素に対応する部分は遮光するように設計されたフォトマスクを用いて、緑色波長変換層に対して、ガラス基板と逆側から超高圧UVランプを照射した。これにより、青色画素においては、緑色波長変換層の青色の波長域の光の吸光度を低減させ、かつ、緑色の波長変換能力(発光能力)を低減させ、緑色の波長域の光を非発光に変性させた。これにより、有機EL部からの発光をそのまま効率よく透過させ、かつ、緑色の波長域の光が混ざることによる色純度の低下を防止することができる。
上記プロセスは、ドライエアー中で行った。
次に、上記の波長変換層が形成された基板を、グローブボックス(水分濃度:1ppm以下、酸素濃度:1ppm以下)に移し、80℃にて1時間加熱し、波長変換層中の水分、酸素を除去した。
次に、波長変換層上に、スパッタリング法により、膜厚2μmのSiON膜からなるガスバリア層を形成した。
さらに、緑色波長変換層をパターニングした後、緑色波長変換層上に青色波長変換層を形成した。
ここで、青色波長変換層を形成するには、まず、トルエンに、ポリスチレン樹脂(10g)と、4,4 ’− ビス(2,2 ’−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)(0.1g)とを溶解し、青色波長変換層形成用塗液を調製した。
次に、緑色波長変換層上に、スピンコート法により、青色波長変換層形成用塗液を塗布し、膜厚4μmの青色波長変換層を形成し、波長変換基板を得た。
「青色発光有機EL素子の作製」
基板として、厚さ0.7mm、100mm×100mmのガラス基板を用い、このガラス基板上に、PECVD法により、アモルファスシリコン半導体膜を形成した。
次に、アモルファスシリコン半導体膜の結晶化処理を施すことにより、多結晶シリコン半導体膜を形成した。
次に、フォトリソグラフィー法により、多結晶シリコン半導体膜を複数の島状にパターニングした。続いて、パターニングした多結晶シリコン半導体層上に、ゲート絶縁膜およびゲート電極層をこの順番で形成し、フォトリソグラフィー法により、パターニングを行った。
その後、パターニングした多結晶シリコン半導体膜に、リン等の不純物元素をドーピングすることにより、ソースおよびドレイン領域を形成し、TFT素子を作製した。
その後、平坦化膜を形成した。平坦化膜としては、PECVD法により形成した窒化シリコン膜、スピンコート法により形成したアクリル系樹脂層を、この順で積層し、形成した。
まず、窒化シリコン膜を形成した後、窒化シリコン膜とゲート絶縁膜とを一括してエッチングすることにより、ソースおよび/またはドレイン領域に通ずるコンタクトホールを形成し、続いて、ソース配線を形成した。その後、アクリル系樹脂層を形成し、ゲート絶縁膜および窒化シリコン膜に穿孔したドレイン領域のコンタクトホールと同じ位置に、ドレイン領域に通ずるコンタクトホールを形成することにより、アクティブマトリクス基板を得た。
平坦化膜としての機能は、アクリル系樹脂層で実現される。
なお、TFT素子のゲート電位を定電位にするためのコンデンサーは、スイッチング用TFT素子のドレインと、駆動用TFT素子のソースとの間に、層間絶縁膜等の絶縁膜を介することで形成した。
アクティブマトリクス基板上に、平坦化膜を貫通して駆動用TFT素子と、第一電極とをそれぞれ電気的に接続するコンタクトホールを設けた。
次に、各画素を駆動するためのTFT素子と接続した平坦化膜を貫通して設けられたコンタクトホールに電気的に接続するように、スパッタリング法により、各画素の第一電極(陽極)を形成した。
第一電極は、スパッタリング法により、反射電極Al(アルミニウム)を150nmと透明電極IZO(酸化インジウム−酸化亜鉛)を90nmの膜厚で積層して形成し、各画素に対応した形状に、従来のフォトリソグラフィー法により、パターニングを行った。
ここでは、第一電極の面積を、180μm×540μmとした。また、画素が形成される表示部の上下左右に幅2mmの封止エリアを設け、さらに、短辺側における封止エリアの外に、長さ2mmの端子取出し部を設け、長辺側における折り曲げを行う方に、長さ2mm端子取出し部を設けた。
次に、第一電極上に、スピンコート法により、前記のバンク材料と同様にルチル型酸化チタンを含有する感光性樹脂を、厚さ200nmとなるように積層した後、従来のフォトリソグラフィー法により、第一電極のエッジ部を覆うように感光性樹脂をパターニングした。ここでは、第一電極の端から10μm分だけ4辺を覆う構造としてエッジカバーを形成した。
次に、前記のアクティブ基板を洗浄した。アクティブ基板の洗浄方法としては、例えば、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)等を用いて、超音波洗浄を10分間行い、続いて、UV−オゾン洗浄を30分間行う方法を用いた。
次に、インライン型抵抗加熱蒸着装置内の基板ホルダーに、この基板を固定し、1×10−4Pa以下の真空まで減圧し、有機層を構成する各層を成膜した。
まず、正孔注入材料として、1,1−ビス−ジ−4−トリルアミノ−フェニル−シクロヘキサン(TAPC)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、第一電極上に、膜厚20nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔輸送材料として、N,N’−di−1−ナフチル−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、正孔注入層上に、膜厚20nmの正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、厚さ20nmの青色有機発光層を形成した。ここでは、真空蒸着法により、1,4−ビス−トリフェニルシリル−ベンゼン(UGH−2)(ホスト材料)とビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト−N,C2’]ピコリネート イリジウム(III)(FIrpic)(青色燐光発光ドーパント)を、それぞれの蒸着速度を1.5Å/sec、0.2Å/secとし、共蒸着することにより、この青色有機発光層を形成した。
次に、青色有機発光層上に、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)を用いて、厚さ10nmの正孔防止層を形成した。
次に、正孔防止層上に、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)を用いて、厚さ10nmの電子輸送層を形成した。
次に、電子輸送層の上に、フッ化リチウム(LiF)を用いて、厚さ0.5nmの電子注入層を形成した。
この後、電子注入層上に、第二電極を形成した。
まず、金属蒸着用チャンバーに、前記の各部位が形成されたガラス基板を固定した。
次に、真空蒸着法により、マグネシウムと銀を、それぞれの蒸着速度を0.1Å/sec、0.9Å/secとし、共蒸着することにより、電子注入層上に、厚さ1nmのマグネシウム銀を、所望のパターンで形成した。
さらに、干渉効果を強調する目的、および、第二電極での配線抵抗による電圧降下を防止する目的で、真空蒸着法により、銀を、蒸着速度を1Å/secとし、蒸着することにより、マグネシウム銀上に、厚さ19nmの銀を、所望のパターンで形成した。これにより、第二電極を形成した。
ここで、有機EL素子としては、第一電極(反射電極)と第二電極(半透過電極)間でマイクロキャビティ効果(干渉効果)が発現し、正面輝度を高めることが可能となり、有機EL素子からの発光エネルギーをより効率よく、波長変換層および散乱層に伝搬させることが可能となる。
次に、プラズマCVD法により、膜厚3μmのSiOからなる無機保護層を形成した後、シャドーマスクを用いて、表示部の端から上下左右2mmの封止エリアまで、無機保護層をパターニングし、図12のアクティブ駆動型青色発光有機EL基板を得た。
また、ホスト材料として、UGH−2の代わりに、9,9−スピロビフルオレン−2−イル−ビフェニル−リン酸(SPPO1)を用い、発光ドーパントとして、FIrpicの代わりに、トリス(1−フェニル−3−メチルベンゾイミダゾリン−2−イリジン−C,C2’)イリジウム(III)(Ir(Pmb)))を用いて、それぞれの蒸着速度を1.5Å/sec、0.2Å/secとし、共蒸着した。
さらに、陰極を形成した後、膜厚2nmの酸化タングステン(WO)を蒸着することにより電荷発生層を形成し、この電荷発生層を介して、前記と同様にして、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層および陰極を形成し、図13のアクティブ駆動型青色発光有機EL基板を得た。
次に、アクティブ駆動型有機EL基板と、波長変換基板とを、貼り合わせ用のグローブボックス内(水分濃度:1ppm以下、酸素濃度:1ppm以下)に搬入した。
次に、波長変換基板の外周部に、ディスペンサーを用いて、20μmのスペーサーを分散させた紫外線硬化型接着剤(商品名:30Y−437、スリーボンド社製)を塗布し、外周封止材とした。さらに、その外周封止材の中に、ディスペンサーを用いて、充填剤として、透明シリコーン樹脂(商品名:TSE3051、東芝シリコーン社製)を塗布した。
次に、アクティブ駆動型有機EL基板と、波長変換基板とを、真空チャンバー内に移送し、真空チャンバー内を1Paまで減圧した。そして、アライメントマーカーを用いて、一次アライメントを行いながら、アクティブ駆動型有機EL基板と波長変換基板を仮接着し、固定した。
次に、仮接着したアクティブ駆動型有機EL基板と波長変換基板をグローブボックスに移送し、CCDを用いて二次アライメントを行った。
次に、外周封止材に、UVランプを用いて紫外線を照射し、外周封止材を硬化させて、外周封止層を形成した。
次に、80℃にて1時間加熱し、前記の透明シリコーン樹脂をゲル化させた。
次に、光取り出し側の基板に、偏光板を貼り合わせ、アクティブ駆動型有機EL表示装置を得た。
最後に、短辺側に形成した端子を、ソースドライバを介して電源回路に、長辺側に形成した端子を、ゲートドライバを介して外部電源に接続し、80mm×80mmの表示部を持つアクティブ駆動型有機EL表示装置を得た。
[実施例5]
「波長変換基板の作製」
「カラーフィルター基板の作製」
基板として、厚さ0.7mm、100mm×100mmのガラス基板を用いた。これを水洗した後、純水超音波洗浄を10分、アセトン超音波洗浄を10分、イソプロピルアルコール蒸気洗浄を5分行い、100℃にて1時間乾燥させた。
次に、基板上に、黒色隔壁材料として、スピンコーターを用いて、BKレジスト(東京応化社製)を塗布した。
その後、70℃にて15分間プリベークして、膜厚1μmの塗膜を形成した。この塗膜に所望の画像パターンが形成できるようなマスク(画素ピッチ200μm、線幅20μm)を被せて、i線(100mJ/cm)を照射し、露光した。
次いで、現像液として、炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像し、純水でリンス処理を行い、光吸収層(低反射層)を形成した。
次に、バンク材料として、エポキシ系樹脂(屈折率:1.59)、アクリル系樹脂(屈折率:1.49)、ルチル型酸化チタン(屈折率:2.71、粒径250nm)、光重合開始剤および芳香族系溶剤からなる白色感光性組成物を攪拌混合して、ポジ型レジストを調製した。
次に、基板上に、スピンコート法により、このポジ型レジストを塗布し、フォトリソグラフィー法により、画素ピッチ200μm、線幅20μmでパターニングし、低反射層上に、膜厚5μmの光反射性バンクを形成した。
次に、バンクによって区画された領域に、赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルター、青色カラーフィルターをパターニングした。
次に、赤色カラーフィルター、緑色カラーフィルターおよび青色カラーフィルター上に、光散乱層を形成した。ここで、光散乱層を形成するには、まず、平均粒径1.5μmのシリカ粒子(屈折率:1.65)20gに、水/ジメチルスルホキシド=1/1の混合溶液(300g)に溶解されたポリビニルアルコール30gを加え、分散機により攪拌して、光散乱層形成用塗液を調製した。
次に、前記のガラス基板上の光吸収層が形成されていない領域に、スクリーン印刷法により、その光散乱層形成用塗液を塗布した。引き続き、真空オーブンにより、200℃、10mmHgの条件で4時間加熱乾燥し、光散乱層を形成した。
以上の方法により、カラーフィルター基板を作製した。
「有機EL/波長変換基板の作製」
基板として、厚さ0.7mm、100mm×100mmのガラス基板を用い、このガラス基板上に、PECVD法により、アモルファスシリコン半導体膜を形成した。
次に、アモルファスシリコン半導体膜の結晶化処理を施すことにより、多結晶シリコン半導体膜を形成した。
次に、フォトリソグラフィー法により、多結晶シリコン半導体膜を複数の島状にパターニングした。続いて、パターニングした多結晶シリコン半導体層上に、ゲート絶縁膜およびゲート電極層をこの順番で形成し、フォトリソグラフィー法により、パターニングを行った。
その後、パターニングした多結晶シリコン半導体膜に、リン等の不純物元素をドーピングすることにより、ソース領域およびドレイン領域を形成し、TFT素子を作製した。
その後、平坦化膜を形成した。平坦化膜としては、PECVD法により形成した窒化シリコン膜、スピンコート法により形成したアクリル系樹脂層を、この順で積層し、形成した。
まず、窒化シリコン膜を形成した後、窒化シリコン膜とゲート絶縁膜とを一括してエッチングすることにより、ソース領域および/またはドレイン領域に通ずるコンタクトホールを形成し、続いて、ソース配線を形成した。その後、アクリル系樹脂層を形成し、ゲート絶縁膜および窒化シリコン膜に穿孔したドレイン領域のコンタクトホールと同じ位置に、ドレイン領域に通ずるコンタクトホールを形成し、続いて、ソース配線を形成した。
その後、アクリル系樹脂層を形成し、ゲート絶縁膜および窒化シリコン膜に穿孔したドレイン領域のコンタクトホールと同じ位置に、ドレイン領域に通ずるコンタクトホールを形成し、アクティブマトリクス基板を得た。
平坦化膜としての機能は、アクリル系樹脂層で実現される。
なお、TFT素子のゲート電位を定電位にするためのコンデンサーは、スイッチング用TFT素子のドレインと、駆動用TFT素子のソースとの間に、層間絶縁膜等の絶縁膜を介することで形成した。
アクティブマトリクス基板上に、平坦化膜を貫通して駆動用TFT素子と、第一電極とをそれぞれ電気的に接続するコンタクトホールを設けた。
次に、各画素を駆動するためのTFT素子と接続した平坦化膜を貫通して設けられたコンタクトホールに電気的に接続するように、スパッタリング法により、各画素の第一電極(陽極)を形成した。
第一電極は、スパッタリング法により、反射電極Al(アルミニウム)を150nmと透明電極IZO(酸化インジウム−酸化亜鉛)を90nmの膜厚で積層して形成し、各画素に対応した形状に、従来のフォトリソグラフィー法により、パターニングを行った。これにより、反射電極と半透明電極の間における干渉(マイクロキャビティー)効果による色純度の強調を行うことができる。
ここでは、第一電極の面積を、180μm×540μmとした。また、画素が形成される表示部の上下左右に幅2mmの封止エリアを設け、さらに、短辺側における封止エリアの外に、長さ2mmの端子取出し部を設け、長辺側における折り曲げを行う方に、長さ2mm端子取出し部を設けた。
次に、第一電極上に、スピンコート法により、前記のバンク材料と同様にルチル型酸化チタンを含有する感光性樹脂を、厚さ10μmとなるように積層した後、従来のフォトリソグラフィー法により、第一電極のエッジ部を覆うように感光性樹脂をパターニングした。ここでは、第一電極の端から10μm分だけ4辺を覆う構造としてエッジカバーを形成した。
次に、前記のアクティブ基板を洗浄した。アクティブ基板の洗浄方法としては、例えば、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)などを用いて、超音波洗浄を10分間行い、続いて、UV−オゾン洗浄を30分間行う方法を用いた。
次に、インライン型抵抗加熱蒸着装置内の基板ホルダーに、この基板を固定し、1×10−4Pa以下の真空まで減圧し、有機層を構成する各層を成膜した。
まず、正孔注入材料として、1,1−ビス−ジ−4−トリルアミノ−フェニル−シクロヘキサン(TAPC)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、第一電極上に、膜厚20nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔輸送材料として、N,N’−di−1−ナフチル−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)を用いて、抵抗加熱蒸着法により、正孔注入層上に、膜厚20nmの正孔輸送層を形成した。
次に、正孔輸送層上に、厚さ20nmの青色有機発光層を形成した。ここでは、真空蒸着法により、1,4−ビス−トリフェニルシリル−ベンゼン(UGH−2)(ホスト材料)とビス[(4,6−ジフルオロフェニル)−ピリジナト−N,C2’]ピコリネート イリジウム(III)(FIrpic)(青色燐光発光ドーパント)を、それぞれの蒸着速度を1.5Å/sec、0.2Å/secとし、共蒸着することにより、この青色有機発光層を形成した。
次に、青色有機発光層上に、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq)を用いて、厚さ10nmの電子輸送層を形成した。
次に、電子輸送層の上に、フッ化リチウム(LiF)を用いて、厚さ0.5nmの電子注入層を形成した。
この後、電子注入層上に、半透明電極からなる第二電極を形成した。
まず、金属蒸着用チャンバーに、前記の各部位が形成されたガラス基板を固定した。
次に、真空蒸着法により、マグネシウムと銀を、それぞれの蒸着速度を0.1Å/sec、0.9Å/secとし、共蒸着することにより、電子注入層上に、厚さ1nmのマグネシウム銀を、所望のパターンで形成した。
さらに、干渉効果を強調する目的、および、第二電極での配線抵抗による電圧降下を防止する目的で、真空蒸着法により、銀を、蒸着速度を1Å/secとし、蒸着することにより、マグネシウム銀上に、厚さ19nmの銀を、所望のパターンで形成した。これにより、第二電極を形成した。
ここで、有機EL素子としては、第一電極(反射電極)と第二電極(半透過電極)間でマイクロキャビティ効果(干渉効果)が発現し、正面輝度を高めることが可能となり、有機EL素子からの発光エネルギーをより効率よく、波長変換層および光散乱層に伝搬させることができる。
次に、表示部全体に、抵抗加熱蒸着法により、トリス[4−[フェニル(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル]アミン(m−MTDATA)と3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン6)を、それぞれの蒸着速度を10nm/sec、0.5nm/secとし、共蒸着することにより、膜厚600nmの緑色波長変換層を形成した。
次に、青色画素に対応する部分は、光を透過し、赤色画素と緑色画素に対応する部分は遮光するように設計されたフォトマスクを用いて、緑色波長変換層に対して、ガラス基板と逆側から超高圧UVランプを照射した。これにより、青色画素においては、緑色波長変換層の青色の波長域の光の吸光度を低減させ、かつ、緑色の波長変換能力(発光能力)を低減させ、緑色の波長域の光を非発光に変性させた。これにより、有機EL部からの発光をそのまま効率よく透過させ、かつ、緑色の波長域の光が混ざることによる色純度の低下を防止することができる。なお、遮光してある緑色画素と赤色画素に対応する緑色波長変換層の波長変換能力は変化していない。
次に、緑色波長変換層上に、スピンコート法により、中間層形成用塗液を塗布し、その塗液にUV光を照射して、膜厚20μmの中間層を形成した。
中間層形成用塗液としては、エポキシ樹脂とヘキサフルオロアンチモン酸塩を混合した光硬化性樹脂を用いた。
次に、表示部全体に、抵抗加熱蒸着法により、クマリン6と4−(ジシアノメチレン)−2−ターシャリーブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュノリジン)(DCJTB)を、共蒸着することにより、膜厚400nmの赤色波長変換層を形成した。
次に、青色画素と緑色画素に対応する部分は、光を透過し、赤色画素に対応する部分は遮光するように設計されたフォトマスクを用いて、赤色波長変換層に対して、ガラス基板と逆側から超高圧UVランプを照射した。これにより、青色画素と緑色画素においては、赤色波長変換層の青色の波長域の光および緑色の波長域の光吸光度を低減させ、かつ、赤色の波長変換能力(発光能力)を低減させ、赤色の波長域の光を非発光に変性させた。これにより、有機EL部からの発光をそのまま効率よく透過させ、かつ、赤色の波長域の光が混ざることによる色純度の低下を防止することができる。
次に、プラズマCVD法により、膜厚3μmのSiOからなる無機保護層を形成した後、シャドーマスクを用いて、表示部の端から上下左右2mmの封止エリアまで、無機保護層をパターン形成した。
以上の方法により、図17,18に示すアクティブ駆動型青色発光有機EL基板を得た。
さらに、陰極を形成した後、膜厚2nmの酸化タングステン(WO)を蒸着することにより電荷発生層を形成し、この電荷発生層を介して、前記と同様にして、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層および陰極を形成し、アクティブ駆動型青色発光有機EL基板を得た。
次に、アクティブ駆動型青色発光有機EL基板と、波長変換基板とを、貼り合わせ用のグローブボックス内(水分濃度:1ppm以下、酸素濃度:1ppm以下)に搬入した。
次に、アクティブ駆動型青色発光有機EL基板と、波長変換基板とを、表示部の外に形成されているアライメントマーカーにより位置合わせを行った。
なお、アクティブ駆動型青色発光有機EL基板の外周部には、予め熱硬化性樹脂が塗布されており、その熱硬化性樹脂を介して両基板を密着し、90℃にて2時間加熱することにより、熱硬化性樹脂を硬化させた。また、前記の貼り合わせ工程は、有機ELの水分による劣化を防止するために、ドライエアー環境下(水分量:−80℃)で行った。
次に、光取り出し側の基板に、偏光板を貼り合わせ、アクティブ駆動型有機EL表示装置を得た。
最後に、短辺側に形成した端子を、ソースドライバを介して電源回路に、長辺側に形成した端子を、ゲートドライバを介して外部電源に接続し、80mm×80mm角の表示部を持つアクティブ駆動型有機EL表示装置を得た。
[実施例6][青色LED基板+波長変換基板]
TMG(トリメチルガリウム)とNHを用い、反応容器にセットしたサファイア基板のC面に550℃でGaNからなるバッファ層を、膜厚60nmで成長させた。
次に、温度を1050℃まで上げ、TMG、NHに加えてSiHガスを用い、Siドープn型GaNよりなるn型コンタクト層を、膜厚5μmで成長させた。
続いて、原料ガスにTMA(トリメチルアルミニウム)を加え、同じく1050℃でSiドープn型Al0.3Ga0.7N層からなる第2のクラッド層を、膜厚0.2μmで成長させた。
次に、温度を850℃に下げ、TMG、TMI(トリメチルインジウム)、NHおよびSiHを用い、Siドープn型In0.01Ga0.99Nからなる第一のn型クラッド層を、膜厚60nmで成長させた。
続いて、TMG、TMIおよびNHを用い、850℃でノンドープIn0.05Ga0.95Nからなる活性層を、膜厚5nmで成長させた。
さらに、TMG、TMI、NHに加えて、新たにCPMg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、850℃でMgドープp型In0.01Ga0.99Nからなる第一のp型クラッド層を、膜厚60nmで成長させた。
次に、温度を1100℃に上げ、TMG、TMA、NH、CPMgを用い、Mgドープp型Al0.3Ga0.7Nからなる第二のp型クラッド層を、膜厚150nmで成長させた。
続いて、1100℃でTMG、NHおよびCPMgを用い、Mgドープp型GaNからなるp型コンタクト層を、膜厚600nmで成長させた。
以上の操作終了後、温度を室温まで下げて、反応容器からウェーハを取り出し、720℃でウェーハのアニーリングを行い、p型層を低抵抗化した。
次に、最上層のp型コンタクト層の表面に所定の形状のマスクを形成し、n型コンタクト層の表面が露出するまでエッチングした。
エッチング後、n型コンタクト層の表面にチタン(Ti)とアルミニウム(Al)からなる負電極、p型コンタクト層の表面に、ニッケル(Ni)と金(Au)からなる正電極を形成した。
電極形成後、ウェーハを350μm角のチップに分離した後、別に用意してある外部回路に接続するための配線が形成されている基板上に、作製したLEDチップをUV硬化樹脂で固定して、LEDチップと基板上の配線を電気的に接続し、青色LEDからなる光源基板を作製した。
次に、以上のようにして作製した光源基板と波長変換基板を、表示部の外に形成されているアライメントマーカーにより位置合わせを行った。
なお、波長変換基板には、予め熱硬化性樹脂が塗布されており、熱硬化性樹脂を介して両基板を密着し、80℃にて2時間加熱することにより、熱硬化性樹脂を硬化させた。また、前記の貼り合わせ工程は、ドライエアー環境下(水分量:−80℃)で行った。
最後に、周辺に形成されている端子を外部電源に接続することにより、LED表示装置を得た。
本発明は、表示装置に適用することができる。
10 波長変換基板
11 基板
12 波長変換層積層体
13 隔壁
14 第一波長変換層
15 中間層
16 第二波長変換層
17 赤色カラーフィルター
18 緑色カラーフィルター
19 青色カラーフィルター
20 ブラックマトリックス
21 赤色画素
22 緑色画素
23 青色画素
31 フォトマスク
32 フォトマスク
50 波長変換基板
51 第二中間層
52 第三波長変換層
53 波長変換層積層体
61 赤色画素
62 緑色画素
63 青色画素
70 表示装置
71 第一基板
72 発光層
73 光源
74 第二基板
75 貼り合わせ部材
80 有機EL素子基板
81 基板
82 有機EL素子
83 第一電極
84 有機EL層
85 第二電極
86 正孔注入層
87 正孔輸送層
88 有機発光層
89 正孔防止層
90 電子輸送層
91 電子注入層
100 LED基板
101 基板
102 第一のバッファ層
103 n型コンタクト層
104 第二のn型クラッド層
105 第一のn型クラッド層
106 活性層
107 第一のp型クラッド層
108 第二のp型クラッド層
109 第二のバッファ層
110 陰極
111 陽極
120 無機EL素子基板
121 基板
122 無機EL素子
123 第一電極
124 第一誘電体層
125 発光層
126 第二誘電体層
127 第二電極
130 表示装置
140 表示装置
141 液晶素子
150 表示装置
151,152 無機封止膜
153 充填剤
154 接着層
155 光散乱層
156 円偏光板
170 表示装置
180 表示装置
181 電荷発生層
182 無機封止膜
190 表示装置
200 表示装置
201 低屈折率層
202 無機封止膜
210 表示装置
220 表示装置
230 表示装置
231 誘電体層
240 表示装置
241 平坦化膜
250 表示装置
260 表示装置
270 表示装置
271 波長変換基板
272 液晶セル
273 バックライトユニット
274 低屈折率層
275 光散乱層
276 平坦化膜
277 バックライト側ガラス基板
278 バックライト側透明電極
279 バックライト側配向膜
280 液晶層
281 光取出し側配向膜
282 光取出し側透明電極
283 光取出し側ガラス基板
284 バックライト側偏光板
285 光取出し側偏光板
286 波長選択透過膜
287 光源
288 導光板
290 表示装置
301 AD変換回路
302 画像処理回路
303 制御回路
304 走査線駆動回路
305 信号線駆動回路
306 電源回路
307 画素部
308 走査線
309 信号線
310 電源線
311 スイッチングトランジスタ
312 駆動トランジスタ
313 有機EL素子
314 キャパシタ
320 シーリングライト(照明装置)
321 発光部
322 吊下線
323 電源コード
330 照明スタンド(照明装置)
331 発光部
332 スタンド
333 メインスイッチ
334 電源コード
340 携帯電話
341 音声入力部
342 音声出力部
343 アンテナ
344 操作スイッチ
345 表示部
346 筐体
350 薄型テレビ
351 表示部
352 スピーカ
353 キャビネット
354 スタンド
360 携帯型ゲーム機
361,362 操作ボタン
363 外部接続端子
364 表示部
365 筐体
370 ノートパソコン
371 表示部
372 キーボード
373 タッチパッド
374 メインスイッチ
375 カメラ
376 記録媒体スロット
377 筐体
380 タブレット端末
381 表示部(タッチパネル)
382 カメラ
383 筐体

Claims (25)

  1. 基板と、該基板上に設けられた波長変換層積層体とを少なくとも備え、
    前記波長変換層積層体が、光を吸収し、吸収した光と異なる波長の光を発光する波長変換層を2層以上有し、前記波長変換層の間に、光透過性の中間層を有することを特徴とする波長変換基板。
  2. 前記中間層は、有機材料からなることを特徴とする請求項1に記載の波長変換基板。
  3. 前記有機材料は、樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の波長変換基板。
  4. 前記樹脂は、光硬化性樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の波長変換基板。
  5. 前記樹脂は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項3に記載の波長変換基板。
  6. 前記中間層は、気体からなることを特徴とする請求項1に記載の波長変換基板。
  7. 前記中間層は、減圧状態であることを特徴とする請求項1に記載の波長変換基板。
  8. 前記中間層は、無機材料からなることを特徴とする請求項1に記載の波長変換基板。
  9. 前記中間層の膜厚は、100nm〜500μmであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の波長変換基板。
  10. 前記波長変換層積層体は、少なくとも波長変換層の全て、または、一部の領域の波長変換能力が低減された波長変換層を少なくとも1つ有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の波長変換基板。
  11. 前記波長変換層積層体を構成する波長変換層のぞれぞれは、異なる波長の光を発光することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の波長変換基板。
  12. 前記波長変換層積層体は、励起光限側に設けられた第1波長変換層と、前記基板側に設けられ、前記第1波長変換層の発光を吸収して発光する第2波長変換層と、を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の波長変換基板。
  13. 前記波長変換層積層体は、前記基板側から順に長波長側の光を発光する波長変換層が積層されたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の波長変換基板。
  14. 前記波長変換層積層体は、前記基板側から順に赤色の波長域の光を発光する赤色波長変換層と緑色の波長域の光を発光する緑色波長変換層が積層されたことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の波長変換基板。
  15. 前記波長変換層積層体は、前記基板側から順に赤色の波長域の光を発光する赤色波長変換層と、緑色の波長域の光を発光する緑色波長変換層と、青色の波長域の光を発光する青色波長変換層とが積層されたことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の波長変換基板。
  16. 前記基板と前記波長変換層積層体との間に、カラーフィルターが設けられたことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の波長変換基板。
  17. 前記基板と前記波長変換層積層体との間、または、前記カラーフィルターと前記波長変換層積層体との間に、前記基板の屈折率と前記波長変換層の屈折率のうち、低い方よりも屈折率が低い低屈折率層が設けられたことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の波長変換基板。
  18. 前記波長変換層積層体は、画素を形成し、各画素間に対応した位置に、光吸収性の隔壁が設けられたことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の波長変換基板。
  19. 請求項1〜18のいずれか1項に記載の波長変換基板と、励起光源と、を備えたことを特徴とする表示装置。
  20. 前記励起光源は、紫外の波長域から青緑色の波長域の光を発光する光源であることを特徴とする請求項19に記載の表示装置。
  21. 前記励起光源は、発光ダイオード、有機エレクトロルミネセンス素子または無機エレクトロルミネセンス素子のいずれかであることを特徴とする請求項19または20に記載の表示装置。
  22. 前記励起光源を駆動させるアクティブマトリックス駆動素子が設けられたことを特徴とする請求項21に記載の表示装置。
  23. 前記アクティブマトリックス駆動素子が設けられた基板とは反対側から光を取り出すことを特徴とする請求項22に記載の表示装置。
  24. 電圧によりスイッチングを行う液晶素子を備えたことを特徴とする請求項19〜21のいずれか1項に記載の表示装置。
  25. 請求項19〜24のいずれか1項に記載の表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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