JP2015025952A - 感光性接着剤組成物、それを用いた半導体装置の製造方法、及び、半導体装置 - Google Patents

感光性接着剤組成物、それを用いた半導体装置の製造方法、及び、半導体装置 Download PDF

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明敏 谷本
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明敏 谷本
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Shingo Tahara
真吾 田原
茂 野部
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茂 野部
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Hiroshi Matsutani
寛 松谷
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Kei Kasuya
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優 青木
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Abstract

【課題】半導体装置を作製する際に連続圧着が可能であり、チップ積層時に優れた濡れ広がり性を持つ感光性接着剤組成物、それを用いた半導体装置の製造方法及び、前記製造方法により得られる感光性接着剤組成物膜のパターン樹脂膜を有する半導体装置の提供。【解決手段】(A)下記一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂と、(B)少なくとも1種の非プロトン性溶媒を含む有機溶媒と、(C)光により酸を生成する化合物と、(D)熱架橋材と、(E)アクリル樹脂と、を含有する感光性接着剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、半導体デバイスを積層する際の接着層などに用いられるポジ型感光性接着剤組成物、それを用いた半導体装置の製造方法及び、前記半導体装置の製造方法により得られる感光性接着剤組成物膜のパターン樹脂膜を有する半導体装置に関する。
近年、半導体装置の高集積化及び小型化を実現するために、1つのパッケージ内に複数の半導体チップを積層したスタック型実装パッケージが実用化されている。
スタック型実装パッケージでは、チップ自体の厚みを薄くすることは限界に近づきつつあるため、ダイアタッチフィルム分の厚みを減らす目的で、半導体チップの表面に形成されるバッファーコート層へ接着剤機能を持たせて、ダイアタッチフィルムレスとする製造方法が提案されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
特許第2660943号公報 特許第5077023号公報 特許第5158212号公報
上記製造工程では種々の高温プロセスに対する耐性という観点から、圧着ステージ上に放置してもチップ積層時に優れた濡れ広がり性を有し、連続圧着可能となる接着温度マージンを要求される。また、さらなる信頼性が求められているため、例えば吸湿リフロー耐性、サーマルサイクル試験等の高剥離耐性という観点から、高い密着強度が求められている。
しかしながら、例えば特許文献3に示す従来の表面保護膜用途の感光性樹脂組成物を用いた場合、組成物に含有される溶媒が、高い極性を有する場合や、高沸点の場合は、半導体チップを熱圧着する際、発生する脱離ガスによってボイドが発生し、流動性と接着性が低下してしまう傾向があった。
そこで、本発明は、表面保護膜として用いられる感光特性と硬化膜物性を有し、かつ複数の半導体チップを積層して半導体装置を作製する際に連続圧着が可能であり、チップ積層時に優れた濡れ広がり性を持つ感光性接着剤組成物、それを用いた半導体装置の製造方法及び、前記製造方法により得られる感光性接着剤組成物膜のパターン樹脂膜を有する半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の溶媒組成を含有する感光性接着剤組成物を用いた場合、本発明の課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明は下記(1)〜(5)に記載の事項を特徴とするものである。
(1)(A)下記一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂と、(B)少なくとも1種の非プロトン性溶媒を含む有機溶媒と、(C)光により酸を生成する化合物と、(D)熱架橋材と、(E)アクリル樹脂と、を含有する感光性接着剤組成物。
Figure 2015025952
[一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、aは0〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。]
(2)(B)成分の非プロトン性溶媒が、2価アルコールのジアルキルエ−テル、2価アルコールのアルキルエステルエーテル、2価アルコールのジエステル及び環状ケトンからなる群より選ばれる少なくとも1種の非プロトン性溶媒を含む上記に記載の感光性接着剤組成物。
(3)(C)成分の光により酸を生成する化合物が、o−キノンジアジド化合物である、上記のいずれかに記載の感光性接着剤組成物。
(4)上記のいずれか一項に記載の感光性接着剤組成物を基板上に塗布及び乾燥して感光性接着剤組成物膜を形成する工程と、前記感光性接着剤組成物を露光する工程と、露光後の前記感光性接着剤組成物膜をアルカリ水溶液によって現像して、パターン樹脂膜を形成する工程と、前記パターン樹脂膜を加熱する工程と、反応性イオンエッチングとプラズマアッシングにより処理する工程と、前記パターン樹脂膜へ被着体を熱圧着することにより基板と被着体を接着する工程と、を備える半導体装置の製造方法。
(5)上記半導体装置の製造方法により得られる感光性接着剤組成物膜のパターン樹脂膜を有する半導体装置。
本発明によれば、半導体チップ積層時には優れた濡れ広がり性を有し、複数の半導体チップを積層して半導体装置を作製する際に連続圧着が可能である感光性接着剤組成物、並びに、それを用いた半導体装置の製造方法、及び半導体装置の製造方法により得られる感光性接着剤組成物膜のパターン樹脂膜(硬化膜)を有する半導体装置を提供することができる。
また、本発明の感光性接着剤組成物からなるパターン硬化膜は、良好な感光特性(感度及び解像度)を有し、また十分な機械特性(破断伸び及び弾性率)を有する。本発明の感光性接着剤組成物は低温での硬化が可能であるため、電子部品への熱によるダメージを防止することができ、信頼性の高い電子部品を歩留りよく提供することができる。
感光性接着剤組成物膜のパターン樹脂膜を有する半導体装置の一実施形態を示す概略断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
また、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。同様に「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味する。
[感光性接着剤組成物]
本発明の感光性接着剤組成物は、(A)一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂と、(B)少なくとも1種の非プロトン性溶媒を含む有機溶媒と、(C)光により酸を生成する化合物と、(D)熱架橋材と、(E)アクリル樹脂と、を含有する感光性接着剤組成物である。
<(A)成分:下記一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂>
(A)成分は、下記一般式(1)で表れる構造単位を有する。
Figure 2015025952
[一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、aは0〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。]
(A)一般式(1)で表される構造単位を与えるアルカリ可溶性樹脂は、一般式(1)で表されるモノマ等を重合させることで得られる。
一般式(1)において、Rで表わされる炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。また、炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、ノノキシ基及びデコキシ基が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
一般式(1)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、m−イソプロペニルフェノール及びo−イソプロペニルフェノールが挙げられる。これらのモノマはそれぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(A)一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂を得る方法に特に制限はないが、例えば、一般式(1)で示される構造単位を与えるモノマの水酸基をt−ブチル基、アセチル基等で保護して水酸基が保護されたモノマとし、水酸基が保護されたモノマを重合して重合体を得て、さらに得られた重合体を、公知の方法(酸触媒下で脱保護してヒドロキシスチレン系構造単位に変換すること等)で脱保護することにより得られる。
(A)成分は、一般式(1)で表される構造単位を与えるモノマのみからなる重合体又は共重合体であってもよく、一般式(1)で表される構造単位を与えるモノマとそれ以外のモノマとの共重合体であってもよい。(A)成分が共重合体である場合、共重合体中の一般式(1)で示される構造単位の割合は、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性の観点から、(A)成分100モル%に対し、10〜100モル%が好ましく、20〜97モル%がより好ましく、30〜95モル%がさらに好ましく、50〜95モル%が特に好ましい。
(A)成分は、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解阻害性をより向上する観点から、さらに下記一般式(2)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
Figure 2015025952
[一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、cは0〜3の整数を示す。]
で表わされる炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基としては、それぞれ一般式(1)のRと同様のものが例示できる。
一般式(2)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂は、一般式(2)で表される構造単位を与えるモノマを用いることで得られる。一般式(2)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン及びp−メトキシスチレン等の芳香族ビニル化合物が挙げられる。これらのモノマはそれぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(A)成分が一般式(2)で示される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂である場合、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解阻害性及びパターン硬化膜の機械特性の観点から、一般式(2)で示される構造単位の割合は(A)成分100モル%に対し、1〜90モル%が好ましく、3〜80モル%がより好ましく、5〜70モル%がさらに好ましく、5〜50モル%が特に好ましい。
また、(A)成分は、弾性率を低くする観点から、さらに下記一般式(3)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
Figure 2015025952
[一般式(3)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を示す。]
一般式(3)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノニル及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシルが挙げられる。これらのモノマはそれぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(A)成分が一般式(3)で示される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂である場合、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解阻害性及びパターン硬化膜の機械特性の観点から、一般式(3)で示される構造単位の割合は(A)成分100モル%に対し、1〜90モル%が好ましく、3〜80モル%がより好ましく、5〜70モル%がさらに好ましく、5〜50モル%が特に好ましい。
(A)成分は、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解阻害性及びパターン硬化膜の機械特性の観点から一般式(1)で表される構造単位と一般式(2)で表される構造単位とを有するアルカリ可溶性樹脂、一般式(1)で表される構造単位と一般式(3)で表される構造単位とを有するアルカリ可溶性樹脂、一般式(1)で表される構造単位と一般式(2)で表される構造単位と一般式(3)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。本発明の効果をより発現する観点から、一般式(1)で表される構造単位と一般式(2)又は(3)で表される構造単位とを有するアルカリ可溶性樹脂であることがより好ましい。
(A)成分の分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性、感光特性及びパターン硬化膜の機械特性のバランスを考慮すると、重量平均分子量で1000〜500000が好ましく、2000〜200000がより好ましく、2000〜100000であることがさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得られる値である。
<(B)成分:少なくとも1種の非プロトン性溶媒>
(B)成分は、(A)成分であるアルカリ可溶性樹脂を溶解させ、さらに(C)成分、(D)成分、(E)成分を溶解する有機溶媒である。また、非プロトン性溶媒は、(A)成分であるアルカリ可溶性樹脂と相互作用が弱いために揮発しやすく、さらに沸点を所定値以上とすることにより、感光性接着剤被膜からの脱離ガスを減少出来ることから、熱圧着時のボイドを低減できる効果を有する。
かかる機能を発揮するために、本発明の感光性接着剤組成物は、非プロトン性溶媒を(B)成分の質量基準で40質量%以上、より望ましくは60質量%以上、更に望ましくは80質量%以上含有することが好ましい。(B)成分に占める非プロトン性溶媒の含有割合が少ないと、上記組成物の熱圧着時にボイドが発生し、接着強度を低下させる恐れがある。
非プロトン性溶媒としては、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、エーテルアセテート系溶媒、アセトニトリル、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒等が挙げられる。これらの中では、エーテル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましく、2価アルコールのジアルキルエーテル、2価アルコールのアルキルエステルエーテル、2価アルコールのジエステル及び環状ケトンがより好ましい。
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−iso−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルモノ−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、γ−バレロラクトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル等が挙げられる。
エーテルアセテート系溶媒としては、エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、アセテートエチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテルアセテート等が挙げられる。
アミド系溶媒としてはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられ、スルホキシド系溶媒としてはN,N−ジメチルスルホキシド等が例示できる。
さらに、(B)成分として、必要に応じて他のプロトン性溶媒成分を含むことができる。このようなプロトン性溶媒としては、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒等が例示できる。
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。
エーテル系溶媒(モノアルキルエーテル系溶媒、モノフェニルエーテル系溶媒、モノアルコキシエーテル系溶媒)としては、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル等が例示できる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて非プロトン性溶媒と共に用いられる。
<(C)成分:光により酸を生成する化合物>
(C)成分である光により酸を生成する化合物は、感光剤として用いられる。(C)成分は、光照射により酸を生成させ、光照射した部分のアルカリ水溶液への可溶性を増大させる機能を有する。(C)成分としては、一般に光酸発生剤と称される化合物を用いることができる。(C)成分の具体例としては、o−キノンジアジド化合物、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等が挙げられる。これらの中で、感度が高いことから、o−キノンジアジド化合物が好ましい。
o−キノンジアジド化合物は、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシル化合物やアミノ化合物等とを脱塩酸剤の存在下で縮合反応させる方法により得られる。
反応に用いられるo−キノンジアジドスルホニルクロリドとしては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリドが挙げられる。
反応に用いられるヒドロキシル化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2´,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2´,3´−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3´,4´,5´−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンが挙げられる。
反応に用いられるアミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3´−ジアミノ−4,4´−ジヒドロキシビフェニル、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンが挙げられる。
これらの中でも吸収波長範囲と反応性の点から、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンと1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとを縮合反応して得られたものや、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン又はトリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンと1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドとを縮合反応して得られたものを用いることが好ましい。
反応に用いられる脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。また、反応溶剤としては、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等が用いられる。
o−キノンジアジドスルホニルクロリドと、ヒドロキシル化合物及び/又はアミノ化合物とは、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシル基とアミノ基とのモル数の合計が0.5〜1になるように配合されることが好ましい。脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい配合割合は、0.95/1モル当量〜1/0.95モル当量の範囲である。
上述の反応の好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間である。
(C)成分の含有量は、露光部と未露光部の溶解速度差が大きくなり、感度がより良好となる点から、(A)成分100質量部に対して3〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましく、5〜30質量部がさらに好ましい。
<(D)成分:熱架橋材>
(D)熱架橋材は、パターン樹脂膜を加熱して硬化する際に、(A)成分と反応して橋架け構造を形成し得る構造を有する化合物である。これにより、膜の脆さ及び膜の溶融を防ぐことができる。熱架橋剤は、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物及びエポキシ基を有する化合物から選ばれるものが好ましい。
熱架橋剤としてのフェノール性水酸基を有する化合物は、熱架橋剤としてだけでなく、アルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度を向上させることができる。このようなフェノール性水酸基を有する化合物の重量平均分子量は、アルカリ水溶液に対する溶解性、感光特性及び機械特性のバランスを考慮して、2000以下であることが好ましく、94〜2000であることがより好ましく、108〜2000であることがさらに好ましく、108〜1500であることが特に好ましい。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、従来公知のものを用いることができるが、下記一般式(4)で表される化合物が、露光部の溶解促進効果と感光性接着剤組成物膜の硬化時の溶融を防止する効果のバランスに優れているため、好ましい。
Figure 2015025952
[一般式(4)中、Xは単結合又は2価の有機基を示し、R、R、R及びR10はそれぞれ独立に水素原子又は1価の有機基を示し、d及びeはそれぞれ独立に1〜3の整数を示し、f及びgはそれぞれ独立に0〜3の整数を示す。]
一般式(4)において、Xが単結合である化合物は、ビフェノール(ジヒドロキシビフェニル)誘導体である。また、Xで示される2価の有機基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数1〜10のアルキレン基、エチリデン基等の炭素数2〜10のアルキリデン基、フェニレン基等の炭素数6〜30のアリーレン基、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基、スルホニル基、カルボニル基、エーテル結合、チオエーテル結合及びアミド結合が挙げられる。さらに、R、R、R及びR10で示される1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜10のアルキル基、ビニル基等の炭素数2〜10のアルケニル基、フェニル基等の炭素数6〜30のアリール基及びこれらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子等のハロゲン原子で置換した基が挙げられる。
上記一般式(4)で表わされる化合物としては、例えば、1,1−ビス{3,5−ビス(メトキシメチル)−4−ヒドロキシフェニル}メタン(本州化学工業株式会社製、商品名「TMOM−pp−BPF」)を用いることができる。
ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物としては、例えば、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)メラミン、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)グリコールウリル、(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)ベンゾグアナミン及び(ポリ)(N−ヒドロキシメチル)尿素等の活性メチロール基の全部又は一部をアルキルエーテル化した含窒素化合物が挙げられる。ここで、アルキルエーテルのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基が挙げられ、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含有していてもよい。ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物の具体例としては、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、ヘキサキス(ブトキシメチル)メラミン、テトラキス(メトキシメチル)グリコールウリル、テトラキス(ブトキシメチル)グリコールウリル及びテトラキス(メトキシメチル)尿素が挙げられる。
上述した(D)成分の中で、感度及び耐熱性をより向上できる点から、フェノール性水酸基を有する化合物又はヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物を用いることが好ましく、解像度及び塗膜の伸びもより向上できる点から、ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物がより好ましく、ヒドロキシメチルアミノ基の全部又は一部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物がさらに好ましく、ヒドロキシメチルアミノ基の全部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物が特に好ましい。
上記ヒドロキシメチルアミノ基の全部をアルキルエーテル化したアルコキシメチルアミノ基を有する化合物の中でも、下記一般式(5)で表される化合物が好ましい。
Figure 2015025952
[一般式(5)中、R11〜R16は、それぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基を示す。]
一般式(5)において、R11〜R16で表される炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基及びデシル基が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
アルキルエーテル化したアミノ基を有する化合物の含有量は、露光部と未露光部の溶解速度差が大きくなり、感度がより良好となる点から、(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、0.2〜10質量部がより好ましく、0.3〜5質量部がさらに好ましい。
上記アルキルエーテル化したアミノ基を有する化合物の配合量が0.1質量部未満である場合、パターン形成時の現像性が悪化する。また、上記アルキルエーテル化したアミノ基を有する化合物の配合量が20質量部を超える場合、連続圧着時に接着性が悪化する。
また、本発明の感光性接着剤組成物は、熱架橋材としてエポキシ樹脂を含有しても良い。エポキシ樹脂を有する化合物としては、従来公知のものを用いることができる。
具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン、複素環式エポキシ樹脂及びポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルが挙げられる。
これらのエポキシ樹脂には、不純物イオンであるアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ハロゲンイオン、特に塩素イオンや加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品を用いることが、エレクトロマイグレーション防止や金属導体回路の腐食防止のために好ましい。
これらのエポキシ樹脂は単独で又は2種類以上を組合せて使用することができる。
また、使用するエポキシ樹脂は、5%質量減少温度が150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることが更に好ましく、260℃以上であることが最も好ましい。5%質量減少温度が150℃以上であることで、低アウトガス性、高温接着性、耐リフロー性が向上する。エポキシ樹脂を用いる場合、硬化促進剤を用いることができる。
エポキシ樹脂の含有量は、半硬化膜への柔軟性を付与する観点から、(A)成分100質量部に対して0.5〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましく、2〜30質量部がさらに好ましい。
さらに、(D)成分としては、上述した化合物以外に、例えば、ビス[3,4−ビス(ヒドロキシメチル)フェニル]エーテル、1,3,5−トリス(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ベンゼン等のヒドロキシメチル基を有する芳香族化合物、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4´−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン等のマレイミド基を有する化合物、ノルボルネン骨格を有する化合物、多官能アクリレート化合物、オキセタニル基を有する化合物、ビニル基を有する化合物及びブロック化イソシアナート化合物を用いることもできる。
<(E)成分>
(E)成分であるアクリル樹脂は、下記一般式(6)で表される構造単位を有する。
Figure 2015025952
[一般式(6)中、R17は水素原子又はメチル基を示し、R18は炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。]
本実施形態の感光性接着剤組成物は、一般式(6)で表される構造単位を有する(E)成分を含有することにより、感光性接着剤の白濁を充分に抑え、パターン硬化膜のヘーズ値を低くすることができる。また、(E)成分を含有することにより、感光特性及び熱衝撃性(高温放置後及び冷熱衝撃試験後での機械特性の変化率が小さいこと)をより向上することができる。(E)成分は、1種のアクリル樹脂のみからなるものであってもよく、2種以上のアクリル樹脂を含むものであってもよい。
さらに、(E)成分は上記一般式(6)で表される構造単位を含むことで、(E)成分と(A)成分との相互作用が良好になり、相溶性が向上するため、レジストパターンの基板への密着性、機械特性及び熱衝撃性をより向上できる。
一般式(6)中、(A)成分との相溶性及び熱衝撃性をより向上できる点から、R18が炭素数2〜15のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数2〜10のヒドロキシアルキル基がより好ましく、炭素数2〜8のヒドロキシアルキル基が特に好ましい。
18で示される炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、ヒドロキシヘプチル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシノニル基、ヒドロキシデシル基、ヒドロキシウンデシル基、ヒドロキシドデシル基(ヒドロキシラウリル基という場合もある。)、ヒドロキシトリデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシペンタデシル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシヘプタデシル基、ヒドロキシオクタデシル基、ヒドロキシノナデシル基及びヒドロキシエイコシル基が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
一般式(6)で表される構造単位を有するアクリル樹脂を与えるモノマとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルが挙げられる。
このような(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えば、下記一般式(7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015025952
[一般式(7)中、R19は水素原子又はメチル基を示し、R20は炭素数2〜20のヒドロキシアルキル基を示す。]
なお、本発明の効果をより高度に発現できる観点から、一般式(7)で表わされる構造単位を有するアクリル樹脂はポリマとして添加することが望ましい。
一般式(7)で表されるモノマ体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシウンデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシドデシル((メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリルという場合もある。)、(メタ)アクリル酸ヒドロキシトリデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシテトラデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクタデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノナデシル及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシエイコシルが挙げられる。
これらのモノマは単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、(A)成分との相溶性、破断伸びをより向上する観点から、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘプチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシノニル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシウンデシル又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシドデシルを用いることが好ましい。
(E)成分は、一般式(6)で表される構造単位のみからなるアクリル樹脂であってもよく、一般式(6)で表される構造単位以外の構造単位を有するアクリル樹脂であってもよい。一般式(6)で表される構造単位以外の構造単位を有するアクリル樹脂である場合、アクリル樹脂中の一般式(6)で表される構造単位の割合は、(E)成分の総量に対して、0.1〜30モル%であることが好ましく、0.3〜20モル%であることがより好ましく、0.5〜10モル%であることがさらに好ましい。上記一般式(6)で表される構造単位の組成比が0.1〜30モル%であることにより、(A)成分との相溶性及びパターン硬化膜の熱衝撃性をより向上することができる。
(E)成分はさらに下記一般式(8)で表される構造単位を有するアクリル樹脂であることが好ましい。
Figure 2015025952
[一般式(8)中、R21は水素原子又はメチル基を示し、R22は1級、2級又は3級アミノ基を有する1価の有機基を示す。]
(E)成分が一般式(8)で表される構造単位を有することで、未露光部の現像液に対する溶解阻害性をより向上できる。
一般式(8)で表される構造単位を有するアクリル樹脂を与えるモノマとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1−メチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、(ピペリジン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート及び2−(ピペリジン−4−イル)エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらのモノマは単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、パターン硬化膜の基板への密着性、機械特性及び熱衝撃性をより向上できる観点から、一般式(8)中、R22が下記一般式(9)で表される1価の有機基であることが好ましい。
Figure 2015025952
[一般式(9)中、Yは炭素数1〜5のアルキレン基を示し、R23〜R27は各々独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を示し、nは0〜10の整数を示す。]
一般式(8)中、R22が一般式(9)で表される1価の有機基で表される構造単位を与える重合性単量体としては、例えば、ピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1−メチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル(メタ)アクリレート、(ピペリジン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート及び2−(ピペリジン−4−イル)エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中で、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレートはFA−711MMとして、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルメタクリレートはFA−712HMとして(いずれも日立化成株式会社製)として、それぞれ商業的に入手可能であるため好ましい。
(E)アクリル樹脂が一般式(8)で表される構造単位を有する場合、一般式(9)で表される構造単位の割合は、(A)成分との相溶性と現像液に対する溶解性の点から、(E)成分の総量に対して、0.3〜10モル%であることが好ましく、0.4〜6モル%であることがより好ましく、0.5〜5モル%であることがさらに好ましい。
(E)成分はさらに下記一般式(10)で表される構造単位を有するアクリル樹脂であることが好ましい。
Figure 2015025952
[一般式(10)中、R28は水素原子又はメチル基を示し、R29は炭素数4〜20のアルキル基を示す。]
(E)成分が一般式(10)で表される構造単位を有することで、未露光部の現像液に対する溶解阻害性をより向上できる。
一般式(10)中、R29で示される炭素数4〜20のアルキル基としては、例えば、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基という場合もある。)、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基及びエイコシル基が挙げられる。これらの基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
一般式(10)中、感度、解像度及び耐熱衝撃をより向上できる点から、R29が炭素数4〜16のアルキル基であることが好ましく、炭素数4〜12のアルキル基であることがより好ましく、炭素数4のアルキル基(n−ブチル基)であることがさらに好ましい。
一般式(10)で表される構造単位を与えるモノマとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルとしては、例えば、下記一般式(11)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2015025952
[一般式(11)中、R30は水素原子又はメチル基を示し、R31は炭素数4〜20のアルキル基を示す。]
一般式(11)で表されるモノマとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリルという場合もある。)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル及び(メタ)アクリル酸エイコシルが挙げられる。これらの重合性単量体は単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも破断伸びをより向上し、弾性率をより低くする観点から、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル又は(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリルともいう。)を用いることが好ましい。
(E)アクリル樹脂が一般式(11)で表される構造単位を有する場合、一般式(11)で表される構造単位の割合は、(E)成分の総量に対して、50〜93モル%であることが好ましく、55〜85モル%であることがより好ましく、60〜80モル%であることがさらに好ましい。上記一般式(11)で表される構造単位の割合が50〜93モル%であることにより、パターン硬化膜の熱衝撃性をより向上することができる。
(E)成分はさらに下記一般式(12)で表される構造単位を有するアクリル樹脂であることが好ましい。
Figure 2015025952
[一般式(12)中、R32は水素原子又はメチル基を示し、R33は水素原子を示す]
(E)成分が一般式(12)で表される構造単位を有することで、感度をより向上することができる。
一般式(12)で表される構造単位を与えるモノマとしては、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。
(E)アクリル樹脂が、一般式(12)で表される構造単位を有する場合、一般式(12)で表される構造単位の割合は、(E)成分の総量に対して、5〜35モル%であることが好ましく、10〜30モル%であることがより好ましく、15〜25モル%であることがさらに好ましい。上記一般式(12)で表される構造単位の組成比が5〜35モル%であることにより、(A)成分との相溶性及び現像性をより向上することができる。
また、(E)アクリル樹脂の合成に用いられるモノマは、上述の構造単位を与えるモノマ以外のモノマをさらに含んでいてもよい。
そのようなモノマとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸4−メチルベンジル、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸及びプロピオール酸が挙げられる。これらのモノマは単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
(E)成分の重量平均分子量は、2000〜100000であることが好ましく、3000〜60000であることがより好ましく、5000〜50000であることがさらに好ましく、10000〜40000であることが特に好ましい。重量平均分子量が2000以上では硬化膜の熱衝撃性をより向上でき、100000以下であると(A)成分との相溶性及び現像性をより向上できる。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定し、標準ポリスチレン検量線より換算して得た値である。
(E)成分の含有量は、感度、解像度、密着性、機械特性及び熱衝撃性のバランスの観点から、(A)成分100質量部に対して1〜50質量部が好ましく、3〜30質量部がより好ましく、5〜20質量部がさらに好ましい。
<その他の成分>
本実施形態に係る感光性接着剤組成物は必要に応じ、密着助剤、熱酸発生剤、エラストマー、溶解促進剤、溶解阻害剤、界面活性剤又はレベリング剤等のその他の成分を含有することができる。
<その他の成分(F):密着助剤>
感光性接着剤組成物は、基板との密着性をさらに向上させる観点から(F)密着助剤を含有していても良い。密着助剤としては、例えば、有機シラン化合物、アルミキレート化合物が挙げられる。
有機シラン化合物としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、メチルフェニルシランジオール、エチルフェニルシランジオール、n−プロピルフェニルシランジオール、イソプロピルフェニルシランジオール、n−ブチルフェニルシランジオール、イソブチルフェニルシランジオール、tert−ブチルフェニルシランジオール、ジフェニルシランジオール、エチルメチルフェニルシラノール、n−プロピルメチルフェニルシラノール、イソプロピルメチルフェニルシラノール、n−ブチルメチルフェニルシラノール、イソブチルメチルフェニルシラノール、tert−ブチルメチルフェニルシラノール、エチルn−プロピルフェニルシラノール、エチルイソプロピルフェニルシラノール、n−ブチルエチルフェニルシラノール、イソブチルエチルフェニルシラノール、tert−ブチルエチルフェニルシラノール、メチルジフェニルシラノール、エチルジフェニルシラノール、n−プロピルジフェニルシラノール、イソプロピルジフェニルシラノール、n−ブチルジフェニルシラノール、イソブチルジフェニルシラノール、tert−ブチルジフェニルシラノール、フェニルシラントリオール、1,4−ビス(トリヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(プロピルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ブチルジヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジエチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジプロピルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(ジブチルヒドロキシシリル)ベンゼンが挙げられる。
密着助剤を用いる場合の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
<その他の成分(G):熱酸発生剤>
感光性接着剤組成物は、(G)熱酸発生剤を含有していても良い。(G)熱酸発生剤とは、熱により酸を生成する化合物であり、パターンのメルトをより抑制することができる。これは、現像後の感光性接着剤組成物膜を加熱する際に酸を発生させることが可能となり、(A)成分(アルカリ可溶性樹脂)と(D)成分(熱架橋材)との反応、すなわち熱架橋反応がより低温から開始するため、パターンのメルトがより抑制されるものである。また、熱酸発生剤は、光照射によっても酸を発生することができるものが多いため、このようなものを用いると露光部のアルカリ水溶液への溶解性を増大することができる。よって、未露光部と露光部とのアルカリ水溶液に対する溶解性の差が更に大きくなり解像性が向上する。但し、ここで言う熱酸発生剤は、前記(C)成分(光により酸を生成する化合物)とは異なる化合物である。
このような熱により酸を生成する化合物は、例えば、100〜200℃の温度に加熱することにより酸を生成するものであることが好ましい。熱により酸を生成する化合物の具体例としては、前記(C)成分の光により酸を生成する化合物とは異なる化合物であって、熱により酸を生成する機能を有するオニウム塩等の強酸と塩基とから形成される塩や、イミドスルホナートが挙げられる。
このようなオニウム塩としては、例えば、アリールジアゾニウム塩、ジフェニルヨードニウム塩のようなジアリールヨードニウム塩;ジアリールヨードニウム塩、ジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩のようなジ(アルキルアリール)ヨードニウム塩;トリメチルスルホニウム塩のようなトリアルキルスルホニウム塩;ジメチルフェニルスルホニウム塩のようなジアルキルモノアリールスルホニウム塩;ジフェニルメチルスルホニウム塩のようなジアリールモノアルキルヨードニウム塩;トリアリールスルホニウム塩が挙げられる。これらの中で、パラトルエンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のトリメチルスルホニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のジメチルフェニルスルホニウム塩、トリフルオロメタンスルホン酸のジフェニルメチルスルホニウム塩、ノナフルオロブタンスルホン酸のジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩、カンファースルホン酸のジフェニルヨードニウム塩、エタンスルホン酸のジフェニルヨードニウム塩、ベンゼンスルホン酸のジメチルフェニルスルホニウム塩、トルエンスルホン酸のジフェニルメチルスルホニウム塩等を好ましいものとして挙げることができる。
(G)熱酸発生剤を含有する場合の含有量は、(A)成分及び(D)成分の合計量100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.2〜20質量部がより好ましく、0.3〜10質量部がさらに好ましい。
<その他の成分(H):エラストマー>
感光性接着剤組成物は、さらに(H)エラストマーを含有していても良い。これにより、得られるパターン硬化膜は柔軟性の点でさらに優れるものとなり、パターン硬化膜の機械特性及び耐熱衝撃性をより一層向上させることができる。エラストマーとしては、従来公知のものを用いることができるが、エラストマーを構成する重合体のガラス転移温度(Tg)が20℃以下であることが好ましい。
このようなエラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、及びシリコーン系エラストマーが挙げられる。また、前記エラストマーは、微粒子状のエラストマーであってもよい。これらのエラストマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<その他の成分(I):溶解促進剤>
感光性接着剤組成物は、(I)溶解促進剤を含有していても良い。(I)溶解促進剤を含有することで、パターン樹脂膜をアルカリ水溶液で現像する際の露光部の溶解速度を増加させ、感度及び解像性を向上させることができる。溶解促進剤としては従来公知のものを用いることができる。その具体例としては、カルボキシル基、スルホン酸、スルホンアミド基を有する化合物が挙げられる。このような溶解促進剤を含有させる場合の含有量は、パターン樹脂膜のアルカリ水溶液に対する溶解速度によって決めることができるが、例えば、(A)成分の100質量部に対して、0.01〜30質量部とすることが好ましい。
<その他の成分(J):溶解阻害剤>
感光性接着剤組成物は、(J)溶解阻害剤を含有していても良い。(J)溶解阻害剤は、(A)成分のアルカリ水溶液に対する溶解性を阻害する化合物であり、残膜厚、現像時間やコントラストをコントロールするために用いられる。その具体例としては、ジフェニルヨードニウムニトラート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムニトラート、ジフェニルヨードニウムブロミド、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウムヨージド等である。溶解阻害剤を含有する場合の含有量は、感度と現像時間の許容幅の点から、(A)成分の100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましく、0.01〜15質量部がより好ましく、0.05〜10質量部がさらに好ましい。
<その他の成分(K):界面活性剤又はレベリング剤>
感光性接着剤組成物は、(K)界面活性剤又はレベリング剤を含有していても良い。感光性接着剤が(K)成分を含有することによって、塗布性、例えばストリエーション(膜厚のムラ)を防いだり、現像性を向上させたりすることができる。このような界面活性剤又はレベリング剤としては、例えば、ポリオキシエチレンウラリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテルが挙げられる。市販品としては、メガファックスF171、F173、R−08(DIC株式会社製、商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム株式会社、商品名)、オルガノシロキサンポリマーKP341、KBM303、KBM803(信越化学工業株式会社製、商品名)がある。
(K)成分を含有する場合、その含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部がより好ましい。
感光性接着剤組成物は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)等のアルカリ水溶液を用いて現像することが可能である。さらに、上述の感光性接着剤組成物を用いることにより、良好な密着性及び熱衝撃サイクルにおける耐クラック性を有するパターン硬化膜を形成することが可能となる。また、本発明の感光性接着剤組成物からなるパターン硬化膜は、良好な感光特性(感度及び解像度)を有し、また十分な機械特性(破断伸び及び弾性率)を有する。
<半導体装置の製造方法>
次に、本発明の半導体装置の製造方法の一例として、半導体装置の製造工程を図面に基づいて説明する。図1は、感光性接着剤組成物膜のパターン樹脂膜(パターン硬化膜)を有する半導体装置の一実施形態を示す概略断面図である。
本発明の半導体装置の製造方法は、本発明の感光性接着剤組成物を用いて感光性接着剤組成物を基板である半導体装置上に塗布及び乾燥して感光性接着剤組成物膜を形成する工程と、前記感光性接着剤組成物を露光する工程と、露光後の前記感光性接着剤組成物膜をアルカリ水溶液によって現像して、パターン樹脂膜を形成する工程と、前記パターン樹脂膜を加熱する(70〜200℃で1〜60分)工程と、反応性イオンエッチングとプラズマアッシングにより処理し、前記パターン樹脂膜へ被着体を熱圧着することにより基板と被着体を接着する工程と、を備える。
本実施形態に係る製造方法は、主に以下の工程から構成される。
工程1:基板である半導体ウエハの回路面上に感光性接着剤組成物を塗布し、乾燥して感光性接着剤組成物膜を形成する。
工程2:塗布し、乾燥された感光性接着剤組成物からなる接着剤層へ露光を行う。露光に用いられる放射線としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、g線ステッパー、i線ステッパーなどの紫外線や電子線、レーザー光等が挙げられる。露光量は使用する光源や樹脂膜厚などによって適宜選択されるが、例えば高圧水銀灯からの紫外線照射の場合、樹脂膜厚5〜10μmでは500mJ/cm程度である。
工程3:露光後の感光性接着剤組成物膜をアルカリ水溶液を用いて現像して前記感光性接着剤組成物膜の露光部を溶解、除去することによって所望のパターン樹脂膜を形成する。
工程4:前記パターン樹脂膜を加熱するため接着剤層を形成した半導体ウエハを加熱して残存溶媒を除去する。
工程5:エッチングにより感光性接着剤組成物膜の開口部のSiN膜等を反応性イオンエッチングにより処理して除去した後、感光性接着剤組成物膜の清掃のため、プラズマアッシング処理を行う。
工程6:ウエハ薄化及びチップ個片化
工程7:チップを積層する。
工程8:接着剤層の硬化
以下、各工程について説明する。
工程1:塗布、乾燥
半導体ウエハの回路面に感光性接着剤組成物を塗布する。塗布方法は、印刷法、スピンコート法、スプレーコート法、ジェットディスペンス法及びインクジェット法などから選ばれる。これらの中でも、薄膜化及び膜厚均一性の観点から、スピンコート法が好ましい。スピンコート法による塗布は、ウエハのうねり、及びエッジ部の盛り上がりを防止するために、500〜5000回転/分(rpm)の回転数で行うことが好ましい。同様の観点から、回転数は600〜4000回転/分(rpm)がさらに好ましい。
半導体ウエハに感光性接着剤組成物を例えばスピンコート法によって塗布する際、半導体ウエハのエッジ部分に不要な感光性接着剤組成物が付着する場合がある。このような不要な接着剤をスピンコート後に溶剤などで洗浄して除去することができる。洗浄方法は特に限定されないが、半導体ウエハをスピンさせながら、不要な接着剤が付着した部分にノズルから溶剤を吐出させる方法が好ましい。洗浄に使用する溶剤は接着剤を溶解させるものであればよく、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、イソプロピルアルコール及びメタノールから選ばれる低沸点溶剤、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、DMF、NMPなどの高沸点溶剤が用いられる。
半導体ウエハに感光性接着剤組成物を塗布した後、ホットプレートやオーブンなどを用いて乾燥させることで、感光性接着剤組成物膜が形成される。
工程2:露光
塗布、乾燥された感光性接着剤組成物からなる感光性接着剤組成物膜(接着剤層)へ露光装置によって活性光線(典型的には紫外線)を照射して、接着剤層を露光する。露光は、接着剤層の接着剤パターンを形成する目的で行われる。本実施形態では、半導体ウエハを複数の半導体チップに個片化する際のダイシングライン部分、及び、ワイヤボンディング用のボンディングパッド部分の接着剤層が現像で除去されるように、所定のパターンを有するマスクを介して露光を行う。露光は、真空下、窒素下、空気下などの雰囲気下で行なうことができる。露光量は、50〜2000mJ/cmが好ましい。
接着剤層の膜厚は、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは15μm以下である。
工程3:現像
露光後の接着剤層を現像し、上述したダイシングライン部分、及び、電気的接続を行う部分(ボンディングパッド部分)の接着剤層を除去することで、個片化された接着剤層(接着剤パターン)を形成する。現像は、アルカリ現像液又は有機溶剤を用いて行う。アルカリ現像液としては、例えば、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の水酸化物、テトラアンモニウムヒドロキシド(テトラメチルアンモニウムハイドライド)等のアルカリ水溶液等が挙げられる。有機溶剤としては、例えば、DMF、NMP等が挙げられる。このように、予めダイシングライン部分、及び、ボンディングパッド部分の接着剤層を除去しておくことで、ダイシング時の切りくずの発生を抑制したり、ワイヤボンディング時の接続不良を抑制する効果が得られる。
工程4:加熱(ハーフキュア)
接着剤層を形成した基板を加熱して残存する溶媒を除去し、架橋材の反応を一部進行させる。このときの加熱温度は通常70〜200℃、好ましくは75〜190℃であり、加熱時間は1〜60分間、好ましくは5〜50分である。この加熱によって残存する溶媒を除くことで、後述する圧着、硬化の際のガス発生を抑制し、良好な圧着性を有することができる。また、この加熱によって架橋材の反応を一部進行させることで、工程5のエッチング、アッシングの際の接着剤層のダメージを抑制することができる。
工程5:エッチング、アッシング
前記接着剤層のパターン樹脂膜をマスクとして用いてエッチングを行う。これにより、従来用いられていた接着剤層の上部にレジストを用いてパターンを形成した後、レジストをマスクとしてエッチングを行い、レジストを剥離する工程を簡略化することができる。エッチングには酸素、四フッ化炭素などのガスを用いるドライエッチング手段を用いることができる。
プラズマアッシングは酸素ガスを可視光線、マイクロ波等の非電離放射線でプラズマ化し、接着剤層のパターン樹脂膜を酸素プラズマ中に置くと、プラズマ中の酸素ラジカルと結合し、二酸化炭素と水になり、表面が清掃される。
工程6:ウエハ薄化及びチップ個片化
前記接着剤層を有する基板を個片化する場合、基板をハーフカットした後、所望の基板厚みまで研磨(バックグラインド)する「先ダイシング法」、又は先に基板を所望の厚さまで研磨(バックグラインド)した後、ダイシングを行う方法がある。
ダイシングを行う場合、前記接着剤層面を表面としてダイシングを行うため、ダイシング工程中は冷却水にさらされる。このため、接着剤層は吸水率が低い材料であることが好ましい。このダイシング工程中に接着剤層が吸水すると、後述する圧着工程、硬化工程にて脱ガス発生要因となる。
工程7:チップの積層、圧着
前記パターン形成された接着剤層を有する基板(チップ)の接着剤層面に被着体(半導体素子搭載用支持部材、チップ)を圧着する。圧着工程における処理温度は100〜200℃であり、圧力は0.01〜5MPaであり、処理時間は0.5〜120秒間である。
露光及び現像後の接着剤層表面の圧着処理温度100〜200℃におけるタック強度(表面タック力)は、100gf以下であることが好ましい。これにより、ピックアップ時にコレットに接着剤層が付着することを十分に抑制することができ、複数の半導体チップを積層して半導体装置を作製する際に、連続圧着が可能となる。このタック強度は、上記の効果がより十分に得られることから、100gf以下であることがより好ましく、80gf以下であることが更に好ましい。また、複数の半導体チップを積層しやすくなることからタック強度は5gf以上であることが好ましい。
接着剤層表面のタック強度は以下のように測定される。まず、シリコンウエハ上にスピンコータを用いて感光性接着剤組成物からなる接着剤層を膜厚10μmとなるように形成する。その後、ホットプレートを用いて150℃、10分間加熱を行った後、所定の温度(例えば120℃)における接着剤組成物層表面のタック強度を株式会社レスカ製のプローブタッキング試験機を用いて、プローブ直径:5.1mm、引き剥がし速度:5mm/s、接触荷重:0.2MPa、接触時間:1sの条件で測定する。
接着剤組成物層表面の120〜180℃におけるタック強度(表面タック力)は、80gf以下であることが好ましく、50gf以上であることがより好ましい。このタック強度が80gfを超えると、熱圧着時にコレット付着が発生する。
工程8:接着剤層の硬化
接着剤組成物面へ被着体を圧着した後、150〜200℃で1〜9時間加熱処理を行う。
図1に本発明の感光性接着剤組成物を用いて形成した半導体装置の一例を示した。
図1に示した半導体装置は、半導体装置用の支持部材(半導体素子搭載用支持部材)13に個片化した半導体チップ2を、接着部材30を介して積層し、この半導体チップ2にさらに半導体チップ2を本発明の感光性接着剤組成物からなる感光性接着剤層5を介して積層することを繰り返し、複数の半導体チップが積層された多層構造とし、感光性接着剤層5の硬化を行う。そして、半導体チップ2の開口部51に露出したボンディングパッド17と半導体装置用の支持部材(半導体素子搭載用支持部材)13の外部接続端子16とをワイヤ14を介して電気的に接続する。その後封止材15にて半導体チップ2を封止して半導体装置を得る。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<感光性接着剤組成物の調製>
(A)成分の比較例としてフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂A1及び(A)成分として一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂のA2を準備した。
A1:クレゾールノボラック樹脂(クレゾール/ホルムアルデヒドノボラック樹脂、m−クレゾール/p−クレゾール(モル比)=60/40、ポリスチレン換算重量平均分子量=13000、旭有機材工業株式会社製、商品名「EP4020G」)
A2:p−ヒドロキシスチレン/スチレン=85/15(モル)からなる共重合体、ポリスチレン換算重量平均分子量=10000、東邦化学工業株式会社製、商品名「C100A15」
(B)成分(少なくとも1種の非プロトン性溶媒を含む有機溶媒)として、下記B2及びB3を準備した。
B1:乳酸エチル
B2:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート
B3:ジエチレングリコールジエチルエーテル、
(C)成分(光により酸を生成する化合物)として、下記C1を準備した。
C1:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタンの1−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル(エステル化率約90%、AZエレクトロニックマテリアルズ社製、商品名「TPPA528」)
(D)成分(熱架橋材)として、下記のD1を準備した。
D1:ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン(株式会社三和ケミカル製、商品名「ニカラックMW−30HM」)を準備した。
(E)成分(アクリル樹脂)として、下記合成例1の方法で、E1のアクリル樹脂を準備した。
合成例1:アクリル樹脂E1の合成
攪拌機、窒素導入管及び温度計を備えた500mlの三口フラスコに、トルエン75g、イソプロパノール(IPA)75gを秤取し、そこに、別途に秤取したアクリル酸ブチル(BA)85g、ラウリルアクリレート(DDA)24g、アクリル酸(AA)14g、及び1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルメタクリレート(商品名:FA−711MM、日立化成株式会社製)7.9gの重合性単量体、並びにアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.13gを加えた。室温(25℃)にて約270回転/分(rpm(1/min))の攪拌回転数で攪拌しながら、窒素ガスを400ml/分の流量で30分間流し、溶存酸素を除去した。その後、窒素ガスの流入を停止し、フラスコを密閉し、恒温水槽にて約25分で65℃まで昇温した。同温度を14時間保持して重合反応を行い、アクリル樹脂E1を得た。重合率は98%であった。GPC法の標準ポリスチレン換算により求めたアクリル樹脂E1の重量平均分子量(MW)=36,000であった。
(実施例1〜5、比較例1〜3)
(A)〜(E)成分を表1に示した所定の割合で配合した。得られた溶液を0.5μm孔のポリ四フッ化エチレン樹脂製フィルターを用いて加圧ろ過して、実施例1〜4及び比較例1〜3の感光性接着剤組成物の溶液を調製した。
<熱圧着性の評価>
実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた感光性接着剤組成物の溶液をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約12〜14μmの樹脂膜を形成した後、ホットプレート上で150℃、10分加熱を行い、感光性接着剤層付シリコンウエハを得た。接着剤層付シリコンウエハへシリコンウエハの接着剤層とは反対側の面に、室温でダイシングテープ(厚み80μm)をラミネートし、ダイシングサンプルを作製した。その後、フルオートダイサーDFD−6361(株式会社ディスコ製)を用いて、接着剤層、シリコンウエハ及びダイシングテープを積層した上記ダイシングサンプルを切断した。切断は、ブレード1枚で加工を完了するシングルカット方式、ブレードに株式会社ディスコ製ダイシングブレードNBC−ZH104F−SE 27HEDDを用い、ブレード回転数45000回転/分(rpm)、切断速度20mm/sの条件にて行った。切断時のブレードハイトは、ダイシングテープを10μm残す設定とした。半導体ウエハを切断するサイズは3.0mm×3.0mmとした。次に、熱圧着機(日立化成テクノサービス株式会社製)を用いて、10mm×10mm×厚み400μmのシリコンチップ上に、ダイシングした接着剤層付シリコンウエハの接着剤層がシリコンチップ側に来るように積層し、150℃、1s、100Nの条件で圧着を行った。その後、せん断接着力測定器DAGE−4000(デイジ・ジャパン株式会社製)で室温のせん断接着力測定を行い、2.0MPa以上の値を示したものを「○」、示さなかったものを「×」として評価した。結果を表2に示した。
<ボイドの評価>
熱圧着性の評価と同様な方法で、10.0mm×30.0mmの接着剤層付シリコンウエハを作製した。その後、熱圧着機(日立化成テクノサービス株式会社製)を用いて、5mm×5mmのガラスを、ダイシングした接着剤層側に積層し、150℃、1s、10Nの条件で圧着を行った。次いで、金属顕微鏡を用いてガラスと接着剤層の界面を観察し、ガラスと接触した面内のうち、80%以上の面積でボイドの発生がないものを「○」、20%以上の面積でボイドの発生のあるものを「×」としてボイドの有無を評価した。結果を表2に示した。
<感光特性(感度及び解像度)の評価>
実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた感光性接着剤組成物の溶液をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約8〜9μmの樹脂膜を形成した。次いで、i線ステッパー(キャノン株式会社製、商品名「FPA−3000i」)を用いて、マスクを介してi線(365nm)での縮小投影露光を行った。露光後、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の2.38質量%水溶液を用いて現像を行い、残膜厚が初期膜厚の80〜95%程度となるように現像を行った。その後、水でリンスし、パターン形成に必要な最小露光量及び開口している最小の正方形ホールパターンの大きさを求めた。最小露光量を感度として、開口している最小の正方形ホールパターンの大きさを解像度として評価した。感度、解像度は、その値が小さいほど良好なことを示す。
感度評価
「○」:10〜500(mJ/cm)
「△」:500〜1000(mJ/cm)
「×」:1000(mJ/cm)以上
<硬化膜物性(破断伸び及び弾性率)の評価>
実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた感光性接着剤組成物の溶液をシリコン基板上にスピンコートして、120℃で3分間加熱し、膜厚約12〜14μmの樹脂膜を形成した。この樹脂膜に対して、プロキシミティ露光機(キャノン株式会社製、商品名「PLA−600FA」)を用いて、マスクを介して全波長で露光を行った。露光後、TMAHの2.38質量%水溶液を用いて現像を行い、10mm幅の断面矩形のパターン樹脂膜を得た。その後、パターン硬化膜を縦型拡散炉(光洋サーモシステム株式会社製、商品名「μ−TF」)を用い、窒素中、温度175℃(昇温時間1.5時間)で4時間、加熱処理(硬化)し、膜厚約10μmのパターン硬化膜を得た。この硬化膜をシリコン基板から剥離し、剥離した硬化膜を試料として用いて、その破断伸び及び弾性率を株式会社島津製作所製「オートグラフAGS−H100N」によって測定した。試料の幅は10mm、膜厚は約10μmであり、チャック間は20mmとした。引っ張り速度は5mm/分で、測定温度は20〜25℃とした。同一条件で得た硬化膜から得た5本の試験片の測定値の平均を破断伸び及び弾性率(引張り弾性率)とした。測定結果を表2に示した。
<感光性接着剤組成物層表面の100‐150℃でのタック強度>
接着剤層付シリコンウエハを、株式会社レスカ製のプローブタッキング試験機を用いて、プローブ直径:5.1mm、引き剥がし速度:10mm/s、接触荷重:200gf/cm、接触時間:1sにより、所定の温度におけるタック力(粘着力)を測定し、これを感光性接着剤層表面のタック力(タック強度)とし、タック力を以下のように記号で評価した。
「○」:0〜20kgf
「△」:20〜80kgf
「×」:80kgf以上
以上の実施例1〜4及び比較例1〜3について、配合とその評価結果を表1及び表2に示した。
Figure 2015025952
Figure 2015025952
(B)成分の非プロトン性溶媒を用いない比較例1は、熱圧着性で評価した密着力が低く、また、ボイドの発生が見られた。また、非プロトン性溶媒を用いても、その割合の低い比較例2、3も同様に密着力が低く、ボイドの発生が見られた。
(A)成分に一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂を用いない比較例3は、解像度に劣った。一方、本発明の(A)成分に一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂と(B)成分の非プロトン性溶媒等を用いた実施例では、密着性が良好で、ボイドの発生も無く感光特性も良好であった。
本発明によれば、表面保護膜として用いられる感光特性、接着性と硬化膜物性を有し、かつ複数の半導体チップを積層して半導体装置を作製する際にボイドなく連続圧着が可能であり、チップ積層時に優れた濡れ広がり性を持つ感光性接着剤組成物、半導体装置の製造方法、及び、該パターン硬化膜を有する半導体装置を提供することができる。また、さらに、本発明の感光性接着剤組成物は、低温での硬化が可能であるため、電子部品への熱によるダメージを防止することができ、信頼性の高い電子部品を歩留りよく提供することができ、本発明の感光性接着剤組成物からなるパターン硬化膜を、層間絶縁層として有する電子部品を提供することができる。
2:個片化した半導体チップ
5:感光性接着剤層
13:半導体装置用の支持部材(半導体素子搭載用支持部材)
14:ワイヤ
15:封止材
16:外部接続端子
17:ボンディングパッド
30:接着部材
51:開口部
120:半導体装置

Claims (5)

  1. (A)下記一般式(1)で表される構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂と、
    (B)少なくとも1種の非プロトン性溶媒を含む有機溶媒と、
    (C)光により酸を生成する化合物と、
    (D)熱架橋材と、
    (E)アクリル樹脂と、
    を含有する感光性接着剤組成物。
    Figure 2015025952
    [一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示し、aは0〜3の整数を示し、bは1〜3の整数を示す。]
  2. 上記(B)の非プロトン性溶媒が、2価アルコールのジアルキルエ−テル、2価アルコールのアルキルエステルエーテル、2価アルコールのジエステル及び環状ケトンからなる群より選ばれる少なくとも1種の非プロトン性溶媒を含む、請求項1記載の感光性接着剤組成物。
  3. 上記(C)の光により酸を生成する化合物が、o−キノンジアジド化合物である、請求項1または請求項2に記載の感光性接着剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性接着剤組成物を基板上に塗布及び乾燥して感光性接着剤組成物膜を形成する工程と、
    前記感光性接着剤組成物を露光する工程と、
    露光後の前記感光性接着剤組成物膜をアルカリ水溶液によって現像して、パターン樹脂膜を形成する工程と、
    前記パターン樹脂膜を加熱する工程と、
    反応性イオンエッチングとプラズマアッシングにより処理する工程と、
    前記パターン樹脂膜へ被着体を熱圧着することにより基板と被着体を接着する工程と、を備える半導体装置の製造方法。
  5. 請求項4に記載の半導体装置の製造方法により得られる感光性接着剤組成物膜のパターン樹脂膜を有する半導体装置。
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