JP2015025370A - 車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】違和感のない快適な運転環境をもって、エンジンの再始動制御を実現する。【解決手段】車両制御装置30は、EPS制御装置31及びエンジン制御装置33を備える。EPS制御装置31は、運転者による操舵ハンドル1の操舵を補助するための操舵補助力を生じさせる操舵補助モータ16の制御を行う。エンジン制御装置33は、予め設定される停止条件を充足すると、車両に搭載されたエンジンを停止させる一方、該エンジンの停止中に、予め設定される再始動条件を充足すると、該エンジンを再始動させる自動制御を行う。車両制御装置30は、例えば、乗員の視覚又は聴覚に訴求し報知する報知部27を用いて、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報するように動作する。【選択図】図1

Description

本発明は、予め設定される停止条件を充足すると、車両に搭載されたエンジンを停止させる一方、該エンジンの停止中に予め設定される再始動条件を充足すると、該エンジンを再始動させる自動制御を行うエンジン制御装置を備える車両制御装置に関する。
従来、燃料の節約、エミッションや騒音の低減などを狙って、予め設定される停止条件(例えば車速がゼロで、ブレーキオン)を充足すると、車両に搭載されたエンジンを停止させる一方、該エンジンの停止中に予め設定される再始動条件を充足すると、該エンジンを再始動させる自動制御を行うエンジン制御装置が知られている。
かかるエンジン制御装置の一例として、特許文献1には、アイドリングストップ制御装置が開示されている。特許文献1に係るアイドリングストップ制御装置は、アイドリングストップ中に、ステアリングの操舵速度が所定速度以上である旨の操舵速度条件(再始動条件)を充足すると、エンジンを再始動させるように動作する。
特許文献1にアイドリングストップ制御装置によれば、アイドリングストップ中に所定の操舵速度条件(再始動条件)を充足するとエンジンを再始動させるため、所定速度を超えるステアリング操舵をトリガとして迅速に操舵補助力を発生させることができる。
特開2011−202616号公報
ところで、特許文献1に係るアイドリングストップ制御装置では、エンジンの再始動制御を行うに際し、その旨を事前に報知することについては開示も示唆もない。そのため、特許文献1に係るアイドリングストップ制御装置では、運転者の意図に反するエンジンの再始動制御が唐突に行われてしまい、運転者に違和感を抱かせるおそれがあった。
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであり、違和感のない快適な運転環境をもって、エンジンの再始動制御を実現可能な車両制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、(1)に係る発明は、予め設定される停止条件を充足すると、車両に搭載されたエンジンを停止させる一方、該エンジンの停止中に、予め設定される再始動条件を充足すると、該エンジンを再始動させる自動制御を行うエンジン制御装置を備える車両制御装置であって、前記再始動条件の充足前に、前記エンジンの再始動を予報する、ことを最も主要な特徴とする。
(1)に係る発明によれば、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報するため、運転者の意図に反するエンジンの再始動制御が唐突に行われる事態を一掃し、違和感のない快適な運転環境をもって、エンジンの再始動制御を実現することができる。
また、(2)に係る発明は、(1)に係る発明に記載の車両制御装置であって、運転者による操舵部材の操舵を補助するための操舵補助力を生じさせる操舵補助モータの制御を行う電動パワーステアリング制御装置をさらに備え、前記再始動条件を、少なくとも、前記操舵部材に関する操舵角に係る閾値を含んで設定し、前記操舵部材の操舵角が、前記再始動条件に関する前記操舵角に係る閾値に中立位置側から近づいた際に、前記電動パワーステアリング制御装置を用いて前記操舵補助力の急減を前記操舵部材に生じさせることにより、前記再始動条件の充足前に、前記エンジンの再始動を予報する、ことを特徴とする。
(2)に係る発明では、少なくとも、操舵部材に関する操舵角に係る閾値を含んで再始動条件を設定するケースにおいて、再始動条件の充足前に、操舵部材の操舵に係る手応えの急増という運転者の操舵感に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を予報する形態を規定している。
(2)に係る発明によれば、操舵部材の操舵角が、再始動条件に関する操舵角に係る閾値に中立位置側から近づいた際に、電動パワーステアリング制御装置を用いて操舵補助力の急減(操舵反力の急増)を操舵部材に生じさせることで、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報するため、(1)に係る発明が奏する作用効果に加えて、操舵部材の操舵に係る手応えの急増という運転者の操舵感に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を適確に予報することができる。
また、(3)に係る発明は、(1)に係る発明に記載の車両制御装置であって、運転者による操舵部材の操舵を補助するための操舵補助力を生じさせる操舵補助モータの制御を行う電動パワーステアリング制御装置をさらに備え、前記再始動条件を、少なくとも、前記操舵部材に関する操舵トルクに係る閾値を含んで設定し、前記操舵部材の操舵トルクが、前記再始動条件に関する前記操舵トルクに係る閾値に増加しながら近づいた際に、前記電動パワーステアリング制御装置を用いて前記操舵補助力の急減を前記操舵部材に生じさせることにより、前記再始動条件の充足前に、前記エンジンの再始動を予報する、ことを特徴とする。
(3)に係る発明では、少なくとも、操舵部材に関する操舵トルクに係る閾値を含んで再始動条件を設定するケースにおいて、再始動条件の充足前に、操舵部材の操舵に係る手応えの急増という運転者の操舵感に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を予報する形態を規定している。
(3)に係る発明によれば、操舵部材の操舵トルクが、再始動条件に関する操舵トルクに係る閾値に増加しながら近づいた際に、電動パワーステアリング制御装置を用いて操舵補助力の急減を操舵部材に生じさせることにより、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報するため、(1)に係る発明が奏する作用効果に加えて、操舵部材の操舵に係る手応えの急増という運転者の操舵感に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を適確に予報することができる。
また、(4)に係る発明は、(1)に係る発明に記載の車両制御装置であって、運転者による操舵部材の操舵を補助するための操舵補助力を生じさせる操舵補助モータの制御を行う電動パワーステアリング制御装置をさらに備え、前記再始動条件を、少なくとも、前記操舵部材に関する操舵角に係る閾値を含んで設定し、前記操舵部材の操舵角が、前記再始動条件に関する前記操舵角に係る閾値に中立位置側から近づいた際に、前記電動パワーステアリング制御装置を用いて前記操舵部材を振動させることにより、前記再始動条件の充足前に、前記エンジンの再始動を予報する、ことを特徴とする。
(4)に係る発明では、少なくとも、操舵部材に関する操舵角に係る閾値を含んで再始動条件を設定するケースにおいて、再始動条件の充足前に、操舵部材の振動により運転者の触感に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を予報する形態を規定している。
(4)に係る発明によれば、操舵部材の操舵角が、再始動条件に関する操舵角に係る閾値に中立位置側から近づいた際に、電動パワーステアリング制御装置を用いて操舵部材を振動させることで、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報するため、(1)に係る発明が奏する作用効果に加えて、操舵部材の振動により運転者の触感に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を適確に予報することができる。
また、(5)に係る発明は、(1)に係る発明に記載の車両制御装置であって、運転者による操舵部材の操舵を補助するための操舵補助力を生じさせる操舵補助モータの制御を行う電動パワーステアリング制御装置をさらに備え、前記再始動条件を、少なくとも、前記操舵部材に関する操舵トルクに係る閾値を含んで設定し、前記操舵部材の操舵トルクが、前記再始動条件に関する前記操舵トルクに係る閾値に増加しながら近づいた際に、前記電動パワーステアリング制御装置を用いて前記操舵部材を振動させることにより、前記再始動条件の充足前に、前記エンジンの再始動を予報する、ことを特徴とする。
(5)に係る発明では、少なくとも、操舵部材に関する操舵トルクに係る閾値を含んで再始動条件を設定するケースにおいて、再始動条件の充足前に、操舵部材の振動により運転者の触感に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を予報する形態を規定している。
(5)に係る発明によれば、操舵部材の操舵トルクが、再始動条件に関する操舵トルクに係る閾値に増加しながら近づいた際に、電動パワーステアリング制御装置を用いて操舵部材を振動させることにより、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報するため、(1)に係る発明が奏する作用効果に加えて、操舵部材の振動により運転者の触感に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を適確に予報することができる。
また、(6)に係る発明は、(1)に係る発明に記載の車両制御装置であって、前記エンジンの再始動を、乗員の視覚又は聴覚に訴求し報知する報知部をさらに備え、前記再始動条件の充足前に、前記エンジンの再始動を、前記報知部を用いて予報する、ことを特徴とする。
(6)に係る発明では、再始動条件の充足前に、乗員の視覚又は聴覚に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を予報する形態を規定している。
(6)に係る発明によれば、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を、乗員の視覚又は聴覚に訴求し報知する報知部を用いて予報するため、(1)に係る発明が奏する作用効果に加えて、乗員の視覚又は聴覚に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を適確に予報することができる。
そして、(7)に係る発明は、(1)〜(6)に係る発明のいずれかに記載の車両制御装置であって、前記予報の度合いを、予め設定される基準燃費に対する実燃費の偏差に応じて変える、ことを特徴とする。
(7)に係る発明によれば、予報の度合いを、予め設定される基準燃費に対する実燃費の偏差に応じて変えるため、(1)に係る発明が奏する作用効果に加えて、運転者に対し、エンジンの再始動に係る予報態様をもって、基準燃費に対する実燃費の偏差に関する目安を知らせることができる。
本発明に係る車両制御装置によれば、違和感のない快適な運転環境をもって、エンジンの再始動制御を実現することができる。
本発明の実施形態に係る車両制御装置の周辺部を含むブロック構成図である。 図2(a)〜(e)は、本発明の実施形態に係る車両制御装置の動作説明に供するタイムチャート図である。
以下、本発明の実施形態に係る車両制御装置について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に示す図において、共通の機能を有する部材間、又は、相互に対応する機能を有する部材間には、原則として共通の参照符号を付するものとする。また、説明の便宜のため、部材のサイズ及び形状は、変形又は誇張して模式的に表す場合がある。
〔本発明の実施形態に係る車両制御装置30と連係する操舵装置10の構成〕
本発明の実施形態に係る車両制御装置30の説明に先だって、車両制御装置30と連係する操舵装置10の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る車両制御装置30の周辺部を含むブロック構成図である。
操舵装置10は、図1に示すように、操舵ハンドル(ステアリングホイール)1、操舵補助装置2、転舵装置3を備える。
本発明の“操舵部材”に相当する操舵ハンドル1は、車両(不図示)の進行方向を所望の方向に変えようとする際に用いられる。操舵部材の中央部には、第1操舵軸11及び第2操舵軸12が、二つの自在継手13を直列に介して機械的に連結されている。第2操舵軸12には、ピニオン軸14が連結されている。ピニオン軸14は、その下部、中間部、上部が、軸受14a,14b,14cをそれぞれ介して回転自在に支持されている。
ピニオン軸14のうち第2操舵軸12側には、操舵トルクセンサ5が設けられている。操舵トルクセンサ5は、操舵ハンドル1から供給される操舵トルクの大きさと方向を、例えばソレノイド型のコイル15a,15bを用いて検出する機能を有する。操舵トルクセンサ5で検出された操舵トルク信号は、後記する電動パワーステアリング(EPS)制御装置31に供給される。
操舵補助装置2は、運転者による操舵ハンドル1の操舵を補助する機能を有する。操舵補助装置2は、運転者による操舵ハンドル1の操舵力を軽減するための補助力を供給する操舵補助モータ16と、操舵補助モータ16の出力軸に設けられたウォームギア17に噛合するウォームホイールギア18とを含んで構成されている。ウォームホイールギア18は、ピニオン軸14を回動中心としてピニオン軸14に設けられている。
第1操舵軸11には、操舵ハンドル1の操舵角を検出する操舵角センサ6が設けられている。操舵角センサ6で検出された操舵角信号は、例えばCAN(Controller Area Network)のような通信媒体4を介して、EPS制御装置31、及び、後記するエンジン制御装置33のそれぞれに供給される。
操舵補助モータ16は、例えば、複数の界磁コイルを備えた固定子(不図示)と、この固定子の内部で回動する回転子(不図示)とを有する3相ブラシレスモータを採用することができる。ただし、操舵補助モータ16として、直流ブラシモータを用いてもよい。
転舵装置3は、運転者による操舵ハンドル1の操舵力を操舵車輪19a,19bに伝達する機能を有する。転舵装置3は、ピニオン軸14に設けられたピニオンギア20と、ピニオンギア20に噛合するラック歯21を有して車幅方向に往復運動可能なラック軸22と、ラック軸22の両端側にそれぞれ設けられるタイロッド23a,23bと、タイロッド23a,23bをそれぞれ介して回転可能に設けられる操舵車輪19a,19bと、を含んで構成されている。
〔本発明の実施形態に係る車両制御装置30の構成〕
次に、本発明の実施形態に係る車両制御装置30の構成について、図1を参照して説明する。
車両制御装置30は、EPS制御装置31及びエンジン制御装置33を備える。本発明の“車両制御装置”に相当するEPS制御装置31及びエンジン制御装置33の間は、通信媒体4を介して、相互にデータ交換可能に接続されている。通信媒体4には、前記の操舵トルクセンサ5及び操舵角センサ6の他に、自車両の速度(車速)を検出する車速センサ7、ブレーキセンサ8、及び、アクセルセンサ9がそれぞれ接続されている。
(EPS制御装置31の構成)
EPS制御装置31は、操舵トルクセンサ5により検出される操舵トルク信号、操舵角センサ6により検出される操舵角信号、車速センサ7により検出される車速信号などの各種信号を参照して、電動パワーステアリング(EPS)が発揮する操舵ハンドル1の操舵補助力を制御する機能、及び、エンジン(不図示)の自動停止及び自動再始動に係る制御信号を生成する機能を有する。EPS制御装置31は、演算処理を行うマイクロコンピュータ及び各種周辺回路を含んで構成される。
詳しく述べると、EPS制御装置31は、第1の情報取得部34、EPS制御部36、及び、不図示の記憶部を備えて構成されている。
EPS制御装置31の第1の情報取得部34は、操舵トルクセンサ5及び操舵角センサ6、並びに、車速センサ7を含む各種センサからの信号を通して、操舵ハンドル1の操舵トルク及び操舵角を含む操舵情報、並びに、車速情報を取得する機能を有する。第1の情報取得部34で取得された車速情報及び操舵情報は、EPS制御部36において、エンジン自動停止制御信号、及び、エンジン自動再始動制御信号を生成する際に参照される。
EPS制御装置31のEPS制御部36は、第1の情報取得部34で取得された車速情報及び操舵情報を参照して、操舵ハンドル1の操舵補助力を制御するEPS制御機能、エンジン自動停止制御信号を生成する機能、及び、エンジンの再始動制御信号を生成する機能を有する。
EPS制御装置31の記憶部には、車速情報に関する閾値である車速閾値、並びに、操舵トルク及び操舵角を含む操舵情報に関する閾値である操舵閾値が予め記憶されている。
車速閾値としては、例えば、時速1〜20km程度の徐行速度のなかから、目標とする燃料消費率などを参酌して、適宜の車速を選択的に採用すればよい。具体的には、例えば、高水準の燃料消費率を目標として設定する際には、車速閾値として比較的高い車速(例えば時速20kmなど)を選択的に採用する一方、燃料消費率に比べて車両の機動性を優先(エンジンをできるだけ停止させない)する設定を行う際には、車速閾値として比較的低い車速(例えば時速2kmなど)を選択的に採用すればよい。
操舵閾値としては、操舵トルクに係る閾値である操舵トルク閾値を主として用いる。ただし、操舵閾値として、操舵角に係る閾値である操舵角閾値を採用してもよい。また、操舵閾値として、操舵トルク閾値及び操舵角閾値を組み合わせて採用してもよい。本発明の実施形態では、操舵閾値として、操舵トルク閾値を採用する例をあげて説明する。なお、簡単のために、図2(b)に示す操舵トルク閾値は、操舵方向を除く操舵トルクの大きさに基づいて表現している。
前記の操舵トルク閾値は、第1の操舵トルク閾値OT_th1、及び、第2の操舵トルク閾値OT_th2(いずれも図2(b)参照)を含む。第1及び第2の操舵トルク閾値OT_th1,OT_th2がそれぞれ担う役割について、詳しくは後記する。
(エンジン制御装置33の構成)
エンジン制御装置33は、燃料の節約、エミッションや騒音の低減などを狙って、予め設定される停止条件を充足すると、自車両に搭載されたエンジンを停止させる一方、エンジンの停止中に予め設定される再始動条件を充足すると、エンジンを再始動させる自動制御を行う機能を有する。エンジン制御装置33は、演算処理を行うマイクロコンピュータ及び各種周辺回路を含んで構成される。
詳しく述べると、エンジン制御装置33は、第2の情報取得部35、及び、エンジン制御部37を備えて構成されている。
エンジン制御装置33の第2の情報取得部35は、操舵トルクセンサ5及び操舵角センサ6、並びに、車速センサ7、ブレーキセンサ8、アクセルセンサ9を含む各種センサからの信号を通して、操舵ハンドル1の操舵トルク及び操舵角を含む操舵情報、並びに、車速情報、制動操作情報、及び、加速操作情報をそれぞれ取得する機能を有する。
第2の情報取得部35で取得された操舵情報、車速情報、制動操作情報、及び、加速操作情報は、エンジン制御部37において、エンジン自動停止制御及びエンジン自動再始動制御を行う際に適宜参照される。
エンジン制御装置33のエンジン制御部37は、予め設定される停止条件を充足すると、自車両に搭載されたエンジンを自動的に停止させるエンジン自動停止制御を行う機能を有する。エンジンを自動的に停止させるための停止条件は、原則として3つある。自車両の車速が徐行速度域(例えば、車速が時速10kmなど)にあること、ブレーキペダル(不図示)が踏み込まれている(以下、“ブレーキオン”という。)こと、アクセルペダル(不図示)が踏み込まれていない(以下、“アクセルオフ”という。)こと、がそれである。
前記3つの停止条件をすべて充足した場合に、エンジン制御装置33のエンジン制御部37は、エンジンを自動的に停止させる旨のエンジン自動停止制御信号を生成する。また、エンジン制御装置33のエンジン制御部37は、生成したエンジン自動停止制御信号に基づいて、エンジンを自動的に停止させる制御を行う。
一方、エンジン制御装置33のエンジン制御部37は、エンジンの停止中に、予め設定される再始動条件を充足すると、エンジンを自動的に再始動させるエンジン自動再始動制御を行う機能を有する。エンジンを自動的に再始動させるための停止条件は、原則として3つある。ブレーキペダルの踏み込み解放により制動操作が解除されていること、アクセルペダルの踏み込みにより加速操作が実行されていること、操舵ハンドル1の操舵トルクが、第1の操舵トルク閾値OT_th1を上回っていること、がそれである。
前記3つの再始動条件のうち少なくともいずれかを充足した場合に、エンジン制御装置33のエンジン制御部37は、エンジンを自動的に再始動させる旨のエンジン自動再始動制御信号を生成する。また、エンジン制御装置33のエンジン制御部37は、生成したエンジン自動再始動制御信号に基づいて、エンジンを自動的に再始動させる制御を行う。
ここで、第1の操舵トルク閾値OT_th1について説明する。第1の操舵トルク閾値OT_th1とは、右左折又は旋回を含む運転意図が生じているか否かを判断する際の指標となる、操舵ハンドル1の操舵トルクに係る閾値である。右左折又は旋回を含む運転意図が生じているとみなされるシーンでは、一般に、エンジンの自動再始動制御を行うのがよい。運転者に運転意図が生じている際の対応として適切だからである。
右左折又は旋回を含む運転意図が生じているとみなされるシーンとしては、例えば、交差点において運転者が操舵ハンドル1を右左折に係る進行方向に向けて据え切りする(操舵ハンドル1の操舵トルクが生じる)シーンを想定することができる。かかるシーンにおいて、仮に、エンジンの自動再始動制御を行わないと、運転者の運転意図に反することになる。
しかし、右左折又は旋回を含む運転意図が生じているとみなされるシーンには、実際に運転意図があるケースの他に、運転意思に反して誤って操舵ハンドル1を操舵してしまうようなケースも考えられる。
このように運転意思に反して誤って操舵ハンドル1を操舵したケースにおいて、仮に、何の前触れもなくエンジンの自動再始動制御を唐突に行うと、運転者に違和感を抱かせてしまう。また、運転者の意図に反するエンジンの自動再始動制御が行われると、燃料の節約、エミッションや騒音の低減の観点からも好ましくない。
そこで、本発明の実施形態に係る車両制御装置30では、エンジンの再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報する構成を採用することとした。
エンジンの再始動を予報する態様として、以下に述べる複数の実施態様がある。
第1の実施態様では、車両制御装置30は、エンジンの再始動を、報知部27(図1参照)を用いて、乗員の視覚又は聴覚に訴求し報知する。通信媒体4に接続される報知部27は、エンジンの再始動を、乗員の視覚又は聴覚に訴求し報知する機能を有する。具体的には、報知部27としては、例えば、表示装置や音声発生装置を適宜採用すればよい。
第2の実施態様では、エンジンの再始動条件を、少なくとも、操舵ハンドル1に関する操舵トルクに係る閾値(第1の操舵トルク閾値OT_th1)を含んで設定しておく。車両制御装置30は、操舵ハンドル1の操舵トルクが、再始動条件に関する操舵トルクに係る閾値(第1の操舵トルク閾値OT_th1)に増加しながら近づいた際に、EPS(電動パワーステアリング)制御装置31を用いて操舵補助力の急減(換言すれば、操舵反力の急増)を操舵ハンドル1に生じさせることで、操舵ハンドル1の操舵に係る手応えの急増をもって、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報するように動作する。
ところで、前記第2の実施態様では、操舵ハンドル1の操舵トルクが、再始動条件に関する操舵トルクに係る閾値(第1の操舵トルク閾値OT_th1)に中立位置側から近づいたか否かを、いかにして判別するかが問題となる。かかる問題を解決するために、第2の実施態様では、第2の操舵トルク閾値OT_th2(図2(b)参照)を用いる。
第2の操舵トルク閾値OT_th2とは、操舵ハンドル1の操舵トルクが、第2の操舵トルク閾値OT_th2に中立位置側から近づいたか否かを判断する際の指標となる、操舵ハンドル1の操舵トルクに係る閾値である(図2(b)参照)。第2の操舵トルク閾値OT_th2は、第1の操舵トルク閾値OT_th1と比べて、小さい値が設定される。
第2の操舵トルク閾値OT_th2の値を設定するにあたっては、操舵ハンドル1の操舵トルクが第2の操舵トルク閾値OT_th2に達して、操舵ハンドル1の操舵に係る手応えの急増によるエンジンの再始動予報が行われることで、操舵ハンドル1の誤操作に気づいた運転者が、第1の操舵トルク閾値OT_th1に操舵ハンドル1の操舵トルクが達する前に、操舵ハンドル1を中立位置側に戻すだけの時間的な猶予に相当する角度を、第1の操舵トルク閾値OT_th1との間におくことを考慮すればよい。
なお、前記第2の実施態様の再始動条件に関する操舵情報に係る閾値として、第1の操舵トルク閾値OT_th1に代えて、第1の操舵角閾値を用いてもよい。かかる第2の実施態様の第1変形例では、操舵ハンドル1の操舵角が、再始動条件に関する操舵角に係る閾値(第1の操舵角閾値)に中立位置側から近づいた際に、EPS(電動パワーステアリング)制御装置31を用いて操舵補助力の急減(換言すれば、操舵反力の急増)を操舵ハンドル1に生じさせることで、操舵ハンドル1の操舵に係る手応えの急増をもって、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報するように動作する。
ただし、操舵ハンドル1の操舵角が、再始動条件に関する操舵角に係る閾値(第1の操舵角閾値)に中立位置側から近づいたか否かを判別するために、第2の操舵角閾値を用いる点は、前記第2の実施態様と同じである。
第3の実施態様は、前記第2の実施態様の第2変形例に相当する。第2の実施態様では、操舵補助力の急減(換言すれば、操舵反力の急増)を操舵ハンドル1に生じさせることで、操舵ハンドル1の操舵に係る手応えの急増をもって、エンジンの再始動を予報するのに対し、第3の実施態様では、操舵ハンドル1を振動させることで、操舵ハンドルを掴んでいる運転者の手指に対する触感をもって、エンジンの再始動を予報する点が相違している。
操舵ハンドル1を振動させるには、EPS制御装置31を用いる。EPS制御装置31のEPS制御部36は、操舵ハンドル1を小刻みにブルブルと振動させる駆動制御信号を生成すると共に、生成した駆動制御信号に基づいて、操舵補助モータ16の駆動制御(正回転/逆回転を経時的に交互に行わせる駆動制御)を行う。これにより、EPS制御装置31のEPS制御部36は、操舵ハンドル1を、小刻みにブルブルと振動させることができる。
〔本発明の実施形態に係る車両制御装置30の動作〕
次に、本発明の実施形態に係る車両制御装置30の動作について、図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施形態に係る車両制御装置30の動作説明に供するタイムチャート図である。
図2は、自車両の車速が徐行速度域に低下することでエンジン自動停止制御が行われた際に、自車両が停止状態で操舵ハンドル1を据え切り操舵したシーンでの、エンジンの自動再始動制御動作を表す。詳しく述べると、図2(a)には車速センサ7の出力特性が、図2(b)には操舵トルクセンサ5の出力特性が、図2(c)には操舵補助力の出力特性が、図2(d)にはブレーキセンサ8のオンオフ出力特性が、図2(e)にはエンジンのオンオフ出力特性が、それぞれ時系列的に表現されている。
図2に示す時刻t0〜t1において、自車両は、直線道路を定速走行している(図2(a)参照)。同時刻t0〜t1の期間において、ブレーキセンサ8のオンオフ出力特性はオフ状態にある(図2(d)参照)。また、アクセルセンサ9のオンオフ出力特性は、ブレーキセンサ8とは逆に、オン状態にある(不図示)。
図2に示す時刻t1〜t3において、自車両は、徐々に車速を減じる徐行走行を行った後、時刻t3において停止している(図2(a)参照)。同時刻t1〜t3の期間において、ブレーキセンサ8のオンオフ出力特性はオン状態にある(図4(d)参照)。また、アクセルセンサ9のオンオフ出力特性は、ブレーキセンサ8とは逆に、オフ状態にある(不図示)。
図2に示す時刻t2において、自車両は、車速が徐行速度以下であり、ブレーキオン状態、かつ、アクセルオフ状態にある。したがって、エンジンを自動的に停止させるための3つの停止条件をすべて充足している。そのため、同時刻t2において、エンジン制御装置33のエンジン制御部37は、徐行速度域で走行中の自車両のエンジンを自動的に停止させる(図2(e)参照)。
図2に示す時刻t3〜t4において、自車両は、停止状態を維持している(図2(a)参照)。このとき、ブレーキセンサ8のオンオフ出力特性は、オン状態にある(図2(d)参照)。また、アクセルセンサ9のオンオフ出力特性は、ブレーキセンサ8とは逆に、オフ状態にある(不図示)。
図2に示す時刻t4〜t5において、停止状態を維持している自車両では、操舵ハンドル1が、例えば右折方向に、徐々に操舵力を増しながら据え切り操舵されている(図2(b)参照)。同時刻t4〜t5において、操舵補助力の出力特性は、第1の操舵補助力OT1が維持されている(図2(c)参照)。ブレーキセンサ8のオンオフ出力特性は、オン状態にある(図2(d)参照)。また、アクセルセンサ9のオンオフ出力特性は、ブレーキセンサ8とは逆に、オフ状態にある(不図示)。
図2に示す時刻t5において、操舵ハンドル1の操舵トルクが、第2の操舵トルク閾値OT_th2に至っている。したがって、EPS制御装置31は、操舵ハンドル1の操舵トルクが、第1の操舵トルク閾値OT_th1に増加しながら近づいた旨の判断を下す。そのため、時刻t5〜t6において、EPS制御装置31のEPS制御部36は、操舵補助力の急減(換言すれば、操舵反力の急増)を操舵ハンドル1に生じさせる(図2(c)参照)ことで、操舵ハンドル1の操舵に係る手応えの急増をもって、エンジンの再始動に係る予報を開始する。
なお、図2(c)に示す例では、操舵補助力は、第1の操舵補助力OT1から、第1の操舵補助力OT1と比べて運転者が手応えの急増を感じる程度に十分に小さい第2の操舵補助力OT2に至るまで、ほぼ線形に漸減している。
同時刻t5〜t6において、ブレーキセンサ8のオンオフ出力特性は、オン状態を維持している(図2(d)参照)。また、アクセルセンサ9のオンオフ出力特性は、ブレーキセンサ8とは逆に、オフ状態を維持している(不図示)。
図2に示す時刻t6において、操舵ハンドル1の操舵トルクが、第1の操舵トルク閾値OT_th1に至っている。これを受けて、EPS制御装置31は、右左折又は旋回を含む運転意図が生じているとみなす。また、同時刻t6において、エンジン制御装置33のエンジン制御部37は、エンジンを自動的に再始動させる(図2(e)参照)。
なお、同時刻t6において、EPS制御装置31のEPS制御部36は、第2の操舵補助力OT2から第1の操舵補助力OT1に至るまで、操舵補助力を徐々に戻す。エンジンの自動再始動を運転者に予報するという要請は、エンジンの自動再始動をもって解消したからである。
なお、操舵補助力を第2の操舵補助力OT2から第1の操舵補助力OT1に至るまで徐々に戻す構成を採用した理由は、操舵補助力を急激に戻すと、操舵ハンドル1の手応えが急に軽くなって、車両挙動を乱す要因になるおそれがあるからである。
図2に示す時刻t5〜t6の期間は、エンジンの自動再始動を運転者に予報するための予報期間である。この予報期間では、操舵ハンドル1の操舵に係る手応えの急増をもって、エンジンの再始動に係る予報を行う前記第2の実施態様に加えて、エンジンの再始動を、報知部27を用いて、乗員の視覚又は聴覚に訴求し報知する第1の実施態様、及び、操舵ハンドル1を振動させることで、操舵ハンドルを掴んでいる運転者の手指に対する触感をもって、エンジンの再始動を予報する第3の実施態様を採用してもよい。
また、前記予報期間期間では、図2に例示した前記第2の実施態様に組み合わせて、前記第1の実施態様、又は、前記第3の実施態様のいずれか一方を採用してもよい。
〔本発明の実施形態に係る車両制御装置30が奏する作用効果〕
次に、本発明の実施形態に係る車両制御装置30が奏する作用効果について説明する。
第1の観点(請求項1)に基づく車両制御装置30では、車両に搭載されたエンジンを再始動させる再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報する、構成を採用することとした。
第1の観点(請求項1)に基づく車両制御装置30によれば、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報するため、運転者の意図に反するエンジンの再始動制御が唐突に行われる事態を一掃し、違和感のない快適な運転環境をもって、エンジンの再始動制御を実現することができる。
また、第2の観点(請求項2)に基づく車両制御装置30では、再始動条件を、少なくとも、操舵ハンドル1に関する操舵角に係る閾値を含んで設定し、操舵ハンドル1の操舵角が、再始動条件に関する操舵角に係る閾値に中立位置側から近づいた際に、電動パワーステアリング制御装置31を用いて操舵補助力の急減を操舵ハンドル1に生じさせることにより、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報する、構成を採用してもよい。
第2の観点(請求項2)に基づく車両制御装置30では、少なくとも、操舵ハンドル1に関する操舵角に係る閾値を含んで再始動条件を設定するケースにおいて、再始動条件の充足前に、操舵ハンドル1の操舵に係る手応えの急増という運転者の操舵感に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を予報する形態を規定している。
第2の観点(請求項2)に基づく車両制御装置30によれば、操舵ハンドル1の操舵角が、再始動条件に関する操舵角に係る閾値に中立位置側から近づいた際に、電動パワーステアリング制御装置31を用いて操舵補助力の急減(操舵反力の急増)を操舵ハンドル1に生じさせることで、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報するため、第1の観点(請求項1)に基づく車両制御装置30が奏する作用効果に加えて、操舵ハンドル1の操舵に係る手応えの急増という運転者の操舵感に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を適確に予報することができる。
また、第3の観点(請求項3)に基づく車両制御装置30では、再始動条件を、少なくとも、操舵ハンドル1に関する操舵トルクに係る閾値を含んで設定し、操舵ハンドル1の操舵トルクが、再始動条件に関する操舵トルクに係る閾値に増加しながら近づいた際に、電動パワーステアリング制御装置31を用いて操舵補助力の急減を操舵ハンドル1に生じさせることにより、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報する、構成を採用してもよい。
第3の観点(請求項3)に基づく車両制御装置30では、少なくとも、操舵ハンドル1に関する操舵トルクに係る閾値を含んで再始動条件を設定するケースにおいて、再始動条件の充足前に、操舵ハンドル1の操舵に係る手応えの急増という運転者の操舵感に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を予報する形態を規定している。
第3の観点(請求項3)に基づく車両制御装置30によれば、操舵ハンドル1の操舵トルクが、再始動条件に関する操舵トルクに係る閾値に増加しながら近づいた際に、電動パワーステアリング制御装置31を用いて操舵補助力の急減を操舵ハンドル1に生じさせることにより、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報するため、第1の観点(請求項1)に基づく車両制御装置30が奏する作用効果に加えて、操舵ハンドル1の操舵に係る手応えの急増という運転者の操舵感に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を適確に予報することができる。
また、第4の観点(請求項4)に基づく車両制御装置30では、再始動条件を、少なくとも、操舵ハンドル1に関する操舵角に係る閾値を含んで設定し、操舵ハンドル1の操舵角が、再始動条件に関する操舵角に係る閾値に中立位置側から近づいた際に、電動パワーステアリング制御装置31を用いて操舵ハンドル1を振動させることにより、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報する、構成を採用してもよい。
第4の観点(請求項4)に基づく車両制御装置30では、少なくとも、操舵ハンドル1に関する操舵角に係る閾値を含んで再始動条件を設定するケースにおいて、再始動条件の充足前に、操舵ハンドル1の振動により運転者の触感に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を予報する形態を規定している。
第4の観点(請求項4)に基づく車両制御装置30によれば、操舵ハンドル1の操舵角が、再始動条件に関する操舵角に係る閾値に中立位置側から近づいた際に、電動パワーステアリング制御装置31を用いて操舵ハンドル1を振動させることで、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報するため、第1の観点(請求項1)に基づく車両制御装置30が奏する作用効果に加えて、操舵ハンドル1の振動により運転者の触感に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を適確に予報することができる。
また、第5の観点(請求項5)に基づく車両制御装置30では、再始動条件を、少なくとも、操舵ハンドル1に関する操舵トルクに係る閾値を含んで設定し、操舵ハンドル1の操舵トルクが、再始動条件に関する操舵トルクに係る閾値に増加しながら近づいた際に、電動パワーステアリング制御装置31を用いて操舵ハンドル1を振動させることにより、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報する、構成を採用してもよい。
第5の観点(請求項5)に基づく車両制御装置30では、少なくとも、操舵ハンドル1に関する操舵トルクに係る閾値を含んで再始動条件を設定するケースにおいて、再始動条件の充足前に、操舵ハンドル1の振動により運転者の触感に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を予報する形態を規定している。
第5の観点(請求項5)に基づく車両制御装置30によれば、操舵ハンドル1の操舵トルクが、再始動条件に関する操舵トルクに係る閾値に増加しながら近づいた際に、電動パワーステアリング制御装置31を用いて操舵ハンドル1を振動させることにより、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報するため、第1の観点(請求項1)に基づく車両制御装置30が奏する作用効果に加えて、操舵ハンドル1の振動により運転者の触感に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を適確に予報することができる。
また、第6の観点(請求項6)に基づく車両制御装置30では、エンジンの再始動を、乗員の視覚又は聴覚に訴求し報知する報知部27をさらに備え、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を、報知部27を用いて予報する、構成を採用してもよい。
第6の観点(請求項6)に基づく車両制御装置30では、再始動条件の充足前に、乗員の視覚又は聴覚に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を予報する形態を規定している。
第6の観点(請求項6)に基づく車両制御装置30によれば、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を、乗員の視覚又は聴覚に訴求し報知する報知部27を用いて予報するため、第1の観点(請求項1)に基づく車両制御装置30が奏する作用効果に加えて、乗員の視覚又は聴覚に直接的に訴えるわかりやすい態様をもって、エンジンの再始動を適確に予報することができる。
そして、第7の観点(請求項7)に基づく車両制御装置30では、予報の度合いを、予め設定される基準燃費に対する実燃費の偏差に応じて変える、構成を採用してもよい。
ここで、予め設定される基準燃費としては、例えば、自動車メーカーが測定して自動車カタログに掲載するJC08モード燃費等を適宜採用すればよい。ただし、例えばJC08モード燃費は、所定の走行パターンを想定したケースでの燃費であるため、一般ユーザの実際の走行パターンに基づく実燃費とは必ずしも一致しない。すなわち、一般ユーザの走行パターン (存在しないページ)" 走行パターンに基づく実燃費と、JC08モード燃費などの基準燃費との間には、多少の偏差を生じる場合がある。こうした偏差の圧縮を狙って、最近では、例えば、JC08モード燃費に係る走行パターンに倣った走行パターンを運転者にアドバイスする装置も検討されている。
この点、第7の観点(請求項7)に基づく車両制御装置30では、一般ユーザの走行パターン (存在しないページ)" 走行パターンに基づく実燃費とJC08モード燃費などの基準燃費との間に多少の偏差を生じることに着目し、この偏差に応じて予報の度合いを変更することにより、運転者に省燃費となる経済走行を促すこととした。
操舵ハンドル1の操舵に係る手応えの急増という態様で運転者の操舵感に直接的に訴えることで、エンジンの再始動を予報する第2及び第3の観点に基づく実施形態において、前記予報の度合いとは、操舵補助力の急減(操舵反力の急増)の度合いを意味する。
また、操舵ハンドル1の振動という態様で運転者の触感に直接的に訴えることで、エンジンの再始動を予報する第4及び第5の観点に基づく実施形態において、前記予報の度合いとは、操舵ハンドル1の振動の度合い(例えば、振動振幅の大小)を意味する。
さらに、乗員の視覚又は聴覚に訴えることで、エンジンの再始動を予報する第6の観点に基づく実施形態において、前記予報の度合いとは、乗員の視覚又は聴覚に訴える力の度合い(表示内容の拡大・縮小や音量の大小)を意味する。
また、操舵ハンドル1の操舵に係る手応えの急増という運転者の操舵感に直接的に訴えることで、エンジンの再始動を予報する第2及び第3の観点に基づく実施形態において、前記予報の度合いを、予め設定される基準燃費に対する実燃費の偏差に応じて変える、とは、例えば、次のような予報態様を想定することができる。すなわち、基準燃費に対する実燃費の偏差が、負(悪燃費)の側に大きいケースの予報態様では、前記偏差がゼロのケースの予報態様と比べて、操舵補助力の急減(操舵反力の急増)の度合いを大きくする。
さらに、操舵ハンドル1の振動により運転者の触感に直接的に訴えることで、エンジンの再始動を予報する第4及び第5の観点に基づく実施形態において、前記予報の度合いを、予め設定される基準燃費に対する実燃費の偏差に応じて変える、とは、例えば、次のような予報態様を想定することができる。すなわち、基準燃費に対する実燃費の偏差が、負(悪燃費)の側に大きいケースの予報態様では、前記偏差がゼロのケースの予報態様と比べて、操舵ハンドル1の振動の度合いを大きく(例えば、振動振幅を大きく)する。
そして、乗員の視覚又は聴覚に訴えることで、エンジンの再始動を予報する第6の観点に基づく実施形態において、前記予報の度合いを、予め設定される基準燃費に対する実燃費の偏差に応じて変える、とは、例えば、次のような予報態様を想定することができる。すなわち、基準燃費に対する実燃費の偏差が、負(悪燃費)の側に大きいケースの予報態様では、前記偏差がゼロのケースの予報態様と比べて、乗員の視覚又は聴覚に訴える力の度合いを大きく(表示内容の拡大や音量大)する。
第7の観点(請求項7)に基づく車両制御装置30によれば、予報の度合いを、予め設定される基準燃費に対する実燃費の偏差に応じて変えるため、第1の観点(請求項1)に基づく車両制御装置30が奏する作用効果に加えて、運転者に対し、エンジンの再始動に係る予報態様をもって、基準燃費に対する実燃費の偏差に関する目安を知らせることができる。
なお、基準燃費に対する実燃費の偏差が、負(悪燃費)の側に大きいケースの予報態様として、前記偏差がゼロのケースの予報態様と比べて、予報の開始時期を早める構成を採用してもよい。予報の開始時期を早める構成は、第7の観点(請求項7)に基づく構成と組み合わせて適用してもよい。
予報の開始時期を早める構成を採用すれば、運転者に対し、エンジンの再始動に係る予報態様をもって、基準燃費に対する実燃費の偏差に関する目安を早期に知らせることができる。
〔その他の実施形態〕
以上説明した複数の実施形態は、本発明の具現化の例を示したものである。したがって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならない。本発明はその要旨又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形態で実施することができるからである。
例えば、本発明の実施形態に係る車両制御装置30の説明において、再始動条件に関する操舵情報に係る閾値として、操舵角閾値及び操舵トルク閾値を例示して説明したが、本発明はこの例に限定されない。再始動条件に関する操舵情報に係る閾値として、操舵速度を採用してもよい。
本実施例において、操舵ハンドル1の操舵速度が、再始動条件に関する操舵速度に係る閾値(第1の操舵速度閾値)に速度ゼロの側から近づいた際に、EPS(電動パワーステアリング)制御装置31を用いて操舵補助力の急減(換言すれば、操舵反力の急増)を操舵ハンドル1に生じさせることで、操舵ハンドル1の操舵に係る手応えの急増をもって、再始動条件の充足前に、エンジンの再始動を予報するように構成すればよい。
ただし、操舵ハンドル1の操舵速度が、再始動条件に関する操舵速度に係る閾値(第1の操舵速度閾値)に速度ゼロの側から近づいたか否かを判別するために、第2の操舵速度閾値を用いる点は、再始動条件に関する操舵情報に係る閾値として、前記操舵角又は前記操舵トルクを用いる例と同じである。
1 操舵ハンドル(操舵部材)
16 操舵補助モータ
27 報知部
30 車両制御装置
31 EPS制御装置(電動パワーステアリング制御装置)
33 エンジン制御装置

Claims (7)

  1. 予め設定される停止条件を充足すると、車両に搭載されたエンジンを停止させる一方、該エンジンの停止中に、予め設定される再始動条件を充足すると、該エンジンを再始動させる自動制御を行うエンジン制御装置を備える車両制御装置であって、
    前記再始動条件の充足前に、前記エンジンの再始動を予報する、
    ことを特徴とする車両制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両制御装置であって、
    運転者による操舵部材の操舵を補助するための操舵補助力を生じさせる操舵補助モータの制御を行う電動パワーステアリング制御装置をさらに備え、
    前記再始動条件を、少なくとも、前記操舵部材に関する操舵角に係る閾値を含んで設定し、
    前記操舵部材の操舵角が、前記再始動条件に関する前記操舵角に係る閾値に中立位置側から近づいた際に、前記電動パワーステアリング制御装置を用いて前記操舵補助力の急減を前記操舵部材に生じさせることにより、前記再始動条件の充足前に、前記エンジンの再始動を予報する、
    ことを特徴とする車両制御装置。
  3. 請求項1に記載の車両制御装置であって、
    運転者による操舵部材の操舵を補助するための操舵補助力を生じさせる操舵補助モータの制御を行う電動パワーステアリング制御装置をさらに備え、
    前記再始動条件を、少なくとも、前記操舵部材に関する操舵トルクに係る閾値を含んで設定し、
    前記操舵部材の操舵トルクが、前記再始動条件に関する前記操舵トルクに係る閾値に増加しながら近づいた際に、前記電動パワーステアリング制御装置を用いて前記操舵補助力の急減を前記操舵部材に生じさせることにより、前記再始動条件の充足前に、前記エンジンの再始動を予報する、
    ことを特徴とする車両制御装置。
  4. 請求項1に記載の車両制御装置であって、
    運転者による操舵部材の操舵を補助するための操舵補助力を生じさせる操舵補助モータの制御を行う電動パワーステアリング制御装置をさらに備え、
    前記再始動条件を、少なくとも、前記操舵部材に関する操舵角に係る閾値を含んで設定し、
    前記操舵部材の操舵角が、前記再始動条件に関する前記操舵角に係る閾値に中立位置側から近づいた際に、前記電動パワーステアリング制御装置を用いて前記操舵部材を振動させることにより、前記再始動条件の充足前に、前記エンジンの再始動を予報する、
    ことを特徴とする車両制御装置。
  5. 請求項1に記載の車両制御装置であって、
    運転者による操舵部材の操舵を補助するための操舵補助力を生じさせる操舵補助モータの制御を行う電動パワーステアリング制御装置をさらに備え、
    前記再始動条件を、少なくとも、前記操舵部材に関する操舵トルクに係る閾値を含んで設定し、
    前記操舵部材の操舵トルクが、前記再始動条件に関する前記操舵トルクに係る閾値に増加しながら近づいた際に、前記電動パワーステアリング制御装置を用いて前記操舵部材を振動させることにより、前記再始動条件の充足前に、前記エンジンの再始動を予報する、
    ことを特徴とする車両制御装置。
  6. 請求項1に記載の車両制御装置であって、
    前記エンジンの再始動を、乗員の視覚又は聴覚に訴求し報知する報知部をさらに備え、
    前記再始動条件の充足前に、前記エンジンの再始動を、前記報知部を用いて予報する、
    ことを特徴とする車両制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両制御装置であって、
    前記予報の度合いを、予め設定される基準燃費に対する実燃費の偏差に応じて変える、
    ことを特徴とする車両制御装置。
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