JP2015024598A - インクジェット印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サテライトによる印刷物の汚れの軽減を図る。【解決手段】制御部5は、搬送される用紙の先端部の所定領域における画像の形成開始直後の、上流側のノズル列のみからインクを吐出する状況における上流側のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量、および、搬送される用紙の後端部の所定領域における画像の形成終了直前の、下流側のノズル列のみからインクを吐出する状況における下流側のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量を、吐出量に応じたサテライトの発生度合いに基づき制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットヘッドから用紙にインクを吐出して印刷を行うインクジェット印刷装置に関する。
従来、用紙を搬送しつつ、固定のインクジェットヘッドから用紙へインクを吐出して印刷するライン型のインクジェット印刷装置が知られている。
ライン型のインクジェット印刷装置では、用紙を搬送するために、いわゆるエア吸引方式の搬送機構が広く用いられている。エア吸引方式の搬送機構では、ファンにより、搬送ベルトに設けられた多数の貫通穴を介して空気を吸引することで、貫通穴に発生する負圧による吸着力で用紙を搬送ベルト上に吸着保持する。搬送ベルトがこのように用紙を吸着保持しつつ移動することで、用紙を搬送する。
ところで、インクジェットヘッドのノズルからインクが吐出されると、主たるインク滴である主滴から分離した微小なインク滴であるサテライトが発生することがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−269313号公報
上述したエア吸引方式の搬送機構を用いた装置では、インクジェットヘッドと用紙との間において、搬送ベルトおよび用紙の移動による気流(以下、搬送気流とよぶ)が生じる。また、用紙の先端部付近および後端部付近では、エア吸引による気流(以下、用紙押さえ気流とよぶ)が生じる。
インクジェットヘッドからのインク吐出により発生するサテライトは、微小なため気流の影響を受けやすい。このため、搬送される用紙に対してサテライトが主滴から離れた位置に着弾することがある。エア吸引方式の搬送機構を用いた装置では、搬送気流および用紙押さえ気流の影響で、用紙の先端部および後端部に対するインク吐出により発生したサテライトが主滴から大きく離れて着弾することがある。これにより、印刷物に汚れが生じることがある。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、サテライトによる印刷物の汚れを軽減できるインクジェット印刷装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴は、エア吸引により用紙を保持して搬送する搬送部と、用紙の搬送方向に直交する方向に沿って配置された複数のノズルをそれぞれ有する複数のノズル列が前記搬送方向に沿って配置され、前記ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドと、前記搬送部により用紙を搬送しつつ前記インクジェットヘッドの前記ノズルから用紙にインクを吐出して画像を形成するよう制御する制御部とを備え、前記制御部は、搬送される用紙の先端部の所定領域における画像の形成開始直後の、前記搬送方向における最上流のノズル列のみからインクを吐出する状況における前記最上流のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量、および、搬送される用紙の後端部の所定領域における画像の形成終了直前の、最下流のノズル列のみからインクを吐出する状況における前記最下流のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量を、吐出量に応じたサテライトの発生度合いに基づき制御することにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴は、前記制御部は、搬送される用紙の先端部の所定領域における画像の形成開始直後の前記最上流のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量の制御に応じて、前記最上流のノズル列より下流側のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量を制御し、搬送される用紙の後端部の所定領域における画像の形成終了直前の前記最下流のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量の制御に応じて、前記最下流のノズル列より上流側のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量を制御することにある。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第1の特徴によれば、制御部は、搬送される用紙の先端部の所定領域における画像の形成開始直後の、搬送方向における最上流のノズル列のみからインクを吐出する状況における最上流のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量、および、搬送される用紙の後端部の所定領域における画像の形成終了直前の、最下流のノズル列のみからインクを吐出する状況における最下流のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量を、吐出量に応じたサテライトの発生度合いに基づき制御する。これにより、サテライトが気流の影響を受けやすい状況におけるサテライトの発生を抑制できる。この結果、サテライトによる印刷物の汚れを軽減できる。
本発明に係るインクジェット印刷装置の第2の特徴によれば、制御部は、搬送される用紙の先端部の所定領域における画像の形成開始直後の最上流のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量の制御に応じて、最上流のノズル列より下流側のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量を制御する。また、制御部は、搬送される用紙の後端部の所定領域における画像の形成終了直前の最下流のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量の制御に応じて、最下流のノズル列より上流側のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量を制御する。これにより、印刷画像の濃度の変化を軽減できる。
実施の形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。 搬送部およびインクジェットヘッドの概略構成図である。 搬送部およびインクジェットヘッドの平面図である。 ヘッドモジュールにおけるノズル列の説明図である。 サテライト発生度合いテーブルの一例を示す図である。 気流がサテライトに与える影響を説明するための図である。 気流がサテライトに与える影響を説明するための図である。 気流がサテライトに与える影響を説明するための図である。 気流がサテライトに与える影響を説明するための図である。 サテライトによる印刷物の汚れの説明図である。 実施の形態に係るインクジェット印刷装置の動作を説明するためのフローチャートである。 調整対象領域の説明図である。 吐出量調整処理を行わない場合のドットイメージを示す図である。 吐出量調整処理を行った場合のドットイメージを示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係るインクジェット印刷装置の構成を示すブロック図である。図2は、図1に示すインクジェット印刷装置の搬送部およびインクジェットヘッドの概略構成図である。図3は、搬送部およびインクジェットヘッドの平面図である。図4は、ヘッドモジュールにおけるノズル列の説明図である。
以下の説明において、ユーザが位置する図2の紙面表方向を前方とする。また、図2に示すように、ユーザから視て、上下左右を上下左右方向とする。また、図2において左から右に向かう方向が、印刷媒体である用紙PAの搬送方向である。以下の説明における上流、下流は、搬送方向における上流、下流を意味する。
図1に示すように、インクジェット印刷装置1は、搬送部2と、インクジェットヘッド3C,3K,3M,3Yと、ヘッド駆動部4と、制御部5とを備える。
搬送部2は、エア吸引により用紙PAを保持して搬送する。図1、図2に示すように、搬送部2は、搬送ベルト11と、駆動ローラ12と、従動ローラ13,14,15と、モータ16と、ファン17とを備える。
搬送ベルト11は、用紙PAを吸着保持して搬送する。搬送ベルト11は、駆動ローラ12および従動ローラ13〜15に掛け渡される環状のベルトである。搬送ベルト11には、用紙PAを吸着保持するための貫通穴であるベルト穴が、全面に渡って多数形成されている。搬送ベルト11は、ファン17によるエア吸引によりベルト穴に発生する吸着力により、上面に用紙PAを吸着保持する。搬送ベルト11は、図1における時計回り方向に回転することで、吸着保持した用紙PAを右方向に搬送する。
駆動ローラ12は、搬送ベルト11を回転させる。
従動ローラ13〜15は、搬送ベルト11を介して駆動ローラ12に従動する。従動ローラ13は、駆動ローラ12と略同じ高さで、駆動ローラ12の左側に配置されている。従動ローラ14,15は、駆動ローラ12および従動ローラ13の下方において、互いに左右方向に離間して、略同じ高さに配置されている。
モータ16は、駆動ローラ12を回転駆動させる。
ファン17は、下方向への気流を生じさせる。これにより、ファン17は、搬送ベルト11のベルト穴を介して空気を吸引してベルト穴に負圧を発生させ、用紙PAを搬送ベルト11上に吸着させる。ファン17は、駆動ローラ12と従動ローラ13との間に配置されている。
インクジェットヘッド3C,3K,3M,3Yは、それぞれシアン(C)、ブラック(K)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のインクを吐出する。インクジェットヘッド3C,3K,3M,3Yは、搬送部2の上方において、左右方向に並列して配置されている。インクジェットヘッド3C,3K,3M,3Yは、ライン型のインクジェットヘッドであり、図3に示すように、それぞれ6個のヘッドモジュール21を有する。各インクジェットヘッド3C,3K,3M,3Yにおいて、6個のヘッドモジュール21は、前後方向(主走査方向)に沿って千鳥配置されている。すなわち、6個のヘッドモジュール21は、前後方向に沿って配列され、かつ、1つおきに左右方向(副走査方向)における位置をずらして配置されている。
ヘッドモジュール21は、図4に示すように、下面である吐出面21aに2つのノズル列22U,22Dを有する。ヘッドモジュール21内には、インクを貯留するインクチャンバ(図示せず)が設けられ、インクチャンバ内にはピエゾ素子(図示せず)が配置されている。ピエゾ素子の駆動により、後述のノズル23からインクが吐出される。
2つのノズル列22U,22Dは、左右方向(搬送方向)に並列して配置されている。なお、図4は、ヘッドモジュール21を下側から見た図である。ノズル列22U,22Dは、同じライン上にインクを吐出するものである。すなわち、同じラインに対して、下流側のノズル列22Dからのインクの吐出は、上流側のノズル列22Uからのインクの吐出より後のタイミングで行われる。ノズル列22U,22Dは、インクを吐出する複数のノズル23からなる。ヘッドモジュール21では、1つのノズル23から1画素に対して吐出するインクのドロップ数(液滴数)を変えることができるようになっており、ドロップ数により濃度を表現する階調印刷が行われる。
各ノズル列22U,22Dにおいて、複数のノズル23は、用紙PAの搬送方向(左右方向)に直交する主走査方向(前後方向)に沿って配列されている。各ノズル列22U,22Dにおいて、ノズル23は、主走査方向に所定のピッチPで等間隔に配置されている。そして、ノズル列22Uのノズル23とノズル列22Dのノズル23とが、主走査方向に半ピッチ(P/2)分だけずれるように配置されている。これにより、主走査方向の解像度を高めている。
ヘッド駆動部4は、インクジェットヘッド3C,3K,3M,3Yを駆動させる。具体的には、ヘッド駆動部4は、ヘッドモジュール21に駆動電圧を印加してピエゾ素子を駆動させ、ノズル23からインクを吐出させる。
制御部5は、インクジェット印刷装置1の各部の動作を制御する。制御部5は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。
制御部5は、図5に示すサテライト発生度合いテーブル31を予め記憶している。サテライト発生度合いテーブル31は、ノズル23から1画素に対して吐出するインクのドロップ数および吐出量と、サテライト発生度合いとの関係を示すテーブルである。制御部5は、サテライト発生度合いテーブル31を参照して、後述の吐出量調整処理を行う。
ここで、サテライト発生度合いテーブル31における吐出量は、ドロップ数に1ドロップの液適量を乗算したものである。図5の例では、1ドロップの液適量が6plになっている。
サテライト発生度合いは、インク吐出時におけるサテライトの発生のしやすさを示すものである。サテライト発生度合いは、ノズル23から1画素に対して吐出するインクのドロップ数(吐出量)に応じて変わる。本実施の形態では、図5に示すように、ドロップ数が1〜2の場合、サテライト発生度合いは「大」であり、ドロップ数が3〜6の場合、サテライト発生度合いは「小」である。すなわち、ドロップ数が1〜2の場合は、ドロップ数が3〜6の場合よりも、サテライトが発生しやすい。
1画素あたりのドロップ数が少ない場合、ノズル23から吐出されて飛翔するインク滴が、気流の影響を受けやすい。そこで、制御部5は、ドロップ数が1〜2の場合、気流の影響による着弾ずれを抑えるために、ドロップ数が3〜6の場合よりも、ピエゾ素子を駆動させる駆動電圧を大きくして、吐出速度を速くしている。駆動電圧が大きいほど、飛翔するインク滴の尾が長くなる。長い尾は切れやすいため、サテライトが発生しやすくなる。このため、インクジェット印刷装置1では、ドロップ数が1〜2の場合、ドロップ数が3〜6の場合よりも、サテライト発生度合いが大きい。
ここで、インクジェット印刷装置1において発生する気流がサテライトに与える影響について説明する。
まず、搬送される用紙PAの先端部(下流側の端部)において、気流がサテライトに与える影響について説明する。
図6は、ヘッドモジュール21の直下に到達した用紙PAの先端部に画像の形成を開始したときの状況を示している。ヘッドモジュール21では、1つのラインを形成するために、まず上流側のノズル列22Uからインクを吐出する。その後、上流側のノズル列22Uから吐出されたインクにより形成されたドットと同一ライン上にドットが形成されるようなタイミングで、下流側のノズル列22Dからインクを吐出する。したがって、画像の形成開始直後は、まず、上流側のノズル列22Uのみからインクを吐出する。図6の状況は、用紙PAの先端部における画像の形成開始直後の、上流側のノズル列22Uのみからインクを吐出している状況である。
ヘッドモジュール21と用紙PAとの間には、図6に示すように、搬送ベルト11および用紙PAの移動による気流である搬送気流W1が生じている。また、図6の状況では、用紙PAの先端部付近に、用紙押さえ気流W2が生じている。用紙押さえ気流W2は、ファン17により搬送ベルト11のベルト穴11aを介して空気が吸引されることで生じる気流である。搬送気流W1および用紙押さえ気流W2は、搬送方向の上流側から下流側に向かって流れる。
図6の状況において、ノズル列22Uのノズル23からのインク吐出によりサテライト41が発生すると、サテライト41は微小なため、搬送気流W1および用紙押さえ気流W2により下流側へ流される。これにより、図6に示すように、サテライト41は、主滴42から下流側に大きく離れた位置に着弾する。このように主滴42から大きく離れて着弾したサテライト41は、印刷物の汚れの要因となる。
図6の状況の後、用紙PAが下流側へ進み、下流側のノズル列22Dからのインク吐出も開始されると、図7のような状況となる。図7の状況では、上流側のノズル列22Uから吐出されるインク滴が壁になり、下流側のノズル列22Dから発生したサテライト41に対する搬送気流W1および用紙押さえ気流W2の影響が弱められる。また、図7の状況では、図6の状況と比べて、用紙PAの先端から上流側のノズル列22Uまでの距離が大きいため、ノズル列22Uから発生したサテライト41に対する用紙押さえ気流W2の影響は小さい。
したがって、図7の状況では、上流側のノズル列22Uおよび下流側のノズル列22Dから発生したサテライト41は、主滴42の近くに着弾する。このため、サテライト41は、印刷物の汚れとしてはほとんど目立たない。
次に、搬送される用紙PAの後端部(上流側の端部)において、気流がサテライトに与える影響について説明する。
図8は、用紙PAの後端部において画像の形成が終了するときの状況を示している。前述のように、ヘッドモジュール21では、1つのラインを形成するために、上流側のノズル列22Uからインクを吐出した後、下流側のノズル列22Dからインクを吐出する。このため、画像の形成終了直前は、下流側のノズル列22Uのみからインクを吐出することになる。図8の状況は、用紙PAの後端部における画像の形成終了直前の、下流側のノズル列22Uのみからインクを吐出している状況である。
図8の状況では、用紙PAの後端部付近に、搬送方向の下流側から上流側に向かう用紙押さえ気流W3が生じている。図8の状況において、ノズル列22Dのノズル23からのインク吐出によりサテライト41が発生すると、サテライト41は、用紙押さえ気流W3により上流側へ流される。これにより、図8に示すように、サテライト41は、主滴42から上流側に大きく離れた位置に着弾する。このサテライト41は、印刷物の汚れの要因となる。なお、図8の状況では、搬送気流W1は、用紙押さえ気流W3に遮られるため、サテライト41にほとんど影響を与えない。
図9は、図8の状況になる前の、上流側のノズル列22Uおよび下流側のノズル列22Dからインクを吐出している状況を示している。図9の状況では、下流側のノズル列22Dから吐出されるインク滴が壁になり、上流側のノズル列22Uから発生したサテライト41に対する用紙押さえ気流W3の影響が弱められる。また、図9の状況では、図8の状況と比べて、用紙PAの後端から下流側のノズル列22Dまでの距離が大きいため、ノズル列22Dから発生したサテライト41に対する用紙押さえ気流W3の影響は小さい。
したがって、図9の状況では、上流側のノズル列22Uおよび下流側のノズル列22Dから発生したサテライト41は、主滴42の近くに着弾する。このため、サテライト41は、印刷物の汚れとしてはほとんど目立たない。
以上の説明のように、図6、図8の状況で、サテライトによる印刷物の汚れが生じやすい。このため、図10に示すように、用紙PAの先端部および後端部において、サテライトによる汚れが生じやすい。図10では、サテライトによる汚れの発生箇所を破線で囲んで示している。搬送方向における用紙PAの中央部では、用紙押さえ気流W2,W3の影響がなく、サテライトによる汚れは生じにくい。
インクジェット印刷装置1では、図10のようなサテライトによる印刷物の汚れを軽減するため、後述の吐出量調整処理を行う。
次に、インクジェット印刷装置1の動作について説明する。
図11は、インクジェット印刷装置1の動作を説明するためのフローチャートである。図11のフローチャートの処理は、インクジェット印刷装置1に印刷対象の画像データが入力されることにより開始となる。ここでは、RGB形式の画像データがインクジェット印刷装置1に入力されるものとする。
図11のステップS1において、制御部5は、RGB形式の画像データからドロップデータを生成する。
具体的には、まず、制御部5は、RGB形式の画像データを色変換し、C,M,Y,Kの各色の画像データを生成する。制御部5は、例えば、RGB値とCMYK値との対応関係が記録されたルックアップテーブル(図示せず)を参照して、色変換を行う。次いで、制御部5は、C,M,Y,Kの各色の画像データにハーフトーン処理を施し、各色のドロップデータを生成する。各色のドロップデータは、各画素に吐出する各色のインクのドロップ数を示すデータである。
次いで、ステップS2において、制御部5は、ドロップデータに基づき、用紙PAの調整対象領域に形成される画像があるか否かを判断する。
調整対象領域は、図12に示す領域Ea,Ebからなる。領域Eaは、用紙PAの先端部に設定された、先端から後端側へ距離Laの範囲内の領域である。また、領域Ebは、用紙PAの後端部に設定された、後端から先端側へ距離Lbの範囲内の領域である。領域Ea,Ebは、図6、図8の状況でサテライトによる汚れが発生する領域として、例えば実験的に設定される。
ここで、距離Laと距離Lbとは、同じ大きさでもよいが、距離Lbを距離Laより小さくしてもよい。前述のように、図8の状況では、サテライト41を上流側へ流す用紙押さえ気流W3に対して、搬送気流W1が逆向きである。すなわち、図8の状況では、搬送気流W1によるサテライト41への影響がほとんどない。このため、用紙PAの先端部に比べて、後端部では、用紙PAの中央側でのサテライトによる汚れは生じにくい。そこで、距離Lbを距離Laより小さくしてもよい。
制御部5は、領域Eaに形成される画像、および領域Ebに形成される画像の少なくともいずれか一方がある場合、調整対象領域に形成される画像があると判断する。ここで、制御部5は、画像の全部に限らず、少なくとも一部が領域Ea,Ebに形成される画像を、領域Ea,Ebに形成される画像であると判断する。例えば、図12の画像51のような、一部が領域Eaに形成される画像でも、領域Eaに形成される画像であると判断される。
図11に戻り、調整対象領域に形成される画像があると判断した場合(ステップS2:YES)、ステップS3において、制御部5は、吐出量調整処理を行う。
具体的には、制御部5は、領域Eaおける画像の形成開始直後の、上流側のノズル列22Uのみからインクを吐出する状況におけるノズル列22Uのノズル23から吐出するインクのドロップ数(吐出量)を、ドロップデータにおけるドロップ数よりサテライト発生度合いの小さいドロップ数に変更する。また、この変更に応じて、制御部5は、下流側のノズル列22Dから吐出するインクのドロップ数を変更する。
例えば、ステップS1で生成されたドロップデータによれば、領域Eaに形成される画像の先端部において、ノズル列22U,22Dの各ノズル23から2ドロップずつ吐出して各ラインを形成する設定であるとする。
ここで、図5のサテライト発生度合いテーブル31によれば、ドロップ数が2ドロップの場合は、サテライト発生度合いが「大」である。そこで、制御部5は、下流側のノズル列22Dからのインクの吐出が開始されるまでの、上流側のノズル列22Uのみからインクを吐出する状況におけるノズル列22Uのドロップ数を、サテライト発生度合いが「小」である3ドロップに変更する。
また、制御部5は、上流側のノズル列22Uのドロップ数を変更したラインに対する下流側のノズル列22Dのノズル23から吐出するインクのドロップ数を、1ドロップに変更する。
上述のようなドロップ数の変更を行わず、ノズル列22U,22Dの各ノズル23から2ドロップずつ吐出して各ラインを形成した場合のドットイメージを図13に示す。また、上述のようなドロップ数の変更を行って各ラインを形成した場合のドットイメージを図14に示す。図13、図14において、黒く塗りつぶされたドット61u,62uは、上流側のノズル列22Uから吐出されたインクによるドットを示す。また、斜線ハッチングのドット61d,62dは、下流側のノズル列22Dから吐出されたインクによるドットを示す。
上述した上流側のノズル列22Uのドロップ数の変更により、図13のドット61uより図14のドット62uが大きくなる。これに対し、上述のように下流側のノズル列22Dのドロップ数を変更することで、図13のドット61dより図14のドット62dが小さくなる。このように、上流側のノズル列22Uのドロップ数の変更に応じて下流側のノズル列22Dのドロップ数を変更することで、印刷画像の濃度の変化が抑えられる。
また、制御部5は、領域Ebにおける画像の形成終了直前の、下流側のノズル列22Dのみからインクを吐出する状況におけるノズル列22Dのノズル23から吐出するインクのドロップ数を、ドロップデータにおけるドロップ数よりサテライト発生度合いの小さいドロップ数に変更する。そして、この変更に応じて、制御部5は、上流側のノズル列22Uから吐出するインクのドロップ数を変更する。
例えば、ステップS1で生成されたドロップデータによれば、領域Ebに形成される画像の後端部において、ノズル列22U,22Dの各ノズル23から2ドロップずつ吐出して各ラインを形成する設定であるとする。この場合、上流側のノズル列22Uからのインクの吐出が終了した後、下流側のノズル列22Dからのインクの吐出が終了する。
ここで、前述のように、ドロップ数が2ドロップの場合は、サテライト発生度合いが「大」である。そこで、制御部5は、上流側のノズル列22Uからのインクの吐出が終了した後の、下流側のノズル列22Dのみからインクを吐出する状況におけるノズル列22Dのドロップ数を、サテライト発生度合いが「小」である3ドロップに変更する。
また、制御部5は、下流側のノズル列22Dのドロップ数を変更したラインに対する上流側のノズル列22Uのノズル23から吐出するインクのドロップ数を、1ドロップに変更する。これにより、上述した図14と同様に、印刷画像の濃度の変化が抑えられる。
なお、領域Eaに形成される画像の形成開始直後の、上流側のノズル列22Uのみからインクを吐出する状況におけるノズル列22Uのノズル23から吐出するインクのドロップ数が元々、サテライト発生度合いが「小」のドロップ数である場合、ドロップ数の変更を行う必要はない。領域Ebに形成される画像の形成終了直前の、下流側のノズル列22Dのみからインクを吐出する状況におけるノズル列22Dのノズル23から吐出するインクのドロップ数が元々、サテライト発生度合いが「小」のドロップ数である場合も同様である。
以上のような吐出量調整処理は、各色のドロップデータについて行われる。吐出量調整処理が終了すると、図11のステップS4において、制御部5は、印刷を実行する。
具体的には、制御部5は、モータ16により駆動ローラ12を回転駆動させる。これにより、搬送ベルト11が周回駆動される。また、制御部5は、図示しない給紙部により用紙PAを搬送部2へ給紙させる。そして、制御部5は、搬送部2により搬送される用紙PAに対し、吐出量調整処理後の各色のドロップデータに基づき、インクジェットヘッド3C,3K,3M,3Yのヘッドモジュール21を駆動制御してインクを吐出させる。これにより、用紙PAに画像が形成される。
ステップS2において、調整対象領域に形成される画像はないと判断した場合(ステップS2:NO)、制御部5は、ステップS3を省略してステップS4に進み、印刷を実行する。この際、制御部5は、ステップS1で生成された各色のドロップデータに基づき、インクジェットヘッド3C,3K,3M,3Yのヘッドモジュール21を駆動制御して印刷させる。
以上説明したように、インクジェット印刷装置1では、制御部5は、領域Eaにおける画像の形成開始直後の、上流側のノズル列22Uのみからインクを吐出する状況におけるノズル列22Uのノズル23から吐出するインクの吐出量を、吐出量に応じたサテライトの発生度合いに基づき制御する。また、制御部5は、領域Ebにおける画像の形成終了直前の、下流側のノズル列22Dのみからインクを吐出する状況におけるノズル列22Dのノズル23から吐出するインクの吐出量を、吐出量に応じたサテライトの発生度合いに基づき制御する。これにより、サテライトが気流の影響を受けやすい状況におけるサテライトの発生を抑制できる。この結果、サテライトによる印刷物の汚れを軽減できる。
また、制御部5は、領域Eaにおける画像の形成開始直後の上流側のノズル列22Uのノズル23から吐出するインクの吐出量の制御に応じて、下流側のノズル列22Dのノズル23から吐出するインクの吐出量を制御する。また、制御部5は、領域Ebにおける画像の形成終了直前の下流側のノズル列22Dのノズル23から吐出するインクの吐出量の制御に応じて、上流側のノズル列22Uのノズル23から吐出するインクの吐出量を制御する。これにより、印刷画像の濃度の変化を軽減できる。
本実施の形態では、サテライトの発生度合いを小さくする場合、1画素あたりの吐出量(ドロップ数)が大きくなる。このため、サテライトが少なくなるとともに、主滴が気流の影響を受けにくくなる。この結果、主滴の着弾ずれが抑えられる。
なお、ヘッドモジュール21が有するノズル列の数は、3列以上でもよい。この場合、制御部5は、領域Eaにおける画像の形成開始直後の、最上流のノズル列のみからインクを吐出する状況における最上流のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量を、吐出量に応じたサテライトの発生度合いに基づき制御すればよい。そして、制御部5は、この最上流のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量の制御に応じて、最上流のノズル列より下流側のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量を制御すればよい。また、制御部5は、領域Ebにおける画像の形成終了直前の、最下流のノズル列のみからインクを吐出する状況における最下流のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量を、吐出量に応じたサテライトの発生度合いに基づき制御すればよい。そして、制御部5は、この最下流のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量の制御に応じて、最下流のノズル列より上流側のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量を制御すればよい。
上記実施の形態では、インクのドロップ数により吐出量を調整したが、インク滴の大きさ(液適量)により吐出量を調整するものでもよい。
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
1 インクジェット印刷装置
2 搬送部
3C,3K,3M,3Y インクジェットヘッド
4 ヘッド駆動部
5 制御部
21 ヘッドモジュール
22U,22D ノズル列
23 ノズル
31 サテライト発生度合いテーブル
Ea,Eb 領域
PA 用紙

Claims (2)

  1. エア吸引により用紙を保持して搬送する搬送部と、
    用紙の搬送方向に直交する方向に沿って配置された複数のノズルをそれぞれ有する複数のノズル列が前記搬送方向に沿って配置され、前記ノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドと、
    前記搬送部により用紙を搬送しつつ前記インクジェットヘッドの前記ノズルから用紙にインクを吐出して画像を形成するよう制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、搬送される用紙の先端部の所定領域における画像の形成開始直後の、前記搬送方向における最上流のノズル列のみからインクを吐出する状況における前記最上流のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量、および、搬送される用紙の後端部の所定領域における画像の形成終了直前の、最下流のノズル列のみからインクを吐出する状況における前記最下流のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量を、吐出量に応じたサテライトの発生度合いに基づき制御することを特徴とするインクジェット印刷装置。
  2. 前記制御部は、
    搬送される用紙の先端部の所定領域における画像の形成開始直後の前記最上流のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量の制御に応じて、前記最上流のノズル列より下流側のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量を制御し、
    搬送される用紙の後端部の所定領域における画像の形成終了直前の前記最下流のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量の制御に応じて、前記最下流のノズル列より上流側のノズル列のノズルから吐出するインクの吐出量を制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
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