JP2015024360A - セレン含有水の処理方法およびセレン含有水の処理装置 - Google Patents

セレン含有水の処理方法およびセレン含有水の処理装置 Download PDF

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【課題】生物学的処理方法を利用するセレン含有水の処理において、溶解性セレンを効率的に除去することができるセレン含有水の処理方法を提供する。
【解決手段】滞留時間を12時間未満に制御して、セレン含有水を通性嫌気性条件下および有機物の存在下で多孔質の流動担体に保持された生物汚泥と接触させる生物処理工程を含むセレン含有水の処理方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、セレン含有水中に含まれるセレン酸イオンおよび亜セレン酸イオンのうち少なくとも1つを除去するセレン含有水の処理方法および処理装置に関する。
セレン含有水中において、セレンは通常、セレン酸イオン(SeO4 2-:6価セレン)または亜セレン酸イオン(SeO3 2-:4価セレン)の形態で溶存している。なお、これらのイオンがセレン含有水中に単独で存在することもあるが、通常は、両者が共存している場合が多い。
従来、セレン含有水中に含まれるセレン酸イオンおよび亜セレン酸イオンのうち少なくとも1つ(以下、これらを「溶解性セレン」ということもある)を除去する方法として、下記(1)から(3)の物理化学的処理方法や、(4)の生物学的処理方法等が知られている。
(1)セレン含有水中に含まれる溶解性セレンを樹脂等から構成される吸着材により吸着して除去する方法。
(2)セレン含有水にマグネシウム塩、亜鉛塩、第2鉄塩等の金属塩を添加して、セレンをこれら金属塩との不溶性セレン化合物として分離除去する方法。
(3)溶解性セレンを不溶性の分子状セレン(0価セレン)に還元することができる第1鉄塩をセレン含有水に添加して、溶解性セレンを不溶化した後、生成した不溶化物を沈殿等によって分離除去する方法。
(4)セレン含有水中に含まれる溶解性セレンを通性嫌気性条件(溶存酸素が実質的に存在しない条件)下での嫌気性生物処理によって不溶性の分子状セレンに還元した後、この分子状セレンを微生物に吸着させて微生物と共に分離したり、分子状セレン自体を沈降分離等により分離除去する方法。この方法では、セレン酸イオンはいったん亜セレン酸イオンに還元された後に分子状セレンに還元され、亜セレン酸イオンは分子状セレンに直接還元されると考えられる。
しかしながら、前述した(1)から(3)の方法は、それぞれ次のような問題点を有するものであった。
(1)の吸着法では、処理の良否が共存物質の影響を受けやすく、また吸着材の再生廃液中に含まれる溶解性セレンの処理が問題となる。
(2)の化学的処理法では、4価の亜セレン酸イオンからは不溶性セレン化合物が比較的容易に生成するが、6価のセレン酸イオンからは不溶性セレン化合物が生成しにくく、そのため6価のセレン酸イオンが処理水中に残存し、その結果、全セレン濃度を排水基準値である0.1mg−Se/L以下にまで除去することが難しかった。
(3)の化学的処理法では、セレン酸イオンおよび亜セレン酸イオンの両方を除去することが可能であるが、この方法では第1鉄塩を多量に必要とするとともに、固液分離後の不溶化物(汚泥)が多量に発生するため、ランニングコスト、廃棄物処理コスト等の点で不利であった。
また、これら物理化学的処理方法の共通の問題点としては、処理対象物質(この場合は溶解性セレンを指す)が高濃度の場合と比較して、低濃度の場合には反応効率が低下するという一般的な化学反応の性質から、高濃度の溶解性セレンを含むセレン含有水を処理してセレン濃度を低濃度にまで低減するためには、吸着材や凝集剤の量を増やしたり、反応効率を上げるために多段式処理にしたりする必要があり、コストが非常に高くなることがあった。
(4)の生物学的処理方法では、セレン含有水と生物とを接触させ、溶解性セレンを生物の働きにより不溶性の分子状セレンに還元して、分離除去する。類似の例としては生物脱窒や生物脱硫があり、例えば脱窒菌は、通性嫌気条件(溶存酸素が実質的に存在しない条件)において、水素供与体としての有機物(例えばメタノール等)の存在下で、硝酸性窒素(NO3 -)および亜硝酸性窒素(NO2 -)のうち少なくとも1つの結合酸素(NO3のO、NO2のO)を利用して呼吸を行い、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素のうち少なくとも1つを還元して窒素ガス化することにより、排水中の窒素を除去する。セレン還元菌も、脱窒菌と同様に、通性嫌気条件および水素供与体存在下において、セレン酸イオンおよび亜セレン酸イオンのうち少なくとも1つの結合酸素(SeO4 2-のO、SeO3 2-のO)を利用して呼吸を行うことにより、セレン酸イオンおよび亜セレン酸イオンのうち少なくとも1つを分子状セレンに還元すると考えられる。
(4)の生物学的処理方法では、亜セレン酸イオンと共に、物理化学的方法では除去が困難であるセレン酸イオンを除去することができ、したがって溶解性セレンの大部分を毒性の弱い分子状セレンにできるという利点がある。しかし、この生物学的処理方法では、酸化還元電位(ORP)を−50mV以下にする必要があった(例えば、特許文献1参照)。酸化還元電位が0の場合でも嫌気状態であって、脱窒等の生物汚泥の本来の機能は現われるが、溶解性セレンの還元はほとんど起こらない。したがって、脱窒等が起こるよりもはるかに強い嫌気度とすることにより、溶解性セレンの還元が可能になる。
酸化還元電位を−50mV以下にする方法としては、例えば、有機物の添加量およびセレン含有水の滞留時間のうち少なくとも1つを制御する方法がある。有機物は基質として添加されるもので、通常メタノール等が用いられるが、有機排水等の他の有機物源であってもよい。このような有機物添加量を多くすると酸化還元電位は低くなり、嫌気度が高くなるが、有機物の添加量が反応等量よりも過剰となることがある。
セレン含有水の滞留時間を制御する方法では、セレン含有水の導入量を少なくすることにより滞留時間を長くすると、酸化還元電位が低下し、嫌気度が高くなる。そのため、特許文献1の方法では、滞留時間を12時間から24時間以上と長大にとる必要があった。この場合、滞留時間を長くするには反応槽を大きくする必要が生じ、装置建設コストが大きくなるデメリットがある。
また、セレン含有水中に硫酸塩が存在する場合、酸化還元電位が低下しすぎると硫酸還元により硫化水素が生じるので、脱硫設備を設ける必要が生じる。
特許第3358388号公報
本発明の目的は、生物学的処理方法を利用するセレン含有水の処理において、溶解性セレンを効率的に除去することができるセレン含有水の処理方法および処理装置を提供することにある。
本発明は、滞留時間を12時間未満に制御して、セレン含有水を通性嫌気性条件下および有機物の存在下で多孔質の流動担体に保持された生物汚泥と接触させる生物処理工程を含むセレン含有水の処理方法である。
前記セレン含有水の処理方法において、前記セレン含有水の全セレン濃度が、0.1〜2.0mg−Se/Lの範囲であることが好ましい。
前記セレン含有水の処理方法において、前記セレン含有水が、石炭火力発電所脱硫排水であることが好ましい。
また、本発明は、滞留時間を12時間未満に制御して、セレン含有水を通性嫌気性条件下および有機物の存在下で多孔質の流動担体に保持された生物汚泥と接触させる生物処理手段を備えるセレン含有水の処理装置である。
前記セレン含有水の処理装置において、前記セレン含有水の全セレン濃度が、0.1〜2.0mg−Se/Lの範囲であることが好ましい。
前記セレン含有水の処理装置において、前記セレン含有水が、石炭火力発電所脱硫排水であることが好ましい。
本発明では、生物学的処理方法を利用するセレン含有水の処理において、滞留時間を12時間未満に制御して、セレン含有水を通性嫌気性条件下および有機物の存在下で多孔質の流動担体に保持された生物汚泥と接触させることにより、溶解性セレンを効率的に除去することができる。
本発明の実施形態に係るセレン含有水の処理装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係るセレン含有水の処理装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係るセレン含有水の処理装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係るセレン含有水の処理装置の他の例を示す概略構成図である。 実施例1における処理結果を示す図である。 比較例1における処理結果を示す図である。 比較例2で用いたセレン含有水の処理装置を示す概略構成図である。 比較例2における処理結果を示す図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係るセレン含有水処理装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。図1に示すセレン含有水処理装置1は、多孔質の担体が充填された嫌気性反応槽10を備える。図1のセレン含有水処理装置1において、嫌気性反応槽10の入口には原水配管22が接続され、出口には生物処理水配管24が接続されている。嫌気性反応槽10には、担体を流動させるための撹拌手段として撹拌羽根等を有する撹拌装置14が設置されている。また、嫌気性反応槽10には、酸化還元電位測定手段として酸化還元電位測定装置12が設置され、有機物供給手段として有機物供給槽16がポンプ18を介して有機物配管26により接続されている。酸化還元電位測定装置12とポンプ18とには有機物供給量制御装置20が電気的接続手段等により接続されていてもよい。
本実施形態に係るセレン含有水処理方法およびセレン含有水処理装置1の動作について説明する。
セレン酸イオンおよび亜セレン酸イオンのうち少なくとも1つ(溶解性セレン)を含む原水であるセレン含有水は必要に応じて原水槽へ貯留された後、原水配管22を通して、多孔質の担体が充填された流動床式等の嫌気性反応槽10へ供給される。嫌気性反応槽10において、撹拌装置14により内容物が撹拌されながら、多孔質の担体に付着、保持されたセレン酸還元菌等の生物汚泥によりセレン含有水中に含まれる溶解性セレンが不溶性の分子状セレンに還元される(生物処理工程)。嫌気性反応槽10へ有機物貯槽16からポンプ18により有機物配管26を通して有機物が供給されて、また、嫌気性反応槽10の滞留時間が12時間未満に制御されて、嫌気性反応槽10内の酸化還元電位(ORP)が所定の範囲に調整される。嫌気性反応槽10内の酸化還元電位は酸化還元電位測定装置12により測定され、測定された酸化還元電位値に基づき、制御装置20によりポンプ18が制御されて、有機物の供給量が調整されてもよい。また、測定された酸化還元電位値に基づき、制御装置20により原水の供給量が調整されてもよい。生物処理された生物処理水は、生物処理水配管24を通して処理水として排出される。
本発明者らは、嫌気条件を必要とするセレン還元菌をいかに嫌気性反応槽10内で効率的に働かせることができるか鋭意検討した結果、嫌気性反応槽10における滞留時間を12時間未満に制御して、多孔質の担体にセレン還元菌を含む生物汚泥を付着させ、流動状態で反応させることにより、低濃度の溶解性セレンであっても短時間で効率的に処理可能であることを見出した。また、嫌気性反応槽10内での酸化還元電位が0mV以上となる条件でも、セレン濃度を全セレンとして例えば0.2mg−Se/L以下に安定して低減することが可能であることを見出した。その機構は定かではないが、多孔質の担体表面に発達した生物膜内部に局所的に嫌気部が存在し、生物膜内でセレン還元反応が生じており、この担体が流動することによってセレン含有水との接触効率が高められ、効率的なセレン還元反応を支えていると考えられる。
本実施形態に係るセレン含有水の処理方法は、セレン含有水を多孔質の担体に付着した生物汚泥と嫌気状態で接触させることにより、セレン含有水中の溶解性セレンを還元して無害化する。このときSe6+はSe4+を経てSe0およびSe2-のうち少なくとも1つに還元されるものと推定される。本実施形態において、「嫌気状態」とは酸素をばっ気等の手段によって供給することのない状態を意味し、セレン化合物の還元を阻害しない程度の若干の酸素の混入は許容される。
上記の反応では嫌気状態であるため、生物汚泥が分子状酸素ではなくセレン酸イオンまたは亜セレン酸イオンの形で含まれる結合酸素を用いて電子受容体とし、セレン酸イオンまたは亜セレン酸イオンが還元される。基質としては有機物が用いられ、セレン含有水に含まれていればそのまま利用できるが、含まれていなければ、例えばメタノール等の有機物が別途添加されてもよい。有機物の添加量が増すと嫌気度が増し、酸化還元電位が下がるが、酸化還元電位測定装置12を用いて嫌気性反応槽10内の酸化還元電位が0mVを下回らないよう、有機物の添加量を制御してもよい。
このような方法により、メタノール等の有機物の添加量を削減できるとともに、嫌気性反応槽10内の滞留時間も減らすことができ、より高速での処理が可能となる。
セレン含有水から生物処理によって溶解性セレンを除去する場合に、嫌気性反応槽10内の酸化還元電位を下げるために有機物の添加量やセレン含有水の滞留時間が過大になること、また、酸化還元電位が下がりすぎることで硫酸還元が生じることを防ぎつつ、溶解性セレンを不溶化して除去できるようになる。したがって、有機物の添加量を過剰に要したり、生物処理反応槽を大型にする必要が生じたりすることを防止しつつ、溶解性セレンを効率的に不溶化して除去することができる。
本実施形態では、有機物の添加量およびセレン含有水の滞留時間のうち少なくとも1つを制御することにより、酸化還元電位が好ましくは−40mV以上175mV以下となる条件で、多孔質の担体に保持された生物汚泥とセレン含有水を接触させ、有機物存在下で溶解性セレンを還元することが好ましい。酸化還元電位が−40mV未満であると、有機物の添加量が過剰およびセレン含有水の滞留時間が過剰となり、処理水CODの上昇や硫化水素の発生等の場合があり、175mVを超えると、セレン還元が起きない等の場合がある。
処理対象となるセレン含有水は、セレン酸イオン(SeO4 2-:6価セレン)および亜セレン酸イオン(SeO3 2-:4価セレン)のうち少なくとも1つ(溶解性セレン)を含む排水またはその他の水である。セレン含有水は、溶解性セレンの他に、セレン単体を含んでいてもよい。
セレン含有水中のセレン酸イオンの濃度は、例えば、0.1〜10mg−Se/Lの範囲であり、亜セレン酸イオンの濃度は、例えば、0.1〜10mg−Se/Lの範囲であるが、これらの範囲に限定されるものではない。特に、溶解性セレンを全セレンとして例えば0.1〜2.0mg−Se/Lの範囲、好ましくは0.1〜1.0mg−Se/Lの範囲の濃度で含むセレン含有水を処理する場合に好適に適用される。
処理対象となるセレン含有水としては、例えば、金属精錬工業排水、ガラス工業排水、火力発電所排水、鉱山排水、化学工業排水、および石炭、石油または燃焼排ガス処理プロセスの排水等が挙げられる。本実施形態に係るセレン含有水処理方法および処理装置は、特に、石炭火力発電所脱硫排水に好適に適用される。これらのセレン含有水中にはセレン化合物以外に有機物、窒素化合物、硫酸塩等が含まれていてもよい。
有機物としては、メタノールの他に、例えば、エタノール、酢酸、ギ酸等が挙げられ、臭気や取扱い、価格等の点から、メタノールが好ましい。
嫌気性反応槽10における滞留時間は、12時間未満であるが、1時間〜6時間の範囲が好ましい。嫌気性反応槽10における滞留時間が1時間未満であると、還元反応が進まない場合があり、12時間を超えると、過剰となる。嫌気性反応槽10における滞留時間の制御は、例えば、嫌気性反応槽10の内容積、嫌気性反応槽10への原水の供給量等の調整等によって行われ、この場合、原水の供給量の制御装置等が制御手段として機能する。
多孔質の担体としては、ポリビニルアルコール等の親水性ゲルの担体、ポリウレタンスポンジ、ポリオレフィン系樹脂発泡体等が挙げられ、沈降、流動性等の点から親水性ゲルの担体が好ましい。
多孔質の担体の粒径は、3mm以上5mm以下の範囲であることが好ましい。多孔質の担体の粒径が3mm未満であると、スクリーン等の流出対策措置を通過して担体が流出してしまう場合があり、5mmを超えると、比表面積が低下して微生物保持量が減るとともに流動性も低下し、処理能力が低下する場合がある。
多孔質の担体の比重は、嫌気性反応槽10内において良好な流動状態とするために、0.1以上1.2以下の範囲であることが好ましい。多孔質の担体の比重が0.1未満であると、浮上して流動しない場合があり、1.2を超えると、沈降したまま流動しない場合がある。
本実施形態において、嫌気性反応槽10の後段に、添加した有機物を除去する目的で酸化槽を設けてもよい。本実施形態に係るセレン含有水処理装置の他の例の概略を図2に示す。図2に示すセレン含有水処理装置3は、図1の構成に加えて、嫌気性反応槽10の後段に、酸化槽28を備える。セレン含有水処理装置3において、酸化槽28には、送気装置30が設置されている。嫌気性反応槽10の出口と酸化槽28の入口は生物処理水配管24により接続され、酸化槽28には酸化処理水配管32が接続されている。
原水であるセレン含有水は、図1のセレン含有水処理装置1と同様にして嫌気性反応槽10において生物処理が行われた(生物処理工程)後、嫌気性反応槽10から生物処理水配管24を通して酸化槽28に送液される。酸化槽28において、送気装置30から空気等の酸素含有気体が吹き込まれ、酸化的条件下で余剰の有機物が除去される(酸化工程)。酸化槽28内の生物は担体を用いて担持させてもよいし、浮遊式の活性汚泥でもよい。酸化処理された酸化処理水は、酸化処理水配管32を通して処理水として排出される。
本実施形態において、セレン含有水が溶解性セレンとともに硝酸および亜硝酸のうち少なくとも1つを含む場合は、嫌気性反応槽10の前段に脱窒槽を設けてもよい。図3に示すセレン含有水処理装置5は、図2の構成に加えて、嫌気性反応槽10の前段に、脱窒槽34を備える。脱窒槽34には、撹拌羽根等を有する撹拌装置36が設置されている。セレン含有水処理装置5において、脱窒槽34の入口には原水配管38が接続され、脱窒槽34の出口と嫌気性反応槽10の入口は脱窒処理水配管40により接続されている。
原水であるセレン含有水は、必要に応じて原水槽へ貯留された後、原水配管38を通して、嫌気性反応槽10と同様に多孔質の担体が充填された流動床式等の脱窒槽34へ供給される。脱窒槽34において、多孔質の担体に脱窒菌を担持させてメタノール等の有機物を添加して脱窒反応させればよい(脱窒工程)。脱窒処理された脱窒処理水は、脱窒処理水配管40を通して嫌気性反応槽10へ送液され、図2のセレン含有水処理装置3と同様にして、嫌気性反応槽10において生物処理が行われた(生物処理工程)後、酸化槽28において、酸化的条件下で余剰の有機物が除去される(酸化工程)。
本実施形態において、セレン含有水がさらにアンモニアを含む場合には、脱窒槽34の前段に硝化槽を設けてもよい。図4に示すセレン含有水処理装置7は、図3の構成に加えて、脱窒槽34の前段に、硝化槽42を備える。硝化槽42には、送気装置44が設置されている。セレン含有水処理装置7において、硝化槽42の入口には原水配管46が接続され、硝化槽42の出口と脱窒槽34の入口は硝化処理水配管48により接続されている。
原水であるセレン含有水は、必要に応じて原水槽へ貯留された後、原水配管46を通して硝化槽42へ送液され、硝化槽42においてアンモニアが反応し、硝酸が生成する(硝化工程)。硝化処理された硝化処理水は、硝化処理水配管48を通して脱窒槽34へ送液され、図3のセレン含有水処理装置5と同様にして、脱窒槽34において脱窒処理され(脱窒工程)、嫌気性反応槽10において生物処理が行われた(生物処理工程)後、酸化槽28において、酸化的条件下で余剰の有機物が除去される(酸化工程)。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
図1に示すセレン含有水処理装置1を用い、6価のセレン酸イオンを約1.0mg/L、硝酸態窒素を37〜56mg−N/L含む模擬排煙脱硫排水を嫌気性処理によりセレンの還元を行った。有機物源としてメタノールを添加した。硝酸態窒素に対するメタノールの添加比率は2.5g/gN以下であり、嫌気性反応槽における滞留時間を1〜1.1時間に制御した。嫌気性反応槽では無機アンモニア処理装置の活性汚泥を種汚泥として、多孔質の担体として親水性ゲル担体(材質:ポリビニルアルコール、粒径4mm)を水槽容積比で20%充填して嫌気性処理を行った。結果を図5に示す。図5に示すように、嫌気性処理槽の酸化還元電位(ORP)は−22〜+175mVであり、処理水中のセレン濃度はICP−MSにて測定し、全セレンとして0.2mg−Se/L以下の範囲で安定して処理することができた。
<比較例1>
実施例1と同様の条件で嫌気性反応槽への通水流量を減らして滞留時間を12時間超である30時間として嫌気性処理を行った。このとき、硝酸態窒素に対するメタノールの添加比率は3.0g/gN以上であり、脱窒反応等量として過剰であった。結果を図6に示す。図6に示すように、嫌気性処理槽の酸化還元電位は−60〜−202mVであり、処理水中のセレン濃度は全セレンとして0.2mg−Se/L以下の範囲で安定して処理することができたが、処理性能は実施例1と比べて大きな差異はなかった。
<比較例2>
図7に示すセレン含有水処理装置9を用い、実施例1と同様の条件で親水性ゲル担体を用いずに、浮遊式活性汚泥の条件で嫌気性処理を行った。図7のセレン含有水処理装置9において、生物処理水配管24が沈殿槽50の入口に接続され、沈殿処理水配管52が沈殿槽50の上部の処理水出口に接続され、沈殿槽50の下部の汚泥出口と嫌気性反応槽10とが汚泥返送配管54によりポンプ56を介して接続されている。滞留時間は12時間であった。電力排煙脱硫排水処理装置の活性汚泥を種汚泥とし、MLSS 4000mg/Lで処理を行った。結果は図8に示すように処理槽内のORPは−200〜+40mVであり、処理水中のセレン濃度は全セレンとして0.2〜1.0mg/Lの範囲で不安定であった。
このように、実施例1では、生物学的処理方法を利用するセレン含有水の処理において、滞留時間を12時間未満に制御して、セレン含有水を通性嫌気性条件下および有機物の存在下で多孔質の流動担体に保持された生物汚泥と接触させることにより、溶解性セレンを効率的に除去することができた。
1,3,5,7,9 セレン含有水処理装置、10 嫌気性反応槽、12 酸化還元電位測定装置、14,36 撹拌装置、16 有機物供給槽、18,56 ポンプ、20 有機物供給量制御装置、22,38,46 原水配管、24 生物処理水配管、26 有機物配管、28 酸化槽、30,44 送気装置、32 酸化処理水配管、34 脱窒槽、40 脱窒処理水配管、42 硝化槽、48 硝化処理水配管、50 沈殿槽、52 沈殿処理水配管、54 汚泥返送配管。

Claims (6)

  1. 滞留時間を12時間未満に制御して、セレン含有水を通性嫌気性条件下および有機物の存在下で多孔質の流動担体に保持された生物汚泥と接触させる生物処理工程を含むことを特徴とするセレン含有水の処理方法。
  2. 請求項1に記載のセレン含有水の処理方法であって、
    前記セレン含有水の全セレン濃度が、0.1〜2.0mg−Se/Lの範囲であることを特徴とするセレン含有水の処理方法。
  3. 請求項1または2に記載のセレン含有水の処理方法であって、
    前記セレン含有水が、石炭火力発電所脱硫排水であることを特徴とするセレン含有水の処理方法。
  4. 滞留時間を12時間未満に制御して、セレン含有水を通性嫌気性条件下および有機物の存在下で多孔質の流動担体に保持された生物汚泥と接触させる生物処理手段を備えることを特徴とするセレン含有水の処理装置。
  5. 請求項4に記載のセレン含有水の処理装置であって、
    前記セレン含有水の全セレン濃度が、0.1〜2.0mg−Se/Lの範囲であることを特徴とするセレン含有水の処理装置。
  6. 請求項4または5に記載のセレン含有水の処理装置であって、
    前記セレン含有水が、石炭火力発電所脱硫排水であることを特徴とするセレン含有水の処理装置。
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