JP2015021088A - 脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明で用いる環状エステルとしては、α−ヒドロキシカルボン酸の二量体環状エステル及びラクトンが好ましい。二量体環状エステルを形成するα−ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、L−及び/またはD−乳酸、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸、α−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、α−ヒドロキシヘプタン酸、α−ヒドロキシオクタン酸、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシミリスチン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、及びこれらのアルキル置換体などを挙げることができる。
本発明法においては、上記した環状エステルを、スズ化合物触媒、開始剤(分子量調節剤)および助触媒としてのスルホン酸化合物の存在下に塊状開環重合させることにより、脂肪族ポリエステルを製造する。
本発明においては、従来より環状エステルの開環重合触媒として広く用いられている金属化合物の中でも、重合活性、安全性、モノマーへの溶解性等の点で優れるスズ化合物が用いられる。スズ化合物の例としては、二塩化スズ、四塩化スズ等のハロゲン化スズ;オクタン酸スズ、酢酸スズ等の有機酸スズ;エトキシスズ、ブトキシスズ、等のアルコキシスズ化合物;等があげられる。中でも、活性、モノマーへの溶解性等の観点で、二塩化スズ、四塩化スズ等のハロゲン化スズおよびオクタン酸スズ、酢酸スズ等の有機酸スズが好ましく、特に二塩化スズあるいはその水和物が最も好ましく用いられる。必要に応じて酸化等により、2価スズの一部を4価状態に変化させたものも好ましく用いられる。
開始剤(分子量調節剤)としては、水、ブタノール、ドデシルアルコール(ラウリルアルコール)等の一価アルコール、好ましくは一価の高級アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリンなどの多価アルコール等が用いられる。
本発明においては、スズ化合物触媒と組み合わせて、助触媒として、スルホン酸化合物を用いる。スルホン酸化合物の例としては、ベンゼンスルホン酸、n−ブチルベンゼンスルホン酸、n−オクチルベンゼンスルホン酸、n−ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジブチルベンゼンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、5−アミノ−2−メチルベンゼンスルホン酸、3,5−ジアミノ−2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸、p−クロルベンゼンスルホン酸、 2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、クメンスルホン酸、キシレンスルホン酸、o−クレゾールスルホン酸、m−クレゾールスルホン酸、p−クレゾールスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、イソプロピルナフタレンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタンレンジスルホン酸、4,4−ビフェニルジスルホン酸、アントラキノン−2−スルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、2,5−ジアミノ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、 アニリン−2,4−ジスルホン酸、アントラキノン−1,5−ジスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸などの芳香族スルホン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、n−オクチルスルホン酸、ペンタデシルスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸などの脂肪族スルホン酸;シクロペンタンスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸およびカンファースルホン酸などの脂環式スルホン酸などが挙げられる。なかでも、活性、熱安定性等の理由により、p−トルエンスルホン酸、等の芳香族スルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸が、好ましく用いられる。
上記した、スズ化合物触媒、重合開始剤およびスルホン酸化合物は、それぞれ単独で重合系に添加することもできるが、重合系への均一分散を促進するために、予め特に触媒に対する溶解能を有する適宜の有機溶媒より、希釈したのち重合系に添加することも好ましい。本発明の環状エステルの開環重合は、回分系あるいは連続系のいずれによっても実現可能であるが、連続系の場合には、特に有機溶媒による希釈液の添加が好ましい。有機溶媒としては、保管中ならびに重合装置への供給条件で揮発による触媒の濃度変化を起さないよう沸点が50℃以上のものが好ましい。このような有機溶媒の例としては、酢酸メチル(沸点56.9℃)、酢酸エチル(沸点77℃)などのエステル系溶媒;ジオキサン(沸点101.1℃)などのエーテル系溶媒;アセトン(沸点56.5℃)、メチルエチルケトン(沸点79.5℃)などのケトン系溶媒;などが挙げられる。
反応混合物中のモノマー含有量を測定し、重合反応率として算出した。またモノマー含有量測定のために、サンプル約50mgに、内部標準物質の4−クロロベンゾフェノンを0.2g/lの濃度で溶解したジメチルスルホキシド(DMSO)2gを加え、160℃で約3分間加熱して溶解させ、室温まで冷却した後、濾過を行った。その濾液を1μl採取し、ガスクロマトグラフィー(GC)装置に注入して測定した。
<GC条件>
装置:(株)島津製作所製「GC−2010」
カラム:「TC−17」、0.25mmφ×30m
カラム温度:150℃5分間保持、20℃/分で270℃まで昇温、270℃3分間保持
気化室温度:180℃
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)、温度:300℃。
重合が進行し、ほぼ反応物が粘性を持ち始める時点(重合開始からグリコリドについては60分、L−ラクチドについては6時間)の重合反応率を初期反応率とし、この時点から30分毎に重合反応率を測定し、反応率が変化しなくなる重合開始からの時間を、反応終了時間として記録した。
−d[M]/dt=kp[M] (1)
より具体的には、反応開始からグリコリドについては15分まで、L−ラクチドについては60分までの期間に数回のサンプリングを行い、測定モノマー濃度[M]に基づいて、反応時間に対する―ln([M]/[M]0)(ここで[M]0:初期モノマー濃度)をプロットし、そのプロットの傾きより(初期)反応速度定数kpを求めた。
サンプル約10mgをDMSO0.5mlで160℃において加熱溶解し、室温まで冷却した。その溶液をヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)で10mlにメスアップし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置に注入して分子測定した。測定された分子量分布に基づき、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求めた。
<GPC条件>
装置:昭和電工(株)製「ShodexGPC−104」
カラム:「HFIP−606M」(2本)、プレカラム:「HFIP−G」(1本)を直列接続
カラム温度:40℃
溶離液:5mMトリフルオロ酢酸ナトリウム/HFIP中溶液
流速:0.6ml/min
検出器:RI(示差屈折率検出器)
分子量決定基準物質:標準ポリメタクリル酸メチル(昭和電工(株)製、分子量195.0万、65.9万、21.8万、5.0万、2.1万、0.7万及び0.2万)。
サンプル樹脂10mgを熱重量分析装置(TGA)に入れ、窒素を40cc(標準状態)/分の割合で流しながら260℃で、60分間保持した前後の重量変化により、下式により熱重量保持率(%)を計算し、評価した。
熱重量保持率(%)=(加熱後重量/加熱前重量)×100。
なお、重合後の経時変化による測定結果のばらつきを避けるために、(3)分子量及び(4)熱安定性、の測定には重合後、温度23±1℃且つ露点−50℃以下の低湿度環境下で保存し、測定直前に取り出したサンプル樹脂を使用した。
グリコリド100重量部に対して、 触媒として二塩化スズ0.015重量部、重合開始剤としてエチレングリコール0.1重量部、助触媒としてパラトルエンスルホン酸を触媒に対してモル比0.1の量で重合容器に仕込んだ。仕込み内容物を、170℃の加熱条件下で保持し、前述の方法により、60分後反応率および最終反応時間ならびに(初期)反応速度定数を求めた。
結果を以下の実施例、比較例の結果とまとめて、後記表1に示す。
助触媒/触媒モル比を0.5に変更する以外は、実施例1の操作を繰り返した。
助触媒/触媒モル比を1に変更する以外は、実施例1の操作を繰り返した。
助触媒/触媒モル比を2に変更する以外は、実施例1の操作を繰り返した。
助触媒/触媒モル比を5に変更する以外は、実施例1の操作を繰り返した。
助触媒としてメタンスルホン酸を用いる以外は、実施例3の操作を繰り返した。
触媒としてオクタン酸スズ(II)0.0027重量部を用いる以外は、実施例3の操作を繰り返した。
助触媒を用いない以外は、実施例1の操作を繰り返した。
助触媒として、特許文献2で用いられるトリフェニルホスフィンを用いる以外は、実施例3の操作を繰り返した。
助触媒を用いない以外は、実施例6の操作を繰り返した。
(実施例7)
L-ラクチド100重量部に対して、 触媒としてオクタン酸スズ0.054重量部、重合開始剤としてエチレングリコール0.1重量部、助触媒としてパラトルエンスルホン酸を触媒に対してモル比1の量で重合容器に仕込んだ。仕込み内容物を、180℃の加熱条件下で保持して重合を進め、前記の方法により、初期反応速度定数、6時間後反応率および最終反応時間を求めた。
助触媒を用いない以外は、実施例7の操作を繰り返した。
上記実施例3及び比較例1で反応終了後に得られたポリマーについて、それぞれ上記した方法により初期分子量測定ならびに熱安定性試験(熱重量保持率測定)を行った。結果をまとめて次表3に示す。
実施例3および5のいずれにおいても、二塩化スズを用いずに助触媒のみを用いた場合には、重合はほとんど進行しなかった。
触媒として、二塩化スズの代わりに塩化亜鉛(II)を用いる以外は、助触媒を用いずに、比較例1の操作を繰り返した。
触媒として、二塩化スズの代わりに塩化亜鉛(II)を用いる以外は、実施例3の操作を繰り返した。
触媒として、二塩化スズの代わりに塩化ジルコニウム(II)を用いる以外は、助触媒を用いずに、比較例1の操作を繰り返した。
触媒として、二塩化スズの代わりに塩化ジルコニウム(II)を用いる以外は、実施例3の操作を繰り返した。
触媒として、二塩化スズの代わりにジルコニウム(II)アセチルアセトナートを用いる以外は、助触媒を用いずに、比較例1の操作を繰り返した。
触媒として、二塩化スズの代わりにジルコニウム(II)アセチルアセトナートを用いる以外は、実施例3の操作を繰り返した。
本発明で用いる環状エステルとしては、α−ヒドロキシカルボン酸の二量体環状エステル及びラクトンが好ましい。二量体環状エステルを形成するα−ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、L−及び/またはD−乳酸、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸、α−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、α−ヒドロキシヘプタン酸、α−ヒドロキシオクタン酸、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシミリスチン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、及びこれらのアルキル置換体などを挙げることができる。
本発明法においては、上記した環状エステルを、スズ化合物触媒、開始剤(分子量調節剤)および助触媒としてのスルホン酸化合物の存在下に塊状開環重合させることにより、脂肪族ポリエステルを製造する。
本発明においては、従来より環状エステルの開環重合触媒として広く用いられている金属化合物の中でも、重合活性、安全性、モノマーへの溶解性等の点で優れるスズ化合物が用いられる。スズ化合物の例としては、二塩化スズ、四塩化スズ等のハロゲン化スズ;オクタン酸スズ、酢酸スズ等の有機酸スズ;エトキシスズ、ブトキシスズ、等のアルコキシスズ化合物;等があげられる。中でも、活性、モノマーへの溶解性等の観点で、二塩化スズ、四塩化スズ等のハロゲン化スズおよびオクタン酸スズ、酢酸スズ等の有機酸スズが好ましく、特に二塩化スズあるいはその水和物が最も好ましく用いられる。必要に応じて酸化等により、2価スズの一部を4価状態に変化させたものも好ましく用いられる。
開始剤(分子量調節剤)としては、水、ブタノール、ドデシルアルコール(ラウリルアルコール)等の一価アルコール、好ましくは一価の高級アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリンなどの多価アルコール等が用いられる。
本発明においては、スズ化合物触媒と組み合わせて、助触媒として、スルホン酸化合物を用いる。スルホン酸化合物の例としては、ベンゼンスルホン酸、n−ブチルベンゼンスルホン酸、n−オクチルベンゼンスルホン酸、n−ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,5−ジブチルベンゼンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、5−アミノ−2−メチルベンゼンスルホン酸、3,5−ジアミノ−2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸、p−クロルベンゼンスルホン酸、 2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、クメンスルホン酸、キシレンスルホン酸、o−クレゾールスルホン酸、m−クレゾールスルホン酸、p−クレゾールスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、イソプロピルナフタレンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタンレンジスルホン酸、4,4−ビフェニルジスルホン酸、アントラキノン−2−スルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、2,5−ジアミノ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、 アニリン−2,4−ジスルホン酸、アントラキノン−1,5−ジスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸などの芳香族スルホン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、n−オクチルスルホン酸、ペンタデシルスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸などの脂肪族スルホン酸;シクロペンタンスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸およびカンファースルホン酸などの脂環式スルホン酸などが挙げられる。なかでも、活性、熱安定性等の理由により、p−トルエンスルホン酸、等の芳香族スルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸が、好ましく用いられる。
上記した、スズ化合物触媒、重合開始剤およびスルホン酸化合物は、それぞれ単独で重合系に添加することもできるが、重合系への均一分散を促進するために、予め特に触媒に対する溶解能を有する適宜の有機溶媒より、希釈したのち重合系に添加することも好ましい。本発明の環状エステルの開環重合は、回分系あるいは連続系のいずれによっても実現可能であるが、連続系の場合には、特に有機溶媒による希釈液の添加が好ましい。有機溶媒としては、保管中ならびに重合装置への供給条件で揮発による触媒の濃度変化を起さないよう沸点が50℃以上のものが好ましい。このような有機溶媒の例としては、酢酸メチル(沸点56.9℃)、酢酸エチル(沸点77℃)などのエステル系溶媒;ジオキサン(沸点101.1℃)などのエーテル系溶媒;アセトン(沸点56.5℃)、メチルエチルケトン(沸点79.5℃)などのケトン系溶媒;などが挙げられる。
反応混合物中のモノマー含有量を測定し、重合反応率として算出した。またモノマー含有量測定のために、サンプル約50mgに、内部標準物質の4−クロロベンゾフェノンを0.2g/lの濃度で溶解したジメチルスルホキシド(DMSO)2gを加え、160℃で約3分間加熱して溶解させ、室温まで冷却した後、濾過を行った。その濾液を1μl採取し、ガスクロマトグラフィー(GC)装置に注入して測定した。
<GC条件>
装置:(株)島津製作所製「GC−2010」
カラム:「TC−17」、0.25mmφ×30m
カラム温度:150℃5分間保持、20℃/分で270℃まで昇温、270℃3分間保持
気化室温度:180℃
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)、温度:300℃。
重合が進行し、ほぼ反応物が粘性を持ち始める時点(重合開始からグリコリドについては60分、L−ラクチドについては6時間)の重合反応率を初期反応率とし、この時点から30分毎に重合反応率を測定し、反応率が変化しなくなる重合開始からの時間を、反応終了時間として記録した。
−d[M]/dt=kp[M] (1)
より具体的には、反応開始からグリコリドについては15分まで、L−ラクチドについては60分までの期間に数回のサンプリングを行い、測定モノマー濃度[M]に基づいて、反応時間に対する―ln([M]/[M]0)(ここで[M]0:初期モノマー濃度)をプロットし、そのプロットの傾きより(初期)反応速度定数kpを求めた。
サンプル約10mgをDMSO0.5mlで160℃において加熱溶解し、室温まで冷却した。その溶液をヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)で10mlにメスアップし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置に注入して分子測定した。測定された分子量分布に基づき、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求めた。
<GPC条件>
装置:昭和電工(株)製「ShodexGPC−104」
カラム:「HFIP−606M」(2本)、プレカラム:「HFIP−G」(1本)を直列接続
カラム温度:40℃
溶離液:5mMトリフルオロ酢酸ナトリウム/HFIP中溶液
流速:0.6ml/min
検出器:RI(示差屈折率検出器)
分子量決定基準物質:標準ポリメタクリル酸メチル(昭和電工(株)製、分子量195.0万、65.9万、21.8万、5.0万、2.1万、0.7万及び0.2万)。
サンプル樹脂10mgを熱重量分析装置(TGA)に入れ、窒素を40cc(標準状態)/分の割合で流しながら260℃で、60分間保持した前後の重量変化により、下式により熱重量保持率(%)を計算し、評価した。
熱重量保持率(%)=(加熱後重量/加熱前重量)×100。
なお、重合後の経時変化による測定結果のばらつきを避けるために、(3)分子量及び(4)熱安定性、の測定には重合後、温度23±1℃且つ露点−50℃以下の低湿度環境下で保存し、測定直前に取り出したサンプル樹脂を使用した。
グリコリド100重量部に対して、 触媒として二塩化スズ0.015重量部、重合開始剤としてエチレングリコール0.1重量部、助触媒としてパラトルエンスルホン酸を触媒に対してモル比0.1の量で重合容器に仕込んだ。仕込み内容物を、170℃の加熱条件下で保持し、前述の方法により、60分後反応率および最終反応時間ならびに(初期)反応速度定数を求めた。
結果を以下の実施例、比較例の結果とまとめて、後記表1に示す。
助触媒/触媒モル比を0.5に変更する以外は、実施例1の操作を繰り返した。
助触媒/触媒モル比を1に変更する以外は、実施例1の操作を繰り返した。
助触媒/触媒モル比を2に変更する以外は、実施例1の操作を繰り返した。
助触媒/触媒モル比を5に変更する以外は、実施例1の操作を繰り返した。
助触媒としてメタンスルホン酸を用いる以外は、実施例3の操作を繰り返した。
触媒としてオクタン酸スズ(II)0.0027重量部を用いる以外は、実施例3の操作を繰り返した。
助触媒を用いない以外は、実施例1の操作を繰り返した。
助触媒として、特許文献9で用いられるトリフェニルホスフィンを用いる以外は、実施例3の操作を繰り返した。
助触媒を用いない以外は、実施例6の操作を繰り返した。
(実施例7)
L-ラクチド100重量部に対して、 触媒としてオクタン酸スズ0.054重量部、重合開始剤としてエチレングリコール0.1重量部、助触媒としてパラトルエンスルホン酸を触媒に対してモル比1の量で重合容器に仕込んだ。仕込み内容物を、180℃の加熱条件下で保持して重合を進め、前記の方法により、初期反応速度定数、6時間後反応率および最終反応時間を求めた。
助触媒を用いない以外は、実施例7の操作を繰り返した。
上記実施例3及び比較例1で反応終了後に得られたポリマーについて、それぞれ上記した方法により初期分子量測定ならびに熱安定性試験(熱重量保持率測定)を行った。結果をまとめて次表3に示す。
実施例3および5のいずれにおいても、二塩化スズを用いずに助触媒のみを用いた場合には、重合はほとんど進行しなかった。
触媒として、二塩化スズの代わりに塩化亜鉛(II)を用いる以外は、助触媒を用いずに、比較例1の操作を繰り返した。
触媒として、二塩化スズの代わりに塩化亜鉛(II)を用いる以外は、実施例3の操作を繰り返した。
触媒として、二塩化スズの代わりに塩化ジルコニウム(II)を用いる以外は、助触媒を用いずに、比較例1の操作を繰り返した。
触媒として、二塩化スズの代わりに塩化ジルコニウム(II)を用いる以外は、実施例3の操作を繰り返した。
触媒として、二塩化スズの代わりにジルコニウム(II)アセチルアセトナートを用いる以外は、助触媒を用いずに、比較例1の操作を繰り返した。
触媒として、二塩化スズの代わりにジルコニウム(II)アセチルアセトナートを用いる以外は、実施例3の操作を繰り返した。
Claims (5)
- 触媒としてのスズ化合物、重合開始剤および助触媒としてのスルホン酸化合物の存在下に、環状エステルを開環重合することを特徴とする脂肪族ポリエステルの製造方法。
- 前記スズ化合物が二塩化スズ及びオクタン酸スズから選択される少なくとも1種である請求項1に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
- 前記重合開始剤がアルコール類である請求項1または2に記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
- 前記スルホン酸化合物がメタンスルホン酸またはパラトルエンスルホン酸である請求項1〜3のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
- 前記環状エステルがグリコリド及びラクチドの少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
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