JP2015021013A - 難燃性フッ素樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐溶剤性、低誘電性、低表面エネルギー性、非粘着性、耐候性等に優れ、かつ、耐難燃性に優れる難燃性フッ素樹脂組成物を提供する。【解決手段】テトラフルオロエチレン又はフッ化ビニリデンに基づく構成単位を含有する含フッ素重合体及び燃焼時に高分子材料の表面に表面膨張層を形成し易くして高分子材料に難燃性を付与するポリリン酸アンモニウム系難燃剤を含有する。これにより、含フッ素重合体の耐溶剤性、低誘電性、低表面エネルギー性、非粘着性、耐候性等に加え、耐難燃性を有する難燃性フッ素樹脂組成物を実現する。【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性フッ素樹脂組成物に関する。
フッ素樹脂は、耐溶剤性、低誘電性、低表面エネルギー性、非粘着性、耐候性等に優れていることから、汎用のプラスチックスでは使用できない種々の用途に用いられている。その一方で、材料価格が高く、同等の性能を有する安価な材料の提案が望まれている。このような場合、他の安価な非フッ素樹脂等をブレンドすることにより、性能を維持したまま安価な材料を得ることが産業上望ましいと考えられる。
ところで、フッ素樹脂の特異的な特性から、一部の限られた非フッ素樹脂とフッ素樹脂との組合せがブレンドに適することが知られている。その代表例が、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVDFという。)又はその共重合体(以下、VDF共重合体という。)とポリメチルメタクリレート(以下、PMMAという。)の組み合せである。特に、PVDFとPMMAは、広い範囲の混合組成比において相容性を示し、PMMAの添加によりPVDFの欠点である造膜性や加工性などが改良される。また、PVDF以外のフッ素樹脂に対しても、PMMAに代表されるアクリル系材料は、組み合わせの相手がPVDFのときほどの相容性を示さないまでも、比較的よい混和性を示す。これまでに、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(以下、ETFEという)の溶融加工性の改良などの観点から、少量のPMMA等をブレンドする試みがなされている(例えば、特許文献1参照)。また、PMMAの成形性を向上するため、少量のETFEを添加して得た成形体も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
ところが、PMMA等の非フッ素系材料をフッ素樹脂にブレンドして得た材料はもともとのフッ素樹脂の有する特徴を失う傾向がみられる。特に難燃性・耐燃焼性が低下することから、その改良が求められていた。
特開昭60-72951号公報 特表2002-544359号公報
本発明の目的は、耐溶剤性、低誘電性、低表面エネルギー性、非粘着性、耐候性等に優れ、かつ、耐難燃性に優れる難燃性フッ素樹脂組成物を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態は、難燃性フッ素樹脂組成物であって、テトラフルオロエチレン又はフッ化ビニリデンに基づく構成単位を含有する含フッ素重合体及びポリリン酸アンモニウム系難燃剤を含有することを特徴とする。
上記ポリリン酸アンモニウム系難燃剤中のリンの含有量は13〜17質量%、窒素の含有量は20〜25質量%であることが好ましい。
また、上記ポリリン酸アンモニウム系難燃剤の5%熱分解温度は230℃以上であることが好ましい。
また、上記ポリリン酸アンモニウム系難燃剤の含有量は含フッ素重合体の100体積部に対して5〜50体積部であることが好ましい。
また、上記難燃性フッ素樹脂組成物中の含フッ素重合体の含有量は40〜90体積%であることが好ましい。
また、上記難燃性フッ素樹脂組成物が、さらに、ポリメチルメタクリレートを含有することが好ましい。
また、上記含フッ素重合体とポリメチルメタクリレートとの体積比(含フッ素重合体/PMMA)は90/10〜40/60であることが好ましい。
本発明によれば、耐溶剤性、低誘電性、低表面エネルギー性、非粘着性、耐候性等に優れ、かつ耐難燃性に優れる難燃性フッ素樹脂組成物を実現できる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を説明する。
本発明にかかる難燃性フッ素樹脂組成物は、テトラフルオロエチレン(以下、TFEという。)又はフッ化ビニリデン(以下、VDFという。)に基づく構成単位を含有する含フッ素重合体及びポリリン酸アンモニウム系難燃剤を含有することを特徴とする。
上記TFE又はVDFに基づく構成単位を含有する含フッ素重合体としては、ETFE、PVDF(単独重合体)、VDF共重合体などが挙げられる。これらの含フッ素重合体は、溶融成形可能で、水素原子を含有するフッ素樹脂である。
上記ETFEは、TFEに基づく構成単位とエチレンに基づく構成単位を含有する。TFEに基づく構成単位/エチレンに基づく構成単位のモル比は、20/80〜80/20が好ましく、30/70〜70/30がより好ましく、40/60〜60/40が最も好ましい。
なお、ETFEは、TFEおよびエチレンに基づく構成単位の他に、他の単量体に基づく構成単位を含んでいてもよい。他の単量体としては、例えば、CF=CFCl、CF=CH等のフルオロエチレン類(TFEを除く。);ヘキサフルオロプロピレン(以下、HFPという。)、オクタフルオロブテン−1等の炭素数3〜5のペルフルオロオレフィン類;X(CFCY=CH(ここで、X、Yは、水素原子又はフッ素原子であり、nは2〜8の整数を示す)で表されるポリフルオロアルキルエチレン類;ROCFX(CFOCF=CF(ただし、Rは、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基、Xは、フッ素原子またはトリフルオロメチル基、mは、0〜5の整数を表す。)等のペルフルオロビニルエーテル類;CHOC(=O)CFCFCFOCF=CF、FSOCFCFOCF(CF)CFOCF=CF等の容易にカルボン酸基またはスルホン酸基に変換可能な基を有するペルフルオロビニルエーテル類;CF=CFOCFCF=CF、CF=CFO(CFCF=CF等の不飽和結合を有するペルフルオロビニルエーテル類;ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジオキソール、ペルフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)等の脂肪族環構造を有する含フッ素モノマー類;プロピレン等の炭素数3のオレフィン、ブチレン、イソブチレン等の炭素数4のオレフィン等のオレフィン類(エチレンを除く。)が挙げられる。
上記X(CFCY=CHで表されるポリフルオロアルキルエチレン類において、nは2〜6が好ましく、2〜4がより好ましい。その具体例としては、CFCFCH=CH、CF(CFCH=CH、CF(CFCH=CH、CFCFCFCF=CHなどが挙げられる。
また、上記ペルフルオロビニルエーテル類の具体例としては、ペルフルオロ(メチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(エチルビニルエーテル)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(以下、PPVEという。)、CF=CFOCFCF(CF)O(CFCF、CF=CFO(CFO(CFCF、CF=CFO(CFCF(CF)O)(CFCF、CF=CFOCFCFOCFCF、CF=CFO(CFCFO)CFCFが挙げられる。
他の単量体としては、上記ポリフルオロアルキルエチレン、HFP、PPVEが好ましく、HFP、PPVE、CFCFCH=CH、CF(CFCH=CHがより好ましい。また、上記他の単量体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
他の単量体に基づく構成単位の割合は、ETFEのすべての構成単位(100モル%)のうち、0.1〜10モル%が好ましく、0.2〜6モル%がより好ましく、0.5〜3モル%が最も好ましい。
本発明におけるETFEの溶融粘度は、測定温度270℃、せん断速度608s-1において、10〜3000Pa・sが好ましく、50〜1000Pa・sがより好ましく、100〜700Pa・sが最も好ましい。
ETFEの市販品としては、旭硝子社製フルオン、ダイキン工業社製ネオフロン等が挙げられる。
本発明におけるPVDFとは、VDFの単独重合体、又は、VDFをモル比で50%以上含有する共重合体(VDF共重合体)を意味する。PVDFは、強度に優れる観点から、単独重合体であることが好ましい。PVDFが共重合体である場合、VDFと共重合させる他の単量体としては、公知のものを適宜選択して用いることができ、特に限定されるものではない。例えば、種々のフッ素系モノマーや塩素系モノマー等を好適に用いることができる。なお、PVDFの重量平分子量(Mw)は、特に限定されるものではないが、10万〜100万が好ましく、15万〜50万がより好ましい。
上記PVDFの溶融粘度としては、230℃、せん断速度100s-1において100〜10000Pa.secが一般的に適用される。本発明においては、上記溶融粘度の範囲の中で400〜5500Pa.secの溶融粘度を有するPVDFが、好ましい分子量範囲に対応し、溶融成形やコーティング用途に適する。他樹脂との混練・複合化の用途においては、低粘度の範囲が好ましく、400〜2200Pa.secがより好ましい。容量流速(MFR)として表記すると、5〜30g/分に相当する。
PVDFの市販品としては、Kynar(登録商標 Arkema社製)、クレハKFポリマー(登録商標 クレハ社製)、Haylar(登録商標 Solvay社製)などが挙げられる。
VDF共重合体としては、具体的にはVDFとヘキサフルオロプロペン(HFP)との共重合体、VDF/HFP/TFE三元共重合体、VDF/TFE共重合体などが市販されている。これらの共重合体はPVDFに比べて融点が低下し、ポリマーの使用可能温度域が低温側に移行する。一般的にこれらの共重合体では、PVDFの結晶性が低下し、耐衝撃性、低温特性が改良される。
本発明の難燃性フッ素樹脂組成物中の含フッ素重合体の含有量は、40〜90体積%が好ましく、40〜80体積%がより好ましい。この範囲にあると、含フッ素共重合体が難燃性フッ素樹脂組成物の中で、マトリックス(連続相)を構成し、それにより組成物全体の特性を支配でき、フッ素樹脂の特性を維持することができる。
本発明の難燃性フッ素樹脂組成物には、PMMAを配合してもよい。PMMAとしては、特段の制限はないが、メチルメタクリレート(MMA)の単独重合体及びMMAと少量のアルキルメタクリレート(ただし、MMAを除く)との共重合体が挙げられる。
本発明におけるPMMAの溶融粘度は、測定温度270℃、せん断速度608s-1において、300〜450Pa・sが好ましく、350〜450Pa・sがより好ましく、350〜400Pa・sが最も好ましい。
PMMAの市販品としては、三菱レイヨン社製アクリペット、旭化成社製デルペット、クラレ社製パラぺット等が挙げられる。本発明の難燃性フッ素樹脂組成物中の含フッ素重合体とPMMAの体積比(含フッ素重合体/PMMA)は、90/10〜40/60が好ましく、80/20〜40/60がより好ましい。
上記範囲にあると、PMMAがフッ素樹脂の中に相容する傾向を示す。また、非相容の場合でも含フッ素共重合体の海(連続相)の中に島状態(分散相)で取り込まれた形態を作るため、全体として用いられた含フッ素共重合体の特徴を具備することができる。また、上記範囲にあると、PMMAの占める体積が大きくなり、高温での剛性の付与や全体の材料コストの低減などPMMAの特徴を付与することもできる。ここで、本発明の難燃性フッ素樹脂組成物中の含フッ素重合体とPMMAの合計の含有量は、難燃性フッ素樹脂組成物全体積に対して90〜50体積%が好ましく、より好ましくは90〜70体積%である。
また、本発明の難燃性フッ素樹脂組成物に配合されるポリリン酸アンモニウム系難燃剤とは、燃焼時に高分子材料の表面に「表面膨張層(Intumescent)」を形成し易くして高分子材料に難燃性を付与する特性を有する難燃剤をいう。
ポリリン酸アンモニウム系難燃剤は、リン酸アンモニウム、リン酸メラミンなどリン含有化合物を含有し、リン含有量が難燃特性に大きく影響する。本発明におけるポリリン酸アンモニウム系難燃剤としては、リン含有量は13〜17質量%が、表面膨張層を形成しやすく好ましい。ポリリン酸アンモニウムは燃焼時の高熱によりNHガスを放出しながら強酸のポリリン酸を生成し、そのポリリン酸の触媒作用により樹脂の炭化を促進し、その炭化物で樹脂表面を覆うことにより難燃性を発現するため、リン含有量が13質量%未満であると炭化物の形成が少なく、その結果難燃性付与効果が小さく、機能が発現されない。また、17質量%超であると、その炭化が進みすぎるとともにポリリン酸そのものが固いガラス質であるため炭化物の膨張変形を抑制すると考えられる。ポリリン酸アンモニウム系難燃剤には、表面膨張層の中で気泡を形成する骨格として、デキストリンなどの炭化水素化合物、ペンタエリスリトールなどの多官能アルコール、ポリ酢酸ビニル、セルロースなどの樹脂を含有することが好ましい。また、発泡剤として熱分解性のアンモニウム塩、ジシアンジアミド、メラミンなどのアミノ化合物などが用いられ、窒素含有量としては、20〜25質量%が好ましい。20質量%未満であると発泡性が十分でなく、十分な断熱層を有する表面膨張層が得られない。25質量%超であると過度に膨張しすぎるため表面層の形態が崩れ、難燃性が損なわれ易い。
上記ポリリン酸アンモニウム系難燃剤としては、5%熱分解温度が230℃以上であることが好ましく、280℃以上がより好ましい。この範囲にあると難燃性フッ素樹脂組成物が熱安定性に優れる。また、含フッ素重合体への混錬時に、含フッ素重合体を十分に可塑化できる温度条件で混錬が可能となる。
本発明の難燃性フッ素樹脂組成物中のポリリン酸アンモニウム系難燃剤の含有量は含フッ素重合体の100体積部に対して5〜50体積部が好ましく、より好ましくは5〜30体積部である。この範囲にあると、フッ素樹脂組成物の成形性と難燃性とのバランスが良好である。本発明におけるポリリン酸アンモニウム系難燃剤は、難燃性フッ素樹脂組成物の中に微細に分散した状態で保持されている。
本発明の難燃性フッ素樹脂組成物の製造方法としては、特に限定されず、各成分を溶融混練する方法が用いられる。溶融混練に用いる機器としては、ニーダー等に代表されるバッチ式ミキサー、スクリュー押出機構等を有する連続式ミキサーなど種々適用可能であるが、組成物の主成分が樹脂であることから、2軸混練機が最も好ましい。混練条件としては、温度が180〜300℃が好ましく、180〜280℃がより好ましく、230〜270℃が最も好ましい。この範囲にあるとPVDF、ETFEの溶融混練が可能である。
また、混練時間は、特に規定されないが、混練により各構成材料が材料内部に均一に配置されうるまでの時間があればよい。長時間の混練は材料に熱的なダメージを与える可能性が高いため避けるべきである。一般的には、バッチ式ミキサーでの混練では5分〜1時間が好ましく、5分〜30分がより好ましく、5分〜20分がさらに好ましい。この範囲にあると難燃材を含め、構成材料の熱的な劣化のない状態で混練組成物を得ることができる。
得られた難燃性フッ素樹脂組成物は、押出成形、金型成形により成形することが好ましい。成形条件としては、温度180〜300℃が好ましく、180〜280℃がより好ましく、230〜270℃が最も好ましい。成形時間は、5〜60分が好ましく、5〜30分がより好ましく、5〜20分が最も好ましい。
成形物品としては、フィルムなどの一般工業資材の他に、難燃性の求められる一般家電部品や電気部品の構成部品やケースなど等が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
本実施例及び比較例における難燃性フッ素樹脂組成物の組成検討を、下記に記載した方法で実施した。
(難燃性フッ素樹脂組成物の製造)
小型バッチミキサー(東洋精機製作所社製ラボプラストミル)を用いて、所定の組成でフッ素樹脂組成物を混練した。溶融混練はラボプラストミルに同社製のR30CSまたはKV15Fのミキサーをセットし、所定の温度、回転数で10分混練した。条件は組成と併せて表1に示す。なお、各材料の組成の単位はcc(ml=cm)である。また、上記混連は、含フッ素重合体及びPMMAまたは含フッ素重合体のみで5分間、その後ポリリン酸アンモニウム系難燃剤を添加して5分行った。なお、参考例としてPVDFのみを使用した参考例1、ETFEのみを使用した参考例2も製造し、評価した。
(フッ素樹脂組成物のシートの製造)
溶融混練により得たフッ素樹脂組成物を、ホットプレス(東洋精機製作所社製ミニテストプレス MP-WCL)を用いて、150mm×150mmの鏡面板の間に、ポリイミドシート、材料及び100μm厚みのアルミスペーサー、最後にさらにポリイミドシートを配置し、プレスし、シートを製造した。温度条件については表1に示した。また、プレス時の面圧は8.7MPaで時間は10分(予熱時間5分、加圧時間5分)であった。
(燃焼性試験)
UL94HB水平燃焼試験に準ずる手法で、燃焼速度を求めた。各試験体の厚みは100〜150μmであった。試料数n=3で各試験を行い、測定した燃焼速度を平均して平均燃焼速度を求め、その試料の燃焼性とした。得られた結果を表1に示す。
(成形性)
混練物を80℃で一晩乾燥したのち、東洋精機製作所社製キャピラリーレオメーター キャピログラフ1Cに、長さ10mm、直径1mmのオリフィスを装着し、混練温度と同じ温度まで加熱し、その後、ピストン速度2mm/分で材料を吐出させながら、同装置に連結された引き取り機構を用いて、吐出されてきたストランド物を10m/分まで延伸・冷却をおこなった。その時、安定的に延伸成形ができるかどうかで、その材料の延伸性を定性的に評価した。頻繁に糸切れがおこるもの、及び、得られる繊維の直径が大きく変動するものは、成形性が悪いと判定した。
[使用材料]
・ETFE1:旭硝子社製アフロンETFE−C88AXMb MFR169、溶融粘度260Pa・s(270℃)、密度1.75g/cc
・ETFE2:旭硝子社製アフロンLMETFE−740AP、溶融粘度510Pa・s(270℃)、密度1.75g/cc
・PMMA:三菱樹脂社製アクリペットVH4、溶融粘度350Pa・s(270℃)、密度1.19g/cc
・PVDF:Aldrich Mn=180000 密度1.75g/cc
・ポリリン酸アンモニウム系難燃剤:堺化学社製 SCFR−110(難燃剤1) 比重 2.0 g/cc、リン含有量 13質量%、窒素含有量 25質量%、5%熱分解温度が290℃、及びSCFR−100(難燃剤2) 比重 2.0g/cc、リン含有量 15質量%、窒素含有量 23質量%、5%熱分解温度が280℃
表1に示されるように、実施例1〜6では、ポリリン酸アンモニウム系難燃剤を含有しているので、平均燃焼速度がいずれも比較例1、2より小さく、耐燃焼性に優れていることがわかる。また、成形性にも優れた難燃性フッ素樹脂組成物が得られている。一方、比較例1、2では、イントメッセント難燃剤を含有していないので、耐燃焼性が悪かった(平均燃焼速度が大きい)。
なお、PVDFのみを使用した参考例1は、成形性が不良であり、ETFEのみを使用した参考例2は、成形性や難燃性など性能は高いが、比重が重く、かつ、材料価格も高い。コストパフォーマンスに劣る。
Figure 2015021013
本発明の難燃性フッ素樹脂組成物は、耐溶剤性、低誘電性、低表面エネルギー性、非粘着性、耐候性等に優れ、かつ、耐難燃性に優れることから、太陽電池用バックシート等の保護フィルムや家電関連機器の内部部品やケーシング等射出成型品等にも使用できる。

Claims (7)

  1. テトラフルオロエチレン又はフッ化ビニリデンに基づく構成単位を含有する含フッ素重合体及びポリリン酸アンモニウム系難燃剤を含有することを特徴とする難燃性フッ素樹脂組成物。
  2. 前記ポリリン酸アンモニウム系難燃剤中のリンの含有量が13〜17質量%、窒素の含有量が20〜25質量%である、請求項1に記載の難燃性フッ素樹脂組成物。
  3. 前記ポリリン酸アンモニウム系難燃剤の5%熱分解温度が230℃以上である、請求項1又は2に記載の難燃性フッ素樹脂組成物。
  4. 前記ポリリン酸アンモニウム系難燃剤の含有量が含フッ素重合体の100体積部に対して5〜50体積部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃性フッ素樹脂組成物。
  5. 前記難燃性フッ素樹脂組成物中の含フッ素重合体の含有量が40〜90体積%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の難燃性フッ素樹脂組成物。
  6. 前記難燃性フッ素樹脂組成物が、さらに、ポリメチルメタクリレートを含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃性フッ素樹脂組成物。
  7. 前記含フッ素重合体とポリメチルメタクリレートとの体積比(含フッ素重合体/PMMA)が90/10〜40/60である、請求項6に記載の難燃性フッ素樹脂組成物。
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