以下では、本発明に係る遊技機の一実施形態を示すパチスロについて、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、特定の小役の成立をランプ等でナビゲートする機能であるATと、特定の図柄組合せが表示された場合にリプレイの当籤確率が通常時より高くなる遊技状態であるリプレイタイム(以下、「RT」という)が作動する機能とが同時に作動するアシストリプレイタイム(以下、「ART」という)の機能を備えたパチスロについて説明する。
<機能フロー>
まず、図1を参照して、パチスロの機能フローについて説明する。本実施形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりパチスロにメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の有効ライン(入賞判定ライン)に沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられる。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、規定期間が190msecである場合には、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
このようにして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞判定手段により入賞に係る図柄の組合せであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れの動作が1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の動作の中で、液晶表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出内容を抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロの構造>
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態におけるパチスロの構造について説明する。なお、図2は、本実施形態のパチスロ1の外部構造を示す斜視図であり、図3は、パチスロ1の内部構造を示す図である。
[外観構造]
パチスロ1は、図2に示すように、リールや回路基板等を収容したキャビネット1aと、キャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられたフロントドア1bとを備える。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L,3C,3R(変動表示手段)が設けられ、該3つのリール3L,3C,3Rは横方向(リールの回転方向と直交する方向)に一列に配置される。以下、リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。
各リール(表示列)は、円筒状のリール本体と、リール本体の周面(周回面)に装着された透光性のシート材とを有する。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄がリール本体の周方向に沿って連続的に描かれる。
フロントドア1bの中央には、液晶表示装置10(報知手段)が設けられる。そして、液晶表示装置10は、3つの図柄表示領域4L,4C,4Rを含む表示画面を備える。本実施形態では、図柄表示領域4L,4C,4Rを含む表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。本実施形態では、AT状態の作動期間を示す情報(残りゲーム数又は残りナビ回数)は、液晶表示装置10の表示画面に表示される。
3つの図柄表示領域4L,4C,4Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rに対応して設けられる。そして、各図柄表示領域は、図2に示すように、正面(遊技者側)から見て、対応するリールと重畳する位置に設けられ、かつ、対応するリールより手前(遊技者側)に位置するように設けられる。なお、各図柄表示領域は、表示窓としての機能を有し、その背後に設けられた対応するリールに描かれた図柄が、該表示窓を介して目視することができる。以下、図柄表示領域4L,4C,4Rを、それぞれ左表示窓4L、中表示窓4C、右表示窓4Rという。
また、本実施形態では、各表示窓は、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したとき、該リールに描かれた複数の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できるように構成される。すなわち、各表示窓の枠内には、上段、中段及び下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄を表示することができる。そえゆえ、本実施形態では、表示画面に、3×3の配列形態で図柄を表示することができる。そして、本実施形態では、3×3の配列形態で表示された図柄において、左表示窓4Lから右表示窓4Rに渡って設定された擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行うライン(以下、有効ラインという)として定義する。
本実施形態では、左リール3Lの中段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの中段領域を結ぶライン(センターライン)を、有効ライン(入賞判定ライン)として設定する。なお、有効ラインの設定はこの例に限定されず、任意に設定することができる。
液晶表示装置10の表示画面内の側端部付近には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器6が設けられる。7セグ表示器6は、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数という)、特典として遊技者に払い出されるメダルの枚数(以下、払出枚数という)、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数という)等の情報をデジタル表示する。
また、フロントドア1bには、遊技者の操作対象となる各種装置(メダル投入口11、ベットボタン12、精算ボタン14、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17R)が設けられる。
メダル投入口11は、遊技者によって外部からパチスロ1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口11を介して受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入され、所定枚数を超えた分は、パチスロ1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。
ベットボタン12は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン14は、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
スタートレバー16は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。ストップボタン17L,17C,17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
さらに、フロントドア1bには、図2に示すように、メダル払出口18、メダル受皿19、ランプ20、スピーカ21L,21R等が設けられる。
メダル払出口18は、後述のメダル払出装置33の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿19は、メダル払出口18から排出されたメダルを貯める。ランプ20(LED等)は、演出内容に対応するパターンで、光を点消灯する。また、スピーカ21L,21Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音を出力する。
[内部構造]
次に、パチスロ1の内部構造を、図3を参照しながら説明する。なお、図3は、フロントドア1bが開放された状態を示す図であり、フロントドア1bの裏面側の構造及びキャビネット1aの内部の構造を示す。
キャビネット1a内の上方部分には、後述の主制御回路41(図4参照)が実装された主基板31が設けられる。主制御回路41は、内部当籤役の決定、各リールの回転及び停止、入賞の有無の判定等の、パチスロ1における遊技の主な動作及び該動作間の流れを制御する回路である。なお、主制御回路41の具体的な構成は後述する。
キャビネット1a内の中央部分には、3つのリール(左リール3L、中リール3C及び右リール3R)が設けられる。なお、図3には示さないが、各リールは、所定の減速比を有するギアを介して対応する後述のステッピングモータ(図4中のステッピングモータ61L,61C,61Rのいずれか)に接続される。
また、キャビネット1a内において、左リール3Lの中リール3Cとは反対側の側部(図3に示す例で左側)には、後述の副制御回路42(図4及び5参照)が実装された副基板32が設けられる。副制御回路42は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。なお、副制御回路42の具体的な構成は後述する。
キャビネット1a内の下方部分には、多量のメダルを収容可能であり、かつ、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置33(以下、ホッパー33という)が設けられる。また、キャビネット1a内における、ホッパー33の一方の側部(図3に示す例では左側)には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給する電源装置34が設けられる。
フロントドア1bの裏側部(表示画面側とは反対側の部分)において、表示窓(左表示窓4L、中表示窓4C、右表示窓4R)の配置領域の下方部分には、セレクタ35が設けられる。セレクタ35は、メダル投入口11を介して外部から投入されたメダルの材質や形状等が適正である否かを選別する装置であり、適正であると判定されたメダルをホッパー33に案内する。さらに、図3には示さないが、セレクタ35内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ35S(後述の図4参照)が設けられる。
<パチスロが備える回路の構成>
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。なお、図4は、パチスロ1が備える回路全体のブロック構成図であり、図5は、副制御回路の内部構成を示すブロック構成図である。
パチスロ1は、図4に示すように、主制御回路41、副制御回路42、及び、これらの回路と電気的に接続される周辺装置(アクチュエータ)を備える。
[主制御回路]
主制御回路41は、主に、回路基板(主基板31)上に実装されたマイクロコンピュータ50により構成される。それ以外の構成要素として、主制御回路41は、図4に示すように、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56、サンプリング回路57、表示部駆動回路64、ホッパー駆動回路65、及び、払出完了信号回路66を含む。
マイクロコンピュータ50は、メインCPU51、メインROM(Read Only Memory)52及びメインRAM(Random Access Memory)53により構成される。
メインROM52には、メインCPU51により実行される各種処理(後述の図24〜図36参照)の制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル(図6〜図18参照)、副制御回路42に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM53には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域(図19〜図21参照)が設けられる。
メインCPU51には、図4に示すように、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56及びサンプリング回路57が接続される。クロックパルス発生回路54及び分周器55は、クロックパルスを発生する。なお、メインCPU51は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。また、乱数発生器56は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。そして、サンプリング回路57は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ50の入力ポートには、各種スイッチ及びセンサ等が接続される。メインCPU51は、各種スイッチ等からの入力信号を受けて、ステッピングモータ61L,61C,61R等の周辺装置の動作を制御する。
ストップスイッチ17S(停止操作検出手段)は、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。スタートスイッチ16S(開始操作検出手段)は、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。精算スイッチ14Sは、精算ボタン14が遊技者により押されたことを検出する。
メダルセンサ35S(投入操作検出手段)は、メダル投入口11に投入されたメダルがセレクタ35内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ12Sは、ベットボタン12が遊技者により押されたことを検出する。
また、マイクロコンピュータ50により動作が制御される周辺装置としては、3つのステッピングモータ61L,61C,61R(変動表示手段)、7セグ表示器6及びホッパー33がある。また、マイクロコンピュータ50の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための駆動回路が接続される。
モータ駆動回路62は、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応してそれぞれ設けられた3つのステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動を制御する。リール位置検出回路63は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスをリール毎に検出する。
3つのステッピングモータ61L,61C,61Rのそれぞれは、その運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を有する。また、各ステッピングモータの駆動力は、所定の減速比を有するギアを介して、対応するリールに伝達される。そして、各ステッピングモータに対して1回のパルスが出力されるごとに、対応するリールは一定の角度で回転する。
メインCPU51は、各リールのリールインデックスを検出してから対応するステッピングモータに対してパルスが出力された回数をカウントすることによって、各リールの回転角度(具体的には、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
ここで、各リールの回転角度の管理を具体的に説明する。各ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM53に設けられたパルスカウンタ(不図示)によって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM53に設けられた図柄カウンタ(不図示)の値に、「1」が加算される。なお、図柄カウンタは、リール毎に設けられる。そして、図柄カウンタの値は、リール位置検出回路63によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
すなわち、本実施形態では、図柄カウンタの値を管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転動作が行われたのかを管理する。それゆえ、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
本実施形態では、上述のように、遊技中の滑り駒数の最大数を図柄4個分に定める。それゆえ、例えば、遊技中に所定のリールに対応するストップボタンが押されたときには、表示窓内の有効ライン上の対応する領域に位置する所定のリールの図柄と、その4個先までの範囲に存在する図柄が、該領域に停止可能な図柄となる。
なお、主制御回路41に含まれる、表示部駆動回路64は、7セグ表示器6の動作を制御する。ホッパー駆動回路65は、ホッパー33の動作を制御する。また、払出完了信号回路66は、ホッパー33に設けられたメダル検出部33Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー33から外部に排出されたメダルが所定の払出枚数に達したか否かをチェックする。
[副制御回路]
副制御回路42は、図4及び図5に示すように、主制御回路41と電気的に接続され、主制御回路41から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路42は、基本的には、図5に示すように、サブCPU81、サブROM82、サブRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ86、DSP(Digital Signal Processor)90、オーディオRAM91、A/D(Analog to Digital)変換器92、及び、アンプ93を含む。
サブCPU81は、主制御回路41から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力制御を行う。なお、サブROM82は、基本的には、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を有する。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する各種制御プログラムが記憶される。なお、プログラム記憶領域に格納される制御プログラムには、例えば、主制御回路41との通信を制御するための主基板通信タスク、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置10による映像の表示を制御するための描画制御タスク、ランプ20による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、スピーカ21L,21Rによる音の出力を制御するための音声制御タスク等のプログラムが含まれる。
データ記憶領域には、例えば、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各種演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等の各種記憶領域が含まれる。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路41から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域などを有する。
また、副制御回路42には、図5に示すように、液晶表示装置10、スピーカ21L,21R、及び、ランプ20等の周辺装置が接続され、これらの周辺装置の動作は、副制御回路42により制御される。
本実施形態では、サブCPU81、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファを含む)及びドライバ86は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、該作成した映像は液晶表示装置10により表示される。
また、サブCPU81、DSP90、オーディオRAM91、A/D変換器92及びアンプ93は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ21L,21Rにより出力する。さらに、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ20の点灯及び消灯を行う。
<メインROMに記憶されているデータテーブルの構成>
次に、図6〜図18を参照して、メインROM52に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
まず、図6を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rのそれぞれの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード(図6中の図柄コード表を参照)という)との対応関係を規定する。
図柄配置テーブルでは、リールインデックスが検出されたときに、左表示窓4L、中表示窓4C及び右表示窓4Rのそれぞれにおいて、中段領域に配置される図柄の位置を「0」と規定する。そして、各リールにおいて、図柄位置「0」を基準としてリールの回転方向(図6中の矢印A方向)に進む順に、図柄カウンタに対応する「0」〜「20」が、図柄位置として、各図柄に割り当てられる。
すなわち、図柄カウンタの値(「0」〜「20」)と、図柄配置テーブルとを参照することにより、各表示窓の上段、中段及び下段の各領域に表示されている図柄の種類を特定することができる。例えば、左リール3Lに対応する図柄カウンタの値が「6」であるとき、左表示窓4Lの上段、中段及び下段の領域には、それぞれ、図柄位置「7」の「リプレイ」、図柄位置「6」の「スイカ」及び図柄位置「5」の「ベル」に対応する図柄が表示されている。
[図柄組合せテーブル]
次に、図7を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役(格納領域)及び払出枚数との対応関係を規定する。なお、図7には、「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」に係る小役が内部当籤したが、該当籤した「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」に係る図柄の組合せを表示させることができなかった場合に表示される図柄の組合せ(「ベルこぼし目」)も合わせて記載する。この「ベルこぼし目」に係る図柄の組合せの表示は、後述するように、RTの状態(RT遊技状態)の移行条件の一つとなる。
本実施形態では、有効ラインに沿って、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せと一致する場合に入賞と判定される。そして、入賞と判定されると、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に与えられる。なお、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのいずれとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。すなわち、本実施形態では、「ハズレ」に対応する図柄の組合せを図柄組合せテーブルに規定しないことにより、「ハズレ」の図柄の組合せを規定する。なお、本発明はこれに限定されず、図柄組合せテーブルに、「ハズレ」の項目を設けて、直接「ハズレ」を規定してもよい。
図柄組合せテーブル中の表示役欄に記載の各種データは、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するためのデータである。この表示役欄の「データ」は、1バイトのデータで表され、該データ中の各ビットに対して固有の図柄の組合せ(表示役の内容)が割り当てられる。
また、表示役欄の「格納領域」のデータは、対応する表示役が格納される後述の表示役格納領域(図19参照)を指定するためのデータである。なお、本実施形態では、2つの表示役格納領域を設ける。そして、本実施形態では、ビットパターン(1バイトのデータパターン)が同じであり、かつ、内容の異なる表示役は、「格納領域」の違いにより別の表示役として管理される。
図柄組合せテーブル中の払出枚数欄に記載の数値は、遊技者に対して払い出すメダルの枚数を表す。「払出枚数」のデータとして1以上の数値が付与されている図柄の組合せでは、その数値と同じ枚数のメダルの払い出しが行われる。本実施形態において、表示役として「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「特殊ベル1」、「特殊ベル2」のうちのいずれかが決定されたときには、メダルの払い出しが行われる。なお、本実施形態では、これらメダルの払い出しが行われる表示役を「小役」と総称する。
また、本実施形態において、表示役として「リプレイ」が決定されたときには、再遊技の作動が行われる。また、表示役として「BB」が決定されたときには、ビッグボーナスゲームの作動が行われ、「RB」が決定されたときには、レギュラーボーナスゲームの作動が行われる。
[ボーナス作動時テーブル]
次に、図8を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルは、ボーナスゲーム時に、メインRAM53に設けられた遊技状態フラグ格納領域、ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタに格納するデータを規定する。
遊技状態フラグは、作動中のボーナスゲームの種類を識別するためのデータである。本実施形態では、ボーナスゲームの種類として、レギュラーボーナス(「RB」)、及び、ビッグボーナス(「BB」)を設ける。なお、「RB」は、いわゆる第1種特別役物と呼ばれるものである。また、「BB」は、第1種特別役物に係る役物連続作動装置と呼ばれるものであり、BB作動中は、RBが連続作動する。BBの作動中には、図示しない遊技状態フラグ格納領域内の「BB遊技状態フラグ」及び「RB遊技状態フラグ」がオンされ、RBの作動中には「RB遊技状態フラグ」がオンされる。
本実施形態では、BBの作動は、規定枚数「346」に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。ボーナス終了枚数カウンタは、メダルの払出枚数がボーナスゲームの終了の契機となる規定枚数(払出枚数)に達したか否かを管理するためのデータである。
具体的には、まず、ボーナス作動時テーブルで規定されているボーナス終了枚数カウンタの数値が、実際に、ボーナス終了枚数カウンタに格納される。次いで、BB作動後、メダルの払い出しが実施される度に、ボーナス終了枚数カウンタの値が減算される。そして、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に、BBの作動が終了する。
遊技可能回数カウンタは、RB作動時における、遊技可能な残りのゲームの回数、いわゆる遊技可能回数を管理するためのデータである。入賞可能回数カウンタは、RB作動時における、入賞に係る図柄の組合せを表示することが可能な残りのゲームの回数、いわゆる入賞可能回数を管理するためのデータである。
[RT遷移テーブル]
次に、図9を参照して、RT遷移テーブルについて説明する。RT遷移テーブルは、RT遊技状態の移行条件と、移行元及び移行先のRT遊技状態との対応関係を規定する。なお、本実施形態では、RT遊技状態として、RT0遊技状態(一般遊技状態)、RT1遊技状態、及びRT2遊技状態の3種類の遊技状態を設ける。そして、RT1遊技状態では、「リプレイ」(再遊技)の当籤確率が、RT0遊技状態のそれより高くなるように、後述の内部抽籤テーブルを設定する。
RT2遊技状態は、「BB」又は「RB」の内部当籤時から「BB」又は「RB」に対応する図柄の組合せが停止表示される(入賞する)までの期間に設定される遊技状態である。RT2遊技状態では、「リプレイ」の当籤確率が、RT0遊技状態のそれより高くなり、かつRT1遊技状態のそれよりは低くなるように、後述の内部抽籤テーブルが設定される。
本実施形態では、RT0遊技状態中に「特殊リプレイ」に対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合には、RT遊技状態が、RT0遊技状態からRT1遊技状態に移行する。また、RT1遊技状態中に「ベルこぼし目」に対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合には、RT遊技状態が、RT1遊技状態からRT0遊技状態に移行する。また、RT0遊技状態及びRT1遊技状態中に「BB」又は「RB」、すなわちボーナスが当籤した場合には、RT遊技状態がRT2遊技状態に移行する。
RT遊技状態が、RT0遊技状態〜RT2遊技状態のいずれであるかは、サブRAM83内の遊技状態フラグ格納領域(不図示)に格納された「RT0遊技状態フラグ」、「RT1遊技状態フラグ」及び「RT2遊技状態フラグ」の値によって管理される。例えば、RT遊技状態が、RT1遊技状態となったときには「RT1遊技状態フラグ」に「1」が設定され、RT1遊技状態以外の遊技状態となったときには「RT1遊技状態フラグ」に「0」が設定される。
[内部抽籤テーブル決定テーブル]
次に、図10を参照して、内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。内部抽籤テーブル決定テーブルは、各種遊技状態において用いる内部抽籤テーブルと、抽籤回数との対応関係を規定する。
例えば、遊技状態が一般遊技状態(RT0遊技状態)であるときには、後述の一般遊技状態用内部抽籤テーブル(RT0:図11参照)が使用され、抽籤回数として「9」が設定される。また、遊技状態がRB遊技状態であるときには、後述のRB遊技状態用内部抽籤テーブル(図14参照)が使用され、抽籤回数として「1」が設定される。また、遊技状態がRT1遊技状態であるときには、後述のRT1遊技状態用内部抽籤テーブル(図12参照)が使用され、抽籤回数として「9」が設定される。また、遊技状態がRT2遊技状態であるときには、後述のRT2遊技状態用内部抽籤テーブル(図13参照)が使用され、抽籤回数として「9」が設定される。なお、本実施形態では、遊技状態がBB遊技状態である場合には、内部抽籤テーブルとして、RB遊技状態用内部抽籤テーブルを用いる。
[内部抽籤テーブル]
次に、図11〜図14を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、各種当籤番号における、データポインタと、このデータポインタが決定されるときの抽籤値との対応関係を規定する。
データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブル(図15及び16参照)により規定される内部当籤役を指定するためのデータである。なお、データポインタには、小役・リプレイ用データポインタと、ボーナス用データポインタとが設けられる。また、抽籤値は、通常、予め設定された抽籤の期待値を調整するための設定(設定1〜6)毎に規定されるが、本実施形態では、図11〜図14に示す各抽籤テーブルを、全ての設定に対して共通で用いる。
本実施形態の内部抽籤処理では、まず、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)から抽出される乱数値を、各当籤番号に対応して規定された抽籤値で順次減算する。次いで、減算の結果が負になったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定(内部的な抽籤)を行う。そして、所定の当籤番号において減算の結果が負になった(「桁かり」が生じた)場合、その当籤番号に当籤したことになり、該当籤番号に割り当てられたデータポイントが取得される。
例えば、図11に示す一般遊技状態用内部抽籤テーブル(RT0)を参照した場合、抽出された乱数値が例えば「6560」であるとすると、当籤番号「1」に対応する抽籤値「8480」を「6560」から減算した結果は、「1920」となり、負にはならない。次いで、上記減算結果の「1920」から、当籤番号「2」に対応する抽籤値「4000」を減算すると、演算結果は負(「−2080」)となる。よって、この場合には当籤番号「2」が当籤し、小役・リプレイ用データポインタとしては「2」が決定(取得)され、ボーナス用データポインタとしては「0」が決定される。
したがって、本実施形態の内部抽籤処理では、抽籤値として規定されている数値が大きい当籤番号ほど、割り当てられたデータポインタが決定される確率が高い。なお、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
図11は、一般遊技状態用内部抽籤テーブル(RT0)の構成を示す図である。この一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、遊技状態が一般遊技状態(RT0遊技状態:非ボーナス遊技状態)である場合に使用される。
一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号「1」〜「9」に対応する抽籤値とデータポインタとの関係を規定する。例えば、一般遊技状態において、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを参照したときに、当籤番号「2」が当籤して小役・リプレイ用データポインタとして「2」が取得される確率は、「4000/65536」になる。
なお、後述する図16の小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルに示すように、本実施形態では、小役・リプレイ用データポインタ「1」は内部当籤役「リプレイ」に対応し、「2」は内部当籤役「ベル」に対応し、「3」は内部当籤役「スイカ」に対応する。また、小役・リプレイ用データポインタ「4」は内部当籤役「チェリー」に対応し、「5」は内部当籤役「特殊リプレイ」に対応し、「6」は内部当籤役「特殊ベル1」に対応し、「7」は内部当籤役「特殊ベル2」に対応する。さらに、後述する図15のボーナス用内部当籤役決定テーブルに示すように、本実施形態では、ボーナス用データポインタ「1」は内部当籤役「BB」に対応し、「2」は内部当籤役「RB」に対応する。なお、データポインタ「0」は、「ハズレ」に対応する。
すなわち、一般遊技状態用内部抽籤テーブルにおいて、当籤番号「1」の内部当籤役は、「リプレイ」であり、当籤番号「2」の内部当籤役は「ベル」であり、当籤番号「3」の内部当籤役は「スイカ」である。また、当籤番号「4」の内部当籤役は「チェリー」であり、当籤番号「5」の内部当籤役は「特殊リプレイ」である。さらに、当籤番号「6」の内部当籤役は「特殊ベル1」であり、当籤番号「7」の内部当籤役は「特殊ベル2」である。また、当籤番号「8」の内部当籤役は「BB」であり、当籤番号「9」の内部当籤役は「RB」である。なお、本実施形態では、ボーナスと他の役(小役・リプレイ)とが重複して当籤しない構成とする。
図12は、RT1用内部抽籤テーブルの構成を示す図である。RT1用内部抽籤テーブルは、遊技状態がRT1遊技状態である場合に参照される。RT1用内部抽籤テーブルは、当籤番号「1」〜「9」に対応する、抽籤値とデータポインタとの関係を規定する。
本実施形態において、RT1遊技状態では、再遊技(リプレイ)に係る内部当籤役に対応する当籤番号「1」及び「5」の抽籤値の総和は「50000」となる。それゆえ、RT1遊技状態では、再遊技に係る内部当籤役が内部当籤する確率は「50000/65536」となり、RT0遊技状態のそれ(8980/65536)より非常に高くなる。
図13は、RT2用内部抽籤テーブルの構成を示す図である。RT2用内部抽籤テーブルは、遊技状態がRT2遊技状態である場合に参照される。RT2用内部抽籤テーブルは、当籤番号「1」〜「9」に対応する、抽籤値とデータポインタとの関係を規定する。
本実施形態において、RT2遊技状態では、再遊技(リプレイ)に係る内部当籤役に対応する当籤番号「1」及び「5」の抽籤値の総和は「20000」となる。それゆえ、RT2遊技状態では、再遊技に係る内部当籤役が内部当籤する確率は「20000/65536」となり、RT0遊技状態のそれ(8980/65536)よりは高くなるが、RT1状態のそれ(50000/65536)よりは低くなる。
図14は、RB遊技状態用内部抽籤テーブルの構成を示す図である。このRB遊技状態用内部抽籤テーブルは、遊技状態がRB遊技状態又はBB遊技状態であるときに参照される。RB遊技状態用内部抽籤テーブルは、当籤番号「1」に対応する、抽籤値とデータポインタとの対応関係を規定する。なお、本実施形態では、RB遊技状態用内部抽籤テーブルで規定している当籤番号「1」の抽籤値は、「65536」である。それゆえ、本実施形態において、RB遊技状態用内部抽籤テーブルを参照したときには、「ハズレ」は発生しない。
[内部当籤役決定テーブル]
次に、図15及び16を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタと、内部当籤役との対応関係を規定する。すなわち、データポインタが決定されると、内部当籤役決定テーブルにより内部当籤役のデータが一義的に取得される。
内部当籤役決定テーブル中の「内部当籤役」は、有効ラインに沿って表示を許可する、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rでの図柄の組合せを識別するためのデータである。「内部当籤役」は、図7に示した図柄組合せテーブル中の「表示役」と同様に、1バイトのデータで表され、該1バイトデータ中の各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられる。なお、データポインタが「0」のとき、「内部当籤役」の内容は「ハズレ」となるが、これは、図7に示した図柄組合せテーブルにより規定されている全ての図柄の組合せの表示が許可されないことを示す。
図15は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルの構成を示す図である。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナス用データポインタの「1」及び「2」について、ボーナスゲームの作動に係る内部当籤役を規定する。例えば、ボーナス用データポインタとして「1」が取得された場合は、内部当籤役として「BB」が当籤する。
図16は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルの構成を示す図である。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、小役・リプレイ用データポインタの「1」〜「7」について、小役及びリプレイ役を規定する。すなわち、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、小役・リプレイ用データポインタと、メダルの払い出しに係る内部当籤役又は再遊技の作動に係る内部当籤役との対応関係を規定する。
例えば、小役・リプレイ用データポインタとして「5」が取得された場合は、内部当籤役として「特殊リプレイ」が当籤し、「6」が取得された場合は、内部当籤役として「特殊ベル1」が当籤する。また、小役・リプレイ用データポインタとして「7」が取得された場合は、内部当籤役として「特殊ベル2」が当籤する。なお、図15及び図16に示すように、本実施形態では、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルの格納領域(「2」)は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルの格納領域(「1」)と異なる。
[引込優先順位テーブル]
次に、図17を参照して、引込優先順位テーブルについて説明する。引込優先順位テーブルは、格納領域の種別毎の引込データと、予め定められたその優先順位との対応関係を規定する。
引込優先順位テーブルは、停止テーブル(例えば、後述のベルこぼし目停止用テーブル)に基づいて得られた滑り駒数の他に、より適切な滑り駒数が存在するか否かを検索するために使用される。優先順位とは、入賞に係る図柄の組合せの種別間で優先的に停止表示される(引き込まれる)順位を規定するデータである。また、各引込データは、図15及び図16に示した内部当籤役決定テーブル中の「内部当籤役」や図7に示した図柄組合せテーブル中の「表示役」と同様に、1バイトのデータで表され、該1バイトデータ中の各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられる。なお、停止テーブルとは、各リールの停止開始位置と、滑り駒数との対応を規定するテーブルである。各リールの「停止開始位置」とは、停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタの値に対応する図柄位置、すなわち、リールの回転の停止が開始されるときに、該リールの中段領域に位置する図柄に対応付けられた図柄位置である。
本実施形態では、まず、停止テーブルに基づいて滑り駒数が取得される。しかしながら、停止テーブルに基づいて取得された滑り駒数の他に、より適切な滑り駒数が存在する場合には、引込優先順位テーブルを参照して滑り駒数を決定する。
図17に示す引込優先順位テーブルは、優先順位(「1」〜「5」)と、引込データ(内部当籤役)との対応関係を規定する。
図17に示す引込優先順位テーブルでは、優先順位「1」に対して「リプレイ」、「特殊リプレイ」に対応する引込データを規定し、優先順位「2」に対して「スイカ」に対応する引込データを規定する。また、優先順位「3」に対して「ベル」、「特殊ベル1」〜「特殊ベル2」に対応する引込データを規定し、優先順位「4」に対して「チェリー」に対応する引込データを規定する。さらに、優先順位「5」に対して「BB」、「RB」に対応する引込データを規定する。
[ベルこぼし目停止用テーブル]
図18は、ベルこぼし目停止用テーブルの構成を示す図である。ベルこぼし目停止用テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各停止開始位置「0」〜「20」と、滑り駒数決定データとの対応関係を規定する。ベルこぼし目停止用テーブルは、「内部当籤役」が「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」である場合に設定される。
本実施形態では、図6の図柄配置テーブルに示すように、「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」の図柄組合せを構成する左リール3Lの「赤7」又は「白7」は、最大滑り駒数(4コマ)の範囲で停止可能な間隔で配置されていない。それゆえ、「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」が当籤しても、左リール3Lのストップボタンの押下タイミングによっては、「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」に係る図柄組合せを停止表示できない場合がある。
この場合、本実施形態では、「ベルこぼし目」に係る図柄組合せ(「スイカ」−「ベル」−「ベル」)を停止表示する。この際、ベルこぼし目停止用テーブルを参照して、滑り駒数が決定される。
一方、「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」の図柄組合せが停止表示可能なタイミングでストップボタンが押下された場合には、優先順位に基づいて、「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」の図柄組合せが停止表示されるように、滑り駒数が決定される。
<メインRAMに設けられている格納領域の構成>
次に、図19〜図21を参照して、メインRAM53に設けられている各種格納領域の構成について説明する。
[表示役格納領域]
まず、図19を参照して、表示役格納領域の構成について説明する。本実施形態では、表示役格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される表示役格納領域1及び2で構成される。
表示役格納領域1及び2のそれぞれにおいて、所定のビットに「1」が立っているとき(格納されているとき)、その所定のビットに対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことを示す。一方、全ビットが「0」であるとき、入賞に係る図柄の組合せやボーナスゲームの作動に係る図柄の組合せなどが有効ライン上に表示されなかったことを示す。
また、メインRAM53には、内部当籤役格納領域及び持越役格納領域(不図示)が設けられる。内部当籤役格納領域は、図19に示す表示役格納領域の構成と同様の構成であり、表示役格納領域1及び2を、内部当籤役格納領域1及び2に置き換えた構成となる。内部当籤役格納領域1及び2において、複数のビットに「1」が立っているときは、各ビットにそれぞれ対応する図柄の組合せの表示が許可される。また、全ビットが「0」であるとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となる。
また、持越役格納領域は、図19に示す表示役格納領域の格納領域1のみで構成される。内部抽籤の結果、内部当籤役として「BB」又は「RB」が決定されたときは、その内部当籤役が持越役として持越役格納領域に格納される。具体的には、「BB」又は「RB」に対応するビットにデータ「1」が格納される。そして、持越役格納領域に格納された持越役のデータは、対応する図柄の組合せ(例えば、「赤7−赤7−赤7」)が有効ライン上に表示されるまでクリアされずに保持される。また、持越役格納領域に持越役が格納されている間(フラグが立っている間)は、内部抽籤によって決定された内部当籤役に加えて、持越役が内部当籤役格納領域に格納される。
[作動ストップボタン格納領域]
次に、図20を参照して、作動ストップボタン格納領域の構成について説明する。作動ストップボタン格納領域は、1バイトからなる作動ストップボタンフラグを格納する。作動ストップボタンフラグにおいて、各ビットには、ストップボタンの操作状態が割り当てられる。
例えば、左ストップボタン17Lが今回押されたストップボタン、つまり、作動ストップボタンである場合には、作動ストップボタン格納領域のビット0(00000001)に「1」が格納される。また、例えば、左ストップボタン17Lが未だに押されていないストップボタン、つまり、有効ストップボタンである場合には、ビット4(00010000)に「1」が格納される。メインCPU51は、作動ストップボタン格納領域に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタンと未だに押されていないストップボタンとを識別する。
[引込優先順位データ格納領域]
次に、図21を参照して、引込優先順位データ格納領域の構成について説明する。引込優先順位データ格納領域は、左リール用引込優先順位データ格納領域、中リール用引込優先順位データ格納領域、及び、右リール用引込優先順位データ格納領域を含む。すなわち、引込優先順位データ格納領域には、リールの種類毎に優先順位データの格納領域が設けられる。
各引込優先順位データ格納領域には、対応するリールの各図柄位置「0」〜「20」に応じて決定された優先引込順位データが格納される。本実施形態では、引込優先順位データ格納領域を参照することにより、停止テーブルに基づいて決定された滑り駒数の他に、より適切な滑り駒数が存在するか否かを検索する。
引込優先順位データ格納領域に格納される優先順位引込データの内容は、優先引込順位データを決定する際に参照された引込優先順位テーブル(図17参照)の種類によって異なる。優先引込順位データは、その値が大きいほど優先順位が高いことを表す。
優先引込順位データを参照することにより、リールの周面に配された各図柄間における優先順位の相対的な評価が可能となる。すなわち、優先引込順位データとして最も大きい値が決定されている図柄が最も優先順位の高い図柄となる。したがって、優先引込順位データは、リールの周面に配された各図柄間の順位を示すものともいえる。
<サブROMに記憶されているデータテーブルの構成>
次に、図22及び図23を参照して、サブROM82に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[加算抽籤テーブル]
まず、図22を参照して、加算抽籤テーブルの構成について説明する。加算抽籤テーブルは、ATの遊技(以下、「AT遊技」という)中に行う所定役のナビ(報知)回数を、加算(上乗せ)するか否かを決定する抽籤処理の際に用いられるテーブルである。加算抽籤テーブルは、「加算なし」又は「加算あり」の抽籤結果と、内部抽籤役の種別毎に設定された抽籤値との対応関係を規定する。なお、加算抽籤テーブルは、後述の表示コマンド受信処理(図40参照)において参照される。
表示コマンド受信処理では、0〜32767の範囲から抽出された乱数値(乱数分母=32768)から、加算抽籤テーブルに規定された抽籤値を順次減算する。乱数値から「加算なし」の欄に規定された抽籤値を減算した結果が0未満となった場合は「加算なし」の当籤が決定する。すなわち、ナビ回数を加算しないことが決定される。乱数値から「加算なし」の欄に規定された抽籤値を減算した結果が0以上であり、次いで、その減算結果から「加算あり」の欄に規定された抽籤値を減算した結果が0未満となった場合は、「加算あり」の当籤が決定する。すなわち、この場合には、ナビ回数の加算が決定される。
内部当籤役が「ハズレ」又は「リプレイ」であった場合には、「32768/32768」の確率で「加算なし」が当籤し、「0/32768」の確率で「加算あり」が当籤する。すなわち、内部当籤役が「ハズレ」又は「リプレイ」であった場合には、ナビ回数の加算は行われない。内部当籤役が「ベル(特殊ベルを含む)」であった場合には、「30000/32768」の確率で「加算なし」が当籤し、「2768/32768」の確率で「加算あり」が当籤する。
内部当籤役が「スイカ」であった場合には、「12768/32768」の確率で「加算なし」が当籤し、「20000/32768」の確率で「加算あり」が当籤する。内部当籤役が「チェリー」であった場合には、「2768/32768」の確率で「加算なし」が当籤し、「30000/32768」の確率で「加算あり」が当籤する。
[遊技回数/加算値抽籤テーブル]
次に、図23を参照して、RT1移行後に決定されるATの遊技回数/加算値の抽籤テーブル(遊技回数/加算値抽籤テーブル)の構成について説明する。遊技回数/加算値抽籤テーブルは、遊技回数(AT遊技の単位遊技数)とその抽籤値(遊技回数抽籤値)との対応関係、及び、AT中に加算されるナビ回数の加算値とその抽籤値(加算値抽籤値)との対応関係を規定する。遊技回数/加算値抽籤テーブルは、後述の表示コマンド受信処理(図40参照)において参照されるテーブルである。遊技回数/加算値抽籤テーブルは、有効ライン上に「特殊リプレイ」が表示されたことで遊技状態がART遊技状態になった場合、及び、上述の「加算抽籤テーブル」を用いて行った加算抽籤の結果、「加算あり」が当籤した場合に参照される。
遊技回数/加算値抽籤テーブルの「遊技回数/加算値」には、遊技回数(AT作動期間の単位遊技回数)及びナビ回数の加算値が規定される。「遊技回数抽籤値」の欄には、各遊技回数に対して設定された抽籤値が規定される。「加算値抽籤値」の欄には、各加算値に対して設定された抽籤値が規定される。
本実施形態では、図23に示すように、遊技回数「50」、「75」、「100」、「200」及び「300」のそれぞれにおいて、0より大きな遊技回数抽籤値が設定される。また、本実施形態では、加算値「5」、「10」、「15」、「20」、「25」及び「30」のそれぞれにおいて、0より大きな加算抽籤値が設定される。
後述の表示コマンド受信処理では、特殊リプレイに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されて、RT遊技状態がRT1遊技状態(ART遊技状態)に移行したときに、0〜32767(乱数分母=32768)の範囲から抽出された乱数値を、「遊技回数抽籤値」で順次減算する処理(遊技回数の抽籤処理)を行う。なお、図23に示すように、「遊技回数抽籤値」の欄に規定される各抽籤値の合計値は「32768」となる。したがって、遊技回数/加算値抽籤テーブルを参照した遊技回数の抽籤処理では、ATの遊技回数として設定された「50」、「75」、「100」、「200」及び「300」のいずれかの遊技回数が必ず当籤する。
また、後述の表示コマンド受信処理では、ART遊技状態であり、かつナビ回数の加算が決定された(「加算抽籤テーブル」を用いて行った抽籤の結果、「加算あり」が当籤した)場合、0〜32767(乱数分母=32768)の範囲から抽出された乱数値を、「加算値抽籤値」で順次減算する処理(加算値の抽籤処理)を行う。
なお、図23に示すように、「加算値抽籤値」の欄に規定される各抽籤値の合計値も「32768」である。したがって、ART遊技状態中に、ナビ回数の加算が決定された場合には、加算値「5」、「15」、「20」、「25」及び「30」のいずれかの加算値が当籤する。
なお、本実施形態では、図23の遊技回数/加算値抽籤テーブルに示すように、遊技回数の最小値(「50」)が、加算値の最大値(「30」)よりも大きな値に設定されている。つまり、本実施形態では、遊技回数/加算値抽籤テーブルを用いて行う各種抽籤の結果、加算値(上乗せのナビ回数)として当籤する値は、遊技回数(AT作動期間の単位遊技回数)として当籤する値よりも必ず小さな値となる。
<ゲーム数管理方式/ナビ回数管理方式切り替え機能>
本実施形態のパチスロ1は、AT遊技の作動期間を示す値(ATの残りゲーム数、ナビの残り回数)の計数方式を、単位遊技毎にカウンタの値を減算するゲーム数管理方式と、ナビ(報知)の実行毎にカウンタの値を減算するナビ回数管理方式との間で切り替える機能を有する。
(1)切替機能の概要
ゲーム数管理方式は、ART遊技状態(RT1遊技状態)において適用される管理方式である。上述したように、一般遊技状態(RT0遊技状態)からRT1遊技状態への移行は、有効ライン上に「特殊リプレイ」に対応する図柄の組み合わせが表示された場合に行われる。さらにこの場合、本実施形態では、RT遊技状態がRT0遊技状態からRT1遊技状態に移行すると同時に、ATの遊技回数が付与され(図23の遊技回数/加算値抽籤テーブル参照)、ATも作動する。すなわち、有効ライン上に「特殊リプレイ」に対応する図柄の組み合わせが表示されたとき、遊技状態はART遊技状態となる。
そして、AT(ART)遊技が開始されると、AT遊技の作動期間を示す情報は、ゲーム数管理方式で計数される。なお、ART遊技状態におけるATでは、RT遊技状態をRT1遊技状態からRT0遊技状態に移行させる表示役、すなわち、RT1遊技状態を終了させる表示役である「ベルこぼし目」(「スイカ」−「ベル」−「ベル」)を、有効ライン上に表示させないためのナビを行う。
「ベルこぼし目」は、上述のように、内部当籤している「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」に係る図柄の組合せを、有効ライン上に表示させることができなかった場合に表示される図柄の組合せである。したがって、「ベルこぼし目」を有効ライン上に表示させないためのナビは、「特殊ベル1」(「赤7」−「ベル」−「ベル」)又は「特殊ベル2」(「白7」−「ベル」−「ベル」)に対応する図柄を、有効ライン上に表示させるためのナビとなる。
また、本実施形態では、AT(ART)遊技中にナビ回数の加算(上乗せ)の有無及び加算値を決める抽籤を行う。ナビ回数の加算の有無の抽籤は、上述した「加算抽籤テーブル」(図22参照)を参照して行われ、加算値(ナビ回数)の抽籤は、「遊技回数/加算値抽籤テーブル」(図23参照)を参照して行われる。これらの抽籤の結果、ナビ回数の加算が決定された場合には、AT遊技の作動期間を示す値(情報)の計数方式が、ゲーム数管理方式からナビ回数管理方式に切り替えられる。その後、加算されたナビ回数の遊技が消化されるまで、ナビ回数管理方式が適用される。
そして、AT状態において行ったナビ(報知)回数が、上乗せされた加算値と同数になると、AT遊技の作動期間の計数方式が、ナビ回数管理方式からゲーム数管理方式に切り替わる。すなわち、当籤した加算値の回数分だけナビが行われた時点で、AT遊技の作動期間を示す値の計数方式が、ナビ回数管理方式からゲーム数管理方式に切り替えられる。
(2)各種カウンタ
次に、上述した各種計数方式で用いられる各種カウンタについて説明する。本実施形態では、ゲーム数管理方式によって管理するゲーム数は、「遊技回数カウンタ(遊技回数計数手段)」を用いて管理し、ナビ回数管理方式で管理するナビ回数は、「報知回数カウンタ(報知回数計数手段)」を用いて管理する。また、これらのカウンタとは別に、ゲーム数又はナビ回数を遊技者に対して数値情報として報知する際の、表示回数を管理するための「表示回数カウンタ(表示回数計数手段)」を設ける。「遊技回数カウンタ」、「報知回数カウンタ」及び「表示回数カウンタ」は、副制御回路42のサブRAM83(図5参照)内の所定の領域に設けられる。
遊技回数カウンタには、まず、遊技回数/加算値抽籤テーブルを参照して行った抽籤により決定された遊技回数が設定される。なお、この際、遊技回数は、遊技回数カウンタに対してだけでなく、表示回数カウンタにも設定される。遊技回数カウンタの値及び表示回数カウンタの値は、ゲーム数管理方式でAT遊技の作動期間が計数されている間、単位遊技(1ゲーム)毎に1ずつ減算される。
報知回数カウンタには、AT遊技中に行われるナビ回数の加算抽籤により、ナビ回数の加算が決定した場合に、決定されたナビ回数(「遊技回数/加算値抽籤テーブル」中の加算値)が設定される。この加算値は、表示回数カウンタには設定されない。すなわち、ナビ回数の加算が決定した時点では、表示回数カウンタには、遊技回数カウンタの値(計数値)と同じ値が設定されている。そして、ナビ回数管理方式で、AT遊技の作動期間が計数されている間、ナビの実行毎に、報知回数カウンタの値及び表示回数カウンタの値が1ずつ減算される。
また、本実施形態では、当籤した加算値の回数分だけナビが行われ、報知回数カウンタの値が「0」になると、表示回数カウンタに、再び遊技回数カウンタの値が設定される。
なお、表示回数カウンタの値は、液晶表示装置10の表示画面上に、ゲーム数又はナビ回数として表示される。ゲーム数管理方式による管理が行われている状態で、表示回数カウンタの値が例えば50回であった場合には、液晶表示装置10の表示画面上には、「残りゲーム数50回」、「残り50ゲーム」等の表示が行われる。一方、ナビ回数管理方式による管理が行われている状態で、表示回数カウンタの値が例えば15回であった場合には、液晶表示装置10の表示画面上には、「残りナビ15回」等の表示が行われる。
(3)具体例
ここで、上述したAT遊技の作動期間の計数方式の切り替え動作の具体例を説明する。例えば、有効ライン上に「特殊リプレイ」に対応する図柄の組み合わせが表示され、遊技状態がART遊技状態に移行し、ATの遊技回数として75回が当籤したとする。この場合、遊技回数カウンタ及び表示回数カウンタに「75」が設定される。そして、液晶表示装置10の表示画面上に「残りゲーム数75回」等の表示が行われる。
次いで、残りの遊技回数が50回になった時点で、ナビ回数の加算抽籤によって、ナビ回数の加算値として15回が当籤したとする。この当籤回数15回は、表示回数カウンタには設定されず、報知回数カウンタのみに設定される。そして、ナビ回数の加算抽籤の当籤により、表示回数カウンタの値を残りナビ回数として表示する。具体的には、液晶表示装置10の表示画面上に「残りナビ50回」等の表示が行われる。
遊技者は、このような表示を通して、AT遊技の作動期間の計数方式が、ゲーム数管理方式からナビ回数管理方式に切り替わったと認識することができる。このような表示形態では、実際に当籤したナビ回数は15回であるが、表示回数カウンタの値と同数の値を、当籤したナビ回数であるかのように遊技者に見せることができ、遊技者に対して得をした感覚を与えることができる。
ナビ回数の加算が行われた後は、ナビが行われて「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」に対応する図柄が有効ライン上に表示される度に、報知回数カウンタの値及び表示回数カウンタの値が1ずつ減算される。ただし、ナビ回数管理方式の適用中は、遊技回数カウンタの値は減算されずに維持されるため、この時点での遊技回数カウンタの値は「50」のままである。そして、ナビが15回行われて報知回数カウンタの値が0になった時点(表示回数カウンタの値が「35」になった時点)で、液晶表示装置10の表示画面上の表示が、ナビの残り回数を通知する画面から、AT遊技の残りゲーム数(単位遊技数)を通知する画面に切り替わる。
このとき、表示回数カウンタの値(「35」)に基づいて、液晶表示装置10の表示画面上に「残りゲーム数35回」等の表示が行われる。さらに、ナビ回数管理方式の適用中に減算された報知回数カウンタの値と同数の値、すなわち、「15」回のARTゲーム数が上乗せされたことが、遊技者に報知される。具体的には、液晶表示装置10の表示画面上に、「残りゲーム数35回」の表示とともに、「上乗せゲーム数15回当籤」等の表示が行われる。その後は、遊技回数カウンタの値(「50」)に基づいて、液晶表示装置10の表示画面上に、「残りゲーム数50回」等の表示が行われる。
このような表示が行われることにより、遊技者に対して、上乗せ分のナビが終了した時点でARTゲームが上乗せされたように見せることができ、遊技者に得をした感覚を与えることができる。
<主制御回路の動作説明>
次に、図24〜図36を参照して、主制御回路41のメインCPU51が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
[メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理]
まず、メインCPU51の制御で行うパチスロ1の主要動作処理の手順を、図24に示すメインフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、パチスロ1に電源が投入されると、メインCPU51は、電源投入時の初期化処理を行う(S1)。この初期化処理では、バックアップが正常に行われたか、設定変更が適切に行われたか等が判定され、その判定結果に対応した初期化が行われる。
次いで、メインCPU51は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この初期化処理では、メインRAM53における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでいう指定格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの1回の遊技ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
次いで、メインCPU51は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ35Sやスタートスイッチ16Sの入力のチェック等が行われる。なお、メダル受付・スタートチェック処理の詳細については、後述の図25を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU51は、乱数値を抽出し、該抽出した乱数値をメインRAM53に設けられた乱数値格納領域に格納する(S4)。そして、抽出した乱数値が乱数値格納領域に格納されると、メインCPU51は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。なお、内部抽籤処理の詳細については、後述の図26及び図27を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU51は、リール停止初期設定処理を行う(S6)。なお、リール停止初期設定処理の詳細については、後述の図28を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU51は、スタートコマンド送信処理を行う(S7)。具体的には、メインCPU51は、スタートコマンドを副制御回路42に送信する。なお、スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
次いで、メインCPU51は、ウエイト処理を行う(S8)。この処理では、メインCPU51は、前回の遊技開始から所定時間(例えば、4.1秒)を経過していない場合、該所定時間が経過するまで待ち時間を消化する。
次いで、メインCPU51は、リール回転開始処理を行う(S9)。この処理において、メインCPU51は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される後述の割込処理(図36参照)により、3つのステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動が制御され、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの回転が開始される。このとき、各リールは、その回転速度が定速度に達するまで加速制御され、その後、該定速度が維持されるように制御される。
次いで、メインCPU51は、引込優先順位格納処理を行う(S10)。この処理では、メインCPU51は、引込優先順位データを取得して、引込優先順位データ格納領域に格納する。なお、引込優先順位格納処理の詳細については、後述の図29を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU51は、リール停止制御処理を行う(S11)。この処理では、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C及び右ストップボタン17Rがそれぞれ押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当するリールの回転が停止される。なお、リール停止制御処理の詳細については、後述の図31を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU51は、入賞検索処理を行う(S12)。この処理では、メインCPU51は、図柄コード格納領域(不図示)のデータを表示役格納領域(図19参照)に格納する。なお、図柄コード格納領域とは、有効ライン毎に、直近に停止操作されたリールの図柄の図柄コードと、表示可能な役とが格納される領域である。
また、この入賞検索処理では、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rが全て停止した後に有効ラインに表示された図柄の組合せと、図柄組合せテーブル(図7参照)とを照合する。そして、メインCPU51は、有効ラインに表示役が表示されたか否かを判定し、その判定結果を表示役格納領域に格納するようにしてもよい。
次いで、メインCPU51は、表示コマンド送信処理を行う(S13)。この処理では、メインCPU51は、表示コマンドを副制御回路42に送信する。なお、表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
次いで、メインCPU51は、メダル払出処理を行う(S14)。この処理では、S12の入賞検索処理において決定された表示役の払出枚数に基づいて、ホッパー33の駆動やクレジット枚数の更新が行われ、メダルの払い出しが行われる。
次いで、メインCPU51は、RT制御処理を行う(S15)。この処理では、メインCPU51は、RT遊技状態を管理する。なお、RT制御処理の詳細については、後述の図33を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU51は、ボーナス終了チェック処理を行う(S16)。この処理では、メインCPU51は、ボーナスゲームの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスゲームの作動を終了するか否かをチェックする。なお、ボーナス終了チェック処理の詳細については、後述の図34を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を行う(S17)。この処理では、メインCPU51は、ボーナスゲームの作動を開始するか否か、及び、再遊技を行うか否かをチェックする。なお、ボーナス作動チェック処理の詳細については、後述の図35を参照しながら後で説明する。ボーナス作動チェック処理が終了すると、メインCPU51は、処理をS2に戻し、S2以降の処理を繰り返す。
[メダル受付・スタートチェック処理]
次に、図25を参照して、メインフロー(図24参照)中のS3で行うメダル受付・スタートチェック処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、自動投入要求はあるか否かを判別する(S21)。この自動投入要求の有無は、自動投入カウンタが「0」であるか否かを判別して行われる。すなわち、メインCPU51は、自動投入カウンタが「0」であるときは、自動投入要求が無いと判別し、自動投入カウンタが「1」以上(本実施形態では「3」)であるときは、自動投入要求が有ると判別する。
なお、自動投入カウンタは、前回の単位遊技において例えば「リプレイ」等の再遊技に係る表示役が成立したか否かを識別するためのデータである。再遊技に係る表示役が成立したときには、前回の単位遊技において投入された枚数分のメダルが自動投入カウンタに自動的に投入される。
S21において、メインCPU51が、自動投入要求が有ると判別したとき(S21がYES判定の場合)、メインCPU51は、自動投入処理を行う(S22)。この処理では、自動投入カウンタの値が投入枚数カウンタに複写され、その後、自動投入カウンタの値がクリアされる。その後、メインCPU51は、後述のS29の処理を行う。
一方、S21において、メインCPU51が、自動投入要求が無いと判別したとき(S21がNO判定の場合)、メインCPU51は、メダル受付許可を行う(S23)。この処理では、セレクタ35(図3参照)のソレノイドの駆動が行われ、メダル投入口11から投入されたメダルが受け入れられる。受け入れられたメダルは計数されてからホッパー33へ案内される。
次いで、メインCPU51は、遊技状態に応じて投入枚数の最大値を設定する(S24)。なお、本実施形態では、遊技状態に関係なく、投入枚数の最大値を「3」に設定する。
次いで、メインCPU51は、メダル受付許可であるか否かを判別する(S25)。S25において、メインCPU51がメダル受付許可ではないと判別したとき(S25がNO判定の場合)、メインCPU51は、後述のS29の処理を行う。
一方、S25において、メインCPU51がメダル受付許可であると判別したとき(S25がYES判定の場合)、メインCPU51は、メダル投入チェック処理を行う(S26)。この処理では、メインCPU51は、メダルが投入されたかを判別して、メダルが投入された場合に投入枚数カウンタに「1」を加算する。
次いで、メインCPU51は、メダル投入コマンドを副制御回路42に送信する(S27)。メダル投入コマンドは、投入枚数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。
次いで、メインCPU51は、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判別する(S28)。S28において、メインCPU51が、投入枚数が遊技開始可能枚数では無いと判別したとき(S28がNO判定の場合)、メインCPU51は、処理をS25に戻し、S25以降の処理を繰り返す。一方、S28において、メインCPU51が、投入枚数が遊技開始可能枚数であると判別したとき(S28がYES判定の場合)、メインCPU51は、後述のS29の処理を行う。
次いで、メインCPU51は、スタートスイッチはオンであるか否かを判別する(S29)。S29において、メインCPU51が、スタートスイッチはオンではないと判別したとき(S29がNO判定の場合)、メインCPU51は、処理をS25に戻し、S25以降の処理を繰り返す。
一方、S29において、メインCPU51が、スタートスイッチはオンであると判別したとき(S29がYES判定の場合)、メインCPU51は、メダル受付禁止の処理を行う(S30)。この処理により、セレクタ35(図3参照)のソレノイドの駆動が行われず、投入されたメダルがメダル払出口18から排出される。この処理が終了すると、メインCPU51は、メダル受付・スタートチェック処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS4に移す。
[内部抽籤処理]
次に、図26及び図27を参照して、メインフロー(図24参照)中のS5で行う内部抽籤処理について説明する。なお、本実施形態では、以下に説明する各種内部抽籤テーブルを用いた内部抽籤処理は主制御回路41により実行される。すなわち、本実施形態では、主制御回路41は、内部抽籤処理を実行する手段(内部当籤役決定手段)も兼ねる。
はじめに、メインCPU51は、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S41)。すなわち、メインCPU51は、遊技状態フラグ格納領域(不図示)を参照して現在の遊技状態を把握し、内部抽籤テーブル決定テーブル(図10参照)に基づいて内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数を決定する。
遊技状態フラグ格納領域は、遊技状態フラグを格納するための領域であり、複数ビットのデータ領域で構成される。遊技状態フラグ格納領域において、各ビットには、ボーナスゲームの種別又はRTの種別が割り当てられる。遊技状態フラグ格納領域において、所定のビットに「1」が格納されている(立っている)とき、その所定のビットに該当するボーナスゲーム又は「RT」の作動が行われていることを示す。本実施形態では、ボーナスゲームの種別としては「RB」及び「BB」があり、RTの種別としては、「RT0」、「RT1」及び「RT2」がある。
なお、内部抽籤テーブル決定テーブルに基づいてメインCPU51が決定する抽籤回数は、内部抽籤テーブルにより規定された各当籤番号について、抽籤値の減算及び桁かりが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
次いで、メインCPU51は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得する(S42)。そして、メインCPU51は、当籤番号の初期値として「1」をセットする。
次いで、メインCPU51は、内部抽籤テーブルを参照して当籤番号に対応する抽籤値を取得し、乱数値から抽籤値を減算する(S43)。
次いで、メインCPU51は、S43での演算結果が0未満であるか否かを判別する(S44)。
S44において、メインCPU51が、演算結果が0未満でないと判別したとき(S44がNO判定の場合)、メインCPU51は、乱数値及び当籤番号を更新する(S45)。具体的には、演算結果の値を乱数値にして、当籤番号を1加算する。
次いで、メインCPU51は、全ての当籤番号をチェックしたか否かを判別する(S46)。S46において、メインCPU51が全ての当籤番号をチェックしていないと判別したとき(S46がNO判定の場合)、メインCPU51は、処理をS43に戻し、S43以降の処理を繰り返す。
一方、S46において、メインCPU51が全ての当籤番号をチェックしたと判別したとき(S46がYES判定の場合)、メインCPU51は、データポインタとして「0」をセットする(S47)。すなわち、メインCPU51は、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタとして「0」をセットする。
ここで、再度S44の処理の説明に戻って、S44において、メインCPU51が、演算結果が0未満(負の値)である判別したとき(S44がYES判定の場合)、メインCPU51は、現在の当籤番号に対応する、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(S48)。
そして、S47又はS48の処理後、メインCPU51は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブル(図16参照)を参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S49)。
次いで、メインCPU51は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納する(S50)。
次いで、メインCPU51は、持越役格納領域に格納されているデータが「00000000」であるか否かを判別する(S51)。S51において、メインCPU51が、持越役格納領域に格納されているデータが「00000000」でないと判別したとき(S51がNO判定の場合)、メインCPU51は、後述のS57の処理を行う。
一方、S51において、メインCPU51が、持越役格納領域に格納されているデータは「00000000」であると判別したとき(S51がYES判定の場合)、メインCPU51は、ボーナス用内部当籤役決定テーブル(図15参照)を参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S52)。
次いで、メインCPU51は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する(S53)。
次いで、メインCPU51は、持越役格納領域に格納されているデータが「00000000」であるか否かを判別する(S54)。S54において、メインCPU51が、持越役格納領域に格納されているデータが「00000000」であると判別したとき(S54がYES判定の場合)、メインCPU51は、後述のS57の処理を行う。
一方、S54において、メインCPU51が、持越役格納領域に格納されているデータは「00000000」でないと判別したとき(S54がNO判定の場合)、メインCPU51は、「RT1遊技状態フラグ」をクリアし(S55)、「RT2遊技状態フラグ」をオンにする(S56)。すなわち、この処理により、RT遊技状態がRT2遊技状態に移行する。「RT1遊技状態フラグ」及び「RT2遊技状態フラグ」は、副制御回路42のサブRAM83(図5参照)内に設けられた遊技状態フラグ格納領域に格納される。
次いで、メインCPU51は、持越役格納領域に格納されている内部当籤役に基づいて、内部当籤役格納領域を更新する(S57)。その後、メインCPU51は、内部抽籤処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS6に移す。
[リール停止初期設定処理]
次に、図28を参照して、メインフロー(図24参照)中のS6で行うリール停止初期設定処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、図柄コード格納領域(不図示)に回転中の識別子「0FFH(11111111B)」を格納する(S61)。
次いで、メインCPU51は、メインRAM53に設けられたストップボタン未作動カウンタに「3」を格納する(S62)。その後、メインCPU51は、リール停止初期設定処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS7に移す。なお、ストップボタン未作動カウンタは、停止操作が検出されていないストップボタンの数を管理するためのカウンタである。
[引込優先順位格納処理]
次に、図29を参照して、メインフロー(図24参照)中のS10で行う引込優先順位格納処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、ストップボタン未作動カウンタを、検索回数としてメインRAM53に格納する(S71)。次いで、メインCPU51は、検索対象リール決定処理を行う(S72)。この処理では、メインCPU51は、例えば、回転中のリールから、所定のリールを選択し、該選択したリールを検索対象リールとして決定する。
例えば、S72では、全て(3つ)のリールの回転が行われているとき、最初に左リール3Lが検索対象リールとして決定される。その後、左リール3Lに対して、後述するS80までの各種処理が行われ、再度S72に戻ると、次には、中リール3Cが検索対象リールとして決定される。そして、中リール3Cに対して、後述するS80までの各種処理が行われ、再度S72に戻ると、次に、右リール3Rが検索対象リールとして決定される。
次いで、メインCPU51は、図柄位置データとして「0」をセットし、図柄チェック回数として「21」をセットする(S73)。そして、メインCPU51は、図柄コード取得処理を行う(S74)。この処理では、検索対象リールの有効ライン上に位置する、現在の図柄位置データに対応する図柄コードが、図柄コード格納領域に格納される。この際、有効ライン数分の図柄コードが格納される。なお、図柄コード取得処理の詳細については、後述の図30を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU51は、取得された図柄コードと図柄コード格納領域(不図示)のデータとに基づいて、表示役格納領域(図19参照)を更新する(S75)。この時点では、内部当籤役の当籤の有無に関らず、停止図柄に基づいて、表示可能性のある図柄の組合せ(表示可能な役)が表示役格納領に格納される。
なお、本実施形態では、停止するリール毎に、図柄コード格納領域の情報(図柄コード及びそれに対応する表示可能な役)が更新される。この際、表示可能な役を、予め用意された、停止されたリールの図柄とそれに対応する表示可能な役との対応関係を規定したデータから取得してもよいし、停止されたリールの図柄と図柄組合せテーブル(図7参照)とを照合して取得してもよい。なお、前者の手法を用いた場合、リール毎に図柄と表示可能な役との対応関係が変わる。
次いで、メインCPU51は、引込優先順位取得処理を行う(S76)。この処理では、表示役格納領域(図19参照)でビットが「1」になっており、且つ、内部当籤役格納領域でビットが「1」になっている役について、選択されている引込優先順位テーブル(図17参照)を参照して、引込優先順位データを取得する。
次いで、メインCPU51は、取得した優先引込順位データを引込優先順位データ格納領域(図21参照)に格納する(S77)。このとき、優先引込順位データは、各優先順位の値と、格納領域のビットとが対応するように、引込優先順位データ格納領域に格納される。次いで、メインCPU51は、図柄位置データを1加算し、図柄チェック回数を1減算する(S78)。
次いで、メインCPU51は、図柄チェック回数が0であるか否かを判別する(S79)。S79において、メインCPU51が、図柄チェック回数が0ではないと判別したとき(S79がNO判定の場合)、メインCPU51は、処理をS74に戻し、S74以降の処理を繰り返す。
一方、S79において、メインCPU51が、図柄チェック回数が0であると判別したとき(S79がYES判定の場合)、メインCPU51は、検索回数分検索したか否かを判別する(S80)。
S80において、メインCPU51が検索回数分検索していないと判別したとき(S80がNO判定の場合)、メインCPU51は、処理をS72に戻し、S72以降の処理を繰り返す。一方、S80において、メインCPU51が検索回数分検索したと判別したとき(S80がYES判定の場合)、メインCPU51は、引込優先順位格納処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS11に移す。
[図柄コード取得処理]
次に、図30を参照して、引込優先順位格納処理のフローチャート(図29参照)中のS74で行う図柄コード取得処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、有効ラインデータをセットする(S91)。本実施形態では、有効ラインは、上述のように、1つのライン(左リール3Lの中段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの中段領域を結ぶセンターライン)を設ける。次いで、メインCPU51は、検索図柄位置と有効ラインデータとに基づいて、検索対象リールのチェック用図柄位置データをセットする(S92)。
次いで、メインCPU51は、チェック用図柄位置データの図柄コードを取得する(S93)。その後、メインCPU51は、図柄コード格納処理を終了し、処理を引込優先順位格納処理(図29参照)のS75に移す。
[リール停止制御処理]
次に、図31を参照して、メインフロー(図24参照)中のS11で行うリール停止制御処理について説明する。なお、本実施形態では、以下に説明するリール停止制御処理は主制御回路41により実行される。すなわち、本実施形態では、主制御回路41は、リール停止制御処理を実行する手段(停止制御手段)も兼ねる。
はじめに、メインCPU51は、有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(S101)。S101において、メインCPU51が、有効なストップボタンが押されていないと判別したとき(S101がNO判定の場合)、メインCPU51は、S101の処理を繰り返し、有効なストップボタンの押圧操作が実行されるまで待機する。
一方、S101において、メインCPU51が、有効なストップボタンが押されたと判別したとき(S101がYES判定の場合)、メインCPU51は、作動ストップボタン格納領域(図20参照)を更新する(S102)。次いで、メインCPU51は、ストップボタン未作動カウンタを1減算する(S103)。
次いで、メインCPU51は、作動ストップボタンから検索対象リールを決定する(S104)。そして、メインCPU51は、図柄カウンタに基づいて停止開始位置をメインRAM53に格納する(S105)。
次いで、メインCPU51は、滑り駒数決定処理を行う(S106)。なお、滑り駒数決定処理の詳細については、後述の図32を参照しながら後で説明する。次いで、メインCPU51は、リール停止コマンドを副制御回路42に送信する(S107)。なお、リール停止コマンドには、停止されるリールの種別やその滑り駒数等の情報が含まれる。
次いで、メインCPU51は、停止開始位置と、S106で決定された滑り駒数とに基づいて停止予定位置を決定し、該決定した停止予定位置をメインRAM53に格納する(S108)。この処理では、メインCPU51は、停止開始位置に滑り駒数を加算し、その結果を停止予定位置とする。
次いで、メインCPU51は、S108で決定された停止予定位置を検索図柄位置としてセットする(S109)。次いで、メインCPU51は、図30を参照して説明した図柄コード格納処理を行う(S110)。その後、メインCPU51は、取得した図柄コードを用いて図柄コード格納領域(不図示)を更新する(S111)。
次いで、メインCPU51は、ストップボタン未作動カウンタは0であるか否かを判別する(S112)。
S112において、メインCPU51が、ストップボタン未作動カウンタが0ではないと判別したとき(S112がNO判定の場合)、メインCPU51は、図29を参照して説明した引込優先順位格納処理を行う(S113)。その後、メインCPU51は、処理をS101に戻し、S101以降の処理を繰り返す。
一方、S112において、メインCPU51が、ストップボタン未作動カウンタが0であると判別したとき(S112がYES判定の場合)、メインCPU51は、リール停止制御処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS12に移す。
[滑り駒数決定処理]
次に、図32を参照して、リール停止制御処理のフローチャート(図31参照)中のS106で行う滑り駒数決定処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、作動ストップボタン格納領域(図20)、及び、停止テーブル群番号等に基づいて、停止テーブルをセットする(S121)。停止テーブル群番号とは、各リールの滑り駒数の決定処理に用いられるデータであり、停止テーブル群番号に対応する停止テーブル群が選択される。なお、本実施形態では、内部当籤役が「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」であるときには、停止テーブル群番号として、ベルこぼし目停止用テーブル(図18参照)に対応する番号が決定される。
次いで、メインCPU51は、セットされた停止テーブルを参照し、リール停止制御処理(図31参照)のS105で格納した停止開始位置に対応する滑り駒数決定データを取得する(S122)。内部当籤役が「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」であるときには、上述したように、ベルこぼし目停止用テーブル(図18参照)を参照して滑り駒数が決定される。しかし、停止開始位置が「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」に対応する図柄を停止表示可能な(引き込める)位置であった場合には、次のS123の「優先引込制御処理」によって、「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」の引き込みが優先的に行われるように、滑り駒数が決定される。
次いで、メインCPU51は、優先引込制御処理を行う(S123)。優先引込制御処理では、停止開始位置から最大滑り駒数(4コマ)の範囲内の各図柄(停止開始位置の図柄も含む5コマの範囲内の各図柄)について、引込優先順位格納処理によって、引込優先順位データ格納領域に格納された優先引込順位データを比較する。そして、最も高い引込順位データが格納されている図柄を、停止制御位置として決定する。なお、本実施形態では、優先引込順位データを比較する順序である検索順序を、停止テーブルに基づいて決定された滑り駒数決定データに基づいて選択する。したがって、最も高い優先引込順位データが複数存在する場合には、順序的に先に検索された滑り駒数、あるいは順序的に後に検索された滑り駒数が、滑り駒数決定データに基づいて選択され、選択された滑り駒数に基づいて、停止制御位置が決定される。つまり、最も高い優先引込順位データが複数存在する場合には、停止テーブルに基づいて停止制御位置が決定される。本実施形態では、滑り駒数決定データと同数だけ図柄位置を加算した位置が停止制御位置となるように、つまり、滑り駒数決定データが滑り駒数と同一となるように、検索順序が定められている。
メインCPU51は、S123の後、滑り駒数決定処理を終了し、処理をリール停止制御処理(図31参照)のS107に移す。
[RT制御処理]
次に、図33を参照して、メインフロー(図24参照)中のS15で行う、RT制御処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、RT1遊技状態フラグがオンされているか否かを判別する(S131)。S131において、メインCPU51が、RT1遊技状態フラグがオンされていると判別したとき(S131がYES判定の場合)、メインCPU51は、後述のS135の処理を行う。
一方、S131において、メインCPU51が、RT1遊技状態フラグがオンされていないと判別したとき(S131がNO判定の場合)、メインCPU51は、RT2遊技状態フラグがオンされているか否かを判別する(S132)。S132において、メインCPU51が、RT2遊技状態フラグがオンされていると判別したとき(S132がYES判定の場合)、メインCPU51は、RT制御処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS16に移す。
S132において、メインCPU51が、RT2遊技状態フラグがオンされていないと判別したとき(S132がNO判定の場合)、メインCPU51は、入賞役(表示役)が「特殊リプレイ」であるか否かを判別する(S133)。S133において、メインCPU51が、入賞役が「特殊リプレイ」であると判別したとき(S133がYES判定の場合)、メインCPU51は、RT1遊技状態フラグをオンにする(S134)。
一方、S133において、メインCPU51が、入賞役が「特殊リプレイ」でないと判別したとき(S133がNO判定の場合)、メインCPU51は、RT制御処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS16に移す。また、S134の処理後、又は、S131がYES判定の場合、メインCPU51は、「ベルこぼし目」が停止表示されているか否かを判別する(S135)。S135において、メインCPU51が、「ベルこぼし目」が停止表示されていると判別したとき(S135がYES判定の場合)、メインCPU51は、RT1遊技状態フラグをオフにする(S136)。その後、メインCPU51は、RT制御処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS16に移す。
一方、S135において、メインCPU51が、「ベルこぼし目」が停止表示されていないと判別したとき(S135がNO判定の場合)、メインCPU51は、RT制御処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS16に移す。
[ボーナス終了チェック処理]
次に、図34を参照して、メインフロー(図24参照)中のS16で行うボーナス終了チェック処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、遊技状態がBB遊技状態であるか否かを判別する(S141)。S141において、メインCPU51が、遊技状態がBB遊技状態でないと判別したとき(S141がNO判定の場合)、メインCPU51は、後述のS148の処理を行う。
一方、S141において、メインCPU51が、遊技状態がBB遊技状態であると判別したとき(S141がYES判定の場合)、メインCPU51は、入賞可能回数カウンタの値及び遊技可能回数カウンタの値を1減算する(S142)。
次いで、メインCPU51は、入賞可能回数カウンタの値又は遊技可能回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S143)。本実施形態では、RB遊技状態用内部抽籤テーブル(図14参照)に示されるように、RB遊技状態においては「ハズレ」が存在しない。また、本実施形態では、ボーナス作動時テーブル(図8参照)に示されるように、RB作動時の遊技可能回数カウンタの値と、入賞可能回数カウンタの値とが同数(「8」)である。すなわち、RB作動時において、遊技可能回数と入賞可能回数とが必ず一致する。遊技可能回数と入賞可能回数との一致は、毎ゲーム必ず小役を表示する制御を行うことで実現される。つまり、本実施形態では、入賞可能回数カウンタの値が「0」であるときには、遊技可能回数カウンタの値も必ず「0」となる。したがって、S143では、事実上は、メインCPU51は、入賞可能回数カウンタの値「及び」遊技可能回数カウンタの値が「0」であるかを判別することになる。
S143において、メインCPU51が、入賞可能回数カウンタの値又は遊技可能回数カウンタの値が「0」でないと判別したとき(S143がNO判定の場合)、メインCPU51は、後述のS145の処理を行う。
一方、S143において、メインCPU51が、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタの値が「0」であると判別したとき(S143がYES判定の場合)、メインCPU51は、RB終了処理を行う(S144)。具体的には、メインCPU51は、RB遊技状態フラグをオフにする処理、遊技状態を一般遊技状態(RT0遊技状態)に移行させる処理、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタをクリアする処理などを行う。
次いで、メインCPU51は、ボーナス終了枚数カウンタの値を更新する(S145)。
次いで、メインCPU51は、ボーナス終了枚数カウンタの値が0未満であるか否かを判別する(S146)。S146において、メインCPU51が、ボーナス終了枚数カウンタの値が0未満でないと判別したとき(S146がNO判定の場合)、メインCPU51は、ボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS17に移す。
一方、S146において、メインCPU51が、ボーナス終了枚数カウンタの値が0未満であると判別したとき(S146がYES判定の場合)、メインCPU51は、BB終了処理を行う(S147)。具体的には、メインCPU51は、BB遊技状態フラグ及びRB遊技状態フラグをオフにする処理、遊技状態を一般遊技状態(RT0遊技状態)に移行させる処理、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタをクリアするなどの処理を行う。
ここで、再度S141の処理の説明に戻る。S141において、メインCPU51が、遊技状態がBB遊技状態でないと判別したとき(S141がNO判定の場合)、メインCPU51は、遊技状態がRB遊技状態であるか否かを判別する(S148)。S148において、メインCPU51が、遊技状態がRB遊技状態でないと判別したとき(S148がNO判定の場合)、メインCPU51は、ボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS17に移す。
一方、S148において、メインCPU51が、遊技状態がRB遊技状態であると判別したとき(S148がYES判定の場合)、メインCPU51は、入賞可能回数カウンタの値及び遊技可能回数カウンタの値を1減算する(S149)。
次いで、メインCPU51は、入賞可能回数カウンタの値又は遊技可能回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S150)。S150において、メインCPU51が、入賞可能回数カウンタの値又は遊技可能回数カウンタの値が「0」でないと判別したとき(S150がNO判定の場合)、メインCPU51は、ボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS17に移す。
一方、S150において、メインCPU51が、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタの値が「0」であると判別したとき(S150がYES判定の場合)、メインCPU51は、RB終了処理を行う(S151)。
次いで、メインCPU51は、ボーナス終了コマンド送信処理を行う(S152)。この処理では、メインCPU51は、ボーナス終了コマンドを副制御回路42に送信する。ボーナス終了コマンドには、ボーナスゲームが終了したことを示す情報などが含まれる。そして、S152の後、メインCPU51は、ボーナス終了チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS17に移す。
[ボーナス作動チェック処理]
次に、図35を参照して、メインフロー(図24参照)中のS17で行うボーナス作動チェック処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、表示役が「BB」であるか否かを判別する(S161)。S161において、メインCPU51が、表示役が「BB」でないと判別したとき(S161がNO判定の場合)、メインCPU51は、後述のS166の処理を行う。
一方、S161において、メインCPU51が、表示役が「BB」であると判別したとき(S161がYES判定の場合)、メインCPU51は、BB作動時処理を行う(S162)。この処理では、メインCPU51は、ボーナス終了枚数カウンタに「346」をセットする。
次いで、メインCPU51は、持越役格納領域の値をクリアする(S163)。次いで、メインCPU51は、RT遊技状態フラグ(RT0遊技状態フラグ〜RT2遊技状態フラグ)をクリアする(S164)。次いで、メインCPU51は、ボーナス開始コマンド送信処理を行う(S165)。この処理では、メインCPU51は、ボーナス開始コマンドを副制御回路42に送信する。なお、ボーナス開始コマンドには、ボーナスゲームを開始したことを示す情報などが含まれる。そして、S165の後、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS2に移す。
ここで、再度S161の処理の説明に戻る。S161において、メインCPU51が、表示役が「BB」でないと判別したとき(S161がNO判定の場合)、メインCPU51は、表示役が「RB」であるか否かを判別する(S166)。S166において、メインCPU51が、表示役が「RB」でないと判別したとき(S166がNO判定の場合)、メインCPU51は、後述のS171の処理を行う。
一方、S166において、メインCPU51が、表示役が「RB」であると判別したとき(S166がYES判定の場合)、メインCPU51は、RB作動時処理を行う(S167)。具体的には、メインCPU51は、遊技可能回数カウンタに「8」にセットし、入賞可能回数カウンタに「8」をセットする。
次いで、メインCPU51は、持越役格納領域の値をクリアする(S168)。次いで、メインCPU51は、RT遊技状態フラグ(RT0遊技状態フラグ〜RT2遊技状態フラグ)をクリアする(S169)。次いで、メインCPU51は、ボーナス開始コマンド送信処理を行う(S170)。そして、S170の後、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS2に移す。
ここで、再度S166の処理の説明に戻る。S166において、メインCPU51が、表示役が「RB」でないと判別したとき(S166がNO判定の場合)、メインCPU51は、表示役が「リプレイ」であるか否かを判別する(S171)。S171において、メインCPU51が、表示役が「リプレイ」でないと判別したとき(S171がNO判定の場合)、メインCPU51は、後述のS173の処理を行う。
一方、S171において、メインCPU51が、表示役が「リプレイ」であると判別したとき(S171がYES判定の場合)、メインCPU51は、投入枚数カウンタを自動投入枚数カウンタに複写する(S172)。すなわち、メインCPU51は、メダルの自動投入を要求する。そして、S172の後、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS2に移す。
ここで、再度S171の処理の説明に戻る。S171において、メインCPU51が、表示役が「リプレイ」でないと判別したとき(S171がNO判定の場合)、メインCPU51は、BB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する(S173)。S173において、メインCPU51が、BB遊技状態フラグがオンではないと判別したとき(S173がNO判定の場合)、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS2に移す。
一方、S173において、メインCPU51が、BB遊技状態フラグがオンであると判別したとき(S173がYES判定の場合)、メインCPU51は、RB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する(S174)。S174において、メインCPU51が、RB遊技状態フラグがオンであると判別したとき(S174がYES判定の場合)、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS2に移す。
一方、S174において、メインCPU51が、RB遊技状態フラグがオンでないと判別したとき(S174がNO判定の場合)、メインCPU51は、RB作動時処理を行う(S175)。そして、S175の後、メインCPU51は、ボーナス作動チェック処理を終了し、処理をメインフロー(図24参照)のS2に移す。
[メインCPUの制御による割込処理(1.1173msec)]
次に、図36を参照して、メインフロー(図24参照)中のS9内で行うメインCPU51の制御による割込処理について説明する。
はじめに、メインCPU51は、レジスタの退避を行う(S181)。次いで、メインCPU51は、入力ポートチェック処理を行う(S182)。この処理では、ストップスイッチ17S等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次いで、メインCPU51は、リール制御処理を行う(S183)。この処理では、メインCPU51は、全リールの回転開始が要求されたときに、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの回転を開始し、その後、各リールが一定速度で回転するように、3つのステッピングモータ61L,61C,61Rを駆動制御する。また、滑り駒数が決定されたときは、メインCPU51は、該当するリールの図柄カウンタを滑り駒数分だけ更新する。そして、メインCPU51は、更新された図柄カウンタが停止予定位置に対応する値に一致する(停止予定位置の図柄が表示窓の有効ライン上の領域に到達する)のを待って、該当するリールの回転の減速及び停止が行われるように、対応するステッピングモータを駆動制御する。
次いで、メインCPU51は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S184)。この処理では、メインCPU51は、7セグ表示器6を駆動制御して、払出枚数やクレジット枚数などを表示する。次いで、メインCPU51は、レジスタの復帰処理を行う(S185)。そして、その後、メインCPU51は、割込処理を終了する。
<副制御回路の動作説明>
次に、図37〜図42を参照して、副制御回路42のサブCPU81が、プログラムを用いて実行する各種処理(タスク)の内容について説明する。
[主基板通信タスク]
まず、図37を参照して、サブCPU81により行われる主基板通信タスクについて説明する。
はじめに、サブCPU81は、主制御回路41から送信されたコマンドの受信チェックを行う(S191)。次いで、サブCPU81は、コマンドを受信した場合、受信したコマンドの種別を抽出する(S192)。
次いで、サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(S193)。S193において、サブCPU81が、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したとき(S193がNO判定の場合)、サブCPU81は、処理をS191に戻し、S191以降の処理を繰り返す。
一方、S193において、サブCPU81が、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したとき(S193がYES判定の場合)、サブCPU81は、受信したコマンドに基づいて、メッセージキューへメッセージを格納する(S194)。なお、メッセージキューとは、プロセス間で情報を交換するための機構である。そして、S194の後、サブCPU81は、処理をS191に戻し、S191以降の処理を繰り返す。
[演出登録タスク]
次に、図38を参照して、サブCPU81により行われる演出登録タスクについて説明する。
はじめに、サブCPU81は、メッセージキューからメッセージを取り出す(S201)。次いで、サブCPU81は、メッセージキューにメッセージが有るか否かを判別する(S202)。S202において、サブCPU81が、メッセージキューにメッセージが無いと判別したとき(S202がNO判定のとき)、サブCPU81は、後述のS205の処理を行う。
一方、S202において、サブCPU81が、メッセージキューにメッセージが有ると判別したとき(S202がYES判定のとき)、サブCPU81は、メッセージから遊技情報を複写する(S203)。この処理では、例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリールの種別、表示役、遊技状態フラグ等の各種データがサブRAM83に設けられた格納領域(不図示)に複写される。
次いで、サブCPU81は、演出内容決定処理を行う(S204)。この処理では、サブCPU81は、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等を行う。なお、演出内容決定処理の詳細については、後述の図39を参照しながら後で説明する。
次いで、サブCPU81は、アニメーションデータの登録を行う(S205)。次いで、サブCPU81は、サウンドデータの登録を行う(S206)。次いで、サブCPU81は、ランプデータの登録を行う(S207)。なお、これらの登録処理は、S204の演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。そして、S207の後、サブCPU81は、処理をS201に戻し、S201以降の処理を繰り返す。
[演出内容決定処理]
次に、図39を参照して、演出登録タスクのフローチャート(図38参照)中のS204で行う演出内容決定処理について説明する。
はじめに、サブCPU81は、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(S211)。
S211において、サブCPU81が、スタートコマンド受信時であると判別したとき(S211がYES判定の場合)、サブCPU81は、スタートコマンド受信時処理を行う(S212)。この処理では、サブCPU81は、演出用乱数値を抽出し、内部当籤役等に基づいて演出番号を抽籤により決定して登録する。ここで、演出番号は、今回実行する演出内容を指定するデータである。
次いで、サブCPU81は、登録されている演出番号に応じて、スタート時の演出データを登録する(S213)。演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。それゆえ、演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の演出が実行される。その後、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図38参照)のS205に移す。
一方、S211において、サブCPU81が、スタートコマンド受信時でないと判別したとき(S211がNO判定の場合)、サブCPU81は、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(S214)。
S214において、サブCPU81が、リール停止コマンド受信時であると判別したとき(S214がYES判定の場合)、サブCPU81は、登録されている演出番号及び作動ストップボタンの種別に応じて、停止時の演出データを登録する(S215)。その後、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図38参照)のS205に移す。
一方、S214において、サブCPU81が、リール停止コマンド受信時でないと判別したとき(S214がNO判定の場合)、サブCPU81は、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(S216)。
S216において、サブCPU81が、表示コマンド受信時でないと判別したとき(S216がNO判定の場合)、サブCPU81は、後述のS221の処理を行う。
一方、S216において、サブCPU81が、表示コマンド受信時であると判別したとき(S216がYES判定の場合)、サブCPU81は、表示コマンド受信処理を行う(S217)。なお、表示コマンド受信処理の詳細については、後述の図40を参照しながら後で説明する。
次いで、サブCPU81は、登録されている演出番号及び表示役に応じて、表示時の演出データを登録する(S218)。
次いで、サブCPU81は、「ベルこぼし目」が停止表示されているか否かを判別する(S219)。S219において、サブCPU81が、「ベルこぼし目」が停止表示されていないと判別したとき(S219がNO判定の場合)、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図38参照)のS205に移す。
一方、S219において、サブCPU81が、「ベルこぼし目」が停止表示されていると判別したとき(S219がYES判定の場合)、サブCPU81は、遊技回数カウンタ、報知回数カウンタ、表示回数カウンタ、第1報知情報フラグ、及び第2報知情報フラグをクリアする(S220)。
なお、「第1報知情報フラグ」は、AT遊技の作動期間を示す値として、AT終了までのゲーム数(残りゲーム数)を報知するか否かを示すフラグである。「第2報知情報フラグ」は、AT遊技の作動期間を示す値として、AT遊技が終了するまでに行われる所定役のナビ回数(残りナビ回数)を報知するか否かを示すフラグである。
上述のように「ベルこぼし目」が停止表示された場合には、メインCPU51によって、RT1遊技状態をRT0遊技状態に移行させる制御が行われる。したがって、S220では、サブCPU81は、RT1遊技状態で使用する、遊技回数カウンタ、報知回数カウンタ、表示回数カウンタ、第1報知情報フラグ、及び第2報知情報フラグをクリアする処理を行う。
S220の後、サブCPU81は演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図38参照)のS205に移す。
ここで、再度S216の処理の説明に戻る。S216において、サブCPU81が、表示コマンド受信時でないと判別したとき(S216がNO判定の場合)、サブCPU81は、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(S221)。
S221において、サブCPU81が、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したとき(S221がYES判定の場合)、サブCPU81は、遊技回数カウンタ、報知回数カウンタ、表示回数カウンタ、第1報知情報フラグ、及び第2報知情報フラグをクリアする(S222)。
次いで、サブCPU81は、ボーナス開始用の演出データを登録する(S223)。その後、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図38参照)のS205に移す。
一方、S221において、サブCPU81が、ボーナス開始コマンド受信時でないと判別したとき(S221がNO判定の場合)、サブCPU81は、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(S224)。S224において、サブCPU81が、ボーナス終了コマンド受信時ではないと判別したとき(S224がNO判定の場合)、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図38参照)のS205に移す。
一方、S224において、サブCPU81が、ボーナス終了コマンド受信時であると判別したとき(S224がYES判定の場合)、サブCPU81は、ボーナス終了時用の演出データを登録する(S225)。その後、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図38参照)のS205に移す。
[表示コマンド受信処理]
次に、図40を参照して、演出内容決定処理のフローチャート(図39参照)中のS217で行う表示コマンド受信処理について説明する。
はじめに、サブCPU81は、入賞役(表示役)が「特殊リプレイ」であるか否かを判別する(S231)。S231において、サブCPU81が、入賞役(表示役)が「特殊リプレイ」でないと判別したとき(S231がNO判定の場合)、サブCPU81は、後述のS235の処理を行う。
一方、S231において、サブCPU81が、入賞役(表示役)が「特殊リプレイ」であると判別したとき(S231がYES判定の場合)、サブCPU81は、遊技回数/加算値抽籤テーブル(図23)を参照して、遊技回数(AT遊技の作動期間の単位遊技数)を決定する(S232)。
上述のように、本実施形態では、表示役が「特殊リプレイ」であった場合は、遊技状態がART遊技状態に移行する。そして、ART遊技状態は、表示役が「ベルこぼし目」となった場合に終了する。したがって、ART遊技状態では、「ベルこぼし目」を有効ライン上に表示させないためのナビ(報知)が行われる。S232では、遊技回数として、遊技回数/加算値抽籤テーブル(図23参照)の「遊技回数/加算値」に記載の「50」、「75」、「100」、「200」及び「300」の中から、いずれか1つの値が決定される。
次いで、サブCPU81は、S232で決定された遊技回数を、表示回数カウンタ及び遊技回数カウンタにセットする(S233)。
次いで、サブCPU81は、第1報知情報フラグをオンにする(S234)。上述のように、第1報知情報フラグは、AT遊技の作動期間を示す値として、AT遊技が終了するまでのゲーム数を報知するか否かを示すフラグである。したがって、S234で第1報知情報フラグがオンされることで、AT遊技の作動期間を示す値の計数方式が、単位遊技毎にカウンタの値を減算する「ゲーム数管理方式」にセットされる。「ゲーム数管理方式」が適用されることで、液晶表示装置10の表示画面上には、「残りゲーム○○回」又は「残り○○ゲーム」等の表示が行われ、AT遊技が終了するまでのゲーム数が、遊技者に報知される。
S234の後、サブCPU81は、表示コマンド受信処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図39参照)のS218に移す。
ここで、再度S231の処理の説明に戻る。S231において、サブCPU81が、入賞役(表示役)が「特殊リプレイ」でないと判別したとき(S231がNO判定の場合)、サブCPU81は、RT1遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する(S235)。
S235において、サブCPU81が、RT1遊技状態フラグがオンでないと判別したとき(S235がNO判定の場合)、サブCPU81は、表示コマンド受信処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図39参照)のS218に移す。
一方、S235において、サブCPU81が、RT1遊技状態フラグがオンであると判別したとき(S235がYES判定の場合)、サブCPU81は、遊技回数カウンタの値が「1」以上であるか否かを判別する(S236)。S236において、サブCPU81が、遊技回数カウンタの値が「1」以上でないと判別したとき(S236がNO判定の場合)、サブCPU81は、表示コマンド受信処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図39参照)のS218に移す。
一方、S236において、サブCPU81が、遊技回数カウンタの値が「1」以上であると判別したとき(S236がYES判定の場合)、サブCPU81は、第2報知情報フラグがオンであるか否かを判別する(S237)。S237において、サブCPU81が、第2報知情報フラグがオンでないと判別したとき(S237がNO判定の場合)、サブCPU81は、後述のS240の処理を行う。
一方、S237において、サブCPU81が、第2報知情報フラグがオンであると判別したとき(S237がYES判定の場合)、サブCPU81は、内部当籤役(表示役)が「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」であるか否かを判別する(S238)。
S238において、サブCPU81が、内部当籤役(表示役)が「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」でないと判別したとき(S238がNO判定の場合)、サブCPU81は、後述のS241の処理を行う。
一方、S238において、サブCPU81が、内部当籤役(表示役)が「特殊ベル1」又は「特殊ベル2」であると判別したとき(S238がYES判定の場合)、サブCPU81は、報知回数カウンタの値及び表示回数カウンタの値を1ずつ減算する(S239)。そして、サブCPU81は、後述のS241の処理を行う。
ここで、再度S237の処理の説明に戻る。S237において、サブCPU81が、第2報知情報フラグがオンでないと判別したとき(S237がNO判定の場合)、サブCPU81は、遊技回数カウンタの値及び表示回数カウンタの値を1減算する(S240)。
次いで、サブCPU81は、加算抽籤テーブル(図22参照)を参照して、AT遊技中の所定役のナビ回数の、加算の有無を決定する(S241)。具体的には、加算抽籤テーブルを参照して、内部当籤役(表示役)に基づいて抽籤を行い、AT遊技中の所定役のナビ回数の加算の有無を決定する。
次いで、サブCPU81は、ナビ回数の加算がありか否かを判別する(S242)。S242において、サブCPU81が、ナビ回数の加算がありであると判別したとき(S242がYES判定の場合)、サブCPU81は、報知情報加算処理を行う(S243)。なお、報知情報加算処理の詳細については、後述の図41を参照しながら後で説明する。その後、サブCPU81は、表示コマンド受信処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図39参照)のS218に移す。
一方、S242において、サブCPU81が、ナビ回数の加算がないと判別したとき(S242がNO判定の場合)、サブCPU81は、報知回数カウンタの値が「0」であるか否かを判別する(S244)。
S244において、サブCPU81が、報知回数カウンタの値が「0」でないと判別したとき(S244がNO判定の場合)、サブCPU81は、表示コマンド受信処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図39参照)のS218に移す。
一方、S244において、サブCPU81が、報知回数カウンタの値が「0」であると判別したとき(S244がYES判定の場合)、サブCPU81は、遊技回数カウンタの値が「1」以上であるか否かを判別する(S245)。S245において、サブCPU81が、遊技回数カウンタの値が「1」以上でないと判別したとき(S245がNO判定の場合)、サブCPU81は、表示コマンド受信処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図39参照)のS218に移す。
一方、S245において、サブCPU81が、遊技回数カウンタの値が「1」以上であると判別したとき(S245がYES判定の場合)、サブCPU81は、報知情報変更処理を行う(S246)。なお、報知情報変更処理の詳細については、後述の図42を参照しながら後で説明する。その後、サブCPU81は、表示コマンド受信処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図39参照)のS218に移す。
[報知情報加算処理]
次に、図41を参照して、表示コマンド受信処理のフローチャート(図40参照)中のS243で行う報知情報加算処理について説明する。
はじめに、サブCPU81は、遊技回数/加算値抽籤テーブル(図23参照)を参照して、加算値(AT遊技中に加算されるナビ回数)を決定する(S251)。ここで決定された加算値は、図42を参照して後述する「報知情報変更処理」のS264において、報知回数カウンタにセットされる。
なお、本実施形態では、加算値が加算された後の報知回数カウンタの値が、必ず表示回数カウンタの値以下となるように、加算値を決定する。したがって、S251の加算値の決定処理においては、サブCPU81は、図23に示した遊技回数/加算値抽籤テーブルの「加算値抽籤値」の値を、その時点における表示回数カウンタの値に応じて変更する処理も行う。具体的には、ナビ回数の加算(上乗せ)が決定されたとき、すなわち、第1報知情報フラグがオンされた状態から、第2報知情報フラグがオンされた状態に切り替わったときに、サブCPU81は、図23に規定された各種加算値抽籤値のうち、加算値が報知カウンタの値としてセットされた際に、その値が表示カウンタの値以上となる加算値に対応する加算抽籤値を、すべて「0」に変更する。
また、第2報知情報フラグが既にオンとなっている状態、すなわち、ナビ回数管理方式の適用中に、ナビ回数の上乗せが再度決定した際には、サブCPU81は、加算抽籤値のうち、加算値と報知カウンタの値との合計値が表示カウンタの値以上となる場合の加算値に対応する加算値抽籤値を、すべて「0」に変更する。
ここで再び、図41を参照した報知情報加算処理の説明に戻る。サブCPU81は、S251の後は、第2報知情報フラグがオンであるか否かを判別する(S252)。S252において、サブCPU81が、第2報知情報フラグがオンであると判別したとき(S252がYES判定の場合)、サブCPU81は、S251で決定した加算値を報知回数カウンタに加算する(S253)。その後、サブCPU81は、報知情報加算処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図39参照)のS218に移す。
一方、S252において、サブCPU81が、第2報知情報フラグがオンでないと判別したとき(S252がNO判定の場合)、サブCPU81は、S251で決定した加算値は「1」以上であるか否かを判別する(S254)。S254において、サブCPU81が、加算値は「1」以上でないと判別したとき(S254がNO判定の場合)、サブCPU81は、報知情報加算処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図39参照)のS218に移す。S254がNO判定となる状況は、例えば、上述のS251で、サブCPU81によって、加算値抽籤値を「0」に変更する処理が行われたことによって加算値が「0」となったときに発生する。
一方、S254において、サブCPU81が、加算値は「1」以上であると判別したとき(S254がYES判定の場合)、サブCPU81は、報知情報変更処理を行う(S255)。なお、加算情報変更処理の詳細については、後述の図42を参照しながら後で説明する。S255の後、サブCPU81は、報知情報加算処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図39参照)のS218に移す。
[報知情報変更処理]
次に、図42を参照して、表示コマンド受信処理のフローチャート(図40参照)中のS246、及び、報知情報加算処理のフローチャート(図41参照)中のS255で行う報知情報変更処理について説明する。なお、以下に説明する報知情報変更処理では、AT遊技の作動期間の計数管理方式を、ゲーム数管理方式とナビ回数管理方式との間で切替える処理を行う。そして、本実施形態では、この処理は、副制御回路42により実行される。すなわち、本実施形態では、副制御回路42は、計数管理方式を切替える手段(管理状態切替手段)も兼ねる。
はじめに、サブCPU81は、第1報知情報フラグがオンであるか否かを判別する(S261)。S261において、サブCPU81が、第1報知情報フラグがオンでないと判別したとき(S261がNO判定の場合)、サブCPU81は、後述のS265の処理を行う。
一方、S261において、サブCPU81が、第1報知情報フラグがオンであると判別したとき(S261がYES判定の場合)、サブCPU81は、第1報知情報フラグをオフにする(S262)。次いで、サブCPU81は、第2報知情報フラグをオンにする(S263)。次いで、サブCPU81は、報知情報加算処理(図41参照)のS251で決定された加算値を、報知回数カウンタにセットする(S264)。
S262〜S264の処理により、AT(ART)遊技の作動期間を示す値の計数方式が、ゲーム数管理方式からナビ回数管理方式に変更される。この結果、液晶表示装置10に表示されていた「残りゲーム○○回」という表示が、例えば「残りナビ○○回」という表示に切り替わる。その後、サブCPU81は、報知情報変更処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図39参照)のS218に移す。
ここで、再度S261の処理の説明に戻る。S261において、サブCPU81が、第1報知情報フラグがオンでないと判別したとき(S261がNO判定の場合)、サブCPU81は、第2報知情報フラグをオフにする(S265)。次いで、サブCPU81は、第1報知情報フラグをオンにする(S266)。次いで、サブCPU81は、遊技回数カウンタと同数の値を、表示回数カウンタの値にセットする(S267)。
S265〜S267の処理により、AT遊技の作動期間を示す値の計数方式が、ナビ回数管理方式からゲーム数管理方式に変更される。この結果、液晶表示装置10に表示されていた「残りナビ○○回」という表示が、例えば「残りゲーム○○回+△△ゲーム」という表示に切り替わる。その後、液晶表示装置10の表示画面上の表示は、「残りゲーム□□(○○+△△)回」という表示に変わる。そして、サブCPU81は、報知情報変更処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図39参照)のS218に移す。
<本発明の効果>
本実施形態では、上述のように、ATにおいて所定の条件が満たされた場合に、AT遊技の作動期間を示す値の計数方式をゲーム数管理方式及びナビ回数管理方式の間で切り替える。それゆえ、本実施形態では、遊技の単調化を防ぐことができ、遊技の興趣を高めることができる。
さらに、本実施形態では、AT遊技の作動期間を示す値は、ゲーム数管理方式の適用時には遊技回数カウンタを用いて管理され、ナビ回数管理方式の適用時には報知回数カウンタを用いて管理される。また、これらのカウンタとは別に、遊技者に対して報知されるAT遊技の作動期間の値を管理するための表示回数カウンタも設けられる。表示回数カウンタの値は、ゲーム数管理方式の適用時には遊技回数カウンタの値が減算されるのと同期して減算され、ナビ回数管理方式の適用時には、報知回数カウンタの値が減算されるのと同期して減算される。
この表示回数カウンタの値は、AT遊技の作動期間を示す値の計数方式がゲーム数管理方式からナビ回数管理方式に変更される際には、変更されない。例えば、抽籤によって15回のナビ回数の加算が決定され、計数方式が変更された際に、ゲーム数管理方式によって管理されていた残りのゲーム数が50回であった場合には、表示回数カウンタの値は「50」で維持される。この結果、ナビ回数が50回上乗せされかのような表示が、液晶表示装置10の表示画面上で行われる。
遊技を行うために用いた単位遊技価値(一ゲーム当りのメダルの投入枚数)に対して遊技者に付与される遊技価値(メダルの払出枚数)の期待値という点では、単位遊技毎にゲーム数が減算される遊技状態におけるその期待値と、図柄がナビされる度にゲーム数が減算される遊技状態の方におけるその期待値とは同一である。ただし、単位遊技毎にゲーム数が減算される遊技状態よりも、図柄がナビされる度にゲーム数が減算される遊技状態の方が、ATの期間が長く続く。したがって、RT1遊技状態が終了するまで(あるいはART(AT)が終了するまで)の期待値は、単位遊技毎にゲーム数が減算される遊技状態におけるそれよりも、図柄がナビされる度にゲーム数が減算される遊技状態におけるそれの方が高くなる。
よって、本実施形態によれば、AT(ART)遊技の作動期間の管理方法が、ゲーム数管理方式からナビ回数管理方式に切り替わることにより、遊技者に、RT1遊技状態が終了するまで(あるいはART(AT)が終了するまで)の期待値がより高い、特定の遊技状態に移行したような感覚を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、実際のナビ回数は、報知回数カウンタの値を用いて管理され、上述した例によれば、ナビが15回行われた時点で、ナビ回数管理方式による管理が終了する。つまり、実際には遊技者に報知されたような50回等の多くの回数分、ナビが行われることはない。それゆえ、遊技者に与える利益が大きくなりすぎることを防ぎつつ、遊技者の期待度を高めることができる。
さらに、本実施形態では、AT遊技の作動期間を示す値の計数方式が、ナビ回数管理方式からゲーム数管理方式に変更される際に、その時点での表示回数カウンタの値が「ARTの残りゲーム数」として遊技者に報知されるとともに、ナビ回数管理方式の適用中に減算された報知回数カウンタの値と同数の値が、「上乗せARTゲーム数」として遊技者に報知される。それゆえ、本実施形態によれば、上乗せされたナビ回数分のATが終了したときにも、遊技者に対して得をした感覚を与えることができる。
<各種変形例>
本発明に係る遊技機(パチスロ1)の構成及び動作は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の変形例を含むことができる。ここでは、本発明の各種変形例について説明する。
[変形例1]
上記実施形態では、AT状態において、特定の図柄を有効ライン上に表示させるために必要となる、狙うべき図柄のナビ(停止操作のタイミングのナビ)を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。左リール3L、中リール3C及び右リール3Rを停止させる順番である「押し順」のナビを行うようにしてもよい。もしくは、停止操作のタイミングのナビと、押し順のナビとを、両方行うようにしてもよい。
[変形例2]
上記実施形態では、ナビ回数管理方式の適用時、すなわち第2報知情報フラグがオンになっているときに、ナビ回数の加算の有無を決める抽籤を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。ナビ回数ではなく、ARTのゲーム数(遊技回数)の加算の有無を決める抽籤を行ってもよい。もしくは、ナビ回数の加算の有無を決める抽籤及びARTのゲーム数(遊技回数)の加算の有無を決める抽籤を、両方行うようにしてもよい。
[変形例3]
上記実施形態で図柄配置テーブル(図6参照)に示した各図柄の配置、図柄組合せテーブル(図7参照)に示した図柄の組合せ、内部抽籤テーブル(図11〜図14参照)に示した当籤番号(当籤役の組合せ)等は、これらに限定されない。特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
[変形例4]
上記実施形態では、ATの作動と、RT状態(RT1遊技状態)への移行とを同一の契機(特殊リプレイの表示)で行う例を説明したが、本発明はこれに限定されず、それぞれ別の契機で行うようにしてもよい。また、ATが作動する契機が満たされたタイミングで、高RT状態への移行の契機を成立させるためのナビを行ってもよい。
[変形例5]
上記実施形態では、AT遊技の作動期間に関する情報を、液晶表示装置10の表示画面上に「残りゲーム○○回」又は「残りナビ○○回」のように表示することで、現在のATの作動期間を示す値の計数方式がゲーム数管理方式であるかベル回数管理方式であるかを、遊技者に報知する例を説明した。しかし本発明はこれに限定されない。このような文字による表示に加えて、ATの作動期間を示す値の計数方式が切り替わったことがより明確に分かるような特別な演出を行ってもよい。