以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。本発明の実施の形態として、第1実施形態と第2実施形態とが存在する。以下では、まず、第1実施形態に係る遊技機について説明し、その後に、第2実施形態に係る遊技機について第1実施形態と異なる点について説明する。
[第1実施形態に係る遊技機]
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の変動表示を行う変動表示装置に相当する。この実施の形態において、「特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とが同期している」とは、特別図柄の変動表示が開始されるタイミングと、演出制御用マイクロコンピュータ100により演出図柄の変動表示を開始する制御が実行されるタイミング(例えば後述する演出図柄変動開始処理)とが合致し、且つ、特別図柄の変動表示が終了するタイミングと、演出制御用マイクロコンピュータ100により演出図柄の変動表示を終了させる制御が実行されるタイミング(例えば後述する演出図柄変動開始処理)とが合致していることをいう。ここで、演出制御用マイクロコンピュータ100が、演出図柄の変動表示を終了させる制御を実行するよりも前に、演出図柄を停止させるような演出を実行する場合もある。この場合には、特別図柄の変動表示が実行中であるにもかかわらず、演出図柄が停止している状態(ただし最終停止図柄は確定していない状態)となり、このような状態が生じうることで、遊技者は一旦停止している演出図柄が再変動したり、あるいは演出図柄の停止後に後述する変化演出が実行されることを期待することになる。
演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む変動表示をリーチ変動表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示している。例えば、演出表示装置9で行われる演出として、後述するように、味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される。バトル演出は、リーチ状態において、その変動表示結果が大当り図柄となるか否かを示唆する演出であり、大当り判定がされているときには味方キャラが勝利する演出を実行し、はずれ判定がされているときには味方キャラが敗北する演出を実行する。これに限らず、例えば、プロレスやサッカーの試合の勝敗により大当りとなるか否かを示唆するようにしても良い。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリー性を持つ演出を実行して、大当り判定がされているかはずれ判定がされているかに応じてストーリーの結果を異ならせるような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動表示は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の変動表示とは同期している。この実施の形態において、「特別図柄の変動表示と第4図柄の変動表示とが同期している」とは、特別図柄の変動表示が開始されるタイミングと、演出制御用マイクロコンピュータ100により第4図柄の変動表示を開始する制御が実行されるタイミングとが合致し、且つ、特別図柄の変動表示が終了するタイミングと、演出制御用マイクロコンピュータ100により第4図柄の変動表示を終了させる制御が実行されるタイミングとが合致していることをいう。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。
また、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。
なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。即ち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。即ち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、第1保留記憶数が上限値(4)に達していない状態で遊技球が第1始動入賞口13を通過(入賞を含む))した後、変動表示の第1開始条件(例えば、第1保留記憶数が0でない場合であって第2保留記憶数が0であり、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技状態でもない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。この実施の形態では、第2保留記憶数が0ではない状態のときには、第1特別図柄の変動表示は開始されず、第2特別図柄が所謂優先変動される。
第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、第2保留記憶数が上限値(4)に達していない状態で遊技球が第2始動入賞口14を通過(入賞を含む))した後、変動表示の第2開始条件(例えば、第2保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技状態でもない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。
なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(即ち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数即ち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。第2始動入賞口14への有効始動入賞とは、第2保留記憶数が上限値(4)に達していない状態における第2始動入賞口14への入賞である。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数即ち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。第1始動入賞口13への有効始動入賞とは、第1保留記憶数が上限値(4)に達していない状態における第1始動入賞口13への入賞である。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、下部表示領域18cが設けられている。下部表示領域18cは、中央に設けられる変動対応表示領域180と、遊技者側から見て変動対応表示領域180よりも左側に位置する第1保留表示領域181と、遊技者側から見て変動対応表示領域180よりも右側に位置する第2保留表示領域182と、から構成される。
第1保留表示領域181は、第1始動入賞口13に遊技球が有効始動入賞したことにより抽出された数値データ(大当り判定用乱数等)のうち、当該数値データにもとづく第1特別図柄の変動表示が未実行であるものの数を表示するものである。即ち、第1特別図柄の変動表示の実行条件である第1始動条件が成立した後、第1特別図柄の変動表示の開始条件である第1開始条件が成立していない数(第1保留記憶数と称する)を表示するものである。第1保留表示領域181には、第1保留記憶数に応じた数の第1保留表示が通常態様(例えば白い丸型の態様)または特定態様(例えば白い丸型が炎で覆われた態様)で表示される。第1保留表示領域181に表示される第1保留表示各々は、第1保留記憶としての数値データ(第1保留記憶バッファに記憶される大当り判定用乱数等)各々に対応している。
第2保留表示領域182は、第2始動入賞口14に遊技球が有効始動入賞したことにより抽出された数値データ(大当り判定用乱数等)のうち、当該数値データにもとづく第2特別図柄の変動表示が未実行であるものの数を表示するものである。即ち、第2特別図柄の変動表示の実行条件である第2始動条件が成立した後、第2特別図柄の変動表示の開始条件である第2開始条件が成立していない数(第2保留記憶数と称する)を表示するものである。第2保留表示領域182には、第2保留記憶数に応じた数の第2保留表示が通常態様(例えば青い丸型の態様)または特定態様(例えば青い丸型が炎で覆われた態様)で表示される。第2保留表示領域182に表示される第2保留表示各々は、第2保留記憶としての数値データ(第2保留記憶バッファに記憶される大当り判定用乱数等)各々に対応している。
変動対応表示領域180には、第1開始条件または第2開始条件が成立して第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が開始されることに伴い、当該実行される変動表示に対応した変動対応表示が、通常態様(例えば白い丸型や青い丸型の態様)または特定態様(例えば白い丸型や青い丸型が炎で覆われた態様)で表示される。即ち、変動対応表示は、変動表示が実行されていることを示唆するものある。
また、下部表示領域18cにおいて、第1保留表示領域181に表示される第1保留記憶数と、第2保留記憶数182に表示される第2保留記憶数との合算値である合算保留記憶数も把握することができる。この実施の形態では、そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、第1保留表示領域181と第2保留表示領域182を設けずに、合算保留記憶数に応じた数の保留表示を表示する合算保留表示領域のみを設けるようにしても良い。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。また、特別可変入賞球装置20には、後述する点灯演出中に遊技球が入賞したときに点灯表示される大入賞口LED20Aが設けられている。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。即ち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されたことに基づいて、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。具体的には、普通図柄の変動表示は、普通図柄の変動表示の実行条件である普通始動条件が成立(例えば、普通図柄保留記憶数が上限値(4)に達していない状態で遊技球がゲート32を通過する有効始動入賞が発生)した後、普通図柄の変動表示の開始条件(例えば、普通図柄保留記憶数が0ではなく、普通図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、可変入賞球装置15の開放制御が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。普通図柄表示器10における普通図柄の変動表示が終了すると停止図柄として当り図柄(例えば図柄「7」)又ははずれ図柄(例えば図柄「−」)が導出表示される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄(例えば図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。即ち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、即ちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。ここで普通図柄保留記憶表示器41は、普通図柄保留記憶数を表示するものである。普通図柄保留記憶数が上限値(本例では4)に達していない状態で遊技球がゲート32を通過する有効始動入賞が発生する毎に、該普通図柄保留記憶数が1加算され(これに伴い普通図柄保留記憶表示部41は点灯するLEDを1増やし)、普通図柄の変動表示が開始される毎に、該普通図柄保留記憶数が1減算される(これに伴い普通図柄保留記憶表示部41は点灯するLEDを1減らす)。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば第1開始条件が成立したときに)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。即ち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば第2開始条件が成立したときに)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。即ち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態において、低ベース状態とは、遊技球が第2始動入賞口14に有効始動入賞しやすくなるように制御されていない遊技状態であり、高ベース状態とは、低ベース状態よりも遊技球が第2始動入賞口14に有効始動入賞しやすくなる(第2特別図柄表示器8bにおける変動表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である。
この実施の形態において、低確率状態とは、特別図柄変動開始時の大当り判定処理において、大当り判定値として低確率状態時の判定値(高確率状態時の判定値よりも狭い範囲の値)を用いる状態であり、大当りとなる確率が高められていない状態をいう。高確率状態とは、特別図柄変動開始時の大当り判定処理において、大当り判定値として高確率状態時の判定値(低確率状態よりも広い範囲の値)を用いる状態であり、大当りとなる確率が高められている状態をいう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示を開始するときに、その表示結果を大当り図柄とするか否かを判定する大当り判定処理を行う。また、大当り判定処理において表示結果を大当り図柄とすると判定した場合には、表示結果を確変大当り図柄とするか若しくは突然確変大当り図柄とするか、又は通常大当り図柄とするかをさらに判定する。即ち、大当り種別を確変大当りとするか若しくは突然確変大当りとするか、又は通常大当りとするかを決定する。
例えば、特別図柄の変動表示を開始するときに、大当り判定処理において表示結果を大当り図柄としない(はずれ図柄にする)と判定された場合には「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、特別図柄の変動表示を開始するときに、大当り判定処理において表示結果を大当り図柄とすると判定された場合には、決定された大当り種別に応じて、確変大当りの場合には「7」、通常大当りの場合には「3」、突然確変大当りの場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定する。
特別図柄の変動表示結果が確変大当り図柄または突然確変大当り図柄となった場合(即ち演出図柄の変動表示結果が確変大当り図柄または突然確変大当り図柄となる場合)には、大当り遊技状態終了時に遊技状態を高確率/高ベース状態に移行し、次回の大当り遊技状態が開始されるまで高確率/高ベース状態が継続される。また、特別図柄の変動表示結果が通常大当り図柄となった場合(即ち演出図柄の変動表示結果が通常大当り図柄となる場合)には、大当り遊技状態終了時に遊技状態を低確率/高ベース状態に移行し、特別図柄の変動表示が100回実行されるか又は次回の大当り遊技状態が開始されるまで低確率/高ベース状態が継続される。大当り遊技状態終了時に遊技状態を低確率/高ベース状態に移行し、その後に大当り遊技状態が開始されること無く特別図柄の変動表示が100回実行された場合には、その後の遊技状態は低確率/低ベース状態となる。
この実施の形態においては、遊技状態として、低確率/低ベース状態、高確率/高ベース状態、および低確率/高ベース状態が存在する。以下の説明において低確率/低ベース状態を通常状態と称する場合がある。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動表示を開始するときに、ゲート32を遊技球が通過したときに抽出された当り判定用乱数を用いた当り判定を実行する。該当り判定において当りとすると判定されたときには、普通図柄表示器10に変動表示結果として当り図柄が導出表示され、該当り判定において当りとしない(はずれとする)と決定されたときには、普通図柄表示器10に変動表示結果としてはずれ図柄が導出表示される。
ここで、低ベース状態(通常状態)においては、当り判定を実行するときに所定割合(例えば2/13)で当りと判定される。また、普通図柄の変動時間は所定時間(例えば10秒)となっている。また、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、所定期間の開放制御(例えば0.5秒×1回の合計0.5秒の開放制御)が実行される。
一方、高ベース状態(低確率/高ベース状態、高確率/高ベース状態)においては、当り判定を実行するときに前記所定割合よりも高い割合(例えば11/13)で当りと判定される。また、普通図柄の変動時間は前記所定時間よりも短い時間(例えば1秒)となっている。また、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、前記所定期間よりも長い開放制御(例えば2.5秒×2回の合計5秒の開放制御)が実行される。
このように、高ベース状態においては、普通図柄の変動時間が短縮される普通図柄短縮変動制御、普通図柄の変動表示結果が当り図柄となる確率が高められる普通図柄確変制御、および普通図柄の変動表示結果が当り図柄となったことに基づいて可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長される開放延長制御が行われる。さらに特別図柄の変動時間が短縮される特別図柄短縮変動制御も行われる。高ベース状態においてこれらの4つの制御が実行されることで、第2始動入賞口14に有効始動入賞しやすくなる。
即ち、普通図柄短縮変動制御によって、普通図柄の変動時間が短縮される(例えば普通図柄短縮変動制御が実行されない場合の変動時間が10秒であるのに対し、普通図柄短縮変動制御が実行された場合の変動時間が1秒になる)ことで、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなり、可変入賞球装置15が開状態となる割合も高まり、第2始動入賞口14に有効始動入賞し易くなる。また、普通図柄確変制御によって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる(例えば普通図柄確変制御が実行されない場合の確率が2/13であるのに対し、普通図柄確変制御が実行された場合の確率が11/13になる)ことで、可変入賞球装置15が開状態となる頻度も高まり、第2始動入賞口14に有効始動入賞し易くなる。また、開放延長制御によって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になった場合の可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長される(例えば開放延長制御が実行されない場合の開放時間が0.5秒×1回(合計0.5秒)であるのに対し、開放延長制御が実行された場合の開放時間は2.5秒×2回(合計5秒)になる)ことで、第2始動入賞口14に有効始動入賞し易くなる。さらに、特別図柄の変動時間が短縮される特別図柄短縮変動制御によって、特別図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、第2保留記憶数の消化が速くなり)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減して、有効始動入賞し易くすることができる。
このように、この実施の形態においては、普通図柄短縮変動制御、普通図柄確変制御、開放延長制御、および、特別図柄短縮変動制御が実行されることにより高ベース状態に制御される例を示しているが、これに限らず、このうちのいずれかの制御を実行することにより、高ベース状態に制御するようにしても良い。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。即ち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄の変動表示状況を示す特別図柄プロセスフラグや、高確率状態であるか否かを示す確変フラグや、高ベース状態であるか否かを示す時短フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28、および大入賞口に設けられている大入賞口LED20Aの表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。即ち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28や大入賞口LED20Aなどの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(突然確変大当りの場合にも、一旦、リーチ状態を経てはずれ図柄が仮停止表示された後、演出図柄が再変動して突然確変大当り図柄(例えば「135」)が最終停止表示される)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチはずれ」の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「リーチはずれ」の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(突然確変大当りの場合にも、一旦、リーチ状態を経た後に再変動して突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される)。
ここで、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を高確率/高ベース状態に移行させるような大当りである。即ち、そのようにすることにより、遊技者にとっては大当り遊技状態を経ずに突然に高確率/高ベース状態となったかのように見せるものである。このような大当り種別を設けることにより遊技の興趣を向上させることができる。
図4は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。この実施の形態では、演出図柄の変動パターンに応じた遊技演出が実行されるようになっている。
この実施の形態では、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「非リーチはずれ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−3の変動パターンが用意されている。非リーチPA1−1の変動時間は15秒であり、非リーチPA1−2の変動時間は8秒である。これに対して非リーチPA1−3の変動時間は2秒と短いため、「短縮変動」の変動表示態様と称する場合がある。
また、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「リーチはずれ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1、スーパーPA3−1およびスーパーPA3−2の変動パターンが用意されている。これらはリーチ演出を伴うリーチ変動表示に係る変動パターンである。
「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴うノーマルPA2−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が20秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、後述するストーリー演出およびバトル演出のいずれにも発展せずに、最終停止図柄としてはずれ図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPA3−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が40秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において物語性を持つストーリー演出が実行される(スーパーリーチAへの発展)。そして、ストーリー演出が特定結末にならずに終了することに伴い、最終停止図柄としてはずれ図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPA3−2は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が60秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される(スーパーリーチBへの発展)。そして、味方キャラが敵キャラに敗北してバトルが終了することに伴い、最終停止図柄としてはずれ図柄が導出表示される。
また、変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPB2−1、スーパーPB3−1およびスーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。これらはリーチ演出を伴うリーチ変動表示に係る変動パターンである。
「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴うノーマルPB2−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が28秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、ストーリー演出およびバトル演出のいずれにも発展せずに、「大当り!」の文字が表示される大当り演出が実行されることに伴い、最終停止図柄として大当り図柄(通常大当り図柄または確変大当り図柄)が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPB3−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が48秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において物語性を持つストーリー演出が実行される(スーパーリーチAへの発展)。そして、ストーリー演出が特定結末になり終了することに伴い、最終停止図柄として大当り図柄(通常大当り図柄または確変大当り図柄)が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPB3−2は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が68秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される(スーパーリーチBへの発展)。そして、味方キャラが敵キャラに勝利してバトルが終了することに伴い、最終停止図柄として大当り図柄(通常大当り図柄または確変大当り図柄)が導出表示される。
また、変動表示結果が「突然確変大当り」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPC2−1、スーパーPC3−1およびスーパーPC3−2の変動パターンが用意されている。これらはリーチ演出を伴うリーチ変動表示に係る変動パターンである。以下の説明において、再変動とは、演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の変動表示を再度実行することである。
「ノーマルリーチ」のリーチ演出を伴うノーマルPC2−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が35秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、一旦は、はずれ図柄が仮停止表示される。その後に演出図柄が再変動して「突確!」の文字が表示される突然確変大当り演出が実行されることに伴い、最終停止図柄として突然確変大当り図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPC3−1は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が55秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において物語性を持つストーリー演出が実行される(スーパーリーチAへの発展)。そして、一旦は、ストーリー演出が特定結末にならずに終了することに伴い、はずれ図柄が仮停止表示される。その後に演出図柄が再変動してストーリー演出が特定結末になり終了することに伴い、最終停止図柄として突然確変大当り図柄が導出表示される。
「スーパーリーチ」のリーチ演出を伴うスーパーPC3−2は、特別図柄(演出図柄)の変動時間が75秒であり、リーチ演出として「リーチ!」の文字が表示され、リーチ状態において味方キャラと敵キャラとがバトルを行うバトル演出が実行される(スーパーリーチBへの発展)。そして、一旦は、味方キャラが敵キャラに敗北してバトルが終了することに伴い、はずれ図柄が仮停止表示される。その後に演出図柄が再変動して味方キャラが敵キャラに逆転勝利してバトルが終了することに伴い、最終停止図柄として突然確変大当り図柄が導出表示される。
本実施の形態では、遊技球が第1始動入賞口13に有効始動入賞する毎に、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)を抽出し、図5に示す各ソフトウェア乱数を抽出して、第1保留記憶バッファに順次格納する。また、遊技球が第2始動入賞口14に有効始動入賞する毎に、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR)を抽出し、図5に示す各ソフトウェア乱数を抽出して、第2保留記憶バッファに順次格納する。ハードウェア乱数およびソフトウェア乱数は所定のタイミング(例えば4ms毎および所定の割込み処理毎)に更新されている。
図5は、各乱数の一例を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。本例では、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けている。
この実施の形態では、はずれである場合には、リーチも再変動も伴わず短縮変動も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチX1と、リーチも再変動も伴わず短縮変動を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチX2と、ノーマルリーチを伴い再変動を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルX1と、スーパーリーチを伴い再変動を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーX1とに種別分けされている。
この実施の形態では、通常大当りまたは確変大当りである場合には、ノーマルリーチを伴い再変動を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルY1と、スーパーリーチを伴い再変動を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーY1とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、ノーマルリーチおよび再変動を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルY2と、スーパーリーチおよび再変動を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーY2とに種別分けされている。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/低ベース状態,低確率/高ベース状態)において用いられる低確率時大当り判定テーブルと、高確率状態において用いられる高確率時大当り判定テーブルとがある。低確率時大当り判定テーブルには、図6(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、高確率時大当り判定テーブルには、図6(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図6(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への有効始動入賞が発生したことに基づいて、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、まず、有効始動入賞が発生したときに、大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致するか否かを判定して、その判定結果に応じて後述する図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを送信する。そして、有効始動入賞に基づく変動表示が開始されるときにも、読み込んだ大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致するか否かを判定して、大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。なお、図6(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図6(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図6(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(即ち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。また、図6(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(即ち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)である。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図6(B),(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)には「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)には「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(即ち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図6(B),(C)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての15ラウンドの通常大当りや確変大当りとに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。
この実施の形態では、図6(B),(C)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当り、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に低確率/高ベース状態に移行させる大当りである。そして、低確率/高ベース状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると低確率/高ベース状態が終了して低確率/低ベース状態となる。なお、変動表示を所定回数終了する前に次の大当りが発生した場合にも、低確率/高ベース状態を終了する。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/高ベース状態に移行させる大当りである。そして、次の大当りが発生するまで、高確率/高ベース状態が継続する。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。即ち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に高確率/高ベース状態に移行される。そして、次の大当りが発生するまで、高確率/高ベース状態が継続する。
図6(B)(C)の大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図7(A)(B)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。はずれ用変動パターン種別判定テーブルは、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。このうち、図7(A)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブルを示している。また、図7(B)は、遊技状態が通常状態(低ベース状態)であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合,および遊技状態が高ベース状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブルを示している。
図7(A)のはずれ用変動パターン種別判定テーブルには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチX1(1〜169)、ノーマルX1(170〜239)、スーパーX1(240〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。図7(B)のはずれ用変動パターン種別判定テーブルには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチX2(1〜219)、ノーマルX1(220〜239)、スーパーX1(240〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
この実施の形態では、図7(A)(B)に示すように、はずれである場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜169であれば、合算保留記憶数や遊技状態にかかわらず、少なくともリーチ状態を伴わない変動表示(「非リーチはずれ」)が実行されることがわかる。また、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が220〜239であれば、合算保留記憶数や遊技状態にかかわらず、少なくともノーマルリーチを伴う変動表示(「ノーマルリーチはずれ」)が実行されることがわかる。また、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が240〜251であれば、合算保留記憶数や遊技状態にもかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示(「スーパーリーチはずれ」)が実行されることがわかる。
このように、合算保留記憶数や遊技状態が異なる場合にも、変動パターン種別に対する判定値の割り当てが共通となる範囲を設定しておく(ある範囲の乱数値を抽出した場合には、合算保留記憶数や遊技状態によらず共通の変動パターン種別が選択されるようにしておく)ことにより、後述する変動カテゴリコマンドに基づいた先読み予告演出が実行可能となる。
図8(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図8(A)の大当り用変動パターン種別判定テーブルは、大当り種別が通常大当りとなるときに用いられるテーブルであり、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルY1(1〜149)、スーパーY1(150〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。図8(B)の大当り用変動パターン種別判定テーブルは、大当り種別が確変大当りとなるときに用いられるテーブルであり、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルY1(1〜149)、スーパーY1(150〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。図8(C)の大当り用変動パターン種別判定テーブルは、大当り種別が突然確変大当りとなるときに用いられるテーブルであり、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルY2(1〜149)、スーパーY2(150〜251)の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
この実施の形態では、図8(A)(B)(C)に示すように、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜149であれば、大当り種別にかかわらず、少なくともノーマルリーチを伴う変動表示が実行されることがわかる。また、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、大当り種別にかかわらず、少なくともスーパーリーチを伴う変動表示が実行されることがわかる。
このように、大当りと判定されるときの大当り種別が異なる場合にも、変動パターン種別に対する判定値の割り当てが共通となる範囲を設定しておく(ある範囲の乱数値を抽出した場合には、大当り種別によらず共通の変動パターン種別(「ノーマルリーチ」または「スーパーリーチ」を伴う変動パターン種別)が選択されるようにしておく)ことにより、後述する変動カテゴリコマンドに基づいた先読み予告演出が実行可能となる。
図9(A)は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブルは、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブルは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
変動パターン種別として「非リーチX1」が決定されたときには、変動パターンとして非リーチPA1−1または非リーチPA1−2が決定され、変動パターン種別として「非リーチX2」が決定されたときには、変動パターンとして非リーチPA1−3が決定され、変動パターン種別として「ノーマルX1」が決定されたときには、変動パターンとしてノーマルPA2−1が決定され、変動パターン種別として「スーパーX1」が決定されたときには、変動パターンとしてスーパーPA3−1またはスーパーPA3−2が決定される。
図9(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブルを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブルは、変動表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。当り変動パターン判定テーブルは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
変動パターン種別として「ノーマルY1」が決定されたときには、変動パターンとしてノーマルPB2−1が決定され、変動パターン種別として「ノーマルY2」が決定されたときには、変動パターンとしてノーマルPC2−1が決定され、変動パターン種別として「スーパーY1」が決定されたときには、変動パターンとしてスーパーPB3−1またはスーパーPB3−2が決定され、変動パターン種別として「スーパーY2」が決定されたときには、変動パターンとしてスーパーPC3−1またはスーパーPC3−2が決定される。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図4に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の変動表示を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への有効始動入賞時に、大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図11は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11に示すように、この実施の形態では、大当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への有効始動入賞時に、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。
図12は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態がはずれとなると判定した場合、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜169となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜169となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず、また、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜169の範囲には非リーチX1または非リーチX2の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチX1または非リーチX2となること(即ちリーチ状態とならないこと)を認識することができる。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜219となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜239となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず、また、合算保留記憶数にかかわらず、判定値220〜239の範囲にはノーマルX1の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ3コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がノーマルX1となること(即ちノーマルリーチとなること)を認識することができる。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が240〜251となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態にかかわらず、また、合算保留記憶数にかかわらず、判定値240〜251の範囲にはスーパーX1の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ4コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーX1となること(即ちスーパーリーチとなること)を認識することができる。
また、例えば、有効始動入賞時に、大当り(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)となると判定した場合、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜149となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜149となる場合(即ち、ノーマルY1またはノーマルY2となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ11コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、大当り種別にかかわらず、判定値1〜149の範囲にはノーマルY1またはノーマルY2の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ11コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がノーマルY1またはノーマルY2となること(即ちノーマルリーチとなること)を認識することができる。
次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜251となる場合には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ12コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、大当り種別にかかわらず、判定値150〜251の範囲にはスーパーY1またはスーパーY2の変動パターン種別が割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ12コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーY1またはスーパーY2となること(即ちスーパーリーチとなること)を認識することができる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に有効始動入賞したことに基づくこれらの変動カテゴリコマンドを受信することにより、先読み予告演出を実行することが可能となる。
なお、「先読み予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。この実施の形態では、後述するように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への有効始動入賞が発生したときに、先読み予告演出を実行するか否かを決定すると共に、先読み予告演出を実行すると決定する場合には、実行する先読み予告演出の態様を決定する。そして決定された態様に応じた所定のタイミング(始動入賞のタイミング、後の始動入賞のタイミング、または、変化演出が実行されるタイミング)で保留表示を特定態様で表示することにより、遊技者に当該特定態様の保留表示に対応した変動表示の表示結果が大当り図柄となることや、その変動表示がリーチ演出を伴うものであることを予告する。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
(有効始動入賞時における保留記憶バッファへの格納処理)
第1始動入賞口13への有効始動入賞が生じたときには、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。例えば、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
第2始動入賞口14への有効始動入賞が生じたときには、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やすとともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する。例えば、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのいずれの保存領域にも、有効始動入賞順に従って乱数が格納されてゆき、n=1,2,3,4の保存領域が存在するときに、n=1の保存領域に乱数が格納されており、n=2,3,4の保存領域に乱数が格納されていなければ、n=2の保存領域に乱数が格納される。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
(有効始動入賞時における始動入賞時コマンドの送信処理)
CPU56は、第1始動入賞口13への有効始動入賞が生じたときに、遊技状態が低確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、図柄1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(B)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、図柄2指定コマンド(通常大当り指定)をセットし、確変大当りの大当り種別判定値(16〜34)と一致する場合には、図柄3指定コマンド(確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(35〜39)と一致する場合には、図柄4指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。
また、CPU56は、上記の大当り判定結果および抽出した変動パターン種別判定用乱数に基づいて、図12に示す変動カテゴリコマンドのいずれかをセットする。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドをセットする。このようにしてセットされた図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して演出制御用CPU101に送信される。この実施の形態では、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの順に送信するものとする。これらの始動入賞時コマンドを受信した演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
CPU56は、第2始動入賞口14への有効始動入賞が生じたときに、遊技状態が低確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、図柄1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(C)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、図柄2指定コマンド(通常大当り指定)をセットし、確変大当りの大当り種別判定値(16〜38)と一致する場合には、図柄3指定コマンド(確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(39)と一致する場合には、図柄4指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。
また、CPU56は、上記の大当り判定結果および抽出した変動パターン種別判定用乱数に基づいて、図12に示す変動カテゴリコマンドのいずれかをセットする。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドをセットする。このようにしてセットされた図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して演出制御用CPU101に送信される。この実施の形態では、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの順に送信するものとする。これらの始動入賞時コマンドを受信した演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
図13は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。図13に示すように、始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数(第1保留記憶数+第2保留記憶数)の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定マンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)のコマンドがセットで送信される。そのため、図13に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。なお、以下の説明では、始動入賞時コマンド格納領域に第1保留記憶数加算指定コマンドに対応付けて格納されている始動入賞時のコマンド(当該第1保留記憶数加算指定コマンドを含む)を第1保留コマンドと総称する場合があり、始動入賞時コマンド格納領域に第2保留記憶数加算指定コマンドに対応付けて格納されている始動入賞時のコマンド(当該第2保留記憶数加算指定コマンドを含む)を第2保留コマンドと総称する場合がある。さらに、第1保留コマンドと第2保留コマンドとを保留コマンドと総称する場合がある。
また、図13に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで、始動入賞時コマンド格納領域のいずれかの格納領域に第2保留コマンドが格納されている場合には、第2保留コマンドが格納されている最初の格納領域に格納されているものから、始動入賞時コマンド格納領域のいずれの格納領域にも第2保留コマンドが格納されていない場合には、第1保留コマンドが格納されている最初の格納領域に格納されているものから削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。
また、この実施の形態では、後述するように、始動入賞時コマンド格納領域に格納される始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンド)にもとづいて、先読み予告演出決定処理において先読み予告演出を実行するか否かが決定される。
この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、あらかじめ大当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中にスーパーリーチとなることを予告する先読み予告演出を実行する。
(特別図柄の変動開始に伴う処理)
CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も実行されておらず、大当り遊技状態に制御されておらず、かつ第2保留記憶数が0ではないことを条件として、第2特別図柄の変動表示を開始する。CPU56は、第2特別図柄の変動表示を実行するときに、RAM55において、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、CPU56は、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。即ちRAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し、遊技状態が低確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、表示結果1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、乱数バッファ領域から読み出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(C)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、表示結果2指定コマンド(通常大当り指定)をセットし、確変大当りの大当り種別判定値(16〜38)と一致する場合には、表示結果3指定コマンド(確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(39)と一致する場合には、表示結果4指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。セットした表示結果指定コマンドは、演出制御用CPU101に送信される。
また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、且つ、遊技状態が低ベース状態であり、合算保留記憶数が3未満である場合には、図7(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、合算保留記憶数が3以上であるか、または、遊技状態が高ベース状態である場合には、図7(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が通常大当りである場合には、図8(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が確変大当りである場合には、図8(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が確変大当りである場合には、図8(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。
さらに、CPU56は、大当り判定結果がはずれである場合には、図9(A)に示すはずれ変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りである場合には、図9(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドは、演出制御用CPU101に送信される。さらに、CPU56は、第2特別図柄の変動表示開始に伴い、第2保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する。
このように、第2特別図柄の変動開始に伴い、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、および、第2保留記憶数減算指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。なお、第2特別図柄の変動表示が終了して、表示結果か導出表示されることに伴い、図柄確定指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も実行されておらず、大当り遊技状態に制御されておらず、第2保留記憶数が0であり、かつ第1保留記憶数が0ではないことを条件として、第1特別図柄の変動表示を開始する。CPU56は、第1特別図柄の変動表示を実行するときに、RAM55において、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、CPU56は、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。即ちRAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し、遊技状態が低確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の左欄に示す低確率時の大当り判定値とを比較し、遊技状態が高確率状態であれば、大当り判定用乱数(ランダムR)と図6(A)の右欄に示す高確率時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する。
CPU56は、大当り判定値と一致しない場合には、表示結果1指定コマンド(はずれ指定)をセットする。大当り判定値と一致する場合には、乱数バッファ領域から読み出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)と図6(B)に示す大当り種別判定値とを比較し、それらが一致する大当り種別を確認する。そして、通常大当りの大当り種別判定値(0〜15)と一致する場合には、表示結果2指定コマンド(通常大当り指定)をセットし、確変大当りの大当り種別判定値(16〜34)と一致する場合には、表示結果3指定コマンド(確変大当り指定)をセットし、突然確変大当りの大当り種別判定値(35〜39)と一致する場合には、表示結果4指定コマンド(突然確変大当り指定)をセットする。セットした表示結果指定コマンドは、演出制御用CPU101に送信される。
また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、且つ、遊技状態が低ベース状態であり、合算保留記憶数が3未満である場合には、図7(A)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果がはずれであり、合算保留記憶数が3以上であるか、または、遊技状態が高ベース状態である場合には、図7(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が通常大当りである場合には、図8(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が確変大当りである場合には、図8(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りであり、大当り種別が確変大当りである場合には、図8(C)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブルを参照し、乱数バッファ領域から読み出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)に基づいて変動パターン種別を決定する。
さらに、CPU56は、大当り判定結果がはずれである場合には、図9(A)に示すはずれ変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。また、CPU56は、大当り判定結果が大当りである場合には、図9(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルを参照し、決定された変動パターン種別および乱数バッファ領域から読み出した変動パターン判定用乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを決定する。決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドは、演出制御用CPU101に送信される。さらに、CPU56は、第1特別図柄の変動表示開始に伴い、第1保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する。
このように、第1特別図柄の変動開始に伴い、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、および、第1保留記憶数減算指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。なお、第1特別図柄の変動表示が終了して、表示結果か導出表示されることに伴い、図柄確定指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。
(下部表示領域18cの表示)
図14は、演出表示装置9の下部に設けられる下部表示領域18cの詳細を示す説明図である。下部表示領域18cは、演出図柄(この例では「777」)が表示される演出図柄表示領域の下方に位置しており、実行されている又は実行されることが決定されている変動表示各々に対応した丸型のオブジェクトである変動対応表示または保留表示が表示される領域である。ここで、下部表示領域18cの中央に位置する変動対応表示領域180には、実行されている第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示(第1開始条件または第2開始条件が成立した可変表示)に対応した変動対応表示が表示される。また、下部表示領域18cの遊技者側から見て左側に位置する第1保留表示領域181には、実行されることが決定されているが未だ実行されていない第1特別図柄に対応した変動表示(第1始動条件は成立したが第1開始条件が成立していない可変表示)に対応した第1保留表示が表示される。また、下部表示領域18cの遊技者側から見て右側に位置する第2保留表示領域182には、実行されることが決定されているが未だ実行されていない第2特別図柄に対応した変動表示(第2始動条件は成立したが第2開始条件が成立していない可変表示)に対応した第2保留表示が表示される。
第1保留表示領域181は、画面中央から左側に向かって順に、第1保留表示領域181A,181B,181C,および181Dより構成され、これらの各領域は、第1保留記憶バッファの各保存領域(1〜4)に記憶される各保留記憶(大当り判定用乱数等)にそれぞれ対応している。即ち、第1保留記憶バッファの保存領域1に保留記憶が保存されている場合には、第1保留表示領域181Aに第1保留表示が表示され、第1保留記憶バッファの保存領域2に保留記憶が保存されている場合には、第1保留表示領域181Bに第1保留表示が表示され、第1保留記憶バッファの保存領域3に保留記憶が保存されている場合には、第1保留表示領域181Cに第1保留表示が表示され、第1保留記憶バッファの保存領域4に保留記憶が保存されている場合には、第1保留表示領域181Dに第1保留表示が表示される。
第2保留表示領域182は、画面中央から右側に向かって順に、第2保留表示領域182A,182B,182C,および182Dより構成され、これらの各領域は、第2保留記憶バッファの各保存領域(1〜4)に記憶される各保留記憶(大当り判定用乱数等)にそれぞれ対応している。即ち、第2保留記憶バッファの保存領域1に保留記憶が保存されている場合には、第2保留表示領域182Aに第2保留表示が表示され、第2保留記憶バッファの保存領域2に保留記憶が保存されている場合には、第2保留表示領域182Bに第2保留表示が表示され、第2保留記憶バッファの保存領域3に保留記憶が保存されている場合には、第2保留表示領域182Cに第2保留表示が表示され、第2保留記憶バッファの保存領域4に保留記憶が保存されている場合には、第2保留表示領域182Dに第2保留表示が表示される。
第1保留表示領域181Aまたは第2保留表示領域182Aに表示されていた第1保留表示または第2保留表示に対応する変動表示の開始条件が成立したときに、当該第1保留表示領域181Aまたは当該第2保留表示領域182Aに第1保留表示または第2保留表示として表示されていたオブジェクトが変動対応表示領域180にシフトされ、変動対応表示として表示されることになる。
上述した変動対応表示は、白い丸型または青い丸型の通常態様で表示される場合と、白い丸型または青い丸型が炎で覆われた特定態様(図27や図35等を参照)で表示される場合とがある。また、第1保留表示は、白い丸型の通常態様で表示される場合と、白い丸型が炎で覆われた特定態様(図27等を参照)で表示される場合とがある。また、第2保留表示は、青い丸型の通常態様で表示される場合と、青い丸型が炎で覆われた特定態様(図35等を参照)で表示される場合とがある。
図15は、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに記憶される表示制御テーブルの記憶内容を示す説明図である。表示制御テーブルには、変動対応表示領域180、第1保留表示領域181A〜181D、および、第2保留表示領域182A〜182Dのそれぞれの表示領域に対応した記憶領域が設けられている。各表示領域の表示制御を行うときに、各表示領域に対応したデータ(「表示中フラグ」「変動順序」「特定態様フラグ」「遅延フラグ」および「ターゲットフラグ」)が参照される。
表示制御テーブルにおいて、「表示中フラグ」は、各表示領域に対応するオブジェクトを表示するか否か、即ち、変動対応表示領域180に変動対応表示を表示するか否か、第1保留表示領域181A〜181Dに第1保留表示を表示するか否か、第2保留表示領域182A〜182Dに第2保留表示を表示するか否かを決定するためのフラグである。表示中フラグがセットされている場合には、当該表示中フラグに対応した表示領域に、当該表示領域に応じたオブジェクト(変動対応表示、第1保留表示、または第2保留表示)を表示する。
表示制御テーブルにおいて、「変動順序」は、表示される保留表示(即ち表示中フラグがセットされている表示領域の保留表示)各々について、各保留表示に対応した変動表示が実行される順序を示している。図15に示す例では、第1保留表示領域181Aに表示された第1保留表示に対応した変動表示が1番目に実行され、第1保留表示領域181Bに表示された第1保留表示に対応した変動表示が2番目に実行され、第1保留表示領域181Cに表示された第1保留表示に対応した変動表示が3番目に実行されることになる。なお、この実施の形態では、特別図柄(演出図柄)の変動表示が実行されているときには、変動対応表示領域180の変動順序として0が記憶される。
表示制御テーブルにおいて、「特定態様フラグ」は、表示されている保留表示(即ち表示中フラグがセットされている表示領域の保留表示)各々について、各オブジェクトを通常対応で表示するか又は特定態様で表示するかを決定するためのフラグである。即ち、変動対応表示領域180に表示する変動対応表示を特定態様とするか否か、第1保留表示領域181A〜181Dに表示する第1保留表示を特定態様とするか否か、第2保留表示領域182A〜182Dに表示する第2保留表示を特定態様とするか否かを決定するためのフラグである。特定態様フラグがセットされている場合には、当該特定態様フラグに対応した表示領域のオブジェクト(変動対応表示、第1保留表示、または第2保留表示)を特定態様で表示する。
表示制御テーブルにおいて、「遅延フラグ」は、先読み予告演出の実行タイミングを制御するためのフラグであり、遅延フラグがセットされている表示領域の変動順序よりも後の変動順序に対応した保留表示が表示されるタイミングで、当該遅延フラグがセットされている表示領域の保留表示を通常態様から特定態様に変化させる制御を実行することを示している。この実施の形態では、始動入賞が発生したタイミングで当該始動入賞に対応した保留記憶を対象として先読み予告演出を実行すると決定されることがあるが、このとき直ちに先読み予告演出を開始せずに、後の始動入賞が発生したタイミングで先読み予告演出を開始する場合がある。この場合に、後の始動入賞が発生したタイミングで、遅延フラグがセットされている表示領域の保留表示を通常態様から特定態様に変化させる演出を実行するために用いられる。
表示制御テーブルにおいて、「ターゲットフラグ」は、変化演出のターゲットとなる保留表示を特定するためのフラグであり、ターゲットフラグがセットされている表示領域の変動順序よりも1つ前の変動順序に対応した保留表示を通常態様から特定態様に変化させると共に、当該特定態様の保留表示に対応した変動表示が開始された場合(開始条件が成立した後)に、その特定態様の変動対応表示と、当該ターゲットフラグがセットされた保留表示とを対象として変化演出を実行することを示している。
ここで、「変化演出」とは、図27の(g)(h)等に示されるように、変動対応表示領域180において変動対応表示が特定態様で表示されている場合に、その後に実行される変動表示に対応した保留表示(第1保留表示領域181Aの第1保留表示または第2保留表示領域182Aの第2保留表示)を通常態様から特定態様に変化させる演出である。この実施の形態では、変動対応表示を覆う炎が、その隣の第1保留表示または第2保留表示に燃え移る演出が変化演出として実行される。
また、この実施の形態において、変化演出は特定演出が実行されたことに基づいて実行される。ここで、「特定演出」とは、図27の(g)(h)等に示されるように、リプレイ図柄1000を表示する演出や、図29の(f)(g)に示されるように、キャラ2000が出現して変動対応表示の隣の第1保留表示または第2保留表示に火をつけることにより変化演出が実行されることを示唆する演出となっている。
また、この実施の形態では、始動入賞が発生したタイミングで当該始動入賞に対応した保留記憶をターゲットとして変化演出を実行すると決定されることがあるが、このとき当該始動入賞に対応した保留表示を対象として直ちに先読み予告演出を開始せずに、これよも前に実行される変動表示に対応した保留表示を対象として先読み予告演出を開始することになる。この場合に、変化演出のターゲットとして設定された保留表示が表示されるタイミングで、ターゲットフラグがセットされている表示領域の保留表示を通常態様から特定態様に変化させる演出を実行するために、ターゲットフラグが用いられる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図16は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(S706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、先読み予告演出を実行するか否かを決定するための乱数や、先読み予告演出の実行態様(始動入賞時に先読み予告演出を開始するか否か、次変動順序に対応する始動入賞時に先読み予告演出を開始するか否か、あるいは変化演出のターゲットに設定するか否か)を決定するための乱数、特定演出として後述するリプレイ図柄1000の停止またはキャラ2000の出現のいずれを実行するかを決定するための乱数等をRAMに記憶しており、S707において、各乱数を生成するためのカウンタのカウント値も更新している。
ここで、リプレイ図柄1000の停止(例えば図27(g)等)およびキャラ2000の出現(例えば図29(f)等)のいずれの特定演出を実行するかの決定に際して、特定演出が実行されるときの変動パターンや遊技状態に基づいて決定されるようにしても良い。例えば、リプレイ図柄1000の停止演出に要する時間がキャラ2000の出現演出に要する時間よりも短い場合に、実行される特定演出に対応した変動パターンの変動表示時間が所定時間未満(例えばリプレイ図柄1000の停止演出は実行可能であるがキャラ2000の出現演出を実行できない時間)である場合には、リプレイ図柄1000の停止演出を実行すると決定するようにし、実行される特定演出に対応した変動パターンの変動表示時間が所定時間以上(キャラ2000の出現演出を実行可能な時間)である場合には、キャラ2000の出現演出を実行すると決定するようにすると良い。また、遊技状態が高ベース状態である場合(平均の変動表示時間が低ベース状態よりも短い場合)には、リプレイ図柄1000の停止演出が選択される割合を低ベース状態よりも高めたり、キャラ2000の出現演出が選択される割合を低ベース状態よりも低下させたりする一方、遊技状態が低ベース状態である場合には、リプレイ図柄1000の停止演出が選択される割合を高ベース状態よりも低下させたり、キャラ2000の出現演出が選択される割合を高ベース状態よりも高めたりするようにしても良い。
また、この実施の形態とは異なるが、高確率低ベース状態(所謂内部確変状態)が存在するような遊技機において、高確率低ベース状態に制御されているか又は低確率低ベース状態に制御されているかを遊技者が識別することが困難な共通演出態様に制御されている期間(所謂潜伏期間)に、高確率低ベース状態のときには、リプレイ図柄1000の停止演出が選択される割合を低確率低ベース状態よりも低下させたり、キャラ2000の出現演出が選択される割合を低確率低ベース状態よりも高めたりする一方、低確率低ベース状態のときには、リプレイ図柄1000の停止演出が選択される割合を高確率低ベース状態よりも高めたり、キャラ2000の出現演出が選択される割合を高確率低ベース状態よりも低下させたりするようにしても良い。これによれば、遊技者は、遊技状態が高確率状態であるか又は低確率状態であるかを特定しようとして、特定演出に注目するようになる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数を1加算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1加算する。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数を1加算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1加算する。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数を1減算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1減算する。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数を1減算するとともに、合算保留記憶数保存領域に格納する合算保留記憶数の値を1減算する。
図17は、図16に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、先読み予告演出の有無を決定する先読み予告演出決定処理を実行する(S800A)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。そして、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図18は、先読み予告演出決定処理(S800A)を示すフローチャートである。先読み予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、1セットの始動入賞時のコマンド(即ち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)のセット)を新たに受信したか否かを確認する(S1001)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域に1セットの図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)が新たに格納されているか否かを判定することによって確認できる。1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していなければ、そのまま処理を終了する。
1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していれば、演出制御用CPU101は、S1002において、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている最新のコマンド(1セットの始動入賞時のコマンドが記憶されている最後の格納領域のコマンド)が、第1保留コマンドであるか又は第2保留コマンドであるかを保留記憶数加算指定コマンドに基づいて確認する。
第1保留コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、RAMに記憶されている表示制御テーブルにおいて、第1保留記憶数に対応する第1保留表示領域(第1保留記憶数=1であれば181A,第1保留記憶数=2であれば181B,第1保留記憶数=3であれば181C,第1保留記憶数=4であれば181D)を対象として、表示中フラグをセットする。第2保留コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、RAMに記憶されている表示制御テーブルにおいて、第2保留記憶数に対応する第2保留表示領域(第2保留記憶数=1であれば182A,第2保留記憶数=2であれば182B,第2保留記憶数=3であれば182C,第2保留記憶数=4であれば182D)を対象として、表示中フラグをセットする。なお、S1002において、新たに表示中フラグがセットされた保留表示領域を記憶しておき、以降の処理において、新たに表示中フラグがセットされた保留表示領域に表示される保留表示を新たな保留表示として識別するものとする。
次いで、演出制御用CPU101は、表示制御テーブルにおいて、表示中フラグがセットされている表示領域を対象として変動順序を更新する(S1003)。この実施形態では、第2特別図柄が第1特別図柄よりも優先して変動表示が実行されることにもとづいて、第2保留表示領域182A,182B,182C,182D、第1保留表示領域181A,181B,181C,181Dの順序に従って、変動順序を更新する。この順序に従って表示中フラグがセットされているか否かを確認し、最初に表示中フラグがセットされている表示領域の変動順序を1とし、次に表示中フラグがセットされている表示領域の変動順序を2とし、最後(例えば合算保留記憶数=nのときはn番目)に表示中フラグがセットされている表示領域の表示順序をnとする。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み予告演出の実行を制限することを示す先読み予告制限フラグがセットされているか否かを確認する(S1004)。なお、先読み予告制限フラグは、先読み予告演出を実行すると決定されたことに基づいてS1008でセットされる。先読み予告制限フラグがセットされていれば(Y)、後述する保留表示設定処理に移行する(S1010)。先読み予告制限フラグがセットされていなければ(N)、始動入賞時コマンド格納領域に格納されている最近の変動カテゴリコマンドに基づいて、図19に示す先読み予告演出決定テーブルを用いて、先読み予告演出の実行の有無および先読み予告演出を実行する場合の実行態様を決定する(S1005)。
図19(a)には、S1002で新たに表示中フラグがセットされた表示領域の表示順序が1である場合に選択される先読み予告演出決定テーブルを示す。このテーブルにおいて、変動カテゴリコマンドが「非リーチハズレ」または「ノーマルリーチハズレ」のいずれかを示すものであれば(変動カテゴリ1〜3のいずれかであれば)、90%の割合で先読み予告演出を実行しないことに決定し、10%の割合で先読み予告演出を実行することに決定する。また、変動カテゴリコマンドが「スーパーリーチハズレ」を示すものであれば(変動カテゴリ4であれば)、50%の割合で先読み予告演出を実行しないことに決定し、50%の割合で先読み予告演出を実行することに決定する。また、変動カテゴリコマンドが「ノーマルリーチ大当り」を示すものであれば(変動カテゴリ11であれば)、30%の割合で先読み予告演出を実行しないことに決定し、70%の割合で先読み予告演出を実行することに決定する。また、変動カテゴリコマンドが「スーパーリーチ大当り」を示すものであれば(変動カテゴリ12であれば)、10%の割合で先読み予告演出を実行しないことに決定し、90%の割合で先読み予告演出を実行することに決定する。
図19(a)に示す先読み予告演出実行テーブルが用いられる場合、即ち新たな始動入賞に対応した保留表示の変動順序が1である場合には、先読み予告演出が実行されると決定される場合に、必ず始動入賞時に先読み予告演出を開始することに決定される。ここで、「始動入賞時に先読み予告演出を開始する」とは、新たに表示中フラグが設定された表示領域に保留表示を表示するときに、最初から特定態様で表示することをいう。即ち、当該保留表示を表示するときに必ず特定態様で表示されることになる。このような形態に限らず、新たな始動入賞に対応した保留表示の変動順序が1である場合にも、その次に実行される変動表示に対応した保留表示が表示されるタイミングで先読み予告演出が開始される場合があるようにしても良い。
図19(b)には、S1002で新たに表示中フラグがセットされた表示領域の表示順序が2以上である場合に選択される先読み予告演出決定テーブルを示す。このテーブルにおいて、変動カテゴリコマンドが「非リーチハズレ」または「ノーマルリーチハズレ」のいずれかを示すものであれば(変動カテゴリ1〜3のいずれかであれば)、90%の割合で先読み予告演出を実行しないことに決定し、10%の割合で先読み予告演出を実行することに決定する。さらに、先読み予告演出を実行する場合については、5%(5/10)の割合で始動入賞時に先読み予告演出を開始することに決定し、4%(4/10)の割合で次の変動順序に対応した始動入賞時に先読み予告演出を開始することに決定し、1%(1/10)の割合で変化演出のターゲットに設定する。
ここで「次の変動順序に対応した始動入賞時に先読み予告演出を開始する」とは、新たに表示中フラグがセットされた表示領域に保留表示を表示するときに、一旦通常態様で表示させ、その後、当該保留表示に対応した変動表示よりも後に実行される変動表示に対応した保留表示が表示されるタイミングで、一旦通常態様で表示していた保留表示を特定態様に変化させることをいう。
また「変化演出のターゲットに設定する」とは、新たに表示中フラグがセットされた表示領域に保留表示を表示するときに、当該保留表示を通常態様で表示させ、当該保留表示に対応した変動表示よりも前に実行される変動表示に対応した保留表示を通常態様から特定態様に変化させると共に、さらに該特定態様で表示された保留表示に対応した変動表示が開始された後に(開始条件の成立後に)、変化演出のターゲットに設定された(ターゲットフラグがセットされた)保留表示を対象として変化演出を実行することを決定することをいう。
このテーブルにおいて、変動カテゴリコマンドが「スーパーリーチハズレ」を示すものであれば(変動カテゴリ4であれば)、50%の割合で先読み予告演出を実行しないことに決定し、50%の割合で先読み予告演出を実行することに決定する。さらに、先読み予告演出を実行する場合については、15%(15/50)の割合で始動入賞時に先読み予告演出を開始することに決定し、15%(15/50)の割合で次の変動順序に対応した始動入賞時に先読み予告演出を開始することに決定し、20%(20/50)の割合で変化演出のターゲットに設定する。
このテーブルにおいて、変動カテゴリコマンドが「ノーマルリーチ大当り」を示すものであれば(変動カテゴリ11であれば)、30%の割合で先読み予告演出を実行しないことに決定し、70%の割合で先読み予告演出を実行することに決定する。さらに、先読み予告演出を実行する場合については、15%(15/70)の割合で始動入賞時に先読み予告演出を開始することに決定し、15%(15/70)の割合で次の変動順序に対応した始動入賞時に先読み予告演出を開始することに決定し、40%(40/70)の割合で変化演出のターゲットに設定する。
このテーブルにおいて、変動カテゴリコマンドが「スーパーリーチ大当り」を示すものであれば(変動カテゴリ12であれば)、10%の割合で先読み予告演出を実行しないことに決定し、90%の割合で先読み予告演出を実行することに決定する。さらに、先読み予告演出を実行する場合については、15%(15/90)の割合で始動入賞時に先読み予告演出を開始することに決定し、15%(15/90)の割合で次の変動順序に対応した始動入賞時に先読み予告演出を開始することに決定し、60%(60/90)の割合で変化演出のターゲットに設定する。
S1005で、先読み予告演出の実行の有無および先読み予告演出を実行する場合の実行態様を決定した演出制御用CPU101は、先読み予告演出を実行しないことに決定した場合には(S1006でN)、後述する保留表示設定処理(S1010)に移行する。先読み予告演出を実行することに決定した場合には(S1006でY)、表示制御テーブルにおいて、決定された先読み予告演出の実行態様に応じたフラグをセットする(S1008)。具体的には、図20に示すように、先読み予告演出の実行態様として「始動入賞時に先読み予告演出を開始する」と決定された場合には、特定態様フラグをセットする。これにより特定態様フラグがセットされた保留表示領域の保留表示が特定態様で表示されることになる。また、「次変動順序の始動入賞時に先読み予告演出を開始する」と決定された場合には、遅延フラグをセットする。これにより、遅延フラグがセットされた保留表示領域の変動順序より後の変動順序に対応した保留表示を表示するときに、該保留表示が特定態様で表示されることになる。また、「変化演出のターゲットに設定する」と決定された場合には、ターゲットフラグをセットする。これにより、ターゲットフラグがセットされた保留表示領域の変動順序より前の変動順序に対応した保留表示を通常態様から特定態様に変化させることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み予告制限フラグをセットする(S1008)。これにより、一旦セットされた先読み予告制限フラグがリセットされるまでは、以降の先読み予告演出決定処理(S800A)において、S1004でYと判定され、先読み予告演出を実行すると決定されない。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示設定処理に移行する(S1010)。図21は、保留表示設定処理を示すフローチャートである。まず、演出制御用CPU101は、新たに表示中フラグがセットされた表示領域(即ち新たな保留表示が表示される表示領域)に対応する特定態様フラグがセットされているか否かを確認する(S1020)。特定態様フラグがセットされていれば(Y)、当該特定態様フラグがセットされている保留表示領域に新たな保留表示を特定態様で表示する(S1021)。そして保留表示設定処理および先読み予告演出決定処理を終了する。これにより、始動入賞時に先読み予告演出を開始すると決定された場合には、新たな保留表示が特定態様で表示されることになる。S1020で特定態様フラグがセットされていなければ(N)、S1030に移行する。
S1030では、演出制御用CPU101は、新たに表示中フラグがセットされた表示領域の変動順序よりも1つ前の変動順序に対応する遅延フラグがセットされているか否かを判定する。遅延フラグがセットされていれば(Y)、1つ前の変動順序に対応する保留表示を通常態様から特定態様に変化させて表示すると共に(S1033)、該1つ前の変動順序に対応する特定態様フラグをセットする(S1034)。そして、演出制御用CPU101は、新たに表示中フラグがセットされた表示領域に保留表示を通常態様で表示する(S1035)。そして保留表示設定処理および先読み予告演出決定処理を終了する。これにより、始動入賞時に先読み予告演出の対象とすると判定されていたものの一旦は通常態様で表示されていた保留表示が、当該保留表示よりも後の変動順序に係る保留表示が表示されるタイミングで特定態様に変化することになる。
S1030で遅延フラグがセットされていなければ(N)、演出制御用CPU101は、新たに表示中フラグがセットされた表示領域に対応するターゲットフラグがセットされているか否かを確認する(S1031)。ターゲットフラグがセットされていれば(Y)、当該ターゲットフラグに対応した変動順序よりも1つ前の変動順序に対応する保留表示を通常態様から特定態様に変化させて表示すると共に(S1033)、該1つ前の変動順序に対応する特定態様フラグをセットする(S1034)。そして、演出制御用CPU101は、新たに表示中フラグがセットされた表示領域に保留表示を通常態様で表示する(S1035)。そして保留表示設定処理および先読み予告演出決定処理を終了する。これにより、始動入賞時に変化演出のターゲットに設定すると決定された場合には、当該保留表示よりも前の変動順序に係る保留表示が通常態様から特定態様に変化することになる。
S1031でターゲットフラグがセットされてなければ(N)、演出制御用CPU101は、新たに表示中フラグがセットされた表示領域に保留表示を通常態様で表示する(S1035)。そして保留表示設定処理および先読み予告演出決定処理を終了する。
図22は、図17に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S2000)。
次いで、演出制御用CPU101は、S2000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(即ち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S2001)。即ち、演出制御用CPU101によってS2001の処理が実行されることによって、変動表示パターン決定手段が決定した変動表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の変動表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、S2001において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図23は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図23に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、高確率状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、高確率状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
ここで、この実施の形態では、S2001で停止図柄を決定しているが、後述するように、S2001で決定した停止図柄に代えて、S1011で選択されたプロセステーブルにより規定される図柄(例えば図27(g)(h)等に示すようなリプレイ図柄1000)を停止図柄とする場合がある。
次いで、演出制御用CPU101は、読み出した変動パターンコマンドから特定される変動パターンがリーチ演出を伴う変動パターンであるか否かを確認する(S2002)。リーチ演出を伴う変動パターンでない場合には(N)、S2010に移行する。S2010において、演出制御用CPU101は、表示制御テーブルを参照し、変動順序1に対応する特定フラグがセットされており且つ変動順序2に対応するターゲットフラグがセットされているか否かを確認する。即ち、開始しようとする演出図柄の変動表示中(変動順序1に対応した変動表示中)に、変動順序2に対応した保留表示をターゲットとした変化演出を実行するか否かを確認する。
変動順序1に対応する特定フラグがセットされており且つ変動順序2に対応するターゲットフラグがセットされている場合(S2010でY)、即ち、開始しようとする演出図柄の変動表示中(変動順序1に対応した変動表示中)に、変動順序2に対応した保留表示をターゲットとした変化演出を実行することが決定されている場合には、演出制御用CPU101は、決定した変動パターンと、後述する特定演出および変化演出に応じたプロセステーブルを選択する(S2011)。
図24は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。即ち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様や、下部表示領域18cにおける変動対応表示や保留表示の表示態様、特定演出の態様、変化演出の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータ(例えば、先読み演出が実行されないときに用いられるプロセステーブルの表示制御実行データに記載された先読み演出の態様を示すデータ)には、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図24に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。また、この実施の形態では、特定演出として、図27(g)(h)等に示すように、中図柄としてリプレイ図柄1000を停止表示させる演出と、図29(f)(g)に示すように、変動表示中にキャラ2000を出現させる演出とが存在する。いずれの特定演出を選択するかに関してはS2011の処理に先立って決定され(例えば演出決定用乱数を用いた判定により決定され)、S2011では、決定された特定演出に応じたプロセステーブルが選択されるものとする。即ちS2011では、決定された変動パターンおよび変化演出、ならびに決定された特定演出に応じたプロセステーブルが選択される。ここで、特定演出として、中図柄としてリプレイ図柄1000を停止させることに決定された場合には、S2001で決定された中図柄ではなく、リプレイ図柄1000を停止させるための表示制御データが設定される。
S2011で選択されるプロセステーブルとは、演出図柄の変動表示中に、図29(f)(g)に示すように、キャラ2000を出現させる特定演出を実行した後、または、演出図柄の変動終了時(演出図柄の導出表示時)に、図27(g)(h)に示すように、中図柄としてリプレイ図柄1000を停止表示させる特定演出を実行した後、変動対応表示領域180の変動対応表示から、第1保留表示領域181Aの第1保留表示または第2保留表示領域182Aの第2保留表示に向けて炎が燃え広がる変化演出を実行し、最終的に第1保留表示領域181Aの第1保留表示または第2保留表示領域182Aの第2保留表示も特定態様(炎で覆われた態様)で表示するためのプロセスデータが設定されたテーブルである。演出制御用CPU101は、S2011において、表示制御テーブルを参照し、セットされているターゲットフラグ(または変動順序2)が第1保留表示領域181A〜181Dのいずれかに対応していれば、変動対応表示領域180の変動対応表示から第1保留表示領域181Aの第1保留表示に向けて炎が燃え広がる変化演出を実行するためのプロセステーブルを選択し、セットされているターゲットフラグ(または変動順序2)が第2保留表示領域182A〜182Dのいずれかに対応していれば、変動対応表示領域180の変動対応表示から第2保留表示領域182Aの第2保留表示に向けて炎が燃え広がる変化演出を実行するためのプロセステーブルを選択する。このように、演出制御用CPU101は、ターゲットフラグに基づいて変化演出の対象(保留表示)および態様(炎が遊技者からみて左に燃え広がるか又は右に燃え広がるか)を決定することができる。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変化演出が実行されることを示す変化演出実行フラグをセットする(S2012)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S2020)。
一方、S2002で、リーチ演出を伴う変動パターンではないと判定された場合(N)や、S2010で、[変動順序1に対応する特定フラグがセットされており且つ変動順序2に対応するターゲットフラグがセットされている]と判定されなかった場合(N)、即ち変化演出や特定演出を実行しないことが決定された場合には、演出制御用CPU101は、決定した変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S2004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S2020)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する(S2021)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S2022)。次いで、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド)を1つ削除し、始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(S2023)。
S2023では、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域に第2保留コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)が記憶されているか否かを確認する。第2保留コマンドが記憶されている場合には、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域のうち、第2始動入賞口14への始動入賞時に受信したコマンドが格納されている1番目の格納領域の内容を削除し(例えば、第2保留記憶数加算指定コマンドが格納されている1番目の格納領域の内容を削除し)、始動入賞時コマンド格納領域の以降の格納領域の内容を1つずつシフトする。例えば、始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に第1始動入賞口13への始動入賞時に受信したコマンドが格納され、2つ目の格納領域に第2始動入賞口14への始動入賞時に受信したコマンドが格納されている場合には、2つ目の格納領域の内容を削除し、3つ目以降の格納領域の内容をシフトする。
第2保留コマンドが記憶されていない場合(第1保留コマンドのみが記憶されている場合)には、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている内容を削除し(この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が優先実行されることから、第1特別図柄の変動表示が実行されるということは、始動入賞時コマンド格納領域に格納されているコマンドは、全て第1始動入賞口13への始動入賞時に受信したコマンドである)、始動入賞時コマンド格納領域の以降の格納領域の内容を1つずつシフトする。
次いで、演出制御用CPU101は、表示制御テーブルの記憶内容をシフトする(S2024)。具体的には、表示制御テーブルの第2保留表示領域182Aに対応する表示中フラグがセットされていれば、該第2保留表示領域182Aに対応したデータを変動対応表示領域180に対応した記憶領域にシフトする。そして、第2保留表示領域182B,182C,182Dに対応した各データを、それぞれ第2保留表示領域182A,182B,182Cに対応した記憶領域にシフトする。また、表示制御テーブルの第2保留表示領域182Aに対応する表示中フラグがセットされていなければ、第1保留表示領域181Aに対応したデータを変動対応表示領域180に対応した記憶領域にシフトする。そして、第1保留表示領域181B,181C,181Dに対応した各データを、それぞれ第1保留表示領域181A,181B,181Cに対応した記憶領域にシフトする。
次いで、演出制御用CPU101は、シフト後の表示制御テーブルにおいて、表示中フラグがセットされている表示領域を対象として変動順序を更新する(S2024A)。この実施形態では、第2特別図柄が第1特別図柄よりも優先して変動表示が実行されることにもとづいて、第2保留表示領域182A,182B,182C,182D、第1保留表示領域181A,181B,181C,181Dの順序に従って、変動順序を更新する。この順序に従って表示中フラグがセットされているか否かを確認し、最初に表示中フラグがセットされている表示領域の変動順序を1とし、次に表示中フラグがセットされている表示領域の変動順序を2とし、最後(例えばn番目)に表示中フラグがセットされている表示領域の表示順序をnとする。
そして、演出制御用CPU101は、更新後の表示制御テーブルに基づいて変動対応表示および保留表示を更新する(S2025)。具体的には、変動対応表示領域180に対応した表示中フラグがセットされていれば、変動対応表示領域180に変動対応表示を表示する。このとき、変動対応表示領域180に対応した特定態様フラグがセットされている場合には、変動対応表示を特定態様で表示する。また、第1保留表示領域181A〜181Dに対応した表示中フラグがセットされていれば、表示中フラグがセットされた第1保留表示領域に、第1保留表示を表示する。このとき、表示中フラグに対応した特定態様フラグがセットされている場合には、第1保留表示を特定態様で表示する。また、第2保留表示領域182A〜182Dに対応した表示中フラグがセットされていれば、表示中フラグがセットされた第2保留表示領域に、第2保留表示を表示する。このとき、表示中フラグに対応した特定態様フラグがセットされている場合には、第2保留表示を特定態様で表示する。
このように、この実施の形態では、演出図柄の変動表示を開始するときに、第1保留表示領域181Aに表示されていた第1保留表示、または第2保留表示領域182Aに表示されていた第2保留表示が、その表示態様を維持したまま変動対応表示領域180にシフトして、変動対応表示として表示されることになる。これにより、遊技者は、先読み予告演出の対象となった保留表示に対応した変動表示が実行されていること、変化演出のターゲットとなった保留表示に対応した変動表示が実行されていることを把握することができる。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S2026)。
なお、この実施の形態では、リーチ演出を伴う変動パターンの変動表示を実行する場合には、S2011およびS2012は実行されず、変化演出および特定演出は実行されない。リーチ演出が実行される場合には、遊技者が表示結果が大当りとなることを期待するため、仮に変化演出や特定演出を実行したとしても、変化演出や特定演出の興趣が損なわれるおそれがある。また、リーチ演出が実行されているにもかかわらず、変化演出や特定演出が実行されてしまうことで、「現在実行されている変動表示の表示結果」という本来遊技者が最も注目すべき対象への興味までも低下してしまうおそれがある。この実施の形態では、リーチ演出を伴う変動パターンの変動表示を実行する場合には、変化演出および特定演出が実行されないため、変化演出や特定演出の興趣が損なわれたり、リーチ演出に対する関心が低下したりすることがない。
図25は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S3001)、変動時間タイマの値を1減算する(S3002)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S3003)、プロセスデータの切替を行う。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S3004)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(S3005)。この場合、変動開始時に変化演出を実行することに決定されている場合には、プロセステーブルに従って変化演出を実行する。また、変動開始時に特定演出を実行することに決定されている場合には、プロセステーブルに従って、決定された特定演出を実行する。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S3010)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S3011)。なお、変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら、S3011に移行する。例えば、確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを受信したことに基づいてセットされ、変動パターンコマンド受信フラグがセットされたことに基づいてリセットされる。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図26は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S4001)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S4012に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、S4011で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S4002の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S4012に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(S4002)。なお、S4002の処理において、演出制御用CPU101は、はずれ図柄または大当り図柄のいずれの図柄を停止表示させたのかを記憶しておくものとする。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み予告制限フラグがセットされているか否かを確認する(S4003)。先読み予告制限フラグがセットされていなければ(S4003でN)、演出制御用CPU101は、S4010の判定処理を実行する。S4010の判定処理において、演出制御用CPU101は、大当り図柄を停止表示したか否かを確認する。大当り図柄を停止表示しなかった場合(即ち、はずれ図柄を停止表示した場合)には(S4010のN)、演出制御用CPU101は、S4040に移行する。S4040では、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する。そして、演出制御用CPU101は、表示制御テーブルの変動対応表示領域180に対応する記憶内容(表示中フラグ、変動順序、特定態様フラグ、遅延フラグ、ターゲットフラグ)を削除し、これに伴い変動対応表示領域180に表示している変動対応表示をクリアする(S4050)。
S4010の判定処理で大当り図柄を停止表示した場合には(S4010のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S4011)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S4012)。大当り開始指定コマンドは、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドであり、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、通常大当り図柄又は確変大当り図柄の導出表示後に通常大当り又は確変大当りの大当り遊技状態に制御するときに送信される。また、突然確変大当り開始指定コマンドは、突然確変大当りの制御開始を指定する演出制御コマンドであり、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、突然確変大当り図柄の導出表示後に突然確変大当りの大当り遊技状態に制御するときに送信される。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S4013)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S4014)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S4015)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S4016)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S4017)。そして、演出制御用CPU101は、表示制御テーブルの変動対応表示領域180に対応する記憶内容(表示中フラグ、変動順序、特定態様フラグ、遅延フラグ、ターゲットフラグ)を削除し、これに伴い変動対応表示領域180に表示している変動対応表示をクリアする(S4050)。
S4003で先読み予告制限フラグがセットされている場合には(Y)、演出制御用CPU101は、変化演出実行フラグがセットされているか否かを確認する(S4020)。変化演出実行フラグがセットされている場合には(Y)、表示制御テーブルにおいてセットされているターゲットフラグに対応した保留表示領域に表示されている保留表示を特定態様で表示し(S4021)、該セットされているターゲットフラグに対応する特定態様フラグをセットする(4022)。このように、当該変動表示において実行された変化演出のターゲットとなった保留表示が特定態様で表示されることになる。なお、この実施の形態では、ターゲットフラグに対応した保留表示領域に表示されている保留表示は既に特定態様に変化しているため、S4021の処理を実行せずにS4022の処理のみを実行するようにしても良い。
次いで、演出制御用CPU101は、変化演出実行フラグをリセットして(S4023)、S4010に移行する。一方、変化演出実行フラグがセットされていない場合には(S4020でN)、演出制御用CPU101は、表示制御テーブルにおいて、変動順序1以降の特定態様フラグ、遅延フラグ、および、ターゲットフラグの全てが非セットの状態であるか否かを確認する(S4030)。特定態様フラグ、遅延フラグ、および、ターゲットフラグの全てが非セットの状態であれば(S4030でY)、先読み予告制限フラグをリセットする(S4031)。そして、S4010に移行する。特定態様フラグ、遅延フラグ、または、ターゲットフラグのいずれかがセットされている状態であれば(S4030でN)、S4010に移行する。
このように、この実施の形態では、変動表示を終了するときに、いずれの保留表示も特定態様で表示されておらず(いずれの保留表示領域に対応した特定態様フラグもセットされておらず)且つ先読み予告演出を実行することにも決定していない場合(いずれの保留表示領域に対応した遅延フラグやターゲットフラグもセットされていない場合)には、先読み予告演出を実行可能な状態、先読み予告演出を実行することを決定可能な状態となる。
次に図27〜図29を用いて、本実施形態の効果を具体例に基づいて説明する。図27は、リプレイ図柄1000が停止される特定演出が実行された後に、変動対応表示の炎が隣に表示される保留表示に燃え移る変化演出が実行される態様を示す図である。
図27(a)は、演出図柄の変動表示が実行されている状態を示しており、この場合の第1保留記憶数は2であり、第2保留記憶数は0であるものとする。そして、変動対応表示領域180には変動対応表示(この例では第1特別図柄の変動表示に対応したもの)が通常態様で表示されており、第1保留表示領域181Aおよび第1保留表示領域181Bには、それぞれ第1保留表示が通常態様で表示されている。そして、この状態で第1始動入賞口13への始動入賞が発生したものとする。
第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて、始動入賞時のコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信され、演出制御用CPU101が、先読み予告演出決定処理において、先読み予告演出を実行すると決定し、且つ、変化演出のターゲットに設定したものとする(S1005に対応)。なお、始動入賞時のコマンドとして、大当りを示す図柄指定コマンド、リーチ演出が実行されることを示す変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数加算指定コマンドを受信したものとする。この場合には、図27(b)に示すように、保留表示設定処理において、新たに表示する保留表示よりも1つ前の変動順序に対応した保留表示、本例では第1保留表示領域181Bに表示している第1保留表示が通常態様から特定態様に変化する(S1031でYと判定された場合のS1033に対応)。そして、図27(c)に示すように、演出図柄の変動表示が終了して表示結果(この例では「615」のはずれ図柄)が導出表示されたものとする。
そして次の変動表示が実行されるときには、図27(d)に示すように、第1保留表示領域181Aに表示されていた第1保留表示が変動対応表示領域180にシフトされ、第1保留表示領域181B,181Cに表示されていた第1保留表示が、第1保留表示領域181A,181Bにそれぞれシフトされる(S2024,S2025に対応)。そして、図27(e)に示すように、演出図柄の変動表示が終了して表示結果(この例では「431」のはずれ図柄)が導出表示されたものとする。
そして次の変動表示が実行されるときには、図27(f)に示すように、第1保留表示領域181Aに表示されていた第1保留表示が変動対応表示領域180にシフトされ、第1保留表示領域181Bに表示されていた第1保留表示が、第1保留表示領域181Aにシフトされることになる。これにより、変動対応表示領域180には、特定態様の変動対応表示が表示され、第1保留表示領域181Aには、変化演出のターゲットとなる通常態様の保留表示が表示されることになる。即ち、当該変動表示において変化演出および特定演出が実行されることになり(S2010のY,S2011に対応)、この例では、図27(g)に示すように、中図柄としてリプレイ図柄1000を停止させる特定演出が実行される。なお、ここで左図柄および右図柄として停止される図柄(「8」および「7」)は、S2001で決定された停止図柄であるが、これに限らず、S2011で改めて左右の停止図柄を決定するようにしても良く、例えば、左中右の3図柄を全てリプレイ図柄1000とするようにしても良い。
リプレイ図柄1000を中図柄として停止させる特定演出が実行されると、図27(h)に示すように、遊技者から見て画面右側から風が吹いてくるような演出画像が表示されると共に、変動対応表示領域180の変動対応表示を覆う炎が、第1保留表示領域181Aの第1保留表示まで広がり、第1保留表示領域181Aの第1保留表示も炎で覆われる(通常態様から特定態様に変化する)変化演出が実行される。この変化演出は、演出図柄が停止してから(ただし変動時間タイマはタイムアウトしておらず最終停止図柄が確定していない状態)変動時間タイマがタイムアウトして最終停止図柄が確定する(演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定指定コマンドを受信する)までの期間に実行される。
そして次の変動表示が実行されるときには、図28(i)に示すように、第1保留表示領域181Aに表示されていた特定態様の第1保留表示が変動対応表示領域180にシフトされ、特定態様の変動対応表示として表示される。即ち、変化演出のターゲットとなった保留表示(保留記憶)に基づいた変動表示が実行される。この変動表示がリーチ演出を伴うものであることにより、図28(j)に示すリーチ演出(例えば「リーチ!」の文字が表示される)が実行され、図28(k)に示すように、当該変動表示の表示結果として大当り図柄(この例では「777」)が導出表示される。
このように、この実施の形態では、リプレイ図柄1000が停止される特定演出が実行されることに基づいて変化演出が実行されることになるため、遊技者は特定態様で表示された保留表示に対応した変動表示が開始された後でも、当該変動表示においてリプレイ図柄1000が停止されること、即ち先読み予告演出が再開される可能性を期待しつつ遊技を行うことができ、先読み予告演出の実行により高められた期待感を継続させることができる。
なお、前述した特許文献1に開示されている遊技機は、始動入賞時に大当りと判定された場合に、これに対応した保留表示を一旦通常態様で表示するとともに、これより前に実行される変動表示に対応した保留表示を特定態様で表示し(擬似予告)、該特定態様の保留表示に対応した変動表示においてリーチ演出が実行されなかったことに基づいて、一旦通常態様で表示した保留表示を特定態様で表示する(真予告)。しかし、このような遊技機であっても、擬似予告の終了に伴って先読み予告演出が一旦は終了してしまうことにより、期待感が継続されず興味が低下してしまう。これに対して、この実施の形態に係る遊技機では、遊技者は、先読み予告演出の対象となった保留表示に対応した変動表示において特定演出が実行されることを期待することになるため、該先読み予告演出により生じた期待感を継続させることができる。
また、この実施の形態では、図27(g)に示したように、変化演出が実行される変動表示の停止図柄としてリプレイ図柄1000を停止させるようにしているため、遊技者は、特定態様の保留表示に対応した変動表示の表示態様がリーチ態様とならない場合(リーチ演出が実行されない場合)であっても、その表示結果に関心を抱くことになり、表示態様がリーチ態様とならない場合の興趣低下を抑制し、期待感を継続させることができる。
また、この実施の形態では、図27(b)に示したように、始動入賞時に変化演出のターゲットに決定された保留表示については通常態様で表示され、その1つ前の変動順序に対応した保留表示が特定態様に変化することになる。これにより、遊技者は、始動入賞時に通常態様で表示された保留表示をターゲットとした変化演出が実行されることを期待することになる。そのため、仮に始動入賞時に保留表示が特定態様で表示されない場合であっても、その後に変化演出が実行されて特定態様に変化することを期待することができ、保留表示の表示態様が特定態様とならない場合の興趣低下を抑制することができる。
また、この実施の形態では、始動入賞時に、次変動順序の入賞時に先読み予告演出を開始すると決定する場合がある。この場合には、次の変動順序に対応した保留表示が表示されるタイミングで、先読み予告演出の対象となる保留表示が通常態様から特定態様に変化することになる。遊技者は、特定態様の保留表示よりも後の変動順序に対応した通常態様の保留表示が存在することにより、変化演出が実行されることを期待することができる。そのため、仮に始動入賞時に保留表示が特定態様で表示されない場合であっても、その後に変化演出が実行されて特定態様に変化することを期待することができ、保留表示の表示態様が特定態様とならない場合の興趣低下を抑制することができる。
要するに、この実施の形態では、図27(b)に示すように、始動入賞時のタイミングで、当該始動入賞に対応した保留表示が通常態様で表示されるとともに、それより前の変動順序に対応した保留表示が通常態様から特定態様に変化するケースでは、(1)該特定態様に変化した保留表示について先読み予告演出を実行することに決定されていた可能性(始動入賞時に一旦通常態様で表示され、次の始動入賞時にS1030でYと判定され、S1033で特定態様に変化したものである可能性)と、(2)該特定態様に変化した保留表示については先読み予告演出を実行することに決定されていなかった(始動入賞時に先読み予告演出を実行しないと決定された)ものの、その後の始動入賞時に変化演出を実行することが決定されたことにより特定態様に変化させられた可能性とが存在する。
ここで仮に(1)の可能性しか存在しない場合には、特定態様に変化した保留表示が先読み予告演出の真の対象ではないこと、即ち始動入賞時に先読み予告演出を実行することに決定されたものではないことと、その後の変動順序に対応した保留表示が変化演出のターゲットとなること、即ち始動入賞時に先読み予告演出を実行することに決定されたものであることとを、遊技者が事前に把握できてしまい、遊技の興趣が損なわれることになってしまう。これに対して(1)と(2)の両方の可能性が存在することで、特定態様に変化した保留表示と、それよりも後の変動順序に対応した通常態様の保留表示のいずれが先読み予告演出の真の対象であるのかを遊技者が特定できないようになり、興趣の低下を抑止することができる。
また、この実施の形態では、始動入賞時の判定においてリーチ演出が実行されたり表示結果が大当りとなると判定される場合には、リーチ演出が実行されない場合や表示結果がはずれとなる場合よりも高い割合で当該保留表示をターゲットとして変化演出が実行されることになるため、遊技者は、変化演出のターゲットとなった保留表示に対応した変動表示でリーチ演出が実行されたり、表示結果が大当りとなることを期待することができる。
図29は、キャラ2000が出現する特定演出が実行された後に、変動対応表示の炎が隣に表示される保留表示に燃え移る変化演出が実行される態様を示す図である。
図29(a)は、演出図柄の変動表示が実行されている状態を示しており、この場合の第1保留記憶数は2であり、第2保留記憶数は0であるものとする。そして、変動対応表示領域180には変動対応表示が通常態様で表示されており、第1保留表示領域181Aおよび第1保留表示領域181Bには、それぞれ第1保留表示が通常態様で表示されている。そして、この状態で第1始動入賞口13への始動入賞が発生したものとする。
第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて、始動入賞時のコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信され、演出制御用CPU101が、先読み予告演出決定処理において、先読み予告演出を実行すると決定し、且つ、変化演出のターゲットに設定したものとする(S1005に対応)。なお、始動入賞時のコマンドとして、大当りを示す図柄指定コマンド、リーチ演出が実行されることを示す変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数加算指定コマンドを受信したものとする。この場合には、図29(b)に示すように、保留表示設定処理において、新たに表示する保留表示よりも1つ前の変動順序に対応した保留表示、本例では第1保留表示領域181Bに表示している第1保留表示が通常態様から特定態様に変化する(S1031でYと判定された場合のS1033に対応)。そして、図29(c)に示すように、演出図柄の変動表示が終了して表示結果(この例では「615」のはずれ図柄)が導出表示されたものとする。
そして次の変動表示が実行されるときには、図29(d)に示すように、第1保留表示領域181Aに表示されていた第1保留表示が変動対応表示領域180にシフトされ、第1保留表示領域181B,181Cに表示されていた第1保留表示が、第1保留表示領域181A,181Bにそれぞれシフトされる(S2024,S2025に対応)。そして、図29(e)に示すように、演出図柄の変動表示が終了して表示結果(この例では「431」のはずれ図柄)が導出表示されたものとする。
そして次の変動表示が実行されるときには、図29(f)に示すように、第1保留表示領域181Aに表示されていた第1保留表示が変動対応表示領域180にシフトされ、第1保留表示領域181Bに表示されていた第1保留表示が、第1保留表示領域181Aにシフトされることになる。これにより、変動対応表示領域180には、特定態様の変動対応表示が表示され、第1保留表示領域181Aには、変化演出のターゲットとなる通常態様の保留表示が表示されることになる。即ち、当該変動表示において変化演出および特定演出が実行されることになり(S2010のY,S2011に対応)、この例では、演出図柄の変動表示中に、たいまつを持ったキャラ2000が出現する特定演出が実行される。
キャラ2000が出現すると、図29(g)に示すように、演出図柄の変動表示中に、キャラ2000が変動対応表示領域180の変動対応表示を覆う炎によってたいまつに火をつけ、第1保留表示領域181Aの第1保留表示に点火する(通常態様から特定態様に変化させる)変化演出が実行される。
そして、図29(h)に示すように、演出図柄の変動表示が終了して、表示結果(この例では「219」のはずれ図柄)が導出表示されるときには、キャラ2000は画面から消えている。なお、変化演出実行後の演出態様は、図28に示した例と同様である。
このように、この実施の形態では、キャラ2000が出現する特定演出が実行されることに基づいて変化演出が実行されることになるため、遊技者は特定態様で表示された保留表示に対応した変動表示が開始された後でも、当該変動表示においてキャラ2000が出現すること、即ち先読み予告演出が再開される可能性を期待しつつ遊技を行うことができ、先読み予告演出の実行により高められた期待感を継続させることができる。
[第2実施形態に係る遊技機]
次に第2実施形態に係る遊技機について、第1実施形態と異なる点を説明する。第2実施形態に係る遊技機では、第1実施形態と異なり、高確率高ベース状態においてのみ先読み予告演出を実行することに決定する。また、先読み予告演出が開始される条件は、第1実施形態と異なり、始動入賞時の判定結果によらず所定の割合で決定される。さらに、変化演出が一旦実行された場合には、第1実施形態と異なり、リーチ演出が実行されるまでは変化演出が連続する。
図30は、第2実施形態に係る先読み予告演出決定処理を示すフローチャートである。第1実施形態と異なり、S1004で先読み予告制限フラグがセットされていなければ(S1004でN)、高確率高ベース状態であるか否かを確認する(S1004a)。ここで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りを示す表示結果2〜4指定コマンド(通常大当り指定、確変大当り指定、突然確変大当り指定)のうち、最後に受信した表示結果指定コマンドを記憶するようにしておき、最後に受信した表示結果指定コマンドが表示結果3または4指定コマンド(確変大当り指定または突然確変大当り指定)である場合には、高確率高ベース状態であると判定し、表示結果2指定コマンド(通常大当り指定)である場合には、高確率高ベース状態ではないと判定する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、変動表示を開始する毎(変動パターンコマンドを送信する毎)に、高確率高ベース状態であるか否かを通知するコマンド(例えば高確率高ベース時に応じた演出画面の背景を表示するように指定するための高確率高ベース時背景指定コマンド)を送信するようにし、このコマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100において高確率高ベース状態であることを認識するようにしても良い。
高確率高ベース状態でない場合には(S1004aでN)、S1010(第2実施形態に係る保留表示設定処理)に移行する。即ち、第2実施形態では、高確率高ベース状態である場合にのみ、先読み予告演出を実行することに決定する。高確率高ベース状態である場合には(S1004aでY)、始動入賞時コマンドが示す判定結果(大当りとなるか否か、リーチ態様となるか否か)によらず、所定の割合で(例えば10%の割合)で、先読み予告演出を開始することに決定する(S1005a)。そして、表示制御テーブルにおいて特定態様フラグをセットし(S1007a)、S1008、次いでS1010(第2実施形態に係る保留表示設定処理)に移行する。
図31は、第2実施形態に係る演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに記憶される表示制御テーブルの記憶内容を示す説明図である。このように第2実施形態の表示制御テーブルは、第1実施形態と異なり、次変動順序の入賞時に先読み予告演出を開始すると決定する場合や、変化演出のターゲットに設定すると決定される場合がないため、遅延フラグやターゲットフラグは設けられていない。
図32は、第2実施形態に係る保留表示設定処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、新たに表示中フラグがセットされた表示領域(即ち新たな保留表示が表示される表示領域)に対応する特定態様フラグがセットされているか否かを確認する(S1020)。特定態様フラグがセットされていれば(Y)、当該特定態様フラグがセットされている保留表示領域に新たな保留表示を特定態様で表示する(S1021)。特定態様フラグがセットされていなければ(N)、新たに表示中フラグがセットされた保留表示領域に新たな保留表示を通常態様で表示する(S1035)。そして保留表示設定処理および先読み予告演出決定処理を終了する。
図33は、第2実施形態に係る演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。S2010aにおいて、演出制御用CPU101は、表示制御テーブルを参照し、変動順序1に対応する特定フラグがセットされているか否か(即ち第1保留表示領域181Aの第1保留表示が特定態様であるか否か)を確認する。
変動順序1に対応する特定フラグがセットされている場合(S2010aでY)、即ち、第2保留表示領域182Aの第2保留表示または第1保留表示領域181Aの第1保留表示が特定態様である場合(S2024およびS2025のシフト後に変動対応表示が特定態様となる場合)には、演出制御用CPU101は、決定した変動パターンと、特定演出および変化演出に応じたプロセステーブルを選択する(S2011)。そして、演出制御用CPU101は、S2012に移行する。このように、この実施の形態では、変動表示の開始に伴い特定態様の変動対応表示が表示されることになる場合には、特定演出および変化演出が実行されることになる。
図34は、第2実施形態に係る演出図柄変動停止処理(S801)を示すフローチャートである。変化演出実行フラグがセットされていない場合には(S4020でN)、演出制御用CPU101は、表示制御テーブルにおいて、変動順序1以降の特定態様フラグの全てが非セットの状態であるか否かを確認する(S4030a)。特定態様フラグの全てが非セットの状態であれば(S4030aでY)、S4031に移行する。特定態様フラグのいずれかがセットされている状態であれば(S4030aでN)、S4010に移行する。
次に図35および36を用いて、第2実施形態に係る遊技機の効果を具体例に基づいて説明する。図35は、リプレイ図柄1000が停止される特定演出が実行された後に、変動対応表示の炎が隣に表示される保留表示に燃え移る変化演出が実行される態様を示す図である。
図35(a)は、演出図柄の変動表示が実行されている状態を示しており、このとき高確率高ベース状態であるものとする。また、この場合の第1保留記憶数は0であり、第2保留記憶数は1であるものとする。そして、変動対応表示領域180には変動対応表示(この例では第2特別図柄の変動表示に対応したもの)が通常態様で表示されており、第2保留表示領域182Aには、第2保留表示が通常態様で表示されている。そして、この状態で第2始動入賞口14への始動入賞が発生したものとする。
第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて、始動入賞時のコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信されるが、演出制御用CPU101が、先読み予告演出決定処理において、これらの始動入賞時コマンドが示す判定結果によらず所定割合(例えば10%)で先読み予告演出を実行すると決定したものとする(S1005aに対応)。この場合には、図35(b)に示すように、保留表示設定処理において、新たに表示する保留表示(この例では第2保留表示領域182Bに表示する第2保留表示)を特定態様で表示する(S1021に対応)。そして、図35(c)に示すように、演出図柄の変動表示が終了して表示結果(この例では「314」のはずれ図柄)が導出表示されたものとする。
そして次の変動表示が実行されるときには、図35(d)に示すように、第2保留表示領域182Aに表示されていた第2保留表示が変動対応表示領域180にシフトされ、第2保留表示領域181Bに表示されていた第2保留表示が、第2保留表示領域182Aにシフトされる(S2024,S2025に対応)。そして、図35(e)に示すように、演出図柄の変動表示中に、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したものとする。
第2始動入賞口14への始動入賞時に、演出制御用CPU101が、先読み予告制限フラグがセットされていることに基づいて、先読み予告演出を実行すると決定せずに、第2保留表示領域182Bに新たな第2保留表示を通常態様で表示する(S1004でYと判定された場合のS1035に対応)。そして、図35(f)に示すように、演出図柄の変動表示中に、さらに第2始動入賞口14への始動入賞が発生したものとする。
第2始動入賞口14への始動入賞時に、演出制御用CPU101が、先読み予告制限フラグがセットされていることに基づいて、先読み予告演出を実行すると決定せずに、第2保留表示領域182Cに新たな第2保留表示を通常態様で表示する(S1004でYと判定された場合のS1035に対応)。そして、図35(g)に示すように、演出図柄の変動表示が終了して表示結果(この例では「985」のはずれ図柄)が導出表示されたものとする。
そして次の変動表示が実行されるときには、図35(h)に示すように、第2保留表示領域182Aに表示されていた第2保留表示が変動対応表示領域180にシフトされ、第2保留表示領域182B,182Cに表示されていた第2保留表示が、第2保留表示領域182A,182Bにそれぞれシフトされることになる。これにより、変動対応表示領域180には、特定態様の変動対応表示が表示され、第2保留表示領域182A,182Bには、通常態様の第2保留表示がそれぞれ表示されることになる。
そして、特定態様で表示されていた保留表示に対応した変動表示が開始される(変動対応表示が特定態様となる)ことに基づいて、当該変動表示において変化演出および特定演出が実行されることになり(S2010aのY,S2011に対応)、この例では、図36(i)に示すように、中図柄としてリプレイ図柄1000を停止させる特定演出が実行される。
リプレイ図柄1000を中図柄として停止させる特定演出が実行されると、図36(j)に示すように、遊技者から見て画面左側から風が吹いてくるような演出画像が表示されると共に、変動対応表示領域180の変動対応表示を覆う炎が、第2保留表示領域182Aの第2保留表示まで広がり、第2保留表示領域182Aの第2保留表示も炎で覆われる(通常態様から特定態様に変化する)変化演出が実行される。
そして次の変動表示が実行されるときには、図36(k)に示すように、第2保留表示領域182Aに表示されていた第2保留表示が変動対応表示領域180にシフトされ、第2保留表示領域182Bに表示されていた第2保留表示が、第2保留表示領域182Aにシフトされることになる。これにより、変動対応表示領域180には、特定態様の変動対応表示が表示され、第2保留表示領域182Aには、通常態様の第2保留表示が表示されることになる。
そして、特定態様で表示されていた保留表示に対応した変動表示が開始される(変動対応表示が特定態様となる)ことに基づいて、当該変動表示において変化演出および特定演出が実行されることになり(S2010aのY,S2011に対応)、この例では、図36(l)に示すように、中図柄としてリプレイ図柄1000を停止させる特定演出が実行される。
リプレイ図柄1000を中図柄として停止させる特定演出が実行されると、図36(m)に示すように、遊技者から見て画面左側から風が吹いてくるような演出画像が表示されると共に、変動対応表示領域180の変動対応表示を覆う炎が、第2保留表示領域182Aの第2保留表示まで広がり、第2保留表示領域182Aの第2保留表示も炎で覆われる(通常態様から特定態様に変化する)変化演出が実行される。
そして次の変動表示が実行されるときには、図36(n)に示すように、第2保留表示領域182Aに表示されていた第2保留表示が変動対応表示領域180にシフトされることになる。これにより、変動対応表示領域180には、特定態様の変動対応表示が表示されることになる。そして、この変動表示が開始されるときに読み込まれた変動パターンコマンドがリーチ演出の実行を示すものであり、且つ、その表示結果が大当り図柄と決定されていたものとする。この場合には、S2002でリーチ演出を伴う変動パターンである(Y)と判定されることにより、特定演出および変化演出が実行されない(S2004に対応)。
この変動表示がリーチ演出を伴うものであることにより、図36(o)に示すリーチ演出(例えば「リーチ!」の文字が表示される)が実行され、図36(p)に示すように、当該変動表示の表示結果として大当り図柄(この例では「777」)が導出表示される。
このように第2実施形態においては、始動入賞時の判定結果によらず所定割合で先読み予告演出が開始される。そして、一旦特定演出および変化演出が実行されると、リーチ演出を伴う変動表示が実行されるまで特定演出および変化演出が連続することになる。即ち、遊技者にとってみれば、実際には始動入賞時の大当り判定やリーチ演出の実行の有無等によらず先読み予告演出が開始されているにもかかわらず、リーチ演出が実行される変動表示までは特定演出および変化演出が連続することになる。そのため、あたかも特定演出や変化演出の出現がリーチ状態となるための条件あるいはきっかけとなっているかのような印象を抱くことになり、結果として特定演出や変化演出が実行されることによる期待感を高めることができる。
また、この第2実施形態では高確率/高ベース状態においてのみ、特定演出および変化演出を実行可能としている。高ベース状態においては、前述したように、特別図柄の変動時間として短い変動時間が選択される割合が高められている(特別図柄短縮変動制御)。そのため、次々とテンポ良く第2保留記憶が消化され、これに伴って特定演出および変化演出がテンポ良く実行される(この例では、炎が次々と隣の第2保留表示に燃え移っていく)ことになる。これにより、高ベース状態における興趣を高めることができる。また、高確率状態では、比較的早い段階で大当りが発生することを期待できるため、高確率状態でリーチ演出が実行される場合には遊技者は当然大当りを期待することになる。即ち、第2実施形態に係る先読み予告演出は、始動入賞時の判定結果によらないものであるが、結果としては大当りの発生まで連続する期待度の高い演出であるとの印象を遊技者に抱かせることができる。第2実施形態のような先読み予告演出の開始条件、特定演出および変化演出の実行条件を設定することで、始動入賞時の判定結果や演出の信頼度等に依存しない自由度の高い先読み予告演出を構築することができる。
最後に本実施形態の変形例について説明する。
(1)上記の実施形態では、変動対応表示領域180に特定態様の変動対応表示が表示されている状態で、第1保留表示領域181Aまたは第2保留表示領域182Aに表示された第1保留表示または第2保留表示が通常態様から特定態様に変化する変化演出が実行される例について説明したが、これに限らず、変動対応表示領域180に表示されている特定態様の変動対応表示が通常態様に変化し、第1保留表示領域181Aまたは第2保留表示領域182Aに表示された第1保留表示または第2保留表示が通常態様から特定態様に変化する変化演出が実行されるようにしても良い。
例えば、図37は、リプレイ図柄1000が停止される特定演出が実行された後に、変動対応表示の炎が変動対応表示から離脱して隣に表示される保留表示に移動する変化演出が実行される態様を示す図である。
図37(a)は、演出図柄の変動表示が実行されている状態を示しており、この場合の第1保留記憶数は1であり、第2保留記憶数は0であるものとする。そして、変動対応表示領域180には変動対応表示(この例では第1特別図柄の変動表示に対応したもの)が特定態様で表示されており、第1保留表示領域181Aには、第1保留表示が通常態様で表示されている。なお、第1保留表示領域181Aには、変化演出のターゲットとなる通常態様の保留表示が表示されているものとする。
即ち、当該変動表示において変化演出および特定演出が実行されることになり(S2010のY,S2011に対応)、この例では、図37(b)に示すように、中図柄としてリプレイ図柄1000を停止させる特定演出が実行される。リプレイ図柄1000を中図柄として停止させる特定演出が実行されると、図37(c)に示すように、変動対応表示領域180の変動対応表示を覆う炎が、変動対応表示から離脱し(このタイミングで変動対応表示が特定態様から通常態様に変化し)、図37(d)に示すように、第1保留表示領域181Aの第1保留表示に移動して、第1保留表示領域181Aの第1保留表示が炎で覆われる(通常態様から特定態様に変化する)変化演出が実行される。
そして次の変動表示が実行されるときには、図37(e)に示すように、第1保留表示領域181Aに表示されていた特定態様の第1保留表示が変動対応表示領域180にシフトされ、特定態様の変動対応表示として表示される。即ち、変化演出のターゲットとなった保留表示(保留記憶)に基づいた変動表示が実行される。
(2)また、上記の実施形態に限らず、変動対応表示領域180に表示されている特定態様の変動対応表示に対応した変動表示が終了した後、第1保留表示領域181Aまたは第2保留表示領域182Aに表示された通常態様の第1保留表示または第2保留表示が変動対応表示領域180にシフトしたタイミングで、新たな変動対応表示(即ちシフト前に第1保留表示または第2保留表示であったオブジェクト)を通常態様から特定態様に変化させる変化演出が実行されるようにしても良い。
図38(a)は、演出図柄の変動表示が実行されている状態を示しており、この場合の第1保留記憶数は1であり、第2保留記憶数は0であるものとする。そして、変動対応表示領域180には変動対応表示(この例では第1特別図柄の変動表示に対応したもの)が特定態様で表示されており、第1保留表示領域181Aには、第1保留表示が通常態様で表示されている。なお、第1保留表示領域181Aには、変化演出のターゲットとなる通常態様の保留表示が表示されているものとする。
即ち、当該変動表示において変化演出および特定演出が実行されることになり(S2010のYに対応)、この例では、図38(b)に示すように、中図柄としてリプレイ図柄1000を停止させる特定演出が実行される。リプレイ図柄1000を中図柄として停止させる特定演出が実行されると、図38(c)に示すように、変動対応表示領域180の変動対応表示を覆う炎が、変動対応表示から離脱する(このタイミングで変動対応表示が特定態様から通常態様に変化する)演出が実行される(変化演出前半部)。
そして次の変動表示が実行されるときに、図38(d)に示すように、第1保留表示領域181Aに表示されていた通常態様の第1保留表示が変動対応表示領域180にシフトされ、一旦は通常態様の変動対応表示として表示される。即ち、第1保留表示領域181Aや第2保留表示領域182Aから変動対応表示領域180にオブジェクトが移動するタイミングでは、変化演出は実行されず表示態様は維持されるものとする。
そして、図38(e)に示すように、一旦シフト前の変動対応表示から離脱していた炎が、シフト後に表示されている通常態様の変動対応表示を覆う(このタイミングで変動対応表示が通常態様から特定態様に変化する)演出が実行される(変化演出後半部)。即ち、変化演出のターゲットとなった保留表示(保留記憶)に基づいた変動表示が実行される。
このように、変化演出は保留表示をターゲットとするものに限らず、変動対応表示をターゲットとするものであっても良い。ここで、これまで説明した実施形態とは異なり、この例では、図38(a)〜(c)に係る第1の変動表示と、図38(d)〜(e)に係る第2の変動表示の複数の変動表示に亘って変化演出が実行されることになる。
ここで、変化演出のうち第1の変動表示で実行される部分(シフト前の変動対応表示から炎が離脱する部分)を変化演出前半部、第2の変動表示で実行される部分(シフト後の変動対応表示を炎が覆う部分)を変化演出後半部とする。この場合に、第1の変動表示では特定演出および変化演出前半部が実行され、第2の変動表示では変化演出後半部が実行される。このような表示制御を行う場合、第1の変動表示における演出図柄変動開始処理では、S2011に相当する処理で(プロセステーブルの選択や画像合成によって)特定演出および変化演出前半部を実行可能とし、第1の変動表示における演出図柄変動停止処理では、S4021およびS4022に相当する処理、すなわち変動対応表示を通常態様から特定態様に変化させる制御を実行しないようにする。そして、第2の変動表示における演出図柄変動開始処理では、S2011に相当する処理で(プロセステーブルの選択や画像合成によって)変化演出後半部を実行可能とし、変動図柄変動中処理において、変動対応表示を通常態様から特定態様に変化させる制御を実行するようにすると良い。
このように、変化演出が保留表示をターゲットとするものでなく、変動対応表示をターゲットとするものであっても、本発明を適用可能であり、先読み予告演出により高められた期待感を継続させることができる。また、変化演出が複数変動に亘って実行されるものであっても、本発明を適用可能であり、先読み予告演出により高められた期待感を継続させることができる。
(3)上記の実施形態では、下部表示領域18cに変動対応表示領域180が設けられている例について説明したが、これに限らず、変動対応表示領域180が設けられていない遊技機にも本発明を適用可能である。すなわち、特定態様の保留表示に対応した変動表示が開始された後に、特定演出が実行されたことに基づいて、後に実行される変動表示に対応した保留表示を通常態様から特定態様に変化させるものであっても良い。例えば、図27の例に基づいて説明すると、図27(f)のタイミングで、変動対応表示領域180が設けられていないと仮定しても、特定態様で表示されていた保留表示に対応した変動表示が実行されることにより特定演出(リプレイ図柄1000の停止やキャラ2000の出現)が実行されることを期待することになり、期待感を継続させることが可能である。
(4)上記の実施形態では、特定演出が実行された後に必ず変化演出が実行される例について説明したが、これに限らず、特定演出が実行された場合であっても変化演出が実行されないケースが存在するようにしても良く、特定演出が実行されない場合であっても変化演出が実行されるケースが存在するようにしても良い。ただし、特定演出が実行された場合には、特定演出が実行されない場合よりも、変化演出が実行される割合が高いものとする。例えば、特定演出が実行されない場合には変化演出が実行される割合が20%であるが、特定演出が実行される場合には変化演出が実行される割合が80%であるようにすると良い。
ここで、特定演出が実行された場合であっても変化演出が実行されないケースが存在する場合に、このようなケースで変化演出のように見せかけた変化失敗演出を実行するようにしても良い。例えば、図27(g)(h)の例に基づいて説明すると、リプレイ図柄1000が停止した後(特定演出が実行された後)に、遊技者から見て画面右側から風が吹いてくるような演出画像が表示されるものの、変動対応表示領域180の変動対応表示を覆う炎が、第1保留表示領域181Aの第1保留表示までは広がらず、結局第1保留表示領域181Aの第1保留表示は通常態様のままである(変化演出は実行されない)というような変化失敗演出を実行するようにしても良い。また、例えば、図29(f)(g)の例に基づいて説明すると、キャラ2000が出現して変動対応表示領域180の変動対応表示を覆う炎によってたいまつに火を付けるが(特定演出は実行されるが)、隣の第1保留表示領域181Aの第1保留表示に火を付けようとして失敗し、結局第1保留表示領域181Aの第1保留表示は通常態様のままである(変化演出は実行されない)というような変化失敗演出を実行するようにしても良い。また、変化失敗演出は、ここに例示した態様に限らず、一旦は保留表示が通常態様から特定態様に変化するものの(例えば保留表示が炎で覆われるものの)、当該保留表示に対応した変動表示が開始される前に再度通常態様に戻る(炎が消える)ような態様であっても良い。
(5)上記の実施形態では、第2特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示に優先して実行される例について説明したが、これに限らず、始動入賞口への入賞順序に従って特別図柄の変動表示が実行されるようにしても良い。この場合には、第1保留表示領域と第2保留表示領域とを個別に設けることなく、合算保留表示領域において第1保留表示と第2保留表示領域とを始動入賞口への入賞順序に従って並べるようにしても良い。
(6)上記の実施形態において、演出図柄の変動表示中に当該変動表示の表示結果が大当りとなるか否かや、当該変動表示においてリーチ演出が実行されるか否か等を予告する予告演出を実行するようにしても良い。予告演出の実行の有無や、予告演出が実行される場合の予告演出の態様は、例えば、S2004やS2011のプロセステーブルの選択に先立って決定され、予告演出を実行することに決定された場合には、S2004やS2011において、決定された態様の予告演出に応じたプロセステーブルが選択される。この場合に、所定の予告演出を上記特定演出として用いるようにしても良い。例えば信頼度の低い予告演出を特定演出として用いることにより、仮にその予告演出が実行された場合であっても、遊技者は、変化演出が発生する可能性を期待して、興趣の低下を抑止することができる。ここで信頼度とは、例えば[所定の演出が実行された場合に大当りとなる割合/(所定の演出が実行された場合に大当りとなる割合+所定の演出が実行された場合に大当りとはならない割合)]により算出される割合である。すなわち信頼度が所定の割合以下である所定の予告演出が実行された場合には、当該所定の予告演出が実行された変動表示の表示結果が特定表示結果となる割合や表示態様がリーチ状態となる割合は低いものの、遊技者は変化演出が発生することを期待することができる。
(7)上記の実施形態では、変化演出が次に実行される変動表示に対応した保留表示(シフト後に変動順序1となる保留表示)をターゲットとして実行される例について説明したが、これに限らず、変化演出のターゲットとする保留表示は任意に決定することが可能である。例えば、始動入賞時に新たな保留表示を変化演出のターゲットとすることに決定した場合には、これよりも2つ前あるいは3つ前に実行される変動表示に対応した保留表示を通常態様から特定態様に変化させるとともに、新たな保留表示(ターゲット)は通常態様で表示しておく。そして、特定態様の保留表示に対応した変動表示が開始され、特定演出が実行されたことに基づいて、ターゲットに決定した保留表示を通常態様から特定態様に変化させるようにしても良い。
(8)上記の実施形態では、変化演出が実行された後も、変動対応表示領域180の変動対応表示が特定態様で表示される(例えば変動対応表示が炎で覆われたままである)例について説明したが、これに限らず、変化演出が実行された後は、変動対応表示領域180の変動対応表示が特定態様から通常態様に変化する(例えば変動対応表示の炎が消える)ようにしても良い。
(9)上記の実施形態では、特定態様以外の表示態様である非特定態様として、通常態様が存在する例について説明したが、これに限らず、非特定態様として複数種別の表示態様が存在するようにしても良い。例えば、通常態様以外に、保留表示や変動対応表示が点滅している表示態様である特殊態様が存在するようにしても良い。また、上記の実施形態では、特定態様として、保留表示や変動対応表示が炎で覆われた態様が存在する例について説明したが、これに限らず、特定態様として複数種別の表示態様が存在するようにしても良く、例えば、保留表示や変動対応表示が大きな炎で覆われた第1態様と、保留表示や変動対応表示が小さな炎で覆われた第2態様とが存在するようにしても良い。
(10)上記の第1実施形態では、リーチ演出を伴う変動パターンである場合には(S2002でY)、特定演出や変化演出が実行されない例について説明したが、これに限らず、リーチ演出を伴う変動パターンであっても、特定演出や変化演出が実行可能であるようにしても良い。また、上記の第2実施形態では、リーチ演出を伴う変動パターンの変動表示が実行されるまで、特定演出や変化演出が連続して実行される例について説明したが、これに限らず、リーチ演出の中でも信頼度が所定の割合以上となるスーパーリーチを伴う変動表示が実行されるまで、特定演出や変化演出が連続して実行されるようにしても良く、表示結果が大当りとなる変動表示が実行されるまで、特定演出や変化演出が連続して実行されるようにしても良い。
(11)上記の実施形態では、先読み予告演出として、保留表示を特定態様で表示する保留表示予告演出を実行する例について説明したが、これに限らず、先読み予告演出として、始動入賞時に先読み予告演出のターゲットとすると決定された保留記憶に基づく変動表示までに実行される変動表示回数を報知するカウントダウン演出を実行するようにしても良い。カウントダウン演出を実行する場合の例を、図39および40に基づいて説明する。
図39(a)は、演出図柄の変動表示が実行されている状態を示しており、この場合の第1保留記憶数は2であり、第2保留記憶数は0であるものとする。そして、変動対応表示領域180には変動対応表示が表示されており、第1保留表示領域181Aおよび第1保留表示領域181Bには、それぞれ第1保留表示が表示されている。そして、この状態で、第1始動入賞口13への始動入賞が2回連続して発生したものとする。
第1始動入賞口13への始動入賞毎に、始動入賞時のコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信され、演出制御用CPU101が、先読み予告演出決定処理において、先読み予告演出を実行するか否かを決定する。このとき、1回目の始動入賞に基づく始動入賞時の判定において、先読み予告演出を実行しないと決定し、2回目の始動入賞に基づく始動入賞時の判定において、先読み予告演出を実行すると決定し、且つ、カウントダウン演出のターゲット(真のターゲット)に設定したものとする。なお、2回目の始動入賞に対応した始動入賞時のコマンドとして、大当りを示す図柄指定コマンド、リーチ演出が実行されることを示す変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数加算指定コマンドを受信したものとする。この場合には、図39(b)に示すように、保留表示設定処理において、第1保留表示が2つ増加し、第1保留表示領域181C,181Dに、それぞれ第1保留表示が表示されることになる。そして、2回目の始動入賞に対応した第1保留表示領域181Dの第1保留表示に対応した変動表示が、カウントダウン演出のターゲット(真のターゲット)となる。ここで、例えば、当該カウントダウン演出のターゲットとなる変動表示よりも1つ前の変動順序に対応した変動表示を擬似ターゲットとして、当該擬似ターゲットに対応した変動表示が実行されるまでの変動表示回数をカウントダウンし、当該擬似ターゲットに対応した変動表示(ここで一旦カウントは0となる)において特定演出を実行し、その後に実行される真のターゲットに対応した変動表示が実行されるまでの変動表示回数をカウントダウンする(すなわち一旦は0になったカウントが再設定される)演出を実行するものとする。そして、図39(c)に示すように、演出図柄の変動表示が終了して表示結果(この例では「615」のはずれ図柄)が導出表示されたものとする。
そして次の変動表示が実行されるときには、図39(d)に示すように、第1保留表示領域181Aに表示されていた第1保留表示が変動対応表示領域180にシフトされ、第1保留表示領域181B,181C,181Dに表示されていた第1保留表示が、第1保留表示領域181A,181B,181Cにそれぞれシフトされる。このとき、擬似ターゲットは第1保留表示領域181Bの第1保留表示に対応した変動表示であり、真のターゲットは第1保留表示領域181Cの第1保留表示に対応した変動表示である。従って、擬似ターゲットの変動表示が実行されるまでの残り変動表示回数である「2」が、画面上部に、カウントダウン表示3000として表示される。そして、図39(e)に示すように、演出図柄の変動表示が終了して表示結果(この例では「431」のはずれ図柄)が導出表示されたものとする。
そして次の変動表示が実行されるときには、図39(f)に示すように、第1保留表示領域181Aに表示されていた第1保留表示が変動対応表示領域180にシフトされ、第1保留表示領域181B,181Cに表示されていた第1保留表示が、第1保留表示領域181A,181Bにそれぞれシフトされることになる。このとき、擬似ターゲットは第1保留表示領域181Aの第1保留表示に対応した変動表示であり、真のターゲットは第1保留表示領域181Bの第1保留表示に対応した変動表示である。従って、擬似ターゲットの変動表示が実行されるまでの残り変動表示回数である「1」が、画面上部に、カウントダウン表示3000として表示される。そして、図39(g)に示すように、演出図柄の変動表示が終了して表示結果(この例では「847」のはずれ図柄)が導出表示されたものとする。
そして次の変動表示が実行されるときには、図39(h)に示すように、第1保留表示領域181Aに表示されていた第1保留表示が変動対応表示領域180にシフトされ、第1保留表示領域181Bに表示されていた第1保留表示が第1保留表示領域181Aにシフトされることになる。このとき、擬似ターゲットは変動対応表示領域180の変動対応表示に対応した変動表示(すなわち実行されている変動表示)であり、真のターゲットは第1保留表示領域181Aの第1保留表示に対応した変動表示である。従って、擬似ターゲットの変動表示が実行されるまでの残り変動表示回数である「0」(すなわち「0」は、現在実行されている変動表示が先読み予告演出のターゲットであることを示唆する)が、画面上部に、カウントダウン表示3000として表示される。そして、当該擬似ターゲットの変動表示において特定演出が実行されることになる。この例では、図40(i)に示すように、中図柄としてリプレイ図柄1000を停止させる特定演出が実行される。
リプレイ図柄1000を中図柄として停止させる特定演出が実行されると、図40(jj)に示すように、真のターゲットである変動表示が開始されることに基づいて、当該真のターゲットの変動表示が実行されるまでの残り変動表示回数である「0」が、画面上部に、カウントダウン表示3000として表示される。このように、擬似ターゲットの変動表示までに実行される変動表示回数をカウントダウンし、擬似ターゲットの変動表示において特定演出を実行し、その後、真のターゲットの変動表示までに実行される変動表示回数をカウントダウンする、すなわちカウントの再設定を実行することにより、遊技者は、カウントダウン演出の対象となった変動表示(カウントが0となる変動表示)においてリーチ演出が実行されない場合でも、直ちに落胆することなく、特定演出が実行されることを期待することになり、カウントダウン演出により生じた期待感を継続させることができる。
なお、上記カウントダウン演出と、第1実施形態や第2実施形態に示した変化演出の両方の先読み予告演出を並行して実行するようにしても良い。また、擬似ターゲットは真のターゲットよりも1つ前の変動順序の変動表示に限らず、任意の変動順序の変動表示とすると良い。
(12)また、先読み予告演出として、始動入賞時に先読み予告演出のターゲットとすると決定された保留記憶に基づく変動表示が実行されるまで、演出図柄や演出図柄の背景画面等の演出態様を通常態様から特別態様に変化させるモード移行演出を実行するようにしても良い。モード移行演出を実行する場合の例を、図41に基づいて説明する。
図41(a)は、演出図柄の変動表示が実行されている状態を示しており、この場合の第1保留記憶数は2であり、第2保留記憶数は0であるものとする。そして、変動対応表示領域180には変動対応表示が表示されており、第1保留表示領域181Aおよび第1保留表示領域181Bには、それぞれ第1保留表示が表示されている。そして、この状態で、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したものとする。
第1始動入賞口13への始動入賞時に、始動入賞時のコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信され、演出制御用CPU101が、先読み予告演出決定処理において、先読み予告演出を実行するか否かを決定する。このとき、始動入賞時の判定において、先読み予告演出を実行すると決定し、且つ、モード移行演出のターゲット(真のターゲット)に設定したものとする。なお、始動入賞に対応した始動入賞時のコマンドとして、大当りを示す図柄指定コマンド、リーチ演出が実行されることを示す変動カテゴリコマンド、第1保留記憶数加算指定コマンドを受信したものとする。この場合には、図41(b)に示すように、保留表示設定処理において、第1保留表示が1つ増加し、第1保留表示領域181Cに第1保留表示が表示されることになる。そして、第1保留表示領域181Cの保留表示に対応した変動表示が、モード移行演出のターゲット(真のターゲット)となる。ここで、例えば、当該モード移行演出のターゲットとなる変動表示よりも1つ前の変動順序に対応した変動表示を擬似ターゲットとして、当該擬似ターゲットに対応した変動表示が実行されるまで演出態様を通常態様から特別態様に移行し、当該擬似ターゲットに対応した変動表示において演出態様を特別態様から通常態様に一旦は戻すと共に特定演出を実行し、その後に実行される真のターゲットに対応した変動表示において、演出態様を再度通常態様から特別態様に移行する演出を実行するものとする。そして、図41(c)に示すように、演出図柄の変動表示が終了して表示結果(この例では「615」のはずれ図柄)が導出表示されたものとする。
そして次の変動表示が実行されるときには、図41(d)に示すように、第1保留表示領域181Aに表示されていた第1保留表示が変動対応表示領域180にシフトされ、第1保留表示領域181B,181Cに表示されていた第1保留表示が、第1保留表示領域181A,181Bにそれぞれシフトされる。このとき、擬似ターゲットは第1保留表示領域181Aの第1保留表示に対応した変動表示であり、真のターゲットは第1保留表示領域181Bの第1保留表示に対応した変動表示である。従って、擬似ターゲットの変動表示が実行されるまでの演出態様が通常態様から特別態様に移行され、この例では、背景画像4000として落雷の画像が表示されるとともに「落雷モード」という文字が表示される。そして、図41(e)に示すように、演出図柄の変動表示が終了して表示結果(この例では「431」のはずれ図柄)が導出表示されたものとする。
そして次の変動表示が実行されるときには、図41(f)に示すように、第1保留表示領域181Aに表示されていた第1保留表示が変動対応表示領域180にシフトされ、第1保留表示領域181Bに表示されていた第1保留表示が第1保留表示領域181Aにシフトされることになる。このとき、擬似ターゲットは変動対応表示領域180の変動対応表示に対応した変動表示(すなわち実行されている変動表示)であり、真のターゲットは第1保留表示領域181Aの第1保留表示に対応した変動表示である。従って、擬似ターゲットの変動表示が実行されることに基づいて、演出態様は一旦特別態様から通常態様に移行される。すなわち、図41(g)に示すように背景画像4000が画面から消える。なお、背景画像4000が画面から消えるタイミング(特別態様から通常態様への移行タイミング)は、演出図柄の変動表示中であっても良く、演出図柄が停止したタイミングであっても良い。そして、当該擬似ターゲットの変動表示において特定演出が実行されることになる。この例では、図41(g)に示すように、中図柄としてリプレイ図柄1000を停止させる特定演出が実行される。
リプレイ図柄1000を中図柄として停止させる特定演出が実行されると、図41(h)に示すように、真のターゲットである変動表示が開始されることに基づいて、演出態様が再度通常態様から特別態様に移行される。すなわち、背景画像4000が画面に再度表示される。このように、擬似ターゲットの変動表示が実行されるまでは背景画像4000を表示し、擬似ターゲットの(背景画像4000が消える)変動表示において特定演出を実行し、その後、真のターゲットの変動表示が実行されるまで再度背景画像4000を表示する。すなわち、遊技者は、演出態様が特別態様から通常態様に戻った場合でも、直ちに落胆することなく、特定演出が実行されることを期待することになり、モード移行演出により生じた期待感を継続させることができる。
なお、上記モード移行演出と、第1実施形態や第2実施形態に示した変化演出の両方の先読み予告演出を並行して実行するようにしても良い。また、擬似ターゲットは真のターゲットよりも1つ前の変動順序の変動表示に限らず、任意の変動順序の変動表示とすると良い。また、モード移行演出では、擬似ターゲットである変動表示において、演出態様を特別態様のままにしておいても良い。例えば、図41(g)において、特定演出が実行されるタイミングでも、背景画像4000を表示するようにしても良い。すなわち、演出態様が一旦特別態様から通常態様に戻ることなく、特別態様が継続するようにしても良い。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。