JP2015019027A - 静電チャック装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用前もしくは使用中に絶縁破壊の予兆を検出することができ、したがって、絶縁破壊を事前に予測することができる静電チャック装置を提供する。
【解決手段】上面2aをウエハWを載置する載置面とする誘電体板2と、誘電体板2の下面2b側に設けられた静電吸着用電極3とを備えてなる静電チャック装置1であり、上面2aに測定用電極を形成または載置し、この測定用電極と静電吸着用電極3との間に電流値が1nA/cmとなる直流電圧を印加した時刻から、この直流電圧を保持した場合に測定用電極と静電吸着用電極3との間に流れる電流が100nA/cmに達するまでの時間が1秒以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電チャック装置に関し、さらに詳しくは、半導体や液晶ディスプレイ等の製造プロセスに適用されるエッチング装置、スパッタリング装置、CVD装置等の真空プロセス装置に好適に用いられ、絶縁破壊を初期段階で検出することでデバイスに与えるダメージや歩留まりの低下を防止することが可能な静電チャック装置に関するものである。
従来、IC、LSI、VLSI等の半導体装置の製造ラインにおけるエッチングやスパッタリング等の各種処理おいては、アルミナ等のセラミックスにより構成される部品が広く用いられている。例えば、半導体製造装置内のセラミック部品としては、静電チャックが挙げられる。
静電チャックは、シリコンウエハ等の半導体基板の支持機構として、高い密着性能、優れた熱伝導性、耐久性を必要とする。この静電チャックは、半導体基板が載置される略円板状の絶縁体と、この絶縁体の内部に埋設された静電吸着用電極とを備えたもので、この絶縁体と、この絶縁体上に載置される半導体基板との間に直流電圧を加えることで、クーロン力あるいは微少な漏れ電流による静電吸着力を発生させ、この静電吸着力により半導体基板を絶縁体上に固定している。
この静電チャックに用いられる絶縁体としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等のセラミックスが一般に用いられている。
セラミックスは、特に、熱伝導性、耐プラズマ性に優れているが、材質が硬いことから、基板となじみ難く、その結果、半導体基板を搬送する際に傷やクラック等が生じたり、あるいは、長期間に亘って使用することにより生じる絶縁性の劣化およびプラズマや腐食性ガスによる損傷に起因する絶縁破壊が生じる虞があり、エッチングやスパッタリング等の各種処理中に半導体基板上の素子が破壊する虞がある。
そこで、静電チャックの絶縁体の絶縁破壊を検出する技術として、静電チャックに接続される電源の回路内に電流検出器を設置することにより、絶縁体の絶縁破壊を検出し、絶縁破壊した静電チャックを使用し続けることを防止する技術が提案されている(特許文献1、2参照)。
また、静電チャックの静電吸着用内部電極と接地電極との間の電位差を測定することで、絶縁体の絶縁破壊を検出する技術が提案されている(特許文献3等参照)。
また、絶縁体の替わりに多孔質の誘電体を用いた静電チャックが提案されている(特許文献4等参照)。この静電チャックでは、水分の吸着に起因する絶縁破壊を防ぐための診断方法が採られている。
特開2005−175122号公報 特開2002−305237号公報 特開平06−267905号公報 特開2008−47564号公報
しかしながら、従来のクーロン力型の静電チャックでは、絶縁体に1000V以上の高電圧を印加して使用することから、この高電圧印加中に絶縁体に絶縁破壊が生じた場合には、絶縁破壊は瞬間的に起こり、同時に大電流が流れるため、絶縁破壊が検出された時点で静電チャックは使用不可能な状態となる。したがって、特許文献1〜3に記載された方法では、静電チャックが絶縁破壊により使用できなくなることを、事前に予測することができないという問題点があった。
また、静電チャックが絶縁破壊した場合、絶縁破壊により生じた大電流が検出された段階で、この大電流が絶縁破壊が生じた1点に集中して流れるために、この大電流が半導体基板上のデバイスにダメージを与えることとなる。したがって、使用中に静電チャックに絶縁破壊が生じるのを防止することができず、絶縁破壊に起因するデバイスへのダメージを防ぐことも困難であるという問題点があった。
一方、特許文献4に記載された絶縁体の替わりに多孔質の誘電体を用いた静電チャックでは、多孔質の誘電体の水分吸着に起因する絶縁性の劣化を検出することができるだけで、誘電体そのものが有する本質的な絶縁性の劣化を検出することはできない。したがって、静電チャックが絶縁破壊により使用できなくなることを、事前に予測することができず、また、使用中に静電チャックに絶縁破壊が生じるのを防止することができず、絶縁破壊に起因するデバイスへのダメージを防ぐことも困難であるという問題点があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、使用前もしくは使用中に絶縁破壊の予兆を検出することができ、したがって、絶縁破壊を事前に予測することができる静電チャック装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、基体の載置面に測定用電極を形成または載置し、この測定用電極と静電吸着用電極との間に電流値が1nA/cmとなる直流電圧を印加した時刻から、前記直流電圧を保持した場合に前記測定用電極と前記静電吸着用電極との間に流れる電流が100nA/cmに達するまでの時間を1秒以上とすれば、この基体の絶縁破壊を穏やかに進行させることができ、したがって、使用前もしくは使用中に、この基体の電気抵抗を測定することにより、絶縁破壊を事前に予測することができることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の静電チャック装置は、一主面を板状試料を載置する載置面とする基体と、該基体の内部または他の一主面側に設けられた静電吸着用電極とを備えてなる静電チャック装置であって、前記基体の載置面に測定用電極を形成または載置し、この測定用電極と前記静電吸着用電極との間に電流値が1nA/cmとなる直流電圧を印加した時刻から、前記直流電圧を保持した場合に前記測定用電極と前記静電吸着用電極との間に流れる電流が100nA/cmに達するまでの時間が1秒以上であることを特徴とする。
前記電流が100nA/cmに達した後、前記基体の前記載置面に生じる導電パスが1cmあたり10箇所以上であることが好ましい。
前記測定用電極と前記静電吸着用電極との間に流れる電流の前記測定用電極における面内の電流分布の最大値の最小値に対する比は1000以下であることが好ましい。
前記基体の耐電圧は、5kV/mm以上であることが好ましい。
前記基体は、絶縁性材料中に導電性粒子を分散してなる誘電体材料からなり、前記導電性粒子は、その体積粒度分布における累積体積百分率が10体積%の粒子径D10は0.2μm以下、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90は2μm以下であり、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90の累積体積百分率が10体積%の粒子径D10に対する比(D90/D10)は3.0以上であり、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90の累積体積百分率が50体積%の粒子径D50に対する比(D90/D50)は1.5以上であることが好ましい。
前記誘電体材料における前記導電性粒子の含有率は、4質量%以上かつ20質量%以下であることが好ましい。
本発明の静電チャック装置によれば、基体の載置面に測定用電極を形成または載置し、この測定用電極と静電吸着用電極との間に電流値が1nA/cmとなる直流電圧を印加した時刻から、前記直流電圧を保持した場合に前記測定用電極と前記静電吸着用電極との間に流れる電流が100nA/cmに達するまでの時間を1秒以上としたので、この基体の絶縁破壊を穏やかに進行させることができる。したがって、この基体の使用前もしくは使用中に、この基体に流れる電流または電気抵抗を測定することにより、この電流または電気抵抗の値から絶縁破壊の予兆を知ることができる。その結果、この基体の絶縁破壊を事前に予測することができる。
本発明の一実施形態の静電チャック装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態の静電チャック装置の変形例を示す断面図である。 本発明の一実施形態の静電チャック装置の他の変形例を示す断面図である。
本発明の静電チャック装置を実施するための形態について説明する。
なお、以下の実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の一実施形態の静電チャック装置を示す断面図である。
この静電チャック装置1は、上面(一主面)2aをウエハ(板状試料)Wを載置する載置面とした誘電体板(基体)2と、この誘電体板2の下面(他の一主面)2b側に設けられた静電吸着用電極3とにより静電チャック部4が構成されている。
この静電吸着用電極3には、シート状またはフィルム状の(第1の)有機系接着剤層5を介してシート状またはフィルム状の絶縁層6が接着され、このシート状またはフィルム状の絶縁層6及び静電チャック部4には、(第2の)有機系接着剤層7を介して、静電チャック部4を支持するとともにウエハWを冷却するベース部(基台)8が接着されている。
以下、この静電チャック装置1について詳細に説明する。
誘電体板2は、上面2aがシリコンウエハ等の各種ウエハWを載置する載置面とされた誘電体材料からなる円板である。
この誘電体材料は、絶縁性材料中に導電性粒子を分散した複合焼結体であり、この導電性粒子は、その体積粒度分布における累積体積百分率が10体積%の粒子径D10が0.2μm以下、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90が2μm以下、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90の累積体積百分率が10体積%の粒子径D10に対する比(D90/D10)が3.0以上、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90の累積体積百分率が50体積%の粒子径D50に対する比(D90/D50)が1.4以上である。
ここで、上記の誘電体材料が本実施形態の静電チャック装置1に適した材料であることを知見するに至った経緯を説明する。
絶縁性材料中に導電性粒子を分散した複合焼結体からなる誘電体材料の導電パスの形成については、パーコレーション理論で説明することができる。
このパーコレーション理論では、絶縁性材料中に分散した導電性粒子の割合が一定の閾値を越えると急激に導電率が上がり(抵抗値が低下し)、この閾値近傍で導電性粒子のつながりはフラクタル形状を示していることが知られている。
そこで、本発明者等は、複合焼結体からなる誘電体材料の絶縁破壊を緩やかにすること、すなわち、この誘電体材料の絶縁破壊特性を向上させるためには、絶縁破壊した際の導電パスの分岐を大きくすること、すなわち導電パスのフラクタル次元を高くする必要があると考えた。
この考えに基づいて、絶縁性材料中に、粒度分布が一定の条件を満たす導電性粒子を一定量分散させることで、絶縁破壊を緩やかにする誘電体材料を作製したところ、この誘電体材料の導電パスのフラクタル次元を高くすると、絶縁破壊はピンホール状に生じずに広い分布を持って生じることとなり、よって、緩やかに絶縁破壊する特性が得られることが分かった。
また、絶縁性材料中の導電性粒子の粒度分布を広くすることで、閾値以上の導電性粒子を入れた場合には、導電性粒子のつながりのフラクタル次元が高くなること、一方、閾値以下の導電性粒子を入れた場合には、絶縁破壊により生じる導電パスのフラクタル次元が高くなることが分かった。
また、絶縁性材料中の導電性粒子の粒度分布を広くすると、導電性粒子の含有率を高くすることができ、なおかつ導電パスが形成される閾値が高くなることから、絶縁性を保ったまま導電性粒子の含有率を高くすることができ、誘電率の高い誘電体材料が得られることが分かった。
以上により、この誘電率の高い誘電体材料を用いてクーロン力型の静電チャック装置の基体を作製すれば、静電チャック装置の絶縁破壊を電気抵抗または電流値を測定することで予測出来ることがわかり、本発明を創出するに至ったものである。
上記の誘電体材料に用いられる絶縁性材料には、ポリイミド樹脂やシリコン樹脂等の各種有機樹脂や絶縁性セラミックスを適宜選択することが可能であるが、有機樹脂は発熱による絶縁特性の劣化が起こり易く、絶縁破壊が緩やかに起こる特性が得難い場合があるので、絶縁性セラミックスを用いることが好ましい。
この絶縁性材料、すなわち絶縁性セラミックスとしては、酸化アルミニウム(Al)、酸化イットリウム(Y)、酸化ケイ素(SiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si)、ムライト(3Al・2SiO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化スカンジウム(Sc)、酸化ネオジム(Nd)、酸化ニオブ(Nb)、酸化サマリウム(Sm)、酸化イッテルビウム(Yb)、酸化エルビウム(Er)、酸化セリウム(CeO)の群から選択された1種のみからなる酸化物、または2種以上を混合してなる複合酸化物であることが好ましい。
これらのなかでも、特に酸化アルミニウム(Al)は、安価で耐熱性に優れ、複合焼結体の機械的特性も良好であるから、本実施形態の誘電体材料においても好適に用いられる。
また、アルミニウム(Al)含有量が少ない絶縁性セラミックスを使用したい場合や耐食性をさらに高めたい場合には、酸化イットリウム(Y)、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG:3Y・5Al)等を用いることもできる。
酸化アルミニウム(Al)の原料粉体としては、平均粒子径が1μm以下の酸化アルミニウム粉体を用いることが好ましい。
その理由は、平均粒子径が1μmを越える酸化アルミニウム粉体を用いて得られた炭化珪素−酸化アルミニウム複合焼結体においては、複合焼結体中の酸化アルミニウム粒子の平均粒子径が2μmを越えることとなり、この炭化珪素−酸化アルミニウム複合焼結体を用いて静電チャック装置の基材を作製すると、この基材の板状試料を載置する側の上面がプラズマによりエッチングされ易くなり、よって、この基材の上面にスパッタ痕が形成されることとなり、シリコンウエハ等の被吸着物を汚染させる原因となる虞があるからである。
この酸化アルミニウム(Al)の原料粉体は、平均粒子径が1μm以下のもので高純度のものであればよく、特段限定されない。
導電性粒子としては、導電性炭化珪素(SiC)粒子等の導電性セラミックス粒子、モリブデン(Mo)粒子、タングステン(W)粒子、タンタル(Ta)粒子等の高融点金属粒子、炭素(C)粒子の群から選択された1種または2種以上であることが好ましい。
これらのなかでも導電性炭化珪素(SiC)粒子は、これを酸化アルミニウム(Al)粒子と複合化した場合、得られる複合焼結体は、電気的特性の温度依存性が小さく、ハロゲンガスに対する耐蝕性に優れ、耐熱性、耐熱衝撃性に富み、かつ高温下の使用においても熱応力による損傷の危険性が小さいので、好ましい。
この導電性炭化珪素(SiC)粒子としては、導電性に優れることからβ型の結晶構造を有する炭化珪素粉体を使用することが好ましい。なお、この炭化珪素粉体の導電性を制御するために、炭化珪素中の窒素の含有率を適宜制御したものを用いてもよい。
この導電性炭化珪素(SiC)粒子としては、プラズマCVD法、前駆体法、熱炭素還元法、レーザー熱分解法等の各種の方法により得られた炭化珪素粉体を用いることができる。特に、本実施形態の誘電体材料を半導体プロセスにて用いる場合、半導体プロセスでの悪影響を防ぐために、純度の高いものを用いることが好ましい。
この導電性粒子は、誘電体材料中において、その体積粒度分布における累積体積百分率が10体積%の粒子径D10が0.2μm以下、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90が2μm以下であり、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90の累積体積百分率が10体積%の粒子径D10に対する比(D90/D10)が3.0以上であることが好ましい。
また、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90の累積体積百分率が50体積%の粒子径D50に対する比(D90/D50)が1.4以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。
ここで、上記の導電性粒子の体積粒度分布における各種数値を上記のように規定した理由について説明する。
誘電体材料中の導電性粒子の大きさは、大きい導電性粒子が多すぎると、静電チャック装置1の誘電体板2としたときの耐プラズマ性の悪化やパーティクルの増加が生じる虞がある。よって、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90は、2μm以下(2μm以上の導電性粒子は10%以下)であることが好ましく、1μm以下(1μm以上の導電性粒子は10%以下)であることがより好ましい。
また、微細な粒径の導電性粒子が多すぎると導電性粒子の配合量を多くした場合に、導電性粒子の個数が多くなりすぎ、絶縁性粒子の粒界に存在する導電性粒子がつながり易くなり、耐電圧を高くして導電性粒子の配合量を多くすること、すなわち誘電率を高くすることが出来なくなるので、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90は0.5μm以上であることが好ましい。また同様の理由から累積体積百分率が50体積%の粒子径D50は0.3μm以上であることが好ましい。
一方、誘電体板2中に絶縁破壊により形成される最も細い導電パスの太さは、誘電体材料中に分散される導電性粒子の大きさや割合に依存する。そこで、緩やかに絶縁破壊が生じる特性が得易くするためには、最も細い導電パスの太さを小さくする必要があり、したがって、導電性粒子の体積粒度分布における累積体積百分率が10体積%の粒子径D10が0.2μm以下であることが好ましい。
さらに、絶縁破壊の分岐を微細にして導電パスの分岐を増やすには、0.04μm以下の粒子が0.001%以上含まれることが好ましく、1%以上10%以下含まれることがより好ましい。
また、誘電体板2の絶縁破壊を緩やかにするためには、累積体積百分率が10体積%の粒子径D10が0.2μm以下の条件に加えて、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90の累積体積百分率が10体積%の粒子径D10に対する比(D90/D10)が3.0以上であり、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90の累積体積百分率が50体積%の粒子径D50に対する比(D90/D50)が1.4以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。
また、効率よく粒度分布を広くした効果を出すためには、粒度分布をグラフ化した際に滑らかな曲線となっていることが好ましい。
なお、この導電性粒子の原料粉体における粒子径と誘電体材料中の粒子径は、製造過程における粉砕や焼結により変化するので同じ粒径にはならない。そこで、誘電体材料中での導電性粒子の粒子径を、上記の範囲にするために導電性粒子の原料粉体の粒径を決める必要がある。
ところで、0.04μm以下の粒子は、製造過程における粉砕により得ることが難しいので、誘電体材料中に含まれる導電性粒子に0.04μm以下の粒子が0.001%以上含まれる様にするためには、0.04μm以下の粒径のものが1%以上含まれるもの(累積体積百分率が1体積%の粒子径D1が0.04μm以下)を使用することが好ましい。
さらに、複合焼結体に含まれる導電性粒子に2μm以上のものが含まれる量を10%以下(粒子径D90が2μm以下)とするために、導電性粒子の原料中の1μm以上の粒径の粒子は1%以下(粒子径D1が1μm以下)とすることが好ましい。
さらにまた、数種類の導電性粒子を混合して使用する場合には、各の種類の導電性粒子の合計が上記の条件を満たすことが好ましい。
この誘電体材料における導電性粒子の含有率は、4質量%以上かつ20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上かつ20質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上かつ12質量%以下であることがさらに好ましい。
ここで、導電性粒子の含有率を上記の範囲とした理由は、導電性粒子の含有率が4質量%未満では、導電性粒子の量が絶縁性材料に対して少なすぎてしまい、良好な導電性が得られなくなるからであること、および誘電体材料中に含まれる導電性粒子間の距離が離れすぎてしまうために絶縁破壊が進行する特性が得難くなるからである。一方、導電性粒子の含有率が20質量%を超えると、導電性粒子の量が絶縁性材料に対して多すぎてしまい、導電性粒子が凝集や焼結により大きくなり2μm以上の粒子が多くなり易くなること、および良好な誘電体特性は得られるが静電チャック装置1の誘電体板2として使用するために必要な耐電圧特性が得難くなるからである。
なお、この誘電体材料における導電性粒子の含有率は、使用する絶縁性材料の種類や必要な特性により異なるので、導電性粒子の含有率を上記の範囲内で最適化することが好ましい。
例えば、絶縁性材料として絶縁性セラミックスを使用した場合、導電性粒子の多くは焼結段階で絶縁性セラミックスの結晶粒子の粒界に偏在することとなり、絶縁性樹脂中に分散した場合と比べて導電パスが形成される閾値が小さくなる。
これは、導電性粒子に対して絶縁性セラミックスの結晶粒子の大きさが大きいほど、また、絶縁性セラミックスの結晶粒内に取り込まれる導電性粒子が少なくなるほど、顕著になるからである。
そこで、導電性粒子の粒度分布を広くすると、絶縁性セラミックスの結晶粒子の粒径が同じでも導電パスが形成される閾値が大きくなる効果がある。例えば、絶縁性セラミックスの結晶粒子の粒径が0.1〜10μmの場合には、導電パスが形成される閾値は4〜20%程度となる。
よって、導電性粒子の含有率は、例えば、耐電圧が静電チャックの仕様を満たす様にするためには、上記の閾値より0.05〜8体積%程度小さい値にすることが好ましく、1〜5体積%程度小さい値にすることがより好ましい。
また、導電性粒子の粒度分布を広くすると、絶縁性セラミックスの結晶粒子の粒径が同じでも導電パスが形成される閾値が大きくなる効果により、より多くの導電性粒子を含有させることが可能となり、誘電率をさらに高くすることが可能となる。
この誘電体板2の厚みは0.3mm以上かつ3mm以下が好ましく、0.4mm以上かつ1mm以下がより好ましい。その理由は、誘電体板2の厚みが0.3mmを下回ると、誘電体板2の機械的強度を確保することができず、一方、誘電体板2の厚みが3mmを上回ると、電極面と吸着面との間の距離が増加し、吸着力が低下するとともに、誘電体板2の熱容量が大きくなり、載置されるウエハWとの熱交換効率が低下し、ウエハWの面内温度を所望の温度パターンに維持することが困難になるからである。
この静電チャック装置1の温度分布に係わる特性を向上させるためには、この誘電体板2のウエハWを載置する上面2aの表面粗さRaは0.002μmより大であることが好ましく、0.005μmより大であることがより好ましい。
ここで、上面2aの表面粗さRaを0.002μmより大とした理由は、表面粗さRaが0.002μm以下であると、この上面2aにおける熱伝達効果が不十分なものとなるので、好ましくないからである。
一方、この静電チャック装置1のパーティクルの発生に対する不具合を無くすためには、誘電体板2のウエハWを載置する上面2aは鏡面研磨されていることが好ましく、この上面2aの表面粗さRaは0.5μm以下であることが好ましく、0.15μm以下であることがより好ましい。
また、この誘電体板2の上面2a、すなわちウエハWの吸着面とウエハWとの間にHeガス、Nガス等の熱媒体を循環させる流路を形成することとしてもよい。
この誘電体板2の耐電圧は、5kV/mm以上であることが好ましく、より好ましくは8kV/mm以上である。
ここで、誘電体板2の耐電圧を5kV/mm以上とした理由は、耐電圧が5kV/mm未満であると、静電チャック装置として使用する場合に吸着させるための電圧を5kV/mm以上に上げることができず、十分な吸着力が得られないからである。
この誘電体板2の上面2aには、耐食性、対プラズマ性、摺動性等の特性を向上させるために、溶射、化学気相蒸着、スパッタ法、接着等により被膜を形成してもよく、他の材料と積層させた複合材料からなる積層体としてもよい。この被膜として用いる材料としては、酸化アルミニウム(Al)、酸化イットリウム(Y)、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG:3Y・5Al)等、静電チャック装置として使用する目的に合わせて適宜選定することができる。
また、被膜を形成した場合や積層体とした場合においても、耐電圧に対する寄与、すなわち誘電体板2の耐電圧値に電圧が印加される方向の厚みを加えた値を、被膜または積層体に用いた材料より大きくすることで、使用前もしくは使用中に絶縁破壊の予兆を検出することができ、したがって、絶縁破壊を事前に予測することができる。
さらに、この誘電体板2の上面2aに突起、溝、突起および溝、のいずれかを形成して凹凸面としてもよい。
このように、誘電体板2の上面2aを凹凸面とした場合においても、この凹凸面を形成する前の特性が絶縁破壊を事前に予測することのできる特徴が得られていれば、凹凸面を形成した後においても絶縁破壊を事前に予測することができる。
静電吸着用電極3は、電荷を発生させて静電吸着力でウエハWを誘電体板2の上面2aに固定するための静電チャック用電極として用いられるもので、その用途によって、その形状及び大きさが適宜調整される。
この静電吸着用電極3を構成する材料としては、非磁性材料である金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)等の金属、チタン、タングステン、モリブデン、白金等の高融点金属、グラファイト、カーボン等の炭素材料、炭化ケイ素(SiC)、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、炭化タングステン(WC)等の導電性セラミックス、TiC−Ni系、TiC−Co系、B4C−Fe系等のサーメット等が好適に用いられる。これらの材料の熱膨張係数は、誘電体板2の熱膨張係数に出来るだけ近似していることが望ましい。
この静電吸着用電極3の厚みは、特に限定されるものではないが、プラズマ発生用電極として使用する場合には、5μm以上かつ200μm以下が好ましく、特に好ましくは10μm以上かつ100μm以下である。その理由は、厚みが5μmを下回ると、充分な導電性を確保することができず、一方、厚みが200μmを越えると、誘電体板2と静電吸着用電極3との間の熱膨張率差に起因して、誘電体板2と静電吸着用電極3との接合界面にクラックが入り易くなるとともに、静電吸着用電極3と誘電体板2との間の段差を有機系接着剤層5で覆うことが出来なくなり、側面方向の絶縁性が低下するからである。
このような厚みの静電吸着用電極3は、スパッタ法や蒸着法等の成膜法、あるいはスクリーン印刷法等の塗工法により容易に形成することができる。
この静電チャック装置1では、誘電体板2の上面2aにウエハWを載置し、このウエハWと静電吸着用電極3との間に所定の電圧を印加することにより、静電気力を利用してウエハWを誘電体板2の上面2aに吸着固定することが可能な構造となっている。
有機系接着剤層5は、アクリル、エポキシ、ポリエチレン等からなるシート状またはフィルム状の接着剤であり、熱圧着式の有機系接着剤シートまたはフィルムであることが好ましい。
その理由は、熱圧着式の有機系接着剤シートまたはフィルムは、静電吸着用電極3上に重ね合わせて、真空引きした後、熱圧着することにより、静電吸着用電極3との間に気泡等が生じ難く、したがって、剥がれ難くなり、静電チャック部4の吸着特性や耐電圧特性を良好に保持することができるからである。
この有機系接着剤層5の厚みは、特に限定されるものではないが、接着強度及び取り扱い易さ等を考慮すると、5μm以上かつ100μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以上かつ50μm以下である。
厚みが5μm以上かつ100μm以下であれば、この有機系接着剤層5と静電吸着用電極3の下面との間の接着強度が向上し、さらに、この有機系接着剤層5の厚みがより均一になり、その結果、誘電体板2とベース部8との間の熱伝導率が均一になり、載置されたウエハWの冷却特性が均一化され、このウエハWの面内温度が均一化される。
なお、この有機系接着剤層5の厚みが5μmを下回ると、静電チャック部4とベース部8との間の熱伝導性は良好となるものの、有機系接着剤層5の厚みが薄くなりすぎることから、この有機系接着剤層5と静電吸着用電極3の下面との間の接着強度が弱くなり、この有機系接着剤層5と静電吸着用電極3の下面との間に剥離が生じ易くなるので好ましくなく、一方、厚みが100μmを超えると、有機系接着剤層5の厚みが厚くなりすぎることから、静電チャック部4とベース部8との間の熱伝導性を十分確保することができなくなり、冷却効率が低下するので、好ましくない。
このように、有機系接着剤層5をシート状またはフィルム状の接着剤としたことにより、有機系接着剤層5の厚みが均一化され、誘電体板2とベース部8との間の熱伝導率が均一になる。よって、ウエハWの冷却特性が均一化され、このウエハWの面内温度が均一化されることとなる。
絶縁層6は、静電チャック部2における印加電圧に耐えうる絶縁性樹脂からなるシート状またはフィルム状の絶縁材料であり、例えば、ポリイミド、ポリアミド、芳香族ポリアミド等が好適に用いられる。この絶縁層6の外周部は、誘電体板2の外周部より内側とされている。
このように、絶縁層6を誘電体板2より内側に設けることで、この絶縁層6の酸素系プラズマに対する耐プラズマ性、腐食性ガスに対する耐腐食性が向上し、パーティクル等の発生も抑制される。
この絶縁層6の厚みは、40μm以上かつ200μm以下が好ましく、より好ましくは50μm以上かつ100μm以下である。
この絶縁層6の厚みが40μmを下回ると、静電吸着用電極3に対する絶縁性が低下し、静電吸着力も弱くなり、ウエハWを載置面に良好に固定することができなくなるからであり、一方、厚みが200μmを超えると、静電チャック部4とベース部8との間の熱伝導性を十分確保することができなくなり、冷却効率が低下するからである。
有機系接着剤層7は、静電チャック部4及び絶縁層6とベース部8とを接着・固定するとともに、静電吸着用電極3、有機系接着剤層5及び絶縁層6を覆うように設けられたことにより、酸素系プラズマや腐食性ガスから保護するものであり、耐プラズマ性が高く、熱伝導率が高く、ベース部8からの冷却効率が高い材料が好ましく、例えば、耐熱性、弾性に優れた樹脂であるシリコーン系樹脂組成物が好ましい。
このシリコーン系樹脂組成物は、シロキサン結合(Si−O−Si)を有するケイ素化合物であり、例えば、熱硬化温度が70℃〜140℃のシリコーン樹脂を用いることが好ましい。
ここで、熱硬化温度が70℃を下回ると、静電チャック部4及び絶縁層6とベース部8とを接合する際に、接合過程の途中で硬化が始まってしまい、接合作業に支障を来す虞があるので好ましくなく、一方、熱硬化温度が140℃を超えると、静電チャック部4及び絶縁層6とベース部8との熱膨張差を吸収することができず、セラミック板状体2の載置面における平坦度が低下するのみならず、静電チャック部4及び絶縁層6とベース部8との間の接合力が低下し、これらの間で剥離が生じる虞があるので好ましくない。
有機系接着剤層7の熱伝導率は、0.25W/mk以上が好ましく、より好ましくは0.5W/mk以上である。
ここで、有機系接着剤層7の熱伝導率を0.25W/mk以上と限定した理由は、熱伝導率が0.25W/mk未満では、ベース部8からの冷却効率が低下し、静電チャック部4の上面2aに載置されるウエハWを効率的に冷却することができなくなるからである。
この有機系接着剤層7の厚みは、50μm以上かつ500μm以下が好ましい。
この有機系接着剤層7の厚みが50μmを下回ると、この有機系接着剤層7が薄くなりすぎてしまい、その結果、接着強度を十分確保することができなくなり、絶縁層6及び静電チャック部4とベース部8との間で剥離等が生じる虞があり、一方、厚みが500μmを超えると、絶縁層6及び静電チャック部4とベース部8との間の熱伝導性を十分確保することができなくなり、冷却効率が低下するからである。
さらに、この有機系接着剤層7の熱伝導率を、上記の有機系接着剤層5の熱伝導率及び絶縁層6の熱伝導率と同等またはそれ以上とすることで、この有機系接着剤層7の温度上昇を抑制することができ、この有機系接着剤層7の厚みのバラツキによる面内温度のバラツキを低減することができ、その結果、載置されるウエハWの温度を均一化することができ、このウエハWの面内温度を均一化することができるので、好ましい。
この有機系接着剤層7には、平均粒径が1μm以上かつ10μm以下のフィラー、例えば、窒化アルミニウム(AlN)粒子の表面に酸化ケイ素(SiO)からなる被覆層が形成された表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子が含有されていることが好ましい。
この表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子は、シリコーン樹脂の熱伝導性を改善するために混入されたもので、その混入率を調整することにより、有機系接着剤層7の熱伝達率を制御することができる。
ベース部8は、静電チャック部4に載置されるウエハWを、冷却して温度を調整するためのもので、厚みのある円板状のものであり、有機系接着剤層5、絶縁層6及び有機系接着剤層7を介して静電チャック部4を冷却することにより、ウエハWを所望の温度パターンに調整することができる。このベース部8は外部の高周波電源(図示略)に接続されており、このベース部8の内部には、必要に応じて、冷却用あるいは温度調節用の水、絶縁性の冷媒を循環させる流路が形成されている。
このベース部8を構成する材料としては、熱伝導性、電気導電性、加工性に優れた金属、金属−セラミックス複合材料のいずれかであれば特に制限はなく、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレス鋼(SUS) 等が好適に用いられる。このベース部8の側面、すなわち少なくともプラズマに曝される面は、アルマイト処理、もしくはアルミナ、イットリア等の絶縁性の溶射材料にて被覆されていることが好ましい。
このベース部8では、少なくともプラズマに曝される面にアルマイト処理または絶縁膜の成膜が施されていることにより、耐プラズマ性が向上する他、異常放電が防止され、したがって、耐プラズマ安定性が向上したものとなる。また、表面に傷が付き難くなるので、傷の発生を防止することができる。
次に、この静電チャック装置1の製造方法について説明する。
ここでは、まず、静電チャック装置1の主要部である誘電体板2の製造方法について説明する。
この誘電体板2は、絶縁性材料の原料粉体と導電性粒子の原料粉体と分散媒とを混合してスラリーとし、このスラリーを噴霧乾燥して顆粒とし、この顆粒を1MPa以上かつ100MPa以下の加圧下にて焼成することにより、作製することができる。
次に、この製造方法について詳細に説明する。
まず、絶縁性材料の原料粉体と導電性粒子の原料粉体と分散媒とを混合してスラリーとする。
このスラリーに用いられる分散媒としては、水および有機溶媒が使用可能である。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール等の一価アルコール類およびその変性体;α−テルピネオール等の単環式モノテルペンに属するアルコール類;ブチルカルビトール等のカルビトール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が好適に用いられ、これらの溶媒のうち1種または2種以上を用いることができる。
このスラリーを調製する際に分散剤やバインダーを添加してもよい。
分散剤やバインダーとしては、例えば、ポリカルボン酸アンモニウム塩等のポリカルボン酸塩、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の有機高分子等が用いられる。
分散処理としては、特に限定されないが、超音波ホモジナイザー、ビーズミル、超高圧粉砕機等の分散機を用いて分散処理がなされる。
なお、絶縁性粒子の原料粉体と導電性粒子の原料粉体を均一に混合していないと、複合化して得られる誘電体材料中の導電性粒子の分布も不均一となり、電気的特性の再現性およびその焼結体内での均一性が悪化する虞があるので、分散媒や分散剤、分散処理条件を選定して均一に混合することが好ましい。
次いで、このスラリーを噴霧乾燥法により噴霧乾燥する。噴霧乾燥装置としてはスプレードライヤー等が好適に用いられる。
ここでは、スラリーを加熱された気流中に噴霧し乾燥することにより、スラリー中の絶縁性材料と導電性粒子とが均一に分散された状態で、分散媒のみが飛散し、絶縁性材料中に導電性粒子が均一に分散した造粒粉が得られる。
次いで、この造粒粉を所定の焼成雰囲気にて、1MPa以上かつ100MPa以下の加圧下にて焼成し、複合焼結体からなる誘電体板2とする。
ここで、焼成雰囲気としては、導電性粒子として導電性炭化珪素(SiC)粒子、モリブデン(Mo)粒子、タングステン(W)粒子、タンタル(Ta)粒子等を用いた場合、これらの酸化を防止する必要があることから、非酸化性雰囲気、例えば、アルゴン(Ar)雰囲気、窒素(N)雰囲気等が好ましい。
ここで、焼成時の圧力を1MPa以上かつ100MPa以下とした理由は、圧力が1MPa未満では、得られた焼結体の密度が低くなり、耐食性が低下し、また、緻密な焼結体が得られず導電性も高くなり、半導体製造装置用部材として使用する際に用途が限定されてしまい、汎用性が損なわれるからである。一方、圧力が100MPaを超えると、得られた焼結体の密度、導電性とも問題はないが、部材の大型化に伴う大型焼結体の焼結装置を設計する際に、加圧面積に制限が生じるからである。
また、焼成温度は、使用する絶縁性材料に用いられる通常の焼結温度を適用することができる。例えば、絶縁性材料に酸化アルミニウムを使用する場合では1500℃以上かつ1900℃以下が好ましい。
造粒粉を1500℃以上かつ1900℃以下にて焼成することが好ましい理由は、焼成温度が1500℃未満では、焼結が不十分なものとなり、緻密な複合焼結体が得られなくなる虞があるからであり、一方、焼成温度が1900℃を超えると、焼結が進みすぎて異常粒成長等が生じる等の虞があり、その結果、緻密な複合焼結体が得られなくなる虞があるからである。
また、焼成時間は、緻密な焼結体が得られるのに十分な時間であればよく、例えば1〜6時間である。
このように、造粒粉の焼成時に、1MPa以上かつ100MPa以下の加圧を同時に行うことにより、絶縁性材料及び導電性粒子各々の粒成長を抑止しつつ複合焼結体の密度を向上させることができる。
この複合焼結体中の導電性粒子の粒度分布は、使用する原料や焼成過程における導電性粒子同士の焼結等により変化するので、使用する原料や焼成条件を調整することで目的の特性を得ることができる。
スラリー製造段階で制御する方法としては、導電性粒子の原料に粒度分布の広いものを用いる方法、異なる粒子径の原料を混合して用いる方法、絶縁性材料の原料と導電性粒子の原料を混合する際に導電性粒子の凝集状態を制御する方法、あるいはこれらを組み合わせた方法等が適宜用いられる。
焼成条件により制御する方法としては、成形条件や焼成における圧力、雰囲気、焼成温度等が挙げられる。
次いで、このようにして得られた誘電体板2の下面2bを、例えばアセトンを用いて脱脂、洗浄し、この下面2bに、スパッタ法や蒸着法等の成膜法、あるいはスクリーン印刷法等の塗工法を用いて静電吸着用電極3を形成し、静電チャック部4とする。この誘電体板2の厚みは、ベース部8を貼り合わせ後の研削除去分を考慮して厚めにしておくことが好ましい。
一方、金属、金属−セラミックス複合材料のいずれかの材料に機械加工を施し、必要に応じてアルマイト処理または絶縁膜の成膜を施し、次いで、例えばアセトンを用いて脱脂、洗浄し、ベース部8とする。
次いで、シート状またはフィルム状の有機系接着剤とシート状またはフィルム状の絶縁材を用意し、これらをラミネート装置を用いて貼り合わせて仮接着し、シート状またはフィルム状の有機系接着剤付き絶縁材とする。
次いで、この有機系接着剤付き絶縁材を、プレス成形機を用いて、誘電体板2より小径の形状に型抜き加工する。
次いで、この型抜きした有機系接着剤付き絶縁材を、静電チャック部4の静電吸着用電極3に貼り付け、真空熱プレス機等の熱圧着装置を用いて、大気圧下、あるいは1Pa以下の減圧下にて、加温と同時に加圧(熱圧着)し、静電チャック部4の静電吸着用電極3上に有機系接着剤層5及び絶縁層6を熱圧着する。
次いで、ベース部8の静電チャック部4上の絶縁層6との接合面を、例えばアセトンを用いて脱脂、洗浄し、この接合面上にシリコーン系樹脂組成物を、例えばバーコータを用いて、一定の厚みになるように塗布する。
次いで、この塗布面に静電チャック部4上の絶縁層6を載置し、この状態でシリコーン系樹脂組成物を加熱し、硬化させる。これにより、このシリコーン樹脂組成物の硬化体が有機系接着剤層7となる。
次いで、誘電体板2の上面2aを研削加工し、誘電体板2の厚みを所望の厚みに調整するとともに、この誘電体板2の上面2aをウエハWを載置する載置面とする。
以上により、本実施形態の静電チャック装置1を得ることができる。
次に、上記の誘電体材料の特性、及び誘電体板2の電気的特性について説明する。
[誘電体材料の特性]
本実施形態の静電チャック装置1の主要部である誘電体板2を構成する誘電体材料、すなわち複合焼結体における耐電圧特性、誘電率等の電気的特性は、絶縁性材料中に分散している導電性粒子の分散状態、絶縁性材料の粒子の大きさ、絶縁性材料中の導電性粒子の割合、絶縁性材料の粒子の粒径分布等、様々な要因により変化し、導電性粒子の粒度分布と電気的特性との関係を一義的に決めることは難しい。
そこで、絶縁性材料中の導電性粒子の粒度分布を各種の粒度分布を変化させる方法により粒度分布を変えた複合焼結体を作製し、電気的特性の評価結果から実験的に最適値を求める方法が用いられる。
その中でも、実験の再現性が良好であることから、複合焼結体の製造条件を一定にし、原料に用いる導電性粒子に粒子径の異なる数種類の導電性粒子を用い、絶縁性材料中の導電性粒子の割合を変化させて、最適値を求める方法が好適に用いられる。
また、導電性粒子の最適な種類及び粒子径、絶縁性材料中の導電性粒子の最適な割合が求められ、これと同一の特性の複合焼結体を試験生産あるいは量産する場合には、導電性粒子自体の製造条件を最適な粒度分布が得られる様に変更することで、1種類の導電性粒子及び絶縁性材料を用いても、複合焼結体の電気的特性を最適な値にすることができる。
[誘電体板の電気的特性]
(1)耐電圧特性
誘電体板2の耐電圧特性の測定は、誘電体板2の上面2aに測定用電極を形成または載置し、この測定用電極と静電吸着用電極3との間に印加する直流電圧を徐々に上げながら、この誘電体板2に流れる電流を測定することで行う。
ここでは、次に挙げる「絶縁破壊がピンホール状に形成されないことの確認」を行うことを考慮して、電極には10cm以上の面積のシリコンウェハを使用する。
この誘電体板2の耐電圧、すなわち絶縁破壊により電圧印加による電流値が上昇して電流値が1nA/cm以上となる電圧は、この誘電体板2の使用電圧や耐電圧の仕様よりも高い値であることが必要であることから、5k/Vmm以上であることが好ましく、8kV/mm以上であることがより好ましく、10kV/mm以上であることがさらに好ましい。
ところで、これらの電極に直流電圧を印加すると、これらの電極に電荷が蓄えられることにより、電流値は、電圧の上昇に伴い一時的に1nA/cm以上に上昇する。ここで、これらの電極に一定量の電荷が蓄えられた後は電流値は低下する。ここで測定する電流値は電荷が蓄えられた後の電流値とする。この過程において、この誘電体板2に絶縁破壊が進行すると、この絶縁破壊の影響により電流値は電荷が蓄えられた後も上昇を続ける様になり、その結果、電流値は徐々に増加することとなる。
(2)絶縁破壊特性
この誘電体板2の絶縁破壊特性は、上記の耐電圧測定を行った後、誘電体板2の電極上、例えば、10cm以上の面積のシリコンウェハを測定端子とし、上記の耐電圧測定の後、耐電圧測定に用いた電極よりも小さい測定用電極、例えば5mm角に切断したシリコンチップを使用して再度同じ電圧を印加して電流値を測定する方法が挙げられる。
通常の絶縁体では、絶縁破壊は瞬間的に生じ、電圧を印加する電源の許容電流値を越えるか、発熱や放電により材料や周囲の機器を破損するまで瞬時に上昇する。
一方、本実施形態の誘電体板2では、この誘電体板2に絶縁破壊が進行した場合でも電流値は徐々に増加するので、この電流値が徐々に増加する特性を用いて、この誘電体板2の絶縁破壊の兆候を検出することができる。また、絶縁破壊は不可逆的な現象であるから、過去の使用時において絶縁破壊が進行していた場合においても、再度電圧を印加して測定を行い、絶縁破壊が起こる前に測定した結果と比較して電流値が増加していることを確認することで、絶縁破壊の兆候を検出することができる。
本実施形態の誘電体板2では、その耐電圧特性を測定する場合に、測定用電極と静電吸着用電極3との間に電流値が1nA/cmとなる直流電圧を印加した時刻から、この直流電圧を保持した場合に測定用電極と静電吸着用電極3との間に流れる電流が100nA/cmに達するまでの時間が1秒以上であることが好ましく、3秒以上であることがより好ましく、10秒以上であることがさらに好ましく、60秒以上であることが最も好ましい。
ここで、絶縁破壊による電流値の上昇に要する時間の測定を開始する電流値を1nA/cmとしたのは、1nA/cm以下であると、測定系のノイズ等との判別が困難になるからである。
また、絶縁破壊による電流値の上昇に要する時間の測定を終了する電流値を100nA/cmとしたのは、100nA/cm以上であると静電チャック装置としてシリコンウェハを吸着させるためにシリコンウェハ全体に電圧を印加した場合、流れる電流値の総量が大きくなりすぎる虞があるからである。
上記に要する時間が好ましくは1秒以上、より好ましくは3秒以上、さらに好ましくは10秒以上、最も好ましくは60秒以上であれば、絶縁破壊による電流で誘電体板2上に載置されたウエハ中のデバイスが破壊する前や放電により他の装置を損傷させる前に、この誘電体板2の絶縁破壊の予兆を検出することで装置を停止することができる。
また、絶縁破壊は不可逆的な現象であるから、過去の使用時において耐電圧特性が劣化していた場合においても、この誘電体板2を使用する前に、使用電圧以上であり誘電体板2の耐電圧値以下の電圧を印加して電流値を測定することで、誘電体板2の絶縁破壊の兆候を知ることができる。
また、この誘電体板2を静電チャック装置1の基体として使用する場合、この誘電体板2の上面2aにウエハWを載置した後に広い面積に電圧を印加するので、電流値の総量が大きくなり、よって、単位面積あたりの検出する電流値の精度を高くすることが可能である。また、この誘電体板2と小さい電流値を検出することができる高精度の電流計を組み合わせることで、より早い段階で絶縁破壊の兆候を検出することができる。
(3)絶縁破壊のフラクタル性
誘電体板2の絶縁性材料中に分散している導電物粒子の粒径分布を広くすることで、導電物粒子のつながりのフラクタル性および絶縁破壊形状のフラクタル性を高くすることができる。
ここで、絶縁破壊のフラクタル性とは、誘電体板2に絶縁破壊で生じる導電パスの分岐の多さの程度をいい、導電パスの分岐が多い場合をフラクタル性が高いという。
この誘電体板2に絶縁破壊の箇所がピンホール状に形成されている場合には、ピンホールが1点または複数の点に形成されていることから、測定箇所により電流値に1000倍以上の差が生じる。
フラクタル性を便宜的に数値化して判断する方法としては、電流のばらつきを評価する方法と、より詳細に調べるために導電パスの分岐を評価する方法がある。
電流のばらつきを評価する方法としては、誘電体板2の上面2aに測定用端子、例えば5mm角に切断したシリコンチップを載置し、この上面2aの複数箇所における電流値の分布を測定した際のばらつき、すなわち電流値の最大値(Amax)と最小値(Amin)との比(Amax/Amin)が所定の値未満の場合に「フラクタル性有り」と判断し、所定の値以上の場合に「フラクタル性無し」と判断する方法が採られる。
このようにして簡易的に電流値を測定した場合、絶縁破壊の箇所がピンホール状に形成されている場合には、ピンホールが1点または複数の点に形成されていることから、比(Amax/Amin)に1000倍以上の差が生じる。
一方、絶縁破壊の箇所がピンホール状に形成されていない場合には、比(Amax/Amin)の差は小さくなる。
これにより、誘電体板2が絶縁破壊した際に、電流集中によりデバイスが破損されないためには、誘電体板2の上面2aに5mm角に切断したシリコンチップを載置して電流値の分布を測定した際のばらつき、すなわち電流値の最大値(Amax)と最小値(Amin)との比(Amax/Amin)が1000倍以下となっていることが好ましく、すべての測定点で同時に絶縁破壊により電流値が上昇していることがより好ましい。
また、導電パスの分岐を評価する方法としては、誘電体板2に直流電圧を印加して100nA/cmに達した後、この誘電体板2の表面にて絶縁破壊により生じた導電パスの数を計測する方法が採られる。
導電パスの数を計測する方法としては、針状の電極を走査して測定する方法の他、AFM原子間力顕微鏡を利用する方法、電気分解とヨウ素でんぷん反応等の化学反応を利用して通電箇所を検出する方法、SEM(走査型電子顕微鏡)観察におけるチャージコントラストを利用して判断する方法等も利用することができる。
ここで、誘電体板2が絶縁破壊した際に、電流集中によりデバイスが破損されないためには、導電性パスが誘電体板2の表面上に10箇所以上形成されることが好ましく、100箇所以上形成されることがより好ましく、1cmあたり100箇所以上形成されることがさらに好ましい。このように、導電パスの数が多いほど、電流を分散させることができ、したがって、ウェハ上のデバイスや静電チャック装置自体の損傷、静電チャック装置を使用する半導体製造装置等の各種装置との放電等を防ぐことができる。
また、この誘電体板2を静電チャック装置1の基体として使用する場合、この静電チャック装置1では評価する際に印加した電圧よりも低い電圧となるが、この静電チャック装置1における絶縁破壊は、プラズマ等による損傷や繰り返しの使用による劣化で徐々に生じ易くなる。したがって、これらの評価により絶縁破壊が緩やかに進行する特性が得られていれば、静電チャック装置1として使用する際にも絶縁破壊が緩やかに進行する特性が得られる。
(3)誘電率
誘電体板2の誘電率は、この誘電体板2を静電チャック装置1の基体として使用する場合には、静電チャック装置1の吸着力を高くするために高い方がよく、11以上であることが好ましく、13以上であることがより好ましく、15以上であることがさらに好ましい。
誘電率が高い誘電体板2では、耐電圧が低くなる場合があるので、必要な特性に応じて適宜調整することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態の静電チャック装置1によれば、誘電体板2の下面2bに静電吸着用電極3を形成するとともに、この誘電体板2の上面2aに測定用電極を形成または載置し、この測定用電極と静電吸着用電極3との間に電流値が1nA/cmとなる直流電圧を印加した時刻から、直流電圧を保持した場合に電流が100nA/cmに達するまでの時間を1秒以上としたので、この誘電体板2の絶縁破壊を穏やかに進行させることができる。したがって、この誘電体板2の使用前もしくは使用中に、この誘電体板2に流れる電流または電気抵抗を測定することにより、この電流または電気抵抗の値から絶縁破壊の予兆を知ることができる。その結果、この誘電体板2の絶縁破壊を事前に予測することができる。
図2は、本実施形態の静電チャック装置の変形例を示す断面図であり、この静電チャック装置11が上述した静電チャック装置1と異なる点は、静電吸着用電極3の下面及び側面を覆うように、シート状またはフィルム状の(第1の)有機系接着剤層12が形成され、この有機系接着剤層12の下面及び側面を覆うように、シート状またはフィルム状の絶縁層13が接着され、このシート状またはフィルム状の絶縁層13及び静電チャック部4には、有機系接着剤層7を介して、静電チャック部4を支持するとともにウエハWを冷却するベース部8が接着されている点である。
この静電チャック装置11においても、上述した静電チャック装置1と全く同様に、この誘電体板2の絶縁破壊を穏やかに進行させることができる。したがって、この誘電体板2の使用前もしくは使用中に、この誘電体板2に流れる電流または電気抵抗を測定することにより、この電流または電気抵抗の値から絶縁破壊の予兆を知ることができる。その結果、この誘電体板2の絶縁破壊を事前に予測することができる。
しかも、静電吸着用電極3の下面及び側面を覆うようにシート状またはフィルム状の有機系接着剤層12を形成し、この有機系接着剤層12の下面及び側面を覆うようにシート状またはフィルム状の絶縁層13を接着したので、静電吸着用電極3の耐電圧を向上させることができる。
図3は、本実施形態の静電チャック装置の他の変形例を示す断面図であり、この静電チャック装置21が上述した静電チャック装置1と異なる点は、静電吸着用電極3の下面を覆うように絶縁性セラミックスからなる支持板22が設けられ、この支持板22は、誘電体板2と一体化されるとともに、有機系接着剤層7を介してベース部8に接着されている点である。
支持板22の成分である絶縁性セラミックスとしては、上述した誘電体板2に用いられる絶縁性セラミックスと同一の組成の絶縁性セラミックスであってもよく、異なる組成の絶縁性セラミックスであってもよい。
このような絶縁性セラミックスとしては、酸化アルミニウム(Al)、酸化イットリウム(Y)、酸化ケイ素(SiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si)、ムライト(3Al・2SiO)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化スカンジウム(Sc)、酸化ネオジム(Nd)、酸化ニオブ(Nb)、酸化サマリウム(Sm)、酸化イッテルビウム(Yb)、酸化エルビウム(Er)、酸化セリウム(CeO)の群から選択された1種のみからなる酸化物、または2種以上を混合してなる複合酸化物が好ましい。
ここで、支持板22の厚みを誘電体板2の厚みの1.5倍以下とした場合、この支持板22の厚みが薄すぎることにより、支持板22と誘電体板2との間が絶縁破壊する可能性がある。そこで、支持板22にも、誘電体板2に用いられる絶縁性セラミックスと同等の特性を有する絶縁性セラミックスを使用することが好ましい。
ここでは、静電吸着用電極3を支持板22及び誘電体板2にて狭持して一体化したが、静電吸着用電極3の周縁部に環状の絶縁材料を設け、これら静電吸着用電極3及び環状の絶縁材料を支持板22及び誘電体板2にて狭持して一体化した構成としてもよい。
この支持板22と誘電体板2とを一体化する方法としては、誘電体板2の下面2bに静電吸着用電極3となる電極材料を塗布し、この電極材料を覆うように支持板22となる絶縁性セラミックス粉体を載置し、これらを所定の温度にて焼成することにより、誘電体板2、静電吸着用電極3及び支持板22を一体化する方法、または、誘電体板2の下面2bに静電吸着用電極3となる電極材料を塗布し、この電極材料を覆うように支持板22となる絶縁性セラミックス粉体を含む材料を塗布し、これらを所定の温度及び圧力にてホットプレスすることにより、誘電体板2、静電吸着用電極3及び支持板22を一体化する方法等、公知の方法を適宜用いることができる。
ここで、誘電体材料及び電極材料を所定の温度にて焼成して誘電体板2及び静電吸着用電極3を作製し、この誘電体板2、静電吸着用電極3及び絶縁性セラミックス粉体を所定の温度にて焼成して誘電体板2、静電吸着用電極3及び支持板22を一体化する場合、静電吸着用電極3及び誘電体板2が焼成時に変形し、この変形した静電吸着用電極3と誘電体板2の下面2bとの間の距離にばらつきが生じる場合がある。このようなばらつきが生じると、静電吸着用電極3と誘電体板2の下面2bとの距離が短い箇所で耐電圧が低下することに起因する不良が発生し易くなる。
この静電チャック装置21では、誘電体板2の絶縁破壊を穏やかに進行させることができるので、上記のような場合においても、使用前または使用中に、この誘電体板2の電気抵抗を測定することにより、絶縁破壊を事前に予測することができる。したがって、この静電チャック装置21を用いることにより、誘電体板2の絶縁破壊を穏やかに進行させることができ、その結果、この静電チャック装置21を適用する半導体製造装置や半導体デバイスを損傷する虞がなくなる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
「実施例1」
平均粒子径0.05μmの炭化ケイ素(SiC)粉体と、平均粒子径0.5μmの炭化ケイ素(SiC)粉体と、平均粒子径1.0μmの炭化ケイ素(SiC)粉体とを、質量比で50:45:5の割合で混合してSiC混合粉体を得た。
次いで、このSiC混合粉体が8体積%、平均粒子径0.1μmの酸化アルミニウム(Al)粉体が92体積%となるように秤量し、これらSiC混合粉体及びAl粉体を純水に投入し、超音波分散機にて5時間分散処理した後、遊星式ボールミルにてさらに4時間分散処理し、分散液を得た。
次いで、この分散液をスプレードライヤーを用いて200℃にて乾燥し、Al−SiC複合粉体を得た。
次いで、このAl−SiC複合粉体を、ホットプレスを用いて、アルゴン(Ar)雰囲気下、1650℃、圧力25MPaにて2時間焼成を行い、Al−SiC複合焼結体を作製した。
この複合焼結体を直径100mm、厚み1.0mmの円盤状に加工し、実施例1のAl−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
「実施例2」
SiC混合粉体を11体積%、Al粉体を89体積%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のAl−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
「実施例3」
SiC混合粉体を9体積%、Al粉体を91体積%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3のAl−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
「実施例4」
平均粒子径0.05μmのSiC粉体を9体積%、平均粒子径0.1μmのAl粉体を91体積%とし、さらに、焼成温度を1800℃、圧力を40MPaとし、超音波分散機での分散処理の後に遊星式ボールミルでの分散処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、実施例4のAl−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
「実施例5」
平均粒子径0.03μmのSiC粉体と、平均粒子径0.05μmのSiC粉体と、平均粒子径0.1μmのSiC粉体とを、質量比で1:1:1の割合で混合してSiC混合粉体を得た。
次いで、このSiC混合粉体が10体積%、平均粒子径0.1μmの酸化アルミニウム(Al)粉体が90体積%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例5のAl−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
なお、SiC混合粉体の含有率(10体積%)は、SiC混合粉体の含有量を4体積%から13体積%まで1体積%間隔で変えた試料を作製し、これらの試料を用いて実施例1と同様にして誘電体板を作製した場合に、電気的特性が絶縁体から導電体へと変わる含有率より3体積%少ない含有率である10体積%とした。
「実施例6」
SiC混合粉体を5体積%、Al粉体を95体積%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例6のAl−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
「実施例7」
SiC混合粉体を12体積%、Al粉体を88体積%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例7のAl−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
「実施例8」
実施例1と同様にしてSiC混合粉体を得た。
次いで、このSiC混合粉体が10体積%、平均粒子径0.1μmの酸化イットリウム(Y)粉体が90体積%となるように秤量し、これらSiC混合粉体及びY粉体を、テフロン(登録商標)(ポリ4フッ化エチレン)ボール及びポリエチレンポットを用いたボールミル中のイオン交換水に投入し、48時間分散処理して、分散液を得た。
次いで、この分散液をスプレードライヤーを用いて200℃にて乾燥し、Y−SiC複合粉体を得た。
次いで、このY−SiC複合粉体を、ホットプレスを用いて、アルゴン(Ar)雰囲気下、1600℃、圧力40MPaにて1時間焼成を行い、Y−SiC複合焼結体を作製した。
この複合焼結体を直径100mm、厚み1.0mmの円盤状に加工し、実施例8のY−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
なお、SiC混合粉体の含有率(10体積%)は、SiC混合粉体の含有量を8体積%から15体積%まで1体積%間隔で変えた試料を同様の方法で作製して誘電体板を作製した場合に、電気的特性が絶縁体から導電体へと変わる含有率より3体積%少ない含有率である10体積%とした。
「実施例9」
実施例1と同様にしてSiC混合粉体を得た。
次いで、このSiC混合粉体が9体積%、平均粒子径0.2μmの窒化ケイ素(Si)粉体が85体積%、焼結助剤として平均粒子径0.05μmの酸化イットリウム(Y)粉体が6体積%となるように秤量し、これらSiC混合粉体、Si粉体及びY粉体を、テフロン(登録商標)(ポリ4フッ化エチレン)ボール及びポリエチレンポットを用いたボールミル中のエタノールに投入し、48時間分散処理して、分散液を得た。
次いで、エバポレータを用いて、上記の分散液からエタノールを抽出し、その後真空乾燥させてSi−SiC複合粉体を得た。
次いで、このSi−SiC複合粉体を、ホットプレスを用いて、窒素(N)雰囲気下、1800℃、圧力35MPaにて2時間焼成を行い、Si−SiC複合焼結体を作製した。
この複合焼結体を直径100mm、厚み1.0mmの円盤状に加工し、実施例9のSi−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
なお、SiC混合粉体の含有率(9体積%)は、SiC混合粉体の含有量を5体積%から15体積%まで1体積%間隔で変えた試料を同様の方法で作製して誘電体板を作製した場合に、電気的特性が絶縁体から導電体へと変わる含有率より3体積%少ない含有率である9体積%とした。
「比較例1」
市販の純度99.9%のAl焼結体を、直径100mm、厚み1.0mmの円盤状に加工し、比較例1のAl焼結体からなる誘電体板を作製した。
「比較例2」
SiC混合粉体の替わりに、平均粒子径0.3μmの炭化ケイ素(SiC)粉体のみを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2のAl−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
「比較例3」
平均粒子径0.05μmのSiC粉体を9体積%、平均粒子径0.1μmのAl粉体を91体積%とし、実施例1と同様にして、比較例3のAl−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
「比較例4」
SiC混合粉体を1体積%、Al粉体を99体積%とした以外は、実施例1と同様にして、比較例4のAl−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
「比較例5」
SiC混合粉体を13体積%、Al粉体を87体積%とした以外は、実施例1と同様にして、比較例5のAl−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
「比較例6」
平均粒子径0.1μmの酸化イットリウム(Y)粉体を、ホットプレスを用いて、アルゴン(Ar)雰囲気下、1600℃、圧力40MPaにて1時間焼成を行い、Y焼結体を作製した。
この焼結体を直径100mm、厚み1.0mmの円盤状に加工し、比較例6のY焼結体からなる誘電体板を作製した。
「比較例7」
平均粒子径0.2μmの窒化ケイ素(Si)粉体が93体積%、焼結助剤として平均粒子径0.05μmの酸化イットリウム(Y)粉体が7体積%となるように秤量し、これらSi粉体及びY粉体を、テフロン(登録商標)(ポリ4フッ化エチレン)ボール及びポリエチレンポットを用いたボールミル中のエタノールに投入し、48時間分散処理して、分散液を得た。
次いで、エバポレータを用いて、上記の分散液からエタノールを抽出し、その後真空乾燥させてSi粉体を得た。
次いで、このSi粉体を、ホットプレスを用いて、窒素(N)雰囲気下、1800℃、圧力35MPaにて2時間焼成を行い、Si焼結体を作製した。
この焼結体を直径100mm、厚み1.0mmの円盤状に加工し、比較例7のSi焼結体からなる誘電体板を作製した。
「誘電体板の評価」
(1)粒子径及び粒度分布
実施例1〜9及び比較例2〜5各々の誘電体板中のSiC粒子の粒子径及び粒度分布をSEM観察法により測定し、この測定結果を画像解析することにより、円の面積に相当する粒子径を算出した。
ここでは、SiC粒子の粒子径D10、D50、D90、比(D90/D50)及び比(D90/D10)を求めた。
測定結果を表1に示す。
なお、SEM観察法による測定では0.04μm以下の粒子は判別出来ない場合があるので、実施例1〜9及び比較例2〜5各々の誘電体板について「導電性微粒子の有無」、すなわち、誘電体板中に0.04μm以下の導電性微粒子が0.001%以上かつ5%以下含まれているか否かをTEM観察法により観察した。
ここでは、500個の導電性粒子それぞれの粒子径を測定し、0.04μm以下の導電性微粒子が0.001%以上かつ5%以下含まれている場合を導電性微粒子が有ると判断して「○」とし、この導電性微粒子が0.001%以上かつ5%以下含まれていない場合を導電性微粒子が無いと判断して「×」とした。
(2)耐電圧及び絶縁破壊時間
実施例1〜9及び比較例1〜7各々の誘電体板を35mm角のシリコンウェハにて電極間の沿面放電が生じない様に挟み、10kV/mmまでは1kV/mm毎に、10kV/mm以上では0.5kV/mm毎に、所定の測定電圧まで電圧を上げ、この所定の測定電圧を印加した1分間保持後の電流値を測定した。
ここでは、1分保持後の電流値が1nA/cm以下の場合には、さらに1kV/mmまたは0.5kV/mm電圧を上げて測定を続けた。
また、電流値が1nA/cm以上の場合で、1分経過後の電流計の値が下がっていく場合には、1nA/cmに下がるまで保持してから電圧を上げて測定を続けた。
また、電流値が上昇している場合で、かつ100nA/cmを超えている場合には、その印加電圧を耐電圧値とし、絶縁破壊時間は1秒以下とした。
電流値が上昇している場合で電流値が100nA/cm以下の場合には、電圧の保持を開始した時間から100nA/cmに到達するまでの時間を絶縁破壊時間とした。
また、保持後1分以上経過しても100nA/cmを超えない場合には、保持した電圧を耐電圧値とし、絶縁破壊時間を60秒以上とした。
測定結果を表2に示す。
(3)絶縁破壊のフラクタル性
耐電圧特性の測定箇所に12mm角のシリコンチップを電極として載置し、この電極を用いて誘電体板の電流値の分布を測定し、絶縁破壊のフラクタル性の評価を行った。
ここでは、印加する電圧は、耐電圧値の値を上限とし100nA/cm以上となっていることが確認できた時点で、その測定点の測定を終了した。この動作を繰り返し行い、絶縁破壊試験を行った場所から9点の電流値を測定した。
測定した9点における電流値の最大値と最小値の比(Amax/Amin)が1000以下である場合にはフラクタル性があると判断し、評価結果を「○」とした。
また、電流値の最大値と最小値の比(Amax/Amin)が1000より大きい場合には、絶縁破壊がピンホール状に生じていることを確認するために、詳細な電流値の分布を測定した。そこで、12mm角のシリコンチップを2mm間隔で移動させながら測定し、100nA/cm以上の電流値となる領域の面積を求め、この面積が4mm以下の点状である場合には絶縁破壊がピンホール状に生じているのでフラクタル性が無いと判断し、評価結果を「×」とした。なお、絶縁破壊が生じている場所が破損などにより目視で確認できる場合であってもフラクタル性が無いと判断されるので、この場合も評価結果を「×」とし、それ以外の場合で絶縁破壊がピンホール状に生じていないが絶縁破壊により生じた電流のばらつきが大きい場合は「△」とした。
測定結果を表2に示す。
(4)導電パス数
絶縁破壊のフラクタル性の評価を行った際に、絶縁破壊により生じた導電パスの分岐数(導電パス数)が十分に生じているかを判断するために、測定した9点の内、最も電流値が大きかった測定点の10mm角の範囲について、針状の測定用プローブを走査して導電パスが形成されている箇所の数(導電パス数)を算出した。
ここでは、1mm角の範囲内に導電パスが多数ある場合には、導電パスの数を100箇所以上と見なし、「>100」と表記した。
測定結果を表2に示す。
(5)誘電率
実施例1〜9及び比較例1〜7各々の誘電体板の1kHzにおける誘電率を、誘電体測定システム 126096W(東陽テクニカ社製)を用いて測定した。
測定結果を表2に示す。
Figure 2015019027
Figure 2015019027
表1及び表2によれば、実施例1〜9の誘電体板では、比較例1〜7の誘電体板と比べて、耐電圧及び誘電率については差が認められないものの、絶縁破壊時間が10秒またはそれ以上と長く、誘電体板2の絶縁破壊を穏やかに進行させることができることが分かった。また、フラクタル性も向上していることが分かった。したがって、この誘電体板2に流れる電流を測定することにより、この電流の値から絶縁破壊の予兆を知ることができ、この誘電体板2の絶縁破壊を事前に予測することができることが確認された。
1 静電チャック装置
2 誘電体板(基体)
2a 上面(一主面)
2b 下面(他の主面)
3 静電吸着用電極
4 静電チャック部
5 (第1の)有機系接着剤層
6 絶縁層
7 (第2の)有機系接着剤層
8 ベース部(基台)
11 静電チャック装置
12 (第1の)有機系接着剤層
13 絶縁層
21 静電チャック装置
22 支持板
W ウエハ(板状試料)

Claims (6)

  1. 一主面を板状試料を載置する載置面とする基体と、該基体の内部または他の一主面側に設けられた静電吸着用電極とを備えてなる静電チャック装置であって、
    前記基体の載置面に測定用電極を形成または載置し、この測定用電極と前記静電吸着用電極との間に電流値が1nA/cmとなる直流電圧を印加した時刻から、前記直流電圧を保持した場合に前記測定用電極と前記静電吸着用電極との間に流れる電流が100nA/cmに達するまでの時間が1秒以上であることを特徴とする静電チャック装置。
  2. 前記電流が100nA/cmに達した後、前記基体の前記載置面に生じる導電パスが1cmあたり10箇所以上であることを特徴とする請求項1記載の静電チャック装置。
  3. 前記測定用電極と前記静電吸着用電極との間に流れる電流の前記測定用電極における面内の電流分布の最大値の最小値に対する比は1000以下であることを特徴とする請求項1または2記載の静電チャック装置。
  4. 前記基体の耐電圧は、5kV/mm以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の静電チャック装置。
  5. 前記基体は、絶縁性材料中に導電性粒子を分散してなる誘電体材料からなり、
    前記導電性粒子は、その体積粒度分布における累積体積百分率が10体積%の粒子径D10は0.2μm以下、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90は2μm以下であり、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90の累積体積百分率が10体積%の粒子径D10に対する比(D90/D10)は3.0以上であり、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90の累積体積百分率が50体積%の粒子径D50に対する比(D90/D50)は1.5以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の静電チャック装置。
  6. 前記誘電体材料における前記導電性粒子の含有率は、4質量%以上かつ20質量%以下であることを特徴とする請求項5記載の静電チャック装置。
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