JP2015019027A - 静電チャック装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上面2aをウエハWを載置する載置面とする誘電体板2と、誘電体板2の下面2b側に設けられた静電吸着用電極3とを備えてなる静電チャック装置1であり、上面2aに測定用電極を形成または載置し、この測定用電極と静電吸着用電極3との間に電流値が1nA/cm2となる直流電圧を印加した時刻から、この直流電圧を保持した場合に測定用電極と静電吸着用電極3との間に流れる電流が100nA/cm2に達するまでの時間が1秒以上である。
【選択図】図1
Description
静電チャックは、シリコンウエハ等の半導体基板の支持機構として、高い密着性能、優れた熱伝導性、耐久性を必要とする。この静電チャックは、半導体基板が載置される略円板状の絶縁体と、この絶縁体の内部に埋設された静電吸着用電極とを備えたもので、この絶縁体と、この絶縁体上に載置される半導体基板との間に直流電圧を加えることで、クーロン力あるいは微少な漏れ電流による静電吸着力を発生させ、この静電吸着力により半導体基板を絶縁体上に固定している。
セラミックスは、特に、熱伝導性、耐プラズマ性に優れているが、材質が硬いことから、基板となじみ難く、その結果、半導体基板を搬送する際に傷やクラック等が生じたり、あるいは、長期間に亘って使用することにより生じる絶縁性の劣化およびプラズマや腐食性ガスによる損傷に起因する絶縁破壊が生じる虞があり、エッチングやスパッタリング等の各種処理中に半導体基板上の素子が破壊する虞がある。
また、静電チャックの静電吸着用内部電極と接地電極との間の電位差を測定することで、絶縁体の絶縁破壊を検出する技術が提案されている(特許文献3等参照)。
また、絶縁体の替わりに多孔質の誘電体を用いた静電チャックが提案されている(特許文献4等参照)。この静電チャックでは、水分の吸着に起因する絶縁破壊を防ぐための診断方法が採られている。
前記測定用電極と前記静電吸着用電極との間に流れる電流の前記測定用電極における面内の電流分布の最大値の最小値に対する比は1000以下であることが好ましい。
前記基体の耐電圧は、5kV/mm以上であることが好ましい。
前記誘電体材料における前記導電性粒子の含有率は、4質量%以上かつ20質量%以下であることが好ましい。
なお、以下の実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
この静電チャック装置1は、上面(一主面)2aをウエハ(板状試料)Wを載置する載置面とした誘電体板(基体)2と、この誘電体板2の下面(他の一主面)2b側に設けられた静電吸着用電極3とにより静電チャック部4が構成されている。
この静電吸着用電極3には、シート状またはフィルム状の(第1の)有機系接着剤層5を介してシート状またはフィルム状の絶縁層6が接着され、このシート状またはフィルム状の絶縁層6及び静電チャック部4には、(第2の)有機系接着剤層7を介して、静電チャック部4を支持するとともにウエハWを冷却するベース部(基台)8が接着されている。
誘電体板2は、上面2aがシリコンウエハ等の各種ウエハWを載置する載置面とされた誘電体材料からなる円板である。
この誘電体材料は、絶縁性材料中に導電性粒子を分散した複合焼結体であり、この導電性粒子は、その体積粒度分布における累積体積百分率が10体積%の粒子径D10が0.2μm以下、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90が2μm以下、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90の累積体積百分率が10体積%の粒子径D10に対する比(D90/D10)が3.0以上、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90の累積体積百分率が50体積%の粒子径D50に対する比(D90/D50)が1.4以上である。
絶縁性材料中に導電性粒子を分散した複合焼結体からなる誘電体材料の導電パスの形成については、パーコレーション理論で説明することができる。
このパーコレーション理論では、絶縁性材料中に分散した導電性粒子の割合が一定の閾値を越えると急激に導電率が上がり(抵抗値が低下し)、この閾値近傍で導電性粒子のつながりはフラクタル形状を示していることが知られている。
この考えに基づいて、絶縁性材料中に、粒度分布が一定の条件を満たす導電性粒子を一定量分散させることで、絶縁破壊を緩やかにする誘電体材料を作製したところ、この誘電体材料の導電パスのフラクタル次元を高くすると、絶縁破壊はピンホール状に生じずに広い分布を持って生じることとなり、よって、緩やかに絶縁破壊する特性が得られることが分かった。
また、絶縁性材料中の導電性粒子の粒度分布を広くすると、導電性粒子の含有率を高くすることができ、なおかつ導電パスが形成される閾値が高くなることから、絶縁性を保ったまま導電性粒子の含有率を高くすることができ、誘電率の高い誘電体材料が得られることが分かった。
以上により、この誘電率の高い誘電体材料を用いてクーロン力型の静電チャック装置の基体を作製すれば、静電チャック装置の絶縁破壊を電気抵抗または電流値を測定することで予測出来ることがわかり、本発明を創出するに至ったものである。
また、アルミニウム(Al)含有量が少ない絶縁性セラミックスを使用したい場合や耐食性をさらに高めたい場合には、酸化イットリウム(Y2O3)、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG:3Y2O3・5Al2O3)等を用いることもできる。
その理由は、平均粒子径が1μmを越える酸化アルミニウム粉体を用いて得られた炭化珪素−酸化アルミニウム複合焼結体においては、複合焼結体中の酸化アルミニウム粒子の平均粒子径が2μmを越えることとなり、この炭化珪素−酸化アルミニウム複合焼結体を用いて静電チャック装置の基材を作製すると、この基材の板状試料を載置する側の上面がプラズマによりエッチングされ易くなり、よって、この基材の上面にスパッタ痕が形成されることとなり、シリコンウエハ等の被吸着物を汚染させる原因となる虞があるからである。
この酸化アルミニウム(Al2O3)の原料粉体は、平均粒子径が1μm以下のもので高純度のものであればよく、特段限定されない。
これらのなかでも導電性炭化珪素(SiC)粒子は、これを酸化アルミニウム(Al2O3)粒子と複合化した場合、得られる複合焼結体は、電気的特性の温度依存性が小さく、ハロゲンガスに対する耐蝕性に優れ、耐熱性、耐熱衝撃性に富み、かつ高温下の使用においても熱応力による損傷の危険性が小さいので、好ましい。
この導電性炭化珪素(SiC)粒子としては、プラズマCVD法、前駆体法、熱炭素還元法、レーザー熱分解法等の各種の方法により得られた炭化珪素粉体を用いることができる。特に、本実施形態の誘電体材料を半導体プロセスにて用いる場合、半導体プロセスでの悪影響を防ぐために、純度の高いものを用いることが好ましい。
また、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90の累積体積百分率が50体積%の粒子径D50に対する比(D90/D50)が1.4以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。
誘電体材料中の導電性粒子の大きさは、大きい導電性粒子が多すぎると、静電チャック装置1の誘電体板2としたときの耐プラズマ性の悪化やパーティクルの増加が生じる虞がある。よって、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90は、2μm以下(2μm以上の導電性粒子は10%以下)であることが好ましく、1μm以下(1μm以上の導電性粒子は10%以下)であることがより好ましい。
さらに、絶縁破壊の分岐を微細にして導電パスの分岐を増やすには、0.04μm以下の粒子が0.001%以上含まれることが好ましく、1%以上10%以下含まれることがより好ましい。
また、効率よく粒度分布を広くした効果を出すためには、粒度分布をグラフ化した際に滑らかな曲線となっていることが好ましい。
ところで、0.04μm以下の粒子は、製造過程における粉砕により得ることが難しいので、誘電体材料中に含まれる導電性粒子に0.04μm以下の粒子が0.001%以上含まれる様にするためには、0.04μm以下の粒径のものが1%以上含まれるもの(累積体積百分率が1体積%の粒子径D1が0.04μm以下)を使用することが好ましい。
さらにまた、数種類の導電性粒子を混合して使用する場合には、各の種類の導電性粒子の合計が上記の条件を満たすことが好ましい。
ここで、導電性粒子の含有率を上記の範囲とした理由は、導電性粒子の含有率が4質量%未満では、導電性粒子の量が絶縁性材料に対して少なすぎてしまい、良好な導電性が得られなくなるからであること、および誘電体材料中に含まれる導電性粒子間の距離が離れすぎてしまうために絶縁破壊が進行する特性が得難くなるからである。一方、導電性粒子の含有率が20質量%を超えると、導電性粒子の量が絶縁性材料に対して多すぎてしまい、導電性粒子が凝集や焼結により大きくなり2μm以上の粒子が多くなり易くなること、および良好な誘電体特性は得られるが静電チャック装置1の誘電体板2として使用するために必要な耐電圧特性が得難くなるからである。
例えば、絶縁性材料として絶縁性セラミックスを使用した場合、導電性粒子の多くは焼結段階で絶縁性セラミックスの結晶粒子の粒界に偏在することとなり、絶縁性樹脂中に分散した場合と比べて導電パスが形成される閾値が小さくなる。
これは、導電性粒子に対して絶縁性セラミックスの結晶粒子の大きさが大きいほど、また、絶縁性セラミックスの結晶粒内に取り込まれる導電性粒子が少なくなるほど、顕著になるからである。
よって、導電性粒子の含有率は、例えば、耐電圧が静電チャックの仕様を満たす様にするためには、上記の閾値より0.05〜8体積%程度小さい値にすることが好ましく、1〜5体積%程度小さい値にすることがより好ましい。
ここで、上面2aの表面粗さRaを0.002μmより大とした理由は、表面粗さRaが0.002μm以下であると、この上面2aにおける熱伝達効果が不十分なものとなるので、好ましくないからである。
一方、この静電チャック装置1のパーティクルの発生に対する不具合を無くすためには、誘電体板2のウエハWを載置する上面2aは鏡面研磨されていることが好ましく、この上面2aの表面粗さRaは0.5μm以下であることが好ましく、0.15μm以下であることがより好ましい。
また、この誘電体板2の上面2a、すなわちウエハWの吸着面とウエハWとの間にHeガス、N2ガス等の熱媒体を循環させる流路を形成することとしてもよい。
ここで、誘電体板2の耐電圧を5kV/mm以上とした理由は、耐電圧が5kV/mm未満であると、静電チャック装置として使用する場合に吸着させるための電圧を5kV/mm以上に上げることができず、十分な吸着力が得られないからである。
このように、誘電体板2の上面2aを凹凸面とした場合においても、この凹凸面を形成する前の特性が絶縁破壊を事前に予測することのできる特徴が得られていれば、凹凸面を形成した後においても絶縁破壊を事前に予測することができる。
この静電吸着用電極3を構成する材料としては、非磁性材料である金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)等の金属、チタン、タングステン、モリブデン、白金等の高融点金属、グラファイト、カーボン等の炭素材料、炭化ケイ素(SiC)、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、炭化タングステン(WC)等の導電性セラミックス、TiC−Ni系、TiC−Co系、B4C−Fe系等のサーメット等が好適に用いられる。これらの材料の熱膨張係数は、誘電体板2の熱膨張係数に出来るだけ近似していることが望ましい。
このような厚みの静電吸着用電極3は、スパッタ法や蒸着法等の成膜法、あるいはスクリーン印刷法等の塗工法により容易に形成することができる。
その理由は、熱圧着式の有機系接着剤シートまたはフィルムは、静電吸着用電極3上に重ね合わせて、真空引きした後、熱圧着することにより、静電吸着用電極3との間に気泡等が生じ難く、したがって、剥がれ難くなり、静電チャック部4の吸着特性や耐電圧特性を良好に保持することができるからである。
厚みが5μm以上かつ100μm以下であれば、この有機系接着剤層5と静電吸着用電極3の下面との間の接着強度が向上し、さらに、この有機系接着剤層5の厚みがより均一になり、その結果、誘電体板2とベース部8との間の熱伝導率が均一になり、載置されたウエハWの冷却特性が均一化され、このウエハWの面内温度が均一化される。
このように、絶縁層6を誘電体板2より内側に設けることで、この絶縁層6の酸素系プラズマに対する耐プラズマ性、腐食性ガスに対する耐腐食性が向上し、パーティクル等の発生も抑制される。
この絶縁層6の厚みが40μmを下回ると、静電吸着用電極3に対する絶縁性が低下し、静電吸着力も弱くなり、ウエハWを載置面に良好に固定することができなくなるからであり、一方、厚みが200μmを超えると、静電チャック部4とベース部8との間の熱伝導性を十分確保することができなくなり、冷却効率が低下するからである。
ここで、熱硬化温度が70℃を下回ると、静電チャック部4及び絶縁層6とベース部8とを接合する際に、接合過程の途中で硬化が始まってしまい、接合作業に支障を来す虞があるので好ましくなく、一方、熱硬化温度が140℃を超えると、静電チャック部4及び絶縁層6とベース部8との熱膨張差を吸収することができず、セラミック板状体2の載置面における平坦度が低下するのみならず、静電チャック部4及び絶縁層6とベース部8との間の接合力が低下し、これらの間で剥離が生じる虞があるので好ましくない。
ここで、有機系接着剤層7の熱伝導率を0.25W/mk以上と限定した理由は、熱伝導率が0.25W/mk未満では、ベース部8からの冷却効率が低下し、静電チャック部4の上面2aに載置されるウエハWを効率的に冷却することができなくなるからである。
この有機系接着剤層7の厚みが50μmを下回ると、この有機系接着剤層7が薄くなりすぎてしまい、その結果、接着強度を十分確保することができなくなり、絶縁層6及び静電チャック部4とベース部8との間で剥離等が生じる虞があり、一方、厚みが500μmを超えると、絶縁層6及び静電チャック部4とベース部8との間の熱伝導性を十分確保することができなくなり、冷却効率が低下するからである。
この表面被覆窒化アルミニウム(AlN)粒子は、シリコーン樹脂の熱伝導性を改善するために混入されたもので、その混入率を調整することにより、有機系接着剤層7の熱伝達率を制御することができる。
このベース部8では、少なくともプラズマに曝される面にアルマイト処理または絶縁膜の成膜が施されていることにより、耐プラズマ性が向上する他、異常放電が防止され、したがって、耐プラズマ安定性が向上したものとなる。また、表面に傷が付き難くなるので、傷の発生を防止することができる。
ここでは、まず、静電チャック装置1の主要部である誘電体板2の製造方法について説明する。
この誘電体板2は、絶縁性材料の原料粉体と導電性粒子の原料粉体と分散媒とを混合してスラリーとし、このスラリーを噴霧乾燥して顆粒とし、この顆粒を1MPa以上かつ100MPa以下の加圧下にて焼成することにより、作製することができる。
次に、この製造方法について詳細に説明する。
このスラリーに用いられる分散媒としては、水および有機溶媒が使用可能である。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール等の一価アルコール類およびその変性体;α−テルピネオール等の単環式モノテルペンに属するアルコール類;ブチルカルビトール等のカルビトール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が好適に用いられ、これらの溶媒のうち1種または2種以上を用いることができる。
分散剤やバインダーとしては、例えば、ポリカルボン酸アンモニウム塩等のポリカルボン酸塩、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の有機高分子等が用いられる。
分散処理としては、特に限定されないが、超音波ホモジナイザー、ビーズミル、超高圧粉砕機等の分散機を用いて分散処理がなされる。
なお、絶縁性粒子の原料粉体と導電性粒子の原料粉体を均一に混合していないと、複合化して得られる誘電体材料中の導電性粒子の分布も不均一となり、電気的特性の再現性およびその焼結体内での均一性が悪化する虞があるので、分散媒や分散剤、分散処理条件を選定して均一に混合することが好ましい。
ここでは、スラリーを加熱された気流中に噴霧し乾燥することにより、スラリー中の絶縁性材料と導電性粒子とが均一に分散された状態で、分散媒のみが飛散し、絶縁性材料中に導電性粒子が均一に分散した造粒粉が得られる。
ここで、焼成雰囲気としては、導電性粒子として導電性炭化珪素(SiC)粒子、モリブデン(Mo)粒子、タングステン(W)粒子、タンタル(Ta)粒子等を用いた場合、これらの酸化を防止する必要があることから、非酸化性雰囲気、例えば、アルゴン(Ar)雰囲気、窒素(N2)雰囲気等が好ましい。
造粒粉を1500℃以上かつ1900℃以下にて焼成することが好ましい理由は、焼成温度が1500℃未満では、焼結が不十分なものとなり、緻密な複合焼結体が得られなくなる虞があるからであり、一方、焼成温度が1900℃を超えると、焼結が進みすぎて異常粒成長等が生じる等の虞があり、その結果、緻密な複合焼結体が得られなくなる虞があるからである。
また、焼成時間は、緻密な焼結体が得られるのに十分な時間であればよく、例えば1〜6時間である。
スラリー製造段階で制御する方法としては、導電性粒子の原料に粒度分布の広いものを用いる方法、異なる粒子径の原料を混合して用いる方法、絶縁性材料の原料と導電性粒子の原料を混合する際に導電性粒子の凝集状態を制御する方法、あるいはこれらを組み合わせた方法等が適宜用いられる。
焼成条件により制御する方法としては、成形条件や焼成における圧力、雰囲気、焼成温度等が挙げられる。
次いで、シート状またはフィルム状の有機系接着剤とシート状またはフィルム状の絶縁材を用意し、これらをラミネート装置を用いて貼り合わせて仮接着し、シート状またはフィルム状の有機系接着剤付き絶縁材とする。
次いで、この型抜きした有機系接着剤付き絶縁材を、静電チャック部4の静電吸着用電極3に貼り付け、真空熱プレス機等の熱圧着装置を用いて、大気圧下、あるいは1Pa以下の減圧下にて、加温と同時に加圧(熱圧着)し、静電チャック部4の静電吸着用電極3上に有機系接着剤層5及び絶縁層6を熱圧着する。
次いで、この塗布面に静電チャック部4上の絶縁層6を載置し、この状態でシリコーン系樹脂組成物を加熱し、硬化させる。これにより、このシリコーン樹脂組成物の硬化体が有機系接着剤層7となる。
以上により、本実施形態の静電チャック装置1を得ることができる。
[誘電体材料の特性]
本実施形態の静電チャック装置1の主要部である誘電体板2を構成する誘電体材料、すなわち複合焼結体における耐電圧特性、誘電率等の電気的特性は、絶縁性材料中に分散している導電性粒子の分散状態、絶縁性材料の粒子の大きさ、絶縁性材料中の導電性粒子の割合、絶縁性材料の粒子の粒径分布等、様々な要因により変化し、導電性粒子の粒度分布と電気的特性との関係を一義的に決めることは難しい。
そこで、絶縁性材料中の導電性粒子の粒度分布を各種の粒度分布を変化させる方法により粒度分布を変えた複合焼結体を作製し、電気的特性の評価結果から実験的に最適値を求める方法が用いられる。
また、導電性粒子の最適な種類及び粒子径、絶縁性材料中の導電性粒子の最適な割合が求められ、これと同一の特性の複合焼結体を試験生産あるいは量産する場合には、導電性粒子自体の製造条件を最適な粒度分布が得られる様に変更することで、1種類の導電性粒子及び絶縁性材料を用いても、複合焼結体の電気的特性を最適な値にすることができる。
(1)耐電圧特性
誘電体板2の耐電圧特性の測定は、誘電体板2の上面2aに測定用電極を形成または載置し、この測定用電極と静電吸着用電極3との間に印加する直流電圧を徐々に上げながら、この誘電体板2に流れる電流を測定することで行う。
この誘電体板2の耐電圧、すなわち絶縁破壊により電圧印加による電流値が上昇して電流値が1nA/cm2以上となる電圧は、この誘電体板2の使用電圧や耐電圧の仕様よりも高い値であることが必要であることから、5k/Vmm以上であることが好ましく、8kV/mm以上であることがより好ましく、10kV/mm以上であることがさらに好ましい。
この誘電体板2の絶縁破壊特性は、上記の耐電圧測定を行った後、誘電体板2の電極上、例えば、10cm2以上の面積のシリコンウェハを測定端子とし、上記の耐電圧測定の後、耐電圧測定に用いた電極よりも小さい測定用電極、例えば5mm角に切断したシリコンチップを使用して再度同じ電圧を印加して電流値を測定する方法が挙げられる。
一方、本実施形態の誘電体板2では、この誘電体板2に絶縁破壊が進行した場合でも電流値は徐々に増加するので、この電流値が徐々に増加する特性を用いて、この誘電体板2の絶縁破壊の兆候を検出することができる。また、絶縁破壊は不可逆的な現象であるから、過去の使用時において絶縁破壊が進行していた場合においても、再度電圧を印加して測定を行い、絶縁破壊が起こる前に測定した結果と比較して電流値が増加していることを確認することで、絶縁破壊の兆候を検出することができる。
ここで、絶縁破壊による電流値の上昇に要する時間の測定を開始する電流値を1nA/cm2としたのは、1nA/cm2以下であると、測定系のノイズ等との判別が困難になるからである。
また、絶縁破壊による電流値の上昇に要する時間の測定を終了する電流値を100nA/cm2としたのは、100nA/cm2以上であると静電チャック装置としてシリコンウェハを吸着させるためにシリコンウェハ全体に電圧を印加した場合、流れる電流値の総量が大きくなりすぎる虞があるからである。
また、絶縁破壊は不可逆的な現象であるから、過去の使用時において耐電圧特性が劣化していた場合においても、この誘電体板2を使用する前に、使用電圧以上であり誘電体板2の耐電圧値以下の電圧を印加して電流値を測定することで、誘電体板2の絶縁破壊の兆候を知ることができる。
誘電体板2の絶縁性材料中に分散している導電物粒子の粒径分布を広くすることで、導電物粒子のつながりのフラクタル性および絶縁破壊形状のフラクタル性を高くすることができる。
ここで、絶縁破壊のフラクタル性とは、誘電体板2に絶縁破壊で生じる導電パスの分岐の多さの程度をいい、導電パスの分岐が多い場合をフラクタル性が高いという。
この誘電体板2に絶縁破壊の箇所がピンホール状に形成されている場合には、ピンホールが1点または複数の点に形成されていることから、測定箇所により電流値に1000倍以上の差が生じる。
電流のばらつきを評価する方法としては、誘電体板2の上面2aに測定用端子、例えば5mm角に切断したシリコンチップを載置し、この上面2aの複数箇所における電流値の分布を測定した際のばらつき、すなわち電流値の最大値(Amax)と最小値(Amin)との比(Amax/Amin)が所定の値未満の場合に「フラクタル性有り」と判断し、所定の値以上の場合に「フラクタル性無し」と判断する方法が採られる。
一方、絶縁破壊の箇所がピンホール状に形成されていない場合には、比(Amax/Amin)の差は小さくなる。
これにより、誘電体板2が絶縁破壊した際に、電流集中によりデバイスが破損されないためには、誘電体板2の上面2aに5mm角に切断したシリコンチップを載置して電流値の分布を測定した際のばらつき、すなわち電流値の最大値(Amax)と最小値(Amin)との比(Amax/Amin)が1000倍以下となっていることが好ましく、すべての測定点で同時に絶縁破壊により電流値が上昇していることがより好ましい。
導電パスの数を計測する方法としては、針状の電極を走査して測定する方法の他、AFM原子間力顕微鏡を利用する方法、電気分解とヨウ素でんぷん反応等の化学反応を利用して通電箇所を検出する方法、SEM(走査型電子顕微鏡)観察におけるチャージコントラストを利用して判断する方法等も利用することができる。
誘電体板2の誘電率は、この誘電体板2を静電チャック装置1の基体として使用する場合には、静電チャック装置1の吸着力を高くするために高い方がよく、11以上であることが好ましく、13以上であることがより好ましく、15以上であることがさらに好ましい。
誘電率が高い誘電体板2では、耐電圧が低くなる場合があるので、必要な特性に応じて適宜調整することが好ましい。
しかも、静電吸着用電極3の下面及び側面を覆うようにシート状またはフィルム状の有機系接着剤層12を形成し、この有機系接着剤層12の下面及び側面を覆うようにシート状またはフィルム状の絶縁層13を接着したので、静電吸着用電極3の耐電圧を向上させることができる。
このような絶縁性セラミックスとしては、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si3N4)、ムライト(3Al2O3・2SiO2)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化スカンジウム(Sc2O3)、酸化ネオジム(Nd2O3)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化サマリウム(Sm2O3)、酸化イッテルビウム(Yb2O3)、酸化エルビウム(Er2O3)、酸化セリウム(CeO2)の群から選択された1種のみからなる酸化物、または2種以上を混合してなる複合酸化物が好ましい。
ここでは、静電吸着用電極3を支持板22及び誘電体板2にて狭持して一体化したが、静電吸着用電極3の周縁部に環状の絶縁材料を設け、これら静電吸着用電極3及び環状の絶縁材料を支持板22及び誘電体板2にて狭持して一体化した構成としてもよい。
平均粒子径0.05μmの炭化ケイ素(SiC)粉体と、平均粒子径0.5μmの炭化ケイ素(SiC)粉体と、平均粒子径1.0μmの炭化ケイ素(SiC)粉体とを、質量比で50:45:5の割合で混合してSiC混合粉体を得た。
次いで、このSiC混合粉体が8体積%、平均粒子径0.1μmの酸化アルミニウム(Al2O3)粉体が92体積%となるように秤量し、これらSiC混合粉体及びAl2O3粉体を純水に投入し、超音波分散機にて5時間分散処理した後、遊星式ボールミルにてさらに4時間分散処理し、分散液を得た。
次いで、このAl2O3−SiC複合粉体を、ホットプレスを用いて、アルゴン(Ar)雰囲気下、1650℃、圧力25MPaにて2時間焼成を行い、Al2O3−SiC複合焼結体を作製した。
この複合焼結体を直径100mm、厚み1.0mmの円盤状に加工し、実施例1のAl2O3−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
SiC混合粉体を11体積%、Al2O3粉体を89体積%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のAl2O3−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
SiC混合粉体を9体積%、Al2O3粉体を91体積%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3のAl2O3−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
平均粒子径0.05μmのSiC粉体を9体積%、平均粒子径0.1μmのAl2O3粉体を91体積%とし、さらに、焼成温度を1800℃、圧力を40MPaとし、超音波分散機での分散処理の後に遊星式ボールミルでの分散処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、実施例4のAl2O3−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
平均粒子径0.03μmのSiC粉体と、平均粒子径0.05μmのSiC粉体と、平均粒子径0.1μmのSiC粉体とを、質量比で1:1:1の割合で混合してSiC混合粉体を得た。
次いで、このSiC混合粉体が10体積%、平均粒子径0.1μmの酸化アルミニウム(Al2O3)粉体が90体積%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例5のAl2O3−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
SiC混合粉体を5体積%、Al2O3粉体を95体積%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例6のAl2O3−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
SiC混合粉体を12体積%、Al2O3粉体を88体積%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例7のAl2O3−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
実施例1と同様にしてSiC混合粉体を得た。
次いで、このSiC混合粉体が10体積%、平均粒子径0.1μmの酸化イットリウム(Y2O3)粉体が90体積%となるように秤量し、これらSiC混合粉体及びY2O3粉体を、テフロン(登録商標)(ポリ4フッ化エチレン)ボール及びポリエチレンポットを用いたボールミル中のイオン交換水に投入し、48時間分散処理して、分散液を得た。
次いで、このY2O3−SiC複合粉体を、ホットプレスを用いて、アルゴン(Ar)雰囲気下、1600℃、圧力40MPaにて1時間焼成を行い、Y2O3−SiC複合焼結体を作製した。
この複合焼結体を直径100mm、厚み1.0mmの円盤状に加工し、実施例8のY2O3−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
実施例1と同様にしてSiC混合粉体を得た。
次いで、このSiC混合粉体が9体積%、平均粒子径0.2μmの窒化ケイ素(Si3N4)粉体が85体積%、焼結助剤として平均粒子径0.05μmの酸化イットリウム(Y2O3)粉体が6体積%となるように秤量し、これらSiC混合粉体、Si3N4粉体及びY2O3粉体を、テフロン(登録商標)(ポリ4フッ化エチレン)ボール及びポリエチレンポットを用いたボールミル中のエタノールに投入し、48時間分散処理して、分散液を得た。
次いで、このSi3N4−SiC複合粉体を、ホットプレスを用いて、窒素(N2)雰囲気下、1800℃、圧力35MPaにて2時間焼成を行い、Si3N4−SiC複合焼結体を作製した。
この複合焼結体を直径100mm、厚み1.0mmの円盤状に加工し、実施例9のSi3N4−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
市販の純度99.9%のAl2O3焼結体を、直径100mm、厚み1.0mmの円盤状に加工し、比較例1のAl2O3焼結体からなる誘電体板を作製した。
SiC混合粉体の替わりに、平均粒子径0.3μmの炭化ケイ素(SiC)粉体のみを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2のAl2O3−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
平均粒子径0.05μmのSiC粉体を9体積%、平均粒子径0.1μmのAl2O3粉体を91体積%とし、実施例1と同様にして、比較例3のAl2O3−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
SiC混合粉体を1体積%、Al2O3粉体を99体積%とした以外は、実施例1と同様にして、比較例4のAl2O3−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
SiC混合粉体を13体積%、Al2O3粉体を87体積%とした以外は、実施例1と同様にして、比較例5のAl2O3−SiC複合焼結体からなる誘電体板を作製した。
平均粒子径0.1μmの酸化イットリウム(Y2O3)粉体を、ホットプレスを用いて、アルゴン(Ar)雰囲気下、1600℃、圧力40MPaにて1時間焼成を行い、Y2O3焼結体を作製した。
この焼結体を直径100mm、厚み1.0mmの円盤状に加工し、比較例6のY2O3焼結体からなる誘電体板を作製した。
平均粒子径0.2μmの窒化ケイ素(Si3N4)粉体が93体積%、焼結助剤として平均粒子径0.05μmの酸化イットリウム(Y2O3)粉体が7体積%となるように秤量し、これらSi3N4粉体及びY2O3粉体を、テフロン(登録商標)(ポリ4フッ化エチレン)ボール及びポリエチレンポットを用いたボールミル中のエタノールに投入し、48時間分散処理して、分散液を得た。
次いで、このSi3N4粉体を、ホットプレスを用いて、窒素(N2)雰囲気下、1800℃、圧力35MPaにて2時間焼成を行い、Si3N4焼結体を作製した。
この焼結体を直径100mm、厚み1.0mmの円盤状に加工し、比較例7のSi3N4焼結体からなる誘電体板を作製した。
(1)粒子径及び粒度分布
実施例1〜9及び比較例2〜5各々の誘電体板中のSiC粒子の粒子径及び粒度分布をSEM観察法により測定し、この測定結果を画像解析することにより、円の面積に相当する粒子径を算出した。
ここでは、SiC粒子の粒子径D10、D50、D90、比(D90/D50)及び比(D90/D10)を求めた。
測定結果を表1に示す。
ここでは、500個の導電性粒子それぞれの粒子径を測定し、0.04μm以下の導電性微粒子が0.001%以上かつ5%以下含まれている場合を導電性微粒子が有ると判断して「○」とし、この導電性微粒子が0.001%以上かつ5%以下含まれていない場合を導電性微粒子が無いと判断して「×」とした。
実施例1〜9及び比較例1〜7各々の誘電体板を35mm角のシリコンウェハにて電極間の沿面放電が生じない様に挟み、10kV/mmまでは1kV/mm毎に、10kV/mm以上では0.5kV/mm毎に、所定の測定電圧まで電圧を上げ、この所定の測定電圧を印加した1分間保持後の電流値を測定した。
ここでは、1分保持後の電流値が1nA/cm2以下の場合には、さらに1kV/mmまたは0.5kV/mm電圧を上げて測定を続けた。
また、電流値が1nA/cm2以上の場合で、1分経過後の電流計の値が下がっていく場合には、1nA/cm2に下がるまで保持してから電圧を上げて測定を続けた。
電流値が上昇している場合で電流値が100nA/cm2以下の場合には、電圧の保持を開始した時間から100nA/cm2に到達するまでの時間を絶縁破壊時間とした。
また、保持後1分以上経過しても100nA/cm2を超えない場合には、保持した電圧を耐電圧値とし、絶縁破壊時間を60秒以上とした。
測定結果を表2に示す。
耐電圧特性の測定箇所に12mm角のシリコンチップを電極として載置し、この電極を用いて誘電体板の電流値の分布を測定し、絶縁破壊のフラクタル性の評価を行った。
ここでは、印加する電圧は、耐電圧値の値を上限とし100nA/cm2以上となっていることが確認できた時点で、その測定点の測定を終了した。この動作を繰り返し行い、絶縁破壊試験を行った場所から9点の電流値を測定した。
また、電流値の最大値と最小値の比(Amax/Amin)が1000より大きい場合には、絶縁破壊がピンホール状に生じていることを確認するために、詳細な電流値の分布を測定した。そこで、12mm角のシリコンチップを2mm間隔で移動させながら測定し、100nA/cm2以上の電流値となる領域の面積を求め、この面積が4mm2以下の点状である場合には絶縁破壊がピンホール状に生じているのでフラクタル性が無いと判断し、評価結果を「×」とした。なお、絶縁破壊が生じている場所が破損などにより目視で確認できる場合であってもフラクタル性が無いと判断されるので、この場合も評価結果を「×」とし、それ以外の場合で絶縁破壊がピンホール状に生じていないが絶縁破壊により生じた電流のばらつきが大きい場合は「△」とした。
測定結果を表2に示す。
絶縁破壊のフラクタル性の評価を行った際に、絶縁破壊により生じた導電パスの分岐数(導電パス数)が十分に生じているかを判断するために、測定した9点の内、最も電流値が大きかった測定点の10mm角の範囲について、針状の測定用プローブを走査して導電パスが形成されている箇所の数(導電パス数)を算出した。
ここでは、1mm角の範囲内に導電パスが多数ある場合には、導電パスの数を100箇所以上と見なし、「>100」と表記した。
測定結果を表2に示す。
実施例1〜9及び比較例1〜7各々の誘電体板の1kHzにおける誘電率を、誘電体測定システム 126096W(東陽テクニカ社製)を用いて測定した。
測定結果を表2に示す。
2 誘電体板(基体)
2a 上面(一主面)
2b 下面(他の主面)
3 静電吸着用電極
4 静電チャック部
5 (第1の)有機系接着剤層
6 絶縁層
7 (第2の)有機系接着剤層
8 ベース部(基台)
11 静電チャック装置
12 (第1の)有機系接着剤層
13 絶縁層
21 静電チャック装置
22 支持板
W ウエハ(板状試料)
Claims (6)
- 一主面を板状試料を載置する載置面とする基体と、該基体の内部または他の一主面側に設けられた静電吸着用電極とを備えてなる静電チャック装置であって、
前記基体の載置面に測定用電極を形成または載置し、この測定用電極と前記静電吸着用電極との間に電流値が1nA/cm2となる直流電圧を印加した時刻から、前記直流電圧を保持した場合に前記測定用電極と前記静電吸着用電極との間に流れる電流が100nA/cm2に達するまでの時間が1秒以上であることを特徴とする静電チャック装置。 - 前記電流が100nA/cm2に達した後、前記基体の前記載置面に生じる導電パスが1cm2あたり10箇所以上であることを特徴とする請求項1記載の静電チャック装置。
- 前記測定用電極と前記静電吸着用電極との間に流れる電流の前記測定用電極における面内の電流分布の最大値の最小値に対する比は1000以下であることを特徴とする請求項1または2記載の静電チャック装置。
- 前記基体の耐電圧は、5kV/mm以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の静電チャック装置。
- 前記基体は、絶縁性材料中に導電性粒子を分散してなる誘電体材料からなり、
前記導電性粒子は、その体積粒度分布における累積体積百分率が10体積%の粒子径D10は0.2μm以下、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90は2μm以下であり、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90の累積体積百分率が10体積%の粒子径D10に対する比(D90/D10)は3.0以上であり、累積体積百分率が90体積%の粒子径D90の累積体積百分率が50体積%の粒子径D50に対する比(D90/D50)は1.5以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の静電チャック装置。 - 前記誘電体材料における前記導電性粒子の含有率は、4質量%以上かつ20質量%以下であることを特徴とする請求項5記載の静電チャック装置。
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