JP2015018921A - 内燃機関用点火コイルのイグナイタ接合構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】イグナイタ接合構造1は、点火コイル6において、イグナイタ2から引き出された複数のイグナイタ端子3と、点火コイル1を外部と接続するためのコネクタ部4に設けられた複数のコネクタ端子5とを、複数のイグナイタ端子3の並び方向Aに対する直交方向Bにおいて接合するものである。複数のイグナイタ端子3は、板形状の導体層301と導体層301の両表面34に設けられためっき層302とを有する板金30から切り抜かれ、この切り抜かれた部位に生ずる破断面303が、並び方向Aに位置する状態から、直交方向Bに位置するよう90°向きを変えられて変形されている。複数のイグナイタ端子3は、破断面303を介して複数のコネクタ端子5に接合されている。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1の点火コイルにおいては、コネクタ部にインサート成形された導体ピン(コネクタ端子)と、イグナイタから引き出された導体ピン(イグナイタ端子)とが、抵抗溶接、はんだ付け等を行って接合されている。
これらの端子間の接合には、はんだ付けや抵抗溶接が用いられている。抵抗溶接は、はんだ付けよりも接合周囲への熱影響が少なく、小型化、生産性に優れることより、多用されるようになった。はんだ付けの場合には、端子の導体層を溶かすことなく接合ができるため、生産性が悪化することはなかった。一方、抵抗溶接の場合には、めっき層と導体層の融点の違いが、生産性に影響することが多くなった。
上記複数のイグナイタ端子は、板形状の導体層の両表面にめっき層が形成された板金から切り抜かれ、該切り抜かれた部位に生ずる破断面が、上記直交方向に位置するよう向きを変えられて変形されており、
上記各イグナイタ端子は、上記破断面によって上記各コネクタ端子に接合されていることを特徴とする内燃機関用点火コイルのイグナイタ接合構造にある。
板金から複数のイグナイタ端子を切り抜いたときには、各イグナイタ端子における破断面は、複数のイグナイタ端子が並ぶ方向に位置する側面に形成される。そして、この各イグナイタ端子を向きを変えるよう変形させて、その破断面を、各コネクタ端子との接合を行う方向である、複数のイグナイタ端子が並ぶ方向に対する直交方向に位置させる。こうして、各イグナイタ端子の側面における破断面と各コネクタ端子とを対向させることができる。そして、この対向部分に抵抗溶接等を行って、各イグナイタ端子と各コネクタ端子とを接合する。この接合を行う際には、破断面には導体層が露出していることより、めっき層を除去する加工を行う必要がない。
上記内燃機関用点火コイルのイグナイタ接合構造において、上記破断面は、切断、打抜等によって形成される面であり、せん断面又は切断面ということもできる。
また、上記各イグナイタ端子は、上記板金から切り抜かれた後に捻られており、上記破断面によって形成された側面が、上記直交方向に位置して、上記各コネクタ端子と接合されていてもよい。
この場合には、複数のイグナイタ端子の成形が容易であり、各イグナイタ端子の破断面が各コネクタ端子と対向する状態を容易に形成することができる。
この場合には、各イグナイタ端子を厚みの方向に折り曲げることにより、この折り曲げに要する動力を低減することができる。また、各イグナイタ端子の先端側部分同士の間に形成する作業用スペースを大きくすることができる。
(実施例1)
本例のイグナイタ接合構造1は、図1、図2に示すごとく、点火コイル6において、スイッチング素子211を内包するイグナイタ2から引き出された複数のイグナイタ端子3と、点火コイル1を外部と接続するためのコネクタ部4に設けられた複数のコネクタ端子5(接続端子5)とを、複数のイグナイタ端子3の並び方向Aに対する直交方向Bにおいて接合するものである。
複数のイグナイタ端子3は、図3〜図5に示すごとく、板形状の導体層301と導体層301の両表面34に設けられためっき層302とを有する板金30から切り抜かれ、この切り抜かれた部位に生ずる破断面303が、並び方向Aに位置する状態から、直交方向Bに位置するよう90°向きを変えられて変形されている。複数のイグナイタ端子3は、図1に示すごとく、破断面303を介して複数のコネクタ端子5に接合されている。図1においては、破断面303をハッチングによって示す。
図2に示すごとく、点火コイル6は、樹脂製のケース60内に、一次電圧を印加する一次コイル61と、誘導起電力を発生させる二次コイル62とを配置して構成されている。一次コイル61及び二次コイル62に対する内周側には、磁性体からなる中心コア63が配置されており、一次コイル61及び二次コイル62に対する外周側には、磁性体からなる外周コア64が配置されている。
一次コイル61は、イグナイタ2のスイッチング素子211によって一次電圧を印加するコイルであり、中心コア63の外周に巻回されている。二次コイル62は、一次コイル61への一次電圧の印加を遮断したときに誘導起電力を発生させるコイルであり、樹脂製の2次ボビン621に巻回されている。一次コイル61と二次コイル62とは、同軸状に内外周に重ねて配置されている。また、ケース60内の隙間は、絶縁性を有する熱硬化性樹脂65によって埋められている。
イグナイタ端子3及びコネクタ端子5には、一次コイル61への通電が行われる端子、電源と接続される端子、グラウンドと接続される端子、信号線が接続される端子等がある。図1、図3に示すごとく、複数のイグナイタ端子3は、イグナイタ2における並び方向A(一方向)に整列して配置されている。複数のイグナイタ端子3は、1枚の板金30からプレス加工によって打ち抜かれて形成されている。なお、複数のイグナイタ端子3は、種々の刃物によって1枚の板金30から切断されて形成されていてもよい。
また、イグナイタ端子3の導体層301は、銅材料からなり、めっき層302は、電気Niめっき材料からなる。
図1、図3に示すごとく、複数のイグナイタ端子3を形成する1枚の板金30の厚み方向Tは、イグナイタ2の板厚方向tと一致している。コネクタ部4における複数のコネクタ端子5は、イグナイタ2の板厚方向tから複数のイグナイタ端子3に対向して配置される。
そのため、幅方向W’における中心位置のずれが生じたときには、絶縁距離X’が小さくなるため、イグナイタとコネクタ部との組付精度を厳しくする必要がある。
また、各コネクタ端子5は、長方形の断面を有する棒形状に形成されている。各コネクタ端子5については、各コネクタ端子5同士が並ぶ方向を幅方向W’といい、この幅方向W’に直交する方向を厚み方向T’という。各コネクタ端子5は、長方形の長辺部によって幅方向W’が形成され、長方形の短辺部によって厚み方向T’が形成される。
本例においては、各イグナイタ端子3の並び方向Aにおいて、各コネクタ端子5と各イグナイタ端子3との間に、幅方向W’における中心位置のずれが生じたときでも、各コネクタ端子5に対して各イグナイタ端子3を安定して対向させることができる。そして、コネクタ端子5に対して、このコネクタ端子5と対向するイグナイタ端子3に隣接するイグナイタ端子3が接近しにくくすることができる。同図において、コネクタ端子5と隣接するイグナイタ端子3との絶縁距離を符号Xによって示す。
そのため、中心位置のずれが生じたときでも、絶縁距離Xを適切に確保することができ、イグナイタ2とコネクタ部4との組付精度を緩和することができる。
図3、図4に示すごとく、両表面34にめっき層302を有する板金30から複数のイグナイタ端子3を打ち抜いたときには、各イグナイタ端子3における破断面303は、複数のイグナイタ端子3が並ぶ方向(並び方向A)に位置する一対の側面33に形成される。そして、図5に示すごとく、この各イグナイタ端子3の先端側部分32を90°捻るように成形して、一対の側面33における破断面303を、各コネクタ端子5との接合を行う方向である、並び方向Aに対する直交方向Bに位置させる。こうして、図1に示すごとく、各イグナイタ端子3の側面33における破断面303と各コネクタ端子5とを対向させる。そして、この対向部分に抵抗溶接等を行って、各イグナイタ端子3と各コネクタ端子5とを接合することができる。これにより、この接合を行う際には、破断面303には導体層301が露出していることより、めっき層302を除去する加工を行う必要がない。
本例は、複数のイグナイタ端子3の形状が上記実施例1とは異なる例を示す。
図8に示すごとく、上記実施例1に示した各イグナイタ端子3の少なくともいずれかは、先端側部分32を厚み方向(めっき層302を有する一対の表面34間の方向)に折り曲げて、先端側部分32同士の間の間隔S2を基端側部分31同士の間の間隔S1よりも広くすることができる。本例においては、並び方向Aの中央側に位置するイグナイタ端子3Aの先端側部分32は折り曲げず、並び方向Aの外側に位置するイグナイタ端子3Bの先端側部分32を外側に折り曲げている。また、並び方向Aの外側に位置するイグナイタ端子3Bの先端側部分32は、外側に折り曲げられた部分から、さらに内側に折り曲げられて、中央側に位置するイグナイタ端子3Aの先端側部分32と平行になっている。なお、以下の図8〜図10においては、破断面303をハッチングによって示す。
各イグナイタ端子3は、イグナイタ本体部21から引き出された後、厚み方向(めっき層302を有する一対の表面34間の方向)に対して折り曲げられている。各イグナイタ端子3の先端側部分32は、厚み方向の一方側に90°折り曲げられた後、厚み方向の他方側に180°折り返して形成されている。そして、各イグナイタ端子3は、基端側部分31に対して先端側部分32が90°折れ曲がっており、先端側部分32の先端面35が各コネクタ端子5と対向している。
この場合、各イグナイタ端子3を容易に変形させることができ、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
この場合にも、各イグナイタ端子3を容易に変形させることができ、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本例において、特に明示のない構成及び図中の符号については、上記実施例1と同様である。
2 イグナイタ
3 イグナイタ端子
30 板金
301 導体層
302 めっき層
303 破断面
34 表面
5 接続端子(コネクタ端子)
6 点火コイル
A 並び方向
B 直交方向
Claims (7)
- 内燃機関用点火コイル(6)において、スイッチング素子(211)を内包するイグナイタ(2)から引き出された複数のイグナイタ端子(3)と、複数の接続端子(5)とを、上記複数のイグナイタ端子(3)が並ぶ方向(A)に対する直交方向(B)において接合する構造において、
上記複数のイグナイタ端子(3)は、板形状の導体層(301)の両表面(34)にめっき層(302)が形成された板金(30)から切り抜かれ、該切り抜かれた部位に生ずる破断面(303)が、上記直交方向(B)に位置するよう向きを変えられて変形されており、
上記各イグナイタ端子(3)は、上記破断面(303)によって上記各接続端子(5)に接合されていることを特徴とする内燃機関用点火コイル(6)のイグナイタ接合構造(1)。 - 上記各イグナイタ端子(3)は、上記板金(30)から切り抜かれた後に捻られており、上記破断面(303)によって形成された側面(33)が、上記直交方向(B)に位置して、上記各接続端子(5)と接合されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火コイル(6)のイグナイタ接合構造(1)。
- 上記複数のイグナイタ端子(3)は、上記側面(33)同士の間の幅が、上記めっき層(302)を有する表面(34)同士の間の厚みよりも大きくなっており、かつ、上記複数のイグナイタ端子(3)の少なくともいずれかは、先端側部分(32)が上記厚みの方向に折り曲げられて、該先端側部分(32)同士の間の間隔(S2)が基端側部分(31)同士の間の間隔(S1)よりも広くなっていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関用点火コイル(6)のイグナイタ接合構造(1)。
- 上記複数のイグナイタ端子(3)は、上記板金(30)から切り抜かれた後に折り曲げられており、上記破断面(303)によって形成された先端面(35)が、上記直交方向(B)に位置して、上記各接続端子(5)と接合されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火コイル(6)のイグナイタ接合構造(1)。
- 上記複数のイグナイタ端子(3)の少なくともいずれかは、上記板金(30)から切り抜かれた後に、先端側部分(32)が上記直交方向(B)に折り曲げられており、かつ、上記複数のイグナイタ端子(3)は、隣り合う該イグナイタ端子(3)同士が、上記直交方向(B)に互いに位置ずれして、上記各接続端子(5)と接合されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用点火コイル(6)のイグナイタ接合構造(1)。
- 上記複数の接続端子(5)は、上記点火コイル(6)を外部と接続するためのコネクタ部(4)に設けられた複数のコネクタ端子(5)を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関用点火コイル(6)のイグナイタ接合構造(1)。
- 上記複数の接続端子(5)は、上記点火コイル(6)における一次コイル(61)の端部における接続端子(611)と、二次コイル(62)の低圧側端部における接続端子との少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関用点火コイル(6)のイグナイタ接合構造(1)。
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