JP2015017460A - 水洗大便器 - Google Patents

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Abstract

【課題】第2吐水部から吐水される洗浄水の前方向向きの速度成分を低減させて、従来よりも横方向に吐水させ、ボウル部内の洗浄水を従来よりも縦方向に旋回させる流れを形成して、汚物の排出性能を向上することができる水洗大便器を提供する。【解決手段】本発明の水洗大便器1は、汚物受け面8とリム部10とを備えたボウル部4と、トラップ管路6と、第1吐水部16と、洗浄水をボウル部4内へ吐水してボウル部4内の洗浄水を上下方向に攪拌する流れを形成する第2吐水部22と、第1吐水部16に洗浄水を供給する第1通水路28と、第2吐水部22に洗浄水を供給する第2通水路30と、第2通水路30又は第2吐水部22に形成され、第2吐水部22から吐水される洗浄水の流れを、前後方向に独立した2つ以上の流れに分ける壁部材38と、を有することを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、水洗大便器に係わり、特に、洗浄水により便器を洗浄して汚物を排出する水洗大便器に関する。
従来から、便器を洗浄して汚物を排出する水洗大便器として、例えば、特許文献1に記載されているように、リム部に洗浄水を吐水して汚物受け面上を旋回する旋回流を形成する第1吐水口を備え、さらに、ボウル部の側面に形成され、洗浄水をボウル部内へほぼ水平方向に吐水してボウル部内の溜水を上下方向に攪拌する流れを形成する第2吐水口を備えたものが知られている。このような特許文献1に記載されている水洗大便器においては、従来、第1吐水口から吐水される洗浄水により形成される旋回流のみでは、ボウル部に浮遊している浮遊汚物の排出性能が低いという課題を解決するために、第1吐水口以外に設けられた第2吐水口から吐水された洗浄水を利用して斜め方向の旋回に近い縦方向(上下方向)の旋回流を形成しようとするものである。そして、この縦方向の旋回流によって、水面の浮遊汚物が溜水内に沈められ、溜水内に沈んでいた汚物と共にトラップ管路から排出することができるようになっている。
特許第3975486号公報
上述した特許文献1に記載されている従来の水洗大便器においては、従来は、第2吐水口から吐水された洗浄水が斜め方向の旋回流を形成するような場合においても、洗浄水量が比較的多いので汚物を排出できていた。
しかしながら、例えば1回の洗浄水量を8リットルから6リットルに低減させるような近年の節水化の過程において、節水化により洗浄水量が減少される場合、第2吐水口から吐水される洗浄水が前方向速度成分を有していることにより水平方向に近いような斜め方向の旋回流を生じさせることとなり、縦方向の旋回流が十分に形成できず浮遊汚物などの汚れが残りやすくなってしまうという問題が生じている。
また、節水化により洗浄水量が減少される場合、十分な旋回流を生じさせるために、第2吐水口から吐水される洗浄水の水量を確保するため第2吐水口の開口面積を比較的大きな開口面積に形成しようとする場合、かえって第2吐水口から洗浄水が前方向に吐水され、水平方向に近いような斜め方向の旋回流を生じさせることとなり、縦方向の旋回流が十分に形成できず浮遊汚物などの汚れが残りやすくなってしまうという問題が生じている。
従って、節水化により洗浄水量が低減される場合には、第2吐水口から吐水された洗浄水をより垂直に近い縦方向の旋回流を形成させ、縦方向の旋回流を強く形成させ、汚物の排出性能を向上させるという課題が生じている。
さらに、洗浄の後半においては、第2吐水口から吐水される洗浄水が、流れの勢いが弱くなり洗浄に寄与しなくなり、洗浄不良を生じさせる問題が生じている。
そこで、本発明は、従来の水洗大便器の問題点を解決するためになされたものであり、第2吐水部から吐水される洗浄水の前方向向きの速度成分を低減させて、従来よりも横方向に吐水させ、ボウル部内の洗浄水を従来よりも縦方向に旋回させる流れを形成して、汚物の排出性能を向上することを目的としている。
上述した目的を達成するために、本発明は、洗浄水により便器を洗浄して汚物を排出する水洗大便器であって、ボウル形状の汚物受け面と、この汚物受け面の上方に位置しその内壁面の上部が内側に向って張り出しているリム部と、を備えたボウル部と、このボウル部の底部と連通して延びボウル部内の汚物を排出すると共に上記ボウル部の初期溜水水位を規定するトラップ管路と、リム部に洗浄水を吐水して汚物受け面上を旋回する旋回流を形成する第1吐水部と、ボウル部の側面で且つリム部よりも下方で且つ初期溜水水位よりも上方の位置に形成され、洗浄水をボウル部内へ吐水してボウル部内の洗浄水を上下方向に攪拌する流れを形成する第2吐水部と、第1吐水部に洗浄水を供給する第1通水路と、第2吐水部に洗浄水を供給する第2通水路と、第2通水路又は第2吐水部に形成され、第2吐水部から吐水される洗浄水の流れを、前後方向に独立した2つ以上の流れに分ける壁部材と、を有することを特徴とする。
このように構成された本発明においては、壁部材が、第2吐水部から吐水される洗浄水の流れを前後方向に独立した2つ以上の流れに分け、水流の前方向向きの速度成分を低減させるので、洗浄水は第2吐水部から従来よりも横方向に吐水され、ボウル部内の洗浄水を従来よりも縦方向(上下方向)に旋回させる流れを形成する。この従来よりも縦方向に旋回する流れは、さらに効率よく水面の浮遊汚物をトラップ管路内に押し込むことができ、よって汚物の排出性能を向上させることができる。さらに、洗浄後半において洗浄水の流量が減少する場合に、壁部材が、第2吐水部から吐水される洗浄水の流れを、ほぼ第2吐水部の後方側の1つの流れに形成することができる。そのため、洗浄後半においても、第2吐水部から吐水される洗浄水は水量が減少しても勢いを保ちつつ吐水される。よって、第2吐水部から吐水される洗浄水を洗浄後半においても効率良く洗浄に寄与させることができ、よって汚物の排出性能を向上させることができる。
本発明においては、好ましくは、壁部材は、第2吐水部又は第2吐水部外側の近傍に設けられている。
このように構成された本発明においては、壁部材が第2吐水部又は第2吐水部外側の近傍に設けられているので、第2吐水部から吐水される洗浄水の流れをより前後方向に独立した2つ以上の流れに分け、水流の前方向向きの速度成分をより低減させやすくすることができ、洗浄水は第2吐水部からより横方向に吐水され、ボウル部内の洗浄水を縦方向(上下方向)に旋回させる流れをより強く形成することができる。さらに、洗浄後半において洗浄水の流量が減少する場合に、壁部材が、第2吐水部から吐水される洗浄水の流れを、ほぼ第2吐水部の後方側の1つの流れに形成しやすくすることができる。そのため、洗浄後半においても、第2吐水部から吐水される洗浄水は水量が減少しても勢いをより保ちつつ吐水される。よって、第2吐水部から吐水される洗浄水を吐水開始時から洗浄後半までより効率良く洗浄に寄与させることができ、よって汚物の排出性能を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、壁部材は、第2吐水部の上面から底面まで延びて形成されている。
このように構成された本発明においては、壁部材が、第2吐水部の上面から底面まで延びて形成されているので、第2吐水部から吐水される洗浄水の流れをより前後方向に独立した2つ以上の流れに分け、水流の前方向向きの速度成分をより低減させやすくすることができる。さらに、洗浄後半において洗浄水の流量が減少する場合に、壁部材が、第2吐水部から吐水される洗浄水の流れを、ほぼ第2吐水部の後方側の1つの流れに形成しやすくすることができる。そのため、洗浄後半においても、第2吐水部から吐水される洗浄水は水量が減少しても勢いをより保ちつつ吐水させることができる。
本発明において、好ましくは、壁部材は、ほぼ円柱状に形成され、上下方向にほぼ垂直に配置されている。
このように構成された本発明においては、壁部材は、ほぼ円柱状に形成されているので、第2通水路内を流れる洗浄水が衝突する場合の圧力損失を比較的低減しながら前後方向に独立した2つ以上の流れに分け、水流の前方向向きの速度成分をより低減させることができ、洗浄水は第2吐水部から従来よりも横方向に吐水され、ボウル部内の洗浄水を縦方向(上下方向)に旋回させる流れをその勢いをより強く形成することができる。
本発明において、好ましくは、壁部材は、上記第2吐水部から上流側に所定長さ延びる壁を形成している。
このように構成された本発明においては、壁部材は、第2吐水部から上流側に所定長さ延びる壁を形成しているので、洗浄水を積極的にガイドすることができ、第2吐水部から吐水される洗浄水を、水流の前方向向きの速度成分を低減させ、横方向に誘導し易くすることができ、ボウル部内の洗浄水を縦方向(上下方向)に旋回させる流れをその勢いをより強く形成することができる。さらに、洗浄後半において洗浄水の流量が減少する場合に、壁部材が、第2吐水部から吐水される洗浄水の流れを、ほぼ第2吐水部の後方側の1つの流れに形成しやすくすることができる。そのため、洗浄後半においても、第2吐水部から吐水される洗浄水は水量が減少しても流れの勢いをより保ちつつ吐水させることができる。
本発明において、好ましくは、壁部材は、上記第2吐水部の外側の近傍に形成され、便器内側後方向きに突出して形成されている。
このように構成された本発明においては、壁部材は、第2吐水部の外側の近傍に形成され、便器内側後方向きに突出して形成されているので、第2吐水部から吐水される洗浄水の流れを、水流の前方向向きの速度成分を低減させ、さらに第2吐水部から便器内側後方向きに吐水させることができ、ボウル部内の洗浄水を従来よりも縦方向(上下方向)に旋回させる流れを形成することができる。
本発明の水洗大便器によれば、第2吐水部から吐水される洗浄水の前方向向きの速度成分を低減させて、従来よりも横方向に吐水させ、ボウル部内の洗浄水を従来よりも縦方向に旋回させる流れを形成して、汚物の排出性能を向上することができる。
本発明の第1実施形態による水洗大便器の側面断面図である。 図1の水洗大便器の第2通水路及び第2吐水口の位置を説明のために示した状態の平面図である。 図1のIII−III線に沿って見た正面断面図である。 図1のIV−IV線に沿って見た正面断面図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器の第2通水路、第2吐水口及び壁部材を概略的に示す図である。 本発明の第1実施形態による水洗大便器における洗浄水の瞬間流量と時間との関係を示す線図である。 本発明の第2実施形態による水洗大便器の第2通水路、第2吐水口及び壁部材を概略的に示す図である。 本発明の第3実施形態による水洗大便器の第2通水路、第2吐水口及び壁部材を概略的に示す図である。
次に、図1乃至図6を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。ここで、図1は、本発明の第1実施形態による水洗大便器の側面断面図であり、図2は、図1の水洗大便器の平面図であり、図3は、図1のIII−III線に沿って見た正面断面図であり、図4は、図1のIV−IV線に沿って見た正面断面図であり、図5は、本発明の第1実施形態による水洗大便器の第2通水路、第2吐水口及び壁部材を概略的に示す図であり、図6は本発明の第1実施形態による水洗大便器における洗浄水の瞬間流量と時間との関係を示す線図である。
先ず、図1乃至4に示すように、本発明の第1実施形態による水洗大便器1は、トラップ管路内の水位上昇による落差を利用して汚物を排出する洗い落とし式水洗大便器(ウオッシュダウン式便器)であり、便器本体2と、この便器本体2の後方上部に取り付けられたフラッシュバルブ(図示せず)を備えている。フラッシュバルブは、水道等の給水管(図示せず)と連通し、フラッシュバルブ内には、給水弁(図示せず)が設けられており、操作レバー(図示せず)により開閉するようになっている。本実施形態による水洗大便器においては、使用者が操作レバー(図示せず)を操作すると、例えば、1回に6リットルの洗浄水が、便器本体2に供給されるようになっている。なお、本実施形態では、上述した洗い落し式水洗大便器にフラッシュバルブを適用した例について説明するが、このような洗い落し式水洗大便器に限定されず、サイホン作用を利用してボウル部内の汚物を吸い込んで排水トラップ管路から一気に外部に排出する、いわゆる、サイホン式の水洗大便器等の他のタイプの水洗便器にも適用可能である。
便器本体2は、ボウル部4と、このボウル部4の底部から連通して延びるトラップ管路6を有する。ボウル部4は、ボウル形状の汚物受け面8と、この汚物受け面8の上方に位置しその内周面の上部が内方へ向かって張り出しているリム部10と、汚物受け面8の下方に形成された溜水部12とを備えている。
トラップ管路6は、ボウル部4の底部に開口した入口6aから斜め上方に延び、最高点6bを通った後、斜め下方に延びて、出口6cに達し、図示しない排水管に接続されている。水洗大便器1の使用時において、待機時の溜水水位である初期溜水水位Lは、トラップ管路6の最高点6bの高さと等しくなるので、水洗大便器1の初期溜水水位Lは、トラップ管路6の形状により規定される。
ボウル部4の汚物受け面8の上縁には、リム部10に沿ってほぼ水平面上に延びる第1棚部14が形成されている。この第1棚部14は、正面から見てボウル部4の左側後部から、ボウル部4の前部を通って、右側後部まで、ボウル部4の内周に沿って延びている。さらに、第1棚部14は、その外周部から内周部へ向けて低くなるように内側に傾斜して形成されている。
ボウル部4の左側後部に位置する第1棚部14の基端には、洗浄水を吐水させる第1吐水口16が形成されている。第1吐水口16から吐水された洗浄水は、第1棚部14に沿ってリム部10の内周を旋回しながら下方に落下し、汚物受け面8を洗浄するようになっている。
ボウル部4の汚物受け面8の正面から見て左側側面の中腹には、水平方向からやや前方側に傾斜し、且つその外周部から内周部へ向けて低くなるように内側に傾斜して延びる第2棚部18が形成されている。この第2棚部18は、ボウル部4の左側後部から、ボウル部4の側面部の前部寄りの位置にある第2棚部先端部18aまで延びている。さらに、第2棚部18の上方には、第2棚部18の上に覆い被さるように張り出した張出し部20が形成されている。
この第2棚部18の第2棚部先端部18aと張出し部20の下端の間には、ほぼ水平方向に延びるスリット形状の第2吐水口22が便器横向きに開口するように形成されている。この第2吐水口22は、ボウル部4の左側側面で、第1棚部14よりも下方で初期溜水水位Lよりも上方に位置している。ボウル部4の初期溜水水位Lよりも下方且つ第2吐水口22から見て中心方向斜め前方側の位置に、ほぼ水平方向に傾斜して延びる段部24が、形成されている。
ここで、便器本体2の後部には、通水室26が形成され、この通水室26の後端側はフラッシュバルブに連通し、フラッシュバルブから洗浄水が供給されるようになっている。
また、この通水室26の先端側には、第1吐水口16に洗浄水を供給する第1通水路28と、さらに、第1通水路28と分岐して第2吐水口22に洗浄水を供給する第2通水路30が設けられている。
第2通水路30は、洗浄水が流入する第2通水路流入口32と、洗浄水が第2通水路流入口32から流下する立下部34と、立下部の下端から前方側わずかに下るように傾斜する平坦底を形成している前方向き平坦部36と、前方向き平坦部36の前方側に第2棚部18とを備えている。すなわち、第2吐水口22は、第2通水路30の第2棚部18の第2棚部先端部18aにおいて形成されている。第2通水路30の開口面積及び第2棚部18の開口面積はこれらの開口面積の大きさが従来と比較して変わらない大きさに形成されている。
前方向き平坦部36は、立下部34から流下した洗浄水が前方側に向かって流れる流路を形成している。
第2棚部18は、前方向き平坦部36の前方側で、90度程度屈曲して溜水部12に向かうような流路を形成している。
次に、図4により、本発明の第1実施形態による水洗大便器1の壁部材38について詳細に説明する。
本発明の第1実施形態による水洗大便器1においては、第2吐水口22のほぼ中央において、第2棚部18から張出し部20まで上下方向に垂直に立ち上がるほぼ円柱状の壁部材38が形成されている。この壁部材38は、第2吐水口22を前側第2吐水口22aと、後側第2吐水口22bとの2つの開口に分けている。
壁部材38は、前方向き平坦部36と、溜水部12前方側の段部24とをほぼ直線的に結ぶ領域(例えば後述する主領域A)の全部又は一部を遮るような位置に形成され、前方向向きの速度成分を有する水流の全部又は一部を阻害しながら流れを分岐させ且つ水流の前方向向きの速度成分を低減させるように横方向に延びる面を有している。壁部材38は、第2通水路30内の流路の一部及び/又は第2吐水口22の流路の全部又は一部を前後方向に独立した2つ以上の流路に分け、2つ以上の横向き流路を形成している。
この壁部材38は、第2通水路30内、又は第2吐水口22の外側に設けられてもよい。例えば、壁部材が、第2吐水口22よりも上流側の第2通水路30内において参照符号Wで示すような場所に設けられていてもよい。
壁部材38は、円柱状以外にも楕円形状、壁形状、四角柱形状、三角柱形状等に形成されていてもよい。
また、壁部材38は、第2棚部18から張出し部20まで上下方向に垂直に立ち上がる形状の他、第2棚部18から張出し部20まで上下方向に斜めに傾斜しながら立ち上がる形状、他の向きに直線的に立ち上がる形状、他の湾曲しながら立ち上がる形状に形成されていてもよい。
壁部材38は、壁部材により分かれる洗浄水の圧力損失を比較的低減するように、壁部材38の前後方向の長さ(厚み)が比較的小さく(薄く)形成されている。また、壁部材38は、外周がほぼ円柱状に形成されているので、壁部材38により分かれる洗浄水の圧力損失を比較的低減することができる。
ここで、壁部材38は、第2棚部18から張出し部20方向に突出し且つ張出し部20まで到達していない長さを有する突起形状に形成されてもよく、又は逆に、張出し部20から第2棚部18方向に突出し且つ第2棚部18まで到達していない長さを有する突起形状に形成されてもよい。
また、壁部材38は、便器本体2と一体成形により形成されてもよく、又は便器本体2に樹脂等の別部材を取付けることにより形成されてもよい。
さらに、2つ以上の壁部材38が、第2通水路30又は第2吐水口22において、水流の前方向向きの速度成分を低減させるように配置されてもよい。
次に、上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器1の作用を説明する。先ず、水洗大便器1の待機状態においては、ボウル部4内の溜水部12の水位は、初期溜水水位Lとなっている。次に、使用者が操作レバー(図示せず)を操作すると、フラッシュバルブの給水弁(図示せず)が開となり、フラッシュバルブから供給された洗浄水が、通水室26を経て、第1通水路28及び第2通水路30に至る。
第1通水路28から第1吐水口16に供給された洗浄水は、第1吐水口16から吐水されて旋回流を形成し、第1棚部14に沿って流れ、旋回しながらボウル部4の汚物受け面8を洗浄して、ボウル部4の底部に流入する。
一方、第2通水路30に流入する洗浄水は、第2通水路流入口32から立下部34を鉛直方向下方に流下し、立下部34から前方に向かう前方向き平坦部36に流入して前方に向かう流れを形成する。よって、前方向き平坦部36から第2棚部18に流入する洗浄水は、水流の前方方向向きの速度成分を多く有している。
従って、本発明の第1実施形態による水洗大便器1の壁部材38が設けられていない場合には、前方向き平坦部36から第2棚部18に流入する洗浄水は、第2棚部18において流路が約90度屈曲するとき、水流の前方方向向きの速度成分を多く維持したまま、例示として仮想的に示す主領域Aのような流れ領域を形成しやすくなる。
これに対し、本発明の第1実施形態による水洗大便器1の壁部材38が設けられている場合には、前方向き平坦部36から溜水部12前方側の段部24に向かって流れようとする洗浄水の流れが、壁部材38に衝突し、水流の前方方向向きの速度成分が低減される。また、言い換えれば、壁部材38が、洗浄水の流れが有している前方向に向かうエネルギーを小さくさせ、洗浄水の流れを、主に横方向に方向転換させることができる。
さらに、前方向き平坦部36から第2棚部18に流入する洗浄水が、壁部材38により前後方向に独立した二つの流れに分離されて、壁部材38に沿って段部24より後方側の溜水部12の中央方向に向かう矢印F1及びF2のような流れを形成する。
壁部材38の前方側領域を流れる洗浄水は、矢印F1に示すように、通水路内の洗浄水と空気の関係により、壁部材38において分岐された洗浄水が第2通水路前壁30aにおいて横向きに水流の向きを変えるので、水流の前方向向きの速度成分が低減され、壁部材38を回り込むようにして、壁部材38と第2通水路前壁30aとの間を第2通水路前壁30aに沿って流れ、便器横方向に前側第2吐水口22aに向かって流れる。
壁部材38の後方側領域を流れる洗浄水は、矢印F2に示すように、壁部材38に衝突して、水流の前方方向向きの速度成分が低減され、壁部材38によって導かれるようにして便器横方向に後側第2吐水口22bに向かって流れる。
よって、第2吐水口22から吐水される洗浄水は、矢印F1に示すように、前側第2吐水口22aから主に溜水部12に向かって横向きに吐水される洗浄水と、矢印F2に示すように、後側第2吐水口22bから溜水部12に向かって横向きに吐水される洗浄水とを形成する。
前側第2吐水口22aから横向きに吐水された洗浄水と、後側第2吐水口22bから横向きに吐水された洗浄水とは、溜水部12上でほぼ一体となって、横方向に対してほぼ垂直に上昇するような縦方向(上下方向)の旋回流Dを形成してボウル部4内の溜水を上下方向に攪拌する。
この旋回流Dは、従来よりも水流の前方方向向きの速度成分が低減されているので、従来よりもより垂直に近い回転面を有する縦方向の旋回流に形成されている。
この縦方向の旋回流Dは、ボウル部4内に滞留しながら、洗浄前に溜水面に浮いていた浮遊系汚物を溜水中に沈め、この浮遊系汚物と溜水中に沈んでいた汚物とが旋回中心に集約し、その後、縦方向の旋回流Dによるボウル部4内の水位上昇によりトラップ管路6内の水位も上昇してトラップ管路6内の汚物を排出するために必要な落差が確保されたとき、浮遊系汚物と溜水中に沈んでいた汚物を効果的に排出することができる。
図6に示すように、使用者の操作開始から所定時間経過後にフラッシュバルブの給水弁(図示せず)の閉動作により、瞬間流量が低減する。この便器の洗浄動作の後半から終わりにかけて、洗浄水の流量が減少するとき、図5に示すように、第2通水路30を流れる洗浄水は、F3に示すように、前方向き平坦部36から前方向き平坦部36により近い後側第2吐水口22bに流れ、後側第2吐水口22bから溜水部12に向かって横向きに吐水される洗浄水を形成する。このとき、前側第2吐水口22aからは洗浄水がほぼ吐水されていない状態となっている。後側第2吐水口22bから吐水された洗浄水は、溜水部12近傍に流下する。
このように、洗浄後半から終わりにかけて、洗浄水が、水量が低減して収束していく場合にも、比較的水勢を保ったまま後側第2吐水口22bから溜水部12に向かって横向きに吐水され、溜水部12の溜水面に浮いていた浮遊系汚物を溜水中に押し込んで沈め、浮遊系汚物と溜水中に沈んでいた汚物を効果的に排出することに寄与することができる。
このようにして、便器本体2から汚物が排出され、フラッシュバルブの給水弁(図示せず)が閉止されて一連の洗浄動作が終了する。
なお、本発明の各実施形態における変形例としては、水洗大便器1は、フラッシュバルブに代えて、便器本体2の後方上部に取り付けられた貯水タンクを備え、この貯水タンクには、排水弁が設けられ、操作レバーの操作により開閉し、便器本体2へ洗浄水を供給する、ように形成することができる。
フラッシュバルブに代えて貯水タンクを設けた水洗大便器においても、図6に示すように、所定時間経過後に貯水タンクの排水弁が閉となり、瞬間流量が低減する。この場合においても、この便器の洗浄動作の後半から終わりにかけて、洗浄水の流量が減少するとき、第2通水路30を流れる洗浄水は、F3に示すように、前方向き平坦部36から後側第2吐水口22bに流れ、後側第2吐水口22bから溜水部12に向かって横向きに吐水される洗浄水を形成する。このように、洗浄後半から終わりにかけて、洗浄水が、水量が低減して収束していく場合にも、比較的水勢を保ったまま後側第2吐水口22bから溜水部12に向かって横向きに吐水され、溜水面に浮いていた浮遊系汚物を溜水中に沈め、浮遊系汚物と溜水中に沈んでいた汚物を効果的に排出することに寄与することができる。
次に、上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器の効果を説明する。
上述した本発明の第1実施形態による水洗大便器によれば、壁部材38が、第2吐水口22から吐水される洗浄水の流れを前後方向に独立した2つ以上の流れに分け、水流の前方向向きの速度成分を低減させるので、洗浄水は第2吐水口22から従来よりも横方向に吐水され、ボウル部4内の洗浄水を従来よりも縦方向(上下方向)に旋回させる流れを形成する。この従来よりも縦方向に旋回する流れは、さらに効率よく水面の浮遊汚物をトラップ管路6内に押し込むことができ、よって汚物の排出性能を向上させることができる。さらに、洗浄後半において洗浄水の流量が減少する場合に、壁部材38が、第2吐水口22から吐水される洗浄水の流れを、ほぼ第2吐水口22の後方側の1つの流れに形成することができる。そのため、洗浄後半においても、第2吐水口22から吐水される洗浄水は水量が減少しても勢いを保ちつつ吐水される。よって、第2吐水口22から吐水される洗浄水を洗浄後半においても効率良く洗浄に寄与させることができ、よって汚物の排出性能を向上させることができる。
また、本発明の第1実施形態による水洗大便器1によれば、壁部材38が第2吐水口22又は第2吐水口22外側の近傍に設けられているので、第2吐水口22から吐水される洗浄水の流れをより前後方向に独立した2つ以上の流れに分け、水流の前方向向きの速度成分をより低減させやすくすることができ、洗浄水は第2吐水口22からより横方向に吐水され、ボウル部4内の洗浄水を縦方向(上下方向)に旋回させる流れをより強く形成することができる。さらに、洗浄後半において洗浄水の流量が減少する場合に、壁部材38が、第2吐水口22から吐水される洗浄水の流れを、ほぼ第2吐水口22の後方側の1つの流れに形成しやすくすることができる。そのため、洗浄後半においても、第2吐水口22から吐水される洗浄水は水量が減少しても勢いをより保ちつつ吐水される。よって、第2吐水口22から吐水される洗浄水を吐水開始時から洗浄後半までより効率良く洗浄に寄与させることができ、よって汚物の排出性能を向上させることができる。
また、本発明の第1実施形態による水洗大便器1によれば、壁部材38が、第2通水路30の一部及び/又は第2吐水口22の上面の張出し部20から底面の第2棚部18まで延びて形成されているので、第2吐水口22から吐水される洗浄水の流れをより前後方向に独立した2つ以上の流れに分け、水流の前方向向きの速度成分をより低減させやすくすることができる。さらに、洗浄後半において洗浄水の流量が減少する場合に、壁部材38が、第2吐水口22から吐水される洗浄水の流れを、ほぼ第2吐水口22の後方側の1つの流れに形成しやすくすることができる。そのため、洗浄後半においても、第2吐水口22から吐水される洗浄水は水量が減少しても勢いをより保ちつつ吐水させることができる。
また、本発明の第1実施形態による水洗大便器によれば、壁部材38は、ほぼ円柱状に形成されているので、第2通水路30内を流れる洗浄水が壁部材38に衝突する場合の圧力損失を比較的低減しながら前後方向に独立した2つ以上の流れに分け、水流の前方向向きの速度成分をより低減させることができ、洗浄水は第2吐水口22から従来よりも横方向に吐水され、ボウル部4内の洗浄水を縦方向(上下方向)に旋回させる流れをその勢いをより強く形成することができる。
また、本発明の第1実施形態による水洗大便器1によれば、壁部材38は、第2吐水口22から上流側に所定長さ延びる壁を形成しているので、洗浄水を積極的にガイドすることができ、第2吐水口22から吐水される洗浄水を、水流の前方向向きの速度成分を低減させ、横方向に誘導し易くすることができ、ボウル部4内の洗浄水を縦方向(上下方向)に旋回させる流れをその勢いをより強く形成することができる。さらに、洗浄後半において洗浄水の流量が減少する場合に、壁部材38が、第2吐水口22から吐水される洗浄水の流れを、ほぼ第2吐水口22の後方側の1つの流れに形成しやすくすることができる。そのため、洗浄後半においても、第2吐水口22から吐水される洗浄水は水量が減少しても流れの勢いをより保ちつつ吐水させることができる。
次に、図7により、本発明の第2実施形態による水洗大便器101を説明する。
図7は本発明の第2実施形態による水洗大便器の第2通水路30、第2吐水口22及び壁部材138を概略的に示す図である。第2実施形態による水洗大便器の構造は、上述した第1実施形態とほぼ同じであるため、ここでは、第1実施形態の水洗大便器の部分と同一の部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略し、第2実施形態の第1実施形態とは異なる部分のみを説明する。
なお、図7においては、第2通水路30及び第2吐水口22において、壁部材138の前方側領域から横方向に流れる洗浄水の流れを矢印F4で示し、壁部材138の後方側領域から横方向に流れる洗浄水の流れを矢印F5で示し、便器の洗浄後半において、洗浄水の流量が減少するとき、第2通水路30を流れる洗浄水の流れを矢印F6で示している。
図7により、本発明の第2実施形態による水洗大便器101の壁部材138について詳細に説明する。
本発明の第2実施形態による水洗大便器においては、第2吐水口22のほぼ中央において、第2棚部18から張出し部20まで上下方向に垂直に立ち上がる壁状の壁部材が、第2棚部18のほぼ中央を便器外側に向かって上流側に延ばされ、その壁部材138の上流端138aが第2棚部18から前方向き平坦部36の流路の左右方向中央に向かうようにわずかに屈曲して形成されている。すなわち、壁部材138が前方向き平坦部36より下流側の流路を2つに分けるような壁面を形成している。
壁部材138は、第2吐水口22から上流側に第2通水路30の前方向き平坦部36のほぼ中央まで延びる壁を形成している。壁部材138は、前方向き平坦部36と、溜水部12前方側の段部24とをほぼ直線的に結ぶ領域の一部又は全部を遮るような位置に形成されている。
壁部材138は、壁部材138に衝突する洗浄水の圧力損失を比較的低減するように、壁部材138の厚みが比較的小さく(薄く)形成されている。また、壁部材138は、壁部材138の上流端138aが丸みを帯びて形成されているので、壁部材138により分かれる洗浄水の圧力損失を比較的低減することができる。
次に、図7を参照して、本発明の第2実施形態による水洗大便器101の作用を説明する。第2実施形態による水洗大便器の作用は、上述した第1実施形態とほぼ同じであるため、ここでは、第1実施形態の水洗大便器の作用とほぼ同一の作用については、これらの説明を省略し、第2実施形態の第1実施形態とは異なる部分を説明する。
第2通水路30に流入する洗浄水は、第2通水路流入口32から立下部34を鉛直方向下方に流下し、立下部34から前方に向かう前方向き平坦部36に流入して前方に向かう流れを形成する。よって、前方向き平坦部36から第2棚部18に流入する洗浄水は、水流の前方方向向きの速度成分を多く有している。
本発明の第2実施形態による水洗大便器101の壁部材138が設けられている場合には、前方向き平坦部36から溜水部12前方側の段部24に向かって流れようとする洗浄水の流れが、第2棚部18において壁部材138に衝突し、2つの流れに分けられる。
さらに、この壁部材138により二つに分離された洗浄水は、壁部材138に沿って前方向から横方向に方向を変えるようにガイドされることにより水流の前方方向向きの速度成分が低減され、段部24より後方側の溜水部12の中央方向に向かう矢印F4及びF5のような流れを形成する。
壁部材138の前方側領域を流れる洗浄水は、矢印F4に示すように、壁部材138を回り込むようにして、壁部材138と第2通水路前壁30aとの間を第2通水路前壁30aに沿って流れ、便器横方向に前側第2吐水口22aに向かって流れる。
壁部材138の後方領域を流れる洗浄水は、矢印F5に示すように、壁部材138によりガイドされて、水流の前方方向向きの速度成分が低減され、壁部材138によって導かれるようにして便器横方向に後側第2吐水口22bに向かって流れる。
よって、第2吐水口22から吐水される洗浄水は、矢印F4に示すように、前側第2吐水口22aから主に溜水部12に向かって横向きに吐水される洗浄水と、矢印F5に示すように、後側第2吐水口22bから溜水部12に向かって横向きに吐水される洗浄水とを形成する。
前側第2吐水口22aから横向きに吐水された洗浄水と、後側第2吐水口22bから横向きに吐水された洗浄水とは、溜水部12上でほぼ一体となって、横方向に対してほぼ垂直に上昇するような縦方向(上下方向)の旋回流Dを形成してボウル部4内の溜水を上下方向に攪拌する。
この旋回流Dは、従来よりも水流の前方方向向きの速度成分が低減されているので、従来よりもより垂直に近い回転面を有する縦方向の旋回流に形成されている。
また、使用者の操作開始から所定時間経過後にフラッシュバルブの給水弁(図示せず)が閉となり、瞬間流量が低減する。この便器の洗浄動作の後半から終わりにかけて、洗浄水の流量が減少するとき、例えば洗浄水の流量がちょろちょろ流れるように減少してきたとき、第2通水路30を流れる洗浄水は、F6に示すように、壁部材138によりガイドされて、前方向き平坦部36から後側第2吐水口22bに流れ、後側第2吐水口22bから溜水部12に向かって横向きに吐水される洗浄水を形成する。このとき、前側第2吐水口22aからは洗浄水がほぼ吐水されていない状態となっている。後側第2吐水口22bから吐水された洗浄水は、溜水部12近傍に流下する。
このように、洗浄後半から終わりにかけて、洗浄水が、水量が低減して収束していく場合にも、比較的水勢を保ったまま後側第2吐水口22bから溜水部12に向かって横向きに吐水され、溜水面に浮いていた浮遊系汚物を溜水中に押し込んで沈め、浮遊系汚物と溜水中に沈んでいた汚物を効果的に排出することに寄与することができる。
このようにして、便器本体2から汚物が排出され、フラッシュバルブの給水弁(図示せず)が閉止されて一連の洗浄動作が終了する。
本発明の第2実施形態による水洗大便器101によれば、壁部材138は、第2吐水口22から上流側に所定長さ延びる壁を形成しているので、洗浄水を積極的にガイドすることができ、第2吐水口22から吐水される洗浄水を、水流の前方向向きの速度成分を低減させ、横方向に誘導し易くすることができ、ボウル部4内の洗浄水を縦方向(上下方向)に旋回させる流れをその勢いをより強く形成することができる。さらに、洗浄後半において洗浄水の流量が減少する場合に、壁部材138が、第2吐水口22から吐水される洗浄水の流れを、ほぼ第2吐水口22の後方側の1つの流れに形成しやすくすることができる。そのため、洗浄後半においても、第2吐水口22から吐水される洗浄水は水量が減少しても流れの勢いをより保ちつつ吐水させることができる。
次に、図8により、本発明の第3実施形態による水洗大便器201を説明する。
図8は本発明の第3実施形態による水洗大便器の第2通水路30、第2吐水口22及び壁部材238を概略的に示す図である。第3実施形態による水洗大便器の構造は、上述した第1実施形態とほぼ同じであるため、ここでは、第1実施形態の水洗大便器の部分と同一の部分については同一の符号を付し、これらの説明については省略し、第3実施形態の第1実施形態とは異なる部分のみを説明する。
なお、図8においては、第2通水路30及び第2吐水口22において、壁部材238の前方側領域から横方向に流れる洗浄水の流れを矢印F7で示し、壁部材238の後方側領域から横方向に流れる洗浄水の流れを矢印F8で示し、便器の洗浄後半において、洗浄水の流量が減少するとき、第2通水路30を流れる洗浄水の流れを矢印F9で示している。
図8により、本発明の第3実施形態による水洗大便器201の壁部材238について詳細に説明する。
本発明の第3実施形態による水洗大便器201においては、第2吐水口22のほぼ中央の外側において、第2棚部先端部18aの下方から張出し部20まで上下方向に垂直に立ち上がるほぼ円柱状の壁部材238が形成されている。すなわち、壁部材238は、第2吐水口22の第2棚部先端部18aから張出し部20までの吐水方向側の中心近傍を一部覆うように上下に配置されている。この壁部材238は、第2吐水口22の外側の近傍から、便器内側後方向きに若干の長さにわたって突出するように形成されている。これにより、第2吐水口22の後側第2吐水口22bから吐水される洗浄水を便器内側後方向きに吐水させて洗浄水がボウル部4の溜水部12前側の段部24へ向かうのを抑制することができる。
壁部材238は、前方向き平坦部36と、溜水部12前方側の段部24とをほぼ直線的に結ぶ領域の全部又は一部を遮るような位置に形成されている。
次に、本発明の第3実施形態による水洗大便器201の作用を説明する。第3実施形態による水洗大便器の作用は、上述した第1実施形態とほぼ同じであるため、ここでは、第1実施形態の水洗大便器の作用とほぼ同一の作用については、これらの説明を省略し、第2実施形態の第1実施形態とは異なる部分を説明する。
第2通水路30に流入する洗浄水は、第2通水路流入口32から立下部34を鉛直方向下方に流下し、立下部34から前方に向かう前方向き平坦部36に流入して前方に向かう流れを形成する。よって、前方向き平坦部36から第2棚部18に流入する洗浄水は、水流の前方方向向きの速度成分を多く有している。
本発明の第3実施形態による水洗大便器201の壁部材238が設けられている場合には、第2棚部18から第2吐水口22に向かって流れようとする洗浄水の流れが、第2吐水口22の外側に形成された壁部材238に衝突し、水流の前方方向向きの速度成分が低減される。
さらに、第2吐水口22から吐水される洗浄水が、第2吐水口22の外側の壁部材238により二つに分離されて、壁部材238に沿って段部24より後方側の溜水部12の中央方向に向かう矢印F7及びF8のような流れを形成する。
壁部材238の前方側領域を流れる洗浄水は、矢印F7に示すように、壁部材238を回り込むようにして、壁部材238と第2通水路前壁30aとの間を第2通水路前壁30aに沿って流れ、便器横方向に前側第2吐水口22aに向かって流れる。
壁部材238の後方領域を流れる洗浄水は、矢印F8に示すように、壁部材238に衝突して、水流の前方方向向きの速度成分が低減され、壁部材238によって導かれるようにして便器横方向に後側第2吐水口22bに向かって流れる。
よって、第2吐水口22から吐水される洗浄水は、矢印F7に示すように、前側第2吐水口22aから主に溜水部12に向かって横向きに吐水される洗浄水と、矢印F8に示すように、後側第2吐水口22bから便器内側後方向きに溜水部12に向かって吐水される洗浄水とを形成する。
ここで、壁部材238は、第2吐水口22の外側の近傍に形成され、便器内側後方向きに突出して形成されているので、後側第2吐水口22bから吐水される洗浄水の流れを、水流の前方向向きの速度成分を低減させ、さらに後側第2吐水口22bから便器内側後方向きに吐水させることができる。
前側第2吐水口22aから横向きに吐水された洗浄水と、後側第2吐水口22bから横向きに吐水された洗浄水とは、溜水部12上でほぼ一体となって、横方向に対してほぼ垂直に上昇するような縦方向(上下方向)の旋回流Dを形成してボウル部4内の溜水を上下方向に攪拌する。
この旋回流Dは、従来よりも水流の前方方向向きの速度成分が低減されているので、従来よりもより垂直に近い回転面を有する縦方向の旋回流に形成されている。
また、使用者の操作開始から所定時間経過後にフラッシュバルブの給水弁(図示せず)が閉となり、瞬間流量が低減する。この便器の洗浄動作の後半から終わりにかけて、洗浄水の流量が減少するとき、第2通水路30を流れる洗浄水は、F9に示すように、第2吐水口22の外側の壁部材238によりガイドされて、後側第2吐水口22bから便器内側後方向きに吐水させることができる。このとき、前側第2吐水口22aからは洗浄水がほぼ吐水されていない状態となっている。後側第2吐水口22bから吐水された洗浄水は、溜水部12近傍に流下する。このように、洗浄後半から終わりにかけて、洗浄水が、水量が低減して収束していく場合にも、比較的水勢を保ったまま後側第2吐水口22bから溜水部12に向かって横向き且つ内側後方向きに吐水され、溜水面に浮いていた浮遊系汚物を溜水中に押し込んで沈め、浮遊系汚物と溜水中に沈んでいた汚物を効果的に排出することに寄与することができる。このようにして、便器本体2から汚物が排出され、フラッシュバルブの給水弁(図示せず)が閉止されて一連の洗浄動作が終了する。
また、本発明の第3実施形態による水洗大便器201によれば、壁部材238は、第2吐水口22の外側の近傍に形成され、便器内側後方向きに突出して形成されているので、第2吐水口22から吐水される洗浄水の流れを、水流の前方向向きの速度成分を低減させ、さらに第2吐水口22から便器内側後方向きに吐水させることができ、ボウル部4内の洗浄水を従来よりも縦方向(上下方向)に旋回させる流れを形成することができる。
1 水洗大便器
2 便器本体
4 ボウル部
6 トラップ管路
8 汚物受け面
10 リム部
12 溜水部
16 第1吐水口
22 第2吐水口
30 第2通水路
38 壁部材
101 水洗大便器
138 壁部材
201 水洗大便器
238 壁部材
A 主領域
D 旋回流
L 初期溜水水位

Claims (6)

  1. 洗浄水により便器を洗浄して汚物を排出する水洗大便器であって、
    ボウル形状の汚物受け面と、この汚物受け面の上方に位置しその内壁面の上部が内側に向って張り出しているリム部と、を備えたボウル部と、
    このボウル部の底部と連通して延び上記ボウル部内の汚物を排出すると共に上記ボウル部の初期溜水水位を規定するトラップ管路と、
    上記リム部に洗浄水を吐水して上記汚物受け面上を旋回する旋回流を形成する第1吐水部と、
    上記ボウル部の側面で且つ上記リム部よりも下方で且つ上記初期溜水水位よりも上方の位置に形成され、洗浄水をボウル部内へ吐水して上記ボウル部内の洗浄水を上下方向に攪拌する流れを形成する第2吐水部と、
    上記第1吐水部に洗浄水を供給する第1通水路と、
    上記第2吐水部に洗浄水を供給する第2通水路と、
    上記第2通水路又は上記第2吐水部に形成され、上記第2吐水部から吐水される洗浄水の流れを、前後方向に独立した2つ以上の流れに分ける壁部材と、
    を有することを特徴とする水洗大便器。
  2. 上記壁部材は、上記第2吐水部又は第2吐水部外側の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1記載の水洗大便器。
  3. 上記壁部材は、上記第2吐水部の上面から底面まで延びて形成されていることを特徴とする請求項2記載の水洗大便器。
  4. 上記壁部材は、ほぼ円柱状に形成され、上下方向にほぼ垂直に配置されていることを特徴とする請求項2又は3記載の水洗大便器。
  5. 上記壁部材は、上記第2吐水部から上流側に所定長さ延びる壁を形成していることを特徴とする請求項1記載の水洗大便器。
  6. 上記壁部材は、上記第2吐水部の外側の近傍に形成され、便器内側後方向きに突出して形成されていることを特徴とする請求項1記載の水洗大便器。
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