JP2015017218A - 4−メチルテトラヒドロピランを溶媒とするカチオン重合方法 - Google Patents

4−メチルテトラヒドロピランを溶媒とするカチオン重合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カチオン重合反応を溶液重合法で行うに際し、従来用いられている溶媒における課題(炭化水素系溶媒は極性が低く生成ポリマーが析出しやすく高分子量のポリマーの合成が困難であること;ハロゲン化炭化水素系溶媒は環境問題があること、エーテル系溶媒は安全性などに問題があること)を解決する。【解決手段】モノマー(例えばビニルエーテル化合物、N−ビニル化合物、スチレン化合物)のカチオン重合反応の溶媒として4−メチルテトラヒドロピランを用い、カチオン重合触媒としてプロトン酸またはルイス酸を用いることを特徴とする、カチオン重合方法。【選択図】なし

Description

本発明は、4−メチルテトラヒドロピランを溶媒とするカチオン重合方法に関する。
カチオン重合は、アニオン重合やラジカル重合と並んで最も基本的な重合反応である(例えば非特許文献1参照)。カチオン重合は、塊状重合法よりも溶液重合法で行うのが一般的である。例えば重合活性の高いビニルエーテル化合物をモノマーとして用いるカチオン重合では、反応が暴走することを抑制する観点から反応系を希釈および反応熱などの分散の目的で溶媒が使用される(例えば特許文献1参照)。かかる溶媒としては、カチオン重合活性種に不活性なヘキサンやトルエンなどの炭化水素系溶媒や、ジクロロメタンやクロロホルムや1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒が従来より用いられている(例えば非特許文献2参照)。ここで、炭化水素系溶媒やハロゲン化炭化水素系溶媒などの極性が低い溶媒を用いる場合は、カチオン重合で生成するポリマーが析出しやすく、高分子量のポリマー合成することは困難であるという問題がある。また、ハロゲン化炭化水素系溶媒は毒性や環境への悪影響の問題がある。
カチオン重合を溶液重合法で行う際のこれらの問題を改善する観点から、中極性の溶媒としてジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒を用いる場合がある。しかしながらジエチルエーテルは特殊引火物であるため安全性に問題があり、テトラヒドロフランはカチオン重合条件下でテトラヒドロフラン自体が重合するという問題点を有している。
特開平6−234814号公報
大学院高分子化学,講談社サイエンティフィック 新実験化学講座19,高分子化学[I],p74,日本化学会編
本発明の目的は、カチオン重合を溶液重合法で行う場合の上記した問題点を解決することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、モノマーのカチオン重合反応の溶媒として4−メチルテトラヒドロピランを用いることにより、極性を有する溶媒としての働きとカチオン重合触媒の安定化を同時に実現することが可能となって前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は
[1]モノマーのカチオン重合反応の溶媒に4−メチルテトラヒドロピラン(以下、MTHPと略称する場合がある)を用いることを特徴とするカチオン重合方法;
[2]カチオン重合触媒としてプロトン酸またはルイス酸を用いる、[1]のカチオン重合方法;
[3]ビニルエーテル化合物のカチオン重合である、[1]または[2]のカチオン重合方法;
[4]ビニルエーテル化合物が、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテル、ブチルプロペニルエーテル、メチルブテニルエーテルおよびエチルブテニルエーテルから選択される、[3]のカチオン重合方法;
[5]N−ビニル化合物のカチオン重合である、[1]または[2]のカチオン重合方法;
[6]N−ビニル化合物が、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピペリドンおよびN−ビニルカルバゾールから選択される、[5]のカチオン重合方法;
[7]スチレン化合物のカチオン重合である、[1]または[2]のカチオン重合方法;
[8]スチレン化合物が、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、α−メチル−p−メトキシスチレンおよびα−メチル−m−メトキシスチレンから選択される、[7]のカチオン重合方法;
[9]プロトン酸が、塩酸、硫酸、過塩素酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、クロロスルホン酸およびフルオロスルホン酸から選択される、[2]のカチオン重合方法;
[10]ルイス酸が、三フッ化ホウ素(BF)、塩化アルミニウム(AlCl)、四塩化チタン(TiCl)、塩化第二スズ(SnCl)および塩化第二鉄(FeCl)から選択される、[2]のカチオン重合方法;
[11]ルイス酸と共にルイス酸と同モル程度のプロトン供給源を用いる、[2]または[10]のカチオン重合方法;
[12]ルイス酸として三フッ化ホウ素−4−メチルテトラヒドロピラン錯体(以下、BF−MTHPと略称する)を使用する、[2]、[10]または[11]のカチオン重合方法;および
[13]カチオン重合触媒をモノマーに対して0.00001〜0.1モル%の範囲で使用する、[2]のカチオン重合方法;である。
本発明のカチオン重合方法によれば、4−メチルテトラヒドロピラン(MTHP)が極性を有するためにカチオン重合活性種が安定化されると共に、広範なカチオン重合触媒および生成するポリマーの溶解性に優れるため、均一系で速やかな重合反応を行うことができ、高分子量のポリマーを製造することができる。またMTHPは水と分離するので、カチオン重合反応終了後の生成物の単離工程、すなわちカチオン重合触媒の分解や生成するポリマーの洗浄において水を使用する際に容易にMTHP層と水層とを分液できるため、生産性の向上に寄与する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のカチオン重合方法は、溶媒として4−メチルテトラヒドロピラン(MTHP)を用いることが最大の特徴である。MTHPを使用することにより、カチオン重合反応の急激な進行による反応暴走や発熱の制御が可能となると共に、広範なカチオン重合触媒および生成するポリマーの溶解性に優れるため、均一系で速やかな重合反応を行うことができ、高分子量のポリマーを製造することができる。なお、MTHPは、例えば後述する参考例に従い、3−メチル−1,5−ペンタンジオールより製造することができる。
MTHPは環状エーテルであるが、従来より広く用いられているテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどに比べて低極性で、23℃における水への溶解度が1.5%であって水との相溶性が低い。そのため、有機合成反応における溶媒として用いた場合、反応後の処理時の分液操作を行う際に別の低極性溶媒をさらに添加したり、または別の低極性溶媒で置換したりする必要がない。また、MTHPは水と共沸する(共沸点85℃、共沸組成物:水19wt%)ため、エステル化やアセタール化などの、反応の進行に伴って水が発生する平衡反応を追い込む場合に共沸脱水によって水を系外に除去しながら反応を行うことが可能である。また、MTHPは沸点が105℃と他のエーテル系溶媒に比べて高く、高温が必要な反応に対して適用しやすい。
沸点が比較的高くかつ水溶性の低い他のエーテル系溶媒としてシクロペンチルメチルエーテルが挙げられるが、Grignard反応などの有機金属化合物を用いた反応の場合には溶解性に劣り、反応成績が低い。一方、MTHPはその構造上酸素原子が金属と配位しやすいことに起因して、反応成績が高いという利点を有する。
本発明の方法で用いるMTHPと、他の(環状)エーテルに関する基礎物性を表1に示す。
Figure 2015017218
本発明のカチオン重合方法では溶媒としてMTHPを用いるほか、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)などのエーテル系溶媒;トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒などとMTHPを混合して溶媒として用いてもよい。ただし、溶媒の回収および再利用を円滑に行う観点からは、MTHPを単独で用いることが望ましい。
MTHPは通常、蒸留および脱水処理をして本発明の方法に用いる。MTHPはカチオン重合に用いるモノマーに対して通常0.1〜50質量倍の範囲で用いる。
本発明の方法において、反応温度はMTHPとカチオン重合に用いるモノマーとの融点から沸点の範囲の温度で行い、通常−55℃〜105℃の範囲である。一般的にカチオン重合反応では、ポリマーの成長反応に比べてカチオン重合末端活性種の連鎖移動や停止反応の活性化エネルギーが大きいので、低温で重合を行うほど連鎖移動や停止反応などの副反応を抑制することができ、生成するポリマーの分子量が増大する。高分子量ポリマーを合成する際には、反応温度は室温以下、好ましくは0℃以下で行われる。
本発明の方法において、反応時間はカチオン重合に用いるモノマーの重合速度と目的とするポリマー分子量により、適宜選択できる。
重合反応終了後、反応液中に残留するカチオン重合触媒を通常は水またはアルカリ水溶液を加えて分解する。このときに生成物のポリマーはMTHPに溶解または析出しているが、MTHPと水は分離するので、分液操作で触媒成分(プロトン酸あるいはルイス酸)を水層に容易に分離することができ、MTHP層中のポリマーはMTHPを留去することで容易に単離できる。
例えばポリビニルエーテルの場合、カチオン重合における溶媒として従来用いられているヘキサンやトルエンなどの炭化水素系溶媒では、反応終了後に水を添加するとエマルジョン状になり分液が困難であるという問題を有していたが、溶媒としてMTHPを用いる本発明のカチオン重合方法では、エマルジョンが生成せず速やかに分液ができるため、生産性が向上する。
また、本発明の方法で用いるMTHPは蒸留回収および脱水処理により、再び本発明の方法に使用することができるので、溶媒の使用量を低減することができる。
本発明の方法は、カチオン重合触媒を用いて行うことが極めて好ましい。カチオン重合触媒としては、カチオン重合しうるモノマーと反応してカチオン活性種を生成するものであれば特に制限はなく、通常はプロトン酸またはルイス酸を使用できる。例えば塩酸、硫酸、過塩素酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、クロロスルホン酸、フルオロスルホン酸などのプロトン酸;三フッ化ホウ素(BF)、塩化アルミニウム(AlCl)、四塩化チタン(TiCl)、塩化第二スズ(SnCl)および塩化第二鉄(FeCl)などのルイス酸などが挙げられる。なお、三フッ化ホウ素(BF)は、三フッ化ホウ素−4−メチルテトラヒドロピラン錯体(BF−MTHP)や三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体(BF−EtO)として用いることが好ましい。
ルイス酸をカチオン重合触媒として用いる場合は、ルイス酸と共にルイス酸と同モル程度の酸、水またはアルコールなどのプロトン供給源を用いると、カチオン重合の反応活性が向上するため好ましい。
カチオン重合触媒の使用量に厳密な意味での制限はないが、通常、カチオン重合しうるモノマーに対して0.00001〜0.1モル%量の範囲で使用する。
本発明の方法では、カチオン重合しうるモノマーを特に制限なく使用できる。かかるモノマーとしては、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテル、ブチルプロペニルエーテル、メチルブテニルエーテル、エチルブテニルエーテルなどのビニルエーテル化合物;N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカルバゾールなどのN−ビニル化合物;p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、α−メチル−p−メトキシスチレン、α−メチル−m−メトキシスチレンなどのスチレン化合物;が挙げられる。中でも、ビニルエーテル化合物が好適である。
ここで、本明細書において「ビニルエーテル化合物」とは、下記式
Figure 2015017218
(式中、Rは単結合またはアルキレン基を表わし、Rはアルキル基またはシクロアルキル基を表わす。)
で示される構造の化合物を意味する。
また、本明細書において「N−ビニル化合物」とは、下記式
Figure 2015017218
(式中、Rは水素原子またはアルキル基を表わす。)、または
Figure 2015017218
で示される構造を有する化合物を意味する。
また、本明細書において「スチレン化合物」とは、スチレンの芳香環の水素原子の少なくとも1個がアルキル基、アルコキシ基もしくはハロゲン原子によって置換された構造であるスチレン化合物、またはα−アルキルスチレン化合物を意味する。
以下、実施例等により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されない。なお、実施例等における生成物のポリマーの分析は高速液体クロマトグラフ装置(GPC)を用い、分析カラムとしてSHODEX製GPC用カラムKF8025、KF802およびKF801をこの順序で直列に連結させて用い、展開液としてはテトラヒドロフラン(THF)を用いた。
参考例1
温度計、滴下漏斗、撹拌装置および単蒸発装置として冷却管と受器を装備した容量1Lの三口フラスコに、p−トルエンスルホン酸23.2g、3−メチル−1,5−ペンタンジオール420gを入れ、オイルバスを155℃に設定して、内温135℃になるまで攪拌しながら加熱した。該温度に達した段階で、冷却管および受器に有機層および水層の留出が確認された。その後、有機層および水層を留出させながら、滴下漏斗から3−メチル−1,5−ペンタンジオール5058gを留出量見合いで41時間かけて連続的に添加したところ、受器に有機層4481gおよび水層679gが留出した。留出した有機層を分離し、ガスクロマトグラフィーによって分析したところ、4−メチルテトラヒドロピラン(MTHP)の純度は99.6%、カールフィッシャー水分計(平沼産業株式会社製AQ−2200)によって求めた含水率は1.3%であった。得られた有機層を、SUSヘリパックを充填した蒸留塔(径3cm、搭長1m、約20段)の塔頂部にディーンスターク水分離器を取り付け、大気圧下、内温100〜130℃、塔頂温度85〜105℃で共沸脱水を行うことによって液中の含水量を250ppmまで低減させた。その後、ディーンスターク水分離器から蒸留装置に取り替えて還留比5、内温110〜113℃、塔頂温度105℃で蒸留精製することによって、純度99.9%以上、水分50ppm以下のMTHPを3662g得た。なお、ガスクロマトグラフィーでの分析条件は以下の通りである。
装置:GC−14B(株式会社島津製作所製)
使用カラム:G−300(内径1.2mm×長さ20m)、化学物質評価研究機構社製
分析条件:注入口温度220℃、検出器温度220℃
カラム温度:60℃で5分保持→220℃まで15℃/分で昇温→220℃で5分保持
検出器:水素炎イオン化検出器(FID)
実施例1
メカニカルスターラー、ジムロート、滴下ロートおよび温度計を備えた容量300mlの四つ口セパラブルフラスコに、MTHP15mlを入れて氷冷し、撹拌しながら三フッ化ホウ素−4−メチルテトラヒドロピラン錯体(BF−MTHP)77mg(0.5mmol)を加え、エチルビニルエーテル54g(750mmol)を3時間かけて滴下しながらカチオン重合反応を行なった。反応時の温度は25〜44℃であった。反応液に10%水酸化ナトリウム溶液1mlを加えてMTHP層と水層を分液し、MTHP層を水40mlで2回、次いで飽和食塩水で1回分液洗浄して硫酸ナトリウムで乾燥後、MTHPを留去することでポリビニルエーテル(51g)を得た。GPCにより測定したポリビニルエーテルの重量平均分子量(標準ポリスチレン換算;以下同様)は17800であった。結果を表2に示す。
比較例1
実施例1において、MTHPの代わりにトルエン15mlを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。反応時の温度は15〜22℃であった。結果を表2に示す。
比較例2
実施例1において、MTHPの代わりに1,2−ジクロロエタン(1,2−DCE)15mlを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。反応時の温度は20〜28℃であった。結果を表2に示す。
比較例3
実施例1においてMTHPを用いなかった以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、反応時の発熱が激しく、還留した。ビニルエーテルを半量添加した時に反応液が固化した。結果を表2に示す。
実施例2
実施例1において、BF−MTHPの代わりに三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体(BF−EtO)0.5mmolを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。反応時の温度は25〜42℃であった。結果を表2に示す。
実施例3
実施例1において、BF−MTHPの代わりに塩化アルミニウム0.5mmolを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。反応時の温度は26〜47℃であった。結果を表2に示す。
実施例4
実施例1において、BF−MTHPの代わりにメタンスルホン酸0.5mmolを用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。反応時の温度は25〜46℃であった。結果を表2に示す。
Figure 2015017218
本発明のカチオン重合方法では、MTHPが極性を有するためにカチオン重合活性種が安定化されると共に、広範なカチオン重合触媒および生成するポリマーの溶解性に優れるため、均一系で速やかな重合反応を行うことができ、高分子量のポリマーを製造することができる。またMTHPは水と分離するので、カチオン重合反応終了後の生成物の単離工程、すなわちカチオン重合触媒の分解や生成するポリマーの洗浄において水を使用する際に容易にMTHP層と水層とを分液できるため、生産性の向上に寄与する。

Claims (13)

  1. モノマーのカチオン重合反応の溶媒に4−メチルテトラヒドロピランを用いることを特徴とするカチオン重合方法。
  2. カチオン重合触媒としてプロトン酸またはルイス酸を用いる、請求項1に記載のカチオン重合方法。
  3. ビニルエーテル化合物のカチオン重合である、請求項1または請求項2に記載のカチオン重合方法。
  4. ビニルエーテル化合物が、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテル、ブチルプロペニルエーテル、メチルブテニルエーテルおよびエチルブテニルエーテルから選択される、請求項3に記載のカチオン重合方法。
  5. N−ビニル化合物のカチオン重合である、請求項1または請求項2に記載のカチオン重合方法。
  6. N−ビニル化合物が、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピペリドンおよびN−ビニルカルバゾールから選択される、請求項5に記載のカチオン重合方法。
  7. スチレン化合物のカチオン重合である、請求項1または請求項2に記載のカチオン重合方法。
  8. スチレン化合物が、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、α−メチル−p−メトキシスチレンおよびα−メチル−m−メトキシスチレンから選択される、請求項7に記載のカチオン重合方法。
  9. プロトン酸が、塩酸、硫酸、過塩素酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、クロロスルホン酸およびフルオロスルホン酸から選択される、請求項2に記載のカチオン重合方法。
  10. ルイス酸が、三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化チタン、塩化第二スズおよび塩化第二鉄から選択される、請求項2に記載のカチオン重合方法。
  11. ルイス酸と共にルイス酸と同モル程度のプロトン供給源を用いる、請求項2または請求項10に記載のカチオン重合方法。
  12. ルイス酸として三フッ化ホウ素−4−メチルテトラヒドロピラン錯体を使用する、請求項2、請求項10または請求項11に記載のカチオン重合方法。
  13. カチオン重合触媒をモノマーに対して0.00001〜0.1モル%の範囲で使用する、請求項2に記載のカチオン重合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021060149A1 (ja) * 2019-09-26 2021-04-01 昭和電工株式会社 透明ポリウレタン及びその製造方法並びに透明ポリウレタンを含む熱硬化性組成物及び透明導電フィルム

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