JP2015017167A - 摺動性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 - Google Patents
摺動性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015017167A JP2015017167A JP2013144176A JP2013144176A JP2015017167A JP 2015017167 A JP2015017167 A JP 2015017167A JP 2013144176 A JP2013144176 A JP 2013144176A JP 2013144176 A JP2013144176 A JP 2013144176A JP 2015017167 A JP2015017167 A JP 2015017167A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polycarbonate resin
- bis
- mass
- hydroxyphenyl
- resin composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
Description
しかしながら、これらの技術の摺動特性は十分なものでなく、摺動性が優れ高い限界PV値を有する摺動性ポリカーボネート樹脂組成物が望まれていた。
本発明の目的(課題)は、高い摺動性と高い限界PV値を有する摺動性ポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、以下の摺動性ポリカーボネート樹脂組成物および成形品を提供する。
[2]前記黒鉛が膨張黒鉛である上記[1]に記載の摺動性ポリカーボネート樹脂組成物。
[3]前記シロキサン系エラストマーが、ポリシロキサンゴム成分にこれと共重合可能な単量体成分をグラフト共重合したグラフト共重合体である上記[1]又は[2]に記載の摺動性ポリカーボネート樹脂組成物。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の摺動性ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
なお、本明細書において、「〜」とは、特に断りのない限り、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、「部」とは、特に断りのない限り、質量基準に基づく質量部を表す。
本発明の摺動性ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、黒鉛10〜50質量部及びシロキサン系エラストマー2〜20質量部を含有することを特徴とする。
本発明において使用するポリカーボネート樹脂の種類に制限はなく、ポリカーボネート樹脂は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
式中、Xは一般には炭化水素であるが、種々の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたXを用いてもよい。
2,5−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、
1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;
等が挙げられる。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、デカン−1,10−ジオール等のアルカンジオール類;
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。
以下、これらの方法のうち、特に好適なものについて具体的に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。
界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
次に、ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。
溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、適宜選択して決定すればよいが、粘度平均分子量[Mv]で通常10000以上、好ましくは16000以上、より好ましくは17000以上、より好ましくは18000以上であり、また、通常40000以下、好ましくは30000以下である。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂のうち、80質量%以下であることが好ましく、中でも50質量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
本発明の摺動性ポリカーボネート樹脂組成物は黒鉛を含有する。
黒鉛としては、特に限定されず、種々の黒鉛を用いることができ、天然の黒鉛、人工的に作製された黒鉛のいずれを使用してもよい。例えば、天然鱗片状黒鉛、天然土状黒鉛等の天然黒鉛;石油コークス、石油ピッチ或いは無定形炭素等を、高温で熱処理した人造黒鉛;これら天然黒鉛または人造黒鉛を強酸に浸漬し、さらに過酸化水素、塩酸等の酸化剤を添加して処理し、次いで水洗後、急速加熱して、原料黒鉛のC軸方向に膨張させた膨張黒鉛(または、膨張化黒鉛);等を用いることが出来る。
これらは一種または任意の割合で二種以上を併用してもよい。
上記黒鉛の中、特に好ましいのは膨張黒鉛である。
またその形状にも制限はなく、鱗状、鱗片状、塊状、フレーク状、繊維状、球状等が挙げられる。
膨張黒鉛(または膨張化黒鉛)の場合は、平均粒径が50〜500μmであることが好ましく、100〜500μmがより好ましい。熱分解黒鉛の場合は、平均粒径が10〜100μmであることが好ましく、15〜90μmがより好ましい。このような黒鉛を使用することにより、摺動性が良好になる傾向にある。
黒鉛のD50平均粒径は、35μm以上であることがより好ましく、50μm超、さらに70μm超であることが好ましく、100μm超、さらには200μm超であることが特に好ましく、300μm超であることが最も好ましい。また、その上限は、好ましくは1000μm以下であり、800μm以下であることがより好ましく、700μm以下であることがさらに好ましく、600μm以下であることが特に好ましい。
なお、D50平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したときの積算累積容量%が50%であるD50平均粒径である。
本発明の摺動性ポリカーボネート樹脂組成物が含有するシロキサン系エラストマーは、ポリオルガノシロキサンゴムなどのシリコーン系ゴムがあるが、特には、ポリシロキサンゴム成分にこれと共重合可能な単量体成分とをグラフト共重合したグラフト共重合体が好ましい。グラフト共重合体の製造方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などのいずれの製造方法であってもよく、共重合の方式は一段グラフトでも多段グラフトであってもよい。
シロキサン系エラストマーの含有量は、2質量部より少ないと、エラストマーによる耐衝撃性向上効果が不十分となりやすく、20質量部を超えると、本発明の成形品の外観不良や耐熱性の低下が生じやすい。含有量の下限は、好ましくは3質量部以上であり、また、含有量の上限は、好ましくは15質量部以下である。
本発明の摺動性ポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記以外のその他成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂、上記した以外の各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
なお、その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
その他の樹脂を含有する場合は、ポリカーボネート樹脂及びその他の樹脂の合計100質量部中の、40質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましい。
樹脂添加剤としては、例えば、難燃剤、難燃助剤、滴下防止剤、離型剤、熱安定剤、酸化防止剤、ガラス繊維、紫外線吸収剤、染顔料(カーボンブラックを含む)、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
以下、本発明に使用するポリカーボネート樹脂組成物に好適な添加剤の例について具体的に説明する。
難燃剤としては、ハロゲン化ビスフェノールAのポリカーボネート型難燃剤、有機塩系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、ホスファゼン系難燃剤等が挙げられる。
トリフェニルホスフェート、トリス(2,6−キシリル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジキシレニルホスフェート)、4,4’−ビフェノールビス(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジキシレニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ハイドロキノンビス(ジフェニルホスフェート)、4,4’−ビフェノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)等の芳香族リン酸エステル系難燃剤が挙げられる。
ホスファゼンポリマー型難燃剤としては、フェノキシホスファゼンオリゴマーや環状フェノキシホスファゼンオリゴマー等を好ましく挙げることができる。
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
離型剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。離型剤の含有量が上記範囲の下限値以下の場合は、離型性の効果が十分でない場合があり、離型剤の含有量が上記範囲の上限値を超える場合は、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染などが生じる可能性がある。
熱安定剤としては、例えばリン系化合物が挙げられる。リン系化合物としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられるが、有機ホスファイト化合物が特に好ましい。
なお、熱安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリイル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
なお、酸化防止剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
本発明の摺動性ポリカーボネート樹脂組成物は、非常に高い限界PV値を有しており、好ましくは10,000kg・mm/sec以上、特には17,000kg・mm/secというような限界PV値を達成することができる。
本発明の摺動性ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、ポリカーボネート樹脂、黒鉛及びシロキサン系エラストマー、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240〜320℃の範囲である。
上記したポリカーボネート樹脂組成物をペレタイズしたペレットは、各種の成形法で成形して成形品とされる。またペレットを経由せずに、押出機で溶融混練された樹脂を直接、成形して成形品にすることもできる。
成形品の形状としては、特に制限はなく、成形品の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、板状、プレート状、ロッド状、シート状、フィルム状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、歯車状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状のもの等が挙げられる。
以下の実施例及び比較例に使用した各原料成分は、以下の表1のとおりである。
上記表1に記載した各成分を、下記の表2に示す割合(全て質量部にて表示)にて配合し、タンブラーミキサーにて均一に混合した後、二軸押出機(日本製鋼所製TEX30HSST)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/hrにて押出機にフィードし、溶融混練させてポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
上記で得られたペレットを用い、日精樹脂工業社製成形機で(直圧式PS40、E5ASE)、成形機シリンダー温度280℃(金型温:80℃)、射出速度30%、保圧30%の成形条件で、25mm、内径20mmの円筒状のサンプルを成形し、オリエンテック社製スラスト型摩擦摩耗試験機(EFM−III−E)を使用して、相手材料は同じ材料(共材)を用い、スラスト式による摩擦摩耗試験JIS K7218に準拠して、無潤滑の状態で行い、すべり線速度70mm/secの条件下で、加圧荷重を5kgで段階的に増やして各荷重下の動摩擦係数の測定を行った。また、材料の摺動表面が摩擦熱によって変形(溶融)するまで荷重を増やし、材料の限界PV値を求めた。
ISO75−1&2に従い、4mm×10mmの試験片の中央に一定の曲げ荷重(1.8MPa)を加え(フラットワイズ方向)、等速度で昇温させ、中央部のひずみが0.34mmに達したときの温度(℃)を測定した。なお、表中、「DTUL」と表記する。
ISO178に準拠して、曲げ最大点強度(単位:MPa)、曲げ弾性率(単位:MPa)、破壊点曲げ伸び(単位:%)を測定した。
以上の評価結果を、以下の表2に示した。
Claims (4)
- ポリカーボネート樹脂100質量部に対し、黒鉛10〜50質量部及びシロキサン系エラストマー2〜20質量部を含有することを特徴とする摺動性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記黒鉛が膨張黒鉛である請求項1に記載の摺動性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記シロキサン系エラストマーが、ポリシロキサンゴム成分にこれと共重合可能な単量体成分をグラフト共重合したグラフト共重合体である請求項1又は2に記載の摺動性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の摺動性ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013144176A JP2015017167A (ja) | 2013-07-10 | 2013-07-10 | 摺動性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013144176A JP2015017167A (ja) | 2013-07-10 | 2013-07-10 | 摺動性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017119842A Division JP6411588B6 (ja) | 2017-06-19 | 2017-06-19 | 摺動性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015017167A true JP2015017167A (ja) | 2015-01-29 |
Family
ID=52438473
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013144176A Pending JP2015017167A (ja) | 2013-07-10 | 2013-07-10 | 摺動性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015017167A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017008140A (ja) * | 2015-06-17 | 2017-01-12 | 三菱化学株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物及びそれよりなる成形品 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0586246A (ja) * | 1991-09-27 | 1993-04-06 | Nippon Zeon Co Ltd | 熱可塑性樹脂組成物 |
WO2008143356A1 (ja) * | 2007-05-24 | 2008-11-27 | Teijin Chemicals Ltd. | 摺動性樹脂組成物およびその成形品 |
JP2009114458A (ja) * | 2002-11-29 | 2009-05-28 | Toray Ind Inc | 樹脂組成物 |
JP2010144164A (ja) * | 2008-12-19 | 2010-07-01 | Cheil Industries Inc | ポリ乳酸/ポリカーボネート樹脂組成物及びこれを利用した成型品 |
JP2010195923A (ja) * | 2009-02-25 | 2010-09-09 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法 |
JP2010222392A (ja) * | 2009-03-19 | 2010-10-07 | Kaneka Corp | 樹脂組成物、その成型体、及び自動車部材 |
JP2011111561A (ja) * | 2009-11-27 | 2011-06-09 | Idemitsu Kosan Co Ltd | ポリカーボネート樹脂組成物 |
JP2013023532A (ja) * | 2011-07-19 | 2013-02-04 | Teijin Chem Ltd | 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びこれを成形してなる樹脂成形体 |
-
2013
- 2013-07-10 JP JP2013144176A patent/JP2015017167A/ja active Pending
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0586246A (ja) * | 1991-09-27 | 1993-04-06 | Nippon Zeon Co Ltd | 熱可塑性樹脂組成物 |
JP2009114458A (ja) * | 2002-11-29 | 2009-05-28 | Toray Ind Inc | 樹脂組成物 |
WO2008143356A1 (ja) * | 2007-05-24 | 2008-11-27 | Teijin Chemicals Ltd. | 摺動性樹脂組成物およびその成形品 |
JP2010144164A (ja) * | 2008-12-19 | 2010-07-01 | Cheil Industries Inc | ポリ乳酸/ポリカーボネート樹脂組成物及びこれを利用した成型品 |
JP2010195923A (ja) * | 2009-02-25 | 2010-09-09 | Mitsubishi Engineering Plastics Corp | 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法 |
JP2010222392A (ja) * | 2009-03-19 | 2010-10-07 | Kaneka Corp | 樹脂組成物、その成型体、及び自動車部材 |
JP2011111561A (ja) * | 2009-11-27 | 2011-06-09 | Idemitsu Kosan Co Ltd | ポリカーボネート樹脂組成物 |
JP2013023532A (ja) * | 2011-07-19 | 2013-02-04 | Teijin Chem Ltd | 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びこれを成形してなる樹脂成形体 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017008140A (ja) * | 2015-06-17 | 2017-01-12 | 三菱化学株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物及びそれよりなる成形品 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6147595B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形体およびその製造方法 | |
JP6645743B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6139338B2 (ja) | 摺動性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP7254588B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 | |
JP6389090B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6276019B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP6092668B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP6480120B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP5973333B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP5770487B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP5758649B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体 | |
JP6173906B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6411588B2 (ja) | 摺動性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6101566B2 (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6352030B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 | |
JP2015017167A (ja) | 摺動性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
US9353260B2 (en) | Polycarbonate resin composition and molded article | |
JP2014062178A (ja) | 高熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP6139305B2 (ja) | 摺動性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP2015089893A (ja) | 熱伝導性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6193089B2 (ja) | 摺動性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP2016030779A (ja) | 摺動性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品 | |
JP6026129B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物、それからなる成形体およびその製造方法 | |
JP2014227436A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2015199892A (ja) | 摺動性ポリカーボネート樹脂組成物、その製造方法及び成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20150227 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20150731 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160513 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170130 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170207 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170323 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170425 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20171107 |