JP2015017017A - 複合酸化物焼結体及び酸化物透明導電膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、上記の諸問題を鑑み、ITOと同等に低抵抗であり、かつ可視光領域から赤外領域の広い波長領域において低い光吸収特性を有する酸化物透明導電膜を、従来よりも低温の製膜プロセスにおいて、得るための複合酸化物焼結体および酸化物透明導電膜を提供することを目的とする。
【解決手段】
インジウム、ハフニウム及び酸素を有する複合酸化物焼結体であって、当該焼結体を構成する元素の原子比が、インジウム及びハフニウムをそれぞれIn、Hfとしたときに、原子比でHf/(In+Hf)が0.5〜4.0at%であり、相対密度が97%以上であることを特徴とする複合酸化物焼結体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、酸化インジウムを主成分とする複合酸化物焼結体及び酸化物透明導電膜に関するものである。
従来、液晶等の表示素子、太陽電池、およびタッチパネル検出素子等の各種素子で用いられてきたITO(Indium Tin Oxide)薄膜は、キャリア密度が5.0×1020cm−3以上であり、低抵抗特性の発現に寄与する伝導電子が多いため、波長1000nm以上の赤外領域の光を吸収し、極めて低い透過率となってしまう。
一般的に、物質の抵抗率は、キャリア電子量の指標であるキャリア密度と、その動きやすさの指標であるキャリア移動度の積に依存することが知られている。赤外領域における光吸収を抑制するためには、キャリア密度を少なくすれば良いが、同時に抵抗率を低く抑えるためにはキャリア移動度を大きくする必要がある。
そこで、ITO膜においては、錫の添加量を調整することにより対応されてきたが、この方法では抵抗率と光吸収特性の両立が十分ではなく、その両立が望まれている。例えば、非特許文献1には、In−SnO系透明導電膜における電気光学特性のSnO量依存性が開示されている。これによれば、In−SnO系透明導電膜はSnO量が10wt%程度で最も抵抗が低くなるが、プラズマ波長が短波長側にシフトするため、赤外領域で光吸収率が大きくなることが示されている。
一方、酸化インジウムへの元素添加により、所望の特性を得ようとする試みもある。例えば、特許文献1にはインジウムと複数の金属元素の中から選ばれた少なくとも1種の元素と酸素から構成され、選択された金属元素が2.0〜40at%である酸化物焼結体が開示されている。しかしながら、この文献では複数の金属元素として、ハフニウムが例示されているが、実施例ではハフニウムが17.7at%と多量に添加された例示しかなく、低い抵抗率と広い波長領域に渡ってより広い光吸収特性を求めるためのアプローチではない。
また、特許文献2及び特許文献3には酸化インジウムと絶縁性酸化物が、インジウム1モルに対して0.00001〜0.26モル含有されているスパッタリングターゲットが開示され、絶縁性酸化物として酸化ハフニウムが例示されている。しかしながら、酸化ハフニウムを添加した実施例については一切記載がなく、また高抵抗の透明導電膜を得るための開示であって本発明の目的とは異なるものである。
また、特許文献4には、インジウムにハフニウムを添加したスパッタリングターゲットが開示されているが、実施例では酸化インジウムを89at%、酸化亜鉛を6at%、酸化錫を5at%、酸化ハフニウム5at%を同時に添加したものが例示されているにすぎず、得られる膜の抵抗率も750μΩ・cmと高い。
また、特許文献5には、酸化インジウムを主成分とする透明導電膜にハフニウムを含有した透明導電膜が開示されているが、400℃と高い製膜プロセスにより作製されており、ターゲットに関しても1400℃で2時間焼成した例が開示されているのみで、相対密度は低いものと推察される。
特開平9−209134号公報 特開2003−105532号公報 特開2004−149883号公報 特開2004−068054号公報 特開平4−341707号公報
TOSOH Research & Technology Review、47、pp.11−20(2003)
本発明は、上記の諸問題を鑑み、ITOと同等に低抵抗であり、かつ可視光領域から赤外領域の広い波長領域において低い光吸収特性を有する酸化物透明導電膜、当該膜を200℃以下の低温プロセスで作製する酸化物透明導電膜の製造方法、および当該膜を作成するための複合酸化物焼結体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の元素を、特定の組成で添加することにより、200℃以下の低い製膜プロセスにおいても、ITOと同等に低抵抗であり、かつ可視光領域から赤外領域の広い波長領域において低い光吸収特性を有する酸化物透明導電膜を得ることが可能な複合酸化物焼結体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の態様は以下の通りである。
(1)インジウム、ハフニウム及び酸素を有する複合酸化物焼結体であって、当該焼結体を構成する元素の原子比が、インジウム及びハフニウムをそれぞれIn、Hfとしたときに、原子比でHf/(In+Hf)が0.5〜4.0at%であり、相対密度が97%以上であることを特徴とする複合酸化物焼結体。
(2)(1)に記載の複合酸化物焼結体を含んでなることを特徴とするスパッタリングターゲット。
(3)(2)に記載のスパッタリングターゲットを用いて200℃以下の製膜プロセスで製膜することを特徴とする酸化物透明導電膜の製造方法。
(4)構成元素としてインジウム、ハフニウム及び酸素を有する酸化物透明導電膜であって、インジウム及びハフニウムをそれぞれIn、Hfとしたときに、原子比でHf/(In+Hf)が0.5〜4.0at%であり、抵抗率が300μΩ・cm以下であることを特徴とする酸化物透明導電膜。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の複合酸化物焼結体は、インジウムおよびハフニウム及び酸素を有する複合酸化物焼結体であって、当該焼結体を構成する元素の原子比が、インジウム及びハフニウムをそれぞれIn、Hfとしたときに、原子比でHf/(In+Hf)が0.5〜4.0at%であり、好ましくは原子比でHf/(In+Hf)が1.5〜3.5at%である。
複合酸化物焼結体において、ハフニウム添加量が原子比換算で上述の範囲である場合、当該焼結体を用いてITOよりも低抵抗であり、かつ可視光領域から赤外領域の広い波長領域において低い光吸収特性を有する酸化物透明導電膜を200℃以下の低温プロセスで得ることができる。
なお、本発明においては、不可避的な微量の不純物の混入は問わない。このような不純物としては、In、Hf以外の金属元素を有する酸化物などの化合物が挙げられる。酸化物焼結体におけるこれらの不純物の合計含有量は、金属元素に換算して、In及びHfの合計に対し、好ましくは1at%以下であり、より好ましくは0.5at%以下であり、さらに好ましくは0.1at%以下であり、特に好ましいのは0.01at%以下である。
本発明の複合酸化物焼結体は、相対密度が97%以上であり、99%以上とすることが好ましい。相対密度が97%未満となると透明導電膜を製膜中の異常放電が発生する頻度が高くなり、膜組成の不均一化、膜へのパーティクル付着などが引き起こされ、透明導電膜の電気抵抗や光学特性、熱化学的挙動が損なわれる恐れがある。このことから、複合酸化物焼結体の相対密度をこのような範囲として、スパッタリング中の異常放電現象を抑制する必要がある。
ここで、本発明の複合酸化物の相対密度(%)は、理論密度に対する焼結密度の相対値として算出した。ここで複合酸化物の理論密度は、各構成元素の酸化物の理論密度(In:7.18g/cm、HfO:9.68g/cm)の重量比率から所望の理論密度を算出した。また、複合酸化物の焼結密度(g/cm)は、JIS−R1634−1998に準拠しアルキメデス法で測定することにより求めた。
本発明の複合酸化物焼結体の平均粒径は好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下である。こうすることにより、複合酸化物焼結体の強度を高めることが可能となる。
なお、本発明における焼結体中の粒子の平均粒径の測定は以下のように行う。すなわち、本発明の酸化物焼結体を適当な大きさに切断した後、観察面を表面研磨し、次に希塩酸溶液でケミカルエッチングを行い、粒界を明確化する。この試料をEPMA、SEM/EDS、XRD等を用いて、焼結体の研磨面の観察写真を撮る。観察写真の粒子500個以上の長径を求め、その算術平均を平均粒径とした。
次に、本発明の複合酸化物焼結体の製造方法について説明する。
本発明においては、原料粉末の混合方法には特に限定はなく、インジウム源となる粉末及びハフニウム源となる粉末を同時に混合してもよく、又は一部を予備混合した後に、さらに残部を追加して混合してもよい。原料粉末としては、特に限定されるものではなく、酸化インジウム、酸化ハフニウムが適するが、焼成により酸化インジウム又は酸化ハフニウムとなるインジウム又はハフニウムの硝酸塩、塩化物、炭酸塩、アルコキシド等も使用することができる。特に取り扱い性を考慮すると、酸化物粉末が好適に用いられるので、ここでは酸化物粉末を原料として用いた場合について説明する。これら粉末の粒径は、取扱性を考慮すると平均1次粒径1.5μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.5μmである。このような粉末を使用することにより、焼結体密度の改善効果が得られる。各酸化物粉末の純度は、99.97%以上であることが好ましい。各酸化物の純度が99.97%未満では、所望の組成を有する酸化物焼結体を得ることが困難になり、高密度な酸化物焼結体を得ることが困難になる可能性がある。
これらの原料の配合は、インジウム及びハフニウムをそれぞれIn、Hfとしたときに、原子比でHf/(In+Hf)が0.5〜4.0at%となるようにする。好ましくは原子比でHf/(In+Hf)が1.5〜3.5at%となるようにする。このような組成とすることで、ITOと同等に低抵抗であり、かつ可視光領域から赤外領域の広い波長領域において低い光吸収特性を有する酸化物透明導電膜を得ることが可能な複合酸化物焼結体を得ることができる。
各成分の酸化物原料粉末を混合する方法としては、特に限定されるものではないが、目的とする組成のターゲットが得られるように各原料粉末を秤量した後、ジルコニア、アルミナ、ナイロン樹脂等のボールやビーズを用いた乾式、湿式のメディア撹拌型ミルやメディアレスの容器回転式混合、機械撹拌式混合等の混合方法が例示される。具体的には、ボールミル、ビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、ジェットミル、V型混合機、パドル式混合機、二軸遊星撹拌式混合機等が挙げられる。なお、湿式法のボールミルやビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、ジェットミル等を用いる場合には、粉砕後のスラリーを乾燥する必要がある。この乾燥方法は特に限定されるものではないが、例えば、濾過乾燥、流動層乾燥、噴霧乾燥等が例示できる。
このとき、粉砕・混合時間は特に限定されるものではないが、2〜30時間が好ましく、3〜25時間がより好ましく、5〜20時間がさらに好ましい。
得られた混合酸化物粉末の平均粒径は1.5μm以下、より好ましくは0.1〜1.5μmとして成形用粉末とする。さらに造粒処理等により成形工程での操作性を改善しておくことも可能である。これらの操作は、成形性や焼結性の改善に効果を奏するものである。
次に原料調整工程で得られた成形用粉末で成形体を作製する。成形方法は、目的とする形状に成形可能な成形方法を適宜選択することができ、特に限定されるものではない。プレス成形法、鋳込み成形法等が例示できる。成形圧力は、割れ・クラック等の発生がなく、取り扱いが可能な成形体を得ることができれば特に限定されるものではないが、成形体密度は可能な限り、高めた方がより好ましい。そのために冷間静水圧成形(CIP)等の方法を用いることも可能である。この際、必要に応じ、成形性を改善するための有機系の添加剤を使用しても良い。
成形の際に添加剤を使用した場合には、成形体中に残存する水分や有機系の添加剤を除去するため、焼成の前に80〜500℃の温度で加熱処理を施すことが好ましい。この処理温度は、残存する水分や添加剤の量や種類により適宜選択されれば良い。
次に成形工程で得られた成形体を焼結することで焼結体を作製する。昇温速度は特に限定されないが焼成時間の短縮と割れ防止の観点から、10〜400℃/時間が好ましい。焼結温度は、1580〜1640℃とする。こうすることにより、相対密度97%以上を有する高密度の焼結体が得ることができる。焼成時の保持温度は1時間以上が好ましく、3〜10時間であることがより好ましい。こうすることにより、高密度でかつ平均粒径が小さい焼結体を得ることができる。降温速度については、通常の範囲内で設定されれば特に限定されるものではなく、焼成時間の短縮と割れ防止の観点から、5〜500℃/時間とするのが好ましい。また、焼成時の雰囲気は、酸素雰囲気下で焼成を行うことが好ましい。このようにすることで、高密度の焼結体を得ることが可能となる。
本発明のスパッタリングターゲットは、前記の複合酸化物焼結体からなることを特徴とする。このようなスパッタリングターゲットは、製膜時の放電特性に優れ、異常放電が抑制され安定した製膜を可能とする。
本発明においては、複合酸化物焼結体をそのままスパッタリングターゲットとして用いても良く、また複合酸化物焼結体を所定の形状に加工してスパッタリングターゲットとして用いても良い。
スパッタリングターゲットは、スパッタリング面の表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で2μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。これにより、製膜時の異常放電の回数を一層抑制することが可能となり、安定した製膜を可能とする。中心線平均粗さは、複合酸化物焼結体のスパッタリング面を、番手を変えた砥石等で機械加工する方法、サンドブラスト等で噴射加工する方法等により調整することが可能である。また中心線平均粗さは、例えば測定面を表面性状測定装置で評価することにより求めることができる。
以上の方法により作製した本発明のスパッタリングターゲットをスパッタリング装置に設置しスパッタリング法で製膜することが可能となる。
スパッタリング方法に関しては、DCマグネトロンスパッタリング法、RFスパッタリング法、ACスパッタリング法、ECRスパッタリング法、DMSスパッタリング法等を適宜選択可能であるが、大面積に均一に、かつ高速製膜可能な点でDCマグネトロンスパッタリング法、RFスパッタリング法が好ましい。
スパッタリング時の温度は特に限定されるものではないが、用いた基材の耐熱性に影響される。例えば、無アルカリガラスを基材とした場合は通常250℃以下、樹脂製のフィルムを基材とした場合は、通常150℃以下が好ましい。このようにする事で、樹脂製基板を用いたフレキシブル太陽電池やタッチパネル用検出素子においても、低い製膜プロセス温度でITO同等の低い抵抗率を有する透明導電膜の作製が可能となる。もちろん、石英、セラミックス、金属等の耐熱性に優れた基材を用いる場合には、それ以上の温度で製膜することも可能である。
スパッタリング時の雰囲気ガスは、通常、不活性ガス、例えばアルゴンガスを用いる。必要に応じて、酸素ガス、窒素ガス、水素ガス等を用いてもよい。
このようにして得られた酸化物透明導電膜の組成は、ターゲットの組成を直に反映された組成となる。よって、酸化物透明導電膜の組成は、原子比でHf/(In+Hf)が0.5〜4.0at%の組成を有する酸化物透明導電膜が得られる。
また、本発明の酸化物透明導電膜は、抵抗率が300μΩ・cm以下で波長800〜1200nmにおける平均光吸収率が3.0%以下の低光吸収特性を示す。平均光吸収率が3.0%より大きくなった場合、太陽電池デバイスの光吸収特性の低下による変換効率の低下を引き起こす可能性がある。また、抵抗率が300μΩ・cmより大きくなるとフィルファクタの低下による太陽電池特性の低下を引き起こす可能性がある。
本発明の複合酸化物焼結体はスパッタリングターゲットとして用いた場合、200℃以下の低温プロセスにおいても、低抵抗と低光吸収特性を両立した酸化物透明導電膜を得ることが可能となる。このため、本発明は、フラットパネルディスプレイ、タッチパネルなどの各種表示素子や太陽電池などの光学素子を製造するために産業上極めて有用な技術発明である。
本発明を以下の実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、評価方法は以下の通りである。
[酸化物焼結体の評価]
(組成)
ICP−MS質量分析法により定量した。
(相対密度)
前述のように、アルキメデス法により焼結密度を測定し、理論密度に対する焼結密度の相対値として求めた。
(平均粒径)
複合酸化物焼結体を構成する粒子の平均粒径は、前述のようにして求めた。ただし、走査電子顕微鏡を用いて観察写真を得、平均粒径は粒子500個から求めた。
[酸化物透明導電膜の評価]
(光吸収率)
基板を含めた光透過率、光反射率を分光光度計U−4100(日立製作所社製)で波長400−1200nmの範囲を測定した。得られた光透過率T(%)、光反射率R(%)としたとき、光吸収率Aを以下の式より算出した。
A(%)=100−T−R
(電気的特性)
ファンデル・パウ法により、ホール効果測定装置HL5500(日本バイオ・ラッド ラボラトリーズ社製)を用いて、抵抗率を測定した。
(放電特性)
下記スパッタリング条件下で1時間当たりに生じた異常放電回数を算出した。
スパッタリング条件
・装置 :DCマグネトロンスパッタリング装置(アルバック社製)
・磁界強度 :1000Gauss(ターゲット直上、水平成分)
・基板温度 :室温(約25℃)
・到達真空度 :5×10−4Pa
・スパッタリングガス :アルゴン+酸素
(酸素/(アルゴン+酸素)で表1に記載)(体積比)
・スパッタリングガス圧:0.5Pa
・DCパワー :200W
・スパッタリング時間 :30時間
・異常放電検出装置 :μアークモニターMAM genesis(Landmark Technology社製)を用いて30時間の異常放電回数をカウント。下記式により、1時間当たりの異常放電回数を算出した。
1時間当たりの異常放電回数(回/hr)=30時間での積算異常放電回数(回)/30(hr)
[実施例1〜12、比較例1〜4]
酸化物焼結体の作製
純度99.99%、平均粒径0.5μmの酸化インジウム粉末、純度99.99%、平均粒径0.2μmの酸化ハフニウム粉末を原料粉末とし、表1に記載の最終組成となるように秤量してφ15mmのナイロンボールを用いた乾式ボールミルで20時間混合した。混合粉末の平均粒径は0.2μm〜0.5μm、粉末タップ密度は1.8〜1.9g/cmであった。得られた粉末を直径150mmの金型を用いて、0.3ton/cmで金型成形し、次いで、3.0ton/cmでCIP成形し、純酸素雰囲気焼成炉を用いて下記条件で焼結を行った。
(焼成条件)
・昇温速度 :50℃/時間
・焼結保持温度 :1550℃(比較例3,4)
1580℃(実施例7〜8)
1600℃(実施例1〜6,9〜10, 比較例1〜2)
1620℃(実施例11)
1640℃(実施例12)
・保持時間 :5時間(実施例7、9、11、12、比較例3)
10時間(実施例1〜6、8、10、較例1〜2、4)
・焼結雰囲気 :昇温時の室温から降温時の100℃まで純酸素ガスを炉内に導入
・降温速度 :100℃/時間
酸化物透明導電膜の作製
このようにして得た酸化物焼結体を4インチφサイズに加工し、ターゲットのスパッタリング面となる面は、平面研削盤とダイヤモンド砥石を用い、砥石の番手を変えることにより、中心線平均粗さ(Ra)を調整し、ターゲットを作製した。このターゲットを用いて以下の条件で膜作製を行った。
(スパッタリング条件)
・装置 :DCマグネトロンスパッタリング装置
・磁場強度 :1000Gauss(ターゲット直上、水平成分)
・基板温度 :室温(25℃)
・到達真空度 :5×10−4Pa
・スパッタリングガス :アルゴン+酸素
・スパッタリングガス圧:0.5pa
・DCパワー :200W
・膜厚 :150nm
・使用基板 :無アルカリガラス(コーニング社製EAGLE XGガラス)
厚さ0.7mm
(製膜後の後処理条件)
基板上に製膜した試料を大気中で190℃、5分間熱処理を行った。
光吸収率、電気的特性及び放電特性の評価結果を表1に示す。
[参考例1]
酸化物焼結体の作製
純度99.99%、平均粒径0.5μmの酸化インジウム粉末及び純度99.99%、平均粒径0.5μmの酸化錫粉末を原料粉末とし、酸化インジウムと酸化錫が90:10の重量比となるように秤量して乾式ボールミルで混合した。平均粒径は0.2μmであった。
酸化物透明導電膜の作製
得られた混合粉末を用いて、実施例1と同様にターゲットを作製し、実施例1〜12と同一のDCマグネトロンスパッタリング装置を用いて製膜し、後処理を行って透明導電膜を得た。
光吸収率、電気的特性及び放電特性の評価結果を表1に示す。
実施例7〜12および比較例3、4から、焼結体の焼成温度を1580〜1640℃、焼成時の保持温度を5〜10時間にすることにより、焼結体密度97%以上を有する焼結体を作製する事が可能となる。そして、焼結体密度97%以上のターゲットはスパッタリング中の異常放電が抑制されていることがわかる。
また、実施例1〜12および比較例1、2を比較する事により、インジウムおよびハフニウムが原子比でHf/(In+Hf)が0.5〜4.0at%添加することにより、可視光領域に加えて近赤外領域においても光吸収率が低く、且つ抵抗率が300μΩ・cm以下である酸化物透明導電膜を作製することが可能となることがわかる。
Figure 2015017017

Claims (4)

  1. インジウム、ハフニウム及び酸素を有する複合酸化物焼結体であって、当該焼結体を構成する元素の原子比が、インジウム及びハフニウムをそれぞれIn、Hfとしたときに、原子比でHf/(In+Hf)が0.5〜4.0at%であり、相対密度が97%以上であることを特徴とする複合酸化物焼結体。
  2. 請求項1に記載の複合酸化物焼結体を含んでなることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  3. 請求項2に記載のスパッタリングターゲットを用いて200℃以下の製膜プロセスで製膜することを特徴とする酸化物透明導電膜の製造方法。
  4. 構成元素としてインジウム、ハフニウム及び酸素を有する酸化物透明導電膜であって、インジウム及びハフニウムをそれぞれIn、Hfとしたときに、原子比でHf/(In+Hf)が0.5〜4.0at%であり、抵抗率が300μΩ・cm以下であることを特徴とする酸化物透明導電膜。
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