以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成等は、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
図1は、本発明に係る集積装置72が組み込まれる箱詰めシステムの好適な一実施形態の全体図を示している。図1に示すように、箱詰めシステムは、箱搬送処理装置10と、製品搬送供給装置20を備える。箱搬送処理装置10は、その上流側に空の箱12を積層状態のまま順次搬送し、積層状態の箱12を1個ずつ次段の身蓋分離装置13に供給する空箱搬送供給装置11を備える。この空箱搬送供給装置11における搬送対象の箱12は、ボール紙、厚紙などを適宜折り曲げて形成した上部開放した身箱15と、その身箱15に被せる蓋箱16とを備えて構成される。身箱15には、中仕切り部15aが配置されており、中仕切り部15aにより左右に2つの製品収納部を構成する。
身蓋分離装置13にて、個々の箱12を一つずつ身箱15と蓋箱16を分離し、身箱プールコンベア18と蓋箱プールコンベア19にそれぞれ移し替える。身蓋分離装置13は、搬送面の上方所定位置に配置する蓋吸着装置と、搬送面の下方に蓋吸着装置と対向して配置する身箱保持装置を備える。蓋吸着装置と身箱保持装置は、それぞれ昇降する複数の吸盤を備える。例えば、蓋吸着装置と身箱保持装置の間に空の箱12が至ると、ストッパー部材により箱12の移動を一時停止する。その一時停止する箱12に対し、両吸盤が接近移動し、蓋箱16と身箱15をそれぞれ吸着保持する。その状態で蓋吸着装置の吸盤が上昇すると、吸盤が吸着保持した蓋箱16を上方に付勢する。このとき、対となる身箱15は、身箱保持装置に吸着保持されているため、蓋箱16のみが上昇移動し、身箱15と蓋箱16は分離される。
身箱プールコンベア18は、直線状のベルトコンベア装置を基本構成とする。図1では、具体的な図示を省略し、エンドレスベルトのみを描画しているが、そのエンドレスベルトの上面側には、身箱15の進行方向左右両サイドに接触して横方向の移動を規制するガイド板を配置し、エンドレスベルトの下流側先端にはストッパー部材を配置する。このストッパー部材を開閉することで、エンドレスベルト上の蓋箱16をそのまま搬出して次段の製品搬送供給装置20の搬送装置21上に一つずつ供給したり、エンドレスベルトの上で一時停止させたりする。
また、蓋箱プールコンベア19は、身箱プールコンベア18の上方空間に配置された第一搬送装置22と、その第一搬送装置22の搬出端に近接し、搬送方向が第一搬送装置22の搬送方向と直交するように配置した第二搬送装置23とを備える。第一搬送装置22は、ベルトコンベア装置を基本構成とし、図1では、具体的な図示を省略し、エンドレスベルトのみを描画しているが、そのエンドレスベルトの上面側には、蓋箱16の進行方向左右両サイドに接触して横方向の移動を規制するガイド板を配置し、エンドレスベルトの下流側先端にはストッパー装置を配置する。ストッパー装置は、例えば、第一搬送装置22の先端位置にある蓋箱16の進行方向の前面に接触し、それ以上の前進移動を阻止するストッパー部材と、先端位置から二番目の蓋箱16の進行方向の左右両サイドを把持して前進移動を阻止する把持部材とを備える。これにより、把持部材にて先頭から二番目の蓋箱16を把持して一時停止することで、先頭の蓋箱16を二番目以降の蓋箱16と分離するとともに、二番目以降の蓋箱16は、順次前方の蓋箱16に接触するとそれ以上の前進が抑止され、第一搬送装置22上でプールされる。
一方、具体的な図示は省略するが、第二搬送装置23は、例えば搬送面を平滑なステンレス鋼板等により構成した搬送路と、その搬送路の上方で所定の軌跡で第二搬送装置23の搬送方向に沿って往復移動する押送プッシャーとを備えて構成する。押送プッシャーは、例えば二枚用意し、係る二枚の押送プッシャーを蓋箱16の全長よりも長いピッチで前後に配置する。そして、所定の軌跡は、前進移動時は押送プッシャーが蓋箱16に接触してその蓋箱16を前進移動させ、後退移動時は一旦上昇移動し蓋箱16と非接触の空間を移動するようにする。これにより、前進移動に伴い、後側の押送プッシャーの前面が第一搬送装置22の先端に位置する蓋箱16の側面に接触して付勢し、第二搬送装置23の搬送路の上に移し替える。また、このとき前側の押送プッシャーの前面が、前回の工程で第二搬送装置23の搬送上に移し替えられた蓋箱16の側面に接触し、搬送路上をさらに前進移動させて第二搬送装置23の搬出口に移動する。
第二搬送装置23の先端側の下方には、製品28が供給された身箱15を搬送する身箱搬送装置24が配置される。すなわち、この身箱搬送装置24の上流端は、製品搬送供給装置20の搬出側に近接して配置され、製品搬送供給装置20から順次搬出されてくる身箱15を受け取り、身箱15を搬送する。身箱搬送装置24は、左右に設けられた一対のベルトコンベア25を備える。この一対のベルトコンベア25により、身箱15の底面の左右が支持されて搬送される。また、ベルトコンベア25の上方外側には、身箱搬送装置24の周囲に配置された各種装置の設置位置にストッパー部材を備えている。これにより、身箱搬送装置24上の身箱15は、ベルトコンベア25からの搬送力を受けて前進移動するが、ストッパー部材に適宜位置で一時停止する。
身箱搬送装置24の搬送ライン上に配置される各種の装置としては、上流側から順に、製品28が供給された身箱15上にリーフレット29aを供給するリーフレット供給装置29、はがき30aを供給するはがき供給装置30、前段で供給されたリーフレット29aやはがき30aの有無を検査するリーフレット・はがき有無検査装置31を備える。そして、このリーフレット・はがき有無検査装置31の下流側に、上述した第二搬送装置23の搬出側近傍を配置する。リーフレット・はがき有無検査装置31にてリーフレット29aやはがき30aの無い身箱15を検出した場合、当該身箱15と、その身箱15に装着予定の蓋箱16を排出する排出装置32を備える。
また、蓋箱プールコンベア19の第二搬送装置23の先端近傍には、搬出口に移動してきた蓋箱16を製品入りの身箱15に被せる蓋被せ装置33を配置する。これにより、所定数の製品28とリーフレット29a及びはがき30aが収納された身箱15に、蓋箱16が被せられて箱が閉じた中間製品となる身入箱35が形成される。
さらに蓋被せ装置33の下流側には、段積みバッファ装置36が配置される。この段積みバッファ装置36は、下流側の装置の状況に合わせて所定数の身入箱35をバッファリングするための装置である。この段積みバッファ装置36により、身入箱35を連続して下流側の装置に搬出する機能に加え、係る搬出を一時停止して所定数の身入箱35をバッファリングし、貯留する機能を備える。この一時的に貯留した身入箱35は、搬出再開後に下流側の装置に向けて搬出する。
さらに本実施形態では、段積みバッファ装置36の下流側に、異物検査装置37,反転装置38を配置する。そしてこの反転装置38の下流側に、例えば上包機等の別の装置を配置し、反転装置38から身入箱35が所定のタイミングで一個ずつ当該別の装置に向けて搬出される。また、例えば上包機は、一定時間(例えば一時間)毎に清掃等のために装置を所定時間停止する必要がある。本実施形態では、上述のように箱搬送処理装置10の搬出側に段積みバッファ装置36を設けたことで、上包機の動作停止中には、段積みバッファ装置36で身入箱35を貯留することができる。つまり、下流側の装置(例えば上包機)が一時停するようなことがあっても、箱搬送処理装置10の動作を停止する必要が無く、運転を継続することができる。そして、上包機の運転再開に伴い、段積みバッファ装置36からの身入箱35の搬出を再開する。
また、このように段積みバッファ装置36で貯留することができるので、例えば、下流側に配置された装置で異常等があって一時停止した場合にも、箱搬送処理装置10で時々刻々と製造され、搬出されてくる身入箱35を、段積みバッファ装置36でプールすることができ、下流側の装置の異常の有無に関係なく、箱詰め処理を継続して行うことができる。
[空箱搬送供給装置11]
図2は、空箱搬送供給装置11の一実施形態を示している。複数個(例えば、18個)の空の箱12を積層した状態で搬送する第一ベルトコンベア40を備える。また、第一ベルトコンベア40の奥側には、第一ベルトコンベア40の搬送路に沿ってガイド壁41を起立形成する。このガイド壁41の高さは、所定数を積層した複数の箱12の高さよりも高くする。第一ベルトコンベア40上に積層状態でセットされた箱12は、その一方の側面がガイド壁41に接触可能となる。また、第一ベルトコンベア40の搬送面上の手前側には、側壁42が配置される。この側壁42は、例えば一個の箱12の高さ分に相当する高さを有し、側壁42とガイド壁41との対向面間の間隔は、箱12の横幅とほぼ等しいか、やや広い設定としている。これにより、複数個の箱12を重ねた状態の集積体45を、ガイド壁41−側壁42間の第一ベルトコンベア40上に供給すると、集積体45の一番下に位置する箱12は、搬送方向の左右両側がガイド壁41と側壁42の間にガイドされて横方向の移動が規制され、第一ベルトコンベア40の運転に伴い横ずれすることなく搬送される。さらに、ガイド壁41を設けたことで、集積体45を構成する複数の箱12は、第一ベルトコンベア40の奥側に崩れるのが抑止され、積み重なった状態を保持して搬送される。
第一ベルトコンベア40の下流側には第二ベルトコンベア46を配置する。第一ベルトコンベア40と第二ベルトコンベア46の搬送面は、同一面上にしている。これにより、集積体45は、第一ベルトコンベア40から第二ベルトコンベア46にスムーズに移動する。さらに、第二ベルトコンベア46の搬送面上方には、その搬入側に左右両側に一対のガイドプレート47を配置する。ガイドプレート47の内側面は、搬入側は一対の内側面間の距離が徐々に狭くなるような傾斜面47aとし、搬出側は平行面47bとする。傾斜面47aの搬入端は、ガイド壁41,側壁42よりも外側に位置させ、一対のガイドプレート47の平行面47b間の距離は、箱12の横幅とほぼ等しくしている。
一対のガイドプレート47の下流側には、それぞれ第一ストッパー柱48が起立形成される。各第一ストッパー柱48は、L字プレートから構成され、その高さは、ガイド壁41の高さとほぼ等しくしている。この一対の第一ストッパー柱48は、例えばシリンダなどの所定の駆動手段に連係され、箱12の搬送方向と直交する方向(以下、「左右方向」とも称する)に移動する。一対の第一ストッパー柱48は、同期して互いに接近離反移動し、両者間が最も離れた待機状態では、図3に示すように、一対の第一ストッパー柱48の間隔は、箱12の横幅とほぼ等しくしている。これにより、待機位置にあるときには、第二ベルトコンベア46上を移動する集積体45は、一対の第一ストッパー柱48間を通過して前進移動する。そして、一対の第一ストッパー柱48間を通過する際には、その第一ストッパー柱48にて支えられて集積体45を構成する箱12が崩れるのが抑止される。一方、この待機状態にある第一ストッパー柱48が互いに接近すべく前進移動すると、各第一ストッパー柱48は、集積体45(箱12)の進行方向前方に突出してきて、その集積体45の前進移動を遮る位置に至る。すると、第一ストッパー柱48は、集積体45を構成する各箱12の前面に接触し、第二ベルトコンベア46が回転していても集積体45の移動が一時停止する。これにより、第二ベルトコンベア46上を例えば前後に複数の集積体45が移動している場合、先頭の集積体45が第一ストッパー柱48を通過後に第一ストッパー柱48を互いに接近移動させることで、後続の集積体45から先頭の集積体45を分離することができる。
第二ベルトコンベア46の搬出側には、第一プッシャー装置49が配置される。この第一プッシャー装置49は、上下方向にのびる丸棒状の第一バー49aと第二バー49bと、これらを所定の相対位置関係に連結する連結プレート49cと、図示省略するが連結プレート49cに連携された駆動装置とを備える。連結プレート49cは、平面略L字状であり、その連結プレート49cの両先端側にそれぞれ第一バー49aと第二バー49bを連結する。連結プレート49cは、図示省略する駆動装置に連携され水平平面内で移動可能となっている。この駆動装置の駆動力を受け、連結プレート49cひいてはそれと一体になった第一バー49a,第二バー49bは、箱12の搬送方向と直交する方向(以下、「左右方向」とも称する)と、箱12の搬送方向と平行な方向(以下、「前後方向」とも称する)に移動する。駆動装置は、例えばシリンダなどで構成するとよい。
この第一プッシャー装置49の動作は、以下のようになっている。まず、第一プッシャー装置49は、左右方向と前後方向でともに後退移動し、左右一対の第一プッシャー装置49(第一バー49a,第二バー49b)が互いに離反し、両者間距離が最も離れるとともに、進行方向後側に位置した状態が待機状態(図3参照)となる。この待機状態では、左右の第一バー49a間の間隔は、箱12の横幅よりも広い設定としており、第二ベルトコンベア46上を移動する集積体45は、第一プッシャー装置49間を通過し、さらに前進移動する。
集積体45の進行方向後面が第一プッシャー装置49の第一バー49aの位置を通過後、一対の第一プッシャー装置49は、駆動装置により互いに接近移動する。これにより、第一バー49aは、集積体45の後面に対向する。また、第二バー49bは、集積体45の側面に接触する。さらに、第一プッシャー装置49は、駆動装置により集積体45の搬送方向前方に向けて移動する。これにより、集積体45の進行方向後方側の両角部が一対の第一プッシャー装置49にて抑えられ、第一プッシャー装置49の前進移動に伴い集積体45を前方に付勢する。
第二ベルトコンベア46の搬出端側の前方には、ストッカー装置50が配置される。また、第二ベルトコンベア46の搬出端側には、同一直線上で搬送面が一段低くなった第三ベルトコンベア51が、配置される。ストッカー装置50は、第三ベルトコンベア51の上方に位置する。そして、このストッカー装置50は、集積体45を受け取り、下側から1個ずつ箱12を第三ベルトコンベア51上に搬出するための装置である。
ストッカー装置50は、第二ベルトコンベア46の搬送面の外側に位置しているとともに、第三ベルトコンベア51の搬送面は第二ベルトコンベア46の搬送面よりも一段低くなっている。そのため、第二ベルトコンベア46上を移動してきて搬出されようとする集積体45は、進行方向前側が第二ベルトコンベア46の搬送面から外れ、その外れた部分は宙に浮いた状態となり、第二ベルトコンベア46,第三ベルトコンベア51からの搬送力を受けない。よって、集積体45の前進移動に伴い外れた部分が増すにつれて、第二ベルトコンベア46から集積体45が受ける搬送力が小さくなる。そこで、本実施形態では、上述したように第一プッシャー装置49が前進移動して集積体45を前方に付勢するため、集積体45は、係る第一プッシャー装置49からの付勢力を受けて前方に押し出されるようにして移動し、集積体45はストッカー装置50内に移動する。
ストッカー装置50は、搬入側が開放して、集積体45の進入を許容し、残りの三方の面にガイド棒52,54を起立配置し、ストッカー装置50内に進入してきた集積体45の側面をガイドする。具体的には、集積体45の進行方向前方の奥側には、複数本の丸棒状の第一ガイド棒52が起立配置され、それら各第一ガイド棒52は、連結プレート53により連係される。第一プッシャー装置49によりストッカー装置50内に押し込まれた集積体45の前面は、この第一ガイド棒52に接触し、位置決めされる。また、集積体45の進行方向左右両側には、複数本の丸棒状の第二ガイド棒54が起立配置され、それら各第二ガイド棒54は、その上下両端にて連結プレート55により連係される。左右に配置された第二ガイド棒54の間隔は、箱12の横幅とほぼ等しくしている。また、好ましくは、第二ガイド棒54は、連結プレート55に対して自転可能に軸受け支持するとよい。このようにすると、集積体45の進入の際に箱12の側面に接触した第二ガイド棒54が自転し、スムーズな進入を案内するので良い。
また、第二ガイド棒54の外側には、シリンダロッドの往復動作を水平方向にする第一シリンダ56が上下に二個配置される。第一シリンダ56のシリンダロッド56aの先端には、支持板57が連結され、その支持板57の表面に、多数の保持具58が取り付けられる。シリンダロッド56aの往復動作に伴い、支持板57は第二ガイド棒54の外側で、第二ガイド棒54に接近離反移動する。そして、支持板57が第二ガイド棒54から離反した待機位置では、図3に示すように、保持具58は、第二ガイド棒54の外側に位置する。よって、保持具58は、集積体45,箱12と非接触となる。一方、第一シリンダ56の動作に伴い支持板57が第二ガイド棒54の外側に接近した作動位置では、保持具58は、隣接する第二ガイド棒54間の空間を通り、第二ガイド棒54の内側に突出位置する。よって、保持具58は、集積体45ひいては箱12の側面に接触し、第一シリンダ56の圧力により集積体45を左右両側から挟み込んで保持する。さらに、保持具58は、集積体45の高さ方向に全体的に接触するが、集積体45の最下端の箱12には非接触で、少なくとも下から2番目の箱12は接触して保持する。
この保持した状態では、仮にストッカー装置50の下方が開口していても、下から2番目より上側に位置する箱12は保持具58に保持され、落下しない。保持具58は、例えば、ゴム、シリコンなどの弾力性のある材料で構成するとよい。また、吸盤等の吸着手段を備えてもよい。
さらに、ストッカー装置50の底面の左右側縁に、それぞれ開閉する底板60を配置する。この底板60は、シリンダロッドの往復動作を水平方向にする第二シリンダ61等の駆動装置による駆動力を受けて水平方向に往復移動することで、ストッカー装置50の底面を開閉する。そして底板60の上面は、第二ベルトコンベア46の搬送面と同一平面上に位置する設定としている。これにより、第二ベルトコンベア46から搬出されてきた集積体45は、そのままスムーズに開口より内部に進入し、底板60上に位置する。
両底板60が互いに接近した状態では、底板60はストッカー装置50の底面の一部を遮り、集積体45の最下端に位置する箱12の底面の左右両側部位を支持し、箱12の落下を抑止する。これにより、第二ベルトコンベア46から搬出されてきた集積体45の底面の左右両側部位が、底板60上にスムーズに移し替えられ、ストッカー装置50内にストックされる。
一方、両底板60が互いに離反した待機位置では、底板60はストッカー装置50の外側に位置し、底面が開口する。これにより、保持具58で保持されていない集積体45の最下端の箱12は、底板60からの支えがなくなり、第三ベルトコンベア51上に落下供給する。
また、ストッカー装置50の下方には、落下する箱12を受ける受け板部材63を配置する。この受け板部材63は、その下方に配置された第三シリンダ62の駆動により昇降移動する。図示省略するが、底板60が開く際には、受け板部材63が上昇移動していて、ストッカー装置50の底面付近に位置して待機する。これにより、底板60が開き、最下端の箱12が落下すると、直下に待機している受け板部材63が受ける。その後、第三シリンダ62の駆動により受け板部材63が下降移動し、受け板部材63とともに箱12が下降する。そして、受け板部材63が第三ベルトコンベア51の搬送面の下に位置すると、受け板部材63上の箱12は、第三ベルトコンベア51上に移し替えられる。これにより、箱12は、第三ベルトコンベア51からの搬送力を受け、第三ベルトコンベア51上を前進移動し、身蓋分離装置13に至る。このように本実施形態では、昇降移動する受け板部材63を配置したことで、ストッカー装置50から落下された箱12の落下距離が短くなり、落下時に箱12に加わる衝撃が少なく、箱12を損傷することなくスムーズに第三ベルトコンベア51の所望位置に移し替えることができる。しかも、受け板部材63の昇降は、第三シリンダ62といった簡単な構成で実現できる。
また、ストッカー装置50は、上記のようにして最下端の箱12を落下すると、第二シリンダ61の駆動により底板60が互いに接近移動してストッカー装置50の底面を閉じる。次いで、第一シリンダ56を駆動して支持板57,保持具58を後退移動させ、保持具58を集積体45から離反させる。これにより、集積体45の保持が解除され、ストッカー装置50内の集積体45が、当該ストッカー装置50内で下降移動し、最下端の箱12が底板60に接触すると下降移動が停止する。その後、第一シリンダ56が駆動し、保持具58が集積体45に接触して保持する。以下、上述した処理を繰り返すことで、ストッカー装置50の底面側から、箱12を一個ずつ排出し、第三ベルトコンベア51上に供給する。
[製品搬送供給装置20]
図1等に示すように、製品搬送供給装置20は、図示省略する上流側の包装機から所定間隔毎に搬出されてくる製品28を縦一列で搬送する搬送コンベア70と、その搬送コンベア70の下流側に配置されるサーボループコンベア71と、サーボループコンベア71の直線上の搬送路に沿って配置される集積装置72と、集積装置72内に置かれた製品28を保持するとともに搬送装置21上の身箱15内に製品28を供給する箱詰ロボット73を備える。搬送コンベア70は、前後に2段に分かれており、一段目と二段目のつなぎ部分に、搬出コンベア装置74を配置している。例えば、製品搬送供給装置20の下流側の装置で一時停止など生じ、上流側の包装機からの製品28の供給量がオーバーフローした場合に、搬送コンベア70上の製品28を搬出コンベア装置74側に流し、製品28が詰まることを防止する。製品28は、本実施形態では、菓子等の食料品を収納したピロー包装体で構成される。したがって、図1に示すように、製品28の進行方向の前後端には、シールされた耳部28aが形成される。
搬送コンベア70は、同一直線状に配置される第一コンベア70aと第二コンベア70bを備える。上流側に配置される第一コンベア70aは、搬送面が水平となっており、上流側の包装機から搬出されてくる製品28を、水平状体の姿勢のまま搬送する。第一コンベア70aは、下流側の先端位置が前後移動可能にしている。図1に示すように先端位置が最前方位置にある通常状態では、第一コンベア70aの先端は第二コンベア70bの上流側端部に近接し、第一コンベア70a上を移動する製品28は、スムーズに第二コンベア70b上に移動する。一方、通常状態における第一コンベア70aの先端の下方には、搬出コンベア装置74の上流側搬入部位が位置する。よって、第一コンベア70aの先端位置が後退移動すると、第一コンベア70aから搬出される製品28は、搬出コンベア装置74上に落下供給され、搬出される。
図4は、製品搬送供給装置20の要部構成部分の拡大平面図を示している。図4に示すように、第二コンベア70bの搬送面70b′は、進行方向右側が持ち上がった傾斜面としている。これにより、第二コンベア70b上を移動する製品28は、右側が持ち上がった傾斜した姿勢となる。これにともない、第二コンベア70bの進行方向左側には補助コンベア70cを配置し、第二コンベア70b上を移動する製品28の左側面を受け、製品28が傾斜した姿勢を保持しながら移動できるようにしている。
サーボループコンベア71は、複数のバケット71aを備え、バケット71aが無端状の所定の軌跡で移動する。所定の軌跡は、平行に配置される2本の直線区間71bと、その直線区間71b同士を結ぶ半円弧区間71cからなる。バケット71aは、一個の製品28を受け取り、所定の軌跡で搬送する。直線区間71bを移動中のバケット71aは、隣接するバケット71a同士が接触,近接した状態となる。一方の直線区間71bは、搬送コンベア70(第二コンベア70b)の搬出端が位置し、サーボループコンベア71への製品供給部となる。そして他方の直線区間71bは、サーボループコンベア71からの製品搬出部となる。他方の直線区間71bの外側に、集積装置72並びに箱詰ロボット73を配置し、さらにその外側に直線区間71bと平行に搬送装置21の搬送路を配置する。
上述したように、第二コンベア70bからは、製品28は斜めに傾斜した姿勢で搬出されてくる。そこで、図4(b)に示すように、バケット71aは、その底面71a′を傾斜させるとともに、低くなっている側(図中左側)の側壁71a″の高さを高くする。するとバケット71aに供給された製品28は、底面71a′に沿って下降し、その製品28が側壁71a″に接触した状態となる。よって、製品28は、バケット71a内で斜めの姿勢で安定して保持され、バケット71aとともに移動する。
サーボループコンベア71は、間欠駆動する。一時停止中は、搬送コンベア70の搬出端に所定のバケット71aが臨むように制御する。そして、搬送コンベア70から一定のタイミング毎に搬出されてきた製品28が、所定のバケット71a内に供給される。次いで、バケット71aの配置ピッチ分だけサーボループコンベア71が駆動し、次の空のバケット71aが搬出タイミングに合わせてバケット71aが搬送コンベア70の搬出端に位置する。以後、サーボループコンベア71が間欠駆動を繰り返すことで、バケット71aに順次製品28が供給される。
図5〜図7に示すように、集積装置72は、複数の製品受けプレート80を備える。製品受けプレート80は、上部開放した略V字型となる。製品28の底面を受ける第一側板80aと、製品28の側面を受ける第二側板80bを有する。第一側板80aと第二側板80bは、下端でつながっている。また、第一側板80aは、製品28の底面を受けることから比較的長くし、第二側板80bは第一側板80aよりも短い設定としている。よって、製品受けプレート80は、略L字型を所定角で回転させたものともいえる。さらに、第二側板80bの上端に、斜め内側(第一側板80a側)に向けた係止部80cを設ける。この係止部80cは、後述する製品受けプレート80の姿勢が変わった際に 製品28が滑ってずれない様にするためのもので、例えば、第二側板80bの上端を折り曲げることで形成するとよい。また、製品受けプレート80は、複数個(本実施形態では6個)が横並び状態で配置され、サーボループコンベア71側の側面は開口し、搬送装置21側の側面は、壁部80dを有する。
この複数個の製品受けプレート80は、プレート移動装置82により、製品受けプレート80の配置方向に往復移動可能となる。この往復移動により、隣接する製品受けプレート80の間隔が接近離反するので、その製品受けプレート80上の製品28の幅寄せが行える。
プレート移動装置82は、製品受けプレート80を保持するリンク機構83を備える。リンク機構83は、傾斜方向が異なる第一リンク83aと第二リンク83bを一組として複数組を適宜連携して構成する。具体的には、一組の第一リンク83aと第二リンク83bは、互いの中央部において第一ピン継手83cで回転可能に連結し、隣接する第一リンク83aと第二リンク83bの先端同士を第二ピン継手83dで回転可能に連結する。これにより、パンタグラフのようなリンク機構83となる。第一リンク83aの上端には、製品受けプレート80が連結される。また、図5中左端の第一リンク83aの上端には、抑え板81が連結される。この抑え板81は、製品受けプレート80の第一側板80aと同様の形状からなり、その第一側板80aと平行に配置される。
このリンク機構83の一端(図5中右側)に位置する第一ピン継手83cは、固定軸受け部84に連携される。また、リンク機構83の他端(図5中左側)並びに中間地点に位置する第一ピン継手83cは、それぞれ第一移動軸受け部85,第二移動軸受け部86に連携される。固定軸受け部84は、ベース板87の上面に固定設置される。また、第一移動軸受け部85,第二移動軸受け部86は、ともに底面に設けたスライダ88を介してベース板87の上面に設置されたガイドレール89に連係される。さらに、ベース板87の下方には、往復直線運動をする駆動装置90が上に取り付けられる。この駆動装置90は、駆動モータ、シリンダ、LMガイドその他の駆動源を備え、その駆動源からの動力を受けて往復移動する連結部材91の上端を第二移動軸受け部86の底面両側に連結する。
これにより、駆動装置90からの駆動力を受けて、第二移動軸受け部86は、ガイドレール89に案内されて往復移動する。第二移動軸受け部86の移動は、リンク機構83により第一移動軸受け部85も追従して移動する。よって、図5に示す固定軸受け部84から最も離れた待機位置と、図6,図7に示す固定軸受け部84に最も接近する集積位置との間を遷移する。
一方、サーボループコンベア71の一時停止中に他方の直線区間71bに位置する各バケット71aは、図5(a)に示す待機位置のある空の各製品受けプレート80に対向する。また、サーボループコンベア71の内部空間には、プッシャー75を配置する。このプッシャー75は、他方の直線区間71bを挟んで集積装置72と対向する箇所に配置する。プッシャー75は、一時停止中のバケット71a内の製品28に接触可能に形成される。そして、プッシャー75は、シリンダ等の駆動源からの駆動を受けて、直線区間71bにおけるバケット71aの移動方向と直交する方向に往復動作する。よって、サーボループコンベア71が一時停止中に、プッシャー75が集積装置72側に前進移動すると、そのプッシャー75に接触するバケット71a内の製品28が押し出され、製品受けプレート80内に移動する。製品受けプレート80内に押し入られた製品28は、製品受けプレート80の壁部80dに接触し、それ以上の移動が抑止されるので、製品受けプレート80から飛び出ることなく移し替えが完了する(図5(b)参照)。プッシャー75は、後退移動して次の製品押出に備える。
待機位置にある製品受けプレート80の第一側板80aの傾斜角度と、バケット71aの底面71a′の傾斜角度を等しい設定としている。これにより、プッシャー75により押し出された製品28は、スムーズに製品受けプレート80内に移し替えることができる。
そして、図5(b)に示すように、待機状態にある製品受けプレート80内に製品28がセットされたならば、駆動装置90が駆動して第二移動軸受け部86が移動し、隣接する製品受けプレート80の間隔が縮む。最終的には、図6に示すように、リンク機構83が収縮し、製品受けプレート80が集積位置に至る。この収縮移動に伴い、第一リンク83a,第二リンク83bは起立し、水平面に対する傾斜角度大きくなる。これに伴い、製品受けプレート80の第一側板80aの傾きも大きくなり、製品受けプレート80内の製品28の姿勢も傾きが大きく変位する。さらに、本実施形態では、所定のリンク機構83を採ることで、待機位置から集積位置に移動した製品受けプレート80は、上昇移動する。
また、第一側板80aの傾きが大きくなるのに伴い、第二側板80bの傾きは小さくなり、第二側板80b側が開放するので、起立した製品28は第二側板80b側から倒れて製品受けプレート80から離脱しやすくなる。本実施形態では、製品受けプレート80の開放した第二側板80b側に隣接する製品受けプレート80の第一側板80aが、位置するため、係る隣接する製品受けプレート80の第一側板80aにより、製品28の離脱が抑止される。つまり、ある製品受けプレート80内の製品28は、収納されている製品受けプレート80の第一側板80a,第二側板80bに加え、隣接する製品受けプレート80の第一側板80aによっても保持される。このように、姿勢の傾きが大きくなった製品28は、三方からの保持により安定した状態を維持できる。また、第二側板80b側に隣接する製品受けプレート80がない、左端の製品受けプレート80内の製品28は、その外側に設けられた抑え板81により離脱が抑止される。
このように集積位置に至った製品受けプレート80内の製品28は、箱詰ロボット73により、身箱15にセットされる。箱詰ロボット73は、三次元空間を所定の軌跡で移動するロボットアーム95と、ロボットアーム95に連係される吸着装置96と、吸着装置96の外側に配置される一対の開閉抑え板97を備える。
吸着装置96は、ロボットアーム95の先端取付部95aの下面に取り付けられた昇降装置100により昇降する吸着ノズルヘッド105を備える。これにより吸着ノズルヘッド105は、開閉抑え板97に対して相対的に昇降移動可能となる。さらに吸着ノズルヘッド105は、その下面に複数の吸着部105aを備える。吸着ノズルヘッド105は、図外の吸引ポンプに連係され、複数の吸着部105aにて吸引可能となる。よって、個々の吸着部105aが、各製品受けプレート80内の製品28を吸着保持し、身箱15内に移送する。また、本実施形態では、吸着ノズルヘッド105は、着脱可能となる。そして、吸着部105aの数が異なる複数の吸着ノズルヘッド105を用意し、一度に移し替える製品28の数に応じて適切な吸着ノズルヘッド105を装着する。図8(a)に示す吸着ノズルヘッド105は、4個の吸着部105aを有するので、隣接する4個の製品受けプレート80上の製品28を一度に吸着保持する。また、本実施形態の集積装置72は、6個の製品受けプレート80を有するため、一括して移し替え可能な製品28の数も6個となる。処理対象が6個の製品28の場合、図8(b)の吸着ノズルヘッド105を用い、処理対象が5個の製品28の場合、図8(c)の吸着ノズルヘッド105を用いる。
開閉抑え板97は、ロボットアーム95の先端取付部95aに連係される第四シリンダ98の駆動を受けて開閉する。具体的には、開閉抑え板97は、ロボットアーム95の先端取付部95aに下方に伸びるように連係される支持板101の下端に、揺動レバー102を介して回転可能に連係する。揺動レバー102は、曲がっており、その折曲した中間部位で支持板101に連係される。そして、揺動レバー102の中間部位よりも下方部位に開閉抑え板97を着脱自在に固定する。また、一対の揺動レバー102の上端所定位置には、それぞれ一対の作動レバー103の下端が回転自在に連結される。そして、一対の作動レバー103の上端は、第四シリンダ98のシリンダロッド98aの先端に連結された連結部材99に連係される。これにより、一対の揺動レバー102と一対の作動レバー103でリンク機構が構成される。そして、そのリンク機構は、揺動レバー102の中間部位で支持板101に連係された部位が固定点となる。
よって、図9(a)に示すように、第四シリンダ98の複動作によりシリンダロッド98aが収縮し、シリンダロッド98aに連結された連結部材99が最上端位置にあると、リンク機構により作動レバー103の上端が持ち上げられ、開閉抑え板97は開く。一方、図9(b)に示すように、第四シリンダ98の往動作によりシリンダロッド98aが伸長し、シリンダロッド98aに連結された連結部材99が最下端位置にあると、開閉抑え板97は閉じる。
上記のロボットアーム95は、以下のように動作が制御されて製品受けプレート80内の製品28を身箱15へ移し替える。まず、ロボットアーム95の動作により、各吸着装置96の下端の吸着面(吸着ノズルヘッド105の吸着部105a)を、製品受けプレート80内の製品28に接触させるとともに、吸引して製品28を吸着装置96に吸着保持する(図10参照)。この状態でロボットアーム95の動作により吸着装置96を上昇移動する。これにより、図11(a)に示すように、製品28は吸着装置96とともに上昇し、製品受けプレート80から取り出される。吸着ノズルヘッド105は開閉抑え板97との関係において吸着面の位置を変更可能になっており、製品受けプレート80から製品28を取り出す際には、吸着装置96は上方に所定距離だけ後退する。次いで、第四シリンダ98の駆動により一対の開閉抑え板97が閉じ、開閉抑え板97により製品28の耳部28aを折り畳む(図11(b)参照)。
次いで、ロボットアーム95の動作により吸着装置96を身箱15の上方に位置させ、その後、下降移動することで製品28を身箱15内に位置させる(図12(a)参照)。この身箱15内への収納時に昇降装置100により吸着ノズルヘッド105を前進(下降)させつつ供給する。これにより、製品28は、製品抑え板97で耳部28aが折りたたまれた状態のまま、製品抑え板97の下端より徐々に押し出されていく。この押し出されてく製品28は、耳部28aが折りたたまれている状態を保持されているので、耳部28aが身箱15の側壁や中仕切り部15aにぶつかることなくスムーズに身箱15の所定位置に配置できる。その後、吸着装置96の吸引を解除するとともに、ロボットアーム95の駆動により吸着装置96を上昇させることで、吸着装置96から製品28が離反し、製品28は身箱15内にとどまる(図12(b)参照)。
本実施形態では、身箱15には中仕切り部15aが設けられ、製品28の収納空間が2列となっているため、箱詰ロボット73は上記の処理を2回繰り返すことで製品28の身箱15内への箱詰処理が完了する。
さらに本実施形態では、仕切り広げ装置110を設け、身箱15の収納空間を構成する中仕切り部15aと身箱の側壁を離反するように広げ、箱詰ロボット73による製品供給をスムーズに行えるようにしている。図4,図13に示すように、搬送装置21は、押送フィンガー21aにより身箱15を所定ピッチで搬送する。さらに搬送装置21は、箱詰ロボット73による製品供給領域に、搬送面に出没する位置決めガイド板21bを備える。位置決めガイド板21bは、空の身箱15が製品供給領域に近づいてくると、搬送面より上方に突出する。これにより、空の身箱15の前後が、押送フィンガー21aと位置決めガイド板21bに挟まれて、位置決めされる。その状態で位置決めガイド板21bと押送フィンガー21aが同期して前進移動し、空の身箱15が集積装置72の横の製品供給領域に至ると一時停止する。
そして仕切り広げ装置110は、搬送装置21の製品供給領域に配置される。この仕切り広げ装置110は、搬送装置21の搬送方向に沿って平行に配置される第一作動板111と、第二作動板112を有する。この第一作動板111と第二作動板112は、それぞれ水平方向で往復直線運動をさせる第一駆動装置113と第二駆動装置114に連係され、互いに接近離反する。第一駆動装置113,第二駆動装置114は、例えばLMガイドなどにより構成するとよい。さらに、第一駆動装置113,第二駆動装置114は、図示省略するシリンダ等の昇降駆動装置により昇降する。
上記の仕切り広げ装置110は、以下のように動作が制御される。まず、本実施形態では、2列の収納空間に対し、順次製品28を供給するが、最初に箱詰ロボット73から離れたほうの収納空間にセットする。このため、第一駆動装置113,第二駆動装置114が動作し、第一作動板111は身箱15の搬送方向右側の側壁の内側の上方に対応する位置するとともに、第二作動板112が中仕切り部15aの搬送方向右側の上方に対応する位置した状態で待機する(図13参照)。
そして、図13に示す待機した状態からさらに身箱15が前進し、身箱15が仕切り広げ装置110の第一作動板111,第二作動板112の直下に位置し、搬送装置21による搬送が一時停止すると、昇降駆動装置により第一駆動装置113,第二駆動装置114が下降移動し、それに伴い第一作動板111,第二作動板112も下降して、身箱15内に進入する(図14(a−1),(a−2)参照)。
次いで、第一駆動装置113,第二駆動装置114が駆動し、第一作動板111,第二作動板112が互いに離反移動する。これにより、第一作動板111,第二作動板112は、それぞれ側壁と中仕切り部15aを離反する方向に付勢する(図14(a−1),(a−2)参照)。これにより、側壁と中仕切り部15aの間隔が広がる。
その間隔が広がった状態で、箱詰ロボット73により製品28が身箱15の収納空間に供給される(図14(c−1),(c−2)参照)。つまり、製品抑え板97にて耳部28aが折りたたまれた状態で吸着装置96(吸着ノズルヘッド105)にて吸着保持され製品28が、収納空間内に移動してくる。このとき、側壁と中仕切り部15aの間隔が広がっているため、製品28,製品抑え板97等が例えば身箱15の側壁,中仕切り部15aの上端にぶつかり、身箱15内に進入できなくなるようなことはなく、スムーズに収納空間に移動することができる。
その後、吸着装置96,製品抑え板97は待避する。また、昇降駆動装置により第一駆動装置113,第二駆動装置114が上昇移動し、それに伴い第一作動板111,第二作動板112も上昇し、身箱15の上方に位置する(図14(d−1),(d−2)参照)。これにより、一方の収納空間内への製品28のセットが完了し、4つの製品28が斜めに重なった刺身状の状態で身箱15内に位置する。
次に、第一駆動装置113,第二駆動装置114が動作し、第一作動板111,第二作動板112を、箱詰ロボット73側に水平移動する。具体的には、第一作動板111は中仕切り部15aの搬送方向左側の上方に対応する位置するとともに、第二作動板112が身箱15の搬送方向左側の側壁の内側の上方に対応する位置した状態で待機する(図15(a−1),(a−2)参照)。
次いで、昇降駆動装置により第一駆動装置113,第二駆動装置114が下降移動し、それに伴い第一作動板111,第二作動板112も下降して、身箱15内に進入する(図15(b−1),(b−2)参照)。
次いで、第一駆動装置113,第二駆動装置114が駆動し、第一作動板111,第二作動板112が互いに離反移動する。これにより、第一作動板111,第二作動板112は、それぞれ側壁と中仕切り部15aを離反する方向に付勢する(図15(b−1),(b−2)参照)。これにより、側壁と中仕切り部15aの間隔が広がる。
その間隔が広がった状態で、箱詰ロボット73により製品28が身箱15の収納空間に供給される(図15(d−1),(d−2)参照)。つまり、製品抑え板97にて耳部28aが折りたたまれた状態で吸着装置96(吸着ノズルヘッド105)にて吸着保持され製品28が、収納空間内に移動してくる。このとき、側壁と中仕切り部15aの間隔が広がっているため、製品28,製品抑え板97等が例えば身箱15の側壁,中仕切り部15aの上端にぶつかり、身箱15内に進入できなくなるようなことはなく、スムーズに収納空間に移動することができる。
その後、吸着装置96,製品抑え板97は待避する。また、昇降駆動装置により第一駆動装置113,第二駆動装置114が上昇移動し、第一駆動装置113,第二駆動装置114の駆動により第一作動板111,第二作動板112が上昇位置で図13に示す待機位置に復帰し、次の身箱15への処理に備える。そして、搬送装置21は、箱詰ロボット73による身箱15内への製品28の箱詰処理が完了すると、搬送を再開する。
また、本実施形態では、図13(c)に示すように、第一作動板111,第二作動板112の形状を異ならせている。これは、以下の理由からである。まず、第一作動板111に設けた突片111a,第二作動板112に設けた112aが、それぞれ身箱15の側壁や中仕切り部15aに接触し、それらを付勢して外に押し広げる機能を備える点では共通する。一方、第一作動板111,第二作動板112は、異なる寸法形状の身箱に対応するため、第一作動板111,第二作動板112の全長は、最大寸法の身箱に合わせて形成する。そこで、突片111a間に形成する凹部111b,突片112a間に形成する凹部112bは、第一作動板111,第二作動板112が下降移動した際に最大寸法よりも全長が短い身箱15の前後の側壁が位置する。つまり、第一作動板111,第二作動板112が下降移動した際に、身箱15の前後の側壁が第一作動板111,第二作動板112に接触するのを回避する空間を形成している。
そして、第一作動板111は、突片111aよりは一段低くなるが凹部111bよりは先端に位置する抑え部位111cを設けている。この抑え部位111cを設けることで、一回の処理で収納された製品28の耳部28aに接触し、広がるのを抑制する。すなわち、1回目の処理で収納された製品28は、耳部28aが折りたたまれた状態でセットされるものの、製品抑え板97が離脱することで弾性復元力により徐々に元の状態に戻ろうとする力が働く。そして、完全に広がると、耳部28aは隣の収納空間に飛び出てしまい、次の製品28の収納の邪魔になるおそれがある。そこで、第一作動板111(突片111a)が、2回目の処理のために収納空間内に入り(図15(b−2))、横に移動して中仕切り部15aを付勢する際に、合わせて抑え部位111cにて耳部28aも付勢し、耳部28aか収納空間内に入り込むのを阻止するようにしている。
上述した実施形態では、製品受けプレート80は、リンク機構83により接近するにつれて上昇移動するようにしたが、本発明は必ずしも上昇移動する必要はなく、例えば水平移動するものでも良い。また本実施形態では、製品受けプレート80の接近に伴いリンク機構83により第一側板80aの傾きが大きくなることで製品28の傾きが大きくなるようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、例えばカム機構などの動力伝達・変換機構により製品28の傾きが大きくなるようにしても良い。また、リンク機構を用いる場合でも、上述した実施形態の者に限られず、各種の機構を用いることができる。