JP2015016783A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用空調装置において、簡素な構成で、製造コスト及び組付工数を低減し、且つ、装置の大型化を防止しつつ、運転席側のみへの送風制御を行う。
【解決手段】車両用空調装置10を構成する空調ケース14は、第1分割ケース26と第2分割ケース28との間に設けられたセンタープレート30によって幅方向に2分割され、該センタープレート30によって分割された冷風通路38にエバポレータ16が配置され、温風通路40にヒータコア18が配置され、前記冷風通路38と前記温風通路40との間に一対の第1エアミックスダンパ44a、44bが、前記冷風通路38とバイパス通路42との間に一対の第2エアミックスダンパ46a、46bが設けられる。そして、運転席側のみに送風を行う際、助手席側に設けられた他方の第1及び第2エアミックスダンパ44b、46bを、駆動部22の第2アクチュエータ64を駆動させ全閉状態とすることで、冷風通路38の下流側との連通が遮断され、助手席側に開口したベント送風口32等からの送風が阻止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載され、熱交換器によって温度調整のなされた空気を車室内へと送風して車室内の温度調整を行う車両用空調装置に関する。
従来から、車両に搭載される車両用空調装置は、送風機によって内外気を内部に空気通路を形成した空調ケースへと取り込み、冷却手段であるエバポレータにより冷却された空気と、加熱手段であるヒータコアにより加熱された空気とを前記空調ケース内で所望の混合比率で混合した後、例えば、前記空調ケースに設けられた複数の開口部から送風ダクトを通じて車室内における運転席側、助手席側へとそれぞれ送風することで温度及び湿度の調整が行われる。
近年、車室内における空調効率を向上させる目的で、車室内において運転席のみに乗員がいる場合に、該運転席側のみに送風を行い助手席側への送風を行わない空調制御を行う車両用空調装置が採用されている。
このような車両用空調装置は、例えば、特許文献1に開示されるように、着座センサによって運転席のみに乗員がいることが確認された際、エアコンECUからの制御信号によって複数のドアを駆動させ、前記運転席以外に開口した吹出口を全て閉じることで、運転席側のみに送風を行う構成としている。
また、特許文献2の車両用空調装置では、ユニットケースの内部に設けられた仕切り板によって左右に2分割され、該ユニットケース内に収納されたヒータコアの下流側となり前記仕切り板によって分割された助手席側通路にサブダンパを設けている。そして、運転席側のみに送風を行う際には、助手席側に設けられた助手席側エアミックスダンパと前記サブダンパをそれぞれ閉じることで、助手席側に開口した吹出口への送風を遮断している。
特開2008−296717号公報 特開2012−76683号公報
しかしながら、上述した特許文献1の車両用空調装置では、運転席側のみに送風を行う空調モードにおいて、運転席側と助手席側の各ドアをそれぞれ独立して開閉させる必要があるため、前記助手席側の吹出口を全て閉じるために複雑なリンク構造や別のアクチュエータ(駆動源)が必要となり、部品点数の増加に伴う製造コストの増加、組付工数の増加、並びに、装置の大型化を招くこととなる。
また、特許文献2の車両用空調装置では、運転席側のみに送風を行う空調制御のためだけにサブダンパを設けているため、それに伴って部品点数が増加し、製造コスト及び組付工数の増加を招くこととなる。
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、簡素な構成で、製造コスト及び組付工数を低減し、且つ、装置の大型化を防止しつつ、運転席側のみへの送風制御が可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、送風機と、空気の流通する流路及び車室内へ送風する送風口とを有した空調ケースと、空調ケースの内部に設けられ空気を冷却する冷却手段と、空調ケースの内部に設けられ空気を加熱する加熱手段とを備え、流路が、冷却手段の配置される冷風通路と、冷風通路の下流側に形成され加熱手段の配置される温風通路と、冷却手段の下流側で加熱手段を迂回するバイパス通路とを有し、温風通路及びバイパス通路を通過した空気が送風口から車室内へと送風される車両用空調装置において、
空調ケースにおいて、冷却手段より下流側に設けられ、流路を運転席側と助手席側とに分割する仕切板と、
冷却手段の下流側に設けられ、冷風通路から温風通路とバイパス通路への送風割合を、運転席側流路と助手席側流路とでそれぞれ独立して調整する運転席側エアミックスダンパ及び助手席側エアミックスダンパと、
を備え、
助手席側エアミックスダンパは、冷風通路から温風通路への連通口を開閉する第1ダンパと、冷風通路からバイパス通路への連通口を開閉する第2ダンパとを有し、運転席側流路のみに空気を流通させる際には、温風通路側の連通口を第1ダンパで閉塞し、バイパス通路側の連通口を第2ダンパで閉塞することを特徴とする。
本発明によれば、車両用空調装置を構成する空調ケースが、内部に設けられた冷却手段より下流側において仕切板によって流路が運転席側と助手席側とに分割されると共に、冷却手段の下流側には、冷風通路から温風通路とバイパス通路への送風割合を、運転席側流路と助手席側流路とでそれぞれ独立して調整可能な運転席側エアミックスダンパ及び助手席側エアミックスダンパが設けられている。そして、助手席側エアミックスダンパは、冷風通路から温風通路への連通口を開閉する第1ダンパと、冷風通路からバイパス通路への連通口を開閉する第2ダンパとを有し、運転席側流路のみに空気を流通させる際には、温風通路側の連通口を第1ダンパで閉塞し、バイパス通路側の連通口を第2ダンパで閉塞する。
従って、助手席側エアミックスダンパの第1及び第2ダンパで、温風通路への連通口、バイパス通路への連通口をそれぞれ閉塞することで、助手席側への送風を遮断し、運転席側のみへ送風を行うことが可能となる。
その結果、運転席側流路と助手席側流路の空調をそれぞれ独立して制御可能な車両用空調装置に対して、新たな駆動部やリンク機構及びサブダンパを追加することなく、簡素な構成で運転席側のみの送風を実現することが可能となり、従来技術に係る車両用空調装置と比較し、製造コスト及び組付工数を低減し、且つ、装置の大型化を防止しつつ、運転席側のみへの送風制御を行うことができる。
また、運転席側エアミックスダンパは、温風通路との連通口を開閉する第3ダンパと、バイパス通路との連通口を開閉する第4ダンパとを備えることで、運転席側エアミックスダンパを構成する第3及び第4ダンパと、助手席側エアミックスダンパを構成する第1及び第2ダンパとを同一形状とすることができ、別の構造とする必要がないため、運転席側エアミックスダンパ及び助手席側エアミックスダンパにおける回転軸の位置を同一位置とし、部品の共用化を図ることで製造コストの低減を図ることができる。
さらに、助手席側エアミックスダンパは、該助手席側エアミックスダンパを作動させる駆動機構を有し、
駆動機構は、駆動源と、
駆動源に接続され第1及び第2リンク溝を有したリンクプレートと、
第1リンク溝に係合しリンクプレートの回転を第1ダンパに伝達する第1従動リンクと、
第2リンク溝に係合しリンクプレートの回転を第2ダンパに伝達する第2従動リンクと、
を有し、
第1リンク溝は、延在方向に沿った一端側から他端側に向かってリンクプレートの回転中心からの距離が徐々に長くなるように形成される第1溝部と、第1溝部の一端側に形成され回転中心からの距離が一定に形成される保持溝部とを有し、
第2リンク溝は、延在方向に沿った一端側から他端側に向かって回転中心からの距離が徐々に長くなるように形成される第2溝部と、第2溝部の他端側に形成され回転中心からの距離が短くなるように形成される閉塞溝部とを有し、
第1ダンパと第2ダンパが、温風通路とバイパス通路への連通口を閉塞する際には、第1従動リンクに形成された第1リンクピンを保持溝部に係合させると共に、第2従動リンクに形成された第2リンクピンを閉塞溝部に係合させるとよい。
これにより、第1ダンパ及び第2ダンパ毎に駆動源を設ける必要がなく、しかも、従来から用いられているリンクプレートの第1及び第2リンク溝にそれぞれ保持溝部及び閉塞溝部を追加するという簡素な構成で、運転席側のみに送風を行うモードを達成することが可能となる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、運転席側流路と助手席側流路とでそれぞれ独立して調整可能な運転席側エアミックスダンパ及び助手席側エアミックスダンパを備え、助手席側エアミックスダンパは、冷風通路から温風通路への連通口を開閉する第1ダンパと、前記冷風通路から前記バイパス通路への連通口を開閉する第2ダンパとを備え、助手席側エアミックスダンパの第1及び第2ダンパで、温風通路への連通口、バイパス通路への連通口をそれぞれ閉塞することで、助手席側への送風を遮断し、運転席側のみへ送風を行うことが可能となる。その結果、運転席側流路と助手席側流路の空調をそれぞれ独立して制御可能な車両用空調装置に対して、新たな駆動部やリンク機構及びサブダンパを追加することなく、簡素な構成で運転席側のみの送風を実現することが可能となり、従来技術に係る車両用空調装置と比較し、製造コスト及び組付工数を低減し、且つ、装置の大型化を防止しつつ、運転席側のみへの送風制御を行うことができる。
本発明の実施の形態に係る車両用空調装置の全体構成図である。 図1に示す車両用空調装置における第1及び第2エアミックスダンパ、駆動部、駆動力伝達機構を示す一部省略平面図である。 図1の車両用空調装置において助手席側に設けられたリンクプレートを含む駆動力伝達機構、第1及び第2エアミックスダンパを示す拡大側面図である。 図1の車両用空調装置における駆動部の回転角度と第1及び第2エアミックスダンパの回動角度の関係を示す特性線図である。
本発明に係る車両用空調装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係る車両用空調装置を示す。なお、以下の説明では、図1に示される車両用空調装置10の右側(矢印A方向)を車両の前方側とし、左側(矢印B方向)を該車両の後方側として説明する。
この車両用空調装置10は、図1に示されるように、空気の各通路12を構成する空調ケース14と、前記空調ケース14の内部に配設され前記空気を冷却するエバポレータ(冷却手段)16と、該空気を加熱するヒータコア(加熱手段)18と、前記各通路12内を流通する空気の流れを切り換えるダンパ機構20と、前記ダンパ機構20を駆動させる駆動部22と、前記駆動部22で出力された駆動力を前記ダンパ機構20へと伝達する駆動力伝達機構24a、24bとを含む。
空調ケース14は、例えば、略対称形状の第1及び第2分割ケース26、28から構成され、前記第1及び第2分割ケース26、28は車両の幅方向(図2中、矢印C方向)に分割可能に設けられている。そして、第1分割ケース26と第2分割ケース28との間には、内部の空間を2分割するセンタープレート(仕切板)30が設けられている。詳細には、空調ケース14の内部は、エバポレータ16の下流側がセンタープレート30によって幅方向、すなわち、車両搭載時における運転席側(矢印C1方向)と助手席側(矢印C2方向)とに分割されている。
また、空調ケース14の上方には、乗員の顔近傍に送風を行うベント送風口32と、該ベント送風口32と隣接し車両のフロントウィンドウ近傍に送風を行うデフロスタ送風口34とが開口し、該空調ケース14の後方側(矢印B方向)には下方に向かって開口した乗員の足元近傍に送風を行うフット送風口36が形成される。
一方、空調ケース14の内部には、前方側(矢印A方向)にエバポレータ16が収納されると共に、該エバポレータ16の下流側、すなわち、後方側(矢印B方向)にヒータコア18が収納される。そして、空調ケース14には、エバポレータ16の上流側となる位置に接続された図示しないダクトを通じて送風機から空気が導入され、前記エバポレータ16を通過することで空気が冷却され、一方、ヒータコア18を通過することで前記空気が加熱される。
また、空調ケース14における通路12は、エバポレータ16の配置される冷風通路38と、該冷風通路38の下流側に形成されヒータコア18の配置される温風通路40と、前記冷風通路38の下流側において前記ヒータコア18を迂回するバイパス通路42とを含み、前記冷風通路38は、空調ケース14の略中央部において温風通路40及びバイパス通路42と接続されている。なお、この冷風通路38、温風通路40及びバイパス通路42は、センタープレート30によって空調ケース14の幅方向(図2中、矢印C方向)に2分割され、それに伴って、ベント送風口32及びフット送風口36もそれぞれ前記幅方向(矢印C方向)に2分割され、運転席側及び助手席側にそれぞれ開口している。
ダンパ機構20は、エバポレータ16とヒータコア18との間に設けられる一対の第1エアミックスダンパ44a、44bと、前記エバポレータ16の下流側においてバイパス通路42に設けられる一対の第2エアミックスダンパ46a、46bと、ベント送風口32及びデフロスタ送風口34の送風状態を切り替えるベント切替ダンパ48と、前記ベント送風口32から車室内への空気の送風量を調整するベント調整ダンパ50と、温風通路40からフット送風口36への送風状態を調整するフット調整ダンパ52とを有する。
第1エアミックスダンパ44a、44bは、例えば、回転軸54及び回転軸55を中心として互いに離間する方向に2枚の羽根56が延在したバタフライ構造である。一方の第1エアミックスダンパ(第3ダンパ)44aが、センタープレート30によって分割された第1分割ケース26側(図2中、矢印C1方向)の冷風通路38に配置され、その一端部に設けられた回転軸54が前記第1分割ケース26に対して回転自在に支持され、該回転軸54とは反対側となる他端部に設けられた回転軸55を介してセンタープレート30に回転自在に支持される。他方の第1エアミックスダンパ(第1ダンパ)44bが、センタープレート30によって分割された第2分割ケース28側(矢印C2方向)の冷風通路38に配置され、その一端部に設けられた回転軸54が前記第2分割ケース28に対して回転自在に支持され、該回転軸54とは反対側に設けられた回転軸55を介してセンタープレート30に回転自在に支持される。すなわち、一対の第1エアミックスダンパ44a、44bは、図2に示されるように、センタープレート30を中心として運転席側(図2中、矢印C1方向)、助手席側(図2中、矢印C2方向)となるように幅方向に互いに離間して配置され、それぞれの回転軸54、55が同軸上となるように配置されると共に、それぞれ独立して回動動作自在に設けられる。
そして、第1エアミックスダンパ44a、44bは、第1及び第2分割ケース26、28の外壁部側となる回転軸54の端部に後述する駆動力伝達機構24a、24bの第1従動リンク72のサブアーム96(図3参照)が設けられ、該第1従動リンク72を介して駆動部22の駆動力が伝達されることで所定角度だけ回動する。詳細には、第1エアミックスダンパ44a、44bは、その上端部及び下端部が空調ケース14の内壁部に当接した全閉状態から、前記上端部がエバポレータ16側(矢印A方向)、前記下端部がヒータコア18側(矢印B方向)に接近するように回動する。これにより、空調ケース14内において、エバポレータ16の下流側の冷風通路38と、ヒータコア18の上流側となる温風通路40との連通状態が切り換えられ、前記冷風通路38から前記温風通路40へと所定流量で空気が流通する。
第2エアミックスダンパ46a、46bは、例えば、第1エアミックスダンパ44a、44bと同様に、回転軸58及び回転軸59を中心として互いに離間する方向に2枚の羽根60が延在した断面略V字状のバタフライ構造であり、空調ケース14の内部において前記第1エアミックスダンパ44a、44bの上方に設けられる。一方の第2エアミックスダンパ(第4ダンパ)46aが、センタープレート30によって分割された第1分割ケース26側(図2中、矢印C1方向)のバイパス通路42に配置され、その一端部に設けられた回転軸58が前記第1分割ケース26に対して回転自在に支持され、該回転軸58とは反対側となる他端部に設けられた回転軸59を介してセンタープレート30に回転自在に支持される。他方の第2エアミックスダンパ(第2ダンパ)46bが、前記センタープレート30によって分割された第2分割ケース28側(図2中、矢印C2方向)のバイパス通路42に配置され、その一端部に設けられた回転軸58が前記第2分割ケース28に対して回転自在に支持され、該回転軸58とは反対側に設けられた回転軸59を介してセンタープレート30に回転自在に支持される。
すなわち、一対の第2エアミックスダンパ46a、46bは、図2に示されるように、センタープレート30を中心として運転席側(矢印C1方向)、助手席側(矢印C2方向)となるように幅方向に互いに離間して配置され、それぞれの回転軸58、59が同軸上となるように配置されると共に、それぞれ独立して回動動作自在に設けられる。
そして、第2エアミックスダンパ46a、46bは、第1及び第2分割ケース26、28の外壁部側となる回転軸58の端部に、後述する駆動力伝達機構24a、24bの第2従動リンク76がギア部材104を介して噛合され、該第2従動リンク76を介して駆動部22の駆動力が伝達されることで所定角度だけ回動する。詳細には、第2エアミックスダンパ46a、46bは、その上端部及び下端部が空調ケース14の内壁部に当接した全閉状態から、前記上端部が前方側(矢印A方向)、前記下端部が後方側(矢印B方向)に接近するように回動する。これにより、空調ケース14内において、エバポレータ16の下流側に形成された冷風通路38とヒータコア18を迂回するバイパス通路42との連通状態が切り換えられ、前記冷風通路38から前記バイパス通路42へと所定流量で空気が流通する。
また、第2エアミックスダンパ46a、46bは、開状態において上方に向かって開口した断面V字状に形成されているため、エバポレータ16側から下流側へと流通する空気を、ベント送風口32の開口した上方へと好適に導くことができる。
駆動部22は、例えば、コントローラからの制御信号に基づき回動動作する一対の第1及び第2アクチュエータ62、64からなり、該制御信号が入力されることで駆動軸66が所定方向、且つ、所定の回動角度で回動する。そして、第1アクチュエータ62が第1分割ケース26の外壁部に設けられ、運転席側への送風を制御する一方の第1及び第2エアミックスダンパ44a、46aを駆動制御し、第2アクチュエータ64が第2分割ケース28の外壁部に設けられ、助手席側への送風を制御する他方の第1及び第2エアミックスダンパ44b、46bを駆動制御する。なお、第1及び第2アクチュエータ62、64は、図示しないコントローラからの制御信号に基づいてそれぞれ別に独立して制御可能であり、第1アクチュエータ62と第2アクチュエータ64とを独立制御することで、運転席側への送風温度や送風量と、助手席側への送風温度や送風量とをそれぞれ個別に設定可能となる。
駆動力伝達機構24a、24bは、図3に示されるように、駆動部22を構成する第1及び第2アクチュエータ62、64に対応して第1及び第2分割ケース26、28の外壁部にそれぞれ設けられ、例えば、略円盤状に形成され前記外壁部に回転自在に支持されたリンクプレート68と、該リンクプレート68の第1リンク溝70に係合され第1エアミックスダンパ44a、44bを駆動させる第1従動リンク72と、前記リンクプレート68の第2リンク溝74に係合され第2エアミックスダンパ46a、46bを駆動させる第2従動リンク76とを含む。
すなわち、一方の駆動力伝達機構24aは、第1アクチュエータ62から出力された駆動力を運転席側への送風を制御する一方の第1エアミックスダンパ44a及び第2エアミックスダンパ46aへと伝達し、他方の駆動力伝達機構24bは、第2アクチュエータ64から出力された駆動力を助手席側への送風を制御する他方の第1エアミックスダンパ44b及び第2エアミックスダンパ46bへと伝達する。
このリンクプレート68は、その略中央に開口した孔部78に第1及び第2アクチュエータ62、64の駆動軸66がそれぞれ挿入され、該第1及び第2アクチュエータ62、64の駆動作用下にリンクプレート68が一体的に回転すると共に、外縁部近傍には第1及び第2リンク溝70、74がそれぞれ形成される。
第1リンク溝70は、その一端部側に形成され孔部78を中心とした一定の半径R1で形成される保持溝部80と、該保持溝部80に接続され他端部側に向かって延在する第1溝部82とを有し、前記第1溝部82は、孔部78を中心とした半径(距離)R2が前記保持溝部80から離間するにつれて徐々に大きくなるように形成される。換言すれば、保持溝部80は、孔部78を中心とした半径R1が一定となり、第1溝部82は、孔部78を中心とした半径R2が可変となるように形成される。また、第1溝部82の半径R2は、略一定の変化率で一端部から他端部に向かって大きくなるように形成される。
そして、保持溝部80及び第1溝部82は、略一定の幅寸法で形成され、該保持溝部80及び第1溝部82からなる第1リンク溝70は、リンクプレート68において車両の後方側(矢印B方向)となる外縁部近傍に略半周にわたって延在している。
第2リンク溝74は、その一端部が第1リンク溝70における保持溝部80の一端部と近接するように形成され、該一端部から他端部側に向かって延在し、孔部78を中心とした半径(距離)R3、R4が前記一端部から離間するにつれて大きくなるように形成される第2溝部84と、前記第2溝部84の他端部に接続されリンクプレート68の略中央側に向かって延在する閉塞溝部86とを有する。
第2溝部84は、その一端部から途中となる分岐点Sまで半径R3で形成される低速部位lsと、前記分岐点Sから他端部まで半径R4で形成される高速部位hsを有し、前記低速部位ls及び高速部位hsは、それぞれ一端部から他端部側に向かって徐々に半径R3、R4が大きくなるように形成される。
また、低速部位lsの半径R3の変化率(以下、第1変化率という)と、高速部位hsの半径R4の変化率(以下、第2変化率という)とが異なるように形成され、第2変化率が第1変化率に対して大きくなるように形成される。
すなわち、第2溝部84は、一端部から分岐点Sまでの低速部位lsの半径変化に対して、該分岐点Sから他端部までの高速部位hsの半径変化の方が大きくなるように形成されている。なお、この分岐点Sは、第2溝部84の延在方向に沿った任意の点に設けられる。
閉塞溝部86は、例えば、第2溝部84の他端部に対して略直角に接続され、所定長さで一直線状に延在している。換言すれば、閉塞溝部86は、孔部78との距離が短くなる方向に延在している。
そして、第2リンク溝74を構成する第2溝部84及び閉塞溝部86は、略一定の幅寸法で形成され、リンクプレート68において孔部78を中心として第1リンク溝70と略対称となるように車両の前方側(矢印A方向)となる外縁部近傍に略半周にわたって形成される。
第1従動リンク72は、第1及び第2分割ケース26、28の外壁部に軸部88を介してそれぞれ回転自在に設けられ、図3に示されるように、前記軸部88に対して半径外方向に延在した第1アーム部90と、該軸部88に対して前記第1アーム部90とは別の方向に延在した第2アーム部92とを有し、前記第1アーム部90の先端に形成された第1リンクピン94が、リンクプレート68の第1リンク溝70へと挿入されると共に、第2アーム部92の先端には、第1エアミックスダンパ44a、44bの回転軸54に連結されたサブアーム96が係合される。
そして、第1及び第2アクチュエータ62、64の駆動作用下にリンクプレート68が回転することで、第1リンクピン94が第1リンク溝70に沿って移動し、それに伴って、第1従動リンク72が所定方向且つ所定角度だけ回動することで、サブアーム96を介して第1エアミックスダンパ44a、44bがそれぞれ回動動作する。
第2従動リンク76は、図3に示されるように、第1従動リンク72の上方に配置され、第1及び第2分割ケース26、28の外壁部に軸部98を介して回転自在に設けられ、該軸部98に対して半径外方向に拡径した円弧状のギア部100と、前記軸部98を中心として前記ギア部100とは反対側に形成された第3アーム部102と、第2エアミックスダンパ46a、46bの回転軸58の端部に装着されたギア部材104とを含む。そして、ギア部100は、ギア部材104に噛合され、一方、前記第3アーム部102の先端に形成された第2リンクピン106がリンクプレート68の第2リンク溝74へと挿入される。
そして、第1及び第2アクチュエータ62、64の駆動作用下にリンクプレート68が回転することで、第2リンクピン106が第2リンク溝74に沿って移動し、それに伴って、第2従動リンク76が所定方向且つ所定角度だけ回動することで、ギア部100と噛合されたギア部材104と共に第2エアミックスダンパ46a、46bがそれぞれ回動動作する。
なお、上述した第1従動リンク72は、サブアーム96を含めた2部品から構成され、第2従動リンク76は、ギア部材104を含めた2部品から構成される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、前記第1及び第2従動リンク72、76を共に1部品から構成し、リンクプレート68を介して駆動力を第1エアミックスダンパ44a、44b及び第2エアミックスダンパ46a、46bへとそれぞれ伝達可能な構成としてもよい。
本発明の実施の形態に係る車両用空調装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、以下の説明では、図1に示されるように、第1エアミックスダンパ44a、44bが全閉状態となり、冷風通路38と温風通路40との連通が遮断され、且つ、第2エアミックスダンパ46a、46bが全閉状態となり、前記冷風通路38とバイパス通路42との連通が遮断された状態を初期状態として説明する。また、この初期状態では、第1従動リンク72の第1リンクピン94が、第1リンク溝70の保持溝部80に位置し、第2従動リンク76の第2リンクピン106が、第2リンク溝74の閉塞溝部86に位置した状態にある。
先ず、乗員が車室内の運転席及び助手席にそれぞれ乗車している状態で、冷房運転を行う場合について説明する。図示しない乗員が、車両用空調装置10の搭載された車両の車室内に配置された操作レバーを操作することで、該操作レバーの操作に応じて図示しないコントローラから駆動部22に対して制御信号が出力される。この場合、一対の第1及び第2アクチュエータ62、64に対してそれぞれ制御信号が入力され、それぞれの制御信号に応じた運転席側及び助手席側の空調が行われる。
そして、駆動部22の第1及び第2アクチュエータ62、64がそれぞれ駆動することでリンクプレート68が駆動軸66を中心として反時計回り(図3中、矢印D2方向)に回動し、それに伴って、第1リンクピン94が保持溝部80に沿って移動し、且つ、第2リンクピン106が閉塞溝部86から離脱して第2溝部84へと移動することで、第2従動リンク76のみが回動する。これにより、第2従動リンク76の回動によって第2エアミックスダンパ46a、46bが回転軸58を中心として時計回りに回動する。
このように第2エアミックスダンパ46a、46bが全閉状態から回動することで、図1に示される冷風通路38とバイパス通路42とが連通し、図示しない送風機から空調ケース14へと供給されエバポレータ16によって冷却された空気が、冷風通路38からバイパス通路42を通じてベント送風口32へと流通し、車室内における運転席側及び助手席側の乗員の顔近傍へと送風される。なお、この場合、デフロスタ送風口34は、ベント切替ダンパ48によって閉塞され、フット送風口36もフット調整ダンパ52によって閉塞されている。
次に、運転席側及び助手席側の暖房運転を行う場合には、上述した冷房運転状態から第1エアミックスダンパ44a、44bを回動させ冷風通路38と温風通路40とを連通させると共に、第2エアミックスダンパ46a、46bを回動させ閉状態とすることで冷風通路38とバイパス通路42の連通を遮断する。
先ず、駆動部22の駆動作用下にリンクプレート68が反時計回り(矢印D2方向)に回転することで、第1リンクピン94が保持溝部80から離脱して第1溝部82に沿って移動することで徐々に半径外方向に移動し、それに伴って、第1従動リンク72が軸部88を中心として反時計回りに回動し、サブアーム96が回動することで第1エアミックスダンパ44a、44bが回転軸54、55を中心として時計回りに回動する。この際、第1エアミックスダンパ44a、44bの回動速度は、第1リンクピン94の挿入された第1溝部82の半径R1の変化率が一定であるため、一定速度で全閉状態から徐々に開いていく。
一方、第2エアミックスダンパ46a、46bは、リンクプレート68の反時計回り(矢印D2方向)への回転によって第2リンクピン106が第2溝部84に沿って移動する。この際、第2溝部84は、第2リンクピン106の挿入されている高速部位hsの半径R4の変化率が、低速部位lsの半径R3の変化率に対して大きく設定されているため、前記第2リンクピン106は急速に半径内方向へと移動し、それに伴って、第2エアミックスダンパ46a、46bが開状態から閉動作し始める。そして、リンクプレート68の回転によって第2リンクピン106が第2リンク溝74の分岐点Sを越え、半径R3で形成された低速部位lsへと移動することで、第2従動リンク76の回動速度が低下し、それに伴って、第2エアミックスダンパ46a、46bの回動速度が緩やかとなる。
すなわち、第2リンク溝74を構成する第2溝部84は、半径の変化率が分岐点Sを境として異なる高速部位hsと低速部位lsとを有しているため、第2従動リンク76を介して第2エアミックスダンパ46a、46bの回動速度を途中で変化させることが可能となる。換言すれば、第2エアミックスダンパ46a、46bを全開状態から閉動作させる際、その閉動作開始から途中までを高速で回動させ、所定角度だけ閉動作させた後に低速で回動させ全閉状態へと切り換えることができる。
上述したように暖房運転を行う際、冷風通路38とバイパス通路42との連通状態を切り換える第2エアミックスダンパ46a、46bを途中まで高速で回動させ、エバポレータ16を通過した空気の前記バイパス通路42側への流通を抑制することで、暖房運転へと切り換えた後に、冷風が車室内へと送風されてしまうことが抑制され、車室内の室温を低下させてしまうことが回避される。
このように第1エアミックスダンパ44a、44bを全閉状態から回動させることで冷風通路38と温風通路40とが連通し、図示しない送風機から空調ケース14へと供給されエバポレータ16によって冷却された空気が、冷風通路38からヒータコア18へと流通することで所定温度に加熱された後、フット送風口36から車室内における運転席側及び助手席側の乗員の足元近傍へと所望の温度及び送風量で送風される。同時に、第2エアミックスダンパ46a、46bを第2リンク溝74に係合された第2従動リンク76を介して回動させ、冷風通路38とバイパス通路42との連通を遮断することで、エバポレータ16で冷却された空気が各送風口から送風されることが阻止される。
ここで、第1エアミックスダンパ44a、44bを開閉動作させる際の回動角度(開度)と、第2エアミックスダンパ46a、46bを開閉動作させる際の開度との関係について、図4を参照しながら説明する。なお、この図4では、第1エアミックスダンパ44a、44bの開度を示す特性をL1(太い実線)とし、第2エアミックスダンパ46a、46bの開度を示す特性をL2(細い実線)とすると共に、その縦軸が第1エアミックスダンパ44a、44b及び第2エアミックスダンパ46a、46bの開度、横軸が第1及び第2アクチュエータ62、64を含む駆動部22の回転角度を示している。
先ず、駆動部22の回転角度が0°の状態で冷房運転を行う場合には、該駆動部22の駆動作用下に第2エアミックスダンパ46a、46bの開度(L2)が急激に大きくなっており、一方、第1エアミックスダンパ44a、44bの開度(L1)は、全閉状態のままであるため0°のままとなっていることが諒解される。そして、図4における回転角度E1において第2エアミックスダンパ46a、46bが全開状態となり、冷風通路38とバイパス通路42とが完全に連通してエバポレータ16によって冷却された空気が前記バイパス通路42を通じてベント送風口32から車室内へと送風される冷房運転状態となる。
次に、上述した冷房運転から暖房運転へと切り換える場合には、駆動部22に対する制御信号に基づき、第1及び第2アクチュエータ62、64が冷房運転時とは反対方向(反時計回り)に回転することでリンクプレート68が回転する。これにより、第1エアミックスダンパ44a、44bは、一定の変化率の半径R1で形成された第1リンク溝70に係合された第1従動リンク72を介して一定速度で徐々に全閉状態から時計回りに回動して開いていく。一方、第2エアミックスダンパ46a、46bは、変化率の大きな半径R4で形成された第2溝部84の高速部位hsに係合された第2従動リンク76を介して、第1エアミックスダンパ44a、44bより高速で全開状態から反時計回りに回動して閉動作し始める。
そして、駆動部22がさらに駆動することで、第1エアミックスダンパ44a、44bは一定速度で回動することで継続的に開動作し、一方、第2エアミックスダンパ46a、46bは、駆動部22が回転角度E2となった時点で第2リンク溝74に係合された第2リンクピン106が分岐点Sを越え、その後に、変化率の小さな半径R3で形成された低速部位lsに沿って移動することで、該第2エアミックスダンパ46a、46bの回動速度が低速となり、反時計回りに緩やかに回動していく。
最後に、駆動部22がさらに駆動し回転角度E3に到達した時点で、第1エアミックスダンパ44a、44bが全開状態となり、且つ、第2エアミックスダンパ46a、46bが全閉状態となり、冷風通路38と温風通路40とが完全に連通してエバポレータ16によって冷却された空気がヒータコア18を通じてフット送風口36から車室内へと送風され、且つ、前記冷風通路38とバイパス通路42との連通が遮断された暖房運転状態となる。
すなわち、冷房運転から暖房運転へと切り換える際、空気を冷風通路38から温風通路40へと流通させる第1エアミックスダンパ44a、44bを一定速度で回動させ開動作させると同時に、第2エアミックスダンパ46a、46bを始動開始から一定範囲内(高速部位hs)で高速に回動させ、急速に閉動作させることで、冷却された空気がバイパス通路42を通じて車室内へと送風されることを抑制できるため、ヒータコア18を通過して加熱された空気によって車室内をより迅速に加温することができる。
次に、運転席のみに乗員が乗車している場合の車両用空調装置10の動作について説明する。
最初に、例えば、着座センサ等により運転席のみに乗員が乗車し、助手席に乗員が乗車していないことが確認された後、図示しないコントローラから助手席側に設けられた駆動部22の第2アクチュエータ64へと制御信号を出力し、駆動軸66を中心として図3に示されるリンクプレート68を時計回り(矢印D1方向)に回転させる。これにより、第1従動リンク72の第1リンクピン94が第1溝部82に沿って一端部側へと移動することで徐々に半径内方向へと移動し、それに伴って、助手席側に配置された第1エアミックスダンパ44bが反時計回りに回動して徐々に閉動作し始めると同時に、第2従動リンク76の第2リンクピン106が第2溝部84に沿って他端部側へと移動することで徐々に半径外方向へと移動し、それに伴って、助手席側に配置された第2エアミックスダンパ46bが反時計回りに回動して徐々に閉動作し始める。
そして、リンクプレート68がさらに回転することで第1エアミックスダンパ44bの上端部及び下端部が空調ケース14の内壁部に当接し、冷風通路38と温風通路40との連通を遮断した全閉状態となる。その後、第1リンクピン94が保持溝部80へと移動することで全閉状態が維持される。一方、第2リンクピン106は、第2溝部84の他端部まで移動した後、さらなるリンクプレート68の回転によって閉塞溝部86へと移動することで半径内方向へと強制的に移動させられ、それに伴って、第2エアミックスダンパ46bが空調ケース14の内壁部に当接し、バイパス通路42と冷風通路38との連通を遮断した全閉状態となる。
これにより、図1に示されるように、空調ケース14において助手席側に設けられた第1エアミックスダンパ44bが全閉状態となり、エバポレータ16を通過した空気が冷風通路38からヒータコア18側(下流側)となる温風通路40へと流通することが阻止され、同時に、助手席側に設けられた第2エアミックスダンパ46bが全閉状態となることで、エバポレータ16を通過した空気が冷風通路38からバイパス通路42へと流通することが阻止される。
その結果、助手席側に設けられた第1エアミックスダンパ44b及び第2エアミックスダンパ46bを、第2アクチュエータ64によって駆動させ、運転席側に設けられた第1エアミックスダンパ44a及び第2エアミックスダンパ46aとは独立して駆動制御して全閉状態とすることで、エバポレータ16を通過した空気がベント送風口32やデフロスタ送風口34側(下流側)へと流通することを確実に阻止できるため、この空気がセンタープレート30によって分割された助手席側の温風通路40やバイパス通路42を通じて車室内の助手席側へと送風されることがない。
一方、上述したように運転席側のみに送風を行う場合、前記運転席側に乗車した乗員の操作に基づいて運転席側(第1分割ケース26側)に設けられた第1アクチュエータ62へと制御信号を出力して駆動制御することで、第1エアミックスダンパ44a及び第2エアミックスダンパ46aを所定角度だけ回動させ、エバポレータ16を通過した空気をバイパス通路42を通じて直接ベント送風口32から送風させる冷房運転や、前記空気をヒータコア18に通過させることで加熱した後、フット送風口36から送風させる暖房運転を行うことが可能である。
以上のように、本実施の形態では、車室内における運転席側と助手席側の空調をそれぞれ独立して制御可能な車両用空調装置10において、前記運転席側のみに送風を行う場合には、助手席側に設けられた第1エアミックスダンパ44b及び第2エアミックスダンパ46bを駆動部22の第2アクチュエータ64で駆動制御し、いずれも全閉状態とすることでエバポレータ16の下流側においてヒータコア18の配置された温風通路40との連通を前記第1エアミックスダンパ44bで遮断し、同時に、前記エバポレータ16の下流側において該ヒータコア18を迂回してベント送風口32等と連通したバイパス通路42との連通を前記第2エアミックスダンパ46bで遮断し、助手席側への送風を遮断することができる。
従って、運転席側と助手席側の空調をそれぞれ独立して制御可能な従来の車両用空調装置に対して、新たな駆動部やリンク機構及びサブダンパを追加することなく、簡素な構成で運転席側のみの送風を実現することが可能となる。
その結果、従来技術に係る車両用空調装置と比較し、車両用空調装置10の部品点数を増加させることなく、製造コスト及び組付工数を低減し、且つ、装置の大型化を防止しつつ、運転席側のみへの送風制御を行うことができる。
また、運転席側に設けられる第1及び第2エアミックスダンパ44a、46aと、助手席側に設けられる第1及び第2エアミックスダンパ44b、46bとを同一形状とすることができ、しかも、従来、運転席側と助手席側との空調制御をそれぞれ独立して行っていた構成を利用できるため、前記第1エアミックスダンパ44a、44b及び第2エアミックスダンパ46a、46bを別の構造とする必要がなく、第1エアミックスダンパ44a、44b及び第2エアミックスダンパ46a、46bにおける回転軸54、55、58、59の位置を同一位置とすることができる。その結果、部品の共用化を図ることで車両用空調装置10における製造コストの低減を図ることができる。
さらに、第1エアミックスダンパ44a、44b及び第2エアミックスダンパ46a、46b毎に駆動部を設ける必要がなく、しかも、従来から用いられているリンクプレート68の第1リンク溝70に保持溝部80を追加し、第2リンク溝74に閉塞溝部86を追加するという簡素な構成で、運転席側のみに送風を行うモードを達成することが可能となる。
さらにまた、第1エアミックスダンパ44a、44b及び第2エアミックスダンパ46a、46bは、回転軸54、55、58、59を中心として互いに離間する方向に延在した2枚の羽根56、60を有したバタフライ構造としているため、小型化を図ることができ、しかも、開状態において上流側から下流側へと空気を流通させる際の配風性を高めることができる。
なお、本発明に係る車両用空調装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…車両用空調装置 14…空調ケース
16…エバポレータ 18…ヒータコア
20…ダンパ機構 22…駆動部
24a、24b…駆動力伝達機構 26…第1分割ケース
28…第2分割ケース 30…センタープレート
32…ベント送風口 36…フット送風口
38…冷風通路 40…温風通路
42…バイパス通路
44a、44b…第1エアミックスダンパ
46a、46b…第2エアミックスダンパ
62…第1アクチュエータ 64…第2アクチュエータ
66…駆動軸 68…リンクプレート
70…第1リンク溝 72…第1従動リンク
74…第2リンク溝 76…第2従動リンク
80…保持溝部 82…第1溝部
84…第2溝部 86…閉塞溝部
ls…低速部位 hs…高速部位
S…分岐点

Claims (3)

  1. 送風機と、空気の流通する流路及び車室内へ送風する送風口とを有した空調ケースと、前記空調ケースの内部に設けられ前記空気を冷却する冷却手段と、前記空調ケースの内部に設けられ前記空気を加熱する加熱手段とを備え、前記流路が、前記冷却手段の配置される冷風通路と、該冷風通路の下流側に形成され前記加熱手段の配置される温風通路と、前記冷却手段の下流側で前記加熱手段を迂回するバイパス通路とを有し、前記温風通路及び前記バイパス通路を通過した空気が前記送風口から車室内へと送風される車両用空調装置において、
    前記空調ケースにおいて、前記冷却手段より下流側に設けられ、前記流路を運転席側と助手席側とに分割する仕切板と、
    前記冷却手段の下流側に設けられ、前記冷風通路から前記温風通路と前記バイパス通路への送風割合を、運転席側流路と助手席側流路とでそれぞれ独立して調整する運転席側エアミックスダンパ及び助手席側エアミックスダンパと、
    を備え、
    前記助手席側エアミックスダンパは、前記冷風通路から前記温風通路への連通口を開閉する第1ダンパと、前記冷風通路から前記バイパス通路への連通口を開閉する第2ダンパとを有し、前記運転席側流路のみに前記空気を流通させる際には、前記温風通路側の開口を前記第1ダンパで閉塞し、前記バイパス通路側の解開口を前記第2ダンパで閉塞することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1記載の車両用空調装置において、
    前記運転席側エアミックスダンパは、前記温風通路との連通口を開閉する第3ダンパと、
    前記バイパス通路との連通口を開閉する第4ダンパと、
    を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1又は2記載の車両用空調装置において、
    前記助手席側エアミックスダンパは、該助手席側エアミックスダンパを作動させる駆動機構を有し、
    前記駆動機構は、駆動源と、
    前記駆動源に接続され第1及び第2リンク溝を有したリンクプレートと、
    前記第1リンク溝に係合し前記リンクプレートの回転を前記第1ダンパに伝達する第1従動リンクと、
    前記第2リンク溝に係合し前記リンクプレートの回転を前記第2ダンパに伝達する第2従動リンクと、
    を有し、
    前記第1リンク溝は、延在方向に沿った一端側から他端側に向かってリンクプレートの回転中心からの距離が徐々に長くなるように形成される第1溝部と、前記第1溝部の前記一端側に形成され前記回転中心からの距離が一定に形成された保持溝部とを有し、
    前記第2リンク溝は、延在方向に沿った一端側から他端側に向かって前記回転中心からの距離が徐々に長くなるように形成される第2溝部と、前記第2溝部の他端側に形成され前記回転中心からの距離が短くなるように形成される閉塞溝部とを有し、
    前記第1ダンパと前記第2ダンパが、前記温風通路と前記バイパス通路への連通口を閉塞する際には、前記第1従動リンクに形成された第1リンクピンが前記保持溝部に係合すると共に、前記第2従動リンクに形成された第2リンクピンが前記閉塞溝部に係合することを特徴とする車両用空調装置。
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