JP2015016507A - プレス機械用の非平衡圧縮力に対する補償装置 - Google Patents

プレス機械用の非平衡圧縮力に対する補償装置 Download PDF

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Abstract

【課題】軸の軸線とラムの表面との間のオフセットを補償し、簡単で、融通性のあるプレス機械用の非平衡圧縮力に対する補償装置を提供すること。
【解決手段】第1の凹状の連結表面と、その反対側に位置した第1の末端部分22とを有する、第1の本体20と、第2の凸状の連結表面と、その反対側に位置した第2の末端部分32とを有する第2の本体30とを備え、かつ、第1の連結表面と第2の連結表面は、第1の本体と第2の本体との間の相対的な回転運動を可能にするように、互いに幾何学的に連結されている。少なくとも一方の本体の末端部分がプレス機械100の構造要素101に対して固定され、他方の本体の末端部分は使用時にプレス機械のガスシリンダ400の軸401の自由端部402と相互作用するようにされた突合せ表面を形成するように構成されている。
【選択図】図10A

Description

本発明は、プレス機械用の非平衡圧縮力(unbalanced compression force)に対する補償装置に関する。
さらに特に、本発明は、理想印加直線(ideal straight−line of application)に対するミスアラインメント、特に、角度ミスアラインメントを有する圧縮力に対する補償装置に関する。
本発明は、特に工業用成形の分野において、プレス機械上での圧縮シリンダの使用中における圧縮シリンダのあらゆるミスアラインメントと偏心の補正に有利な形で使用される。
本発明の技術分野では、完全には垂直ではない印加直線に沿った圧縮を行う圧縮シリンダによって及ぼされる圧縮力が、「非平衡である(unbalanced)」と称される。
一般的に、成形の分野においては、成形物の形成の段階が完了されるまで、型とマトリックス(matrix)との間の正確な圧力を維持するための、および、必要に応じて、さらには、型とマトリックスの間の位置を維持するための圧縮シリンダの使用が知られている。
言い換えると、型の予め決められた箇所におけるこうした圧縮シリンダの存在が、成形圧力が、部品(すなわち、プレス加工品)を形成するために計画された値に一致するということを意味する。
従来技術では、圧縮シリンダは一般的に不活性ガスが充填されており、および、この理由から、より単純に「ガススプリング」とも呼ばれる。
従来技術では、成形プレスは、特定の技術分野においてプレスの「ラム(ram)」として専門用語の形で知られている、ガイドに沿って移動可能な突合せ要素(abutment element)を備える。
さらに具体的に述べると、嵌め合い型(mating die)とも呼ばれるマトリックスが、成形プレスのラムの上に取り付けられている。このように装備されたラムは、プレスの基部に配置されておりかついわゆるプレス基部(press base)上に取り付けられている型に嵌め合い型が合致するまで、一般的には垂直である直線ストロークを行う。
プレスラムのストロークが直線状であるが、ラムの突合せ表面は、ラムに面する上述のガススプリングの軸(stem)の軸線に対して常に完全に垂直であるわけではない。
一般的に、このミスアラインメントは0°から3°の間である。
この結果として、圧縮シリンダがプレスラムによって打ち当てられる時に、軸の表面と、この軸と接触しているラムの表面とが互いに対して完全に平行ではないだろう。言い換えると、この軸は、軸の軸線とラムの表面とが垂直ではない形状構成の形で、ラムの表面と接触状態になる。
軸の接触表面とラムの接触表面との間の平行性の欠如が、関連したプレス基部に対して完全には平行ではない軸を伴ってガススプリングが動作し、シリンダの内側の軸の不規則的な平行移動を結果的に生じさせるということを意味する。言い換えると、軸に対して横断方向の力成分が発生させられる。
この状況は、軸とシリンダとの間のシールガスケット(seal gasket)の異常で過剰な摩耗の故に、ガススプリングの動作寿命の短縮を招く。
ガススプリングのシールの摩耗は、さらに、ガススプリングの動作ガスの損失も結果的に生じさせ、これによってガススプリングを使用不可能にする。
これに加えて、シール上とガススプリングの内部部品上とにおける軸の過剰で不均一の滑動が、軸の焼き付きを引き起こして、成形プロセスの中断を余儀なくする可能性がある。
この点に関して、軸の軸線とラムの接触表面との間のオフセットを補償するための従来技術のシステムが幾つか存在する。この従来技術のシステムの一例が特許文献1に示されている。
従来技術のシステムは、その機械部品の幾何学的な複雑さと、完成品の形にアセンブリされる部品の総数との両方に関して、技術的に複雑である。
この理由によって、補償装置のメンテナンスと定期的な点検とが極めて頻繁であり、さらには、これらの作業のために技術者の特殊なトレーニングを必要とする。
上記に加えて、従来技術の補償システムは、ガススプリング内に一体化されており(さらに具体的には、軸の中に一体化されており)、および、成形された半完成製品の生産プロセス向けに計画された特定の動作条件に合わせて個別的に作られている。実際に、製品を成形するためのプロセスのそれぞれ毎に、または、同じ製品の個別の成形段階において、プレスと成形型(forming mold)との様々な設定が存在する可能性がある。
この特有の側面は、様々な生産パラメータの全てを満足させるために、個別のモデル毎に大きな差異を伴うことが多い、様々な種類の補償装置を作ることを暗に意味している。
生産段階におけるコスト(および、したがって、市場価格)と、従来技術における補償装置のメンテナンスにおけるコストとの両方を、補償装置の動作寿命全体の間に、上述の側面のすべてが全体的に増大させるということに留意されたい。
この理由から、上述の解決策は、軸の軸線とラムの表面との間のオフセットを補償するという問題を部分的にしか解決せず、しかも、明らかな技術的複雑性と使用上の融通性の悪さとを不利な形で生じさせることになる。
米国特許第5,301,598号明細書
これに関連して、本発明の技術的目的は、上述した欠点がないプレス機械用の非平衡圧縮力に対する補償装置を提供することである。
さらに具体的に述べると、本発明の目的は、設計および生産が容易であり、かつ、さらに特に、従来技術に比較してより少ない数の要素を備える、非平衡圧縮力に対する補償装置を提供することである。
これに加えて、本発明の目的は、使用上の高い融通性を有する、非平衡圧縮力に対する補償装置を提供することであり、すなわち、この補償装置の使用が、同じ製品を成形するための、または、異なる成形製品のための様々な条件において可能である。
これらの目的と他の目的とが、本明細書の特許請求項に記載されているプレス機械用の非平衡圧縮力に対する補償装置によって実質的に達成される。
他の特徴と利点とが、本発明による非平衡圧縮力に対する補償装置の好ましい非限定的な実施態様の詳細な説明からより一層明らかになるだろう。
以下では、非限定的でありかつ例示のためにだけ提示されている添付図面を参照しながら、説明が行われる。
本発明の第1の実施形態による補償装置の断面図である。 図1の補償装置の分解組立図である。 本発明による補償装置の第2の実施形態の断面図である。 動作形状構成における図1Aの補償装置の断面図である。 動作形状構成における本発明による補償装置の第3の実施形態の断面図である。 動作形状構成における本発明による補償装置の第4の実施形態の断面図である。 動作形状構成における本発明による補償装置の第5の実施形態の断面図である。 動作形状構成における本発明による補償装置の第6の実施形態の断面図である。 動作形状構成における本発明による補償装置の第7の実施形態の断面図である。 動作形状構成における本発明による補償装置の第8の実施形態の断面図である。 図1Aに示されている本発明の実施形態による補償装置の動作シーケンスを示す。 図1Aに示されている本発明の実施形態による補償装置の動作シーケンスを示す。 図1Aに示されている本発明の実施形態による補償装置の動作シーケンスを示す。 図10Aに示されている動作シーケンスに関する補償装置の個々の動作段階を示す。
図1Aと図1Bが、本発明の第1の実施形態による非平衡圧縮力に対する補償装置をその全体において示す。
番号1で全体的に示されている補償装置は、第1の本体20と第2の本体30とを備える。
第1の本体20は、第1の連結表面21と、上述の第1の連結表面21とは反対側に位置する末端部分22とを有する。
第2の本体30は、第2の連結表面31と、第2の連結表面31とは反対側に位置する末端部分32とを有する。
第1の本体20と第2の本体30は、上述の第1の連結表面21と第2の連結表面31とによって互いに幾何学的に連結されている。
第1の連結表面21は凹状の形状であり、および、凸状の形状である上述の第2の連結表面31を受け入れるように設計されている。
第1の本体20と第2の本体30との間でこのように行われる幾何学的連結が、この2つの本体の間の相対的回転を可能にするような連結である。
さらに具体的には、補償装置1の好ましい実施形態における第1の本体20と第2の本体30との間の幾何学的連結が、球状タイプであることが好ましい。
しかし、添付図面には示されていない本発明の他の実施形態では、厳密には球状ではないが上述の球状連結と同等の効果を有する全ての幾何学的連結が想定されている。
2つの基部20、30の間の回転(球状)連結が、図示されている実施形態のすべてに共通している。
第1および第2の本体20、30の間の幾何学的連結の後に、それぞれの末端部分22、32が、補償装置1の(互いに反対側に位置した)自由端部に配置されることが好ましい。
図1Aと図1Bとを参照すると、補償装置1は、上述の連結表面21、31を第1の本体20と第2の本体30の間で幾何学的に連結された状態に保つために、第1の本体20と第2の本体30との間で作用する保持手段2を備える。この保持手段2が、安定状態での第1の本体20と第2の本体30の間の幾何学的連結を可能にするが、これと同時に、第1の本体20が第2の本体30から分離されることを可能にするように可逆性を実現することが好ましい。
保持手段2は、第1の本体20上に形成されておりかつ環状の保持要素2aが内側に収容される環状の溝3を使用する幾何学的連結の機械的シールを形成するようにされている、実質的に環状の形状である保持要素2aを備えることが好ましい。
言い換えると、保持手段2、特に保持要素2aは、補償装置1と、その主要な要素すなわち第1の本体20と第2の本体30との機械的アセンブリとを可能にする。
例えば、保持要素2aは、長方形または正方形の横断面を有する好ましくは金属の弾性的に変形可能なリングであることが可能である。あるいは、代替案としては、この保持要素はベゼルシール(bezel seal)であることが可能である。
有利なことに、補償装置1の2つの本体20、30の切り離しは、計画されていないが、連結表面21、31が自己潤滑性なので、まったく不要である。
図1Aと図1Bとに示されている実施形態では、補償装置1の第1の本体20は、上述した凹状の連結表面を形成する第1の部分23と、保持手段2(特に保持要素2a)が作用している第2の部分24とを有する。
言い換えると、第1の本体20を形成する第1の部分23と第2の部分24は、同一の材料から単一の部品の形に作られており、これによって第1の本体20に単一ブロック形の本体構造を与える。
第1の本体20と第2の本体30は、補償装置1の球状連結器の予め決められた滑り性を実現するならば、金属材料または他の材料から作られていることが好ましい。
図2に示されている補償装置1の別の実施形態では、保持要素2aは、第1の本体20上に作られている第1の環状溝3と、第2の本体30上に作られている第2の環状溝4との中に同時に部分的に挿入されている。この場合には、環状溝4は、連結表面21、31の間の相互滑動を可能にするようなサイズを有するだろう。さらに具体的に述べると、環状溝4が、0°から3°の間のミスアラインメントに対して本体30の回転を可能にするように計算されたサイズを有することが好ましいだろう。
しかし、場合によっては、例えば、過酷な使用の場合に、および、成形段階が潤滑/冷却液体の使用を含む場合に、補償装置1は、接合部分を覆って保護する弾性シールと共に、上述の実施形態の1つにしたがって挿入されておりかつ図1A−1Bに示されている、継手(coupling)を封止する弾性リング2aが同時に存在することを含むことが可能である。弾性リング2aと弾性環状ガスケットとの組み合わせの上述した解決策は、添付図面には示されていない。
有利なことに、本発明による補償装置1は、第1の本体20および第2の本体30の2つの末端部分22または32の一方が、典型的には成形のためのプレス機械100に固定されるように、特に、例えばラムのようなプレス機械の構造要素101に固定されるように構成されており、これと同時に、本体20、30の他方の末端部分22、32が、単純に載せることによって、ガスサスペンション要素(gas supension element)400の自由端部402、特に、軸401の自由端部402を受けるように設計されている、突合せ表面を形成するように構成されているということを含む。図10Aが、第1の本体20の末端部分22がプレスの構造要素に固定されており、これと同時に、第2の本体30の末端部分32が単に載せることによって軸401の自由端部402を受ける解決策における、上述した動作状態を示している。この動作の解決策は、図4と図5と図6に示されている実施形態に対応する。
これとは反対に、別の動作解決策では、補償装置1は、例えば、典型的には成形のためのプレス機械100に固定されるように構成されており、特に、プレス機械の構造要素101、例えばラム(図3を参照されたい)または型の一部分に固定されるように構成されている、第2の本体30の末端部分32を有し、これと同時に、第1の本体20の末端部分22は、単純に載せることによって、ガスサスペンション要素400(特に、関連の自由端部402内の軸401)を受けるように設計されている突合せ表面を形成するように構成されている。図11は、上述の動作状態を詳細に示す。この動作解決策は、図3と図7と図8に示されている実施形態に対応する。本発明によって、術語「ラム」は、ガススプリングの軸上に圧縮作用を及ぼすように設計されているプレスの構造要素を意味し、一方、術語「基部(base)」は、ガススプリングのシリンダが上に固定されているプレスの構造要素を意味する。
上述した動作解決策の両方は互いに等しく効果的でありかつ有効であり、および、完全に互換性があり、および、個別の成形段階のプロセス要件にしたがって使用されることが可能である。
有利には、補償装置1が、さらに、プレス100の上述の構造要素101に対して、特にラムに対して、第1の本体20または第2の本体30を安定的に固定するための固定手段6も備える。
この固定手段6が、少なくとも1つのねじ山付き部材500、例えば、予め準備された座の中にねじ込まれる中空頭部タイプまたは凹み頭部タイプの少なくとも1つのねじを備えることが好ましい。
図4から図8は、プレス100の構造要素101すなわちラムに補償装置1を固定するための別の解決策を示す。
さらに具体的に述べると、プレス100のラム101に対する第1の本体20または第2の本体30の末端部分の術語「固定(fixing)」は、本体20または30がラム101に安定的に取り付けられていることを意味するが、しかし、上述した固定手段6が第1の本体20または第2の本体30の末端表面22または末端表面23上にそれぞれに直接的に形成されることは、必ずしも不可欠ではない。
図5を参照すると、実際には、有利には、特に末端部分22の側壁の一部分上に作られている雄ねじ25を使用して、第1の本体20が、プレス100の構造要素101の対応する受け入れ部分102の中に直接的にねじ込まれることが可能である。第1の本体20の(連結表面21の側に配置されている)前方表面27上に特に作られている複数の凹み26が、受け入れ部分102内の第1の本体20のねじ込みを容易化し、特に、これらは、ねじ込み工具を用いた使用を容易化する。
このようにして、第1の本体20はプレス100のラム101に固定される。
残りの図4と図7と図8とに示されているように、および、上述されておりかつ図5に示されている解決策の代替案として、補償装置1が、末端部分22または末端部分32において、有利には(第1の本体20または第2の本体30をそれぞれにラム101に固定するのにしたがって)プレス100のラム101を固定するためにそれぞれのねじ山付き部材500を挿入するための少なくとも1つの貫通穴を有する。
さらに具体的に述べると、図7は補償装置1を示し、この補償装置1は、第2の本体30の中を貫通する穴の中を通過した後でこの補償装置1がその位置でアセンブリされ終わった後に第1の本体20によって隠される、ねじ山付き部材500を使用して固定される(ラム101に対する第2の本体30の最初の固定と、その後の、第2の本体30に対する第1の本体20の取付けと、保持手段(2)を使用した安定的な連結を伴う解決策)。
他方では、図8が、第1の本体20と第2の本体30との中を貫通する穴の中を通過するねじ山付き部材500を使用してラム101に固定された補償装置1を示す(補償装置1が、第1および第2の本体20、30の交互のすでにアセンブリ済みの形状構成の形でラム101に直接的に固定されることが可能である解決策)。
図6の別の実施形態では、プレス100のラム101に対して第1の本体20の末端部分22を詰め込んで、第1の本体の前方表面27(すなわち、連結表面21を有する第1の本体20の表面)をねじ山付き部材500の頭部の一部分と共に働かせるために、少なくとも1つのねじ山付き部材500が使用される。
本発明が、上述されておりかつ図示されているシステムに技術的に等しい、上述されておりかつ図示されているシステム以外の、補償装置1を固定するためのさらに別のシステムを備えるということに留意されたい。
例えば、プレスの構造要素の穴の中に挿入されることが可能な突起、プレスの構造要素の中に固定されるスタッドボルト、または、ロッキングピン(locking pin)、または、ねじ山付きのグラブねじである。
図10Aから図10Cと、図11とを参照すると、上述のガスサスペンション要素400は、一般的に、典型的には成形のための、プレス機械100のラムのような構造要素101の平衡懸架(balanced suspension)のための装置600内に含まれている。
この懸架要素400は、シリンダ403と軸401とを有し、この軸401はシリンダ403に滑動自在に連結されており、および、ガスの抵抗作用を受ける。
図10Aから図10Cと、図11とを参照すると、装置600は、さらに、本発明の上述の実施形態の1つによる、圧縮力に対する補償装置も備える。
有利には、この装置600が、補償装置1とシリンダ403とが、補償装置1の突合せ表面22または32と軸401の自由端部402の頭部表面404との間で、単純に載せることによって、動作的に相互作用するような装置である。
本発明の動作は、上述した技術的特徴から直接的に導き出される。さらに具体的に述べると、軸401が補償装置の表面(22または32)と接触状態になる時に、補償装置の表面がその軸の表面404上に完全に載るまで回転するので、補償装置1は、ピストンの軸に対して横断方向の力成分の発生を防止する。この状況では、補償装置の表面(22または32)と、軸404の表面と、基部上のガススプリングの支持表面とが、互いに対して完全に平行であり、および、プレスのラムによって動かされる軸のストロークが、ガススプリングの支持表面に対して完全に直角であるだろう。
図9に示されている、本発明による補償装置1の別の実施形態では、補償装置1は、プレス100のラム101に固定されており、および、これに関連した構造は、
開放空洞42を有する部分41を備える第1のカップ形の本体40と、
第1の本体40の内側に挿入されており、かつ、第1の凹状連結表面51を有する、インサート50と、
第1の本体40の空洞42の内側に少なくとも部分的に挿入されており、かつ、インサート50の凹状表面51との球状タイプの幾何学的連結を行うように設計されている第2の凸状の連結表面61を有する、第2の本体60とを備える。
補償装置1のこの実施形態の特有の特徴が、インサート50と第1のカップ形本体40の開放空洞42との間の連結が、無干渉タイプであることが好ましく、さらには、弛緩タイプ(loose type)であることがより好ましいということである。
言い換えると、インサート50は、空洞42の底部表面42aに対して平行である少なくとも1つの方向「X」における運動の自由を有するように、空洞42の内側に挿入されている。
上述の装置600が、さらに、インサート50と第2の本体60との連結表面51、61を第1および第2の本体40、60の間で幾何学的に連結した状態に保つために、第1および第2の本体40、60の間で作用する保持手段2も備えることが好ましい。したがって、上述された他の解決策とは違って、この実施形態における保持手段2は、2つの連結表面51、61を形成する補償装置1の2つの構造要素の間では作用せずに、第1および第2の本体40、60の間で作用し、および、第1の本体40はインサート50を収容するための空洞42を形成する。
図9の実施形態の補償装置1は、補償装置1とガスサスペンション要素の軸の頭部部分との間の支持物を形成する最中における、大幅な横断方向の調節「X」を可能にする。
上述の実施形態の補償装置1が可能にする横断方向の調節「X」は、例えば0.1mmから2mmの間である。図10Aから図10Cと、図11とを参照すると、本発明のより広範な観点からは、プレス機械100は、互いに向かっておよび互いから遠ざかって移動することが可能な第1および第2の構造要素101、103(例えば、ラムと基部)と、プレス機械100の構造要素101(ラム)と構造要素103(基部)との間に挿入されている上述した懸架要素600とを備える、典型的には成形のための、機械として定義される。
有利には、上述のガスサスペンション要素400が、構造要素101、103のうちの第1の構造要素上に、好ましくは基部上に取り付けられ、および、補償装置1が、構造要素101、103のうちの第2の構造要素に対して、好ましくはプレス100のラムに対して安定的に固定されている。
言い換えると、本発明による補償装置1は、プレス100の構造部品の1つに固定されており、および、従来技術の場合のようにガスサスペンション要素400上には固定されてはいない。
したがって、補償装置1は、単一のモデルによって、プレス100の広範囲の動作要件を満たすことが可能である。
言い換えると、補償装置1のアセンブリのためのこの解決策は、プレス100の個別的な動作条件(例えば、ラム101のストローク、速度、または、及ぼされる圧力等)に基づいて、個々の場合に使用されるガスサスペンション要素とのあらゆる組み合わせを不要にするので、使用上の融通性が非常に高い。
さらに具体的に述べると、補償装置とガスサスペンション要素との間の係合解除が、構成要素の標準化に関する明瞭な有益性を伴って、様々な幾何学的形状および寸法を有する軸を受けるように設計されている非常に大きい突合せ表面を有する補償装置が形成されることを可能にする。
さらに、補償装置のより大きな表面が、より大きい固定表面を実現し、および、したがって、補償装置を構成する全ての要素の機械的応力の減少と、連結表面上の圧力の低下とを実現する。
さらに、可逆的な保持手段2を用いて維持される球状連結の構造の単純性と可逆性とが迅速な検査を可能にし、および、必要に応じて、補償装置1の動作中に最も大きく機械的に応力がかけられる表面のメンテナンスを可能にする。
これに加えて、本発明による補償装置1は、有利には、総数が削減された要素(インサートの挿入なしに互いに回転自在に連結されている2つの本体)で作られ、このことは、より高い信頼性とより長い動作寿命とにとってさらに好ましい。
1 補償装置
2 保持手段
3 第1の環状の溝
4 第2の環状の溝
6 固定手段
20 第1の本体
21 第1の連結表面
22 末端部分
30 第2の本体
31 第2の連結表面
32 末端部分
100 プレス機械
400 ガスシリンダ

Claims (14)

  1. プレス機械(100)用の非平衡圧縮力に対する補償装置(1)であって、
    第1の凹状の連結表面(21)と、前記第1の連結表面(21)とは反対側に位置した第1の末端部分(22)とを有する、第1の本体(20)と、
    第2の凸状の連結表面(31)と、前記第2の連結表面(31)とは反対側に位置した第2の末端部分(32)とを有する第2の本体(30)と、を備えているものであって、
    前記第1の連結表面(21)と前記第2の連結表面(31)は、前記第1の本体(20)と前記第2の本体(30)との間の相対的な回転運動を可能にするように、互いに幾何学的に連結されていて、
    少なくとも一方の前記本体(20、30)の前記末端部分(22、32)が、プレス機械(100)の構造要素(101)に対して固定されるように構成されており、かつ、
    他方の本体(20、30)の前記末端部分(32、22)は、使用時にプレス機械のガスシリンダ(400)の軸(401)の自由端部(402)と相互作用するようにされた突合せ表面を形成するように構成されている、
    ことを特徴とする補償装置(1)。
  2. 前記本体(20、30)の少なくとも一方は、前記末端部分(22、32)のそれぞれにおいて、プレス機械(100)を前記構造要素(101)に固定するためのそれぞれのねじ山付き部材(500)を挿入するための貫通穴を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の補償装置(1)。
  3. さらに、プレス機械(100)の前記構造要素(101)に前記第1の本体(20)または前記第2の本体(30)を安定的に固定するための固定手段(6)を備え、かつ、
    前記固定手段(6)は少なくとも1つのねじ山付き部材(500)を備える、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の補償装置(1)。
  4. 前記末端部分(22、32)は、プレス機械(100)の構造要素(101)の対応する受け入れ部分(102)の内側に直接的にねじ込まれるように、外側にねじ山(25)が付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の補償装置(1)。
  5. さらに、前記2つの本体(20、30)の前記連結表面(21、31)を前記第1の本体(20)と前記第2の本体(30)の間で幾何学的に連結された状態に保つために、前記第1の本体(20)と前記第2の本体(30)の間で作用する保持手段(2)を備える、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の補償装置(1)。
  6. 前記保持手段(2)は、前記第1の本体(20)内に形成されている環状の溝(3)の中に部分的に挿入されている、実質的に環状の形状の保持要素(2a)を備える、ことを特徴とする請求項5に記載の補償装置(1)。
  7. 前記保持要素(2a)は弾性的に変形可能なリングを備える、ことを特徴とする請求項6に記載の補償装置(1)。
  8. 前記第1の本体(20)は、前記第1の連結表面(21)を形成する第1の部分(23)と、前記保持手段(2)がその上で作用する第2の部分(24)とを有し、かつ、
    前記第1の部分(23)と前記第2の部分(24)は同一の材料で単一部品の形に形成されている、
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の補償装置(1)。
  9. 前記連結表面(21、31)は球状連結部を形成する、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の報償装置(1)。
  10. プレス機械(100)の構造要素(101)を懸架するための装置(600)であって、
    非平衡圧縮力に対する補償装置(1)と、
    ガス圧縮ばね(400)を形成する懸架要素であって、シリンダ(403)と、前記シリンダ(403)に滑動自在に連結されておりかつガスによる抵抗作用を受ける軸(401)とを有する懸架要素と、を備えているものであって、
    前記補償装置(1)と前記シリンダ(403)は、単純に載せることによって、前記補償装置(1)の突合せ表面(32)と前記軸(401)の自由端部(402)の頭部表面(404)との間で、動作的に相互作用する、
    ことを特徴とする装置(600)。
  11. 請求項1から9のいずれか一項に記載の非平衡圧縮力に対する補償装置(1)を備える、ことを特徴とする請求項10に記載の装置(600)。
  12. 前記非平衡圧縮力に対する補償装置(1)は、
    開放空洞(42)を有する部分(41)を備える第1のカップ形の本体(40)と、
    前記第1の本体(40)の内側に挿入されており、かつ、第1の凹状連結表面(51)を有する、インサート(50)と、
    前記第1の本体(40)の前記空洞(42)の内側に少なくとも部分的に挿入されており、かつ、前記インサート(50)の前記凹状表面(51)との球状タイプの幾何学的連結を行うように設計されている第2の凸状連結表面(61)を有する、第2の本体60、とを備える、
    ことを特徴とする請求項10に記載の装置(600)。
  13. 前記インサート(50)は、前記空洞(42)の底部表面(42a)に対して平行な少なくとも1つの方向における運動の自由を有するように前記空洞(42)の内側に挿入されており、および、前記装置(600)は、さらに、前記インサート(50)と前記第2の本体(60)との前記連結表面(51、61)を、前記第1の本体(40)と前記第2の本体(60)の間で幾何学的に連結された状態に保つために、前記第1の本体(40)と前記第2の本体(60)との間で作用する保持手段(2)を備える、
    ことを特徴とする請求項12に記載の装置(600)。
  14. プレス機械(100)であって、
    互いに向かっておよび互いから遠ざかって移動することが可能な少なくとも1つの第1の構造要素(101)および1つの第2の構造要素(103)と、
    前記構造要素(101、103)との間に挿入されている請求項10から13のいずれか一項に記載の懸架装置(600)と、を備えているものであって、
    前記懸架要素(400)は前記第1の構造要素(103)上に取り付けられており、および、前記補償装置(1)は、前記第2の構造要素(101)に安定的に固定されている、
    ことを特徴とするプレス機械(100)。
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