JP2015015331A - 高周波伝送線路 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、高周波信号を少ない通過損失および反射損失で伝搬させる。
【解決手段】上部グランドプレーン16Aを形成する導体層のうち、上部高周波信号線路14Aの伸延方向Xと直交する直交方向Yに沿って上部導体パッド13A上を通る上部境界線SAを挟んで、上部高周波信号線路14Aとは反対側に位置する導体層の一部または全部を、上部アンチパッド領域15Aと連続するように選択的に除去する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高周波伝送技術に関し、特に入力された高周波信号を、多層配線基板の最上層から最下層まで貫通して伝搬させるための高周波伝送線路に関する。
導体層と絶縁層とが交互に積層された多層配線基板において、入力された高周波信号を、最上層から最下層まで垂直方向に伝搬させる高周波伝送線路では、高周波信号の通過損失や反射損失をできるだけ少なくする必要がある。
従来、このような高周波伝送線路として、高周波信号ビアを多層配線基板の最上層から最下層まで階段状に形成して伝搬させる技術が提案されている(例えば、非特許文献1など参照)。
図16は、従来の高周波伝送線路の構成を示す説明図であり、図16(a)は上面図、図16(b)は図16(a)のb−b断面図、図16(c)は底面図、図16(d)は、図16(b)のd−d断面図である。
この高周波伝送線路50は、多層配線基板51において、図16に示すように、高周波信号ビア52を階段状に形成し、この高周波信号ビア52を介して、最上層の上部導体パッド53Aと最下層の下部導体パッド53Bとを接続する構造を有している。
最上層において、上部導体パッド53Aには線状の高周波信号線路54Aが接続されており、これら上部導体パッド53Aと上部高周波信号線路54Aとの周囲には、上部アンチパッド領域55Aを挟んで、上部グランドプレーン56Aが形成されている。
また、最下層において、下部導体パッド53Bには線状の下部高周波信号線路54Bが接続されており、これら下部導体パッド53Bと下部高周波信号線路54Bとの周囲には、下部アンチパッド領域55Bを挟んで、下部グランドプレーン56Bが形成されている。
前述した従来技術によれば、多層配線基板51において、最上層から最下層まで高周波信号ビア52が階段状に形成されるため、高周波信号線路が小さな領域で垂直に折り曲げられることになる。しかしながら、このような高周波信号線路の屈曲部では、不要な放射が発生しやすく、屈曲部での実効的な曲げ半径を大きくすることにより、ある程度の放射を抑圧することは可能であるが、高周波信号の放射成分を完全には除去できず、通過損失や反射損失が増加するといった問題点があった。
また、高周波信号ビア52を、多層配線基板51の最上層から最下層まで階段状に形成するには、精密な加工が必要であるとともに、多層配線基板の体積拡大にも繋がるため、コストアップの原因となるという課題があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、高周波信号を少ない通過損失および反射損失で伝搬させることができる高周波伝送線路を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる高周波伝送線路は、導体層と絶縁層とが交互に積層された多層配線基板と、前記多層配線基板内を最上層から最下層まで垂直に貫通して形成された高周波信号ビアと、前記最上層に平面視略円形状に形成されて、前記高周波信号ビアの上端と接続された上部導体パッドと、前記最上層に線状に形成されて、先端が前記上部導体パッドと接続された上部高周波信号線路と、前記最上層に形成されて、接地電位に接続された導体層からなり、当該導体層が選択的に除去された上部アンチパッド領域を挟んで、前記上部導体パッドおよび前記上部高周波信号線路の周囲に形成された上部グランドプレーンと、前記多層配線基板内に形成されて、前記上部グランドプレーンと、前記多層配線基板内に積層されている前記各導体層とを接続する複数のグランドビアとを備え、前記上部グランドプレーンを形成する導体層のうち、前記上部高周波信号線路の伸延方向と直交する直交方向に沿って前記上部導体パッド上を通る上部境界線を挟んで、前記上部高周波信号線路とは反対側に位置する導体層の一部または全部が、前記上部アンチパッド領域と連続するように選択的に除去されているものである。
また、本発明にかかる上記高周波伝送線路の他の一構成例は、前記除去の対象となる導体層が、前記直交方向における前記上部アンチパッド領域の幅と等しい一定の幅で、前記最上層のうち前記直交方向に沿った側端部まで選択的に除去されているものである。
また、本発明にかかる上記高周波伝送線路の他の一構成例は、前記除去の対象となる導体層の前記幅が、前記側端部に近づくに連れて徐々に拡がるものである。
また、本発明にかかる上記高周波伝送線路の他の一構成例は、前記上部グランドプレーンが、前記上部アンチパッド領域のうち前記上部高周波信号線路に沿う領域と前記上部導体パッドに沿う領域との境界位置において、当該上部高周波信号線路と対向する端部が当該上部高周波信号線路側へ突出した凸部を有するものである。
また、本発明にかかる上記高周波伝送線路の他の一構成例は、前記最下層に平面視略円形状に形成されて、前記高周波信号ビアの下端と接続された下部導体パッドと、前記最下層に線状に形成されて、先端が前記下部導体パッドと接続された下部高周波信号線路と、前記最下層に形成されて、接地電位に接続された導体層からなり、当該導体層が選択的に除去された下部アンチパッド領域を挟んで、前記下部導体パッドおよび前記下部高周波信号線路の周囲に形成された下部グランドプレーンとをさらに備え、前記各グランドビアは、前記下部グランドプレーンに接続されてなり、前記下部グランドプレーンを形成する導体層のうち、前記下部高周波信号線路の伸延方向と直交する直交方向に沿って前記下部導体パッド上を通る下部境界線を挟んで、前記下部高周波信号線路とは反対側に位置する導体層の一部または全部が、前記下部アンチパッド領域と連続するように選択的に除去されているものである。
また、本発明にかかる上記高周波伝送線路の他の一構成例は、前記上部導体パッドに代えて、前記最下層に平面視略円形状に形成されて、前記高周波信号ビアの下端と接続された下部導体パッドと、前記上部高周波信号線路に代えて、前記最下層に線状に形成されて、先端が前記下部導体パッドと接続された下部高周波信号線路と、前記上部グランドプレーンに代えて、前記最下層に形成されて、接地電位に接続された導体層からなり、当該導体層が選択的に除去された下部アンチパッド領域を挟んで、前記下部導体パッドおよび前記下部高周波信号線路の周囲に形成された下部グランドプレーンとをさらに備え、前記各グランドビアは、前記下部グランドプレーンに接続されてなり、前記下部グランドプレーンを形成する導体層のうち、前記下部高周波信号線路の伸延方向と直交する直交方向に沿って前記下部導体パッド上を通る下部境界線を挟んで、前記下部高周波信号線路とは反対側に位置する導体層の一部または全部が、前記下部アンチパッド領域と連続するように選択的に除去されているものである。
また、本発明にかかる上記高周波伝送線路の他の一構成例は、前記高周波信号ビアと前記グランドビアが疑似同軸線路構造を備えるものである。
本発明によれば、上部アンチパッド領域を挟んで上部導体パッドと接地電位との間に発生する電気容量成分のうち、伸延方向に沿って発生する伸延電気容量成分に比較して、当該伸延方向と直交する直交方向に沿って発生する直交電気容量成分および直交電気容量成分が大きくなる。したがって、上部導体パッドにおける電界密度に異方性が発生して、伸延方向に比較して直交方向の電気力線が集中して電界密度が高くなり、不要放射が抑制される。このため、不要放射の発生が抑制された状態で、伸延方向に伝搬する高周波信号と、垂直方向Zに伝搬する高周波信号との電磁界を効率よく結合することができ、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、高周波信号を少ない通過損失および反射損失で伝搬させることが可能となる。
第1の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図1のII−II断面図である。 第1の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す底面図である。 図1および図3のIV−IV断面図である。 図2および図4のV−V断面図である。 第2の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図6のVII−VII断面図である。 第2の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す底面図である。 図6および図8のIX−IX断面図である。 図7および図9のX−X断面図である。 第3の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図11のXII−XII断面図である。 第3の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す底面図である。 図11および図13のXIV−XIV断面図である。 図12および図14のXV−XV断面図である。 従来の高周波伝送線路の構成を示す説明図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1〜図4を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる高周波伝送線路10について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図2は、図1のII−II断面図である。図3は、第1の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す底面図である。図4は、図1および図3のIV−IV断面図である。図5は、図2および図4のV−V断面図である。
本実施の形態にかかる高周波伝送線路10は、導体層11Mと絶縁層11Pとが交互に積層された多層配線基板11において、入力された高周波信号を、最上層(基板上面)から最下層(基板底面)まで垂直方向に伝搬させるための高周波伝送線路である。この高周波伝送線路10は、例えば、10GHz〜100GHz以下の高速電気信号が多層配線基板11内を伝搬する電子機器や電子部品などに好適である。
図1〜図5に示すように、高周波伝送線路10は、主に、多層配線基板11、高周波信号ビア12、上部導体パッド13A、上部高周波信号線路14A、上部グランドプレーン16A、下部導体パッド13B、下部高周波信号線路14B、下部グランドプレーン16B、およびグランドビア17から構成されている。
高周波信号ビア12は、金属などの導体からなり、多層配線基板11内の絶縁層11Pと導体層11M内の絶縁体領域とを、最上層から最下層まで垂直に貫通して形成されたビアである。
上部導体パッド13Aは、金属などの導体からなり、最上層に平面視略円形状に形成されて、高周波信号ビア12の上端と接続された導体パッドである。
上部高周波信号線路14Aは、金属などの導体からなり、最上層に線状に形成されて、先端が上部導体パッド13Aと接続された高周波信号用線路である。
上部グランドプレーン16Aは、最上層に形成されて、接地電位に接続された金属などの導体層からなり、当該導体層が選択除去されてなる上部アンチパッド領域15Aを挟んで、上部導体パッド13Aおよび上部高周波信号線路14Aの周囲に形成された接地導体である。
上部アンチパッド領域15Aは、上部グランドプレーン16Aの導体層のうち、上部導体パッド13Aを中心として、その周囲を平面視略円環状に選択除去されてなる環状領域と、上部高周波信号線路14Aに沿って一定幅のギャップで線状に選択除去されてなるギャップ領域とからなり、後述する上部境界線SAを挟んで上部高周波信号線路14Aとは反対側に位置する当該導体層の一部または全部が選択除去されてなる領域を含んでいる。
下部導体パッド13Bは、金属などの導体からなり、最下層に平面視略円形状に形成されて、高周波信号ビア12の下端と接続された導体パッドである。
下部高周波信号線路14Bは、金属などの導体からなり、最下層に線状に形成されて、先端が下部導体パッド13Bと接続された高周波信号線路である。
下部グランドプレーン16Bは、最下層に形成されて、接地電位に接続された金属などの導体層からなり、当該導体層が選択除去されてなる下部アンチパッド領域15Bを挟んで、下部導体パッド13Bおよび下部高周波信号線路14Bの周囲に形成された接地導体である。
下部アンチパッド領域15Bは、下部グランドプレーン16Bの導体層のうち、下部導体パッド13Bを中心として、その周囲を平面視略円環状に選択除去されてなる領域と、下部高周波信号線路14Bに沿って一定幅のギャップで線状に選択除去されてなる領域とからなり、後述する下部境界線SBを挟んで下部高周波信号線路14Bとは反対側に位置する当該導体層の一部または全部が選択除去されてなる領域を含んでいる。
グランドビア17は、金属などの導体からなり、多層配線基板11内に形成されて、上部グランドプレーン16Aおよび下部グランドプレーン16Bと、これらグランドプレーン16A,16B間に積層されている各導体層11Mとを接続するビアである。
図2に示すように、基板平面に沿って伸延方向Xに形成された上部高周波信号線路14Aを、基板平面に垂直な垂直方向Zに形成された高周波信号ビア12と、上部導体パッド13Aで接続した高周波伝送線路では、高周波信号の伝搬方向が、伸延方向Xから垂直方向Zへ折り曲げられる。したがって、この高周波伝送線路の屈曲部において、高周波信号の不要な放射が発生し、通過損失や反射損失が増大する。
本発明は、このような不要放射を、上部導体パッド13Aにおける電界密度の異方性により抑制でき、これにより、伸延方向Xに伝搬する高周波信号と、垂直方向Zに伝搬する高周波信号との電磁界を効率よく結合させることができることに着目したものである。
そして、このような電界密度の異方性を発生させる具体的方法として、上部グランドプレーン16Aを形成する導体層のうち、上部高周波信号線路14Aの伸延方向Xと直交する直交方向Yに沿って上部導体パッド13A上を通る上部境界線SAを挟んで、上部高周波信号線路14Aとは反対側に位置する導体層の一部を、上部アンチパッド領域15Aと連続するように選択的に除去したものである。この際、上部境界線SAは、上部導体パッド13A上であれば、どの位置であってもよい。
これにより、上部アンチパッド領域15Aを挟んで上部導体パッド13Aと接地電位(上部グランドプレーン16A)との間に発生する電気容量成分のうち、伸延方向Xに沿って発生する伸延電気容量成分CXAに比較して、当該伸延方向Xと直交する直交方向Yに沿って発生する直交電気容量成分CAおよび直交電気容量成分CBが大きくなる。
したがって、上部導体パッド13Aにおける電界密度に異方性が発生して、伸延方向Xに比較して直交方向Yの電気力線が集中して電界密度が高くなり、不要放射が抑制される。このため、不要放射の発生が抑制された状態で、伸延方向Xに伝搬する高周波信号と、垂直方向Zに伝搬する高周波信号との電磁界を効率よく結合することができ、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、高周波信号を少ない通過損失および反射損失で伝搬させることが可能となる。
また、本実施の形態では、上部導体パッド13Aにおける電界密度の異方性を与えるための構造として、上部グランドプレーン16Aの形状を調整することにより実現したので、導電層をパターンエッチングするという極めて簡素な工程で形成することができ、また、新規な工程を追加する必要がないため、高周波伝送線路の低コスト化を実現することができる。
また、本実施の形態では、上部グランドプレーン16Aのうち除去の対象となる導体層を、直交方向Yにおいて上部アンチパッド領域15Aの幅Wと等しい一定の幅で、多層配線基板11における最上層のうち、直交方向Yに沿った側端部18Aまで選択的に除去するようにしたので、伸延電気容量成分CXAに比較して、極めて効果的に直交電気容量成分CAおよび直交電気容量成分CBを大きくすることができ、高周波伝送線路の屈曲部における不要放射を、より効率よく抑制することができる。
また、本実施の形態では、図1に示すように、上部高周波信号線路14Aの両側には、上部アンチパッド領域15Aのうち上部高周波信号線路14Aに沿って一定幅のギャップで線状に選択除去されてなるギャップ領域を挟んで、上部グランドプレーン16Aが形成されており、全体としてコプレーナ線路の構造をなしている。
この際、上部高周波信号線路14Aと上部導体パッド13Aとの接続点の手前に位置する、上部アンチパッド領域15Aのギャップ領域と環状領域との境界部分で、上部高周波信号線路14Aと上部グランドプレーン16Aとの間のギャップ幅が拡がるため、上部高周波信号線路14Aと上部グランドプレーン16A(接地電位)との間の静電容量が急激に低下する。
通常、コプレーナ線路の特性インピーダンスは、高周波信号線路と接地電位との間の静電容量の0.5乗に逆比例する。このため、静電容量の低下に応じて上部高周波信号線路14Aの特性インピーダンスが急上昇し、高周波信号ビア12の特性インピーダンスとの不整合が生じ、損失の原因となる。
本実施の形態は、図1に示すように、上部アンチパッド領域15Aのギャップ領域と環状領域との境界位置において、上部グランドプレーン16Aの上部高周波信号線路14Aと対向する端部に、上部高周波信号線路14A側へ突出した凸部Bが設けられている。
これにより、上部高周波信号線路14Aと上部グランドプレーン16Aとの間のギャップ幅が狭くなって、静電容量が増大するため、上部高周波信号線路14Aの特性インピーダンスの上昇を抑制できる。したがって、高周波信号ビア12の特性インピーダンスとの整合を維持することができ、損失の発生を抑制することができる。
また、本実施の形態では、図5に示すように、高周波信号ビア12を囲うように複数のグランドビア17を円筒状に並べて形成するとともに、多層配線基板11内層の導体層11Mからなる各グランドプレーンの中心を円形状に除去して絶縁体とすることにより、擬似的な円筒導体で高周波信号ビア12をシールドした擬似同軸線路構造を形成するようにしてもよい。
この擬似同軸線路構造では、高周波信号ビア12に高周波信号が伝搬して、その導体表面に表皮電流が流れるとともに、擬似的な円筒導体を形成するグランドビア17および多層配線基板11内層の導体層11Mからなる各グランドプレーンを介して、リターン電流が流れることになる。
これにより、擬似同軸線路構造における電界強度分布が、楕円等の歪みを生じることなく、基板平面において、高周波信号ビア12を中心とした円形状となり、高周波信号ビア12を伝搬する高周波信号の電界分布強度とほぼ等しくなる。これは、擬似同軸線路構造の基本モードのみを励振させ伝搬させること、すなわち基本モードと良好に結合していることを意味している。
基本モードと良好に結合していない場合、擬似同軸線路構造における電界強度分布が、円形状ではなく、上部高周波信号線路14Aの伸延方向Xに対して中心が前後にぶれながら、高周波信号ビア12の垂直方向Zに蛇行するように伝搬することとなる。この際、電界が多層配線基板11内層のグランドプレーンに重なると、その重なった量に応じて、高周波信号のエネルギーが接地電位に吸収されてしまうため、安定した伝搬が得られない。
一方、本実施の形態によれば、前述したように、擬似同軸線路構造の基本モードと良好に結合していることから、擬似同軸線路構造の線路長、すなわち上部導体パッド13Aや下部導体パッド13Bと接続される高周波信号ビア12の線路長にかかわらず、高周波信号を低損失かつ低反射で安定して伝搬させることができる。
また、本実施の形態において、多層配線基板11の層数を増やすことにより、電源層や低速度信号層も同時に形成することができるため、高周波信号線路専用ではなく、多機能な多層配線基板を提供することも可能となる。
また、本実施の形態では、高周波伝送線路の屈曲部のうち、多層配線基板11の最上層に位置する屈曲部について説明したが、最下層に位置する屈曲部についても同様の構造を適用してもよい。
すなわち、図3に示すように、下部グランドプレーン16Bを形成する導体層のうち、下部高周波信号線路14Bの伸延方向Xと直交する直交方向Yに沿って下部導体パッド13B上を通る下部境界線SBを挟んで、下部高周波信号線路14Bとは反対側に位置する導体層の一部を、下部アンチパッド領域15Bと連続するように選択的に除去したものである。この際、下部境界線SBは、下部導体パッド13B上であれば、どの位置であってもよい。
これにより、下部アンチパッド領域15Bを挟んで下部導体パッド13Bと接地電位(下部グランドプレーン16B)との間に発生する電気容量成分のうち、伸延方向Xに沿って発生する伸延電気容量成分CXBに比較して、当該伸延方向Xと直交する直交方向Yに沿って発生する直交電気容量成分CCおよび直交電気容量成分CDが大きくなる。
したがって、下部導体パッド13Bにおける電界密度に異方性が発生して、伸延方向Xに比較して直交方向Yの電気力線が集中して電界密度が高くなり、不要放射が抑制される。このため、不要放射の発生が抑制された状態で、伸延方向Xに伝搬する高周波信号と、垂直方向Zに伝搬する高周波信号との電磁界を効率よく結合することができ、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、高周波信号を少ない通過損失および反射損失で伝搬させることが可能となる。
また、本実施の形態では、下部導体パッド13Bにおける電界密度の異方性を与えるための構造として、下部グランドプレーン16Bの形状を調整することにより実現したので、導電層をパターンエッチングするという極めて簡素な工程で形成することができ、また、新規な工程を追加する必要がないため、高周波伝送線路の低コスト化を実現することができる。
また、本実施の形態では、下部グランドプレーン16Bのうち除去の対象となる導体層を、直交方向Yにおいて下部アンチパッド領域15Bの幅Wと等しい一定の幅で、多層配線基板11における最下層のうち、直交方向Yに沿った側端部18Bまで選択的に除去するようにしたので、伸延電気容量成分CXBに比較して、極めて効果的に直交電気容量成分CCおよび直交電気容量成分CDを大きくすることができ、高周波伝送線路の屈曲部における不要放射を、より効率よく抑制することができる。
また、本実施の形態では、図3に示すように、下部高周波信号線路14Bの両側には、下部アンチパッド領域15Bのうち下部高周波信号線路14Bに沿って一定幅のギャップで線状に選択除去されてなるギャップ領域を挟んで下部グランドプレーン16Bが形成されており、全体としてコプレーナ線路の構造をなしている。
この際、下部高周波信号線路14Bと下部導体パッド13Bとの接続点の手前に位置する、下部アンチパッド領域15Bのギャップ領域と環状領域との境界部分で、下部高周波信号線路14Bと下部グランドプレーン16Bとの間のギャップ幅が拡がるため、下部高周波信号線路14Bと下部グランドプレーン16B(接地電位)との間の静電容量が急激に低下する。
通常、コプレーナ線路の特性インピーダンスは、高周波信号線路と接地電位との間の静電容量の0.5乗に逆比例する。このため、静電容量の低下に応じて下部高周波信号線路14Bの特性インピーダンスが急上昇し、高周波信号ビア12の特性インピーダンスとの不整合が生じ、損失の原因となる。
本実施の形態は、図3に示すように、ギャップ領域と環状領域との境界位置において、下部グランドプレーン16Bの下部高周波信号線路14Bと対向する端部に、下部高周波信号線路14B側に突出した凸部Bが設けられている。
これにより、下部高周波信号線路14Bと下部グランドプレーン16Bとの間のギャップ幅が狭くなって、静電容量が増大するため、下部高周波信号線路14Bの特性インピーダンスの上昇を抑制できる。したがって、高周波信号ビア12の特性インピーダンスとの整合を維持することができ、損失の発生を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、図1および図3に示したように、高周波伝送線路の屈曲部のうち、多層配線基板11の最上層と最下層に位置する両方の屈曲部に、本発明を適用した場合を例として説明したが、最上層に位置する屈曲部、あるいは最下層に位置する屈曲部のいずれか一方に対してのみ本発明を適用してもよく、前述と同様の作用効果を得ることができる。
[第2の実施の形態]
次に、図6〜図10を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる高周波伝送線路10について説明する。図6は、第2の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図7は、図6のVII−VII断面図である。図8は、第2の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す底面図である。図9は、図6および図8のIX−IX断面図である。図10は、図7および図9のX−X断面図である。
第1の実施の形態では、上部グランドプレーン16Aのうち除去の対象となる導体層を、直交方向Yにおいて上部アンチパッド領域15Aの幅Wと等しい一定の幅で、多層配線基板11における最上層の側端部18Aまで選択的に除去する場合を例として説明したが、除去する領域の形状については、上記例に限定されるものではない。
すなわち、本実施の形態は、図6に示すように、上部グランドプレーン16Aを形成する導体層のうち、上部境界線SAを挟んで上部高周波信号線路14Aとは反対側に位置する導体層の全部、具体的には、上部グランドプレーン16Aのうち紙面に向かって右側半分を、選択的に除去したものである。
これにより、第1の実施の形態と同様に、上部アンチパッド領域15Aを挟んで上部導体パッド13Aと接地電位(上部グランドプレーン16A)との間に発生する電気容量成分のうち、伸延方向Xに沿って発生する伸延電気容量成分CXAに比較して、当該伸延方向Xと直交する直交方向Yに沿って発生する直交電気容量成分CAおよび直交電気容量成分CBが大きくなる。
したがって、上部導体パッド13Aにおける電界密度に異方性が発生して、伸延方向Xに比較して直交方向Yの電気力線が集中して電界密度が高くなり、不要放射が抑制される。このため、不要放射の発生が抑制された状態で、伸延方向Xに伝搬する高周波信号と、垂直方向Zに伝搬する高周波信号との電磁界を効率よく結合することができ、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、高周波信号を少ない通過損失および反射損失で伝搬させることが可能となる。
また、本実施の形態では、上部導体パッド13Aにおける電界密度の異方性を与えるための構造として、上部グランドプレーン16Aの形状を調整することにより実現したので、導電層をパターンエッチングするという極めて簡素な工程で形成することができ、また、新規な工程を追加する必要がないため、高周波伝送線路の低コスト化を実現することができる。
また、第1の実施の形態と同様、本実施の形態においても、図6に示すように、上部アンチパッド領域15Aのギャップ領域と環状領域との境界位置において、上部グランドプレーン16Aの上部高周波信号線路14Aと対向する端部に、上部高周波信号線路14A側へ突出した凸部Bを設けてもよい。これにより、上部高周波信号線路14Aの特性インピーダンスの上昇を抑制して、高周波信号ビア12の特性インピーダンスとの整合を維持することができ、損失の発生を抑制することができる。
また、第1の実施の形態と同様、本実施の形態においても、高周波信号ビア12を囲うように複数のグランドビア17を円筒状に並べて形成するとともに、多層配線基板11内層の導体層11Mからなる各グランドプレーンの中心を円形状に除去して絶縁体とすることにより、擬似的な円筒導体で高周波信号ビア12をシールドした擬似同軸線路構造を形成するようにしてもよい。
これにより、擬似同軸線路構造の線路長、すなわち上部導体パッド13Aや下部導体パッド13Bと接続される高周波信号ビア12の線路長にかかわらず、高周波信号を低損失かつ低反射で安定して伝搬させることができる。
また、本実施の形態において、多層配線基板11の層数を増やすことにより、電源層や低速度信号層も同時に形成することができるため、高周波信号線路専用ではなく、多機能な多層配線基板を提供することも可能となる。
また、本実施の形態では、高周波伝送線路の屈曲部のうち、多層配線基板11の最上層に位置する屈曲部について説明したが、最下層に位置する屈曲部についても同様の構造を適用してもよい。
すなわち、図8に示すように、下部グランドプレーン16Bを形成する導体層のうち、下部境界線SBを挟んで、下部高周波信号線路14Bとは反対側に位置する導体層の全部、具体的には、下部グランドプレーン16Bのうち紙面に向かって左側半分を、選択的に除去したものである。
これにより、下部アンチパッド領域15Bを挟んで下部導体パッド13Bと接地電位(下部グランドプレーン16B)との間に発生する電気容量成分のうち、伸延方向Xに沿って発生する伸延電気容量成分CXBに比較して、当該伸延方向Xと直交する直交方向Yに沿って発生する直交電気容量成分CCおよび直交電気容量成分CDが大きくなる。
したがって、下部導体パッド13Bにおける電界密度に異方性が発生して、伸延方向Xに比較して直交方向Yの電気力線が集中して電界密度が高くなり、不要放射が抑制される。このため、不要放射の発生が抑制された状態で、伸延方向Xに伝搬する高周波信号と、垂直方向Zに伝搬する高周波信号との電磁界を効率よく結合することができ、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、高周波信号を少ない通過損失および反射損失で伝搬させることが可能となる。
また、本実施の形態では、下部導体パッド13Bにおける電界密度の異方性を与えるための構造として、下部グランドプレーン16Bの形状を調整することにより実現したので、導電層をパターンエッチングするという極めて簡素な工程で形成することができ、また、新規な工程を追加する必要がないため、高周波伝送線路の低コスト化を実現することができる。
また、第1の実施の形態と同様、本実施の形態においても、図8に示すように、下部グランドプレーン16Bの下部高周波信号線路14Bと対向する端部のうち、下部導体パッド13Bとの接続点の手前位置において、下部高周波信号線路14B側に突出した凸部Bを設けてもよい。これにより、下部高周波信号線路14Bの特性インピーダンスの上昇を抑制して、高周波信号ビア12の特性インピーダンスとの整合を維持することができ、損失の発生を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、図6および図8に示したように、高周波伝送線路の屈曲部のうち、多層配線基板11の最上層と最下層に位置する両方の屈曲部に、本発明を適用した場合を例として説明したが、最上層に位置する屈曲部、あるいは最下層に位置する屈曲部のいずれか一方に対してのみ本発明を適用してもよく、前述と同様の作用効果を得ることができる。
[第3の実施の形態]
次に、図11〜図15を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる高周波伝送線路10について説明する。図11は、第3の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図12は、図11のXII−XII断面図である。図13は、第3の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す底面図である。図14は、図11および図13のXIV−XIV断面図である。図15は、図12および図14のXV−XV断面図である。
第1の実施の形態では、上部グランドプレーン16Aのうち除去の対象となる導体層を、直交方向Yにおいて上部アンチパッド領域15Aの幅Wと等しい一定の幅で、多層配線基板11における最上層の側端部18Aまで選択的に除去する場合を例として説明したが、除去する領域の形状については、上記例に限定されるものではない。
すなわち、本実施の形態は、図11に示すように、上部グランドプレーン16Aを形成する導体層のうち、上部境界線SAを挟んで上部高周波信号線路14Aとは反対側に位置する導体層の一部を、最上層の側端部18Aに近づくに連れて徐々に拡がる幅で、側端部18Aまで選択的に除去したものである。
これにより、上部アンチパッド領域15Aを挟んで上部導体パッド13Aと接地電位(上部グランドプレーン16A)との間に発生する電気容量成分のうち、伸延方向Xに沿って発生する伸延電気容量成分CXAに比較して、当該伸延方向Xと直交する直交方向Yに沿って発生する直交電気容量成分CAおよび直交電気容量成分CBが大きくなる。
したがって、上部導体パッド13Aにおける電界密度に異方性が発生して、伸延方向Xに比較して直交方向Yの電気力線が集中して電界密度が高くなり、不要放射が抑制される。このため、不要放射の発生が抑制された状態で、伸延方向Xに伝搬する高周波信号と、垂直方向Zに伝搬する高周波信号との電磁界を効率よく結合することができ、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、高周波信号を少ない通過損失および反射損失で伝搬させることが可能となる。
また、本実施の形態では、上部導体パッド13Aにおける電界密度の異方性を与えるための構造として、上部グランドプレーン16Aの形状を調整することにより実現したので、導電層をパターンエッチングするという極めて簡素な工程で形成することができ、また、新規な工程を追加する必要がないため、高周波伝送線路の低コスト化を実現することができる。
また、本実施の形態では、上部グランドプレーン16Aのうち除去の対象となる導体層の幅を、直交方向Yにおいて上部アンチパッド領域15Aの幅Wから、最上層の側端部18Aへ向けて徐々に拡がる幅で、例えば、上部境界線SAと上部アンチパッド領域15Aの外周との交点から最上層の右上角および右下角を結ぶ直線に沿って、側端部18Aまで選択的に除去するようにしたので、第1の実施の形態と比較して、伸延電気容量成分CXAが低減される角度範囲を大きくすることができ、高周波伝送線路の屈曲部における不要放射がある程度広がりを持つ場合でも、効率よく抑制することができる。
また、第1の実施の形態と同様、本実施の形態においても、図11に示すように、上部アンチパッド領域15Aのギャップ領域と環状領域との境界位置において、上部グランドプレーン16Aの上部高周波信号線路14Aと対向する端部に、上部高周波信号線路14A側へ突出した凸部Bを設けてもよい。これにより、上部高周波信号線路14Aの特性インピーダンスの上昇を抑制して、高周波信号ビア12の特性インピーダンスとの整合を維持することができ、損失の発生を抑制することができる。
また、第1の実施の形態と同様、本実施の形態においても、高周波信号ビア12を囲うように複数のグランドビア17を円筒状に並べて形成するとともに、多層配線基板11内層の導体層11Mからなる各グランドプレーンの中心を円形状に除去して絶縁体とすることにより、擬似的な円筒導体で高周波信号ビア12をシールドした擬似同軸線路構造を形成するようにしてもよい。
これにより、擬似同軸線路構造の線路長、すなわち上部導体パッド13Aや下部導体パッド13Bと接続される高周波信号ビア12の線路長にかかわらず、高周波信号を低損失かつ低反射で安定して伝搬させることができる。
また、本実施の形態において、多層配線基板11の層数を増やすことにより、電源層や低速度信号層も同時に形成することができるため、高周波信号線路専用ではなく、多機能な多層配線基板を提供することも可能となる。
また、本実施の形態では、高周波伝送線路の屈曲部のうち、多層配線基板11の最上層に位置する屈曲部について説明したが、最下層に位置する屈曲部についても同様の構造を適用してもよい。
すなわち、図13に示すように、下部グランドプレーン16Bを形成する導体層のうち、下部境界線SBを挟んで、下部高周波信号線路14Bとは反対側に位置する導体層の一部を、最下層の側端部18Bに近づくに連れて徐々に拡がる幅で、側端部18Bまで選択的に除去したものである。
これにより、下部アンチパッド領域15Bを挟んで下部導体パッド13Bと接地電位(下部グランドプレーン16B)との間に発生する電気容量成分のうち、伸延方向Xに沿って発生する伸延電気容量成分CXBに比較して、当該伸延方向Xと直交する直交方向Yに沿って発生する直交電気容量成分CCおよび直交電気容量成分CDが大きくなる。
したがって、下部導体パッド13Bにおける電界密度に異方性が発生して、伸延方向Xに比較して直交方向Yの電気力線が集中して電界密度が高くなり、不要放射が抑制される。このため、不要放射の発生が抑制された状態で、伸延方向Xに伝搬する高周波信号と、垂直方向Zに伝搬する高周波信号との電磁界を効率よく結合することができ、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、高周波信号を少ない通過損失および反射損失で伝搬させることが可能となる。
また、本実施の形態では、下部導体パッド13Bにおける電界密度の異方性を与えるための構造として、下部グランドプレーン16Bの形状を調整することにより実現したので、導電層をパターンエッチングするという極めて簡素な工程で形成することができ、高周波伝送線路の低コスト化を実現することができる。
また、本実施の形態では、下部グランドプレーン16Bのうち除去の対象となる導体層の幅を、直交方向Yにおいて下部アンチパッド領域15Bの幅Wから、最下層の側端部18Bへ向けて徐々に拡がりを有する幅で、例えば、下部境界線SBと下部アンチパッド領域15Bの外周との2つの交点と最下層の左上角および左下角とを結ぶ直線に沿って、最下層の側端部18Bまで選択的に除去するようにしたので、第1の実施の形態と比較して、伸延電気容量成分CXBが低減される角度範囲を大きくすることができ、高周波伝送線路の屈曲部における不要放射がある程度広がりを持つ場合でも、効率よく抑制することができる。
また、第1の実施の形態と同様、本実施の形態においても、図13に示すように、下部グランドプレーン16Bの下部高周波信号線路14Bと対向する端部のうち、下部導体パッド13Bとの接続点の手前位置において、下部高周波信号線路14B側に突出した凸部Bを設けてもよい。これにより、下部高周波信号線路14Bの特性インピーダンスの上昇を抑制して、高周波信号ビア12の特性インピーダンスとの整合を維持することができ、損失の発生を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、図12および図14に示したように、高周波伝送線路の屈曲部のうち、多層配線基板11の最上層と最下層に位置する両方の屈曲部に、本発明を適用した場合を例として説明したが、最上層に位置する屈曲部、あるいは最下層に位置する屈曲部のいずれか一方に対してのみ本発明を適用してもよく、前述と同様の作用効果を得ることができる。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
10…高周波伝送線路、11…多層配線基板、11M…導体層、11P…絶縁層、12…高周波信号ビア、13A…上部導体パッド、13B…下部導体パッド、14A…上部高周波信号線路、14B…下部高周波信号線路、15A…上部アンチパッド領域、15B…下部アンチパッド領域、16A…上部グランドプレーン、16B…下部グランドプレーン、17…グランドビア、18A…端部(最上層)、18B…端部(最下層)、B…凸部、CA,CB,CC,CD…直交電気容量成分、CXA,CXB…伸延電気容量成分。

Claims (7)

  1. 導体層と絶縁層とが交互に積層された多層配線基板と、
    前記多層配線基板内を最上層から最下層まで垂直に貫通して形成された高周波信号ビアと、
    前記最上層に平面視略円形状に形成されて、前記高周波信号ビアの上端と接続された上部導体パッドと、
    前記最上層に線状に形成されて、先端が前記上部導体パッドと接続された上部高周波信号線路と、
    前記最上層に形成されて、接地電位に接続された導体層からなり、当該導体層が選択的に除去された上部アンチパッド領域を挟んで、前記上部導体パッドおよび前記上部高周波信号線路の周囲に形成された上部グランドプレーンと、
    前記多層配線基板内に形成されて、前記上部グランドプレーンと、前記多層配線基板内に積層されている前記各導体層とを接続する複数のグランドビアとを備え、
    前記上部グランドプレーンを形成する導体層のうち、前記上部高周波信号線路の伸延方向と直交する直交方向に沿って前記上部導体パッド上を通る上部境界線を挟んで、前記上部高周波信号線路とは反対側に位置する導体層の一部または全部が、前記上部アンチパッド領域と連続するように選択的に除去されている
    ことを特徴とする高周波伝送線路。
  2. 請求項1に記載の高周波伝送線路において、
    前記除去の対象となる導体層は、前記直交方向における前記上部アンチパッド領域の幅と等しい一定の幅で、前記最上層のうち前記直交方向に沿った側端部まで選択的に除去されていることを特徴とする高周波伝送線路。
  3. 請求項2に記載の高周波伝送線路において、
    前記除去の対象となる導体層の前記幅は、前記側端部に近づくに連れて徐々に拡がることを特徴とする高周波伝送線路。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の高周波伝送線路において、
    前記上部グランドプレーンは、前記上部アンチパッド領域のうち前記上部高周波信号線路に沿う領域と前記上部導体パッドに沿う領域との境界位置において、当該上部高周波信号線路と対向する端部が当該上部高周波信号線路側へ突出した凸部を有することを特徴とする高周波伝送線路。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の高周波伝送線路において、
    前記最下層に平面視略円形状に形成されて、前記高周波信号ビアの下端と接続された下部導体パッドと、
    前記最下層に線状に形成されて、先端が前記下部導体パッドと接続された下部高周波信号線路と、
    前記最下層に形成されて、接地電位に接続された導体層からなり、当該導体層が選択的に除去された下部アンチパッド領域を挟んで、前記下部導体パッドおよび前記下部高周波信号線路の周囲に形成された下部グランドプレーンとをさらに備え、
    前記各グランドビアは、前記下部グランドプレーンに接続されてなり、
    前記下部グランドプレーンを形成する導体層のうち、前記下部高周波信号線路の伸延方向と直交する直交方向に沿って前記下部導体パッド上を通る下部境界線を挟んで、前記下部高周波信号線路とは反対側に位置する導体層の一部または全部が、前記下部アンチパッド領域と連続するように選択的に除去されている
    ことを特徴とする高周波伝送線路。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の高周波伝送線路において、
    前記上部導体パッドに代えて、前記最下層に平面視略円形状に形成されて、前記高周波信号ビアの下端と接続された下部導体パッドと、
    前記上部高周波信号線路に代えて、前記最下層に線状に形成されて、先端が前記下部導体パッドと接続された下部高周波信号線路と、
    前記上部グランドプレーンに代えて、前記最下層に形成されて、接地電位に接続された導体層からなり、当該導体層が選択的に除去された下部アンチパッド領域を挟んで、前記下部導体パッドおよび前記下部高周波信号線路の周囲に形成された下部グランドプレーンとをさらに備え、
    前記各グランドビアは、前記下部グランドプレーンに接続されてなり、
    前記下部グランドプレーンを形成する導体層のうち、前記下部高周波信号線路の伸延方向と直交する直交方向に沿って前記下部導体パッド上を通る下部境界線を挟んで、前記下部高周波信号線路とは反対側に位置する導体層の一部または全部が、前記下部アンチパッド領域と連続するように選択的に除去されている
    ことを特徴とする高周波伝送線路。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の高周波伝送線路において、
    前記高周波信号ビアと前記グランドビアが疑似同軸線路構造を備えることを特徴とする高周波伝送線路。
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