JP2015014948A - 車両用運転支援装置 - Google Patents

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Kenichi Higashi
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Abstract

【課題】運転者の乗った自転車の進行方向を予測することにより、速度の速い自転車に対して早期に衝突の回避制御を行うことができる車両用運転支援装置を提供すること。
【解決手段】自転車検出部11は、第1検出装置が撮像した画像から自車両100の進行方向と同じ方向または逆方向に走行している自転車を検出し、進行方向予測部12は、検出された自転車の傾きと自転車の運転者の傾きとに基づいて自転車の進行方向を予測し、予測した自転車の進行方向が自車両100の進行方向に接近する方向である場合、回避制御部13は、第1、第2情報報知装置40、50による注意喚起、警告、制動装置102による制動制御などの衝突の回避制御処理を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用運転支援装置に関し、詳しくは、走行する車両の衝突の可能性を予測して当該衝突を未然に回避するものに関する。
車両には、センサやデータ処理の高度化に伴って、走行中に衝突事故などを起こさないように運転支援装置を搭載することが行われつつある。
この車両用運転支援装置は、例えば、カメラ等により車両周辺に存在する物体を検出して、自車両が歩行者や自転車などの障害物と衝突する可能性がある場合に、警報を発したり、強制的にブレーキ制御を掛けたりする制御処理を行う。
特許文献1には、自車両前方の歩行者、自転車の運転者、他車両の運転者等の視線方向を特定し、この視線方向が自車両の存在する方向で無い場合、その歩行者、自転車または他の車両の運転者に対し警報を発することが提案されている。
特開2005−165422号公報
しかしながら、このような車両用運転支援装置において、自転車は、歩行者より速度が速い場合が多く、早期に検知しないと、警報やブレーキ制御が間に合わない可能性がある。
特許文献1に記載のもののように、自転車の運転者の視線方向を特定しても、自転車の進行方向の変化を早期に判断することは困難である。
そこで、本発明は、運転者の乗った自転車の進行方向を予測することにより、速度の速い自転車に対して早期に衝突の回避制御を行うことができる車両用運転支援装置を提供することを目的としている。
本発明の第1の態様は、走行する自車両の衝突の可能性を予測して運転を支援する車両用運転支援装置であって、前記自車両の進行方向に存在する運転者の乗った自転車を検出する自転車検出部と、前記自転車検出部により検出された前記自転車の進行方向を予測する進行方向予測部と、前記進行方向予測部が、前記自転車の進行方向が前記自車両に接近する方向に変化すると予測したときに、前記自車両と前記自転車との衝突を回避する制御処理を実行する回避制御部と、を備えることを特徴とするものである。
本発明の第2の態様としては、前記自車両の周囲を撮像する撮像部を備え、前記自転車検出部は、前記撮像部の撮像した画像に基づいて前記運転者の乗った自転車を検出するのが好適である。
本発明の第3の態様としては、前記進行方向予測部は、前記自転車の傾きに基づいて前記自転車の進行方向を予測するのが好適である。
本発明の第4の態様としては、前記進行方向予測部は、前記自転車の傾きと前記運転者の傾きとに基づいて前記自転車の進行方向を予測するのが好適である。
本発明の第5の態様としては、前記回避制御部は、前記進行方向予測部が、前記自転車の進行方向が前記自車両に接近する方向に変化すると予測したときに、前記自車両の運転者の注意を喚起する注意喚起処理を実行するのが好適である。
このように、上記の第1の態様によれば、自車両の進行方向に存在する運転者の乗った自転車を検出し、検出した自転車の進行方向を予測しているため、自車両に接近する自転車を早期に検知することができ、速度の速い自転車に対して早期に衝突を回避する制御処理を実行することができる。
上記の第2の態様によれば、撮像部が撮像した画像から運転者の乗った自転車が検出されるため、精度よく自転車を検出することができる。
上記の第3の態様によれば、自転車の傾きに基づいて自転車の進行方向を予測しているため、自転車が進行方向を変える前に進行方向の変化を予測することができ、速度の速い自転車に対して早期に衝突を回避する制御処理を実行することができる。
上記の第4の態様によれば、自転車の傾きと自転車の運転者の傾きとに基づいて自転車の進行方向を予測しているため、自転車の進行方向の変化を精度よく予測することができ、速度の速い自転車に対して早期に衝突を回避する制御処理を実行することができる。
上記の第5の態様によれば、自転車の進行方向が自車両に接近する方向に変化すると予測されると、注意喚起処理が実行されるため、自車両の運転者に早期に注意を喚起して、運転者に自転車との衝突の回避行動をとらせることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用運転支援装置を示す図であり、その概略全体構成を示す概念機能ブロック図である。 図2は、その自転車の進行方向の予測方法を説明する左右のペダルを踏み込んだときの自転車と運転者の傾きを示した概念平面図である。 図3は、その自転車の進行方向の予測方法を説明する自転車が直進する場合の自転車と運転者の傾きを示した概念平面図である。 図4は、その自転車の進行方向の予測方法を説明する自転車が低速で左右どちらかに曲がる場合の自転車と運転者の傾きを示した概念平面図である。 図5は、その自転車の進行方向の予測方法を説明する自転車が高速で左右どちらかに曲がる場合の自転車と運転者の傾きを示した概念平面図である。 図6は、その車両との衝突の可能性のある自転車との関係を示す状態図である。 図7は、その車両との衝突の可能性のある自転車と障害物との関係を示す状態図である。 図8は、その処理手順を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1〜図8は本発明の一実施形態に係る車両用運転支援装置を示す図である。
図1において、車両用運転支援装置は、内燃機関と電動機の一方または双方を駆動源101として備えて走行する車両100に搭載されており、自車両100全体を統括制御する制御部10内に組み込まれている。
この車両用運転支援装置は、自車両100が備える第1、第2検出装置20、30や第1、第2情報報知装置40、50と連携することにより、自車両100の進行方向の進路上における走行障害の有無を監視して、例えば、後述する自転車が接近してくる可能性を予測して衝突を回避する制御処理を実行する。
ここで、車両100は、第1、第2検出装置20、30による取得データや格納パラメータに基づいて制御部10が駆動源101を含む動力系や制動装置102を含む制動系の動作を統括制御して、所望の速度での走行制御や所望の減速度での停止制御を実行する。
また、本実施形態では、自転車との衝突の回避には、その衝突による損傷の軽減も含んでいてもよいことはいうまでもない。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)やメモリなどを備えるECU(Electronic Control Unit)により構築されており、予めメモリ内に格納されている各種制御プログラムに従って上述の走行制御や停止制御を実行する。
第1検出装置20は、例えば、ステレオカメラにより構成されて、左右2つのカメラにより自車両100の前方の所定範囲内を撮像し、左右のカメラの視差により撮像画像内の対象物までの距離を算出できるようになっている。この第1検出装置20は、左右のカメラの撮像画像を電気信号に変換して制御部10に出力する。すなわち、第1検出装置20が撮像部を構成する。
なお、第1検出装置20は、ステレオカメラに限らず、例えば、レーザレーダの距離情報をプロットして画像を形成するようなものでもよい。
第2検出装置30は、自車両100の走行速度を検出する車速センサ、ハンドルの操舵角を検出する舵角センサ、自車両100の旋回方向への回転角の変化速度を検出するヨーレートセンサなどを備えて、各種走行状況の検出情報を制御部10に出力する。
第1情報報知装置(情報表示部)40は、各種情報を表示出力する液晶パネルなどにより構成されて、例えば、第1、第2検出装置20、30の検出情報を制御部10が処理して算出した自車両100の走行速度などの情報を表示出力する。
第2情報報知装置(情報提示部)50は、各種情報を音声出力するスピーカにより構成されて、例えば、第1、第2検出装置20、30の検出情報を制御部10が処理して算出した自車両100の速度超過時の警告などの各種情報を音声出力する。
なお、これら第1、第2情報報知装置40、50は、走行ルートなどを選定して表示出力するとともに音声案内して報知する、所謂、ナビゲートシステムとして機能する場合には、そのナビゲート装置に構成させてもよい。
また、制御部10は、自転車検出部11、進行方向予測部12、回避制御部13として機能することにより、自車両100の進行方向に接近する自転車との衝突回避制御を実行する。
なお、この衝突回避制御の処理は、自車両100の走行速度が予め設定された速度閾値Yより大きい場合のみ実行される。速度閾値Yの値は、予め実験等により求められ、記憶されている。速度閾値Yの値は、以下に述べる衝突回避制御を行わなくても衝突を回避することができる走行速度の上限値が選択される。
また、衝突回避制御の処理においては、速度閾値Y以外にも各種の閾値が使われる。角度閾値A、B、Cは、後述するように、自転車200と運転者Rの傾き角度により自転車200の旋回を予測するために使う閾値である。その値の大小関係は、A<B<Cとなっている。
時間閾値S、Tは、後述する衝突猶予時間TTCにより衝突の恐れがあるか否かを判定するための閾値である。その値の大小関係は、S>Tとなっている。
速度閾値Zは、自転車200が旋回する可能性があるか否かを判定する閾値である。
自転車検出部11は、第1検出装置20により撮像された画像データから公知の画像処理により、運転者の乗っている自転車を検出するようになっている。検出した自転車の情報は、ラベル情報としてそれぞれの自転車について記憶されるようになっている。
具体的には、自転車検出部11は、予め設定されたサンプリング周期に従って、以下の自転車検出処理を実行する。
自転車検出部11は、第1検出装置20により撮像された画像データから、例えば、自車両100の進行方向と同じまたは逆方向に走っている自転車の特徴点に基づいて、運転者の乗っている自転車を検出する。
ここで、自車両100の進行方向と同じまたは逆方向に走っている自転車の特徴点としては、図2(a)に示すように、水平に伸長するハンドルH、運転者Rの両足Rr、Rlの間に垂直方向に伸長するタイヤT、ハンドルHとタイヤTの間のフレームM、運転者Rの胴体Rbと頭Rhなどを使うと好適である。
また、自転車検出部11は、自車両100の進行方向と直交方向に走っている運転者の乗っている自転車の特徴点に基づいて、運転者の乗っている自転車を検出する。
ここで、自車両100の進行方向と直交方向に走っている自転車の特徴点としては、自車両100の進行方向と同じまたは逆方向に走っている自転車と同様に、図示は省略するが、並んだ二つの車輪、二つの車輪の間のフレーム、横向きの運転者の胴体と頭などを使うと好適である。
自転車検出部11は、検出した自転車が撮像画像内で映っている領域の領域情報、例えば、画像の左上を原点とした2次元座標の座標情報による領域情報を、この自転車を識別する情報とともにラベル情報として記憶する。
また、自転車検出部11は、検出した自転車の自車両100からの距離を、第1検出装置20のステレオカメラの視差から算出して、この自転車のラベル情報に追加する。
一方、進行方向予測部12は、検出された、自車両100の進行方向と同じまたは逆方向に走っている自転車の、自転車本体の傾きと、自転車の運転者の傾きとにより自転車の旋回方向を予測するようになっている。
なお、この自転車の旋回方向予測処理は、予め設定されたサンプリング周期に従って行う。このサンプリング周期は、上述の自転車検出処理のサンプリング周期と同じでもよい。
(自転車と運転者の傾き)
ここで、自転車の自転車本体の傾きと、自転車の運転者の傾きと、からの旋回方向の予測について図2から図5を参照して説明する。なお、図2から図5は、運転者Rの乗っている自転車200を前方から見た図である。
また、図2(d)に示すように、自転車200の傾きは、自転車200を前方または後方から見た場合の、フレームMの中心線Cb(図中、点線で示した)の垂直線P(図中、一点鎖線で示した)に対しての傾き角度α(90度より小さい鋭角)を用いる。運転者Rの傾きは、運転者Rの中心線Cr(図中、実線で示した)の垂直線Pに対しての傾き角度β(90度より小さい鋭角)を用いる。
図2(a)は、右足Rrで上端位置付近にあるペダルを踏み込む場合を示している。このような場合、運転者Rは踏み込む足の方(右側)に上体を移動するため、自転車200よりも運転者Rのほうが右に傾く。
図2(b)は、右足Rrで踏み込んだペダルが下端位置付近に来た場合を示している。このような場合、運転者Rが踏み込んだ踏力により運転者Rより自転車200のほうが右に傾く。なお、運転者Rのハンドル操作や右足Rrの踏み込む力によって傾き方は異なる。
図2(c)は、左足Rlで上端位置付近にあるペダルを踏み込む場合を示している。このような場合、右足Rrのときと同様に、運転者Rは踏み込む左側に上体を移動するため、自転車200よりも運転者Rのほうが左に傾く。
図2(d)は、左足Rlで踏み込んだペダルが下端位置付近に来た場合を示している。このような場合、右足Rrのときと同様に、運転者Rが踏み込んだ踏力により運転者Rより自転車200のほうが左に傾く。
図2(a)から(d)の繰り返しで自転車200は走行する。また、発進時には、走行中のような前方への推進力が無いので自転車200の傾きが大きくなる。
(自転車が直進している場合の傾き)
次に、自転車200が直進する場合の自転車200と運転者Rの傾きについて説明する。
図3(a)、(c)に示すように、運転者Rは、踏み込みにより自転車200が踏み込んだ方に傾き出すと、無意識に上体を反対側に傾けて(傾く角度は小さい)バランスをとって走行する。なお、図3(b)は、運転者Rも自転車200も傾いていないバランスのとれている状態を示している。
すなわち、自転車200の直進中は、運転者Rよりも自転車200のほうが傾き、小さな角度の傾きを左右に繰り返して走行する(図3の(a)→(b)→(c)→(b)→(a))。
(自転車が低速で旋回するときの傾き)
次に、自転車200が低速で左右どちらかに旋回する場合の自転車200と運転者Rの傾きについて説明する。
図4に示すように、低速での右折(図4(a))、左折(図4(b))時は、自転車200と運転者Rがほぼ同じ傾きを保ちながら旋回する。また、曲がる場合には、運転者Rはペダルを回転させていない場合が多い。これは、ペダルを回転させているとバランスを崩しやすいからである。
すなわち、自転車200が低速で曲がる場合は、自転車200と運転者Rは同じ方向に傾き、その傾きの角度は直進時の角度より大きくなる。また、曲がる方向は自転車200と運転者Rが傾いている方向である。
このような知見に基づき、進行方向予測部12は、低速で旋回する自転車200を予測する場合、自転車200本体の傾きと、自転車200の運転者Rの傾きが同じ方向で、自転車200の傾き角度αが以下の式(1)を満たしていれば、自転車200と運転者Rが傾いている方向に旋回すると判断する。
なお、運転者Rの傾き角度βは、自転車200の傾き角度αとほぼ同じ角度となるが、ここでは、自転車200の傾き角度αで判定を行う。運転者Rの傾き角度βで判定するようにしてもかまわないし、自転車200の傾き角度αと運転者Rの傾き角度βとの両方を使って判定するようにしてもかまわない。
角度閾値A<自転車の傾き角度α≦角度閾値B…(1)
ここで、角度閾値A、Bは、自転車200の旋回を予測するための閾値である。角度閾値A、Bの値は、予め実験等により求められ、記憶されている。角度閾値A、Bの値は、自転車200と運転者Rが同じ方向に傾いて曲がる自転車を好適に予測できる値が選択される。なお、傾きの角度αが角度閾値A以下の場合は、自転車200がほぼ道路に沿って直進している場合である。
(自転車が高速で旋回するときの傾き)
次に、自転車200が高速で左右どちらかに旋回する場合の自転車200と運転者Rの傾きについて説明する。
図5に示すように、高速での右左折時は、自転車200の傾きよりさらに運転者Rが同じ方向に傾きながら旋回する場合(図5(a)、(d))と、自転車200のみ大きく傾けて運転者Rは反対側に傾いてバランスをとって旋回する場合(図5(b)、(c))とがある。いずれの場合も、傾きを暫く保持しながら旋回する。
すなわち、自転車200が高速で曲がる場合は、自転車200の傾きが、上述した低速で曲がる場合よりも大きくなり、運転者Rの傾きに係らず自転車200の傾いた方向に曲がる。
このような知見に基づき、進行方向予測部12は、高速で旋回する自転車200を予測する場合、運転者Rの傾きは関係なく、自転車200の傾き角度αが以下の式(2)を満たしていれば、自転車200が傾いている方向に旋回すると判断する。
自転車の傾き角度α>角度閾値C…(2)
ここで、角度閾値Cは、自転車200のみの傾きで旋回を予測するための閾値である。角度閾値Cの値は、予め実験等により求められ、記憶されている。角度閾値Cの値は、自転車200の傾きのみで旋回を好適に予測できる値が選択される。角度閾値Cの値は、角度閾値Bの値よりも大きい値となる。
進行方向予測部12は、上述の低速での旋回と、高速での旋回と、の2つの場合の判定を行い、自転車200が旋回することを予測する。
(自転車の傾きと運転者の傾きで旋回すると予測した場合)
自転車200が旋回すると判定したとき、進行方向予測部12は、自転車200の傾きの方向が自車両100の進行方向に接近する方向か否かを判定して、注意喚起が必要か否かを判断する。
進行方向予測部12は、自転車200の傾きの方向が自車両100の進行方向に接近する方向であり、注意喚起が必要であると判定した場合、回避制御部13に注意喚起信号を出力する。
回避制御部13は、注意喚起信号を受け取ると、第1、第2情報報知装置40、50に注意喚起情報を出力する。この注意喚起情報には、ラベル情報に記憶されている、注意を要する自転車200の撮像画像上で映っている領域の領域情報を含んでいる。
ここで、第1、第2情報報知装置40、50は、回避制御部13から注意喚起情報を受け取ったときには、自車両100に近づく自転車200がある旨のメッセージを表示出力および音声出力する。
また第1情報報知装置40は、例えば、進行方向の撮像映像を表示出力する場合には、回避制御部13から受け取る注意喚起情報の、自転車200の撮像映像内の領域情報に応じた表示をその撮像映像に重ねて表示することにより注意が必要な自転車200を重点的に注視させる機能を備えている。
次に、進行方向予測部12は、注意喚起が必要と判定した自転車200について、その自転車200が自車両100の進行方向に旋回すると仮定して、自車両100との衝突までの猶予時間TTC(Time to Collision)を計算し、その衝突猶予時間TTCから衝突の可能性があるか否かを判定する。
衝突猶予時間TTCは、旋回が予測される自転車が現在の時点で旋回したと仮定したときに、現在の走行速度を維持した自車両100が衝突するまでの時間を予測する指標である。進行方向予測部12は、第2検出装置30が検出した自車両100の走行速度Vfと、旋回が予測される自転車200のラベル情報の離間距離Xbとにより、次式(3)に示すように衝突猶予時間TTCを算出する。
衝突猶予時間TTC=Xb/Vf…(3)
進行方向予測部12は、算出した衝突猶予時間TTCが、予め設定されている要警告の時間閾値Sより小さいか否かにより警告が必要か否かを判定する。
時間閾値Sの値は、予め実験等により求められ、記憶されている。時間閾値Sの値は、警告実施後、自車両100の運転者が速度を緩めるなどの対応をすれば衝突を免れることができる値が選択される。
進行方向予測部12は、算出した衝突猶予時間TTCが時間閾値Sより小さいと判定した場合、回避制御部13に警告信号を出力する。
回避制御部13は、警告信号を受け取ると、第1、第2情報報知装置40、50に警告情報を出力する。この警告情報には、ラベル情報に記憶されている、警告対象となる自転車200の撮像画像上で映っている領域の領域情報を含んでいる。
ここで、第1、第2情報報知装置40、50は、回避制御部13から警告情報を受け取ったときには、衝突の恐れがある自転車200があるため速度を緩める必要がある旨のメッセージを表示出力および音声出力する。
また第1情報報知装置40は、例えば、進行方向の撮像映像を表示出力する場合には、上述の注意喚起の場合と同様に、回避制御部13から受け取る警告情報の、自転車200の撮像映像内の領域情報に応じた表示をその撮像映像に重ねて表示する。このとき、上述の注意喚起の場合とは、表示色を変えるなどして表示するとよい。
なお、衝突猶予時間TTCが時間閾値S以上の値であると判定した場合、進行方向予測部12は、表示出力および音声出力している注意喚起のメッセージや警告のメッセージを一旦停止するため、回避制御部13に報知停止信号を出力する。
回避制御部13は、報知停止信号を受け取ると、第1、第2情報報知装置40、50に報知停止情報を出力する。この報知停止情報には、ラベル情報に記憶されている、報知停止対象となる自転車200の撮像画像上で映っている領域の領域情報を含んでいる。
第1、第2情報報知装置40、50は、報知停止情報を受け取ると、注意喚起のメッセージまたは警告のメッセージの表示出力および音声出力を実行していれば、その表示出力および音声出力を停止する。
なお、第1情報報知装置40は、報知停止情報を受け取ったときに、例えば、進行方向の撮像映像に自転車200の撮像映像内の領域情報に応じた表示を重ねて表示出力している場合には、回避制御部13から受け取る報知停止情報の自転車200の撮像映像内の領域情報に応じた表示を停止する。
また、回避制御部13は、報知停止処理を実行後には次周期の処理を実行するようになっており、次周期の処理で報知が必要と判定されれば改めて報知処理を実行する。
さらに、進行方向予測部12は、算出した衝突猶予時間TTCが、予め設定されている要制動制御の時間閾値Tより小さいか否かにより制動制御が必要か否かを判定する。
時間閾値Tの値は、予め実験等により求められ、記憶されている。時間閾値Tの値は、直ぐに制動制御を実行すれば衝突を免れることができる値が選択される。時間閾値Tの値は時間閾値Sの値より小さい値となる。
進行方向予測部12は、衝突猶予時間TTCが時間閾値Tより小さいと判定した場合、自車両100を停止させる制動制御信号を回避制御部13に出力する。
回避制御部13は、進行方向予測部12から制動制御信号を受け取ったときには、制動装置102などを駆動させて自車両100を所望の減速度で減速させて停止させる制動制御処理を実行する。また、回避制御部13は、制動開始情報を第1、第2情報報知装置40、50に出力する。
ここで、第1、第2情報報知装置40、50は、回避制御部13から制動開始情報を受け取ったときには、自車両100を緊急停止する旨のメッセージを表示出力および音声出力する。
このような処理により、図6に示すような場面での自転車200について早期に検知して衝突回避制御処理を実行することができる。なお、図6は、走行中の自車両100や自転車200を上方から見た図である。
図6(a)に示すように、自車両100の前方を走行中の自転車200が、自車両100の進路の方向に旋回しようとして自転車を傾けた時点で旋回を検知して注意喚起や制動制御処理を行うことができる。
また、図6(d)に示すように、自車両100の前方を走行中の自転車200が、歩道から車道に出ようとして自転車を傾けた時点で自車両100に近づくことを検知して注意喚起や制動制御処理を行うことができる。
なお、図6(b)に示すように、自車両100の前方を、左右に蛇行している自転車200でも、自転車の傾きにより検知して都度注意喚起や制動制御処理を行うことができる。
また、図6(c)に示すように、自車両100の前方で、発進時に左右に傾いている自転車200でも、自転車の傾きにより検知して注意喚起や制動制御処理を行うことができる。
(自転車の進行方向に障害物が有る場合)
また、進行方向予測部12は、検出された、自車両100の進行方向と同じまたは逆方向に走っている自転車200の、進行方向の前方に障害物300が有る場合、上述と同様に注意喚起処理、警告処理、制動制御処理を行う。
具体的に、進行方向予測部12は、サンプリング周期の1周期前の画像と、今回の画像とを比較して、検出された自転車200の進行方向と、その進行方向の前方の障害物300を検出する。なお、比較する画像は1周期前に限らず、数周期前の画像でもかまわない。自転車200の進行方向が好適に検出できればよい。
また、障害物300の検出は、自車両100の走行速度等を加味した画像の比較により、動きの無い物体などを障害物300と判定する。
また、進行方向予測部12は、検出された障害物300の自車両100との距離を、第1検出装置20のステレオカメラの視差から算出する。
進行方向予測部12は、検出された自転車200の進行方向の前方に障害物300が有ると判定した場合、回避制御部13に注意喚起信号(上述の注意喚起信号と同じ)を出力する。
回避制御部13は、注意喚起信号を受け取ると、上述の場合と同様に、第1、第2情報報知装置40、50に注意喚起情報を出力する。
進行方向予測部12は、進行方向の前方に障害物300が有ると判定した自転車200について、その自転車200が障害物300を避けて自車両100の進行方向に出てくると仮定して、自車両100との衝突猶予時間TTCを計算し、その衝突猶予時間TTCから衝突の可能性があるか否かを判定する。
衝突猶予時間TTCは、進行方向の前方に障害物300が有る自転車200が障害物300を避けて自車両100の進行方向に出てくると仮定したときに、現在の走行速度を維持した自車両100が衝突するまでの時間を予測する指標であり、次式(4)に示すように、自車両100と障害物300との距離Xoを自車両100の速度Vfで除算した値で表される。
衝突猶予時間TTC=Xo/Vf…(4)
進行方向予測部12は、算出した衝突猶予時間TTCが、予め設定されている要警告の時間閾値Sより小さいか否かにより警告が必要か否かを判定する。
進行方向予測部12は、算出した衝突猶予時間TTCが時間閾値Sより小さいと判定した場合、上述の場合と同様に、回避制御部13に警告信号(上述の警告信号と同じ)を出力する。
回避制御部13は、警告信号を受け取ると、第1、第2情報報知装置40、50に警告情報を出力する。
さらに、進行方向予測部12は、算出した衝突猶予時間TTCが、予め設定されている要制動制御の時間閾値Tより小さいか否かにより制動制御が必要か否かを判定する。
進行方向予測部12は、衝突猶予時間TTCが時間閾値Tより小さいと判定した場合、上述の場合と同様に、制動制御信号(上述の制動制御信号と同じ)を回避制御部13に出力する。
回避制御部13は、進行方向予測部12から制動制御信号を受け取ったときには、上述の場合と同様に、制動装置102などを駆動させて自車両100を所望の減速度で減速させて停止させる制動制御処理を実行するとともに、制動開始情報を第1、第2情報報知装置40、50に出力する。
このような処理により、図7に示すような場面での自転車200について早期に検知して回避制御処理を実行することができる。なお、図7は、走行中の自車両100や自転車200を上方から見た図である。 図7(a)、(b)に示すように、自車両100の進行方向と同じ方向(図7(a))または逆方向(図7(b))に走行している自転車の、進行方向の前方に車両などの障害物300がある場合に、障害物を避けようとして自転車を傾けた時点で自車両の進路側へ出てくることを検知して注意喚起や制動制御処理を行うことができる。
さらに、自転車200の進行方向の障害物300を検知して、より早期に自転車200の旋回を予測して注意喚起や制動制御処理を行うことができる。
(横から出てくる自転車の場合)
また、進行方向予測部12は、検出された、自車両100の進行方向と直交方向に走っている自転車200の進行方向と走行速度を算出し、進行方向が自車両100の進行方向に近づく方向であり、途中で旋回する可能性の低い走行速度である場合、上述の注意喚起処理、警告処理、制動制御処理を行う。
具体的に、進行方向予測部12は、サンプリング周期の1周期前の画像と、今回の画像とを比較して、検出された自転車200の進行方向と、その走行速度を算出し、算出した進行方向が自車両100の進行方向に近づく方向であるか否かを判定する。
なお、比較する画像は1周期前に限らず、数周期前の画像でもかまわない。自転車200の進行方向と走行速度が好適に検出できればよい。また、進行方向予測部12は、レーザレーダ等により自転車200の位置をより正確に検出し、進行方向と走行速度を算出するようにしてもよい。
自転車200の進行方向が自車両100の進行方向に近づく方向であると判定した場合、進行方向予測部12は、自転車200の走行速度が速度閾値Zより速いか否かにより、自転車200が途中で旋回することなく直進して自車両100の進行方向に出てくるか否かを判定する。
速度閾値Zの値は、予め実験等により求められ、記憶されている。速度閾値Zの値は、自転車200が旋回可能な走行速度の上限値が選択される。
進行方向予測部12は、走行速度が速度閾値Zよりも速いと判定した場合、回避制御部13に注意喚起信号(上述の注意喚起信号と同じ)を出力する。
回避制御部13は、注意喚起信号を受け取ると、上述の場合と同様に、第1、第2情報報知装置40、50に注意喚起情報を出力する。
進行方向予測部12は、進行方向が自車両100の進行方向に近づく方向で走行速度が速度閾値Zよりも速い(自車両100の進路に出てくる)と判定した自転車200について、その自転車200が自車両100の進路に出てくると仮定して、自車両100との衝突猶予時間TTCを計算し、その衝突猶予時間TTCから衝突の可能性があるか否かを判定する。
衝突猶予時間TTCは、自車両100の進行方向と直交する方向に走っている自転車200がそのまま直進して自車両100の進路に出てきたと仮定したときに、現在の走行速度を維持した自車両100が衝突するまでの時間を予測する指標である。
進行方向予測部12は、自転車200が現在の走行速度のまま直進すると仮定して、自車両100の進路と交わる地点を予測し、その地点との距離Xpを算出する。
衝突猶予時間TTCは、次式(5)に示すように、自転車200が自車両100の進路に出てくる地点との距離Xpを自車両の速度Vfで除算した値で表される。
衝突猶予時間TTC=Xp/Vf…(5)
進行方向予測部12は、算出した衝突猶予時間TTCが、予め設定されている要警告の時間閾値Sより小さいか否かにより警告が必要か否かを判定する。
進行方向予測部12は、算出した衝突猶予時間TTCが時間閾値Sより小さいと判定した場合、上述の場合と同様に、回避制御部13に警告信号(上述の警告信号と同じ)を出力する。
回避制御部13は、警告信号を受け取ると、第1、第2情報報知装置40、50に警告情報を出力する。
さらに、進行方向予測部12は、算出した衝突猶予時間TTCが、予め設定されている要制動制御の閾値Tより小さいか否かにより制動制御が必要か否かを判定する。
進行方向予測部12は、衝突猶予時間TTCが時間閾値Tより小さいと判定した場合、上述の場合と同様に、制動制御信号(上述の制動制御信号と同じ)を回避制御部13に出力する。
回避制御部13は、進行方向予測部12から制動制御信号を受け取ったときには、制動装置102などを駆動させて自車両100を所望の減速度で減速させて停止させる制動制御処理を実行するとともに、制動開始情報を第1、第2情報報知装置40、50に出力する。
このような構成を備えて、制御部10は、上記制御プログラムを実行することにより自転車200との衝突回避制御を実現するようになっており、具体的には、図8のフローチャートに示す制御処理を実行する。
なお、図8のフローチャートの処理は、その処理内で予め設定されたサンプリング周期に従って繰り返されるようになっており、サンプリング周期で処理を繰り返すために、1回の処理実行後にサンプリング周期に対応した時間だけ処理の実行を待機し、設定された時間経過後、処理を再開するようになっている。
図8のフローチャートに示すように、制御部10は、第2検出装置30が検出した自車両100の走行速度が速度閾値Yより大きいか否かを判定する(ステップS11)。
自車両100の走行速度が速度閾値Yより大きいと判定した場合、自転車検出部11は、第1検出装置20により撮像された画像データから、自車両100の進行方向と同じまたは逆方向に走っている自転車200を検出する。なお、自車両100の走行速度が速度閾値Y以下であると判定した場合、制御部10は、走行速度が遅いため後述するような衝突回避制御処理を行わなくても衝突を回避することができるとして、サンプリング周期に応じた時間だけ処理を待機した後、ステップS11の判定を繰り返す。
進行方向予測部12は、自転車検出部11により、前方の道路または歩道に自車両100の進行方向と同じまたは逆方向に走っている自転車200が検出されたか否かを判定する(ステップS12)。
進行方向予測部12は、前方に自車両100の進行方向と同じまたは逆方向に走っている自転車200が検出されたと判定した場合、検出された自転車200の左右の傾きを測定する(ステップS13)。
次いで、進行方向予測部12は、検出された自転車200の運転者Rの左右の傾きを測定する(ステップS14)。
進行方向予測部12は、自転車200の傾きと運転者Rの傾きが同じ方向であり、且つ、自転車200の傾きが角度閾値Aより大きく角度閾値B以下であるか否かを判定する(ステップS15)。
自転車200の傾きと運転者Rの傾きが違う方向と判定した場合、または、自転車200の傾きが上述の角度閾値Aより大きく角度閾値B以下でないと判定した場合、進行方向予測部12は、自転車200の傾きが角度閾値Cより大きいか否かを判定する(ステップS16)。
(自転車の傾きと運転者の傾きで旋回すると予測した場合)
ステップS16において、自転車200の傾きが角度閾値Cより大きいと判定した場合、または、ステップS15において、自転車200の傾きと運転者Rの傾きが同じ方向であり、且つ、自転車200の傾きが角度閾値Aより大きく角度閾値B以下であると判定した場合、進行方向予測部12は、自転車200が旋回すると予測し、自転車200の傾きの方向が自車両100に接近する方向か否かを判定する(ステップS17)。
自転車200の傾きの方向が自車両100に接近する方向であると判定した場合、進行方向予測部12は、注意喚起信号を回避制御部13に出力する。回避制御部13は、注意喚起信号を受け取ると、第1、第2情報報知装置40、50に注意喚起情報を出力して、自車両100に近づく自転車200がある旨のメッセージを表示出力および音声出力させる(ステップS18)。このように、自転車200が自車両100に接近する方向に傾いた時点で注意喚起を行っているため、早期に衝突回避の注意喚起を行うことができる。
なお、ステップS17において、自転車200の傾きの方向が自車両100から離れる方向と判定した場合、進行方向予測部12は、自車両100に近づいて衝突することはないとして、サンプリング周期に応じた時間だけ処理を待機した後、ステップS11に戻って処理を繰り返す。
次いで、進行方向予測部12は、衝突猶予時間TTCを算出し、算出した衝突猶予時間TTCが時間閾値Sより小さいか否かを判定する(ステップS19)。
衝突猶予時間TTCが時間閾値Sより小さいと判定した場合、進行方向予測部12は、回避制御部13に警告信号を出力する。
回避制御部13は、警告信号を受け取ると、第1、第2情報報知装置40、50に警告情報を出力して、衝突の恐れがある自転車200があるため速度を緩める必要がある旨のメッセージを表示出力および音声出力させる(ステップS20)。このように、自転車200が自車両100に接近する方向に傾いた時点で衝突の恐れがあると警告を行っているため、早期に衝突回避の警告を行うことができる。
ステップS19において、衝突猶予時間TTCが時間閾値S以上であると判定した場合、進行方向予測部12は、回避制御部13に報知停止信号を出力する。
回避制御部13は、報知停止信号を受け取ると、報知停止情報を第1、第2情報報知装置40、50に出力して、注意喚起のメッセージまたは警告のメッセージの表示出力および音声出力を停止させる(ステップS26)。このように、衝突の恐れがない場合、注意喚起のメッセージまたは警告のメッセージを停止させることができる。
次いで、進行方向予測部12は、衝突猶予時間TTCが時間閾値Tより小さいか否かを判定する(ステップS21)。
衝突猶予時間TTCが時間閾値Tより小さいと判定した場合、進行方向予測部12は、回避制御部13に制動制御信号を出力する。
回避制御部13は、制動制御信号を受け取ると、制動装置102などを駆動させて制動制御処理を実行する(ステップS22)。このように、自転車200が自車両100に接近する方向に傾いた時点で衝突回避の制動制御を行っているため、早期に衝突回避の制動制御を行うことができる。
また、回避制御部13は、制動開始情報を第1、第2情報報知装置40、50に出力して、自車両100を緊急停止する旨のメッセージを表示出力および音声出力する。
そして、回避制御部13は、サンプリング周期に応じた時間だけ処理を待機した後、ステップS11に戻って処理を繰り返す。
ステップS21において、衝突猶予時間TTCが時間閾値T以上であると判定した場合、進行方向予測部12は、サンプリング周期に応じた時間だけ処理を待機した後、ステップS11に戻って処理を繰り返す。
これらステップS12からステップS22の処理により、自車両100の進行方向と同じまたは逆方向に走っている自転車200の旋回を、自転車200の傾きと運転者Rの傾きで予測し、衝突を回避する運転支援を行うことができる。
(自転車の進行方向に障害物が有る場合)
ステップS16において、自転車の傾きが角度閾値C以下であると判定した場合、進行方向予測部12は、検出された自車両100の進行方向と同じまたは逆方向に走っている自転車200の、進行方向の前方に障害物300が有るか否かを判定する(ステップS25)。
自転車200の進行方向の前方に障害物300が有ると判定した場合、進行方向予測部12は、ステップS18に飛んで、注意喚起処理からそれに続く処理を実行する。このように、自転車200の進行方向に障害物300がある場合に、注意喚起や制動制御処理を行っているため、早期に衝突回避の処理を行うことができる。
ステップS25において、自車両100の進行方向と同じまたは逆方向に走っている自転車200の、進行方向の前方に障害物300が無いと判定した場合、進行方向予測部12は、サンプリング周期に応じた時間だけ処理を待機した後、ステップS11に戻って処理を繰り返す。
このステップS25の処理により、進行方向の前方に障害物300がある自転車200の進路変更を予測し、衝突を回避する運転支援を行うことができる。
(横から出てくる自転車の場合)
ステップS12において、自車両100の進行方向と同じまたは逆方向に走っている自転車200が検出できなかったと判定した場合、進行方向予測部12は、自転車検出部11による検出結果から、自車両100の進行方向と直交方向に走って、脇道(左右)から接近する自転車200が有るか否かを判定する(ステップS23)。
脇道から接近する自転車200が有ると判定した場合、進行方向予測部12は、その自転車200の走行速度が速度閾値Zよりも速いか否かを判定する(ステップS24)。
自転車の走行速度が速度閾値Zよりも速いと判定した場合、進行方向予測部12は、ステップS18に飛んで、注意喚起処理からそれに続く処理を実行する。このように、自転車200が自車両100の進路に出てくると予測した場合に、注意喚起や制動制御処理を行っているため、早期に衝突回避の処理を行うことができる。
ステップS23において、脇道から接近する自転車200が無いと判定した場合、または、ステップS24において、自転車200の走行速度が速度閾値Z以下であると判定した場合、進行方向予測部12は、サンプリング周期に応じた時間だけ処理を待機した後、ステップS11に戻って処理を繰り返す。
これらステップS23からステップS24の処理により、脇道から接近する自転車200が自車両100の進路に出てくることを予測し、衝突を回避する運転支援を行うことができる。
したがって、自車両100の前方に自車両100の進行方向と同じ方向または逆方向に走行する自転車200を検出し、検出した自転車200の傾きや運転者Rの傾きから自転車200の旋回方向を予測しているので、速度の速い自転車200に対して早期に旋回を検知して注意喚起や制動制御処理を行うことができ、自車両100と自転車200の衝突を回避する運転支援を行うことができる。
また、自転車200の進行方向の前方に障害物300があることで自転車200の旋回を予測しているので、速度の速い自転車200に対して早期に旋回を検知して注意喚起や制動制御処理を行うことができ、自車両100と自転車200の衝突を回避する運転支援を行うことができる。
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
10 制御部
11 自転車検出部
12 進行方向予測部
13 回避制御部
20 第1検出装置
30 第2検出装置
40 第1情報報知装置
50 第2情報報知装置
100 車両
101 駆動源
102 制動装置

Claims (5)

  1. 走行する自車両の衝突の可能性を予測して運転を支援する車両用運転支援装置であって、
    前記自車両の進行方向に存在する運転者の乗った自転車を検出する自転車検出部と、
    前記自転車検出部により検出された前記自転車の進行方向を予測する進行方向予測部と、
    前記進行方向予測部が、前記自転車の進行方向が前記自車両に接近する方向に変化すると予測したときに、前記自車両と前記自転車との衝突を回避する制御処理を実行する回避制御部と、
    を備えることを特徴とする車両用運転支援装置。
  2. 前記自車両の周囲を撮像する撮像部を備え、
    前記自転車検出部は、前記撮像部の撮像した画像に基づいて前記運転者の乗った自転車を検出することを特徴とする請求項1に記載の車両用運転支援装置。
  3. 前記進行方向予測部は、前記自転車の傾きに基づいて前記自転車の進行方向を予測することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用運転支援装置。
  4. 前記進行方向予測部は、前記自転車の傾きと前記運転者の傾きとに基づいて前記自転車の進行方向を予測することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用運転支援装置。
  5. 前記回避制御部は、前記進行方向予測部が、前記自転車の進行方向が前記自車両に接近する方向に変化すると予測したときに、前記自車両の運転者の注意を喚起する注意喚起処理を実行することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用運転支援装置。
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