JP2015014276A - 内燃機関システムの故障検出装置および内燃機関システムの故障検出方法 - Google Patents

内燃機関システムの故障検出装置および内燃機関システムの故障検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】新気導入通路の新気を制御する機器の故障を検出することができる内燃機関システムの故障検出装置および内燃機関システムの故障検出方法を提供する。
【解決手段】本発明の一態様は、内燃機関システムの故障検出装置において、ECU50は、新気導入弁42を開閉させたときの吸気通路3における吸気圧EPMまたは吸気量Gaの変化量により、新気導入弁42およびリード弁44の少なくとも一方の正常または異常を判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関システムの故障検出装置および内燃機関システムの故障検出方法に関する。
特許文献1には、内燃機関の排気通路に配置された排気絞り弁と、排気通路から吸気通路へEGRガスを還流させるRGR通路に配置されたEGR弁の故障を診断する技術が開示されている。そして、特許文献1に開示された技術は、内燃機関が減速運転状態であるときに、排気絞り弁を閉弁させ、かつ、EGR弁を全開させておき、エアフローメータが検知する新気の変化量をもとに、排気絞り弁またはEGR弁の故障を診断している。
特開2012−007547号公報
ここで、過給機および排気還流装置を有する内燃機関システムにおいて、吸気通路をバイパスして吸気通路の入口付近から直接的に吸気通路におけるスロットル弁よりも下流側の位置へ新気(新たな吸気)を導入する新気導入通路を有するシステムが知られている(例えば、特開2012−7547号公報)。そして、このシステムの過給機は、内燃機関に接続する排気通路に設けられたタービンと、内燃機関に接続する吸気通路に設けられタービンにより駆動されるコンプレッサとを備えている。また、このシステムの排気還流装置は、排気通路におけるタービンの下流側と吸気通路におけるコンプレッサの上流側との間に接続する排気還流通路と、排気還流通路に設けられる排気還流弁を備えている。そして、前記の新気導入通路には、当該新気導入通路の新気(の流れ)を制御する機器(例えば、新気導入弁。以下、単に、「新気制御機器」とも言う。)が設けられている。
そして、前記のシステムは、内燃機関が減速運転状態であるときに、新気導入通路から吸気通路におけるスロットル弁よりも下流側の位置へ新気を導入することにより、吸気通路に残留する排気を掃気する。さらに、前記のシステムは、導入された新気を吸気通路におけるスロットル弁よりも下流側の位置へ流れた排気に混ぜることにより、吸気中の排気割合を減衰させる。このようにして、前記のシステムは、減速失火の発生を抑制している。ここで、減速失火の発生とは、内燃機関が減速運転状態であるときに内燃機関の失火が生じることである。
しかしながら、前記の新気制御機器が故障したときには、前記のシステムは、内燃機関が減速運転状態であるときに、新気導入通路から新気を適切に導入できなくなる。すると、減速失火の発生など、内燃機関の運転状態が安定しないおそれがある。あるいは、内燃機関が過給運転状態であるときに、新気導入通路内にてブローバイガスや排気を含む気体が逆流して、新気導入通路の上流側の機器に、オイルや凝縮水やカーボンなどの異物が付着するおそれがある。すると、新気導入通路の上流側の機器の動作が不安定になるおそれがある。そのため、新気制御機器の故障を検出して、当該故障に対して対処することが必要になる。
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、排気絞り弁またはEGR弁の故障を診断する技術に過ぎず、特許文献1には、新気導入通路の新気を制御する機器の故障を検出する技術については何ら開示されていない。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、新気導入通路の新気を制御する機器の故障を検出することができる内燃機関システムの故障検出装置および内燃機関システムの故障検出方法を提供すること、を課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、内燃機関システムの故障検出装置において、前記内燃機関システムは、内燃機関に接続する吸気通路と排気通路との間に設けられ前記吸気通路における吸気を昇圧させる過給機と、前記吸気通路における吸気量を調節する吸気量調節弁と、前記内燃機関の燃焼室から前記排気通路へ排出される排気の一部を前記吸気通路へ流して前記燃焼室へ還流させる排気還流通路と、前記排気還流通路における前記排気の流量を調節する排気還流弁と、前記吸気通路における前記吸気量調節弁より下流側に新気を導入するための新気導入通路と、前記新気導入通路における新気の流量を調節する新気導入弁と、前記新気導入通路の下流側から上流側へ気体が流れることを防止するリード弁と、を備えており、前記過給機は、前記吸気通路に配置されたコンプレッサと、前記排気通路に配置されたタービンと、前記コンプレッサと前記タービンを一体回転可能に連結する回転軸とを備え、前記排気還流通路の入口は、前記排気通路における前記タービンより下流側に接続され、前記排気還流通路の出口は、前記吸気通路における前記コンプレッサより上流側に接続されており、前記新気導入弁を開閉させたときの前記吸気通路における吸気圧または吸気量の変化量により、前記新気導入弁および前記リード弁の少なくとも一方の正常または異常を判定する判定部を有すること、を特徴とする。
この態様によれば、新気導入通路の新気を制御する機器である新気導入弁およびリード弁の少なくとも一方の故障(異常)を検出できる。そのため、新気導入弁やリード弁の故障に対して、的確に対処することができる。
上記の態様においては、前記判定部は、前記内燃機関が過給運転状態であるときに前記リード弁の正常または異常を判定すること、が好ましい。
この態様によれば、内燃機関が過給運転状態であるときに、リード弁の故障を検出することができる。そのため、内燃機関が過給運転状態であるときにリード弁の故障により発生しうる内燃機関システムへの影響に対し、対処することができる。
上記の態様においては、前記判定部は、前記内燃機関が減速フューエルカット状態であるときに前記新気導入弁の正常または異常を判定すること、が好ましい。
この態様によれば、内燃機関が減速フューエルカット状態であるときに、新気導入弁の故障を検出することができる。そのため、新気導入弁を動作させる前に、新気導入弁の故障に対して対処できる。
上記の態様においては、前記判定部により前記新気導入弁または前記リード弁が異常であると判定されたときに前記内燃機関システムのフェイルセーフ制御を行うフェイルセーフ制御部を有すること、が好ましい。
この態様によれば、新気導入弁またはリード弁が故障したときに、内燃機関の運転状態がより安全な状態となるように制御できる。
上記の態様においては、前記フェイルセーフ制御部は、前記判定部により前記新気導入弁が全閉状態で固着した導入弁閉弁異常であると判定されたときに、または、前記判定部により前記リード弁が前記新気導入通路の上流側から下流側へ新気が流れることを許可しないリード弁閉弁異常であると判定されたときに、異常判定時の前記吸気量または前記吸気圧に応じて、前記排気還流弁の開度、および、前記内燃機関がアイドル運転状態または減速運転状態であるときの前記吸気量調節弁の開度の少なくとも一方を補正すること、が好ましい。
この態様によれば、排気還流弁の開度を補正して内燃機関の燃焼室における排気の割合を調整することにより、新気導入弁が故障していても、減速失火の発生を抑制できる。また、内燃機関がアイドル運転状態または減速運転状態であるときの吸気量調節弁の開度を補正して内燃機関の燃焼室への吸気の供給量を調整することにより、新気導入弁が故障していても、エンジンストールの発生を抑制できる。
上記の態様においては、前記フェイルセーフ制御部は、前記判定部により前記新気導入弁が開弁状態で固着した導入弁開弁異常であると判定されたときに、異常判定時の前記吸気量または前記吸気圧に応じて、前記内燃機関がアイドル運転状態または減速運転状態であるときの前記内燃機関の点火時期を補正すること、が好ましい。
この態様によれば、内燃機関がアイドル運転状態であるときの内燃機関の点火時期を調整することにより、新気導入弁が故障していても、エンジン回転数の上昇を抑制できる。また、内燃機関が減速運転状態であるときの内燃機関の点火時期を調整することにより、新気導入弁が故障していても、内燃機関の減速性を維持できる。
上記の態様においては、前記フェイルセーフ制御部は、前記判定部により前記リード弁が前記新気導入通路の下流側から上流側へ気体が流れることを防止できないリード弁開弁異常であると判定され、かつ、前記内燃機関が過給運転状態であるときに、前記新気導入弁を全閉状態にする導入弁全閉制御を行うこと、が好ましい。
この態様によれば、内燃機関が過給運転状態であるときに、新気導入弁を全閉状態にすることにより、リード弁が故障していても、排気やブローバイガスを含む気体が新気導入路の下流側から上流側へ流れ込まない。そのため、新気導入弁や新気導入路の上流側の周辺機器に、排気中の凝縮水またはカーボンや、ブローバイガス中のオイルが付着することを防止できる。したがって、新気導入弁や新気導入通路の上流側の周辺機器の動作の安定化が図れる。また、吸気通路中の過給圧が新気導入通路の上流側へ漏れないので、過給レスポンス(過給応答性)を維持できる。
上記の態様においては、前記フェイルセーフ制御部は、前記導入弁全閉制御を行うときに、前記排気還流弁の開度を閉弁側へ補正すること、が好ましい。
この態様によれば、排気還流弁の開度を閉弁側へ補正することにより、内燃機関が過給運転状態から減速運転状態に切り替わったときに新気導入弁の開弁遅れが生じても、吸気中の排気の割合を抑制できるので、減速失火の発生を抑制できる。
上記課題を解決するためになされた本発明の他の態様は、内燃機関システムの故障検出方法において、前記内燃機関システムは、内燃機関に接続する吸気通路と排気通路との間に設けられ前記吸気通路における吸気を昇圧させる過給機と、前記吸気通路における吸気量を調節する吸気量調節弁と、前記内燃機関の燃焼室から前記排気通路へ排出される排気の一部を前記吸気通路へ流して前記燃焼室へ還流させる排気還流通路と、前記排気還流通路における前記排気の流量を調節する排気還流弁と、前記吸気通路における前記吸気量調節弁より下流側に新気を導入するための新気導入通路と、前記新気導入通路における新気の流量を調節する新気導入弁と、前記新気導入通路の下流側から上流側へ気体が流れることを防止するリード弁と、を備えており、前記過給機は、前記吸気通路に配置されたコンプレッサと、前記排気通路に配置されたタービンと、前記コンプレッサと前記タービンを一体回転可能に連結する回転軸とを備え、前記排気還流通路の入口は、前記排気通路における前記タービンより下流側に接続され、前記排気還流通路の出口は、前記吸気通路における前記コンプレッサより上流側に接続されており、前記新気導入弁を開閉させたときの前記吸気通路における吸気圧または吸気量の変化量により、前記新気導入弁および前記リード弁の少なくとも一方の正常または異常を判定すること、を特徴とする。
この態様によれば、新気導入通路における新気の流れを制御する機器である新気導入弁およびリード弁の少なくとも一方の故障を検出できる。そのため、新気導入弁やリード弁の故障に対して、的確に対処することができる。
本発明の内燃機関システムの故障検出装置および内燃機関システムの故障検出方法によれば、新気導入通路の新気を制御する機器の故障を検出することができる。
過給機付エンジンシステムの概略構成図である。 実施例1における新気導入弁の故障検出に関する制御ルーチンを示す図である。 実施例1,2におけるリード弁の故障検出に関する制御ルーチンを示す図である。 実施例2における新気導入弁とリード弁の故障検出に関する制御ルーチンを示す図である。 実施例3におけるフェイルセーフ制御に関する制御ルーチンを示す図である。 異常判定時の全閉時吸気圧とアイドル・減速時スロットル開度との関係図である。 異常判定時の全閉時吸気圧とEGR率補正係数との関係図である。 異常判定時の全閉時吸気圧とアイドル・減速時点火遅角量との関係図である。 実施例3におけるフェイルセーフ制御において、内燃機関がアイドル運転状態または減速運転状態であるときのスロットル開度を補正する制御ルーチンを示す図である。 実施例3におけるフェイルセーフ制御において、内燃機関がアイドル運転状態または減速運転状態であるときの内燃機関の点火時期を補正する制御ルーチンを示す図である。 実施例3におけるフェイルセーフ制御において、EGR開度を補正する制御ルーチンを示す図である。 実施例4におけるフェイルセーフ制御において、新気導入弁を制御する制御ルーチンを示す図である。 実施例4におけるフェイルセーフ制御において、EGR開度を補正する制御ルーチンを示す図である。
本発明に係る内燃機関システムの故障検出装置および内燃機関システムの故障検出方法について、図面を参照しながら説明する。
〔過給機付エンジンシステムの構成〕
まず、本発明に係る内燃機関システムの故障検出装置を備える過給機付エンジンシステムの構成について説明する。
図1は、内燃機関システムの一例である過給機付エンジンシステムの概略構成図である。図1に示すように、エンジンシステムは、レシプロタイプのエンジン(内燃機関)1を備えている。エンジン1の吸気ポート2には、吸気通路3が接続され、排気ポート4には、排気通路5が接続されている。吸気通路3の入口には、エアクリーナ6が設けられている。エアクリーナ6より下流の吸気通路3には、排気通路5との間に、吸気通路3における吸気を昇圧させるための過給機7が設けられている。
過給機7は、吸気通路3に配置されたコンプレッサ8と、排気通路5に配置されたタービン9と、コンプレッサ8とタービン9を一体回転可能に連結する回転軸10とを備えている。過給機7は、排気通路5を流れる排気によりタービン9を回転させて回転軸10を介してコンプレッサ8を一体的に回転させることにより、吸気通路3における吸気を昇圧させる、すなわち過給を行うようになっている。コンプレッサ8は、吸気通路3における電子スロットル装置14よりも上流側(エアクリーナ6側、エアフローメータ54側)の位置に設けられている。
過給機7に隣接して排気通路5には、タービン9を迂回する排気バイパス通路11が設けられている。この排気バイパス通路11には、ウェイストゲートバルブ12が設けられている。ウェイストゲートバルブ12により排気バイパス通路11を流れる排気が調節されることにより、タービン9に供給される排気流量が調節され、タービン9及びコンプレッサ8の回転速度が調節され、過給機7による過給圧が調節されるようになっている。
吸気通路3において、過給機7のコンプレッサ8とエンジン1との間には、インタークーラ13が設けられている。このインタークーラ13は、コンプレッサ8により昇圧されて高温となった吸気を適温に冷却するためのものである。
インタークーラ13とエンジン1との間の吸気通路3には、サージタンク3aが設けられている。また、インタークーラ13の下流側であってサージタンク3aの上流側の吸気通路3には、電子スロットル装置14が設けられている。電子スロットル装置14は、吸気通路3に配置されるバタフライ形のスロットル弁21と、そのスロットル弁21を開閉駆動するためのDCモータ22と、スロットル弁21の開度(スロットル開度)を検出するためのスロットルセンサ23とを備える。スロットル弁21は、吸気通路3における吸気量を調節するための吸気量調節弁である。そして、スロットル弁21の開度は、運転者によるアクセルペダル26の操作に応じて調節される。タービン9の下流側の排気通路5には、排気を浄化するための排気触媒としての触媒コンバータ15が設けられている。
エンジン1には、燃焼室16に燃料を噴射供給するためのインジェクタ25が設けられている。インジェクタ25には、燃料タンク(図示略)から燃料が供給されるようになっている。また、エンジン1には、各気筒に対応して点火プラグ29が設けられている。各点火プラグ29は、イグナイタ30から出力される高電圧を受けて点火動作する。各点火プラグ29の点火時期は、イグナイタ30による高電圧の出力タイミングにより決定される。
また、EGR装置は、エンジン1の燃焼室16から排気通路5へ排出される排気の一部を吸気通路3へ流して燃焼室16へ還流させる排気還流通路(EGR通路)17と、EGR通路17における排気の流量(EGR流量)を調節するためにEGR通路17に設けられた排気還流弁(EGR弁)18とを備えている。EGR通路17は、触媒コンバータ15の下流側の排気通路5と、コンプレッサ8の上流側の吸気通路3との間に設けられている。すなわち、排気通路5を流れる排気の一部をEGRガスとしてEGR通路17を通じて吸気通路3へ流して燃焼室16へ還流させるために、EGR通路17の出口17aが、吸気通路3におけるコンプレッサ8よりも上流側の位置に接続されている。また、EGR通路17の入口17bは、排気通路5における触媒コンバータ15(タービン9)よりも下流側の位置に接続されている。
EGR通路17には、同通路17を流れるEGRガスを冷却するためのEGRクーラ20が設けられている。EGR弁18は、EGRクーラ20より下流のEGR通路17に配置されている。
EGR弁18は、ステップモータ31により駆動される弁体32を備えている。弁体32は、EGR通路17に設けられた弁座33に着座可能に設けられている。
図1に示すように、吸気通路3における電子スロットル装置14より下流側にあるサージタンク3aに新気を導入するために、新気導入通路41が設けられている。新気導入通路41は、その入口41aが、エアクリーナ6より下流側であってコンプレッサ8およびEGR通路17の出口17aより上流側の位置で吸気通路3に接続され、その出口41bが電子スロットル装置14より下流側の位置で吸気通路3に接続されている。新気導入通路41の途中には、電動式の新気導入弁42が設けられている。新気導入弁42は、ソレノイドにより弁体を駆動することで弁座に対する弁体の開度を制御するように構成されている。新気導入弁42の開度が制御されることにより、新気導入通路41からサージタンク3aへ流れる新気の流量が調節される。
また、新気導入通路41における新気導入弁42と出口41bとの間の位置には、逆止弁であるリード弁44が設けられている。このリード弁44は、新気導入通路41にて下流側(出口41b側)からリード弁44を介して上流側(入口41a側)へ気体が流れることを防止する。その一方で、リード弁44は、新気導入通路41にて入口41a側からリード弁44を介して出口41b側へ気体が流れることを許可する。
ECU50は、中央処理装置(CPU)と、所定の制御プログラム等を予め記憶したり、CPUの演算結果等を一時的に記憶したりする各種メモリと、これら各部と接続される外部入力回路及び外部出力回路とを備えている。
ECU50の外部入力回路は、スロットルセンサ23や、エンジン1の運転状態を検出するための各種センサに接続している。そして、スロットルセンサ23や各種センサの検出データが、ECU50の外部入力回路に入力される。また、ECU50の外部出力回路は、DCモータ22、インジェクタ25、イグナイタ30、ステップモータ31、新気導入弁42などに接続している。
ここで、前記のエンジン1の運転状態を検出するための各種センサとして、吸気圧センサ51、回転速度センサ52、エアフローメータ54が設けられている。吸気圧センサ51は、サージタンク3aにおける吸気圧EPMを検出する。具体的には、吸気圧センサ51は、EGR通路17から吸気通路3へEGRガスが流れ込む位置より下流側の位置の吸気通路3(サージタンク3a)における吸気圧EPMを検出する。回転速度センサ52は、エンジン1のクランクシャフト1aの回転角(クランク角)を検出するとともに、そのクランク角の変化をエンジン1の回転速度(エンジン回転数)NEとして検出する。エアフローメータ54は、エアクリーナ6の直下流の吸気通路3を流れる吸気量Gaを検出する。
ECU50は、エンジン1の運転状態に応じてEGRガスを制御するためにEGR弁18を制御する。
また、ECU50は、詳しくは後述するように、所定の条件下で、新気導入弁42の正常または異常を判定したり、リード弁44の正常または異常を判定したり、各種のフェイルセーフ制御を行う。なお、ECU50は、本発明における「判定部」や「フェイルセーフ制御部」を兼ねている。
以上が、過給機付エンジンシステムの構成の説明である。
〔内燃機関システムの故障検出方法およびフェイルセーフ制御方法〕
次に、内燃機関システムの故障検出装置の作用として、内燃機関システムの故障検出方法および内燃機関システムのフェイルセーフ制御方法について、詳細に説明する。
ここで、新気導入弁42やリード弁44が故障すると、新気は、新気導入通路41を介して吸気通路3における電子スロットル装置14よりも下流側(サージタンク3a側)の位置に適切に導入されなくなる。そして、特に、リード弁44が故障すると、以下のようなことが起こりうる。
まず、ECU50は、エンジン1の運転状態が過給運転状態から減速運転状態に切り替わったときの新気導入弁42の開弁制御の応答性を改善するため、エンジン1が過給運転状態であるとき、すなわち、過給機7により過給が行われるときに、新気導入弁42を予め開弁させている。そのため、エンジン1が過給運転状態であるときにリード弁44が開弁異常(リード弁開弁異常)であると、新気導入通路41の出口41bからEGRガスやブローバイガスを含む吸気が逆流してしまう。なお、「リード弁44が開弁異常である」とは、リード弁44が、新気導入通路41における下流側からリード弁44を介して上流側へ気体が逆流することを防止できない故障状況下にある、ということである。
そして、前記のように新気導入通路41内を逆流した吸気は、開弁状態の新気導入弁42を介して、入口41aから吸気通路3におけるコンプレッサ8よりも上流側(エアフローメータ54側)の位置に、流れ込んでしまう。すると、EGRガスに含まれる凝縮水やカーボン、および、ブローバイガスに含まれるオイルなどが、新気導入弁42や、入口41aの周辺機器であるエアフローメータ54に付着するおそれがある。そのため、新気導入弁42やエアフローメータ54の動作が不安定になるおそれがある。
一方、リード弁44が閉弁異常(リード弁閉弁異常)であると、新気が、新気導入通路41を介して吸気通路3における電子スロットル装置14よりも下流側の位置に流れ込むことができない。ここで、「リード弁44が閉弁異常である」とは、リード弁44が、新気導入通路41の上流側からリード弁44を介して下流側へ新気が流れることを許可しない故障状況下にある、ということである。そのため、新気が、新気導入通路41を介してエンジン1の燃焼室16内に供給されなくなってしまう。したがって、例えば、エンジン1が減速運転状態であるときに、燃焼室16に取り込まれる吸気中のEGRガスの割合が過剰になって、減速失火が発生するおそれがある。
そこで、ECU50は、以下のように、新気導入弁42の故障とリード弁44の故障を検出する。また、ECU50は、後述するように、新気導入弁42やリード弁44の故障時に、エンジンシステムのフェイルセーフ制御を行う。
<実施例1>
実施例1では、ECU50は、新気導入弁42を開閉させたときの吸気圧EPMの変化量により、新気導入弁42およびリード弁44の少なくとも一方の正常または異常を判定する。具体的には、ECU50は、エンジン1が減速フューエルカット状態であるときに、新気導入弁42を開閉させたときの吸気圧EPMの変化量により、新気導入弁42の正常または異常を判定する。なお、「エンジン1が減速フューエルカット状態であるとき」とは、エンジン1が減速運転状態であり、かつ、インジェクタ25(図1参照)による燃料の供給が行われていないときである。また、エンジン1が減速運転状態であるときは、吸気圧EPMは負圧になっている。また、吸気圧EPMは、吸気圧センサ51(図1参照)により検出される。
また、実施例1では、ECU50は、エンジン1が過給運転状態であるときに、新気導入弁42を開閉させたときの吸気圧EPMの変化量により、リード弁44の正常または異常を判定する。なお、エンジン1が過給運転状態であるときは、吸気圧EPMは正圧になっている。
具体的には、ECU50は、図2と図3に示す新気導入弁42とリード弁44の故障検出に関する制御ルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。
そこで、まず、ECU50は、以下のようにして、新気導入弁42の故障検出を行う。図2と図3に示すルーチンの処理が開始されると、まず、ECU50は、エンジン1が減速フューエルカット(図中、「減速F/C」と表記)状態であり(ステップS1:YES)、かつ、導入弁判定フラグXACVOBDが「0」であると判定したとき(ステップS2:YES)には、ステップS3の処理へ移行する。ここで、導入弁判定フラグXACVOBDは、新気導入弁42の正常または異常の判定が未完了である場合に「0」と設定され、新気導入弁42の正常または異常の判定が完了した場合に「1」と設定される。
次に、ECU50は、全閉時記憶フラグXACVOFF1が「1」となったら(ステップS3:NO)、新気導入弁開弁制御を行う(ステップS8)。ここで、「新気導入弁開弁制御を行う」とは、新気導入弁42を所定の開度(例えば、全開(最大開度))に開弁させるということである。
なお、全閉時記憶フラグXACVOFF1は、ECU50により新気導入弁閉弁制御が行われ(ステップS4)、ECU50に吸気圧EPMが取込まれ(ステップS5)、取込まれた吸気圧EPMが全閉時吸気圧ACVoff1としてECU50に記憶された(ステップS6)ときに、「1」となる(ステップS7)。ここで、ステップS4における「新気導入弁閉弁制御が行われる」とは、新気導入弁42が全閉状態(開度0の状態)にされるということである。すなわち、全閉時吸気圧ACVoff1は、エンジン1が減速フューエルカット状態であるときに新気導入弁42を全閉状態にしたときの吸気圧EPMである。
そして、ECU50は、前記のようにステップS8にて新気導入弁開弁制御を行った後に、吸気圧EPMを取込み(ステップS9)、取込んだ吸気圧EPMを開弁時吸気圧ACVon1として記憶する(ステップS10)。すなわち、開弁時吸気圧ACVon1は、エンジン1が減速フューエルカット状態であるときに新気導入弁42を開弁状態にしたときの吸気圧EPMである。
このように、ECU50は、エンジン1が減速フューエルカット状態であり、かつ、新気導入弁42の判定が未完了であるときには、全閉時吸気圧ACVoff1と開弁時吸気圧ACVon1を取得する。
次に、ECU50は、開弁時吸気圧ACVon1から全閉時吸気圧ACVoff1を減算した圧力変動値が所定値Aよりも大きいか否か、を判定する(ステップS11)。
そして、ECU50は、ステップS11において圧力変動値が所定値Aよりも大きいと判定した場合には、新気導入弁42が正常であると判定する(ステップS12)。さらに、ECU50は、導入弁異常フラグXACVstickを「0」とする(ステップS13)。
一方、ECU50は、ステップS11において圧力変動値が所定値A以下であると判定した場合には、新気導入弁42が異常であると判定する(ステップS14)。さらに、ECU50は、導入弁異常フラグXACVstickを「1」とする(ステップS15)。
そして、ECU50は、ステップS13またはステップS15の処理を行った後に、導入弁判定フラグXACVOBDを「1」として(ステップS16)、ルーチン処理を一旦終了する。
なお、ECU50は、ステップS2において導入弁判定フラグXACVOBDが「1」であると判定した場合(ステップS2:NO)には、そのままルーチン処理を一旦終了する。
以上のようにして、ECU50は、エンジン1が減速フューエルカット状態であるときに、新気導入弁42を開閉させたときの吸気圧EPMの変化量をもとに、新気導入弁42の正常または異常を判定する。
また、ECU50は、以下のようにして、リード弁44の故障検出を行う。まず、ECU50は、ステップS1(図2参照)においてエンジン1が減速フューエルカット状態でないと判定した場合(ステップS1:NO)には、図3に示すように、エンジン1が過給運転状態であるか否かを判定する(ステップS17)。
そして、ECU50は、エンジン1が過給運転状態であり(ステップS17:YES)、かつ、リード弁判定フラグXRVOBDが「0」であり(ステップS18:YES)、かつ、導入弁異常フラグXACVstickが「0」であると判定した場合(ステップS19:YES)には、全閉時記憶フラグXACVOFF2が「1」となったら(ステップS20:NO)、新気導入弁開弁制御を行う(ステップS25)。ここで、リード弁判定フラグXRVOBDは、リード弁44の正常または異常の判定が未完了である場合に「0」と設定され、リード弁44の正常または異常の判定が完了した場合に「1」と設定される。
なお、全閉時記憶フラグXACVOFF2は、ECU50により新気導入弁閉弁制御が行われ(ステップS21)、ECU50に吸気圧EPMが取込まれ(ステップS22)、取込まれた吸気圧PMが全閉時吸気圧ACVoff2としてECU50に記憶された(ステップS23)ときに、「1」となる(ステップS24)。すなわち、全閉時吸気圧ACVoff2は、エンジン1が過給運転状態であるときに新気導入弁42を全閉状態にしたときの吸気圧EPMである。
そして、ECU50は、前記のようにステップS25にて新気導入弁開弁制御を行った後に、吸気圧EPMを取込み(ステップS26)、取込んだ吸気圧EPMを開弁時吸気圧ACVon2として記憶する(ステップS27)。すなわち、開弁時吸気圧ACVon2は、エンジン1が過給運転状態であるときに新気導入弁42を開弁状態にしたときの吸気圧EPMである。
このように、ECU50は、エンジン1が過給運転状態であり、かつ、リード弁44の判定が未完了であり、かつ、新気導入弁42が正常であると判定したときには、全閉時吸気圧ACVoff2と開弁時吸気圧ACVon2を取得する。
次に、ECU50は、全閉時吸気圧ACVoff2から開弁時吸気圧ACVon2を減算した圧力変動値が所定値Cよりも大きいか否か、を判定する(ステップS28)。
そして、ECU50は、ステップS28において圧力変動値が所定値Cよりも大きいと判定した場合には、リード弁44が開弁異常であると判定する(ステップS29)。
一方、ECU50は、ステップS28において圧力変動値が所定値C以下であると判定した場合には、リード弁44が正常であると判定する(ステップS30)。
そして、ECU50は、ステップS29またはステップS30の処理を行った後に、リード弁判定フラグXRVOBDを「1」として(ステップS31)、ルーチン処理を一旦終了する。
なお、ECU50は、ステップS17においてエンジン1が過給運転状態でないと判定した場合や、ステップS18においてリード弁判定フラグXRVOBDが「1」であると判定した場合や、ステップS19において導入弁異常フラグXACVstickが「1」であると判定した場合には、そのままルーチン処理を一旦終了する。
以上のようにして、ECU50は、エンジン1が過給運転状態であるときに、新気導入弁42を開閉させたときの吸気圧EPMの変化量をもとに、リード弁44の正常または異常を判定する。
なお、変形例として、ECU50は、新気導入弁42を開閉させたときの吸気圧EPMの変化量の代わりに、新気導入弁42を開閉させたときの吸気量Gaの変化量をもとに、新気導入弁42の正常または異常を判定したり、リード弁44の正常または異常を判定してもよい。ここで、吸気量Gaは、エアフローメータ54(図1参照)により検出される。
本実施例によれば、ECU50は、新気導入弁42を開閉させたときの吸気圧EPMまたは吸気量Gaの変化量により、新気導入弁42およびリード弁44の少なくとも一方の正常または異常を判定する。
このようにして、新気導入通路41の新気を制御する機器である新気導入弁42およびリード弁44の少なくとも一方の故障(異常)が検出される。そのため、本実施例によれば、新気導入弁42やリード弁44の故障に対して、的確に対処することができる。
また、ECU50は、エンジン1が過給運転状態であるときに、リード弁44の正常または異常を判定する。そして、ECU50は、新気導入弁42を開閉させたときの吸気圧EPMまたは吸気量Gaの変化量の値が第2の所定値(所定値C)よりも大きいときには、リード弁44が開弁異常であると判定する。一方、ECU50は、新気導入弁42を開閉させたときの吸気圧EPMまたは吸気量Gaの変動量の値が第2の所定値(所定値C)未満であるときには、リード弁44が正常であると判定する。このようにして、エンジン1が過給運転状態であるときに、リード弁44の故障が検出される。そのため、エンジン1が過給運転状態であるときにリード弁44の故障により発生しうるエンジンシステムへの影響に対し、対処することができる。
また、ECU50は、エンジン1が減速フューエルカット状態であるときに、新気導入弁42の正常または異常を判定する。そして、ECU50は、新気導入弁42を開閉させたときの吸気圧EPMまたは吸気量Gaの変化量の値が第1の所定値(所定値A)よりも大きいときには、新気導入弁42が正常であると判定する。一方、ECU50は、新気導入弁42を開閉させたときの吸気圧EPMまたは吸気量Gaの変化量の値が第1の所定値(所定値A)未満であるときには、新気導入弁42が異常であると判定する。このようにして、エンジン1が減速フューエルカット状態であるときに、新気導入弁42の故障が検出される。そのため、新気導入弁42を動作させる前に、新気導入弁42の故障に対して対処することが可能になる。したがって、新気導入弁42の誤動作が回避される。また、エンジン1が減速フューエルカット状態であるときに新気導入弁42の判定を行うので、判定動作によるエンジン1の出力への影響が回避される。
<実施例2>
次に、実施例2について説明するが、実施例1と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に述べる。
実施例2では、ECU50は、新気導入弁42の開弁異常、および、新気導入弁42またはリード弁44の閉弁異常を判定する。
具体的には、ECU50は、図4と前記の図3に示す新気導入弁42とリード弁44の故障検出に関する制御ルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。
実施例2では、実施例1と異なる点として、図4に示すように、ECU50は、新気導入弁42が異常であると判定して、導入弁異常フラグXACVstickを「1」とする(ステップS54)と、全閉時吸気圧ACVoff1の値が所定値Bよりも大きいか否か、を判定する(ステップS55)。
そして、ECU50は、ステップS55において全閉時吸気圧ACVoff1の値が所定値Bよりも大きいと判定した場合には、新気導入弁42が開弁異常(導入弁開弁異常)であると判定する(ステップS56)。ここで、「新気導入弁42が開弁異常である」とは、新気導入弁42が開弁状態で固着しており、閉弁することができない故障状況下である、ということである。
一方、ECU50は、ステップS55において全閉時吸気圧ACVoff1の値が所定値B以下であると判定した場合には、新気導入弁42が閉弁異常(導入弁閉弁異常)である、または、リード弁44が閉弁異常であると判定する(ステップS57)。ここで、「新気導入弁42が閉弁異常である」とは、新気導入弁42が全閉状態で固着しており、開弁することができない故障状況下である、ということである。また、ここでいう「全閉状態」とは、開度が「0」である状態に限定されず、開度がほぼ「0」である開弁状態も含む。
そして、ECU50は、ステップS56またはステップS57の処理を行った後に、導入弁判定フラグXACVOBDを「1」として(ステップS58)、ルーチン処理を一旦終了する。
なお、変形例として、ECU50は、全閉時吸気圧ACVoff1の代わりに、エンジン1が減速フューエルカット状態であるときに新気導入弁42を全閉状態にしたときの吸気量Gaをもとに、新気導入弁42やリード弁44の異常を判定してもよい。
本実施例によれば、ECU50は、新気導入弁42が異常であると判定したときに、新気導入弁42を全閉状態したときの吸気圧EPMまたは吸気量Gaが第3の所定値(所定値B)よりも大きいときには、新気導入弁42が開弁異常であると判定する。一方、ECU50は、新気導入弁42が異常であると判定したときに、新気導入弁42を全閉状態したときの吸気圧EPMまたは吸気量Gaが第3の所定値(所定値B)未満であるときには、新気導入弁42が閉弁異常である、または、リード弁44が閉弁異常であると判定する。このように、本実施例によれば、新気導入弁42が開弁異常であること、あるいは、新気導入弁42が閉弁異常であること、あるいは、リード弁44が閉弁異常であることを判定することができる。
<実施例3>
実施例3では、ECU50は、新気導入弁42が異常であると判定したときに、過給機付きエンジンシステムのフェイルセーフ制御を行う。
具体的には、ECU50は、図5に示すフェイルセーフ制御に関する制御ルーチンを、所定時間毎に周期的に実行する。そこで、図5に示すルーチンの処理が開始されると、まず、ECU50は、導入弁異常フラグXACVstickが「1」であると判定した場合(ステップ81:YES)に、新気導入弁42の異常判定時の全閉時吸気圧ACVoff1を取込む(ステップS82)。次に、ECU50は、取込んだ全閉時吸気圧ACVoff1に応じて、アイドル・減速時スロットル開度TAidel(以下、単に「スロットル開度TAidel」という。)と、EGR率補正係数KEGRacv(以下、単に「補正係数KEGRacv」という。)と、アイドル・減速時点火遅角量AOPacv(以下、単に「遅角量AOPacv」という。)を求める(ステップS83)。
ステップS83において、ECU50は、図6〜図8に示す関係図を使用する。ここで、図6は、新気導入弁42の異常判定時の全閉時吸気圧ACVoff1とスロットル開度TAidelとの関係図である。また、図7は、新気導入弁42の異常判定時の全閉時吸気圧ACVoff1と補正係数KEGRacvとの関係図である。さらに、図8は、新気導入弁42の異常判定時の全閉時吸気圧ACVoff1と遅角量AOPacvとの関係図である。
そして、ECU50は、過給機付きエンジンシステムのフェイルセーフ制御として、図9に示すように、エンジン1がアイドル運転状態または減速運転状態であるときのスロットル開度(スロットル弁21(図1参照)の開度)を補正する制御ルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。そこで、図9に示すルーチンの処理が開始されると、まず、ECU50は、導入弁異常フラグXACVstickが「1」であり(ステップS91:YES)、かつ、エンジン1がアイドル運転状態または減速運転状態であると判定した場合(ステップS92:YES)に、スロットル開度を制御する(ステップS93)。具体的には、ECU50は、ステップS93において、エンジン1がアイドル運転状態または減速運転状態であるときのスロットル開度を、図6のステップS83にて全閉時吸気圧ACVoff1に応じて求めたスロットル開度TAidelに補正する。
このように、ECU50は、新気導入弁42が異常であるときに、エンジン1がアイドル運転状態または減速運転状態であるときのスロットル開度を、新気導入弁42の異常判定時の全閉時吸気圧ACVoff1に応じて補正する。そして、ECU50は、前記の図6に示すように、全閉時吸気圧ACVoff1の値が所定値B未満であるときには、全閉時吸気圧ACVoff1が小さく(低く)なるほど、スロットル開度TAidelが大きく(高く)なるように補正する。
このようにして、ECU50は、新気導入弁42が閉弁異常であると判定したときに、エンジン1がアイドル運転状態または減速運転状態であるときのスロットル開度を、新気導入弁42が正常であるときよりも大きくなるように補正する。
このようにスロットル開度を補正することにより、エンジン1がアイドル運転状態または減速運転状態であるときに、新気導入弁42が閉弁異常であって、新気が新気導入通路41を介してエンジン1の燃焼室16内に供給されなくても、吸気通路3にて電子スロットル装置14を介して燃焼室16内に吸気が供給される。そのため、エンジンストールの発生が抑制される。
なお、前記のように、「新気導入弁42が閉弁異常である」とは、新気導入弁42の開度がほぼ「0」である開弁状態で固着している故障状況下も含まれる。そのため、新気導入弁42が開度がほぼ「0」(小開度)である開弁状態で固着しているときも、ECU50は、エンジン1がアイドル運転状態または減速運転状態であるときのスロットル開度を、新気導入弁42が正常であるときよりも大きくなるように補正する。
また、ECU50は、前記の図6に示すように、全閉時吸気圧ACVoff1の値が所定値Bよりも大きい(高い)ときには、スロットル開度を開度「0」(全閉状態)にする。
このようにして、ECU50は、新気導入弁42が開弁異常であると判定したときに、エンジン1がアイドル運転状態または減速運転状態であるときのスロットル開度を、開度「0」にする。
前記のようにスロットル開度を補正することにより、エンジン1がアイドル運転状態であるときに、新気導入弁42が開弁異常であって、多くの新気が新気導入通路41を介してエンジン1の燃焼室16内に供給されても、エンジン回転数NEの上昇が抑制される。そのため、エンジン1がアイドル運転状態で安定する。また、前記のようにスロットル開度を補正することにより、エンジン1が減速運転状態であるときに、新気導入弁42が開弁異常であって、多くの新気が新気導入通路41を介してエンジン1の燃焼室16内に供給されても、エンジン1の出力の上昇が抑制される。そのため、エンジン1の減速性が維持される。
また、ECU50は、過給機付きエンジンシステムのフェイルセーフ制御として、図10に示すように、エンジン1がアイドル運転状態または減速運転状態であるときのエンジン1の点火プラグ29(図1参照)の点火時期を補正する制御ルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。そこで、図10に示すルーチンの処理が開始されると、まず、ECU50は、導入弁異常フラグXACVstickが「1」であり(ステップ101:YES)、かつ、エンジン1がアイドル運転状態または減速運転状態であると判定した場合(ステップS102:YES)に、アイドル・減速時の点火時期AOPidel(0)を求める(ステップS103)。なお、アイドル・減速時の点火時期AOPidel(0)は、予め規定されたエンジン1がアイドル運転状態または減速運転状態であるときのエンジン1の点火時期である。次に、ECU50は、エンジン1の点火時期を制御する(ステップS104)。具体的には、ECU50は、ステップS104において、エンジン1がアイドル運転状態または減速運転状態であるときのエンジン1の点火時期AOPidelを、ステップS103で求めた点火時期AOPidel(0)から遅角量AOPacvだけ遅角させるように補正する。なお、遅角量AOPacvは、前記の図6のステップS83にて全閉時吸気圧ACVoff1に応じて求めた遅角量である。
このように、ECU50は、新気導入弁42が異常であるときに、エンジン1がアイドル運転状態または減速運転状態であるときのエンジン1の点火時期を、新気導入弁42の異常判定時(すなわち、エンジン1が減速フューエルカット状態であるとき)の全閉時吸気圧ACVoff1に応じて補正する。そして、ECU50は、前記の図8に示すように、全閉時吸気圧ACVoff1の値が所定値Bよりも大きい(高い)ときには、全閉時吸気圧ACVoff1が大きくなるほど、遅角量AOPacvが大きく(高く)なるようにする。
このようにして、ECU50は、新気導入弁42が開弁異常であると判定したときに、エンジン1がアイドル運転状態または減速運転状態であるときのエンジン1の点火時期を、新気導入弁42が正常であるときよりも遅角させるように補正する。
このようにエンジン1の点火時期を遅角させることにより、エンジン1がアイドル運転状態であるときに、新気導入弁42が開弁異常であって、多くの新気が新気導入通路41を介してエンジン1の燃焼室16内に供給されても、エンジン回転数NEの上昇が抑制される。そのため、エンジン1がアイドル運転状態で安定する。また、前記のようにエンジン1の点火時期を遅角させることにより、エンジン1が減速運転状態であるときに、新気導入弁42が開弁異常であって、多くの新気が新気導入通路41を介してエンジン1の燃焼室16内に供給されても、エンジン1の出力の上昇が抑制される。そのため、エンジン1の減速性が維持される。
また、ECU50は、過給機付きエンジンシステムのフェイルセーフ制御として、図11に示すように、EGR開度(EGR弁18(図1参照)の開度)を補正する制御ルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。そこで、図11に示すルーチンの処理が開始されると、まず、ECU50は、EGR_ON条件であると判定した場合に(ステップS111:YES)、エンジン回転数NEとエンジン負荷klを取込み、取込んだエンジン回転数NEとエンジン負荷klに応じた目標EGR開度te(0)を求める(ステップS112)。なお、「EGR_ON条件である」とは、EGR装置により吸気通路3にEGRガスが供給されている条件下である、ということである。また、目標EGR開度te(0)は、予め規定されたエンジン回転数NEとエンジン負荷klとに基づくEGR弁18の目標開度である。
次に、ECU50は、導入弁異常フラグXACVstickが「1」であると判定した場合(ステップ113:YES)に、目標EGR開度teを求める(ステップS114)。具体的には、ECU50は、ステップS114において、目標EGR開度te(0)を、図6のステップS83にて全閉時吸気圧ACVoff1に応じて求めた補正係数KEGRacvを用いて補正する。さらに詳細には、ECU50は、目標EGR開度te(0)に補正係数KEGRacvを乗算することにより、目標EGR開度teを求める。次に、ECU50は、EGR開度を、ステップS114にて求めた目標EGR開度teにする(ステップS115)。
このように、ECU50は、EGR_ON条件下であり、かつ、新気導入弁42が異常であるときに、EGR開度を、新気導入弁42の異常判定時の全閉時吸気圧ACVoff1に応じて補正する。そして、ECU50は、前記の図7に示すように、全閉時吸気圧ACVoff1が小さく(低く)なるほど、補正係数KEGRacvが小さくなるようにする。なお、前記の図7に示すように、補正係数KEGRacvは、1.0以下である。
このようにして、ECU50は、新気導入弁42が閉弁異常であると判定したとき(全閉時吸気圧ACVoff1の値が所定値B以下のとき)に、EGR開度を、新気導入弁42が正常であるときよりも小さくする。
このようにEGR開度を小さくすることにより、EGRガスの流量が抑制される。そのため、新気導入弁42が閉弁異常であって、新気が新気導入通路41を介してエンジン1の燃焼室16内に供給されなくても、燃焼室16内の吸気中のEGRガスの割合が過剰にならない。したがって、減速失火の発生が抑制される。
なお、前記のように、「新気導入弁42が閉弁異常である」とは、新気導入弁42の開度がほぼ「0」である開弁状態で固着している故障状況下も含まれる。そのため、新気導入弁42が開度がほぼ「0」(小開度)である開弁状態で固着しているときも、ECU50は、EGR_ON条件下におけるEGR開度を、新気導入弁42が正常であるときよりも小さくする。
なお、変形例として、ECU50は、全閉時吸気圧ACVoff1の代わりに、エンジン1が減速フューエルカット状態であるときに新気導入弁42を全閉状態にしたときの吸気量Gaをもとに、前記のフェイルセーフ制御を行ってもよい。
本実施例によれば、ECU50は、新気導入弁42またはリード弁44が異常であると判定したときに、エンジンシステムのフェイルセーフ制御を行う。これにより、新気導入弁42またはリード弁44が故障したときに、エンジン1の運転状態がより安全な状態となるように制御できる。
また、ECU50は、新気導入弁42が閉弁異常であると判定したときに、または、リード弁44が閉弁異常であると判定したときに、異常判定時の吸気量EPMまたは吸気圧Gaに応じて、EGR開度、および、スロットル開度TAidelの少なくとも一方を補正する。このように、EGR開度を補正してエンジン1の燃焼室16におけるEGRガスの割合を調整することにより、新気導入弁42やリード弁44が故障していても、減速失火の発生を抑制できる。また、スロットル開度TAidelを補正してエンジン1の燃焼室16への吸気の供給量を調整することにより、新気導入弁42やリード弁44が故障していても、エンジンストールの発生を抑制できる。
また、ECU50は、新気導入弁42が開弁異常であると判定したときに、異常判定時の吸気量EPMまたは吸気圧Gaに応じて、エンジン1がアイドル運転状態または減速運転状態であるときのエンジン1の点火時期AOPidelを補正する。このように、エンジン1がアイドル運転状態であるときのエンジン1の点火時期AOPidelを調整することにより、新気導入弁42が故障していても、エンジン1がアイドル運転状態であるときのエンジン回転数NEの上昇を抑制できる。また、エンジン1が減速運転状態であるときのエンジン1の点火時期AOPidelを調整することにより、新気導入弁42が故障していても、エンジン1の減速性を維持できる。
なお、新気導入弁42が大きな開度で固着しているような開弁異常であるときには、ECU50は、スロットル開度を全閉状態にして、かつ、エンジン1の点火時期を遅角量AOPacvだけ遅角させるように補正してもよい。
<実施例4>
実施例4では、ECU50は、リード弁44が開弁異常であると判定したときに、過給機付きエンジンシステムのフェイルセーフ制御を行う。
ここで、リード弁44が開弁異常であると、エンジン1が過給運転状態であるときに、EGRガスおよびブローバイガスを含む吸気が、新気導入弁42を介してコンプレッサ8の上流(エアフローメータ54)側に漏れるおそれがある。そして、これにより、EGRガスの凝縮水やカーボンや、ブローバイガス中のオイルが、新気導入弁42およびエアフローメータ54に付着するおそれがある。また、吸気通路3の過給圧が新気導入通路41の上流側に漏れてしまうので、過給レスポンスの悪化が生じるおそれがある。
そこで、実施例4では、ECU50は、リード弁44が開弁異常であると判定し、かつ、エンジン1が過給運転状態であるときに、新気導入弁42を全閉状態にする導入弁閉弁制御を強制的に行う。
具体的には、ECU50は、過給機付きエンジンシステムのフェイルセーフ制御として、図12に示すように、新気導入弁42を制御する制御ルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。そこで、図12に示すルーチンの処理が開始されると、まず、ECU50は、リード弁開弁異常フラグXRVOPENが「1」であると判定したとき(ステップS121:YES)に、エンジン1が過給運転状態であるか否か、を判定する(ステップS122)。ここで、リード弁開弁異常フラグXRVOPENは、リード弁44が開弁異常でない場合には「0」と設定され、リード弁44が開弁異常である場合には「1」と設定される。
そして、ECU50は、ステップS122においてエンジン1が過給運転状態であると判定した場合には、新気導入弁閉弁制御を行う(ステップS123)。具体的には、ECU50は、新気導入弁42を全閉状態にする。なお、ここでいう「全閉状態」とは、開度が「0」である状態に限定されず、開度がほぼ「0」である状態も含む。
このように、ECU50は、リード弁44が開弁異常であり、かつ、エンジン1が過給運転状態であるときに、新気導入弁42を全閉状態にする。これにより、EGRガスやブローバイガスを含む吸気が、新気導入通路41内で逆流して新気導入通路41の入口41aから、吸気通路3におけるエアフローメータ54付近に流れ込まない。
なお、ECU50は、ステップS122においてエンジン1が過給運転状態でないと判定した場合には、新気導入弁通常制御を行う(ステップS124)。具体的には、ECU50は、新気導入弁42を所定の目標開度にする。
ここで、図12のステップS123における新気導入弁閉弁制御を行うと、エンジン1が過給運転状態から減速運転状態に切り替わったときに、新気導入弁42の開弁動作に遅れが生じるおそれがある。すると、サージタンク3a内の吸気中のEGRガスの割合が上昇するので、減速失火が発生するおそれがある。そこで、ECU50は、前記の新気導入弁閉弁制御(図12のステップS123)を行うときに、EGR開度を閉弁側へ補正する。
具体的には、ECU50は、過給機付きエンジンシステムのフェイルセーフ制御として、図13に示すように、EGR開度を補正する制御ルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。そこで、図13に示すルーチンの処理が開始されると、まず、ECU50は、EGR_ON条件であると判定した場合に(ステップS131:YES)、エンジン回転数NEとエンジン負荷klを取込み、取込んだエンジン回転数NEとエンジン負荷klに応じた目標EGR開度te(0)を求める(ステップS132)。
次に、ECU50は、リード弁開弁異常フラグXRVOPENが「1」であると判定した場合(ステップ133:YES)に、目標EGR開度te(0)を補正する(ステップS134)。具体的には、ECU50は、ステップS134において、目標EGR開度te(0)を、リード弁44の開弁異常時のEGR率補正係数KEGRrv(以下、単に「補正係数KEGRrv」という。)を用いて補正して、目標EGR開度teを求める。さらに詳細には、ECU50は、目標EGR開度te(0)に補正係数KEGRrvを乗算することにより、目標EGR開度teを求める。なお、補正係数KEGRrvは、例えば、0.8とする。次に、ECU50は、EGR開度を、ステップS134にて求めた目標EGR開度teにする(ステップS135)。
このように、ECU50は、EGR_ON条件下であり、かつ、リード弁44が開弁異常であると判定したときに、EGR開度を閉弁側へ補正して、EGR開度が小さくなるようにする。これにより、エンジン1が過給運転状態から減速運転状態に切り替わったときに新気導入弁42の開弁動作に遅れが生じても、サージタンク3a内の吸気中のEGRガスの割合が抑制されるので、減速失火の発生を抑制できる。
本実施例によれば、ECU50は、リード弁44が開弁異常であると判定され、かつ、エンジン1が過給運転状態であるときに、新気導入弁42を全閉状態にする導入弁全閉制御を行う。このように、エンジン1が過給運転状態であるときに、新気導入弁42を全閉状態にすることにより、リード弁44が故障していても、EGRガスやブローバイガスを含む吸気が新気導入通路41の下流側から上流側へ流れ込まない。そのため、新気導入弁42や新気導入通路41の上流側の周辺機器(例えば、エアフローメータ54)に、EGRガス中の凝縮水またはカーボンや、ブローバイガス中のオイルが付着することが防止される。したがって、新気導入弁42や新気導入通路41の上流側の周辺機器の動作の安定化が図れる。また、吸気通路3中の過給圧が新気導入通路41の上流側へ漏れないので、過給レスポンスを維持できる。
また、ECU50は、前記の導入弁全閉制御を行うときに、EGR開度を閉弁側へ補正する。このように、EGR開度を小さくすることにより、エンジン1が過給運転状態から減速運転状態に切り替わったときに新気導入弁42の開弁動作に遅れが生じても、吸気中のEGRガスの割合を抑制できるので、減速失火の発生を抑制できる。
なお、ECU50は、リード弁44が閉弁異常であると判定したときに、新気導入弁42が閉弁異常であると判定したときと同様なフェイルセーフ制御を行ってもよい。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。例えば、変形例として、リード弁44が、新気導入通路41における新気導入弁42よりも上流側(入口41a側)の位置に設けられている例も考えられる。
1 エンジン
3 吸気通路
3a サージタンク
5 排気通路
6 エアクリーナ
7 過給機
8 コンプレッサ
9 タービン
10 回転軸
14 電子スロットル装置
16 燃焼室
17 EGR通路
17a 出口
17b 入口
18 EGR弁
21 スロットル弁
23 スロットルセンサ
25 インジェクタ
29 点火プラグ
31 ステップモータ
32 弁体
33 弁座
41 新気導入通路
41a 入口
41b 出口
42 新気導入弁
44 リード弁
50 ECU
51 吸気圧センサ
54 エアフローメータ
EPM 吸気圧
NE エンジン回転数
Ga 吸気量
kl エンジン負荷
te 目標EGR開度
ACVon1 開弁時吸気圧
ACVon2 開弁時吸気圧
ACVoff1 全閉時吸気圧
ACVoff2 全閉時吸気圧
XACVstick 導入弁異常フラグ
XACVOBD 導入弁判定フラグ
XRVOBD リード弁判定フラグ
XRVOPEN リード弁開弁異常フラグ
TAidel アイドル・減速時スロットル開度
KEGRacv EGR率補正係数
KEGRrv EGR率補正係数
AOPacv アイドル・減速時点火遅角量
AOPidel アイドル・減速時の点火時期
A 所定値
B 所定値
C 所定値
特開2010−127243号公報

Claims (9)

  1. 内燃機関システムの故障検出装置において、
    前記内燃機関システムは、内燃機関に接続する吸気通路と排気通路との間に設けられ前記吸気通路における吸気を昇圧させる過給機と、前記吸気通路における吸気量を調節する吸気量調節弁と、前記内燃機関の燃焼室から前記排気通路へ排出される排気の一部を前記吸気通路へ流して前記燃焼室へ還流させる排気還流通路と、前記排気還流通路における前記排気の流量を調節する排気還流弁と、前記吸気通路における前記吸気量調節弁より下流側に新気を導入するための新気導入通路と、前記新気導入通路における新気の流量を調節する新気導入弁と、前記新気導入通路の下流側から上流側へ気体が流れることを防止するリード弁と、を備えており、
    前記過給機は、前記吸気通路に配置されたコンプレッサと、前記排気通路に配置されたタービンと、前記コンプレッサと前記タービンを一体回転可能に連結する回転軸とを備え、
    前記排気還流通路の入口は、前記排気通路における前記タービンより下流側に接続され、
    前記排気還流通路の出口は、前記吸気通路における前記コンプレッサより上流側に接続されており、
    前記新気導入弁を開閉させたときの前記吸気通路における吸気圧または吸気量の変化量により、前記新気導入弁および前記リード弁の少なくとも一方の正常または異常を判定する判定部を有すること、
    を特徴とする内燃機関システムの故障検出装置。
  2. 請求項1の内燃機関システムの故障検出装置において、
    前記判定部は、前記内燃機関が過給運転状態であるときに前記リード弁の正常または異常を判定すること、
    を特徴とする内燃機関システムの故障検出装置。
  3. 請求項1または2の内燃機関システムの故障検出装置において、
    前記判定部は、前記内燃機関が減速フューエルカット状態であるときに前記新気導入弁の正常または異常を判定すること、
    を特徴とする内燃機関システムの故障検出装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つの内燃機関システムの故障検出装置において、
    前記判定部により前記新気導入弁または前記リード弁が異常であると判定されたときに前記内燃機関システムのフェイルセーフ制御を行うフェイルセーフ制御部を有すること、
    を特徴とする内燃機関システムの故障検出装置。
  5. 請求項4の内燃機関システムの故障検出装置において、
    前記フェイルセーフ制御部は、前記判定部により前記新気導入弁が全閉状態で固着した導入弁閉弁異常であると判定されたときに、または、前記判定部により前記リード弁が前記新気導入通路の上流側から下流側へ新気が流れることを許可しないリード弁閉弁異常であると判定されたときに、異常判定時の前記吸気量または前記吸気圧に応じて、前記排気還流弁の開度、および、前記内燃機関がアイドル運転状態または減速運転状態であるときの前記吸気量調節弁の開度の少なくとも一方を補正すること、
    を特徴とする内燃機関システムの故障検出装置。
  6. 請求項4または5の内燃機関システムの故障検出装置において、
    前記フェイルセーフ制御部は、前記判定部により前記新気導入弁が開弁状態で固着した導入弁開弁異常であると判定されたときに、異常判定時の前記吸気量または前記吸気圧に応じて、前記内燃機関がアイドル運転状態または減速運転状態であるときの前記内燃機関の点火時期を補正すること、
    を特徴とする内燃機関システムの故障検出装置。
  7. 請求項4の内燃機関システムの故障検出装置において、
    前記フェイルセーフ制御部は、前記判定部により前記リード弁が前記新気導入通路の下流側から上流側へ気体が流れることを防止できないリード弁開弁異常であると判定され、かつ、前記内燃機関が過給運転状態であるときに、前記新気導入弁を全閉状態にする導入弁全閉制御を行うこと、
    を特徴とする内燃機関システムの故障検出装置。
  8. 請求項7の内燃機関システムの故障検出装置において、
    前記フェイルセーフ制御部は、前記導入弁全閉制御を行うときに、前記排気還流弁の開度を閉弁側へ補正すること、
    を特徴とする内燃機関システムの故障検出装置。
  9. 内燃機関システムの故障検出方法において、
    前記内燃機関システムは、内燃機関に接続する吸気通路と排気通路との間に設けられ前記吸気通路における吸気を昇圧させる過給機と、前記吸気通路における吸気量を調節する吸気量調節弁と、前記内燃機関の燃焼室から前記排気通路へ排出される排気の一部を前記吸気通路へ流して前記燃焼室へ還流させる排気還流通路と、前記排気還流通路における前記排気の流量を調節する排気還流弁と、前記吸気通路における前記吸気量調節弁より下流側に新気を導入するための新気導入通路と、前記新気導入通路における新気の流量を調節する新気導入弁と、前記新気導入通路の下流側から上流側へ気体が流れることを防止するリード弁と、を備えており、
    前記過給機は、前記吸気通路に配置されたコンプレッサと、前記排気通路に配置されたタービンと、前記コンプレッサと前記タービンを一体回転可能に連結する回転軸とを備え、
    前記排気還流通路の入口は、前記排気通路における前記タービンより下流側に接続され、
    前記排気還流通路の出口は、前記吸気通路における前記コンプレッサより上流側に接続されており、
    前記新気導入弁を開閉させたときの前記吸気通路における吸気圧または吸気量の変化量により、前記新気導入弁および前記リード弁の少なくとも一方の正常または異常を判定すること、
    を特徴とする内燃機関システムの故障検出方法。
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