JP2015013313A - 自動溶接機の異常監視装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アーク溶接の異常を判断する際の基準となる基準値を正常溶接状況下において逐次設定し、その基準値と溶接作業下において設定された現在値とを比較して、アーク溶接の異常を判断し、警告する自動溶接機の異常監視装置を提供する。【解決手段】本発明の自動溶接機1の異常監視装置2は、ウィービング機構を備えた自動溶接機1に備えられ、溶接時の電流又は電圧を検出する検出部3と、その電流又は電圧の波形から高周波ノイズ成分を除去するフィルタリング処理部4と、その波形を基にアーク溶接の異常を判定する異常判定部7とを有する異常監視装置であって、正常溶接状況下のウィービング動作の1周期分の波形を「基準波形」として記憶する基準波形記憶部5と、溶接作業下の波形を「作業時波形」として記憶する作業時波形記憶部6とを有し、異常判定部7は「基準波形」と「作業時波形」を比較してアーク溶接の異常を判定する。【選択図】図2

Description

本発明は、自動溶接機または溶接ロボットを用いてアーク溶接を行う際に、アーク溶接の異常を監視する自動溶接機の異常監視装置に関する。
アーク溶接は、アーク放電を利用して対象ワーク(母材)を加熱し融接する溶接方法であり、例えば、MIG溶接、MAG溶接、TIG溶接などが挙げられる。これらアーク溶接は、船舶、建築物(橋梁)、自動車等を製造する際に広く用いられている。
ところが、実際に自動溶接機や溶接ロボットを用いてアーク溶接を行う際には、対象ワークの設置誤差、対象ワークの加工誤差、溶接中における対象ワークの変形等によって、対象ワークの溶接箇所に対するトーチの位置(狙い位置)のずれが発生し、融合不良による溶接強度不足やビード形状不良等の溶接欠陥となる場合がある。
このような溶接欠陥を防ぐために、トーチの狙い位置のずれを各種センサによって検出し、トーチの位置を修正する事によって溶接線を自動追従する「溶接線倣い(Seam Tracking)」が良く用いられている。
「溶接線倣い」はセンサにて溶接継ぎ手(対象ワーク)とトーチとの位置のずれを検出し、検出したずれ量を基にトーチ先端位置を補正し、トーチ先端位置を溶接線に対し自動追従させるものである。このようなセンサとしては、例えば、特許文献1に開示されている機械式センサであったり、特許文献2に開示されている光学・視覚センサであったり、また、特許文献3などに開示されているアーク溶接電流変化を用いたものが挙げられる。
上述した機械式センサや光学・視覚センサによる「溶接線倣い」は、対象ワークが限定されており、一般的に機構が複雑、且つ高価であり、経済的コストが嵩んでしまう。
また、アーク溶接電流の変化を用いる方式である「アーク倣い」は、機械式センサや光学・視覚センサによる「溶接線倣い」に比べて安価であって最も普及しているが、適用先がV型開先、レ型開先や水平隅肉等の典型的な溶接継手形状に限定されており、形状が複雑で非対称な開先、多層溶接における2層目以降の倣い、電流変化が現れにくいアルミ溶接等に、「アーク倣い」を適用させることは原理上困難である。
また、首記「アーク倣い」を実現するためには、溶接電流(電圧)波形をサンプリングし信号処理してずれ量を演算する機能や、トーチ位置を高精度に修正するフィードバック制御機能や、溶接施工条件に応じて倣い制御パラメータを調整する機能などが必要で、溶接ロボット等の高性能なデジタル演算処理能力を持つ自動溶接機でのみ倣いは実現可能である。
一方、造船、橋梁やエネルギー分野(例えば、LNGタンク)においては、移動台車やガイド・レールを用いた可搬形の専用溶接装置が多く用いられているが、これら専用溶接装置は一般に軽量かつ安価で、かつオペレータが狙い位置の補正を行うマニュアル操作型溶接機械として設計されており、首記「アーク倣い」による自動追従機能を備えていないものが多い。
これら専用溶接装置の典型的な使用方法を以下に述べる。装置は対象ワークに設置された後、まずアーク放電を行わない状況下においてオペレータが実際の対象ワーク上でトーチ狙い位置、溶接速度、ウィービング動作パターン(振幅、周波数、端停止時間等)を目視で調整する。
次に溶接を開始するが、溶接開始後もオペレータは、目視でトーチの先端位置を引き続き監視し、専用溶接装置に備えられているボタンやボリューム等でトーチの狙い位置を微調整して、トーチの位置ズレを補正する。さらに、オペレータは、溶接品質を確保するために、アーク柱の広がりや、溶融池の様子等を観察しながら、溶接電流、溶接電圧、溶接速度やウィービングの振幅等の溶接条件も微修正する。
そのため、オペレータは、溶接開始から溶接終了までの長時間に渡り、溶接部を監視する必要がある。
このような専用機による溶接時のオペレータの負担軽減および自動化率を向上させるためには、オペレータに代わって自動的に溶接状態を監視する装置が有用である。
自動的に溶接状態を監視する装置としては、アークや溶接プールの画像を光学センサで撮像したり、集音マイクでアーク音を録音し分析するものがあるが、溶接電流と溶接電圧を用いて溶接状態を監視する方法がより一般的であり、例えば、特許文献4や特許文献5に開示されたものがある。
特許文献4には、溶接電流又は電圧を所定サンプリング周波数でデジタル信号に変換し、これを移動平均演算し、所定監視用「閾値」と比較して溶接異常を判定する手段、およびその結果を表示出力する手段とを具備するアーク監視モニタ装置が開示されている。
また、特許文献5には、溶接中の各溶接状態(電流・電圧)をリアルタイムで記録し、この記録データ信号と適正条件範囲記録器の保存データ信号を比較して健全でない溶接部を比較演算器で求める自己診断機能付自動溶接装置が開示されている。
これら特許文献4及び特許文献5の監視装置は、溶接電流と溶接電圧をサンプリングし、移動平均等で高周波成分を除去した後、その波形と予め定められた波形の「基準値」とを比較し、それら波形の差が「判断閾値」以上となった場合、溶接異常と判別しているものである。
特開昭53−118239号公報 特開昭62−108379号公報 特開昭58−53375号公報 特公平7−2275号公報 特許第2751175号公報
しかしながら、特許文献4及び特許文献5の監視装置を用いて、自動的に溶接状態を監視しても、以下に述べるような難点が存在する。
すなわち、特許文献4は、アーク溶接の異常を判断する際の判断基準となる「基準値」が既知であることとなっているが、この「基準値」は、溶接電流、電圧、ガスの種類、ワイヤの種類、電源特性は元より、トーチと母材との間の距離(ワイヤ突出し長さ)やトーチの狙い角、母材(対象ワーク)の板厚及び材質、溶接電源ケーブルの長さや電源アース場所、溶接機の個体差の影響も受ける。
それゆえ、造船や橋梁など様々な形状の構造物を、様々な異なる現場環境で溶接する場合、あらゆる溶接施工条件を考慮し、事前に「基準値」を求めておくことは極めて困難である。さらに、「閾値」(異常判断に用いられる上下限値)についても同様であり、事前に最適値を求める事は極めて困難である。
また、特許文献5は、アーク溶接の異常を判断する際の判断基準となる「基準値」と、実際の溶接状況を示す「計測値」との差分でアーク溶接の異常を判断するといった、シンプルかつ静的な方法であるが、中厚の板材の溶接で多用されるウィービング動作時においては、その動作パターンと開先形状に応じて溶接電流あるいは溶接電圧が周期的に変化するため、ウィービング動作の途中での局所的電流(電圧)変化をアーク溶接の異常と誤判定してしまう虞がある。
つまり、造船や橋梁など様々な形状の構造物を製造する実際の現場で、確実且つ省力的にアーク溶接の異常を判断する技術は、未だ開発されていないのが現状である。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、アーク溶接の異常を判断する際の判断基準となる基準値を、正常に溶接が行われていると判断される状況下において逐次設定し、その基準値と現在行われている溶接作業下において設定された現在値とを比較して、アーク溶接の異常を判断し、その結果を警告として通達することができる自動溶接機の異常監視装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明では以下の技術的手段を講じている。
本発明の自動溶接機の異常監視装置は、トーチの先端を溶接方向に沿うように一定溶接速度にて動作させ、溶接方向に対してトーチを揺動させるウィービング機構を備えた自動溶接機に備えられていて、溶接時の電流又は電圧を検出する検出部と、前記検出部で検出した電流又は電圧の波形から高周波ノイズ成分を除去するフィルタリング処理部と、前記フィルタリング処理部から出力された電流又は電圧の波形を基にアーク溶接の異常を判定する異常判定部と、を有する自動溶接機の異常監視装置であって、正常に溶接が行われていると判断される状況下において、前記検出部で検出された電流又は電圧の波形におけるウィービング動作の1周期分の波形を「基準波形」として記憶する基準波形記憶部と、溶接作業下において、前記検出部で検出された電流又は電圧の波形を「作業時波形」として記憶する作業時波形記憶部と、を有しており、前記異常判定部は、前記基準波形記憶部で記憶された「基準波形」と、前記作業時波形記憶部で記憶された「作業時波形」とを比較することで、アーク溶接の異常を判定するように構成されていることを特徴とする。
好ましくは、前記異常判定部は、前記「基準波形」と前記「作業時波形」との差を逐次算出し、当該算出された差が所定値以上となった際に、アーク溶接に異常が発生したと判定するように構成されているとよい。
好ましくは、前記異常判定部は、前記「基準波形」から算出される溶接時の入熱量と、前記「作業時波形」から算出される溶接時の入熱量との差を逐次算出し、前記算出された差が所定値以上となった際に、アーク溶接に異常が発生したと判定するように構成されているとよい。
好ましくは、前記異常判定部は、前記「基準波形」と前記「作業時波形」のウィービング動作の1周期分の波形とをそれぞれ複数の区間に分割し、当該分割された各区間での前記「基準波形」と前記ウィービング動作の1周期分の「作業時波形」との差、又は前記分割された「基準波形」から算出される溶接時の入熱量と前記分割されたウィービング動作の1周期分の「作業時波形」から算出される溶接時の入熱量との差、を逐次算出し、前記算出された差が所定値以上となった際に、アーク溶接に異常が発生したと判定するように構成されているとよい。
好ましくは、前記異常判定部は、前記逐次算出した「基準波形」と「作業時波形」との差、又は前記「基準波形」から算出される溶接時の入熱量と「作業時波形」から算出される溶接時の入熱量との差が、別に設定されている所定値以上となった際に、アーク溶接を自動的に停止させる自動停止機能が備えられているとよい。
好ましくは、前記基準波形記憶部における「基準波形」の記憶開始を指令するトリガ部を有するとよい。
好ましくは、前記トリガ部は、前記異常監視装置に備えられているスイッチの操作入力があった場合、溶接開始後の条件調整が完了したことを検知した場合、溶接中に溶接条件が変更され、その溶接条件の変更が完了した事を検知した場合、のいずれかの状況下になったときに、前記基準波形記憶部に「基準波形」の記憶開始を指令するとよい。
本発明の自動溶接機の異常監視装置によれば、アーク溶接の異常を判断する際の判断基準となる基準値を、正常に溶接が行われていると判断される状況下において逐次設定し、その基準値と現在行われている溶接作業下において設定された現在値とを比較して、アーク溶接の異常を判断し、その結果を警告として通達することができる。
(a)は、本発明の自動溶接機の異常監視装置を示した図であり、(b)は、開先部を拡大した図である。 本発明の異常監視装置に備えられている異常監視装置の構成をブロック図にて示した図である。 (a)は、本発明の異常監視装置において、計測された溶接電流の波形を示した図であり、(b)は、本発明の異常監視装置において、計測された溶接電圧の波形を示した図である。 (a)は、溶接方向に対してトーチを揺動させるウィービング機構の左右方向の可動範囲を示した図であり、(b)は、ウィービング機構の左右方向の可動範囲をそれぞれ示した図である。 ウィービング動作時の基準波形を模式的に示した図である。
以下、本発明の自動溶接機の異常監視装置について、図面に基づき詳しく説明する。
まず、本発明の自動溶接機の異常監視装置を説明する前に、その異常監視装置に備えられている自動溶接機の概要について、図1に基づき説明する。
図1に示すように、自動溶接機1は、造船や橋梁など様々な形状の構造物を溶接する際に用いられるものである。本実施形態では、直線移動型の簡易自動溶接機を例に挙げて説明する。
自動溶接機1は、ガスシールドアーク溶接法によりMIG溶接またはMAG溶接を行うものである。ガスシールドアーク溶接法は、シールドガス(不活性ガスまたは炭酸ガス等)の雰囲気中で、溶接ワイヤ30(溶接電極)と対象ワーク31(以降、母材と呼ぶ)との間にアークを発生させて、そのアーク熱により母材31を溶融させる方法である。
この自動溶接機1には、トーチ13の先端(ノズル)を溶接方向に沿うように一定溶接速度にて動作させ、溶接方向に対してトーチ13をほぼ直角に揺動させるウィービング機構が備えられている。
消耗性の溶接ワイヤ30は、溶融しながら、所定の速度でトーチ13の先端から母材31側へ送給されるようになっている。
以降の説明において、母材31の開先方向(溶接方向)をX軸とし、母材31の開先方向に対して垂直方向をZ軸とする。また、X軸回りにトーチ13を揺動させる軸をθ軸とする。
なお、母材31の開先32の形状としては、様々なものが想定されるが、例えば、図1(b)に例示するように、母材31の開先32の形状としては、X軸方向の+側から見ると、左右非対称(開先32の右端部の面は傾斜し、開先32の左端部の面はほぼ垂直)が考えられる。その場合、ウィービング機構は、X軸方向の+側から見ると、トーチ13の揺動が左右非対称となっている。詳しくは、トーチ13の先端が垂下した状態から開先32の右端部までの右振り角θと、トーチ13の先端が垂下した状態から開先32の左端部までの左振り角θとが異なっている(θ<θ)。
自動溶接機1は、トーチ13が備えられている溶接ヘッド12と、自動溶接機1に電源を供給する溶接電源装置と、溶接ヘッド12のトーチ13に溶接ワイヤ30を送給するワイヤ送給装置11と、溶接条件を設定したり、トーチ13の位置(以降、トーチ13の狙い位置と呼ぶ)などを調整する制御装置16とを有している。加えて、自動溶接機1には、後述する異常監視装置2が備えられている。
溶接ヘッド12は、備えられているトーチ13の狙い位置を調整するトーチ調整装置(図示せず)と、トーチ13を溶接方向(母材31の開先方向)に走行させる走行レール14と、トーチ13をウィービング動作させるウィービング動作機構と、溶接ワイヤ30の送り量を調整するインチング調整手段(図示せず)と、を有している。
走行レール14には、トーチ13を溶接方向に走行させる駆動モータ15が備えられている。この駆動モータ15により、トーチ13は、母材31の開先方向に延びるX軸と、走行レール14(X軸)に対して垂直方向(上方向)に延びるZ軸に沿って移動すると共に、X軸回りに角度θでウィービング動作する。
溶接電源は、MIG溶接やMAG溶接などに多く採用されている、一般的な定電圧特性のものを用いている。
制御装置16は、溶接の開始と停止を指令する電源(ON/OFF)スイッチと、溶接の速度を調整する溶接速度調整ダイアルと、トーチ13の狙い位置を調整するインチング操作スイッチと、トーチ13のウィービング動作を調整するウィービング調整ダイアルなどを有している。加えて、本実施形態の場合、後述する異常監視装置2に用いられる「基準波形」を取得する基準波形取得ボタン18と、異常監視装置2からアーク溶接が異常であると判定されたときに、オペレータなどにアーク溶接の異常警告を通達する警告灯17を有している。
インチング操作ボタンは、X軸方向(溶接の進行方向の+側及びその反対方向の−側)のトーチ13の狙い位置を調整するX軸方向調整スイッチと、Z軸方向(上下方向)のトーチ13の狙い位置を調整するZ軸方向調整スイッチとを有している。
ウィービング調整ダイアルは、トーチ13の右振り角、及び左振り角の角度θを調整するトーチ振り角調整ダイアルと、ウィービング動作の周波数を調整する周波数調整ダイアルと、ウィービング動作をしているトーチ13の先端が、母材31の端部(開先32の端)にて一定時間停止させる端部停止時間設定ダイアルとを有している。
なお、制御装置16は、オペレータなどによって上述したいずれかのスイッチ及びダイアルが操作されている場合に「調整中」の出力をONにして、異常監視装置2に「調整中」であることを伝達するようになっている。この「調整中」の出力が伝達された異常監視装置2は、調整中の間、アーク溶接の異常を検出する処理を行わないようになっている。
このように、制御装置16では、溶接条件に基づいてアーク溶接を制御しながら、トーチ13の狙い位置やウィービング動作を調整する。そしてこのような状況下で、ワイヤ送給装置11から溶接ワイヤ30をトーチ13に供給して、溶接ヘッド12を走行レール14上で母材31の溶接方向に沿わせながら自動溶接を行う指令を出す。
本装置には「溶接線倣い機能」が無く、溶接ヘッド12が走行してゆくにつれ、レール14の設置誤差や母材31の熱歪み等が原因で、溶接トーチ13の狙い位置が不適切となり溶接欠陥となる可能性がある。
そこで、これらの異常を未然乃至は迅速に察知するために、オペレータは常にアーク溶接の監視を目視で行う必要があり、この長時間にわたる監視作業はオペレータへの大きな負荷であり、生産効率の低下の要因ともなっている。
そこで、本願発明者らは、屋外の現場などで用いられる自動溶接機1において、アーク溶接の異常を自動的に判断し、オペレータに通達できる自動溶接機1の異常監視装置2を開発した。
異常監視装置2は、溶接電源装置の電流又は電圧を検出し、その検出された電流又は電圧の波形を基にアーク溶接の異常を判定して、その判定結果を制御装置16に出力するものである。
図2に示すように、異常監視装置2は、溶接時の電流又は電圧を検出する検出部3と、検出部3で検出した電流又は電圧の波形から高周波ノイズ成分を除去するフィルタリング処理部4と、フィルタリング処理部4から出力された電流又は電圧の波形を基にアーク溶接の異常を判定する異常判定部7と、を有している。加えて、本発明の異常監視装置2は、アーク溶接の異常を判定する際に用いる「基準波形」を記憶する基準波形記憶部5と、現在の溶接状況下の波形を「作業時波形」として記憶する作業時波形記憶部6とを有している。また、本発明の異常監視装置2には、基準波形記憶部5における「基準波形」の記憶開始を指令するトリガ部8が備えられている。
検出部3は、溶接電流が流れ始めると「溶接開始」とみなして、溶接電流と溶接電圧の検出を開始する。この検出部3は、溶接開始以降、常に溶接電流と溶接電圧を検出する。そして、検出部3で電流又は電圧の波形(現在の時系列波形)は、フィルタリング処理部4に送られる。
図3に示すように、フィルタリング処理部4は、検出部3で検出した溶接電流と溶接電圧の時系列波形を平滑化(移動平均処理)して、時系列波形の高周波ノイズ成分を除去する。除去された時系列波形は、作業時波形記憶部6に送られる。
作業時波形記憶部6は、溶接作業下におけるウィービング左右端信号を基に、検出部3で検出された現在の電流波形I(t)及び 電圧波形V(t)(t=0〜T:Tはウィービング周期)を抽出し、ウィービング動作の1周期分の波形を「作業時波形」として記憶する。
例えば、ウィービング動作の1周期分の電流波形を「作業時電流波形」I(t)とし、ウィービング動作の1周期分の電圧波形を「作業時電圧波形」V(t)とする。作業時電流波形I(t)と作業時電圧波形V(t)は、異常判定部7でのアーク溶接の異常判定に用いられるために記憶される。このとき、作業時波形記憶部6では、正常に溶接が行われていると判断されたときのウィービング動作1周期分の波形が抽出されて、基準波形記憶部5に送られる。
基準波形記憶部5は、正常に溶接が行われていると判断される状況下において、検出部3で検出され、その後フィルタリング処理部4で平滑化された電流の波形又は電圧の波形におけるウィービング動作の1周期分の波形を「基準波形」として記憶する。
具体的には、基準波形記憶部5は制御装置16を用いて自動溶接機1の溶接条件の設定やトーチ13のウィービング動作の調整を終えた後、正常に溶接が行われていると判断された電流又は電圧の波形のウィービング動作の1周期分を抽出する。例えば、図3に示すように、基準波形記憶部5は、正常溶接時における調整直後のウィービング動作1周期分(トーチ13の先端が母材31の開先32の一方側(左)端部と他方側(右)端部との間を往復する)の波形を抽出する。その後、基準波形記憶部5は、抽出した波形を「基準波形」として記憶する。ここで、抽出された正常溶接時の電流波形I(t)を「基準電流波形」Ib(t)とする。また、抽出された正常溶接時の電圧波形V(t)を「基準電圧波形」Vb(t)とする。
このとき、基準波形記憶部5が「基準電流波形」Ib(t)及び「基準電圧波形」Vb(t)を記憶するにあたっては、トリガ部8からの指令によって開始される。
トリガ部8は、制御装置16又は異常監視装置2に備えられているスイッチ(ボタン)の操作入力があった場合、また溶接開始後の条件調整が完了したことを検知した場合、また溶接中に溶接条件が変更され、その溶接条件の変更が完了した事を検知した場合、のいずれかの状況下になったときに、基準波形記憶部5に「基準電流波形」Ib(t)及び「基準電圧波形」Vb(t)の記憶開始を指令する。
このようにして記憶された「基準電流波形」Ib(t)及び「基準電圧波形」Vb(t)は、アーク溶接の異常を判定する異常判定部7に送られる。
異常判定部7は、基準波形記憶部5で記憶された「基準波形」(基準電流波形Ib(t),基準電圧波形Vb(t))と、現在のウィービング左端信号及びウィービング右端信号を基に作業時波形記憶部6で記憶された「作業時波形」(作業時電流波形I(t),作業時電圧波形V(t))と、を比較することでアーク溶接の異常を判定し、その判定結果をオペレータに警告として通達する。
本実施形態の異常判定部7では、ウィービング動作の1周期分の「基準波形」を分割し、分割した区間毎に比較方法や閾値を変更して、アーク溶接の異常を判定している。このようにすることで、開先32の左端部又は右端部での溶込みや溶着量を意図的に増加させたり、左右非対称なウィービング動作時に有用である。
図4(a)に示すように、本実施形態のウィービング機構は、開先32の形状が左右非対称であるため、X軸方向側面視で、トーチ13の振れ角が左右非対称となっている。詳しくは、トーチ13の先端が垂下した状態から開先32の右端部までの右振り角θと、トーチ13の先端が垂下した状態から開先32の左端部までの左振り角θとが異なっている(θ<θ)。それゆえ、ウィービング信号が左右端それぞれ設定されている。
また、図4(b)に示すように、開先32の左端部においては、溶接ワイヤ30の先端Pを母材31の継手PLに届かせようとしても、その前にトーチ13の先端が母材31に接触してしまい、溶接ワイヤ30の先端Pが継手位置PLに届かず、溶接ワイヤ30の溶込み不足を生じさせてしまう。そのため、本実施形態のウィービング機構では、トーチ13が開先32の左端部に接触する直前で、そのトーチ13をT秒間停止させて、開先32の左端部への入熱量不足を補っている。
図5には、複数の区間(本実施形態では3区間)に分割されたウィービング動作の1周期分の「基準波形」が示されている。
図5において実線で示される波形は、ウィービング動作時の「基準電流波形」Ib(t)である。この「基準電流波形」Ib(t)において、0秒〜T秒の間(区間1)、溶接電流が増加していることがわかる。この波形の0秒〜T秒の間では、トーチ13が開先32の左端部で停止しており、溶接ワイヤ30の溶込み不足を防止している。そして、溶接電流が増加した後のT秒〜T秒の間(区間2)とT秒〜T秒の間(区間3)は、溶接電流が徐々に減少していることがわかる。なお、区間2は、トーチ13が開先32の左端部で停止後から開先32の右端部に到達するまでの時間であり、区間3は、トーチ13が開先32の右端部から開先32の左端部に到達するまでの時間である。すなわち、トーチ13が開先32の左端部と右端部との間を往復する時間(ウィービング動作の1周期分)は、T秒かかることとなる。
つまり、「基準電流波形」Ib(t)は、T秒をピークに左右非対称の山なり形状の波形となっている。
一方、図5において破線で示される波形は、ウィービング動作時の「基準電圧波形」Vb(t)である。なお、本実施形態の溶接電源は、定電圧特性のものを用いており、正常溶接時においての溶接電圧はほぼ一定となっている。
アーク溶接の異常を異常判定部7で判定するにあたっては、図5に示したように、3区間に分割した「基準波形」を用いて行う。
まず、区間1(0秒〜T秒の間)では、開先32の左端部で溶込み不足が発生するため、溶接時の入熱量W(電流×電圧)を用いてアーク溶接の異常判定を行う。
異常判定部7は、「基準波形」から算出される溶接時の入熱量Wb(=ΣIb(t)×Vb(t))と、「作業時波形」から算出される現在の溶接時の入熱量W(=ΣI(t)×V(t))との差ΔW(=W−Wb)を逐次算出し、算出された差ΔWが所定値(閾値)以上となった際に、アーク溶接に異常が発生したと判定する。本実施形態の所定値については、入熱量の差の上限値ΔWHigh(>0)と入熱量の差の下限値ΔWLow(<0)が設定されている。
異常判定部7は、算出された差ΔWが、上限値ΔWHighを上回ったり(入熱過多、ΔWHigh<ΔW)、下限値ΔWLowを下回ったり(入熱不足、ΔWLow>ΔW)した場合にアーク溶接に異常が発生したと判定する。
次に、区間2(T秒〜T秒の間)では、溶接ワイヤ30の送り量の変化(溶接ワイヤ30の狙いずれ)によって、トーチ13の先端と母材31との間の距離が変化する可能性があるため、トーチ13の先端と母材31との間の距離に相当する溶接電流に着目して、アーク溶接の異常判定を行う。
異常判定部7は、「基準電流波形」Ib(t)を記憶された後に検出される「作業時電流波形」I(t)のウィービング動作の1周期分と、先ほど記憶した「基準電流波形」Ib(t)との差ΔI(t)を逐次算出し、算出された差ΔI(t)が所定値(閾値)以上となった際に、アーク溶接に異常が発生したと判定する。
さらに、区間3(T秒〜T秒の間)では、溶融池と溶接ワイヤ30の先端とが接触して短絡してしまう可能性が高いため、溶接電圧に着目してアーク溶接の異常判定を行う。
異常判定部7は、「基準電圧波形」Vb(t)を記憶した後に検出される「作業時電圧波形」V(t)のウィービング動作の1周期分と、先ほど記憶した「基準電圧波形」Vb(t)との差ΔV(t)を逐次算出し、算出された差ΔV(t)が所定値(閾値)以上となった際に、アーク溶接に異常が発生したと判定する。
このようにして、異常判定部7において現在行われているアーク溶接が異常であると判定されると、異常判定部7は、オペレータにトーチ13の狙い位置の再調整を促す警告信号と、一定時間経過しても再調整が行われない場合に自動溶接機1を停止させる停止信号とを制御装置16に出力する。
そして、制御装置16は、まず警告信号によりアーク溶接の異常をオペレータに警告(教示)する。例えば、制御装置16に備えた警告灯17を点灯・点滅させたり、制御装置16に備えたスピーカーなどから警告音を発報させる。オペレータは、警告に従って自動溶接機1の再調整を行い、「基準波形」を再設定する。再設定された「基準波形」は、改めて記憶されて、次のアーク溶接の異常判定に用いる。
万が一、オペレータが何らかの事情でアーク溶接の異常の警告に気づかなかった(一定時間経過してもアーク溶接の再調整作業が行われない)場合、異常判定部7は、停止信号を基に、制御装置16に備えられた自動停止機能を用いてアーク溶接を自動的に停止させる。
具体的には、異常判定部7は、アーク溶接が異常であると判定すると、アーク溶接の再調整作業を促す警告信号(警告閾値)とアーク溶接を自動的に停止する停止信号(停止閾値)を設定する。例えば、溶接時の入熱量の差ΔWの閾値として、警告閾値(ΔWLow〜ΔWHigh)と停止閾値(ΔW’Low〜ΔW’High)を設定する(ただし、ΔW’Low<ΔWLow、ΔWHigh<ΔW’High)。
溶接時の入熱量の差ΔWが警告閾値の範囲(ΔWLow〜ΔWHigh)を超えた場合、異常判定部7は、警告出力をONにして、制御装置16に警告信号を伝える。警告信号が伝えられると、制御装置16はこの警告信号を基に、溶接動作中に制御装置16の警告灯17を点灯させて、オペレータに再度自動溶接機1の再調整を促す指令を出す。
次に、本発明の自動溶接機1の異常監視装置2を用いて、アーク溶接の異常を判定する方法について、説明する。
まず、オペレータは、溶接開始前に異常監視装置2が備えられた自動溶接機1を設置する。
詳しくは、自動溶接機1の走行レール14(X軸レール)を、母材31に対して平行に設置する。そして、走行レール14の駆動軸(X軸)と走行レール14に対して垂直方向の駆動軸(Z軸)とをインチング操作ボタンで動作させて、トーチ13が溶接開始位置(開先32の中心)になるように、トーチ13の狙い位置を設定する。
その後、アークをOFFにした状態で、開先32の両端部に対してトーチ13が適切な位置(狙い位置)となるように、走行レール14の回転軸θの左振り角θと回転軸θの右振り角θとをウィービング調整ダイアルで調整する。加えて、ウィービング動作の周波数とトーチ13の端部停止時間も設定し、ウィービング動作の条件を設定する。トーチ13の狙い位置の設定及びウィービング動作の条件を設定した後、溶接速度(=X軸の動作速度)と溶接電流と溶接電圧とを設定する。
これら溶接の条件の設定を行った後、オペレータは制御装置16に備えられている溶接開始スイッチをONにし、溶接開始の指令を制御装置16に出力する。そうすると、溶接ワイヤ30と母材31間に、アークが発生して溶接電流が流れるようになり、アーク溶接が開始される。
アーク溶接が開始される(図3の時刻T1までの間)と、異常監視装置2は、溶接電流が流れていることを確認して、検出部3にて溶接電流と溶接電圧の検出を開始する。検出された溶接電流と溶接電圧の波形は、フィルタリング処理部4にて、平滑化(移動平均処理)されて、その波形の高周波ノイズ成分が除去される。
溶接開始直後において、オペレータは、良好な溶接となるように、溶接部の溶接ワイヤ30の狙い位置、アーク柱や溶融池等を目視で監視しながら、制御装置16に備えられているトーチ13の調整ボタン(スイッチ)や調整ダイアル用いて、トーチ13の狙い位置、ウィービング動作の振り角、溶接速度、端部停止時間の調整作業を行う。加えて、オペレータは、溶接電源装置に備えられている溶接電源ダイアルを用いて、溶接電流と溶接電圧の指令値を変更し、より良好な溶接となるように調整作業を行う。
なお、図3の時刻T1までの間、異常監視装置2には、制御装置16から「調整中」の信号(溶接の条件などが設定されている際に出力される信号)が入力されており、「調整中」の信号が異常監視装置2に入力されている際には、アーク溶接の異常判定が行われないようになっている。
そして、制御装置16から「調整中」の信号がOFFのまま(ボタンやダイアルが操作されていない状態)で一定時間(図3の時刻T1から時刻T2までの間)経過したり、溶接電圧がほぼ一定になると、異常監視装置2のトリガ部8は、オペレータによる自動溶接機1の調整作業が完了したとみなし、基準波形記憶部5に「基準波形」を記憶するように開始の指令を出力する。なお、オペレータが、制御装置16に設けられた基準波形取得ボタン18を押すことで、トリガ部8を動作させ、基準波形記憶部5で「基準波形」を記憶するようにしてもよい。
基準波形記憶部5では、正常に溶接が行われていると判断される状況下において、検出部3で検出された電流I(t)又は電圧V(t)の波形におけるウィービング動作の1周期分の波形を「基準電流波形」Ib(t)又は「基準電圧波形」Vb(t)として設定して記憶する。「基準波形」を記憶するにあたっては、図3に示すように、電流I(t)又は電圧V(t)の波形をウィービングの左端信号(L)とウィービングの右端信号(R)とに同期させて、ウィービング動作の1周期分(L→R→L)の「基準電流波形」Ib(t)と「基準電圧波形」Vb(t)を抽出し記憶する。
また、作業時波形記憶部6では、溶接作業下において、検出部3で検出された電流I(t)又は電圧の波形V(t)を「作業時波形」として記憶する。
このように記憶された「基準波形」と「作業時波形」とを用いて、異常判定部7にてアーク溶接の異常判定を行う(図3の時刻T3以降)。
異常判定部7では、基準波形記憶部5で記憶された「基準波形」と、作業時波形記憶部6で記憶された「作業時波形」との差を用いたり、「基準波形」における溶接時の入熱量と、「作業時波形」における溶接時の入熱量との差を用いて、「基準波形」と「作業時波形」とを比較することで、アーク溶接の異常を判定する。
そして、異常監視装置2は、異常判定部7での判定結果をオペレータに警告として通達したり、その判定結果に基づいて自動溶接機1を自動的に停止させる。
以上述べたように、本発明の自動溶接機1の異常監視装置2は、アーク溶接の異常を判断する際の判断基準となる基準値を、正常に溶接が行われていると判断される状況下において逐次設定し、その基準値と現在行われている溶接作業下において設定された現在値とを比較して、アーク溶接の異常を判断し、その結果を警告として通達することができる。
また、異常監視装置2は、複数からなるデータの集合体である波形を単位あたり分けて比較を行うため、検出時の波形のノイズやばらつきの影響が大幅に低減されるようになっている。また、トーチ13の狙い位置が大きく変化しなければ、ウィービング動作毎のトーチ13と母材31との間の相対的な位置関係もほぼ一定となる。当然、ウィービング動作1周期あたりの溶接電流の波形と溶接電圧の波形は、大きく変化しない。
さらに、異常監視装置2は、トーチ13の狙い位置が変化して、ウィービング動作の波形が変化しても、ウィービング動作の1周期あたりの溶接電流と溶接電圧の時系列データ群を「基準波形」とし、その「基準波形」と「作業時波形」と比較して、アーク溶接の異常判定を行っている。このようにすることで、より正確なアーク溶接の異常を判定することができる。
また、異常監視装置2は、溶接電流と溶接電圧の両方を波形として検出し記録していることから、ウィービング動作時の入熱量W(=電流×電圧)を容易に計算することが可能である。特に、「入熱量W」の不足は、溶接での融合不良に直結するため、入熱量Wbを判定閾値(警告、停止)が必要となる。この異常監視装置2は、溶接での融合不良を防止するための判定閾値(警告、停止)を設定することができる。
さらに、異常監視装置2は、溶接電流と溶接電圧の波形を複数の区間で分割し、各区間毎にアーク溶接の異常を判定する方法や所定値(閾値)を分けることも可能である。例えば、ウィービング動作の右端近傍、中央、左端近傍の3区間に分割し、右端近傍での融合不足が品質上大きな欠陥となる場合には開先32の右端部の入熱量不足をより厳密に監視したり、ウィービング動作時における溶接の状況に応じて、アーク溶接の異常を判定する方法を柔軟に変更することができる。
また、異常監視装置2は、溶接開始時や溶接途中でも「基準波形」の記憶を行うことができる。特に、予め「基準波形」が与えられない新規の母材31の溶接や、溶接開始後にオペレータがトーチ13の狙い位置や溶接条件を調整することが多い可搬形の専用溶接装置においては、溶接条件の調整完了後の正常溶接時における溶接電流及び溶接電圧の波形を「基準波形」として記憶して、すぐにアーク溶接の異常判定を開始することができる。
また、異常監視装置2は、オペレータが溶接中に目視で常時、自動溶接機1の監視をする手間を省くことができ、自動溶接機1の監視によるオペレータの負担を軽減することができる。さらには、オペレータがひとりで、本発明の異常監視装置2を備えた自動溶接機1を複数台操作することができ、アーク溶接の生産性を向上することができる。
また、本発明の異常監視装置2は、アーク電流および電圧を溶接電源からサンプリングできる手段を備えることが可能であり、この手段を備えた異常監視装置2は市販されている自動溶接機に容易に追加する事が可能である。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
例えば、本実施形態では、本発明の特徴である異常監視装置2を備えた自動溶接機1として直線移動型の簡易自動溶接機を例に挙げて説明したが、この簡易自動溶接機は一つの例であり、自動溶接が行えるウィービング動作が可能な溶接機であれば特に限定しない。例えば、トーチ13をウィービング動作させる多関節の溶接ロボットであってもよい。
また、本実施形態の異常監視装置2で説明した「基準波形」を複数の区間に分割する方法や、アーク溶接の異常を判定する方法の組合せは、一例を挙げただけに過ぎず、溶接の施工方法によって変更することは可能であり、アーク溶接の異常判定に用いる所定値(閾値)も、アーク溶接異常の重要度に従って複数も設けることが可能である。例えば、電圧波形の全区間で溶接電圧V(t)の監視を行うことで、溶接ワイヤ30の送給不良や、短絡によるアーク長の急激な変化を監視することも可能である。
また、本実施形態では、「基準波形」を取得する基準波形取得ボタン18を制御装置16に配備したが、異常監視装置2に配備してもよい。
特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 自動溶接機
2 異常監視装置
3 検出部
4 フィルタリング処理部
5 基準波形記憶部
6 作業時波形記憶部
7 異常判定部
8 トリガ部
10 溶接電源装置
11 ワイヤ送給装置
12 溶接ヘッド
13 トーチ
14 走行レール
15 駆動モータ
16 制御装置
17 警告灯
18 基準波形取得ボタン
30 溶接ワイヤ(溶接電極)
31 対象ワーク(母材)
32 開先

Claims (7)

  1. トーチの先端を溶接方向に沿うように一定溶接速度にて動作させ、溶接方向に対してトーチを揺動させるウィービング機構を備えた自動溶接機に備えられていて、溶接時の電流又は電圧を検出する検出部と、前記検出部で検出した電流又は電圧の波形から高周波ノイズ成分を除去するフィルタリング処理部と、前記フィルタリング処理部から出力された電流又は電圧の波形を基にアーク溶接の異常を判定する異常判定部と、を有する自動溶接機の異常監視装置であって、
    正常に溶接が行われていると判断される状況下において、前記検出部で検出された電流又は電圧の波形におけるウィービング動作の1周期分の波形を「基準波形」として記憶する基準波形記憶部と、
    溶接作業下において、前記検出部で検出された電流又は電圧の波形を「作業時波形」として記憶する作業時波形記憶部と、を有しており、
    前記異常判定部は、前記基準波形記憶部で記憶された「基準波形」と、前記作業時波形記憶部で記憶された「作業時波形」とを比較することで、アーク溶接の異常を判定するように構成されている
    ことを特徴とする自動溶接機の異常監視装置。
  2. 前記異常判定部は、前記「基準波形」と前記「作業時波形」との差を逐次算出し、当該算出された差が所定値以上となった際に、アーク溶接に異常が発生したと判定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動溶接機の異常監視装置。
  3. 前記異常判定部は、前記「基準波形」から算出される溶接時の入熱量と、前記「作業時波形」から算出される溶接時の入熱量との差を逐次算出し、前記算出された差が所定値以上となった際に、アーク溶接に異常が発生したと判定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動溶接機の異常監視装置。
  4. 前記異常判定部は、前記「基準波形」と前記「作業時波形」のウィービング動作の1周期分の波形とをそれぞれ複数の区間に分割し、当該分割された各区間での前記「基準波形」と前記ウィービング動作の1周期分の「作業時波形」との差、又は前記分割された「基準波形」から算出される溶接時の入熱量と前記分割されたウィービング動作の1周期分の「作業時波形」から算出される溶接時の入熱量との差、を逐次算出し、
    前記算出された差が所定値以上となった際に、アーク溶接に異常が発生したと判定する
    ように構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動溶接機の異常監視装置。
  5. 前記異常判定部は、
    前記逐次算出した「基準波形」と「作業時波形」との差、又は前記「基準波形」から算出される溶接時の入熱量と「作業時波形」から算出される溶接時の入熱量との差が、別に設定されている所定値以上となった際に、
    アーク溶接を自動的に停止させる自動停止機能が備えられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動溶接機の異常監視装置。
  6. 前記基準波形記憶部における「基準波形」の記憶開始を指令するトリガ部を有することを特徴とする請求項1に記載の自動溶接機の異常監視装置。
  7. 前記トリガ部は、
    前記異常監視装置に備えられているスイッチの操作入力があった場合、
    溶接開始後の条件調整が完了したことを検知した場合、
    溶接中に溶接条件が変更され、その溶接条件の変更が完了した事を検知した場合、
    のいずれかの状況下になったときに、前記基準波形記憶部に「基準波形」の記憶開始を指令することを特徴とする請求項6に記載の自動溶接機の異常監視装置。
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