JPH11285824A - ステンレス薄板すみ肉tig溶接の溶接欠陥検知方法及び溶接診断機能付自動溶接装置 - Google Patents

ステンレス薄板すみ肉tig溶接の溶接欠陥検知方法及び溶接診断機能付自動溶接装置

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JPH11285824A
JPH11285824A JP8913598A JP8913598A JPH11285824A JP H11285824 A JPH11285824 A JP H11285824A JP 8913598 A JP8913598 A JP 8913598A JP 8913598 A JP8913598 A JP 8913598A JP H11285824 A JPH11285824 A JP H11285824A
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JP
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welding
base voltage
defect
voltage
sampling
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Pending
Application number
JP8913598A
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English (en)
Inventor
Masayuki Makita
昌之 牧田
Kazuhisa Imamura
和久 今村
Shoichiro Kaihara
正一郎 貝原
Hatsunori Oike
初典 大池
Kazuyuki Enuma
数志 江沼
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IHI Corp
Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
IHI Corp
Tokyo Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膨大な予備実験を必要とすることなく適用
でき、溶接欠陥部の検出精度が高く、制御内容がシ
ンプルであり、比較的低速の演算装置でリアルタイムに
処理が可能であり、欠陥箇所の特定が、正確かつ容易
にできる、ステンレス薄板すみ肉TIG溶接の溶接欠陥
検知方法及び溶接診断機能付自動溶接装置を提供する。 【解決手段】 それぞれ一定のピーク電流とベース電流
を有するパルス電流で溶接する自動溶接装置において、
ベース電圧サンプリング装置12、平均ベース電圧演算
装置14、欠陥判定装置16、及び欠陥表示装置18
(マーキング装置)を備え、ベース電流に対応するベ
ース電圧をサンプリングし、サンプリング前の一定時
間t2 における平均ベース電圧を演算し、サンプリン
グしたベース電圧と平均ベース電圧との差を演算し所定
のしきい値と比較演算し前記差がしきい値を超える場合
に欠陥と判定し、欠陥と判定した位置を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動TIG溶接装
置に係わり、更に詳しくは、ステンレス薄板すみ肉TI
G溶接の溶接欠陥検知方法及び溶接診断機能付自動溶接
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている自動溶接装置は、溶
接ヘッド及び位置調整装置、ワイヤ送給装置、走行装
置、制御装置、溶接電源等で構成され、予め設定した溶
接条件(溶接電流、溶接電圧、溶接速度、ワイヤ送給速
度等)に基づき溶接条件に異常が生じるとこれをフィー
ドバック制御しながら調整して連続的に溶接するように
なっていた。
【0003】しかし、このように自動溶接した場合で
も、必ずしも設定した溶接条件で溶接されたかどうか分
からないことから高度な品質を要求される製品について
は、その全てについて非破壊試験等の検査を行う必要が
あった。このため、特に大量の溶接を行う場合には、溶
接後に必要な非破壊検査等の時間も長く、工期が長くな
ったり、工数が非常に多くなる問題があった。
【0004】この問題を解決するため、本願発明と同一
の出願人は、先に、「自己診断機能付自動溶接装置」
(特願昭63−22424号)を創案し出願した。この
装置は、図11に模式的に示すように、実際の溶接時の
溶接条件をサンプリングする溶接条件信号記録器と、健
全な溶接品質が得られる溶接条件範囲のデータを保存記
録する適正溶接条件範囲記録器と、この適正溶接条件範
囲記録器の保存データと溶接条件信号記録器に記録され
た実際の溶接条件の信号とを溶接中に比較演算して健全
な溶接品質が得られない溶接部を求める比較演算器と、
この比較演算器からの信号を溶接制御盤にフィードバッ
クする信号伝達回路と、比較演算器からの溶接品質が健
全でない時の実際の溶接条件及び溶接異常位置を表示す
る表示器とから構成され、予め設定された溶接条件に基
づきフィードバック制御によって自動溶接が行われると
同時に、実際の溶接時の溶接条件が溶接条件信号記録器
に記録され、この信号と適正に溶接が行われ健全な溶接
部が得られた溶接条件の範囲の信号とを信頼性工学の手
法によって比較演算し、その結果から溶接中でも溶接部
が健全であるかどうかの判断をするようになっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の自己診断機能付自動溶接装置には、以下の問題点があ
った。 適正溶接条件範囲記録器に保存記録すべき溶接条件
が、溶接電流、溶接電圧、溶接速度、溶接位置、トーチ
位置、オシレート幅、ワイヤ送給速度、パルス電流、パ
ルス周波数などの多数のデータであるため、適正溶接条
件範囲の設定のための予備実験が膨大となり、そのデー
タ取得のために、時間、工期、及び工数が非常に多くな
る。
【0006】また従来は、溶接条件(溶接電圧、溶接電
流、台車速度、ワイヤ送給速度、オシレート幅)を溶接
中リアルタイムに管理することはなく、溶接士の事後報
告により溶接条件を記録・管理するに留まり、あらかじ
め定められた溶接条件があるにも関わらず、実際の溶接
条件は溶接士に一任さていた。そのため、万が一、定め
られた溶接条件範囲外で溶接を行った場合、溶接部の品
質が大幅に低下するおそれがあった。 多数の溶接条件に基づき、適正溶接条件範囲が定め
られるため、実際には健全であるにもかかわらず溶接欠
陥と判断する率が高くなりやすく、非破壊検査等による
再検査の比率が多くなり、時間、工期、及び工数の短縮
効果が少なくなる。また、逆に適正溶接条件範囲をゆる
くすると、溶接欠陥部を健全と判断する率が高くなり、
製品の品質が低下する。 溶接中に計測するデータ(溶接条件)が多く、制御
内容が複雑であり、かつこれを信頼性工学の手法によっ
て高速処理する必要があり、高速で高価な演算装置(例
えばコンピュータ)が必要となる。 表示器で表示された欠陥箇所と実際の溶接物の欠陥
箇所との対応が困難であり、誤った箇所を再検査するお
それがある。
【0007】本発明はかかる問題点を解決するために創
案されたものである。すなわち、本発明の目的は、膨
大な予備実験を必要とすることなく適用でき、溶接欠
陥部の検出精度が高く、制御内容がシンプルであり、
比較的低速の演算装置でリアルタイムに処理が可能であ
り、欠陥箇所の特定が、正確かつ容易にできる、ステ
ンレス薄板すみ肉TIG溶接の溶接欠陥検知方法及び溶
接診断機能付自動溶接装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明の発明者等は、
自動溶接を行う際に考慮すべき多数の溶接パラメータを
抽出し、各種パラメータを変化させて多数の溶接試験を
実施した結果、溶接中に発生した溶接欠陥を検知できる
溶接条件データは、ベース電圧の上昇、ベース電圧
のインパルス的乱れ、ピーク、ベース電圧の連動した
上昇、電圧の乱れの4つのみであり、更にこの4つの
データをすべて検知できる溶接条件データはベース電圧
であり、このベース電圧の変動を正確に検知することに
より、溶接品質の善し悪しを決定できるとの知見を得
た。本発明は、かかる新規の知見に基づくものである。
【0009】すなわち本発明によれば、(a)ベース電
流に対応するベース電圧をサンプリングし、(b)サン
プリング前の一定時間t2 における平均ベース電圧を演
算し、(c)サンプリングしたベース電圧と平均ベース
電圧との差を演算し所定のしきい値と比較演算し前記差
がしきい値を超える場合に欠陥と判定し、(d)欠陥と
判定した位置を表示する、ことを特徴とする溶接欠陥検
知方法が提供される。
【0010】また、本発明によれば、それぞれ一定のピ
ーク電流とベース電流を有するパルス電流で溶接する自
動溶接装置において、ベース電流に対応するベース電圧
をサンプリングするベース電圧サンプリング装置と、サ
ンプリング前の一定時間t2における平均ベース電圧を
演算する平均ベース電圧演算装置と、サンプリングした
ベース電圧と平均ベース電圧との差を演算し所定のしき
い値と比較演算し前記差がしきい値を超える場合に欠陥
と判定する欠陥判定装置と、欠陥と判定した位置を表示
する欠陥表示装置と、を備える、ことを特徴とする溶接
診断機能付自動溶接装置が提供される。
【0011】上記本発明の装置及び方法によれば、ベー
ス電圧をサンプリングし、その平均ベース電圧と溶接中
のベース電圧とを比較してその差が所定の所定のしきい
値を超える場合に欠陥として判定するので、上述した新
規の知見に基づき、溶接品質の善し悪しを正確に決定で
きる。従って、対象とするデータがベース電圧のみであ
るため、予備実験が簡単となり、データ取得が短時間に
容易にでき、かつ適用範囲が広く汎用性に富み、かつ制
御内容がシンプルであり、比較的低速の演算装置(例え
ば、パーソナルコンピュータ)でリアルタイムに処理が
可能である。
【0012】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
ベース電圧サンプリング装置により、ベース電圧のサン
プリング(a)は、自動溶接機のパルス電流を発生させ
るパルス発生器からベース電圧発生時にタイミング信号
を出力させ、該タイミング信号に同期してベース電圧を
サンプリングし、このベース電圧を次のタイミング信号
が出力されるまで保持することによる。
【0013】この構成により、実際のパルス電圧からベ
ース電圧をサンプリングする場合と比較して、自動溶接
機のパルス電流の周期とパーソナルコンピュータ側のサ
ンプリング周期との厳密な同期が不要となり、非常にわ
ずかな同期ズレに起因する測定誤差の発生を回避し、溶
接欠陥部の検出精度を高めることができる。
【0014】また、欠陥と判定後の一定時間t3 は前記
欠陥判定(c)を停止し、その後一定時間t2 はサンプ
リングのみ行い、その後に、前記(a)〜(d)を再開
するのがよい。これにより、欠陥の検出後等にオペレー
タが溶接条件を調整した場合でも、むやみに溶接異常と
判定しないようにすることができる。
【0015】更に、溶接電圧、溶接電流、台車速度、ワ
イヤ送給速度、オシレート幅の絶対値についてそれぞれ
しきい値を設け、前記各絶対値のいずれかがしきい値を
超えた場合に溶接機を停止させるのがよい。これによ
り、あらかじめ設定しておいた溶接条件をしきい値とし
て管理可能な例えばパーソナルコンピュータに、溶接機
から溶接中の溶接条件をリアルタイムに入力させること
により、設定しておいた溶接条件から実際の溶接条件が
逸脱した場合、溶接機を停止させて、溶接品質を向上さ
せることができる。
【0016】また、前記欠陥表示装置は、溶接トーチ近
傍に取り付けられ、溶接トーチと共に移動し、非溶接物
の欠陥箇所付近にマークを付けるマーキング装置であ
る。このマーキング装置は、非溶接物面に向かって出没
可能な可動印と、該可動印を出没させる電磁ソレノイド
とからなる。これにより、欠陥箇所を、コンピュータの
ディスプレイや記録装置への表示のみでなく、非溶接物
の欠陥箇所付近に直接マークを付けることができ、欠陥
箇所の特定が、正確かつ容易にできる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において、共通
する部分には同一の符号を付して使用する。図1は、本
発明による溶接診断機能付自動溶接装置の全体構成図で
ある。この溶接機10は、LNG及びLPG用の地下式
貯槽を構成するコルゲーション付きメンブレン1(SU
S304、板厚2mm)の隅肉TIG溶接をウイズフィ
ラー単パスで自動溶接するようになっている。なお、本
発明は、これらの非溶接物に限定されず、その他の種々
の溶接にも適用することができる。
【0018】図1に示すように、この自動溶接装置は、
電源装置2に接続されたTIGトーチ3、ワイヤ供給装
置4、CCDカメラ5を備え、これらは駆動装置6によ
り、溶接線に沿って自動的に移動するようになってい
る。更に、この装置は、溶接電流、溶接電圧、台車速
度、オシレート幅、トーチ高さ、トーチ角度、ワイヤ供
給速度、及びCCDカメラ5による映像をデータとして
採取し、コンピュータ7(例えば、パーソナルコンピュ
ータ)に入力するようになっている。
【0019】本発明の自動溶接装置10は、それぞれ一
定のピーク電流とベース電流を有するパルス電流で溶接
するパルス溶接装置である。また、図1に示すように、
ベース電圧サンプリング装置12と、平均ベース電圧演
算装置14と、欠陥判定装置16と、欠陥表示装置18
とを備えている。
【0020】図2は、本発明における欠陥表示装置の構
造図である。本発明の欠陥表示装置18は、溶接トーチ
3(図1参照)の近傍に取り付けられ、溶接トーチ3と
共に移動し、非溶接物1の欠陥箇所付近にマークを付け
るように構成されたマーキング装置である。図2の実施
形態において、マーキング装置18は、非溶接物1の表
面に向かってこの図で下方に出没可能な可動印18a
(この例では商標「シャチハタ」の自動印)と、この可
動印18aを下方に出没させる電磁ソレノイド18bと
からなる。この構成により、電磁ソレノイド18bを作
動させて可動印18aを下方に突出させることにより、
非溶接物1の表面に適当なマークを付けることができ
る。なお、このマークの位置は、実際の溶接位置のごく
近傍に設定されている。
【0021】図3は、本発明の方法を示すブロック図で
ある。この図に示すように、本発明の方法では、(a)
ベース電圧サンプリング装置12により、ベース電流に
対応するベース電圧をサンプリングし、(b)平均ベー
ス電圧演算装置14により、サンプリング前の一定時間
2 (平均値算出タイム、例えば5秒)における平均ベ
ース電圧を演算し、(c)欠陥判定装置16により、サ
ンプリングしたベース電圧と平均ベース電圧との差を演
算し所定のしきい値と比較演算し前記差がしきい値を超
える場合に欠陥と判定し、(d)欠陥表示装置18によ
り、欠陥と判定した位置を表示する。
【0022】図4は、本発明の方法との関連でベース電
圧変化を模式的に示す図である。この図に示すように、
本発明の装置及び方法によれば、ベース電圧をサンプリ
ングし、その平均ベース電圧と溶接中のベース電圧とを
比較してその差が所定の所定のしきい値を超える場合
(図でA点)に欠陥として判定するので、溶接品質の善
し悪しを簡単に決定できる。すなわち対象とするデータ
がベース電圧のみであるため、予備実験が簡単となり、
データ取得が短時間に容易にでき、かつ適用範囲が広く
汎用性に富み、かつ制御内容がシンプルであり、比較的
低速の演算装置(例えば、パーソナルコンピュータ)で
リアルタイムに処理が可能である。
【0023】また、本発明によれば、欠陥と判定後の一
定時間t3 (異常判定スキップタイム、例えば3秒)は
欠陥判定(c)を停止し、その後一定時間t2 はサンプ
リングのみ行い、その後に、前記(a)〜(d)を再開
するようになっている。これにより、欠陥の検出後等に
オペレータが溶接条件を調整した場合でも、むやみに溶
接異常と判定しないようにすることができる。
【0024】更に、溶接開始時のベース電圧が落ちつく
までの時間とオペレータが溶接条件を調整する時間の合
わせて数秒間t1 (溶接初期スキップタイム、例えば1
0秒)は、オペレータが特に集中して溶接作業を行うた
め溶接判定時間から除き、その後の一定時間t2 で平均
値を算出するようにするのがよい。また更に、溶接電
圧、溶接電流、台車速度、ワイヤ送給速度、オシレート
幅の絶対値についてそれぞれしきい値を設け、前記各絶
対値のいずれかがしきい値を超えた場合に溶接機を停止
させるのがよい。
【0025】これにより、あらかじめ設定しておいた溶
接条件をしきい値として管理可能な例えばパーソナルコ
ンピュータに、溶接機から溶接中の溶接条件をリアルタ
イムに入力させることにより、設定しておいた溶接条件
から実際の溶接条件が逸脱した場合、溶接機を停止させ
て、溶接品質を向上させることができる。
【0026】図5は従来のベース電圧の抽出方法を模式
的に示す図であり、図6は、本発明におけるベース電圧
の抽出方法である。図5において、(a)は溶接電源の
パルスの周期と測定器側のサンプリングピッチとの関係
を示しており、(b)は測定されたベース電圧を示して
いる。この図に示すように、メンブレンの自動溶接では
パルス溶接電流を用いているため、溶接電流の周期的な
変化に伴い溶接電圧は周期的に変化する。このパルスの
周期に合わせ、ベース電圧のみのサンプリングを実施す
ると、溶接機で実際に発生しているパルス電圧とパーソ
ナルコンピュータ側のデータのサンプリングピッチの間
に非常にわずか(1000分の1秒以下)のズレが生
じ、このズレを厳密に補正することはハード上困難であ
るため、ベース電圧のみの抽出が困難となり、(b)に
示すような不正確なベース電圧が抽出されてしまう。
【0027】これに対して、本発明では、図6に示すよ
うに、ベース電圧サンプリング装置12により、自動溶
接機のパルス電流を発生させるパルス発生器からベース
電圧発生時にタイミング信号(この図でサンプリング信
号)を出力させ、このタイミング信号に同期してベース
電圧をサンプリングし、このベース電圧を次のタイミン
グ信号が出力されるまで保持するようになっている。
【0028】すなわち、ベース電圧の抽出をすべて溶接
機側で以下の手順で処理する。 パルス発生器よりベース電圧発生時にタイミング信号
(サンプリング信号)を出力させる。 タイミング信号に同期してベース電圧値をサンプリン
グする。 サンプリングしたベース電圧値を記憶する。 次のタイミング信号が出力されるまで、パーソナルコ
ンピュータ側にアナノグ的に出力し、連続的にベース電
圧値として抽出する。 〜を繰り返すことにより、ベース電圧の正確な抽出
が可能となる。
【0029】図7は、図6に示した本発明の方法によ
り、実際に抽出したベース電圧である。この図におい
て、上下に変動する細い線は溶接電圧であり、その下端
部に位置する太い実線が抽出されたベース電圧である。
この図から、図5に示したような不具合を発生させるこ
となく、ベース電圧を正確に抽出できることがわかる。
【0030】図8は、ピーク、ベースそれぞれの電圧成
分を示す模式図であり、本発明の原理を示す模式図であ
る。この図を用いて、以下にベース電圧の変動要因につ
いて説明する。メンブレンの自動溶接において重要溶接
条件データは溶接電圧であり、その中でもベース電流発
生時の電圧値(ベース電圧)の変動の検出が重要である
ことが、後述する試験結果からわかってきた。
【0031】メンプレン溶接に使用する溶接機はパルス
電流を用い定電流特性を有しているため、ピーク電流発
生時には例えば130A、ベース電流発生時には例えば
30Aにそれぞれ電流値が一定になるように制御され
る。従って、溶融プールが変動すると電圧の変動として
現れることになる。また、パルス電流により、ピーク電
流発生時にはピーク電圧、ベース電流発生時にはベース
電圧という異なったレベルの電圧値が現れる。
【0032】ここで陽極降下は溶融プールの表面状態の
影響、陰極降下は電極表面状態の影響、アーク柱降下は
電流値の影響、をそれぞれ受ける。ビード外観の変化は
溶融プールの変動により生じるので、陽極降下成分の変
動に着目するべきである。しかし、通常電流値50A程
度以上のアークでは熱解離により陽イオンが作られ、陽
極降下は0(ゼロ)に近い値となるので、ピーク電圧に
おいては陽極降下成分は現れない。従って、ビード外観
の変化を検出するには、陽極降下成分を有するベース電
圧の変動を観察するのが最適である。本発明は、かかる
原理を利用したものである。
【0033】
【実施例】本願発明の発明者等は、メンブレン自動TI
G溶接を行う際に考慮すべき溶接パラメータとして、標
準状態に対する隙間変化、仮付けにおける酸化、肩
落ち、大きさ異常、開先面の状態として、切断のま
ま、アセトン洗浄のみ、ワイヤブラシ洗浄のみ、油滴・
水滴の付着、バフワイヤ片、グラインダ粉、シールド
ガスの過大・過少、電極の酸化、形状異常、狙い位
置の、重ね板側へのズレ,下板側へのズレ、等を抽出
し、これらのパラメータを変化させて多数の溶接試験を
実施した。この結果を表1に示す。なお、この表におけ
る、「肩落ち」「仮付部の溶残し」「上板の溶残し」
「下板の溶残し」は、図9に示すようなものを示してい
る。
【0034】
【表1】
【0035】更に、図10は、これらの試験における計
測データの変化を示す図である。この図において、
(A)は開先面に油滴・水滴が付着する場合、(B)は
電極形状が異常の場合の結果である。この図において、
溶接電圧の変化に着目すると、短絡箇所で、溶接電圧が
大きく変動していることがわかる。なお、この試験で
は、溶接ビード外観、欠陥部の断面観察等も併用し、欠
陥箇所と計測データとの関係を調査した。
【0036】表1及び図10に例示した溶接現象と溶接
品質との相関性の確認試験の結果から、メンプレンの溶
接中に発生したビード外観の変化及び欠陥を検知できる
重要溶接条件データは溶接電圧であり、その中でもベー
ス電圧の変動の検出が重要であることが明らかになっ
た。言い換えれば、溶接中に発生した溶接欠陥を検知で
きる溶接条件データは、ベース電圧の上昇、ベース
電圧のインパルス的乱れ、ピーク、ベース電圧の連動
した上昇、電圧の乱れの4つのみであり、更にこの4
つのデータをすべて検知できる溶接条件データはベース
電圧であり、このベース電圧の変動を正確に検知するこ
とにより、溶接品質の善し悪しを決定できることが確認
された。
【0037】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できる
ことは勿論である。例えば、上述した実施形態及び実施
例では、ステンレス薄板すみ肉TIG溶接への適用例に
ついて特に詳述したが、本発明はこれに限定されず、そ
の他の溶接材及び溶接方法にも適用することができる。
【0038】
【発明の効果】上述した本発明の装置及び方法によれ
ば、ベース電圧をサンプリングし、その平均ベース電圧
と溶接中のベース電圧とを比較してその差が所定の所定
のしきい値を超える場合に欠陥として判定するので、上
述した新規の知見に基づき、溶接品質の善し悪しを正確
に決定できる。従って、対象とするデータがベース電圧
のみであるため、予備実験が簡単となり、データ取得が
短時間に容易にでき、かつ適用範囲が広く汎用性に富
み、かつ制御内容がシンプルであり、比較的低速の演算
装置(例えば、パーソナルコンピュータ)でリアルタイ
ムに処理が可能である。
【0039】従って、この装置及び方法により、ビー
ド形状の変化に伴う溶接欠陥の発見が可能となり、溶
接部近傍にマーキングすることにより、補修溶接時の欠
陥の発見が容易となり、パーソナルコンピュータによ
るベース電圧の収集が容易となり、過剰なマーキング
を防止して、より安定した品質管理が可能となる。更
に、溶接電圧、溶接電流、台車速度、ワイヤ送給速度、
オシレート幅の絶対値についてそれぞれしきい値を設
け、前記各絶対値のいずれかがしきい値を超えた場合に
溶接機を停止させることにより、溶接部の品質を向上さ
せることができる。
【0040】言い換えれば、本発明のステンレス薄板す
み肉TIG溶接の溶接欠陥検知方法及び溶接診断機能付
自動溶接装置は、膨大な予備実験を必要とすることな
く適用でき、溶接欠陥部の検出精度が高く、制御内
容がシンプルであり、比較的低速の演算装置でリアルタ
イムに処理が可能であり、欠陥箇所の特定が、正確か
つ容易にできる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による溶接診断機能付自動溶接装置の全
体構成図である。
【図2】本発明における欠陥表示装置の構造図である。
【図3】本発明の方法を示すブロック図である。
【図4】本発明の方法との関連でベース電圧変化を模式
的に示す図である。
【図5】従来のベース電圧の抽出方法を模式的に示す図
である。
【図6】本発明におけるベース電圧の抽出方法である。
【図7】本発明の方法により抽出したベース電圧であ
る。
【図8】本発明の原理を示す模式図である。
【図9】溶接欠陥の模式図である。
【図10】試験における計測データの変化図である。
【図11】従来の自己診断機能付自動溶接装置の構成図
である。
【符号の説明】
1 非溶接物(メンブレン) 2 電源装置 3 TIGトーチ 4 ワイヤ供給装置 5 CCDカメラ 6 駆動装置 7 パーソナルコンピュータ 10 自動溶接装置 12 ベース電圧サンプリング装置 14 平均ベース電圧演算装置 16 欠陥判定装置 18 欠陥表示装置 18a 可動印 18b 電磁ソレノイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B23K 9/12 303 B23K 9/12 303D 9/167 9/167 C 9/23 9/23 B 31/00 31/00 N (72)発明者 貝原 正一郎 兵庫県相生市相生5292 石川島播磨重工業 株式会社相生工場内 (72)発明者 大池 初典 東京都港区海岸一丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内 (72)発明者 江沼 数志 東京都港区海岸一丁目5番20号 東京瓦斯 株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ベース電流に対応するベース電圧
    をサンプリングし、(b)サンプリング前の一定時間t
    2 における平均ベース電圧を演算し、(c)サンプリン
    グしたベース電圧と平均ベース電圧との差を演算し所定
    のしきい値と比較演算し前記差がしきい値を超える場合
    に欠陥と判定し、(d)欠陥と判定した位置を表示す
    る、ことを特徴とする溶接欠陥検知方法。
  2. 【請求項2】 前記ベース電圧のサンプリング(a)
    は、自動溶接機のパルス電流を発生させるパルス発生器
    からベース電圧発生時にタイミング信号を出力させ、該
    タイミング信号に同期してベース電圧をサンプリング
    し、このベース電圧を次のタイミング信号が出力される
    まで保持することによる、請求項1に記載の溶接欠陥検
    知方法。
  3. 【請求項3】 欠陥と判定後の一定時間t3 は前記欠陥
    判定(c)を停止し、その後一定時間t2 はサンプリン
    グのみ行い、その後に、前記(a)〜(d)を再開す
    る、ことを特徴とする請求項1に記載の溶接欠陥検知方
    法。
  4. 【請求項4】 更に、溶接電圧、溶接電流、台車速度、
    ワイヤ送給速度、オシレート幅の絶対値についてそれぞ
    れしきい値を設け、前記各絶対値のいずれかがしきい値
    を超えた場合に溶接機を停止させる、ことを特徴とする
    請求項1に記載の溶接欠陥検知方法。
  5. 【請求項5】 それぞれ一定のピーク電流とベース電流
    を有するパルス電流で溶接する自動溶接装置において、 ベース電流に対応するベース電圧をサンプリングするベ
    ース電圧サンプリング装置と、サンプリング前の一定時
    間t2 における平均ベース電圧を演算する平均ベース電
    圧演算装置と、サンプリングしたベース電圧と平均ベー
    ス電圧との差を演算し所定のしきい値と比較演算し前記
    差がしきい値を超える場合に欠陥と判定する欠陥判定装
    置と、欠陥と判定した位置を表示する欠陥表示装置と、
    を備える、ことを特徴とする溶接診断機能付自動溶接装
    置。
  6. 【請求項6】 前記ベース電圧サンプリング装置は、自
    動溶接機のパルス電流を発生させるパルス発生器からベ
    ース電圧発生時にタイミング信号を出力させ、該タイミ
    ング信号に同期してベース電圧をサンプリングし、この
    ベース電圧を次のタイミング信号が出力されるまで保持
    する、ことを特徴とする請求項5に記載の溶接診断機能
    付自動溶接装置。
  7. 【請求項7】 前記欠陥表示装置は、溶接トーチ近傍に
    取り付けられ、溶接トーチと共に移動し、非溶接物の欠
    陥箇所付近にマークを付けるマーキング装置である、こ
    とを特徴とする請求項5に記載の溶接診断機能付自動溶
    接装置。
  8. 【請求項8】 前記マーキング装置は、非溶接物面に向
    かって出没可能な可動印と、該可動印を出没させる電磁
    ソレノイドとからなる、ことを特徴とする請求項7に記
    載の溶接診断機能付自動溶接装置。
JP8913598A 1998-04-02 1998-04-02 ステンレス薄板すみ肉tig溶接の溶接欠陥検知方法及び溶接診断機能付自動溶接装置 Pending JPH11285824A (ja)

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Cited By (9)

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