JP2015013283A - イオン吸着材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】陽イオン及び陰イオンの両方を吸着でき、規制対象イオンである除去効率に優れるイオン吸着材及びその製造方法を提供する。【解決手段】ゼオライトをハイドロタルサイト様化合物で結合した構造を有し、陽イオン吸着性及び陰イオン吸着性の両方を有するイオン吸着材。当該イオン吸着材は、下記工程を有する方法によって製造することができる。工程(1):ゼオライトとアルカリ溶液を含有する原料(A)を調製する工程工程(2):2価金属(M2+)を含む可溶性塩及び3価金属(M3+)を含む可溶性塩を、水を主体とする溶媒に溶解し、ハイドロタルサイト様化合物の前駆体を含有する原料(B)を調製する工程工程(3):前記原料(A)と前記原料(B)とを接触させて、ゼオライト及びハイドロタルサイト様化合物が結合したイオン吸着材を含むスラリーを得る工程【選択図】なし

Description

本発明は、陽イオン及び陰イオンの両方を吸着可能なイオン吸着材及びその製造方法に関する。より詳しくは、廃水処理、浄水処理、土壌汚染浄化等に好適に使用されるイオン吸着材及びその製造方法に関するものである。
従来、水処理技術として、砂ろ過や凝集沈殿による浮遊物質の除去、生物学的処理法による有機物の酸化処理、オゾンや活性炭処理が主流であるが、これらの方法により十分な処理効果が得られない場合、例えば溶存態イオンが多い工業排水の処理などにおいては、陽イオンまたは陰イオン交換樹脂や、陽イオンまたは陰イオン吸着材を吸着材として用いる吸着法が適用される。
陽イオンの吸着材として、例えば特許文献1にはゼオライト系吸着材が開示されており、陰イオンの吸着材として、例えば特許文献2にはハイドロタルサイト様化合物からなる吸着材が開示されている。
ところで、廃水等の処理対象中には、通常、陽イオン・陰イオンが共に含まれており、上記イオン吸着材を単独で使用しても、陽イオンまたは陰イオンのどちらか一方のみしか吸着することができない。そのため、処理対象に応じて吸着材の選択をする必要があり、両イオンを共に除去したい場合には当然ながら2種類の吸着材を適用する必要がある。
また、吸着対象となる陽イオン・陰イオンの濃度は、処理対象によって一定ではなく、例えば、陽イオンのみが高濃度であったり、陰イオンのみが高濃度である場合があり得る。そのため、陽イオン・陰イオンの最大濃度に対応できるように設計せざるを得ず、結果として、陽イオン・陰イオンの両方を収容する容器の大きさが必要となり、イオン吸着装置が大型化するという問題がある。
また、土壌汚染浄化や廃棄物処分場の遮水工において、陽イオン及び陰イオンの拡散を防止する場合には、上述した2種類のイオン吸着材(陽イオン吸着材、陰イオン吸着材)を同時に使用して、それらを土壌等の固形物に対して混合する必要がある。しかしながら、処理対象の土壌等の固形物と、2種類のイオン吸着材を均一に混合することは極めて困難であり、陽イオンと陰イオンの吸着効果に偏りが生じ、期待された効果が得られないことが多い。
そのため、陽イオン及び陰イオンの両方を同時に吸着できる吸着材が開発されている。例えば、特許文献1には、Ca(OH)2等の特定のカルシウム化合物と、Al(OH)3等の特定のアルミニウム化合物との混合物の焼成物からなるイオン吸着材が開示されており、当該イオン吸着材によって、規制対象イオンである陽イオンやホウ素やクロムが形成する陰イオンを除去できるとされている。
しかしながら、当該イオン吸着材は、陽イオン吸着のためのカルシウム化合物と陰イオン吸着のためのアルミニウム化合物を混合し、焼成して合成されている。そのため、混合段階での成分の不均質化が起こりやすく、均質な性能のイオン吸着材を得ることが困難である。
また、吸着した物質を資源として有効利用する場合、特定の条件下において吸着物質を容易に脱離させる必要がある。特許文献3のイオン吸着材は、強酸性とすること吸着物質の脱離すること自体は可能であるが、同時に吸着材の吸着作用も損なわれるため、イオン吸着材を再利用することができないという問題がある。
また、特許文献1等で開示されたゼオライト系の陽イオン吸着材や、特許文献2等で開示されたハイドロタルサイト様化合物系の陰イオン吸着材は容易に再生可能であるため、これらを混合して用いることもできるが、ゼオライトは、通常、微粉末状で合成されるのに対し、ハイドロタルサイト様化合物は粘土状であるため、両者を均一に混合することは非常に難しく、両者を混合しても不均一な性能のイオン吸着材となるという問題があった。
特開平9−75921号公報 特開2011−92822号公報 特開2012−200688号公報
このように、除去対象となる陽イオン及び陰イオンの両方を吸着除去できるイオン吸着材は改良の余地が残されているのが実状である。
かかる状況下、本発明の目的は、除去対象となる陽イオン及び陰イオンの両方を吸着除去できるイオン吸着材及びその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> ゼオライトをハイドロタルサイト様化合物で結合した構造を有し、陽イオン吸着性及び陰イオン吸着性の両方を有するイオン吸着材。
<2> イオン吸着材に含まれるゼオライトの割合が、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の合計を100重量%として、10〜90重量%である前記<1>に記載のイオン吸着材。
<3> 前記<1>または<2>に記載のイオン吸着材を製造する方法であって、下記工程を有するイオン吸着材の製造方法。
工程(1):
ゼオライト及びアルカリ溶液を含有する原料(A)を調製する工程
工程(2):
2価金属(M2+)を含む可溶性塩及び3価金属(M3+)を含む可溶性塩を、水を主体とする溶媒に溶解し、ハイドロタルサイト様化合物の前駆体を含有する原料(B)を調製する工程
工程(3):
前記原料(A)と前記原料(B)とを接触させて、ゼオライト及びハイドロタルサイト様化合物が結合したイオン吸着材を含むスラリーを得る工程
<4> さらに、工程(4)として、工程(3)で得られたイオン吸着材を含むスラリーへ炭酸塩、硝酸塩及び硫酸塩から選ばれる1種の化合物を溶解させた溶液(C)を添加する、又は当該スラリーを固液分離して得られたイオン吸着材を溶液(C)に添加することにより、イオン吸着材に含まれる交換性陰イオンを置換させる工程を有する前記<3>に記載のイオン吸着材の製造方法。
<5> 工程(1)において、シリカ源、アルミナ源、塩基性塩を含む溶液を加熱処理してゼオライトを合成することによって、前記原料(A)を調製する前記<3>または<4>に記載のイオン吸着材の製造方法。
<6> 工程(2)において、前記2価金属(M2+)が、Mg、Ca、Mn及びCuのいずれか1種を含む可溶性塩である前記<3>から<5>のいずれかに記載のイオン吸着材の製造方法。
<7> 工程(2)において、前記3価金属(M3+)を含む可溶性塩が、Al、Fe及びTiのいずれか1種を含む可溶性塩である前記<3>から<6>のいずれかに記載のイオン吸着材の製造方法。
<8> 工程(3)において、前記原料(A)と前記原料(B)との接触後の混合溶液のpHが、6.0〜8.0の範囲である前記<3>から<7>のいずれかに記載のイオン吸着材の製造方法。
<9> 工程(3)において、原料(B)に原料(A)を滴下することによって、前記原料(A)と前記原料(B)とを接触させる前記<3>から<8>のいずれかに記載のイオン吸着材の製造方法。
<10> 工程(3)において、前記原料(B)におけるハイドロタルサイト様化合物の前駆体に対する、前記原料(A)由来のアルカリが不足する場合に、さらにアルカリ溶液を添加する前記<3>から<9>のいずれかに記載のイオン吸着材の製造方法。
本発明によれば、吸着除去対象の陽イオン及び陰イオンの両方を吸着できるため、吸着除去効率に優れるイオン吸着材が提供される。また、本発明の製造方法によれば、本発明のイオン吸着材を均質なイオン吸着能を有するイオン吸着材を再現性良く安定的に製造することができる。
参考用試料1(ゼオライト)のXRDパターンである。 参考用試料2(ハイドロタルサイト様化合物)のXRDパターンである。 試験例1のイオン吸着材のXRDパターンである。 試験例2のイオン吸着材のXRDパターンである。 試験例3のイオン吸着材のXRDパターンである。 参考用試料1(ゼオライト)のSEM像である。 参考用試料2(ハイドロタルサイト様化合物)のSEM像である。 試験例4のイオン吸着材のSEM像である。 試験例4のイオン吸着材と参考用試料2(ハイドロタルサイト様化合物)のミクロキスチンの吸着性能の比較である。
以下、本発明について例示物等を示して詳細に説明するが、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の記載内容に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。
<イオン吸着材>
本発明は、ゼオライトをハイドロタルサイト様化合物で結合した構造を有し、陽イオン吸着性及び陰イオン吸着性の両方を有するイオン吸着材(以下、「本発明のイオン吸着材」と記載する場合がある。)に関する。
本発明のイオン吸着材において、「ゼオライトをハイドロタルサイト様化合物で結合した構造」とは、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物とが互いに接触し、単純な篩分けなどでは分離しないように複合化した構造を意味する。例えば、ゼオライトをハイドロタルサイト様化合物が被覆した構造や、ゼオライトをハイドロタルサイト様化合物で結合した構造などの複合構造が挙げられる。イオン吸着材の構造は、電子顕微鏡で観察することで確認することができる。
本発明のイオン吸着材は、ゼオライトに由来する陽イオン交換作用と、ハイドロタルサイト様化合物に由来する陰イオン交換作用により、液相中のイオンと置換することで陽イオン及び陰イオンの両方を吸着除去することができる。
また、このイオン交換反応は可逆性があるため、酸性もしくはアルカリ条件下で吸着物質の脱離が容易であり、吸着材の繰り返し利用が可能となる。更に、脱離された吸着物質のうち有害な物質は廃棄されるものの、有価資源は適正な処理をした後、再利用をすることが可能である。そのため、本発明のイオン吸着材を用いることにより、処理対象の浄化だけでなく資源回収も行うことができる。
以下、本発明のイオン吸着材の構成成分について詳細に説明する。
(ゼオライト)
ゼオライトは、結晶中に0.4nm〜2nm程度の微細孔を持つ結晶性アルミノケイ酸塩の総称であり、Si−O四面体とAl−O四面体とが頂点のO原子を共有した三次元ネットワーク構造をもつ複合酸化物であり、その内部に含まれる交換性の陽イオン(Na+やK+)とイオン交換することで、除去対象の陽イオンが吸着除去される。
ゼオライトとしては、ZSM−5型ゼオライト、フォージャサイト型ゼオライト、モルデナイト型ゼオライト、L型ゼオライト、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライトなどが挙げられ、いずれも使用できる。また、クリノブチライト、モルデナイトや合成ゼオライト等のゼオライト様化合物も、ゼオライトと同等の機能を有するものとして、本発明におけるゼオライトして使用できるものとする。
なお、後述する本発明の製造方法にて説明する合成ゼオライトは、本発明のイオン吸着材におけるゼオライトとして好適である。
ゼオライトの種類は、本発明のイオン吸着材の目的とする処理対象(排水、河川等の汚染水、汚染土壌等)を考慮して適宜選択すればよい。
(ハイドロタルサイト様化合物)
本発明において、ハイドロタルサイト様化合物は、下記一般式(I)で表される化合物を意味する。
[M2+ 1-x3+ x(OH)2][An- x/n・mH2O]・・・・・・・(I)
なお、式(I)で表される化合物において、M2+とM3+は2価及び3価の金属イオンであり、An- x/nは層間陰イオンを表す。また。xは、0.20〜0.33の範囲の数値である。
また、[An- x/n・mH2O]におけるmは0以上の数値であり、脱水状態によって大きく変化する。
ハイドロタルサイト様化合物は、[M2+ 1-x3+ x(OH)2]で表されるシート状の水酸化物が幾層も重なった層状構造を有し、その層間には、交換性の陰イオン(An- x/n)と水(H2O)が保持された構造を有する。なお、静電的なバランスは、層間に陰イオンが取り込まれることによって保たれていて、層間の陰イオン同士の隙間には水分子(層間水)が存在する。
ハイドロタルサイト様化合物はシートの積み重なり方によって、菱面体晶系と六方晶系のポリタイプがあり、本発明のイオン吸着材ではいずれでもよい。
ハイドロタルサイト様化合物は、その層間に含まれる陰イオンと、イオン交換することで、除去対象の陰イオンが吸着除去される。
シート状の水酸化物を構成する2価の金属イオン(M2+)としては、Mg2+、Ca2+、Mn2+又はCu2+等が挙げられる。また、3価の金属イオン(M3+)としては、Al3+、Fe3+又はTi3+等が挙げられる。また、層間陰イオン(An- x/n)としては、Cl-、CO3 -、SO4 2-などが挙げられる。
本発明のイオン吸着材におけるハイドロタルサイト様化合物の合成方法については、後述する本発明の製造方法にて説明する。
(イオン吸着材の組成)
本発明のイオン吸着材において、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の割合は、それぞれが均質な組成物を形成できる範囲であればよく、使用目的に応じて選択すればよい。例えば、処理対象における、陽イオン含有量が多い場合はゼオライトの割合を大きくし、陰イオン含有量が多い場合はハイドロタルサイト様化合物の割合を多くすればよい。
本発明のイオン吸着材に含まれるゼオライトの重量割合は、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の合計を100重量%として、通常、0.01〜99.9重量%であり、好適には10〜90重量%であり、より好適には30〜70重量%である。
(イオン吸着材の用途)
本発明のイオン吸着材の除去対象イオンは、特に限定されないが、例えばCd2+、Pb2+、Cs+、NH4 +等の陽イオン、CrO4 2-、B(OH)4 -、F-、PO4 3-等の陰イオンが挙げられる。
本発明のイオン吸着材の具体的な用途は特に制限はないが、汚染水、汚染土壌の浄化に好適に使用できる。より具体的には、下水、廃棄物処分場、工場排水、畜産排水等を対象とした廃水処理、浄水処理、水産養殖での水質浄化、河川、湖沼、海域などの水域直接浄化、土壌汚染浄化用吸着材、廃棄物処分場における遮水工等の用途に好適に適用できる。
例えば、本発明の陽イオン及び陰イオンの両方を吸着可能な吸着材を用いることで廃水処理場・浄水処理場における操作条件を簡易化させ、コストを低減させることができる。
本発明のイオン吸着材は陽イオン及び陰イオン吸着能を持っていることから、土壌と混合する場合には陽イオン及び陰イオンの吸着効果が偏らず、安定した吸着効果を提供することができる。
このように、本発明のイオン吸着材は、処理対象である汚染水、汚染土壌に浄化剤を添加して除去対象のイオンを除去する方法における浄化剤として好適である。
また、本発明のイオン吸着材は、プラスチック脱塩素剤やアスファルト溶融に使用される触媒としても好適である。
また、本発明のイオン吸着材は、上記除去対象イオンを吸着した後に、例えば、酸またはアルカリ性水溶液、NaCl水溶液、これらを複合した水溶液に浸漬することで、吸着したイオンを脱離することができるので、資源回収技術として使用することもできる。
本発明のイオン吸着材は、完全に乾燥させる前には、粘土のような粘り気を有するため、容易に任意の大きさとすることができる。そのため、使用用途に応じて適宜粒径を制御できる。例えば、粒径50〜500μm程度に調整することが可能である。
<イオン吸着材の製造方法>
本発明のイオン吸着材は、再現性よく製造できる点で、以下に説明する製造方法(以下、「本発明のイオン吸着材の製造方法」又は単に「本発明の製造方法」と称す。)で製造されることが好適である。
以下、本発明のイオン吸着材の製造方法について説明する。
本発明のイオン吸着材の製造方法は、下記工程を有することを特徴とする。
工程(1):
ゼオライト及びアルカリ溶液を含有する原料(A)を調製する工程
工程(2):
2価金属(M2+)を含む可溶性塩及び3価金属(M3+)を含む可溶性塩を、水を主体とする溶媒に溶解し、ハイドロタルサイト様化合物の前駆体を含有する原料(B)を調製する工程
工程(3):
前記原料(A)と前記原料(B)とを接触させて、ゼオライト及びハイドロタルサイト様化合物を含むスラリーを得る工程
本発明の製造方法の特徴のひとつは、工程(3)において、前駆体を含む原料(B)からハイドロタルサイト様化合物を合成する際に必要となるアルカリ成分を、ゼオライトを含むアルカリ原料(A)として添加することにある。このようにすることで、ゼオライトと、合成されるハイドロタルサイト様化合物とが均等に分散した微細粒子を含むスラリー状が得られる。このスラリーから通常、溶媒を留去して、イオン交換剤として用いられる。
このような本発明のイオン吸着材の製造方法では、イオン吸着材を合成する段階において陽イオン交換性を有するゼオライトと陰イオン交換性を有するハイドロタルサイト様化合物が混合され、両者が結合しているため、合成後のハイドロタルサイト様化合物にゼオライト粉末を混合する場合と比較して、均質なイオン吸着能を有するイオン吸着材を再現性良く安定的に製造することができる。
以下、本発明のイオン吸着材の製造方法における各工程をより詳細に説明する。
<工程(1)>
工程(1)は、ゼオライトとアルカリ溶液を含有する原料(A)を調製する工程である。
ゼオライトの物性等は、本発明の上述のイオン吸着材にて説明した通りであるため、説明を省略する。
原料(A)としては、ゼオライト及びアルカリ溶液を含有していればよく、ゼオライトがアルカリ溶液に分散した溶液あるいはスラリー、顆粒状のゼオライトにアルカリ溶液を含有させたもの等いかなる形態でもよい。
原料(A)におけるゼオライトとアルカリ溶液の割合は、本発明のイオン吸着材におけるゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の比率を考慮し、かつ、工程(3)において原料(A)と原料(B)とが、短時間に均等にできる範囲で決定される。
また、原料(A)は、アルカリ性、すなわちpH7超を必須とし、pH11以上が好ましい。原料(A)のpHが7未満であると、工程(3)において、原料(B)と混合した際に混合溶液が所定のpHとならず、ハイドロタルサイト様化合物が形成されない。
原料(A)におけるアルカリ溶液の溶媒は、水又は水を主体とする溶媒である。当該溶媒の水の割合は、50重量%以上、好ましくは80重量%以上(100重量%含む)である。水以外の溶媒としては、揮発性を高めるために、エタノールなどが挙げられる。
原料(A)に含まれるゼオライトは、天然のゼオライトでもよく、合成したゼオライトでもよく、水又は水を主体とする溶媒に塩基性塩と共に添加して、アルカリ性の原料(A)を調製する。
ここで、原料(A)の調整方法として、シリカ源、アルミナ源、塩基性塩を含む溶液を加熱処理してゼオライトを合成することによって原料(A)を調製すると、ゼオライトの分散性の高くなることに加え、合成時に使用した塩基性塩によりアルカリ性となるため、別途塩基性塩を添加する必要がないという利点がある。
ゼオライト合成に用いられるシリカ源、アルミナ源、及び塩基性塩は、本発明のイオン吸着材として機能する陽イオン吸着性を有するゼオライトが合成できるものであればよく、特に制限はない。
具体的には、ゼオライト合成に好ましく用いられるシリカ源として、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カルシウム等のケイ酸塩等が挙げられる。また、シリカガラスをシリカ源として使用してもよい。アルミナ源として、例えば、アルミン酸ナトリウム等が挙げられる。塩基性塩として、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。
シリカ源、アルミナ源及び塩基性塩を、目的とする種類のゼオライトが形成される割合で混合し、加熱処理を行うことで、目的とする種類のゼオライトを形成する。加熱方法は特に限定はないが、例えば、水熱処理またはマイクロ波による加熱処理を挙げることができる。
特に単一骨格を有するゼオライトを再現性良く形成できる点で、特開2012−41251号公報で開示された製造方法により、合成されたゼオライトが好ましい。当該方法では、100℃以下の低温で目的とするゼオライトが合成でき、かつ、合成後の溶液はアルカリ性であるため、合成後の溶液を原料(A)として用いることができる。
なお、原料(A)には、本発明の効果を損なわない範囲で、ゼオライト以外の成分を任意の割合で含有していてもよい。例えば、pH調整剤、粘度調製剤などが挙げられる。
原料(A)の各成分を混合するときの温度は、通常は室温でよいが、性能を損なわない範囲で、40〜100℃程度に加温してもよい。
混合順序も反応や沈殿物が発生するなど特段の問題がない限り任意であり、原料(A)の構成成分のうち、何れか2成分又は3成分以上を予め配合し、その後に残りの成分を混合してもよいし、一度に全部を混合してもよい。
<工程(2)>
工程(2)は、ハイドロタルサイト様化合物の前駆体として、2価金属(M2+)を含む可溶性塩及び3価金属(M3+)を含む可溶性塩を、水を主体とする溶媒に溶解した原料(B)を調製する工程である。
3価金属(M3+)を含む可溶性塩としては、ハイドロタルサイト様化合物の前駆体となりうる化合物であればよい。好ましくは、Al、Fe及びTiのいずれか1種を含む可溶性塩であり、それぞれの元素の塩化物(MCl3)、硫酸塩(M2(SO43)、硝酸塩(M(NO33)等が挙げられる。この中でも、Al塩化物であるAlCl3は好適な前駆体の一つである。
2価金属(M2+)を含む可溶性塩としては、ハイドロタルサイト様化合物の前駆体となりうる化合物であればよい。好ましくは、Mg、Ca、Mn及びCuのいずれか1種を含む可溶性塩であり、それぞれの元素の塩化物(MCl3)、硫酸塩(M2(SO43)、硝酸塩(M(NO33)等が挙げられる。この中でも、Mg塩化物であるMgCl2は好適な前駆体の一つである。
溶媒としては、水を主体とする溶媒が用いられる。当該溶媒の水の割合は、50重量%以上、好ましくは80重量%(100重量%含む)である。水以外の溶媒としては、上記可溶性の溶解性を損なわない溶媒が選択され、例えば、エタノールなどが挙げられる。
2価金属(M2+)を含む可溶性塩及び3価金属(M3+)を含む可溶性塩の割合は、合成目的のハイドロタルサイト様化合物の組成及びゼオライトに対する重量割合を考慮して適宜決定される。
なお、原料(B)には、本発明の効果を損なわない範囲で、2価金属(M2+)を含む可溶性塩及び3価金属(M3+)を含む可溶性塩以外の成分を任意の割合で含有していてもよい。例えば、pH調整剤、粘度調製剤などが挙げられる。
原料(B)は、構成成分(2価金属(M2+)を含む可溶性塩及び3価金属(M3+)を含む可溶性塩、必要に応じて他の成分)を混合することで調整することができる。通常、水を主体とする溶媒に、前記構成成分を添加することにより調整される。
原料(B)を調整するときの温度は、通常は室温であるが、性能を損なわない範囲で、室温以下に冷却したり、30〜70℃程度に加温してもよい。
混合順序も反応や沈殿物が発生するなど特段の問題がない限り任意であり、原料(B)の構成成分のうち、何れか2成分又は3成分以上を予め配合し、その後に残りの成分を混合してもよいし、一度に全部を混合してもよい。
<工程(3)>
工程(3)は、工程(1)及び工程(2)で調製した、原料(A)と原料(B)とを接触させて、ゼオライト及びハイドロタルサイト様化合物が結合したイオン吸着材を含むスラリーを得る工程である。
工程(3)では、原料(B)に含まれるハイドロタルサイト様化合物の前駆体は、pH6.0以上となることによって、ハイドロタルサイト様化合物を形成する。
本発明の製造方法の特徴は、そのアルカリ源として原料(A)を用いることにあり、ゼオライトを含む原料(A)と原料(B)との接触により、ゼオライト存在下でハイドロタルサイト様化合物が合成されるので、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物とが均一に結合したイオン吸着材を得ることができる。
より均質なハイドロタルサイト様化合物が形成される点で、pH6.0〜8.0の範囲であることが好ましい。この範囲になるように、原料(A)の塩基性塩濃度、添加量を調整する。
原料(A)と原料(B)とを接触させるときの温度は、通常は室温であるが、性能を損なわない範囲で、室温以下に冷却したり、30〜70℃程度に加温してもよい。
原料(A)と原料(B)とを接触させる方法としては、ハイドロタルサイト様化合物が形成され、特段の問題がない限り任意である。すなわち、原料(A)と原料(B)とを一度に全部を混合してもよいし、原料(A)の一部を原料(B)に添加、混合を繰り返して混合してもよい。
ハイドロタルサイト様化合物とゼオライトがより均一に結合するように原料(B)に原料(A)を滴下することによって、原料(A)と原料(B)とを接触させて行うことが好ましい。この際、原料(B)を撹拌しながら原料(A)を滴下することがより好ましい。
なお、混合後のスラリーには、本発明の効果を損なわない範囲で、原料(A)及び原料(B)以外の成分を任意の割合で含有させてもよい。例えば、pH調整剤、粘度調製剤などが挙げられる。
また、工程(3)において、原料(B)に含まれるハイドロタルサイト様化合物の前駆体に対する、原料(A)由来のアルカリが不足する場合に、さらにアルカリ溶液を添加することが好ましい。追加添加されるアルカリ溶液における塩基性塩、溶媒は、本発明の効果を損なわない限り、任意である。
また、原料(A)及び原料(B)の混合後のスラリーには、必要に応じて水や水を主体とする溶媒を添加して希釈してもよい。
<工程(4)>
工程(3)で得られるスラリーには、本発明のイオン吸着材が含まれる。スラリーをこのまま用いることもできるが、
本発明の製造方法では、さらに、工程(4)として、工程(3)で得られたイオン吸着材を含むスラリーへ炭酸塩、硝酸塩及び硫酸塩から選ばれる1種の化合物を溶解させた溶液(C)を添加する、又は当該スラリーを固液分離して得られたイオン吸着材を溶液(C)に添加することにより、イオン吸着材に含まれる交換性陰イオンを置換させる工程を有していてもよい。
例えば、原料に塩化物を使用した場合、層間陰イオンとしてCl-が入った、Cl型ハイドロタルサイト様化合物が合成されるが、用途に応じて、炭酸イオン(CO3 2-)、硫酸イオン(SO4 2-)、硝酸イオン(NO3 -)等に置換してもよい。
<その他の工程>
工程(3)で得られるスラリーには、本発明のイオン吸着材が含まれる。スラリーをこのまま用いることもできるが、通常、脱水工程により、溶媒を除去して用いられる。脱水方法は公知の方法を用いて行えばよく、例えば、濾過、遠心分離、加圧脱水、減圧脱水等による固液分離方法が挙げられる。
また、脱水工程の前段に、洗浄工程により不純物を除去してもよい。また、より不純物を除去するために、洗浄と脱水を2回以上繰り返し行ってもよい。洗浄に用いる溶媒は水であることが好ましく、より好ましくは純水および/またはイオン交換水である。
スラリーを脱水した後には、粘土状のイオン吸着材が得られる。粘土状のイオン吸着材は所定の大きさに粒径調整したのちに乾燥させることで、所定粒径の乾燥したイオン吸着材を得ることができる。また、粘土状の塊のまま乾燥させて、その後粉砕して粒径を整えてもよい。
乾燥方法については、特に限定されず、公知の熱風乾燥、真空乾燥等を使用することができる。また、乾燥時の雰囲気は特に限定されるものではないが、通常、大気雰囲気である。減圧雰囲気中で行うこともできる。
乾燥温度は、イオン吸着材の物性が変化して、イオン吸着性が低下しない範囲で選択され、通常、100℃以下である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
使用した原料は次の通りである。
「原料」
・塩化マグネシウム六水和物(WAKO)
・塩化アルミニウム六水和物(WAKO)
・水酸化ナトリウム(WAKO)
・炭酸ナトリウム(WAKO)
・蒸留水(WAKO)
・発泡ガラス(粒径30〜100μm)
・アルミン酸ナトリウム(朝日化学工業株式会社)
<試験例1のイオン吸着材の合成>
工程(1):原料(A)の調整
原料(A)としてのゼオライト含有アルカリ溶液は、以下の手順で調整した。
まず、シリカ源として粒径30〜100μmの発泡ガラス1000gを使用し、該発泡ガラスに対し、アルカリ源の水酸化ナトリウム2300gを混合し、常圧85〜95℃で、8時間加熱して発泡ガラスの溶解液(ガラス溶解液)を得た。次いで、ガラス溶解液に対してアルミナ源のアルミン酸ナトリウム3100gを混合し、攪拌しながら常圧85〜95℃で、8時間加熱してゼオライトを合成し、ゼオライトとアルカリ溶液を含有する溶液である原料(A)を得た。
原料(A)中のゼオライト濃度は、10〜12重量%、pHは14であった。
工程(2):原料(B)の調整
2価金属(M2+)を含む可溶性塩である塩化マグネシウム六水和物17.31g、3価金属(M3+)を含む可溶性塩である塩化アルミニウム六水和物10.30gを蒸留水27.61gに添加して溶解させることで、ハイドロタルサイト様化合物の前駆体を含有する原料(B)を得た。
工程(3):原料(A)と原料(B)との混合
原料(B)55.22gに対し、原料(A)55.22gを添加し、撹拌して十分に混合した後、3倍希釈用に蒸留水331.32gを添加し、混合してスラリーを得た。得られたスラリーをろ過により固液分離して得た固形分を100℃、10時間乾燥することで、試験例1のイオン吸着材を得た。表1に使用した原料及び溶媒(水)の重量をまとめて示す。
なお、原料(A)55.22gにはゼオライト成分6.64mg、原料(B)55.22gにはハイドロタルサイト様化合物成分が10mg含まれる。そのため、得られたイオン吸着材中のゼオライトの割合は、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の合計を100重量%として、40重量%である。
<試験例2のイオン吸着材の合成>
試験例1と同様の原料(A)と原料(B)を使用した。
原料(B)55.22gに対し、原料(A)110.44gを添加し、撹拌して十分に混合した後、3倍希釈用に蒸留水496.98gを添加し、混合してスラリーを得た。得られたスラリーをろ過により固液分離して得た固形分を100℃、10時間乾燥することで、試験例2のイオン吸着材を得た。表1に使用した原料及び溶媒(水)の重量をまとめて示す。
なお、原料(A)110.44gにはゼオライト成分13.3mg、原料(B)55.22gにはハイドロタルサイト様化合物成分が10mg含まれる。そのため、得られたイオン吸着材中のゼオライトの割合は、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の合計を100重量%として、57重量%である。
<試験例3のイオン吸着材の合成>
試験例1と同様の原料(A)と原料(B)を使用した。
原料(B)55.22gに対し、原料(A)165.66gを添加し、撹拌して十分に混合した後、3倍希釈用に蒸留水662.64gを添加し、混合してスラリーを得た。得られたスラリーをろ過により固液分離して得た固形分を100℃、10時間乾燥することで、試験例3のイオン吸着材を得た。表1に使用した原料及び溶媒(水)の重量をまとめて示す。
なお、原料(A)165.66gにはゼオライト成分19.9mg、原料(B)55.22gにはハイドロタルサイト様化合物成分が10mg含まれる。そのため、得られたイオン吸着材中のゼオライトの割合は、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の合計を100重量%として、67重量%である。
<試験例4のイオン吸着材の合成>
試験例1と同様の原料(A)と原料(B)を使用した。
原料(B)55.22gに対し、原料(A)94.76gを添加し、撹拌して十分に混合した後、3倍希釈用に蒸留水449.89gを添加し、混合してスラリーを得た。得られたスラリーをろ過により固液分離して得た固形分を100℃、10時間乾燥することで、試験例4のイオン吸着材を得た。表1に使用した原料及び溶媒(水)の重量をまとめて示す。
なお、原料(A)94.76gにはゼオライト成分11.4mg、原料(B)55.22gにはハイドロタルサイト様化合物成分が10mg含まれる。そのため、得られたイオン吸着材中のゼオライトの割合は、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の合計を100重量%として、53重量%である。
<参考用試料1(ゼオライト)の製造>
まず、試験例1と同様の原料(A)55.22gを、遠心分離機(4000rpm、8分)で固液分離し、固形分(ゼオライト)を分離した。分離した固形分に対し、蒸留水200gを加え、遠心分離機で固液分離を行った。この操作を3回繰り返した後に、固形分を00℃、10時間乾燥することで、参考用試料1のゼオライトを得た。
<参考用試料2(ハイドロタルサイト様化合物)の製造>
まず、試験例1と同様の原料(B)を使用し、原料(B)55.22gに対し、18.5重量%水酸化ナトリウム溶液55.22gを添加し、撹拌して十分に混合した後、3倍希釈用に蒸留水331.32gを添加し、混合してスラリーを得た。得られたスラリーをろ過により固液分離して得た固形分を100℃、10時間乾燥することで、参考用試料2のハイドロタルサイト様化合物を得た。
「pH測定」
試験例1〜4のスラリー及び参考用試料のハイドロタルサイト様化合物を含むスラリーのpHをpHメーター(東亜DKK株式会社、型番:HM−30P)で測定した。結果を表2にまとめて示す。なお、これらの結果は、試験例1はアルカリ分不足、試験例2及び試験例4は参考用試料2とほぼ同程度のアルカリ量、試験例3はアルカリ分過剰ということを示している。
「XRD分析」
試験例1〜3のイオン吸着材、参考用試料1(ゼオライト)及び参考用試料2(ハイドロタルサイト様化合物)について、X線回折法による評価を行った。X線回折装置には、株式会社リガク製、型番:MiniFlexを使用した。
図1に参考用試料1(ゼオライト)、図2に参考用試料2(ハイドロタルサイト様化合物)、図3〜5に試験例1〜3のイオン吸着材のXRD分析の結果を示す。
図3に示すように試験例1では、ゼオライト由来のシグナルは明確に観察されたが、ハイドロタルサイト様化合物由来のシグナルが観察されなかった。
図4、図5に示すように、試験例2,3では、ゼオライト由来のシグナルとハイドロタルサイト様化合物由来のシグナルが混在していた。この結果は、ゼオライト合成時に発生するアルカリ溶液である原料(A)を適量、原料(B)に添加することにより、ハイドロタルサイト様化合物とゼオライトが結合したイオン吸着材が合成可能であることを示している。
「イオン吸着除去試験」
吸着材として、試験例2,3のイオン吸着材、参考用試料1(ゼオライト)及び参考用試料2(ハイドロタルサイト様化合物)を用いて、イオン吸着除去試験を行った。
除去対象のイオンを含む試料として、以下の2種類の試験溶液A,Bを使用した。
試験溶液A:
フッ化ナトリウムを用いて、フッ素イオン濃度を100mg/L調整した溶液
試験溶液B:
臭化カリウムを用いて、カリウムイオン濃度を100mg/L、臭化物イオン濃度を200mg/Lで調整した溶液
試験溶液A,Bそれぞれ100gに対し、吸着材を1g添加して1時間攪拌した後、ろ過した溶液の濃度をイオンクロマトグラフ(東亜DKK株式会社、型番:IA−200)およびICP発光分析装置(株式会社アメティック、型番:Ciros120EOP)で測定した。表3に各吸着材添加前後の溶液のイオン濃度をまとめて示す。また、表4に、吸着材添加前後の溶液のイオン濃度から算出した、各吸着材のイオン吸着量をまとめて示す。
表3及び表4から試験例2,3のイオン吸着材は、陰イオンおよび陽イオンを吸着可能であり、特に臭化カリウムを用いた吸着試験の結果から、試験例2,3のイオン吸着材は、陰イオンおよび陽イオンの両方を吸着可能であることがわかった。
<リン酸およびアンモニアの飽和吸着量の評価>
試験例4のイオン吸着材を用いてリン酸およびアンモニアの飽和吸着量の評価を行った。まず、リン酸およびアンモニアに対する試験例4のイオン吸着材の吸着等温線を作成し、この吸着等温線に基づいて、リン酸とアンモニアの理論的な飽和吸着量を求めた。また、比較として、参考用試料1(ゼオライト)及び参考用試料2(ハイドロタルサイト様化合物)についてもリン酸およびアンモニアに対する吸着等温線を作成し、リン酸とアンモニアの理論的な飽和吸着量を求めた。結果を表5に示す。なお、表5において、試験例4のイオン吸着材の飽和吸着量は、イオン吸着材に含まれるゼオライト成分1gあたりのアンモニア吸着量、ハイドロタルサイト様化合物成分1gあたりのリン酸吸着量に換算した値を示している。
表5より、試験例4のイオン吸着材におけるゼオライト単位重量あたりのリン酸の吸着量は、ゼオライト単体(参考用試料1)よりも多くなっていることがわかる。また、試験例4のイオン吸着材におけるハイドロタルサイト様化合物単位重量あたりのリン酸の吸着量は、ハイドロタルサイト様化合物単体(参考用試料2)よりも多くなっていることがわかる。
すなわち、試験例4のイオン吸着材では、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物とが複合化して、陽イオン及び陰イオンの両方の吸着量が増加するシナジー効果が得られたことが示されたといえる。
<電子顕微鏡(SEM)観察>
図6にゼオライト(参考用試料1)、図7にハイドロタルサイト様化合物(参考用試料2)、図8に及び試験例4のイオン吸着材のSEM像をそれぞれ示す。
図6に示されるように、参考用試料1のゼオライトは、〜数μm程度の大きさの結晶であることがわかる。また、図7に示されるように参考用試料2のハイドロタルサイト様化合物は、ゼオライトと比較してより微粒の粒子が集合した構造であった。
図8に示すように試験例4のイオン吸着材は、ゼオライトの結晶をハイドロタルサイト様化合物が被覆して、ゼオライトをハイドロタルサイト様化合物で結合した構造を有していることがわかる。また、試験例4のイオン吸着材におけるゼオライトやハイドロタルサイト様化合物は、図6及び図7に示す単体の状態よりも分散された状態になっている。そのため、吸着対象の陽イオン、陰イオンを含む液相との接触面積が増加し、ゼオライト単体やハイドロタルサイト様化合物単体の場合と比較して吸着効率が向上したものと考えられる。
<ミクロキスチンの除去>
ミクロキスチンは湖沼などに発生するアオコの一部である藍藻類から放出される有毒性の化合物である。我が国では水道水源のダムや湖沼などで検出されることはあるものの、水道水へ高濃度でミクロキスチンが混入した事例はない。しかし、海外では水道水中のミクロキスチンで中毒が発生したという事例が報告されている。
本試験ではミクロキスチン-LR標準品を用いて、ミクロキスチン-LR濃度を0.1mg/Lに調製した100mLの水溶液へ1.0gの試験例4のイオン吸着材およびハイドロタルサイト様化合物(参考用試料2)を添加して吸着試験を行った。結果を図9に示す。
図9から、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物が複合化した試験例4のイオン吸着材は、ハイドロタルサイト様化合物単体の約7倍のミクロキスチンを吸着していることがわかる。このことから、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物が複合化することによって吸着性能が向上するシナジー効果が得られていることが確認された。
本発明のイオン吸着材は、規制対象イオンである陽イオン及び陰イオンの両方を吸着でき、除去効率に優れる。そのため、廃水処理、浄水処理、土壌汚染浄化等に好適に使用することができる。

Claims (10)

  1. ゼオライトをハイドロタルサイト様化合物で結合した構造を有し、陽イオン吸着性及び陰イオン吸着性の両方を有することを特徴とするイオン吸着材。
  2. イオン吸着材に含まれるゼオライトの割合が、ゼオライトとハイドロタルサイト様化合物の合計を100重量%として、10〜90重量%である請求項1に記載のイオン吸着材。
  3. 請求項1または2に記載のイオン吸着材を製造する方法であって、下記工程を有することを特徴とするイオン吸着材の製造方法。
    工程(1):
    ゼオライト及びアルカリ溶液を含有する原料(A)を調製する工程
    工程(2):
    2価金属(M2+)を含む可溶性塩及び3価金属(M3+)を含む可溶性塩を、水を主体とする溶媒に溶解し、ハイドロタルサイト様化合物の前駆体を含有する原料(B)を調製する工程
    工程(3):
    前記原料(A)と前記原料(B)とを接触させて、ゼオライト及びハイドロタルサイト様化合物が結合したイオン吸着材を含むスラリーを得る工程
  4. さらに、工程(4)として、工程(3)で得られたイオン吸着材を含むスラリーへ炭酸塩、硝酸塩及び硫酸塩から選ばれる1種の化合物を溶解させた溶液(C)を添加する、又は当該スラリーを固液分離して得られたイオン吸着材を溶液(C)に添加することにより、イオン吸着材に含まれる交換性陰イオンを置換させる工程を有する請求項3に記載のイオン吸着材の製造方法。
  5. 工程(1)において、シリカ源、アルミナ源、塩基性塩を含む溶液を加熱処理してゼオライトを合成することによって、前記原料(A)を調製する請求項3または4に記載のイオン吸着材の製造方法。
  6. 工程(2)において、前記2価金属(M2+)が、Mg、Ca、Mn及びCuのいずれか1種を含む可溶性塩である請求項3から5のいずれかに記載のイオン吸着材の製造方法。
  7. 工程(2)において、前記3価金属(M3+)を含む可溶性塩が、Al、Fe及びTiのいずれか1種を含む可溶性塩である請求項3から6のいずれかに記載のイオン吸着材の製造方法。
  8. 工程(3)において、前記原料(A)と前記原料(B)との接触後の混合溶液のpHが、6.0〜8.0の範囲である請求項3から7のいずれかに記載のイオン吸着材の製造方法。
  9. 工程(3)において、原料(B)に原料(A)を滴下することによって、前記原料(A)と前記原料(B)とを接触させる請求項3から8のいずれかに記載のイオン吸着材の製造方法。
  10. 工程(3)において、前記原料(B)におけるハイドロタルサイト様化合物の前駆体に対する、前記原料(A)由来のアルカリが不足する場合に、さらにアルカリ溶液を添加する請求項3から9のいずれかに記載のイオン吸着材の製造方法。
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