JP2015012831A - 接木用粘着テープ、接木用粘着部材、および、接木の接合方法 - Google Patents
接木用粘着テープ、接木用粘着部材、および、接木の接合方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】台木と接穂との活着を阻害しにくい接木用粘着テープ、その接木用粘着テープを用いた接木用粘着部材、および、接木用粘着部材を用いた接木の接合方法を提供すること。
【解決手段】
破断伸びが20%以上であり、波長が500nmの光の透過率が10%を超過する接木用粘着テープ1を、台木21と接穂22との接合部分に貼付し、接合部分が活着するまで接合部分を養生する。
【選択図】図3
【解決手段】
破断伸びが20%以上であり、波長が500nmの光の透過率が10%を超過する接木用粘着テープ1を、台木21と接穂22との接合部分に貼付し、接合部分が活着するまで接合部分を養生する。
【選択図】図3
Description
本発明は、接木用粘着テープ、その接木用粘着テープを用いた接木用粘着部材、および、接木用粘着部材を用いた接木の接合方法に関する。
従来、接木をするときに、台木と接穂との接合部分を活着させる方法として、例えば、ゴムなどからなるチューブ状のクリップなどで接合部分を固定し、養生することが知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。
このような接木をするときの接合部分の固定方法として、例えば、ポリビニルアルコールを主体とする水溶性あるいは水分散性の園芸用粘着テープを用いることが提案されている(例えば、下記特許文献2参照。)。
しかし、特許文献1に記載されるようなクリップでは、その弾性により、台木と接穂との接合部分を過度に締め付けて、台木と接穂との活着を阻害するおそれがある。
また、特許文献2に記載されるような園芸用粘着テープでも、着色されていることによって光の透過を阻害し、台木と接穂との活着を阻害するおそれがある。
本発明の目的は、台木と接穂との活着を阻害することを抑制できる接木用粘着テープ、その接木用粘着テープを用いた接木用粘着部材、および、接木用粘着部材を用いた接木の接合方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の接木用粘着テープは、台木と接穂との接合部分に貼付され、前記接合部分が活着するまで前記接合部分を養生するための接木用粘着テープであって、粘着性を有さない基材と、粘着性を有し前記基材の一方面に積層される粘着層とを有し、破断伸びが20%以上であり、波長が500nmの光の透過率が10%を超過することを特徴としている。
また、本発明の接木用粘着部材は、上記した接木用粘着テープから筒形状に形成される貼付部と、前記貼付部の径方向において前記貼付部から連続して外方へ延びる保持部とを備え、前記貼付部は、前記粘着層が前記径方向の内側に配置され、前記基材が前記径方向の外側に配置されるように形成されていることを特徴としている。
また、本発明の接木用粘着部材では、前記保持部は、前記粘着層同士が互いに貼り合わされることにより形成されていることが好適である。
また、本発明の接木の接合方法は、台木と接穂との接合部分を、上記した接木用粘着部材の前記貼付部の前記径方向の内側に配置する準備工程と、前記貼付部の直径を前記接合部分の直径に相当させるように、前記貼付部の一部を前記径方向の外側から挟持して、前記貼付部のうちの挟持した部分の前記粘着層同士を互いに貼り合わすとともに、前記貼付部のうちの挟持していない部分の前記粘着層を前記接合部分に貼付する貼付工程とを含むことを特徴としている。
本発明の接木用粘着テープは、破断伸びが20%以上であり、波長が500nmの光の透過率が10%を超過している。
そのため、台木と接穂との接合部分に光を当てて接合部分の成長を促すことができるとともに、接合部分の成長に追従して伸びることができる。
その結果、台木と接穂との活着を阻害することを抑制できる。
しかも、本発明の接木用粘着部材は、筒形状の貼付部に連続する保持部を備えている。
そのため、本発明の接木の接合方法では、接木するときに、一方の手で接木用粘着部材の保持部を保持しながら、他方の手で接穂を台木に接合させることができる。
その後、他方の手で接穂を支え、一方の手で、保持部を保持しつつ保持部に連続する貼付部の一部を挟持して、貼付部の直径を接合部分の直径に相当させるように調節できる。
その結果、台木と接穂との接合部分に接木用粘着部材を容易に貼付することができる。
図1は、本発明の接木用粘着テープの断面図である。
本発明の接木用粘着テープ1は、図1に示すように、基材2と、粘着層3とを備えている。
基材2は、所定の厚みを有し、厚み方向と直交する面方向に延びるシート状に形成されている。基材2は、透明である。
基材2としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィンフィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、例えば、ポリアクリレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ナイロン6、ナイロン6,6、部分芳香族ポリアミドなどのポリアミドフィルム、例えば、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどの塩素系フィルム、例えば、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムなどが挙げられる。これらの基材2は、例えば、無延伸フィルム、例えば、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムなどの延伸フィルムとして得ることができる。また、これらの基材2には、必要に応じて、例えば、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系、脂肪酸アミド系などの離型剤やシリカ粉などによる離型処理、防汚処理、酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの易接着処理、例えば、塗布型、練り込み型、蒸着型などの静電防止処理などを施すことができる。
基材2としては、好ましくは、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルムが挙げられる。
基材2の厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
基材2の破断伸び(JIS K 6767(1999)に準じて測定する。)は、例えば、20%以上、好ましくは、100%以上、より好ましくは、200%以上であり、例えば、1000%以下である。
基材2の波長500nmの光の透過率は、例えば、10%以上、好ましくは、50%以上、より好ましくは、75%以上であり、例えば、95%以下である。
基材2の全光線透過率は、例えば、10%以上、好ましくは、50%以上、より好ましくは、75%以上であり、例えば、95%以下である。
基材2の透気度(JIS P 8117(2009)に準じて測定する。)は、例えば、300000秒/100ml以下、好ましくは、100000秒/100ml以下、より好ましくは、50000秒/100ml以下であり、例えば、600秒/100ml以上、好ましくは、1000秒/100ml以上、より好ましくは、1500秒/100ml以上である。
基材2の曲げ弾性率(JIS K 7171(2008)に準じて測定する。)は、例えば、例えば、100MPa以上、好ましくは、150MPa以上、より好ましくは、200MPa以上であり、例えば、10000MPa以下、好ましくは、8000MPa以下、より好ましくは、5000MPa以下である。
基材2の曲げ弾性率が100MPa未満であると、接木用粘着テープ1のこしが過度に弱くなり、接木用粘着テープ1を台木と接穂との接合部分に貼付する作業の効率が低下する場合がある。基材2の曲げ弾性率が10000MPaを超過すると、接木用粘着テープ1のこしが過度に強くなり、接木用粘着テープ1を曲げにくくなり、接木用粘着テープ1を台木と接穂との接合部分の形状に追従させることが困難な場合がある。
粘着層3は、基材2の厚み方向一方面の上に形成されている。粘着層3は、例えば、粘着剤から公知の方法によって層状に形成される。
粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などが挙げられる。また、粘着剤は、エマルジョン系粘着剤、溶剤系粘着剤、ホットメルト型粘着剤、オリゴマー系粘着剤、固形粘着剤として調製される。これら粘着剤は、単独使用または2種類以上を併用することができる。
粘着剤としては、粘着層3同士の接着力が相対的に高く、被着体(接合部分)に対する接着力が相対的に低いものが好ましく、そのような粘着剤として、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤が挙げられる。
粘着層3の厚みは、例えば、2μm以上、好ましくは、10μm以上であり、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
粘着層3の破断伸び(JIS K 6767(1999)に準じて測定する。)は、例えば、20%以上、好ましくは、100%以上、より好ましくは、200%以上であり、例えば、1000%以下である。
粘着層3の波長500nmの光の透過率は、例えば、10%以上、好ましくは、50%以上、より好ましくは、75%以上であり、例えば、95%以下である。
粘着層3の全光線透過率は、例えば、10%以上、好ましくは、50%以上、より好ましくは、75%以上であり、例えば、95%以下である。
粘着層3の透気度(JIS P 8117(2009)に準じて測定する。)は、例えば、300000秒/100ml以下、好ましくは、100000秒/100ml以下、より好ましくは、50000秒/100ml以下であり、例えば、600秒/100ml以上、好ましくは、1000秒/100ml以上、より好ましくは、1500秒/100ml以上である。
粘着層3の曲げ弾性率(JIS K 7171(2008)に準じて測定する。)は、例えば、100MPa以上、好ましくは、150MPa以上、より好ましくは、200MPa以上であり、例えば、10000MPa以下、好ましくは、8000MPa以下、より好ましくは、5000MPa以下である。
接木用粘着テープ1は、例えば、基材2の厚み方向一方面に粘着剤を塗布し、乾燥して、基材2の厚み方向一方面の上に粘着層3を形成することにより得られる。
接木用粘着テープ1の厚みは、例えば、20μm以上、好ましくは、38μm以上であり、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
接木用粘着テープ1の厚みが20μm未満であると、接木用粘着テープ1のこしが過度に弱くなり、接木用粘着テープ1を台木と接穂との接合部分に貼付する作業の効率が低下する場合がある。接木用粘着テープ1の厚みが200μmを超過すると、接木用粘着テープ1のこしが過度に強くなり、接木用粘着テープ1を曲げにくくなり、接木用粘着テープ1を台木と接穂との接合部分の形状に追従させることが困難な場合がある。
接木用粘着テープ1の破断伸び(JIS K 6767(1999)に準じて測定する。)は、例えば、20%以上、好ましくは、100%以上、より好ましくは、300%以上、さらに好ましくは、500%以上であり、例えば、1000%以下、好ましくは、800%以下である。
接木用粘着テープ1の破断伸びが20%未満であると、接木用粘着テープ1が接木の接合部分の成長に追従できず、接木用粘着テープ1が接木の接合部分の成長を阻害する場合や、接木用粘着テープ1が接木から剥離する場合がある。
接木用粘着テープ1の波長500nmの光の透過率は、例えば、10%以上、好ましくは、50%以上、より好ましくは、75%以上であり、例えば、95%以下である。
接木用粘着テープ1の波長500nmの光の透過率が10%未満であると、接木の接合部分に照射される光を接木用粘着テープ1が遮蔽し、接木用粘着テープ1が接合部分の成長を阻害する場合がある。
接木用粘着テープ1の全光線透過率は、例えば、10%以上、好ましくは、50%以上、より好ましくは、75%以上であり、例えば、95%以下である。
接木用粘着テープ1の透気度(JIS P 8117(2009)に準じて測定する。)は、例えば、300000秒/100ml以下、好ましくは、100000秒/100ml以下、より好ましくは、50000秒/100ml以下であり、例えば、600秒/100ml以上、好ましくは、1000秒/100ml以上、より好ましくは、1500秒/100ml以上である。
接木用粘着テープ1の曲げ弾性率(JIS K 7171(2008)に準じて測定する。)は、例えば、100MPa以上、好ましくは、150MPa以上、より好ましくは、200MPa以上であり、例えば、10000MPa以下、好ましくは、8000MPa以下、より好ましくは、5000MPa以下である。
接木用粘着テープ1の曲げ弾性率が100MPa未満であると、接木用粘着テープ1のこしが過度に弱くなり、接木用粘着テープ1を台木と接穂との接合部分に貼付する作業の効率が低下する場合がある。接木用粘着テープ1の曲げ弾性率が10000MPaを超過すると、接木用粘着テープ1のこしが過度に強くなり、接木用粘着テープ1を曲げにくくなり、接木用粘着テープ1を台木と接穂との接合部分の形状に追従させることが困難な場合がある。
接木用粘着テープ1の粘着力(ステンレス板に対する粘着層3の粘着力)は、例えば、1.0N/20mm以上、好ましくは、3.0N/20mm以上であり、例えば、20.0N/20mm以下、好ましくは、15.0N/20mm以下である。粘着力は、JIS Z 0237(2009)に準じて、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、幅20mmの接木用粘着テープ1をステンレス板に、2kgのゴムローラで圧着した後、剥離角度180度、引張速度300mm/分の条件で剥離させることにより測定できる。
粘着力が1.0N/20mm未満であると、接木用粘着テープ1を接合部分に貼付することが困難な場合がある。粘着力が20.0N/20mmを超過すると、接木用粘着テープ1を接合部分から剥離させる作業が困難となり、作業性に劣る場合がある。
接木用粘着テープ1の自着力(粘着層3に対する粘着層3の粘着力)は、上記粘着力よりも高く、例えば、2.0N/20mm以上、好ましくは、5.0N/20mm以上であり、例えば、30.0N/20mm以下、好ましくは、20.0N/20mm以下である。自着力を測定するには、まず、幅20mmの2枚の接木用粘着テープ1を粘着層3同士で互いに張り合わせた後、2kgのゴムローラで圧着して測定試料とする。次いで、測定試料をステンレス板に両面接着テープで剥離しないように固定し、JIS Z 0237(2009)に準じて、23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、剥離角度180度、引張速度300mm/分の条件で2枚の接木用粘着テープ1を互いに剥離させることにより測定できる。
自着力が2.0N/20mm未満であると、後述する接木用粘着部材11を作製することが困難な場合がある。自着力が2.0N/20mm以上であると、後述する接木用粘着部材11を容易に作製することができる。
この接木用粘着テープ1によれば、破断伸びが20%以上であり、波長が500nmの光の透過率が10%を超過している。
そのため、後述する台木21と接穂22との接合部分に光を当てて接合部分の成長を促すことができるとともに、接合部分の成長に追従して伸びる。
その結果、台木21と接穂22との活着を阻害しにくい。
図2は、本発明の接木用粘着部材を示す。
次いで、接木用粘着テープ1を用いた接木用粘着部材11について説明する。
本発明の接木用粘着部材11は、図2Aおよび図2Bに示すように、貼付部12と、保持部13とを備える。
貼付部12は、所定方向に延びる接木用粘着テープ1を所定方向一端部と所定方向他端部とを突き合わすように湾曲することにより、略円筒形状に形成されている。貼付部12は、その内面に粘着層3が配置され、その外面に基材2が配置されている。
貼付部12の内径は、後述する接木の接合部分の太さに応じて適宜設定されるが、接木の接合部分の外径よりも大きく、具体的には、2mm以上、好ましくは、4mm以上であり、例えば、24mm以下、好ましくは、10mm以下である。
貼付部12の軸方向(長手方向)長さは、後述する接木の接合部分の長さに応じて適宜設定されるが、例えば、20mm以上、好ましくは、40mm以上であり、例えば、120mm以下、好ましくは、80mm以下である。
保持部13は、貼付部12の突き合わせ部分12Aから連続して、貼付部12の径方向外方へ突出し、貼付部12の軸方向に延びている。保持部13は、略矩形の平板形状に形成されている。保持部13は、接木用粘着テープ1の所定方向一端部の粘着層3と、所定方向他端部の粘着層3とを径方向に沿って互いに貼り合わせることにより、形成されている。
保持部13の突出方向長さ(以下、幅と記載する。)は、例えば、5mm以上、好ましくは、10mm以上であり、例えば、40mm以下、好ましくは、25mm以下である。
保持部13の軸方向長さは、貼付部12の軸方向長さと同一であり、例えば、20mm以上、好ましくは、40mm以上であり、例えば、120mm以下、好ましくは、80mm以下である。
図3は、本発明の接木の接合方法を説明する説明図である。
次いで、接木用粘着部材11を用いた台木21と接穂22との接合方法について説明する。
まず、図3Aに示すように、接木用粘着部材11を台木21の切断部23に被せる。
このとき、例えば、右手(一方の手)で接木用粘着部材11の保持部13をつまんで、接木用粘着部材11の貼付部12の下半分の内側に台木21の切断部23が配置されるように、接木用粘着部材11を位置決めする。
次いで、左手(他方の手)で接木用粘着部材11の貼付部12の上半分の内側に接穂22の切断部24を配置し、接穂22の切断面24Aを、台木21の切断面23Aに密着させる。
このとき、例えば、右手で接木用粘着部材11を保持しながら、左手で接穂22を把持して、接穂22の切断面24Aを、台木21の切断面23Aに密着させる。
これにより、台木21の切断面23Aと接穂22の切断面24Aとが密着されている部分、すなわち、台木21と接穂22との接合部分が、接木用粘着部材11の貼付部12の径方向内側に配置される(準備工程)。
次いで、図3Bに示すように、接木用粘着部材11の貼付部12を、台木21と接穂22との接合部分に貼付する。
このとき、例えば、左手で接穂22を支えながら、右手で貼付部12の直径を接合部分の直径に相当させるように調節する。詳しくは、右手で接木用粘着部材11の保持部13を保持しながら、右手の親指と人差し指とを貼付部12の径方向内方へ滑らせて、貼付部12の突き合わせ部分12Aを挟持する。
これにより、貼付部12のうちの挟持した部分の粘着層3同士を互いに貼り合わせるように貼付部12を徐々に縮径して、貼付部12のうちの挟持していない部分の粘着層3を接合部分に貼付する(貼付工程)。
その後、接合部分が活着するまで接合部分を養生する。
この接木用粘着部材11によれば、図2Bに示すように、筒形状の貼付部12に連続する保持部13を備えている。
そのため、接木するときに、図3Aに示すように、一方の手で接木用粘着部材11の保持部13を保持しながら、他方の手で接穂22を台木21に接合させることができる。また、接木用粘着部材11は、波長500nmの光の透過率が10%以上であって透明であり、台木21の切断面23Aと接穂22の切断面24Aとが密着されている部分、すなわち、台木21と接穂22との接合部分が確実に密着していることを確認することができる。
その後、図3Bに示すように、他方の手で接穂22を支え、一方の手で、保持部13を保持しつつ保持部13に連続する貼付部12の突き合わせ部分12Aを挟持して、貼付部12の直径を接合部分の直径に相当させるように調節できる。
その結果、台木21と接穂22との接合部分に接木用粘着部材11を容易に貼付することができる。
図4は、接木用粘着部材の変形例を示す。
上記した実施形態では、接木用粘着テープ1の所定方向一端部の粘着層3と、所定方向他端部の粘着層3とを互いに貼り合わせることにより、保持部13を形成している。しかし、保持部13を形成する方法は、特に限定されない。
例えば、図4Aに示すように、硬質のプラスチックなどからなる平板に、接木用粘着テープ1の所定方向一端部と所定方向他端部とを貼りつけて、保持部13とすることもできる。
また、例えば、図4Bに示すように、接木用粘着テープ1の所定方向一端部と所定方向他端部とを周方向に沿って貼り合わせて接木用粘着テープ1を円筒形状に形成した後、その周方向の任意の箇所において、粘着層3同士を径方向に沿って互いに貼り合わせて、保持部13とすることもできる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。なお、実施例中、配合割合を示す部および%は質量基準によるものである。また、実施例中の配合割合などの数値は、上記の実施形態において記載される対応箇所の上限値または下限値に代替することができる。
(1)接木用粘着部材の作製
実施例1
ポリオレフィンフィルム(厚さ60μm)からなる基材の一方面にアクリル系粘着剤(厚さ80μm)からなる粘着層が積層された接木用粘着テープを用意した。
(1)接木用粘着部材の作製
実施例1
ポリオレフィンフィルム(厚さ60μm)からなる基材の一方面にアクリル系粘着剤(厚さ80μm)からなる粘着層が積層された接木用粘着テープを用意した。
次いで、得られた接木用粘着テープを、その一端部と他端部とを径方向に沿って貼り合わせるように湾曲させて、円筒形状の貼付部と、平板形状の保持部とを有する接木用粘着部材を作製した。貼付部の直径は、5mmであった。保持部の幅は、15mmであった。接木用粘着部材の軸方向長さは、25mmであった。
実施例2
ポリエステルフィルム(厚さ38μm)からなる基材の一方面にポリエステル系粘着剤からなる粘着層(厚さ50μm)が積層された接木用粘着テープを用意した以外は、実施例1と同様にして、接木用粘着部材を作製した。
ポリエステルフィルム(厚さ38μm)からなる基材の一方面にポリエステル系粘着剤からなる粘着層(厚さ50μm)が積層された接木用粘着テープを用意した以外は、実施例1と同様にして、接木用粘着部材を作製した。
比較例1
紙(厚さ125μm)からなる基材の一方面にアクリル系粘着剤(厚さ140μm)からなる粘着層が積層された接木用粘着テープ(クラフトテープ)を用意した以外は、実施例1と同様にして、接木用粘着部材を作製した。
紙(厚さ125μm)からなる基材の一方面にアクリル系粘着剤(厚さ140μm)からなる粘着層が積層された接木用粘着テープ(クラフトテープ)を用意した以外は、実施例1と同様にして、接木用粘着部材を作製した。
比較例2
紙(厚さ80μm)からなる基材の一方面にアクリル系粘着剤(厚さ100μm)からなる粘着層が積層された接木用粘着テープ(マスキングテープ)を用意した以外は、実施例1と同様にして、接木用粘着部材を作製した。
(2)評価方法
<破断伸び>
各実施例および各比較例で得られた接木用粘着テープを1cm×13cmの大きさで切りだして、試験用サンプルを作製した。
紙(厚さ80μm)からなる基材の一方面にアクリル系粘着剤(厚さ100μm)からなる粘着層が積層された接木用粘着テープ(マスキングテープ)を用意した以外は、実施例1と同様にして、接木用粘着部材を作製した。
(2)評価方法
<破断伸び>
各実施例および各比較例で得られた接木用粘着テープを1cm×13cmの大きさで切りだして、試験用サンプルを作製した。
得られた試験用サンプルを、23℃、相対湿度50%の雰囲気下において、引張り試験機を用いて、チャック間距離5cm、引張り速度200mm/minの条件で引張試験(JIS K 6767(1999)に準ずる。)を実施した。
得られた応力−歪み曲線から、破断伸びを求めた。結果を表1に示す。
<透過率>
分光光度計(日立製作所製、U4100型分光光度計)を用いて、各実施例および各比較例で得られた接木用粘着テープの一方面に波長500nmの光(強度I0)を照射し、他方側へ透過した光の強度(I1)を測定して、透過率(I1/I0×100(%))を算出した。結果を表1に示す。
分光光度計(日立製作所製、U4100型分光光度計)を用いて、各実施例および各比較例で得られた接木用粘着テープの一方面に波長500nmの光(強度I0)を照射し、他方側へ透過した光の強度(I1)を測定して、透過率(I1/I0×100(%))を算出した。結果を表1に示す。
<生育状況>
各実施例および各比較例で得られた接木用粘着部材を用いて、トマトの苗木10本に、それぞれ接木した。そして、それらの苗木の1ヶ月後の生育状況を確認した。生育した苗木の本数を表1に示す。
各実施例および各比較例で得られた接木用粘着部材を用いて、トマトの苗木10本に、それぞれ接木した。そして、それらの苗木の1ヶ月後の生育状況を確認した。生育した苗木の本数を表1に示す。
なお、表1中、(A/B)において、Aは、生育した本数を示し、Bは、接木した本数を示す。
1 接木用粘着テープ
2 基材
3 粘着層
11 接木用粘着部材
12 貼付部
13 保持部
21 台木
22 接穂
2 基材
3 粘着層
11 接木用粘着部材
12 貼付部
13 保持部
21 台木
22 接穂
Claims (4)
- 台木と接穂との接合部分に貼付され、前記接合部分が活着するまで前記接合部分を養生するための接木用粘着テープであって、
粘着性を有さない基材と、粘着性を有し前記基材の一方面に積層される粘着層とを有し、
破断伸びが20%以上であり、
波長が500nmの光の透過率が10%を超過する
ことを特徴とする、接木用粘着テープ。 - 請求項1に記載の接木用粘着テープから筒形状に形成される貼付部と、
前記貼付部の径方向において前記貼付部から連続して外方へ延びる保持部と
を備え、
前記貼付部は、前記粘着層が前記径方向の内側に配置され、前記基材が前記径方向の外側に配置されるように形成されている
ことを特徴とする、接木用粘着部材。 - 前記保持部は、前記粘着層同士が互いに貼り合わされることにより形成されている
ことを特徴とする、請求項2に記載の接木用粘着部材。 - 台木と接穂との接合部分を、請求項2または3に記載の接木用粘着部材の前記貼付部の前記径方向の内側に配置する準備工程と、
前記貼付部の直径を前記接合部分の直径に相当させるように、前記貼付部の一部を前記径方向の外側から挟持して、前記貼付部のうちの挟持した部分の前記粘着層同士を互いに貼り合わすとともに、前記貼付部のうちの挟持していない部分の前記粘着層を前記接合部分に貼付する貼付工程と
を含むことを特徴とする、接木の接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013141447A JP2015012831A (ja) | 2013-07-05 | 2013-07-05 | 接木用粘着テープ、接木用粘着部材、および、接木の接合方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2013
- 2013-07-05 JP JP2013141447A patent/JP2015012831A/ja active Pending
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