JP2015012791A - 静電電動機 - Google Patents

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崇尋 今井
Takahiro Imai
崇尋 今井
升澤 正弘
Masahiro Masuzawa
正弘 升澤
長尾 和也
Kazuya Nagao
和也 長尾
大樹 山下
Daiki Yamashita
大樹 山下
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Abstract

【課題】固定子と可動子の電極が同じ位置関係にある状態から始動させることで、ロータの位置関係を検知する検知手段を用いることなく始動させ、逆方向への回転(移動)や脱調せずに安定した駆動を得ることを、その目的とする。
【解決手段】n相駆動であって(nは3以上の正の整数)、複数の電極を有する固定子(ステータ電極)と、固定子に対向するように配置され、複数の電極(ロータ電極)を有する可動子3とを備え、可動子の電極の極性が単極である静電電動機であり、始動時に、固定子の任意の1極に電圧を印加後、電圧印加した電極と隣接する一方の電極に電圧が印加されることで、始動位置が固定子の特定の極の電極と前記可動子の電極とが重なっている状態にされることで始動する。
【選択図】図2

Description

本発明は、静電電動機に関する。
DCブラシレスモータやSRモータなどロータの回転角度を検出して、一定角度ごとに励磁する相をスイッチングして回転を制御する電動機は既に知られている。角度検出にはロータリエンコーダや光学センサなどの検知手段を用いて、ロータの回転量を直接計測したり、ロータの位置を検出したりする方法や、巻線に流れる電流を検知して回転を間接的に検出する方法が用いられている。
しかし、今までの電動機では、始動時のステータとロータの位置を考慮せずに回転させると、逆方向への回転や、磁化速度が可動子の速度を超えてしまって脱調し、安定した回転が得られないといった問題も発生するため、始動時のロータとステータの位置関係を何らかの検出手段を用いて検出している。しかし、検出したロータとステータの位置に応じたパルスを始動時に出力して回転を始めなくてはならず、始動時の制御が複雑になるといった問題があった。また、強制励磁してロータ位置を初期化する方法もあるが、励磁するロータの電極に対してステータ側の電極がずれた関係になった場合、ロータが動かず、うまく始動できないという問題もある。特にレアアースフリーや、軽くて薄いなどの特徴を有する静電電動機において、エレクトレット材料を電極に用いた、移動するトルクが小さいため、ロータ側とステータ側の電極の位置関係の調整は重要となる。
特許文献1(特開2007‐228732号公報)には、センサレスのDCモータを始動させる目的で、始動パターンを含む駆動パターンが開示されている。特許文献1では、始動時に駆動時とは違う回転パルス信号をステータ側の電極に付与して、ステータ側の電極の初期位置の調整を行っている。しかし、特許文献1では、ロータの磁極位置とセンサターゲットと位置との関係を予め求めておき、それを利用しているので、ロータ側とステータ側の電極の位置関係が特定の位置から常に駆動させられないという問題がある。また、特許文献1の駆動方法では、モータごとに始動パターンが変わるので、あまり実用的とはいえない。
本発明は、固定子と可動子の位置関係を検知することなく、始動制御の簡略化を図りつつも、安定した駆動を得ることを、その目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る静電電動機は、n相駆動であって(nは3以上の正の整数)、複数の電極を有する固定子と、固定子に対向するように配置され、複数の電極を有する可動子とを備え、可動子の電極の極性が単極である静電電動機であり、始動時に、固定子の任意の1極に電圧印加後、電圧印加した電極と隣接する一方の電極に電圧が印加されることで、始動位置が固定子の特定の極の電極と可動子の電極とが重なっている状態にされることで始動することを特徴としている。
本発明によれば、始動時に、固定子の任意の1極に電圧を印加後、電圧印加した電極と隣接する一方の電極に電圧が印加することで、始動位置が固定子の特定の極の電極と可動子の電極とが重なっている状態とされるため、固定子と可動子の位置関係を検知することなく、始動制御の簡略化を図りつつも、安定した駆動を得ることができる。
本発明に係る静電電動機の第1の実施形態の主要構成をと示す斜視図。 (a)は第1の実施形態における固定子の構成を示す平面視図、(b)は(a)の断面図。 (a)は第1の実施形態における可動子の構成を示す平面視図、(b)は(a)の断面図。 本発明に係る静電電動機の第2の実施形態の概略構成を示す一部破断斜視図。 本発明に係る静電電動機の第3の実施形態の概略構成を示す斜視図。 固定子と可動子の電極数比率が3対2の場合における駆動制御を示すもので、(a)は電圧切替えと可動子の移動状態を模式的に示す図、(b)は固定子への印加する電圧の切替えパターンを示す図。 固定子と可動子の電極数比率が3対4の場合における、電圧切替えパターンと可動子の移動状態を模式的に示す図。 電荷の注入に用いるコロナ荷電装置の概略構成図。 本発明に係る静電電動機の電極位置合わせ制御の制御系の構成を示すブロック図。 固定子と可動子の電極の比率が3:2の場合の電極位置合わせ制御時のロータの移動状態を説明する図。 固定子と可動子の電極の比率が3:2の場合の電極位置合わせ制御時のロータの移動状態を説明する図。 固定子と可動子の電極の比率が5:4の場合の電極位置合わせ制御時のロータの移動状態を説明する図。 固定子と可動子の電極の比率が5:4の場合の電極位置合わせ制御時のロータの移動状態を説明する図。 固定子と可動子の電極の比率が3:4の場合の電極位置合わせ制御時のロータの移動状態を説明する図。 固定子と可動子の電極の比率が3:4の場合の電極位置合わせ制御時のロータの移動状態を説明する図。 固定子と可動子の電極の比率が5:8の場合の電極位置合わせ制御時のロータの移動状態を説明する図。 固定子と可動子の電極の比率が5:8の場合の電極位置合わせ制御時のロータの移動状態を説明する図。 固定子と可動子の電極の比率が4:3の場合の電極位置合わせ制御時のロータの移動状態を説明する図。 固定子と可動子の電極の比率が2:3の場合における固定子と可動子の電極の位置関係を説明する図。
以下、本発明に係る実施形態について図面を用いて説明する。なお各図面において、同一部材又は同一機能を有する部材には、基本的には同一の符号を付し、重複説明は適宜省略する。
最初に、本発明に係る静電電動機の構成について説明し、次に本発明の主要部となる始動前の電極位置合わせ制御について説明する。
図1、図2、図3を用いて、本発明に係る静電電動機としての、アキシャルギャップ型の静電モータ1について説明する。図1に示すように、静電モータ1は薄い平面上に複数の電極としてのパターン電極5を形成した固定子2(以下「ステータ」と記す)と、複数の電極としてのパターン電極6を形成した可動子3(以下「ロータ」記す)と、駆動軸4を備えている。ステータ2とロータ3とは互いに対向して配置されていて、微小ギャップを保ちながら複数枚積層されて図示しないケーシング内に収納されている。ケーシングから突出する駆動軸4は金属製で、ロータ3だけに連結されていて、ロータ3が回転移動することで一体回転するように構成されている。ステータ2とロータ3の間に微小ギャップを設ける方法としては、例えば特開2005−278324号公報に記載のように数十μmのビーズをステータ2とロータ3の間に入れることや、特開2005−210852号公報に記載のようにロータ3の側面にスペーサを挟む周知技術を用いて達成することができる。
ステータ2に形成されたパターン電極5には、ここでは、3相の配線が3つのパターン電極5を1組としてそれぞれ接続されている。つまり、ステータ2はn相駆動であって(nは3以上の正の整数)の複数の電極を有している。この3相の配線はU、V、Wと記載する。ロータ3に形成された複数のパターン電極6には、単相の配線7が接続されている。ロータ3への給電は、スリップリング8と呼ばれる内面に給電ブラシがついたものを駆動軸4に装着し、このスリップリング8に配線7を接続することで、駆動軸4経由で行なわれる。図1に示す第1の実施形態では、ステータ2のパターン電極5にU、V、Wの3相の配線を接続して極数を3相として構成しているが、ステータ2側の相数は3相に限定されるものではなく、4相〜6相の範囲で適宜選択することができる。
図2を用いてステータ2の構成についてより詳細に説明する。
ステータ2は、図2(a)、図2(b)に示すように、中心に貫通孔2Cを有する円環状の基板2A上にパターン電極5が形成されている。基板2Aは、例えばガラス、セラミックス、ガラスエポキシ樹脂、ポリイミド等の絶縁体で構成されている。基板2A上に形成されたパターン電極5は、複数の金属電極をパターン化して形成したもので、それぞれの個別電極に3相配線が行われている。図2の例では、U、V、Wの1組の配線のみを例示している。本実施形態において、U配線が成されてU電極となる個別電極には符号5Aを付し、V配線が成されてV電極となる個別電極には符号5Bを付し、W配線が成されてW電極となる個別電極には符号5Cを付して区別している。基板2Aの貫通孔2Cには、駆動軸4が絶縁部材を介してあるいは非接触状態で挿入される。パターン電極5の電極形状は、図2(a)に示すように、放射状のパターンとして形成されている。また、パターン電極5の各個別電極5A、5B、5Cは、エッジからの絶縁破壊を防ぐために、曲率化処理を行うこともある。
図3を用いてロータ3の構成についてより詳細に説明する。
ロータ3は、図3(a)に示すように、中心に貫通孔3Cを有する円環状の基板3A上にパターン電極6が形成されている。パターン電極6は、基板3Aの表面に、積層された導電層3Bを介して形成されている。本実施形態において、パターン電極6は、帯状パターン膜に電荷を注入したエレクトレット材料によりエレクトレット電極として形成されている。ここでエレクトレットとは、フッ素樹脂などの絶縁体に電場を加えて電気分極(正と負の電気に分かれた状態)を起させ、その状態が半永久的に保持されているものをいう。本実施形態の場合、図3(b)に示すように、金属製の基板3Aに導電層3Bを形成しているので、電場を加えた際の電気分極の状態が安定するので、パターン電極6をエレクトレット電極として安定した状態で形成することができる。
本実施形態のように基板3Aの同一平面上に形成されるエレクトレット電極となる個別電極6Aは、全て+極あるいは−極の何れかの同一極(単極)に帯電させて、単極の電極とした。このため、製造上容易に形成することができる。
このようにステータ2のパターン電極5に、エレクトレットされたパターン電極6を形成されたロータ3を近づけると、ステータ2とロータ3の間に電界が生じるため、ロータ3に給電手段が不要になり、モータ構造が大幅に簡素化できる。さらに、ロータ3のエレクトレット電極(パターン電極6/個別電極6A)の表面電荷密度を向上させることによって、ステータ2側に印加する3相の交流電圧を低減することができる。このため、低電圧駆動が可能になり、モータ本体だけでなく駆動ドライバも小型化することができる。また、ロータ3に給電しない場合よりも、パターン電極5、6間の静電気のクーロン力を多く得ることができ、十分な駆動力を得ることができる。
(第2の実施形態)
次に図4を用いて第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、静電電動機としてラジアルギャップ型の静電モータ10を示している。図4に示すように、静電モータ10は、円筒状の固定子となるステータ12と、ステータ12内に配置された可動子となる円柱状のロータ13とを備えている。ステータ12とロータ13とは半径方向に隙間Dを有するように配置されていて、それぞれに電極として形成されたパターン電極15とパターン電極16が接触しないように構成されている。パターン電極15は、線方向に延在し、絶縁性のステータ12の内周面12Aの周方向に、複数の金属電極をパターン化して形成したもので、それぞれの個別電極に3相配線が行われている。図4の例では、U、V、Wの1組の配線のみを例示している。本実施形態において、U配線が成されてU電極となる個別電極には符号15Aを付し、V配線が成されてV電極となる個別電極には符号15Bを付し、W配線が成されてW電極となる個別電極には符号15Cを付して区別している。
円筒状のロータ13の外周面13Aには、複数のエレクトレット材料で構成されたパターン電極16が形成されている。パターン電極16は、外周面13A上に導電層を介して金属により複数の個別電極16Aが軸線方向に延在し、周方向に形成されている。各個別電極16Aに、単相の配線7がスリップリング8、駆動軸14を介して接続されている。本形態では、ロータ13の回転中心に金属製の駆動軸14が装着されていて、駆動軸14と金属電極16Aとがロータ内部で接触している。
このような構成において、ステータ12の各個別電極15A、15B、15Cに3相交流電流を流すとともに、ロータ13の個別電極16Aを−極とし、個別電極15A、15B、15Cの極を、順次切り替えることで、ステータ12とロータ13間に静電気のクーロン力が作用する。このクーロン力は、ロータ13の個別電極16Aの−極に対して+極となるステータ側の個別電極との間には引力が発生し、−極となるステータ側の個別電極との間には斥力が発生する。このため、個別電極15A、15B、15Cの極の切換え方向、すなわち、各相で発生する電界の合成磁界が順次方向を変えて移動する方向にステータ13を移動することができる。また、本実施形態のように、ロータ13のパターン電極16の各個別電極16Aが単極であることで、ロータ13への給電手段が簡素化でき、駆動ドライバの部品も少なくて済むことから、小型化を図り易くなる。また、ロータ13に給電しない場合よりも、パターン電極15、16間の静電気のクーロン力を多く得ることができ、十分な駆動力を得ることができる。
第1の実施形態のようにアキシャルギャップ型は放射状に電極パターン5Aを形成する際、内周と外周の長さが異なるためピッチが可変するが、本実施形態のようにラジアル型の場合、ピッチが可変するということはなく、組み付けが容易である。また、ラジアルギャップ型の場合、各電極の軸線方向の長さを長くすることによりトルクの増大を図ることができる。個別電極15A、15B、15Cに対する極の切換え制御については、後述する。
(第3の実施形態)
次に図5を用いて第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、静電電動機としてリニア型の静電電動機20を説明する。基本的な構成はアキシャルギャップ型、ラジアルギャップ型と同じであり、複数の電極としてのパターン電極25を備えた固定子としてのステータ22と、複数の電極としてのエレクトレット材料で構成されたパターン電極26を備えた可動子23とが互いて隙間Dを持って構成されている。
ステータ22は、絶縁性の基板22A上に複数のパターン電極25が可動方向と直交する方向に延在し、可動方向に間隔を空けて形成されている。基板22A上に形成された複数のパターン電極25は、複数の金属電極をパターン化して形成したもので、それぞれの個別電極に3相配線が行われている。本形態にでは、U、V、WのA組の配線のみを例示している。本実施形態において、U配線が成されてU電極となる個別電極には符号25Aを付し、V配線が成されてV電極となる個別電極には符号25Bを付し、W配線が成されてW電極となる個別電極には符号25Cを付して区別している。
可動子23は、基板23A上に金属により複数の個別電極26Aが可動方向と直交する方向に延在し、可動方向に間隔を空けて形成されている。パターン電極26は、基板23A上に導電層を介して金属により複数の個別電極26Aが形成されていて、各個別電極26Aに単相の配線7が接続する。
このような構成において、ステータ22の各個別電極25A、25B、25Cに3相交流電流を流すとともに、可動子23の個別電極26Aを−極とし、個別電極25A、25B、25Cの極を、順次切り替えることで、ロータ22と可動子23間に静電気のクーロン力が作用する。このクーロン力は、可動子23の個別電極26Aの−極に対して+極となるステータ側の個別電極との間には引力が発生し、−極となるステータ側の個別電極との間には斥力が発生する。このため、個別電極25A、25B、25Cの極の切換え方向、すなわち、各相で発生する電界の合成磁界が順次方向を変えて移動する方向に可動子23を移動することができる。また、本実施形態のように、可動子23のパターン電極26の各個別電極26Aが単極であることで、可動子23への配線を簡略化することができるので、静電電動機20および印加するための駆動ドライバの小型化、軽量化を図ることができる。可動子23に給電しない場合よりも、パターン電極25、26間の静電気のクーロン力を多く得ることができ、十分な駆動力を得ることができる。
リニア型の静電電動機の特徴としては、回転型であるアキシャルギャップ型やラジアルギャップ型に比べて、電極パターン25、26の寸法精度が緩和でき、比較的製作しやすい点にある。このようなリニア型の静電電動機20の場合、可動子23への給電手段が簡素化でき、駆動ドライバの部品も少なくて済むことから、小型化を図り易くなる。また、ポリイミドフィルムを基材として、ロータ22および可動子23を作製することも可能である。
次に上述した静電電動機の駆動原理となる極性切換え制御の実施形態について説明する。
(第4の実施形態)
図6(a)は、固定子と可動子の各個別電極と、各個別電極への電圧の印加状態を模式的に示し、図6(b)は固定子へ印加する電圧の切替パターンを示す。本形態では可動子(ロータ)側は1相であり、固定子側は3相交流電圧を印加するようにしている。そして、固定子と可動子の個別電極数の比率を、固定子側が可動子側よりも大きくして異なるようにしている。図6の例では、固定子の個別電極を400極とし、可動子の個別電極を300極としている。図6(a)は、回転角度0°を開始位置として回転角度0.6°まで移動した状態を示している。
本実施形態では、可動子は単相に接続して−極(マイナス極)に給電した状態であり、エレクトレットの場合は−帯電した状態とする。ここでは、説明上、便宜的に−極(マイナス極)としたが、+極(プラス極)としてもよい。
固定子側は、図6(b)に示すように、3相交流に給電し、所定角度(ここでは0.1°)毎に、V電極、W電極、U電極に対して+極、0、−極に電極の極性切換え制御がなされている。なお、所定角度は0.1°に限定されるものではない。
このように各個別電極を定義した場合、固定子の+極と可動子の−極の間には引力が発生する。同時に固定子の−極と可動子の−極の間には斥力が発生する。固定子の0と可動子の−極の間には引力が発生するが、固定子の+極と可動子の−極の間に発生する引力に比べて小さい。図6(a)の例では、これら引力と斥力(静電気のクーロン力)を利用して可動子が右方向へ移動する。このように固定子の電極にかける電圧を角度毎に+、0、−に極性切換え制御すべくスイッチングさせることで、可動子は右方向に持続的に移動する。すなわち、図6に示す極性切換え制御では、斥力と引力の双方を駆動力として利用しているので、十分な駆動力を得ることができる。
この極性切換え制御を、第1、2の実施形態で示した各静電モータに適用することで、駆動軸4、14を持続的に回転駆動することができ、第3の実施形態で示した静電電動機20に利用することで、モータ以外のリニア型の静電電動機の駆動を持続的に行うことができるようになる。
このような静電電動機の駆動方法とすることにより、可動子が単相であっても駆動することができるので、実用上十分な駆動トルクと剛性を実現しつつも、小型・軽量・薄型の静電電動機を実現することができる。
(第5の実施形態)
図7を用いて、極性切換え制御の別な実施形態について説明する。
図7は、固定子と可動子の各個別電極と、各個別電極への電圧の印加状態を模式的に示す。本実施形態では可動子(ロータ)側は1相であり、固定子側はパルス電圧を印加するようにしている。そして、固定子と可動子の個別電極数の比率を、固定子側よりも可動子側を大きくして異ならせている。図7の例では、固定子の個別電極を450極とし、可動子の個別電極を600極としている。図7は、回転角度0°を開始位置として回転角度0.2°まで移動した状態を示している。
本実施形態では、可動子は単相に接続して−極(マイナス極)に給電した状態であり、エレクトレットの場合は−帯電した状態とする。ここでは、説明上、便宜的に−極(マイナス極)としたが、+極(プラス極)としてもよい。
固定子側は、パルス電圧に給電し、ここでは、V電極、W電極、U電極に対して初期において+極、−極、−極とし、第1の所定角度(0.15°)移動後に電極の極性切換え制御を行って+極、+極、−極とし、第2の所定角度(0.2°)となると、電極の極性切換え制御を行って−極、+極、−極とする。
このように各個別電極を定義した場合、固定子の+極と可動子の−極の間には引力が発生し、この引力を利用して可動子が図中、右方向へ移動する。このように固定子の個別電極への電圧の極性切換え制御をすべくスイッチングさせることで、可動子は右方向に持続的に移動する。すなわち、図7に示す極性切換え制御では、引力のみを駆動力として利用している。そしてこの実施形態の場合、固定子の+極と可動子の−極とが対向して引力が作用する極数が増えることで、駆動トルクが増大することになり、十分な駆動力を得ることができる。
この極性切換え制御を、第1、第2の実施形態で示した各静電モータに適用することで、駆動軸4、14を持続的に回転駆動することができ、第3の実施形態で示した静電電動機20に利用することで、モータ以外のリニア型の静電電動機の駆動を持続的に駆動することができるようになる。
次に固定子と可動子の電極数比率について説明する。
図6に示すように固定子と可動子の個別電極の電極数比率が3:2の場合と、図7に示すように固定子と可動子の個別電極の電極数比率が3:4の場合の駆動原理を説明する。電極数比率が3:2の場合は、上記で記載した通り、引力と斥力を利用した駆動方法とする。この駆動方法は可動子の電極パターン(個別電極)が第4の実施形態で示したエレクトレットの場合は問題ないが、可動子が単なる電極の場合は斥力を働かせるために大きな電圧(数kV〜)を必要とする。このことは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の静電アクチュエータの分野では知られており、静電アクチュエータは引力駆動が一般的である。
そこで、可動子がエレクトレットではない電極の場合は、引力のみによって駆動する方法を考えると、電極数比率は図6に示すように3:4とするのが好ましい。これは固定子と可動子の電極数比率を3:4にし、図7に示した電極の極性切換え制御を行なうことで、引力によって、可動子が図7中、持続的に右方向へと移動することになる。電極数比率が3:4の電極の切換え制御は、単に電極の場合だけでなく、エレクトレット製の電極の場合に用いても構わない。このような駆動方法により、可動子が単極(単相)であって、斥力が弱い場合であって駆動力を得ることができ、可動子を継続して移動することができる。
次に、静電電動機の駆動力について説明する。
ここで静電電動機の推進力Fxtotalおよび平均トルクTを求める数式1、数式2を下記に記載する。
Figure 2015012791
Figure 2015012791
ε0:空気の誘電率
G:固定子・可動子間のギャップ[mm]
L:電極長さ[mm]
V:印加電圧[V]
N:電極数(固定子と可動子)
t:積層数(固定子と可動子)
r:外半径[mm]
r0:内半径[mm]
上記数式1、数式2から、トルクを増やすためには以下の方法が考えられる。
(1)電圧を上げる。
(2)固定子や可動子の基板に形成される電極数および積層数を増やす。
(3)固定子・可動子間のギャップを小さくする。
(4)各個別電極の長さを大きくする。
駆動トルクを増やすには(1)の電圧を上げる方法が一番効果的だが、絶縁破壊の課題や駆動ドライバが大型化する課題がある。このため、最大でも印加電圧を1kV程度しか上げることができない。また、(3)の固定子・可動子間のギャップを小さくする方法も機械公差や回転時のブレの観点から大変難しく、実現できたとしてもコストが大幅にアップしてしまう。(4)の各個別電極の長さを大きくすることは、静電電動機が大型化してしまう。
このような観点から、静電電動機の小型化を実現しつつ、駆動トルクを増やすには(2)の固定子や可動子の基板に形成される個別電極数および積層数を増やす方法が好ましい。
次に固定子および可動子の製造方法について説明する。
本発明に係る固定子および可動子の製造方法は、既存技術が使用できる。例えば特開2012−257368号公報に記載の方法が挙げられる。
(電極形成工程)
固定子および可動子のパターン電極の形成方法としては、特に限定されず、公知の方法を利用できる。具体的には、たとえば基板上に導電性薄膜を形成し、該導電性薄膜をパターニングする方法が挙げられる。導電性薄膜の形成方法としては、物理的蒸着法、無電解めっき法等が挙げられる。物理蒸着法としては、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等が挙げられる。
無電解めっき法とは、金属塩、還元剤等を含む無電解めっき液に、表面に触媒が付着した基板を浸漬し、還元剤から生じる電子の還元力によって、触媒が付着した基板表面において選択的に金属を析出させ、無電解めっき膜を形成する方法である。無電解めっき液に含まれる金属塩としては、ニッケル塩(硫酸ニッケル、塩化ニッケル、次亜リン酸ニッケル等。)、第二銅塩(硫酸銅、塩化銅、ピロリン酸等。)、コバルト塩(硫酸コバルト、塩化コバルト等。)、貴金属塩(塩化白金酸、塩化金酸、ジニトロジアンミン白金、硝酸銀等。)等が挙げられる。無電解めっき液に含まれる還元剤としては、次亜リン酸ナトリウム、ホルムアルデヒド、テトラヒドロほう酸ナトリウム、ジアルキルアミンボラン、ヒドラジン等が挙げられる。
無電解めっき法により導電性薄膜を形成する場合、導電性薄膜を形成する前に、予め、基板の表面に触媒を付着させておくことが好ましい。無電解めっき法に用いる触媒としては、金属微粒子、金属を担持した微粒子、コロイド、有機金属錯体等が挙げられる。
導電性薄膜のパターニングは、フォトリソグラフィー法とウェットエッチング法の組み合わせ、ナノメタルインク等を印刷することによる配線形成、等により実施できる。例えばフォトリソグラフィー法とウェットエッチング法の組み合わせによるパターニングは、導電性薄膜上にフォトレジストを塗布してレジスト膜を形成した後、該レジスト膜に対し、露光、現像を行うことでパターン(レジストマスク)を形成し、該レジストマスクをマスクとして導電性薄膜をエッチングすることにより実施できる。
導電性薄膜のエッチングは、例えばエッチング液として導電性薄膜を溶解する液体(通常は酸性溶液)を用いたウェットエッチングにより実施できる。また、ナノメタルインク等を印刷する方法としてはスクリーン印刷法、インクジェット法またはマイクロコンタクトプリンティング法等を用いることができる。ナノメタルインクとは前述の導電性材料のナノ粒子を有機溶媒や水等に分散させたインクのことをいう。
(パターン膜形成工程)
パターン膜の形成方法としては、特に限定されず、公知のパターニング技術を利用できる。具体例として、たとえば下記方法(Ia)〜(Ie)等が挙げられる。
方法(Ia):前記パターン電極が形成された基板上に、前記含フッ素重合体(A)を含むコーティング液を塗布し、ベークしてコーティング膜を形成し、該コーティング膜を、エッチングにより、前記パターン電極に対応するパターンにパターニングして前記パターン膜を形成する方法。
方法(Ib):電極付き基板上に、前記コーティング液を塗布し、ベークしてコーティング膜を形成し、該コーティング膜上に、パターン電極に対応するパターンでパターニングされたレジスト膜を形成し、該レジスト膜をマスクとして前記コーティング膜をドライエッチングして、該レジスト膜の形状を前記コーティング膜に転写する方法。
方法(Ic):電極付き基板上に、前記コーティング液を塗布し、ベークしてコーティング膜を形成し、該コーティング膜を、インプリント法により、前記パターン電極に対応するパターンにパターニングして前記パターン膜を形成する方法。
方法(Id):電極付き基板上に、前記コーティング液の印刷により、前記パターン電極を被覆し、該パターン電極に対応するパターンで形成されたパターン液層を形成し、乾燥して、パターン膜を形成する方法。
方法(Ie):電極付き基板表面に、前記パターン電極に対応する撥油・親油のパターニングを施した後、前記コーティング液のディップまたは印刷により、前記パターン電極を被覆し、該パターン電極に対応するパターンで形成されたパターン液層を形成し、乾燥して、パターン膜を形成する方法。
パターニング後、さらに、形成されたパターン膜の角(上面と側面との連絡部分)を曲面とするための処理(曲面化処理)を行ってもよい。該曲面化処理方法としては、該パターン膜を熱処理する方法、該パターン膜をウェットエッチングする方法、該パターン膜上にポリマー溶液を塗布してポリマー膜を形成し、該ポリマー膜をドライエッチングする方法等が挙げられる。これらの中でも、熱処理する方法が好ましい。特に、コーティング液としてシランカップリング剤を含有するものを用いる場合、熱処理を行うことで、保持した電荷の熱安定性がさらに向上する。上記方法(Ia)〜(Ie)や曲面化処理については、特開2011−50212号公報に記載の方法により実施できる。
(電荷注入工程)
上述のようにして形成されたパターン膜に電荷を注入することで、該パターン膜をエレクトレットとすることができる。
電荷の注入方法としては、一般的に絶縁体を帯電させる方法であれば手段を選ばずに用いることができる。たとえば、G.M.Sessler, Electrets Third Edition,pp20,Chapter2.2“Charging and Polarizing Methods”(Laplacian Press, 1998)に記載のコロナ放電法、電子ビーム衝突法、イオンビーム衝突法、放射線照射法、光照射法、接触帯電法、液体接触帯電法等が適用可能である。本発明においては特にコロナ放電法、電子ビーム衝突法を用いることが好ましい。
コロナ放電法による電荷の注入方法の一例を、図8を用いて説明する。図8は、電荷の注入に用いるコロナ荷電装置の概略構成図である。コロナ荷電装置においては、コロナ針72と、電極73とが対向配置され、直流高圧電源装置71(たとえばHAR−20R5;松定プレシジョン製)により、コロナ針72と電極73との間に高電圧を印加できるように構成されている。コロナ針72と電極73との間にはグリッド74が配置され、該グリッド74にはグリッド用電源75からグリッド電圧を印加できるように構成されている。パターン膜に注入される電荷の安定を図るため、ホットプレート76によって、電荷注入工程中のパターン膜をガラス転移温度以上に加熱できるように構成されている。符号77は電流計である。このコロナ荷電装置の電極73上に、パターン膜が形成された基板を戴置し、ホットプレート76によって加熱し、グリッド用電源75からグリッド74にグリッド電圧を印加するとともに、直流高圧電源装置71によりコロナ針72と電極73との間に高電圧を印加する。これにより、コロナ針72から放電した負イオンが、グリッド74で均一化された後、電極73上に戴置したガラス基板61表面のパターン膜上に降り注ぎ、電荷が注入されることで、エレクトレットの電極パターン(個別電極)を得ることができる。
次に、静電電動機の始動前の電極位置合わせ制御について説明する。
静電電動機の構成としては第1の実施形成で説明した静電モータ1を例に説明する。静電モータ1は、ロータ3の回転角度を検出して、角度ごとに電圧を印加する相(電極)をスイッチングして回転を制御されるものであり、次の特徴を有している。要するに、駆動前に特定のパルスをステータ2の個別電極5A〜5Cに印加することで始動時のステータ2とロータ3の位置関係(電極位置関係)が毎回同じになった状態で始動させることができるということが特徴になっている。
図9に示すように、静電モータ1には、駆動軸4の回転を検出する回転検出部104が装着されている。回転検出部104としては、主にロータリエンコーダや光学センサを用い、駆動軸4の回転を検出している。回転検出部104で検出された回転量は、制御部103に入力される。制御部103は、演算部、記憶部を備えたコンピュータで構成されていて、スイッチング部102を介して静電モータ1と接続されている。制御部103は、回転検出部104で検出された回転量に応じて電力を供給する個別電極5A〜5Cの各相(U、V、W)を決める制御信号106を生成する。スイッチング部102は、制御部103からの制御信号106を受けると作動し、静電モータ1の個別電極5A〜5Cの各相に制御部103の決定に応じた電力が供給する。スイッチング部102と制御部103は、静電モータ1とは、別体で設けられている。
以下、図10〜19を用いて、ステータ2とロータ3の電極位置合わせ制御について順次説明する。
図10、図11を用いて、3相駆動時の電極位置合わせ制御について説明する。電極位置合わせ制御は、始動制御として行われる。
以降、ステータ2とロータ3の位置関係が分かり易いので、ステータ2とロータ3を展開した状態をイメージした図を用いて説明していく。また、ロータ3のエレクトレット材料を用いて形成された個別電極6A(以下「ロータ電極」と称す)は、−極(負)に帯電されており、それに対して引力を発生させる+極(正)の電圧をステータ2の個別電極5A〜5C(以下「ステータ電極」と称す)に印加するものとする。なお、ステータ電極には3相線が接続されているため、ここでは便宜的に数字1,2,3を付し、それぞれ第1相、第2相、第3相を示すものとする。
図10、図11に示す静電モータ1は、ステータ電極とロータ電極の比が3:2、つまりn:n−1の場合を示す。各図において図10(a)のA、図10(b)のA、図11(a)のA、図11(b)のAはそれぞれ制御前の電極の状態、図10(a)のB、図10(b)のB、図11(a)のB、図11(b)のBはそれぞれ制御時の電極の状態、図10(a)のC、図10(b)のC、図11(a)のC、図11(b)のCはそれぞれ制御後の状態を示す。
静電モータ1の始動時のステータ電極とロータ電極の位置は、概ね以下の2パターンが考えられる。図10(a)のA、図10(b)のA、図11(a)のAに示すように、いずれかの相のステータ電極とロータ電極が重なった状態、つまり、引力を発生させれば、ロータ3を引き寄せられる位置にあるか、図11(b)のAの第1相のように、ロータ電極間の中心にステータ電極の中心が位置し、引力も斥力も働かない場合がある。図10(a)のA、図10(b)のA、図11(a)のAに示すように、ステータ2のいずれかの相のステータ電極とロータ電極が重なった状態にあれば、いずれかの相(電極)に電圧を印加して、引力を発生させれば、電圧印加した相とのステータ電極、ロータ電極が重なった位置になるが、図11(b)のAに示した第1相のように、ロータ電極間の中心にステータ電極の中心がきて引力も斥力も働かなくなった状態では、第1相に電圧を印加してもステータ電極とロータ電極が重なることはない。そのため、例えば第1相に電圧を印加して、第1相のステータ電極とロータ電極が重なった状態から駆動を開始しようとしても、場合によってはそうなっていない可能性がある。
そこで、任意の1極(ここでは第1相)に電圧を印加後、電圧印加した電極となるステータ電極の第1相と隣接する一方の電極となるステータ電極(ここでは第2相)に電圧を印加することで、始動位置がステータ2の特定の極の電極とロータ3の電極とが重なっている状態になるようにすればよい。
図10(a)のAは、ステータ電極の第1相がロータ電極と重なっている。このため、第1相に電圧を印加すると、ロータは動かず、図10(a)のBの状態(変化なし)となる。その状態で、ステータ電極の第2相に電圧を印加すると、引力によってロータ3は左に動き、図10(a)のCに示すようにステータ電極の第2相とロータ電極とが重なった位置で停止する。
図10(b)のAは、第2相のステータ電極がロータ電極と重なっている。このため、ステータ電極の第1相に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって右に動き、図10(b)のBの位置となる。その状態で、第2相に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって左に動き、図10(b)のCに示すように、第2相のステータ電極とロータ電極とが重なった位置で停止する。
図11(a)のAは、第3相のステータ電極がロータ電極と重なっている。このため、ステータ電極の第1相に電圧を印加すると、ロータは引力によって左に動き、図11(a)のBの位置となる。その状態で、ステータ電極の第2相に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって左に動き、図11(a)のCに示すように、第2相のステータ電極とロータ電極とが重なった位置で停止する。
これらに対し、図11(b)のAは、第1相のステータ電極はロータ電極間の中心にある。この第1相に電圧を印加すると、ロータ3は動かず、図11(b)のBの状態(変化なし)となる。そこで、第2相のステータ電極に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって右に動き、図11(b)のCに示すように、第2相のステータ電極とロータ電極とが重なった位置で停止する。
すなわち、ステータ電極の第1相に1回目の電圧を印加後、隣接する第2相に2回目の電圧を印加することで、常に第2相のステータ電極とロータ電極とが重なった位置となる。この位置をステータ2とロータ3の初期位置とする。そして、例えばロータ3を図10、図11において右に移動させる場合、このような電極位置合わせ制御(始動制御)によって初期位置に置かれているステータ2の第3相に電圧を印加する。そのときの回転角度を図9に示した回転検出部104で検出し、検出した回転角度を応じて電力を供給する相を決める制御信号106を制御部103で生成する。そして、制御部103からの制御信号106に応じてスイッチング部102で静電モータ1の個別電極5A〜5Cの各相(U、V、W)に制御部103の決定に応じた電力が供給すべくスイッチングする。
このように始動前の電極位置合わせ制御後においては、回転検出部104で検出したロータ3の回転角度を元にスイッチングさせていけばよいので、始動制御の簡略化を図りつつも、スムーズに静電モータ1を始動させることができる。また、始動前に電極位置合わせ制御を実行することで、常に同じ条件から始動させることができるため、始動時の制御を容易に行なうことができるとともに、角度制御も安定し、脱調のリスクが低減して安定した駆動を得ることができる。
図12、図13を用いて、5相駆動時の電極位置合わせ制御について説明する。
図12、図13に示す静電モータ1は、ステータ電極とロータ電極の比が5:4、つまりn:n−1の場合を示す。各図において図12(a)のA、図12(b)のA、図13(a)のA、図13(b)のAはそれぞれ制御前の状態、図12(a)のB、図12(b)のB、図13(a)のB、図13(b)のBはそれぞれ制御時の状態、図12(a)のC、図12(b)のC、図13(a)のC、図13(b)のCはそれぞれ制御後の状態を示す。
静電モータ1の始動時のステータ電極とロータ電極の位置は、図12(a)のA、図12(b)のA、図13(a)のAに示すように、いずれかの相のステータ電極とロータ電極が重なった状態、つまり、引力を発生させれば、ロータ3を引き寄せられる位置にあるか、図13(b)のAの第1相のように、ロータ電極間の中心にステータ電極の中心が位置し引力も斥力も働かない場合がある。
そこで、任意の1極(ここでは第1相)に電圧を印加後、電圧印加した電極となるステータ電極の第1相と隣接する一方の電極となるステータ電極(ここでは第2相)に電圧を印加することで、始動位置がステータ2の特定の極の電極とロータ3の電極とが重なっている状態になるようにすればよい。
図12(a)のAは、ステータ電極の第1相がロータ電極と重なっている。このため、第1相に電圧を印加すると、ロータは動かず、図12(a)のBの状態(変化なし)となる。その状態で、ステータ電極の第2相に電圧を印加すると、引力によってロータ3は左に動き、図12(a)のCに示すように、ステータ電極の第2相とロータ電極とが重なった位置で停止する。
図12(b)のAは、第2相のステータ電極がロータ電極と重なっている。このため、ステータ電極の第1相に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって右に動き、図12(b)のBの位置となる。その状態で、第2相に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって左に動き、図12(b)のCに示すように、第2相のステータ電極とロータ電極とが重なった位置で停止する。
図13(a)のAは、第3相のステータ電極がロータ電極と重なっている。このため、ステータ電極の第1相に電圧を印加すると、ロータは引力によって右に動き、図13(a)のBの位置となる。その状態で、ステータ電極の第2相に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって左に動き、図13(a)のCに示すように、第2相のステータ電極とロータ電極とが重なった位置で停止する。
これらに対し、図13(b)のAは、第1相のステータ電極はロータ電極間の中心にある。この第1相に電圧を印加すると、ロータ3は動かず、図13(b)のBの状態(変化なし)となる。そこで、第2相のステータ電極に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって右に動き、図13(b)のCに示すように、第2相のステータ電極とロータ電極とが重なった位置で停止する。
すなわち、ステータ電極の第1相に1回目の電圧を印加後、隣接する第2相に2回目の電圧を印加することで、常に第2相のステータ電極とロータ電極が重なった位置となる。この位置をステータ2とロータ3の初期位置とする。
そして、例えばロータ3を図12、図13において右に移動させる場合、このような電極位置合わせ制御(始動制御)によって初期位置に置かれているステータ2の第3相に電圧を印加する。そのときの回転角度を図9に示した回転検出部104で検出し、検出した回転角度を応じて電力を供給する相を決める制御信号106を制御部103で生成する。そして、制御部103からの制御信号106に応じてスイッチング部102で静電モータ1の各相に制御部103の決定に応じた電力が供給すべくスイッチングする。
このように始動前の電極位置合わせ制御後においては、回転検出部104で検出したロータ3の回転角度を元にスイッチングさせていけばよいので、始動制御の簡略化を図りつつも、スムーズに静電モータ1を始動させることができる。また、始動前に電極位置合わせ制御を実行することで、常に同じ条件から始動させることができるため、始動時の制御を容易に行なうことができるとともに、角度制御も安定し、脱調のリスクが減り、安定した駆動を得ることができる。
本制御形態では、ステータ電極を5相駆動するようにしたが、例えば6相以上として駆動するようにしてもよい。
図14、図15は、3相駆動で、ステータ電極とロータ電極の比が3:4、つまりn:n+1または、n:(n−1)*2の静電モータ1の場合を示す。各図において図14(a)のA、図14(b)のA、図15(a)のA、図15(b)のAはそれぞれ制御前の状態、図14(a)のB、図14(b)のB、図15(a)のB、図15(b)のBはそれぞれ制御時の状態、図14(a)のC、図14(b)のC、図15(a)のC、図15(b)のCはそれぞれ制御後の状態を示す。
クーロン力を利用する静電モータ1は発生する引力、斥力は共に小さいので、より大きな駆動力を得るためには、電極間隔を狭くする必要がある。しかし駆動相数を増やすと制御が複雑になり、さらに制御回路も大型化するという問題がある。
そこで、ロータ3側の個別電極6Aの数のみを増やすという方法もある。この個別電極数、つまり、ロータ電極の数が増えることで、ステータ電極との間隔が狭まり、より強い駆動力をロータ3に伝えることができる。しかし、ロータ電極の数が増えると、駆動パルスの1周期で駆動する量が少なくなり、角度検出が難しくなってしまう。また、ステータ電極と、ロータ電極のバランスを考えると、多くてもn:(n-1)*2程度であることが望ましい。なぜなら、ロータ電極が増えすぎると、引力、斥力が共に複数の電極に作用し、移動方向と逆方向への力が加わってしまう可能性もあり、それを避けるために、ステータ電極を狭くすれば、電極間に隙間が大きくなり、その間に電極を設けた方がより高い駆動力を得ることができるようになる。また、図14、図15に示したように、ロータ電極数が増えても始動方法は変えずに始動させることができる。
図14、図15に示す場合、任意の1極(ここでは第1相)に電圧を印加後、電圧印加した電極となるステータ電極の第1相と隣接する一方の電極となるステータ電極(ここでは第2相)に電圧が印加されることで、始動位置が固定子の特定の極の電極と可動子の電極とが重なっている状態にされるようにする。
図14(a)のAは、ステータ電極の第1相がロータ電極と重なっている。このため、第1相に電圧を印加すると、ロータは動かず、図14(a)のBの状態(変化なし)となる。その状態で、ステータ電極の第2相に電圧を印加すると、引力によってロータ3は右に動き、図14(a)のCに示すように、ステータ電極の第2相とロータ電極とが重なった位置で停止する。
また、図14(b)のAは、第2相のステータ電極がロータ電極と重なっている。このため、ステータ電極の第1相に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって左に動き、図14(b)のBの位置となる。その状態で、第2相に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって右に動き、図14(b)のCに示すように、第2相のステータ電極とロータ電極とが重なった位置で停止する。
図15(a)のAは、第3相のステータ電極がロータ電極と重なっている。このため、ステータ電極の第1相に電圧を印加すると、ロータは引力によって右に動き、図13(a)のBの位置となる。その状態で、ステータ電極の第2相に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって右に動き、図15(a)のCに示すように、第2相のステータ電極とロータ電極とが重なった位置で停止する。
これらに対し、図15(b)のAは、第1相のステータ電極はロータ電極間の中心にある。この第1相に電圧を印加すると、ロータ3は動かず、図15(b)のBの状態(変化なし)となる。その状態で、第2相のステータ電極に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって左に動き、図13(b)のCに示すように、第2相のステータ電極とロータ電極とが重なった位置で停止する。
すなわち、ステータ電極の第1相に1回目の電圧を印加後、隣接する第2相2回目の電圧を印加することで、常に第2相のステータ電極とロータ電極が重なった位置となる。この位置をステータ2とロータ3の初期位置とする。
そして、例えばロータ3を図14、図15において右に移動させる場合、このような初期位置制御によって初期位置に置かれているステータ2のステータ電極の第3相に電圧を印加する。そのときの回転角度を図9に示した回転検出部104で検出し、検出した回転角度を応じて電力を供給する相を決める制御信号106を制御部103で生成する。そして、制御部103からの制御信号106に応じてスイッチング部102で静電モータ1の個別電極の各相に制御部103の決定に応じた電力が供給すべくスイッチングする。
このように始動前の電極位置合わせ制御後においては、回転検出部104で検出したロータ3の回転角度を元にスイッチングさせていけばよいので、始動制御の簡略化を図りつつも、スムーズに静電モータ1を始動させることができる。また、始動前に電極位置合わせ制御を実行することで、常に同じ条件から始動させることができるため、始動時の制御を容易に行なうことができるとともに、角度制御も安定し、脱調のリスクが減り、安定した駆動を得ることができる。
図16、図17は、5相駆動で、ステータ電極とロータ電極の比が5:8、つまりn:(n−1)*2の静電モータ1の場合を示す。5相駆動でも、3相駆動同様に、ロータ電極数を倍にしても、始動方法を変えずに始動させることができる。
各図において図16(a)のA、図16(b)のA、図17(a)のA、図17(b)のAはそれぞれ制御前の状態、図16(a)のB、図16(b)のB、図17(a)のB、図17(b)のBはそれぞれ制御時の状態、図16(a)のC、図16(b)のC、図17(a)のC、図17(b)のCはそれぞれ制御後の状態を示す。
図16、図17は、ロータ電極が多く、変化がわかり辛いが、図16(a)のBに示すように、第1相とロータ電極が重なっている場合、第2相の中心と、それに対向するロータ電極との間の中心はずれている。
そこで、図16、図17に示す場合、任意の1極(ここでは第1相)に電圧を印加後、電圧印加した電極となるステータ電極の第1相と隣接する一方の電極となるステータ電極(ここでは第2相)に電圧が印加されることで、始動位置が固定子の特定の極の電極と可動子の電極とが重なっている状態にされるようにする。
図16(a)のAは、ステータ電極の第1相がロータ電極と重なっている。このため、第1相に電圧を印加すると、ロータ3は動かず、図16(a)のBの状態(変化なし)となる。そこで、ステータ電極の第2相に電圧を印加すると、引力によってロータ3は左に動き、図16(a)のCの位置に示すように、ステータ電極の第2相とロータ電極とが重なった位置で停止する。
また、図16(b)のAは、第2相のステータ電極がロータ電極と重なっている。このため、ステータ電極の第1相に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって右に動き、図16(b)のBの位置となる。その状態で、第2相に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって左に動き、図16(b)のCに示すように、第2相のステータ電極とロータ電極とが重なった位置で停止する。
図17(a)のAは、第3相のステータ電極がロータ電極と重なっている。このため、ステータ電極の第1相に電圧を印加すると、ロータは引力によって左に動き、図17(a)のBの位置となる。その状態で、ステータ電極の第2相に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって左に動き、図17(a)のCの位置に示すように、第2相のステータ電極とロータ電極とが重なった位置で停止する。
図17(b)のAは、第1相のステータ電極はロータ電極間の中心にある。このため、第1相に電圧を印加すると、ロータ3は動かず、図17(b)のBの位置となる。その状態で、第2相のステータ電極に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって右に動き、図17(b)のCに示すように、第2相のステータ電極とロータ電極とが重なった位置で停止する。
すなわち、ステータ電極の第1相に1回目の電圧を印加後、隣接する第2相に2回目の電圧を印加することで、常に第2相のステータ電極とロータ電極が重なった位置となる。この位置をステータ2とロータ3の初期位置とする。
そして、例えばロータ3を図16、図17において右に移動させる場合、このような初期位置制御によって初期位置に置かれているステータ2のステータ電極の第3相に電圧を印加する。そのときの回転角度を図9に示した回転検出部104で検出し、検出した回転角度を応じて電力を供給する相を決める制御信号106を制御部103で生成する。そして、制御部103からの制御信号106に応じてスイッチング部102で静電モータ1の個別電極の各相に制御部103の決定に応じた電力が供給すべくスイッチングする。
このように始動前の電極位置合わせ制御後においては、回転検出部104で検出したロータ3の回転角度を元にスイッチングさせていけばよいので、始動制御の簡略化を図りつつも、スムーズに静電モータ1を始動させることができる。また、始動前に電極位置合わせ制御を実行することで、常に同じ条件から始動させることができるため、始動時の制御を容易に行なうことができるとともに、角度制御も安定し、脱調のリスクが減り、安定した駆動を得ることができる。
なお、図示しないが、ステータ電極とロータ電極の比が5:8ではなく、5:6で、つまりn:n+1の静電モータ1でも同様である。また、ステータ電極は6相以上でも同様である。
図18、図19は、4相駆動で、ステータ電極とロータ電極の比が4:3、つまりn:(n−1)の静電モータ1の場合を示す。
図18(a)のA、図18(b)のA、図18(c)のAはそれぞれ制御前の状態、図18(a)のB、図18(b)のB、図18(c)のBはそれぞれ制御時の状態、図18(a)のC、図18(b)のC、図18(c)のCはそれぞれ制御後の状態を示す。
図18に示す場合、任意の1極(ここでは第1相)に電圧を印加後、電圧印加した電極となるステータ電極の第1相と隣接する一方の電極となるステータ電極(ここでは第2相)に電圧が印加されることで、始動位置が固定子の特定の極の電極と可動子の電極とが重なっている状態にされるようにする。
図18(a)のAは、ステータ電極の第1相がロータ電極と重なっている。このため、第1相に電圧を印加すると、ロータは動かず、図18(b)のBの位置となる。その状態で、第2相のステータ電極に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって右に動き、図18(b)のCに示すように、第2相のステータ電極とロータ電極とが重なった位置で停止する。
また、図18(b)のAは、第2相のステータ電極がロータ電極と重なっている。このため、ステータ電極の第1相に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって右に動き、図18(b)のBの位置となる。その状態で、第2相に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって左に動き、図18(b)のCに示すように、第2相のステータ電極とロータ電極とが重なった位置で停止する。
図18(c)のAは第1相のステータ電極はロータ電極間の中心にある。この第1相に電圧を印加すると、ロータ3は動かず、図18(c)のBの状態(変化なし)となる。その状態で、第2相のステータ電極に電圧を印加すると、ロータ3は引力によって左に動き、図13(b)のCに示すように、第2相のステータ電極とロータ電極とが重なった位置で停止する。
すなわち、ステータ電極の第1相(個別電極)に1回目の電圧を印加後、隣接する第2相(個別電極)に2回目の電圧を印加することで、常に第2相のステータ電極とロータ電極が重なった位置となる。この位置をステータ2とロータ3の初期位置とする。
そして、例えばロータ3を図18において右に移動させる場合、このような初期位置制御によって初期位置に置かれているステータ2のステータ電極の第3相に電圧を印加する。そのときの回転角度を図9に示した回転検出部104で検出し、検出した回転角度を応じて電力を供給する相を決める制御信号106を制御部103で生成する。そして、制御部103からの制御信号106に応じてスイッチング部102で静電モータ1の各相に制御部103の決定に応じた電力が供給すべくスイッチングする。
これに対し、図19に示す静電モータ1の場合、4相駆動であるが、ステータ電極とロータ電極の比が4:6であり、見かけ上は、n:(n−1)*2の静電モータ1である。しかし、実際の比例関係は、4:6は2:3となり、n=2となるので、この場合、nは3以上の整数という条件には当てはまらない。
よって、第1相に電圧を印加すると、図19に示すように、第1相と第3相とがロータ電極と対向し、第2相と第4相の中心が、ロータ電極とロータ電極の間(中心)に位置して停止する。このため、次に第2相に電圧を印加しても、第2相のステータ電極がロータ電極とロータ電極の間(中心)に位置しているため、ロータ3は動くことができず、始動位置を合わすことはできない。また、第4相のステータ電極もロータ電極とロータ電極の間(中心)に位置しているため、モータを駆動させようと、第4相に電圧印加してもロータ3を動かす事が出来ず、その結果モータを駆動することも出来ない。このため、ステータ電極とロータ電極がともにnが2以下では駆動モータ(静電電動機)として駆動することができない。
図10〜図19で説明したように、本発明に係る始動前の電極位置合わせ制御は、ステータ極数とロータ極数の比がn:n±1もしくは、n:(n−1)*2(nは3以上の正の整数)において有効といえる。もちろん他の組合せでも有効である。
上述の始動前の電極位置合わせ制御については、第1の実施形態を例に説明したが、始動前の電極位置合わせ制御を適用する静電電動機としては第1の実施形態のものに限定されるものではなく、第2、第3の実施形態で説明した静電モータ10やリニア型の静電電動機20に適用しても、第1の実施形態と同様に作用効果を得ることができる。
また、発明の実施形態においては、可動子側の電極を、エレクトレット材料で構成した電極として説明したが、本発明の適用範囲としては、ステータ電極を鉄心(巻線)、ロータ電極を磁極と置き換えれば磁力式のモータ、ステータ電極を鉄心(巻線)、ロータ電極を鉄心(鉄心のみ)とすれば、SRモータといったように、静電モータ以外の電動機(モータ)の始動時の電極位置合わせにも適用することは可能ある。また、可動体の電極としてはエレクトレット材料により形成した電極に限定されるものではない。
上記各実施の形態において、1回目の電圧の印加後に、電圧印加した電極となるステータ電極の第1相と隣接する一方の電極となるステータ電極(ここでは第2相)に2回目の電圧を印加する場合、1回目の電圧と2回目の電圧は同じ値で同じ時間印加している。この一例としては、電極ピッチが200μm、印加電圧が±300Vとしたとき、印加時間を3msとして印加する。しかし、この1回目と2回目の電圧印加時間は、1ピッチ電極を移動することが出来る力(静電気力)が発生する時間であればよく、電極ピッチ、印加電圧などによって変わるため、これを考慮して適宜変更されるもので、上記の値に限定されるものではない。
1,10,20 静電電動機
2,12,22 固定子
3,13,23 可動子
5A〜5C 固定子側の複数の電極
6A、16A、26A 可動子側の複数の電極
15A〜15C 固定子側の複数の電極
25A〜25C 固定子側の複数の電極
特開2007‐228732号公報

Claims (8)

  1. n相駆動であって(nは3以上の正の整数)、複数の電極を有する固定子と、前記固定子に対向するように配置され、複数の電極を有する可動子とを備え、前記可動子の電極の極性が単極である静電電動機であり、
    始動時に、前記固定子の任意の1極に電圧印加後、電圧印加した電極と隣接する一方の電極に電圧が印加されることで、始動位置が前記固定子の特定の極の電極と前記可動子の電極とが重なっている状態にされることで始動することを特徴とする静電電動機。
  2. 前記固定子の電極数と前記可動子の電極数の比がn:n±1であり、始動時に、前記固定子の任意の1極に電圧を印加後、電圧印加した電極と隣接する一方の電極に電圧を印加されることで、始動位置が前記固定子のn相の電極と前記回転子の電極が重なっている状態にされることで始動することを特徴とする請求項1記載の静電電動機。
  3. 前記固定子の極数と前記回転子の極数の比がn:(n−1)*2以下であり、始動時に、前記固定子の任意の1相に電圧を印加後、電圧印加した電極と隣接する片方の相に電圧を印加されることで、始動位置が前記固定子のn相と前記回転子が重なっている状態にされることで始動することを特徴とする請求項1記載の静電電動機。
  4. 前記固定子の電極が、エレクトレット材料からなることを特徴とする請求項1、2または3記載の静電電動機。
  5. 前記固定子の電極数と可動子の電極数の比率が3:2であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の静電電動機。
  6. 前記固定子の電極に印加する電圧は、前記可動子の電極との間に引力と斥力とが作用するように切り替えられることを特徴とする請求項5記載の静電電動機。
  7. 前記固定子の電極数と前記可動子の電極数の比率が3:4であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の静電電動機。
  8. 前記固定子の電極に印加する電圧は、前記可動子の電極数との間に引力が作用するように切り替えられることを特徴とする請求項7記載の静電電動機。
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