JP2004096836A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】奇数のティースを備えたコアを用いた回転電機において、アーマチュアに巻装されるコイルに基づく電磁力変化による振動、騒音を低減する。
【解決手段】4極、21スロット型の回転電機において、アーマチュア4にΩ状巻方式で巻線9を巻装してコイル10を形成する一方、シャフト5に設けられるコンミテータ7の整流子片7bに摺接する二対のブラシ9のうち、各極の一方のものを整流子片7bの周回り方向長さと略等しい周回り長さを有した基本形ブラシ9aとし、他方のものを基本形ブラシ9cの2倍の周回り長さを有した異形ブラシ9bとする。
【選択図】 図3
【解決手段】4極、21スロット型の回転電機において、アーマチュア4にΩ状巻方式で巻線9を巻装してコイル10を形成する一方、シャフト5に設けられるコンミテータ7の整流子片7bに摺接する二対のブラシ9のうち、各極の一方のものを整流子片7bの周回り方向長さと略等しい周回り長さを有した基本形ブラシ9aとし、他方のものを基本形ブラシ9cの2倍の周回り長さを有した異形ブラシ9bとする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に搭載される回転電機の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種回転電機のなかには、外周面に軸線方向に長いスロットが周回り方向複数形成され、これらスロット間に複数のコイルが巻装されたアーマチュアコアと、前記コイルに導通する整流子片が周回りに複数並設されたコンミテータとをシャフトに外嵌固定してなるアーマチュアを構成し、該アーマチュアを、内周面に少なくとも一対の永久磁石を設けて磁極が形成されたヨークに軸承し、前記整流子片にブラシを介して給電することで、コイルが励磁してアーマチュアを回転させるように構成したものがある。
ところで、このような回転電機を高トルク化する場合、多極化することで対応できるが、このように多極化した場合では、ブラシとコンミテータとの位置関係のバラツキや工作誤差等の原因により、同電位となって磁気がバランスされるべきコイル同志において不均衡を生じてしまうことがある。このようになると、回転電機の駆動時に、回転力に振れ回り方向の力である加振力が発生し、振動や騒音が生じてしまうという不具合があるため、従来では、同位相の位置関係となるコイル同志を均圧部材を用意して接続し、これによって、同電位となるようにして振動や騒音対策を計っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、回転電機をパワーステアリング装置の構成部材として用いる場合では、特に高出力、かつ、小型化が要求され、これに対処するべく、ヨークに固着される永久磁石を二対、整流子片を21個、コア外周のスロットを21個とした四極21スロット型の回転電機が用いられることがある。この場合、前述したように多極化による磁気バランスの不均一性が問題になるが、さらにこのものでは、奇数個の整流子片が形成されることから、幾何学的にもアンバランスであり、均圧部材を用いて磁気バランスを調整することはできない。そして、二対(四つ)のブラシが周回り方向均一な角度を存して配され、アーマチュアが例えば21スロット型(21個の整流子片)のものである場合、アーマチュアの回転位置に基づいてブラシが摺接する整流子片の数が変化し、これによって、図12、13に示すように、同極となる整流子片間に接続されて短絡するコイル11は、それぞれの磁極(図中(A−I)、(A−II)、(B−I)、(B−II)領域で示す)に対してそれぞれ異なる状態で生じている。尚、図12はアーマチュア12の平面図に基づいて、アーマチュア12の回転状態の変化が示され、一つの磁極に対して(永久磁石に対向する部位であり、(A−I)、(A−II)、(B−I)、(B−II)の各領域に対して)電流が導通されるコイル11の数(有効導体数であって、短絡しないコイル11の数)が表示されている。因みに、図12では、1ティース分(1スロット分)の変位角度を八分割し、矢印X方向に回転したときの各分割角度(凡そ2.14度(=(360/21)×(1/8))づつ回転)における状態が、それぞれ(1)段階〜(8)段階として説明されている。また、図13の(1)段階〜(4)段階は、図12の(1)段階〜(4)段階に相当する状態をアーマチュアコア12の展開図に基づいて示しており、短絡するコイルを記載することで各(A−I)、(A−II)、(B−I)、(B−II)領域における有効導体数が表示されている。これらの図面によると、それぞれの領域に対向するコイル11の有効導体数は、アーマチュア12の回転角度によって変化し、しかも、周回り方向に均一になる状態と、周回り方向一半部に偏る状態とが交互に生じ、さらには、その偏りの箇所が回転角度によって位置ズレする状態で生じている。このため、アーマチュア12の電磁力に基づく磁気バランスはアーマチュア12の回転に伴い崩れ、これが回転電機の振動、騒音の原因となっている。しかも、この偏りは、一つのスロット12aが1スロット分だけ回転移動することに伴いそれぞれ四回づつ繰り返し生じるため、アーマチュア12が一回転するあいだには、前記繰り返し生じるアンバランス状態が、さらに21回繰り返されることになって、さらなる振動、騒音の原因となるという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、外周に複数のコイルが巻装されたアーマチュアコアと、前記コイルに導通する奇数個の整流子片が周回りに並設されたコンミテータとをシャフトに外嵌固定してアーマチュアを構成し、該アーマチュアを、内周面に複数極の磁極が形成されたヨークに軸承してなる回転電機において、前記コンミテータの整流子片に、径方向に対向する少なくとも一対のブラシを摺接させてコイルに給電するにあたり、前記ブラシのうち、半数は、整流子片との摺接面が他のブラシよりも周回り方向に長い異形ブラシに形成されているものである。
そして、このようにすることにより、アーマチュアの電磁力のアンバランスを、常時一方向に偏るものとして、低振動、低騒音が実現できる。
このものにおいて、本発明のブラシは二対以上設けられ、各極ブラシの半数が異形ブラシに形成されているものとすることができる。
さらに、このものにおいて、本発明の異形ブラシの摺接面は、周回り方向長さが他のブラシの略二倍に設定されているものとすることができる。
さらにまた、このものにおいて、本発明のブラシの摺接面は、周回り方向長さが一つの整流子片の周回り方向長さの略二倍に設定されているものとすることができる。
また、本発明は、外周に複数のコイルが巻装されたアーマチュアコアと、前記コイルに導通する奇数個の整流子片が周回りに並設されたコンミテータとをシャフトに外嵌固定してアーマチュアを構成し、該アーマチュアを、内周面に複数極の磁極が形成されたヨークに軸承してなる回転電機において、前記コンミテータの整流子片に、径方向に対向する少なくとも二対のブラシを摺接させてコイルに給電するにあたり、前記ブラシは、同極同志のブラシの整流子片との摺接タイミングが同じになるよう周回り方向に位置ずれして配設されているものである。
そして、このようにすることにより、アーマチュアの電磁力のバラツキを低減して、低振動、低騒音の回転電機とすることができる。
さらに、このものにおいて、本発明の磁極数をX極としたとき、一対の異極同志のブラシは周回り方向に(360/X)度の角度を存して配設され、該配設されたブラシを基準として他の同極ブラシの位置が設定されているものとすることができる。
また、このものにおいて、本発明の回転電機は、4極、21ティース型のアーマチュアを備えたパワーステアリング用の電動モータであるものとすることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第一の実施の形態を図1〜図7の図面に基づいて説明する。
図面において、1はパワーステアリング装置の電動モータであって、該電動モータ1を構成する有底筒状に形成されたモータハウジング(本発明のヨークに相当する)2の内周面には周回り方向に二対の永久磁石3が固定され、これによって、モータハウジング2の内周に、一対のN極の領域である(A−I)、(A−II)領域と、一対のS極の領域である(B−I)、(B−II)領域が径方向に対向する状態で形成され、所謂四極型の電動モータ1を構成している。4はアーマチュアであって、該アーマチュア4を構成するシャフト(アーマチュア軸)5には、複数枚の薄板状のコア材6aを積層して構成されるコア6が一体的に外嵌され、さらに、該コア6の一側部に位置してコンミテータ(整流子)7が一体的に外嵌されている。そして、アーマチュア4は、シャフト5の両端部がモータハウジング2およびモータハウジング2の開口端を覆蓋するカバー体2aに軸受2b、2cを介して軸承されることで、モータハウジング2内に回動自在に内装される設定となっている。また、カバー体2aには、周回り方向四箇所に位置してブラシホルダ8が設けられており、これら各ブラシホルダ8に、それぞれ四個のブラシ9が出没自在に内装され、各ブラシ9の突出先端部(内径側先端部)がコンミテータ7に弾圧状に当接することにより、外部からの電源がブラシ9を介してコンミテータ7に供給されるように構成されており、これらの基本構成は従来通りとなっている。
【0006】
前記コア6を構成するコア材6aの外径には、T字形のティース6bが周回り方向に21個形成されたものになっており、これら板材6aの複数枚をシャフト5に回り止め状に外嵌することで、コア6の外周面には、隣接するティース6b同志とのあいだに凹設された蟻溝状のスロット6cが、軸方向に長く、かつ周回り方向に21個形成されている。
一方、前記コンミテータ7は、絶縁材で筒状に形成された絶縁体7aの外周面に、導電材で形成された軸方向に長板状の整流子片7bの21枚が、互いに絶縁される状態で周回り方向に並列状に固着されたものに形成されている。さらに、各整流子片7bのコア6側の端部には、整流子片7bの周回り方向幅よりも幅狭に寸法設定され、外径側に折返し状に折曲されたライザ7cが一体形成されている。
そして、前記アーマチュア4は、エナメル被覆の巻線9を前記コア6の所定のスロット6c間に複数回巻装することにより、外周にコイル10が複数形成されているが、これら各コイル10の巻き始め端部と巻き終り端部となる巻線9は、それぞれ対応する整流子片7bのライザ7cに懸け回され、該各ライザ7cに懸回された巻線9を整流子片7bにフュージングすることで、整流子片7bとコイル10とが電気的に接続(導通)されるように設定されている。
【0007】
さて、本実施の形態のブラシ9は、ブラシホルダ8から突出する突出先端面の周回り方向の長さが、コンミテータ整流子片7bの周回り方向長さと略同寸法に設定されている基本形ブラシ9aと、該基本形ブラシ9aの略二倍の周回り方向長さに寸法設定された異形ブラシ9bとの二種類がそれぞれ二個づつ配設されている。そして、これら各基本形ブラシ9aと異形ブラシ9bとは、図3に示すように、周回り方向隣接する状態で設けられており、互いに径方向に対向するブラシ9同志は、基本形ブラシ9aと異形ブラシ9bとが対向するように設定されている。そして、互いに径方向に対向するブラシは同極の電極(+極または−極)に接続されるように設定されており、これによって、同極に接続されるブラシ9同志が互いに基本形ブラシ9aと異形ブラシ9bとで構成されるように設定されている。
そして、このように構成にすることにより、アーマチュア4の回転角度により、各ブラシ9が摺接する整流子片7bの数(ブラシ9の整流子片7bの跨ぎ数)が異なることにより、これに対応して短絡するコイル10の数が変化し、もって、各領域における有効導体数が偏る場合に、どの回転状態においても前記偏りがあり、しかも、偏りの箇所が、モータハウジング2に対して所定の箇所となるように設定されている。
【0008】
つぎに、各コイル10の巻装状態を説明する展開図を図4に示し、整流子片7b(ライザ7c)とコイル10との位置関係を説明する。図面において、それぞれライザ7c(整流子片7b)とティース6bとが展開されており、隣接するティース6bとのあいだの空隙がスロット6cに相当し、該スロット6c間にコイル10が巻装されている。そして、21個のライザ7c、ティース6b、スロット6c、巻装されたコイル10とは、それぞれ1〜21の符号が附されており、これらの符号に基づいて説明をする。
本実施の形態のアーマチュア4に巻装される各コイル10は、巻線9を、あいだに4個のスロット6cを存した状態、即ち5個のティース6bを跨ぐ状態で巻装されており、アーマチュア4の外周の略1/4周分のスペースを存するようにして形成されている。
そして、巻線9を1番ライザから巻き始めた場合、1番ライザに懸け回された巻線9を、19−20番ティースのあいだのスロット6cと14−15番ティースのあいだのスロット6c間において複数回(本実施の形態では12回)巻装した後、巻線9を12番ライザに回し懸けることにより1番コイルが形成されている。続いて、12番ライザに回し懸けられた巻線9を、9−10番ティースのあいだのスロット6cと4−5番ティースのあいだのスロット6c間において複数回巻装した後、巻線9を2番ライザに回し懸けることによって12番コイルが形成されている。さらに、前記2番ライザに回し懸けられた巻線9は、20−21番ティースのあいだのスロット6cと15−16番ティースのあいだのスロット6c間において複数回巻装され、その後、巻線9を13番ライザに回し懸けることにより2番コイルが形成され、このように、順次巻線9を巻装することにより、13番コイル、3番コイル、14番コイル、4番コイル、15番コイル、5番コイル、16番コイル、6番コイル、17番コイル、7番コイル、18番コイル、8番コイル、19番コイル、9番コイル、20番コイル、10番コイル、11番コイル、21番コイルが順次形成されている。
【0009】
続いて、アーマチュア4とブラシ9との摺接状態についての展開図を図5、6において示し、これに基づき、アーマチュア4の回転状態に伴う有効導体数の変化を説明する。
これらの図面では、(A−I)、(A−II)、(B−I)(B−II)の各領域において短絡しているコイル10が図示されており、さらに、各領域における有効導体数を示す数字が対応する領域において図示されている。そして、これらの図面に基づいて、アーマチュア4の回転に伴う各領域に対する有効導体数の変化を検討する。
【0010】
まず、図5(A)に示す展開図であるが、このものは、図12の(1)、(2)段階のコイル状態に相当している。この状態において、各ブラシ9の整流子片7bの跨ぎ数は、図中右側のものから3、2、2、3となっており、同極のブラシ9に導通する整流子片7bに接続されて短絡するコイル10は、1、2、6、7、11、12、16、17番コイルとの8個のコイル10となる。このため、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では7、(B−I)領域では6、(A−II)領域では6、(B−II)領域では7となり、この結果、各領域における有効導体数は、(A−I)領域と(B−II)領域とにおいては多く、(A−II)領域と(B−I)領域とにおいては少ない状態となっており、全体としての有効導体数は26個となっている。
つぎに、図5(B)は、前記図5(A)の状態からアーマチュア4が矢印X方向に向けて、凡そ2.14度(=(360/21)×(1/8))の二倍回転したコイル状態を示しており、前記図12の(3)段階に相当している。この場合、ブラシ9の整流子片7bの跨ぎ状態から1、2、7、11、12、17番の6個のコイル10が短絡している。このため、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では8、(B−I)領域では7、(A−II)領域では7、(B−II)領域では8となり、この結果、各領域における有効導体数は、(A−I)領域と(B−II)領域とにおいては多く、(A−II)領域と(B−I)領域とにおいては少ない状態となっており、全体としての有効導体数は30個となっている。
さらに、図5(C)は、前記図5(B)の状態からさらに凡そ2.14度回転した状態であり、図12の(4)段階のコイル状態に相当しており、この場合、ブラシ9の整流子片7bの跨ぎ状態から1、2、7、8、11、12、17、18番の8個のコイル10が短絡している。このため、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では7、(B−I)領域では6、(A−II)領域では6、(B−II)領域では7となり、この結果、各領域における有効導体数は、(A−I)領域と(B−II)領域とにおいては多く、(A−II)領域と(B−I)領域とにおいては少ない状態となっており、全体としての有効導体数は26個となっている。
【0011】
また、図6(A)は図12の(5)段階のコイル状態に相当しており、この場合、ブラシ9の整流子片7bの跨ぎ状態から2、7、8、12、17、18番の6個のコイル10が短絡している。このため、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では8、(B−I)領域では7、(A−II)領域では7、(B−II)領域では6となり、この結果、各領域における有効導体数は、(A−I)領域と(B−II)領域とにおいては多く、(A−II)領域と(B−I)領域とにおいては少ない状態となっており、全体としての有効導体数は30個となっている。
そして、図6(B)は図12の(6)、(7)、(8)段階のコイル状態に相当しており、この場合、ブラシ9の整流子片7bの跨ぎ状態から3、7、8、12、13、17、18番の8個のコイル10が短絡している。このため、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では7、(B−I)領域では6、(A−II)領域では6、(B−II)領域では8となり、この結果、各領域における有効導体数は、(A−I)領域と(B−II)領域とにおいては多く、(A−II)領域と(B−I)領域とにおいては少ない状態となっており、全体としての有効導体数は26個となっている。
このように、このものでは、アーマチュア4の回転角度が1ティース6b分回転するあいだに、アーマチュア4の全体としての有効導体数は26個または30個の状態が前記従来のものよりは少ない繰り返しで生じるが、このときに生じる有効導体数の偏りは、常に(A−I)領域と(B−II)領域とにおいては多く、(A−II)領域と(B−I)領域とにおいては少ない状態となっていて、アーマチュア4が回転したとき、全体としての電磁力の大きさはばらつくものの、周回り方向に生じる電磁力の偏りについては、その偏りの箇所が、モータハウジング2に対して常時一定の箇所になるように設定されている。
【0012】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、電動モータ1のコア6に巻装されるコイル10は、ブラシ9から給電されて励磁することになるが、この場合に、ブラシ9は、同極同志については、それぞれ整流子片7bの跨ぎ数が異なる基本形ブラシ9aと異形ブラシ9bとが用意され、ブラシ9が摺接する整流子片7bの跨ぎ数が異なるようになっている。これによって、前述したように、アーマチュア4の回転に伴い、全体として異なる大きさの電磁力に変化するが、該変化の繰り返しが減少するうえ、周回り方向に生じる電磁力の偏りについては、その偏りの箇所が、モータハウジング2に対して常時一定の箇所に位置している。この結果、電動モータ1は、アーマチュア4の回転に伴う電磁力の方向が偏った状態が維持されることになり、該偏り方向の電磁力によってアーマチュア4が該側に押えつけられ、もって、振動の少ない低騒音でかつ円滑な作動の電動モータ1を提供できる。
【0013】
因みに、図7は、従来のブラシが用いられた電動モータと、本実施の形態のブラシ9を用いた電動モータ1とにおいて、それぞれ毎分1500回転させた状態において、アーマチュア4に作用する電磁力の測定値から得られた電磁力リサージュ図である。このグラフ図からも明らかなように、従来例はゼロを中心として電磁力の変化範囲が大きくなっているのに対し、第一の実施の形態のものはプラス(+)領域において電磁力が変化し、しかも、その電磁力の変化範囲が小さくなっていることが確認され、低振動、低騒音となることが実証された。
【0014】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、4極21スロット型以外のアーマチュアにも適用することができ、要は、ブラシの整流子片の跨ぎ数を変化させることで、有効導体数の偏りが常に一定部位において生じるように構成すればよく、これによって低振動、低騒音を実現することができるものである。
【0015】
次に、本発明の第二の実施の形態について、図8〜図11の図面に基づいて説明する。
このものは、電動モータ13を構成するアーマチュア4については、コア6、コンミテータ7、コイル10等、前記第一の実施の形態と同様の構成となっている。そして、コンミテータ7の整流子片7bに弾圧状に摺接する二対のブラシ14は、次のような状態で配設されている。
つまり、二対のブラシ14は、それぞれ、整流子片7bの周回り方向長さと略同じ周回り方向長さを有したものに形成されており、プラス電極用を14(+)、マイナス電極用を14(−)としたとき、これらブラシ14は、従来では、異極同志のものがそれぞれ所定の角度、即ち、磁極数をXとしたとき、周回り方向に(360/X)度の角度を存して隣接する状態で配設されている。そして、本実施の形態では、一対の異極同志のブラシ、即ち、プラス電極用ブラシ14(+)とマイナス電極用ブラシ14(−)同志とは、周回り方向に90度(360/4)の角度を存して位置している。そして、他の一対のプラス電極用ブラシ14(+)とマイナス電極用ブラシ14(−)同志とは、前記180度の角度を存して位置するプラス電極用ブラシ14(+)とマイナス電極用ブラシ14(−)とが整流子片7bに摺接するタイミングと同様となる位置に配設されており、図8に示すように、周回り方向に位置ずれする状態で配設されるように設定されている。
【0016】
これによって、プラス電極用ブラシ14(+)同志が整流子片7bに摺接するタイミング、そして、マイナス電極用ブラシ14(−)同志が整流子片7bに摺接するタイミングとが、それぞれ同様となるように設定されている。因みに、プラス電極用ブラシ14(+)とマイナス電極用ブラシ14(−)との整流子片7bとの摺接タイミングは、それぞれ異なるものとなっている。
尚、前記位置ズレして設けられる他のプラス電極用ブラシ14(+)とマイナス電極用ブラシ14(−)とは、それぞれ位置ズレしないプラス電極用ブラシ14(+)とマイナス電極用ブラシ14(−)との位置関係が、周回り方向180度の角度になるべく近い状態となるように設定されており、これによって、ブラシ14の位置ズレによる影響が最小限となるようにしている。
【0017】
つぎに、第二の実施の形態のアーマチュア4とブラシ14との摺接状態を説明する展開図を図9、10において示すが、これら図面は、アーマチュア4が1/21回転する状態を八段階に分割して示しており、各段階において、短絡するコイル10が示されており、これらの図面に基づいて有効導体数の変化について説明する。
これらの図面では、前記第一の実施の形態と同様に、(A−I)、(A−II)、(B−I)(B−II)の各磁極に対する領域において短絡するコイル10が図示されており、さらに、各領域における有効導体数を示す数字が対応する領域において図示されている。そして、これらの図面に基づいて、アーマチュア4の回転に伴う各領域に対する有効導体数の変化を検討する。
【0018】
まず、図9(A)に示す展開図であるが、このものは、図12の(1)段階に相当している。この状態において、プラス電極用ブラシ14(+)は、1番および11番整流子片7bにそれぞれ摺接している。一方、マイナス電極用ブラシ14(−)は、6、7番および16、17番整流子片7bにそれぞれ摺接している。そして、同極のブラシ14(+)または14(−)に導通する整流子片7bに接続されて短絡するコイル10は、1、6、7、17番コイルとの4個のコイル10となる。そして、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では8、(B−I)領域では8、(A−II)領域では9、(B−II)領域では9であり、全体有効導体数は34となっている。
つぎに、図9(B)は、前記図9(A)の状態からアーマチュア4が矢印X方向に向けて凡そ2.14度(=(360/21)×(1/8))回転した状態をしめしており、前記図8の(2)段階に相当している。この状態となると、プラス電極用ブラシ14(+)は、1、2番および11、12番整流子片7bに摺接し、マイナス電極用ブラシ14(−)は、6、7番および16、17番整流子片7bにそれぞれ摺接しており、1、2、6、7、12、17番の6個のコイル10が短絡している。そして、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では7、(B−I)領域では7、(A−II)領域では8、(B−II)領域では8であり、全体としての有効導体数は30となっている。
【0019】
さらに、図9(C)は、前記図9(B)の状態からさらに凡そ2.14度回転図12の(3)段階に相当しており、この状態となると、プラス電極用ブラシ14(+)は、1、2番および11、12番整流子片7bに摺接し、マイナス電極用ブラシ14(−)は、7番および17番整流子片7bにそれぞれ摺接しており、1、2、7、12番の4個のコイル10が短絡している。そして、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では9、(B−I)領域では8、(A−II)領域では8、(B−II)領域では9であり、全体としての有効導体数は34となっている。
【0020】
また、図10(A)は図12の(4)段階に相当しており、この状態になると、プラス電極用ブラシ14(+)は、1、2番および11、12番整流子片7bに摺接し、マイナス電極用ブラシ14(−)は、7、8番および17、18番整流子片7bにそれぞれ摺接している。この状態では、1、2、7、8、12、18番の6個のコイル10が短絡し、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では8、(B−I)領域では7、(A−II)領域では7、(B−II)領域では8であり、全体としての有効導体数は30となっている。
そして、図10(B)は図12の(5)段階に相当しており、この状態になっても、プラス電極用ブラシ14(+)は、1、2番および11、12番整流子片7bに摺接し、マイナス電極用ブラシ14(−)は、7、8番および17、18番整流子片7bにそれぞれ摺接していて、図10(A)の状態と同様であり、1、2、7、8、12、18番の6個のコイル10が短絡している。そして、各領域に対する有効導体数についても、(A−I)領域では8、(B−I)領域では7、(A−II)領域では7、(B−II)領域では8であり、全体としての有効導体数は30となって、前記図10(A)の状態と同様となる。
【0021】
そうして、これ以降、プラス電極用ブラシ14(+)が3番整流子片7bに摺接するまでのあいだは、前記図10(A)の状態が継続されることになる。このように、アーマチュア4の回転角度が凡そ1ティース分だけ回転するあいだに、アーマチュア4の全体としての有効導体数は34または30個となり、電磁力は変化するものの、この場合に、図9(A)、(B)、(C)で示す三段階の変化があった後、図10(A)で示す状態に変化し、それ以降については、図10(A)に示す状態と同様の状態が維持されることになる。この結果、アーマチュア4が回転したとき、異なる電磁力状態の繰り返しの変化が減少して安定した電磁力状態とすることができるうえ、周回り方向に生じる電磁力の偏りについては、図10(A)の状態が多くなることから偏りの箇所についても同じ箇所で偏る傾向となり、もって、振動の少ない低騒音で、しかも円滑な作動の電動モータ13を提供することができる。
【0022】
因みに、図11は、従来のブラシが用いられた電動モータと、本実施の形態のブラシ14を用いた電動モータ13とにおいて、それぞれ毎分1500回転させた状態において、アーマチュア4に作用する電磁力の測定値から得られた電磁力リサージュ図である。このグラフ図からも明らかなように、従来例はゼロを中心として電磁力の変化範囲が大きくなっているのに対し、第二の実施の形態のものはマイナス(−)領域において電磁力が変化し、しかも、その電磁力の変化範囲が小さくなっていることが確認され、低振動、低騒音となることが実証された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)、(B)はそれぞれ電動モータの一部断面側面図、コアの正面図である。
【図2】図2(A)、(B)、(C)はそれぞれコンミテータの側面図、背面図、断面図である。
【図3】コンミテータとブラシの関係を説明するパターン図である。
【図4】巻線の巻装状態を説明する展開図である。
【図5】図5(A)、(B)、(C)はそれぞれアーマチュアの回転状態に伴う有効導体数の変化を説明する展開図である。
【図6】図6(A)、(B)はそれぞれアーマチュアの回転状態に伴う有効導体数の変化を説明する展開図である。
【図7】アーマチュアの電磁力を説明する電磁力リサージュ図である。
【図8】第二の実施の形態におけるアーマチュアとブラシの関係を説明する断面図である。
【図9】図9(A)、(B)、(C)はそれぞれ第二の実施の形態におけるアーマチュアの回転状態に伴う有効導体数の変化を説明する展開図である。
【図10】図10(A)、(B)はそれぞれ第二の実施の形態におけるアーマチュアの回転状態に伴う有効導体数の変化を説明する展開図である。
【図11】第二の実施の形態におけるアーマチュアの電磁力を説明する電磁力リサージュ図である。
【図12】従来例におけるアーマチュアの回転状態に伴う有効導体数の変化を説明するパターン図である。
【図13】従来例におけるアーマチュアの回転状態に伴う有効導体数の変化を説明する展開図である。
【符号の説明】
1 電動モータ
2 モータハウジング
3 永久磁石
4 アーマチュア
5 シャフト
6 コア
6b ティース
6c スロット
7 コンミテータ
7b 整流子片
7c ライザ
8a ブラシ
9 巻線
10 コイル
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に搭載される回転電機の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種回転電機のなかには、外周面に軸線方向に長いスロットが周回り方向複数形成され、これらスロット間に複数のコイルが巻装されたアーマチュアコアと、前記コイルに導通する整流子片が周回りに複数並設されたコンミテータとをシャフトに外嵌固定してなるアーマチュアを構成し、該アーマチュアを、内周面に少なくとも一対の永久磁石を設けて磁極が形成されたヨークに軸承し、前記整流子片にブラシを介して給電することで、コイルが励磁してアーマチュアを回転させるように構成したものがある。
ところで、このような回転電機を高トルク化する場合、多極化することで対応できるが、このように多極化した場合では、ブラシとコンミテータとの位置関係のバラツキや工作誤差等の原因により、同電位となって磁気がバランスされるべきコイル同志において不均衡を生じてしまうことがある。このようになると、回転電機の駆動時に、回転力に振れ回り方向の力である加振力が発生し、振動や騒音が生じてしまうという不具合があるため、従来では、同位相の位置関係となるコイル同志を均圧部材を用意して接続し、これによって、同電位となるようにして振動や騒音対策を計っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、回転電機をパワーステアリング装置の構成部材として用いる場合では、特に高出力、かつ、小型化が要求され、これに対処するべく、ヨークに固着される永久磁石を二対、整流子片を21個、コア外周のスロットを21個とした四極21スロット型の回転電機が用いられることがある。この場合、前述したように多極化による磁気バランスの不均一性が問題になるが、さらにこのものでは、奇数個の整流子片が形成されることから、幾何学的にもアンバランスであり、均圧部材を用いて磁気バランスを調整することはできない。そして、二対(四つ)のブラシが周回り方向均一な角度を存して配され、アーマチュアが例えば21スロット型(21個の整流子片)のものである場合、アーマチュアの回転位置に基づいてブラシが摺接する整流子片の数が変化し、これによって、図12、13に示すように、同極となる整流子片間に接続されて短絡するコイル11は、それぞれの磁極(図中(A−I)、(A−II)、(B−I)、(B−II)領域で示す)に対してそれぞれ異なる状態で生じている。尚、図12はアーマチュア12の平面図に基づいて、アーマチュア12の回転状態の変化が示され、一つの磁極に対して(永久磁石に対向する部位であり、(A−I)、(A−II)、(B−I)、(B−II)の各領域に対して)電流が導通されるコイル11の数(有効導体数であって、短絡しないコイル11の数)が表示されている。因みに、図12では、1ティース分(1スロット分)の変位角度を八分割し、矢印X方向に回転したときの各分割角度(凡そ2.14度(=(360/21)×(1/8))づつ回転)における状態が、それぞれ(1)段階〜(8)段階として説明されている。また、図13の(1)段階〜(4)段階は、図12の(1)段階〜(4)段階に相当する状態をアーマチュアコア12の展開図に基づいて示しており、短絡するコイルを記載することで各(A−I)、(A−II)、(B−I)、(B−II)領域における有効導体数が表示されている。これらの図面によると、それぞれの領域に対向するコイル11の有効導体数は、アーマチュア12の回転角度によって変化し、しかも、周回り方向に均一になる状態と、周回り方向一半部に偏る状態とが交互に生じ、さらには、その偏りの箇所が回転角度によって位置ズレする状態で生じている。このため、アーマチュア12の電磁力に基づく磁気バランスはアーマチュア12の回転に伴い崩れ、これが回転電機の振動、騒音の原因となっている。しかも、この偏りは、一つのスロット12aが1スロット分だけ回転移動することに伴いそれぞれ四回づつ繰り返し生じるため、アーマチュア12が一回転するあいだには、前記繰り返し生じるアンバランス状態が、さらに21回繰り返されることになって、さらなる振動、騒音の原因となるという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、外周に複数のコイルが巻装されたアーマチュアコアと、前記コイルに導通する奇数個の整流子片が周回りに並設されたコンミテータとをシャフトに外嵌固定してアーマチュアを構成し、該アーマチュアを、内周面に複数極の磁極が形成されたヨークに軸承してなる回転電機において、前記コンミテータの整流子片に、径方向に対向する少なくとも一対のブラシを摺接させてコイルに給電するにあたり、前記ブラシのうち、半数は、整流子片との摺接面が他のブラシよりも周回り方向に長い異形ブラシに形成されているものである。
そして、このようにすることにより、アーマチュアの電磁力のアンバランスを、常時一方向に偏るものとして、低振動、低騒音が実現できる。
このものにおいて、本発明のブラシは二対以上設けられ、各極ブラシの半数が異形ブラシに形成されているものとすることができる。
さらに、このものにおいて、本発明の異形ブラシの摺接面は、周回り方向長さが他のブラシの略二倍に設定されているものとすることができる。
さらにまた、このものにおいて、本発明のブラシの摺接面は、周回り方向長さが一つの整流子片の周回り方向長さの略二倍に設定されているものとすることができる。
また、本発明は、外周に複数のコイルが巻装されたアーマチュアコアと、前記コイルに導通する奇数個の整流子片が周回りに並設されたコンミテータとをシャフトに外嵌固定してアーマチュアを構成し、該アーマチュアを、内周面に複数極の磁極が形成されたヨークに軸承してなる回転電機において、前記コンミテータの整流子片に、径方向に対向する少なくとも二対のブラシを摺接させてコイルに給電するにあたり、前記ブラシは、同極同志のブラシの整流子片との摺接タイミングが同じになるよう周回り方向に位置ずれして配設されているものである。
そして、このようにすることにより、アーマチュアの電磁力のバラツキを低減して、低振動、低騒音の回転電機とすることができる。
さらに、このものにおいて、本発明の磁極数をX極としたとき、一対の異極同志のブラシは周回り方向に(360/X)度の角度を存して配設され、該配設されたブラシを基準として他の同極ブラシの位置が設定されているものとすることができる。
また、このものにおいて、本発明の回転電機は、4極、21ティース型のアーマチュアを備えたパワーステアリング用の電動モータであるものとすることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第一の実施の形態を図1〜図7の図面に基づいて説明する。
図面において、1はパワーステアリング装置の電動モータであって、該電動モータ1を構成する有底筒状に形成されたモータハウジング(本発明のヨークに相当する)2の内周面には周回り方向に二対の永久磁石3が固定され、これによって、モータハウジング2の内周に、一対のN極の領域である(A−I)、(A−II)領域と、一対のS極の領域である(B−I)、(B−II)領域が径方向に対向する状態で形成され、所謂四極型の電動モータ1を構成している。4はアーマチュアであって、該アーマチュア4を構成するシャフト(アーマチュア軸)5には、複数枚の薄板状のコア材6aを積層して構成されるコア6が一体的に外嵌され、さらに、該コア6の一側部に位置してコンミテータ(整流子)7が一体的に外嵌されている。そして、アーマチュア4は、シャフト5の両端部がモータハウジング2およびモータハウジング2の開口端を覆蓋するカバー体2aに軸受2b、2cを介して軸承されることで、モータハウジング2内に回動自在に内装される設定となっている。また、カバー体2aには、周回り方向四箇所に位置してブラシホルダ8が設けられており、これら各ブラシホルダ8に、それぞれ四個のブラシ9が出没自在に内装され、各ブラシ9の突出先端部(内径側先端部)がコンミテータ7に弾圧状に当接することにより、外部からの電源がブラシ9を介してコンミテータ7に供給されるように構成されており、これらの基本構成は従来通りとなっている。
【0006】
前記コア6を構成するコア材6aの外径には、T字形のティース6bが周回り方向に21個形成されたものになっており、これら板材6aの複数枚をシャフト5に回り止め状に外嵌することで、コア6の外周面には、隣接するティース6b同志とのあいだに凹設された蟻溝状のスロット6cが、軸方向に長く、かつ周回り方向に21個形成されている。
一方、前記コンミテータ7は、絶縁材で筒状に形成された絶縁体7aの外周面に、導電材で形成された軸方向に長板状の整流子片7bの21枚が、互いに絶縁される状態で周回り方向に並列状に固着されたものに形成されている。さらに、各整流子片7bのコア6側の端部には、整流子片7bの周回り方向幅よりも幅狭に寸法設定され、外径側に折返し状に折曲されたライザ7cが一体形成されている。
そして、前記アーマチュア4は、エナメル被覆の巻線9を前記コア6の所定のスロット6c間に複数回巻装することにより、外周にコイル10が複数形成されているが、これら各コイル10の巻き始め端部と巻き終り端部となる巻線9は、それぞれ対応する整流子片7bのライザ7cに懸け回され、該各ライザ7cに懸回された巻線9を整流子片7bにフュージングすることで、整流子片7bとコイル10とが電気的に接続(導通)されるように設定されている。
【0007】
さて、本実施の形態のブラシ9は、ブラシホルダ8から突出する突出先端面の周回り方向の長さが、コンミテータ整流子片7bの周回り方向長さと略同寸法に設定されている基本形ブラシ9aと、該基本形ブラシ9aの略二倍の周回り方向長さに寸法設定された異形ブラシ9bとの二種類がそれぞれ二個づつ配設されている。そして、これら各基本形ブラシ9aと異形ブラシ9bとは、図3に示すように、周回り方向隣接する状態で設けられており、互いに径方向に対向するブラシ9同志は、基本形ブラシ9aと異形ブラシ9bとが対向するように設定されている。そして、互いに径方向に対向するブラシは同極の電極(+極または−極)に接続されるように設定されており、これによって、同極に接続されるブラシ9同志が互いに基本形ブラシ9aと異形ブラシ9bとで構成されるように設定されている。
そして、このように構成にすることにより、アーマチュア4の回転角度により、各ブラシ9が摺接する整流子片7bの数(ブラシ9の整流子片7bの跨ぎ数)が異なることにより、これに対応して短絡するコイル10の数が変化し、もって、各領域における有効導体数が偏る場合に、どの回転状態においても前記偏りがあり、しかも、偏りの箇所が、モータハウジング2に対して所定の箇所となるように設定されている。
【0008】
つぎに、各コイル10の巻装状態を説明する展開図を図4に示し、整流子片7b(ライザ7c)とコイル10との位置関係を説明する。図面において、それぞれライザ7c(整流子片7b)とティース6bとが展開されており、隣接するティース6bとのあいだの空隙がスロット6cに相当し、該スロット6c間にコイル10が巻装されている。そして、21個のライザ7c、ティース6b、スロット6c、巻装されたコイル10とは、それぞれ1〜21の符号が附されており、これらの符号に基づいて説明をする。
本実施の形態のアーマチュア4に巻装される各コイル10は、巻線9を、あいだに4個のスロット6cを存した状態、即ち5個のティース6bを跨ぐ状態で巻装されており、アーマチュア4の外周の略1/4周分のスペースを存するようにして形成されている。
そして、巻線9を1番ライザから巻き始めた場合、1番ライザに懸け回された巻線9を、19−20番ティースのあいだのスロット6cと14−15番ティースのあいだのスロット6c間において複数回(本実施の形態では12回)巻装した後、巻線9を12番ライザに回し懸けることにより1番コイルが形成されている。続いて、12番ライザに回し懸けられた巻線9を、9−10番ティースのあいだのスロット6cと4−5番ティースのあいだのスロット6c間において複数回巻装した後、巻線9を2番ライザに回し懸けることによって12番コイルが形成されている。さらに、前記2番ライザに回し懸けられた巻線9は、20−21番ティースのあいだのスロット6cと15−16番ティースのあいだのスロット6c間において複数回巻装され、その後、巻線9を13番ライザに回し懸けることにより2番コイルが形成され、このように、順次巻線9を巻装することにより、13番コイル、3番コイル、14番コイル、4番コイル、15番コイル、5番コイル、16番コイル、6番コイル、17番コイル、7番コイル、18番コイル、8番コイル、19番コイル、9番コイル、20番コイル、10番コイル、11番コイル、21番コイルが順次形成されている。
【0009】
続いて、アーマチュア4とブラシ9との摺接状態についての展開図を図5、6において示し、これに基づき、アーマチュア4の回転状態に伴う有効導体数の変化を説明する。
これらの図面では、(A−I)、(A−II)、(B−I)(B−II)の各領域において短絡しているコイル10が図示されており、さらに、各領域における有効導体数を示す数字が対応する領域において図示されている。そして、これらの図面に基づいて、アーマチュア4の回転に伴う各領域に対する有効導体数の変化を検討する。
【0010】
まず、図5(A)に示す展開図であるが、このものは、図12の(1)、(2)段階のコイル状態に相当している。この状態において、各ブラシ9の整流子片7bの跨ぎ数は、図中右側のものから3、2、2、3となっており、同極のブラシ9に導通する整流子片7bに接続されて短絡するコイル10は、1、2、6、7、11、12、16、17番コイルとの8個のコイル10となる。このため、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では7、(B−I)領域では6、(A−II)領域では6、(B−II)領域では7となり、この結果、各領域における有効導体数は、(A−I)領域と(B−II)領域とにおいては多く、(A−II)領域と(B−I)領域とにおいては少ない状態となっており、全体としての有効導体数は26個となっている。
つぎに、図5(B)は、前記図5(A)の状態からアーマチュア4が矢印X方向に向けて、凡そ2.14度(=(360/21)×(1/8))の二倍回転したコイル状態を示しており、前記図12の(3)段階に相当している。この場合、ブラシ9の整流子片7bの跨ぎ状態から1、2、7、11、12、17番の6個のコイル10が短絡している。このため、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では8、(B−I)領域では7、(A−II)領域では7、(B−II)領域では8となり、この結果、各領域における有効導体数は、(A−I)領域と(B−II)領域とにおいては多く、(A−II)領域と(B−I)領域とにおいては少ない状態となっており、全体としての有効導体数は30個となっている。
さらに、図5(C)は、前記図5(B)の状態からさらに凡そ2.14度回転した状態であり、図12の(4)段階のコイル状態に相当しており、この場合、ブラシ9の整流子片7bの跨ぎ状態から1、2、7、8、11、12、17、18番の8個のコイル10が短絡している。このため、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では7、(B−I)領域では6、(A−II)領域では6、(B−II)領域では7となり、この結果、各領域における有効導体数は、(A−I)領域と(B−II)領域とにおいては多く、(A−II)領域と(B−I)領域とにおいては少ない状態となっており、全体としての有効導体数は26個となっている。
【0011】
また、図6(A)は図12の(5)段階のコイル状態に相当しており、この場合、ブラシ9の整流子片7bの跨ぎ状態から2、7、8、12、17、18番の6個のコイル10が短絡している。このため、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では8、(B−I)領域では7、(A−II)領域では7、(B−II)領域では6となり、この結果、各領域における有効導体数は、(A−I)領域と(B−II)領域とにおいては多く、(A−II)領域と(B−I)領域とにおいては少ない状態となっており、全体としての有効導体数は30個となっている。
そして、図6(B)は図12の(6)、(7)、(8)段階のコイル状態に相当しており、この場合、ブラシ9の整流子片7bの跨ぎ状態から3、7、8、12、13、17、18番の8個のコイル10が短絡している。このため、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では7、(B−I)領域では6、(A−II)領域では6、(B−II)領域では8となり、この結果、各領域における有効導体数は、(A−I)領域と(B−II)領域とにおいては多く、(A−II)領域と(B−I)領域とにおいては少ない状態となっており、全体としての有効導体数は26個となっている。
このように、このものでは、アーマチュア4の回転角度が1ティース6b分回転するあいだに、アーマチュア4の全体としての有効導体数は26個または30個の状態が前記従来のものよりは少ない繰り返しで生じるが、このときに生じる有効導体数の偏りは、常に(A−I)領域と(B−II)領域とにおいては多く、(A−II)領域と(B−I)領域とにおいては少ない状態となっていて、アーマチュア4が回転したとき、全体としての電磁力の大きさはばらつくものの、周回り方向に生じる電磁力の偏りについては、その偏りの箇所が、モータハウジング2に対して常時一定の箇所になるように設定されている。
【0012】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、電動モータ1のコア6に巻装されるコイル10は、ブラシ9から給電されて励磁することになるが、この場合に、ブラシ9は、同極同志については、それぞれ整流子片7bの跨ぎ数が異なる基本形ブラシ9aと異形ブラシ9bとが用意され、ブラシ9が摺接する整流子片7bの跨ぎ数が異なるようになっている。これによって、前述したように、アーマチュア4の回転に伴い、全体として異なる大きさの電磁力に変化するが、該変化の繰り返しが減少するうえ、周回り方向に生じる電磁力の偏りについては、その偏りの箇所が、モータハウジング2に対して常時一定の箇所に位置している。この結果、電動モータ1は、アーマチュア4の回転に伴う電磁力の方向が偏った状態が維持されることになり、該偏り方向の電磁力によってアーマチュア4が該側に押えつけられ、もって、振動の少ない低騒音でかつ円滑な作動の電動モータ1を提供できる。
【0013】
因みに、図7は、従来のブラシが用いられた電動モータと、本実施の形態のブラシ9を用いた電動モータ1とにおいて、それぞれ毎分1500回転させた状態において、アーマチュア4に作用する電磁力の測定値から得られた電磁力リサージュ図である。このグラフ図からも明らかなように、従来例はゼロを中心として電磁力の変化範囲が大きくなっているのに対し、第一の実施の形態のものはプラス(+)領域において電磁力が変化し、しかも、その電磁力の変化範囲が小さくなっていることが確認され、低振動、低騒音となることが実証された。
【0014】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、4極21スロット型以外のアーマチュアにも適用することができ、要は、ブラシの整流子片の跨ぎ数を変化させることで、有効導体数の偏りが常に一定部位において生じるように構成すればよく、これによって低振動、低騒音を実現することができるものである。
【0015】
次に、本発明の第二の実施の形態について、図8〜図11の図面に基づいて説明する。
このものは、電動モータ13を構成するアーマチュア4については、コア6、コンミテータ7、コイル10等、前記第一の実施の形態と同様の構成となっている。そして、コンミテータ7の整流子片7bに弾圧状に摺接する二対のブラシ14は、次のような状態で配設されている。
つまり、二対のブラシ14は、それぞれ、整流子片7bの周回り方向長さと略同じ周回り方向長さを有したものに形成されており、プラス電極用を14(+)、マイナス電極用を14(−)としたとき、これらブラシ14は、従来では、異極同志のものがそれぞれ所定の角度、即ち、磁極数をXとしたとき、周回り方向に(360/X)度の角度を存して隣接する状態で配設されている。そして、本実施の形態では、一対の異極同志のブラシ、即ち、プラス電極用ブラシ14(+)とマイナス電極用ブラシ14(−)同志とは、周回り方向に90度(360/4)の角度を存して位置している。そして、他の一対のプラス電極用ブラシ14(+)とマイナス電極用ブラシ14(−)同志とは、前記180度の角度を存して位置するプラス電極用ブラシ14(+)とマイナス電極用ブラシ14(−)とが整流子片7bに摺接するタイミングと同様となる位置に配設されており、図8に示すように、周回り方向に位置ずれする状態で配設されるように設定されている。
【0016】
これによって、プラス電極用ブラシ14(+)同志が整流子片7bに摺接するタイミング、そして、マイナス電極用ブラシ14(−)同志が整流子片7bに摺接するタイミングとが、それぞれ同様となるように設定されている。因みに、プラス電極用ブラシ14(+)とマイナス電極用ブラシ14(−)との整流子片7bとの摺接タイミングは、それぞれ異なるものとなっている。
尚、前記位置ズレして設けられる他のプラス電極用ブラシ14(+)とマイナス電極用ブラシ14(−)とは、それぞれ位置ズレしないプラス電極用ブラシ14(+)とマイナス電極用ブラシ14(−)との位置関係が、周回り方向180度の角度になるべく近い状態となるように設定されており、これによって、ブラシ14の位置ズレによる影響が最小限となるようにしている。
【0017】
つぎに、第二の実施の形態のアーマチュア4とブラシ14との摺接状態を説明する展開図を図9、10において示すが、これら図面は、アーマチュア4が1/21回転する状態を八段階に分割して示しており、各段階において、短絡するコイル10が示されており、これらの図面に基づいて有効導体数の変化について説明する。
これらの図面では、前記第一の実施の形態と同様に、(A−I)、(A−II)、(B−I)(B−II)の各磁極に対する領域において短絡するコイル10が図示されており、さらに、各領域における有効導体数を示す数字が対応する領域において図示されている。そして、これらの図面に基づいて、アーマチュア4の回転に伴う各領域に対する有効導体数の変化を検討する。
【0018】
まず、図9(A)に示す展開図であるが、このものは、図12の(1)段階に相当している。この状態において、プラス電極用ブラシ14(+)は、1番および11番整流子片7bにそれぞれ摺接している。一方、マイナス電極用ブラシ14(−)は、6、7番および16、17番整流子片7bにそれぞれ摺接している。そして、同極のブラシ14(+)または14(−)に導通する整流子片7bに接続されて短絡するコイル10は、1、6、7、17番コイルとの4個のコイル10となる。そして、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では8、(B−I)領域では8、(A−II)領域では9、(B−II)領域では9であり、全体有効導体数は34となっている。
つぎに、図9(B)は、前記図9(A)の状態からアーマチュア4が矢印X方向に向けて凡そ2.14度(=(360/21)×(1/8))回転した状態をしめしており、前記図8の(2)段階に相当している。この状態となると、プラス電極用ブラシ14(+)は、1、2番および11、12番整流子片7bに摺接し、マイナス電極用ブラシ14(−)は、6、7番および16、17番整流子片7bにそれぞれ摺接しており、1、2、6、7、12、17番の6個のコイル10が短絡している。そして、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では7、(B−I)領域では7、(A−II)領域では8、(B−II)領域では8であり、全体としての有効導体数は30となっている。
【0019】
さらに、図9(C)は、前記図9(B)の状態からさらに凡そ2.14度回転図12の(3)段階に相当しており、この状態となると、プラス電極用ブラシ14(+)は、1、2番および11、12番整流子片7bに摺接し、マイナス電極用ブラシ14(−)は、7番および17番整流子片7bにそれぞれ摺接しており、1、2、7、12番の4個のコイル10が短絡している。そして、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では9、(B−I)領域では8、(A−II)領域では8、(B−II)領域では9であり、全体としての有効導体数は34となっている。
【0020】
また、図10(A)は図12の(4)段階に相当しており、この状態になると、プラス電極用ブラシ14(+)は、1、2番および11、12番整流子片7bに摺接し、マイナス電極用ブラシ14(−)は、7、8番および17、18番整流子片7bにそれぞれ摺接している。この状態では、1、2、7、8、12、18番の6個のコイル10が短絡し、各領域に対する有効導体数は、(A−I)領域では8、(B−I)領域では7、(A−II)領域では7、(B−II)領域では8であり、全体としての有効導体数は30となっている。
そして、図10(B)は図12の(5)段階に相当しており、この状態になっても、プラス電極用ブラシ14(+)は、1、2番および11、12番整流子片7bに摺接し、マイナス電極用ブラシ14(−)は、7、8番および17、18番整流子片7bにそれぞれ摺接していて、図10(A)の状態と同様であり、1、2、7、8、12、18番の6個のコイル10が短絡している。そして、各領域に対する有効導体数についても、(A−I)領域では8、(B−I)領域では7、(A−II)領域では7、(B−II)領域では8であり、全体としての有効導体数は30となって、前記図10(A)の状態と同様となる。
【0021】
そうして、これ以降、プラス電極用ブラシ14(+)が3番整流子片7bに摺接するまでのあいだは、前記図10(A)の状態が継続されることになる。このように、アーマチュア4の回転角度が凡そ1ティース分だけ回転するあいだに、アーマチュア4の全体としての有効導体数は34または30個となり、電磁力は変化するものの、この場合に、図9(A)、(B)、(C)で示す三段階の変化があった後、図10(A)で示す状態に変化し、それ以降については、図10(A)に示す状態と同様の状態が維持されることになる。この結果、アーマチュア4が回転したとき、異なる電磁力状態の繰り返しの変化が減少して安定した電磁力状態とすることができるうえ、周回り方向に生じる電磁力の偏りについては、図10(A)の状態が多くなることから偏りの箇所についても同じ箇所で偏る傾向となり、もって、振動の少ない低騒音で、しかも円滑な作動の電動モータ13を提供することができる。
【0022】
因みに、図11は、従来のブラシが用いられた電動モータと、本実施の形態のブラシ14を用いた電動モータ13とにおいて、それぞれ毎分1500回転させた状態において、アーマチュア4に作用する電磁力の測定値から得られた電磁力リサージュ図である。このグラフ図からも明らかなように、従来例はゼロを中心として電磁力の変化範囲が大きくなっているのに対し、第二の実施の形態のものはマイナス(−)領域において電磁力が変化し、しかも、その電磁力の変化範囲が小さくなっていることが確認され、低振動、低騒音となることが実証された。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)、(B)はそれぞれ電動モータの一部断面側面図、コアの正面図である。
【図2】図2(A)、(B)、(C)はそれぞれコンミテータの側面図、背面図、断面図である。
【図3】コンミテータとブラシの関係を説明するパターン図である。
【図4】巻線の巻装状態を説明する展開図である。
【図5】図5(A)、(B)、(C)はそれぞれアーマチュアの回転状態に伴う有効導体数の変化を説明する展開図である。
【図6】図6(A)、(B)はそれぞれアーマチュアの回転状態に伴う有効導体数の変化を説明する展開図である。
【図7】アーマチュアの電磁力を説明する電磁力リサージュ図である。
【図8】第二の実施の形態におけるアーマチュアとブラシの関係を説明する断面図である。
【図9】図9(A)、(B)、(C)はそれぞれ第二の実施の形態におけるアーマチュアの回転状態に伴う有効導体数の変化を説明する展開図である。
【図10】図10(A)、(B)はそれぞれ第二の実施の形態におけるアーマチュアの回転状態に伴う有効導体数の変化を説明する展開図である。
【図11】第二の実施の形態におけるアーマチュアの電磁力を説明する電磁力リサージュ図である。
【図12】従来例におけるアーマチュアの回転状態に伴う有効導体数の変化を説明するパターン図である。
【図13】従来例におけるアーマチュアの回転状態に伴う有効導体数の変化を説明する展開図である。
【符号の説明】
1 電動モータ
2 モータハウジング
3 永久磁石
4 アーマチュア
5 シャフト
6 コア
6b ティース
6c スロット
7 コンミテータ
7b 整流子片
7c ライザ
8a ブラシ
9 巻線
10 コイル
Claims (7)
- 外周に複数のコイルが巻装されたアーマチュアコアと、前記コイルに導通する奇数個の整流子片が周回りに並設されたコンミテータとをシャフトに外嵌固定してアーマチュアを構成し、該アーマチュアを、内周面に複数極の磁極が形成されたヨークに軸承してなる回転電機において、前記コンミテータの整流子片に、径方向に対向する少なくとも一対のブラシを摺接させてコイルに給電するにあたり、前記ブラシのうち、半数は、整流子片との摺接面が他のブラシよりも周回り方向に長い異形ブラシに形成されている回転電機。
- 請求項1において、ブラシは二対以上設けられ、各極ブラシの半数が異形ブラシに形成されている回転電機。
- 請求項1または2において、異形ブラシの摺接面は、周回り方向長さが他のブラシの略二倍に設定されている回転電機。
- 請求項3において、異形ブラシの摺接面は、周回り方向長さが一つの整流子片の周回り方向長さの略二倍に設定されている回転電機。
- 外周に複数のコイルが巻装されたアーマチュアコアと、前記コイルに導通する奇数個の整流子片が周回りに並設されたコンミテータとをシャフトに外嵌固定してアーマチュアを構成し、該アーマチュアを、内周面に複数極の磁極が形成されたヨークに軸承してなる回転電機において、前記コンミテータの整流子片に、径方向に対向する少なくとも二対のブラシを摺接させてコイルに給電するにあたり、前記ブラシは、同極同志のブラシの整流子片との摺接タイミングが同じになるよう周回り方向に位置ずれして配設されている回転電機。
- 請求項5において、磁極数をX極としたとき、一対の異極同志のブラシは周回り方向に(360/X)度の角度を存して配設され、該配設されたブラシを基準として他の同極ブラシの位置が設定されている回転電機。
- 請求項1、2、3、4または5において、回転電機は、4極、21ティース型のアーマチュアを備えたパワーステアリング用の電動モータである回転電機。
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2002
- 2002-08-29 JP JP2002251729A patent/JP2004096836A/ja active Pending
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