JP2015012716A - 無線電力伝送システム、送電装置、および受電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な手法で、素子に破壊につながるようなストレスを与えずに共振周波数を検出できるようにすること。【解決手段】送電装置101は、受電装置102へ非接触の状態で電力を共振により無線で送電する。この送電装置101は、高周波電力を発生する高周波電源1と、高周波電源1の駆動周波数を制御する周波数制御部9と、直流電圧を出力する整流回路4と、整流回路4から出力される直流電圧よりも低い直流電圧を出力する低電圧発生回路6と、低電圧発生回路6から出力される直流電圧を高周波電源1へ供給する第1の状態と、整流回路から出力される直流電圧を高周波電源1へ供給する第2の状態とを切り替え可能なリレー6とを具備する。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、無線で電力を伝送する無線電力伝送システム、送電装置、および受電装置に関する。
送電用コイルと受電用コイルとを使用し無線により非接触で電力を伝送する無線電力伝送システムは、電極の露出がなく摩耗による性能劣化がないこと、水分の多い環境でも安全に伝送できることなど多くの利便性を有する。そのため、近年ではICカード、携帯電話、電動歯ブラシ、シェーバーなど多くの機器に採用されている。近年では、電気自動車(EV)などに応用して、数kWオーダーの電力を伝送することで、コネクタを接続せずに充電できるシステムの実現を目指して開発が行われている。
無線電力伝送システムでは、送電側、受電側ともにコイルが用いられている。コイルは導体を巻いて構成され、対向して配置される。さらに、電力の伝送効率を向上させるために、送電側、受電側ともに共振用コンデンサが用いられている。このコンデンサでコイルのインダクタンスと共振させることで、高効率な電力伝送を実現している。
しかし、コイルのインダクタンスやコンデンサの容量は物によって初期値にばらつきがある。さらに、巻き線の状態変化などにより経年変化する可能性もある。例えば、共振周波数が最初からずれていたり、あるいはだんだんとずれていったりする可能性がある。無線電力伝送システムでは、共振を利用して高効率で伝送しているため、装置の共振周波数がずれてしまっては、固定の駆動周波数で運転していても高効率な電力伝送は不可能である。高効率な電力伝送を実現するためには、共振周波数を検出して、その周波数で駆動することが重要である。特に、無線電力伝送システムでは、コイルの周波数特性を表す指標であるQ値が100以上と高いコイルを用いている。Q値が高いほど、電力伝送の効率は向上するが、数%の周波数ずれでも5%以上の効率低下を招くことになる。
こうした背景から、無線電力伝送システムにおいて共振周波数を検出することは非常に重要である。
図8に従来の無線電力伝送システムの構成を示す。図8に示すように、送電装置101は、高周波電源を含む高周波電源1、送電用共振コンデンサ2、送電用コイル3、および周波数制御部9を有する。受電装置102は、受電用コイル11、受電用共振コンデンサ12、および受電用整流回路13を有する。受電装置102には負荷100が接続される。
また、図9(a)に負荷オープン時のインピーダンスの周波数特性を示し、図9(b)に負荷短絡時のインピーダンスの周波数特性を示す。負荷オープン時は、ある1つの周波数においてインピーダンスが0Ωとなる。この点が共振点であり、この周波数で図8に示される高周波電源1を駆動すると、高効率で伝送することができる。一方、負荷短絡時は、2つの周波数において0Ωとなる。この2つの周波数は送電用コイルと受電用コイルとの間の距離などに応じて変化するため、こうした周波数を検出することで、位置ずれなどの検出が可能となる。このため、このような特性を利用して、送電側の駆動周波数を変化させながら出力電流値を計測することで共振点を検出する手法が提案されている。
しかしながら、共振点ではインピーダンスが0Ωとなるために、大電流が流れてしまう。特にkW級以上の大容量の装置では高周波電源の出力電圧が高いために、共振点では非常に大きな電流が流れてしまう。過大な電流が流れると、高周波電源で用いられている半導体素子が破壊する可能性がある。さらに、通常は安全上のため、過電流保護などの保護機能が実装されているため、仮に装置が破壊しなくても、周波数検出の目的で運転すると、保護停止してしまう可能性がある。このため、通常の高周波電源では、共振周波数を検出することは現実的ではない。
本発明が解決しようとする課題は、簡易な手法で、素子に破壊につながるようなストレスを与えずに共振周波数を検出することが可能な無線電力伝送システム、送電装置、および受電装置を提供することにある。
実施形態の送電装置は、受電装置へ非接触の状態で電力を共振により無線で送電する。この送電装置は、高周波電力を発生する高周波電源と、前記高周波電源の駆動周波数を制御する周波数制御手段と、直流電圧を出力する整流回路と、前記整流回路から出力される直流電圧よりも低い直流電圧を出力する低電圧発生回路と、前記低電圧発生回路から出力される直流電圧を前記高周波電源へ供給する第1の状態と、前記整流回路から出力される直流電圧を前記高周波電源へ供給する第2の状態とを切り替え可能な切替手段とを具備する。
簡易な手法で、素子に破壊につながるようなストレスを与えずに共振周波数を検出することができる。
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1〜図5を参照して、第1の実施形態を説明する。
図1は、第1の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略構成の一例を示す図である。なお、この図1は後述する第2の実施形態においても使用する。
図1〜図5を参照して、第1の実施形態を説明する。
図1は、第1の実施形態に係る無線電力伝送システムの概略構成の一例を示す図である。なお、この図1は後述する第2の実施形態においても使用する。
図1に示されるように、無線電力伝送システムは、送電装置101と受電装置102とから構成される。送電装置101は、例えば駐車場などに設置される。一方、受電装置102は、例えば電気自動車(EV)などの車両に設置され、バッテリ等の負荷100が接続される。送電装置101と受電装置102とは、共に、コンデンサおよびコイルを用いて直列共振を実現する。これにより無線電力伝送システムは、送電装置101から受電装置102へ非接触の状態で共振を用いて電力を無線で伝送することが可能である。また、送電装置101と受電装置102とは、それぞれ同一規格の近距離無線通信機能(図示せず)を有し、相互認証を通じて、相互に情報を無線で通信することが可能である。
送電装置101は、高周波電源1、送電用共振コンデンサ2、送電用コイル3、送電用整流回路4、低電圧発生回路5、リレー(もしくはスイッチ)6、電流センサ7、制御装置8などを備えている。一方、受電装置102は、受電用コイル11、受電用共振コンデンサ12、および受電用整流回路13、コンデンサ14、充電回路15などを備えている。
なお、図1の構成において、低電圧発生回路5とリレー7を省くか、あるいは充電回路15を省くように構成してもよい。いずれの場合も、素子に破壊につながるようなストレスを与えずに共振周波数を検出することが可能である。
高周波電源1は、送電用整流回路4または低電圧発生回路5から出力される直流電圧で駆動され、高周波電力を発生する。この高周波電源1は、無線電力伝送を実施している通常の動作(以下、「通常モード」と称す)のときは、送電用整流回路4から出力される直流電圧で駆動され、一方、通常動作ではなく、通常動作前における共振点探索(共振周波数の探索)などの準備動作(以下、「準備モード」と称す)のときは、低電圧発生回路5から出力される直流電圧で駆動される。また、高周波電源1の駆動周波数は、制御装置8により制御される。
送電用共振コンデンサ2および送電用コイル3は、直列共振回路を構成し、高周波電源1から発生する電力を無線で受電用コイル11および受電用共振コンデンサ12を通じて受電装置102へ伝送する。
送電用整流回路4は、交流電力を整流して直流電圧を出力する。この送電用整流回路4の直流電圧は、通常モードのときはリレー6を経由して高周波電源1へ供給され、準備モードのときはリレー6を経由せずに低電圧発生回路5へ供給される。
低電圧発生回路5は、準備モードのときに使用され、送電用整流回路4から出力される直流電圧を入力し、送電用整流回路4から出力される直流電圧よりも低い直流電圧を出力する。この低電圧発生回路5から出力される直流電圧は、高周波電源1へ供給される。
リレー6は、通常モードと準備モードとを切り替える際に使用される。このリレー6は、接点の開/閉が制御装置8により制御され、導通/非導通のいずれかの状態となる。準備モードのときは非導通の状態となり、一方、通常モードのときは導通し、送電用整流回路4から出力される直流電圧を高周波電源1へバイパスさせる(送電用整流回路4を経由させない)。
電流センサ7は、高周波電源1の出力電流の電流値を検出する。その検出結果は、制御装置8に伝えられる。
制御装置8は、周波数制御部9および特性検出部10を備えている。
周波数制御部9は、高周波電源1の駆動周波数を制御する。制御される駆動周波数は特性検出部10に通知される。
特性検出部10は、電流−周波数特性の計測や、共振周波数の探索・検出などを行う。例えば、準備モードにおいては、周波数制御部9により高周波電源1の駆動周波数を連続的にもしくは段階的に変化させ、電流センサ7により検出される電流値が最大となるときの駆動周波数を共振周波数として検出する。共振周波数として検出された駆動周波数は、周波数制御部9に通知され、通常モードにおける駆動周波数として設定される。
受電用コイル11および受電用共振コンデンサ12は、直列共振回路を構成し、送電装置101から送電用共振コンデンサ2および送電用コイル3を通じて伝送されてくる電力を無線で受電する。
受電用整流回路13は、受電された電力を整流にして出力する。
コンデンサ14は、受電用整流回路13の出力電圧を平滑化する。
充電回路15は、受電を行う前に、より具体的には準備モードにおいて送電装置101側で共振周波数の探索が行われる前に、車載のバッテリもしくは外部電源の電力を用いてコンデンサ14の充電を行う。
一般の無線電力伝送システムでは、送電装置側において電源の交流100Vか200Vを整流しているために、直流電圧は140Vか280V程度となるが、本実施形態では、送電装置101側において通常の直流電圧よりも低い電圧の直流電圧を低電圧発生回路5から発生させることができるため、共振点探索を行う際には、この低い直流電圧で高周波電源1を駆動することにより、共振点において素子にダメージを与えるような過大な電流が流れることを防ぐことができ、共振点探索を安心して行うことができる。また、周波数制御部9により高周波電源1の駆動周波数を連続的もしくは段階的に変化させることで、送電用コイル3に様々な周波数の電圧を印加させることができ、特性検出部10において共振点探索を容易に行うことができる。
一方、受電装置102側では、送電装置101側で共振点探索が行われる前に、充電回路15によりバッテリ等の電力を用いたコンデンサ14の充電が行われる。これにより、送電装置101側から見た時、コイルは開放状態に見える。共振点ではインピーダンスがほぼ0で、大きな電流が流れるため、共振点探索において電流の最大値を容易に検出することができ、共振周波数を容易に検出することができる。ここで、高周波電源1で用いられている素子やコイルの抵抗などにより、インピーダンスは0とはならないため、例えば数10V程度の低電圧であれば、電流値は数10A程度に抑えることができ、素子にダメージを与えずに済む。
また、低電圧発生回路5を制御装置8等によって操作することにより、出力直流電圧を適宜調整するようにしてもよい。例えば低電圧発生回路5の出力直流電圧に変動がある場合にはこれを抑えるように制御することで、より安定した所望の直流電圧で高周波電源1を駆動することができるため、電圧変動に応じた電流変動を抑えることができ、同じ電圧を安定して維持したまま様々な周波数で周波数特性を高精度に取得することができ、共振周波数の検出精度を高めることができる。
また、低電圧発生回路5は、高周波電源1に比べて非常に小さい容量で済み、リレー6を含めて増設する回路のサイズが小さくて済む。
図2は、図1中に示される高周波電源1および低電圧発生回路5に関する具体的な回路構成の一例を示す図である。なお、図1と共通する要素には同一の符号を付している。また、この図2は後述する第2の実施形態においても使用する。
高周波電源1は、複数のスイッチング素子を含み、これらスイッチング素子のゲートにパルスを送って各スイッチング素子を駆動するゲートドライバ1aを備えている。制御部22は、特性検出部10により、電流センサ7により検出される検出結果から出力電流の周波数や位相などの情報を取得し、周波数制御部9により、高周波電源1の駆動周波数を所望の値にすべくゲートドライバ1aを通じて例えばパルス幅変調(PWM)方式にて各スイッチング素子を駆動する。
低電圧発生回路5は、例えば降圧チョッパで構成される。降圧チョッパは、内蔵のスイッチング素子を高速にオン/オフさせることにより、電用整流回路4から出力される直流電圧を降圧して出力する。このような降圧チョッパを使用することにより、準備モードでの周波数制御において必要となる低電圧を容易に得ることができ、素子に無理なストレスを与えずに高精度な共振点探索を行うことが可能となる。
図3は、図1中に示される充電回路15に関する具体的な回路構成の一例を示す図である。なお、図1と共通する要素には同一の符号を付している。
図3の回路構成例では、負荷100の一例として車載のバッテリ100Aが設けられ、また、このバッテリ100Aの充電を行うバッテリ充電回路16が設けられ、さらに充電回路15の一例としてコンデンサ充電回路15Aが設けられている。バッテリ充電回路16およびコンデンサ充電回路15Aは、図示しない制御装置により制御される。
バッテリ充電回路16は、受電用整流回路13から供給される電力でバッテリ100Aを充電する。一方、コンデンサ充電回路15Aは、バッテリ100Aに蓄電されている電力を用いてコンデンサ14を充電する。
受電装置102は、無線電力伝送を開始する前は、受電しておらず、受電用整流回路13に接続されているコンデンサ14は放電状態にある。もし、この状態で送電装置101側にて周波数探索を行ったとしても、コンデンサ14が充電されるため、コイル11が開放状態とならず、共振周波数を検出することが困難となる。そこで、共振点探索を開始する前に、コンデンサ充電回路15Aによりコンデンサ14を充電しておく。コンデンサ充電回路15Aによりコンデンサ14を充電した後に、送電装置101にて低電圧による共振点探索を実施する。これにより、送電装置101側ではコイルが開放されたのと同じインピーダンスに見え、正確な共振周波数を検出することができる。
図4は、図3の回路構成例と異なる別の回路構成例を示す図である。なお、図3と共通する要素には同一の符号を付している。
図4の回路構成例が図3の回路構成例と異なる点は、充電回路15の一例としてコンデンサ充電回路15Aの代わりに、昇圧回路15Bが設けられている点である。昇圧回路15Bは、バッテリ100A以外の別の電源(例えば別バッテリの制御電源)からの電力を、コンデンサ14の充電に適した電圧に昇圧してから出力する。これにより、昇圧回路15Bから出力された電力はコンデンサ14に供給されて充電される。
一般に、バッテリを備えた装置(EVなど)では、制御電源が別バッテリなどにより確保されていることがある。そこで、この制御電源の電力を昇圧回路15Bにより昇圧した後の電力を用いてコンデンサを充電する。このようにした場合も、図3の回路構成例と同様の効果を得ることができる。
次に、図5を参照して、第1の実施形態における動作の一例を説明する。
この無線電力伝送システムにおいては、通常の無線電力伝送を開始する前に、ステップS11〜S14(準備モード)により無線電力伝送の準備のための処理を行い、その準備が整った後に、ステップS15(通常モード)により通常の無線電力伝送を実施する。
最初、受電装置102側において、受電を行う前に、充電回路15によりバッテリ等の電力を用いたコンデンサ14の充電が行われる(ステップS11)。これにより、送電装置101側から見た時、コイルは開放状態に見え、送電装置101側での共振点探索が容易となる。この受電装置102側での準備が完了すると、その旨が近距離無線通信機能により受電装置102側から送電装置101側へ通知される。
次に、送電装置101において、送電装置101が受電装置102側からの通知を受けると、リレー6が非導通状態にされ、低電圧発生回路5の出力直流電圧が高周波電源1に供給され、通常の直流電圧よりも低い電圧の直流電圧で高周波電源1が駆動される(ステップS12)。この状態で、周波数制御部9が高周波電源1の駆動周波数を連続的にもしくは段階的に変化させて、特性検出部10が電流センサ7により検出される電流値(もしくはインピーダンス)の周波数特性を取得し、電流値が最大となる共振点を探索し、電流値が最大となるときの駆動周波数を共振周波数として検出する(ステップS13)。共振周波数として検出された駆動周波数は、周波数制御部9に通知され、この後の通常モードで使用する駆動周波数として設定される(ステップS14)。
受電装置102側および送電装置101側での準備が完了すると、リレー6が導通状態にされ、送電用整流回路4の出力直流電圧が高周波電源1に供給され、設定された駆動周波数による通常の無線電力伝送が実施される(ステップS15)。
なお、図5の例では、ステップS11の処理(受電装置102側のコンデンサ14の充電)とステップS12の処理(低電圧発生回路5の出力電圧による駆動)の両方を含む場合を例示したが、いずれか一方の処理を省略させた動作を実施してもよい。
このように第1の実施形態によれば、送電装置101側においては、通常の無線電力伝送が実施する前に、共振点探索を行うにあたり、通常の直流電圧よりも低い電圧の直流電圧で高周波電源1を駆動するため、共振点において素子にダメージを与えるような過大な電流が流れることを防ぐことができ、共振点探索を安心して行うことができる。また、受電装置102側においては、受電が行われる前に、充電回路15によりバッテリ等の電力を用いたコンデンサ14の充電が行われるため、送電装置101側から見た時、コイルは開放状態に見え、共振点探索において電流の最大値を容易に検出することができ、共振周波数を容易に検出することができる。
(第2の実施形態)
次に、図6および図7を参照して、第2の実施形態を説明する。ここでは、第1の実施形態と共通する部分の説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。なお、必要に応じて前述の図1乃至図4も参照する。
次に、図6および図7を参照して、第2の実施形態を説明する。ここでは、第1の実施形態と共通する部分の説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。なお、必要に応じて前述の図1乃至図4も参照する。
図1に示した無線電力伝送システムの概略構成、ならびに、図2に示した送電装置101側の回路構成は、この第2の実施形態にも適用される。
図6は、第2の実施形態に係る無線電力伝送システムの受電装置102側の具体的な回路構成の一例を示す図である。なお、図3や図4と共通する要素には同一の符号を付している。
図6の回路構成例では、負荷100の一例として車載のバッテリ100Aが設けられ、また、このバッテリ100Aの充電を行うバッテリ充電回路16が設けられ、さらにコイル短絡回路(もしくはスイッチ)17が設けられている。コイル短絡回路17は、受電を行う前に、受電用コイル11を短絡させる。このコイル短絡回路17は、図示しない制御装置により制御される。
前述のように、受電装置102は、共振点探索を開始する前に、コンデンサ充電回路15Aによりバッテリ100Aの電力を用いてコンデンサ14を充電しておくことにより、送電装置101側ではコイルが開放されたのと同じインピーダンスに見え、共振周波数を検出することができる。
一方で、送電用コイル3と受電用コイル11との距離や位置ずれなどで、コイル間の結合係数kと呼ばれる指標が変化する。また、受電側の共振周波数もずれる可能性がある。
例えば電気自動車(EV)の場合、送電装置101は地上に、受電装置102は車両に設置されることとなる。充電時にはユーザーが車両を駐車するが、送電用コイル3に対する受電用コイル11の位置は、常に同じになるわけではない。さらに、車両に載せられている荷物の量などによって、送電用コイル3と受電用コイル11と間の距離も変化する。こうした距離や位置ずれは結合係数kに影響する。結合係数kは、コイル間の距離が近いほど受電側に届く磁束が多くなり、コイル間の結合が良くなり、高い値を示すが、距離が離れるほど、また、位置ずれが大きくなるほど、結合係数kは低くなる。
また、電力伝送効率は、kとQ値との積であるkQが高いほど、効率は高くなることが知られている。さらに、同じkの条件であっても、負荷の抵抗値によって電力伝送効率は変化し、最適な負荷条件が存在する。つまり、結合係数kを検出し、その結合係数kに合わせて、送電側から見た負荷抵抗値を調整することで、電力伝送効率を向上させることが可能となる。
そこで、本実施形態では、コイル短絡回路24により受電用コイル11を短絡させた状態で、送電装置101側にて周波数制御部9により高周波電源1の駆動周波数を連続的にもしくは段階的に変化させて、特性検出部10により受電用コイル短絡時の電流値(もしくはインピーダンス)の周波数特性を取得し、この特性から結合係数k等を検出する。
次に、図7を参照して、第2の実施形態における動作の一例を説明する。なお、ここでは、説明の複雑化を避けるため、コンデンサ14の充電に関連する処理の説明や、共振周波数の探索・検出およびこれに基づく駆動周波数の設定の処理の説明については省略する。
この無線電力伝送システムにおいては、通常の無線電力伝送を開始する前に、ステップS21〜S24(準備モード)により無線電力伝送の準備のための処理を行い、その準備が整った後に、ステップS25(通常モード)により通常の無線電力伝送を実施する。
最初、受電装置102側において、受電を行う前に、コイル短絡回路24により受電用コイル11を短絡させる(ステップS21)。この受電装置102側での準備が完了すると、その旨が近距離無線通信機能により受電装置102側から送電装置101側へ通知される。
次に、送電装置101において、送電装置101が受電装置102側からの通知を受けると、リレー6が非導通状態にされ、低電圧発生回路5の出力直流電圧が高周波電源1に供給され、通常の直流電圧よりも低い電圧の直流電圧で高周波電源1が駆動される(ステップS22)。この状態で、周波数制御部9が高周波電源1の駆動周波数を連続的にもしくは段階的に変化させて、特性検出部10が電流センサ7により検出される電流値(もしくはインピーダンス)の周波数特性を取得し、この特性から結合係数kや受電側の共振周波数を求める(ステップS23)。また、求めた結合係数k等に合わせて、送信装置101側から見た負荷抵抗値の調整が行われる(ステップS24)。
受電装置102側および送電装置101側での準備が完了すると、リレー6が導通状態にされ、送電用整流回路4の出力直流電圧が高周波電源1に供給され、通常の無線電力伝送が実施される(ステップS25)。
このように第2の実施形態によれば、前述の第1の実施形態と同様の効果が得られるほか、以下のような効果が得られる。すなわち、受電装置102側においては、受電が行われる前に、コイル短絡回路24により受電用コイル11が短絡されるため、送電装置101側においては、受電用コイル短絡時の電流値(もしくはインピーダンス)の周波数特性を取得することができ、この特性から結合係数kや受電側の共振周波数を求めることができる。また、求めた結合係数等に合わせて、送信装置101側から見た負荷抵抗値の調整が行われるため、電力伝送効率を向上させることができる。
以上詳述したように、各実施形態によれば、簡易な手法で、素子に破壊につながるようなストレスを与えずに共振周波数を検出することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…高周波電源、1a…ゲートドライバ、2…送電用共振コンデンサ、3…送電用コイル、4…送電用整流回路、5…低電圧発生回路、6…リレー、7…電流センサ、8…制御装置、9…周波数制御部、10…特性検出部、11…受電用コイル、12…受電用共振コンデンサ、13…受電用整流回路、14…コンデンサ、15…充電回路、15A…コンデンサ充電回路、15B…昇圧回路、16…バッテリ充電回路、17…コイル短絡回路、100…負荷、100A…バッテリ、101…送電装置、102…受電装置。
Claims (15)
- 受電装置へ非接触の状態で電力を共振により無線で送電する送電装置であって、
高周波電力を発生する高周波電源と、
前記高周波電源の駆動周波数を制御する周波数制御手段と、
直流電圧を出力する整流回路と、
前記整流回路から出力される直流電圧よりも低い直流電圧を出力する低電圧発生回路と、
前記低電圧発生回路から出力される直流電圧を前記高周波電源へ供給する第1の状態と、前記整流回路から出力される直流電圧を前記高周波電源へ供給する第2の状態とを切り替え可能な切替手段と
を具備することを特徴とする送電装置。 - 前記高周波電源の出力電流の電流値を検出する電流センサと、
前記第1の状態において、前記周波数制御手段により前記高周波電源の駆動周波数を変化させ、前記電流センサにより検出される電流値が最大となるときの駆動周波数を共振周波数として検出する検出手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の送電装置。 - 前記低電圧発生回路は、前記整流回路から出力される直流電圧を降圧して出力する降圧回路を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の送電装置。
- 高周波電力を発生する高周波電源を備えた送電装置から非接触の状態で共振により無線で送電される電力を受電する受電装置であって、
受電した電力を整流にする整流回路と、
前記整流回路の出力電圧を平滑化するコンデンサと、
受電を行う前に、前記コンデンサの充電を行う充電手段と
を具備することを特徴とする受電装置。 - 前記充電手段は、前記送電装置側で共振周波数の探索が行われる前に、前記コンデンサの充電を行うことを特徴とする請求項4に記載の受電装置。
- 前記充電手段は、バッテリの電力を用いて前記コンデンサの充電を行うことを特徴とする請求項4又は5に記載の受電装置。
- 前記充電手段は、外部電源からの電力により前記コンデンサの充電を行うことを特徴とする請求項4又は5に記載の受電装置。
- 受電を行う前に、受電用コイルを短絡させる切替手段をさらに具備することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の受電装置。
- 高周波電力を発生する高周波電源を備えた送電装置から受電装置へ、非接触の状態で電力を共振により無線で伝送する無線電力伝送システムであって、
前記送電装置は、
高周波電力を発生する高周波電源と、
前記高周波電源の駆動周波数を制御する周波数制御手段と、
直流電圧を出力する第1の整流回路と、
前記第1の整流回路から出力される直流電圧よりも低い直流電圧を出力する低電圧発生回路と、
前記低電圧発生回路から出力される直流電圧を前記高周波電源へ供給する第1の状態と、前記第1の整流回路から出力される直流電圧を前記高周波電源へ供給する第2の状態とを切り替え可能な切替手段と
を具備し、
前記受電装置は、
受電した電力を整流にする第2の整流回路と、
前記第2の整流回路の出力電圧を平滑化するコンデンサと、
受電を行う前に、前記コンデンサの充電を行うコンデンサ充電回路と
を具備することを特徴とする無線電力伝送システム。 - 前記送電装置は、
前記高周波電源の出力電流の電流値を検出する電流センサと、
前記第1の状態において、前記周波数制御手段により前記高周波電源の駆動周波数を変化させ、前記電流センサにより検出される電流値が最大となるときの駆動周波数を共振周波数として検出する検出手段と
をさらに具備することを特徴とする請求項9に記載の無線電力伝送システム。 - 前記低電圧発生回路は、前記第1の整流回路から出力される直流電圧を降圧して出力する降圧回路を含むことを特徴とする請求項9又は10に記載の無線電力伝送システム。
- 前記コンデンサ充電回路は、前記送電装置側で共振周波数の探索が行われる前に、前記コンデンサの充電を行うことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
- 前記充電手段は、バッテリの電力を用いて前記コンデンサの充電を行うことを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
- 前記充電手段は、所定の電源から得られる電力を昇圧した後の電力を用いて前記コンデンサの充電を行うことを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
- 前記受電装置は、受電用コイルを短絡させる切替手段を具備し、
前記送電装置は、前記受電用コイルを短絡させた状態で、電流値もしくはインピーダンスの周波数特性を取得し、この特性から結合係数および受電側の共振周波数の少なくとも一方を検出する検出手段を具備することを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
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