JP2015012469A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
画像形成装置では、経年変化等により、所定期間でキャリブレーションを行って、画像形成手段の入出力特性を補正(以下、「階調補正」という。)する必要がある。
このような階調補正のために、通常、画像形成装置では、濃度の異なる複数の色見本(以下、「パッチ」という。)が並べられたテストチャートを画像形成手段から印刷可能である。
サービスマン等のユーザーは、印刷されたテストチャートのパッチと、予め印刷等されたリファレンスチャートのパッチとを目視や測色計や濃度計等により比較して、階調補正を行っている。
特許文献1の技術によれば、デジタルカメラ等の外部撮像装置により撮像された画像データから階調補正を行うことで、測色計や濃度計等を必要とせずに色補正を完了することができ、簡単かつ低コストで色補正を行うことができる。
本発明の画像形成装置は、前記テストチャート出力手段は、テストチャートに、各パッチを囲う格子状の罫線を出力させ、前記歪み補正手段は、前記画像データに含まれる格子状の罫線の位置により、レンズ歪みを補正することを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、前記テストチャート出力手段は、テストチャートの位置を示すマーカーを出力させ、前記射影変換手段は、前記画像データから前記マーカーを検出し、前記マーカーの位置により前記画像データを射影変換することを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、前記テストチャート出力手段は、テストチャート内の各パッチの大きさをリファレンスチャート内の各パッチと同じ大きさに出力し、リファレンスチャートをテストチャートに並べて配置させるための位置指定画像を出力することを特徴とする。
本発明の画像形成方法は、画像形成手段の階調特性に対する階調補正を行う画像形成装置による画像形成方法において、前記画像形成装置は、複数の色のパッチを含むテストチャートを前記画像形成手段に出力させ、出力させたテストチャートと、色濃度が既知である複数の色のパッチを含むリファレンスチャートとが同時に撮像された画像データを取得し、取得された前記画像データに含まれるレンズ歪みを補正し、レンズ歪みが補正された前記画像データを射影変換し、射影変換された前記画像データから、テストチャート内の各パッチの領域及びリファレンスチャート内の各パッチの領域を検出し、検出されたテストチャート内の各パッチの領域及びリファレンスチャート内の各パッチの領域から色値を特定し、特定されたテストチャート内の各パッチの色値及びリファレンスチャート内の各パッチの色値により前記画像形成手段の階調特性に対する階調補正データを作成することを特徴とする。
〔画像形成装置1のシステム構成〕
図1を参照して説明すると、画像形成装置1は、画像処理部11、搬送部(給紙ローラー422、搬送ローラー44、排出ローラー45)、ネットワーク送受信部15、操作パネル部16、画像形成部17(画像形成手段)、及び記憶部19等が制御部10に接続されている。また、制御部10には、外部機器2を接続する外部機器接続部20が接続されている。
各部は、制御部10によって動作制御される。
制御部10は、記憶部19のROMやHDDに記憶されている制御プログラムを読み出して、この制御プログラムをRAMに展開させて実行することで、後述する機能ブロックの各手段として動作させられる。また、制御部10は、操作パネル部16から入力された所定の指示情報に応じて、装置全体の制御を行う。
画像処理部11は、外部機器2や外部ネットワークから受信した画像データを、PDFやTIFF等のフォーマットのファイル単位に変換した上で、記憶部19に印刷データとして記憶することも可能である。
搬送部は、給紙カセット421(図3)から記録紙を搬送し、画像形成部17で画像形成させ、その後にトレイ部50へ搬送する。
なお、搬送部及び画像形成部17の動作については後述する。
ネットワーク送受信部15は、データ通信用の回線ではデータを送受信し、音声電話回線では音声信号を送受信する。
記憶部19のROMやHDDには画像形成装置1の動作制御を行うための制御プログラム、及び後述する各種データ等が記憶されている。
なお、記憶部19には、一時ファイルの保存領域等が含まれている。また、記憶部19は、制御部10のユーザーの端末(図示せず)から送信された印刷データ、サムネイル画像、その他の各種ファイルのデータ等も記憶している。
外部機器2は、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、PDA(Personal Data Assistant)、ウェブカメラ、ネットワークカメラ、USBメモリー、SDカード/xD/メモリースティック等の各種フラッシュメモリーカード、USB接続HDD、NFC、RFID(Radio Frequency IDentification)カードのリーダー等である。
また、外部機器2は、記憶媒体が内蔵されている場合には、記憶部19と同様に、既にデジタルカメラ等で取得された画像データ500を記憶する記憶手段として機能する。
また、画像形成装置1において、制御部10及び画像処理部11は、GPU内蔵CPU等やチップ・オン・モジュールパッケージのように、一体的に形成されていてもよい。
また、制御部10及び画像処理部11は、RAMやROMやフラッシュメモリー等を内蔵していてもよい。
また、画像形成装置1は、ファクシミリの送受信を行うFAX送受信部を備えていてもよい。
図2を参照して、本実施形態の画像形成装置1の制御構成について、機能ブロックを基に説明する。
画像形成装置1は、テストチャート出力部100(テストチャート出力手段)、画像データ取得部110(画像データ取得手段)、歪み補正部120(歪み補正手段)、射影変換部130(射影変換手段)、パッチ領域検出部140(パッチ領域検出手段)、色値特定部150(色値特定手段)、及び階調補正データ作成部160(階調補正データ作成手段)を備えている。
また、記憶部19には、画像データ500、階調補正データ510、テストチャートデータ520、マーカーデータ530が記憶されている。
また、テストチャート出力部100は、テストチャートデータ520により、テストチャートに、各パッチを囲う格子状の罫線を出力させる。
また、テストチャート出力部100は、マーカーデータ530により、テストチャートの位置を示すマーカーを出力させる。
また、テストチャート出力部100は、テストチャートデータ520により、テストチャート内の各パッチの大きさをリファレンスチャート内の各パッチと同じ大きさに出力する。また、テストチャート出力部100は、テストチャートデータ520により、リファレンスチャートをテストチャートに並べて配置させるための位置指定画像を出力する。
歪み補正部120は、画像データ500に含まれる格子状の罫線を認識し、この罫線の交点の位置を算出して、レンズ歪みを補正する。
射影変換部130は、画像データ500からマーカーを検出し、マーカーの位置により画像データ500を射影変換する。
パッチ領域検出部140は、例えば、画像データ500に含まれる格子状の罫線の内部にある色付きの長方形等の形状を認識し、これから各パッチの領域を検出する。
画像データ500は、例えば、JPEG形式や所定形式のビットマップ等のRAW形式の画像フォーマットであってもよい。また、画像データ500は、各画素のRGB値を取得可能である。
なお、階調補正データ510は、所定の入力値の間隔で補完される曲線のような形式であってもよい。
また、テストチャートデータ520は、各パッチの位置及び色の種類を示すデータを含んでいる。テストチャートデータ520の複数の色のパッチの大きさは、リファレンスチャート内の各パッチと同じ大きさに出力されるように構成されている。
また、テストチャートデータ520には、リファレンスチャートをテストチャートに並べて配置させるためのリファレンスチャート枠650(図5)を描画するための位置指定画像のデータも含まれている。
マーカーデータ530は、テストチャート上のマーカーの数と位置のデータも含んでいる。たとえば、マーカーデータ530は、パッチ群640(図5)及びリファレンスチャート枠650の外側の四隅の所定位置に描画されるマーカー630の位置データ等を含んでいる。
また、上述の画像形成装置1の各部は、本発明の画像形成方法を実行するハードウェア資源となる。
図3を参照し、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。
トレイ部50は、画像形成部17により記録が施された記録紙の排出口41側に配設され、また、操作パネル部16は、画像形成装置1のフロント側に配設されている。
給紙ローラー422によって用紙搬送路43に繰り出された記録紙は、搬送ローラー44によって画像形成部17に搬送される。そして、画像形成部17によって記録が施された記録紙は、排出ローラー45によってトレイ部50に排出される。
図4及び図5を参照して、本発明の画像形成装置1の実施の形態に係るテストチャート出力及び撮像処理の説明を行う。
この処理においては、複数の色のパッチを含むテストチャートを画像形成部17に出力させる。そして、出力させたテストチャートに、色濃度が既知である複数の色のパッチを含むリファレンスチャートを配置して、外部機器2又はその他のデジタルカメラ等で同時に撮像する。
テストチャート出力に関する処理は、主に制御部10が、記憶部19に記憶されたプログラムを、各部と協働してハードウェア資源を用いて実行する。
また、撮像に関する処理は、ユーザーの指示により、外部機器2又はその他のデジタルカメラ等が、各部と協働してハードウェア資源を用いて実行する。
まず、制御部10は、テストチャート出力部100により、テストチャート出力処理を行う。
図5(a)を参照すると、制御部10は、画像データ500を描画(ラスタライズ)して、記憶部19に描画用のビットマップデータを一時ファイルとして作成する。
制御部10は、例えば、テストチャートデータ520を基に、CMYK各色に対応するパッチ列を含むパッチ群640を描画するための罫線と、リファレンスチャート枠650とを描画する。また、制御部10は、パッチ群640内には、例えば、CMYKそれぞれについて、所定数の濃度別の長方形形状のパッチを描画する。
次に、制御部10は、テストチャート出力部100により、マーカー出力処理を行う。制御部10は、例えば、マーカーデータ530を基に、パッチ群640及びリファレンスチャート枠650の外部の所定位置にマーカー630を、記憶部19の描画用のビットマップデータに描画する。この際、制御部10は各マーカーより外に枠線等を描画してもよい。
なお、制御部10は、マーカー630を、四隅のいずれかに別々の形状のマーカー630を描画することで、テストチャートの方向を示すことも可能である。
また、制御部10が、テストチャートデータ520とマーカーデータ530とがまとめられたデータを描画するような構成であってもよい。
次に、制御部10は、テストチャート出力部100及び画像形成部17により、画像形成処理を行う。
制御部10は、記憶部19に記憶された描画用のビットマップデータを、階調補正データ510により階調を補正した上で、画像形成部17で画像形成させる。これにより、テストチャート620が記録紙に印刷される。
この際、画像形成部17に入力される各パッチの箇所の濃度の入力値と、実際に記録紙に出力される濃度とは、階調補正データ510の調整前なのでずれている。
次に、外部機器2又はその他のデジタルカメラ等は、撮像処理を行う。
図5(a)(b)を参照すると、サービスマン等のユーザーは記録紙に印刷されたテストチャート620のリファレンスチャート枠650内に、リファレンスチャート700を載置する。このリファレンスチャート700は、例えば、リファレンスチャート枠650に収まるような大きさに、予め既知の色濃度の各パッチが罫線とともにオフセット印刷された印刷物等であり、ユーザーが保持している。
この状態で、外部機器2又はその他のデジタルカメラ等は、ユーザーの指示を取得して撮像を行う。これにより、テストチャート620とリファレンスチャート700とが同時に一つの画像データ500として撮像される。
この撮像の際に、ユーザーの影等が写りこむことを避けるため、水平な台の上に載置されたテストチャート620に対して、斜めから撮像することも可能である。また、できるだけ大きな画像を近くから撮像するため、ズームレンズをズーム側にして撮像することも可能である。
外部機器2又はその他のデジタルカメラ等は、撮像された画像を所定形式に画像変換して、RAMやフラッシュメモリーやHDD等である記録媒体に、画像データ500として記憶する。
以上により、本発明の実施の形態に係るテストチャート出力及び撮像処理を終了する。
次に、図6を参照して、本発明の画像形成装置1の実施の形態に係る階調補正処理について説明する。
画像形成装置1は、上述のテストチャート出力及び撮像処理で撮像された画像データ500を取得し、画像データ500内のカメラレンズの曲面に由来する歪みを補正し、射影変換(投影変換)を行ってからテストチャート及びリファレンスチャートの各パッチの領域とその色値とを算出し、この色値により階調補正データ510を作成する。
この処理は、主に制御部10が、記憶部19に記憶されたプログラムを、各部と協働してハードウェア資源を用いて実行する。
以下では、図6のフローチャートにより、階調補正処理の概要をステップ毎に説明する。
まず、制御部10は、画像データ取得部110により、画像データ取得処理を行う。
制御部10は、外部機器2がデジタルカメラ等であり撮像手段として機能する場合、この撮像手段で撮像され記録媒体に記録されていた画像データ500を取得し、記憶部19に記憶させる。また、制御部10は、ビデオキャプチャー等により、撮像された画像を取得して、画像データ500として記憶部19に直接記憶してもよい。
また、制御部10は、外部機器2がUSBメモリー等の記録媒体であった場合、別途、デジタルカメラ等で撮像され外部機器2内に記憶されていた画像データ500を取得し、記憶部19に記憶させる。
次に、制御部10は、歪み補正部120により、歪み補正処理を行う。
制御部10は、画像データ500に含まれるレンズ歪みを補正する処理を行う。これにより、画像データ500の特に画像データ500の端部で顕著な歪みが解消され、傾斜がついた状態のテストチャート及びリファレンスチャートの画像となる。
この処理の詳細については、後述する。
次に、制御部10は、射影変換部130により、射影変換処理を行う。
制御部10は、レンズ歪みが補正された画像データ500を射影変換する処理を行う。これにより、画像データ500の傾斜が解消され、テストチャートとリファレンスチャートとを容易に画像解析可能となる。
この処理の詳細についても、後述する。
次に、制御部10は、パッチ領域検出部140と、色値特定部150と、階調補正データ作成部160とにより、階調補正データ作成処理を行う。
制御部10は、射影変換された画像データ500の画像解析を行い、テストチャート内の各パッチの領域及びリファレンスチャート内の各パッチの領域を検出し、それぞれ対応する各パッチの領域の色値を特定し、それぞれ対応する各パッチの色値により、階調補正データ510を作成する。これにより、精度のよい階調補正が可能となる。
この処理の詳細についても、後述する。
以上により、本発明の実施の形態に係る階調補正処理を終了する。
次に、図7〜図9を参照して、図6のステップS202の歪み補正処理の詳細について説明する。
この処理は、主に歪み補正部120が行う。以下で、図7のフローチャートにより、歪み補正処理の詳細をステップ毎に説明する。
まず、制御部10は、罫線認識処理を行う。
制御部10は、画像データ500から、各パッチを囲う格子状の罫線を画像認識する。図5の例ではパッチ群640の罫線を認識する。
制御部10は、この罫線の認識は、例えば、画像データ500からSobelフィルタ等によりエッジ検出を行い、所定の長さの線分の箇所を罫線として認識する。この際、罫線は、レンズ歪みにより曲線として認識される。
なお、制御部10は、図5の例では、リファレンスチャート枠650や、リファレンスチャート700内の罫線についても認識してもよい。
また、画像認識については、画像処理部11のGPU等の機能を用いて演算を高速化してもよい。これは、以下の処理でも同様である。
次に、制御部10は、格子点座標検出処理を行う。
制御部10は、認識された罫線から、格子点の座標を認識する。ここでは、曲線として認識された罫線同士の交点である格子点の位置(座標)を検出する。ここでは、制御部10は、例えば、曲線の罫線の交点を算出して、これを検出した格子点とする。
なお、制御部10は、この格子点の座標の検出についても、図5の例では、リファレンスチャート700の罫線について行ってもよい。
次に、制御部10は、歪み補正計数算出処理を行う。
図8を参照すると、レンズ歪みは、デジタルカメラ等のカメラのレンズが曲面であるため、直線が直線で写らなくなる現象で特に画像周辺部で顕著に見られる。このレンズ歪みの種類としては、図8(a)に示す樽型歪みや、図8(b)に示す糸巻き型歪みが存在する。また、図8(c)に示すように樽型歪みと糸巻き型歪みが組み合わされた複合型歪みも存在する。
また、式(1)は、以下の式(2)のように表現することが可能である:
ここで、歪みのない理想状態における格子点の座標を(u,v)とすると、上述の式(2)は、以下の式(3)のように変形可能である。
このように実際に取得された格子点の座標(xd,yd)が含まれるレンズ歪みモデルは、以下の式(4)のようになる。
ここで、制御部10は、式(3)を式(4)に代入した式に、取得された格子点の座標(xd,yd)の値を代入し、これらの歪み係数を算出することができる。
なお、制御部10は、画像データ500中で曲線として認識された罫線について、本来投影されるべき直線にフィッティングさせる手法により、歪み係数を推定してもよい。
次に、制御部10は、歪み補正適用処理を行う。
制御部10は、算出された歪み係数を画像データ500に適用して、変形する。
制御部10は、算出された上述の歪み係数を代入した式(4)に、画像データ500の各ピクセルの座標を代入して、算出された(u,v)の位置に、このピクセルを移動させる。なお、制御部10は、この際、スムージング等の処理を行ってもよい。
図9を参照すると、レンズ歪み補正前の画像である図9(a)は、算出された歪み係数により例えば図9(b)のように補正される。
以上により、本発明の実施の形態に係る処理を終了する。
次に、図10〜図11を参照して、図6のステップS203の射影変換処理の詳細について説明する。
この処理は、主に射影変換部130が行う。以下で、図10のフローチャートにより、射影変換処理をステップ毎に説明する。
まず、制御部10は、マーカー検出処理を行う。
制御部10は、画像データ500から、テストチャートの位置を示すマーカーを検出する。
図11(a)を参照すると、制御部10は、四隅に印刷されているマーカー630の位置を、それぞれ検出する。図11(b)を参照すると、射影変換部130は、マーカーを検出するために、射影変換前の画像データ500aからマーカーデータ530に記載されたマーカーの形状等を画像認識する。
制御部10は、マーカーの形状等が画像認識された場合、例えば、画像データ500a上のこの形状等の中心座標をマーカー630の位置として算出する。この際に、制御部10は、各マーカーより外に印刷された枠線等についても検出してもよい。また、制御部10は、認識したマーカー630や枠線の位置等により、テストチャート620の向きについても認識してもよい。
次に、制御部10は、射影変換行列算出処理を行う。
制御部10は、画像データ500上の四隅のマーカーの座標と、テストチャートデータ520上でマーカーデータ530が出力される四隅のマーカーの座標とを比較して、射影変換行列を算出する。
ここで、射影変換前の座標(x',y')、及び射影変換後の座標(x,y)は、a〜hの行列要素を有する射影変換行列Hを用いて、式(5)及び式(6)のような関係で表現することができる。
制御部10は、(x1',y1')〜(x4',y4')及び(x1,y1)〜(x4,y4)を式(5)又は式(6)に代入した、下記の式(7)で示す8つの連立方程式を解いて、射影変換行列Hの行列要素のa〜hを算出する。このように、画像データ500から認識された四隅のマーカーの座標を用いることで、射影変換行列Hの正確な値を算出することが可能となる。
次に、制御部10は、射影変換適用処理を行う。
制御部10は、画像データ500について、実際の射影変換を行う。
ここで、上述のステップで算出された射影変換行列Hは、射影変換後の座標(x,y)を、射影変換前の座標(x',y')に射影変換するための行列である。このため、制御部10は、射影変換前の座標(x',y')を射影変換後の座標(x,y)に変換するために射影変換行列Hの逆行列H'を算出する。
制御部10は、算出された逆行列H’により、画像データ500の各ピクセルを射影変換する。制御部10は、この際も、スムージング等を行ってもよい。図11の例では、制御部10は、図11(a)の画像データ500aを射影変換し、図11(c)の画像データ500bのような画像を得ることが可能である。
なお、図11の例では、説明を分かりやすくするため、リファレンスチャート700が配置されていないものの、制御部10は、実際には配置された状態で撮像された画像データ500に対して射影変換を行う。
以上により、本発明の実施の形態に係る射影変換処理を終了する。
次に、図12〜図13を参照して、図6のステップS204の階調補正データ作成処理の詳細について説明する。
以下で、図12のフローチャートにより、階調補正データ作成処理をステップ毎に説明する。
まず、制御部10は、パッチ領域検出部140により、パッチ領域検出処理を行う。
制御部10は、射影変換された画像データ500から、テストチャート内の各パッチの領域及びリファレンスチャート内の各パッチの領域を検出する。
制御部10は、画像データ500を画像認識し、テストチャートデータ520の罫線内に対応する位置にある、例えば、概四角形で示される座標データとしてパッチの領域を検出する。
また、制御部10は、画像データ500を画像認識し、テストチャートに並べて配置されたリファレンスチャートの各パッチの領域を検出する。ここで、図5の例によると、リファレンスチャート700は、リファレンスチャート枠650内に少し斜めに配置されることもあり得るため、制御部10は、リファレンスチャート700の罫線を、ハフ(Hough)変換等で画像認識して回転させ、その上で各パッチの領域を検出してもよい。
制御部10は、テストチャート及びリファレンスチャートの各パッチの領域を検出した後、テストチャートデータ520のCMYKのパッチ列内の色の濃度に対応付けして、記憶部19に一時的に記憶させる。
次に、制御部10は、色値特定部150により、色値特定処理を行う。
制御部10は、テストチャート内の各パッチの領域及びリファレンスチャート内の各パッチの領域から色値を特定する。具体的には、制御部10は、画像データ500のパッチの領域内の各ピクセルのRGB成分それぞれについて平均値を算出し、これを色値として特定する。
なお、制御部10は、単純な平均値ではなく、RGB成分のヒストグラムからメジアン等を算出して、これを基に色値を特定することも可能である。また、制御部10は、パッチの領域の境界付近の所定割合のピクセルについては、平均値の算出に使用しないことも可能である。これにより、境界付近の誤差を抑えて正確な色値を算出できる。
次に、制御部10は、階調補正データ作成部160により、階調補正データ算出処理を行う。
図13を参照して説明すると、制御部10は、特定されたテストチャート内の各パッチの色値及びリファレンスチャート内の各パッチの色値により画像形成部17の階調特性に対する階調補正データ510を作成する。
制御部10は、CMYKのパッチ列毎に、テストチャート内のパッチの色値と対応する濃度のリファレンスチャートのパッチの色値とを掛け合わせ、画像形成部17からの出力をリニアにするような値のテーブルを、階調補正データ510として算出する。
図13(b)は、リファレンスチャート内のパッチと比較され算出された階調補正データ510を示している。
図13(c)は、図13(a)の補正前入出力特性値810が、算出された階調補正データ510と掛け合わせられて補正され、画像形成部17から記録紙に画像形成された場合に観察される色値の特性を示す補正後入出力特性値820の概念を示すグラフである。このように、算出された階調補正データ510により、リニアに近い入出力の濃度特性が得られる。
以上により、本発明の実施の形態に係る階調補正データ作成処理を終了する。
従来、特許文献1に記載されているような、デジタルカメラ等の外部機器によって撮像された画像データから階調補正を行う技術においては、撮像条件や撮像デバイスのレンズに由来する画像の歪みに関する考慮がなされていなかった。このため、画像を解析する上での精度が低下し、実用的に精度のよい階調補正を行うことはできなかった。
これに対して、本発明の画像形成装置1は、画像形成部17の階調特性に対する階調補正を行い、複数の色のパッチを含むテストチャートを画像形成部17に出力させるテストチャート出力部100と、テストチャート出力部100により出力させたテストチャートと、色濃度が既知である複数の色のパッチを含むリファレンスチャートとが同時に撮像された画像データ500を取得する画像データ取得部110と、画像データ取得部110により取得された画像データ500に含まれるレンズ歪みを補正する歪み補正部120と、歪み補正部120によりレンズ歪みが補正された画像データ500を射影変換する射影変換部130と、射影変換部130により射影変換された画像データ500から、テストチャート内の各パッチの領域及びリファレンスチャート内の各パッチの領域を検出するパッチ領域検出部140と、パッチ領域検出部140により検出されたテストチャート内の各パッチの領域及びリファレンスチャート内の各パッチの領域から色値を特定する色値特定部150と、色値特定部150により特定されたテストチャート内の各パッチの色値及びリファレンスチャート内の各パッチの色値により画像形成部17の階調特性に対する階調補正データ510を作成する階調補正データ作成部160とを備えることを特徴とする。 このように構成することで、撮像された画像データ500に対してレンズ歪みの補正及び射影変換を行って、パッチ領域を正確に検出することが可能となる。このため、画像データ500をテストチャートデータ520に近い状態に変換して、リファレンスチャートと比較することが可能となり、テストチャートの各パッチ及びリファレンスチャートの各パッチの正確な色値を算出することができる。これにより、デジタルカメラ等で撮像された画像データ500であっても、正確な階調補正データ510の作成が可能となり、実用的な階調補正ができる。また、画像データ500が、PDAやスマートフォン等の階調特性やレンズ性能のよくない撮像手段を備えた外部機器2で撮像された場合でも、ロバストで正確な階調補正ができる。
よって、従来のように印刷されたパッチを目視で確認し、測色計や濃度計で測定し、手作業で階調補正のパラメーターを入力して階調補正を行うといった作業を行う必要がなくなり、ユーザーの手間を減らすことができる。
また、画像形成装置1が経年劣化等により入出力特性が変化した場合でも、容易に精度よく階調補正することができる。これにより、写真等のハーフトーン画像を忠実に出力させたいときに、そのデジタルカメラ等を使って、すぐにキャリブレーションすることができる。
これに対して、本発明の画像形成装置1は、読み取り装置がないプリンター等でも、外部のデジタルカメラ等で撮像された画像データ500から、精度よく階調補正を行うことができる。また、読み取り装置を別途必要としないため、コストも削減できる。
これに対して、本発明の画像形成装置1は、テストチャート出力部100が、テストチャートに、各パッチを囲う格子状の罫線を出力させ、歪み補正部120が、画像データ500に含まれる格子状の罫線の位置により、レンズ歪みを補正することを特徴とする。
このようなテストチャートの構成を採用することにより、(1)チェックパターンの印刷物を別途用意してレンズ歪みを測定し、(2)その後、階調補正用のパッチが印刷されたテストチャートを撮像するといった手間を省くことが可能となる。つまり、階調補正用のパッチとレンズ歪み補正用の画像とを同時に撮像した画像データ500から階調補正を行うことができ、撮像回数を低減し、キャリブレーションを簡易な手順で行うことが可能となる。このため、ユーザーの利便性を向上させることができる。
また、テストチャートに歪み補正用の格子状罫線を配置することで、レンズ歪みの補正とパッチの領域の検出等を同一の画像データ500で行うことができるため、高精度の階調補正データ510を作成することができる。
このように構成することで、画像データ500の撮像時に、影がテストチャートに映り込まないように斜め上方からテストチャート及びリファレンスチャートを撮像しても、正確な階調補正をすることができる。
また、射影変換によりほぼ平面になるよう変換することで、各パッチの領域の面積を均一化して、階調補正の精度をよくすることができる。
また、レンズの歪み補正を行った後の画像データ500から射影変換を行うことで、正確な射影変換ができ、レンズ歪みを補正しないで射影変換するより階調補正の精度を高められる。
このように構成することで、テストチャートの各パッチの領域とリファレンスチャートの各パッチの領域の面積が統一化され、画像データ500の撮像時の撮像データの各ピクセルの誤差の影響が少なくなる。このため、階調補正の精度をよくすることができる。
また、リファレンスチャートの各パッチとテストチャートの各パッチが並べられていることで、各パッチを濃度と対応付けしやすくなる。よって、階調補正の処理コストを低減することができる。
なお、上述の実施の形態においては、CMYKカラーの各色の階調補正を行うように記載したものの、モノクロ出力用のプリンターの階調補正を行うことも可能である。また、CMYKのいずれかのトナー又は各トナーの組み合わせに対応した階調補正を行うことも可能である。また、本実施形態の階調補正方法は、スキャナー等の読み取り装置を備えた画像形成装置にも適用可能である。
また、上述の実施の形態においては、射影変換を行ってからパッチ領域を検出したものの、射影変換しない状態でパッチの領域を検出することも可能である。つまり、変形した四角形としてパッチの領域を取得して、これから色値を特定することもできる。
また、制御部10は、レンズ歪み除去と射影変換とを行った画像データ500から算出されたパッチ領域について色値を算出する際に、各ピクセルについて射影変換とレンズ歪み除去をする前の座標を逆変換等で算出し、この座標における変換前の画像データ500のピクセルのRGBの色値から平均値を算出するような構成も可能である。これにより、画像変換やスムージングの影響を抑え、更に精度の高い階調補正データ510を作成することができる。
また、制御部10は、デジタルカメラ等のCCDやCMOS素子のRGB画素の配置やJPEGのexifデータ等に含まれるホワイトバランス等の情報により、作成された階調補正データ510について更に補正を行ってもよい。
また、制御部10は、外部機器2がウェブカメラ等であった場合は、CCDやCMOSセンサーで撮像された所定フォーマットの画像データをビデオキャプチャー等で取得し、直接、記憶部19に画像データ500として取得するような構成であってもよい。つまり外部機器2が監視カメラ等であった場合でも、その監視カメラの画像から階調補正を行うこともできる。
2 外部機器
10 制御部
11 画像処理部
14 本体部
15 ネットワーク送受信部
16 操作パネル部
17 画像形成部
17a 感光体ドラム
17b 露光部
17c 現像部
17d 転写部
17e 定着部
19 記憶部
20 外部機器接続部
41 排出口
42 給紙部
43 用紙搬送路
44 搬送ローラー
45 排出ローラー
50 トレイ部
100 テストチャート出力部
110 画像データ取得部
120 歪み補正部
130 射影変換部
140 パッチ領域検出部
150 色値特定部
160 階調補正データ作成部
421 給紙カセット
422 給紙ローラー
500、500a、500b 画像データ
510 階調補正データ
520 テストチャートデータ
530 マーカーデータ
620 テストチャート
630 マーカー
640 パッチ群
650 リファレンスチャート枠
700 リファレンスチャート
810 補正前入出力特性値
820 補正後入出力特性値
Claims (5)
- 画像形成手段の階調特性に対する階調補正を行う画像形成装置において、
複数の色のパッチを含むテストチャートを前記画像形成手段に出力させるテストチャート出力手段と、
該テストチャート出力手段により出力させたテストチャートと、色濃度が既知である複数の色のパッチを含むリファレンスチャートとが同時に撮像された画像データを取得する画像データ取得手段と、
該画像データ取得手段により取得された前記画像データに含まれるレンズ歪みを補正する歪み補正手段と、
該歪み補正手段によりレンズ歪みが補正された前記画像データを射影変換する射影変換手段と、
該射影変換手段により射影変換された前記画像データから、テストチャート内の各パッチの領域及びリファレンスチャート内の各パッチの領域を検出するパッチ領域検出手段と、
該パッチ領域検出手段により検出されたテストチャート内の各パッチの領域及びリファレンスチャート内の各パッチの領域から色値を特定する色値特定手段と、
該色値特定手段により特定されたテストチャート内の各パッチの色値及びリファレンスチャート内の各パッチの色値により前記画像形成手段の階調特性に対する階調補正データを作成する階調補正データ作成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記テストチャート出力手段は、テストチャートに、各パッチを囲う格子状の罫線を出力させ、
前記歪み補正手段は、前記画像データに含まれる格子状の罫線の位置により、レンズ歪みを補正する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記テストチャート出力手段は、テストチャートの位置を示すマーカーを出力させ、
前記射影変換手段は、前記画像データから前記マーカーを検出し、前記マーカーの位置により前記画像データを射影変換する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 - 前記テストチャート出力手段は、テストチャート内の各パッチの大きさをリファレンスチャート内の各パッチと同じ大きさに出力し、リファレンスチャートをテストチャートに並べて配置させるための位置指定画像を出力する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 画像形成手段の階調特性に対する階調補正を行う画像形成装置による画像形成方法において、前記画像形成装置は、
複数の色のパッチを含むテストチャートを前記画像形成手段に出力させ、
出力させたテストチャートと、色濃度が既知である複数の色のパッチを含むリファレンスチャートとが同時に撮像された画像データを取得し、
取得された前記画像データに含まれるレンズ歪みを補正し、
レンズ歪みが補正された前記画像データを射影変換し、
射影変換された前記画像データから、テストチャート内の各パッチの領域及びリファレンスチャート内の各パッチの領域を検出し、
検出されたテストチャート内の各パッチの領域及びリファレンスチャート内の各パッチの領域から色値を特定し、
特定されたテストチャート内の各パッチの色値及びリファレンスチャート内の各パッチの色値により前記画像形成手段の階調特性に対する階調補正データを作成する
ことを特徴とする画像形成方法。
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