JP2015011760A - 半導体発光素子用積層体及びその製造方法並びに半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子用積層体及びその製造方法並びに半導体発光素子 Download PDF

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卓人 中田
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【課題】半導体発光素子の長期安定性を向上すると共に、発光強度を一層高くできる半導体発光素子用積層体及びその製造方法、並びに、半導体発光素子を提供する。【解決手段】半導体発光素子用積層体(10)は、表面に複数の凸部(12a)とそれらの間をつなぐ凹部(12b)で構成された凹凸構造層(12)が設けられた基材本体(11)と、凹凸構造層(12)上に複数の凸部(12a)及び凹部(12b)を覆うように設けられた平坦化層(13)と、を具備する。平坦化層(13)の表面は、表面粗さRaが10nm以下であり、且つ、表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下である。平坦化層(13)の上に、発光部を設けることにより、半導体発光素子を製造する。【選択図】図1

Description

本発明は、光取り出しに優れ、長期信頼性の高い半導体発光素子を作製可能な半導体発光素子用積層体及びその製造方法、並びに、半導体発光素子に関する。
近年、有機EL素子における発光効率を向上させるために、有機EL素子からの光取り出し効率の改善が検討されている。有機EL素子においては、一般的に、高屈折率領域が、低屈折率領域と、金属や合金等の反射性部材からなる領域と、に挟まれていると共に、発光部が高屈折率領域内部に含まれている。そのため、発光部において発光した発光光は、高屈折率領域内部を導波する導波モードとなり、高屈折率領域内部に閉じ込められると共に、導波過程において吸収されて減衰する。従って、光を有機EL素子の外部に取り出すことができず、光取り出し効率は大きく減少する。
光取り出し効率を効果的に向上させるためには、導波モードを早期に打破する必要がある。そこで、光取り出し効率を改善するために、低屈折率領域と高屈折率領域との間に中間の屈折率層を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載の方法では、高屈折領域と中間の屈折率層との界面及び中間の屈折率層と低屈折領域との界面における光の全反射を打破することができない。このため、全反射した光が導波モードを維持して減衰し、大幅な光取り出し効率の改善は見込めない。
また、導波モードにより閉じ込められた光を、素子界面における全反射を抑制する位置に設けた回折格子又はゾーンプレートにより、回折光として取り出す方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載の方法では、高屈折率領域の屈折率に近い材料が必要であることや、また回折光により導波モードを打破するため、臨界角以上の光についてのみ光取り出し効率が向上することとなり、光取り出し効率の抜本的向上は見込めない。
一方で、導波モードを打破して光取り出し効率を改善した別の例として、高屈折率領域から低屈折率領域に滲みだすエバネッセント波を取り出す光抽出フィルムが提案されている(例えば、特許文献3)。特許文献3に記載の光抽出フィルムおいては、可撓性基材上に第1の屈折率を有する構造化層を設け、この構造化層上に第2の屈折率を有する材料を含む充填材層を設ける。この充填材層は、構造化層の表面に設けられた凹凸構造を充填し、且つ、構造化層を平坦化するように設けられている。すなわち、充填材層は平坦化層として機能している。特許文献3に記載の光抽出フィルムにおいては、第2の屈折率を有する充填剤層の表面と発光素子の高屈折率領域とが当接した際に、第1の屈折率を有する構造化層の凹凸構造が、エバネッセント領域内に含まれるように設計される。そのため、高屈折率領域にて反射して発光素子の内部へと戻る導波モード光の高屈折率領域と充填材層との界面にて発生するエバネッセント波を、構造化層により抽出することができるので、光取り出し効率を改善できる。
特開昭62−172691号公報 特許第2991183号公報 特表2010−533932号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、透明導電層界面における反射を乱し光取り出し効率を向上させる場合に、透明導電層表面の面精度を高く保つことが困難となり、そのため、有機EL素子の長期信頼性が低下すると考えられる。
また、特許文献3に記載の光学フィルムにおいては、光取り出し効率をより向上させるためには、充填材層、すなわち、平坦化層を構成する部材の屈折率を透明導電層の屈折率に近くする必要があり、ナノ粒子を高屈折率材料として用いている。このような高屈折率材料は生産が困難であり高価であるばかりでなく、ナノ粒子が粒子として安定化する傾向が強いため、平坦化層表面の面精度が悪く、有機EL素子としての長期信頼性が低下すると考えられる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、半導体発光素子の長期安定性を向上すると共に、発光強度を一層高くできる半導体発光素子用積層体及びその製造方法、並びに、半導体発光素子を提供することを目的とする。
本発明の半導体発光素子用積層体は、表面に複数の凸部又は凹部で構成された凹凸構造が設けられた基材と、前記凹凸構造上に前記複数の凸部又は凹部を覆うように設けられ、表面粗さRaが10nm以下であり、且つ、表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下である平坦化層と、を具備することを特徴とする。
この構成により、平坦化層の表面の表面粗さRaが10nm以下であるので、平坦化層上に発光部を設けて半導体発光素子を製造した場合、表面粗さRaの要因となっている凹凸部における電流集中による短絡を抑制し、半導体発光素子の長期信頼性を向上することができる。
更に、平坦化層の表面のうねりWaは10nm以上10000nm以下であるため、うねりWaによって内部で発生した光の散乱効果が生じ、光取り出し効率がより向上し、半導体発光素子の発光強度を一層向上することができる。
本発明の半導体発光素子用積層体においては、前記基材が、基材本体と、前記基材本体の表面に設けられた凹凸構造層と、を具備することが好ましい。
本発明の半導体発光素子用積層体においては、前記基材が、基材本体の表面に前記凹凸構造を直接形成したものであることが好ましい。
本発明の半導体発光素子用積層体においては、前記基材本体がガラスであることが好ましい。
本発明の半導体発光素子用積層体においては、前記基材本体が可撓性基材であることが好ましい。
本発明の半導体発光素子用積層体においては、前記凹凸構造を構成する前記複数の凸部又は凹部のピッチ及び幅が10nm以上5000nm以下であることが好ましい。
本発明の半導体発光素子用積層体の製造方法は、表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下である基材本体を用意する工程と、前記基材本体の表面に複数の凸部又は凹部で構成された凹凸構造を形成する工程と、前記凹凸構造上に前記複数の凸部又は凹部を覆うように未硬化状態の平坦化層を形成し、第1の積層体を得る工程と、前記第1の積層体の前記未硬化状態の平坦化層の表面に、表面粗さRaが10nm以下である面精度向上部材を貼合し、第2の積層体を得る工程と、前記第2の積層体の前記平坦化層を硬化させ、第3の積層体を得る工程と、前記第3の積層体から前記面精度向上部材を剥離し、半導体発光素子用積層体を得る工程と、を具備することを特徴とする。
この構成により、基材本体の表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下であり、一方、表面粗さRaが10nm以下である面精度向上部材を未硬化状態の平坦化層の表面に貼合し、平坦化層を硬化させた後に剥離しているので、平坦化層の表面に、基材本体及び面精度向上部材の面精度、すなわち、表面粗さRa及びうねりWaを反映させることができる。この結果、表面が所望の表面粗さRa及びうねりWaを有する平坦化層を備えた半導体発光素子用積層体を容易に製造することができる。
本発明の半導体発光素子用積層体の製造方法において、前記基材本体がフィルムであり、且つ、前記面精度向上部材が平板状部材であることが好ましい。
本発明の半導体発光素子用積層体の製造方法は、表面に複数の凸部又は凹部で構成された凹凸構造が設けられた基材を用意する工程と、前記基材の前記凹凸構造上に前記複数の凸部又は凹部を覆うように未硬化状態の平坦化層を形成し、第1の積層体を得る工程と、前記第1の積層体の前記未硬化状態の平坦化層の表面に、表面粗さRaが10nm以下であり、且つ、表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下である面精度向上部材を貼合し、第2の積層体を得る工程と、前記第2の積層体の前記平坦化層を硬化させ、第3の積層体を得る工程と、前記第3の積層体から前記面精度向上部材を剥離し、半導体発光素子用積層体を得る工程と、を具備することを特徴とする。
この構成により、表面粗さRaが10nm以下であり、且つ、表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下である面精度向上部材を未硬化状態の平坦化層の表面に貼合し、平坦化層を硬化させた後に剥離しているので、平坦化層の表面に面精度向上部材の面精度、すなわち、表面粗さRa及びうねりWaを反映させることができる。この結果、表面が所望の表面粗さRa及びうねりWaを有する平坦化層を備えた半導体発光素子用積層体を容易に製造することができる。
本発明の半導体発光素子用積層体の製造方法においては、前記面精度向上部材が、表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下であるフィルムの表面に、表面粗さRaが10nm以下である平板状部材から転写樹脂を用いて表面形状を転写することによって作製されたものであることが好ましい。
この構成により、転写樹脂を用いて平板状部材の表面の形状を転写することで、表面が粗いフィルムであっても、好適に使用することができる。
本発明の半導体発光素子用積層体の製造方法においては、前記転写樹脂がフッ素を含有することが好ましい。
この構成により、転写樹脂がフッ素を含んでいると表面自由エネルギーが低下することで転写の際の離型性が良好となり、また、平坦化層から剥離する際にも離型性良く剥離することができる。
本発明の半導体発光素子は、半導体発光素子用積層体の平坦化層上に発光部を設けたことを特徴とする。
この構成により、半導体発光素子の長期安定性を向上し、且つ、発光強度を高くすることができる。
本発明によれば、半導体発光素子の長期安定性を向上し、且つ、半導体発光素子の発光強度を高くすることができる。
本実施の形態に係る半導体発光素子用積層体を示す断面概略図である。 本実施の形態に係る半導体発光素子用積層体における平坦化層の表層を示す模式図である。 本実施の形態に係る半導体発光素子用積層体の製造方法を説明するための工程図である。 本実施の形態に係る半導体発光素子用積層体を用いた有機EL素子を示す断面概略図である。
以下、本発明の一実施の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
図1は、本実施の形態に係る半導体発光素子用積層体を示す断面概略図である。図1に示すように、本実施の形態に係る半導体発光素子用積層体10は、基材本体11を具備する。基材本体11の一主面上には、凹凸構造層12が設けられている。凹凸構造層12の表面は凹凸構造を成している。凹凸構造は、複数の凸部12aと、隣接する凸部12aどうしの間をつなぐ凹部12bとで構成されている。
凹凸構造層12の表面上には、複数の凸部12a及び凹部12bを覆うように平坦化層13が設けられている。
図2は、本実施の形態に係る半導体発光素子用積層体における平坦化層の表層を示す模式図である。平坦化層13の表面には、微小な凹凸部21が存在している。これらの微小な凹凸部21は表面粗さRaの要因となっている。また、平坦化層13の表面はうねりWaを有している。
このような表面粗さRaや表面うねりWaを測定する方法としては、表面を直接接触して計測する表面形状測定機(例えば原子間力顕微鏡)や、非接触で光の干渉を利用した表面形状計測機等を用いることができる。
本実施の形態においては、表面粗さRaは、5μm×5μm以内の測定範囲で測定した表面の凹凸を意味している。一方、表面のうねりWaは、5μmを超える測定範囲で測定した表面の凹凸を意味している。以下の説明において、表面粗さRa及び表面のうねりWaは、ここで説明した測定範囲の数値を示している。しかしながら、測定範囲は任意に決めることができるので、上記の範囲には限定されない。
表面性状、すなわち表面粗さRa及びうねりWaは、例えば、JIS B0601に準じて測定することができる。
本発明者は、本実施の形態に係る半導体発光素子用積層体10においては、平坦化層13の表面粗さRaが10nm以下であり、且つ、表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下に制御することにより、有機EL素子等の半導体発光素子の長期信頼性を向上すると共に、光取り出し効率をより高め、発光強度を一層向上することができることを見出した。
すなわち、この構成により、表面粗さRaが10nm以下であれば、平坦化層13上に、有機EL素子の一部構成する発光部を設けて有機EL素子を作製した場合、有機EL素子の長期信頼性を得ることができる。表面粗さRaが10nmより大きい場合、例えば、ボトムエミッション型有機EL素子において、平坦化層13の上に陽極を構成する光透過性の導電性薄膜を成膜したとき、凹凸部21上の導電性薄膜で電流集中が発生し、有機EL素子の長期信頼性が低下してしまうためである。また、平坦化層13の上に順次積層されるホール輸送層、発光層等も平坦化層13の凹凸部21の影響を受けてしまうため、同様に電流集中が発生し、有機EL素子としての長期信頼性が低下してしまうためである。
更に、平坦化層13が有するうねりWaは10nm以上10000nm以下であることにより、うねりWaによって内部で発生した光の散乱効果が生じ、光取り出し効率がより向上する。
この結果、半導体発光素子の長期安定性を向上し、且つ、発光強度を高くすることができる。
以下、本実施の形態に係る半導体発光素子用積層体10の各構成について詳細に説明する。
基材本体11の種類としては、特に限定されないが、光学的に透明な可撓性基材や光学的に透明な無機基材であることが好ましく、更にガラスに代表される水蒸気バリア性やガスバリア性を有す基材であるとより好ましい。
可撓性基材を使用することで、半導体発光素子用積層体10の連続生産性が向上する。可撓性基材の材質は特に限定されないが、耐熱環境で使用する場合は、ガラス(ガラスフィルム)や透明ポリイミド等が挙げられ、それ以外の場合は、光学的に透明な樹脂フィルム、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、又はシクロオレフィンポリマー(COP)が挙げられる。
半導体発光素子用積層体10を、ボトムエミッション型有機EL素子に適用する場合、光学的に透明な無機基材や耐熱性基材が必要となる。その材質は特に限定されないが、例えば、ガラス、石英、水晶、サファイア、又は透明ポリイミドが挙げられる。
一方、半導体発光素子用積層体10を、トップエミッション型有機EL素子に適用する場合、基材本体11として、非透明な基材を用いることもできる。
有機EL素子の長期信頼性を向上させるために、基材本体11として、ガラス板、ガラスフィルム、又は、ガラスフィルムと樹脂フィルムとの積層体を使用することもできる。
なお、上記光学的に透明とは、消衰係数(屈折率の虚数部)が0の場合と定義する。複素屈折率をNとした時にN=n−ikと表現できる。ここで、iは虚数でありi=−1を意味する。この時、nを屈折率(の実数部)、kを消衰係数(屈折率の虚数部)と称す。すなわち、k=0の媒質を光学的に透明な媒質として定義する。なお、kは光の媒質への吸収を表す指標であり、吸収係数αとα=4πk/λの関係を満たす。λは波長である。すなわち、k=0であれば吸収係数は0となり、光の吸収が生じない媒質となる。ここで、k=0の場合とは、kが0.01以下の場合と定義する。この範囲を満たすことで、光学的な透明性が向上するため好ましい。
半導体発光素子用積層体10において、図1に示すように、基材本体11の主面上に被転写材料からなる薄膜(以下、被転写層ともいう)を成膜し、この薄膜に凹凸構造を形成し、凹凸構造層12としているが、これに限定されない。例えば、基材本体11の表面に凹凸構造を直接形成しても良く、この場合基材本体11の表面が凹凸構造を成している。
上述のように、凹凸構造層12の表面は凹凸構造を成している。凹凸構造は、複数の凸部12aと、隣接する凸部12aどうしの間をつなぐ凹部12bとで構成されている。このような凹凸構造を、いわゆる、ドット型と呼ぶ。凹凸構造は、複数の凹部と、複数の凹部の間をつなぐ凸部とで構成される、いわゆるホール型であっても良い。
凹凸構造層12を構成する複数の凸部12a又は凹部12bのピッチ及び幅は、特に限定されないが、10nm以上5000nm以下を満たすことが好ましい。なお、幅はピッチより小さい値となる。
また、凹凸構造層12を構成する材質は、消衰係数(k)が0であることが好ましい。k=0であることにより、吸収係数を0にすることが可能となり、有機EL素子を作製した場合に、発光した光が吸収され減衰するのを抑制することができる。ここで、吸収係数kが0である場合とは、k≦0.01を満たす範囲と定義する。この範囲を満たすことで上記効果を得られるため好ましい。特に、各層における多重反射を抑制する観点からk≦0.001であるとより好ましい。なお、kは小さい程好ましい。
また、上記消衰係数(k)の範囲を満たす凹凸構造層12を構成する材質としては、例えば、スパッタや蒸着が可能な透明誘電体、ガラス、石英、サファイア、無機前駆体の硬化体(例えば金属アルコキシドに代表されるゾルゲル反応により、加水分解及び重縮合を生じ硬化する材料の硬化体)、樹脂(熱硬化性樹脂の硬化体、光重合性樹脂の硬化体、熱可塑性樹脂)、有機無機ハイブリッド分子の硬化体、透明誘電体微粒子、透明誘電体フィラーやこれらの混合物が挙げられる。いずれの材質を使用するかは、有機EL素子の特性や使用環境、及び半導体発光素子用積層体10の製造方法等を考慮して適宜選択することができる。
平坦化層13は、凹凸構造層12上に複数の凸部12a及び凹部12bを覆うように設けられている。
平坦化層13を構成する材質としては、例えば、無機前駆体の硬化体(例えば金属アルコキシドに代表されるゾルゲル反応により、加水分解及び重縮合を生じ硬化する材料の硬化体)、樹脂(熱硬化性樹脂の硬化体、光重合性樹脂の硬化体、熱可塑性樹脂)、有機無機ハイブリッド分子の硬化体、透明誘電体微粒子、透明誘電体フィラー又はこれらの混合物が挙げられる。いずれの材質を使用するかは、有機EL素子の特性や使用環境、及び、半導体発光素子用積層体10の製造方法等を考慮して適宜選択することができる。特に、吸水性の低い材料により構成されると、有機EL素子の長期信頼性が向上するため好ましい。
上述のような本実施の形態に係る半導体発光素子用積層体10は、以下のように製造することができる。
図3は、本実施の形態に係る半導体発光素子用積層体の製造方法を説明するための工程図である。本実施の形態に係る半導体発光素子用積層体10の製造方法においては、まず、図3Aに示すように、基材本体11の一主面上に凹凸構造層12を構成する被転写材料からなる被転写層31を成膜する。次に、被転写層31にモールド(不図示)の凹凸構造を転写し、図3Bに示すように、基材本体11の一主面上に凹凸構造層12を形成する。この結果、基材本体11及び凹凸構造層12を具備する、すなわち、凹凸構造付きの基材14を得ることができる。
このように凹凸構造層12を基材本体11上に別途形成する方法としては、転写法が挙げられる。転写法には、光ナノインプリント法、熱ナノインプリント法、室温ナノインプリント法等が含まれる。転写法は、例えば、被転写材料を、モールドの凹凸構造を備えた表面と、基材本体11の一主面との間に狭持し、モールドを剥離することで被転写材料の表面に凹凸構造を形成する方法である。この際、被転写材料としては、上述した、無機前駆体(例えば金属アルコキシドに代表されるゾルゲル反応により、加水分解及び重縮合を生じ硬化する材料)、樹脂(熱硬化性樹脂、光重合性樹脂、熱可塑性樹脂)、有機無機ハイブリッド分子や、これらの材料と透明誘電体微粒子又は透明誘電体フィラーの混合粒等を使用することができる。ここでは、被転写材料として樹脂を用いている。
特に光ナノインプリント法の場合、照射する光の種類は特に限定されず、被転写材料の特性に応じて適宜選択できる。照射する光の種類としては、例えば、X線、紫外光線、可視光線、又は赤外光線が挙げられる。これらの中でも、紫外光線を用いることにより、光ナノインプリントによる凹凸構造の転写精度が向上する。紫外光線としては、特に、250nm〜450nmの波長域であることが好ましい。エネルギー線の線源としては、例えば、各種の放電灯、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ発光素子、又はレーザを用いることができる。レーザとしては、例えば、紫外光LED、Arガスレーザ、エキシマレーザ、又は半導体レーザを用いることができる。積算光量は、転写精度が向上する観点から、500mJ/cm〜5000mJ/cmの範囲であることが好ましく、800mJ/cm〜2500mJ/cmであることがより好ましい。なお、光を照射する場合は、二酸化炭素やペンタフルオロプロパンガスに代表される圧縮性ガス環境下や、窒素やアルゴンガス環境下や減圧(真空)下で行ってもよい。
また、エネルギー線の照射においては、複数の線源を使用し照射を行ってもよい。これにより、上述した積算光量の範囲を満たしやすくなり転写精度を向上させることができる。更に、2以上の線源において、波長帯域の異なる線源を含むことにより、凹凸構造の転写精度及び安定性を向上させることができる。複数の線源を用いる照射方法としては、例えば、紫外線LEDを2台使用し、1台目の主波長をλxとし、2台目の主波長をλynmにする(λx≠λy、λx=365,385,395,405nm等、λy=365,385,395,405nm等)方法や、発光スペクトルのシャープな紫外線LEDと広帯域の波長成分を含むメタルハライド光源や高圧水銀灯光源を併用する方法が挙げられる。
例えば、被転写材料が無機前駆体の場合、基材本体11とモールドの凹凸構造との間に被転写材料を狭持し、熱や光により被転写材料を硬化させた後、モールドを剥離することで凹凸構造層12を形成可能である。特に、モールドを剥離した後に、加熱処理を行うことで、被転写材料の硬化を促進することができるため好ましい。更に、被転写材料が無機前駆体中に光重合性官能基や光酸発生剤が含まれる場合、基材本体11とモールドの凹凸構造との間に被転写材料を狭持し、モールド側又は基材本体11側から光を照射することで、被転写材料の硬化速度を速めることが可能となり、転写精度及びスループット性を向上させることができる。
このような無機前駆体を使用する場合、モールドとしては樹脂モールドを使用すると好ましい。これは、無機前駆体の硬化反応中に発生する成分を、樹脂モールドが吸収し、又は、樹脂モールドを透過させて除去できるためである。例えば、光硬化性樹脂の硬化物から構成される樹脂モールドやポリジメチルシロキサン(PDMS)から構成される樹脂モールドを好適に使用できる。光硬化性樹脂としてはウレタン系樹脂を含むと好ましい。
なお、凹凸構造層12を形成する前に、基材本体11の一主面上に接着層を形成する工程及び/又は基材本体11の一主面を親水化する工程を実施することが好ましい。これらの工程を実施することにより、被転写材料の基材本体11への密着性が向上し、それにより転写精度を向上させることが可能となる。
接着層としては、基材本体11及び被転写材料の双方に密着性があれば限定されず、数nm以上の薄膜から数nm以下の単分子層膜まで採用できる。例えば、末端官能基変性のシランカップリング材蒸気に晒す方法や、末端官能基変性シランカップリング溶液に浸漬又はスピンコートすることにより単分子層膜を形成する方法により、接着層を形成することができる。特に、接着層厚が数nm以上ある場合、接着層の材質は光学的に透明であると好ましい。単分子層膜に近い数nm以下の場合、接着層による光吸収や多重反射の効果は非常に小さくなるため、この場合の特性は特に限定されないが、光学的に透明であると好ましい。
なお、凹凸構造層12を形成した後に凹凸構造を安定化させる工程を加えてもよい。ここで安定化とは、凹凸構造層12中に残る未反応の部位を減少させること、又は凹凸構造層12中に含まれる水分を除去することを意味する。前者の場合、例えば、加熱処理やエネルギー線照射処理が挙げられるが、被転写材料の特性により安定化方法は適宜選択できる。加熱処理の温度としては、40℃〜300℃の範囲で適宜選択できる。また、エネルギー線照射処理の場合は、上記説明したエネルギー線を使用できる。なお、エネルギー線により安定化をはかる場合、減圧下や不活性ガス雰囲気下といった酸素の少ない環境下にて行うと、安定化の効果が大きくなるため好ましい。
図3Aに示す例では、基材本体11にはPENフィルム、被転写材料としては、シリコーン樹脂組成物を用いているが、特に限定されない。
以上、凹凸構造層12を基材本体11上に別途形成する場合について説明したが、これに限定されず、既に説明したとおり、基材本体の表面に凹凸構造を直接形成し、凹凸構造付の基材を得ても良い。
凹凸構造を基材本体に直接形成する方法は、特に限定されない。凹凸構造の凸部及び凹部の形状を制御して製造するという観点から、例えば、上述した透明誘電体、ガラス、石英、サファイア、又は熱可塑性樹脂を直接加工する加工方法が挙げられる。
例えば、基材本体として光学的に透明なガラスを用い、その表面をナノスケールで加工する方法としては、電子線描画、フォトリソグラフィ、熱或いは光ナノインプリントリソグラフィ、熱ナノインプリント、自己組織化膜をマスクとしたリソグラフィ、及び、微粒子をマスクとしたリソグラフィ等を適用することができる。
熱ナノインプリントを適用する場合、凹凸構造を表面に有するモールドをガラス転移温度(以下、Tgという)以上まで加熱し、その状態にて基材本体にモールドの凹凸構造を押圧することで、基材本体をリソグラフィ工程無く加工することができる。
また、熱ナノインプリントリソグラフィを適用する場合は、モールドの凹凸構造と基材本体との間に熱可塑性のレジストを狭持して、レジストのTgよりも高い温度にて押圧して、Tgより低い温度にてモールドを剥離する。
また、光ナノインプリントリソグラフィを適用する場合は、モールドの凹凸構造と基材本体との間に光硬化性のレジストを狭持して、押圧状態にて光を照射した後にモールドを剥離する。
上述のようにして得られた、凹凸構造を表面に有するレジスト層/基材本体から構成される積層体に対し、レジスト層面側からレジスト層の残膜を除去(例えば、酸素を使用したドライエッチング)する。続いて、レジスト層をマスクとして基材本体をエッチングする。これにより、基材本体を加工し、凹凸構造を直接形成することができる。
以上のようにして、凹凸構造付の基材14を用意することができるが、市販の凹凸構造付き基材を用いても良い。
次に、図3Cに示すように、基材14の凹凸構造層12上に、複数の凸部12a及び凹部12bを覆うようにして、未硬化状態の平坦化層32を設け、第1の積層体15を得る。
ここで、未硬化状態の平坦化層32とは、平坦化層13を構成する材料(以下、平坦化層材料という)を成膜し、未だ硬化させていない状態をいう。
未硬化状態の平坦化層32の成膜方法としては、例えば、平坦化層材料の希釈溶液を、凹凸構造層12の表面に塗工する方法が挙げられる。塗工方法としては、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ブレードコート法、ワイヤーバーコート法、エアーナイフコート法、ディップコート法、コンマナイフコート法、スプレーコート法、カーテンコート法、インクジェット法、スピンコート法、ダイコート法等を採用することができる。
平坦化層材料を希釈して塗工した場合は、余剰な溶剤を除去すると好ましい。除去方法としては、加熱処理、減圧(真空)処理やこれらの組み合わせによる処理が挙げられる。
加熱処理の場合の温度及び時間は、特に限定はされず、平坦化層材料の希釈溶液を作製する際に使用する溶剤の蒸気圧や沸点等、及び塗工膜厚により適宜設定できる。加熱処理の条件としては、平坦化層13の配置精度が高まる観点から、温度20℃〜300℃、及び、処理時間30秒〜1時間の範囲であることが好ましい。
また、使用溶剤の沸点をTsとしたときに、温度(T)がT<Tsを満たす溶剤除去工程を含むと、平坦化層13の配置精度がより向上するため好ましく、T<Ts/2を満たすことがより好ましい。更に、溶剤除去工程の後に、T≒Tsを満たす溶剤除去工程を含むと、上記効果を一層発揮できるため好ましい。なお、T≒Tsは、概ね、T=Ts±20%である。
例えば、平板状の基材本体11を使用した場合であれば、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法等により凹凸構造層12に平坦化層材料の希釈溶液を塗工し、余剰な溶剤を除去する工程を経ることができる。特に、スピンコート法の場合は低蒸気圧溶剤を使用することが好ましい。一方、基材本体11がガラスフィルムや樹脂フィルムに代表されるフィルムであり、リール状の形状を有する場合、ロール・ツー・ロール法を適用できるため、生産性が向上する。
なお、未硬化状態の平坦化層32を形成する前に、凹凸構造層12へ前処理を加えてもよい。このような前処理としては、酸素プラズマ処理やUV−O処理等が挙げられる。
次に、図3Dに示すように、第1の積層体15の未硬化状態の平坦化層32が露出する表面に対して、面精度向上部材17を貼合し、第2の積層体16を形成する。
ここで、面精度向上部材17の表面は、少なくとも表面粗さRaが10nm以下である必要がある。
面精度向上部材17の形状としては、例えばリールが挙げられる。この場合、面精度向上部材17にガラスフィルムを用いることができる。なお、ガラスフィルムの厚さは、ハンドリングの観点から0.03mm以上0.1mm以下であることが好ましい。
基材本体11が、例えばガラス基板のような非可撓性基材や、ロール状のフィルム、すなわちリール状基材であれば、面精度向上部材17にガラスフィルムを用いることで良好な平坦性を得ることができる。特に、基材本体11がリール状基材であり、面精度向上部材17としてガラスフィルムを用いる組み合わせであれば、ロール・ツー・ロール法での生産が可能なため、高スループットで平坦化層13を形成することが可能である。ロール・ツー・ロール法を用いた半導体発光素子用積層体10の製造方法については後述する。
また、面精度向上部材17の形状は、シリコンウェハのような平板状であってもよい。基材本体11が、例えばフィルムのような可撓性基材であれば、面精度向上部材17にシリコンウェハを用いることで良好な平坦性を得ることができる。
形状に関わらず、面精度向上部材17を、未硬化状態の平坦化層32の表面に貼合するため、未硬化状態の平坦化層32の材料自体のレベリング性が問題になることがなく、平坦化層材料に使用できる材料の選択幅が拡大する。
また、平坦化層13の表面にうねりWaを付与するためには、さらに面精度向上部材17の表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下である必要がある。
例えば、うねりWaが10nm以上10000nm以下であるフィルムを用意する。また、例えば、シリコンウェハのような、表面粗さRaが10nm以下である平板状部材を用意する。この平板状部材から転写樹脂を用いて表面形状、即ち表面粗さRaをフィルムに転写することによって面精度向上部材17を作製することができる。作製された面精度向上部材17は、表面粗さRaが10nm以下であり、且つ、表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下である。これにより、表面が粗いフィルムであっても、転写樹脂を用いて平板状部材の表面形状を転写することで好適に使用することができる。
なお、転写樹脂はフッ素を含んでいると表面自由エネルギーが低下することで転写の際の離型性が良好となり、また、平坦化層13から剥離する際にも離型性良く剥離することができる。
一方、凹凸構造付きの基材14を作製する際に、基材本体11として、表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下であるフィルムを用意し、この表面に未硬化状態の平坦化層32を形成する場合、面精度向上部材17の表面にうねりWaが存在しなくても良い。つまり、面精度向上部材17にシリコンウェハのような、表面のうねりWaがほとんど存在しない平板状部材を使用することができる。
更に、面精度向上部材17を、未硬化状態の平坦化層32の表面上に貼合する工程の前に、面精度向上部材17に表面処理を施してもよい。表面処理を施すことで平坦化層材料との離型性が向上し、平坦化層32の表面上に貼合した後、スムーズに表面からフィルムやウェハを剥離することができる。
このような表面処理としてはフッ素系の表面処理剤を用いることが好ましい。フッ素系の表面処理剤を用いることで表面自由エネルギーを低くすることができ、離型性が向上する。表面自由エネルギーを測定する方法としては、例えば各溶剤の接触角を測定することで求めることができる。具体的な表面自由エネルギーとしては、50mJ/m以下が好ましく、30mJ/m以下がより好ましく、20mJ/m以下が最も好ましい。このような表面自由エネルギーを得ることができる表面処理剤としては、例えばダイキン工業社製の「オプツール」を用いることができる。
次に、第2の積層体16の未硬化状態の平坦化層32を硬化させ、図3Eに示すように、基材本体11、凹凸構造層12、平坦化層13及び面精度向上部材17から構成される第3の積層体18を得る。
未硬化状態の平坦化層32を硬化させるには、例えば、エネルギー線を照射することができる。エネルギー線による硬化方式の場合、高スループットが可能となり、生産性良く平坦化層13を形成させることができる。照射する光の種類は特に限定されず、平坦化層材料の特性に応じて適宜選択できる。照射する光の種類としては、例えば、UV、IR、又はX線が挙げられる。UVの場合、その光源としては、UV−LED光源、メタルハライド光源、高圧水銀灯光源等を用いることができる。また、積算光量は、精度が向上する観点から、500mJ/cm〜3000mJ/cmの範囲であることが好ましく、800mJ/cm〜2500mJ/cmであることがより好ましい。なお、光を照射する場合は、二酸化炭素やペンタフルオロプロパンガスに代表される圧縮性ガス環境下や、窒素やアルゴンガス環境下や減圧(真空)下で行ってもよいが、生産性の観点から大気下で行うことが好ましい。
なお、平坦化層13を形成した後に、平坦化層13を安定化させる工程を加えてもよい。ここで安定化とは、平坦化層13に残る未反応の部位を減少させること、又は平坦化層13中に含まれる水分を除去することを意味する。前者の場合、例えば、加熱処理やエネルギー線照射処理が挙げられるが、平坦化層13の特性により適宜選択できる。加熱処理の温度としては、40℃〜300℃の範囲で適宜選択すると好ましく、エネルギー線照射処理の場合は、上記説明したエネルギー線を使用できる。なお、エネルギー線により安定化をはかる場合、減圧下や不活性ガス雰囲気下といった酸素の少ない環境下にて行うと、安定化の効果が大きくなるため好ましい。
なお、凹凸構造層12及び平坦化層13の安定化は同時に行っても良い。
最後に、第3の積層体18から面精度向上部材17を剥離することで、図3Fに示すように、本実施の形態に係る半導体発光素子用積層体10が得られる。
上述のような工程を経ることにより、面精度向上部材17が、表面の粗さRaが10nm以下であり、且つ、表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下である場合、平坦化層13の表面に面精度向上部材17の表面粗さRa及び表面のうねりWaを反映させることができる。
また、面精度向上部材17として、表面にうねりWaがない平板状部材を用い、基材本体11に表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下であるフィルムを用いる場合、平坦化層13の表面に、面精度向上部材17の表面粗さRaと、フィルムの表面のうねりWaと、を反映させることができる。
これらの工程を経ることにより、図3Fに示す半導体発光素子用積層体10において、平坦化層13の面精度を向上させることが可能となる。平坦化層13上に透明導電膜等を配置する際の配置精度が向上し、電流集中が防がれるため、有機EL素子の長期信頼性が高まる。
次に、ロール・ツー・ロール法により半導体発光素子用積層体10を製造する場合について説明する。
例えば、バリア層(例えばSi)をあらかじめ成膜したリールに、ロール状モールドを用いた光ナノインプリント法によってバリア層上に凹凸構造層12を形成させる。次に、凹凸構造層12に平坦化層材料(例えば光硬化性の無機前駆体)を連続塗布(マイクログラビア、ダイコート法等)させ、面精度向上部材17としてガラスフィルムを未硬化状態の平坦化層32と貼合させる。紫外線を照射させ平坦化層材料を硬化させた後、面精度向上部材17を剥離することで、凹凸構造が平坦化されたリールを得ることができる。
上述のような本実施の形態に係る半導体発光素子用積層体10を用いて、以下のような有機EL素子を製造することができる。
有機EL素子の光取り出し方式としては、トップエミッション方式(以下、「トップエミッション型有機EL素子」という)とボトムエミッション方式(以下、「ボトムエミッション型有機EL素子」という)とがある。いずれの方式であっても各層内や層間に凹凸構造を導入することで光取り出し効率の改善が取り組まれている。
トップエミッション型有機EL素子に、本実施の形態に係る半導体発光素子用積層体10を用いる場合は、平坦化層13を、発光部の、陰極としての光透過性の第2導電層上に貼合することで、長期安定性に優れ、光取り出しが一層向上した有機EL素子を得ることができる。
一方、ボトムエミッション型有機EL素子の場合、平坦化層13上に、少なくとも、陽極としての光透過性の第1導電層、発光層、及び陰極としての第2導電層をこの順に設けることにより、長期安定性に優れ、光取り出し効率が一層向上した有機EL素子を製造することができる。
次に、ボトムエミッション型有機EL素子を例に挙げてより詳細に説明する。図4は、本実施の形態に係る半導体発光素子用積層体を用いた有機EL素子を示す断面概略図である。図4に示すように、半導体発光素子用積層体10の平坦化層13の露出面上に、発光部5が設けられている。発光部5は、陽極としての光透過性の第1導電層51と、第1導電層51に対向して設けられた陰極としての第2導電層52を有する。第1導電層51と第2導電層52の間には、少なくとも1層の発光層で構成される有機層が配置される。図4に示す有機EL素子40においては、有機層として第1導電層51側から順番に、ホール輸送層53、発光層54、及び電子輸送層55が順次積層されている。
発光部5においては、第1導電層51とホール輸送層53との間にホール注入層、ホール輸送層53と発光層54との間にホール輸送性中間層、及び/又は第2導電層52と電子輸送層55との間に電子注入層を設けてもよい。更に各層は複数の二次層に分かれていてもよい。発光層54が電子輸送層を兼ねてもよい。
陽極としての第1導電層51は、発光層54から発光される光を透過し、有機層に正孔を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機EL素子40の用途や目的に応じて、公知の導電性材料から適宜選択することができる。第1導電層51の材料としては、仕事関数の大きい金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又は、これらの混合物を含むものが好ましい。その具体例としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、フッ素やアンチモン等をドープした酸化錫(FTO、ATO)、ガリウムやアルミニウム等をドープした酸化亜鉛(GZO、AZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、更にこれら金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物が挙げられる。
陰極としての第2導電層52は、有機層に電子を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、有機EL素子40の用途や目的に応じて、公知の導電性材料から適宜選択することができる。第2導電層52の材料としては、仕事関数の小さい金属、合金、金属酸化物、導電性化合物又はこれらの混合物を含むものが好ましい。具体例としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、金、銀、アルミニウム、リチウム、アルミニウム合金、銀合金等が挙げられ、これら2種以上を併用してもよい。
発光層54は、電界印加時に、ホール輸送層53から正孔を受け取り、且つ、第2導電層52から電子を受け取って、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。この機能を有していれば、有機EL素子40の用途や目的に応じて、公知の発光材料から適宜選択することができる。発光層54は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色であってもよい。
また、発光層54は、発光材料のみで構成されていてもよく、ホスト材料と発光性ドーパントの混合層としてもよい。発光性ドーパントは蛍光発光材料でも燐光性発光材料であってもよく、2種類以上であってもよい。前記発光性ドーパントの含有量は一般に0.1重量部〜50重量部であるが、耐久性、発光効率の観点から1質量部〜50質量部であることが好ましい。
ホール注入層及びホール輸送層53は、第1導電層51から正孔を受け取り、発光層54に正孔を輸送する機能を有する層である。この機能を有していれば、有機EL素子40の用途や目的に応じて、公知の材料から適宜選択することができる。具体例としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)及びポリアニオンポリ(スチレンスルホン酸塩)混合物(PEDOT−PSS)、ヘキサデカフルオロ銅フタロシアニン、酸化モリブデン、酸化タングステン、又はこれらの組み合わせ、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)又はN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)等の芳香族縮合環を有するアミン誘導体が挙げられる。
電子注入層及び電子輸送層55は、第2導電層52から電子を受け取り、発光層54に電子を輸送する機能を有する層である。この機能を有していれば、有機EL素子40の用途や目的に応じて、公知の材料から適宜選択することができる。具体例としては、トリス(8−キノリノレート)アルミニウム(Alq3)等のキノリン誘導体、TAZ、BAlq、LiF、NaCl、CsF、LiO、BaO等が挙げられる。
発光部5を構成する各層の形成方法としては、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、又はプラズマCVD等の化学的方式の中から材料の適性を考慮して適宜選択した方法を用いる事ができる。
また、各層のパターニング方法としては、例えば、フォトリソグラフィ等による化学的エッチング、レーザ等による物理的エッチング、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタする部分成膜、リフトオフ法、又は、印刷法を用いることができる。
以上のように半導体発光素子用積層体10を用いて有機EL素子40を製造することで、平坦化層13の表面粗さRaが10nm以下であり、うねりWaが10nm以上10000nm以下であることにより、電流集中による短絡を抑制し、有機EL素子40の長期安定性を向上すると共に、光取り出し効率を一層向上することにより、発光強度を一層高めることができる。
すなわち、有機EL素子40の短絡を抑制して有機EL素子40の信頼性を向上させるためには、有機EL素子40の積層方向に対する膜厚分布を小さくする必要がある。そのため、凹凸構造を充填する平坦化層13の表面は平滑な程好ましい。例えば、原子間力顕微鏡により求められる表面粗さRa(5μm×5μm)を用いると、Raは0nmに近い程好ましいが、概ねRa≦10nm以下が好ましく、Ra≦5nm以下がより好ましく、Ra≦2.5nm以下が最も好ましい。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら制限されるものではない。
<凹凸モールドの作製>
凹凸モールドの基材としては、φ50mm、0.5tの合成石英ガラスを用いた。合成石英ガラス表面にレジスト層を成膜し、レジスト層の表面に、半導体パルスレーザを用いた直接描画リソグラフィ法により凹凸構造を形成した。凹凸構造の種類は複数作製したが、以下、周期構造を有する凹凸構造について代表して記載する。
まず、合成石英ガラスの表面に、スパッタリング法によりレジスト層を25nmの膜厚で成膜した。スパッタリング法は、ターゲット(レジスト層)として、CuO(8atom%SiO含有)を用いて、RF100Wの電力で実施した。次に、レジスト層が成膜された合成石英ガラスを線速度v=1.0m/secで回転させながら、以下の条件で露光した。
露光用半導体レーザ波長:405nm
露光レーザパワー:4.5mW
ピッチ:500nm
上記操作により露光した後に、レジスト層を現像した。レジスト層の現像は、0.2wt%のグリシン水溶液を用いて、処理時間60秒の条件で実施した。次に、現像したレジスト層をマスクとし、ドライエッチングにより合成石英ガラスのエッチングを行った。ドライエッチングは、エッチングガスとしてSFを用い、処理ガス圧1Pa、処理電力300W、処理時間5分の条件で実施した。次に、表面に凹凸構造が付与された合成石英ガラスをpH1の硫酸で5分間処理することにより、残渣のレジスト層のみを剥離して凹凸モールド(転写用モールド)を作製した。
得られた凹凸モールドを下記走査型電子顕微鏡で観察したところ、複数の凹部が、断面形状がφ250nmの円形状、凹部深さが800nm、及び、ピッチ500nmの周期構造で形成されていた。
(走査型電子顕微鏡)
装置;HITACHI s−5500
加速電圧;10kV
MODE;Normal
得られた凹凸モールドに対し、デュラサーフHD−1101Z(ダイキン化学工業社製)を塗布し、60℃で1時間加熱後、室温で24時間静置、固定化した。その後、デュラサーフHD−ZV(ダイキン化学工業社製)で3回洗浄し、離型処理を施した。
<実施例1>
(凹凸構造付き基材の作製)
次に、基材本体として、幅50mmのポリエチレンナフタレート(以下、PENと記す)フィルムを用意した。PENフィルムの表面について、50μm×50μm範囲でのうねりWaを測定したところ、50μm長さのうねり曲線において、200nmであった。PENフィルム上に、プロピレングリコールモノメチルエーテルにて希釈した下記材料(1)をバーコート法により塗工した。なお、PENフィルムの両面上は、バリア層として、予めSi層(100nm)をCVDにより成膜したものを用いた。塗工膜厚は溶剤揮発後の固形分膜厚が1000nmになるように設定した。
塗工後、室温下にて2分間乾燥させ、PENフィルム上の下記材料(1)を塗工した面に凹凸モールドを0.01Mpaの圧力下で貼合した。続いて、凹凸モールド側から積算光量1000mJ/cmのUV光を照射し、105℃で2分加熱後に、PENフィルムを剥離した。剥離後、UV硬化性樹脂からなる凹凸構造層が表面に形成されたPENフィルム(以下、凹凸構造付きPENフィルムと記す)を200℃で30分間真空下にて加熱した。
材料(1)…3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、KBM−5103):トリシクロデカンジメチルジアクリレート:フッ素系添加材(ダイキン工業社製 OPTOOL DAC HP)=20g:80g:5gを混合し、80℃の雰囲気下にて部分的に重縮合を行った材料100重量部に、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製 Irgacure(登録商標)184)を2重量部添加した材料。
(面精度向上部材の作製)
まず、2インチφのシリコンウェハを用意した。シリコンウェハの表面をUV−Oにて15分間処理した。次に、デュラサーフHD−1101Z(ダイキン化学工業社製)をスピンコート法により成膜し、25℃、湿度50%の雰囲気中で12時間静置した。その後、希釈剤デュラサーフHD−ZV(ダイキン化学工業社製)を用い、スピンコート洗浄を3回行った。このように表面処理したシリコンウェハを面精度向上部材とした。原子間力顕微鏡で表面粗さRaを測定したところ0.2nmであった。
(未硬化状態の平坦化層の形成)
凹凸構造付きPENフィルムの表面に、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びメチルイソブチルケトンにて希釈した下記材料(2)をバーコート法にて塗工した。塗工後、室温(25℃)にて1分間静置し、その後80℃にて30秒加熱した。
材料(2)…チタンテトラブトキシド:ジエトキシジフェニルシラン:テトラエトキシシラン:末端OH変性シリコーン(信越シリコーン社製 X21−5841):フェニル変性シリコーン(東レ・ダウコーニング社製 SH710)=65g:22.4g:4.2g:4.2g:4.2gで混合した材料に、3.25%にエタノールで希釈した水を2260μl撹拌しながら滴下し、80℃の雰囲気下にて、重縮合を促進させた材料。
(平坦化層の形成)
次に、凹凸構造付きPENフィルムの、上記材料(2)の塗工された面上に、面精度向上部材としての、上述の表面処理されたシリコンウェハの被処理面を配置し、0.01Mpaの圧力で押圧して、貼合した。これと同時に、PENフィルム面側からUV光を積算光量1000mJ/cmになるように照射した。UV照射後、シリコンウェハを除去し、実施例1の半導体発光素子用積層体として、凹凸構造層及び硬化した平坦化層を有するPENフィルムを得た。
得られたPENフィルム上の平坦化層の面精度を以下のように評価した。表面粗さRaは、原子間力顕微鏡により5μm×5μmの範囲を測定したところ、Raとして1.2nmであった。
一方、50μm×50μm範囲での平坦化層のうねりWaを測定したところ、50μm長さのうねり曲線において、200nmであった。
この結果から、平坦化層の表面には、面精度向上部材としての表面処理されたシリコンウェハの表面粗さRaと、基材本体としてのPENフィルムの表面のうねりWaと、が反映されていることが確認された。
<比較例1>
未硬化状態の平坦化層を形成した後に、表面処理されたシリコンウェハを貼合しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1の半導体発光素子用積層体を得た。
得られたPENフィルム上の平坦化層の面精度を実施例1と同様に評価した。表面粗さRaは15nm程度であった。また、平坦化層のうねりWaは、50μm長さのうねり曲線において8nmであった。
<比較例2>
表面処理されたシリコンウェハを貼合するかわりに、表面粗さRaが8.9nm、うねりWaが12000nmのPETフィルムを貼合した以外は実施例1と同様して、比較例2の半導体発光素子用積層体を得た。
得られたPENフィルム上の平坦化層の面精度を実施例1と同様に評価した。表面粗さRaは9.5nmであった。また、平坦化層のうねりWaは、50μm長さのうねり曲線において11000nmであった。
<有機EL素子の作製>
実施例1及び比較例1、2に係る半導体発光素子用積層体を用いて下記の条件で有機EL素子を作製し、作製した有機EL素子について評価した。
平坦化層の表面上に、陽極、ホール輸送層、発光層兼電子輸送層、陰極の順に積層してボトムエミッション型有機EL素子を作製した。各層の材料、膜厚、及び成膜方法を以下に示す。発光面積は2mm×2mmとなるように各層をマスク成膜にてパターニングを施し、1つの有機EL素子の中に発光部が4箇所となるようにした。また、下記成膜後に乾燥材を入れ、封止処理を施した。
(1)陽極:ITO 130nm スパッタリング
(2)ホール輸送層:N,N’−diphenyl−N,N’−bis(1−naphtyl)−(1,1’−biphenyl)−(4,4’−diamine)(NPB) 60nm 真空蒸着
(3)発光層兼電子輸送層:Tris−(8−hydroxyquinoline)aluminum(Alq3) 40nm 真空蒸着
(4)陰極:Al 100nm 真空蒸着
実施例1に係る半導体発光素子用積層体を用いた有機EL素子では4箇所すべてが発光していた。
これに対して、比較例1に係る半導体発光素子用積層体を用いた有機EL素子では4箇所中、3箇所しか発光していなかった。これは、比較例1では、平坦化層の表面粗さRaが15nm程度であったため、表面粗さRaの要因となっている平坦化層の凹凸部に起因して有機EL素子の各層の膜厚に変動が生じ、この結果、電流集中によって短絡してしまったためと考えられる。
一方、比較例2に係る半導体発光素子用積層体を用いた有機EL素子では、4箇所中、1箇所しか発光していなかった。これは、比較例2では、平坦化層の表面粗さRaは10nm以下であるが、表面のうねりWaが10000nm以上であったため、平坦化層のうねり起因による凹凸によって有機EL素子の膜厚が不連続となってしまい電流が短絡してしまったためと考えられる。
比較例1の有機EL素子と比較し、実施例1の有機EL素子の発光強度は、1.1倍であった。これは、比較例1及び実施例1の両方ともに所定の構造と屈折率の関係を満たすことにより、平坦化層内部を伝搬する導波モード由来の発光光を取り出せたためと考えられる。更に、実施例1では平坦化層の表面のうねりWaに由来する散乱によって光取り出し効率がより一層向上したと考えられる。
また、有機EL素子を作製してから1週間経過後に再度発光強度を確認した。実施例1の有機EL素子の発光強度はほとんど変化していなかった。これに対し、比較例1の有機EL素子では発光強度が半分程度に低下していた。この結果は、実施例1の半導体発光素子用積層体を用いることにより、長期信頼性の高い有機EL素子を製造できることを示している。
<実施例2>
表面のうねりWaが、50μm長さのうねり曲線において300nmであるPETフィルムの表面上に、下記材料(3)をバーコート法により塗布した。次に、材料(3)が塗布されたPETフィルムに、実施例1で作製した、表面処理されたシリコンウェハを貼り合せた。その後、PETフィルム側から紫外線を照射し硬化させ、シリコンウェハを剥離し、面精度向上部材を作製した。
材料(3)フッ素系添加材(ダイキン工業社製 OPTOOL DAC HP)、トリメチロールプロパン(EO変性)トリアクリレート(東亞合成社製 M350)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製 Irgacure(登録商標)184)及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(BASF社製 Irgacure(登録商標)369)を重量部で15:100:5.5:2.0の割合で混合した材料。
作製した面精度向上部材の面精度を以下のように評価した。表面粗さRaは、原子間力顕微鏡により5μm×5μmの範囲を測定したところ、Raとして1.2nmであった。
一方、50μm×50μm範囲でのうねりWaを測定したところ、50μm長さのうねり曲線において、300nmであった。
この結果から、面精度向上部材の表面には、表面処理されたシリコンウェハの表面粗さRaと、PETフィルムのうねりWaと、が反映されていることが確認された。
上述のように作成した面精度向上部材を用いて、実施例1と同様に、未硬化状態の平坦化層の形成及び平坦化層の形成を行った。
得られた凹凸構造付きPENフィルム上の平坦化層の面精度を以下のように評価した。表面粗さRaは、原子間力顕微鏡により5μm×5μmの範囲を測定したところ、Raとして1.2nmであった。
一方、50μm×50μm範囲での平坦化層のうねりWaを測定したところ、50μm長さのうねり曲線において、300nmであった。
この結果から、平坦化層の表面には、面精度向上部材の表面粗さRaと表面のうねりWaとが反映されていることが確認された。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、半導体発光素子用積層体及び半導体発光素子の製造方法は、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
本発明は、長期安定性に優れ、且つ、発光強度の高い半導体発光素子、特に有機EL素子の製造に適用することができる。
5 発光部
10 半導体発光素子用積層体
11 基材本体
12 凹凸構造層
13 平坦化層
14 基材
15 第1の積層体
16 第2の積層体
17 面精度向上部材
18 第3の積層体
21 凹凸部
31 被転写層
32 未硬化状態の平坦化層
40 有機EL素子
51 第1導電層
52 第2導電層
53 ホール輸送層
54 発光層
55 電子輸送層

Claims (12)

  1. 表面に複数の凸部又は凹部で構成された凹凸構造が設けられた基材と、
    前記凹凸構造上に前記複数の凸部又は凹部を覆うように設けられ、表面粗さRaが10nm以下であり、且つ、表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下である平坦化層と、
    を具備することを特徴とする半導体発光素子用積層体。
  2. 前記基材は、基材本体と、前記基材本体の表面に設けられた凹凸構造層と、を具備することを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子用積層体。
  3. 前記基材は、基材本体の表面に前記凹凸構造を直接形成したものであることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子用積層体。
  4. 前記基材本体がガラスであることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の半導体発光素子用積層体。
  5. 前記基材本体が可撓性基材であることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の半導体発光素子用積層体。
  6. 前記凹凸構造を構成する前記複数の凸部又は凹部のピッチ及び幅が10nm以上5000nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の半導体発光素子用積層体。
  7. 表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下である基材本体を用意する工程と、
    前記基材本体の表面に複数の凸部又は凹部で構成された凹凸構造を形成する工程と、
    前記凹凸構造上に前記複数の凸部又は凹部を覆うように未硬化状態の平坦化層を形成し、第1の積層体を得る工程と、
    前記第1の積層体の前記未硬化状態の平坦化層の表面に、表面粗さRaが10nm以下である面精度向上部材を貼合し、第2の積層体を得る工程と、
    前記第2の積層体の前記平坦化層を硬化させ、第3の積層体を得る工程と、
    前記第3の積層体から前記面精度向上部材を剥離し、半導体発光素子用積層体を得る工程と、
    を具備することを特徴とする半導体発光素子用積層体の製造方法。
  8. 前記基材本体がフィルムであり、且つ、前記面精度向上部材が平板状部材であることを特徴とする請求項7記載の半導体発光素子用積層体の製造方法。
  9. 表面に複数の凸部又は凹部で構成された凹凸構造が設けられた基材を用意する工程と、
    前記基材の前記凹凸構造上に前記複数の凸部又は凹部を覆うように未硬化状態の平坦化層を形成し、第1の積層体を得る工程と、
    前記第1の積層体の前記未硬化状態の平坦化層の表面に、表面粗さRaが10nm以下であり、且つ、表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下である面精度向上部材を貼合し、第2の積層体を得る工程と、
    前記第2の積層体の前記平坦化層を硬化させ、第3の積層体を得る工程と、
    前記第3の積層体から前記面精度向上部材を剥離し、半導体発光素子用積層体を得る工程と、
    を具備することを特徴とする半導体発光素子用積層体の製造方法。
  10. 前記面精度向上部材が、表面のうねりWaが10nm以上10000nm以下であるフィルムの表面に、表面粗さRaが10nm以下である平板状部材から転写樹脂を用いて表面形状を転写することによって作製されたものであることを特徴とする請求項9記載の半導体発光素子用積層体の製造方法。
  11. 前記転写樹脂がフッ素を含有することを特徴とする請求項10記載の半導体発光素子用積層体の製造方法。
  12. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の半導体発光素子用積層体の平坦化層上に発光部を設けたことを特徴とする半導体発光素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016195162A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 株式会社神戸製鋼所 金属基板
JPWO2016208237A1 (ja) * 2015-06-24 2018-04-12 コニカミノルタ株式会社 ガスバリアフィルム、透明導電部材、及び、有機エレクトロルミネッセンス素子、並びに、ガスバリアフィルムの製造方法、透明導電部材の製造方法、及び、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
CN113424315A (zh) * 2019-02-14 2021-09-21 首尔伟傲世有限公司 显示用发光元件转印方法及显示装置

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