JP2015011009A - 角速度変動発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】十字軸式自在継手3a、3bの作動角α、βを過度に大きくしなくても、各種被検査物の入力部の回転変動を十分に大きくできる角速度変動発生装置を実現する。
【解決手段】3本のトルク伝達軸24a、24b、24cと、2個の十字軸式自在継手3a、3bとをトルクの伝達方向に関して互いに直列に結合すると共に、これら両十字軸式自在継手3a、3bを構成する入力側ヨーク4A、4A同士(出力側ヨーク4B、4B同士)の間の回転方向に関する位相を互いに一致させる。
【選択図】図1

Description

この発明の対象となる角速度変動発生装置は、駆動軸を一定速度で回転させる、例えば電動モータの如き動力源により回転駆動される出力軸の角速度を正弦波状に変動させるもので、例えばオルタネータやコンプレッサ等の各種自動車用補機の各種性能を試験する為の試験装置に組み込んだ状態で使用する。
オルタネータやコンプレッサ等の各種自動車用補機は、自動車の走行駆動用のエンジンを動力源として、無端ベルトを介して駆動する場合が多い。又、自動車の走行駆動用のエンジンの出力軸(クランク軸)は、電動モータの出力軸に比べて回転安定性が劣る。例えばディーゼルエンジン或いは直噴式のガソリンエンジンの場合には、出力軸の回転角速度が、無視できない程度の大きさで、周期的(正弦波状)に変化する。従って、前記各種自動車用補機の回転軸(入力軸)の回転角速度も周期的(正弦波状)に変化する。この様な変化は、これら各種自動車用補機の効率、耐久性等の各種性能に悪影響を及ぼすだけでなく、これら各種自動車用補機の駆動機構を構成する前記無端ベルト、及びこの無端ベルトを掛け渡すプーリの耐久性にも悪影響を及ぼす。従って、所望の性能を発揮できる各種自動車用補機及びその駆動機構の設計を行う為には、駆動軸の回転角速度を精度良く制御可能で、且つ、前記各種自動車用補機の入力軸を、回転角速度を周期的(正弦波状)に変動させつつ回転駆動できる試験装置が必要になる。
この様な試験装置として、特許文献1に記載されている様に、十字軸式自在継手(カルダンジョイント)の不等速性を利用して、等速回転する電動モータの駆動軸の回転角速度を正弦波状に変化させてから取り出せる様にした、回転変動試験機が知られている。図4〜5は、前記特許文献1に記載された回転変動試験機を示している。この回転変動試験機は、本発明と同様に、十字軸式自在継手の不等速性を利用して、等速回転する電動モータの駆動軸の回転速度を正弦波状に変化させる角速度変動発生装置を備える。この角速度変動発生装置は、1対のトルク伝達軸1、2と、十字軸式自在継手3とを備える。この十字軸式自在継手3は、自動車用ステアリング装置、プロペラシャフトの端部等、自動車の駆動系等に広く使用されているもので、例えば特許文献2に記載されている様に、図6〜7に示す様な構造を有する。この図6〜7に示した十字軸式自在継手3は、それぞれが金属板製である1対のヨーク4a、4bと、十字軸5とを備える。これら両ヨーク4a、4bはそれぞれ、基部6a、6bと、これら両基部6a、6bの軸方向一端縁(互いに対向する端縁)から延出した、前記両ヨーク4a、4b毎に1対ずつの結合腕部7、7とを備える。
これら各結合腕部7、7は、前記両基部6a、6bの軸方向一端部で径方向反対側となる2個所位置から、これら両基部6a、6bの軸方向に延出しており、互いの内側面同士を対向させている。又、前記各結合腕部7、7の先端寄り部分には、互いに同心の円孔8、8を形成している。
又、前記十字軸5は、この十字軸5を構成する十字に交わる状態で設けられた2本の軸部9a、9bのうち、一方の軸部9aの両端部を、前記一方のヨーク4aの結合腕部7、7の先端寄り部分に形成した円孔8、8の内側に枢支すると共に、同じく他方の軸部9bの両端部を、前記他方のヨーク4bの結合腕部7、7の先端寄り部分に形成した円孔8、8の内側に枢支している。この為に、図7に示す様に、前記各円孔8、8の内側にそれぞれ、ラジアルニードル軸受等の転がり軸受10を介して、前記十字軸5の端部を回転自在に支持している。より具体的には、その内周面に複数のニードル11、11を転動自在に保持した、前記転がり軸受10の外輪として機能する軸受カップ12を圧入固定すると共に、前記各ニードル11、11の径方向内側に前記十字軸5の4箇所の端部を挿入している。
上述の様に構成する十字軸式自在継手3を組み込んだ、前記回転変動試験機は、この十字軸式自在継手3を構成する前記両ヨーク4a、4bのうちの一方(図4〜5の左方)のヨーク4aを、駆動源である電動モータ13により、前記トルク伝達軸1を介して所定方向に、一定の角速度で回転駆動する。又、他方(図4〜5の右方)のヨーク4bの基部に、前記トルク伝達軸2の基端部(図4〜5の左端部)を結合固定し、このトルク伝達軸2の先端部(図4〜5の右端部)により、被検査物である前記各種自動車用補機、前記無端ベルト、及びこの無端ベルトを掛け渡す前記プーリ等を駆動可能としている。前記電動モータ13を載置したテーブル14は、円弧状のガイドレール15に沿って、前記十字軸式自在継手3の変位中心(前記十字軸5の軸部9a、9bのうちの一方の軸部9aの中心)を通る鉛直軸を中心として揺動変位可能であり、この揺動変位に伴って、前記十字軸式自在継手3の作動角(ジョイント角=前記両ヨーク4a、4bの中心軸同士の傾斜角度)を変更可能にしている。そこで、前記テーブル14を、図5に示した中立位置から、この図5の上方又は下方に移動させ、前記十字軸式自在継手3に作動角を持たせた状態で前記電動モータ13により、前記トルク伝達軸1、この十字軸式自在継手3を介して前記トルク伝達軸2を回転駆動すれば、このトルク伝達軸2を不等速で回転させて、前記各種被検査物の検査を行える。
上述の様に、前記十字軸式自在継手3に作動角を付与した状態で、1対のトルク伝達軸1、2同士の間でトルクを伝達する事により、等速回転運動が不等速回転運動(周期的な回転運動)に変換できる点に就いて、図8を参照しつつ説明する。この図8の(A)に示す様に、それぞれがトルク伝達軸であり、互いの端部同士を十字軸式自在継手3によりトルクの伝達を可能に連結した入力軸16の中心軸O16と出力軸17の中心軸O16とが角度α分傾斜しており、前記十字軸式自在継手3の作動角(ジョイント角)がαである場合に就いて説明する。
この様な条件で前記入力軸16を、角速度ωAで前記中心軸O16を中心に回転させると、前記出力軸17が中心軸O17を中心に角速度ωBで回転する。前記入力軸16を前記中心軸O16を中心にθだけ回転させた場合に於ける、これら入力軸16の角速度ωAと出力軸17の角速度ωBとの関係は、次の(1)式の通りである。
ωB={cosα/(1−sinθ・sinα)}ωA −−−(1)
そして、前記入力軸17の回転角速度ωAを一定とした場合に、前記入力軸16の角速度ωAと前記出力軸17の角速度ωBとの関係は、図8の(B)に示す様になる。この図8の(B)は、前記入力軸16の角速度ωAが、実線aで示す様に一定の場合に、前記出力軸17の角速度ωBが破線bで示す様に、正弦波状に変動する事を表している。この様な図8の(B)から明らかな通り、前記特許文献1に記載された回転変動試験機によれば、駆動源である電動モータ13により、入力側のトルク伝達軸1を一定の角速度で回転駆動する事で、出力側であるトルク伝達軸2を不等速で回転させて、前記無端ベルトや前記プーリ等の、各種被検査物の検査を行える。
これら各種被検査物の検査に要求される条件によっては、これら各種被検査物の入力部の回転変動を大きくする必要がある。具体的には、前記図8の(B)に示した、前記出力軸17の角速度ωBの振幅を大きくする必要がある。前記(1)式から分かる様に、前記十字軸式自在継手3の作動角αを大きくすれば、前記角速度ωBの振幅を大きくできる。但し、前記図6〜7から分かる様に、前記十字軸式自在継手3の作動角αを大きくすると、この十字軸式自在継手3のヨーク4a、4bを構成する各結合腕部7、7の端縁同士が当接し合う等、これら両ヨーク4a、4b同士が干渉し合い、前記十字軸式自在継手3によるトルク伝達を行えなくなる。
特開昭63−281036号公報 特開2012−193863号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、十字軸式自在継手の作動角を過度に大きくしなくても、各種被検査物の入力部の回転変動を十分に大きくできる角速度変動発生装置を実現すべく発明したものである。
本発明の角速度変動発生装置は、前述の図4〜5に記載した回転変動試験機に組み込まれている角速度変動発生装置と同様に、トルク伝達軸の端部を、別のトルク伝達軸の端部に、十字軸式自在継手を介し、この別のトルク伝達軸に対し傾斜した状態で、且つ、これら両トルク伝達軸同士の間でトルクの伝達を可能に結合する事で構成している。又、前記十字軸式自在継手は、入力側、出力側両ヨークと、十字軸とを備える。
このうちの入力側、出力側両ヨークはそれぞれ、基部と、1対の結合腕部と、1対の円孔とを備える。このうちの基部は、前記両トルク伝達軸のうちの何れか一方のトルク伝達軸の端部を結合固定している。又、前記両結合腕部は、この基部の軸方向一端縁のうちで、この一方のトルク伝達軸に関する直径方向反対側2箇所位置から軸方向に延出している。又、前記両円孔は、これら両結合腕部の先端部に互いに同心に形成している。
又、前記十字軸は、中心軸同士が互いに直交する状態で設けられた2本の軸部を備える。
そして、前記両軸部の端部をそれぞれ、前記入力側、出力側両ヨークに設けた前記各円孔の内側に、軸受を介して回転自在に支持している。
特に、本発明の角速度変動発生装置に於いては、3本以上のトルク伝達軸と、2個以上の十字軸式自在継手とをトルクの伝達方向に関して互いに直列に結合すると共に、これら各十字軸式自在継手を構成する前記入力側ヨークの回転方向に関する位相を互いに一致させている。
上述の様に構成する本発明の角速度変動発生装置によれば、十字軸式自在継手3の作動角を過度に大きくしなくても、各種被検査物の入力部の回転変動を十分に大きくできる。この為、例えば電動モータ等の駆動軸の回転角速度を精度良く制御可能な駆動源により、入力側のトルク伝達軸を一定の角速度で回転させる事により、出力側であるトルク伝達軸を不等速で(周期的に)しかも回転角速度の振幅を大きくした状態で回転させて、前記無端ベルトや前記プーリ等の、各種被検査物の検査を行える回転変動試験機を実現できる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、角速度変動発生装置を組み込んだ回転変動試験機の部分横断略平面図。 同じく角速度変動発生装置の構造を模式的に示す部分略平面図(A)と、入力側のトルク伝達軸の回転角速度と出力側のトルク伝達軸の回転角速度との関係を示す線図(B)。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図1と同様の図。 従来構造の角速度変動発生装置を組み込んだ回転変動試験機の略側面図。 同じく略平面図。 従来から知られている十字軸式自在継手の1例を示す側面図。 一部を切断して図6の上方から見た図。 従来の角速度変動発生装置の構造を模式的に示す部分略平面図(A)と、入力側のトルク伝達軸の回転角速度と出力側のトルク伝達軸の回転角速度との関係を示す線図(B)。
[実施の形態の第1例]
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例として、本発明の角速度変動発生装置23を組み込んだ回転変動試験機18を示している。この回転変動試験機18は、電動モータ13を駆動源とし、出力軸17により、被検査物であるプーリ19a、19b、無端ベルト20、オルタネータの如き自動車用補機21を回転駆動する様に構成している。そして、前記電動モータ13の駆動軸22と前記出力軸17との間に、前記角速度変動発生装置23を組み込んで、この駆動軸22が、図2の(B)に実線aで示す様に、一定の回転角速度ωAで回転する場合に、前記出力軸17の回転角速度ωCが、図2の(B)に鎖線cで示す様に、大きく変動する様にしている。
本例の場合、前記角速度変動発生装置23は、3本のトルク伝達軸24a、24b、24cと、2個の十字軸式自在継手3a、3bとを備え、これら各トルク伝達軸24a、24b、24cと、これら両十字軸式自在継手3a、3bとをトルクの伝達方向に関して直列に結合している。即ち、これら両十字軸式自在継手3a、3bのうち、一方(図1の右方)の自在継手3aを構成する入力側、出力側両ヨーク4A、4Bのうちの入力側ヨーク4A(図1の右側)に、前記各トルク伝達軸24a、24b、24cのうちの第一のトルク伝達軸24aを前記入力側ヨーク4Aと同軸に、同じく出力側ヨーク4B(図1の左側)に、第二のトルク伝達軸24bの端部をこの出力側ヨーク4Bと同軸に、それぞれ結合固定している。又、前記両十字軸式自在継手3a、3bのうち、他方(図1の左方)の自在継手3bを構成する入力側、出力側両ヨーク4A、4Bのうちの入力側ヨーク4Aに、前記第二のトルク伝達軸24bの端部をこの入力側ヨーク4Aと同軸に、同じく出力側4Bに、第三のトルク伝達軸24cの端部をこの出力側ヨーク4Bと同軸に、それぞれ結合固定している。そして、前記第一のトルク伝達軸24a(入力軸16a)と前記第三のトルク伝達軸24c(出力軸17)とを、互いの回転中心軸O、Oを互いに平行に配置した状態で、前記回転変動試験機18のフレームに対し、ラジアルニードル軸受等の、ラジアル荷重を支承できるが、軸方向に変位可能な軸受25、25により、回転可能に支持している。
この状態で、前記両十字軸式在継手3a、3bの回転方向に関する位相を互いに一致させている。即ち、前記各トルク伝達軸24a、24b、24cの回転角度(回転方向に関する位相)に拘らず、前記両十字軸式在継手3a、3bを構成する入力側ヨーク4A、4A同士(出力側ヨーク4B、4B同士)の間の回転方向に関する位相が互いに一致する様に、これら入力側、出力側各ヨーク4A、4Bの基部と、前記各トルク伝達軸24a、24b、24cの一端部(互いに対向する側の端部)との結合部の位相を調節している。
上述の様な角速度変動発生装置23を組み込んで前記回転変動試験機18を構成する為に、この角速度変動発生装置23を構成する前記各トルク伝達軸24a、24b、24cのうちの第一のトルク伝達軸24a(入力軸16a)を、前記電動モータ13の駆動軸22により、駆動プーリ26と従動プーリ27と無端ベルト28とを介して、等速で(角速度を一定にした状態で)回転駆動する様にしている。一方、前記第三のトルク伝達軸24c(出力軸17)の回転を、1対のプーリ19a、19bと無端ベルト20とにより、自動車用補機21の入力軸に伝達し、この自動車用補機21を回転駆動する様にしている。尚、前記両プーリ19a、19bと、無端ベルト20と、自動車用補機21とのうちの1乃至複数の部材が、前記回転変動試験機18による試験を施すべき被検査物品である。
上述の様に構成する本例の角速度変動発生装置23を組み込んだ回転変動試験機によれば、前記両十字軸式自在継手3a、3bの作動角α、βを大きくしなくても、前記各被検査物品の入力部の回転変動を大きくできる。この点に就いて、図2を参照しつつ説明する。前記両十字軸式自在継手3a、3bの作動角をそれぞれα、βとした状態で前記入力軸16a(第一のトルク伝達軸24a)を、角速度ωAで中心軸O16を中心に回転させると、前記第二のトルク伝達軸24bが、中心軸O24bを中心に角速度ωBで回転する。前記入力軸16を前記中心軸O16を中心にθ分だけ回転させた場合、これら入力軸16の角速度ωAと第二のトルク伝達軸24bの角速度ωBとの関係は、前述の従来構造に就いて図8により説明した様に、次の(1)式の通りである。
ωB={cosα/(1−sinθ・sinα)}ωA −−−(1)
更に、前記第二のトルク伝達軸24bが角速度ωBで回転した場合、この第二のトルク伝達軸24bの角速度ωBと前記第三のトルク伝達軸24cの角速度ωCとの関係は、次の(2)式の通りである。
ωC={cosβ/(1−sinθ・sinβ)}ωB −−−(2)
この(2)式で表した、前記第二のトルク伝達軸24bの従動側に設けられた十字軸式自在継手3bによる角速度変動は、この第二のトルク伝達軸24bの駆動側に設けられ、前記(1)式で表した、前記十字軸式自在継手3aによる角速度変動に重畳された状態で、前記第三のトルク伝達軸24cに伝達される。従って、前記第一のトルク伝達軸24a(入力軸16a)の角速度ωAと、前記第三のトルク伝達軸24b(出力軸17)の角速度ωCとの関係は、次の(3)式の通りである。
ωC={cosα/(1−sinθ・sinα)}ωA×{cosβ/(1−sinθ・sinβ)}ωB −−−(3)
図2の(B)は、前記第一のトルク伝達軸24a(入力軸16a)の角速度ωAと、前記第二のトルク伝達軸24bの角速度ωBと、前記第三の伝達軸24c(出力軸17)の角速度ωCとの関係を示している。前記第一のトルク伝達軸24aが、図2の(B)に実線aで示す様に、一定の角速度ωAで回転すると、前記第二のトルク伝達軸24bは、同じく破線bに示す様に、多少の変動を有する角速度ωBで回転し、更に、前記第三のトルク伝達軸24cは、図2の(C)に鎖線cで示す様に、大きな変動を有する角速度ωCで回転する。尚、図2の(B)の実線a及び破線bは、前述の従来構造の場合を示す、図8の(B)の実線a及び破線bと同じである。
上述の様な図2の(B)の記載から明らかな通り、本例の角速度変動発生装置23を組み込んだ回転変動試験機18によれば、十字軸式自在継手3a、3bの作動角α、βを過度に大きくしなくても、前記電動モータ13の駆動軸22を一定の角速度ωAで回転させた状態のまま、前記第三のトルク伝達軸24c(出力軸17)を不等速でしかも回転角速度ωCの振幅を十分に大きくした状態で回転させられる。この結果、前記無端ベルト20や前記プーリ19a、19b、更には自動車用補機21等の、各種被検査物の検査を、これら各種被検査物に応じた条件で適切に行える。
[実施の形態の第2例]
図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の回転変動試験機18aの場合には、上述した実施の形態の第1例の回転変動試験機18に組み込んだ角速度変動発生装置23と同様の構成を有する角速度変動発生装置23a、23bを2組、駆動源である電動モータ13の駆動軸22と、被検査物である自動車用補機21の回転軸に固定したプーリ19bとの間に、トルクの伝達方向に関して、互いに直列に組み付けている。この様な本例の回転変動試験機18aの場合には、途中に4組の十字軸式自在継手3a、3b、3c、3dを設けており、これら各十字軸式自在継手3a、3b、3c、3dの回転方向に関する位相を互いに一致させている。本例の場合、この様に、途中に4組の十字軸式自在継手3a、3b、3c、3dを設け、これら各十字軸式自在継手3a、3b、3c、3dの回転方向に関する位相を互いに一致させている為、上述した実施の既知の第1例よりも大きな(前記各十字軸式自在継手3a、3b、3c、3dの作動角を同じとした場合に、凡そ2倍の)角速度変動を得られる。従って、各種被検査物の検査に関して、より広範囲の要求に対応できる。
尚、本例の場合には、一方の角速度変動発生装置23aの一端から他端に伝達したトルクを、1対のプーリ29a、29bと無端ベルト30とにより、他方の角速度変動発生装置18bの他端に伝達し、この他方の角速度変動発生装置23bを他端から一端にトルクを伝達する様にして、前記回転変動試験機18aの、図3の左右方向に関する幅寸法寸法が嵩まない様にしつつ、前記大きな(前記各十字軸式自在継手3a、3b、3c、3dの作動角を同じとした場合に、凡そ2倍の)角速度変動を得られる様にしている。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、重複する説明は省略する。
本発明の角速度変動発生装置は、駆動軸を一定速度で回転させる、例えば電動モータの如き動力源により回転駆動される出力軸の角速度を正弦波状に変動させるもので、例えばオルタネータやコンプレッサ等の各種自動車用補機の各種性能を試験する為の試験装置に組み込んだ状態で使用する事が一般的であるが、遊園地に設ける各種遊具の駆動源の如き特殊な駆動装置等、試験装置以外の用途にも適用可能である。
1 トルク伝達軸
2 トルク伝達軸
3a〜3d 十字軸式自在継手
4a、4b ヨーク
4A 入力側ヨーク
4B 出力側ヨーク
5 十字軸
6a、6b 基部
7 結合腕部
8 円孔
9a、9b 軸部
10 転がり軸受
11 ニードル
12 軸受カップ
13 電動モータ
14 テーブル
15 ガイドレール
16、16a 入力軸
17 出力軸
18、18a、18b 回転変動試験機
19a、19b プーリ
20 無端ベルト
21 自動車用補機
22 駆動軸
23、23a、23b 角速度変動発生装置
24a 第一のトルク伝達軸
24b 第二のトルク伝達軸
24c 第三のトルク伝達軸
25 軸受
26 駆動プーリ
27 従動プーリ
28 無端ベルト
29a、29b プーリ
30 無端ベルト

Claims (1)

  1. トルク伝達軸の端部を別のトルク伝達軸に、十字軸式自在継手を介し、この別のトルク伝達軸に対し傾斜した状態で、且つ、これら両トルク伝達軸同士の間でトルクの伝達を可能に結合して成るものであって、
    前記十字軸式自在継手は、それぞれの基部に前記両トルク伝達軸のうちの何れか一方のトルク伝達軸の端部を結合固定した入力側、出力側両ヨークと、これら入力側、出力側両ヨーク同士を揺動変位自在に結合する十字軸とを備え、これら入力側、出力側両ヨークはそれぞれ、前記トルク伝達軸の端部を結合固定する為の基部と、この基部の軸方向一端縁のうちで、このトルク伝達軸に関する直径方向反対側2箇所位置から軸方向に延出した1対の結合腕部と、これら両結合腕部の先端部に互いに同心に形成された1対の円孔とを備えたものであり、前記十字軸は、中心軸同士が互いに直交する状態で設けられた2本の軸部を備えたものであり、これら両軸部の端部がそれぞれ、前記入力側、出力側両ヨークに設けた前記各円孔の内側に、軸受を介して回転自在に支持されているものである角速度変動発生装置に於いて、
    3本以上のトルク伝達軸と、2個以上の十字軸式自在継手とをトルクの伝達方向に関して互いに直列に結合すると共に、これら各十字軸式自在継手を構成する入力側ヨークの回転方向に関する位相を互いに一致させている事を特徴とする角速度変動発生装置。
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